俺たちは奴隷ではない。 (13)
俺たちは、戦士だ。
俺たちには、朝も昼も夜もない。
目が覚めると同時に戦いが始まる。
区切られた闘技場。
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相対するのは、四足の獣のこともあるし。
俺たち同様、飼われた戦士でもある。
戦いが終われば、また眠るだけだ。
傷を負うことも多々ある。
だが俺たちに高価な薬を使ってくれる主人は、そういない。
そう、俺たちは飼われている。
だが、俺は奴隷ではない。断じて奴隷などではない。
かつて俺は、一匹の獣だった。
ありあまる力に物を言わせ、あらゆるものを隷属させた。
最強の自負があった。
誤りだった。
最強は俺ではなかった、俺のいた集落は襲われ。
俺は捕らえられた。
抵抗するつもりはなかった。俺は負けたのだから。
なんの説明もなく、闘技場に投げ込まれたときは驚いた。
だが、俺のすべきことは明らかだった。
相手を倒す。ただ、それだけだ。
俺は、新たな仕事と身分を得た。
言われるがままに闘技場に赴いた。
勝ち、そして負けた。
強さとは、力だけではないことを俺は知った。
戦いが楽しくなった。
そう、俺は戦いが好きだ。
無理に戦わされているわけではない。
なかには、そういう奴もいるだろう。
明らかに集中できていない者。
自暴自棄になっている者。
彼らも、かつては俺と同類。
狭い社会の中で最強を自負していたのだろう。
いまだ、新たな自分の居場所に馴染めていない。
彼らこそが奴隷だ。
俺とは違う。
ああ、そろそろ時間だ。
普段は直前まで眠っているからな。
話ができて、楽しかったよ。
さて今日は、どんな相手だろうか。
わくわくするよ。
じゃあ生きていたら、また会おう。
トレーナー「いけ!ピカチュウ!」
ピカチュウ「ピ!ピカチュウ!」
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