にこ「噂のアイドルがそこまで来てるんだって!」 (62)

ガチャ

にこ「ちょっとちょっと!大ニュース!大ニュースよ!」

真姫「何よ。来るなり慌てて」

にこ「今話題のアイドルがテレビのロケでそこまで来てるんだって!」

真姫「へ~」

にこ「へ~って。それだけ?」

真姫「いや…だって知らないし」

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にこ「いや絶対に知ってる。流石のあんたでも知ってるから」

真姫「知らないってば」

にこ「なんで頑ななのよ」

真姫「だって聞いた事ないもん」

にこ「名前はでしょ?あれよ?今シャンプーのCMやってる子よ?」

真姫「知らない」

にこ「あと…スポーツドリンクのCMもやってるわよ?」

真姫「知らないってば」

にこ「え~嘘でしょ?じゃあ…あのもやしのCMは?」

真姫「あっ!あのもやしのCMの?あ~分かったわ!あのCMの!」

にこ「そうそう!知ってるでしょ!ね?だから言ったでしょ?」

真姫「うん。流石の私でも知ってたわ!」

にこ「でしょ!そうでしょ!ライブのチケットは即完売。けど、まさか生で見れるチャンスが来るなんて。こうはしていられないわ。早く行かなくちゃ」

ガチャ

真姫「……」

ガチャ

にこ「ちょっと!」

真姫「何?」

にこ「え?行かないの?」

真姫「何が?」

にこ「いや…だから…ロケ見に行かないの?」

真姫「うん」

にこ「なんで?」

真姫「だって…別に…よく知らないし」

にこ「知ってたじゃない!もやしのCMをやってるって知ってたじゃない!」

真姫「それしか知らないし」

にこ「今さっき私から新しい情報を得たでしょ!今話題のアイドルなのよ?そのアイドルに会えるのよ?行くしかないでしょ!ね?行くわよ!」

ガチャ

真姫「……」

ガチャ

にこ「だからぁぁぁ!!なんでついて来ないの!!?」

真姫「誰も行くなんて言ってないじゃない」

にこ「話題のアイドルなのよ?今をときめく芸能人なのよ?」

真姫「私別にミーハーじゃないし」

にこ「ミーハーじゃなくても取り敢えず見に行くでしょ!」

真姫「行かないわよ。だいたいこの後練習あるのよ?」

にこ「そうだけど。今は非常事態じゃない」

真姫「非常事態ではないわよ」

にこ「非常事態よ!取り敢えず行くのよ!」

ガチャ

真姫「……」

ガチャ

真姫「だから行かないって……」

穂乃果「えっ!?何?」

真姫「いや何でもない。遅かったじゃない」

穂乃果「あ~…うん。ちょっと海未ちゃんを怒らせちゃってね。逃げ回ってここに来たんだよ」

真姫「非常事態じゃない」

穂乃果「そうなんだよねぇ。非常にまずい事態なんだよ。略して非常事態」

真姫「何それ?」

ガチャ

にこ「だからさぁぁぁ!!!何で来ないのよ!!!非常事態だって言ってるでしょうがぁぁぁぁ!!!」

穂乃果「そうなんだよ。非常事態なんだよ」

にこ「あっ!?穂乃果!?」

真姫「………声でかっ」

穂乃果「非常事態なんだよ。にこちゃん」

にこ「え?あっ、うん。そう。非常事態なのよ。穂乃果も聞いた?」

穂乃果「何を?」

にこ「すぐそこでテレビのロケをやってるって話!」

穂乃果「あ~…そうだ!クラスの子が言ってた!」

にこ「でしょ!!」

穂乃果「うん。そうそう。えっと…何だっけな…えっと…あれでしょ?ミスチルの人が食レポしに来てるんでしょ?」

にこ「え?ミスチルが?」

穂乃果「うん。ミスチルが」

にこ「え?ミスチルが食レポ?え?何それ?本当にミスチル?」

穂乃果「うん」

にこ「それ見に行こうとか思わないの?」

穂乃果「世代じゃないし」

にこ「いや…ミスチルは全世代対応でしょ?」

穂乃果「そんな携帯みたいな言い方されても」

にこ「行くでしょ。普通行くでしょ。ミスチルの桜井さんが食レポに来てるでしょ?」

穂乃果「桜井さんではないみたいだよ」

にこ「え?桜井さんじゃないの?え?そうなの?」

穂乃果「うん」

真姫「……」

ガチャ

にこ「いや!ちょっとストップ!」

真姫「何よ?」

にこ「一人でどこ行く気なの?」

真姫「屋上だけど」

にこ「この流れで?」

真姫「いけないの?」

にこ「だってロケを見に行くって流れになってたでしょ?何しれっと抜け出そうとしてるのよ」

穂乃果「ミスチルの?」

にこ「違う」

真姫「抜け出そうとしてるのはにこちゃんの方でしょ?これから練習なんだから」

にこ「少しだけだから」

真姫「だから行ってくればいいじゃない。海未には言っておいてあげるから」

穂乃果「えっ!?庇ってくれるの?」

真姫「違うわよ。何で私が穂乃果を庇わなきゃいけないのよ」

穂乃果「だって海未ちゃんには言ってくれるって」

真姫「それじゃないわよ」

穂乃果「え?じゃあどれ?」

にこ「ロケの話よ!」

穂乃果「ミスチルの?」

にこ「だからミスチルは関係ないって!!ミスチルのロケは見に行かないから!」

穂乃果「全世代対応って言ってたのに?」

にこ「他に行く所があるのよ!!!」

穂乃果「そうなの?」

にこ「あんたも行くのよ!」

穂乃果「どこに?」

にこ「だからロケに!!!」

穂乃果「だからミスチルのでしょ?」

にこ「だから違うってばってぇぇぇ。真姫!!!どこ行くのよ?」

真姫「屋上だってば。しつこいわね」

にこ「だからぁぁぁ」

絵里「ちょっと。何を騒いでるのよ?」

穂乃果「あっ、絵里ちゃん」

絵里「廊下まで聞こえてるわよ?ねえ花陽?」

花陽「うん」

にこ「ちょっと花陽…あんたのその胸に抱えているものは…」

花陽「さっきね、今話題のアイドルがロケに来てて。サイン貰っちゃった!」

にこ「え~サインくれたの?私も急がなきゃ」

花陽「あっ、もう帰っちゃったよ…」

にこ「えっ…そんな…」

真姫「だからさっさと一人で行けばよかったのに」

にこ「くぅ…」

絵里「それはそうと。海未が穂乃果を探してたわよ?もうすぐ来ると思うけど」

穂乃果「えぇ…さっさと逃げれば良かった」

「予定」

にこ「でさぁ。凄いのよ」

凛「へ~そうなんだ。楽しみだなぁ。早く行きたいなぁ」

にこ「でしょ?明日が待ち遠しいでしょ?」

凛「うん!」

絵里「凛ーー?ちょっとこっちに来れる?」

凛「あっ!なんか絵里ちゃんが呼んでるから行ってくるね?」

にこ「うん」

凛「何絵里ちゃん?」

絵里「凛はこのラーメン屋さんって行った事ある?」

凛「どれ?」

絵里「これよ」

凛「行った事ないにゃ」

絵里「そう。良かった!こないだ希と二人で行ったんだけど凄い美味しくて。凛はラーメン大好きでしょ?明日のお昼一緒に食べに行かない?」

凛「えっ!?ラーメン!?行く行く。もちろん行くにゃ~」

絵里「そう。じゃあ決まりね!」

凛「楽しみにゃ~」

絵里「ふふっ。良かった。私も明日が楽しみだわ」

凛「うん。あっ………明日……ちょっと待っててね」

絵里「うん?」

凛「にこちゃーーーん。あのね……明日なんだけど…実は大事な用事が………」

にこ「ラーメンでしょ!!!!」

凛「え?」

にこ「聞こえてたから!!!そりゃあそうよ。あれだけ大きな声でラーメンって騒いでれば聞こえるわよ!」

凛「いや~…」

絵里「何騒いでるの?」

にこ「絵里…悪いけど。明日凛は私とケーキを食べに行く約束をしてるのよ」

絵里「あっ、そうだったの?そうとは知らなくて。ごめんなさい」

にこ「まっ、そういう事だから。って言うか絵里。あんたも来る?」

絵里「ケーキを食べに?」

にこ「チョコレートケーキも美味しいわよ?」

絵里「行く!」

凛「行ってらっしゃい~」

にこ「は~い…って!行ってらっしゃいって何よ!」

凛「凛はラーメンを食べに行くから。二人で…」

にこ「あんたも行くのよ!」

凛「えっ!?」

にこ「いやなに驚いてんのよ!当たり前でしょ!元々約束をしてたんだから!」

凛「でも…ラーメンは…あんまり待たせると伸びちゃうし…」

にこ「意味わからないから」

凛「うん。凛もダメ元で」

絵里「ねえ?じゃあ、ラーメンを食べてからケーキを食べに行くって言うのは?」

にこ「ダメよ。太るから。カロリー×カロリーは高カロリーだから!」

絵里「計算式が間違ってるわよ。100kcalを二つ食べても10000kcalにはならなでしょ?そこは足し算だから」

にこ「うるさいわね!そこは良いのよ!」

絵里「良くはないでしょう」

凛「じゃあさ。一度駅に集合して凛はラーメン行くから二人はケーキを食べて貰って。その後また合流しようよ」

にこ「いや意味分かんないから!」

絵里「やっぱり両方共行きましょうよ」

にこ「ダメ。太る」

凛「その理屈で言ったらラーメン屋さんでラーメンと炒飯を両方共頼むかよちんは太る事になるよ?でもかよちんは太ってないよ?」

にこ「一度大変な目にあってるじゃない」

凛「確かに。それは一理あるにゃ」

にこ「でしょ?」

絵里「別に一回くらい食べ過ぎでもすぐに太るわけじゃないでしょ?そう言うのは日々の積み重ねであって」

凛「そうだよね」

にこ「………嫌、ダメよ。甘い誘惑に負けちゃダメよ」

凛「ケーキを食べに行こうって言ってる人に言われてもね」

にこ「うっさい」

凛「じゃあ、どうするの?」

にこ「どうするって…だからケーキを食べに行くのよ」

凛「そっか。じゃあ行ってらっしゃい」

にこ「え?何?デジャブ?またこのやり取りやるの?」

凛「ん~それぞれが好きなものを食べれば良いと思うんだけど」

にこ「なんでよ!友達と一緒に行くからいいんでしょ!誰と食べたかが一番大切なのよ!」

凛「じゃあ、皆んなでラーメンを食べに行こうよ!」

にこ「なんでそうなるのよ!」

絵里「にこはあげ足をとられやすいと言うか…」

にこ「約束!約束したんだからね!あんたは!」

凛「ん~…分かったよ。じゃあ…」

ガチャ

花陽「にこちゃん聞きましたか!?」

凛「かよちん」

にこ「花陽!?入って来るなり何よ?」

花陽「明日例のアイドルがまたロケに来るんだって!」

にこ「マジ!?そうなの?」

花陽「マジです!そうなんです!」

にこ「あ~…凛、絵里…悪いんだけど…」

凛「うん!行ってらっしゃい!にこちゃんの分もラーメンを堪能してくるね!」

にこ「話が早くて助かるわ!」

絵里「ロケを見学してその後ラーメンとケーキを食べるでいいと思うんだけど。ダメなの?」

「聞き上手」

絵里「それでね~」

ことり「うん」

にこ「……」

真姫「……」

絵里「本当に傑作なのよ」

ことり「え~そうなんだ」

絵里「そうなの。もうビックリしちゃってね」

ことり「ええ~凄いね。絵里ちゃん」

絵里「うん。わっ!?これおもちゃだって」

ことり「え~そうなんだ。絵里ちゃん凄いね~。初めて聞いたな~」

絵里「そうでしょう?でもね、この話に続きがあってね」

ことり「え?そうなの?凄い!」

にこ「あのっ!ちょっと待って!ストップ!!」

絵里「何?」

にこ「いや、あんたじゃなくて」

絵里「真姫?」

真姫「何よ?何か言いたい事あるの?」

にこ「いや、あんたでもない」

絵里「じゃあ何よ?」

にこ「いやさ。ことりにね」

ことり「私?」

にこ「そう。ことり」

真姫「ことりがどうしたのよ?」

にこ「あのさ~。ことりはさ」

ことり「うん。どうしたのにこちゃん?私なにかしちゃったかな?」

にこ「いやそんな深刻な話じゃないから。声のトーンもうちょい上げて良いわよ」

ことり「本当!良かった。何か悪い事しちゃったかと思ったよ」

にこ「うん。別に悪い事ではないんだけどね。あんた…絵里の話ちゃんと聞いてる?」

ことり「え?絵里ちゃんの話?」

絵里「いや、どう言う事よ?」

ことり「ちゃんと聞いてるよ」

にこ「本当?だってさ、この小一時間ずっと絵里が喋ってるけど、うんとへ~と凄いねしか言ってないじゃない。」

ことり「え?そう?」

絵里「そんな事ないでしょ」

にこ「そんな事あるわよ。ずっと聞いてたから」

ことり「えっ!?」

絵里「私の話聞かないで?」

にこ「そう」

真姫「趣味悪い」

にこ「仕方ないじゃない。気になったのよ。あ~ことりテキトーにリアクションしてるなぁって」

ことり「適当じゃないよぉ」

にこ「テキトーだったでしょ」

真姫「別にいちいち話の流れを止めてまで言う事もないじゃない。ことりが話を流していようが絵里が楽しそうに喋ってたんだからそれで良いじゃない」

絵里「え?私の話適当に流されてたの?」

ことり「違うよぉ」

真姫「全く。変な事ばっかり言うんだから」

にこ「いや。そう言うけど。あんたはあんたで絵里の話にうんともすんとも言わないじゃない。頷きもせずノーリアクションだったじゃない」

真姫「なっ!?でも私はちゃんと聞いてたわよ!にこちゃんと違って」

ことり「あの…私もちゃんと聞いていたからね。絵里ちゃんの話ちゃんと聞いてたよ」

絵里「う、うん」






にこ「じゃあ、あれだ!聞いてたけどテキトーに流してたんだ」

ことり「そんな事ないよぉ。ちゃんと聞いてるよ」

真姫「も~まだ続けるの?」

絵里「もう、どう転んでも私は軽く傷つきそうなんだけど…」

ことり「どうして!?絵里ちゃんの話楽しかったよ!何度聞いても面白かったよ?」

絵里「え?何度聞いても?」

にこ「あんた前にも話してたからね」

絵里「そうだっけ?あれ?」

真姫「まあ…ね」


~音楽室~

海未「皆んな遅いですね。確かに今日は音楽室でと昨日伝えたはずなのですが」

「ナイショ」

かすみ「よいしょっと」

果林「あら?かすみちゃん」

かすみ「あっ、果林先輩!」

果林「こんな所で今日はどんな悪巧みをしてるの?」

かすみ「えっとですね。今日は…って、かすみんは悪巧みなんてしません!こんなキュートな女の子を捕まえてどうしてそう言う発想に至るんですか!」

果林「普段の行いかしら?」

かすみ「だったらそう言う発想には至らないはずです!失礼しちゃいますよ。全くもう」

果林「うふふ。ほっぺた膨らませちゃって。かすみちゃんってからかい甲斐があって面白いわ」

かすみ「私で遊ばないで下さい」

果林「ごめんね。それは無理かも」

かすみ「なっ!?」

果林「なんてね。反応が可愛からついついからかいたくなっちゃうわね。お邪魔しちゃってごめんね、カスカス。じゃあね」

かすみ「カスカスって言わないで。って言うかちょっと待って下さい」

果林「なあに?」







かすみ「何サラッと行こうとしてるんですか?」

果林「ん?どうして?」

かすみ「気になりません?私が何をしてるか」

果林「何してるの?」

かすみ「教えて欲しいですか?仕方ないなぁ。果林先輩がどうしてもって言うなら教えてあげない事もないけど~。ん~どうしても知りた……って!ちょっと待ってください!どこに行くんですか!!!」タッタッタッ

グイグイ

果林「もう。そんなに引っ張らなくても良いじゃない」

かすみ「だって勝手にどこかに行こうとしてるから!!」

果林「ダメだった?」

かすみ「当たり前じゃないですか!私が話してる途中だったじゃないですか。人が話してる途中でどっかに行くって凄い失……ってちょっとぉぉぉ」タッタッタッ

グイグイ


果林「も~また?」

かすみ「それはこっちのセリフです!なんで話の途中で行こうとするんですか?かすみんの事嫌いなんですか?」

果林「……」

かすみ「否定して下さいよ!どうして黙るんですかぁぁぁ。それじゃあ嫌いと言ってる様なものじゃないですかぁぁ」

果林「あ~嘘よ、嘘。可愛いからついね。私の悪い癖ね」

かすみ「むう。そうやって人をからかって。怒りますよ」

果林「もう怒ってるじゃない」

かすみ「当たり前です!もう!」

果林「ふふっ」

かすみ「ってちょっと!何笑いながら行こうとしてるんですか!何ですか?急いでるんですか?」

果林「そう言うわけではないけど」

かすみ「だったら行かなくても良いじゃないですか!」

果林「だって。秘密なんでしょ?」

かすみ「何がですか?」

果林「かすみちゃんが何をしてるのか」

かすみ「あぁ…知りたいんですか?」

果林「別に無理には聞かないけど」

かすみ「なっ…じ、じゃあ あれです!果林先輩が何をしてるのか教えてくれたら私も教えてあげます。交換条件です」

果林「そう。じゃあ残念ね」

かすみ「へ?」

果林「私は…ナイショなの。だから残念だけど教えてあげられない」

かすみ「え?な、何をしてるんですか?」

果林「ナイショ」

かすみ「内緒って。どうして内緒にするんですか!」

果林「それはお互い様じゃない。ね?」

かすみ「教えて下さいよぉ」

果林「ダ~メ」

かすみ「ズルイ!気になるじゃないですか!」

果林「それを言ったら私だって」

かすみ「かすみんはた新作のパンを作ったのでそれを持って来ただけです」

果林「へ~そうなの」

かすみ「さあ。果林先輩もちゃんと教えて下さい」

果林「ん~やっぱりナイショ」

かすみ「え?ズルイじゃないですか!私は言ったのに!約束と違う!」

果林「約束した覚えがないんだけど」

かすみ「ズルイズルイ。果林先輩は卑怯です!皆んなに言っちゃいますよ!」

果林「別に構わないけど」

かすみ「いいんですか?皆んなにズルイ人って思われちゃいますよ?」

果林「女の子って少しくらいズルイ方が良いじゃない?」

かすみ「……そうですか?」

果林「そうよ」

かすみ「まあ。確かに…ん~少し大人な感じはするかも知れないけど…」

果林「ふふっ。じゃあ、そう言う事だから」

かすみ「あっ!ちょっと!」

果林「ふふん」

エマ「うまく巻けたみたいだね」

果林「え?あっ、見てたの?」

エマ「うん。全部見てたよ」

果林「そう。かすみちゃん可愛いでしょ?」

エマ「そうだね。果林ちゃんもね」

果林「へ?私も?」

エマ「うん。全部見てたよって言ったでしょ?」

果林「……どこから見てた?」

「映画鑑賞」

絵里「この3人でお泊まり会なんて初めてね~」

海未「そうですね。私は希の家にお泊りする事自体が初めてです!絵里はあるのですか?」

絵里「さ~て。どうでしょう」

海未「なぜ隠すのですか?」

絵里「ふふっ」

海未「なんの笑みですか…」

希「二人とも~準備出来たよ~」

海未「なんの準備ですか?」

絵里「レンタルビデオショップで映画を借りてきたんですって」

海未「へ~そうなんですか」

希「早く~二人とも~」

絵里「はいはい。今行くわ~。さっ、行きましょう」

海未「はい」

希「さっ、映画のお供も用意してあるからね。たこ焼き」

海未「なぜたこ焼き…」

希「じゃあ始まるよ~」

絵里「ちょっと待って」

希「どしたん?」

絵里「これホラー映画じゃない」

希「うん。ちゃんとえちりでも観れるやつを借りて来たから」

絵里「いや…大丈夫じゃない。ホラーの時点で大丈夫な作品は一つもないから」

希「そんな事ないよ」

絵里「そんな事はあるわよ。自分の事は自分が一番知ってるわよ」

希「昔な…」

絵里「何よ唐突に…」

希「お父さんがこのホルモン美味しいから食べてみろって勧められて。でも、子供の頃の私はホルモンが好きじゃなかったんよ。そしたらお父さんが このホルモンはホルモンが嫌いな人でも美味しく食べれるから食べてみろって。凄い美味しかったわ。お陰で今はホルモン大好きや」

絵里「それで…」

希「その当時お父さんが勧めてくれたホルモンがこのホラー映画って事!」

絵里「…でも観ないから」

希「へっ?なぜ?」

絵里「ホラー映画は苦手だから。知ってるじゃない」

希「人の話聞いてた?」

絵里「でも無理よ。あり得ないわ」

希「何?ウチとお父さんとの思い出でを否定するつもりなん?えりちの血は何色やーーーーー!!!!」

絵里「赤よ」

希「も~。そうやって」

絵里「も~はこっちの台詞よ」

海未「あの…」

希「どしたん?」

海未「早く観ませんか?」

希「あ~ごめんな。早く観たいよな。すぐ始めるからね」

絵里「ちょっと…」

希「しぃー。ほら。始まったから」

絵里「もう」

希「……」

海未「……」

絵里「いやぁぁぁぁ」

希「あの…まだ予告やけど」

絵里「だって。予告ですでに怖いのよ!!!」

希「あっそ」

絵里「いやぁぁぁぁ」

希「……」

海未「……」

30分後

絵里「いやぁぁぁぁ」

希「……」

海未「……」

絵里「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」

希「…ちょっと。騒ぎすぎじゃない?」

絵里「だってぇ。こんな怖い…いやぁぁぁぁ」

希「いや。全然怖くないし!まだ騒ぐ所でもないやろ!まだ幽霊出てきてないからな!えりちの声で全然音が聞こえないわ!!」

絵里「そんな事言ったて仕方ないじゃない!!!怖がりなの知ってて見せたんだから!」

希「そうやけど。海未ちゃん観てみなよ?」

海未「……」

希「な?静かなもんやろ?」

絵里「私と海未を比べないでよ」

海未「やぁぁぁぁぁぁ」

希「ってあれ?海未ちゃん?」

海未「な、何でこんなシーンが…」

希「あぁ…ホラー映画にはあるもんなぁ」

絵里「いやぁぁぁぁ」

希「えりちはどっちで悶えてるん?」

絵里「いやぁぁぁぁ」

海未「うわぁぁぁぁぁぁ」

希「どっちもどっちやな。なんかお腹空いたわ」

パクッ

希「辛ぁぁぁぁ。忘れてたぁぁ」

「濡れ衣」

善子「誰も部室に来ないわね」

ルビィ「そうだねぇ」

ガチャ

花丸「あっ!居た!」

善子「あっ、ずら丸」

花丸「善子ちゃん!マルのプリン勝手に食べた?」

善子「はあ?私がずら丸のプリンを?知らないわよ。って言うかヨハネ!」

花丸「そんなのはどうでもいいずら!マルのプリンを返すずら」

善子「だから知らないって」

ルビィ「あの~。花丸ちゃん…」

花丸「どうしたのルビィちゃん?」

ルビィ「花丸ちゃんのプリンって…冷蔵庫に入っていたやつ?」

花丸「うん。そうだよ」

ルビィ「ごめんね。花丸ちゃん。それ…ルビィが食べちゃったの」

花丸「え?そうだったずら?」

ルビィ「ごめんね。悪気はなかったんだけど」

花丸「ううん。大丈夫だよ。プリン美味しかった?」

ルビィ「うん。美味しかったよ!」

善子「……」

ガチャ

梨子「ちょっと善子ちゃん!」

善子「り、リリー…」

梨子「リリーって呼ばないで。そんな事より善子ちゃん。私の本!私が開ける前に勝手に読んだでしょ?」

善子「へ?本?知らないけど…」

梨子「善子ちゃん以外あり得ないんだから」

善子「どうしてよ!!」

花丸「善子ちゃん…梨子ちゃんの本も勝ってに…」

善子「もって!もって言うけど別に何もしてないからね!」

梨子「え?」

善子「だから…」

ルビィ「あの…梨子ちゃん」

梨子「ルビィちゃん…どうしたの?」

ルビィ「その本…多分…ルビィが間違えて…」

梨子「え?そうだったの?」

ルビィ「多分だけど…。梨子ちゃんのだったんだ。知らなくて…ごめんなさい」

梨子「いいのよ別に」

ルビィ「本当!」

梨子「ええ。それより…中身見た?」

ルビィ「ううん。すぐに気が付いたから…」

梨子「そう。なら良かったわ」

花丸「中身は何ずら?」

梨子「さあ?」

花丸「え?」

善子「納得いかないんだけど」

花丸「そんなに梨子ちゃんの本の内容知りたいの?」

善子「違わいっ!?そんなのは大体想像つくわよ!」

ルビィ「えっ!?善子ちゃん…エスパー?」

善子「ふっ。これも堕天使の力…じゃなくて!そうだけど!」

花丸「忙しい性格ずら」

梨子「余計な事言わなくていいからね」

善子「リリーの本の内容なんてどうでもいいのよ。納得いかないのは!」

花丸「納得いかないのは?」

善子「ルビィと私で態度が違い過ぎない?」

ルビィ「えっ!?」

花丸「ルビィちゃんと善子ちゃんで?」

善子「そうよ。冤罪の私にはやたら当たりが強くて犯人のルビィにはなぜ優しいのよ!」

梨子「犯人ってそんな言い方…」

善子「犯人じゃない!クリミナル!」

梨子「なんで英語で言うのよ」

花丸「ルビィちゃんは正直に謝ってくれたから。だから強く責めなかったずら」

善子「私も正直に言ったんだけど!」

花丸「だから責めてないずら」

善子「だけど謝ってもないじゃない!疑ったのに!」

花丸「ごめんさい」

ルビィ「ルビィのせいでごめんね、善子ちゃん」

善子「あ~そうだけど。そうやって素直に謝られると私が一人駄々をこねてるように見える!」




花丸「そんな事ないずら」

梨子「じゃあどうすればいいのよ…」

善子「なんか…上手い感じでやってよ!」

梨子「何よそれ…」

花丸「凄く面倒ずら」

善子「面倒っ!?疑っておいて面倒っ!?」

梨子「まあ…でも確かに。疑っておいて最初にまず謝らなかったのは私達も悪いかもしれない」

善子「そうでしょ?でも、堕天使は疑われるのが宿命。天界を追放された時も…」

梨子「なんか謝るのがバカらしくなってきたわ」

花丸「どんな状況も楽しめて羨ましいずら」

梨子「まあ…でも…うん。本当にごめんね よっちゃん。この通り」

花丸「マルも改めて誠心誠意謝るずら」

ルビィ「善子ちゃん。ごめんなさい」

善子「まあ…許してあげてもいいけど…」

ガチャ

千歌「善子ちゃん!私のポッキー勝手に食べたでしょ!」

梨子「千歌ちゃん」

花丸「また同じパターンずら。もしかして…ルビィちゃん…」

ルビィ「ち、違うよ」

善子「すいませんでした」

梨子「……」

花丸「……」

「花陽は見た」

希「そう言えば」

絵里「なあに?」

希「今度生徒会で近所の幼稚園にお手伝いに行くやん?」

絵里「行くわね。それがどうしたの?」

希「えりちって…幼児の相手とか得意?」

絵里「どうかしら?私って…ほら?下級生からも結構距離を置かれると言うか…恐がられていると言うか…」

希「まあな…実はこう見えてウチは結構得意だったりして」

絵里「こう見えなくても希は得意そうじゃない。穂乃果や凛と喋ってるの見てたら分かるわ。私なんてまだ皆んなと…」

希「別にそんな事もないんやない?少しずつ打ち解けてる様に見えるけどな」

絵里「そう?」

希「うん。心配?」

絵里「まあ…」

希「ふふん。じゃあ、ウチがお手本を見せてあげるからえりちは園児の役をやってな!」

絵里「あのねぇ。私が不安って言ったのは…」

希「分かってるって。えりちはほら!普通あんまりおどけたりしないやろ?だからその練習も兼ねて、な?」

絵里「何よそれ」

希「園児はそんな言葉遣いはしないよ~。今は二人しか居ないんだから。ほら!」

絵里「もう……希お姉ちゃ~ん」

希「お~どうした?絵里ちゃんは可愛いなぁ」

絵里「えへへ~。希お姉ちゃん。遊んで遊んで~」

希「しょうがないなぁ。こっちにおいで~」

絵里「ハラショー!えりちか嬉しい!」

希「あはは」




花陽(どうしよう…。にこ先輩の代わりに提出物を生徒会室に持ってきたら………もの凄い光景を見ちゃった。どう言う関係なの……?)

凛「かよち~ん。先輩達中に居た?」

花陽「へ?あっ、あの…えっと…」

凛「どうしたの?」

花陽「あっ、な、何でもないよ。あのね…絵里先輩も希先輩も他の生徒会の役員の人も誰も誰も居ないよ!本当だよ!」

凛「う、うん。別に疑ってないけど。でも、おかしいにゃ~。にこ先輩は二人は生徒会室にいるはずだって言ってたのに」

花陽「なんか…あれじゃないかな?ほら!にこ先輩の勘違い!きっとそうだよ!」

凛「あ~にこ先輩ならあり得そうだにゃ~」

花陽「でしょ!でしょ!きっとそうだよ!うん!」

凛「でも、そしたら二人はどこに行ったんだろ?部室にも居なかったし…」ヒョイ

花陽「凛ちゃん!」

凛「え?何?」

花陽「どうして?どうして今生徒会室の中を覗こうとしたの?」

凛「え?別に特に理由はないけど…」

花陽「ダメだよ。凛ちゃん!中は覗いちゃダメだよ!」

凛「え?どうして?」

花陽「それは…えっと…私達は生徒会役員じゃないし…」

凛「何回も入った事あるけど…」

花陽「でも…」

凛「かよちん何か隠してる?」

花陽「隠してない。隠してないよぉ」

凛「なんか怪しいにゃ~」

花陽「全然。全然全然全」

凛「多分、然が一回少ないよ?」

花陽「え?あれ?本当?」

凛「隙ありにゃ~」

花陽「あっ!?凛ちゃんダメーーー!!」

ガバッ

凛「なんで?なんでダメなの?」

花陽「ダメだよ。この中は…ダメなの」

凛「どうして?」

花陽「どうしても…」



絵里「誰か居るの!!!?」

希「うわっ。ビックリした!?」



花陽「め、めぇ~」

凛「かよちん…何してるにゃ…」




絵里「なんだ。猫か…」

希「廊下に猫が居るのも問題やない?」

花陽「ふぅ。良かった」

凛「かよちん。今、中から絵里先輩の声が聞こえたよ?」

花陽「え?気のせいだよ。多分…アルパカさん…アルパカさんが…」

凛「かよちん。アルパカの真似をしてたのはかよちんだし。もし居たとしたらそれはそれで問題だよ」

花陽「う、うん」

凛「かよちん。やっぱり何か隠してるにゃ。凛には分かるよ。大親友だもん」

花陽「凛ちゃん。大親友だって言ってくれるなら。この場は私の言う通りにして欲しいの」

凛「分かったよ。かよちんがそう言うなら」

ガララ

絵里「あなた達…」

花陽「へ?」

凛「あっ!」

絵里「何してるの?」

花陽「め、めぇ~」

絵里「猫の真似をしてもダメよ」

花陽「あの…その…」

凛「多分アルパカです」

絵里「どっちでも良いんだけど。いつから居たの?」

花陽「今!今来た所です!はい!私達は今来た所です!」

絵里「そ、そう?えっと…それで何の用かしら?部活なら仕事が終わったら行くつもりだったけど」



花陽「す、すいません」

絵里「花陽。そんなに畏まらなくても」

花陽「ごめんなさい。本当にごめんなさい」

絵里「そ、そんなに私って怖い?」

花陽「ある意味…」

絵里「え?」

花陽「いえ。違うんです」

絵里「えっと…大丈夫?」

花陽「はい」

凛「かよちん…どう言う事?二人共ちゃんと…」

花陽「凛ちゃん!お願い!皆んなの幸せの為なの。お願い。今は見逃して」

凛「え?うん」

絵里「あの…大丈夫?」

花陽「ごめんなさい」

絵里「いや…だから…」

希「二人はにこっちの代わりに提出物を届けに来たんやろ?」

絵里「そうなの?」

花陽「は、はい!希お姉ちゃんの言う通りで…」

絵里「今…なんて?」

花陽「え?」

凛「希お姉ちゃんって言ったよね?」

花陽「いや…えっと…」

絵里「もしかして…見てた?」

花陽「違っ…あの…えっと…」

絵里「見てたのね…」

花陽「違うんです。誰か助けてぇぇ」

凛「何があったの?」

希「ん?今日は良い日やねって事!ウチにとってやけど」

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