魔王「武闘家ABCDが現れた!」 (18)


武闘家A「半年ぶりだな、魔王!今度こそ、貴様を打倒してくれる!」


武闘家B「がははははは、なんだ俺たちはこんな優男に負けたって言うのか?強くなった今となっては信じられないぜ!」


武闘家C「ひひひゆ勇者ぁ、はは……はやく殺そうぜぇぇええええええ」


武闘家D「ほっほっほ、落ち着くのじゃ武闘家C。久方ぶりじゃのう魔王」


魔王「」

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~~~回想 半年前~~~


魔王「なんと他愛のない。勇者一行と言ってもこんなものか」


若い男「くっ……みんな無事か!?」


大男「」


目つきの鋭い男「」


老人「か、かろうじてな……」


魔王「まさか我が闇魔法に10秒すら耐えきれぬとは思いもしなかったぞ」


魔王「女神の祝福を受けた勇者が率いる勇者、賢者、戦士、魔法使いの最強パーティーだと聞いたから、楽しみにしておったというのに」


若い男「そ、そんなこと言ったて俺たちは国を旅立ったばかりなんだ!だいたい、旅の序盤に魔王自ら急襲してくるなんて卑怯だぞ!」


老人「そうじゃそうじゃ!こういうのって普通、勇者のライバル的キャラになる魔王軍幹部ぐらいの奴が来るもんじゃろ!」



魔王「王道なぞ知ったものか!」


魔王「しかし……参ったな。なんだか弱い者いじめをしている気分でトドメを刺す気も失せてしもうたわ」


若い男「……くっ」


老人「ちくしょう……」


魔王「まあ、その気があるなら旅を続けるがよい。魔王城まで辿り着けたあかつきには、今度こそトドメを刺してやろう」


魔王「ではサラバだ勇者一行!ふははははははっははははは!!!」


若い男「覚えていろよ!!魔王おおおおおおおおおおおおおおおおおおうっ!」



そうして月日が流れ


~~~現在 魔王の間~~~


武闘家A(若い男)「半年ぶりだな、魔王!今度こそ、貴様を打倒してくれる!」


武闘家B(大男)「がははははは、なんだ俺たちはこんな優男に負けたって言うのか?強くなった今となっては信じられないぜ!」


武闘家C(目つきの鋭い男)「ひひひ、はは……はやく殺そうぜぇぇええええええ」


武闘家D(老人)「ほっほっほ、久方ぶりじゃのう魔王」


魔王「なんで、そうなった!?」


若い男「お前にコテンパンにやられた後にパーティーの見直しを図ったんだ」


大男「転職神殿に行って、みんなで適切な職業に転職したのさ」


目つきの鋭い男「まさか、俺たち全員に武闘家としての才があったとわなぁあああああきひゃあああああああ!」


老人「転職神殿の神官殿はあらゆる才を見抜く、ずば抜けた目をもっておってな」


魔王「だからってバランス悪すぎだろ!阿呆どもめ!」



大男「ふん、バランスだと?阿呆はお前だ魔王!」


魔王「なんだと?」


大男「……老師。俺からやらせてくれ、あいつを鯖折にしてくれる!」


魔王「『老師』!?」


老師「やってみせい……ほっほっほ」


魔王「なんかお前ら職を変えただけじゃなくて、パーティー内の関係まで変わってないか!?」


魔王「というか、我を相手にタイマンを挑む気か。なんと愚かな!」


大男「その減らず口は俺の一撃を食らってからも言ってられるかな!」


魔王「まさに、かませ犬っぽいセリフだな!」


大男「うおおおおおお、大男パーンチ!」


どかーん



若い男「決まった!大男さんの全体重を乗せた一撃だ、あれなら例え魔王と言えど……」


老師「いや、残念じゃが魔王の気配は消えとらん」


若い男「そんな、まさか!?」


魔王「ぐぎぎぎぎ……な、なんてパワーだ。だが何とか耐えきったぞ!足が震える……くそ、もう立っているのすら精いっぱいだ」


大男「お、俺の一撃を受けて立っていられるなんて……なんてこった、俺の厳しい修行の日々は一体なんだったんだ!」


魔王「いや、ギリギリだからね!もう瀕死一歩手前だからね我!」


魔王「なんでセリフはかませ犬っぽいのにこんなに強いんだよ!」


大男「あらゆる魔術を身に着け神童と呼ばれた俺が。その経歴の全てを投げうって武闘家になっても、魔王に傷一つ付けられないなんて」


魔王「お前が元魔法使いかよ!転職して正解だわ!その巨体で魔法使いやってたことのほうが驚きだわ!」



目つきの鋭い男「老師ぃ……も、もう我慢できねえ!ああああいつ殺していいよねぇ!?」


老師「うむ。やってみせい」


若い男「目つきの鋭い男さん!」


大男「頼む……俺の仇をうってくれ」


魔王「むしろこっちに助けが欲しいわ!」


目つきの鋭い男「ひひひ、魔王。これを見てみろ」


魔王「な、なんだその右腕は。妖しく緑色に光っているその右腕は何だというのだ!」


老師「毒手じゃ」


魔王「毒手だって!?」


老師「そう、あれは毒を満たした壺に拳を入れ続けることでのみ身に着けることができる秘拳」



老師「さて魔王よ、貴様があの毒手を如何に攻略するか見物させてもらうとするかのう。ほっほっほ」


魔王「言い方!君たち、正義の味方だってこと自覚してよねっ!?」


目つきの鋭い男「ひひひひ死ね魔王おおおおおおおおおおおおおおおおおおおう!!」


ぐさー


若い男「やったか!?」


老師「いや、まだ魔王の目は死んでおらん」


若い男「そんな、まさか!?」


魔王「ぜひーーーーーーぜひーーーーーーーーか、回復魔法&解毒魔法!」


目つきの鋭い男「ななんだとおおおおおおおおおお!」


魔王「いや、驚くどころか当然の結果に落ち着いてるからね……毒耐性あるのに死にかけたぞ、なんて強力な毒使ってるんだよ!げほっ」


目つきの鋭い男「かつて俺が古今東西から集めた薬草の知識、その全てを使って作り上げた毒手だぞ!世界で最も賢いと称された賢者が作った渾身の毒薬を耐えるのか!?」


魔王「お前が元賢者なのかよ!賢者という職業と一緒にキャラまで置いてきたのかよ!」



若い男「老師!次は僕に行かせてください!兄弟子たちの仇をとらせてください!」


老師「いや、儂から行こう」


若い男「そ、そんな!何故ですか老師!」


老師「例え我が弟子の中で最も優れたお主だとしても、今のままでは未だ魔王には勝てぬ」


魔王「いや、既に2回も三途の川が見えたぞ」


若い男「し、しかし老師!」


老師「儂の戦いをよく見ておれ。そして、儂が倒れた後はわかっているな……お主がやり遂げるのじゃ」


若い男「老師ぃ……っ!」



魔王「ま、まずい今のうちに更に回復魔法を……」


老師「破っ!!」


魔王「な、なんだ!魔法が使えないぞ!」


老師「魔法など弱者の力よ!魔王、貴様の魔力は全て我が魔法で吸い取らせてもらったぞ!」


魔王「魔法つかっとるやんけ!弱者の力に頼りきっとるやんけ!!」


老師「さぁゆくぞ魔王!女神から授かりし勇者の力を受けてみろ!」


魔王「しかも、お前が勇者なんか―――――――――――い!!!」


どごーん


魔王「」ちーん



老師「……ぐっ」


大男「ろ、老師!」


老師「右腕を持っていかれたわい」


魔王「わ、我は命を持っていかれているんですが……」


老師「ほぅ、まだ生きていたか」


若い男「……返せよっ」


魔王「ん?」


若い男「老師の右腕を返せよっ!」


魔王「いや、それただ我を殴った衝撃で右肩を脱臼してるだけだから!」


若い男「老師!見ていてください!俺がきっと魔王を倒して見せます!」


老師「うむ……あとは任せたぞ」がくっ


若い男「老師ぃぃいいいいいい!」



魔王「いや、もう勘弁してください。降参です白旗です……」


魔王「転職神殿の神官とやらは本当に人を見る目があるようだな」


魔王「わずか半年で、我を一人で圧倒するほどの武の才をあいつらが持っていることを見抜くとは」


魔王「はぁ、我も魔王辞めて転職するかな」


若い男「やったぞ!人類の勝利だ!」


大男&目つきの鋭い男&老師「「「 応っ! 」」」


魔王「老師生きとるやんけ!」


こうして世界に平和が訪れた。



~~~数日後 転職神殿~~~


元魔王「それで、どうでしょうか神官殿。我にはどんな才能が?」


神官「そうですね……」


元魔王「……ゴクリ」


神官「貴方には……突っ込みの才能がありますね」


元魔王「的確か!?」


―――

おわり

―――


こっちも是非読んでみてください

・勇者「ねえ魔王様、今日は魔王城に泊まっていってもいいですか?」

・落語調異世界奇譚「机上の空論」
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