貴方「俺が魔法少年でヒロインを攻略するまどか☆マギカ?」 (1000)

要するに、ギャルゲーみたいなものです。


*一定まで好感度を上げるとそのキャラは【攻略済】に。キャラの攻略が終わったらリセットか続行を選択。リセット時には設定変更ができるかも。
*たぶんそんなに長くはしない。周回前提で。
*恋愛要素、はもちろんあるのですが…関係を深めすぎると他ヒロイン攻略は難しくなるかもしれません。
*ハーレムは距離感が大切。あんまりなオイタをすると刺される可能性もありますよ?
*目的は【攻略済】のキャラをたくさん作ること。リセットしても記録は引き継がれます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1581868368


――――……2nd. 起動



 朝、一日がはじまる。


 どこにでもあるような至って平常な朝だ。退屈なほど平凡で。

 ワルプルギスの夜だとか、そんなうっすら噂で聞いたことがあるようなないような災害の予兆も当然無縁で。


 ――ただ、【少し前】から俺の日常には少し特殊なものが加わっていた。



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――――――――

【現在】1週 4日目


[知り合い]
・鹿目まどか・・・一緒に遊んだ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親しみが持てる完璧
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・吹き矢教えた

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら



前スレ:貴方「安価でヒロインを攻略するまどか☆マギカ?」
貴方「安価でヒロインを攻略するまどか☆マギカ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1569759132/)

前前スレ:オール安価でまどか☆マギカ 26

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――――
4日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると挨拶が返ってきた。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」


 今朝も三人で話しているところだ。


さやか「ね、今日は調理実習だけどお昼少な目にしてきた?」

貴方「ああ、いつもよりは」

さやか「ほむらなんて昼ご飯食べないで済ませそう。いつも小食じゃん」

ほむら「お腹が減らなかったら食べないかもしれないわね」

まどか「そういえば今日って調理実習あったんだね……」

さやか「どうした?なにかまずい事でも?」


まどか「三角巾を持ってき忘れちゃった。エプロンは置いてあるんだけど」

まどか「……今から帰っても間に合うかなあ?」

さやか「いや、いくらあたしたちがアレ――でも、走ったって無理でしょ!あたしならまだともかく」

まどか「あ、足遅くてごめんね?」

ほむら「私の力が必要なら……」

さやか「そんなことに使うのも馬鹿らしいでしょ。あたしたちの目的は一応、街のためなんだよ?忘れましたでいいじゃん」


 鹿目さんが困っているようだ。



1代わりになるものがないか探してみようか?
2マミさんに借りにいくのはどうか?
3美樹なら間に合う!(無茶ぶり)
4自由安価

 下2レス



貴方「何か代わりになるものがないか探してみようか?」

まどか「うーん、何なら代わりになるかな?」

ほむら「ハンカチなら貸せるけど小さいかしら?」

まどか「わたしもハンカチなら持ってるんだけどギリギリで……」


 暁美さんが薄い紫色のハンカチを出した。

 確かに三角巾にするにはあれじゃ小さく見えるけど、紳士用なら大丈夫かな。ポケットを探る。


貴方「よかったら、俺のを貸すよ」

まどか「あ、たしかにこれなら足りそう。ありがとう!家庭科の時間になったら借りるね」


 まあ、持っててよかったかな。


――――
――――



 ――――それから、朝話題になってた家庭科の時間。

 調理実習で作るのはシチューだ。ルーを使わない料理なんてはじめてやるから、敷居が高く思えてしまう。

 得意な人にでも任せる気で他の男共と一緒に皿洗いの役割を買って出ていたが、まだ洗うような段階でもない。


 貸したハンカチを三角巾にしている鹿目さんを眺めてみると、見た目に違和感はあまりない。

 いつも使ってる地味なハンカチも鹿目さんが着けていると印象が少し変わって見えた。


まどか「あとじゃがいもを切って……あ、【貴方】くんじゃがいも剥いてもらってもいい?」

貴方「ああ、そのくらいなら」

まどか「芽はちゃんと取ってね」

貴方「毒があるもんな。わかってるよ」


 みんなで野菜を剥いて切って材料をそろえる。難しくない作業を最初に振ってもらってなんとか活躍できた。

 フライパンを使うようになるところからは複雑そうで俺は洗い物に回ってたけど、鹿目さんは割と仕切っているようだった。


まどか「――……このくらいで水を足していいかな。もう少し煮たら出来上がりだね」

貴方「おお、いい感じに出来てきてる!鹿目さん、普段から家の手伝いとかしてるの?」

まどか「普段はそうでもないよ……。でも、今回のはパパに教えてもらったから」

まどか「最初の時は焦がしちゃってホワイトシチューにならなかったの」


 予習なんてする気にもならなかったから素直に尊敬した。



1料理が出来る女子っていいな
2焦げたシチューはどうなった?
3自由安価

 下2レス



貴方「鹿目さんのお父さんってたしか料理上手なんだっけ。料理がうまい男の人って憧れるな~」

まどか「パパに伝えておくね。きっと喜ぶよ。【貴方】くんは料理はするの?」

貴方「まあ、壊滅的ってわけじゃないと思う……」

まどか「そっか。それならやってみれば上手くなるよ!」

まどか「わたしもパパを見てると、料理上手な男の人っていいなって思うよ。ママが料理してる家のほうが多いのかもしれないけど……」

貴方「お母さんはバリキャリか。それも憧れるな」

まどか「それも伝えておくね! シチューそろそろかな。ハンカチ本当にありがとう」


 鹿目さんはフライパンを覗きこむと、嬉しそうに火を止めて完成と言った。

 食欲をそそられる見事な出来だ。


 最初は焦がしててもこうしてみんなから頼りにされるようになったんだもんな。

 鹿目さんのおかげでまともなものが食べられると思うと感謝しないと。あと、鹿目さんのお父さんのおかげか。


 調理が終わって食べる頃にはエプロンと三角巾も外して、ハンカチも返してもらった。

 ……自分の手元に戻るとやっぱりただの地味なハンカチだ。有効に使ってもらってよかった。



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

――――
――――



 学校が終わって放課後になると、今日は巴さんと佐倉さんと一緒にパトロールに出ていた。

 ベテラン二人に囲まれていると安心感は段違いだ。だが、任せきりっていうわけにはいかないよな。


貴方「……二人と一緒で活躍できますかね、俺」

杏子「ああ? 出番なんかないかもな。あたし一人でも十分だってのに、マミまでいるならヨユーで勝てる」

マミ「何を言ってるの、佐倉さん。後輩の育成だって先輩の大事な仕事よ」

マミ「あなたもベテランといえるくらいになって、後輩が出来たのだから、お姉さんにならなくちゃね」

杏子「わ、わかってるっての!いつまでも後輩とか子どもの扱いするなよな!」

マミ「わかっていればいいのよ」


 俺や新参のやつらからすれば随分ベテランに思える佐倉さんも、巴さんの前では敵わないらしい。

 ……佐倉さんは巴さんを除くみんなとは年は同じらしいが。


マミ「それにしても、新しく仲間になったのはみんな【貴方】くんと同じクラスかぁ」

マミ「学校でも楽しそうでいいわね。普段からよくお話するの?」

貴方「ああ、まーそりゃあ。契約する前から仲は良かったほうだと思いますよ。どちらかというと平和なクラスなんで」

貴方「契約してからは共通の秘密ができて更に関わるようにはなりましたけどね」


マミ「……共通の秘密を持てるクラスメイトの友達か。考えたこともなかったな。ちょっとだけ羨ましい」

貴方「よく考えたら、うちのクラスだけすごい偏りですよね。クラスっていうか学年で見てもだし」

貴方「まったく素質ってやつもなにを基準にしてるんだか……」

マミ「この前キュゥべえが言ってたことだと、年によって契約しやすいピークがあるのかもしれないわね」

マミ「魔法少女は一年も持てばベテラン。……不思議なことだけれど、私の周りでは佐倉さん以外に見たことがないわ」


 俺たちは運のいいことに契約したてから仲間や先輩に囲まれているし、これまで大した危機もなくやってきた。

 しかし、魔女との戦いは本来なら命懸けだ。気を抜いてたらいけないってことだろう。


杏子「それにしても偏ってる気がするけどなぁ? まるで誰かが中心になってるような……」

貴方「誰かって、うちのクラスメイトの中で?」

杏子「勘だよ勘! 言ってみただけだ!」

貴方「ま、偏りについてはわからないけど、賑やかで毎日楽しいクラスっすよ。今日は調理実習でホワイトシチュー作ったんだ」

貴方「うちの班は鹿目さんのおかげでうまくできたけど、美樹の班は焦げたって悔しそうにしてたな」

マミ「まあ、鹿目さんってお料理得意なの?」

貴方「お父さんに習ったんだって。うまくできてすっげえ嬉しそうにしてた」


 他愛のない話をしながらみんなで魔女を探し歩く。



1巴さんのクラスでの過ごし方について聞いてみる
2佐倉さんに学校の楽しさをアピールする
3自由安価

 下2レス



貴方「とにかく、今日の鹿目さんは頼りになったよ。普段そういうイメージなかったけど、面倒見の良さとかが垣間見えた感じで」

マミ「本人に言ってあげたら喜ぶでしょうね?」

貴方「ん~……鹿目さんどんな反応するかな。なんとなくですけど、褒められるの慣れてなさそうじゃないっすか?」

マミ「反応を見るためにも褒めてみればいいじゃない」


 ……なるほど、それは考え付かなかったな。

 あの時憧れるって言ったのも鹿目さんじゃなくて、『鹿目さんのお父さん』のほうだったし。


杏子「調子に乗せてなんかうまいもんでも作ってもらうか?」

マミ「こら。そういう話じゃないでしょ?友達に手料理を振舞う機会っていうのも、両親が健在だとそうないものだしね」

マミ「それこそ『調理実習』でも一緒にやるのでもないと」



 話しているうちに魔力を感知して、結界を探すことに意識を切り替えていった。

 少しの差ではあるが、気付いたのはやっぱり魔法少女を長くやってる巴さんと佐倉さんのが先だった。


 魔力の根源を追って結界の中に入っていく――――。




 前衛に佐倉さんと俺が並び、後ろを巴さんが守る形で迷宮を進んでいく。

 右側に現れた敵は佐倉さん、左側に現れた敵は俺が。

 正面から来た敵を仕留めるのはどうしているかというと、武器のリーチが長い佐倉さんのほうが速かった。


杏子「モタモタしてるなよ?わざわざ譲ってやってるんだから」


 それに加え、倒すのにモタついた時は巴さんか佐倉さんが援護してやっつけてくれていた。


貴方(こっちも長めの武器にするか……?でもあんまり扱ったことがないしな)


 今の武器は魔力の刃を短く出した短剣だ。

 基本的に刃の出力は大きいほうが魔力もかかるから、特別力を込める魔女戦でもない今、長くするなら細剣とかになるだろうか。


 けど多分、倒すのが速いのも武器のリーチだけの差じゃない。反応の速度も佐倉さんのほうが上なんだろう。

 下手に変えても武器に振り回されてしまうのが容易に想像できる。


マミ「【貴方】くんはいろんな戦い方ができるけど、代わりにあまり定まってないのね」

マミ「色々と試してみるのは構わないわよ。私達もついてるんだし自由にやってみたら?」


 巴さんは二体以上の敵が現れた時にだけ的確に援護して撃ち落としてくれている。

 使い魔を倒すのに弾は一発、多くても二発だ。誤射は一切なかった。

 今はペーペーの俺も含めて三人いるからこういうふうなんだろうが、きっと一人でも全部対処してのけちゃうんだろうな。



・戦い方とか
1このままでいこう
2細剣にしてみる?
3鞭とか?
4杖から魔力を飛ばす飛び道具に挑戦してみる
5自由安価

 下2レス



 ……これでいこう。イメージを明確にし、魔力の刃先を細く伸ばしてしならせる。

 刃に使う魔力は変えずに鞭の完成だ。


杏子「へえ、考えたな。でもまだまだ狙いが甘いよ!」


 振り回せばなんとかなる剣のような武器とは違って、扱いは少々独特だ。

 佐倉さんが手本とばかりに槍を変形させ、多節棍を扱って使い魔2体をまとめて倒してみせる。

 上手く扱えばここまで連続して当てられるのか。まとめて叩くにはもう少し伸ばしたほうがやりやすいかな。


マミ「私たちも似たような武器は使えるからね。必要なら今度じっくり見てあげられるわ。今は色々と見て盗んでみて」



 二人に指導してもらいながら進んでいった。




▼鞭の腕が上達しました。 Lv0→Lv1

――――
――――



 ――――魔女を倒して街に戻ってくる。


 やっぱり二人がついてるからあっというまだった、って感想だ。

 佐倉さんは普段反発してることも多いけど、戦いの中だと的確に巴さんの指示に合った動きをしてたのが印象深かった。

 なんだかんだ息合ってるよな、あの二人。


 そんなことを少し口に出してみると、予想外に怒られてしまった。


杏子「当たり前だろっ! 最低限やりたいことが合わなきゃ足引っ張り合っておしまいだ」

杏子「今回はアンタもいるから細かく指示してたが、あたしならマミの考えは大体読める。一緒に戦うからには互いに命預けてんだぞ」


 ……これは自慢もされてる、のかな?


マミ「あら、そこまで言ってくれてありがとう。佐倉さんもちゃんと後輩の面倒見てるのね」

杏子「な、なんだよそれ!?」

マミ「佐倉さんはこういうところ結構真剣だから。態度は厳しいけど落ち込まずに受け取っておいて」

貴方「そうっすね。一緒に戦うなら連携は大事だし」

マミ「じゃ、パトロールはここまでにする?佐倉さんはこれからはどうするの?」

杏子「えー、あたしは…………」

マミ「決まってないならうちに来る?どうせ帰っても一人だし。ご飯くらいなら出せるわよ」

杏子「まあ飯食えるならそれでもいいや」


 渋々を装ったような佐倉さんの返事。それから巴さんはこっちを見る。


マミ「【貴方】くんは……――」



このあと
1行きたい
2家で食べるので…
3待ってる人がいるので
4その前に特訓してほしい
5自由安価

 下2レス



 噂に聞いた巴さんの作るケーキ……ではないけどご飯。

 別れる前に食べにいく流れでも悪くないな。


貴方「あ、じゃあ行きたいです!」

マミ「あー……いえ、家にはご家族がいるのかなって聞こうと思ったんだけど」

貴方「えっ」


 あー!早とちり!


マミ「いいわよ。そう言ってくれるのなら用意しましょう! たまには三人でっていうのも悪くないわね」

杏子「何食う?鍋とかどうだ?」

マミ「三人で鍋パーティしましょうか」



 みんなで巴さんの家に向かい出して、ふと巴さんがした質問を考える。



貴方(俺の家庭……?)



1一人だ
2普通に家族がいる

 下2レス

『一応』同一人物です。身の回りの設定は変わることありますが。
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 まあ、普通か。特に他の人と変わりはないと思う。

 ……別に気にする意味もないな。なんで気になったんだろ。


貴方(鍋楽しみだな)


 ちょっと買い物をしてから高層マンションの中の巴さんの部屋に上がらせてもらうと、お言葉に甘えて佐倉さんと並んでソファに座る。

 巴さんは鍋の用意に行っている。手伝わなくて大丈夫かな。


貴方「手伝うことあります?」

マミ「大丈夫よ。具材を切るだけだから」


 佐倉さんはソファの上であぐらをかいている。……遠慮がないなぁ。まるで自分の家みたいなくつろぎ方だ。


貴方「佐倉さんは前からよくこうして上がっていたの?」

杏子「ああ。昔は訓練か魔女狩りの後のお茶会だけだったけどな」

貴方「お茶会か……この前も聞いたような。楽しそうだね。女子会みたいなもの?」

杏子「一応魔法少女の活動の一貫としてだよ。反省点言ったりすんの。……前は魔法少女のこと以外で関わることって少なかったからな」

貴方「あぁ……なるほど」




1今はそうでもなくなった?
2どうして仲良くなったの?
3自由安価

 下2レス


貴方「どうして仲良くなったの?なにかきっかけでも?」

杏子「きっかけってゆーか…… まどかやさやかたちが契約してからだな。そっから変わったのかもしれねーな?」

マミ「やっぱり、一人は寂しいからよ」


 巴さんが材料の入った鍋を持ってテーブルのほうに来た。あとは火をつけるだけらしい。


マミ「多分少し素直になっただけ。今思えば、正義の味方ってことばかりに囚われてたのは生きづらかったと思う」

マミ「自分も他の魔法少女も、ただの人だって思っていいんだって気づいたのが一番のきっかけじゃないかしら」

杏子「……まあ、理想に囚われてたのはマミだけじゃないしな。あたしもマミとは違う魔法少女としての『理想』があったし」

杏子「今も完全に否定はしてないけど」

貴方「…………」


 ……俺が契約する前?それとも後?

 鹿目さんや美樹が契約してから何があったのかはしらない。けど強く感じるのは、今二人は『とても満足してそうだ』ってことだった。


マミ「さあ、煮立ってきたわよ!もう少し白菜がしなっとしたら食べごろね」

マミ「鍋パーティっていうのもいいわね。普段とは違って賑やかな感じがする」



 ――――巴さん宅で鍋をつつき、ご馳走をいただいてから帰った。

 今日は少し二人のことが理解できたかもしれない。





二回目【貴方】 4日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・一緒に遊んだ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親しみが持てる完璧
・佐倉杏子・・・鍋囲んだ↑
・巴マミ・・・鍋囲んだ↑

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

教室 5日目



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると挨拶が返ってきた。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」


 昨日はちょっと話題に上がったけど、扉を開けたら一つの教室に三人も魔法少女がいるってすごいな。

 俺も合わせたら4人も終結してるのか。


貴方「佐倉さんも学校に来られればもっと楽しいのになあ……」


 ふとそんなことを考える。

 佐倉さんはそもそも『あんなこと』があったせいで身元の証明もできないらしいけど、学校に通ってたとしたらどこの生徒なんだろうか。

 やっぱり風見野のほうかな。こっちは遠すぎるだろうし。けど、一緒のクラスにいたら楽しいだろうな。


 なんにしても、佐倉さんは学校の話になると自分とは無関係のことのように反応するから。


さやか「杏子?杏子のことがどうかしたの?」

貴方「あー、いや。別に。ちょっと考え事してただけ」


 と、空想を終わりにして目の前の風景へと目を移した。



1なんかごきげんそうな鹿目さんに声をかける
2そんな鹿目さんを眺める暁美さんに声をかける
3美樹と雑談
4自由安価

 下2レス



まどか「~♪ ~~♪」

ほむら「…………」


 鹿目さんがなにか鼻歌を歌っている。そんな鹿目さんを暁美さんが見ていることに気づいた。

 暫く眺めてみるけど、暁美さんは何を言うでもなくじっと鹿目さんを見つめている。


貴方「暁美さん、何見てるの?」

ほむら「えっ……なんでもないわ」

貴方「嘘でしょ。本当はアレ見てたんじゃない?」


 鹿目さんはまだ歌ってる……曲調を聞くに演歌っぽい?


ほむら「……ええ。まあ」

貴方「気になるのはわかるよ。声かけたらやめちゃうだろうしな。けど、暁美さんってよく鹿目さんのこと気にかけてるなって」

ほむら「友達だから。……そう言ってくれてるから。『友達』なら、気にかけるのは当たり前のことでしょう?」

貴方「んー、まあそれもそうかな……」


 女同士の友情ってよくわかんないし。……でもなーんか、ちょっとだけ言い方に違和感を覚えた。


貴方「とにかく、鹿目さんのことが好きなんだってのはわかるけどさ」

ほむら「好き……?」

貴方「あ、別に変な意味じゃないよ!?」

ほむら「変な意味って何?」

貴方「いや……なんでもないよ。大した話じゃないからさ」


 暁美さんと俺も『友達』。なのに、暁美さんってなんか時々不思議な感じだ。



 ――――チャイムが鳴って英語の授業。

 今日はペアで英文を読みあう授業だ。


 周りを見るとすでにちらほらと出来始めてる。誰を誘おうかな?



1クラスメイト(キャラ指定)
2まさかの先生と

 下2レス



貴方「志筑さん、一緒にやる?」


 ……そういえば、前までだったらこの人もよく美樹や鹿目さんと一緒にいたはずだったんだよな。

 色々あって一時期避けていたように見えたけど、美樹も吹っ切れたようだし、これからは元に戻っていくかもしれないな。


仁美「ええ、喜んで。ちょうど一人でしたから」


 誘ってみると快諾してくれた。

 しかし、そう言って志筑さんが一瞬目を向けたのは上条のほうだ。……上条の相手は中沢か。

 アイツもクラスで人気の高い奴だ。たかが授業の一部とはいえ、友情もいいけどこっちを優先してやれよな。彼女寂しがってるぞ。


 と、心の中で零しながら授業をこなしていく。


貴方「志筑さん、さすが発音いいね……。もしかして英語ペラペラだったりする?」

仁美「難しいのは無理ですが、簡単なものなら。英会話は小さい頃からずっと習ってますので」

貴方「習い事かー……」


 駄目だ、自分のが恥ずかしく思えてくる。授業はできるほうだと思ってたが志筑さんとは比べられない。


貴方「お節介かもしれないけど、本当は上条と組みたかったんでしょ」

仁美「!」

貴方「ごまかす必要はないよ。美樹の周りは大体知ってるし。んーと、だから……」

貴方「英語ってアイツの夢に必要なものでもあるじゃん?次からは志筑さんが得意なことを教えるってことで誘うのはどうかな!」

仁美「……そうすれば、私のことを優先する、と?」

貴方「適当に考えただけだけど!あ、席戻るって。今日は一緒にやってくれてありがと!」

仁美「あ、こちらこそ、ありがとうございますわ……」



 ペアが終わって自分の席に戻っていく。
 
 ……やべえ、マジでいらんお節介言っちゃったかな。そういう経験すらないのに。


 そんなことを思いながら――残りの授業を聞いていた。




*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



 ――――学校が終わると、街の外れに来ていた。

 前に佐倉さんの話で聞いたことのある、今は使われていない古い教会だ。実際に足を運んだことはなかった。


杏子「よー、何しにきたんだよ?」


 誰も居なければすぐ立ち去ろうかと思ってた。

 人がいないのをいいことに踏み荒らすわけにもいかないし。てか、変なことしたらシメられる。


貴方「パトロールのついでに寄っただけ。佐倉さんももしかしたらいるかもしれないと思って」

杏子「あたしを誘いに来たのか?」

貴方「佐倉さんは? ここによく来るの?」

杏子「……あたしが自分の家に帰るのに理由がいるのか?」


 言われてみればその通りか。何にもなくなって住めなくなったって、ここは佐倉さんの家だ。思い出は残ってる。

 そう簡単に未練なんかなくならないよな。



貴方「佐倉さんってさ、本当に強いよね。『あんなこと』があったのに」


 数ヶ月前にはこの教会に人がいて、ひっそりとだけどちゃんと運営してたらしい。

 神父は佐倉さんのお父さん。だけど、佐倉さんが契約したせいで家族は崩壊した――……詳しいことはわからないけど。


杏子「やめろ。同情とかマジでされたくない」


 佐倉さんは突き放すように言った。

 たしかに、俺には気持ちはわからない。家に帰れば家族がいて、とくに悲劇なんて味わった覚えもない。

 いい意味で、俺はどこまでも普通だ。いや、そうでなくとも佐倉さんが負った傷の大きさなんて本当の意味じゃ誰にもわからない事だろう。



1いい場所だね
2昔の事、詳しく聞いちゃ駄目かな?
3パトロール一緒に行かない?
4自由安価

 下2レス



貴方「……じゃあせっかくだし、今日もパトロール一緒に行かない?」

杏子「パトロールか。いいけど?」

貴方「えっ、ホント?よかった」

杏子「誘っといて何だよ」

貴方「いや、なんか邪魔されたくなかったりするかなって思って」

杏子「……別に何かしてたわけでもねーし。ここに来てももう何もできないからな」


 何もできなくても、佐倉さんにとっては意味はあるとは思う……けど。

 とりあえず、佐倉さんがついてきてくれるなら心強い。

 けど二人だとなんとも会話がなくて、どうしようかと悩む。――考えてると、佐倉さんのほうから話してきた。


杏子「アンタさ、周り女子ばっかでやりづらくねーの? むしろ役得とか思ってる?」

貴方「クラスでもよく知ってる人が多いからそんなに疎外感はないよ。前はちょっとボヤいてたけど。ほら、実力差とかも男女であるわけじゃないし」


 元々の腕力の差もまったく影響がないというわけではないのか、俺は大抵の魔法少女よりは身体能力は高いほうだ。

 けど、佐倉さんがその『大抵』の中に含まれない人だから、ここじゃ差があるなんて言えない。

 それ以前に実力は純粋な身体能力だけで決まるわけじゃない。経験や技術の方が大事なのは他の人を見てさんざん実感してきたし。


杏子「まあそこんとこ理解して、ウワついた気持ちじゃないならいいんだけど。チャラついた考えしてたらシメてたとこだ」


 ……昨日も言われてたけど、本当に佐倉さんってこういうところ真面目なんだな。


貴方「でも、もしみんなが危なそうな目に遭ったりしたら見過ごせないし、助けたいとは思うよ」

貴方「それは仲間や友達としてもそうだし、実力とかも関係なく、男としてもそうだ」

杏子「あぁーそう?それは立派なことだけどさぁー…………面倒臭いな、野郎って」

貴方「まあ、そういうもんなんだよ」


 佐倉さんは理解できなさそうにしてたけど、否定はしなかった。

 それから魔女結界を見つけて乗り込んでいく。



 昨日と比べたら巴さんが減って、自分が気にかける範囲が広がった。しかしやることは変わらない。


杏子「このくらいさっさと伸して魔女んとこ行くぞ」

杏子「チッ……このくらい一人だったら避けて進むんだがな。全部は倒そうとしなくていい」

貴方「でも巴さんが結界に迷いこむ人がいるかもしれないから出来るだけ倒しておいたほうがいいって」

杏子「無駄なことはするなって言ってんだよ。使い魔に足をとられて結界を消すのが遅れたら元も子もないだろ。融通効かせろよな!」

貴方「ああ、なるほど……安全のことも考えてるんだね」

杏子「はぁ? ……さあね」


 佐倉さんは相変わらず動きが速くて、ついていくのが精いっぱいだ。

 ……佐倉さんはあまり人を頼ろうとしてないのはわかる。俺のことも、他の人のことも。

 後輩なんて頼ってられないってことなのかな。巴さんに対してはまた違う意味で反発を感じるけど。


貴方「……この奥が魔女かな?」

杏子「ああ、魔力の感じからしてそうだろうな。大物の気配がする」

貴方「大物!……強い?」

杏子「いや、これまでの雑魚と比べたらってことだよ。まあ、油断はしないがな」


 簡単な戸を破り、魔女のねぐらを襲撃する。

 二人で囲み、佐倉さんが隙を突いた大きい攻撃を仕掛け、そこから一気に畳みかけていった。


 魔女があっというまにグリーフシードに変わる――――

 佐倉さんの戦い方は、強力なパワーとスピードを活かしての短期決戦がメインのようだ。

 巴さんが先導して佐倉さんがそれに合わせていた昨日とは少し違った戦いを終える。



貴方「今回も無事終わってよかった」

杏子「当たり前だろ。無事じゃなきゃ困るんだよ」


 佐倉さん、やっぱり態度は厳しいけど……。


貴方「魔女との戦いで苦戦することってある?怪我したりとか。美樹がいない時は巴さんが治療してたのかな?」

杏子「前はあったが、自力でやったって魔力があればなんとかなる」

杏子「もちろん今じゃ傷つくこともそうそうねーよ。でも、あたしは治療は得意じゃないからな」

杏子「ソッコーで敵を倒した後さやかかマミんとこに運ぶくらいはしてやるけど、お前がヘタ打って大怪我したって治さないぞ?」

貴方「軽い怪我は?」

杏子「大怪我じゃないなら自分で治せるだろ。それかガマンしとけ。男だろ」

貴方「厳しいね……」

杏子「だから無事でいろっての。怪我ならまだしも死んだら誰にも治せないんだからな」


 それはごもっともだ。


杏子「……逆に、もしあたしがヘマしても下手になんとかしようとするなよ。二人でくたばるこたぁないんだ」

貴方「それって、まさか見捨てろって言ってる?」

杏子「生き残るための行動を考えろってこと。ま、あたしがやられるくらいの相手ならすぐ逃げたほうがいいかもな」

貴方「それは……できないよ。さっきも言ったけど、誰かが危ない目に遭ってたら助けたいんだよ」

杏子「はぁ!?聞き分けがねーな!そのために自分が死んでもいいってのか?」

貴方「そんなことは言ってないけど!」


 そんなことを言ったつもりじゃなかったけど、結局はその二択になるのか?

 それでもやっぱり、どんな状況になっても見過ごすなんて選択はとりたくなかった。



杏子「もう……やりづれぇなあ。もしもの話だろ?」

貴方「ゴメンって。でも他の仲間もそう言うんじゃないかな、みんな」

杏子「……いや、『もしも』だからか……? わかったよ、あたしはヘマなんかしない」

貴方「そうだね。無事に勝たないとね」


 それ以来また暫く会話がないままパトロールを続ける。昨日巴さんも一緒だった時はもっと会話があったんだけどな。

 ……ふと、最初に話していたことを思い出して考えた。


貴方「……佐倉さんは、今まで女子だけだったところに俺が入ってきてやりづらい?」

貴方「やっぱ、空気は少し変わるでしょ?男はいないと思ってたみたいだし」

杏子「まあな。長いこと話すらしてなかったな、そーいえば」

貴方「他の人とだともっと賑やかなのかなって思って……」

杏子「別に話すことなくねー?無理に話さなくてもいいじゃん、魔女倒せれば。そのためのパトロールじゃん?」

杏子「なんか話したいことでもあんの?プライベートで聞きたいこととか?」


 佐倉さんのプライベート、確かにあんまり知らないな。



1おいしい店とか…?
2好きなものはある?
3スリーサイズ教えて
4自由安価

 下2レス



貴方「じゃあ、よく行く所があったら教えて欲しいかな」

杏子「よく行く所? 飯の話?」

貴方「飯屋でも、遊びにいくとこでも」

杏子「……繁華街にはよくいるよ。飯も大体そこだ」

貴方「そうなんだ。あ、佐倉さんも何か聞きたいことあったら聞いていいよ。こっちだけ質問しちゃって悪いし」

杏子「んー?そうだな…………」


 ……佐倉さんが考え込んだまま時間が流れる。


杏子「……考えたけど別にねーわ」

貴方「ええ!? 興味なしってこと?」

杏子「仕方ないよね?急に言われても思い浮かばなかったんだから」

貴方「まあ無理にとは言わないけど……!」

杏子「てか、本当はアンタもあたしにそこまで興味なんてないんじゃない?話題がないから振り絞っただけでさ」

貴方「いや、そんなことはないって……。仲間なんだし。佐倉さんのことももっと知りたいと思うよ」

杏子「……マジで言ってる?」

杏子「あっそ。そう言われたって思い浮かばないモンは思い浮かばないからな!魔女探すぞ」

貴方「わ、わかったよ……」



 今日一日一緒に行動して、少しは距離が近づけたかな……?道のりは遠そうだ。




二回目【貴方】 5日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・一緒に遊んだ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親しみが持てる完璧
・佐倉杏子・・・興味なしか…↑
・巴マミ・・・鍋囲んだ

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――



 明日は休日だ……。誰か誘おうか?



・キャラ選択(まどか/さやか/ほむら/杏子/マミ)
・何に誘う?※キャラによっては断られることもあります
1遊びに行く
2パトロールに行く
3訓練する
4家に誘う
5相手の家に行く
6自由安価

 下2レス



 帰宅してから、巴さんにメールを打ってみた。

 また家に行ってもいいか聞いてみると、『それなら人数が多いほうがいいわね』とみんなでお茶会をすることになった。

 連絡手段のない佐倉さんも、見かけたら誘っておくと言っていた。


 ……お茶会。

 話には聞いていたが、参加するのははじめてだ。なんか手土産でも持って行ったほうがいいかな?


――――
――――
一週目 週末
巴宅



 インターホンを鳴らして部屋に入れてもらうと、甘い匂いが漂っていた。



貴方「おじゃましまーす……ケーキの匂いがする」

さやか「おう!早くこっち来てみなよ、今日のケーキもうまそうだから!」


 なぜだか出たのは巴さんではなく美樹だ。

 というのも、巴さんは色々と準備をしていたからだったらしい。奥に進むと姿が見えた。


マミ「いらっしゃい。もしかしてその袋、何か持ってきてくれた?気を遣わせちゃったかしら?」

貴方「一応手土産は必要かなと思って。でも、これだけあったらいらなかったですかね」

マミ「いえ、気持ちは嬉しいわよ」

杏子「余ったら食うけど?」

さやか「杏子もちょっとは見習いなさいよ。ていうか、あたしも何か持ってくればよかったかな?」

マミ「気にしなくていいんだけどね」

杏子「待ちくたびれたし早く始めようよ」

マミ「みんなが揃ったらね」



 この時点では鹿目さんと暁美さん以外は集まっていた。佐倉さんも誘えたみたいだ。

 それから少しすると二人もやってくる。

 ケーキは聞いた通りの出来栄えだ。手作りって聞かされなかったら買ってきたと思ってしまう。


マミ「お待たせ。紅茶を淹れてきたわ。それじゃ、ケーキを分けましょうか」

まどか「わあ、ありがとうございます!今日も美味しそうです!」

ほむら「今日は【貴方】くんもいるのね?」

さやか「珍しいよね。マミさんが誘ったんですか?」

マミ「まあ、そうね。でも提案したのは【貴方】くんよ」

貴方「こんなすごいお茶会開いてもらえるとは思ってなかったですけど」

杏子「……ふーん」

さやか「アンタは誰がいてもいなくても関係なさそうねぇ……」

ほむら「むしろ取り分が少なくなると思ってそうかも……」


 この前の鍋みたいに、またなんか集まって遊んだりできればいいなってくらいの気持ちだった。

 生返事しながら食べてる佐倉さんは、やっぱり俺には興味なさそうだけど……。


マミ「人数が増えた分は量を多くしてるわよ。ケーキだけじゃなくて他にも足したりね」

マミ「それに【貴方】くんも持ってきてくれたから、普段より多いくらいよ」

まどか「そのプリン、【貴方】くんが持ってきてくれたんだね」

貴方「高価なものではないけどね」

ほむら「こんなに食べられるかしら……。持って帰ってもいい?」

杏子「あ!余ったら――」

マミ「さすがに意地汚いわよ?保冷剤ならいくつかうちでも用意できるから、心配しないで」


 暁美さんは表情が変わりにくいけど、ちょっと苦笑いしたように見えた……。



1みんなの仲について
2巴さん、大変じゃないんですか?
3自由安価

 下2レス


貴方「みんな仲いいよな」

さやか「どこを見て言ったの?」

貴方「美樹と佐倉さんとかも、互いに遠慮ない感じするし」

杏子「こいつが生意気なだけだろ?困ってるんだよ!」

さやか「なにそれ、どこが生意気よ!」

貴方「あとは、学年の違う巴さんとかさ。同じクラスのメンツは仲いいのはわかるんだけど」


 暁美さんは横に居る鹿目さんと話していたが、俺が見ていることに気づくとこっちにじっと視線を移す。

 ……鹿目さんと美樹が幼馴染なのは知ってるけど、暁美さんは転入生だ。それに、誰とでも仲良くするタイプではない。

 正直、きっかけ――というのだろうか。ここまで二人が急激に仲良くなった理由がわからないんだよな。


さやか「何ー?【貴方】、ヤキモチ焼いてるの?みんなが仲いいから?」

まどか「【貴方】くんも大事な友達だし、仲間だよ!」

杏子「まあ、イイモノ持ってきてくれたから気が利く奴だとは見直したよ」

さやか「なんで上から目線なんだこの子は」

貴方「ははは……まあ、喜んでもらえたならなによりだよ」

マミ「今日のケーキと紅茶はどうかしら?紅茶のおかわりが欲しくなったら言ってね」

貴方「美味しいです!すごいっすね」


 みんなとお茶会を楽しんだ。話して食ってただけだったけど、なんか優雅な雰囲気は味わえた。

 今日のメインであるケーキは言うことなしの出来だったし、クッキーもさくさくとして美味しかった。


 けど、ちょっと甘いもの食べすぎたかな。――お茶会も終わりの頃、そう思ってると佐倉さんがこんなことをつぶやく。


杏子「……さてと、ラーメンでも食いに行くか」

マミ「まだ食べるの?」

まどか「太……らないんだよね、杏子ちゃん。むしろ細いくらい。うらやましいかも」

ほむら「まどか、我慢しているの?私はもうお腹いっぱい。プリンはお土産にいただいていくわね」

まどか「べ、べつに我慢ってほどじゃないよ?ご飯はもうちょっと経ってからがいいかなあ」

さやか「あたしもこれ以上はいいや」


 何気なさそうなつぶやきにそれぞれ言葉を返すが、みんな同じような反応だ。

 そんな中、俺はこってりしたラーメンを思い浮かべる。口直しにはちょうどいいだろうな。


貴方「それ、いいかもな」

さやか「おー、マジか!行ってくれば?杏子ってやっぱ食う量違うわ」

まどか「あははは……」

杏子「……行くならついてきてもいいけど?店までは決めてない」

貴方「そ、そうだね。行ってから決めよう」



 佐倉さんと巴さん宅を出た。 優雅なお茶会は終わりにして、頭の中はラーメン一色だ。



貴方「どんなのが食べたいっていうのは決めてる?」

杏子「まあね。合わせる気はないよ。で、アンタはどうなのさ?」

貴方「あっさりよりこってりがいいかな。豚骨系とか。そんで、背脂浮いてるやつ!」

杏子「お、話がわかるじゃん!そうだよな。甘いものの後はガツンと脂の浮いたラーメンだよな!」


 食べ物の話で珍しいまでに意気投合。……まあ、興味があるのは食べ物のことなんだろうけど。


杏子「……みんな小食すぎるんだよな。お菓子だけでお腹いっぱいってさ」

貴方「特に暁美さんは小食な感じするかな。俺はよく食べる人っていいと思うよ。見てて気持ちいい」

杏子「そ、そうか? それより話してたらますます腹減ったな!そこなんてどうだ?なかなかうまそうだぞ」

貴方「ああ、よさそうだね」



 ……――――お茶会と食後のラーメンを楽しんだ!



― 一週目休日 終了 ―

教室 6日目



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 今日の教室内は――――……


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 4人から声が聞こえてくる。今日は志筑さんも一緒に話してるんだ。

 珍しく思ったけど、 暁美さんが来る前までは三人といえばこの三人だったはずだった。


 三人は魔法少女で、志筑さんはそうでないからというのも理由かもしれない。

 それから志筑さんは、上条と付き合い始めて、一時期は美樹と気まずくなってて――……。


 やっと元の形に戻りはじめたってところか。とはいっても、お互い他に優先することは増えたわけだけれど……。

 しばらく四人の様子を眺めて、朝の時間が過ぎていった。


――――
――――



 ――――下校のチャイムが鳴ると、みんな次々ちらほらと机を収納して教室を去っていく。

 今日は帰りも四人一緒にいた。



貴方「今日は志筑さんと一緒に下校?」

さやか「うん、久しぶりに遊びに行こうって話になってさ。あ、【貴方】も一緒に来る?」

貴方「うーん、どうしようかな」




1行くよ
2他の人を誘ってパトロールに行こう(マミ/杏子)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



 最近パトロールに訓練続きだったし、たまにはそういうのは忘れて遊ぶのも悪くないか。


貴方「行くよ。久しぶりなんだ?」

まどか「うん、仁美ちゃんは習い事もたくさんやってるから」

さやか「そうだよ?仁美と遊べるのなんて貴重なんだからね?」

仁美「あの、実は習い事は少なくしてもらったんです。これからは高校受験もありますし」

仁美「なにより……私も好きでやっていたわけじゃありませんから」

まどか「え、そうなの?」

さやか「気ぃ早すぎない?」

貴方「志筑さんのことだし、俺らとは比べられないような名門校なんだろ?」

仁美「そう言う【貴方】くんも、貴方の学力ならその気があればかなり上を狙えると思いますけど」

貴方「その気があれば、か……。そんなに上を目指す気もないけどな。面倒そうだし」

仁美「ええと、話を戻しますね。なので、時間は今までより少し空いているのですが……」


 そう言う志筑さんが一瞬どこかへ視線を向ける。

 視線の先は――――上条か。友達と一緒に帰るところみたい。

 それに美樹も気づいたみたいで。


さやか「あ、そっちはそっちで優先してくれていいからね?」

仁美「ええ。ありがとうございます」

ほむら「……最近は私たちのほうが予定があったわね」

まどか「あ、たしかに」

仁美「そちらも落ち着いたのでしょうか?」

まどか「えっと……前よりは落ち着いたかな」

仁美「それなら、よろしくお願いしますね」

仁美「勉強もしないといけないのでいつでもというわけにはいきませんが、私もこれからはいくらか自由になりましたから」


 志筑さんはふわりと笑って挨拶をした。

 今日は俺も誘ってもらえたけど、この5人で出かけるのってはじめてだな。普段どんなところで遊んでるんだろう。



貴方「それで、今日はどこに行くんだ?」

さやか「ショッピング行こうって話してて。それでいい?」

貴方「ああ、構わないけど……何か見たいものはあるの?」

さやか「いーや、行き当たりばったり。あとのことはついてから決めよー!」


 ――……随分と適当なノリで駅前へと足を進めていく。

 デパートに入ると、まずは服や雑貨の店が並ぶフロアだ。……普段なら素通りするところだ。あんまり興味は惹かれないかな。


 綺麗な小物類を置いてる店の前で足を止めて、二人がそっちに目を向けていると、志筑さんがこっそりと話しかけてきた。


仁美「あの、少しよろしいですか? 【貴方】くんが知っているかはわからないのですけど……」

貴方「え?いいけど、どうかしたの?」

仁美「はい。【貴方】くんは美樹さんや暁美さんとは仲がいいようですし、最近三人とよく一緒にいるのを見かけますので……」

仁美「学校を出る前にも話していた、三人の『予定』って何かご存じだったりしませんか?」

貴方「あー……予定か」


 恐らく魔法少女のことだろうな。

 知ってるけど、正直には話せないことだ。なんて言ったらいいか迷うな。



1知らない
2話せない
3ボランティア、とぼかす
4自由安価

 下2レス



貴方「んー、それはちょっと俺には話せないっていうかー……」

仁美「まあ……!」


 俺が曖昧に言うと、志筑さんは口に手を当てて大げさに驚いたポーズをとる。

 ……フィクションでしか見ないようなお上品な驚き方だから、本気でやっているのか疑問に思うが、まあ本気なんだろう。


仁美「つ、つまりお二人はその、人には言えないようなことをなさって……!?」

貴方「あ、いや、別にやましい事してるってわけではないけど――って、その反応だとそうは勘違いしてなさそうだね?」

仁美「私にはやましいと言っていいのかわかりませんわ。たとえ禁断でもそれもひとつの愛の形……!」ブツブツ

貴方「お、おーい?」


 やべえ、変なスイッチでも入った?


仁美「……でも、その様子だと【貴方】くんはご存知なようですわね。なんだか少し寂しいです」

貴方「あ……それは」

仁美「いつからなのでしょうね。私も転校生の暁美さんとは変わらないかもしれませんが、二人とはずっと近くにいたんです」

仁美「きっと、本当に悩んでいることとかも【貴方】くんには話せるのでしょう?」

貴方「そ、そうかな……?」


 魔法関連のことならたしかにそうだけど、俺だけじゃなくて先輩で頼りになる巴さんとかもいるし。

 それを抜きにしても頼ってもらえてるかな。

 俺がみんなの支えになれるだろうか。



仁美「それともまさか、四角関係……?奪い合いなんですの!?」

貴方「それは頭から抜こうか!?仲はいいと思うけど、友情っていうか仲間としての思いだろうし!」

貴方「他は冗談で済むかもしんないけど、俺なんかにそういう風に捉えちゃさすがに悪いよ」


 アレ、本当に本気……なんだよな?

 志筑さんとの会話に意識を向けていると、いつのまにか三人は買い物を済ませていたみたいだ。


さやか「……何話しこんでんの?そろそろいくよ?」

貴方「なんか買ったの?」

まどか「うん!学校にも付けていけるようなちょっとしたものだよ」

貴方「へー」



1鹿目さんに似合いそうなストラップだ
2暁美さんに似合いそうな髪飾りだ
3美樹に似合いそうなアクセサリーだ
4志筑さんに似合いそうなものを発見した

 下2レス



貴方「暁美さんに似合いそうな髪飾りだ」


 今着けているカチューシャと雰囲気の似た黒いカチューシャだ。

 決して派手ではないが、シンプルながらキラキラとした装飾が入っていて上品にまとまっている。


ほむら「え、ええ。そうかしら。……まどかが勧めてくれて」

貴方「鹿目さんのセンスか。いいね」

まどか「でしょ?似合うと思ったんだ。こうやって似合うもの見つけ合うのって楽しいんだよ!」

貴方「たしかにまあ、暁美さんなら選びがいがありそうだよな」


 まあそれは完全に本心というか、自然に口から出たような言葉だ。

 男子の中でも女子の中でも暁美さんは憧れの的だし、人気は高い。美人で勉強もできる高嶺の花というのはみんなの共通認識だった。


ほむら「……そう?」


 しかしそう言うと、暁美さんは表情を変えずに聞き返してくる。褒め言葉なら言われ慣れてるはずなのに。――いや、だからか。

 道歩いてるだけでも散々聞こえてきそうなものだし、適当に聞き流してそうだ。


ほむら「【貴方】くんもそういうことを言うってことに驚いたわ」

貴方「……えーっと!硬派に思われてた?だったら失敗したなあ」

さやか「硬派ってより、鈍感って言われてんじゃない?」

貴方「えっ、そうか?どこがだよ?」



 ……――みんなで話をしながらフロアの中を一通り見て回った。




 結局歩きつかれたみんなが辿りついたのはカラオケで、

 個室のソファで落ち着くと、端末を操作する美樹を眺める。


さやか「よし、あたしは決めた!次まどかね」

貴方「鹿目さんはどんなの歌うの?」

まどか「えっと、わたしはえん……じゃなくて、普通にその時の流行りだよ!」


 ……なんか今言いかけたような。

 美樹の選んだ曲のイントロが流れ出す。


貴方「あー、そう?二人も気になるなぁ。なんとなく、英語の歌とか歌ってもサマになりそう」

仁美「洋楽ですか?知らないこともないですが……」

ほむら「私は……どうかしら。回ってきた時に決めるわ」

さやか「はい、聞いて聞いて!そう言うアンタはどうすんの?」


 鹿目さんが入力し終わって端末が回ってくる。

 どうしようかな?



主人公の【歌唱力】
1前回と変えない(5)
2コンマ再判定
3自分はいいや

 下2レス

あ、前スレ>>888みたいに選択肢の次のレス(ここ)で決めます
----------------------------------------------------

コンマ再判定


 下1レスコンマ判定1ケタ 歌唱
0~9
※0が最大、1から9は大きいほど良い。例によって00はクリティカルだよ。

9 誰もが聞き惚れる…!
----------------------------------


 美樹の元気な歌声を聴きながら、端末を操作する。カラオケは嫌いじゃない。


貴方(これでいいか)


 ……全員に一通り回し終わる頃には一曲目が終わって、鹿目さんの二曲目が流れ始めた。

 まさに鹿目さんのイメージ通りな可愛らしい歌だ。


さやか「よっ、かわいいぞまどかー!」


 他の人が歌ってる時には盛り上げ役な美樹。横で小さく口ずさんでるけど、音楽好きだからか歌もそこそこうまいよな。

 それからまた順番が回って、自分の番でマイクを取る。……すると、歌いだし早々から空気が変わる。


さやか「……えっ、うまくね?」

仁美「本当ですわ。プロの方みたい」

ほむら「意外な特技なのね……」


 なにかと盛り上げ役だった美樹もこの曲の間は静まっていた。

 一斉にやたらとべた褒めされて、照れたけど気分はいい。



さやか「わー、すっげー!【貴方】にそんな特技あるなんて知らなかったよ!」


 歌い終わりと同時に美樹が言う。


貴方「はは……大げさじゃねーか?」

まどか「大げさでもないよ、【貴方】くん。素直に上手だなぁって感心しちゃった」

さやか「そうだそうだ。どうせなら歌手デビューとか狙っちゃえば?」

貴方「いや、そこまでは無理だって」

仁美「最近ネットで動画を上げて有名になる人も見ますよ? 歌い手……とか言ったでしょうか」


 とはいえ、そんなに目立ちたくもないんだよなぁ。趣味に留めていたい。

 一通りは回って、選曲はそろそろ二巡目に入る。



1ところでえんって?
2選曲に悩む暁美さんに声をかける
3志筑さんって歌も習ってたりするの?
4自由安価

 下2レス

この時間、人はいるだろうか?

ん…!?
-----------------------------

貴方「志筑さんこそ、歌も習ってたりするんじゃない?」

仁美「習ってるには習ってたのですけど……合唱ですから。全然違いますわよ」

貴方「ああ、どおりで声の幅が広いなーと。それに腹から声が出てるよな」


 背筋をぴんと伸ばして歌う姿は美しく見えるし、普段喋る時のおっとりした声とは変わった印象。

 芯のある透き通った歌声だ。


貴方「俺の事をほめてくれたけど、志筑さんだって十分上手なほうだよ」

仁美「それほどでもありませんよ。でも、嬉しいですわ」

貴方「もっと色々聞いてみたいな」


 向こうでは、端末を持ったまま悩む暁美さんと鹿目さんが話していた。


まどか「ほむらちゃん、悩んでるの?」

ほむら「あまり流行りの歌って知らないのよね。さっき思い浮かんだのは……どこかで聞いた覚えがある気がしたから」

まどか「カラオケの定番だからかな?わたしたちもよく歌うし」

仁美「別に流行りの曲にこだわらなくてもいいのでは?」

ほむら「じゃあ……こういうのでもいいかしら?」


 暁美さんが悩んだ末選んだのは合唱用の曲だ。それも、少し前に音楽でやったやつ。

 本格的に、流行どころか歌をあまり知らないのかもしれないな。


貴方「お、こういうのは志筑さんの得意分野じゃないか? みんな知ってるしどうせならみんなで歌うか!」

まどか「こういうのもアリなら、わたしも歌ってみようかな……」

さやか「まどかの本領発揮!?」


 みんなで合唱した後は、鹿目さんが今までのイメージからかけ離れた昭和歌謡をかっこよく歌ったり、演歌歌ってたり。

 意外にもカッコいい曲も歌うんだな、なんて思ってたけど、お母さんがよく歌ってたらしかった。


 ……それを聞くと、俺以外のみんなはなぜか妙に納得してた。



さやか「今日は久しぶりによく遊んだなー!」

仁美「やっぱり、みんなで遊ぶと楽しいですわね」


 カラオケを出ると、エレベーターを下って帰り路の方向に歩き出していた。


仁美「【貴方】くんが歌がとてもお上手だっていうこともわかりましたし。また誘いましょうよ」

貴方「俺も楽しかったから誘ってくれるのは大歓迎だよ」

さやか「そういえば、仁美は恭介とはこんな感じで遊んでたりするの?」

仁美「えっ? えーと……そうですわね。たまに一緒にお買い物をしたりはします」

仁美「大体CDショップや楽器屋がメインですから、カラオケとかは行きませんね」

さやか「あー、なんか想像ついたよ。あいつ、興味あることは一直線だもんね」

さやか「今日はまどかのカッコいい姿も【貴方】からしたら収穫じゃない?驚いたでしょ」

まどか「そっ、その話はいいよう」

貴方「意外だったけどイイと思うよ。そういうギャップ」

まどか「えへへ、そうかなぁ……」


 エレベーターが1Fについて外に出ると、家の近い人から段々と別れていく。

 美樹と鹿目さん、あと志筑さんも家は近いらしい。

 駅の近くに住んでいる暁美さんが一番に抜けて、それから自分も途中でみんなと手を振って別れた。



二回目【貴方】 6日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ↑
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・一緒に遊んだ↑
・暁美ほむら・・・親しみが持てる完璧↑
・佐倉杏子・・・興味なしか…
・巴マミ・・・鍋囲んだ

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――
7日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると挨拶が返ってきた。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 昨日から増えた志筑さんも加わって、4人一緒だ。

 それ以外はいつもと同じ様にも思えたが、一つ違うところに気づく。暁美さんの頭についているカチューシャだ。


貴方「暁美さん、昨日の早速つけたんだね」

ほむら「ええ。せっかく選んでくれたから」


 今までのと色は同じだし、雰囲気は似ている感じだ。昨日のことを知ってるか、注意深く見ていないと気づかないだろうな。

 主張しすぎないくらいの華やかさというのが暁美さんに合っていると思った。



1やっぱり似合ってるな
2鹿目さんセンスいいね
3自由安価

 下2レス


貴方「さすが鹿目さんだね。暁美さんに何が似合うかわかってる」

ほむら「ええ、そうね」


 昨日はピンとこないような反応だったけど、そう言うとあっさりと肯定する。


ほむら「自分だとよくわからないから、選んでもらったほうが間違いがないかも」

貴方「えっ、そういう意味?」


 たしかに暁美さんは、飾らない美人って感じかな。


まどか「昨日【貴方】くんも言ってた通り、やっぱり選びがいあるから!」

さやか「くそう、仲いいなー。でもまどかはあたしの嫁だぞ?」

貴方「モテモテだね」

仁美「あぁ、いけませんわ。いけません……」


 鹿目さんもみんなから好かれるタイプだ。その理由もよくわかる。

 志筑さんの反応はよくわからないけど。



 そんなこんなで、学校での一日を過ごしていった……――。



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

――――
――――
放課後



 学校が終わると、今日は三年のフロアまで巴さんを誘にいってパトロールに出かけた。

 巴さんは同じ学校にいるけど、学年が違うから学内で関わることはほとんどない。


マミ「――さて、今日はこの順番で回りましょうか。特にここは不審な事故の情報があったから怪しいと踏んでるわ」

貴方「ちゃんとニュースとか調べてるんですね」

マミ「ええ、まあ……日課かしら」


 本当、巴さんって『魔法少女』だよな。責任感もあるし。

 もちろん美樹にも鹿目さんにも自覚や責任はあるんだけど、巴さんはそれ以上に『魔法少女』であることが日常になってる気がする。

 俺も魔法が使えるけど、まだここまでにはなれないだろうな。


マミ「怪しい場所の近くに来たら気を付けるのよ。気を抜いていたら、魔法少女でも不意を突かれて取り込まれることもあるんだからね」

貴方「えっ、そうなんですか?」

マミ「そういうのが得意な魔女なら。今は私がついているから、ある程度気配は察知出来るけどね」

マミ「あとは悩んだりしない事よ。戦いにも影響が出るし、悩み事があったらすぐにみんなで共有しないとね」

マミ「それで美樹さんは一回危ないことになったから……」

貴方「あぁ、上条のことか……」


 今は折り合いつけられたみたいだけど。


マミ「あれから美樹さんはどう?みんなの様子ならあなたのが詳しいんじゃない?」

貴方「美樹は今のところ問題ないように見えます。拗れそうになった友達ともまた仲良くしてますし」

マミ「そう。よかった。クラスのことは私は詳しく知らないから」

マミ「……ところで、みんなもっとこっちに来てくれてもいいのよ?」

貴方「もしかして、寂しかったりします?」

マミ「べ、別にそこまでは言ってないわよ」


 ちょっと拗ねた様子な巴さん。まあたしかに、普段はクラスのこと優先しがちだからなぁ。



1たまに顔出しにいきますよ
2巴さんもみんなと一緒に登校してみるのは?
3同じ学年で魔法少女候補探してみます?
4自由安価

 下2レス



貴方「キュゥべえに頼んで、同じ学年で魔法少女か魔法少年の候補探してみます?」

マミ「それは…… 無理に増やそうとするのも良くないわよ。寂しいからって理由でこちら側に引き込むわけにはいかないわ」

貴方「そうっすか……割といい案だと思ったんだけどな」

マミ「今は一つの街を守るには十分な人がいるから。魔法少女じゃなくても、友達なんてものは自分で増やせばいいんだわ」


 巴さんは少し無理をしているような笑顔を作った。


 ……三年生の交友関係は俺はさっぱり知らないけど、今一番仲良くしてるのは俺たちなんだろうな。

 でもみんな違う学年だし、佐倉さんはそもそも学校に通ってない。


マミ「ずっと一人だったから、仲間が増えたのは嬉しかったのよ。それなのにまた不満を持つなんてわがままよね」

貴方「それは…………」


 魔法が使えるという『共通点』があれば否が応でも関わることになるし、巴さんは指導者という立場もあるから頼られやすいだろう。

 むしろ巴さんは他の人と仲良くなるのに遠慮があるのかな。普通の人とは違うから?


マミ「……結界を見つけたわ。ここよ」



 弱い一面を垣間見たのは束の間、魔女を見つけると巴さんは凛々しい戦士の顔になっていた。

 入り口を開き、二人で結界に突入する。


――――
――――



 ……――それから、魔女を倒して結界が崩壊する。



マミ「お疲れ様。武器の扱い、上達してきたわね」

貴方「ありがとうございます!」


 俺はほとんど巴さんの指示に沿って動いてただけだった。

 この前佐倉さんが言ってたように、もっと経験を積めばもっと少ない指示で巴さんの考えを読めるようになるのかな。


マミ「【貴方】くんの武器は発想次第でいくらでも活かすことができるからね。伸び代はかなりあるわよ」

貴方「じゃあ訓練頑張らないとっすね」

マミ「ええ。その意気よ」


 魔法少女のことになると本当に頼もしい。

 しかし、少しだけさっきの寂しげな表情も浮かんだ。



これから
1ご飯に誘う
2ヒミツの特訓
3自由安価

 下2レス



貴方「あの、よかったらこの後ごはんにでも行きませんか?」

マミ「ご飯? 私は帰っても自分で作らないとだからいいけど……」


 そういえばこの前も家族が待ってるかどうかを気にしてたな。

 他の人と違って家族がいないというのもどこか気負ってる部分があるのかもしれない。


貴方「じゃ、行きましょ。一日くらい家事サボったっていいでしょ」

マミ「……そうね。今日は楽しようかしら」


 魔女のいた怪しい場所から離れて、人通りのあるほうへ向かっていく。

 一人暮らしなら美味しい店とかよく知ってるのかと思ったけど、あまり知らないらしい。

 良さそうな店で腰を落ち着けて話し始める。


貴方「巴さんってあんまり外食しないんですか?」

マミ「普段は自分で作るかな。家族がいた時も外に食べに行くより家のご飯のほうが好きだったし」

貴方「お母さんも料理上手だったんすね。……それともお父さん?」

マミ「お父さんもたまに料理はしたわね。今思うと上手だったと思うわ。ずっとそれが普通だと思ってたけど」


 育った環境を普通だと思うのは当たり前か。

 巴さんにも料理が下手くそだった時があるのかと思うとなんか不思議な気分だ。



マミ「今でもね、たまーに思うのよね。またお母さんのご飯が食べたいなって。今じゃ他人の手料理を食べることもほとんどないから」

貴方「……」

マミ「ごめんなさい、しんみりさせちゃったかしら?」

貴方「いや、そう思うのは当然っす。うまくいえないけど、そういうのは吐き出したらいいと思います」

マミ「……ありがとう。あら、これなんか美味しそうね。外食もいい刺激になるわ。参考にできそう」

貴方「あー、再現とかできるんですね」

マミ「レパートリーが増えそうだわ。外食はあまりしないけど、ケーキや紅茶はよくお店にも食べに行くし参考にすることもあるわね」

貴方「なら、今度そっちのほうでオススメな店とか教えてもらおうかな」

マミ「ええ。もちろんいいわよ。スイーツも紅茶も奥深い世界なんだから!」



 ……新しい約束ができた。やっぱり、巴さんも好きなことを語る時は楽しそうだ。

 おいしいご飯を食べて、今日は帰路についた。




二回目【貴方】 7日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・一緒に遊んだ
・暁美ほむら・・・親しみが持てる完璧
・佐倉杏子・・・興味なしか…
・巴マミ・・・弱い一面を見た↑

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――
8日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると挨拶が返ってきた。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」



 すっかり元に戻ったな。この光景も見慣れた感じだ。



1四人が何を話してるか聞いてみる
2巴さんのことが思い浮かんだ
3自由安価

 下2レス



 何の話をしてるかちょっと耳を傾けてみると、美樹と志筑さんが漫画の話をしていた。

 そういう俗な話もするんだな。


貴方「志筑さんも漫画とか読むんだね」

仁美「イメージにありませんか?読んでみると面白いものってたくさんあって」

さやか「仁美も案外ハマると一直線なタイプだよねぇ」

貴方「へぇ。イメージにはなかったけど、いいこと知ったよ。ちょっと親近感湧いた」

仁美「まあ、こっそり……なのですけどね」

まどか「やっぱ家の人には知られちゃまずいの?」

仁美「なんて言われるかわかりませんから。知られたくはないです。でも、そのドキドキもまた楽かったり。……不良ですね、私」

さやか「漫画読んだくらいで不良ならあたしは大悪党だぞー?」

貴方「ははは、そりゃそうだ」



1さらに志筑さんと漫画について話す
2鹿目さんにも話を振ってみる
3暁美さんも漫画って読むの?
4自由安価

 下2レス


 意外なことが知れたな。……もしかして、志筑さんが時々変なこと言ってるのも漫画の影響だったりする?


貴方「暁美さんも漫画って読むの?」


 どうせだから他の人にも聞いてみる。暁美さんも同じくイメージにないんだよな。

 お嬢様ってわけではないだろうけどなんだか浮世離れした雰囲気はある。趣味だとか、人間臭いところが見えないような……。

 
ほむら「いいえ、今はあまり」

貴方「『今』は?」

ほむら「入院していた頃は時間が余っていただろうから、読むこともあったかもね」

貴方(……?)

さやか「ほむらもあんまりイメージにないよねぇ」

ほむら「そうかしら……。まあ当たってるわね」

仁美「暁美さんも読んでみたらいいですわ。気に入るものがありますよ!」



 ――……みんなで雑談して朝の時間を過ごした。




*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

――――
――――
放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。



貴方「そういえば、暁美さんはなにか好きなものってある?」

ほむら「好きなもの?」

貴方「趣味とか」


 朝の漫画の話の時には聞けなかったから改めて聞いてみる。

 ここで意外なことでも聞けたら面白いんだけど。……暁美さんの返答はある意味予想どおりだった。


ほむら「……特に思い浮かばないわね。それじゃおかしいと思う?」

貴方「いや、おかしいってことはないよ!今時無趣味な人だって多いだろ。考えてみたら、そんなこと言ってる俺だってそうだった」

ほむら「そう、よかった」


 別におかしいとは言ってない。おかしいことはないけど、これで会話が終わったら何もわからないままだ。

 暁美さんのことはもっと知りたいと思ってた。



1少し話題を変えて、好きな食べ物について聞いてみる
2暁美さんの好きなものといえば、鹿目さん…?
3一緒に趣味でも探してみる?
4自由安価

 下2レス



 とはいえ、何か聞くにしてもとっかかりは必要か。

 今、暁美さんについて一つだけわかることといえば……。


貴方「好きなもの……っていうか、鹿目さんのことはよく気にかけてるよな。鹿目さんとはどうして仲良くなったの?」

ほむら「どうして…………」


 鹿目さんのことについて聞いてみると、暁美さんはどこか答えにくそうにした。


貴方「転入してきてからなんかあったの?暁美さんの方から声かけたんだっけ?」

ほむら「どうして……それは…… 私はあの子のことを守らないといけないからよ」


 いくらか待って、確かめるように暁美さんの口から出てきた言葉はそんな斜め上の答えだった。

 ともすれば電波とでも言われそうな、そんな答え。


ほむら「あの子のことを見てると、守らないといけないって思って。ただそれだけ」

貴方「……あー、鹿目さんって小動物みたいな雰囲気あるもんな。そういう意味か?」

貴方「けど、鹿目さんも守んないといけないほど弱い人には見えないよ。むしろ、芯はかなり強いほうなんじゃないか?」

ほむら「そんなことはわかってる。私もまどかに助けられてることのほうが多いから」

貴方「じゃあなんで」

ほむら「そんなの、印象以外に言い様がないわよ。……それより、もうこれから帰るんじゃないの?」

貴方「あぁ……引き留めた感じになったなら悪いな」



1一緒にパトロール行く?
2ヒミツの特訓
3自由安価

 下2レス



 話しているうちに、教室に残っている人はもう少なくなっていた。


貴方「ていうか、用事がないなら一緒にパトロール行く?暁美さんと一緒なら俺も心強いし」

ほむら「ええ。構わないわ」


 俺たちも鞄を取って学校を出る。

 昨日も巴さんとパトロールしたことは伝えて、被らない場所を探すことになった。


貴方「この辺は反応なしか。魔女か使い魔が近くに居ると、暁美さんもやっぱ気配でわかるんだよな」

ほむら「そうね。そのあたりは経験だと思うわ。すぐにわかるようになるわよ」

貴方「経験か……暁美さんって巴さんより長いんだっけ?入院中もやってた?」

ほむら「そうかもね。私は治療は得意ではないから」

貴方「ふーん……美樹までいかなくても、巴さんや鹿目さんくらいだったら病気なんて魔法で治しちゃいそうだもんな」

ほむら「そうね」


 ……忘れがちだけど、暁美さんって身体弱かったんだよな。

 それが表れてるのかは知らないけど、魔法少女の中では体力は高くないほうだ。かといって、勝てる気はしないんだけどな。



1じゃあ体調には気を付けないとな
2暁美さんってなんで契約したんだっけ?
3自由安価

 下2レス



貴方「暁美さんってなんで契約したんだっけ?」

ほむら「話したことはないわよ」

貴方「じゃあ、差支えなければ教えてもらってもいい?」


 そう言うと暁美さんはなにかを考えるように間をあけてから、言った。


ほむら「…………話せないわ」

貴方「そうか。じゃあ、無理には聞かないよ。ちなみに、俺には話せなくても他に知ってる人はいるの?」

ほむら「いいえ、誰もいない。誰かから聞きだそうとしたって、それは無理よ」

貴方「いや、別にそんなつもりで言ったんじゃないよ?」

ほむら「私はあなたのことも信頼してるの。他の人に言えることなら隠したりしない」

貴方「はは、ありがと……たとえそれが鹿目さんであっても?」

ほむら「ええ。……まどかであってもよ」


 暁美さんにとって鹿目さんだけは特別だと思ってたから、その返答だけは意外だった。

 でも、謎が多いな…………。


 そのうちに暁美さんが気配を察知して、俺もソウルジェムを見て気づく。

 結界に入っていった。



貴方「――うおっと!びっくりした」

ほむら「見通しが悪いのだから前に出すぎるのは危ないわよ。落ち着いて対処すればすぐに倒せるわ」


 入り組んだ道にいきなり現れる使い魔。

 俺は少し手こずってたけど、暁美さんは慎重に足を進めつつ目の前に現れた使い魔にも冷静に一歩引いて弾丸をお見舞いして倒していた。

 銃を扱う姿とか様になっててカッコいいよな。巴さんとはまた違う感じだ。


ほむら「とはいえ、この使い魔はあまり相手にしたくないわね。足を止められたくない。時間を止めて駆け抜けてもいいのだけど……」

貴方「手、つなぐ?」

ほむら「え、ええ。そうね」


 こっちを見ていることに気づいて手を差し出した。

 触れている者以外の時を止めてしまう魔法。誰かと協力するには、こうして手をつなぐなり、どこかで接触してないといけない。

 二人程度だからできることだ。手を触れて、しっかりと握ってから暁美さんが時間を止めた。


 ……細い指だ。肉付きは薄いのに柔らかく感じる。

 魔女の前に行くまではこのままでいないと。戦いの中なんだけど、なんか今更に手をつないでるということを意識してきた。


貴方「動かなくても敵が見えるとちょっとビビるな。……すげー、本当に止まってるなあ」

ほむら「感心してないで、急ぎましょう」



 手をつないだまま結界の中を進んでいく。

 攻撃されることはないのはわかってるけど、ここはまだ敵地だ。戦いが終わるまで気は抜けない。

 時間を止めているのだって魔力を使ってるんだ。


貴方「そういえば、この魔法って時間制限みたいのはないの?どのくらい経ったら解けちゃうみたいな」

ほむら「……強いて言うなら、魔力がなくなったら」

貴方「じゃあ、ほとんどないようなものだね。どのくらい減ってるのかはわからないけど」

ほむら「無駄遣いはできないから早めに終わらせるに越したことはないわ」

ほむら「もしくは、私が何かのせいで気を抜いたりしたら。……大丈夫。油断したりはしない」

貴方「うん。暁美さんのことは頼りにしてるよ」


 早足で歩く暁美さんの横顔を見ると、真剣な表情。

 いつも冷たい印象に見える整った顔立ちだが、表情がないわけではない。

 ……見ていると、暁美さんと目が合った。


ほむら「……【貴方】くんも気を抜かないようにね」

貴方「ああ、もちろんだよ!」



貴方「はぁー、今の危なかったな。暁美さんが様子見とくように言ってなかったら対処できなかったかも」

ほむら「宿主と寄生虫……みたいなところかしらね。私も助かったわ。【貴方】くんが居てくれて」


 ひとまず一件落着して日常に戻る。

 さっきまでずっと手つないでたんだよな。理由は全然ロマンチックなものじゃないが、そう思うとなんか不思議な気分だ。


貴方「ほとんど暁美さんのおかげだよ。おかげで道中すごい楽できた」

ほむら「いつでもあの手が使えるわけじゃないから、対処も出来るようにならないと駄目よ」

ほむら「……私も一人だと使うことはあるけど、二人でああして切り抜けたのは初めてね」

貴方「なんか、貴重な体験ができたよ」

ほむら「……ええ」



これから
1ご飯に誘う
2ヒミツの特訓
3自由安価

 下2レス

ありゃ、1レス抜かし



 先の見えない結界なだけにいつ終わりが来るのか不安にもあったが、入り組んだ道を抜けると一際大きな部屋へと出た。

 おそらくここが最深部だろう。魔女の姿を見つけて足を止める。


貴方「やっと抜けられたか」

ほむら「ええ。どうせだから、このまま攻撃も仕掛けてしまいましょう」


 暁美さんが止まった空間の魔女目掛けて銃を撃ちこみ、トドメに爆弾を取り出していくつか放り投げる。

 そのまま背後へと回り込んでいく。


貴方「……俺は攻撃しなくてもいいのかな?」


 武器を振るいに行くには手をつないだままじゃやりにくい。


ほむら「これだけでも並みの魔女なら仕留められるけど、様子を見て倒しきれなかった時には攻撃して」

貴方「わかった。背後は取ってるんだもんな」


 まあ、魔女からしたら何が起きたかわからないだろうな。突然爆弾が仕掛けられてて、俺たちに背後に回られてるなんて。

 暁美さんが時間停止を解くと、さっき仕掛けた攻撃が動き出して、魔女の前方で一斉に大爆発が起こる。


 ……手が離れた。武器を構え直していつでも攻撃できるようにしておく。

 すると、爆散した魔女の身体の中から小さい別の敵が飛び出してきた。注意しておいて正解だ。一気に踏み込む。


ほむら「! 本体はこっちよ!」

貴方「――――とりゃあっ!」


 杖に纏わせた魔力で一刀両断にすると、今度こそ結界が消えた。


貴方「はぁー、今の危なかったな。暁美さんが様子見とくように言ってなかったら対処できなかったかも」

ほむら「宿主と寄生虫……みたいなところかしらね。私も助かったわ。【貴方】くんが居てくれて」


 ひとまず一件落着して日常に戻る。

 さっきまでずっと手つないでたんだよな。理由は全然ロマンチックなものじゃないが、そう思うとなんか不思議な気分だ。


貴方「ほとんど暁美さんのおかげだよ。おかげで道中すごい楽できた」

ほむら「いつでもあの手が使えるわけじゃないから、対処も出来るようにならないと駄目よ」

ほむら「……私も一人だと使うことはあるけど、二人でああして切り抜けたのは初めてね」

貴方「なんか、貴重な体験ができたよ」

ほむら「……ええ」



これから
1ご飯に誘う
2ヒミツの特訓
3自由安価

 下2レス



貴方「無事に一仕事終えたことだし、このあとご飯とかどう? 暁美さん」

ほむら「何処に行くの?」

貴方「暁美さんが食べたいものがあるなら合わせるけど」

ほむら「……私は特にないわ。なんでも」


 なんでもいいって言われると悩むなぁ。

 暁美さんが喜びそうな店ってどこだろ。



1ファミレス
2カフェ飯
3ラーメン
4イタリアン
5中華
7和食
8ファーストフード
9自由安価

 下2レス



貴方「そこのハンバーガーショップでもいい?……それともそういうのは嫌かな?」

ほむら「いいえ。帰りはよくそれで済ませることはあるし」


 ……暁美さんのなんでもいいは本当になんでもよかったみたいだ。

 店に入って注文を済ませると、適当に空いている席に腰を落ち着ける。


貴方「それだけで足りるの?」

ほむら「ええ」

貴方「よくここで済ませるって言ってたね」

ほむら「安いし手間もかからないから」

貴方「……あれ?暁美さんも巴さんと一緒で一人暮らしだっけ」

ほむら「ええ」


 まあ、普通一人だったらそうなるほうが多いだろう。巴さんが特殊すぎるだけなのかもな。


ほむら「むしろ……【貴方】くんはご家族がいるのに私なんかに付き合ってていいの?」

貴方「今日は俺から誘ったんだよ。そういう気分だったんだ」


 暁美さんはどこか不思議そうな顔をしてた。

 たまに自分を卑下するよな。多分、暁美さんと一緒にご飯行くってクラスの男子たちからは羨ましがられるぞ。



1次はまた違うところに行こうか?
2自炊はする?
3自由安価

 下2レス


貴方「自炊はする?」

ほむら「いいえ……。失敗しそう」

貴方「あー、まあなかなか難しいよなぁ。自炊のほうがお金かからないっていうけど……」

ほむら「そんなこともないんじゃないかしら? 食材を買っても、使い切れる気がしないもの」


 外食でもあまりお金をかけないなら、そういうこともあるのかな?

 ……けど、そうすると今度は栄養面が心配になってきた。

 100円のハンバーガーとコーヒーだけってのがよくあるんじゃ持たないよなあ。


ほむら「まあでも、出来た方がいいとは思うわ」

貴方「ああ、それなら応援してるよ!別に最初から完璧じゃなくてもいいと思うし」

ほむら「……ええ」


 暁美さんも苦手なものってそこそこあるんだよな。

 謎は多いけど、思ってるよりも根はそれなりに弱みもある普通の人なのかもしれない。



二回目【貴方】 8日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・一緒に遊んだ
・暁美ほむら・・・手をつないだ↑
・佐倉杏子・・・興味なしか…
・巴マミ・・・弱い一面を見た

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――
9日目 教室



*「であるからして、この文章は現代語では――――」


 ……教師が前で話しながらホワイトボードに文章を書き連ねていく。

 手書きなのに綺麗に整列された文字。授業の内容は興味津々なわけじゃないがつまらないってほどではない。

 刺激のなさに少々の退屈さを感じながらも集中しようとしていると、呑気に昼寝してる人外の姿が目に留まった。


QB「きゅー……すぴー」

貴方「………」


 キュゥべえは日の当たる窓際の空席で丸まっている。

 これがただの動物だったら可愛いかもしれないが、人語を巧みに操る獣だからそれだけには思えない妬ましさを感じる。

 気にしてはいけないと思いつつ気になっていると、キュゥべえが赤い目を開く。


QB「どうかしたのかい?【貴方】」

貴方『別に』


QB「そうかい?」

貴方『つか、なんのために学校までついてきてんの? 学校も試験もないお前にはわかんないかもしれないけど、授業の邪魔するなよ』

QB「だからこうして何もせず身体を休めていたんじゃないか」

貴方『外でしてこいよ……。あとよくじっと見つめてる時あんの怖いんだけど』

QB「異常がないか観察してるんだよ」


*「……次、順番は【貴方】くんですよね? ここの答えは?」


 そんなことに気を取られてるうちに、順番が回ってきたらしい。

 質問の内容を理解しようと頭を回転させはじめると、その前に頭の中に声が響いた。


QB「目が覚める、だよ」

貴方「……目が覚める?」

*「はい、そのとおりですね」


 キュゥべえに教えられて答えるなんて釈然としない。というか、学校も試験もないのに。


貴方『なんでそんな答え知ってるんだ』

QB「君が思ってる以上に、僕たちは昔から人間の歴史を見ているんだよ。古語も理解してる」

QB「どうだい? 邪魔をするどころか、役に立っただろう?」

貴方『まあ、そうだけど……。にしても気が散るから!話も終わり!』

QB「まどかたちはこうしてよく話してるみたいだけどね。君は加わっていないのか」

貴方『そうなのか……? まああのへん席近いし、親友同士だからな』



1鹿目さんたちと話してみようか…?
2巴さんに話しかけてみようか…?
3キュゥべえ、暇なの?
4杏子に何か伝言頼む(安価内容)
5自由安価

 下2レス



 ……鹿目さんたち、テレパシーで話してたのか。

 傍から見れば私語もせず真面目に授業受けてるように見えてるのに。まったく気づかなかった。


貴方『……鹿目さん』

まどか『えっ?どうしたの【貴方】くん。テレパシーなんて珍しいね』

貴方『いや、なんか気になってさ。そっちは授業中にもテレパシー活用してるらしいって聞いて』

まどか『あー、えへへ……バレてた?あんまり褒められたことじゃないんだけどね』

貴方『もしかして、なんか話中断させちゃった?』

さやか『べつに大した話はしてないからオッケー。よっしゃ、順番回ってきそうな時に答え聞ける仲間が増えたね』

貴方『そういうつもりじゃないんだけど』

ほむら『でも意外だわ。【貴方】くんは勉強も出来るし真面目なほうだと思ってたから』

貴方『勉強が出来るって暁美さんに言われてもほとんどイヤミだぞ……? こっちからしたら、暁美さんのほうが意外かも』

ほむら『私は別に……そこまで勉強熱心なわけじゃない』

さやか『勉強しないでも出来るとか天才自慢かよ!』

ほむら『そんなつもりでもないのだけど……』

まどか『でも天才って感じはわかる!ほむらちゃん、かっこいいよね』



 ちょいちょいテレパシーを交わしつつ、授業をこなしていった!




*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

――――
――――
放課後



 帰りのHRが終わると、下校する生徒たちの行く流れに逆らい、三年生の巴さんの教室を訪ねていった。



マミ「あら【貴方】くん、お疲れ様。パトロールか訓練のお誘い?」

貴方「いや、まあ来たのはなんとなくっすよ。巴さん、もっと来てほしいって言ってたし……。この後そうしてもいいんですけど」

マミ「そう。嬉しいわ」


 教室の中を見回してみると、自分のクラスとそう変わらない。

 巴さんはいつもここで授業を受けてるのか。


貴方「えっと、授業どうすか?」

マミ「難しいものや苦手分野もあるけど、全教科ついていけるようにはしてるわ。鹿目さんや美樹さんに聞かれた時には教えられるようにしたいし」

マミ「といっても、あんまり機会はないんだけどね……」

貴方「同じ学年に暁美さんとかいるからかな。俺も教えることはあるし。ていうか、下まで面倒見るのはさすがに大変でしょう」

マミ「大変でも、頼られることがあったら先輩として完璧にしておきたいのよ」

マミ「ああ、そうそう。【貴方】くんも勉強得意だって聞いたわよ。両立出来てるのね」

貴方「まあ……そうすかね」

マミ「……そろそろ私達も行く?」



1帰りに前言ってたおすすめの店紹介してください
2パトロール行きますか?
3自由安価

 下2レス



 教室に残っている人も少なくなってきて、巴さんも荷物をまとめてそう言った。

 巴さんは先輩としても魔法少女としても規範のような人だ。

 でも、この前見た寂しげな顔を思い出すと、頼られることに張り切ってるのかな……って感じもした。


貴方「そうですね。帰りに前言ってたおすすめの店紹介してください」

マミ「ええ。もちろんいいわよ」


 教室を後にする。

 巴さんについていくと、行き先は……繁華街のほうかな。

 足を止めた先には、巴さんの雰囲気に馴染みそうな洒落た店があった。店頭で持ち帰ることもできるカフェだ。



 教室に残っている人も少なくなってきて、巴さんも荷物をまとめてそう言った。

 巴さんは先輩としても魔法少女としても規範のような人だ。

 でも、この前見た寂しげな顔を思い出すと、頼られることに張り切ってるのかな……って感じもした。


貴方「そうですね。帰りに前言ってたおすすめの店紹介してください」

マミ「ええ。もちろんいいわよ」


 教室を後にする。

 巴さんについていくと、行き先は……繁華街のほうかな。

 足を止めた先には、巴さんの雰囲気に馴染みそうな洒落た店があった。店頭で持ち帰ることもできるカフェだ。


マミ「まだ連れてきたことのない場所といったら、まずはここかしらね。ここなら落ち着いて食べることもできるし」

貴方「おおー、オシャレっすね。一押しメニューとかあります?」

マミ「そうね、イチオシはベリータルトかな。紅茶と抜群に相性がいいのよ」

貴方「へー。たしかにうまそう」

マミ「この店は紅茶がクセのないマイルドな風味だからよく合うのよね」

マミ「フルーツジャムをつけてロシアンティーにして飲む時とも似た感じかな」

貴方「詳しいんすね。俺は紅茶とか詳しくないからさっぱり。ジャム入れる飲み方もあるんですね」

マミ「ロシアンティーはジャムを入れるわけじゃないわよ?もちろん入れても美味しいのだけど、紅茶が飲み頃より少し冷めてしまうのが難点ね」

貴方「へえー……」


 とりあえず今日は巴さんのおすすめ通りにしてみる。


 ……正直、普通の紅茶との違いはよくわかんねえ。そもそも基準がわからないが。

 とにかくうまいのはわかった。それでいいか。

 巴さんといると自分も紅茶に詳しくなれるような気がするけど、まあ追いつくことはないだろうな。


貴方(巴さんとカフェ、か。二人だけは初めてだな。なんかちょっと大人になったような気がするぞ!)



1二人きりですね
2普段は一人なんですか?
3自由安価

 下2レス


貴方「二人きりですね」

マミ「えっ?」

貴方「あーいや、こういうとこって大体来る時みんな揃ってたから! 今日は騒がしい美樹のやつもいないし静かだなって」

マミ「美樹さんよりももっと騒がしい佐倉さんもね」


 俺とだとあんまりしゃべることがないからそう言われるとあまりイメージがないが、巴さんや美樹とは仲良さそうだ。

 ……騒がしいっていうか、この洒落た店では食べ方が心配になるとこはあるかもしれない。

 反面というのもなんだけど、巴さんの食べ方は綺麗だな。品のある感じだ。


マミ「静かなのもいいと思うわよ。今日は、たまには作戦会議とかなしで楽しみましょ」

貴方「そうっすね、たまにはこういう雰囲気もいいな」


 てことは、今は巴さんも気を抜いてくれてるわけなんだな。

 魔法少女関わる時はやっぱり気を張ってるから、こういう姿を見れるのはちょっと特別だ。


貴方「また魔法少年とか関係なしに食べに行ったり、遊んだりしましょうよ」

マミ「ええ!」



二回目【貴方】 9日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・一緒に遊んだ
・暁美ほむら・・・手をつないだ
・佐倉杏子・・・興味なしか…
・巴マミ・・・プライベート↑

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

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ハジメルヨ

――――
10日目 教室



 自分の教室に入って、ひとまずみんなに挨拶する。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 笑い声が聞こえる。話してる内容が気にならないこともないけど、今朝は何をして過ごそうか。

 ……よく見ると、教室の隅にキュゥべえもいるな。



1四人の会話に加わる
2巴さんの教室に行ってみる
3キュゥべえに話しかける
4自由安価

 下2レス

                   ,. -- ...,,,_

                _,.ィ"´       ``ヽ、
           ,. -‐''"´               ヽ、
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         , '        /                 \
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        ,'      / /  ,ィ′                  '.
.       l      ./ / ./ l   .ト    l         ヽ     l
      l   /  / /., '  .l  lヘ   ト、 ヽ、    ', ヽ\   !
      l ノ l  / /./    ト、 .! ヽ.  '.ヽヽヽ.   ',  .\ヽヽ.!
.     / .l :l   レ'     | V_l  ヽ. ',_ヽヽ \  !   ヽゝヽ
.    /    l :l   ! .     ´ ̄ヽl   ヽ. ',` ヽ.  \l    .l  \
   /    ∧ト  !            ヽ〉‐     ゙イノ  /     \
.  {     l 〉〉、 ', . ァャ===、        ァャ==ァ'` ./  /ヽ ヽ.    Y
   \   .l / ヽミi、ヘ , , , , ,          , , , , ,  / ,.イヽノ  ノ    ノ
    \  .レ  l ヘ``        、         -彡イ´   /   ./
        )   ヽ ヽ、               ノレ'´ ,.イ ,. イ
   、--‐'′    \ ≧- 、   /`ヽ    ,. ィ´/     λ(
    >-‐        ) . ヽ≪/,.ィ''"´ヘ<!‐-、/         ノ \
  /      ,.-‐ァ‐'’    }.〈   ''"´ ̄Y  /{  ,.--―_二    \
. (.       / .(     __ノ‐∧    ̄ ̄} /人 (l_l_ ̄  ∨     )
  \    /    \ (´l::::::::::∧    {Υ''"´:::::::::`) )    ∨   /
    ヽ、 /        `、!:::::::::: ∧   Y:::::::::::::::::::::レ/      ∨ (__,.ィァ
      /         ヽ::::::::::/ .〉   Y、:::::::::::::::::: l /     '.-‐''"´
.     /.  ,. -―- 、 ヽ::::/ ヽ、  ノ Υ::::::::::::::::レ′     \
    レ''´         `>Υ    ノ八l  l=> 、;;;;;;}   ,.-―-  ヽ
     ヽ             ∧   // l:l  〉〉  /  /       ノ
.       \    __    7∧  //  .l:l /∧  { /      /
         `ヽ、     `ヽ /L∧//   l:レ':/〉::〉 ',  // /
          ‘,    /  Y/ l  /l/Y´  ./     /
.           ‘,   /     l /、     /     /
              〉 /.       Ⅵ  ヽ、.  /     /
          /  l         /     `/     /
          \ ヽ       /      ./   /  ./
                \     /       / /   . /

            /   |         \        \      ヽ
.               l       i     \         \    '.
           ′    l        ト 、    ’,         ヽ     l
        ,'/  /   l    {::::   ぃ::\     !   ',     '.    |
.      〃  ′  ::A-‐、 ∨:   ', \:__、__ !\  i   :  '.   l
.      /   i   :/ '、  ,ハ:::   '.  \:ヽ`ト、 ∨:|   ト、 ', ヽ.l
       ′  l   ' ,xr=\ ヽ\:: ;  __\::j  l:::i   ;:::::\ 、∧
           l  :l  ハ:::「`\ ヽ\{ 7 )::个 、 |::′  ハ__:::i `  ',
.       {    l   :| iト::jr|   \{   iト:::j:爿 }ミi::′ /'´ ∨    ',
      '.   liヽ ::'. 廴ノ          乂 ソ,  }/  /'⌒ !::!    ',
      ヽ  l!::::j\V /  ,       `¨´  / /}`) ノ::::!     ノ
          \ :::::ト.、             / / ハ //r--<::::::::i   /
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         | \ヽ:::{-II7_{ヽ   ! | |   _/  ∨:::::::/__:::::::::__::ハ   }
.      , '´\ ヽ:::|'´: : : : :`>---<´: {    ヽ:::{   ̄   `ヽ /



まどか「ほむらちゃんって、髪長くてきれいだよね。伸ばしてるの?」

ほむら「別に……。前にも誰かに聞かれたかしら?」

まどか「みんな羨ましがるよ。長いと手入れ大変だろうなって思うけど、やっぱ憧れるもん」

さやか「そういうまどかこそ、今伸ばしてるって聞いたぞー?」

仁美「ロングなまどかさんも似合いそうですわね」

さやか「いいねー」

まどか「さやかちゃんは?」

さやか「あたし?あたしは今の髪型気に入ってるけど、まあ一度くらい長くするのもいいかもね」

ほむら「……私は、志筑さんみたいにウェーブがかってるのもいいと思うけど」

仁美「えっ、私はむしろストレートのほうが……」

貴方「おお、今日はめっちゃガールズトークしてる」

さやか「そりゃあ、あたしたちだけだとね。【貴方】はどう思う?ここで男子の意見を聞いてみよう!」

貴方「俺の意見を代表にされても困るけどな」

仁美「【貴方】くんの好み、ですわね」



 髪型の話、か。



1ロングのがいい
2ショートのがいい
3ウェーブかかってるのがいい
4結んでるのがいい
5そういや暁美さんの髪って左右に別れたクセついてるな
6そういや美樹って変わった髪型してるな
7自由安価

 下2レス



 ひとまずみんなを見てみる。好みって言われてもな。


貴方「そういや暁美さんの髪って、左右に分かれたクセついてるな」

さやか「えー?出てきた感想がそれ?つまんないのー」

仁美「でもたしかにそうですわね。うねったりはしてませんけれど、変わったクセに流れてます」

ほむら「そうかしら?理由はわからないけど、とれないのよ」

まどか「うーん、分け目に何かあるってわけでもないのにね」


 鹿目さんが不思議そうに暁美さんの髪を後ろから触れている。そして、何かを思いつく。


まどか「ほむらちゃんって、ふたつに結んでみても似合いそう。そしたらお揃いだね!」

ほむら「そういう髪型、私にも似合うかしら……?」

貴方「暁美さんがツインテールか。ちょっと印象変わりそうだけど、まあ悪くはないんじゃないか」

まどか「うちにまだリボンがあるんだ。色違いの。今度来た時にあげるよ。そしたらお揃いできるよ」

ほむら「……そう言うなら、今度ね」


貴方(そういやぁ、昔の……?)


 鹿目さん、前は赤いリボンじゃなかったんだっけ?

 おぼろげに、黄色いリボンをした姿が浮かんだ気がした。


――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴ると、教室内は一気に騒がしくなって、段々生徒たちは去っていく。

 鹿目さんたちも今日はパトロールに行くって言ってた。美樹と一緒に行くから、三人はいらないだろうということだ。

 俺はどうしようか。とりあえず荷物をまとめて出ようとすると、扉のそばに志筑さんがいるのが見えた。


貴方「志筑さん、帰らないの?誰か待ってるとか?あ、もしかして上条か?」

仁美「い、いえ!私ももう帰りますわ」

貴方「あ、そう?」

仁美「上条君は今日はお忙しいようなので。……コンクールが近いから、練習に集中したいのだそうです」

貴方「あー、バイオリンか。ちなみにコンクールっていつなの?」

仁美「来月の頭です。私もお誘いしていただいてるんですよ」


 そう話す志筑さんはやっぱりどこか嬉しそうだ。


仁美「あ……でも、さやかさんもだって言ってました」

貴方「……もしかして、ヤキモチやいてたり?」

仁美「いえいえ。さやかさんは彼の入院中もずっと傍にいた大切な幼馴染なんですよ?」

仁美「それに恐らく、バイオリンに関してはさやかさんのほうが理解がありますから。恩のある友人を誘うのは当然のことです」



貴方「そりゃ……そうだな」

仁美「……はい」


 俺はアイツの願いを知ってるし、恋愛じゃ駄目でも美樹の気持ちは報われてほしいと思ってる。

 つーか、もし上条が恋人にかまけて美樹からの恩も音楽のことも蔑ろにしてたら、美樹に止められてもブン殴ってるとこだ。


 なんか、でも、志筑さん見てるとちょっともどかしい感じはするよな。

 志筑さんは理性的な人だけど、頭じゃわかってても――みたいな強がりが透けてみえる。


仁美「私もバイオリンは習い事でやっていますが、上条君ってバイオリンを弾く時は本当に活き活きとしてるんですよ」

仁美「やっぱりとても敵いません。きっと、だからこそ人を魅了する演奏が出来るのでしょうね」

貴方「志筑さんもバイオリン弾けるんだ」

仁美「はい。楽器は和洋や種類問わず色々と触ってますから、一通り演奏できると思います」

貴方「すげー。今も続けてるの?」

仁美「バイオリンだけは。でも私なんて本当にすごくないですよ」


 謙遜することないだろうにな。俺からしたら想像もつかない世界だし。


仁美「私ももちろん、上条君の演奏には心惹かれておりました」

仁美「でも……私にはあまり理解できませんでした。私も続けていれば同じものが見えると思ったのですが、どうやら私には才能がないようです」

貴方「そんなことないと思うけどな。まあ、聞いたことない人に言われてもって思うかもしれないけど」

仁美「……そうでしょうか?」




1志筑さんのバイオリン聞きたい
2俺も上条のバイオリン聞いてみたいな
3パトロール行くか(キャラ指定・複数可)※まどか・さやか以外
4自由安価

 下2レス



貴方「あ、じゃあ俺も志筑さんのバイオリン聞きたいな」

仁美「私のバイオリンを?」

貴方「ああ。もちろん詳しいわけじゃないけど、聞いてみてから言ったほうがいいだろ? あと、まあ単純に気になってさ」

仁美「いいですけど、期待はなさらないでくださいね? 今から行きますか?」


 ――……志筑さんと約束を取り付けて、学校を出た。

 何気に彼氏持ちの女子の家に入れてもらうのって大丈夫かなとか考えたけど。


仁美「【貴方】くん、着きましたよ。ここですわ」


 案内された先は思った以上の豪邸で、そんな浅はかな考えは吹き飛んだ。

 玄関に入る前から使用人が出てきて荷物を持ってもらった。室内にも執事さらメイドさんやらがいて、二人きりって感じとは程遠い。


仁美「バイオリンならスタジオのほうですわね」

貴方「そんなのもあるんだ……」

仁美「はい。防音になっていて、楽器は大体そこに置いてあります」


 学校の音楽室みたいなところかな。広い廊下を進んでいくと、部屋に通されてひとまず少しだけ落ち着いた。

 ……さっきまでの雰囲気は仰々しすぎた。



貴方「これがそのバイオリンか。高そう」

仁美「あえて金額は言いませんが、練習用ですわ」


 志筑さんがケースを開く。

 音楽室という予想はその通りで、この部屋には小さいものから大きいものまで楽器のケースがたくさんあった。極めつけは立派なグランドピアノ。


貴方「ここにある楽器、全部弾けるの?」

仁美「はい。一通りは」


 ……まあ、音楽家を目指してるわけでもないのにこれだけ出来てもって気もしなくはないが、単純にすごい。


仁美「では、曲は……」

貴方「志筑さんの得意な曲でいいよ。俺そもそもあんましクラシック知らないし」

仁美「はい。では、はじめますね」


 バイオリンを構える姿は本格的だ。

 部屋の中にバイオリンの音色が響き渡る。


貴方(……うまいじゃん)


 志筑さんは謙遜してたけど、俺の素直な感想としては十分上手に聞こえた。

 音楽的に詳しいことはわからないが、難しそうな速い部分も弾きこなしてるし、強弱もしっかりついてる。


貴方(上条がすごすぎて自信をなくしてるだけなのかな?)



 ……やがて、演奏が終わる。観客はひとりだが拍手をしてみた。


貴方「すごいよ、志筑さん!俺のために弾いてくれてありがとう!」

仁美「そ、そうですか?」

貴方「上条はすごいんだろうけどさ、志筑さんだって十分うまいよ。才能がないなんて思わない」

貴方「でも……バイオリンを弾くの、好きじゃないの?」


 そう聞くと、志筑さんは肯定するように苦笑を浮かべた。


仁美「『好きこそものの上手なれ』……と言うじゃないですか」

仁美「ただ単に上手だという以上に、それをどれだけ好きになれるかということも才能のひとつだと思うんです」

仁美「それこそ、何よりもそれに打ち込んでいる時が輝いているし、何よりも優先したくなる」

貴方「……上条はそうなのか」

仁美「私もバイオリンを弾くことは嫌いではありませんでした」

仁美「でも、私にとってはやっぱり『習い事』の一つなんです。彼のバイオリンは好きだけど、その気持ちは理解できない」




1志筑さんは自分を優先してほしい?
2理解しようとしただけでも十分なんじゃないか
3自由安価

 下2レス



貴方「……美樹と鹿目さんのことはどう思う?」

仁美「さやかさんとまどかさんのこと?」

貴方「ああ。他の人ならその気持ちを理解できたのか……って思ってさ」

仁美「どうでしょうね……」

貴方「俺もそこまで入れ込んでるものはないかな。ってか趣味らしい趣味もないし。でも、そんな人が大半だよ」

仁美「そうなのかもしれません……ですが」



1志筑さんは自分を優先してほしい?
2理解しようとしただけでも十分なんじゃないか
3自由安価

 下2レス



 そうはいっても上条がそうなんだから、それじゃ慰めにはならないってことか。

 それってつまり、上条の気持ちを分かりたいっていうより――。


貴方「志筑さんは自分を優先してほしい?」

仁美「そうしたら、彼の輝きを奪ってしまうことになりますから」

貴方「ああ……そうか。でも、恋人って一方的なもんじゃないだろ。もう少しくらいアピールしてみてもいいんじゃないか?」

貴方「我慢ばっかじゃつまんないだろ」

仁美「そ、そうですわね。もう少しだけアピールしてみます」

貴方「まあ、上条も今は忙しいってのはわかるし、暇な時はまたみんなで遊びに行ったりしようよ。俺もこうして相談に乗るしさ」

仁美「はい。なんだかそう言ってくれると心強いです」


 その時、ノックが鳴った。使用人のようだ。


「仁美お嬢様、お茶が入りましたよ。お持ちしましょうか?」

仁美「あっ、今行きますわ。演奏はこのくらいにして、【貴方】くんもティータイムにしましょうか」

貴方「ティータイム?作法とか大丈夫かな……」

仁美「そんなのお気になさらなくていいですわ」


 ……最近は巴さんと紅茶とか飲むこと多かったし大丈夫かな?

 そんなことを思いながら、志筑さんと部屋を出た。




二回目【貴方】 10日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・相談乗った↑
・暁美ほむら・・・手をつないだ
・佐倉杏子・・・興味なしか…
・巴マミ・・・プライベート

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――


 明日は休日だ……。どこかへ行こうか?誰か誘おうか?


・誘えるキャラ(まどか/さやか/ほむら/マミ/仁美)※キャラによっては断られることもあります
・一人で行動することも可能

1遊びに行く
2パトロールに行く
3訓練する
4家に誘う
5相手の家に行く
6自由安価

 下2レス

――――
二週目 週末



貴方「――あ、いたいた。巴さん、こっちです」

マミ「こんにちは、【貴方】くん」


 待ち合わせの駅前で姿を見つける。

 目的はとくにない。遊びに誘ったらオッケーしてくれたんだ。


貴方「巴さんは目立つ明るい色の髪をしてるし、髪型も特徴的だから見つけやすいです」

マミ「そうかしら?髪型は好きでやってるけど、色のことは考えたことなかったわね」

貴方「染めたりしたらもったいないっすよ。まあ、巴さんはこれからもしない気がしますけど」

マミ「そうね。暁美さんみたいな艶のある黒髪とか、鹿目さんのような可愛いピンクとかに憧れることもあるけどね」

マミ「魔法少女ものの主人公って大体がピンクじゃない?」

貴方「今やってるシリーズの初代はステレオタイプな法則完全に破ってましたけどねー……」


 巴さんは現実を見つつも、フィクションのような、誰もが思い浮かべるような魔法少女にも憧れがあるらしい。

 必殺技とかもその影響か。俺はまだそういうのないけど。


マミ「最初はどこに行く?いつもは仕切ることが多いけど、今日くらいはエスコートされたいわ」

貴方「今日はただの遊びですしね」



1映画見に行こう
2何か食べたい
3ゲーセン誘ってみる
4自由安価

 下2レス


貴方「じゃあ映画とかどうです?」

マミ「いいわね。今なにやってるのかしら?」

貴方「今よさそうなやつは、そーだなあ……」


 そこらへんい映画の広告もいっぱい出てる。

 映画館の中に着いてからでもチラシを見られるかな。どんなのを観ようか?



1恋愛もの
2ホラー
3コメディ
4アクション
5魔法少女?
6自由安価

 下2レス



マミ「こ、これ本当に観るの……?」

貴方「え、巴さんこういうやつ駄目でした?」


 面白そうな感じの映画を見つけたから提案してみた。これ多分ホラーかな?

 巴さんが駄目なら別のを探してもいいんだけど。


マミ「いいえ!? 別に怖くなんかないわよ?魔女みたいなものでしょう?」

貴方「魔女と同じに考えていいんですかね? 大丈夫ならこれ観ましょ」

マミ「そ、そうね。観に行きましょうか」



 チケットと飲み物を買って席に向かった。

 ……映画の内容にドキドキしつつ、巴さんの様子もこっそり窺ってみる。


マミ「…………!」

マミ「………………」

マミ「…………!?」

マミ「……っ」


貴方(……表情豊かだなぁ)


 魔女結界の中でも見ることのない珍しい表情を見てると、巴さんと目が合った。


マミ『私を見てたって面白くないでしょう!?』


 あ、これテレパシー。


貴方『いや、巴さんどうしてるかなって思って』

マミ『私も…… そう思って【貴方】くんのほうを見たわ』


 ホラー上映真っ只中の暗い映画館の中。普通だったら私語厳禁な場所。

 その中で、何故か思いが通じ合った瞬間だった。



 ――――映画が終わってロビーのほうに出てくる。

 内容は怖かったけどなかなか楽しめた。巴さんも結構真剣に見てたようだった。


マミ「普段やってることがやってることだけに、脅かし系やグロテスクなのは割と平気なんだけど……」

マミ「合わせ技だとこう、少しくるものがあるわよね」

貴方「あ、グロも大丈夫っすか……」

マミ「まあ……。私たちは無事に勝ってこれたからここにいる。けど、長いことやってると見てしまうことはあるわよ」

マミ「慣れはしないつもりだけど……やっぱりそういうところの感覚はもう他の人とは違うかもしれない」


 俺はまだ全然、そんな場面に出会ったことはないけど。

 やっぱ周りに恵まれてるからか。


マミ「怨念とか、そういうのがきついかな。もしかしたら今まで見てきた人も……って思いを考えちゃうから」


 この映画は幽霊側が恨みを持つようになる経緯が詳細に描かれてたから、話にのめり込めたのかもしれない。

 ラストは少し哀れみを感じるような終わり方だったのも印象的だった。


貴方「映画見てるうちにいい時間になりましたね。お昼にしますか?」

マミ「……あれの後すぐに食べる気になるの?」

貴方「食欲があまりないならもう少しあとでもいいですけど」

マミ「別にないってほどではないわよ?美味しいパスタが食べたいかな」

貴方「パスタ!なんかオシャレな店探します!」



 ――……ホラー映画を見て親睦を深めた!

 たまには巴さんと魔法少女関係なく遊ぶのも悪くないよな。



― 二週目休日 終了 ―



[好感度] to貴方
美樹さやか★★★※引継>暁美ほむら★巴マミ★志筑仁美★>鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

――――
11日目 教室



 自分の教室に入って、ひとまずみんなに挨拶する。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 今日からまた一週間がはじまる。

 いつもみたいにみんなが話してて、教室の隅にはキュゥべえがいる。今朝は何をして過ごそうか。



1四人の会話に加わる
2巴さんの教室に行ってみる
3キュゥべえに話しかける
4自由安価

 下2レス



貴方「あっ、暁美さん髪型変わってる?」

さやか「えー、今更!気づくの遅すぎじゃない?一目見たらわかるじゃん!」

ほむら「…………」


 長い黒髪を黄色いリボンでツインテールにまとめている。

 なんというか……いつもより少し幼さを増したような、可愛らしい感じだ。


まどか「昨日ほむらちゃんがうちにきてね、その時にリボン渡したんだ。みんなにも見てもらいたくて、明日もそれで行くのはどうかって言ってみたの」

ほむら「長くは続けないわよ。落ち着かない」

仁美「今日は一日そのままですの?」

ほむら「……途中で外すかも」

まどか「えー!似合ってるのに。でも、やっぱいつものほうが落ち着くなあ。こういうのは珍しいくらいでいいのかも」

さやか「なんだかんだちゃんとやってくるんだね」

ほむら「まあ、少しだけなら。似合っているかはわからないわ」



1下ろしたほうが似合う
2色々試してみれば?
3そのリボンに見覚えがある
4自由安価

 下2レス


貴方「まあ、色々試してみれば? せっかく髪長いんだし。そういうのって女子の特権だよな」

ほむら「そうかしら」

まどか「じゃあ次はどんな髪型にしようかな」

仁美「遊ぶ気満々ですわね、まどかさん。いじりがいがあるのはわかりますわ」



 ……朝は暫く髪の話題で盛り上がってるみんなを見ていた。



――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



 放課後になると、また巴さんの教室に行ってみた。



貴方「巴さん」

マミ「あら、【貴方】くん。また来てくれたのね」

貴方「今日も一日お疲れ様っす!」

マミ「ええ、【貴方】くんもお疲れ様。そっちのクラスはどう?」

貴方「相変わらずって感じです。今朝は暁美さんが髪型遊ばれてたり」

マミ「ちょっと見てみたかったかも」

貴方「巴さんも今度混ざってみたらどうです?髪型のアレンジとか凝ってそうですし」

マミ「それもいいかもね」



 教室で雑談を交わす。今日はこれからどうしようか。



1パトロール行きましょう
2特訓してください
3自由安価

 下2レス



貴方「さて……休みは遊んだし、今日はパトロール行きませんか?」

マミ「そうね。私もそうしようかと思ってたところだわ」

貴方「あ、ってことはまた下調べとかしてたり?」

マミ「ニュースならいつも見てるわよ」

貴方「さすがだなぁ」


 教室を出て歩きはじめる。


マミ「仲間が増えてからは本当にパトロールの負担が軽くなって助かってるわ」

マミ「一人だった頃は遊んでいられる余裕なんてなかったから。他に魔法少女がいても使い魔を倒す人はいなかったもの」

貴方「他にいた……っていうのは、佐倉さん以外にも?」

マミ「話したことはなかったかしら。見滝原はずっと私が一人で仕切ってたけど、その間に契約した人がいなかったわけじゃないの」

マミ「結局、あまり関わることはなかったけど……」

貴方「その人たちって、今はもういないんですか?」

マミ「……ええ。佐倉さんの縄張りは元々風見野だし、最近まで見滝原からは離れてたわね」


 ああ、そうか。佐倉さんは元々風見野にいたんだっけ。

 今もそっちでも活動してるのかな。


貴方「あ、そういえば佐倉さんのことについて聞いてもいいですか?」

マミ「いいけど、何を?」



杏子について
1仲良くなりたい
2昔のこと
3自由安価

 下2レス


貴方「昔、巴さんは佐倉さんとコンビ組んでたんですよね。その時のこと聞かせてくれませんか?」

マミ「昔の佐倉さんはね……そうね、今よりもっと素直だったのよ?私の事も『マミさん』って呼んでくれて」

貴方「えっ、そうなんですか?」

マミ「ええ、本当はもっと純朴な感じ。だから、もし付き合いにくいと思ってるなら誤解しないでほしいの」

マミ「色々とあって変わった部分はあるだろうし、今も悪ぶってる節はあるけど、根は変わらないはずだから」

貴方「ああ、付き合いにくいってことは別に……!」


 ……いや、本当は少しそう思ってたところはあったのかも。

 もちろん、全員同じように仲良くしたいと思ってはいるけれど。


貴方「他にもエピソード聞かせてもらってもいいですか?」

マミ「それじゃ、初めて佐倉さんが必殺技の名前を叫んだ時の話でもしましょうか?」



 目的地につくまで貴重な話を聞かせてもらった。


 下調べをしていた場所の近くに着くと、そこには聞いた通り怪しい雰囲気があった。ついでに結界も。

 魔女に操られていた人をなんとかしてから結界に乗り込むと、急ぎ足で魔女を倒していった。


――――
――――



貴方「――――……巴さんが手際よくて助かりました。魔女に操られた人がいた時一人だったら戸惑ってました」

マミ「ああいう時は下手に相手をしないほうがいいわ。話の聞ける状態ではないもの。行動を封じて、大本の魔女を倒すのが先決よ」

貴方「あの人たち大丈夫ですかね……?」

マミ「魔女の呪縛から解放されて、何事もなくなってくれればいいのだけど。個人的な悩みについては私達にはどうにもできないわね……」

貴方「そうですね」


 人の悩みは周りにいる人にしか解決してあげられない、か。

 そういえば、俺ら魔法使いでも悩みがあると取り込まれることがあるって言ってたっけ。


貴方「巴さんは今悩みとかないですか?」

マミ「ええ。今の私には仲間も友達もいるし、【貴方】くんもいてくれるから。大分心強いわよ」

マミ「……もしかして、今の話で心配してくれた?ありがとうね」



 巴さんと行動して、笑った顔を見ることが増えた。

 同時に、前みたいな寂しげな表情は見たくないなと思った。



これから
1ご飯に誘う
2ヒミツの特訓
3自由安価

 下2レス



マミ「気になるところは回ったし、パトロールはこのくらいにしましょうか?」

貴方「それなら巴さん、久しぶりに特訓に付き合ってもらってもいいすか?今日もやっぱうまくいかないなって思ったとこあったんで」

マミ「勉強熱心ね。いいわよ。後輩の熱意には応えるわ!」



 周囲が暗くなり始める中、人気のない訓練場所へと移動していった……!



1射撃系の攻撃を覚える
2全般的な戦闘技術の向上

 下2レス



マミ「――――……踏み込みが浅いのも駄目だけど、闇雲に踏み込むのも駄目よ」

貴方「相変わらず巴さんのリボンも銃も、敵にするとおそろしい……!」


 巴さんとの模擬戦闘で、今使える武器の扱いを見てもらった。

 前に同じ不定形の武器と言ってくれたけど、使い方はまるで違う。

 ……俺はまだ単純なんだろうか。器用さも意識して戦ってみるけど、やっぱり巴さんには敵わない。


貴方「相変わらず、戦ってる時の巴さんってイキイキしてますね」

マミ「もう、人を戦闘狂みたいに言わないでよ」

マミ「まあでも二年間やって大分コツが掴めたから自信はあるわね。【貴方】くんはどう?」

貴方「俺はまだまだですよ。……でも、もっと強くなって街の人も仲間も守りたいって思うんで」

マミ「この力を『傷つける』ための力じゃなくて、『守る』ための力だと思ってる人って、なかなかいないんじゃないかと思うの」

マミ「今集まってる仲間はみんな誰かを『守る』ための力だって理解してるのよね。ああ見えても佐倉さんだって元は」

マミ「……その気持ちを忘れないでね」


 今はこうして戻ってきてるけど、一度仲間だった人に離れられた不安はまだ残ってるのかもしれない。

 そんな不安を吹き飛ばせるように、力強く肯定の返事を返した。




二回目【貴方】 11日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・相談乗った
・暁美ほむら・・・手をつないだ
・佐倉杏子・・・興味なしか…
・巴マミ・・・プライベート↑

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――
12日目 教室



 自分の教室に入って、ひとまずみんなに挨拶する。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 今日も教室はいつも通りほどよく賑わってて、傍で当然のようにキュゥべえが見守っていた。


貴方『……ところであれ、みんな気にならないの?』

ほむら『あれ?』

貴方『キュゥべえ』

ほむら『……ああ』


 みんなで話してる時も話題の中心にならない限り言葉数の少なめな暁美さんに、テレパシーで話しかけてみる。

 他の人にも聞こえるようにはしてある。


ほむら『いつものことだから。みんな気にしていないんじゃない?』

さやか『なになに?キュゥべえのこと?ま、風景の一部だよね。寝てるかこっち見てたと思ったら、ふらふらどこかへ消えてったり』

貴方『羨ましい生活だな』

まどか『マミさんのとこに行ってるのかな? それとも新しく候補でも探しに行ってるのかな?』

ほむら『でも……そういえば、話とか聞かれてるのよね』

さやか『あっ、よく考えてみたらなんか嫌かも。【貴方】どうにかしてきてよ』

貴方『いやなんで俺が』


 他の人も入ってきてテレパシーが盛り上がっていると、いつのまにか志筑さんに不思議そうに見られた事に気づく。


仁美「どうしましたの? そちらに何か……ありますの?」

さやか「あっ、いや別に!なにもないけど?な、なにかあるように見える?」

仁美「まさか……幽霊!?」

まどか「落ち着いて仁美ちゃん!大丈夫だよ。幽霊さんなんていないから!」


 当の本人は自分が話題の中心になっていたことなんて知らずに小首をかしげて毛繕いのような動きをしていた。

 ……キュゥべえって、もしかして結構図太いのかもなあ。




 ――――HRを終えて、小休憩の時間に一人席を立ったのが気になって姿を追った。



貴方「暁美さん。あれからずっとキュゥべえのこと見てたけど、どうかした?」

ほむら「……別に」

貴方「まあ、一度気になったら気になるってのはあるよな!あっちが俺らの会話聞いてなんて思ってるかは知らないけど」

ほむら「……別に何も考えてないと思う」

貴方「んー、そうか?そうかもしれないな」



1キュゥべえのことが嫌になったら言ってくれよ!
2キュゥべえとは話さないの?
3自由安価

 下2レス


貴方「キュゥべえのことが嫌になったら言ってくれよ!アイツちょっと無神経なとこありそうだしな」

貴方「俺がどっか誘導するなりなんなりしてみるよ」

ほむら「特に嫌いってわけではないけれど……」

貴方「そういや暁美さんのほうが付き合いは長いのか」

ほむら「…………」

貴方「……暁美さん?」

ほむら「……いいえ。私からしたらそうでもないわ」

貴方「え?」


 暁美さんがどこかへ行こうとする。呼び止めちゃったけど、なにかしに出てきたんだっけ。


貴方「あっ、そういえば何か用事?」

ほむら「トイレよ。ついては来られないでしょう?」

貴方「そ、それはそうだね……」


 そう言われては仕方ない。

 暁美さんの背を見送って、一旦自席に戻ることにした……。



――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス




 ――――放課後になると、今日は鹿目さんと二人で学校を出て歩いていた。

 これからパトロール。佐倉さんとも合流する予定だ。


貴方「なんだかんだ、こういう時はキュゥべえいないと困るんだよな……」

まどか「杏子ちゃん、スマホも携帯も持ってないもんね」

貴方「ああ。でも、思ったより待ち合わせは不便に感じることはないな」


 ざっくりと場所さえ指定すれば、あとはテレパシーを駆使してなんとかなる。合流はすぐに出来た。

 しかし、佐倉さんのほうはなくて不便に思うことはないのかな?


杏子「じゃ、行くか? まだなんも倒してないとこ?」

まどか「うん。今のところ魔女や使い魔には会ってないよ」

貴方「鹿目さんと一緒って久しぶりだな」

まどか「そうだね。この前ほむらちゃんとさやかちゃんが一緒だった時は、ほとんどほむらちゃんが倒したようなものだったし」

貴方「前二人いて遠くから攻撃って」


 鹿目さんと一緒なのも久しぶりだが、この組み合わせも珍しい。



1佐倉さん、スマホなくて不便じゃない?
2二人がどんな話をするか聞く
3戦いの作戦について
4自由安価

 下2レス

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>>248がなんか変なとこでセリフ切れてますが

貴方「前二人いて遠くから攻撃もできるってなかなかバランスいいよね」

みたいなことを言いたかったんだとオモイマス



貴方「佐倉さん、スマホなくて不便じゃない?」

杏子「スマホー?別に使いたいとも思わないな」

まどか「杏子ちゃん、前にわたしがスマホ貸したときすごい戸惑ってたよね。何回も電話切れちゃったりして」

貴方「もしかしてガラケーも使ったことない……?」

杏子「悪いかよ。あんなちまちましたの、金かかるだけだしなきゃないで困らないだろそんなもん」

杏子「連絡取り合いたい相手もいないしな。アンタらとのやりとりもキュゥべえの伝言で事足りる」


 そうだろうか。周りも当たり前のように持ってるし、携帯もスマホもない生活なんて考えられない。

 でも、昔はみんな無いのが当たり前だったのか。依存するよりは健全かもしれない。


貴方「佐倉さんが携帯使ったことないのって、お金かかるから……?」

杏子「それもあるし……あんまりそういうの好まなかったから。子供は外で遊べって教わった」

まどか「なるほど、それも大事だよね。杏子ちゃんの強さの秘訣?」

杏子「んー、それもある……かー?」



1少しは慣れておいたほうがいいんじゃない?
2文字で連絡し合うのも楽しいよ?
3自由安価

 下2レス


貴方「で、でも少しは慣れておいたほうがいいんじゃない?」

杏子「なんのために?」

貴方「なんのためって、大人になったら持つだろうし……」

杏子「……大人になったって、あたしがまともに仕事とかしないだろ」


 ――ああ、そうか。佐倉さんは学校に行ってない。多分これからも行かない。社会から離れたとこにいるんだ。

 『行きたい』とも本人から聞いたことないけど……。

 今、俺らと一緒に隣を歩いてるのに。こんなにも近くにいるのに、俺らとは違う?


貴方(まずいこと言ったかな)


まどか「ま、まぁ、もし必要になったらその時でいいと思うよ」

杏子「じゃあいつになるかわかんないな。そんな時こないんじゃね?」

杏子「それよりあたしたちの仕事は……そこの魔女ブッ倒すことだろ?」

まどか「あっ!ソウルジェム光ってるね。ぼーっとしてたかも」

貴方「ああ、行くか」



 魔女結界の中に足を踏み入れる。

 佐倉さんと二人で前に出て、後ろに射撃手がいるのはこの前巴さんとやった時と同じだ。

 鹿目さんの弓から放たれるのは単なる矢ではなく、狙った通りに曲線を描いで飛ぶこともできる魔力の矢。

 狙いはばっちりだし、道中の使い魔くらいなら三人でスムーズに倒せていっていた。


まどか「あれが魔女だね……!」

杏子「さっきまでと同じようにあたしらが前に出る。まどかは援護に回っとけ!【貴方】、行くぞ」


 佐倉さんが素早く魔女目掛けて駆けていく。

 途中にいたはずの使い魔なんてまるで存在しないかのように薙ぎ払い、あるいは踏みつけて足場にしつつ一瞬で伸していく。

 こっちはその後に続いてるから楽だが、追っていくのも精一杯だ。


貴方(そろそろ武器にもっと力を込めようか)


 刃を短剣から両手剣くらいの大きさまで変えていく。

 俺が飛びかかれる位置に魔女を捉えた頃には、佐倉さんは更に大きく一歩を踏み出しその背後へと回り込んでいた。


 挟み撃ちだ。それに、少し離れた位置には鹿目さんもいる。

 三人で息を合わせて攻撃すると、あっけなく倒せた。


――――
――――



 ……パトロールを終えて、そのへんで息をつく。

 佐倉さんに付き合ってみんなでコンビニでお菓子を買ってきてた。小さいお茶会、というほど優雅ではないが。


まどか「今日は三人いるからすぐたおせたね」

杏子「二人だけだったらどう立ち回ってた?」

まどか「えーと……【貴方】くんが前に出てわたしが後ろにっていうのは変わらない、かな?」

貴方「あ、ああ。それはいいと思う。鹿目さんよく狙えてたし、俺も鹿目さんに使い魔が近づく前に守るよ」

まどか「い、いざとなったらわたしも……!」

貴方「鹿目さんがそこまでしなくていいよ。俺がなんとかするから!」

杏子「『いざとなったら』だろ?アンタがなんとかしきれない時だってあるかもしんないんだから、対応出来ないより出来たほうがいいよ」

貴方「うーん、まあそうか……」


 そういえば鹿目さんの弓ってそのまま杖としても使えるんだっけ?

 あんまり直接戦ってる印象はないな。


まどか「魔女との戦いは杏子ちゃんがいなかったらもっと大変だったよね」

貴方「だろうな。もう少し戦い方も工夫しなくちゃいけないかな?」



 ……改めて話すとまだまだ伸ばさなきゃいけないところはありそうだ。



1ヒミツの特訓(まどか/杏子/二人とも)
2ご飯に誘う(まどか/杏子/二人とも)
3自由安価

 下2レス



杏子「ま、すぐに上達するもんでもないけど意識しとくことだね」

杏子「もしくは自主練でもしといたら?どうしてもって言うなら見てやらなくもないけど」

まどか「えっ、くれるの?ありがとう!交換こしよっか」


 スナック菓子を交換し合ってる光景は仲良さそうだ。

 二人もそんなに仲いいんだっけ。それとも、佐倉さんがそういうのを好むタイプなのか。……ちょっと意外だけど。


杏子「なんだよ、欲しいのか? ……ほら」

貴方「あ、ありがとう」


 物欲しそうに見てたつもりはないけど、二人の様子を眺めてたらもらえてしまった。

 こうなったらみんなで交換すればいいか。


貴方「二人って仲いいの?」

まどか「仲いいかな?杏子ちゃんはよくお菓子くれるし、優しいよ。戦いでももちろん頼りになるし」

杏子「まー、あたしもまどかみたいな奴は嫌いじゃないな」


 認め合ってるらしい。珍しい組み合わせだと思ってたけどそうでもないみたいだ。

 お菓子を食べ終わると、夕方も少し遅い時間。


貴方「……そろそろお菓子だけじゃ足りない時間だな。このままみんなでご飯でもどう?」

まどか「またカフェ行く?」

杏子「焼肉の気分だな」



 意見が分かれた。……どうしよう?

 佐倉さんは他人に合わせるって感じじゃないし。でも、そもそもそんなにお金持ってたかな……。



どうしよ?
1カフェいこう
2……焼肉すっか!
3自由安価

 下2レス


貴方「焼肉か。心惹かれる響きではあるけどな……」


 手持ちを確認する。

 ……まああるにはあるが、激安でも普通の一食分よりは高くつくだろうから少しの間は節約かな。


貴方「……焼肉いく?いっちゃう?」

まどか「あんまりお金がかからないとこがいいね。安くていいとこあったかな?」

杏子「心配しなくても、誘ったからには【貴方】が奢ってくれるだろ」

貴方「えっ」


 二人分、いや三人分はさすがに厳しいぞ……。


杏子「冗談だよ冗談。あたしは安くても量食えればいいや」

貴方「佐倉さんって冗談言うんだね……」

まどか「さすがに払ってもらうのは悪いよっ」

杏子「あたしも金には困ってないし。……綺麗な金ではないけどさ」


 ああ、そういえばそうか。

 そう聞いて、佐倉さんがどういう生活をしているかを改めて考えた。


貴方「佐倉さんには助けられてるし、デザート一つくらいなら奢ってもいいよ」

杏子「今の話聞いてた?金には困ってないんだって。説教したいわけでもないんなら、気にするのなんて今更だろ」

貴方「それでも……じゃあ、俺がそうしたいからって理由で納得できないかな?」

まどか「それならわたしも出すよ!わたしも助けられてるから!」

杏子「……まあ、そこまで言うならもらってやってもいいけど」



 みんなで激安の焼肉食べ放題の店に入ってった。みんなでこういうのもたまにはいいよな。

 結局、佐倉さんへのお礼のデザートは鹿目さんと一緒に出すことにした。……カッコつけちゃったけど節約頑張らないと。




二回目【貴方】 12日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・相談乗った
・暁美ほむら・・・手をつないだ
・佐倉杏子・・・生活大変そうだ
・巴マミ・・・プライベート

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――
13日目 教室



 自分の教室に入って、ひとまずみんなに挨拶する。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 みんなの談笑する姿が目に入る。それからまた周りを見回すが、今日はキュゥべえはいなかった。

 ……巴さんのとこにでもいったのかな。まあいてもいなくてもいいけど。



1みんな何話してる?
2昨日の暁美さんとの会話が気になるな…
3巴さんどうしてるかな?
4自由安価

 下2レス



 あれから志筑さんも幽霊疑惑のことは忘れてくれたみたいで、普通に話してるみたいだ。

 昨日のドラマのことかな。


さやか「えー、まどか見てないの? おすすめだよ。今すごく面白いとこなんだから! 仁美が見てないのはまあ……仕方ないけど」

まどか「その時間は裏番組見てたから。面白いなら見てみようかなあ」

貴方「志筑さんって、漫画は読むけどテレビは見ないの?」

仁美「自室にはありませんし、漫画と違って隠せませんから……」

ほむら「私もテレビは見てないわよ」

さやか「んー、一人暮らしだから?」

ほむら「家にないわけじゃないのだけど……あまり見る気にならないのよね」

ほむら「習慣がない、のかしら」


 趣味もないって言ってたし、娯楽に興味ないんだろうな。

 勉強とか集中するならそのほうがいいんだろうか。将来エリートになりそうな感じは今から漂ってる。


さやか「へんなの」

貴方「テレビ見ないくらいで変って言うのは……」

さやか「別にテレビ見ないことを変って言ったわけじゃないよ」


 俺はぼんやりポジティブに考えてたが、美樹が感じ取ったことは違ったようだった。


貴方「ま、まあ気にしないでいいよ」

ほむら「……」


 軽くフォローしておいたけど暁美さんは何も言わなかった。

 それから雑談はまた話題を変えて、普通の世間話に戻っていった。



――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

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ヒントいります?



 ……契約してみんなと知り合ってから、そこそこの日数が経った。

 同じ学校の先輩や、同い年なのに想像を絶するような境遇の人がいたのも驚いたけど、一番はやっぱり魔法使いの中にクラスメイトが何人もいたことだよな。



さやか「ねえ、ところでさ。【貴方】って好きな人いんの?」

貴方「なんだよ。藪から棒に?」

さやか「な、なんとなくだよ。【貴方】って周りにいっぱい女子いるじゃん。一人くらいそういう子がいてもおかしくないんじゃないの?」


 たしかに俺みたいな魔法少年は少なくて、魔法使いは女子ばかりだから、必然的に俺の周りは女子が多くなってると思う。

 こんなこと、魔法使いと関係のない人に打ち明けられるようなことでもないしな。


さやか「【貴方】ってみんなとそこそこ仲いいでしょ」

貴方「そうかな。佐倉さんには興味ないって言われちゃったけどね……」

さやか「杏子はね……。いろいろあったし、すぐに誰とでも打ち解けるタイプではないでしょ。『何かきっかけがあれば認めてくれるんじゃない?』」

さやか「【貴方】はみんなで集まることがほとんどなくなってからも『広く付き合ってると思うし』」

さやか「『このままみんなとじりじり好感度上がってったら、すっごいモテちゃったりしてね』」

貴方「まさか」

さやか「でも、『手っ取り早く攻略するなら分散しすぎともいえるかもね。もっとターゲット絞った方がいいよ』。……前みたいに」

貴方「攻略って、ギャルゲーみたいに言うなよ」

さやか「……気づいてないの?これはギャルゲーだけど?」

貴方「はっ?」

さやか「冗談!もうすぐ帰りのHR始まるよ」

貴方「昨日からよく冗談言われるなあ……」



――――
――――


さやか「…………あたしが攻略済みだからって、あんまりないがしろにするなよ。『まあ、まだ嫉妬はしないけど』」


――――

放課後



 今日もパトロールに行こう。

 学校が終わってから暁美さんと巴さんを誘ってみた。

 これもそんなに話してるとこを見ない組み合わせだけど、どちらもベテランだし教われるとこは多いはずだ。


マミ「最初に向かうのはこっちね。一応、ニュースに上がっていた場所だから」

貴方「今まであんまり気にしてなかったけど、毎日毎日そんなの起きてると思うと恐ろしいですね……。その中に魔女の仕業もあるとなると」

マミ「ええ。だから私たちの活動が必要ね。魔女のせいで本来傷つかなくてよかった人が傷つくのは許せないわ」

ほむら「……そうね」


 暁美さんは相変わらず寡黙だ。クラスメイトと一緒に入る時よりも口数は少ない、かな。


1強さの秘訣について
2戦略について
3自由安価

 下2レス



貴方「今日は戦略はどうします? 二人とも銃使いだし、俺が前に出ますか?」

マミ「一人だけ前に出るのは怖くはない?」

貴方「う、後ろに信頼できる人がついてますから!それに、前に出ないと二人で全部やっつけちゃいそうですし」

マミ「いい心がけだけど、突っ走りすぎないようにね?美樹さんとかそうなりがちだから」

貴方「あー、気を付けます……」


 話を聞いただけでも目に浮かぶ。あいつはやたらと足も速いからなあ。


 ――――街の中に結界を見つけて入っていくと、話した通り二人に援護してもらいながら進んでいった。

 足場は少ないけど、見通しはいい結界だ。突っ走ろうにもそう突っ走れない。


マミ「今回は遠くから攻撃できる私たちのほうが有利ね」

貴方「見通しはいいから助かるけど、攻撃も移動もしづらいなあ。この前みたいに時間を止めていくわけにもいかないし……」

マミ「魔女の前まで来たら私のリボンでつないでもいいけど、三人で繋がったまま飛び回るのはやりづらいかしらね」


 言ってからあの時のことを思い出してしまった。

 暁美さんのほうを見ると視線を返される。……暁美さんはいつもどおり冷静そうに見えるけど、どう思ってるのかな。


マミ「――って、二人で見つめ合ってどうしたの?」

貴方「い、いや!別に」

ほむら「……」

マミ「まあ足場はリボンでなんとかできないこともないし、素早く魔女のもとまで移動しちゃいましょう!」

貴方「はい!」


 とぎれとぎれに浮かんだ足場を飛び回り、奥に見える魔女の居る方へと近づいていく。

 遠距離に攻撃できる手段……か。現時点で俺は持ってないけど、工夫すればこの武器でもできるだろうか。

 とりあえず、移動しながら力任せに攻撃してもいけないことはない。


 結界を進んではっきりと魔女の姿を捉えると、巴さんがリボンを張って足場を作る。


マミ「さあ、ここまで来たら一気に決めさせてもらいましょうか」


 リボンで三人分繋ぐと、まずは俺が力いっぱい武器を振るいにいった。

 時間を止めた結界の中では攻撃の手ごたえがわからない。それから暁美さんが爆弾、巴さんが砲台と仕掛けていく。

 これだけ一斉に攻撃するのも、巴さんと暁美さんが揃ってるから出来る事だ。


ほむら「……ここまでやればいいでしょう。ただ、油断はしないで」



 暁美さんが時間停止を解くと同時に魔女の姿と結界が散った。

 ……元の景色に戻ってやっと息をついた。



貴方「…………ああいう結界もあるんすね」

マミ「ええ、まあそうね。結界の形は魔女によって全然違うから」

マミ「今でも驚かされることはあるし、慣れないうちは戸惑うことも多いと思う。それにしては今日はよく動けていたと思うわ」



貴方「マジすか!よかった。でも二人がいたからってのは大きいですよ。結界の中だって、魔女を倒すのだって」

マミ「仲間がいるときは自分の出来ることをすればいいのよ。出来ることはこれから増やしていけるはずよ」

ほむら「巴さんはずっと一人で戦っていたのよね。一人で戦うのは大変だと思う?」

ほむら「あなたくらいのベテランになると、他人に譲ったり庇いながら戦うほうが手間がかかることもあるんじゃないかしら」

マミ「たしかにそういうこともないわけじゃないけど……手間よりも、気持ちは一人で戦うよりずっと楽だわ」

マミ「それに、新人の世話だってベテランの役目でしょう?いつまでも新人のままじゃないし、いつか自分が助けられる時も来ると思うわよ?」

ほむら「……なるほど。あなたが言うと説得力があるわね」

貴方「暁美さんは一人のほうが楽?」


 パトロールに行くときは大体ベテランにも一人はついてもらってるけど、昨日も今日も、サポートがなかったら苦戦してただろう戦いは多い。

 巴さんはこう言ってくれるけど、実際には迷惑かけてるとこもあるかもしれないし、そう思わない人だって当然いるわけで。


マミ「いくら強くたって、全部の魔女を一人では倒せないわ。協力し合っていきましょう」

ほむら「……ええ。あなたの言うことは理解出来るわ」



 ……話はまとまったが、結局暁美さんはその問いには答えてくれなかった。



1ヒミツの特訓
2ご飯に誘う
3自由安価

 下2レス



貴方「これから特訓してくれませんか? 俺もっと強くなるから!」

ほむら「私の言葉でそう思わせたならごめんなさい。あなたを邪魔だと言いたかったわけじゃ……」

マミ「それはそれとして意欲が高いのはいいことね。暁美さんも、『人に教える練習』をしてもいいんじゃないかしら?」

マミ「あなたの強さは本物だし、十分教えられる立場でしょう?」

マミ「佐倉さんにも最近言ってるのよ。自分が強くなるのと同じくらい、後輩を育てることも大切だって」

ほむら「……」



 この二人から個別に教えてもらえる機会もそうそうない。

 いつもみたいに戦い方を見てもらって、遠くに魔力を飛ばす武器の応用法も考えてみた。

 遠距離への攻撃が出来れば戦術は増えるはずだ。……けど、まだ少し安定が難しいかな。




二回目【貴方】 13日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・相談乗った
・暁美ほむら・・・手をつないだ
・佐倉杏子・・・生活大変そうだ
・巴マミ・・・プライベート

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――
14日目 教室



 ――――……いつもと変わらない授業中。

 ふとキュゥべえのことが気になって、その暇そうにしてる姿にテレパシーを投げてみた。


貴方『なあ、キュゥべえってこの授業の答えとか全部わかってたりすんの?』

QB「言葉の意味や文法的な問題ならわかるよ。話の解釈ももう決まりきっているしね」

貴方『ふーん……』

QB「僕に答えを聞きたいなら教えてあげてもいいけど」

貴方『別に。ちょっと気になっただけ。ちゃんと聞いてればわからないわけじゃないし』



1そういうのって巴さんに怒られない?
2せっかくならみんなに勉強教えてあげたら?
3キュゥべえっていつも何してるの?
4佐倉さんに伝言を頼む
5自由安価

 下2レス



貴方『そういうのって巴さんに怒られない?』

QB「どうしてマミの名前が出てくるんだい?」

貴方『キュゥべえと一番一緒にいるのは巴さんだろ。あとでバレた時絶対怒られると思うけど。キュゥべえも』

QB「まあマミならそういう反応をするかもしれないね。でも黙っていればバレることはないんじゃないのかな」

貴方『いや、バレなくても怒らせるようなことをするなよ……』


 可愛い見た目してキュゥべえって意外と……。まあいいや。

 巴さんとよく一緒にいるけど考え方まで同じってわけじゃないらしい。


貴方『そういや、キュゥべえは巴さんのことどう思ってるんだ?よく家にもいて私生活覗いてたんだろ?』

貴方『魔法少女としてだけじゃなくて実は色々思ったりしてない?巴さんも綺麗なほうじゃん』

QB「人の容姿に関して僕が特別に思うところはないよ。まあ一般的な基準と比べて悪くはないんじゃないのかい」

貴方『回りくどっ。つまりなんとも思ってないってわけだな?あーもう、お前にこういう話を振った俺がバカだったよ』


 なんともつまらないコイバナを終えた。

 しかしキュゥべえって、巴さんだけじゃなくて色んな女子の家にまで上がり込んで私生活覗いたりしてるんだよな。


貴方(羨まし……じゃなくて、コイツが鈍感でよかったか……)


 なんか複雑な気分だ。


――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス




 ――――帰りのHRが終わると、美樹に話しかけに行った。



貴方「よう」

さやか「おう、今日もやっと授業終わったね!で、どうしたの?」

貴方「別に用事はないけど」

さやか「ないの?」


 ちょっと不満げな顔をする美樹。


貴方「美樹はこのあと用事あんの?」

さやか「んー、特にないけど?ま、暇なら話せるわよ。あたしも暇っちゃ暇だし」

貴方「別にそこまで暇でどうしようもないってわけじゃないけどな」



 ……ちょっとした下校前に雑談を楽しんだ。



1一緒にパトロールいく?
2一緒にどっか行く?
3誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
4寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。
5自由安価

 下2レス



貴方「この後どっか一緒にいく?特に用事はないんだろ?」

さやか「デパートでも行ってみる?ゲーセンに新しいのができたって聞いたけど。杏子がそれ絶賛攻略中なのよ」

貴方「へー、そういやよく繁華街に居るって言ってたな。じゃあ会うかな?」

さやか「いや……あたしとも会わない時間にやってるみたいよ。きっとまだうまく出来てなくてボロボロなんじゃない?」

さやか「ひょっとしたら今だったらあたしたちでも勝てるかもしれないよ」

貴方「いい話のネタには出来そうだな」


 行き先が決まったところで、学校を出て歩きだす。

 こうして美樹と二人でどっか行くってのも久しぶりか。最近はパトロールのほかに、ようやく仲直りした志筑さんとも遊んでること多いみたいだし。


さやか「【貴方】、最近よくパトロールの調子はどう?」

貴方「うーん、ぼちぼちかな。やっぱ誰かベテランについててもらわないときつそうだし」

さやか「でも頑張ってるって聞いたよ。マミさんに」

貴方「それは嬉しいな。……あ、美樹は突っ走りがちだって聞いたぞ」

さやか「えー?あたしのことも褒めてよ、マミさん!」

貴方「仲間がいるときは出来ることをすればいいんだってさ。焦りすぎるなよ。いくら回復優れてるったって、そもそも傷ついてほしくはないし」

さやか「……なるほど、ね。ありがと。ちょっと気を付けてみる」



 さらに雑談しながら道を進んでいった。

 最近二人で話すこともなかったな。クラスに居る時は、こういうこと話題にできることも多くないし。


 繁華街が近づいてくる。ゲーセン以外にもこの辺なら色々とできることは多い。


さやか「なんか喉渇いてきちゃったなあ。先になんかお茶でも買ってこようかな」

貴方「ゲーセンの中は飲食禁止だったような」

さやか「わかってるって。そのへんで一息つこう」


 適当に飲み物を買ってベンチに腰掛けた。


貴方「美樹、また無茶してないか?」

さやか「さっきの話?」

貴方「魔法少女のこともだし、学校やプライベートのことも」

さやか「ああ、仁美ともまた話したり遊ぶようになったから」

さやか「それはホントに大丈夫!あたしも元通りになれてよかったと思ってるから」



1心境の変化でもあったの?
2それならよかった
3自由安価

 下2レス


貴方「それならよかった」

さやか「うん。……まあ、みんなのおかげだよ。【貴方】も」

貴方「今日は素直だな」

さやか「あ、あたしはいつだって素直だよ!」


 お茶を終えると、目当てのゲーセンに向かった。


さやか「――――あ、これこれ!あたしもやったことないんだけどね」

貴方「やってみるか。初見でどこまでできるかな」


 美樹と一緒にゲームをいくらかトライしてみた。

 何回かやったら上達してきたかな。二人であれこれ喋りながらやってたらうまくできなくても楽しむことができた。



二回目【貴方】 14日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・相談乗った
・暁美ほむら・・・手をつないだ
・佐倉杏子・・・生活大変そうだ
・巴マミ・・・プライベート

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――
15日目 教室



 自分の教室に入って、ひとまずみんなに挨拶する。



さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 今週ももう終わりか。


貴方「日にちが経つのって早いな……」

さやか「どうしたの?しみじみしちゃって」

貴方「いや、なんとなく」



1何かイベント事ってあったっけ?
2魔法少年の活動のほうに集中したい

 下2レス


貴方「何かイベント事ってあったっけ?」

仁美「学校行事ですか?」


 志筑さんは委員長だし、そういうの詳しいよな。


仁美「そろそろ文化祭が近づいてますよ。具体的なことを決めないと」

貴方「うちのクラスってなにやるんだったっけ?」

さやか「もう、しっかりしてよね」

貴方「そういやそうだったっけな。悪い悪い……【下2レス】だったか?」



・自由安価

 下2レス


貴方「逆メイド喫茶だったか?俺らが主人になって客をメイドにさせる……みたいなコンセプト」

ほむら「接待させられたい人なんているのかしら……」

まどか「コスプレがメインなんじゃないかな?よくわかってないけど、ご主人様役っていうのはむず痒そうでいやかも」

さやか「てゆうか、仁美からしたら日常じゃない?」

仁美「まあ家政婦ならいますけれど、そのイメージでよろしいのでしょうか?」

ほむら「いるの?」

まどか「いるよ!でもそのイメージとはちょっと違うかも」


 そういや家に行った時見たな。

 若い人はいなかったし、服装も地味で落ち着いた感じだった。


さやか「詳しいことはこれから決めるんじゃない? ちょうど学活あるし」


 一旦、この話題はその時間までとっておくことになった


――――
――――




 ――――それから放課後、さっそく今日学活で決まった方針で動きはじめる。

 メイド服の買い出しと、それから一応喫茶と銘打ってるのでお茶も用意するらしい。自分たちも飲むのであまり高価なものではないけれど。

 あとは……。


仁美「今日決まったことはまとめてますわ」

さやか「さすが仁美!文化祭実行委員より頼りになるね」

仁美「来てくれたお客さん(メイド)に【下2レス】をさせるということと、買うものは【下3レス】ですかね」

共学だし執事喫茶の意味だとわざわざ逆ってつけるのは違和感が
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仁美「来てくれたお客さん(メイド)にそれっぽいことをさせるということと、買うものはそれっぽいものですかね」

さやか「つまり何も決まってないんだよな!」

貴方「どうする……何買えって帰ればいいんだ」

ほむら「ねえ、本当に誰なの?逆メイド喫茶とか言ったの」

貴方「メイド喫茶じゃ普通だから逆にしてみたら面白いんじゃないかって提案じゃなかったか?」

まどか「それって言ってみただけなんじゃ……」

仁美「あとは……普通にメイド・執事喫茶でいいんじゃないかって意見が今更ながら出たことでしょうか」

さやか「それはみんな思ってたことだと思う。普通でいいよ」

貴方「買い出しバックレねえ?もう一度主張してみたら通るかもしれない」

仁美「再考の余地ありですわね」



1適当にそれっぽいもの買って帰る
2メイド喫茶にしよう

 下2レス



貴方「よし!バックレるぞ!」


 買う予定だったメイド服とお茶だけは普通のメイド喫茶にしても必要になりそうだが、考え直すなら次来た時でいいだろう。

 とりあえず今日は何も買わないで帰ることにした。



――――
――――



*ちょっと遅くなったけど放課後!
1誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
2レッツスポーツ!(内容指定)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



貴方「――――へえ。巴さんのとこも今日買い出し行ったんですね」

マミ「そろそろどこも準備を始める頃なんでしょうね」


 学校が終わると、ちょっと遅くなったがパトロールだ。

 巴さんもちょうど買い出しが終わったところらしくタイミングよく待ち合わせることができた。


マミ「そちらは何をやるの?」

貴方「逆メイド喫茶……まあ、あんまりいい案が出なくて覆りそうなんですけど」

マミ「逆?来た人がご主人様になるんじゃなくて、もてなすの?」

マミ「一種のそういったクラブのような……?」

貴方「そういったクラブ…………!」


 思い浮かんだのは鞭持った女性が立ってそうな光景。

 ……はっきりと言わなかったが、巴さんの口からそんな言葉が出たことに新鮮味を感じる。


貴方「まあ、結局普通のメイド喫茶になりそうです」


 けど、もし来てくれたら巴さんのメイド姿ってどんな感じだろうな――って、ちょっとだけ思った。


貴方「巴さんのところは何をやるんですか?」

マミ「うちのクラスは――」



・自由安価(メイド喫茶以外)

 下2レス



マミ「ビリヤードよ。台とキューを自作するの」

貴方「へー、面白そうですね。でも作るのは大変じゃないっすか?」

マミ「まあやれるだけやればいいのよ。穴にはボールが通るレーンは作らずにネットを張って……ポケットビリヤードっていうのがあるそうよ」

貴方「それならなんとかなりそう、かな……?」

マミ「私もメイド喫茶か逆メイド喫茶かわからないけど、お邪魔させてもらうわね」


 学校行事についてほぼ雑談みたいに話していたが、巴さんは途中で凛々しい表情に切り替える。


マミ「さて……おしゃべりはこのくらいにして、集中しなくちゃね」

貴方「はい!」


 魔力の反応がないか感覚を研ぎ澄ませる。巴さんが一緒にいるからって任せっきりにはしたくない。

 そろそろソウルジェムを見なくてもわかるようにはなってきただろうか。



 ――――最初に使い魔を見つけて、そこから少し離れたところで魔女とも戦いを終える。

 最近の巴さんは、俺みたいな素人目に見ても調子がいいように思える。

 もちろん今までも初めて見た時から、さすがベテランだと納得するような戦闘技術があった。でもそれだけじゃないような。



貴方「あっという間に片付いちゃって驚きました。なんか、絶好調っすね?」

マミ「ええ、そうね。今の私には仲間がいるから。先輩として見本になりたいし、守らなくちゃいけないもの」


 先輩とはいえ、守る対象と思われてるのか……と思うとちょっと複雑な気分にもなったが。


マミ「それに、【貴方】くんとは仲間としてだけじゃなくて魔法少女以外で話をすることも増えたしね」


 そういや前にうちのクラスに仲間多いの羨んでたっけ。

 巴さんだって人間なんだし、誰かとプライベートを共有する時間も大事だよな。


貴方「そういえば巴さんって付き合ってる人はいるんですか?」

マミ「えっ? ……いるように見える?」

貴方「巴さんはオシャレだなって思いますし、モテないほうだとは思いませんけど」

マミ「そ、そういう意味で言ったんじゃないの! ……今までずっと一人で魔女退治に追われてた。今だって命を懸けてるのは一緒」

マミ「私達は大事な使命を背負ってるのに、そんな暇があるように見えるのかなって」


 自分がずいぶんと浮かれた考えをしていたことを反省した。

 恋人ができても秘密を持つことになるし、命懸けで戦ってることなんて相手はもちろん知らない。もし突然消えたら、なんて思うのだろう。


貴方「たしかに……あっ、でも…………やっぱ彼女はほしいっす」

マミ「ま、まあそうよね?別に思うのは悪いことじゃないわ。出会いがあるのなら、恋愛捨ててまで魔法少年やれとは言わないし」



これから
1ご飯に誘う
2ヒミツの特訓
3自由安価

 下2レス



 出会いがあるなら、か。


マミ「なんだか今日は遅くなっちゃったわね。夕食簡単に済ませちゃおうかなあ」

貴方「あ、もしかしてそこ入るんですか? ハンバーガーショップ」

マミ「普段は健康に悪そうだし避けてるんだけどね。まあ、たまには。……失望したかしら?」

貴方「いやいや、たまにはいいと思いますよ?ここなら安いし俺もご一緒しようかな」


 適当に頼んで二人で店の二階に上がっていく。よさそうな席を見つけるとそこに腰掛けた。

 巴さんはファストフードといえど、サラダをつけたり栄養が偏らないように工夫はしてるみたいだ。


貴方「さっきの話の続きですけど、巴さんって好きな人とかもいないんですか?」

貴方「もしいるんだったら、魔法少女だからって諦めるのはもったいないなって」

貴方「たしかに俺らは命懸けて戦ってるけど……仲間がいるから頑張れるんなら、恋人がいるから頑張れるってことだってあると思います」

マミ「それもそうね。そういう考え方も素敵ね。でも……残念ながらいないかな」

マミ「さっきも言った通り、魔女退治に追われてたからあまり考えたこともないの」

貴方「今まで一度もですか?」

マミ「そうなるかも」



1意外ですね
2自分もいないんですけどね
3自由安価

 下2レス


貴方「意外ですね」

マミ「いつもみんなの先輩だって大人ぶってるのにね。そういう経験はからきしだから、恋愛相談には乗れないかな」


 巴さんは苦笑する。

 すごく真面目な人だもんな。今まで諦めてた部分もあるのかもしれない。


貴方「さっきも言ったけど見た目も内面もオシャレだし、優雅だし、告白されていてもおかしくないのに」

マミ「そうかしら……?残念ながらそれもないわ。でも、もしされたとしても断ってたと思う」

貴方「今は違うんですか?」

マミ「今は……」


 少し考え込んでから続く言葉を言った。


マミ「前よりは時間を取れるようになったし、考えてみようかな」


 余裕がでてきたってことなんだろう。一人で背負わなくて良くなったから。

 いいことなんだけど、巴さんがもしも誰かと付き合ったりしたらと思うと、なんか――……ちょっとだけ寂しく感じた。




二回目【貴方】 15日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・相談乗った
・暁美ほむら・・・手をつないだ
・佐倉杏子・・・生活大変そうだ
・巴マミ・・・絶好調↑

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら



――――


 明日は休日だ……。どこかへ行こうか?誰か誘おうか?


・誘えるキャラ(まどか/さやか/ほむら/マミ/仁美)※キャラによっては断られることもあります
・一人で行動することも可能

1遊びに行く
2パトロールに行く
3訓練する
4家に誘う
5相手の家に行く
6自由安価

 下2レス

――――
三週目 週末



 先週末に続いて、今週も同じ場所で巴さんと待ち合わせだ。見慣れた明るい金髪を探す。

 すると、彼女が近づいてくるのが見えた。


マミ「【貴方】くん、こんにちは」


 いつもの二つのドリルではなく一つにまとめた髪型だ。

 ふわふわくるくると巻いてあるのは同じだが、少しいつもと違う印象。


貴方「巴さん、今日は髪型違うんですね」

マミ「いつも同じじゃ飽きるでしょう?服も違うんだもの、変化を楽しみたいから」

貴方「いいと思います。俺もなにかアレンジしてみようかなあ……」


 みんなの私服姿というのは慣れてきたけど、休日だとさらに気合いが入ってる気がする。

 今日は遊びに来たのだから。

 髪型、クラスでもスタイリング剤とか使いはじめた人は見るけど、今まで自分は特に考えたこともなかった。やっぱり興味の差か。



今日は何をしようかな?
1ショッピング
2お茶でも
3カラオケ
4自由安価

 下2レス



貴方「今日はカラオケでも行きません?」

マミ「そういうのもたまにはいいわね。行きましょうか」


 前の時には巴さんはいなかったよな。

 みんながああ言ってくれたから、すっかり自信がついていた。それに巴さんの歌声というのも興味はある。

 行先が決まって歩き出す。カラオケ屋ならこのへんだけでもいくつかあった。


貴方「『たまに』って言ってましたけど、カラオケってあまり行かないんすか?」

マミ「鹿目さんたちに誘ってもらったことはあるかな。でも一人では行きづらいし……家族がいた時は行ってたけどね」



 ――店の個室に入ってドリンクを待ちながら会話をする。

 端末の中の曲のリストに目を通しながら選ぶ。……ちょっと言いづらい事聞いちゃったかな。



マミ「最近の曲とかも少ししかしらないかも」

貴方「好きなのでいいんですよ。俺もそうしますし」


 俺もやっぱり最初は上手に歌えるやつにするつもりだ。

 こっちの番が最初だった。準備が整うと曲を選び、イントロが流れ始める。


マミ「……えっ、上手じゃない!?」

マミ「これの後に歌うのって、ちょっと勇気がいるわね……――」



 気持ち良く歌いきった!




▼誰もが聞き惚れる【歌唱力9】ボーナス。



貴方「巴さんもよかったっすよ。あの、発音とか!」

マミ「そ、そうかしら?」


 最初のほうは巴さんは英語の歌とかかっこいい感じに歌ってたけど、段々ノッてきて色んな歌を歌ってた。

 なにせ二人だから順番が回るのも早い。

 普段は時に厳しく、真面目な印象の強い巴さん。もちろんそれ以外の部分も見えてきたけど、歌う姿もはしゃぐ姿も新鮮だから今日は収穫あったって感じだ。


貴方「英語の歌って俺はあんまり歌える気しないですし」

マミ「【貴方】くんは何を歌わせても上手じゃない」

貴方「また来たいっすね!今度は美樹たちも一緒に。あと、できたら佐倉さんもかな。どんな歌うたうか想像つかないけど」

マミ「美樹さんや佐倉さんも……か」

貴方「……巴さん?」

マミ「い、いえ!そうね。いつかみんなで一緒に行きましょう」


――――
――――

マミの部屋



マミ「今日は楽しかったな」

マミ「最近は仲間ができて、友達もできたけど、それだけじゃない。…………【貴方】くんがいてくれるから」


 お風呂から出た後、鏡の前に立つ。

 いつになくご機嫌な気分で、いつもより身だしなみの手入れにも気合いが入っていた。


 ふと、ドレッサーの隅に母の使っていた私物が目に入る。そこに問いかけるように。


マミ「――――私、こんなに幸せでもいいのよね?」



―三週目週末 終了―


[好感度] to貴方
美樹さやか★★★>巴マミ★★>暁美ほむら★志筑仁美★>鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。
 



▼[マミルート]に入りました。なにもしなくても好感度の上がるイベントが進みます。
 個別ENDの準備はできてます。 ※今回から個別ENDは選択肢なしでやります

好感度上げきったら個別ENDを1回は必ずやるようになるだけであとは同じです。そのあと直前に戻ったりリセットもできます。

――――
16日目 教室


 ――――学活の時間。

 文化祭に向けて案も固まり、買い出しもはじまる頃。

 他のクラスはもう準備を始めているところが多いが、うちは今になっても土台が固まらず考え直しでみんな焦った様子だ。


貴方(あんまり放課後遅くなるのはイヤなんだよな……)


 俺だけならまだいい。けど、俺が遅くなるってことは美樹も鹿目さんも暁美さんもそうなるってことだ。

 今見滝原にいる仲間は半分がうちのクラス。二人に任せる羽目になるのも忍びない。佐倉さんは風見野にいることもあるらしいし。


*「でも~、普通じゃつまらないだろ!じゃあ、執事喫茶ってのはどうだ?」

まどか「わたしたちはどうすれば……?」

さやか「そーだよ!」

*「全員執事。あ!全員メイドでもいいけど」

貴方「女装とか勘弁なんだけど……」


 結局多数決。



1メイド・執事喫茶
2執事喫茶(女子は男装)
3メイド喫茶(男子は女装)
3いっそ全然違うのにするか!?(自由安価)

 下2レス

ばんごうみす

1メイド・執事喫茶
2執事喫茶(女子は男装)
3メイド喫茶(男子は女装)
4いっそ全然違うのにするか!?(自由安価)

 下2レス



 結局、普通のメイドと執事の喫茶になった。奇をてらうのもみんな懲りたらしい。

 放課後はまた買い出しだ。せっかくまともに固まったことだし、少しお茶に凝ってみるのも悪くないかもしれない。


 ――美樹たちが服を見に行っている間、こっちでは一人、茶葉を眺めていた。

 安いのを買うのは簡単だ。でも所詮文化祭の出し物ってレベルじゃなくて、ちゃんとお客さんに認めてほかった。

 ……うちに来てくれると言ってた巴さんの姿が浮かぶ。


まどか「何見てるの?」

貴方「お茶だよ。高いのは買えないけど、いいものを出したいなって思ってさ。巴さんにも認めてもらえるような」

さやか「へー、マミさん認めさせるのは大変だよ?」

仁美「うちから少し提供することもできますけど……」

貴方「いや……さすがに頼らせてもらうのは悪いよ。それに高級なのを使えば美味しいのかもしれないけど、なんか違う気がする」

仁美「ええ。わかりましたわ。淹れ方で質を上げることもできるはずですしね」

貴方「志筑さん、もしかしてそういうの得意だったりする!?」

仁美「いいえ、私はあまり。でもコツは聞いてきますわね。一緒に練習しましょう」

貴方「ああ、むしろ高級なの使ってもよく知らないんじゃもったいないよな。そっちはどう?いいのあった?」

ほむら「こっちは一応。でも……これ本当に人前で着るのよね」

まどか「わたしもあんまり目立ちたくはないなぁ。一緒に厨房のほうメインで頑張る?」

ほむら「……どちらも自信はないわ」


 暁美さん目当てにしてる人多そうだし、結局表に立つことになりそうだけど。

 ……ひとまず服のことは任せてこっちはお茶のことを考えてみることにして、買い出しを終えた。





貴方(あれ……? あれって、巴さんと佐倉さんか)



 大分遅くなった帰り道、二人が一緒にいるのを見つける。



貴方「巴さん、佐倉さん!パトロールですか?うちのクラス学活が長引いちゃって、二人に任せたみたいになっちゃってたらすみません」

マミ「ええ、もう終わったところ。気にしなくていいわよ。こっちも文化祭の準備はあるし。いい文化祭にしましょうね」

マミ「そちらは今帰りかしら?」

貴方「はい。パトロール中なら一緒に行こうと思ったんですけど、終わったなら」

マミ「あ!パトロールは終わったけど、もしよかったら……これから佐倉さんとご飯する予定だったの。【貴方】くんも一緒に来る?」

貴方「そうなんですか?じゃあ是非一緒に」

杏子「まあいいけどさ。取り分少なくなんないなら」

マミ「人が増えた分はたくさん作るわよ」

貴方「もしかして、巴さんが作るんですか?」

マミ「ええ。最近は外食も多かったけど、料理は得意だから。基本的には自炊よ」


 この前もこのメンツだったな、と思いだす。あの時は鍋だったっけ。

 料理が得意という言葉に自然と期待値が高まる。



 ――マンションの一室に通されると、俺らをソファに置いて巴さんが立った。



マミ「それじゃ、ちょっと待ってて。すぐに作ってくるわ」

貴方「今日はメニューもう決まってるんですか?」

杏子「パスタだってさ」

マミ「ボロネーゼを作ろうと思ってるわ」


 巴さんはそう言ってキッチンのほうへ向かっていく。


杏子「パスタはマミの得意料理らしいからな。期待しててもいいんじゃない?」

貴方「もちろん期待してるよ。お腹もすいてるし」


 二人でしばらく待つ。

 相変わらず佐倉さんは雑談を好むタイプではないが、テレビがあるから空気の悪さはとくに感じない。

 ……すると、つまらなさそうにテレビの画面を見ていた佐倉さんが不意にこっちを見た。


杏子「マミのヤツ、今日はやたらとご機嫌なんだよな。妙に浮き足立ってるっていうか。……なんか知らねえ?」

貴方「いや……わからないけど」

杏子「そうか。【貴方】に聞いてもしょうがなかったな」

貴方「強いて言うなら文化祭が近づいてるくらい?まあそういう日もあるんじゃない」

杏子「あー。そういやそんな話してたね」

貴方「でも、巴さんなら心配することはないでしょ?魔法少女のことになると切り替え早いし、しっかりしてるし」



杏子「……」

マミ「ご飯が出来たわよ」


 話していると、巴さんが料理を持ってやってきた。

 佐倉さんとの話はそこで話題は途切れ、その後も特に気に留めることもなく終わった。


 出来立てほかほかのパスタにスープとサラダつき。

 ソースも具だくさんだし、トマトとチーズの風味が濃厚で良い。店で出てくるのと遜色ないレベルだ。


マミ「どうかしら?」

貴方「すごくおいしいです!これを短時間で作れちゃうんだから手際いいんだろうなぁ」

マミ「料理は段取りと手早さは肝心ね。上手くやらないと冷めちゃうから」

貴方「今日は誘ってくれて本当にありがとうございます。下手な店より絶対うまいですよ!」

マミ「私も【貴方】くんにはお礼をしたいの」

杏子「……今日は張り切ってんな」

マミ「そうかしら。今日もだけど、いつもよ」


 それから、食後になると再び巴さんが席を立つ。


マミ「紅茶を淹れてくるわね」

貴方「あ、それ見ててもいいですか?紅茶を淹れるの上手くなりたくて」

マミ「そういうことならどうぞ。私がお手本になれるかわからないけど」



 巴さんから紅茶を習い、ティータイムを楽しんでから帰宅する。

 ……佐倉さんはまだいるらしい。泊まってくのかな。


 ともかく、作戦会議でもみんな一緒のお茶会でもなく招いてもらったのははじめてだ。

 それを嬉しく思うとともに、以前より距離が縮まったのを感じていた。




二回目【貴方】 16日目終了


★マミルート★


――――
――――
数日後 教室



 ――――それから巴さんに教えてもらったのを参考にしつつ、紅茶のコツを掴むために何回か練習を繰り返した。

 志筑さんも本物のメイドさんから教えてもらったのだから心強い。練習の成果は形になりつつあった。


さやか「じゃーん、どうかなこれ!似合ってる?」

貴方「あ、あぁそうだな」

さやか「絶対今適当に返事した!」


 ……美樹が鹿目さんと暁美さん、それにいつもはこっちのほうを手伝ってくれてる志筑さんまで連れてきて、珍しくメイド姿で揃い踏みだ。

 正直、みんな似合ってるし出来は上々だと思った。でもコメントしづらい。なんつーか、照れる。


 衣装合わせももちろんしていて、うちのクラスの周辺ではメイドさんが散見されることとなった。

 周りのクラスからも噂や注目の的になっているが、本番まで出来るだけ隠しておきたいから不用意にうろつかないことには決めている。


まどか「【貴方】くんはずっと厨房のほうにいるの?」

貴方「あんまし接客したいってわけじゃないけど……」


 一応、全員コスプレさせて接客させるわけではなく、やりたくない人には無理強いはしないというスタンスだ。

 厨房にずっと居たいならそうすることもできる。そのほうが合ってる人もいるし。


貴方「厨房のほうの仕事をメインにしたいけど、知り合いが来た時くらいは出てみようかな」

まどか「知り合いって、マミさん?」

貴方「ああ」

さやか「そうだね!知り合い来たら出たいね。ほむらも顔くらい見せるでしょ?」

ほむら「私は別に……」

さやか「相変わらずノリが悪いなあ、もう」

ほむら「そうかもしれないわね」



 ……クラスのことが終わると、なんとなく巴さんのクラスのある三年のフロアへと行ってみた。

 最近は下校時間もバラバラだから、クラスメイト以外とは待ち合わせもしづらかった。

 教室を覗いてみたが、もう残っている人はいない。巴さんも帰っちゃったかな……。


 ――そう思ったところで、後ろから声が聞こえた。


マミ「貴方くん、これから帰り?」

貴方「ああ、はい。どうしてるかなと思って」

マミ「文化祭の出し物の詳細についてはまだ秘密よ。まあ、そこそこ順調に進んでいるわ」

貴方「ビリヤードの台を作ってるんですよね。楽しそうです」

マミ「そっちは順調?」

貴方「ええ……まあ。最初こそ滅茶苦茶でしたけど、方針が固まってからはなんとかなってます」


 来た方向へ廊下を戻り、二人で階段を降りていく。

 こうして一緒に学校を出るのは久しぶりだった。


マミ「最近、放課後はどうしてるの?」

貴方「クラスの活動終わりにクラスメイトで一緒に行くことが多かったですかね。さすがに毎日とはいきませんけど」

マミ「毎日は大変よね」

貴方「……でも、巴さんは仲間がいなかった時は全部一人でやってたんですよね」

マミ「ええ。情報のチェックは毎日。私がやらなきゃ他に頼れる人がいなかったから。遅くなった日もあったけど行ってたわ」



マミ「前はそれが当たり前だった。魔女や使い魔だけじゃなくて、縄張りを荒らす魔法少女が来ないかも気を張っていたしね」

マミ「でももう一人では行きたくない、かな」


 契約当初から見てきた魔法使いたちが皆仲間だったから争い事にあまりピンとこないけど、魔法使い同士すら仲間とは限らないんだな。

 一人だとこの世界は想像以上に過酷だったのだろうと改めて思う。


貴方「そう思うのはしょうがないですよ。それに、俺たちもいますから!」

マミ「ええ、ありがとうね。今日は一緒にパトロール行く?」

貴方「はい!行きましょう」



 校門を出るとそのまま街中を回りはじめる。

 ――その途中の路地裏で、何かの気配を感じた気がして感覚を集中してみた。



貴方「……あっ、もしかして魔女の反応ないですか?最近わかるようになってきて。魔女……いや、使い魔かな」

マミ「ああ、そうね。これは使い魔だわ。近くにいそうね」


 よかった、合ってた。けど、俺が言うまで巴さんが気づかなかったのがちょっと違和感を覚えた。

 気づけるか試すために言わなかったってわけでもなさそうだし。


 使い魔を見つけると倒すまではさすがに速攻で終わった。


 妙にご機嫌だと言ってたのがこの前。今日はいつもと比べて調子が悪そうにも思えるし、逆に、いつもより張り切ってるような気もした。

 違う。張り切ってる……というか、どこか焦ってるんだ。

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なんかネットワークの調子が悪いのでここまで
この辺はもうちょっとまとまって書きたいんですけど小出しになって申し訳ない

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むしろぱんつ見えないのって子供向け意識してフリフリ詰めてるまどかとタイツ穿いてるほむらくらいじゃ
あとはスパッツ穿いてるキリカくらい?スパッツだから大丈夫かと言われるとそうでもない。気にせず見せてる分…

パンツ丸見えじゃかっこつかないのと【貴方】くんの目に毒なのでみんな変身した後はレオタード的なの穿いてるんじゃないかな!(だから大丈夫とは言ってない



貴方「あの、何かありました? 悩んでることとか」


 巴さんと一番付き合いが長いのは佐倉さんだ。『いつもと調子が違う』というのは正しいのかもしれない。

 何が原因かはわからないけど、悪い変化ではあって欲しくないと思う。


マミ「どうして?……そう見えるの?」

貴方「なにかいつもとは調子が違う感じがしたから」

マミ「悩みなんてないわ。あるわけがないの。私は今とても恵まれていて、幸せなんだもの。別に何かあったつもりはないんだけど」

 
 その先の言葉を言いよどむ。巴さん自身ももしかしたら変調に気づいてるのかもしれない。


マミ「佐倉さんにも言われたのよ。最近の私は浮ついてるって」

マミ「私は仲間が出来て嬉しかったし、仲間がいるから力が出せると思ってた。でも、少し浮かれすぎてたのかしらね……」


 巴さんは魔法少女のことになると時には厳しくて、切り替えが出来て。そんな事を言うなんて、巴さんらしくもない。

 ――そう思ったけど、巴さんだって俺らと変わらない普通の人なんだってことに気づく。

 いつでも強くなんていられるはずがない。心境が変化することもあるし、調子が出ない時があったって当然のことなんだ。



1今日は終わりにしますか?
2悩んでないなら良かったです
3なにかあったら俺が守ります
4自由安価

 下2レス



貴方「なにかあったら俺が守ります」

マミ「……【貴方】くんが?」

貴方「巴さんはベテランだし強いです。でも、気負いすぎてるんじゃないかなって」

貴方「俺だって巴さんが特訓してくれたおかげで強くなれましたから!調子が悪いならもっと頼ったっていいんですよ!こうして一緒に戦ってるんだから」

マミ「ええ……そうね。確かに私は今の幸せを失うことが怖くて、【貴方】くんの力を信じてなかったのかもしれない」

マミ「弱気になってちゃいけないわよね。また街を回りましょうか」


 再び次の魔力を求めて歩き出す。

 ……ふと巴さんが漏らした、『今の幸せを失うのが怖い』という言葉。

 長くこの世界にいて、犠牲になった人のことをよく知っているからこその考えなのかもしれない。


 巴さんはいつでも俺たちのことを守ろうとしてた。――後輩だから。弟子だから。

 でも、守られるだけなんてやっぱり嫌だ。


貴方(……そのためにも、もっと安心させられるくらい強くならないとな)


 それに、鹿目さんはいつも人の役に立とうしてるし、美樹もああ見えて責任感がある。

 佐倉さんだって巴さんに負けないくらい魔法少女に関しては真面目だし、力もある。


 それでも『怖い』のかな。 ……もしかしたら巴さんは、戦うこと自体、本当ならしたくなかったのかもしれない。


 そんなことを考えつつ、今は守る為に集中する。

 パトロールを続けていった――――……。



―17日目 終了―


★マミルート★

――――

教室 放課後



まどか「【貴方】くん、こっちもセッティングできたよ。これで無事に明日を迎えられるかな」

さやか「おおー、こうして見るとなかなかいい雰囲気じゃん?」


 ついに文化祭が明日に迫る。今日は教室内の飾りつけと最後の準備をしていた。


仁美「メニューも形になりましたわね。紅茶も本格的になりましたし」

仁美「特に【貴方】くんが淹れたものは雑味なく仕上がっているのがわかりますよ」

貴方「志筑さんに言ってもらえるなら自信もてるなあ」


 放課後には調理や紅茶の練習。

 ……それから、こっそりとパトロールの後に特訓も続けていた。


さやか「しょーじき言われなきゃそんなに違いがあるかわかんないけど……」

貴方「普段巴さんの飲んでるのにそれ言うのかよ」

まどか「言われればわかるんでしょ?」

ほむら「本当かしら」

さやか「まーうん……そう言うほむらはわかんのかよ!?」

ほむら「……」

仁美「その方のことも気になりますわね。よく話題に出てきますので」

貴方「ああ、今度会ってみる?気ぃ合うかもしれないな」



 少し話していたが、文化祭の準備も済んだのでこのあとは解散だ。

 三人は何かテレパシーで話してたらしく。


まどか『――【貴方】くんも一緒にパトロール行く?』


 鹿目さんから唐突に会話が振られた。けど……。


貴方『……悪い。寄りたいとこあるから』

まどか『そっか、わかった。じゃあさやかちゃんたちと行ってくるね。また明日』


 その後志筑さんにも聞こえるように挨拶してから三人は教室を出て行った。


仁美「では、私もこれから用事がありますので。失礼いたしますわ」

貴方「ああ。また明日」


 続いて志筑さんも去っていく。

 ――気になってたことは巴さんのことだった。あのことはみんなには言わないでほしいと言われてしまった。

 俺は不調だったことも知ってるし、放ってはおけない。守ると言ったんだ。


 できれば会いたい。フロアに行って、まだ文化祭の準備が終わってないなら待とう。そう思って移動する。


貴方(……もう帰っちゃったか)


 教室はセットされていて、人気は感じられない。うちのクラス、時間をかけすぎてたか?

 待ってても仕方ないので下校することにした。

 帰っているなら連絡は取れる。一人でパトロールするのはまだ危険だろうか。『これからパトロールに行きませんか』と連絡を入れておいた。

 それから少しして返信が来て、待ち合わせ場所を決める。巴さんもパトロールの最中だったらしい。


貴方(……先に一人で回ってたのか)


 場所は病院の前だ。そこに急ぐことにした。



貴方(――あれ?)


 目的地に向かう途中で、魔力の気配を感じた。それも、近づくにつれて気配が増している。

 既に近くに来てたら巴さんも気づいてるだろう。

 場合によっちゃ、待ち合わせの前にちょっと寄り道することになるかもしれない。それとも、巴さんを待ったほうがいいか?


 先に魔力の一番強くなる方向を探ってみる。すると――その先が病院だった。


貴方(巴さんの姿は……ないな)


 裏門のほうにも回って見てみたが、そこにも見当たらない。

 結界に開かれた形跡があることに気づく。誰か戦ってる。先に巴さんが戦ってたんだ。


 巴さんなら俺が加勢するまでもなくすぐに倒して出てきてしまうかもしれない。

 一瞬そう思ったが、すぐに結界に飛び込んでいった。


 足を進めていく。道中に使い魔はほとんどいなかった。巴さんが倒したからだろうか。

 扉を開けて奥へ奥へと進む。道中に使い魔がいないなら、巴さんがいるのは一番奥だ。


貴方「!!」



 ――最深部の扉を開け放つ。

 巴さんは、人を丸呑みできるくらいの大きさの黒い蛇のような魔女と対峙していた。


 対峙といっても、巴さんはその迫りくる巨体に対処できるような構えをしていなかった。



 夢中で駆けだしていく。敵は今こっちに気づいてはいない。



・武器(自由安価)

 下2レス



 短い杖を両手で握り込み、先端に刃を灯す。

 闘志に合わせて大きく形作られていく。一瞬にして大剣となり、魔女に斬りかかった。


マミ「貴方くん……――!?」

 
 魔女は真っ二つ――になったと思われた。

 しかし巨体の割に驚くほど手ごたえがなかった。風船みたいに中身がないような。

 その違和感の直後、切った中から同じ見た目をした別の巨体が現れた。今度はこっちに向かって。


貴方「なっ……!」


 巴さんも驚いていたが、いつまでも呆けているようではない。

 今度は俺の方に向いた巨体を巴さんが退けてくれた。撃った穴から再び魔女が飛び出す。


貴方「二人で引き付け合っていけばなんとかなりそうですね!」

マミ「ええ……!戦いづらい相手だけど今度こそ遅れはとらないわ」


 刃を大剣から普通の剣へと戻す。

 一つの脱皮した巨体を倒すのに必殺の威力は必要ない。むしろ必要なのは身軽さ。大振りなのは邪魔になるだけだ。


 巴さんと協力して魔女を倒していくと、やがて脱皮し尽くしたのかグリーフシードを遺して消えていった。




マミ「……あの魔女は拘束しても脱皮してきたし、私の銃は一度撃ったら作りなおさないといけない」

マミ「知っていれば対処できたかもしれないけど、あの時は大技を使った後だった。……多分油断もしてたのね。私一人じゃ勝てなかった」


 一瞬思った、『巴さんなら大丈夫だろう』という思考は間違いだったと確信する。

 相性次第ではベテランでも殺されることがあるんだ。


貴方「俺一人でも勝てませんでしたよ。でも、いいんじゃないですか?」

貴方「俺たちはこうして生きてます。守り合えば弱点だってなくせますから」

マミ「ありがとう。……もう駄目だって思ったの。死んだら全て失ってしまうもの。それにずっと怯えていた」

マミ「仲間が出来たらもう怯えなくて済むんだって思った。でも、心の底から仲間を信じきれてなかったのは私のほうだった」

マミ「だから一人で張り切って、また失うことに怯えて…………」

貴方「言ったでしょ? なにかあったら守るって」

マミ「ええ。仲間がいるから強いって、こういうことなのよね」


 戦うことはやめられない。俺たちには力があり、使命がある。

 戦う限り、傷ついたり、時には死んでしまう可能性だってゼロにはならない。どんなに強くなっても。

 けれど、その不安はこうしてなくしていくことは出来る。巴さんも、やっと一人で抱えてたものを下ろせたのかな――と、そう思った。



―18日目 終了―


★マミルート★

――――
四週目休日



 いつもなら休みの日だが、今日は文化祭当日だ。

 教室にはクラスメイトが揃っている。


さやか「これでもう開店できそうだね」

まどか「うん。どのくらいお客さん来るかなあ? 来てくれるのは嬉しいんだけど、やっぱり恥ずかしさもあるんだよね」

さやか「それなぁ……」


 二人はもうメイド服の衣装に着替えてスタンバイしている。そういえば順番最初だったな。


貴方「美樹はもっとノリノリかと思ってた」

さやか「いや!あたしだってそんな自信あるわけじゃないよ!?」

貴方「この前みんな連れて見せに来てたし」

さやか「それは【貴方】だからっていうか……」

貴方「ああ、コスプレのような格好は見慣れてるから?」

さやか「もしかして、コスプレのような格好って変身した衣装のこと?」

貴方「鹿目さんも接客に回るの意外だね」

まどか「みんな出るって言うから」


 美樹はともかく、暁美さんとかはみんなの期待によって押し切られたようなものだった。

 あまり乗り気ではなさそうだ。


 ……話しているうちに、文化祭開始の時間になる。



1じゃ、行ってくるよ
2客として楽しんでみる(メイドさん指名)
3自由安価

 下2レス



貴方「じゃ、行ってくるよ」


 クラスのことは当番の人に任せよう。巴さんのクラスに向かった。


マミ「あら、いらっしゃい。来てくれたのね」

貴方「はい、この時間はフリーなので。巴さんが居てよかった。本格的なんですね」


 昨日もセットされているのは見たけれど、ボールが並べられてプレイしてるとこを見るとさらにわかる。

 暫く他の人がやってるのを観察してみる。


マミ「ビリヤードってやったことある?」



 下1レスコンマ判定
偶数 ある
奇数 ない


貴方「いえ、初めてです。9を落としたら勝ちなんでしたっけ」

マミ「ボールに得点をつけて勝敗を決めるローテーションとか、一人で技術を測るボーラードというのもあるわよ」

マミ「私もやったことなかったんだけど、大分上達したのよ。ちょっと空いてる台で練習してみる?」


 なんとなく巴さんってこういうのも上手そうだよな、なんて思いながら一緒にやってみる。

 ボールがどう動くかの計算も大事だけど、狙った通りに身体を動かすのがまず難しかった。


マミ「もう慣れてきたみたいね。吹き矢も最初から真ん中連発しちゃうし、筋がいいのかもしれないわね」


 あれまだ気にしてるのか。吹き矢とは大分勝手が違うような気もするけど。


貴方「ホント、文化祭終わったらなくなっちゃうの名残惜しいですね。折角よく出来てるのに」

マミ「仕方ないわ。でも、たしかに名残惜しいわね」

貴方「せっかく出来るようになってきたんだし、今度ビリヤードしに行きましょう! 駅前に遊べるとこありましたよね」

マミ「ええ!ぜひ行きましょうか」


 次の遊びの約束をする。この場だけで終わらせるのももったいなさそうだ。

 ひとしきり楽しむと、クラスの当番の時間が近づいてきてるのに気づく。


貴方「じゃ、当番があるので戻りますね。うちのクラスにも来てください!大歓迎です!」

マミ「ええ。少ししたら行くわね」


 練習と、少し対戦もして遊んだ。勝った時には特典ということでキャンディももらった。

 自分の教室へと戻っていく。次はこっちがもてなす番だ。



 クラスの後ろのドアから裏方側に入ると、調理班の様子が見える。

 下ごしらえが必要な工程は家庭科室を借りているが、焼くだけの調理や飲み物の準備はここでやっている。

 カフェとは仕切られた厨房の空間には濃い紅茶の香りが漂っていた。


貴方「お疲れー」

仁美「あら、次の時間から【貴方】くんの当番でしたわね」

貴方「どんな感じ?お客さん来てる?」

まどか「けっこう来てるよ。最初は割と暇だったんだけど、一人メイド服で宣伝に行ったのが効いたみたい」

貴方「へえ……そりゃ目を引けるだろうね」

さやか「6番テーブルから注文!紅茶とパンケーキ2つずつおねがーい!お客さん多いからちょっとだけまどかも手伝って」

まどか「あっ、うん!行くね」

さやか「……お、【貴方】はこれからこっち? ま、知り合いが来た時にはあたしが教えてやんよ」


 美樹が注文を伝えに来て、鹿目さんと慌ただしく出ていった。二人はこの後もまだ当番か。


仁美「私はこの注文分が終わったら一旦抜けますわね」

貴方「ああ、うん。後は任せて」

貴方「さてと、とりあえずエプロンは着けないとな。それと……メインはこっち側だけど一応着替えてくるか」


 メイド服はエプロンドレスみたいなものだが、実用的な本物のソレとは違って汚したら困る衣装だ。

 執事服にいたっては更にビシッとした黒で汚れも目立ちやすい。


 着替えて、引き締まったフォーマルな雰囲気の執事服の上に、似合わない簡易なエプロンをかける。

 その姿で厨房に戻るとクラスメイトにからかわれたりしたが、まあこれも思い出作りのうちだ。



 時間はいつのまにか昼食時に近づいてきて、そのおかげかお客さんも増えてきていた。当番の時間が終わったらどこかで昼にしようか。

 ペースを掴んだ頃に、美樹が注文とともに伝えにくる。


さやか「3番、紅茶とオムライスだって」

貴方「おう、了解」

さやか「それで来たら【貴方】も出てくれば?マミさん来てるよ」

貴方「それなら俺が持ってこうかな」

さやか「えーっ、それはあたしの役目だと思ってたのになあ」

貴方「美樹は散々いいところ見せてるだろ?」

まどか「出来立てのチキンライスたくさん持ってきたよー!」

さやか「まどかも来てね」


 ウェイトレスから家庭科室での調理のほうに戻っていた鹿目さんも、丁度こっちに来たところだ。

 鹿目さんは一瞬きょとんとしたものの意味を理解すると快活に返事をする。

 ……エプロンを脱ごう。


貴方「――――お待たせしました。……お嬢様」


 恭しく礼をする。結局接客ってこれがはじめてなんだけど、マジに言うのくっそ恥ずかしい。


マミ「ふふっ、いいじゃない。その格好サマになってるわね、【貴方】くん」

貴方「からかわないでくださいよ」

さやか「それよりあたしとまどかの可愛いメイドコスは!?」

マミ「もちろんとても似合ってるわ。みんなからお嬢様なんて呼ばれるのはむずがゆいけどね」

まどか「えへへ……」



 いつのまにかいつもの知り合いが集まってた。けど、暁美さんがいないな。


貴方「そういや暁美さんは?今の時間も当番じゃなかったっけ?」

マミ「暁美さんなら一足先に見たわよ」

まどか「ほむらちゃん、途中から外に宣伝しに行ってるんだ」

貴方「あー、そういうこと」

マミ「それにしても、評判は本当みたいね」

貴方「評判って?」

マミ「料理はどれもそこそこ凝ってるけど、特に紅茶は本格的で美味しいって」

まどか「【貴方】くんが淹れたんですよ」

マミ「あら、そうなの?すごいじゃない」

貴方「ええ、まあ」



 思わず照れ笑いする。

 色々と気恥ずかしい思いもしたがそれ以上に達成感に満ちた、そんな文化祭の一日が過ぎていった…………。



――――
――――



 終了の時間が近づき、どこも店じまいとなる頃。

 名残惜しさを感じながらも片づけを終えると、連絡が入っているのに気づいた。


 このあとは後夜祭だ。残りたい人だけ残って、学校が用意した打上花火を見たりする時間。


マミ「来てくれたわね」

貴方「元々後夜祭気になってはいたんですけど、巴さんからの誘いならもちろんですよ。他の人は呼ばないんですか?」

マミ「そうね……今日は【貴方】くんと二人がいいと思って」


 いつもより改まった様子だ。こちらも少し緊張してしまう。


マミ「昨日は本当にありがとう」

貴方「気にしないでください。俺も巴さんのおかげで助かったことたくさんあるんですから」

貴方「俺、本当に巴さんと出会ってよかったなって思います。辛かったり寂しい思いをせずに、こんなに幸せに魔法少年やれてるのは巴さんがいるからです」

マミ「……私でなくても他にも仲間はいるし、暁美さんだってベテランでしょう?」

貴方「それでも……――――」



★個別END分岐★


1巴さんのことが好きだから←
2みんなのことが好きだから

あ、ここは選択式ではないです



貴方「巴さんのことが好きだから」

マミ「え……っ?」

貴方「巴さんとは先輩や師匠としてだけじゃなくて、こうして仲良くなって……強いところも弱いところも見てきました」

貴方「巴さんはいつも強くあろうとしてて、努力家で、そんなところももちろん好きです」

貴方「でも、他の人には見せない一面も見られて嬉しかったし、それに……可愛いなって思ったんです」

マミ「…………私も。私も【貴方】くんと同じ気持ちよ」

貴方「……!」

マミ「前に話したけど、私は普通の幸せって諦めてるところがあったの。出会いなんかないし、恋なんてしてる暇もないって」

マミ「でも、そんなことはなかったわ。恐れる必要もない。やっと気付けたの。これも、【貴方】くんと出会えたから」


 二人きりでよかった。

 今告白するとは思ってなかったけど、どことなく非日常の余韻が残る雰囲気――この空気がそうさせたのだろう。


貴方「花火、もうすぐはじまりますね」

マミ「ええ。楽しみね」

貴方「はい!」



 巴さんの隣で空を見上げる。

 色とりどりの光を散らす空を、満たされた気持ちで眺めていた……――――。



―マミEND―




二回目【貴方】 四週目休日終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・ギャップ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・相談乗った
・暁美ほむら・・・手をつないだ
・佐倉杏子・・・生活大変そうだ
・巴マミ・・・☆恋人☆

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ



[好感度] to貴方
巴マミ☆>美樹さやか★★★>暁美ほむら★志筑仁美★>鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。



1直前の好感度★★★のまま続行(ハーレム主人公が鈍感なのはお決まりのこと)
2一日目からリセット…攻略済記録は引き継がれます。設定変更が可能。

 …魔法少女ベテラン組は接点とか共通点的にこのままのほうが攻略しやすいかな?

 下4レス多数決

リセット


今回
・見滝原中二年でまどかたちと同クラス
・【貴方】は契約して魔法少女たちと関わっていた
・5人全員契約済み
・部活なし
・生徒会なし
・ほむらはクールなほう(未攻略)


 前回同様攻略済キャラのみ好感度高く引き継ぎます。
 たとえば、2個目を変えてもマミとは何かしらの関係はつけると思います。


変更箇所を下4レスまで、矛盾する内容が含まれる場合はコンマが高い方採用


・【貴方】は見滝原中二年でまどかたちと同クラス
 変更なし

・【貴方】は契約して魔法少女たちと関わっていた
 → 魔法少女とは無関係。杏子とは幼馴染。マミとは多分生徒会とかで関わってる。

・5人全員契約済み
 変更なし

・部活なし
 変更なし

・生徒会なし
 → 生徒会役員

・ほむらはクールなほう(未攻略)
 変更なし

・大金持ち! new


 幼馴染設定来てますが、
 某桐野編と違ってほぼ個性は出さない(あとギャルゲな性質上一人にだけ特化はさせたくない)ので過去も細かくは詰めないです。
 初期から一応親交があるくらいのアドバンテージ。

 ついでに何の役やってるか決めとこう
1副生徒会長(二年だから生徒会長にはなれないということで)
2書記
3会計
4あんまり詳しくないんでその他記述式

 下2レス

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仁美はともかく、前回は契約ありきの話が多かったのでほむらは完全リセット(前々回からの引継分だけは残す)ですね
また、マミの好感度も同じく減少で引継。同じ関係性を引き継げる場合のみ『そのまま』引き継ぎます。
・・・ただやっぱり今回から金持ち設定があるので仁美との続きイベントもそのままは使えないな。
前々回のまどかとの猫イベントも出来るなら金で解決しちゃうので同じく。


また、ベテラン組相手で契約済だと対等の立場に立てたのが強みで、
未契約だとどうしても庇護される側を脱せないのと、所詮部外者の男じゃ魔法少女事情に口を挟んでも言葉に重みが出ないので、
魔法少女事情から関わろうとするのはおすすめしないです。(無関係な人間は遠ざけようとするため深く関われない)
まずは1回目のように日常で関係を築くのが吉かなと思います。



リセット後の好感度


[好感度] to貴方
美樹さやか★★★>暁美ほむら★巴マミ★>志筑仁美・鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

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さやかはほぼそのまま受け継いでるよ(ボソッ
ちなみに実は仁美の攻略解放条件はさやかちゃん攻略
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――――……3rd. 起動



 目を覚ますと天井が目に入る。

 身体を起こせば今まで寝そべっていたベッドが見える。


 そう、今日もまたいたって平常な朝がはじまったのだ。


 【貴方】は寝起きのぼんやりした頭を覚醒させ、確かめるように今の状況を思い出す。

 一人用にしてはベッドは広く、大きな部屋。

 ここが自分の自室だ。【貴方】は世間からすればかなりの大金持ちの生まれだった。


 しかしこれから登校する見滝原中学校はいたって平凡な学校。これからどこにでもあるような一日が始まる。


*「【貴方】お坊ちゃま。朝食の用意が出来ております」


 部屋の外から聞こえる使用人の声に、さっと身支度を済ませて広間へと向かった。


――――――
――――――

1日目
見滝原中学校 教室



貴方「おはよう」


 略した挨拶を口にしながら自分の席をセットして座る。

 床のボタンを押すと机とイスがワンタッチで立ち上がる仕組みだ。


さやか「おはよう!」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」


 挨拶が返ってくる。

 美樹の朝から元気になるような声に、鹿目さんの一日が明るくなるような挨拶。

 それから、少し遅れて暁美さんの落ち着いた声。

 少し冷たい態度にも聞こえるが、ちゃんと挨拶してくれるのだからこれでもそんなに悪く思われてないと思う。


まどか「今日の数学宿題あったよね。わたしちょっと自信ないとこあって」

さやか「あたしはムリだけど、そういうの聞ける人ならそこそこいるじゃん」

貴方「あ、それなら僕が――」

ほむら「私が見るわ」


 言いかけたところで先に暁美さんに取られてしまった。

 ……暁美さんは普段何に対しても興味なさそうにしてるけど、鹿目さんのこととなるとやたらと気にかけるところがある。

 そう見えるのは気のせいじゃないが、友達だからといえば僕たちだって友達はなずだ。――少なくともそう自分は思っていた。


ほむら「それとも、私じゃ不足だったかしら?」

ほむら「このクラスには学級委員長の優等生のお嬢様と、副生徒会長までやってる優等生のお坊ちゃまがいるものね」

まどか「えっ、ううん!不足なんてないよ!ありがとう。ほむらちゃんが見てくれるなら心強いって。わたしももっと頑張らなくちゃね」


 暁美さんは僕が言い出したことに気づいてかあてつけるように言う。

 こう言うが、暁美さんだって十分優等生の認識で通っている。まあ、暁美さんに任せておけば大丈夫だろう。


 ――――やがて朝のHRがはじまり、学校での一日が過ぎていく。

放課後



 帰りのHRも終わってチャイムがなると、鞄を持って席を立つ。

 雑談はほどほどにそろそろ教室を出ないと。



さやか「【貴方】はこれから生徒会の仕事?なんかやっぱすごいけど大変そうだなぁ」

まどか「頑張ってね。いってらっしゃい!」

貴方「あ、待って。その前に。三人は今の学校に何か不満点はない?」

さやか「不満点? ……んー別に。しいて言うならあんましムズかしい宿題出さないように言っといてよ!」

まどか「それはさすがに……。わたしも特にはないよ」

貴方「……そうか。ありがとう。暁美さんは?遠くから来たんだし、他と比べて気づいたことはないか?」

ほむら「いえ。入院してたんだし、前の学校の事なんて覚えてないわ」

貴方「それもそうだ。配慮が足りなかった」


 普段が文武両道なゆえに忘れそうになるが、暁美さんはここに来る前はずっと入院してたと聞いている。

 あまり通えてなかったのだろう。前の学校の話もほぼ聞いたことはなかった。


さやか「さっすが副生徒会長となると考えることの規模が違うというか、難しいこと考えてんのね?小市民のあたしには縁のないことだわぁ」

貴方「別に生徒会に入るのに身分なんて関係ないよ。役員になる権利は平等にあるんだ。美樹さんだって望むなら立候補すればいい」

さやか「ムリムリ。あたしじゃ誰も推薦してくんないよ。っと、あたしもそろそろ帰ろうかな」

まどか「あ、いっしょにいく?」

ほむら「それなら私も……」


 他の人も美樹に続くように教室を去っていった。

 ……あまり建設的な意見は聞けなかったな。

 自分が通っている学校なのに、学校のことを考えてる人が少なすぎるとは思っていた。

お坊ちゃま貴方くんのキャラが割と迷走中です
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 『生徒会執行部』――その教室の前で足を止める。コン、コンと何か規則正しいリズムを刻んでいる音が聞こえる。


*「あっ、やべえ!副会長だ!」


 僕が扉を開ると、慌てたように今まで机の上で跳ねていた小さな球体を掴んで隠した。

 ……ピンポン玉かな。


貴方「……仕事のほうは順調かな?」

*「まあ、はい……といっても、正直言って最近そんなにやることないじゃないですか?」

*「あっ!だからって遊んでいいとは思ってないっす!これっぽっちも!」


 クラスの掃除当番でここを掃除しに行くこともあるが、意外とこの部屋にはよくわからないものも置いてある。

 美樹さんがピンポン玉を見つけて、男子と混じって遊んでいたっけな。


貴方(こんな人までいるんだから、美樹さんが立候補しても問題ない気がするけどな……)


貴方「別にないならいいけど。息抜きしてた方が仕事してるふりをしてるよりはよほど効率はいいよ」

貴方「君、同じ学年だよね?副会長って肩書きで身構えてるみたいだけど、そんなに堅苦しくしなくていいのに」

*「いやー、そういうわけにはいかないっすよ。完璧な副会長で通ってるんだから。でも、意外と話が分かるんですね!」

貴方「というか、会長が許してるからやってたんでしょう……?」


 会長のほうを見てみると、ぎくりと目を逸らした。


会長「い、いやっ。まあそうは言ってないけどなぁ……」

*「実質副会長のほうが力は上じゃないすか?」

会長「さすがにそう言い切られると困るなあ……はは」

貴方「…………」


 ゆるい空気を作っている一番の要因はこの人なのかもしれない。

 会長ももちろん優秀な人ではあるんだが。



「まずはお茶でも飲んで落ち着いたら?それからやることを考えましょう。息抜きは必要だけど、息抜きっていうのは頑張るためにあるんだから」


 ひとまず席に腰掛けると、そっと背後からテーブルに紅茶が置かれる。


*「マミさんは飴と鞭の使いが上手いなぁ。あと紅茶もうまい」


 マイポットと電気ケトル、それからティーカップ。何故だかそんなものもこの部屋にはあった。

 多分どこかで使われていたんだろう。色んな備品がここに集まっている。

 生徒会というみんなからは堅苦しいと思われがちな場所だが、結構自由にやらせてもらっていた。


会長「巴さんは『庶務』っていうより秘書って感じだよねえ。将来目指す?」

マミ「それもいいかもしれないわね」


 庶務の巴さんは雑用から些細な気付いたことまで何でもこなしてくれる縁の下の力持ちだ。ただし、多忙な人でもあるらしい。

 ……ちなみに、もう一人の庶務が遊んでた人だ。


 巴さんの淹れる紅茶はおいしいし、モチベーションや集中力もアップするのでまあいいだろう。

 しかし、それだけでは最早ただのお茶会……みたいな。


貴方「書類に追われて暇そうじゃない人もいるし、仕事の振り方も見直したほうがいいのは確かだが……」

貴方「巴さんの言う通りだ。やることは見つけるよ」




今日の活動内容
1校則の見直し
2これから行う運動(挨拶・読書推進等)を決める
3ボランティア活動
4部活動視察
5この部屋の片づけから始めます?
6自由安価

 下2レス

とりあえず比較対象としては近いところに金持ちがいるので仁美と同レベルと考えてもらえれば!
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 ……さっき思ったが、この部屋はよくわからないものが多い。

 積み重ねられたダンボールの中身とか何が眠っているのかわからなくなっているものもある。


貴方「この部屋の片づけから始めます?」


 この一言で今日の活動が決まる。


 もちろん作業が残っている人は作業を優先していい。

 特に会計なんかは役割上、目を通さなければいけない書類は多くなりがちだ。


*「――――カツラみつけました!あとこっちには剣も!」

貴方「演劇部の部室かここは!?」


 実際、元は演劇部の持ち物だと思うのだが。もしくは、以前の生徒会がボランティアか地域活動で使ったのか……?


マミ「これは……カンパンと水ね。賞味期限もまだあるわ」

マミ「緊急時には持っていかなきゃいけないんだから保存場所は把握しておかないと」
 
貴方「そうですね。すぐに必要なものといつか必要になるもの、それから恐らく使わないだろう備品で分けて整理しておきましょう」

会長「非常食、いつか必要になるの……?」

貴方「賞味期限が大丈夫かは気にかけておいたほうがいいでしょう。迫ってきたら処分して入れかえます」



ほかにでてきたもの
・自由安価

 下3レスまで



貴方「これは……ぬいぐるみ、いや人形か?随分頭でっかちだが」


 恐らく何かのアニメ作品のものだろうか。

 どう見ても元々は誰かの私物と思われるので、欲しい人がいるのなら持って帰ってもらってもいいだろう――

 そう思って振り向くと、猫の耳のついたカチューシャを頭にやっている巴さんが立っていた。


貴方「……何をやってるんです?」

マミ「つけられちゃったのよ。そこのダンボールにたくさん入っているわよ」

貴方「はあ。巴さんは先輩なんだから叱ってやってもいいんですよ?」

マミ「ですって」

*「あはは、すいません。つい出来心で」

会長「見てみて、こっちのダンボールは女子用の水着がたくさんあるよ」

マミ「なによそれ!?」


 巴さんは猫耳カチューシャのことがあったから、いかがわしいものと勘違いしたのかもしれない。

 見てみると、水泳の授業で使えそうなスクール水着だった。いずれも袋に入った新品だ。


貴方「サイズは?」

マミ「均等にあるように見えるわ。授業で使うものために買ったものなのかしら?」

貴方「なるほど……?」



 今のうちの学校の制度では、水泳用の水着は各自自前で用意することになっている。

 スクール水着には変わらないのでデザインは似たり寄ったりだが、細部を見れば違いがあるはずだ。


 なにより無償で支給される教科書とは違って、水着は各自買わなければいけないことが当然と思っていた。

 授業を受けるために必須なのにも関わらずだ。

 無償には出来ないが、一括で大量に購入すれば安く仕入れることができたりはしないだろうか。


貴方「……高い物ではないが、それすらお金を払うのが難しい人というのはいるんだよな」

マミ「?」

貴方「折角あるのなら有効利用しましょう。購買部あたりで格安で売るのはどうでしょうか?」

会長「たしかにここで抱えてても仕方ないからねえ。かけあってみるよ」

貴方「それと、今まで各自で購入が必要だった授業の必需品は、学校側で用意するのを検討してもいいと思います」

貴方「生徒への負担を少なくさせられるのと、統一を図れるかと」

*「副会長って、庶民の気持ちも考えられる金持ちだから慕われるんですねえ」

貴方「……まあ」



 ――――よくわからないダンボールの中身を整理した!



*生徒会活動終了後。
1巴さんと何か話す
2外へ出る
 ・帰宅
 ・寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



 活動が終わるとみんなもう帰ろうとしていたが、巴さんはみんなの分のティーカップを片づけていた。


貴方「それ手伝います」

マミ「あら、ありがとう」


 自分だって飲ませてもらっているのだから、押し付けるのも悪いかなと思った。

 庶務といっても雑用係ってわけじゃない。


貴方「巴さんって忙しそうにしてますよね。やっぱり受験勉強か、それとも習い事でも?」

マミ「習い事はしてないわ。受験勉強はしているけど……」


 言い切らない言葉から、それだけじゃない雰囲気を匂わせている。

 そしてそれ以上言おうとはしなかった。……言いたくはないようだ。


貴方「気を悪くしたらすみません。巴さんって今一人暮らしで、支援をしてくれる保護者もいないんですよね」

貴方「よく夜中に出歩いている姿を見ると聞いて。もしかしたら、アルバイトとかしているんじゃないかって」


 うちの学校ではアルバイトは原則禁止の要相談だ。

 恐らくどこの学校でもそうだろうけれど、許可なくやっていることがバレたらまずい。

 ……聞いてみた時、少し動揺したのが見て取れた。


マミ「き、金銭的に余裕がないわけじゃないわ。遺してくれたものがあるから」


 真偽はわからないが、追い詰めたいわけじゃない。生活の大変さはわかるし、相談しても許可だって簡単に下りるかはわからない。

 巴さんは真面目で気の利く人だし、同じ生徒会で顔を合わせている知り合いを疑いたくはなかった。


貴方「そうですか」


 もしかしたら――――と思いつつ、この場ではそう返して話を終わらせた。




三回目【貴方】 1日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・クラスメイト↓
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・友人↓
・佐倉杏子・・・昔の知り合い(疎遠)↓
・巴マミ・・・先輩↓

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

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寝ます
ちなみに、こう書いてますが実際中学生のバイトは法律的には禁止されてます
そもそも↑の法律がこの世界で通じれば一人暮らしも許されねーだろってことで高校生基準に合わせて書きました
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――――
2日目 昼休み



 ……昨日の放課後は結局一日ほぼ片づけしかやらずに終わってしまった。

 昼休み、食事が終わった後なんとなく生徒会室に寄って、ちょっとした作業を片づけていると、教室の外に影が見えた。




・誰か(見滝原在学のキャラ)

 下2レス



貴方「何か用でも?……って、暁美さん?」


 扉を開けてみると暁美さんが立っていた。

 いつも鹿目さんや美樹さんと一緒にいるイメージだが今日は一人だ。


ほむら「少しどんなものが気になって。これが目安箱?」

貴方「ああ、暁美さんも意見があれば気軽に投書してほしい。今だったらここで言ってくれたほうが早いけど」

ほむら「今は特には……」

貴方「まあ、思いついたらでいいよ。折角来てくれたんだし、何か飲む?」

ほむら「いいの?」


 ひとまず中へ招き、紅茶を淹れてみる。

 いつもは巴さんが使っているティーポット。彼女の淹れる物には敵わないかもしれないが。


ほむら「……面接みたいで緊張するわ」

貴方「楽にしてくれていいよ。友人とのお茶会だとでも思ってくれれば」

ほむら「ええ、そうね。お茶ありがとう」

貴方「暁美さんもそういうの苦手なんだね。寡黙ではあるが、堂々としているほうだと思ってたけど」



 なんといっても、暁美さんはいつもと変わらない様子でけろりと言っていたからそう見えなかった。

 ポーカーフェイスというか、感情が表に出にくいだけなのかな。


ほむら「どうかしらね……。なんとなく言ってみたけど、やってみたらどうなるかはわからないわ」

貴方「僕らは来年だね。暁美さんも成績優秀だろう?きっといいところ目指せるよ」

ほむら「嫌だ、進路相談なんて本当に面接みたいだわ」

貴方「そうだね。他の話にしようか……暁美さんも一人暮らしだっけ?」

ほむら「……『も』?」

貴方「うちの先輩にもいてね。意外とこの学校はそういう人が多いんだなって思ったから」

ほむら「あぁ、そういうこと」

貴方「不満点っていうか、大変なところはない?私生活でも、体調の面とかでも」

ほむら「私生活は特に困ってないわ。けれど……」

貴方「けれど?」

ほむら「……いいえ、特に不満点はないわ」



1交友関係について
2本当に困ったことはない?
3自由安価

 下2レス


貴方「本当に困ったことはない?」

ほむら「……ええ。ないわ。あったとしても、あなたに話せるようなことじゃない」


 突き放したような言い方だ。

 これは絶対なにかあるな。その正体を探ってみる。


貴方「交友関係も上手くいってる? そういえば…… 暁美さんって鹿目さんと友達になりたいの?」

ほむら「……え?」

貴方「いや、よく一緒にいるからそうなのかなって」

ほむら「傍から見たら、友達とは見えていないの……?」

貴方「あ、いや!そうだよね。あれだけ一緒にいるんだからもう友達だよね」

ほむら「私たちは?」

貴方「え」

ほむら「私たちも友達とは思っていないのかなって……」

貴方「ゆ、友人と思っているよ!さっきも言った!」

ほむら「そう……。それならよかった」



 友人。たしかに互いにそう思っているはずなのだが――――。

 そういえば、何がきっかけで暁美さんと友人になったんだっけ……?



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…だって、好感度欄にそう書いてあるからね。

・暁美ほむら・・・友人 ←

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――――
――――


*放課後。
1生徒会室へ
2校内でコミュ(キャラ指定)
3外へ出る
 ・帰宅
 ・校外ボランティア
 ・寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス




 ――――放課後になると再び生徒会室に顔を出した。

 みんな集まっており、昼休みとは活気が違う。


 ……さらに違いがあるとすれば、会長の席に昨日の人形が置いてあることか。


貴方「……気にいったんですか?それ」

会長「誰も持って帰ろうとしなかったしさあ、捨てるのも祟られそうだから」

貴方「祟られそうって……今まで存在忘れられてたんですよ」



今日の活動内容
1校則の見直し
2これから行う運動(挨拶・読書推進等)を決める
3部活動視察
4人形を供養してくれるところを探す
5自由安価

 下2レス



会長「よし、供養してくれるところを探そう!」

貴方「えええ、そんな大げさな……」


 今日の活動内容は、会長たってのお願いで人形の供養になった。


マミ「供養って、お祓いでもすればいいの?神社にでも持っていく?」

会長「この子を一生愛してくれるような貰い手が見つかれば、それでもいいかもしれないけど……」

庶務「一生ってガチすぎません?ビビりすぎですよ。日本人形みたいな見た目してるならともかく、こんなおもちゃみたいのに」

会長「だってそれ、たまに『愛……』とか言ってるから。きっと愛に飢えてるんだよ」

マミ「すでに変なのにとり憑かれてるんじゃない!?」

庶務「そんなわけ――」

ゆいぐるみ『ういー、アイスー』

貴方「言った!」


 ちょっと違った気もするけれど。


*どうしよかこれ。
1とりあえずアイス買ってくる
2鹿目さんとかこういうの好きじゃない?(家庭科室に持ってく)
3お祓いする
4自由安価

 下2レス



貴方「人形といっても、一応裁縫でできてる品ですよ。手芸部のほうが詳しかったりしません?」

マミ「呪いに詳しいわけじゃないと思うのだけど」

貴方「詳しくなくても、こういうのが好きな人はいるかな……と」

庶務「誰かに押し付けようってことですねー」

会長「部活動視察の一貫だね」


 人形を持って家庭科室に行ってみることにした。

 ――こちらに気づくと部長が挨拶しにくる。そっちは会長が対応してるので、見知った顔に話しかけてみる。

 鹿目さんも手芸部員だ。


まどか「お疲れさま……って、それはどうしたの?」

貴方「鹿目さんってこういうの好きじゃないかな?」

まどか「お人形さん?」

貴方「たまに喋る人形」

まどか「……電池でも入ってるのかな?」

貴方「純度呪い100%」

まどか「す、好きじゃないよ!」


 ……断られてしまった。



会長「ここでもらってくれない?一生愛してくれない?部費あげるからさー」


 あっちでも交渉してる様子だ。部費に心揺らいでるようだが…


貴方(というか、そんな軽く部費上げるなんて言って後で後悔しても知らないぞ)



*…交渉の行方は!?
 下1レスコンマ判定
0~30 二つ返事で了承
31~60 やっぱ無理
61~ あげたのになぜか戻ってきた



会長「【貴方】くん!無事引き取ってもらえたよ!」

貴方「え、そうなんですか?けど学校から部費援助してもらうよう取り合うの会長ですよ」

会長「そこは上手くするからさ!」

マミ「まあ、無事に済んだようでよかったわ。これで落ち着いて紅茶が飲めるというものね……」

庶務「いいっすね!ティータイムにしましょう!」


 一件落着で家庭科室を後にする。

 ……が、生徒会室に戻ると、なぜか元の位置に人形があった。


会長「あわわ、あわわわわわわわわわわわ」

貴方「……約束し損ですね」

マミ「本格的にオカルトじみてきたわねぇ……」



 まだまだ末永い付き合いになりそうである。




*生徒会活動終了後。
1巴さんと何か話す
2人形と何か話す
3人形にアイスを献上する
4外へ出る
 ・帰宅
 ・寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



 ……すぐには何とかする手立てが見つからないので、とりあえず今日の活動は終了だ。


ゆいぐるみ『ういーあいすー』

貴方「……アイスがほしいの?」

ゆいぐるみ『ういーあいすー』

貴方「ういってなんなんだ……」

ゆいぐるみ『ういーあいすー』


 喋る頻度が高くなってきている気がする。これはねだられてるんだろうか。

 購買部もこの時間では閉まっているので、近くのコンビニでアイスを買ってきて目の前に置いておいた。


ゆいぐるみ『<(`・∀・´)>』


 ……どうやら満足したようである。


貴方(といってもこのままじゃ溶けてべとべとになっちゃうよな)

貴方(――――! 袋の中身がなくなってる……)





三回目【貴方】 2日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・クラスメイト
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・友人だよ!
・佐倉杏子・・・昔の知り合い(疎遠)
・巴マミ・・・先輩

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

---------------------------------
なんかオカルトじみてきました
杏子ちゃんが巫女かゴーストバスターとして登場すればいいんじゃないかな(適当)
久しぶりに予告復活 次回は3日(日)18時からの予定

――――
3日目 昼休み 生徒会室




貴方「…………」

ゆいぐるみ『<(`・∀・´)>』



 今日も昼休みにこの教室に来たが、やはり人形は昨日と変わらない位置にあった。

 自分の意思でテレポートテーションしたりするのなら、満足したなら消えてくれればいいのに。



貴方(今日も誰か来てるようだ)




・誰か(見滝原在学のキャラ)

 下2レス

時々なのか…
--------------------------



 扉を開けてみると、鹿目さんと美樹さんの二人がいた。


さやか「あっ、なんだ。開いてるんじゃん!昼までやってるの?」

貴方「ああ、まあ。でも適度に息抜きはしてるよ。二人は何か用事が?」

さやか「生徒会が変な人形持ってたってまどかに聞いてさあ。もしかしたら今もあんのかなって思って」

まどか「昨日の人形、結局うちの部に置くって話になったんだよね?でもどこにも見当たらなくて」

貴方「あー……あれならそこに」


 部屋の中を指す。


まどか「渡すのやめたの?」

貴方「確かに渡したはずなんだけどなあ……。渡す瞬間を見てたわけではないけどさ」

さやか「じゃあなんか勘違いでも起きてるんじゃない?で、これが人形?思ってたのと違うなー。可愛いもんじゃん」

ゆいぐるみ『<(`・∀・´)> ハッ』

貴方「お茶くらい出すよ。……それと一緒でいいならだけど」

さやか「わー、気が利くー!あっ別にあたしは気にしないよ?気になって見に来たんだし!」



 美樹は勧める前から部屋に入って人形の前に来ていた。

 興味本位で来たらしいが、まだなんとも思ってないようだ。



1二人は霊感とかあるほう?
2学校生活について聞いてみる
3自由安価

 下2レス



貴方「同じクラスだから大体わかるけど……一応学校生活について聞いておこうかな?」

さやか「こんな間の抜けた人形を目の前にしても真面目モードに入れるのはさすがだねー」

貴方「……」

まどか「友達もいるし、とくに不満はないよ。勉強のほうはまあ、ぼちぼち……だけど」

貴方「鹿目さんは少数の人と深く親交を深めるタイプだよね。かといって人当りも悪くない」

貴方「でも最近は積極的な行動が増えたんじゃないかな?何か私生活でいいことでもあった?」

まどか「うん、まあね。ちょっと自分に自信ができたからかな……よく見てるんだね」

貴方「別に僕じゃなくてもクラスにいれば見えてると思うけど」

まどか「そうかな?あっ、じゃあテストでひどい点とったのも知ってたり……」

貴方「いや……それは知らなかった」

まどか「でも今は一応前よりは持ち直してるから!」

貴方「私生活が充実しているのはいいことだけど、学業とのバランスはほどほどにね」

さやか「【貴方】先生ー?あたしには?」

貴方「美樹さんにはとくに今更言うことはないかな」


 色々あったのは知っているし、ここで話すことでもないだろう。

 今のところ、見る限りでは問題はなさそうだ。


さやか「えー?まあいいや。真面目な話しててもつまんないしね」

さやか「卓球でもやんない?この部屋なにげに変わったアイテムあるよね」

貴方「この前片づけてばかりなんだけどな……」



 ――――ちょっと真面目に話した後、遊んだりして過ごした!



――――
――――


*放課後。
1生徒会室へ
2校内でコミュ(キャラ指定)
3外へ出る
 ・帰宅
 ・校外ボランティア
 ・寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 ――――学校が終わると、今日はすぐに学校を出ていった。


 どうやら本格的なオカルトが憑いているようなので、人形を祓えないか相談しにいこうかと思ったのだが、ふと悩んだ。

 こんな時は神社にでも行けばいいのだろうか。

 正直その手のものは、人の足元ばかりを見て不安に付け込む霊感商法まがいのものが多いイメージで、あまり信用していなかった。


 たしか街の外れに教会があったはずだ。お祓いをやっているかはわからないが、教会も神社も神を祀る意味では同じだろう。

 一応少しでも縁のある場所のほうがまだ信用はできる。


貴方「これは…………」


 ……と、思ったのだが。


貴方「……既に機能してないな」


 ここにあるのは教会の残骸と成り果てたものだった。

 ここには新興宗教を広めようとする一家が住んでいたと聞く。運営が立ち行かなくなったのだろうか。しかし、酷いありさまだ。


貴方(さらに変なエネルギーを拾ってきても困るしな……)


 大してオカルトは信じないほうだが、あんなものを目にした後だし多少影響は受けている。

 無念な結果で運営を終わらざるを得なくなった不平不満の恨みもあるかもしれん。


「アンタ、こんなところで何してんの?」


 しかし、立ち去ろうと思ったところで後ろから声をかけられた。



「いたずらやたむろをしに来たわけじゃないんだろ。だったら目的があって来たわけだ」

貴方「君のほうこそ……」


 赤い髪をした少女が気の強そうな眼差しをこちらに向けて立っている。


「あたしのことはいいんだよ。あたしはここにもともと住んでたんだから」

「……覚えてないか?話したことはあるんだけどな」

「けど、警告はされたんじゃないか? 身なりのいいお坊ちゃんが来るとこじゃねーぞ」

貴方「いや、思い出した」


 そうだ、彼女は『昔の知り合い』――だ。互いにいくらか成長して姿は変わっているだろうが――昔ここに来た時に会ったのだったか?

 しかしこの有り様の中で何故一人だけここに?


貴方「……幽霊?」

「はあ?」

貴方「どうしてここに一人でいるのかと思って」

「あたしのことはいいって言ったろ。じゃあ幽霊と思ってもらってていいよ。で、結局何しに来たんだよ」

貴方「少しお祓いをしてもらいたくてね……。妙な現象の起こる品を手にしてしまって」

「それでわざわざここに……? 持ってきてんの?見せてもらわないと何とも言えないよ」

貴方「いや、今日は相談だけのつもりだったから。それに持ち出せるかどうかもわからなくてね」

貴方「けど、ついてきてもらえれば見せることは出来るよ。僕がいれば文句は言われないだろう」

「なるほどね。報酬は……」

貴方「相場がわからないが、出せるだけ出そう」



 まあ、生徒会の費用として出せるだろう。足りなければこっちでも出せる。

 ――――ついてきてもらうことになった。

そろそろオリキャラ抜きの話もやりたくなってきたので、攻略キャラは今のところ増やすつもりはないですね
あとマギレコ関連はやるとしたらストーリー完結後~みたいな話を随分前にしたと思うんですが、正直原作軽視が目立ってて追ってないのでうちのスレではやることはないです(ここから判明した設定とかは考慮はします、とはいえ原作からの設定間違えも目立つのでなんだかなぁ…)
他の外伝も全部は追ってないのであしからず



「本当に何も言われないんだな。それどころかみんなにこにこ挨拶してきて……」

貴方「落ち着かない?」

「これが顔パスってやつか。どんな権力持ってんの?」

貴方「僕は副生徒会長だよ」

「……へえ」

貴方「目的地についたら、そっちも改めて自己紹介してくれてもいいんじゃないかな」


 学校に戻ってくると、何人か教員や生徒たちとすれ違った。

 文句は言われないが、制服の生徒たちの中でパーカー姿では目を引くようだ。

 とりあえず幽霊ではないらしいことに安心する。……まあ、もしかしたら目に見える幽霊というのも存在はするのかもしれないが。


貴方「遅くなりました。お疲れ様です」


 彼女をつれて生徒会室の扉を開けると、みんなの視線がそっちに集まる。


会長「お疲れさま。その子は?私服だけど……」

マミ「……なんで佐倉さんがここに?」

貴方「知り合いだったんですか。こちら除霊師として呼んだ――」

杏子「……佐倉杏子だ。まあよろしく頼むよ」



マミ「佐倉さん……!」

貴方「?」


 自己紹介の後、巴さんが何か言いたそうに視線を送っている。

 ……二人は暫く見詰め合っていたが、会話はなかった。





マミ『まさかそんなことができたなんて!』

杏子『えっ、ああ!まあ実はな!任せとけ!』

マミ『言っておくけれど、魔力の気配はないわよ。本当に除霊師としてやってくれるのね?』

杏子『…………』



貴方(なんだろう。言いたいことがあるなら話せばいいのに)

貴方(知り合いなんだろ?)


 なかった、よな?


杏子「……で? まさかその『いわくつきの品』ってのがこれだとか言わねぇよな」

会長「いえ、まさにそれなんですよ……」

杏子「えぇ……」

会長「なんかこう、気配とかでわかったりとかはしないんですかね?」

杏子「ま、まずは話を聞くところからはじめて正体を探るんだよ。高位の悪霊になるほど簡単に尻尾は出さないんだ」



杏子「そういや奇妙なことが起こるとか言ってたな。具体的に何かあったのか?」

貴方「たまに語りかけてきた。昨日の生徒会活動後は特に頻度が高かったな」

貴方「あと、他人に渡したはずなのに元の位置に戻ってきたり、新品のまま置いたアイスの中身がなくなったり」

杏子「気のせいじゃねぇの……?」

貴方「君にそう言われるとどうしようもないんだが」

杏子「……い、いや。そうだな。わかった。ちょっと対話してみよう」


 佐倉さんは人形を掴むと、視線の高さまで持ち上げて暫くの間見詰め合っていた。


マミ「えーと、何か言ってた……?」

杏子「アイスは……美味しかったそうだ」

貴方「そ、そうか。やっぱり……」

ゆいぐるみ『ういーあいすー』

貴方「! しまった、もうアイスが切れたのか?昼まで大人しかったのに!」

庶務「アイス買ってくればいいんすか?」

会長「で、でもここで除霊してもらえれば済むんじゃないかな?」

杏子「そうだな。まさかここまではっきり喋るとは思わなかったが……!」


 そう言うと彼女は髪を解き、人形の前で祈りのポーズをとる。

 変わった十字架のような髪飾りを手にしている。


杏子「…………終わりだ。やれるだけのことはやってみた」

会長「成仏したの!?」

杏子「ああ。除霊は完了した」

杏子「ま、まあそこまで高位の霊じゃなかったのが救いだったな。多分危害を加えるような霊ではないだろ」

庶務「やったー!アイス買いに走らなくてすむんすね!」

マミ「さすが佐倉さん!」



 どうやら無事終わったらしい。


貴方「ありがとう。報酬はいくら払えばいい?」

杏子「えっと……そうだな、五千円くらい?」

貴方「そんなに安くていいの?」

杏子「ま、まあ今回のは大した霊じゃなかったからな」

貴方「そのくらいならすぐに渡せる。これがお礼だよ」


 五千円札を封筒に入れて渡すと、佐倉さんはパーカーのポケットへと突っ込んだ。


貴方「じゃ、僕は彼女を校門まで送っていくよ」

会長「うん。いってら~」



――――
――――



会長「よし!これで一件落着だね」

庶務「いるところにはいるんすね。こういう時に頼れる人って」

マミ「でももう頼りたくないわよ…………あれ?」

会長「どうしたの?」

マミ「こんな汚れあったかしら。口元になにかついてるような……」

庶務「クッキーかドーナツか何かのかすっぽいですね。微かに甘い香りがするような気も」

学校の外



杏子(ちょろいもんだな!適当なこと言っただけでこんなに簡単に騙されてくれるなんて)

杏子(なんか幽霊は本物っぽかったけど……まあ話聞く限りじゃ危ないことは起きてないし、ほっといたって大丈夫だろ)

杏子(マミがいるとは思わなかったけどな。適当に除霊しようとはしてみたが、やっぱできてなくて後でなんか言われたら知らんぷりして逃げるか)

杏子(……ん?)


 パーカーの反対のポケットに入れていたはずのお菓子を探る。

 しかし、手には中身のない感触しか返ってこなかった。袋だけになっているのだ。開けた形跡もないのに。


 『新品のまま置いたアイスの中身がなくなったり』――と、聞いた言葉を思い出した。


杏子「う、嘘だろ? もー頼むから成仏してくれよぉ……!」



――――
――――

生徒会室



会長「そろそろ下校時刻だねえ。今日の活動はおしまーい」

会計「今回の除霊費、なんて名目でつければいいの……?」

会長「あー、適当に『備品の修理費』とでも書いといて」

貴方「まあ修理っちゃ修理に含まれるのかもしれないですけどね……」


 みんな下校の準備を整えて、部屋を出ようとしている。

 そのとき、僕は誰のものでもないその声を聞いてしまった。いつも通りの緩い言葉で。




ゆいぐるみ『…ういーあいすー』





三回目【貴方】 3日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・クラスメイト
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・友人だよ!
・佐倉杏子・・・除霊師さん
・巴マミ・・・先輩

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

唯のぬいぐるみにしときゃよかったのに
しかし杏子専門知識0は草
もう生徒会で燃やそう

唯(ゆい)のぬいぐるみって見えた
つまりゆいぐるみ…
------------------------------------------

――――
4日目 昼休み 生徒会室



ゆいぐるみ『ういーあいすー』

貴方「…………」


 ……僕は気づいている。

 絶対これ、除霊できてない。


貴方「よくしゃべるようになったな……アイスやるしかないか……」


 とりあえず今わかっているのはアイスをあげれば大人しくなるということだけだ。

 あまり甘やかす(?)のもいけないような気はするが、下手なことして怒りを買うのも怖いしな。


 購買部に足を延ばすと、ちょうど見知った姿に会った。



・誰か(見滝原在学のキャラ)

 下2レス

ただのぬいぐるみと書きたかったんや
誤変換(?)やで



さやか「あれ?めずらしいね?【貴方】が購買にいるなんて」

貴方「……あ、ああ。生徒会活動以外で個人的にはそうそうこないかもしれないな」


 これも生徒会活動といえば生徒会活動か。

 アイスを手に取るとさらに驚かれた。


さやか「アイスかー。まだ暑いもんね」

貴方「実は僕が食べる用ではないんだけどね……」

さやか「なに?パシられてんの?」


 ……パシられてるといえばパシられてるか?


さやか「なーんて、さすがに【貴方】をパシる度胸あるやつなんていないか」

貴方「美樹さんはお菓子を買いに?」

さやか「うん。【貴方】も食べる?」


 お互い目当てのものを買って、そこらに腰掛けた。

 美樹さんはここで食べるらしい。


さやか「そういえば、購買部で水着なんて売ってたんだね。しかもやっすい」

貴方「ああ、この前のやつか。さすが手が早いな。生徒会室に在庫が大量に眠ってたから売ってもらうことにしたんだ」

さやか「へぇー、生徒会が。まああたしはもう持ってるからいらないけどね」

貴方「時期が来たら売れるだろう」

さやか「買う人はいるだろうね。でも、なんで女子のだけ?」

貴方「それは……なぜか在庫が偏っていただけだよ。その理由は僕も知らない」



 ――――美樹さんと雑談を楽しみ、お菓子も少し分けてもらった!

 さて、溶けないうちに戻るとしよう。



――――
――――


*放課後。
1生徒会室へ
2校内でコミュ(キャラ指定)
3外へ出る
 ・帰宅
 ・校外ボランティア
 ・教会跡
 ・寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

--------------------
ここまで
4日も18時くらいからやります

放課後



 昼にアイスをあげたから今は人形の機嫌がいい。

 学校が終わると、コイツを連れて外に出た。

 ……勝手に移動した経験もあるから持ち出せるかも心配だったが、今のところ大人しくついてきてくれているようだ。


ゆいぐるみ『<(`・∀・´)>』


 人形を持ち出す僕を見て他の人たちも事情は察してくれた。


 彼女はあの人形の霊を『大したことない』と言ったが、僕にはそうは思えなかった。

 悪意のあるなしでいえば害のないほうかもしれないが、ここまで目に見えて現象を起こすものがそうそうあってはたまらない。



 街外れにある教会。――――今はその残骸だが。

 ……どうにもその手のものは霊感商法まがいのものが横行しているから信用できない、と思って訪ねたのがこの地だった。



貴方(少しでも縁のあるところのほうがまだ信用できると思ったのだけどな)



 『警告はされていたのではないか』と彼女は言ったが――。

 教会が運営していた時も、あの新興宗教は結局世間に広まることもなくひっそりとしていて、周囲からすれば怪しげなイメージを持たれていた。

 ただでさえ日本には宗教というだけで敬遠する人は多い。その上、歴史がないものは信じる材料も少ないということだ。


貴方(『あの子と関わるな』――と、そう言った家はいくらでもあっただろうな)


 当然、神父である彼女の父親が正しかったのか、信用に値する人物だったのかについては僕は知る由もない。

 そして、彼女自身のこともそれとは関係のないことだ。

 子供は本来、子供同士しか見ていない。それでも、よくわからないまま親の言うことを受け入れてしまうしかないことはたくさんあるだろう。


貴方(……僕もそうだったんだっけな?)

貴方(ここで会った時はただの女の子にしか映っていなかったのに、大人はこの場所が『どこか』を知っているし、『どこの子か』を気にする)


 遠く朧気な記憶を探る。彼女と会わなかった理由。


貴方(だから疎遠になったのだったか)



 今はここには誰もいなかった。

 クレームを言いに来たつもりはないが、結果くらいは伝えておいたっていいだろう。

 ここにいないとすると、どこを探ればいいだろうか。



1巴さんに聞けばわかるのでは?
2この教会について調べようか
3自由安価

 下2レス



貴方(今はここに住んでない……のだったら闇雲に探してもわからないな)

貴方(探るのは場所じゃなくて情報からか)


 ひとまずここを離れ、この教会の歴史を調べることにした。

 顔を出すくらいだから、引っ越したとしたってそう遠い場所ではないだろう。新しく移転先があるならさらに探しやすい。


 ――――いったん学校に戻り、調べ物をしてみた。

 しかし驚くべきことに、移転先どころかその一族のその後の『未来』が出てくることはなかった。


 情報はあった。一家が滅び、教会が荒れ果てるほどの事件が。

 結果大して世間に広まることはなく終わったが、この地域の間ではひそかに信者が増えブームになったこともあったらしい。

 その矢先、一家は心中という悲劇の最後を迎える。


 だが、『それきり』で終わっていた。

 それなら僕や生徒会のみんなが見た彼女はなんだったのだろうか。


貴方(……やっぱり幽霊?)


 唯一『姉のほうの娘』の遺体は見つかっていないらしいものの、それ以降、

 無事だとも保護されたとも、はたまた遺体が発見されたとも情報が出てくることはなかった。


 これでは今どうしているかなど、わかりようもない。



マミ「今日は調べもの?」

貴方「あ、はい。気になったもので。紅茶ありがとう」


 手詰まりになったので区切りをつけようとしたところで、巴さんが紅茶を持ってきてくれた。

 彼女はこういう時に絶妙なタイミングで気を利かせてくれるのがありがたい。


マミ「……『何も変わってないじゃないか』って怒って持ってったはいいけれど、結局見つけられなかったわけね」

貴方「まあそういうことですね……。けど、怒ってるわけじゃありませんよ」

マミ「あら、違うの?恐らくあれは“失敗”とかじゃないわよ」


 知り合い相手にも巴さんは甘くはしないようだ。いや、知り合い相手だからか。


マミ「私も直接連絡を取る手段は知らないの。こうなったらなかなか姿を現そうとはしないだろうし」

マミ「ただ探すとしたら運になるけれど、ゲームセンターとか繁華街近くの路地裏とか不良が好みそうな場所を探せば会えるかも」



1結局彼女の正体は何なんですか?
2巴さんはどこで知り合ったんですか?
3自由安価

 下2レス

1+「もしかして行方不明の長女だったりしてなw」



貴方「結局彼女の正体は何なんですか?」

マミ「彼女はあなたに自分のことを何だと言ってたの?」

貴方「『もともと教会に住んでいた』って。あと、幽霊と思ってもらってもいい、くらいかな」

貴方「……思い返してみれば、『除霊師だ』とは言ってなかったな」

マミ「幽霊を祓う幽霊なんて、なかなか面白い設定ね」


 巴さんは茶化すように言った。この反応からして多分本気ではないだろう。

 巴さんが彼女の正体を知っているのかは知らないけれど。


貴方「一応、行方不明扱いの教会の娘では?」

マミ「そこは信じるのね?」

貴方「もしそうだとしたらすぐに保護されるべきですね」

貴方「ただ、続報もなしで事件からこの期間一人で無事に生きているとは思えませんが」

マミ「……」

貴方「そもそも事件については出てきたんですが、理由が不明なんですよね。一家が心中に至ったっていう」

貴方「急な信者の増え方とその顛末に疑問と批判の目を向けている人たちも多くて、
   あの一家自体が『悪魔』にでもとり憑かれてたんだ、なんて唱えてる人もいるくらい」

貴方「またオカルトちっくな話になりますけどね……」

マミ「……それなら、幽霊のようなものと思ってもいいのかもしれないわね」

貴方「とりあえず教えてくれた場所を探してみますかね」

マミ「これから行くの?」

貴方「いえ。生徒会が不良になるわけにはいきませんよ」

貴方「今からだとすぐにゲームセンターの年齢制限の時間がきてしまいますから」



三回目【貴方】 4日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・クラスメイト
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・友人だよ!
・佐倉杏子・・・除霊師さん?
・巴マミ・・・先輩

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

――――
5日目 放課後



 その翌日、放課後になると巴さんの情報どおり繁華街へと足を運んでみた。

 人通りが多く賑やかな場所だ。

 まだこの時間の表通りは明るい活気に満ち溢れているが、そこを外れると治安の悪そうな雰囲気もただよってくる。


貴方(ゲームセンター、行ってみるか)


 派手な機械が派手な音と光を発するごちゃごちゃとした場所を一通り回ってみる。

 すると、『運』がよかったのだろう。その機械の中の一つで遊んでいる彼女を見つけた。


杏子「!  げっ……!」

貴方「あ、ちょっと!」


 しかし、話しかけようと近づくと彼女は逃げてしまった。

 こちらも追ってゲームセンターの外に出るが、すぐに人混みに紛れられ行方がわからなくなる。


 ……どこへ逃げたのだろう?

 もう一つ巴さんが言っていた、『路地裏』を覗いてみると、再びその姿を見つけることができた。


杏子「アンタ、お坊ちゃんのくせしてこんなとこまで追ってくるのかよ……」

貴方「話をしたいだけなんだ。逃げないでくれるかな」

貴方「この前の件だけど、除霊しきれなかったみたいでね。それを報告したかった」


 反応を窺う。

 ここで責めるようなことは言わない。それをすればすぐにまた逃げ出してしまう。



杏子「さすがにもう気づいてんだろ? 適当なこと言ってただけだ! あたしは騙してたんだよっ!」

杏子「だからってもう受け取ったもんは返さねーぞ!ここで会ったのだって偶然だ。追ってくる手段だってそっちにはないからな」

貴方「……別に騙されてないよ。『やれるだけのことはやった』と、そう言っていたはずだ。それで駄目だったなら仕方ない」

杏子「それで納得すんのか……!?」

貴方「でないと、あの時使っていた十字架は君の教会のものだろう? その祈りも嘘なら君たちの説いた『教え』というものも嘘ということになる」

杏子「……! あんな廃墟になった教会の教えに嘘もホントもあるかよ」

貴方「別に世の中、正しいものが残るわけではないけどね」


 ……それは彼女が一番わかってると思ってたんだが。

 教えそのものの真偽は置いといて、『正しいもの』と思ってなかったら今でも十字架なんて身に着けていないはずだ。

 彼女は僕の話に乗っかっただけで、騙すために準備までしてたわけじゃない。

 だから除霊については完全に素人なりかもしれないが、あの時は本当に本気で祈ってはくれてたのだと判断した。


貴方「後でネットでも調べてみたけど、それらと比べるとかなり安かったからね」

貴方「その中にどのくらい『本当』があるかもわからない。それならまあ、そんなものと思っておくよ」

貴方「世の中にはもっと堂々と、やれるだけのことすらやらずに大金を取ってる大人がたくさんいるんだよ」


 実際、自分からバラしてくれるだけまだ良心的だと思った。

 やり方もずさんだし、本当の悪人なら騙されてくれている間は骨の髄まで搾り取るものだろう。

 ……というか、『良心が捨てきれていない』というのが正しいか。


杏子「……それを伝えに来たのか?」

貴方「うん」

杏子「いっとっけど、これ以上はあたしに出来ることはないからな」



1こういうところによくいるの?
2保護される気はないか?
3自由安価

 下2レス



貴方「こういうところによくいるの?」

杏子「だったらなんだよ……悪ぃか?関係ないだろ」

貴方「心配ではあるね。もっと明るい場所に戻ってくることはできるよ。君が幽霊でないのなら」


 僕としてはもちろん不良のような生き方をしているなら正してほしいし、それが同じくらいの女の子となれば尚更だ。

 けれど、それは彼女の望みではないようだった。


杏子「あたしには無理だね。実はな、あたしはもう死んでるんだよ。だからこのまま幽霊として生きていく」

杏子「生きてた頃からあたしはアンタみたいのとはご身分も違う、相いれない存在だよ。……ほら、自分の世界に戻りな」



 僕が望んでも、彼女が首を縦に振らない限り僕に出来ることはない。

 ……路地裏を出て、表の通りに出てからふと思う。



貴方(……『幽霊として生きる』、って、矛盾してるな)




三回目【貴方】 5日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・クラスメイト
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・友人だよ!
・佐倉杏子・・・幽霊?
・巴マミ・・・先輩

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ


――――
――――
*休日*



 明日は休日だ……。何をして過ごそうか?



1誰か誘う※(さやか/マミ)
2どこかへ行く
 ・学校
 ・校外ボランティア
 ・教会跡
3自由安価

 下2レス

誘うのはマミかな?
--------------------------------

――――
――――
一週目 週末



貴方「すみません、休みだというのにわざわざ」

マミ「いいのよ。私は特にこれまで生徒会に貢献してこられなかったから」


 休日、今度の校内イベントで使う備品を一緒に買い出すのを巴さんに頼んでいた。

 何をして過ごそうか、と考えたら結局生徒会活動に結びついてしまうのはちょっと堅すぎるのではないかと自分でも思う。


貴方「そんなことは……。多忙なのは仕方ありませんし」

貴方「ちょっと今週は僕も予定外のことでごたついたりもしましたしね……」

マミ「結局、あの人形とはまだ末永くお付き合いしていくしかなさそうね」

貴方「休みを挟んで月曜日、機嫌悪くなってないといいな…………」


 予定していた買い出しさえ終わればあとは自由時間にできる。

 二人で落ち着いて話せそうな場所に腰を下ろした。


貴方「……そういえば。佐倉さんにはあれからまた会えましたよ」

マミ「そうなの?何かあった?」

貴方「除霊については進展ないですが。彼女、その時はっきりと自分は死んだって言ってました」

貴方「本物の幽霊なのか、自分を死んだことにしたいかのどちらかですね」

マミ「でも、私達にはどうにもできないでしょう?住む世界が違うのは本当なんだと思うわよ」




1住む世界ってなんだと思いますか?
2プライベートについて
3自由安価

 下2レス

あの辺万引きが多いみたいですよ



貴方「住む世界ってなんだと思いますか?」

貴方「彼女についてわからないことは色々ありますが、『元から身分が違う』とも言われてしまいました」

貴方「……巴さんもそう思ってますか?」

マミ「そうね…………私は【貴方】くんのことは身分なんて関係なく仲間だと思ってるけど、簡単に言うと『見えてるものの違い』だと思うわよ」

マミ「貧しいか裕福かでもそう。私はお金持ちのしきたりなんかは知らないから。【貴方】くんも、特売に走る人の気持ちはわからないでしょう?」

貴方「え、ええ。まぁ……その世界はわからないですね」

マミ「安く物を買うのは大変なのよ。べ、べつに私が特売にばかり走っているってわけじゃないけど……」


 巴さんはわりと優雅なイメージはあったけどな。

 自分で言ったものの特売のイメージはつけたくないのか、そんなフォローを付け加えていた。


マミ「もっと極端な例だと、物を盗まずに暮らせない人々の暮らしは? 飢餓に苦しむ国の子供たちの暮らしは?」

マミ「……とにかく、それが違いすぎると、すぐ近くにいても遠くにいるような気持ちになるんだと思う」


 きっとすぐには見えなかったものを見えるようにはできないのだろう。

 それに、それが見えてしまうということは自分の世界が変わってしまうということでもある。


貴方「見えているもの……か」

貴方「とりあえず巴さんとは、大きく違いがあるとは思っていないってことでいいですか?やっぱ違うなんて言われると寂しいですから」

マミ「ええ、そう……ね」



 ……巴さんはそう返事をしてくれたが、少しだけ言いよどんだのを感じた。

 巴さんのことも、特にプライベートでは知っていることが少ない。

 身分は関係ないと言ってくれたのに。他のことで何か違いがあるとでもいうのだろうか。



― 一週目休日 終了 ―



[好感度] to貴方
美樹さやか★★★>暁美ほむら★巴マミ★>志筑仁美・鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

――――
6日目 昼休み 生徒会室



ゆいぐるみ『<(`・∀・´)><(`・∀・´)><(`・∀・´)>』

貴方「満足したか……」


 週明け、土日を挟んだ昼休み。

 とりあえず休みの穴を埋めてご機嫌取りをしたところだった。


 長らくダンボールにしまわれていたわけだけど、僕らに掘り出されるまでどうしてたんだろうな。

 そりゃ飢えるわけだ。前の代の生徒会でもこうして面倒を見てやってたんだろうか。



 そんなタイミングで、今日の訪問者。



・誰か(見滝原在学のキャラ)

 下2レス

まさかのオリキャラ…!
----------------------------------



貴方「あれ、会長ですか」

会長「【貴方】くん、来てたんだねえ。昼までお疲れさま~」


 会長は挨拶すると、人形の置いてある自分の席に腰掛けた。

 いつもいつも、よくこれを目の前に作業できるよなあ。


会長「もしかしていつもこの子の世話してくれてるの?」

貴方「今日の分はもう済みましたよ。……って、こう言うとまるでペットみたいですね。まあそろそろ慣れてきました」

会長「ペットなんて言ったら怒られるよ!」

貴方「あっ……それは困るな。前言撤回で」

会長「最近は生徒会兼オカルト研究会みたいになってきてるよねえ」

貴方「そういえばうちにはそういう部活はないですね」

会長「ないし、そんなのあったら悪いけど潰しにかかるよ。だって堂々と部活動紹介に載せられないじゃない」

貴方「ははは、怖い怖い」


 生徒会でもそういう外向けの雑誌は作ることがある。

 市立の公立校だから入学志願してくる生徒の数には影響ないにしても、やっぱり学校としての印象は良く保ちたい。


 さてと……会長も来たことだし、少しだけ作業にとりかかるとするか。


――――
――――



*放課後。
1生徒会室へ
2校内でコミュ(キャラ指定)
3外へ出る
 ・帰宅
 ・校外ボランティア
 ・教会跡
 ・寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

-----------------------------------
ここまで
ちなみに誰か(見滝原在学のキャラ)ってあるけど先生とかでもまあOKす
隠しルートに早乙女先生ルートとか…多分ないな
また次も18時からやるよ

放課後



 放課後になると、再び手芸部を視察しに家庭科室へと赴く。

 ……さすがにもう人形がなくなったことには気づいているだろう。


貴方「――……はい。こちらへ渡したはずの人形ですが、あれからずっと生徒会室に置いてあります」

会長「だからごめんねー。部費の件もなかったということで……」

貴方「代わりに人形、というかぬいぐるみ?の処分方法について何か思いつくことってありませんかね?」

手芸部長「といっても他人の手に渡しても戻ってきたんじゃ、普通の方法じゃなにしたってまた戻ってくるんじゃない……?」

手芸部長「ごめんなさい!私達じゃ思いつけないわ」

貴方「ですよねー……」

会長「そ、そうだよ。処分なんて!万一祟られたらどうするの!」


 ……ない、とは言えない。

 これまでもあれだけはっきりと自分の意思を反映させてきてるのだから。


まどか「また人形のことで相談にきたの?」

貴方「鹿目さんも思いつけないよね……」

まどか「うちにはぬいぐるみはたくさんあるけど、捨てようと思ったことはないなあ」

まどか「小さい頃から一緒にいてボロボロになってても、大事な思い出があったりするから。今だったら繕えるしね」

貴方「ああ、そうか。ぬいぐるみが好きだからこの部活を選んだんだね」



1作っているものを見させてもらう
2もらってくれる気はない…?と再度頼み込む
3自由安価

 下2レス

自室 夜



 ――――帰宅後、自室でPCを起動する。

 今日は学校からeラーニングの課題が出ていたはずだ。



貴方(…………よし、こんなものかな)



 用事を終わらせると、なんとなく検索窓に入れてみた。

 『ぬいぐるみ 処分方法』……と。


貴方(『90センチ以内なら燃えるゴミに、それ以上なら粗大ごみに』……)


 普通だ。


貴方(『神社で供養してもらう』……)


 ただし、前に渡した時すぐに戻ってきたところを考えると、その場で処分してもらわないとまた同じことになりそうだな。

 ……いくつか出てきたが、本当に実行して大丈夫なんだろうか?



1燃えるゴミに出す
2その場で燃やしてもらう
3塩水につけて捨てる
4感謝の言葉をかけてから捨てる
5やっぱやめる

 下2レス




 ノートパソコンのふたを閉じる。寝よう。

 ――――僕はすでに一つの方法を心に決めていた。



貴方(……とりあえず後のことは明日だ。寝る前まであんな気味悪いもののこと考えてたら、落ち着かないじゃないか)

貴方(僕はもうあんなのの世話なんてまっぴらなんだ。こんな非現実的なこと、もう関わりたくもない……!)



 今はアイスもあげたし、生徒会室で大人しくしてるはずだ。

 明日には焼かれるとも知らずに……。



ゆいぐるみ『………………。』




三回目【貴方】 6日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・クラスメイト
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・友人だよ!
・佐倉杏子・・・幽霊?
・巴マミ・・・先輩

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

――――
7日目 放課後
神社



 放課後になると、誰も来ないうちにさっさと生徒会室から人形を取って外へ出た。

 向かった先は見滝原市内にある神社だ。



*「それで……処分してもらいたいものが、これですか?」

貴方「はい。それです。お金なら出しますから念入りに供養をお願いします」


 鞄から人形を差し出すと神主は戸惑った様子を見せていた。

 受け取ってもらえたが、まだ手渡しただけでは手元に戻ってくることを知っている。

 ……だから、早く。早く消してもらわないと。


*「余計なお世話かもしれませんが、このくらいなら燃えるゴミに出してもよかったのでは……?」

貴方「悠長なことは言わずに今すぐ燃やしてしまってください」

*「……はあ。まあ、お引き受けいたしましょう。お代も頂きましたしね」



 ――――目の前で火の粉が上がる。

 たかがぬいぐるみ一体のために大げさかもしれない。けど、こいつはただのぬいぐるみじゃないんだ。

 抜けた顔をした、頭部が大きくバランスの悪い人形が燃えていく。八の字に曲がった眉が本当に痛みに歪んでいるかのようだ。


 この目でぬいぐるみが灰になるのを見届けた。

生徒会室




貴方「遅くなりました。お疲れ様です」

会長「おつかれさま。ところで【貴方】くん、あの子どこかもってった?いなくなっちゃったみたい」

貴方「……あの人形ですか?なくなったならよかったじゃないですか」

会長「うーん。気まぐれなのかなあ」


 自分の席につく。

 ……ここには戻ってきていないようだ。

 またここに来たらあるんじゃないかと少し心配していたが、消えていることに安堵する。これでもうおさらばだ。


貴方「会長は怖がりすぎなんですよ。人形は今日、神社に持って行きました。最初はそのつもりでしたしね」

会長「え!お祓いしてもらったの?」

マミ「今度こそうまくいったのかしら……?」

貴方「正直、お祓いなんてのはあまり信じてないんです。佐倉さんだって偽物だった。でも一応やってもらいましたよ」

貴方「それに、燃やしたのはこの手で見届けましたから」

会長「も、燃やしたの!?それはまずくない!?」

貴方「だから怖がりすぎですって。現に何事もなくここから消えているじゃないですか」

会長「そ、そうだけど……!本当に大丈夫かなあ?」


 それからも会長は不安そうにしていたが、あれからあの姿を見ることなく活動を終え、帰路についた――。

手で見届けるってなんや、目ね
----------------------------------------



貴方(――――え? なんだあれは!?)



 火の粉が上がる。

 暗くなり始めた空の下に真っ赤な明かりが灯っている。街の中だ。


貴方(あれって……まさか…………!)


 敷地は小さくない。中には常に誰かいたはずだ。

 なのに、ここまで広がる前に誰も対処できなかったのか?それなら中に居た人は?


 ――――燃えているのは、僕の家だった。

 それに気づくと弾かれたように走り出す。すると、炎の中から声が聞こえた。


『あつい………あつい、あつい』


貴方「だ、誰かまだいるのか!?」

『あついよ なんで わたしなにもひどいことしてないのに ひどい いたい あつい』

貴方「い、いや、この声……まさか!」

『なんでなんでなんでなんであいす、つめたいもの あいす あいす』

『アイスあいすアイスアイス』



 声の正体に気づく。炎の中にあったのは――――目の前で灰になったはずの、あの人形だ。



ゆいぐるみ『アイス……ちょうだい』





――――――
――――――
路地裏



貴方「…………」

杏子「……ひでえ格好だな。おい、食うか?」


 差し出されたのはひとかけのパンだ。


杏子「普段新聞なんて見ないんだけどな。今朝のは偶然見たぞ」

杏子「行方不明って書かれてたけど」

貴方「そうみたいだね」


 偶然にも僕も彼女と同じ立場になってしまった。

 『見えなかったものが見えるようになる』……って、こういうことなのか。

 彼女と同じものが見えるようになった代わりに、自分の世界を失ってしまった。


杏子「なあ、明るいとこに戻ったらどうだ? あたしと違ってまだ生きてるならな」



1そうする
2無理だ

 下2レス



貴方「わかった。そうするよ」

貴方「君はもう戻らないのかい? ……本当にもう死んでいるの?」


 でも、同じなら彼女も戻ればいいはずなのに。

 戻れるはずなのに、なぜ戻らないのか?


杏子「アンタと一緒にするな」

杏子「勝手にあたしに親近感持たないでくれる? 言っただろ。あたしとアンタは『違う』んだよ」

貴方「…………」


 彼女は冷たく僕を突き放す。


貴方「……ごめん。パンありがとうね」

杏子「ああ。少しでも腹が膨れたならさっさと行きやがれ!」


 ……何が違うのかはわからない。

 でも、恐らくもう僕たちは交わることはないのだろう。


―BADEND?―




1もう一つの選択肢を見る
2リセット

 下4レス中多数決

リセット


今回
・環境:見滝原中二年でまどかたちと同クラス
・関係:魔法少女とは無関係。杏子とは過去に面識あり。マミは生徒会にいた。
・契約:5人全員契約済み
・部活:なし
・委員会:副生徒会長
・ほむらはクールなほう(未攻略)
・大金持ち


 攻略済キャラのみ好感度高く引き継ぎます。


変更箇所を下4レスまで、矛盾する内容が含まれる場合はコンマが高い方採用



・環境:見滝原中二年でまどかたちと同クラス
 変更なし

・関係:魔法少女とは無関係。杏子とは過去に面識あり。マミは生徒会にいた。
 →【貴方】は契約して魔法少女たちと関わっていた

・契約:5人全員契約済み
 変更なし

・部活:なし
 変更なし

・委員会:副生徒会長
 → なし

・ほむらはクールなほう(未攻略)
 変更なし

・大金持ち
 → 設定消滅

その他:実家は神社、仁美とは同じ小学校?(ただし、好感度は影響なし)




リセット後の好感度


[好感度] to貴方
美樹さやか★★★巴マミ★★★>暁美ほむら★>志筑仁美・鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。


――――……4th. 起動




 朝、一日がはじまる。


 どこにでもあるような至って平常な朝だ。退屈なほど平凡で。

 ワルプルギスの夜だとか、そんなうっすら噂で聞いたことがあるようなないような災害の予兆も当然無縁で。


 ――ただ、【少し前】から俺の日常には少し特殊なものが加わっていた。



貴方(なんかよく寝てたなぁ……。長い夢を見てた気がする)

貴方(やべえ、ぼーっとしてると遅刻する!)



――――――
――――――

1日目
見滝原中学校 教室



貴方「はよー」


 略した挨拶を口にしながら自分の席をセットして座る。

 床のボタンを押すと机とイスがワンタッチで立ち上がる仕組みだ。


さやか「おはよう!」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」


 挨拶が返ってくる。

 美樹の朝から元気になるような声に、鹿目さんの一日が明るくなるような挨拶。

 それから、少し遅れて暁美さんの落ち着いた声。

 少し冷たい態度にも聞こえるが、ちゃんと挨拶してくれるのだからこれでもそんなに悪く思われてないと思う。


さやか「何か声が眠たそうだなあ」

貴方「そうか?ちょっとよく寝てただけだよ」

さやか「やっぱこっちのほうがいいよ」


 ――少しの間雑談していると、その途中で鹿目さんが放課後のことを話す。


まどか「それから今日は放課後は『訓練』やるって、マミさんが」

貴方「ああ……わかった。一緒に行くか」


――――
――――

放課後



 授業が終わるとみんなで川沿いのほうへと来ていた。

 土手の中でも人目につかない場所に。すでに【残りのメンバー】もいて、訓練に合流する。



さやか「おまたせー!」

杏子「おっせーぞ」

マミ「ごめんなさいね。今日は掃除当番だったのよ」


 【佐倉杏子】と【巴マミ】だ。

 巴さんは一つ上の先輩。佐倉さんは少し複雑な事情があるらしいけど同い年だ。



 みんな揃ったところで、少女たちと特訓をはじめる。

 といってもこの集まりは部活だとか、スポーツなんてもんじゃない。もっと過酷なことだった。



 回復力の高い美樹は疲れを知らないし、俺も並みの魔法少女よりは強いものの佐倉さんは一番の力自慢だ。

 巴さんと暁美さんはかなりのベテランらしく、学ぶことは多いし技術じゃ敵わない。

 みんな頼もしい仲間だ。俺がみんなに守られることもあるけど、俺もみんなのことを守っていきたいと思っている。



 ――……訓練が終わると、早めの夕飯時くらいの時間だった。



このあと
1ご飯に誘う(キャラ指定)
2ヒミツの特訓(キャラ指定)
3自由安価

 下2レス



貴方「暁美さん」


 暁美さんはいつも教室で見る三人で話していた。

 ……いや、最近あの辺には志筑さんも戻ってきてるか。今朝はいなかったけど。


ほむら「……どうしたの?」

貴方「特訓お願いしてもいいかな?俺ももっと強くなりたくて!」

まどか「あ、それならわたしも……!」

ほむら「まどかは帰ったほうがいいわよ。ご両親が心配してしまうわ」

さやか「相変わらずアンタってまどかには過保護ね。ま、まどかのことはあたしが送ってくよ!じゃ、また明日ね」


 美樹が鹿目さんと一緒に帰っていった。

 それから暁美さんと二人になるが、訓練をはじめる前にふと聞いてきた。


ほむら「……あ。【貴方】くんもご家族と住んでいたっけ?」




*…実家が神社とは決まったけど、実家暮らしとは決まってないよね?
1いるよ
2今は一人だよ

 下2レス



貴方(俺の家庭……)


 ふつうだ。別に変わっていない。


貴方「家族はいるよ。でも俺が言い出したことだし、そんなに心配しないでもいいよ?」

ほむら「あまり遅くはならないように終わらせましょう。そのために、あなたも頑張って」

貴方「もちろん!」



*見事に構想がバラバラですが、戦闘スタイルだけでも決めたい
1近距離主体
2遠距離主体
3バランス型

 下2レス



 細い身体の見た目通り、暁美さんは魔法少女の中では筋力は強くない。

 それなのに動きの面では格闘術を専門とする魔法少女にも負けないくらいなのだから驚いた。


 どちらも教わることはできるのだが、とはいえ暁美さんといえばやはり銃の扱いだ。

 まずは遠距離への攻撃方法のほうを見てもらうことにした。


ほむら「……狙いの精度は上がってきたわね」

貴方「お、暁美さんもそう思う!?」

ほむら「でも、【貴方】くんは色々と使えるのだからいいわよね」


 途中で暁美さんが愚痴のようにこぼす。


貴方「暁美さんだって十分色々してるよ」

ほむら「そうかしら。とにかく、実戦では思考を大事にして。状況に合わせて機転を利かせてこそ発揮できると思う」

貴方「それ一番むずかしいなー」

ほむら「頭を使うのは苦手じゃないんでしょう?」


 学校の勉強とはまた違う気がするけれど。

 というか、暁美さんだって周囲の生徒からあこがれられるくらいには優等生だ。


 訓練が終わってから、ふと聞いてみた。


貴方「暁美さんってどうやったら強くなったの?やっぱり訓練?」


 同じく?ベテランの巴さんは、訓練をものすごく頑張ってたのは聞いてる。

 けど、いつでも涼しい顔をしてる暁美さんを見てたら、『最初から強い』ように見えてしまって。



 ……そんなこと言ったら怒られるよな。そう思いつつ、返ってくるのはこんなはぐらかしたような答えだった。


ほむら「…………さあね」

貴方「教えられない?」

ほむら「自分でもそう聞かれたら教えられないのよ。気付いたらそうなってた」


 でもなんか、彼女らしい答えだ。


貴方「今日はありがとう!暁美さんはいつもみんなのこと心配してくれてるけど、そっちも気をつけて帰ってよ」

ほむら「ええ」


 暁美さんはクールに見えても面倒見はいいよな。……美樹の言う通り、特に鹿目さんに対しては過保護なのかもしれないけど。

 終始涼しい顔な暁美さんと別れ、今日は帰路についた。




四回目【貴方】 1日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘↑
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・友人
・佐倉杏子・・・仲間↑
・巴マミ・・・親友↑

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

---------------------------
ここまで
>>577で無理だにすると、『自業自得だ』『誰にも信じてもらえない力で破滅した』ということを語って似た者同士だと認めてもらう話になったと思います。
くらーい感じで杏子ENDですね。さすがにそのまま攻略済にはできませんが、契約なしで杏子と同じ世界を見るにはこのくらいしないと駄目なのかもしれません。

6日も18時からの予定です
もうGWも終わりますね。それでもステイホームですが…。

――――
2日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 今日の教室内は――――……


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 4人から声が聞こえてくる。今日は志筑さんも一緒だった。


 ……昨日は上条のとこにいたのが見えたっけな?

 元々、暁美さんが来る前まではこの3人が本当によく一緒に居た。

 でも暁美さんが来て魔法少女が三人そろって、志筑さんは上条と付き合い始めて、一時期は美樹と気まずくなってて――……。


貴方(あれ?暁美さんって転入してから魔法少女のことがきっかけでみんなと仲良くしはじめたんだっけ?)


 とにかく、今はやっと元の形に戻ってきたところだ。

 しばらく四人の様子を眺めて、朝の時間が過ぎていった。


――――
――――

放課後



 ――――帰りのHRが終わると、今日は教室を出るのも4人一緒だった。



貴方「今日はみんなで一緒に下校?」

仁美「久しぶりにみなさんと遊びに行くのですけど、【貴方】くんも一緒に来ますか?」

さやか「お、仁美からお誘いなんてやるじゃんー」


 美樹が茶化すように言うが、少し気になった。

 ……こういうのは美樹も結構気にしてそうなことだったから。


貴方『……俺まで遊びに行ったら、今日のパトロール巴さんと佐倉さんだけに押し付けていいのかよ』

さやか『一日くらいなら堅い事は言わないんじゃないかなあ』

さやか『それに、遊びに行くような場所って人も集まるし魔女の餌場にもなるでしょ?』

さやか『もし魔力を見つけたら仁美を一人にするのも危ないんだから』


 そう言われればそうなのか。


まどか「新しくできたお店、話題になってるんだって!写真あげてる人いる」

さやか「お、いいねー!あたしたちもみんなで撮ろっか!」


 いや、遊びたいだけにも思えてきた。

 まあ、冷静な人もついてるし、美樹だってやる時はやるから大丈夫だと思うけど。


貴方「誘ってくれてありがとう。行こうか」


 とりあえず、今日は純粋に楽しむ事にしよう。



 学校から出てみんなで向かったのは繁華街だ。

 なんでも揃う大きな通り。その分人が多く、夜道や裏通りでは危険もある。

 ……そして、普通の人には知られていないが魔女の危険があるのはあからさまに危険な場所だけじゃない。



さやか「これおいしーい!」

まどか「ね!それにカップも可愛い」

仁美「珍しい味があるんですのね」


 まずはジェラート屋に寄って食べていた。

 美樹はああ言ってたが、今のところ魔女の気配もなく平和そのものだ。

 ……というかまだ指輪から形を変えないと察知できないが、あれば暁美さんが反応するだろう。


ほむら「……」



 暁美さんは話しかけられれば話すものの、やっぱりみんなでいる時は無口だった。



1楽しそうに見えないほむらに声をかけてみる
2志筑さんってこういうお菓子もよく食べるの?
3近くに佐倉さんを発見
4自由安価

 下2レス



貴方「暁美さんのはブルーベリーヨーグルト味だっけ。綺麗な色してるね。おいしい?」

ほむら「ええ」


 暁美さんの持つ藤色の瞳やソウルジェムの色と似た色だ。

 短い返事。気を抜くとこれだけで会話が終わってしまいそうになる。

 さっきみんなで撮った写真でも一人だけ笑っていなかった。


貴方「暁美さんは俺や鹿目さんたちと一緒にいて楽しんでる?……あ、失礼に思ったらごめんね。暁美さんってあまりしゃべらないからさ」

ほむら「そうね。……目的なく喋るのはあまり得意じゃない」

貴方「あー、雑談が苦手ってことか……」


 ……まあ、そんな感じはしていた。

 暁美さんは堂々としているところもあるし、目的があったり話すことが決まっていればみんなより話すのは得意かもしれない。

 でも今はそういう場じゃない。もっと気を抜いていいはずの場だ。


ほむら「けど、心配しないで。楽しくないことはないわ」

ほむら「あまり心配されるとどうしたらいいかわからなくなるの。……迷惑をかけている気がして」

貴方「め、迷惑だなんて思ってないよ!? 暁美さんってたまに自己評価低いんだなぁ……」


 普段あんなに冷静で堂々としてるのに。優等生なのに。



貴方「苦手なことがあるのは悪いことじゃないんじゃない? 暁美さんは得意なことも多いんだからさ」

貴方「あんまり難しく考えずに気楽にしててよ」



 暁美さんの意外な弱点を見てしまったかもしれない。

 ――……みんなで雑談とスイーツを楽しんだあと、席を立った。



まどか「次どうする?」

さやか「ショッピングいこー。そろそろ新しい服欲しかったんだよね」

仁美「暁美さんはコーディネートしがいがありそうですわ」

まどか「たしかにあんまり私服姿って見ないもんね」

ほむら「そうかしら。……制服は楽ではあるわね。コーディネートはよくわからないから任せるわ」

貴方「じゃあどうせなら俺もやってみようかな」

まどか「わたしもやりたい!」

仁美「人気なんですわね」



 ……暁美さんもこれで楽しんでいないわけではないらしい。

 いつもあまり感情を表情に出さないけれど、見ているとちょっとした変化はわかってきた。



四回目【貴方】 2日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・たまに自己評価低い?↑
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

――――
3日目 教室



 自分の教室に入って、ひとまずみんなに挨拶する。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 みんなの談笑する姿が目に入る。

 ……それから、傍で当然のようにキュゥべえが見守っていた。



1みんな何話してる?
2キュゥべえと話す
3自由安価

 下2レス



貴方「昨日の写真?」

まどか「うん!レアなものも色々撮れたからね」

さやか「ほむらが着せ替え人形にされてた時の写真だね」

貴方「これは?」

まどか「あ、それはもっと前のだよ」



出てきた写真
1家族写真
2猫の写真
3友達との写真
4ほか(自由安価)

 下2レス



 この時の写真にも志筑さんがいた。

 というか、魔法少女になってから遊びにいくことや写真を撮ること自体減ったのかな?

 巴さんはともかく、佐倉さんはあまり友達と写真とか撮る感じでもないし、どっか行くのもパトロールのついでってことが多い。


 ……ただ、その代わり暁美さんがいなかった。まだ転入してなかった頃かもしれない。


貴方「へー。いい写真だね」

仁美「この時も楽しかったですわね」

ほむら「……」


貴方(自分がいないときの写真……やっぱ少し寂しく思ってるのかな?)



 ――……みんなで雑談して朝の時間を過ごした。



――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



中沢「――な!【貴方】、仲いい女子の一人でいいから紹介してくれねえ?暁美さんとか」

貴方「無理無理、そういうのじゃないし。ってかひとりでいいからとか言う割には望み高えな」

恭介「席も隣なんだから、自分から話しかければいいじゃないか」

中沢「チクショー、自分がモテるからって余裕だなあ。上条も美人でレベル高い彼女がいるし羨ましいぜ」


 学校での一日が終わると、久しぶりに周りには野郎共が集まっていた。

 魔法使いのことがあってからは契約者同士で話すことが増えたし、こうして普通にクラスメイトと盛り上がることも減ったかもしれない。

 当然みんなとは仲間意識も生まれてた。コイツに思われるような浮ついたものとは違うと思うけど、そういう風に思われてるのか。


貴方(羨ましがられるのは悪い気はしないけど……)


 浮ついたものとは違うと思いつつも、彼女たちと一番近くにいるのは俺だとも思う。

 他の人には話せない秘密を共有してるのは俺たちだけなんだから。


中沢「なあ、上条もたまには遊びにいかないか?」

恭介「ごめん、僕は今日もバイオリンの練習があるから」

貴方「またレッスンか?」

恭介「レッスンはないけど、コンクールが近いから練習に力を入れたいんだ」

中沢「そうか。頑張れよ。【貴方】と二人ってのも盛り上がらねえなあ。今度にするか?」

貴方「あー、俺はどっちでも……」

中沢「じゃ、また明日なー」


 一瞬、美樹たちのことが浮かんで曖昧な返事を返した。

 みんなと別れてから姿を探すが見当たらず、志筑さんがまだ教室に残ってるのを見つける。


貴方「……あれ?他の人はもう帰っちゃった?」

仁美「さやかさんたちならもう帰りましたわ。何か用事があるのだそうです」



貴方「そっか。それなら仕方ない」


 用事というのは恐らく魔法少女関連のことだ。じゃなきゃ志筑さんを置いて帰ったりしないだろう。


貴方「志筑さんも多忙なイメージだったけど、今日はなにもない?」

仁美「実は習い事を減らしてもらったんです。これからは受験勉強もありますし」

貴方「志筑さんはすごいとこ狙ってそうだなあ」

仁美「やはり白女や国立、有名大学の付属は狙ってほしいそうです。中学は受験をしなかったので」

貴方「そういえば、志筑さんはなんでこの学校にしたの?有名なとこに受験できる学力は十分ありそうなもんだけど」

仁美「……私のわがままですよ。友達と離れたくなかったのです。【貴方】くんも本腰を入れればかなりいいところが狙えるのでは?」

貴方「そうかな」


 あんまり考えてなかったし、まだ先だと思ってた。

 受験よりも今はパトロールや訓練のほうに意識が向いてたし、そんなに上を目指すつもりもそこまでない。


仁美「ところで、上条君とはもうお話終わりましたか?今日は放課後に約束があったので」

貴方「あっ、待ってたのか。ごめんね引き留めちゃって。あれ?でも今日はバイオリンの練習がしたいって言って帰ったはずだけど」

仁美「えっ……」

貴方「コンクールが近いんだってさ。あいつの照れ隠しか?それとも……」


 忘れてるのかな、とも思ったけど志筑さんの前では言えなかった。

 照れ隠しなら今ごろどこかで待ってるか、連絡入れてるだろうし……。


貴方「あいつまだ怪我の影響引きずってるし、すぐ追えば追いつけるはずだよ」

仁美「そ、そうですわね……」


 と言ったが、志筑さんは動こうとしなかった。



1追わなくていいの?
2一緒に帰る?
3自由安価

 下2レス



貴方「一緒に帰る?ここで待っててもしょうがないでしょ。俺ももう帰るし」

仁美「ええ。そうですわね……」


 帰り道を歩き出す。


 ちょっと残念そうな表情の志筑さん。

 志筑さんは上条のことが本当に好きなんだろうな。上条も付き合い悪いとこはあるとは思ってたけど、彼女にまでとは。


貴方「あいつもバイオリンのことばっかりじゃなくてもっと志筑さんのこと見てやればいいのにな」

仁美「上条君のこと、悪くは言わないでくださいまし。バイオリンに対する情熱は理解はしてますから」

貴方「あ、ごめん。悪く言ったつもりはないんだ。ちょっとした男同士の軽口だとでも思ってよ」

貴方「まあ、いいとこではあるよな。そこまで趣味に一途になれるのも。俺は趣味ってほどのものもないし」

仁美「……私もそこまでの趣味はありませんわね」


 やっぱり沈んだ様子なのが見てられなくて、なにかしてやりたくなる。

 けど何を言ったら喜ぶんだろうな。上条の悪口言うのは論外だし。

 そんな時、道端にあったたい焼きの屋台が目に入った。


貴方「志筑さん、あれ食べない?おなかすいちゃってさ。いるなら二つ買ってくるけど」

仁美「あ、はい。けど出してもらうのは……」

貴方「いいからいいから。いっぺんに買ったほうが早く済むし。返してくれるならまた今度ね」


 たい焼き二つを買って横のベンチに座る。

 ただのたい焼きでも、志筑さんが持ってるとなんか優雅に見えた。



仁美「ところで上条君のことはわかったんですけど、さやかさんたちの用事って何か知ってたりします?」

仁美「大体用事があるってときは三人揃ってのことが多いんです。なにかおかしいと思いませんか?」

貴方「あー、それもそうだなあ……」


 あの三人でよくパトロールに行ってるみたいだ。

 とくに暁美さんは鹿目さんが行くと言うとついてくるし、鹿目さんと美樹が二人一緒に居ることは多い。

 けど、事情を知らなかったら何か隠し事されてると思うよなあ。


仁美「前まで自分も忙しかったので何とも思わなかったのですが、最近はそれが気になって気になって」

仁美「それで、今度こっそりついていってみようかと思うんです!」

貴方「それはやめたほうが……!」

仁美「ど、どうしてですか?や、やっぱり私が入れないような疾しいことをなさってるということでしょうか……?」


貴方(あ、あらぬ誤解をしてる気がする……)


 志筑さんは落ち着いているように見えて、よくわからない方向に突っ走っていくことも多い。


貴方「それなら俺もついていこうか?」

仁美「え!でもいいのでしょうか?」

貴方「言い出したのは志筑さんでしょ? それに……ほっといたほうがよさそうなら途中でやめればいいよ」

仁美「……それもそうですわね」


 下手にやめさせようとしても何をするかわからないし、それよりは俺もいたほうが危なくない方向に誘導できるだろう。

 志筑さんと約束をする。その時の志筑さんはいたずらっ子のようで……

 沈んだ様子は吹きとばせたことに安心した。




四回目【貴方】 3日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・共犯↑
・暁美ほむら・・・たまに自己評価低い?
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

――――
4日目 教室



「『How』や『what』をこのように使うと感嘆文になります」

「『How cute she is!』とすると、彼女はなんて可愛いのでしょう!という意味になりますね!」

「この二つの使い分けについては~~……」



 ――授業中、テレパシーでクラスメイトの魔法少女たちに訪ねてみていた。



貴方『今日はそっちはパトロールいくの?』

さやか『どうする?』

ほむら『私はまどかが行くなら……』

まどか『うん。今日も行こうか。【貴方】くんはどうする?』



*今日はどうしようか?
1尾行作戦決行だ!
2俺も一緒にいこうかな
3巴さんと行こうかな
4佐倉さんと行こうかな
5自由安価

 下2レス



貴方『……俺はいいや』

ほむら『そう。それなら私達だけで行ってくるわね』

貴方『うん。気を付けてね』


 さっそく尾行作戦を決行しよう。

 堂々とはみんなと一緒には行かないが、もしなにかあったらテレパシーで連絡を取り合うことはできる。


「では、sheを思い浮かんだ可愛い女の子の名前に変えて言ってみましょう!思いつかなかったら『早乙女先生』にしてもいいですからね」

「『How cute Ms.Saotome is!』」

「――まあ!照れますね!!」



さやか『早乙女先生ノリノリだねえ……』

まどか『あはは……』

貴方『…………』



*ちなみにこの時貴方は誰の名前を言ってた…?
・(キャラ自由安価)

 下2レス



 本心かは置いといて、ほとんどの人は早乙女先生の名前を言っていたように聞こえた。

 けど、ちらほらと他の名前を言っていた人もいたみたいで……。


仁美「……」


 ……一瞬、志筑さんがこっちを見る。もしかして聞こえたかな。

 真っ先に思い浮かんだのが志筑さんだったけど、さすがに本人にまで伝わったらと思うと恥ずかしい。

 目が合うと微笑みあって、ちょっとぎこちない空気のまま視線を戻す。



――――
――――
放課後




まどか「――また明日ね、仁美ちゃん」

さやか「また明日ー」

ほむら「……」

仁美「ええ。また明日」


 一日の授業と帰りのHRが終わると、少しだけ雑談をして、三人が挨拶と会釈をして教室を去っていく。

 俺は怪しまれないように、みんなの様子がわかるくらいの距離で離れていた。

 それからみんなが行ったのを確認して志筑さんのほうに寄る。


貴方「行ったね」

仁美「はい。では私たちもいきましょう!バレないように……!」


 自然を装って後ろをついていく。

 尾行っていうのは初めてだ。多分志筑さんもしたことはないだろう。

 俺は三人の動向を追いつつ、こっそりと指輪を具現させて魔女の気配にも注意を払っていた。



仁美「みなさんどこに向かってらっしゃるのでしょうか……?」

貴方「ずいぶん変なとこに行ってるね……」


 みんなが最初に向かった場所は人気のない廃工場のある工業地帯。

 まだ魔力の気配は察知していないが、初っ端から普通は行かないような怪しい場所に向かうとは。

 俺たちがいることを知らないとはいえ、なんでよりによってという思いがわいてくる。



まどか「――――――」

さやか「――――――」

ほむら「――――――」



仁美「会話はよく聞こえませんわね……。やっぱりもう少し近づいたほうが……」

貴方「あんまり近づくとバレちゃうよ」

仁美「こんなところに何があるというのでしょう?もしかして本当に危ないことをしてるんじゃ……」

貴方「あー、確かに危ない取引の舞台とかに使われそうな場所だな……」

仁美「殴りあいとか!」

貴方「あの三人で!?」


 ……不良漫画かなにかのイメージなんだろうか。


 この辺には隠れられるようなところがあまりない。それに、人がいないから物音を立てたらバレそうだから近づけない。

 魔女の気配がないとわかったからか、引き返してくるようだ。


貴方「あっ、こっちに来るよ」

仁美「隠れましょう!」



 工場の影に隠れ、みんなが通り過ぎるのを待つ。

 そうしていると、志筑さんが口に手を当てて小さく悲鳴を上げた。


仁美「……! きゃっ!」

貴方「っ……!? 虫?」


 見てみると足元に大きな虫がいた。

 志筑さんは音をたてないように必死に息を殺しているものの泣きそうになってる。

 俺も虫は得意じゃないし、とくにこんな場所にいる汚そうなのは嫌いだが、なんとか追い払った。


 ――そうしているうちに三人が通り過ぎていく。

 俺たちも逃げるようにこの場所を離れて息をついた。


仁美「はあ……【貴方】くんが追い払ってくれて助かりましたわ」

仁美「でも結局なんだったのでしょうね? 何をするのかと思ったら、何もせず引き返すなんて」

貴方「さ、さあ……なんだろうね。まあ、危ないことしに来たんじゃなかったっぽいしよかったよ」

仁美「そうですけど……」


 三人は人気のない場所にきたと思うと、今度は一転して大通りのほうへ。

 繁華街のほうに向かうらしかった。



貴方(あ……ソウルジェムが光りはじめてる?)


 繁華街に来た途端、ソウルジェムが微弱に光りはじめるのを察した。

 ここなら隠れられる場所はいくらでもあるし、人混みに紛れて後ろにいるだけでも気づかれることはなさそうだ。

 しかし、三人も魔女を探してまた入り組んで人気のない路地裏のほうへと足を踏み入れていく。


仁美「ああ、また変な場所に……!」

貴方「も、もうあんまりこの先を深追いするのはやめにしない?」

仁美「で、でも……みなさんが行くんですのよ。私たちが行くのをやめるなら、三人のことだって怒ってでもやめさせますわ!」


 魔女の気配も強まってきているしこの先はちょっとまずそうだ。

 志筑さんの怒りももっともだし、気持ちはわかる。けどどうごまかそうかと思っていると、聞きなれたテレパシーが響いた。


ほむら『……何をしているの? 尾行なんて趣味が悪いわよ』

貴方『バレてたのか……まあ、ちょっと理由があって』

ほむら『まどかたちには言ってないわ。多分他の人は気づいていないと思う』


 暁美さんはさすがだ。ベテランになると気配にも敏感になるのだろうか。

 しかし感心している場合じゃない。


ほむら『志筑さんもいるのね?さっき少し声が聞こえたの』

ほむら『この先を追おうとしているのならやめさせたほうがいいわ。私たちはこれから結界に入る。その隙に離れさせて』



貴方「志筑さん、それなら俺が先に行こうか?危ないものがあったら危険だし……」

*「ねえ、何してんの?まさか邪魔する気……?」


 すると、変な人に声をかけられた。路地裏は薄暗く、しゃがんでいたため気づかなかった。

 酒臭い、小汚い格好をした男だ。手にはライターを持っている。


ほむら『魔女のいる周辺は危ないから……。そっちのことは任せるわよ』


 暁美さんの忠告が響く。目の前に危機がある。

 志筑さんを守るように立った。

 ……けど、ここに来てよかったとも思った。守らなきゃいけないのは志筑さんだけじゃない。この人のこともだ。


貴方(目がうつろだ……首筋に紋様もある。この人、魔女に操られてる)


仁美「し、知りませんわ!私たちは急いで……って、何をしてますの!?」

貴方「酒の匂い……しかも全身から浴びてる!まさか火をつけるつもりじゃないだろうな!」

*「今から死ぬんだよ!お前たちも道連れにしてやる!」


 手刀を浴びせ、落ちたライターを蹴る。ついていた火は魔力で消した。


仁美「ま、まあ! ……この人、気絶しましたの?」

貴方「あ、ああ。こうでもしないと止められなかった。目を覚ました時には多少なりとも頭が冷えてるはずさ」

貴方「俺たちもこんなところは出よう」

仁美「で、でもみなさんが……! あ、あれ? いませんわね」

貴方「きっとみんなももう出たんだよ。さ、行こう」



 …………なんとか路地裏を脱出することができた。




仁美「ああ、なんだか今日は散々でしたわね……。途中で見失ってしまいましたし」

貴方「とりあえず無事に帰ってこられただけよしとしよう」

仁美「そうですけど、結局なにもわかりませんでしたわ。みなさんは無事なのでしょうか……」


 あれから魔力の反応がなくなっている。

 向こうも無事倒せたらしい。でも志筑さんは知らないもんな。


まどか「あ、仁美ちゃん!それに【貴方】くんも」

さやか「おー、珍しいね?二人だけなんて」

仁美「まどかさん!さやかさん……!」

ほむら「……」

仁美「ほむらさんも!」


 ここに来たのは偶然なんだろうか。さっきまで追ってたみんなと再会する。

 暁美さんは相変わらず無口だけど、みんなよりいち早く気づいて声をかけてくれたのを俺だけは知ってる。


さやか「なにー?どうしたの?そんな感動の再会みたいな雰囲気漂わせて」

仁美「ええ、これは感動の再会ですわよ!」

まどか「放課後になって別れただけだよね……?」

仁美「みなさん放課後なにしてたんですか?」

ほむら「……ちょっとした散歩。かしら」

仁美「散歩って!もう!」

まどか「仁美ちゃんなんで怒ってるの?」

貴方「この後も『散歩』するの?」

さやか「んー、いや。そろそろ帰ろっかな!あとちょっとこのへんの店見て回ってくるー。ねーねーまどかも行こ?」

まどか「あっ、うん!ほむらちゃんも行く?」

ほむら「……ええ。誘ってくれるなら」


 話がまとまるとみんなはデパートのほうに駆けて行った。

 今度は本当にショッピングらしい。



貴方「志筑さんは行かなくていいの?」

仁美「今日はもうそんな気分じゃありませんわ。変なところを回ってくたくたです。早く帰ってシャワーを浴びたいですわ」

仁美「あの三人も同じはずなのですけど…………随分とタフですわね」

貴方「……あいつらもあいつらだけどさ、志筑さんももう変な場所には行こうとしないでよ?」

貴方「今日は二人いたからよかったものの、一人じゃどうなるかわからないよ」

仁美「はい……それはわかりましたわ。今日はありがとうございました。私一人じゃ虫一匹すら追い払えませんでしたから……」

貴方「そ、それに!暁美さんは合気道?とかできるらしいよ。きっと暴漢くらいなら追い払えるんだよ。鹿目さんとかもああ見えて――」

仁美「あ。合気道なら私も習ってました」


 安心させるために言ってみたが、まあ嘘は言ってない。

 合気道が出来るかどうかは知らないけど、咄嗟に思いついた護身術的なのがそれだった。

 けど、そういえばこの人も習い事いっぱいやってたんだった。お嬢様だし護身も兼ねてその手のものができても不思議ではない。


貴方「……え、マジ?」

仁美「素人の暴漢2,3人くらいなら追い払えると思います」

貴方「し、志筑さんも意外とタフなんだね。今度手合せしてみたらいいんじゃないかな」

仁美「でも……今日の相手は火を持っていました。一歩間違えれば相手もろとも大やけどです。私も急なことで足が竦んでいました」

仁美「それでも臆さず守ってくれるなんて、【貴方】くんはとても勇敢なんですのね」

貴方「あ、ああ!当たり前だよ。守りたい人がいれば人はいくらでも強くなれるんだから」



 とりあえずみんな無事に済んだことに安堵して、あの時の自分をちょっと誇らしく思った。

 志筑さんももう懲りた様子だし、一人で危ないところに行くことはないだろう。

 ……あとのことは親友のみんなに任せるとしよう。



四回目【貴方】 4日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・守った↑
・暁美ほむら・・・たまに自己評価低い?
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

――――
5日目 グラウンド



*「暁美さんがまた県内記録出したわ!」

*「さすがよねー……――――」


 体育の時間、グラウンドに羨むような声が響いていた。


さやか「……ほむらばっか目立ちすぎだよね。本当はあたしのほうが足速いのに」

まどか「まあまあ。わたしたちがあんまり目立ったらおかしく思われちゃうよ。とくにわたしは元々が運動音痴だから」

まどか「でも運動音痴脱却できたのはちょっと嬉しいかなあ」

さやか「あたしも転入生だったらもっと堂々と目立てんのかな!? ……ほむらっていつから魔法少女やってんだろ」

まどか「さあ……それはわたしも教えてもらったことないや」

仁美「…………」

ほむら「……志筑さん、何故こっちを見ているの?次はあなたの順番よ」

仁美「え、ええ。そうですわね」


 自分の授業の合間にそっちを見る。

 ……正直、学校の体育はすべて手加減ばかりでやりがいは感じなかった。



貴方(……志筑さん、暁美さんのこと気にしてた? 気のせいかな)



 あんなことが昨日あった後だから、ただの気のせいとも思えない。



――――
――――

*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



ほむら「……なるほど、志筑さんは私達のことを気にしてたのね。……それで私を」

貴方「志筑さんが暁美さんのことどう思ってるのかはわからないけどね……」

ほむら「これからは三人同時のパトロールは少し控えたほうがよさそうね。怪しまれることを考えなかったのはうかつだったわ」


 学校を出て歩きながら、暁美さんに昨日のことを話した。

 久しぶりに二人でのパトロールだ。


ほむら「……まどかのことは守れなくなるけれど」

貴方「前から気になってたんだけど、暁美さんはどうしてそんなに鹿目さんにこだわっているの?」

貴方「というか、『鹿目さんを守ること』に?」

ほむら「どうしてでしょうね」


 ……聞いてみたが、またいつもみたいにはぐらかされてしまった。

 学校では話してるし、友達だと思ってるのに、暁美さんの素性や考えは驚くほどわかっていなかった。


ほむら「もちろん、あなたやほかの人のことだって守りたいとは思ってるわ」

貴方「うーん……暁美さんはいつも誰かのことを守ることを考えてるんだね」

貴方「立派だけど、やっぱもっと頼りにしてほしいかな。暁美さんからしたら頼りないかもしれないけど、守り合ってこその仲間でしょ」

ほむら「仲間ね……」

貴方「暁美さんはそう思ってない?」

ほむら「いいえ、わかってはいるんだけど……そういうのがあまり得意じゃないだけよ」



1長い間一人で戦ってきたから?
2まずは鹿目さんのことを頼ってみたら?
3まずは俺のことを頼ってみてよ
4自由安価

 下2レス


貴方「まずは俺のことを頼ってみてよ。今日のパトロール頑張るからさ」

貴方「暁美さん、いつもほとんど一人で倒しちゃうでしょ?出番ないまま終わること多くて。今日は面倒臭いと思っても手出しは無用ってことで!」

ほむら「……その代わり口出しはするわよ。いい?」

貴方「もちろん!」

ほむら「本当に危ないと思ったら時間を止める」

貴方「も、もちろんそうならないようにするよ」


 ――街を歩き回って、結界を見つけるといつも以上に前に出て進んでいく。

 約束通り、暁美さんには後ろから指示をしてもらっていた。


ほむら「……右から一体、奥からも一体来てるわよ」

ほむら「奥の使い魔のほうが素早いから先に倒したほうがいいわ。投擲で仕留めて……――あっ」

貴方「は、外したけどまだ待って!同時に対処すればいいんだろ!」

ほむら「さすがだけど、奥からもまた――」

貴方「こんのーーっ!」



 思ったよりハードだった。

 それでもなんとか口出しだけに留めてもらって、魔女のいる奥の部屋まで突っ切る。


 ――――……パトロールが終わる頃にはいつもより疲れてた。

 そうか。一人でやるってこんなに大変なんだ。それなのに、暁美さんはいつもほとんど人に頼ろうとしない。



貴方「―――……大変だったけど、今日はいい訓練になったよ」

ほむら「私もいつもとは違う事を学べたわ。これはこれでいい訓練になったかもね」

貴方「戦い以外でも頼ってくれていいからね!暁美さんは成績もいいし、あんまり頼ることないかもしんないけどさ……」

ほむら「……いいえ。私も苦手な事はあるし、【貴方】くんは十分頼りになる人よ」

ほむら「でも、戦いではもう少し頼れるくらいになってほしいわね」

貴方「これから強くなるさ!暁美さんのことも守れるくらい」

ほむら「……それは頼もしいわね」


 なんといったって時間停止の魔法は強い。反則ってレベルだ。

 そこに追いつくのは難しいかもしれないが、無敵ってわけではない。

 補って余りある技術や武器があるとはいえ、暁美さんは仲間のうちの誰よりも身体能力は弱い。


 ……たまに男子のほうにまで聞こえてくる体育の時間の活躍っぷりからは信じられないよな。

 だから、あれも一種の強がりなんじゃないかと思えていた。




四回目【貴方】 5日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・守った
・暁美ほむら・・・たまに自己評価低い?↑
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ


――――



 明日は休日だ……。誰か誘おうか?



・キャラ選択(まどか/さやか/ほむら/マミ/仁美)
・何に誘う?※キャラによっては断られることもあります
1遊びに行く
2パトロールに行く
3訓練する
4家に誘う
5相手の家に行く
6自由安価

 下2レス

------------------------------------------------------------------------------------------------------
そういえば今回魔法少女は仲間だから杏子以外交換してるだろって思ってたけど、連絡先交換ってイベントがなかったね。
仁美も今週で★になるしこちらのミスなのでもちろん安価は受け付けるんですが、今から書き足します
------------------------------------------------------------------------------------------------------


 ……どっか遊びに行きたいな。

 そう思ってアドレス帳を見返す。すると、その中に志筑さんの名前が増えていたことを思い出した。

 尾行作戦が決まった時に、途中ではぐれたり二手に分かれたりした場合の連絡用に交換していたが、結局使うことなかったんだったな。


貴方(志筑さん、今日は予定空いてるかな?)


 この前は繁華街まで足を延ばしたものの目的は尾行だし疲れた様子だった。

 今度は普通に遊びに行きたいなと思って連絡してみる。


 数コール後、聞こえてくる声。


仁美『……あら、【貴方】くん? どうされましたの?』

貴方「こんばんは、志筑さん。よかったら明日、どこか遊びに行きたいなって思って。まだどこに行くとかはなんにも決めてないんだけど」

仁美『明日……ですか』

貴方「あぁ、他に予定があるなら別に気にしないでいいよ」


 志筑さんの返事は歯切れが悪い。ためらうような間のとり方だ。


仁美『……実は、明日までが期限の遊園地のチケットがあるんですの。よろしければ、そちらでいかがでしょうか?』

仁美『もしくは、もし【貴方】くんが他に誘いたいお方がいるなら差し上げますわ。二人用です。私が持て余していてももったいないものですので』



貴方「え……、それって」


 遊園地のチケットなんて、前々から用意しておかないと都合よくあったりしないものだ。

 それも二人用。……――もしかしなくてもその意味はわかる、


貴方「遊園地は心躍るけどさ、本当にいいの?元々は他の人と行こうと決めてたんじゃない?」


 敢えて名前は出さなかったけどそんなのはいまさら。


仁美「いいんです。私が勝手にとっただけですから。その方は……都合が合わなかったのですわ」

仁美「さっきも言った通り、私が一人で持て余していても仕方がありません。その方とはまた今度にいたします」



 週末の約束ができた。

 ――だが、志筑さんの声色は少し寂しそうだった。



▼仁美の連絡先を手に入れました。

――――
――――
一週目 休日



 当日は駅で待ち合わせて向かうことになった。

 ここは大きなジェットコースターと観覧車が目玉のテーマパークだ。夜にはパレードもあるらしい。

 入口でもらったマップを広げて見てみるが、アトラクションがいっぱいで目移りしてしまう。


貴方「まずはどこから回ろうか」

仁美「【貴方】くんは気になるものはあります?」


 ジェットコースターが目玉とはいったものの、キツイ角度の傾斜のあと一回転はするハードなやつだ。

 ……志筑さんはそういうのは得意ではなさそう。もう少しゆるいのもある。



1メリーゴーランド
2ジェットコースター(ハード)
3ジェットコースター(ゆるめ)
4フリーフォール
5コーヒーカップ
6ゴーカート
7お化け屋敷
8観覧車
9【話題】志筑さんって絶叫系いけたりする?
10自由安価(話題や遊園地にありそうなもの)

 下2レス



貴方「志筑さんって絶叫系いけたりする?」

仁美「絶叫系ですか……進んで乗りたいとは思いませんけど、ここの目玉なんですよね」

仁美「【貴方】くんが乗りたいならつきあわないことはないですが……」


貴方(積極的ではないか。やっぱあんまり得意ではなさそうだなあ……)



*ちなみに【貴方】は…
0~ 怖がらず楽しんじゃうタイプ
5  適度にスリルを味わいたいタイプ
~9 怖いのはやりたくないタイプ

 下1レスコンマ判定 ※数字によって度合いが変わります。仁美は7くらい。

6 適度にスリルを味わいたいタイプ
-----------------------------------


貴方(せっかくだし乗っておきたいって気分もあるけどどうしようかな?)

貴方(美樹とかいたら分かれて回ったりできるけど、今日は二人だしな)


 見上げると例のジェットコースター。大規模なものでこの近くにもレーンが見える。

 そして聞こえてくる絶叫。


*「きゃーーー!!」


貴方(……あれはけっこう怖そうだぞ)




*まずのるもの
1メリーゴーランド
2ジェットコースター(ハード)
3ジェットコースター(ゆるめ)
4フリーフォール
5コーヒーカップ
6ゴーカート
7お化け屋敷
8観覧車
9自由安価(話題や遊園地にありそうなもの)

 下2レス



 まあ他にも乗り物はあるし、いきなりそこまで攻めなくてもいいよな?

 なにしろ目玉のジェットコースターは今は待ち時間もすごい。


貴方「まずはあれとかどう?コーヒーカップ」

仁美「いいですね。そんなに並んでませんしちょうどよさそうです」



 ……志筑さんもちょっと安心した様子だ。


 コーヒーカップも回しすぎるとある意味ジェットコースターより凶悪だったりするが、相手は志筑さんだしムチャなことはせず平和に済んだ。

 回しすぎたコーヒーカップの凶悪さは絶叫系のスリルと違って後を引くしなにもいいことがないからなぁ。



仁美「風が気持ちよかったですわね!」

貴方「そうだね」


 最初のアトラクションに乗ってテンションも上がってきた。志筑さんも楽しんでくれているみたいだ。

 コーヒーカップから出てくると、近くでうさぎのきぐるみが小さい子供たちに風船を配っていた。


仁美「まあ。あのうさぎさん、可愛い風船を配ってますわね」


 うさみみのついた風船を見て志筑さんが言う。

 すると、きぐるみがこっちに気づいて彼女にも風船をひとつ渡した。


仁美「あら、くださるんですの? ありがとうございます!」

仁美「……でももう私はそれほど子供じゃないですのに。はしゃいでいるように見えましたかしら」

貴方「いいんじゃない? はしゃぐほどじゃなくてもらったら嬉しいでしょ」

仁美「まあそうですわね。喉が渇いてきましたし、少しお飲み物でも買って休みませんか?」

貴方「ああ、ちょっと休憩にするか」



 ちょうど目の前に飲み物を売っているところがある。

 ……ドリンクを買うと、赤いハートのストローがついてきた。


貴方(随分とファンシーだな。そんなもんなのか?)


 家族連れ、友人同士らしき人、周りを見てみるといたって普通のストローばかりだ。

 その中で、カップルらしい若い男女だけが同じストローなのに気づいた。


貴方(……あ、これってもしかして勘違いされてる?)


 粋な計らいとでもいうところだろうか。しかし。

 ……志筑さんもちょうど気づいたらしい。ひとまずベンチに座った。



1勘違いされたかな?
2上条は今日は何の用事があるって?
3今日は誘ってくれてありがとうね
4自由安価

 下2レス



貴方「勘違いされたかな?」

仁美「そのようですね……」


 志筑さんはちょっと気まずそうな感じだ。というか俺も大分気まずい。

 男女二人きりで遊園地なんて行くの、カップルかそのフラグのある二人とかがほとんどだろうし。

 ……いや、実際そのはずだったんだ。


貴方「あー……ごめんね、俺なんかと」

仁美「い、いいんですよ。誘ったのはこちらですし。【貴方】くんが謝る必要はありませんわ」

仁美「……上条君、今日もバイオリンの練習なんですって」

貴方「でも、志筑さんが誘えば優先してくれるんじゃない?」

仁美「バイオリンに対して一途ですから。気になることがある時に無理に誘ってもきっと身が入らないと思うんです」

仁美「邪魔しちゃ悪いですしね……」

貴方「なんか、バイオリンと付き合ってるみたいだな」

仁美「ば、バイオリンと……」


 素直な感想を言ってしまったけど、失言だったか。

 でも志筑さんの言い方はそんな感じはするよなぁ……。


仁美「まあ気にしたって仕方ありませんわ。今日はもう来てしまったのですから。私は【貴方】くんといても楽しいですよ」

貴方「ありがとう。俺も志筑さんと一緒に来て楽しいと思ってるよ。次どこいく?」

仁美「そうですわね……」


 マップを覗きこむ。


1メリーゴーランド
2ジェットコースター(ハード)
3ジェットコースター(ゆるめ)
4フリーフォール
5ゴーカート
6お化け屋敷
7観覧車
8自由安価(話題や遊園地にありそうなもの)

 下2レス



 次に決めたのは、あの目玉の大きなやつ……ではなく、あれほど怖くはなさそうなジェットコースターだった。



仁美「つ、ついに来てしまいましたわ……!ジェットコースター!」

貴方「折角だからこういうのもひとつは乗っておきたくて」

仁美「まああの大きいのよりは随分とマシですね」


 列に並び、段々と順番が近づいてくる。

 これはそれほど大きいものではないが、やはりジェットコースターらしい急な傾斜はあり絶叫は聞こえてきている。

 絶叫系として楽しむには十分なくらいだ。


仁美「……とは言ったものの、いざ順番が近づいてくるとドキドキしますわね」

貴方「あはは、俺もだよ」


 ついに自分たちの番が回ってきた。

 荷物を預けて乗り込むと、まずはゆっくりと発車する。そしてじわじわと上昇していき――……


仁美「……きゃーっ!」


 隣から可愛らしい声が聞こえた。

 普段大きな声なんてそうそう出さない人だから、珍しいものが聞けたかも。

――――
――――


 ――――それからあっという間に日が落ちる時間になり、最後は落着けそうな場所で少し遠目にパレードを眺めていた。

 キラキラと光る明かりが綺麗に見え、賑やかな声が聞こえる。


仁美「綺麗ですわね」

貴方「うん。綺麗だ」


 あの大きなジェットコースターには乗らなかったけど、このショーもこの遊園地の目玉だ。

 そっちも綺麗だけど、志筑さんの横顔をそっと見る。

 整った目鼻立ちに、おっとりとした印象を受ける目尻。

 ……クラスの憧れになるだけはあるよな。こうして見てると、やっぱり思わず引き込まれるくらいには美しかった。


 しかし、この状況にロマンチックなんて言葉を思っていいものか。褒め言葉なんて当然口には出せない。


仁美「今日はありがとうございました。ここに誘ったのは私ですが、遊ぼうと誘ってくださったのは【貴方】くんですわ」

仁美「おかげで今日という日を楽しく過ごせましたので。……そうじゃなかったら今日は寂しい一日になるところでしたわ」

貴方「お礼を言うならこっちのほうこそだよ。大切な友達と――志筑さんと来られてよかった」

仁美「ええ!」


 ショーの最後には花火が上がって、そして幕を閉じた。


仁美「駅についたらお迎えの車を用意してもらいますわ。【貴方】くんのことも送っていきますね」

貴方「ありがとう。帰る頃には一人で帰るには危ない時間になるもんな。それがいいよ」


 パトロールやってると結構遅くになることもあるから感覚麻痺しかけてたけど、志筑さんは魔法少女でもないお嬢様だもんな。

 狙われることとかあってもおかしくない。……格闘の技術はそのためでもありそうだ。



 そろそろ閉園の時間も近い。俺たちも帰ることにした。



― 一週目休日 終了 ―


[好感度] to貴方
美樹さやか★★★巴マミ★★★>志筑仁美★暁美ほむら★>鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

引継★★★は個別で構いに行くか全員攻略済にならない限りは恋愛的な発展は起きない。嫉妬もしないんだ。…実は。
引き継ぎでない★★★は他キャラ攻略にいくとLv1までは嫉妬すると思うけどLv1までなら無問題。
わざわざ目の前で見せつけたり煽るようなことをしなければ基本大丈夫っす。
----------------------------------------------------------------------------------------

――――
6日目 教室



 自分の教室に入って、ひとまずみんなに挨拶する。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」

仁美「おはようございます」


 荷物を置いて机を整理する。

 仲の良い女子グループ4人の談笑風景。朝の様子は今日も変わらないように見えた。


 ……もう一日のほうの休日もまた訓練に呼び出されたりとややハードだったが、みんな元気そうだ。


仁美「そういえば、今日はみなさん放課後のご予定は?」

さやか「――……えーっと、あたしはちょっと用事あるかな!」

まどか「わたしはとくにないよ。どこかいく?」

ほむら「べ、別に私も……」


 美樹は少しの間目配せをする。

 一瞬テレパシーとも思ったが、会話に時間をかけては怪しまれる。

 ……変わらないように思ったが、あの日以来やっぱりまだ疑念は燻ってはいるようだ。



 ――昼休みになると、魔法少女のみんなは屋上へ行く。

 教室に帰ってきてから暁美さんは自分の机に手紙が置いてあるのに気づいて手に取った。

 ……さっき志筑さんが置いてたのを見てしまった。


さやか「おおっ、ラブレター?」

ほむら「…………違う」

まどか「『果たし状』……って書いてあるよ」

さやか「え、なにこれは?」

ほむら「差出人は志筑さんね……放課後ですって。誰か心当たりはない?」

さやか「あー、どうせまた漫画の影響でしょ」

ほむら「それが……なぜか私が合気道ができることになっていて。妄想にしたって突拍子がないでしょう?おかしいと思わない?」


貴方(そういえばそんなことつい言っちゃったよ……)


貴方「あー……それ多分俺のせいだ」

ほむら「……どういうことなの?」

貴方「志筑さんがパトロールのこと気にしてるんだよ。みんなに隠し事されてるって思っててさ。それに危ない場所ばっかり行ってるって」

貴方「だから安心させようと思って、まあ勢いというかなんというか……」

まどか「だ、だったら一回勝てば仁美ちゃんも納得してくれるんじゃないかな!ほむらちゃん強いし!」

さやか「てか、実際合気道ってできるの?」

ほむら「そんなわけないでしょ。志筑さんは何かやってるの?」

貴方「合気道習ってたとは言ってたけど……あの調子じゃ他にも色々やっててもおかしくはないな」

さやか「いや、でも!さすがに魔法少女が負けることはないでしょ!」

ほむら「……いいえ。それなら無理よ。だって私、合気道なんてやったことないもの。知ってる人が見たらさすがに嘘がバレる」

貴方「えっ、じゃあ放課後どうすんの?」

ほむら「知らないわ」


 暁美さんは見なかったことにするようだ……。

 何食わぬ涼しい顔で紙を鞄へとしまって席についた。


――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



さやか「じゃあそろそろ行くよ」

まどか「さやかちゃん、また明日ー」

仁美「また明日ですわー! さて……」


 今日はみんな早めにそそくさ帰っていったみたいだ。

 美樹は用事があるってことで多分パトロール。他の人は知らないが……。


ほむら「あら、【貴方】くんはまだいたのね。何かしてるの?」

貴方「え、そういうわけじゃないけど。俺もそろそろ行くかな」

ほむら「そう。さようなら」


 暁美さんは颯爽と教室を出て歩いていく。

 ……別にそれを引き留める気はなかった。それよりもちょっと気になったのは果たし状なんか出してた志筑さんのことだった。


 彼女がすぐに帰ったとは思えない。

 久しぶりに上の教室に寄って巴さんと話してから階段を降りると、廊下でなんだかうなだれた様子の志筑さんと会った。


仁美「はあ…………」

貴方「志筑さん、こんなところで何やってるの?」

仁美「べ、別に何もしてませんけど……そういう【貴方】くんこそこんな時間まで何を?」

貴方「先輩と話してたんだ。ちょっと話が弾んじゃって」


仁美「付き合いが広いんですのね。私のほうは……人を誘ったのにすっぽかされてしまいました」

貴方「ラブレター?」

仁美「ち、違いますわよ!私にはもう心に決めた人がいるんですのよ!?」


 本当は知りつつ冗談を言ってみる。


貴方「まあ、実は見せてもらったんだけど。暁美さんでしょ?なんで一緒にいるのに帰りに直接誘わなかったの?」

仁美「バレてましたのね。こういうのは雰囲気ですわよ!……まあ、乗ってもらえませんでしたけど」

貴方「でもなんであんな誘いを?……俺が言ったから?」


 ……正直、俺からするとそんなのあまりやる意味がないように思えていた。危ないだけだし。

 志筑さんは相手が格闘技やってたのを知ったからって戦いを挑むほどの戦闘好きにも見えなかった。

 多少漫画脳に支配されているところはあれど、基本内面は見た目通りの淑やかなお嬢様だ。


仁美「私は…………少しでも知りたいんですの」

貴方「えっ、それって!?」

仁美「暁美さんはとてもミステリアスな方です。話していてもあまり自分を出していない気がして」

貴方「……」

仁美「勉強もですが特に体育では大活躍ですよね、暁美さん。市立の勉強ならほぼ暗記でとれますけど、県内記録なんてそうそう出せていいものじゃありませんよ」

仁美「みなさんの散歩相手に誘われたのも、まどかさんたちとずっと一緒にいた私じゃなくて暁美さんでした」

仁美「……といっても、あの散歩は私ならもし誘われたらとめますし、あんな場所にいること自体耐えられませんでしたが」


 ……そりゃ俺だって魔法少女だって知らなかったらとめてる。

 志筑さんの反応のほうが正常なんだよな。


仁美「まあ、そんな暁美さんと少しだけ共通点を見つけて、それをきっかけに近づきたかったのですわ」

仁美「それに、実力も気になりますしね。本当に大丈夫かどうか」

貴方「ああ、なるほど」


 暁美さんはやる気なさそうだったし、そもそもその“共通点”も口から出まかせだったけど。

 ……暁美さんと仲良くなりたいってことかな。

 とりあえず強いとこ見せたら安心するのかな?



1暁美さんにもう一回頼んでみようか?
2変なところに行かないように俺からも説得しとくよ
3自由安価

 下2レス



貴方「とりあえず、変なところに行かないように俺からも説得しとくよ」


 今後は前みたいに三人同時に行ったりはしないらしいし。問題は解決できないけどまあ大丈夫かな……?


仁美「はあ、それはお願いしますが……」

仁美「あ!そういえば思い出しましたわ。『まどかさんもああ見えて……』なにかあるんですの!?」

貴方「えっ、そんなこと言ったっけ?」

仁美「言いましたわ。実はまどかさんも格闘技が出来たり、伝説の一族の末裔だったり、魔の力を秘めていたりとか?」

貴方「そ、それはないんじゃない?ま、まー……鹿目さんもああ見えて見た目ほど弱くはない……とは思うよ」

貴方「それじゃ安心はできないだろうから説得はまかせて」


 さすがに冗談だろうけど、魔の力ってのは当てられてる。

 しかし、これ以上思いつきで設定を増やすのはやめておいたほうがいいかな……――。


貴方「今日はもうこれから帰るところ?」

仁美「はい。他に残ってまでやることはありませんからね」

仁美「――では、ごきげんよう。【貴方】くんとお話できてよかったですわ」



 学校を出ると、志筑さんは上品な挨拶を残して別れた。

 ……たまにはまっすぐ帰ろうかな。



四回目【貴方】 6日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・遊園地デート
・暁美ほむら・・・たまに自己評価低い?
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

――――
7日目 教室



「――というわけですから、この歌は自身の生活や容姿が時とともに変わっていくことを詠んでいるのです」


 ちらほらと私語が聴こえるのものの、授業中の教室内は基本的に静まっている。

 ただし、ここを除いて。


さやか『でさー、それが面白くって!』

まどか『あはは』

貴方『そんなことがあったのか』


 テレパシーを使えば堂々と話せるのは便利だった。

 最近はパトロールのことも事前に相談していくことが増えたらしく、活発だ。俺もたまに会話に混ぜてもらっている。

 ――……無論、メインは目の前で行われている授業だ。念話に集中しすぎるといけないことはあった。


貴方(げっ、ノートに写しそびれた……)


 ちょっと最近授業に集中できてないことがあるかもしれない。あからさまに成績が落ちたらまずいな。


「では、班ごとに分かれてください」


まどか『今日も百人一首やるんだね。わたしこういうのはわりと得意かも』

さやか『あたしも負けないぞー!じゃんじゃん取ったる!』

貴方『美樹、この前は何回もお手付きして取られてたの見たぞ』


さやか『目標決めたら取るのは早いもん!でもほむらは速すぎだよ。時間止めてるんじゃないの?』

ほむら『そんな風には使わないわ。あなたはちゃんと上の句から覚えてないからじゃないの……?』

貴方『てか、そっちは近くに集まってるんだからテレパシーばっかだとそろそろ不審に思われない?』


 無言すぎてそろそろ怪しい感じになってきたところに、志筑さんが淑やかな笑みを向けてみんなに話しかけた。

 席が近い者同士、彼女も同じ班だ。


仁美「よろしくおねがいしますわね」

ほむら「え、ええ。よろしく……」

まどか「よろしくね、仁美ちゃん」

さやか「仁美も速いんだよなあー……」

仁美「『も』……?」

さやか「あ、いや。なんでもないよ」

仁美「ところであのー、暁美さん。つかぬことをお聞きしますが、昨日机になにか置いてありませんでした?」

ほむら「見てないけど」

仁美「……そうですか」


 まあ志筑さんからすればあの紙が本人に渡ったところも見ていなければ、捨てられたりしたところも目撃していないわけで。

 ……素っ気なくごまかす暁美さんにちょっと残念そうにしていた。


――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



貴方「志筑さん、ちょっといい?」

仁美「どうかしましたの?」

貴方「国語のノート見せてほしくて。今日の分ちょっと写しそびれたところがあってさ」

仁美「あら、居眠りでもしましたの?」

貴方「ま、まあ、そんなとこかな」

仁美「【貴方】くんも優等生で通ってるのに、そんなこともあるんですね。今日の国語の分だけで大丈夫ですか?」

貴方「あー……よければ他のも見せてほしいかも」

仁美「わかりましたわ。ご自由に見てくださいまし」


 各教科のノートが机の上に並べられる。

 まずは今日写しそびれたところを見て、それから他にも目を通した。


貴方「……他のは写しそびれたっていうか、気になったんだよね。志筑さんならボードにない良い情報もわかりやすくまとめてそうだから」

仁美「なるほど。お役に立てました?」

貴方「もちろんだよ。すごく参考になった。ありがとうね」


 そういう部分も含めれば同じ授業でも同じノートにはならない。

 さすがに志筑さんのノートはわかりやすく綺麗にまとめてあった。


貴方「志筑さんって字が綺麗だね」

仁美「そうですか?見やすく書けていたならよかったですわ」



1一緒に帰ろう
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3自由安価

 下2レス



 ノートを鞄にしまう。


貴方「今日はもう帰る?一緒に帰ろうか」

仁美「それならまたたい焼き食べにいきましょう!この前のお礼がまだでしたわ。今度は私が払いますよ」

貴方「気にしなくていいのに。でもそうだな。たい焼き食べたくなってきたな」


 一緒に教室を出て帰路を歩く。

 ……今日のパトロールは誰が行ってるんだったっけな。志筑さんに隠すようになってから把握できてない。

 きっちり当番が決まってるわけじゃないけど、明日あたりはそろそろ俺も行ったほうがいいか?


貴方「そういえば、暁美さんとは今日はどうだった?何か話せた?」

仁美「いえ、あまり……。昨日のことも知らないと言われてしまいましたし」

仁美「近くにいるお友達としても、学級委員長としてもぜひ仲良くなりたいのですが」

貴方「……志筑さんっておっとりしてるように見えて責任感強いよね。上に立つ者としてしっかりしてるし」

仁美「買いかぶりすぎですよ。何かをしようとして空回ることも多いですし」

仁美「今こうしてさやかさんたちとまた一緒に居られるようになったのも私の力じゃありません。……さやかさんが行動したから」

貴方「美樹か……まあ、美樹も前とは変わった気はするよ。でも、志筑さんが何もできてないわけじゃないと思うよ?」

仁美「そうでしょうか? そう見えていますか?」

貴方「うん。俺はそう思う」

仁美「私、今になってあれでよかったのかと疑問に思うことはいくつもあるんです。というか、今になったから……でしょうか」

仁美「なんて、こんなこと言われても困ってしまいますよね」


 ……暁美さんとは今度俺も話そうかな。

 彼女だってクラスメイトと仲良くするのを拒んでるつもりはない……はずなんだ。


 それからしばらく雑談に花を咲かせた。

 話題は今日の授業とか、今度の百人一首大会とか他愛もないこと。

 志筑さんが隣にいるっていう、そんな日常がなんだかとても嬉しかった。



四回目【貴方】 7日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・一緒に下校↑
・暁美ほむら・・・たまに自己評価低い?
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

――――
8日目 屋上



 昼休みになると、今日は食べ終わったあと教室から出て屋上に行ってみた。


 元から美樹たちはよく屋上で食べていたらしいが、今は魔法少女たちが昼に集まる場所になっている。

 他の生徒もいないし、誰か来ても気付きやすいし近寄られない限り話は耳に入りにくい。学校で堂々と顔を合わせて話し合える数少ない場所だ。

 魔法のことで用がある時にはたまに俺や、校舎の外から佐倉さんも来ることがあった。


さやか「【貴方】が来るの久しぶりだね」

マミ「いらっしゃい。一緒にお茶でもいかが? お菓子もあるわよ」

貴方「おー、感激っす!いただきます」


 今は昼食を終えてティータイム中らしい。

 紅茶は巴さんが淹れたものだろう。傍にはクッキーが置いてある。……これも巴さんかな。


 ひとまずお茶をいただく。今日ここに来たのは暁美さんに志筑さんのことで話そうと思ってたからだった。

 魔法関連のことじゃないけど、本人に聞かれる場所で話すことでもないだろう。



*ひとまず優雅なティータイム!
1今日のパトロールについて
2佐倉さんはどのくらい来てる?
3自由安価

 下2レス



貴方「最近みんながどうしてるのか把握してないけど、昨日はパトロール誰が行った?」

まどか「昨日はわたしとマミさん」

貴方「へー。みんなは話し合ったりしてるの?」

さやか「もうほとんど順番かなあ。仁美から何も誘われなければ後で三人で待ち合わせて行ってもいいんだけど」

まどか「誰か一人は順番で絶対行くって決めて、一人じゃ危ないからその人が誰かを誘えばいいかなって」

マミ「昨日は鹿目さんから誘ってくれたのよ。おとといも美樹さんから」

まどか「マミさんがついてれば安心だから!」

貴方「巴さん、大人気ですね」

ほむら「……まどか、昨日行ってたのね」


 暁美さんはそれを知るとちょっと寂しそうにつぶやいた。

 どうして暁美さんが鹿目さんを守ることにこだわるのか、聞いた時ははぐらかされてしまったけど……。

 改めて考えてみると、どこか義務感めいたものも感じた。


貴方「今日のパトロールは決まってる?あ、順番からすると暁美さんか」

ほむら「そうなるわね」

貴方「暁美さんは誰と行くか決まってるの?」

ほむら「いえ……。別に私は一人でも構わないわ」

マミ「魔女にも色んな魔女がいるし、どんなに強くたって絶対に負けることがないとは言い切れないわ」

マミ「せっかく仲間がいるんだから、無用なリスクを負うことはないと思うけど?」

ほむら「佐倉さんだってこの時間は一人だし、いつも誰かと一緒ってわけじゃないでしょう?」

マミ「それはそうだけど……」


 ……巴さんはまだ食い下がるようだ。



1一緒に行く?
2巴さんに任せる
3自由安価

 下2レス


貴方「一緒に行く?俺も最近サボってたし……」

ほむら「【貴方】くんからそう言ってくれるならまあ……いいけれど……」

マミ「暁美さんはみんなのことを弱い存在だと思ってない? ……特に鹿目さんなのかな?」

ほむら「実際にまどかは契約してから時期が浅いんでしょう? あと、美樹さんと【貴方】くんも」

マミ「暁美さんのみんなを守りたいっていう気持ちは立派だと思う。私も先輩としてみんなを守らないとって、そう思ってたから」

マミ「でもね、それに囚われすぎても自分を苦しめるだけだってわかったのよ。そんな時、自分を助けてくれるのも仲間よ」

ほむら「他の人からも同じようなことを言われたことがあるわ」


 暁美さんがちらりと視線をこちらに向ける。

 ああ、たしかに俺も似たようなことを言った。


ほむら「でも私は別に一人で戦うことは苦しいと思ってない。あなたとは……根本的に違うのよ。抱えている問題が」

マミ「抱えている……問題……?」

ほむら「でも仲間と協力するのが嫌ってわけじゃないから。放課後は一緒に行きましょう、【貴方】くん」

貴方「あ、ああ」


 ――……暁美さんの言葉に不思議な違和感を覚えつつも、ティータイムが終わった後は教室に戻っていく。

 その途中で暁美さんに声をかける。


貴方「あのさ、暁美さん。志筑さんのことなんだけど」

ほむら「志筑さん? ……もしかしてあの『果たし状』のこと?」

貴方「いやまああれもだけど……もっと話す機会とか作れないかな?志筑さん、暁美さんと仲良くしたいって言ってたから」



貴方「同じクラスで一緒にいることも多いんだから、機会は作ろうとおもえば作れると思うんだ」

ほむら「何を話したらいいかわからないから……またあのことを言い出されても困るし」

貴方「思ったんだけどさ……何を話したらいいかわからないのは何も知らないからじゃない? だったらまずは互いを知ることから始めればいいんだよ」

貴方「志筑さんが知った共通点がたまたま合気道だったんだよ。まあ、俺のついた嘘なんだけど。他に共通点がわかれば別のことも話せるさ」

ほむら「なるほど…………そういう考え方もあるのね」

ほむら「わかったわ。今度何か話してみる」


 暁美さんは思ったより素直に頷いてくれた。

 『一人で戦うのが苦しくない』ことも本当なんだろうけど、孤独が苦しくないわけではないよな。

 前に話した時のことも思い出す。きっと少し、不器用なだけなんだ。



 ――――昼休みの終わりが近づく廊下で、ふとこっちを見てる影に気づいた。



仁美「【貴方】くんと暁美さん……二人でどちらへ?」

貴方「え?ああ……ちょっと屋上に。さっきまで美樹と鹿目さんも一緒だったよ」

仁美「そうですか……」

ほむら「志筑さん、授業が終わるまで少し話さない?」

仁美「えっ?はい!それはもちろん良いですわ」


――――
――――

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>>718 【訂正】授業が終わるまで少し話さない?→授業が始まるまで少し話さない?
…逆のこと言ってて草。うん、真面目な仁美さんは授業中の私語の堂々たる誘いなんて許しません。
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放課後



 ――――魔女結界の中。

 前と同じように暁美さんに指示をもらう形で進んでいき、最深部に来ていた。


貴方「はっ――――!」


 戦いの末、必殺の一撃で戦いは幕を閉じた。

 ……グリーフシードを手にして、結界のあった路地裏に戻ってくる。


ほむら「膝をすりむいてるわよ。一人で前に出て無茶をするから……」

貴方「あれ、ホントだ。悪い悪い、暁美さんに頼れって言ったくせに俺も張り切りすぎてたな」

ほむら「……本当よ。気を付けて頂戴。まだ魔法少女としては私のほうが強いのだから」

貴方「『まだ』……か。追い抜けるかな」

ほむら「どうかしらね。私の魔法ならそうそう後れを取ることなんてないわよ」


 この程度のかすり傷なら自力で治せる。

 しゃがんで膝にソウルジェムを翳す。暁美さんには少しの間待ってもらっていた。



1志筑さんとは何か話せた?
2昼の違和感について
3自由安価

 下2レス



貴方「志筑さんとは何か話せた?」

ほむら「ええ……少しね。志筑さんのことついてはたくさん聞けたわ。趣味の話とか、習い事の話とか」

貴方「暁美さんのことは話してないの?」

ほむら「私はあまり話せることがないから」

貴方「魔法少女のこととかじゃなければそんなに秘密にしなくてもいいのに……」

ほむら「いえ……考えてみたら私は自分について語れることなんてなかったのよ」

ほむら「好きなものとかも特に思い浮かばないし」

貴方「うーん、そっか。まあ話せてよかったじゃないか。後のことはきっと、これからでも話していけるよ」


 しかし、暁美さんのことを知りたがってた志筑さんからすれば、まだ消化不良かなあ。


 ――俺だったらどうだろうか。『自分について語れること』。

 俺もそう言われるとそんなものはない気がした。


貴方「よし、もう治ったよ。ここを出よう」

ほむら「ええ」

貴方「次はどこ回る?――――……あ」


 表の通りに出る。……すると、志筑さんと偶然鉢合わせた。楽器のケースを持っている。


仁美「【貴方】くんと暁美さん……今、その奥の道から……?」

貴方「あ、いや、これは……」


 危ないところには行かないように説得するって言ったのに、これを見られたのはちょっとまずいかも。

 よりによって暁美さんと一緒なんて。


ほむら「私が……、私が付き合ってもらったの。……散歩に」

仁美「えぇと……それって」

貴方「志筑さんは何してるとこ?習い事?」

仁美「はい……。私はこれからバイオリンの稽古ですわ」


 バイオリン……志筑さんも習ってたのか。

 強引に話題を変えたけど気まずい。暁美さんも同じように思ってたらしく、更に強引に踏み出していった。


ほむら「行きましょう」

貴方「あっ、暁美さん」

仁美「お待ちくださいまし!」

ほむら「あなたは習い事でしょう?私たちは用事があるの」



 ……暁美さん、なにか自分から悪役を買ってでようとしてる気がする。



1暁美さんについていく
2志筑さんのところにとどまる

 下2レス



 俺も暁美さんについていった。


仁美「……行ってしまうのですね」

貴方「ごめんね。まだ用事の途中なんだ。このことはきっとあとで話すから。……暁美さんが悪いんじゃないよ。志筑さんも習い事がんばって」


 暁美さん、俺がついていかなかったら一人で戦う気だろうから。

 暁美さんは強いし並の魔女に負けることはないと思う。でも、戦いのリスクだけじゃない。今日一緒に行くって言ったのは俺だ。

 この場で暁美さんを悪役にして一人にするのは嫌だった。


ほむら「……後でなんて話すの?」

貴方「それは……どうしようかな……」


 いっそ魔法少女と魔法少年のことを話せたら楽だ。でも、それでも心配というものが簡単に収まるだろうか?

 下手に興味を持ったら厄介なことになりかねない。


貴方「魔法少女のことは話さない。でも、どうしても用事があって自分からあの場所に行ったってことは言おうと思うよ」

貴方「話せないことはある。でももう嘘はつきたくないんだ」

ほむら「……そう」


 暁美さんは止めはしなかった。

 それから、再びパトロールに戻って行った……――。



四回目【貴方】 8日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・一緒に下校
・暁美ほむら・・・頼ってほしい↑
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

――――
9日目 教室



*「――1582年、明智光秀が主君の織田信長を本能寺におそって自害させたことを本能寺の変といって……」


仁美「…………」


貴方(志筑さん、やっぱり暁美さんのこと見てるな……)

貴方(あっ、こっちを見た)


 気づかれないように慌てて目を逸らす。


 授業中、ボードの前では教師が淡々と歴史について話している。

 志筑さんの視線の先を気にしてたけど、考えてみれば彼女を見てるのは俺もだった。

 ああは言ったけれど、なかなか話す機会がない。志筑さんは表面上は気にしてないように振舞っていた。



貴方(あー、駄目だ駄目だ!今はテレパシーもしてないんだし集中しないと……)



――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 帰りのHRが終わり、下校のチャイムが鳴る。

 ……学校じゃ志筑さんは朝から大体女子グループと一緒だったけど、話すなら今だ。


貴方「志筑さん、ちょっといい? 昨日、話すって言ったこと」

仁美「……ここで話しますか?」

貴方「いや……そうだな。少し場所を変えたほうがいいかも」


 教室にはまだ人が残っていた。

 核心については話さないとはいえ、大っぴらに話すことでもない。興味を持った人が邪推しないとも限らないし。


 人気のない場所を思い浮かべて、ひとまず屋上に場所を移す。俺たち以外に人影はなかった。


貴方「……まず、ごめん。俺、志筑さんに嘘ついてたことがあるんだ」

貴方「暁美さんが合気道やってるってのは俺の適当なでまかせ。みんなの用事を知らなかったっていうのも嘘」

貴方「そして、みんなに変な場所行かないように説得したっていうのも……嘘。その場しのぎの方便でしかなかった」

仁美「【貴方】くん、私にそんなに嘘を……隠し事をしていたのですね。いえ、みんなも」

貴方「でも、何か危険なことがあったときに対処できる力を持っているのは本当だ」

仁美「それじゃまるで不思議な力でも持っているみたいな……」

貴方「その力が『何』とは言えない。これもごめん。全部は話せないけど、俺たちにはやらなくちゃいけないことがあるんだ」

仁美「……だからあんな変な場所にばかり行っていると?」

貴方「まあ、そういうことなんだけど」

仁美「事情は話してくれないのですか?」

貴方「……ごめん」

仁美「納得ができるわけありませんわ!」


 まあ、そうだよな。

 これ以上なんて伝えたらいいだろうか……そう思っていると。


仁美「でも、『散歩』とごまかされるよりはまだマシでした」


 納得はしてないだろうな。でも嘘よりはマシ――か。

 俺も同じ気持ちだった。


仁美「……それで、【貴方】くんは今日も行くんですか?」



1今日はもう帰ろう
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)

 下2レス



貴方「いや……、今日はもう帰ろうかな」

仁美「そうですか」


 そう言うと志筑さんは少しほっとしたように表情を緩めた。

 今日は一周回って美樹と誰かが行くはずだ。やめるわけにはいかないけど……。


貴方「またいつものたい焼きでも食べにいこう。おごるからさ」

仁美「はい。今度は【貴方】くんの番でしたわね」



 いつものたい焼き屋さんに寄って、一緒に帰り道を歩く。



 今は全部は話せない。

 けれど――もしもこの先この街が本当に平和になったり、もしくはもっと年を取ったり?


 その時まで一緒に居るかはわからない。その時一緒にいるのは誰なんだろうか?


 もし戦うことがなくなって、その時も一緒にいたら、

 その時は全部本当のことを打ち明けてみてもいいかもしれないな。




四回目【貴方】 9日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・嘘はつきたくない↑
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ

――――
10日目 屋上



 翌日、昼食の時間になるとまたここに来ていた。

 一応魔法少女にも関わることだから、昨日話した内容についてはみんなにも言った。


マミ「そう……その子がそれで納得してくれるかはわからないけど、その流れだと仕方ないかしらね」

さやか「元はといえば疑われたのはあたしたちの失敗だしねー」

ほむら「ええ。このことはあなただけの責任ではないわ」

貴方「そう言ってくれて助かるよ」

まどか「魔法や魔女のことに関しては言ってないんだよね?」

貴方「ああ、言ってない。巻き込みたくはないから」

マミ「そのほうがいいでしょうね。興味本位で近づかれても困るし、このことがきっかけで関わることになったら……」

さやか「仁美ももしかしたら契約したりとか?」

マミ「まあありえない話じゃないわね。素質が出来るきっかけもわからないし、その有無もキュゥべえにしかわからないもの」

マミ「私達に黙ってるだけでもしかしたら……ってこともないわけじゃないわね」


 一通り話を終えると、そろそろ昼休みも残りわずかになる時間だ。


まどか「……そろそろ下、戻ります?」

マミ「そうね。午後の授業も頑張ってね」

さやか「そちらもー!」



 屋上を後にすると、三年生の巴さんと別れて、クラスメイト三人で教室に戻っていく。

 ……すると、その途中でまた志筑さんに見られることになる。


仁美「また暁美さんと……? ……いえ、さやかさんとまどかさんも」

貴方「あ……志筑さん、こっちに何か用?もうすぐ昼休み終わっちゃうよ」

仁美「い、いえ……!なんでもありませんわ」

さやか「だったら一緒に教室戻る?」

仁美「はい!」



 今は全部は話せない――それも仕方のないことなんだよな。



――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



中沢「――つーわけでさー、その時……」

恭介「懐かしいなあ。そういえば昔さやかとも似たようなことあったよ」

貴方「美樹か……」


 話題に出てきてふと教室を見回してみると、あの三人の姿はなかった。

 一人だけ、志筑さんは残っていたけれどほどなくして去ってしまう。

 ……前にもこんなことあったような。


貴方「最近、志筑さんとはどうなんだ?」

恭介「志筑さんと?特に変わらないと思うけど」

恭介「……あ、一つ変わったことといえば、杖をやめてからは登校の時の付き添いをやめたんだ」

中沢「えー、俺なら怪我が治ったって付き添ってほしーわ!むしろ仮病使う!自覚持てよな!クラスのマドンナと付き合ってるっていう!」


 このところ放課後は忙しそうにしてたが、いつも昼は二人一緒にいた。

 そのおかげで屋上でのことがバレずに済んでいるから都合がいいといえば良いんだけど。

 でも、たしかに前は朝も二人一緒に来てた……気がする。


恭介「そんなわけにはいかないよ。毎朝来てもらうのは負担になると思ってさ」

貴方「それで今は四人一緒に来てるのか……」

中沢「あーあ、ノロケ聞かされたら冷めたわ。そろそろ帰るか」

貴方「ノロケか?まあいいや、行こう」

恭介「僕も帰ってバイオリンの練習でもするよ」



 弾んでた話を切り上げ、校舎を出る。

 ……さっき見た志筑さんのことも気になって頭を過ぎったが、もう帰っちゃったかな。


 そんなことを考えてたところで、上を見ると――――屋上にその姿が見えた。

屋上



 校舎に戻って階段を上っていく。屋上には相変わらず人気がない。

 変なことをするつもりではないだろうけど、一人でこんなところにいるのは普通ではないと思った。


仁美「上条君……」


 近づく人の気配に気づくと志筑さんが振り返る。物憂げな背中と横顔。


貴方「……ごめん。上条は帰ったんだ」

仁美「【貴方】くんが謝ることじゃないですわ。ただの私の勘違い……いえ、願望ですから」


 屋上といえば昨日俺が誘って志筑さんと話した場所でもある。

 ……もしかして、今日あんな場所で会ったのも屋上に行こうとしたから?


 どうして? ここに集まって秘密の会話をしてることに気づいたのか?


仁美「【貴方】くん、お昼はどちらにいらしたのですか?」

貴方「……ここにいた」

仁美「ここでさやかさんたちと何をしていたか、というのも話せないことですか?」

貴方「まあ……そうだね。昨日話したことが関わってる」

仁美「あぁ、やっぱりそうなんですね……」

貴方「ごめん、志筑さん」

仁美「なんだかさっきから謝ってばかりですわね。聞かれたくないなら私は問い詰めたりはしませんよ」



1志筑さんはここで何をしてたの?
2何か悩んでない?
3自由安価

 下2レス



貴方「何か悩んでない?」

仁美「……問い詰めたりはしませんが、私も寂しいなとは思いますよ」

仁美「さやかさんとまどかさんとはずっと一緒だと思ってましたし、それに、【貴方】くんにまで隠し事されてたなんて……」

貴方「でも、本当にそれだけ?」

仁美「……これ以上は秘密です! じゃあ、これでおあいこってことで」


 多分悩みの一端は俺にもあって、でもそれだけじゃない。

 ……しかし、そう言われてしまうとそれ以上踏み込めなかった。まだ悩んでそうなのにな。


貴方「一緒に帰る?」

仁美「はい。今日は今川焼きの気分です。同じお店にありましたよね」

貴方「今川焼きかぁ、それもいいね」


 今日は金曜日。学校で会えるのは今週はこれで最後。


貴方「そうだ、明日……――土曜もどこか行かない?」

仁美「いいですわ。どこに行きましょうか?」



 屋上を後にして歩きながら二人で話す。

 明日の休日のプランに、好きな今川焼きの中身。些細な日常のできごと。


 話せないことはあるけど、その分見せられるところでは全力でぶつかりたい――と思った。

 ――……悩みを奥に隠して笑う彼女を安心させるためにも。



★仁美ルート★


――――
――――


貴方「……えっ」

仁美『夜になってからの連絡でごめんなさい。明日、どうしても用事が出来てしまって……』

貴方「いや、まあしょうがないよ……。また今度にする?」

仁美『日曜日はご都合あいませんか?』

貴方「ごめん、日曜は予定があって」


 志筑さんから電話がかかってきた。

 日曜日はまた訓練とパトロールの予定がある。遊びを優先するのはさすがに駄目か……。



*仁美ルートなのにまさかのドタキャン
・キャラ選択(まどか/さやか/ほむら/マミ)
・何に誘う?※キャラによっては断られることもあります
1遊びに行く
2パトロールに行く
3訓練する
4家に誘う
5相手の家に行く
6自由安価

 下2レス

――――


仁美「そうですの……。ではまた月曜日、学校で」


 ――――電話を切って、スマホの画面を切り替える。

 すぐ隣には豪奢なライトと、お嬢様らしさを詰め込んだような大きいベッド。


仁美(上条君から誘ってくださるなんて)


 画面には恋人からのメッセージが映っていた。

 恋が叶ってもなお、背中を追っているような気分になっていた恋人からの久しぶりの誘い。

 『願望』が叶ったような心地だった。


仁美(……)


 ――はずなのに。


仁美(……複雑な気持ちは消えませんわね)

仁美(結局私の気持ちは揺れていて、それなのにどっちも全てを手に入れたいと思ってる)



 スマホを放ってベッドに身を預けた。



仁美「はあ……。こんなだから悩んでしまうのですわ…………」



――――
――――

二週目休日



貴方「なかなか魔女の気配見つからないな……」

ほむら「そういう時もあるわよ。辛抱強く探索するしかないわ」


 本当は今頃、志筑さんと一緒に遊びに出かけてる予定だったんだ。急用があるのは仕方ないけど。

 休日の昼間、今は暁美さんと繁華街の表通りを歩いていた。

 目的は素敵なデートってわけではない。パトロールだ。


ほむら「……本当に見つからなければそれで終わりでもいいのだけど」

貴方「そろそろ昼飯にしない?この辺いい店いろいろあるし」

ほむら「私は食べてから来たけど、【貴方】くんはまだなの?」

貴方「え、まあ……」

ほむら「どこに食べに行くの?私は飲み物だけでいいわ」

貴方「……暁美さんが食べないならその辺で買ってくればいいや」


 コンビニで適当にパンを買ってきて公園のベンチに腰掛ける。

 暁美さんにもお菓子でもどうかと勧めてみたけど、いらないと言われてしまった。


ほむら「【貴方】くん、魔女の魔力よ。戦いにいかないと」

貴方「えっ、今パンの袋空けちゃったのに!」

ほむら「それなら私一人でも。すぐに終わるわ」

貴方「そういうわけにはいかねーよ!せっかく二人でいるんだから」


 ……やっぱり、暁美さんは自分一人のほうが早く終わるって思ってるんだ。

 そう思うと情けない気分になった。

 いや、魔法を使えば実際そうだ。特に止まった時間を知ることのない俺にとっては。



ほむら「なら早く済ませるわよ」

貴方「あ、ちょっとこれ袋ごと盾に入れてくれないかな?」

ほむら「……しょうがないわね」


 彼女が変身すると左腕に装着される盾は、一見小さいが見た目以上の空間を内包している。

 普段戦いではそこからありとあらゆる銃火器の類を取り出してるのを見かけるが、ちょっとした収納としても優秀だった。

 暁美さんの持つ魔法の力ってつくづく便利だよな。戦いもそうだけど、日常に役立ちそうなのが多い。


 時間を止める力とか、俺が使えるとしたらどう使うか。

 テスト中のカンニングもし放題。盗みもバレないし、気になる女子のスカートの中や着替えを覗くことも――と、ろくでもない考えが出てきたからやめておこう。

 悪用しようと思えばいくらでも悪用できる力だけど、暁美さんは本来の使い方以外に興味はなさそうだ。



 ――――魔女を倒して、公園のベンチに戻る。

 これでやっと一息つける。



貴方「しまっててくれてありがとう!」

ほむら「今回は仕方ないけど、こういう使い方をするものじゃないのだけどね」

貴方「そんなこと言って、実は暁美さんの私物も入ってたりしないの?」

ほむら「いいえ、武器以外ないはずよ……多分」



*雑談
1銃火器類について
2魔法の使い方について
3自由安価

 下2レス


貴方「武器といえば、その銃火器類ってどこから出てきてるんだ? 実在するやつ? 全部使いこなしてるのもすげー」

ほむら「ざあ……多分実在するものよ。使い方はなんとなくわかる」

貴方「へー。こういうのは男心くすぐられるよなあ。巴さんのとは違って、見た目もそうだけど匂いも違うし、魔法って感じがしないっていうか」

ほむら「!」


 ……純粋な気持ちで褒めてたつもりだったけど、そう言うと、暁美さんはあまり良くない反応をした気がした。

 あれ、なんか変なこと言っちゃったか。


ほむら「もしかして私って、その……臭い?」

貴方「え!そういう意味で言ったんじゃないよ!使った後、変身してる間はそういう匂いも残ってるかもしれないけど……!」

ほむら「……変身中は臭いのね」


 そういうこと気にするところはあるのか。

 フォローしたつもりがまったくフォローになってなかった。


貴方「食べ終わったし、そろそろ行く?」

ほむら「食べるの早いのね。ええ、行きましょう」



 つかの間の休憩を終えると、また別の場所を探しに行った……――



― 二週目休日 終了 ―


[好感度] to貴方
美樹さやか★★★巴マミ★★★>志筑仁美★★>暁美ほむら★>鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

――――
11日目 教室



 なんだかんだ魔法少年の仕事に専念することになった休みが明けて、学校での一日も終わろうとしている。

 帰りのHRが終わると今日は班で廊下の掃除をしていた。

 ここにいると下校する生徒の様子が見える。美樹たちも教室から出てくるところだった。


さやか「【貴方】今日掃除当番かぁ」

貴方「まあすぐ終わらせて帰るよ。そういえば、アレってまだ順番制で行ってるの?」

まどか「ううん……もう仁美ちゃんには【貴方】くんが話したって聞いたし、今日は久しぶりに三人でいくところ」

さやか「【貴方】も来る?四人いれば人数的にはバッチリ分けられるけど」

貴方「今日は志筑さんは……」


 パトロールのことを堂々と話せたのも、彼女が今みんなと一緒にいなかったからだった。

 その姿を目で探すと、ちょうど教室の奥から上条と二人並んで歩いてくるのが見えた。


恭介「――ごめん、前約束してたのってどこだったっけ?」

仁美「もうっ、忘れないでくださいまし。この前は忘れて帰ってしまわれて……私、寂しかったんですのよ?」

仁美「一緒にショッピングでも、って誘ったんですわ」



恭介「そうだった。いつも練習ばっかりで本当にごめんね! ……あ、今度また一緒に練習する?バイオリン」

仁美「そ、そんなこと…………ありがたいのですが、上条君の邪魔をするわけにはいきませんわ」

仁美「私も習っている身といっても、上条君とは比べられるような腕前じゃないですし。どうしても上条君は先生役になってしまうでしょう?」

恭介「ああ……たしかにこの前はそうだったね」

仁美「……私は別に、上条君の練習に付き添うだけでも構いませんよ。参考にできるだけで光栄ですもの」

恭介「そっか。そう言ってくれるならよかった。それなら――――」


 そして、仲睦まじそうに喋りながら教室を出て行く。

 ……今日は放課後二人一緒なのか。

 志筑さんからすれば嬉しい事だろう。これまでアイツのことを思って寂しそうにしているところは何度か見てきたから。


さやか「見せつけてくれるよね。まあ、もういいけど」

貴方「…………」


 けど、なんか、なんとなく面白くなかった。

 最近よく話してたから、友達がとられたみたいな。


貴方(思い上がりだよな。嫉妬みたいでカッコわりい……)


 そんなことを考えてると、野次が飛んできた。


*「女の子たちとイチャついて掃除サボるなようらやましいな!」

さやか「別にイチャついてなんか!」

まどか「邪魔してごめんね。いこっか」

ほむら「……ええ」


貴方『やっぱパトロール俺も行く。ちょっと待っててくれ!』


 ひとまず今は掃除に戻りつつ、テレパシーで伝えた。


*仁美ルートなのに以下略
・パトロールで組む人(ほむら/まどか/さやか)

 下2レス



 ――掃除が終わってからみんなと下で合流する。

 二人ずつに分かれるならやっぱ暁美さんは鹿目さんと行きたがるのかな。

 とりあえず俺は暁美さんとは最近一緒に行ってたし、今日は久しぶりに美樹と一緒だ。暁美さんと鹿目さんの二人とは校門で別れた。


貴方「三人でのパトロールっていつもどんな感じ?」

さやか「弓使いのまどかと銃使いのほむらは一応後衛でしょ。二人とも射撃の腕は的確だよ。まどかだって誤射なんかしないし」

さやか「そして、二人の前を颯爽と守るあたし!」

貴方「あー、切り込み隊長やってるイメージは容易につくな」

さやか「まーそんな感じかな?もたもたしてるとほむらやまどかに全部撃ち落とされちゃうからね」

貴方「一人で前に突っ込んでって傷ついたりするなよ。今日は俺だって前に出られるから」

さやか「そうだね。たまには歩幅を合わせて戦うのも悪くないか」


 ベテランの暁美さんと一緒の時は何かあっても負けないだろうって安心感はあったし、教えてもらうことも多かった。

 今日は指示をくれる人はいない。

 美樹のことも仲間として信頼してるけど、やっぱ危なっかしいところはあるし、治せるとはいえ傷つく姿は見たくない。


 ――ひっそりとした廃屋に魔力を感じて乗り込んで、無事倒して戻ってきた。

 『守らないと』っていうのはお互い同じ気持ちだ。美樹とは一番契約時期も近そうだから、同じ視線に立ってる気がする。



さやか「ふー、一仕事おわったぁ。さすがに空気悪いとこには長いこといたくないわよね」

貴方「そうだなぁ。美樹、制服に黒い埃みたいなのついてる」

さやか「この制服白いから目立つんだよね。一旦帰って着替えてくればよかったかな。まあでも、街を守る魔法少女たるもの汚れる程度気にしてられないし」

さやか「いざとなれば魔力の使い方次第で綺麗にも出来るってマミさん言ってたわ」

貴方「へえ。魔力って思ってたよりも万能なんだな」


 美樹は制服の袖をはたきながら言う。志筑さんの反応と比べると逞しいものだなと思う。

 魔法少女はみんなああ見えて逞しいのかもしれない。


貴方「あ、頭に蜘蛛の巣も……」

さやか「やだぁー!取ってよ」


 ……さすがにこれは嫌だったらしい。まあ、俺でも嫌だし。

 取ってあげた後、しばらく髪をなおしていた。一戦した後だしちょっと休憩にしよう。


貴方「まあでも、お互い傷はつかないでよかったよな」

さやか「だねー。やっぱ傷つきながら戦う魔法少女って見栄え悪いし」

貴方「そこ気にしてんの? 見栄えって見てるの俺だけじゃん」

さやか「やっぱ憧れるじゃん。理想と現実は違うってのはあるけどさ。【貴方】は憧れない?【貴方】が思う魔法少年ってどんなの?」



1ヒーロー?
2騎士?
3魔法少年は魔法少年だよ
4自由安価

 下2レス


貴方「騎士?」

さやか「おーっ、かっこいー!見滝原を守るナイト?」

貴方「スーパーマンみたいなのよりはそれが近いかな。魔法少年っつーのもファンシーすぎてちょっと恥ずかしいし」

さやか「うーん、まあたしかにね」

貴方「正義のヒーローって聞くと超人をイメージしちゃうんだよな。自分がそんなにすごい存在だとは思えないし」

さやか「えー、そう聞くとあたしが自信過剰みたいじゃん。まあいいや、あたしはあくまで正義のヒーローを志す者だからね」

貴方「いや、美樹はそれで合ってる気がするよ」

さやか「そう!?」

貴方「俺はもっと身近なところ……たとえばその場に居合わせた人や、仲間とか。まずはそういうのを守ることから考えたいと思って」

貴方「それが街を守るっていう大きいことにもつながるし」

さやか「それってじゃあ、あたしも入ってるってことだよね」

貴方「ああ。もちろん」


 今までたいして考えたことなかったけど、『騎士』か。悪くないな。


さやか「さてと、じゃあまた人々を守りにいきますか!騎士長殿!」

貴方「そう言われるとやっぱ恥ずかしいな……」



 『ヒーロー』と『騎士』はともに並んで次の戦場を探しにいく。

 現実は理想通りにいかないこともあるけど、志に恥じない戦いをしたいと思った。



四回目【貴方】 11日目終了


★仁美ルート★

――――
――――
12日目 放課後



 ――和風の家屋のある一室でバイオリンの音色が響いていた。

 志筑邸にある防音の音楽室よりは狭いが、十分な大きさと設備を備えた部屋だった。

 これが自室だというのだから音楽好きは本格的なものだというのが伝わってくる。


恭介「……今の、少し違ったな」


 彼は曲の途中で演奏の手を止めて口を開いた。


恭介「志筑さんはどう思う?」

仁美「音は合ってたと思いますけど……」

恭介「音じゃなくてさ。僕の思ってた表現と違った気がしたんだ」

仁美「えっと……そうなんですの?私にはとても綺麗に思えましたけど」

恭介「……そうか」


 褒められても困るというように、彼はちょっと落胆したようだった。

 もしかしたら失望されてしまったのではないかとも思う。

 練習についていけるだけでも光栄だと言ったのは自分だった。

 近くに居られれば、彼の奏でる音色を直接聴けるなら、と思っていたものの、何も力になってあげられないのは残念に思ってしまう。



恭介「さやかだったらこういう時、結構鋭いこと言ってくれたりするんだけどね」

仁美「どうしてさやかさんなんですの?」

恭介「え、それは幼馴染だし、よくバイオリンを聴いてくれたから……深い意味はないよ!」


 多分彼にとっては本当になにげなく漏れた一言だったのだろう。

 しかし私は負けた気がしてしまった。バイオリンどころか、学校の授業以外で楽器を習ったことすらない彼女に。


 かつて恋のライバルだった親友。私は彼女を負かす形で彼の隣に寄り添った。

 ……そして、そんな彼女が今、だれに心を寄せているかも私は知っていた。


仁美「そういえば、さやかさんとは今は?」

恭介「あんまり会ってないよ。なんかあっちも忙しいらしくてね。何かやることがあるんだってさ」

仁美「……」

恭介「とりあえず、練習を続けるね。何か思ったことがあったら言って」



 再びバイオリンを構える。

 ――……二つ、心に棘はひっかかったままだった。


――――
――――
13日目 放課後



 ――――あれから志筑さんは放課後上条と一緒に帰ることが多くなった。

 俺はやっぱりそれをちょっと寂しく思ってた。

 それに合わせるように俺も誰かとパトロールに行くことが増えて、でもそれを見られると志筑さんとは少し気まずくなってしまう。


貴方(志筑さん、問い詰めはしなくても絶対怪しんでるよな。それに――)

貴方(――――そういうとき、なんだか少し悲しそうな目をしてる気がする)


 リスクは承知で、本当は今すぐ全て話してしまったほうがいいんだろうか。

 ……いや、違う。今すぐ話すか、話さないかじゃない。


貴方(……話しても不安が消えるわけじゃないっていうのはわかってたじゃねーか)



 とりあえず、話をしたかった。

 こっちから声をかけないと行ってしまう。



貴方「志筑さん、今日ってこれから空いてる?」

仁美「ええと……特に決まった予定はありませんが」

貴方「じゃあ話せないかな。場所は屋上で」



 放課後の屋上。

 前にも志筑さんと何度かここに来ている。話といえばこの場所だった。


貴方「急にごめん。最近上条とは上手くやれてるみたいだね」

仁美「私から申し出て練習の付き添いをさせてもらっているのですが……最近、私がいても邪魔なだけなのではないかとも思えてきました」

仁美「前までは近くに居られるだけでいいと思っていたのに。高望みしすぎなんですかね。段々、上条君に何をしてほしいのかわからなくなってきてしまいましたわ」

貴方「してもらいたいことははっきり伝えたほうがいいと思うよ。本当は自分ではわかってるんじゃない?」

貴方「もっとこうしてくれたらいいのに、こうだったらいいのに……とか」

仁美「そうですわね……。私、もう自分の気持ちに嘘はつかないと決めましたのに」


 そう言いつつも、何も言わなくても相手からしてほしいって気持ちもなんとなくわかる。

 あまり口を出すことじゃないのかもしれないけど、待ってても変わらない気はした。


 ……でもまずは、ここで話すのは俺と志筑さんの間にある問題だ。

 今すぐ事情を話すか話さないかじゃなくて、俺が安心させられてないままにしてたから駄目だったんだ。


貴方「暁美さんや美樹とのこと、やっぱり志筑さんからしたら不安だよね。そのことについて話そうと思って」

仁美「話してくれるんですの?」

貴方「まだ事情は話せないけど……」

仁美「『まだ』?」

貴方「……うん。でも絶対にいつか話すって、それだけは伝えたかった」

貴方「今は話せないし、何年か先になるかもしれない。卒業したら高校は離れるし……その時に一緒にいるかわからないからこの前はそう約束できなかったけど」

貴方「やっぱり志筑さんとは一緒にいたいなって思ったんだ」

仁美「わかりましたわ。【貴方】くんがそこまで言うのなら信じます」

仁美「でしたら、一緒にいるために……約束を果たすためにも、危ないことは極力避けてくださいね?それから、さやかさんたちのことも……!」

貴方「うん。わかってる。約束するよ」



 戦いをやめるのは無理だけど、危ない戦い方だけはしないようにしたいと思った。

 幸い心強い仲間もいっぱいいるんだ。もちろんその仲間、彼女の親友に危機が迫った時にも守ることを再び決意した。

 仲間と守り合っていけば、危険もぐっと減る。


 そして――――早く見滝原を戦う必要のない平和な街にしよう。




四回目【貴方】 13日目終了


★仁美ルート★

――――
――――
14日目



 志筑さんと話をして、その翌日。

 あれはちょっとした決心だった。少しは不安や疑念も解けたのだろうか。


 何かの心変わりは果たしたらしい。しかし、その結果がこんな形で出てくるとは思ってなかったんだが――。


ほむら「……」

さやか「これは?」

貴方「『果たし状2』?」

ほむら「……どう考えても志筑さんよね」


 今回は昼を待たずして、暁美さんが小休憩から戻ってきた隙に置いてあった。

 実は置くところも目撃している。

 あまり隠す気もないらしく、志筑さんも会話に加わった。……まだ諦めきれてなかったのだろうか。


仁美「暁美さん!いざ尋常に勝負でしてよ!……この間は気づいていただけなかったようでしたから」


 無視されたことはあえて知らないふりなのか。

 今回はむしろ、みんなのいるところで話すことでスルーできないようにしてるみたいだ。


ほむら「……勝負って言われても、合気道は無理よ」

仁美「はい。それは嘘だと教えていただきましたから。勝負の内容はみなさんにお任せしますわ」

仁美「わたくし、暁美さんとお近づきになりたいんですの。暁美さんの本当の得手不得手も知りたいですし」

まどか「わたしたちがやることを決めるの?」

仁美「そのほうが公正になるかと」



 ……勝負の内容は任せるって。

 習い事やってるぶん、志筑さんのほうが有利なことも多そうな気もしてきた。



・勝負の内容(自由安価)

 下2レス



貴方「ダーツとか……?」

ほむら「それはどこに行けばいいの?」

さやか「ゲーセンとかにあったっけ?」

貴方「たしか駅前にあったよ」

仁美「それなら放課後は対決しに行きましょう!よろしいですか?」

ほむら「別に構わないけど……」

仁美「ちなみにご経験は?」

ほむら「ないと思うわ」

仁美「そうですか。でしたら差はありませんわね」



 ――――放課後は駅前の複合施設に行くことになった。

 まずは二人の勝負で、俺らも観客としてついていっている。



 下1レスコンマ判定 どっちが勝った?
0~50 仁美
51~99 ほむら



 ドリンクを片手に座って眺める。

 暁美さんがしょっぱなから真ん中を当てたりしたものの、二人とも経験はないらしく、その後は当たることもあり外れる事もありって感じだった。


仁美「あら……負けてしまいましたわ。暁美さん、おめでとうございます」

まどか「一発目真ん中あててたもんね」

ほむら「ビギナーズラックってやつじゃないかしら?ただの運よ。次やったら結果はわからないわ」

さやか「ほむらって勝っても負けても平然としてそうだよねぇ。何かほむらが負けて悔しがるものってないのかなぁ」

ほむら「……自分でも思い浮かばないわ」


 強いて言うなら本当の魔女との戦いくらいか。

 そういえば、合気道ではないけど格闘の勝負だったら結果はどうなったんだろう。案外動きだけなら互角くらいにいったりして。


仁美「勝負も終わりましたし、全員で遊びましょうか。見てるだけよりもきっと楽しいですわよ」

貴方「それもそうだな。ちょっとやってみたかったんだ」

さやか「あたしもー!」

仁美「暁美さん、また何か勝負しましょうね。今回は未経験同士でしたが、経験のある物事で戦ったらまた心境も違うと思いますし」

まどか「今度はお料理対決とかどう?」

ほむら「……やったことがないわ」

仁美「また未経験同士になりそうですわね……ですが、やるなら準備はしましてよ?」


 未経験同士なのか、とか思いつつ羽を手に取ってダーツ盤に向かう。

 ――――ひさしぶりにみんなで遊んだ!



四回目【貴方】 14日目終了


★仁美ルート★

――――
15日目



 今日は放課後になると、志筑さんはすぐに帰ってしまった。


 学校が終わるとまた週末がやってくる。

 そして、俺も帰宅した後、日が暮れる頃の時間になってから志筑さんから連絡が来た。


 『先週は急用を優先してしまいすみませんでした。今週は空いていますか?』


 とくに予定はなかったので、了承の返事を送る。



――――
――――
三周目休日



貴方「志筑さん」

仁美「【貴方】くん、ご機嫌麗しゅう」


 この独特の挨拶も少し慣れてきた。

 待ち合わせにしてたのは小さなカフェだが、志筑さんがいるだけで更に上品さが増して見えた。


貴方「おとといは楽しかったね。みんなでダーツやって」

仁美「はい。まだ仲良くなったと言うには早いかもしれませんが、暁美さんとも遊べてよかったですわ」

仁美「自分から誘えてよかった。【貴方】くんも楽しい遊びを提案していただきありがとうございます」

貴方「思いついたことを言っただけだよ。でもよかった」


 ちょっとした雑談に一区切りがつく。……すると、志筑さんは少し神妙な顔をする。


仁美「実は私……バイオリンの習い事をやめてしまいました」

貴方「え、そうなんだ……どうして?」

仁美「私はやっぱり好きだからやっていたわけではないし、向いてないことがわかったので」

仁美「どちらかといえば、感性はさやかさんのほうがあるのかもしれませんね」

貴方「まあ、あいつは音楽好きとは言ってたな……」


 バイオリンは上条との共通点でもある。そりゃ比べたら自信なくすだろうけど、向いてないって言うほどなのかな――とは思った。

 続けるのが重荷になったのだろうか。




仁美「そして……昨日、上条君に『本当の気持ち』を伝えてきたんですの」

仁美「伝えて、別れてきました」

貴方「えっ!…………それでよかったの?」

仁美「『もっとこうしてくれたら、こうだったら』を伝えて、でもそれを望むことが上条君の重荷になるのなら」

仁美「彼にはもっとふさわしい女性がいるはずですわ。私なんかじゃもったいなかったんです」

貴方「そんなことはないよ!」

仁美「……えっ?」

貴方「上条とは多分合わなかったんだと思う。でもそうやって卑下はしてほしくないなって」



★個別END分岐点★



貴方「志筑さんは俺の好きな人だから」

仁美「!」

貴方「ごめんね。別れたって話のすぐ後に話すことじゃないかもしれないけど、今じゃなきゃ伝えられないって思ったんだ」

貴方「上条ほど大きい取り柄はないし金持ちでもないけど、でも大切にするから。寂しい思いはさせないから」

貴方「……俺と付き合ってくれないかな?」


 この勢いで告白する。

 この前屋上で話したのもほとんど告白みたいなものだったけど、あの時はまだ二人が付き合っていたからここまでは言えなかった。

 やっぱりいきなりすぎるかな。今じゃないほうがよかったかな。色々と考えながら返事を待っていると、思いがけない返事をもらえた。


仁美「はい。よろこんで」

貴方「!」

仁美「実は私も【貴方】くんに心は傾いていたんです。隠し事のことで不安を覚えたり、私だけが知らないことに嫉妬したりもしましたが」

仁美「あの約束を信じますから……これからも一緒にいましょうね」

貴方「ああ!一緒にいよう」



―仁美END―


四回目【貴方】 三週目休日終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・☆恋人☆
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美



[好感度] to貴方
志筑仁美☆>美樹さやか★★★巴マミ★★★>暁美ほむら★>鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。



1直前の好感度★★★のまま続行(ハーレム主人公が鈍感なのはお決まりのこと)
2一日目からリセット…攻略済記録は引き継がれます。設定変更が可能。

 下4レス多数決

直前の好感度★★★のまま続行(ハーレム主人公が鈍感なのはお決まりのこと)



貴方「志筑さんは俺の大事な親友だから」

貴方「きっとすぐに志筑さんに合う人だって見つかると思う。俺が一番に応援してるよ!」

仁美「……はい、ありがとうございます。頑張りますわ」



仁美(本当は私もこの場で気持ちを伝えようかと思いましたが……こうはっきり『親友』と言われるとさすがに切り出せませんわね)

仁美(暁美さんは見た感じでは今は気持ちはなさそうですが、さやかさんとはまたライバル同士になってしまいましたわ)

仁美(……本当に、頑張らないと)





四回目【貴方】 三週目休日終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友↑
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美



[好感度] to貴方
美樹さやか★★★巴マミ★★★志筑仁美★★★>暁美ほむら★>鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

――――
16日目 教室



 週が明けて、月曜日。

 変わらない日常だが、俺の周囲の雰囲気はすこしだけ変わっていた。


 前まで暁美さんは四人でいるとほぼ喋っていなかったけれど、

 あの勝負の一件から少しだけ、ほんの少しだけ他の人と話すことも増えたように見えた。


 それから昼。


 誰かと教室を出て行くことのなくなった志筑さんが、隣の席に来ていた。

 俺も話したいことがある時には屋上に行くこともあるが、基本的には教室で食べている。

 上条も教室で他の人と食べているみたいだ。……考えてみれば振られたわけだからヘコんでるかとも思ったが、割と普段通りに見えた。


仁美「お昼って、みなさんいつも屋上のほうに行ってるのでしょうか?」

貴方「あぁ、そうだね。志筑さんの知らない先輩も一人いるよ」

仁美「金髪を巻いている方でしたら、姿だけは拝見したことがありますわ」

貴方「まあその人なんだけど……」


 いつかは話すと言ったけれど、あまり今そっちに関わられるのは困るだろうなと思った。

 契約者だけだから堂々と話せる場にもなってるし、たまに佐倉さんが来ることもある。

 ……高所を軽々と渡る姿なんて見られたら卒倒するだろう。


仁美「あら、やっぱり。でも私は【貴方】くんがいるならこっちで食べますわ」



 とりあえず、志筑さんは屋上に向かう気はないようだ。



1そういえばお料理対決の話ってどうなったの?
2会うことの少ない佐倉さんが気になるな
3自由安価

 下2レス



貴方「そういえばお料理対決の話ってどうなったの?」

仁美「それは…… お互いまだ準備期間が必要みたいですから、一時休戦ですわ」

貴方「休戦かぁ」

仁美「ちなみに、【貴方】くんは何か好きな食べ物はありますの?」



・自由安価(食材か料理)

 下2レス



貴方「カレーかな」

仁美「なるほど、カレーですか……!」


 そう答えて、ふと思った。

 志筑さんも市販のルーのカレーとか食べることあるのかな。それとも、本格インド派……?キーマカレーとかもある。

 どんなものを想像するのか、意外と奥深い料理なのかもしれない。


貴方(考えたらカレー食いたくなってきた)



 そうして、昼休みが過ぎていく。


――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



 ――――放課後はまたクラスメイトで二人ずつに分かれてパトロールに出た。

 場所を分担してるから早く終わるはずだ。……が、しかし、歩けども今日は魔力に遭遇しなかった。


貴方「うーん、なかなか反応がないね」

ほむら「そんな時もあるわよ」


 魔女がいてもいなくても暁美さんは冷静だ。

 こういうのは散歩を楽しむくらいの余裕を持ったほうがいいのかもしれない。

 ……気は抜いちゃダメだけど。


ほむら「他にもたくさん魔法少女がいるんだもの。前日に狩りつくしたのかもしれないわ」

ほむら「まどかたちも私達の行っていないところを探しているし」

貴方「前日って休みじゃん。訓練なかったけど、回ってた?」

ほむら「私は回ったわよ。……暇だったから。散歩のついでよ。何もしないよりは落ち着くかと思って」

貴方「戦いに行って落ち着くってすごいな……」


 しかし、そう聞くと少し引っ掛かった。

 それって逆にそれまで落ち着いてなかったってことなのか。


貴方「何か落ち着かないことでもあったの?」

ほむら「……暇だっただけよ。休みの日は時間がありすぎる。また何か趣味にできそうなものでもあったら紹介して」

貴方「この前やったダーツとかどう?」

ほむら「でも、あまりやる気がしないのよね」

貴方「難しいね……」


 なんだか、何を勧めてもそう言う気はした。

 失礼かもしれないけど、何に対しても興味がなさそうっていうのが暁美さんの印象でもあった。



1戦いが好きなの?
2興味を持とうとしてないんじゃない?
3自由安価

 下2レス



貴方「興味を持とうとしてないんじゃない?楽しもうとしなくちゃ何事も楽しめないと思うよ」

ほむら「……そうなのかしら」


 無自覚なのか。てっきり、わざと何事にも興味がないってスタンスを取っているのかと思ってた。

 入院生活が長かったせいなのか?魔法少女としての経験が長かったせいなのか?


ほむら「たしかに、私は無気力なのかもしれないわね」

貴方「やってみる気になれば、やれることはたくさんあるよ。娯楽もそのへんに溢れてるんだし」

貴方「そういえば、暁美さんって漫画やゲームもしないの?」

ほむら「少なくとも今は。……気が向いたら、いいえ、気が向かなくても何かやってみるのはいいのかもね」


 不思議な答え方をする。

 これを機になにか世界が広がるのならいいんだけど。


貴方「無理にとは言わないけど。魔法少女として戦うのが落ち着くっていうのもさすがって感じだけどね」

ほむら「私に出来ることがそれだけだっただけよ」

貴方「それだけ、ってこともないと思うけど……」


 聞けば聞くほど私生活は無味乾燥な印象を受ける。

 完璧じゃないところもあるしそういうところには親近感がわくこともあるけど、やっぱりミステリアスで、不思議で、それは変わらない。


 ……結局、今日は魔女とも使い魔とも会わないままパトロールを終えた。

 魔力が足りないわけでもないし、まあ平和だと思えばいいのかな。


 別れ際――今日も帰ったら暇な時間を過ごすのだろうか。



1料理対決って準備してる?
2入院中って何やって時間つぶしてたの?
3自由安価

 下2レス



貴方「料理対決って準備してる?」

ほむら「いいえ……」

貴方「料理ってのも趣味にいいかもよ。一人暮らしなら役立ちそうだし。志筑さんはやる気っぽいからさ」

ほむら「道具もないし、なにから始めればいいのかわからないわよ」

貴方「道具か……パトロール早く終わったし、よかったら一緒に見に行く?」

ほむら「安いのでいいわよ。使いこなせるとも限らないのだし」

貴方「百均とかでも売ってるのかな。どうなんだろう。使えるならそれでもいいのかな」


 パトロールはやめにして、二人でデパートの中を探しに行った。

 ……まずは道具をそろえるところからだ。

 それから、料理本も一冊買っていた。


ほむら「……使いこなせる日が来るかはわからないけれどね」

貴方(強調して言うなぁ……)


 これからどうなるかは少し楽しみだ。



四回目【貴方】 16日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美

17日目 教室



 今日も昼は志筑さんと一緒だった。



仁美「あら……ということは、暁美さんお料理はじめたんですのね」

貴方「まあ、はじめた?というか、準備の準備は出来たのかな。昨日帰った後さっそくやってみたのかは知らないけど」

仁美「私も昨日少し挑戦してみたんですの。でもまだ、お見せできるようなものではありませんわ」

貴方「へえ、気になるなあ」


 本人はここにいないけど、話の中で暁美さんのことも出てきた。

 暁美さんもうまいことライバル意識でも持ってくれれば無味乾燥の状態から抜け出せるような気もするけれど、

 そううまくはいかないか。


 ふと、志筑さんの弁当を見てみる。さすがに豪華だ。


貴方「弁当はいつもコックさんかメイドさんが?」

仁美「はい。私がこのレベルのを作れたら良かったのですけどね。残念ながらまだ程遠いです」

貴方「でもすっげーうまそう」

仁美「よろしかったら、一口いります?」

貴方「えっ、いいの?」


 ……教室で二人で食べていると、周りからの視線が突き刺さる気がした。

 ここで志筑さんと二人きりっていうのは注目されるかなあ。


――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



ほむら「……パトロール?」


 帰りのHRを終えて、暁美さんに話しかけに行くとまず出てきたのがその言葉だった。

 たしかに最近はパトロールに誘うことが多かったけれど。


貴方「いや、何か話したいなと思って」

ほむら「何を?」


 ……まるで雑談なんて始めさせてくれないような雰囲気だ。

 みんなといても自分から話題を振ったりすることはほとんどない気もする。


ほむら「話の腰を折ってしまってごめんなさい。何か聞きたいことがあるなら聞いて」



 不器用……なのかな。



1魔法少女の話
2学校生活の話
3昨日の話
4家族の話
5逆に聞きたいことはないか
6自由安価

 下2レス


貴方「暁美さんって成績いいよね」

ほむら「まあそうね」

貴方「みんなの憧れって感じで、そんな暁美さんがまさか魔法少女だったなんて」

ほむら「……『魔法少女だから』じゃないの?」

ほむら「勉強の方はともかく、運動のほうはきっと契約してなければこんなには動けない」

貴方「まあそれはそうだけど……」

ほむら「あなたもいつも、体育の時間は退屈そうにしてるでしょう?」

貴方「あ……バレてた?」


 体育の時間は離れてるのに、意外とこっちのことも見てるんだな――と思った。

 契約してから本気を出すことも本気で取り組むこともなくなって、味気ない時間になっていた。

 美樹も本当はやろうと思えば自分のほうが活躍できるのにって言ってたっけな。


貴方「でも、勉強のほうは普段の努力の結果ってやつじゃない?」

ほむら「……」


 努力。言っておいてなんだけど、普段涼しい顔をしている彼女の印象には合わない言葉に思えた。

 いや、実際には努力してるんだとは思う。

 学校の勉強もそうだし、魔法少女としてもあれだけの力を身につけているんだから。


 ……暁美さんは答えることはなく、長い髪をふわりと手で靡かせるように梳いた。



1パトロールに誘う
2遊びに誘う
3自由安価

 下2レス

自由安価は「その他」っす
たとえば特訓を頼むとか、全然別のキャラ誘いに行くとか。
------------------------------------------------------------

ほむら「……今日は本当に雑談だけ?」

貴方「そろそろ出るか。パトロールが続いてたみたいだし、気分転換に行くのはどう?」

ほむら「どこに?」

貴方「暁美さんは行きたい場所はない?」

ほむら「……別に。任せるけど」


 鹿目さんたちといても、暁美さんは大体人に合わせてる感じがする。

 まあ、任せてくれるならそれはそれで楽しんでもらえるように頑張らないとな。


貴方「とりあえず駅かな。大体揃ってるし。何か食べたいものとかない?」

ほむら「お腹はあまりすいてない」

貴方「じゃあ、見たいものとか」


 昨日は調理器具を見て帰った。あれは早速使ったんだろうか。

 今日はなにをしようか、詳しいことは歩きながら話す。



貴方「みんなといるときはこういうの見てたよね。何か気になるのある?」

ほむら「私は別にそこまでは。それに、あなたが見てもつまらないでしょう?」


 デパートの中を歩きながらいろんなものを軽く見て回る。

 まあ、目的のないショッピングもたまにはいいかな。今いるのはアクセサリーの売ってる店だった。


 ……結局『何をするか』は駅前についても決まらず、興味があるものを探しながら適当にぶらついていた。

 しかし、ほとんどのものはスルーしてしまう。

 こっちのことも考えてくれているみたいだけど、今日は暁美さんの興味のあるものを知りたいんだけどな。


ほむら「あ、そういえば……」


 そして、暁美さんがはじめて反応を示したのは昨日と同じ百均だった。電池が並ぶ棚。


ほむら「電池の残りを使い切っていたわね」

貴方「あ、そうなんだ。買っておく?」

ほむら「そうね」


 やっと興味を持ってくれたのが消耗品の生活用品だった。

 一人暮らしだからそういうのも気にかけないといけないのはわかるけど……。


貴方(実用的なものしか興味ないのかな……)


 そんなところにさらに無味乾燥さを覚えていたが、ふと隣の棚を見ていることに気づく。

 視線の先にあるのは小さな黒猫のぬいぐるみだった。



1ぬいぐるみが好きなの?
2猫が好きなの?
3鹿目さんが好きそうだね
4自由安価

 下2レス



貴方「鹿目さんが好きそうだね」

ほむら「まどか? ……そうね。そういえば、最近黒猫と仲良くなったって言ってたわ」


 と、特にそれ以上は気にする様子はなく手元に視線を戻した。


ほむら「電池、買ってくるわね」

貴方「ああ、うん」


 一通りフロアを回って、今日は帰ることにした。

 ……収穫は電池一個か。連れ回すような感じになってしまったけど、暁美さんは楽しめたのだろうか。


貴方「疲れてない?」

ほむら「身体は魔力で強化されているから、別に」

貴方「そっか。あれ?暁美さんって契約で体力が上がってる以上に何か強化してるの?」

ほむら「……普通は違うのね。多分、癖になっているだけ」


 それがないともっと身体は弱いっていうことだろうか。

 強化している状態でも、魔法少女の中では身体能力の低いほうということだった。

 入院してたって聞いてるけど、本当に本来は病弱なのかもしれない。


ほむら「精神的なことを言うなら、もう少し目的があるほうがいいわね。私の興味になんて合わせようとしてどうなるの?」

貴方「何か興味のあるものが見つかればって思ったんだけどな。ごめん、失敗だったね」

貴方「今度はまた違うことしようか」




四回目【貴方】 17日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美

--------------------------------------------------------------------------------------------
クール版のほむらは話の都合上一癖あるキャラになってるので一番難易度が高いかもしれません
現在★なので【貴方】自体には少なからず興味を持ってくれています
恋愛攻略のほかに、このほむらが何者かということを解き明かすことを狙ってみてもいいかもしれないです

18日目 教室



 なんだかんだ昨日までと同じ場所から動かなかった昼休み。



さやか「いや~、今日のはマジで自信なかったわ。漢字の小テストあったなんてすっかり忘れてたもん」

仁美「テストがなくても日常的に使えるものですから、覚えておいて損はありませんわよ」

さやか「仁美はいいよねぇ」

貴方「努力の結果だろ?」


 というか、教室で二人きりで食べるのは視線が気になるから移動しようかと提案しかけてたところに、

 今日は美樹まで来てしまったから結局このままここで食べていたのだった。

 まあ三人になれば嫉妬のようなまなざしも薄れるだろう。そもそも本当はやましいことなんかない。親友同士で食べてるだけなんだから。


貴方「美樹だって勉強すればとれるよ」

仁美「【貴方】くんはどうでしたか?」

貴方「まあそこそこ……かな」

さやか「そんなこと言って満点取ってるんだよ!はらたつー」

貴方「きっと勉強すれば美樹も取れるよ」


 しかし、どうして急に美樹まで屋上を抜けてこっちに来たのだろうか。


仁美「【貴方】くんは成績も良いですし、私と同じ高校を目指しませんか?目標が同じなら私も頑張りやすいですし」

さやか「……え、マジ?」

貴方「いやぁ、そんなに進学校は狙ってないよ」

さやか「だよね!」

貴方「だよねってどういうことだよ」


 三人に増えれば見る目も変わるだろうと思ってたが、心なしか視線の鋭さは増しているきがする。

 ……そんなことを考えつつ、昼を過ごした。


――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後


ほむら「今日は最初からパトロールの誘いなのね」

貴方「暁美さんがいるとやっぱ心強いからね……指示貰えるのは成長できる気がするし」

貴方「でも、暁美さんの気に入ること探しも諦めたわけじゃないよ」

ほむら「そう……」


 相変わらず気のなさそうな……ちょっと困ったような、そんな曖昧な返事。


ほむら「それならあなたの好きなことでいいわよ。私のよりはそっちのほうが興味がある」

貴方「お、興味があるって言ってくれるんだ?」

ほむら「私のよりは、ね。それより今はパトロール中よ。遊びのことはまた今度考えましょう」

ほむら「ぼーっとしてると反応を逃がすわよ。……私は気を抜いていても気づけるとは思うけど」


 魔法関連のことになると、やはり暁美さんは自信を持った振る舞いもあって頼もしい。

 反面なんでも一人でこなしてしまうから、寂しくもあるのだけれど――。

 しかし、プライベートではふと驚くほど自己評価の低い面を見せることがあることも知っていた。



1暁美さんはなんのために戦ってる?
2今まで苦戦したことってあるの?
3自由安価

 下2レス



貴方「暁美さんはなんのために戦ってる?」

ほむら「……今更どうしたの?これは平和のためのパトロールでしょう?」

貴方「もちろんパトロールは平和のためだけど、根底にあるのはそれだけとは限らないのかなって」

ほむら「たとえば?」

貴方「魔女を倒した時に拾えるグリーフシードが目当てで、魔法を使うために戦う人もいるっていうのは聞いた」

ほむら「グリーフシードが目当てならわざわざ他人と一緒になんて行ってない」

貴方「あ、それもそうか……」


 でも正直、暁美さんは巴さんや美樹みたいに純粋に正義のヒーローを志してるって感じにも見えないんだよな。

 ……失礼な話だろうか。そう思ってると、言い当てられてしまう。


ほむら「やっぱり私は正義のヒーローって風には見えないかしら」

貴方「え、いや、別にいいことだと思うよ!?」

ほむら「フォローは嬉しいけど、理由なんてないのよ。強いて言うなら『魔法少女だから』」

ほむら「……それと、守るためよ」

貴方「鹿目さんのこと?」

ほむら「……まあ、そうね」


 それって、契約しちゃったからってことなのかな。

 義務感に駆られているんだとしたら、それはそれで律儀だと思う。

 鹿目さんがいない一人の時や、ほかの仲間と一緒の時でも手を抜いたりはしないことは知ってるし。



ほむら「あなたはどうなの?」

貴方「もちろん、魔女のいない平和な街を取り戻すためだよ」


 この前志筑さんのことがあって誓ってから、更に強く決心した。


 魔女がいなくなれば、みんな戦いの運命から解放される。

 暁美さんは魔法少女としての自分に自信を持っているとはいえ……――。

 基本的にはみんな、世界が平和なら危険を冒して戦いたくなんてない。俺だって。


ほむら「素敵な決心だと思う。いつかそんな日が来たらいいわね」

貴方「戦いを続けていれば、きっと。いつかは」


 暁美さんも穏やかにわずかに笑みを向けてくれた。

 理由はないと言ってたけど、平和を願うことには賛同してくれるようだ。


ほむら「早速魔力の反応があるわ。その目標のためにも倒しに行きましょう」



 二人で魔力の源を探しに行った――……。



――――
――――


これから
1ご飯に誘う
2自炊ってした?
3ヒミツの特訓
4自由安価

 下2レス



貴方「そういえば、調理道具買ったのって使ってみた?」

ほむら「あぁ……」


 ……あ、この反応、やってないやつだ。

 もしかして料理本買って道具そろえたところで満足しちゃう人か。意外と。


ほむら「どうせなら何か目的がほしいものね。どうせ作っても食べるのが私一人と思うとなかなか」

貴方「志筑さんとの勝負のための練習と思ったら?」

ほむら「というけれど……別に私、勝ち負けも気にしてないもの」

貴方「あ、自作の弁当作ってきたら鹿目さんとか褒めてくれるんじゃない?」

ほむら「まどかのお父さんは料理上手だし、いつものお弁当のほうがよほど美味しいわ。私のなんて」


 屋上でいつも昼一緒だし、と思ったけど比較対象がまずかったか。


貴方「……じゃあ、差し出がましいかもしれないけど、俺なら実験台にしていいからさ!食わせてくれるなら大歓迎だよ」

ほむら「…………今度考えておく」



 出来は置いといて、なんだかんだでクラスの誰もが羨む美少女の手料理だ。

 いつになるのだろうか、と……ちょっとだけ期待をした。



四回目【貴方】 18日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美

19日目 教室



 ――――今週ももう週の半分を超す。なんだか時が経つのを早く感じた。


 昼休みは今日も三人で食べていて、鹿目さんたちと暁美さんが教室に戻ってきた時には、みんなが寂しがっていたという話も聞いた。

 美樹はなんといっても、あの中じゃ一番のムードメーカーだろうからな。

 同じく活発そうな雰囲気の佐倉さんが来てないと、魔法少女たちは割と大人しいタイプが多いから。


貴方(活発そうな――といっても、俺はほとんど話したことがないけど)


 学校も違うし、彼女とは関わることが圧倒的に少ない。それにあまりフレンドリーなタイプでもないのかもしれない。


まどか「わたしも明日はお昼ごいっしょさせてもらってもいい?」

さやか「え?……まーいいけど。そんなにあたしがいないとさびしかったかぁー!」

貴方「そろそろ俺たちも場所変えない?ここの机はあんまり大人数で囲むの向いてないし」

仁美「ああ、どんどんライバルが増えていきますわ……」

貴方(また誰かと対決でもするのかな?)


 志筑さんの発言の真意に気づくことはなかった。


――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



 今日の放課後もパトロールに出る。

 歩き回っても魔女と会うことのなかったこの前に比べ、今日は三度も遭遇した。いや、使い魔も含めれば四度だ。


 暁美さんと一緒のパトロールは、ほとんど暁美さんには後ろについてもらっているだけになっていた。

 それは暁美さんが積極的に戦おうとすればこちらが逆にすることがなくなるからに他ならないのだが、

 特に最近は連日出ているし、おかげで戦いのための技術は少し上がった気がする。



 ――魔女にトドメを刺して、戦いを終える。



 後ろから横に並ぶように踏み出した暁美さんから、ふわりと硝煙の匂いが鼻につく。

 たまに気まぐれのように攻撃を撃ちこむくらいだったから、まだ匂いは薄い。もちろんそのすべてが見事に命中だった。

 そういえば前に匂いのことを気にしていたっけ。変身を解くと服に残っていた匂いも消える。


貴方「暁美さんって、ミリタリーが好きってわけじゃないんだよね」

ほむら「いきなりどうしたの?」

貴方「いや、男女関わらずそういう人もいるみたいだから聞いてみたんだよ」


 この前見事に敗退した暁美さんの興味を探るためのショッピングを思い出した。

 暁美さんは基本的な銃だけじゃなくて、軍事用の武器ならほとんど持っているらしかった。銃にしても種類は様々だ。

 その手の趣味を疑ってしまうのも無理もないと思う。というか、その手の趣味の人がいれば暁美さんの魔法には大歓喜だろうな。


貴方「それにしても……今日は慌ただしかったね。最近はやっと魔女も減ってきたのかと思ったのに」

ほむら「魔女がいれば使い魔を産み出す。巴さんの話だと使い魔は栄養をつければ魔女になるらしいから……」

ほむら「今いる数だけを倒せば済むというわけではないということ。根絶には時間がかかるでしょうね」



1それって巴さんから聞いたの?
2特訓を頼む
3自由安価

 下2レス



貴方「それって巴さんから聞いたの?」

ほむら「……?ええ。なにかおかしいことを言ったかしら?」

貴方「俺らは契約してからすぐ聞いたし、長い事やってればわかるものなのかなと思ってたから」

貴方「ベテランの暁美さんが巴さんに聞いて初めて知ったっていうのがちょっと意外で」

ほむら「私は別に、長い事やってるなんて一言も言ってないのだけれどね」

貴方「えっ、違うの!? 暁美さん強いし、てっきりそうかと……」

ほむら「まあ少なくともあなたたちよりは長いでしょうけど」

貴方「……本当にミリタリー好きじゃないの?契約する前から訓練してたとか?」

ほむら「……さあね」



 なんか、むしろ謎が増えた気がした。



1いつから契約してたの?
2そのくらいはぐらかさないで教えてよ
3特訓を頼む
4自由安価

 下2レス



貴方「いつから契約してたの?」

ほむら「退院する前から……かしらね」

貴方「あ、入院中に病気を治したくて契約したとか?」

ほむら「いいえ。それなら私の魔法は治療に特化した魔法になっているでしょうし、もっと身体も丈夫なはずだわ」


 暁美さんは少し残念そうに言った。

 そして、ちょうど治療のための願いで契約した美樹のことが思い浮かんだ。

 たしかに美樹は治療に特化した魔法が使えるし、仲間の中じゃ身体の丈夫さは随一だ。


貴方「あー、じゃあ入院する前か……」

ほむら「入院中は病気を治すこと以外が望みになるとはそう思えないから、そうかもね」


 俺はもちろん事実を知らないから推測で言っている。

 けど、暁美さんまで推理のような調子で言うから弄ばれているような気になった。やっぱりまたはぐらかされているのだろうか。

 むっとしたような視線を送るが、暁美さんはどこ吹く風だ。


貴方(…………)



 とりあえずわかったのは、正確なことは教えてくれそうにないということだった。




四回目【貴方】 19日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美

20日目



 昼休みになると、俺らは教室から校舎周りにあるテラススペースに移動して食べていた。

 昨日約束した鹿目さんが加わって四人だ。一つのテーブルを囲むのにちょうどの人数。

 たまには外で食べるのも悪くはない。そういえば屋上も外といえば外だし。


仁美「今日はいい天気ですわね。日差しが暖かいですわ」

貴方「秋になってもまだ暖かいくらいだね」

さやか「たまには花壇見ながらお昼ってのもいいね。これって園芸部で育ててるんでしょ?」

まどか「うん。パンジーとコスモスが咲いてるね。こっちにはリーフレタスを植えてたかな」

貴方「さすがに詳しいんだね」

まどか「部活動はたまにしか顔を出さないけど、家でもパパが園芸やってるから」


 鹿目さんは手芸部と園芸部を掛け持ちしているらしいけど、園芸はお父さんの影響だろうか。

 ……この時、上から自分たちを見ている視線があることには気づいていなかった。



――――
屋上



マミ「…………」

ほむら「…………」


マミ(……気まずい。気まずいわ)

マミ(今まで鹿目さんと美樹さんがいたからよかったものの、暁美さんと二人だとこんなにも会話がなくなってしまうものなのね)



マミ「えっと……いい天気ね」

ほむら「そうかしら。晴れてはいるけどそれだけよ」


マミ(暁美さん、なんだか私のこと嫌ってないかしら? 私と二人だといつもより表情が硬いし、後輩なのにため口だし……)

マミ(いえ、むしろため口なのは親しみを感じているという理由では……)


ほむら「…………何かしら?」


マミ(……ないわね)


マミ「あの。ところで前から思ってたんだけどね。佐倉さんは学校の外で出会ったからいいとして、どうして私にだけため口なのかしら」

マミ「この前見たけど、他の三年生には敬語で話すじゃない?」

ほむら「……説教されてます?」


マミ(あっ、ちょっと拗ねた……?)


ほむら「……でも、言われてみればそれもそうだわ」

マミ「え……?」

ほむら「今まで無礼な態度をとったことをお許しください、巴先輩」

マミ「なんだか寒気がしたから、やっぱり今までどおりでいいわ……」

ほむら「どこに行くの? 私のせいで寒気がしたからって身投げまでしなくても……」

マミ「しないわよ!少し間が悪くなったっていうのはあるけど、外の景色を眺めるだけ」


 眼下に見えるは美しき花壇と食後の談話を楽しむ4人。


ほむら「! あれは……」

マミ「……あれは、4人用ね」

ほむら「……ええ」


――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 ――――今日の放課後もパトロールだった。

 魔女を倒したところで、暁美さんが労いの言葉をかけてくれた。といっても、いつも通りのそっけない調子だけど。


ほむら「……お疲れ様」

貴方「今の魔女は大したことなかったね。こういうのばっかりなら良いんだけど」

ほむら「おかげでいつも以上に何もすることがなかったわ」

貴方「あー、暁美さんからしたらそうだね……」

ほむら「ところで、最近張り切っているようだけど、私は指導役としては役に立っているの?」

ほむら「強くなりたいのなら巴さんや佐倉さんのほうが役に立つと思うわ」

貴方「暁美さんも役に立ってるよ。指示してくれるだけで十分だし、居てくれるだけで安心感もその二人と同じかそれ以上にはあるよ」

ほむら「もちろん何かあったらあなたのことも守るけど……でも今日なんかは何も言わなくても自分で動けてたでしょう?」

貴方「そりゃいつかは自分で暁美さんと同じ考えができるようになるのが目的だから」

ほむら「いつか、ね」


 いつか、戦闘でも暁美さんに守ってもらうだけじゃなくて、頼ってもらえるようになるだろうか。

 その時になっても暁美さんに敵う気はしていない。それ以外の技術で追いついても時間停止の魔法は強力すぎる。


 いつも以上に鋭く凛々しい眼差し。魔法少女としての暁美さんは普段よりもさらにクールな印象が強い。

 そこから変身を解いて、わずかに表情をゆるませる。



1暁美さんといるのは強くなりたいからってだけじゃないよ
2暁美さんはどうして自分のことを隠そうとするの?
3自由安価

 下2レス


貴方「暁美さんといるのは強くなりたいからってだけじゃないよ」

ほむら「他に何かあるの?」

貴方「だって、クラスメイトだし。そういう面でも親近感というか、安心感はあるよ」

貴方「他の人にそれがないってわけじゃないけど。……まあ、一緒に行きたかったから誘ったんだよ」

ほむら「遊びに行くんじゃないのよ。そんな私情を持ちこんでどうするのよ。自分にとって一番メリットのある人と行くべきだわ」

貴方「……」


 ……それは暁美さんにだけは言われたくないなって、思ったけど。


貴方「……あ、でもメリットって言うなら俺にも暁美さんにも一つあるよ」

ほむら「私にも?」

貴方「暁美さんとの連携を鍛えるっていうのも一緒に行く目的じゃないかな」

貴方「もう少し強い魔女が出てくれないと鍛えられないけど」

ほむら「すぐ調子に乗る……。それなら、次は少しは手ごたえのある魔女が出るように祈っておきましょうか」




四回目【貴方】 20日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美



――――



 明日は休日だ……。誰か誘おうか?



・キャラ選択(まどか/さやか/ほむら/マミ/仁美)
・何に誘う?※キャラによっては断られることもあります
1遊びに行く
2パトロールに行く
3訓練する
4家に誘う
5相手の家に行く
6自由安価

 下2レス

四週目休日 駅前



貴方「暁美さん」


 待ち合わせの時間の10分前。早目についたと思ったけどすでに彼女はそこに居た。

 遊びでもパトロールでもその真面目さは変わらずのようだった。


貴方「待たせてた?」

ほむら「いいえ、今日はそれほど待っていないわ」

貴方「暁美さんっていつも早く来るよね」

ほむら「早くに来ると近くに魔女がいたら先に倒しておけるし、スムーズに本題に入りやすいのよ」

ほむら「それにここは家からも近いし」

貴方「あ、この近くなんだ」


 なんか思わぬところで思わぬ情報が入ったような。

 予定より少しだけ早いが、揃ったのだからどこかへ行こうか。


1映画観に行こう
2ゲーセン誘ってみる
3この前やったダーツとかどう?
4今度はビリヤードでもやってみる?
5落ち着いたカフェにでも
6自由安価

 下2レス



ほむら「それで、今日はどうするの? 誘ってくれたからには、今日はやりたいことがあるんでしょう?」

貴方「うん。まあね。暁美さんが楽しんでくれればいいんだけど……」


 提案するのも若干ハードルは高く感じる。

 けどまあ、今回は無難に一度やったことのある事で攻めていくつもりだった。


貴方「この前やったダーツとかどうかなって」

ほむら「私は構わないけど」


 暁美さんは表情を変えずに言う。

 ……今までと変わらずどこまでも受動的に見える言動。

 ただ、普段は日常だとクールながらも全く表情がないわけじゃないから、何かを考えるような冷ややかな無表情が気になった。


ほむら「……構わないけど、私じゃなくて他の人を誘ってもよかったんじゃないの?」

貴方「昨日も似たようなこと言ったけど、今日は暁美さんと遊ぼうと思ったんだよ」

ほむら「それがわからないわ」


 ……確かに今まで、パトロールはともかくとして、プライベートで暁美さんと二人だけっていうのはなかなかなかった。

 今でもどうしてもクラスメイト、特に鹿目さんと一緒にいるイメージはある。

 『自分を誘うのがわからない』……ということだろうか。



 今日は二人で対戦するというよりは、練習のような感じだった。

 最初は本当に運任せなところが多かったものの、暁美さんはさすがに要領はいい。

 投げていくうちに少しずつコツを掴んでいるように見えた。


貴方「調子よくなってきたね。コツ教えてくれない?」

ほむら「力の込め方と角度……かしら」

貴方「おー、投げ方が様になってる」


 ……俺はというと、まだ運の要素が大きかった。最初は盤に刺さらなかったこともあったし。

 これってもしかして使ってる武器も関係してるのだろうか。手榴弾なんかも投擲といえば投擲か――

 投げ方も飛び方も違うから経験は使えないが、向き不向きでいえば暁美さんは向いてたのかもしれない。


貴方「うまくなったら、志筑さんにまた再戦申し込んでみる?」

ほむら「一人だけ練習していたら不公平だわ。この前も運とはいえ勝ったのに」

貴方「じゃあ今度は志筑さんを誘ってみてもいいんじゃない?前より話すようになったんでしょ」

ほむら「……それはいいかもね」


 多分、暁美さんも志筑さんをどうでもいいとは思っていないんだと思う。

 なんだかんだ今日はそこそこ楽しんでくれたのかな。

 戦う時と似た凛々しさで構える暁美さんの横顔を見て思った。



― 四週目休日 終了 ―



[好感度] to貴方
美樹さやか★★★巴マミ★★★志筑仁美★★★>暁美ほむら★>鹿目まどか・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

――――
21日目



 ――――週明けの月曜日。

 この日も昼には花壇の庭で雑談に花を咲かせていた。



貴方「あ、本当に志筑さんのこと誘ったんだ。暁美さん」

仁美「はい!お誘いいただくのは初めてですわね。やっと仲良くなれたと思うと嬉しいものですわ」


  休みの日に言ったことは暁美さんは実際に行動に移したらしく、志筑さんが嬉しそうに語っていた。


さやか「へー、まどか絡まずに自分から行動起こすなんて珍しい」

まどか「あはは、うーん……でも、わたしも何かに誘ってもらったことってないよ?」

貴方「あれ、そうなの?」

まどか「うん。遊びとかは全然。だから仁美ちゃんのことうらやましいよ」

仁美「まあ!」

まどか「理由はわからないけど、ほむらちゃんはわたしと仲良くしてくれるっていうより……」

まどか「守ろうとしてくれてるっていうほうが近いのかも」


 鹿目さんは少し困ったように、不思議そうに言った。本当にわかってない感じだ。


 『それがわからないわ』――昨日暁美さんの言った言葉が思い浮かんだ。

 ああ言ってたけど、特別な理由がなくとも鹿目さんに執着しているのは暁美さんもだ。


 ……理由がなくとも? 鹿目さんからしたらわからないようだけど、本当に理由がないのかな。

 理由がなければ、例えば第一印象だけで気に入ったとかで個人に入れ込むことは性格的にありえないように思えた。



――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



貴方(今日もパトロール行くか……)



 誰か誘おうと教室を見回す。

 ちょうど志筑さんと暁美さんが出て行くのを見た。そういえば、誘ったって言ってたな。




1誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
2他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



貴方「鹿目さん、パトロール行く?」

まどか「うん。杏子ちゃんも一緒だけどいい?」

貴方「へえ、佐倉さんか……もちろん構わないよ。むしろ心強くなって嬉しいよ」

まどか「そうだね。じゃあ、いこっか。駅前で待ち合わせてるから」


 鹿目さんと一緒に教室を出る。


 仲間の中でも佐倉さんとはほとんど会うことも話すこともなかった。

 思いついたら声をかけられる学校内のメンツと違って、

 一緒にどこか行くにもあらかじめキュゥべえを通じて伝えておかないといけないし。


貴方「鹿目さんは佐倉さんと仲いいの?」

まどか「仲いい、って言って良いかな。一緒に話すと楽しいよ」

貴方「意外だな」

まどか「そうかな? 杏子ちゃん相手だと、さやかちゃんやほむらちゃんに言えないことも話せるから」


 ……本当に意外だと思った。

 温厚で大人しそうな鹿目さんと、少々乱暴なイメージのある佐倉さんってあまり合わない気がしてた。


 無口なわけじゃないが、彼女は俺と一緒にいる時は口数が少なく思える。

 何を話したらいいかわからないって感じだろうか。

 他の仲間からすれば今まで女子しかいなかったところに一人だけ加わった魔法少年だ。佐倉さんも距離を感じているのだろうか。

 気が強そうな子だし、よく知らない男が急に入ってくれば対抗心のようなものも感じてるかもしれない。



まどか「わたしと【貴方】くんも一緒に行くの本当にひさしぶりだよね」

貴方「ああ……そういえば前に全員で行ったのが最後か」


 一番メリットのある人といくべきだ……というのが暁美さんの考えらしい。

 クラスメイトの中でも仲の良い人に偏りがちだが、連携を鍛えるなら色んな人と行くようにしたほうがいいんだろうな。


 駅前の繁華街が見えるところまで歩いてくると、鹿目さんが何かに反応する。


まどか「……今来るって」

貴方「テレパシーか」


 携帯がないと待ち合わせも困難だと思ってたけど、魔法の力があればそうでもないらしい。

 佐倉さんはいつもどおりのラフなパーカー姿で、お菓子をかじりながら現れた。


杏子「よ、まどか。……って、アンタも一緒?」

まどか「うん、一緒に行こうって」

杏子「まー別にいいけど」


 とりあえず、嫌がられてはいないみたいかな。

 彼女はポケットに手を突っ込むと、鹿目さんに小さなチョコレートを手渡した。


まどか「わぁ、ありがとう!今日のおやつだ!」

杏子「さっきゲーセンでとってきた。いっぱいあるからやるよ」


 それから、こっちにもくれるようだ。


貴方「あぁ、ありがとう」

杏子「おう」


 そっけない返事とともに、賑やかな通りを離れるように歩き出す。

 俺と鹿目さんもそれについていった。



まどか「でね、その時先生が――」

杏子「ふーん」


 魔女を探索しつつ、二人の会話を横で聞いていた。

 話の内容は魔法少女としての真剣なことから、なんでもない日常まで及ぶ。


 ……佐倉さんは学校が違うどころか、行ってもいないし、行ける環境でもなさそうだ。

 完全に社会から遮断された環境。彼女の状況は過酷だ。なのに、こんな話を聞いて面白いんだろうか。

 鹿目さんの話に対する反応はそっけないようでいて、どうでもいいというほど無関心でもなさそうだった。


まどか「その時、【貴方】くんも一緒にいたよね?」

貴方「ああ、そうだね。でも、なんというか……」

まどか「でも?」

貴方「いや、こんな話、佐倉さんが聞いても楽しめるのかなって思って。自分も学校行ってないのに」

杏子「別にいいんだよ。あたしの日常もこれはこれで刺激がなくて飽き飽きしてたし」

杏子「……わざわざ気を遣われるほうがヤダってーの」

貴方「あ……ごめん。そうだね」


 佐倉さんの日常、か。俺らからしたら刺激が強そうなものだけど、それを刺激がないといえるのも豪胆だ。

 どんな刺激も慣れれば日常になるんだろうけど――。

 普通の人からすれば魔法少年も十分刺激強いかな。


 ……ともあれ、余計なことを言って少し空気を壊してしまった。

 再び二人の話を聞く役に戻ろうとすると、魔力の気配を察知した佐倉さんが俺らより一足先に反応する。


杏子「そろそろお喋りしてる場合じゃねーな。獲物の潜伏場所探すぞ」

まどか「うん!」



 ――――結論から言って、鹿目さんも佐倉さんも俺の思っているよりずっと強かった。

 それになんだかんだ、二人には“連携”があったのだと思う。

 俺が目立った活躍をするまでもなくあっという間に結界を突破して魔女を片付けてしまった。


 もともと今日のパトロールは二人で行く予定だったんだ。それに前から何回か共にしてるんだろう。

 三人目なんてほとんど入る余地もないくらいの戦いぶりだった。


 大人しく優しく、戦いも苦手だろうと勝手に思っていた鹿目さんのイメージも覆る。


貴方「驚いた。鹿目さん、強いんだね」

杏子「まどかは新人にしちゃ十分強いほうだけど?これで回復も得意だし、申し分ないポテンシャルは持ってるよ」

杏子「反吐が出るくらいの甘さは致命的な欠点だけど、魔女相手なら容赦なくぶん殴れるしな?」

まどか「魔法少女や魔法少年相手とはやっぱり戦いたくないよ。話し合わなきゃ」

杏子「話し合いで解決しないことなんかいくらでもあるだろうが」

まどか「それでも仲間同士で戦うのは……。あとぶん殴るって、接近戦はやっぱ苦手なほうだよ?」

杏子「接近戦ならあたしがいるだろ。仲間がいるなら全部を一人でこなす必要はないんだよ」

杏子「……あとは、そいつでも頼っとけ。遠近両用だろ」

貴方「あ、うん!もちろん近づかせないように守るよ」


 この戦いでももちろん、戦績を偏らせないため――というよりは使う魔力を偏らせすぎないために分担した部分もある。

 その指示も、最近頼ることの多かった暁美さんに引けを取らない的確さを持っていた。

 自分だったらどう動くか――悪く言えば自身の手足としての動きを前提にして、気まぐれに手伝う程度で済ませる暁美さんよりも、

 “連携”を考えた部分においては彼女のほうが上かもしれない。


 あの巴さんと長い事一緒に組んでいたベテランだったということを考えさせられる戦いだった。



貴方(…………)


 暁美さんはチームで戦ってる時は縁の下の力持ちというか、魔法を活かしてサポートに回っている印象が強かった。

 暁美さん自身は連携して戦うのが苦手なわけではなく、むしろそれは誰よりも得意なんじゃないかと思える。

 だったら、ふと違和感を覚えたのはなんだろう。


まどか「パトロールの時も、ほむらちゃんやさやかちゃんと一緒だとわたしを守ってくれようとするから」

まどか「杏子ちゃんはわたしなんかよりとても強いけど、杏子ちゃんと一緒だと肩を並べて戦ってるって感じがするんだよね」

まどか「さやかちゃんとは助け合える場面もあるんだけど、特にほむらちゃんは……」

杏子「はあ?今度甘やかすなって言っとくよ。甘やかされるほど弱かねえぞって」


 違和感の正体に気づく。暁美さんは連携が下手なわけではない。

 ほとんど指示をもらうだけという今のスタイルも『頼ってくれ』と言い出して始まったことではあるが、

 これはこれで、対等ではなくむしろ守ろうとしてくれているんじゃないかと思った。

 手はほとんど動かさない代わりに状況の監視に努め、何かあった時にすぐに助けられるように。


 暁美さんはチーム戦は下手じゃないが、自分から『勝手に』フォローに回るのが得意なんだ。

 人に協力させるのは得意じゃない。……わかっていたことじゃないか。でもどうしたらいいだろう。

 すでにそれでも完成されている。想像を超える強大な敵でも現れない限りは――。


貴方「……暁美さん、やっぱり鹿目さんのことを守ることにこだわってるのか」

まどか「うーん……うれしいんだけど、ちょっと過保護だなって思うことあるかなぁ」

貴方「鹿目さんが守りたくなるタイプっていうのはわからないでもないけど、度が過ぎるよね。今日でちょっとだけ印象変わったけど」

貴方「鹿目さんは心当たりないの?出会った時からずっとあの調子?」

まどか「出会った時…………」


 鹿目さんはそれがまるで遠い記憶であるように思い出そうとする。

 しかし、再び現れた魔力にすぐ思考を切り替えた。


貴方「また魔力か……いこう!」

まどか「うん!」



 ――まあ、また今度でもいいか。暁美さんのほうに聞いてもいいし。

 そう思って次の結界へ向かった。




四回目【貴方】 21日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・思ってたより強い
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美

22日目



 昼休みになると、本人の一人がいない場所で『昨日』の話が繰り広げられていた。



まどか「――そっかあ、じゃあまだ記録はほむらちゃんが勝ってるまま?」

仁美「はい。でもまだ僅差です。いつか追い抜いてみせますわ!」

仁美「昨日家族にそのことを話してみたら、お父様がダーツの羽を持っているのを知って」

仁美「とりあえず今度の休みはお父様と一緒にやって、習ってみようかと思いますの」

さやか「へえー!それは上達しそうだね」

貴方「なんかすごい高級なバーとかでやってそうなイメージだな」

仁美「ひさしぶりに家族で楽しい話題が出来たのでよかったです」

仁美「でも、急にダーツなんてはじめたからその友達の趣味なのか、もしくは殿方の影響かと勘繰られてしまって」

仁美「……まあ、間違ってはいないですわよね?」

貴方「えっ!まあ……俺は提案しただけだけどね」


 志筑さんからいろんな話が聞けた。

 暁美さんはやっぱり一旦集中するとすさまじいこととか、でも意外なとこで天然を発揮するところがあることとか。


仁美「……あれ?今の姿って暁美さんでは?」

貴方「本当だ。あんなほうに何しに行くんだろ?」

さやか「何って……、また『アレ』かな~?」


貴方(アレ……?)


 そういえば二人だけになった屋上での昼食はもうやめたんだろうか。

 そんなことを思っていると、少しして暁美さんがさっき行った方向から戻ってくる。変わらぬ涼しげな無表情のまま。



さやか「……あちゃ~、あれは多分ダメだったね」


 すると、美樹は何かを察したように言った。

 鹿目さんも言葉にはしていないけど、美樹に同調するように苦笑いを浮かべる。


貴方「駄目って、何が?」

さやか「告白でしょ。コ・ク・ハ・ク」

仁美「あら……」


 『どっちが』というのは聞かなくてもわかった。


さやか「ほむらってまー美人だしみんなの憧れでしょ?当たって玉砕してく人が多いのなんの」


 契約してる仲間だから少し近い距離にはいるものの、戦いの関わらないプライベートでは高嶺の花扱いだ。

 そして、高嶺の花だから言い寄られないというのはやはり言い訳の常套句であって、狙う人が多ければ手を伸ばさない人がいないはずがなかった。

 ……やっぱり暁美さんってモテるんだなって実感した。


まどか「でもほむらちゃん、恋とか一つもしないのかな?あれだけモテてるのに全部断っちゃうなんて」

仁美「しようと思ってそう簡単にできるものでもありませんよ。気持ちが向かないのに受け入れるのは却って失礼ですから」

まどか「あ、そっか……」

さやか「さすがに仁美は気持ちがわかるんだね!それとまどかも人のこと言えないぞ!なんか浮いた話の一つとかないの?恋愛相談なら乗ってあげるのに!」

まどか「えっ、わたしはそういうのはないよ。ほむらちゃんみたいにモテたりもしないし」

さやか「むー、そっか~、まどかの色恋沙汰は幼稚園レベルで止まってるんだもんね~……」

まどか「がーん……ちっちゃすぎるしその頃のことは数えなくていいよ……」

仁美「焦らなくてもいいですわ!」


 美樹のからかいにちょっと落ち込みだした鹿目さん。

 暁美さんのことから話が逸れていたと思ったら、美樹がふとこんなことを言う。


さやか「でもあいつの内面知ってる人からしたら、ほむらはやめといたほうがいいと思うけどな」

貴方「なんだ?嫉妬で悪口言うなんて醜いぞ」

さやか「そうじゃないし!ほら、だって 絶対一目ぼれには向かないタイプじゃない?」

貴方「……まあ、それはそうかもな」



 鹿目さんのことは置いとくとして、暁美さん自身が一目ぼれで相手を好きになることがそうなさそうなタイプだから。

 段階を追って互いを知っていかなきゃ両想いにはならなさそうだ。


 そんな話題で盛り上がって、昼食時を過ごした。


――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 ……あれから教室に戻ると、そばの廊下で男連中に慰められてるヤツが一人いたから恐らく美樹たちの推測は間違ってなかったのだろうと察した。

 暁美さんに告白するくらいだから相手はみんな、自分に自信のある人なんだと思う。

 今回のも慰められてたのは顔も成績も悪くないスポーツ好青年って感じのそこそこモテそうなやつだった。


 対する暁美さんはまるで何事もなかったかのように平然としていて、うまくいかないものだなぁと思った。

 これに関してはかわいそうだから考えてやれなんて軽いこと言えないのはわかってるけど、自分自身がどう思ってるのかは気になった。


貴方「暁美さんって、恋愛とかも興味ないの?」

ほむら「考えたことはないわね」

貴方「でも、モテるんでしょ?その中にはそこそこスペック高い人とかもいそうだけど」

ほむら「そう言われても……ええそうね、それに関しては興味が持てないからと言っても間違ってないわね」

ほむら「いくら一般的に見て魅力的な人でも私はその人のことで時間を割く気にもなれないし、私がそう思ってる以上私のことで時間を取らせても無駄でしょう」

貴方「友達からとかもナシか」

ほむら「『友達から』――と言ってきた人もたしかにいたけれど、そんな人ならきっと他に合う相手はいるわ」

ほむら「早いところ諦めてもらったほうがお互い建設的よ。恋愛感情というのが厄介をもたらしやすいもので、簡単に割り切れないことは知識として知っているもの」

ほむら「今日もそう言って断ったのだけれど……もしかして見てたの?」


 やっぱり、と思いつつ同情する。

 ここまでハッキリ言われたらそりゃ相手も落ち込みもするだろうな――と。


貴方「ま、まあどっかに向かう暁美さんの姿は見たから。そっから美樹が推測して」

ほむら「そう……まあいいけれど。野次馬というのは面白いの?」

貴方「それは……面白い人は面白いかもね」



 『考えたことがない』……か。

 暁美さんは人に言い寄られても興味を持てないと言ったけれど、恋そのものには興味を持てないとは断じなかった。

 もしかしたら、暁美さんが今後誰かに想いを寄せることもあり得るのだろうか。



1遊びに誘う
2パトロールに誘う
3屋上での昼はもうやめたの?
4一目ぼれってどう思う?
5自由安価

 下2レス



貴方「そういえば……鹿目さんと会ったのって、うちに転入してこの教室で会ったのが初めて?」


 机を収納して帰る支度をしつつ、ふと頭の中に話題が思い浮かんだ。

 昨日鹿目さんに聞こうとして聞けなかった話。


ほむら「ええ。そうだけど?」

貴方「どうやって仲良くなったのか気になって。それに、鹿目さんのことになると何かこだわりのようなものを感じるから」

ほむら「……こだわりって?」

貴方「いつも言ってる、『守る』……ってやつ。俺やほかの人にもだけど、鹿目さんだけはさらに特別に見えるよ」

貴方「だから、何か俺の知らないとこで仲良くなったとか助けられたとかあったのかなって」

ほむら「……特に思い浮かばないわ」

ほむら「転入してきて、この教室でみんなと出会って、普通に……仲良くなったのよ。それ以上に理由が必要?」


 それなら何故他にも仲間が、クラスメイトがいる中で鹿目さんだけ?疑問はまだ残る。


 そもそも、『普通』というのが違和感の塊だった。ほとんどのことに興味を持たない彼女が。

 しかし、その次の言葉を言われるとそれ以上考えられなくなる。


ほむら「あなたもいたでしょう?」

貴方「!」


 ……そう言われたら、そうだ。



1遊びに誘う
2パトロールに誘う
3一緒に帰ろう
3自由安価

 下2レス



 ――――学校を出ると、暁美さんと今日のパトロールを開始する。

 途切れて終わったさっきの話題について、ぽつりと漏らす。


貴方「……急に変なこと聞いてごめん」

貴方「昨日鹿目さんとパトロールいったんだけど、暁美さんと一緒だと『守られてばかりで対等に戦えている気がしない』って言ってたからさ」

貴方「鹿目さんも結構強いんだよ。佐倉さんとも息合わせて戦えてたし……。俺も平和的なイメージを抱いてたから、ちょっと驚いたよ」

ほむら「……そうね。そうなのよね」

ほむら「それなら、私が守らなければいけない理由は……――」


 暁美さんはどこかはっとしたような表情を作ったかと思うと、

 何かを言いかけてから自分の中の一つの結論にたどり着いたように再び口調をはっきりとしたものに戻す。


ほむら「でも、まだ私には敵わないわ。それも事実でしょう?」

貴方「暁美さんは強いけど、仲間同士で競い合うわけじゃないんだよ。敵は魔女。協力して倒すんだ。どっちのほうがとか関係ないよ」

貴方「……俺も正直、今でもちょっと、暁美さんとは対等に戦えてない気がして」

ほむら「あなたばかりが戦っているから?でも、私が手出しをしすぎるのも対等じゃないと思うんでしょう?」

貴方「バランス、なんじゃないかな。連携って前に言ったけど、それって任せるとこは任せ合って、協力して魔女を倒すっていうことだから」

ほむら「……私はそういうことを考慮した指示は上手くできないわ。恐らく、経験が薄いから」

ほむら「すぐには上手く出来るようにならないし、仕方のないことよ。嫌ならそれが出来る人と組んで」

ほむら「前にも言ったけれど、私にとって一人で戦うことは問題じゃない」

貴方「べ、別に嫌ってわけじゃないけど……!」



 ――――……たしかに暁美さんの指示は的確だが、一人で戦うことに特化したものだ。

 俺はともかく、暁美さんが得るものは少ないのかもしれない――。

 もしくは上手く出来ないと言った連携の指示を学ぶなら、他に誰か手本となる人をつけたほうがいいのかな。



――――
――――



四回目【貴方】 22日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・思ってたより強い
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・頼ってほしい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美

――――

★ENDフラグが近い…かも…?★


▼【あと5回】ほむらを単体でパトロールに誘うと【全体エンディングルート】を迎えます。
 このシリーズ全体の後付オチ的な内容ですが、はじまるとそこそこ長いと思うので注意してください。
 エンディング後も攻略は続行できますが、一応区切りとするので、
 話の流れとしてはほむら2を含む他ヒロインの攻略を先に進めたほうがいいかもです…。

 なお、好感度★以降ほむらはパトロールでは好感度は上がりません。


残り:5回

――――

23日目



 ……昨日の放課後のパトロールは気まずく、すぐに解散してしまった。

 どうすればいいかわからないという感じだったのと、その前に話していた内容のせいもあったと思う。

 暁美さんの語ろうとしない部分。――暁美さんにとって、言われたくないことでもあったのかもしれない。


 そういえば、暁美さんとの会話の中で、俺も何か少し違和感を覚えた部分があった気がする。なんだったっけ?


貴方(……なんにしても、このままじゃよくないよな)


 教室の中には、今日も仲の良いクラスメイト同士で話す姿があった。

 いつも一緒にいるメンバー以外にも暁美さんは男女問わず人気が高い。眺めていると、意外と交友は広いことが窺えた。

 こうして見ているとみんないつも通りだ。



さやか「――あ、それなら【貴方】にも聞いてみよっか?」


 すると不意に美樹と目が合って、そのついでとばかりに話を振られる。

 偶然だが、これはいい機会かもしれない。


貴方「ん、何の話?」

ほむら「…………」


 しかし、俺が話に加わろうとすると暁美さんは無言でどこかへ立ってしまう。


さやか「何か喧嘩でもしたの?今のほむらの態度、あからさますぎるっしょ」

まどか「そ、そうだね。いきなり。怒ってるのかな……?」

貴方「喧嘩はしてないけど……」


 美樹は鋭いが、それでなくても気付けるほど今の暁美さんの態度はわかりやすかった。

 普通に考えるならわざと怒りや嫌悪を表現したというようにも見えるけど、意外にも志筑さんが全く違うことを言っていた。


仁美「何があったのかは存じませんが、怒ったからといってみんなのいる前で避けるほど幼稚なことはしないんじゃないでしょうか?」

仁美「この前気付いたのですけど、暁美さん。表情には出にくいですが、それ以外の感情表現はむしろわかりやすいくらいなんです」

仁美「喧嘩をしたのなら、後ろめたい気持ちでもあったのかな……と」


 勘の鋭い美樹よりも、一番関わってると思っていた鹿目さんよりも、志筑さんがそれを言ったことが驚きだった。

 いつのまにかそんなに仲良くなってたのか。

 思えば、鹿目さんが暁美さんを見る目は友情よりも憧れのほうが強く見えた。

 ……それは、他の関わりの浅い多くの女子が暁美さんに向けるのと同じ類のものでもあった。


貴方「後ろめたい気持ち……」

さやか「ま、まあ気にすんなって!そういうのは時間が解決してくれるっていうの?いつのまにかケロっと直ってるもんよ!」


 美樹の能天気なフォローには元気をもらえる。

 時間が解決するまで無理に追わないってのも手ではあるよな。


――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



貴方「暁美さん!」

ほむら「……何?」


 帰りのHRの後、暁美さんを廊下で呼び止めた。

 やっぱり、何もせず放っておくことは俺にはできなかった。


貴方「昨日はごめん、文句を言うつもりじゃなかったんだ。俺も気にしてないからさ、パトロールまた行こうよ」

ほむら「……どうしてまた私と?」

貴方「それは……」

ほむら「昨日は私も言い過ぎたわ。でも、今は一人にして」



――――
――――



四回目【貴方】 23日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・思ってたより強い
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい↓
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:4回】

24日目



さやか「おはよう、今日寒いねー!」

仁美「まどかさん、そのマフラー可愛いですわ」

まどか「ありがとう。実はわたしが部活で作ったんだ」


 朝、みんなと一緒に教室に入ってくる鹿目さんの首元にはピンク色のマフラーが巻かれていた。

 彼女に似合う、彼女らしい色。でもまさか手作りだとは思わなかった。


貴方(確かに今日は寒いなぁ……)


 日は短くなり、空気は暖かさを失い乾燥したものへ。

 いつも昼に見る花壇の花と野菜も日に日に変化を遂げていた。

 段々と季節は秋から冬へと近づいてくる。そしてそれは同時に、期末テストとそのすぐ先に待つ冬休みが迫ることも表していた。


さやか「みんな冬休みはどこいくー?」

まどか「わたしは今年も家族でスキーかなぁ」

仁美「いいですわね。私も家族で旅行に行きますの」

さやか「お土産期待!」


 みんな浮いた話をしていた。……その前にテストがあるからまだ浮いてばかりいられないが。


――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 帰り際、一昨日からろくに話せずにいた暁美さんのところに今日も話にいく。

 机の前まで来てみたが、暁美さんは気まずそうに目を逸らしたまま話そうとしなかった。



ほむら「…………」



1どこか遊びに誘ってみる
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



貴方「どこか行ってみる……?」

ほむら「え……?」

貴方「パトロールじゃなくて、今日は普通に遊びに行くのはどうかなって」

貴方「なんにも決めてないし、そういうのが嫌ならいいんだけど」

ほむら「…………」


 ――学校を出る。

 暁美さんは一応ついてきてくれた。だが、この前までよりもさらに会話がなかった。

 行先はいつもの駅前だ。この前と同じデパートの中を歩いていた。


貴方(この前は興味のあるものを探そうとして失敗したっけ……)


 暁美さん相手だと特に、相手に合わせすぎないほうがいいのかな。

 かといってはしゃいで遊びまわるって雰囲気でもない。



1本屋でも寄ろうかな?
2喉の渇きを潤すためにカフェでも
3自由安価

 下2レス



貴方「本屋でも寄ろうかな」

ほむら「買いたい物があるの?」

貴方「買いたくなるものがあるか探しにいくの。暁美さんもどう?」


 暁美さんはそう言うと理解できなさそうにわずかに首を傾ける。

 しかしまあ、知的でクールな美人に本という組み合わせはなんとなくハマっている。

 とりあえず読書とは相性は悪くはないようで、本屋に着くと暁美さんも辺りに目を向け始めた。


ほむら「…………」


 他に集中できるものがある状況だからか、会話はさらになくなってしまった。

 でもさっきより居心地の悪い静寂ではない。


貴方「何見てるの? ……あ、それ話題になってたやつだ。お勧めナンバー1って書いてある」

貴方「ちょっと意外だな。暁美さんって、周りに流されないって感じかと思ってたから」

ほむら「普段から読まない人がマイナーなものに手を出そうとしても失敗するでしょう。評価がついているもののほうが安心だわ」

ほむら「それに私は……流されてばかりよ。自分なんて無いから」


 そう聞いて、暁美さんが自分から動くよりも受動的なタイプであったことを思い出した。


貴方「買ってみる?」

ほむら「ええ。暇つぶしにはなるでしょう」



 買うらしい。他からのお勧めではあるが、これも興味のあるものを探せたといえるのだろうか。

 しかし暁美さんの言葉は素っ気なく、まだ距離があるように思えた……。




四回目【貴方】 24日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・思ってたより強い
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:4回】

――――
25日目 花壇前



さやか「そーいえばテスト来週か」


 昼食の時間、四人掛けの円卓で右隣に座る美樹のそんな発言を聞く。

 魔法少年の活動やただ遊びに行ったりもしつつ、一応自分は対策をしてないわけではなかった。


まどか「忘れてたの?さやかちゃん。一大イベントだよ」

仁美「余裕ですわね……その度胸は羨ましい限りです」

さやか「それ絶対皮肉だよね!?」

貴方「つーか本当にそんなんで大丈夫なのか?」

さやか「うーん……ま、多分大丈夫だよ」


 何を根拠にか、美樹は軽いノリで言い放つ。

 真面目な話ばかりしていても面白くないので、そう言うならと自然と他の話題に切り替わっていった。




――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 ――HRが終わり、下校の準備をする。

 テストは週明けだ。勉強のために持ち帰る教科書が多いためいつもより鞄が重い。

 鞄を整理して立ち上がると、暁美さん見覚えのある一冊の本を手にしているのが見えた。昨日の本だった。ちょうどしまっていたところらしい。


貴方「あ、それ読んでるんだ。内容どう?」

ほむら「まあ、暇つぶしには悪くないわ」

ほむら「……帰るわね」



1一緒に帰ろう
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



貴方「ああ、うん。帰るか」


 立ち上がって歩きはじめた暁美さんに並んで教室に出ようとする。

 廊下はまだ生徒で賑わっていた。


ほむら「……あなたも家こっちなの?」



1そうだよ
2そっちに用事があって

 下2レス



 暁美さんの家が駅前のほうにあるのはこの前聞いていた。

 けど、考えてみれば俺自身のことはほとんど教えてなかった気がする。


 ……家は――――神社だ。そこで家族と暮らしている。


貴方「そうだよ。駅近くに神社あるでしょ。そこ」

ほむら「ああ……あの神社だったの」

貴方「初詣には鹿目さんたちと来ない?もう時期も近いし」

ほむら「伝えておいてもいいわ。まどかが行くなら私も行く」


 鹿目さんが主体なのがなんともえいないけど……一応OKと思っていいんだろうか。


貴方「暁美さん自身がどう思ってるかのほうを聞きたいけどな」

ほむら「私は……本当にどちらでもいいのよ。初詣というのがどういうのかあまりわかってないから」

貴方「え、なんか家が宗教やってるの?」

ほむら「…………さあね」


 返ってきたのは、またも曖昧な答えだった。

 いつか、もう少し気を許してくれたら打ち明けてくれないものだろうか。

 隙の無い表情の横顔を見て、それから前を向いて歩きはじめた。



四回目【貴方】 25日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・思ってたより強い
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:4回】



――――


 明日は休日だ……。何をして過ごそうか?


・キャラ選択(まどか/さやか/ほむら/マミ/仁美)
・何に誘う?※キャラによっては断られることもあります
1遊びに行く
2パトロールに行く
3訓練する
4家に誘う
5相手の家に行く
6自由安価

 下2レス

五週目休日



 暁美さんを誘ってみて、当日の昼になったのだが――。


貴方(返事が来ないな……)


 気づいていないのかもしれない。

 さすがに無視するほど嫌われているってわけではない、とは思うけど……。



▼好感度不足のようです…。(「好感度★」未満だと失敗したり、他のお友達をつれて来ることがあります)
 また、「気まずい」等の悪い状態がある場合はこれを脱しないことには滞ってしまいがちです。
 行動で挽回するにもほむらはやや気難しいため、さやかの言う通り暫く間を置いて別のことをしてみるのも手です。



今日はなにをしようか…
1家の手伝いでもするか
2せっかくだから遠出してみるぞ
3そのへんふらふら
4別の人を誘ってみる?(好感度上げきってる相手のみ)
5自由安価

 下2レス



 急だけど、志筑さん予定空いてないかな。最近習い事もかなり減らしたようだし。

 ――電話してみた。


仁美『もしもし――【貴方】くん?どうなさったんですの?』

貴方「なんにもないんだけど、なんとなく暇で」

仁美『まあ。私もちょうどお勉強が一息ついたので息抜きしてたところですの』

仁美『声が聞けてよかったですわ。メールよりも電話、ですわね』

貴方「あはは、そうか。そうだね」


 なんか、照れるなぁ。


貴方「今度のテストの勉強、調子はどう?」

仁美『ぼちぼちです。そちらはどうですか?』

貴方「んー……ぼちぼちかな」

仁美『あらあら、うふふ』


 暫く電話で話して、それから一緒にカフェで勉強でもどうかとお誘いが来た。

 困った時に志筑さんが見てくれるならこっちも助かる。

 直接、お昼のように向かい合って話していると、ふと志筑さんはこんなことを言った。


仁美「【貴方】くんって、女子でもさやかさんのことは呼び捨てですよね」

貴方「ああいうのは、女子って気がしないっていうか……距離が近いっていうのかな?」

仁美「そうなんですか? あの、もしよろしければ……私のことも。仁美、と呼んでいただいても」

仁美「私達だって、十分お近づきになれたと思ってますから」

貴方「え……!」

仁美「ま、まあ……よ、呼びやすいようにお願いいたしますわ!」


 さすがにクラスの人たちがいる中で名前を呼び捨てにするのは気が引ける、というか、殺気を感じそうだけど……。

 少人数の場なら、いい……かな?



[好感度] to貴方
美樹さやか★★★巴マミ★★★志筑仁美★★★>鹿目まどか・暁美ほむら・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

――――
26日目



 きたる週明け。テストの日でもある。

 テストが始まる前も終わった後も、その話題が聴こえてくることは多かった。


 昼休みが始まると人気の多い教室から出て行く。

 休日の間にあんな話をしてしまったけど、少人数の場……といったら、とりあえずここだ。



仁美「二人で勉強したところ、ちょうどテストに出ましたわね!一緒に勉強した甲斐がありましたわ」

貴方「ああ、おかげで助かったよ…… 仁美」

さやか「てか! 呼び方…… 呼び方、どした!?」

仁美「うふふふふふ」


 どこか迫力のあるお上品な笑みを浮かべる志筑さん。


貴方「……美樹には呼び捨てで距離が近いって話をしてて」

さやか「えぇ!? だ――っ、だったらさやか、で……よくない?」

貴方「ま、まあそれでもいいけど」


 そう言うと、志筑さんは少し面白くなさそうな表情をする。

 ――が、何かを思い直したようにまた微笑んだ。


仁美「考えてみたら、私……誰かと名前で呼び合ったことがほとんどございませんの」

仁美「さやかさんやまどかさんも特別なお友達の一人ですわ」

まどか「うん!仲いいって感じはするよね」


 考えてみたら、このあたりの仲のいいメンツはみんな名前で呼び合ってるのか。暁美さんだけ少し例外が入るけど――。

 自分もそんな仲間の一員になれたのかなって気がした。


――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後




貴方「暁美さん、あの――」

ほむら「悪いのだけど……」




 帰り際に声をかけたが、暁美さんはわずかな憂いを帯びたを俯かせ、目の前を通り過ぎていく。

 ……瞬間、『同じクラス』、それ以外に接点などないかのような、他人のような目を向けられた気がした。



 でもだって、あれ?友人――――……だったんだよな。


 ――――いつから、何がきっかけだったんだっけ?



貴方(…………)




四回目【貴方】 26日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・思ってたより強い
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい↓
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:3回】

27日目



まどか「やっと午前のテストが終わったね!いつもよりすごく長く感じちゃう……」

さやか「それにしても助かったわぁ。まさかテスト直前に【貴方】が言ってたとこが出るなんて思わなかったよ!」

貴方「俺も思ってなかった」


 テスト期間は今日も続く。解答用紙の回収が終わって先生が出て行くと、すぐにそんな会話が始まった。

 合間にみんなと話すのは緊張をほぐす意味でも、覚えていることを確認する意味でもいい助けになっていた。

 そして合間の休憩よりも長い昼休みがはじまると、荷物を持って席を立つ。


まどか「――あ!花が咲いてる。昨日までつぼみだったのに」

さやか「こんな寒いのに日々成長してるんだねー」

仁美「植物ってたくましいですわよね」


 花壇を眺めてから座る。はじめの頃から自然と位置は決まっていた。


さやか「このままテストのこと忘れて遊びたいな~」

仁美「まだ明日もありますわよ」

さやか「テンション下がること言わないでよー」

貴方「さやかの場合はテンション上げすぎるよりは緊張感持ってたほうがいいんじゃないか?」

まどか「たしかに緊張感はある程度あったほうがいいかもだね……」

さやか「そういえば、あたしのことも名前で呼んでくれたんだね。教室では前のままだなって思ってたけど」

貴方「ま、まあなんとなく……」



 その理由は勘繰るの大好きな奴らの餌食になりそうでなんか恥ずかしいってだけだけど、

 呼び方を変えてからなんかさらに距離が縮まった気はする。



――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 午後のテストを終えると、帰りのHRだ。

 号令の挨拶とともに解散し、学校での一日が終わった。


 ……今日もまっすぐ帰るか。明日もテストだ。

 教室を出て階段を降りていくと、ふと見知った姿に出くわした。


マミ「あら、【貴方】くん。今帰るところ?」


 巴さんだ。最近は昼も屋上には行ってないから、久しぶりだった。


貴方「はい。明日もテストだし勉強しようかなって」

マミ「そう、偉いのね」

貴方「しないとまずそうだからってだけですよ。そっちはどうですか?」

マミ「私もしないとまずいから勉強はしてるけど……相変わらずパトロールもあるし、夜が遅くなりがちかも」

貴方「巴さんも体調に気を付けて頑張ってください。……あ、パトロール、今日も行くんですか?」

マミ「今日は他の人に任せようかしら」


 話しているうちに下駄箱を抜け、校門の前を通り抜ける。

 そしてその場で別れた。


マミ「【貴方】くんも、今日は忙しそうだけど……たまにはまたどこか行きましょうね」

貴方「はい!それじゃまた――」



四回目【貴方】 27日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・思ってたより強い
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:3回】

28日目



 テスト期間三日目――――……。

 終わった。ついに筆記テストが全て終わった。

 開放感が教室内を包み、昨日までよりみんな少し賑やかだ。





*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



さやか「よっしゃーー!あたしたちも遊びにいくか!」

まどか「うん。やっと羽を伸ばせるね」


 やたらとテンション上げてるさやかが目に入った。

 鹿目さんとどこか遊びにいくらしい。


さやか「もう緊張感なんていらないからね!テストさえ終われば、これからはクリスマスにお正月に楽しいイベントが盛りだくさんよ!」

貴方「冬休みももうすぐだな」

まどか「みんなと学校で会えなくなるのは寂しいけどね。でも、いつだって会えるよね」

貴方「まあそうだな。あ、志筑さんは旅行に行くって言ってたけど……どのくらいだろ」

さやか「あー、外国に何日も行っててもおかしくないかもね。そういえば【貴方】はなんか予定ないの?」

貴方「別に今のところ予定は……」


 ――と、少し未来のことを話してたが、そろそろ教室にも人が減ってくる。

 今日はどうしようかな。



1誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
2他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



さやか「じゃ、あたしたちそろそろ行くわ!」

まどか「【貴方】くん、また明日ね」

貴方「おう。また明日」



 そして二人も教室を出て行く。

 これから遊びに行くと話していた二人の楽しそうな声が廊下から聞こえてきた。



さやか「なにするなにする?ショッピング?カラオケ?」

まどか「久しぶりにカラオケいいなあ」


 ……俺もそろそろ出ようか?



1誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
2他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



貴方(……帰るか)



 特にここに残る理由もない。一人で帰ることにした。




四回目【貴方】 28日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・思ってたより強い
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:3回】

29日目



 テストも終わり、今日からは平常どおりに戻る。

 ただ、内容は普通の授業じゃなくてテスト返しだ。早くも一日目にやった教科のテストは返ってきていた。


さやか「テストどうだった?」

まどか「とりあえず赤点は回避……」

仁美「え、そこが基準ですか?まどかさんってそんなに余裕ありませんでしたっけ」

さやか「あー、まあ色々とほかにもやることがあるんだよ!色々と!」

仁美「はあ……そうなんですの?」


 とはいっても、契約してても勉強できるやつはいるし。

 人によるってのが大きい気がした。


さやか「もう来週で学校も終わりだよ」

貴方「そう言われると本当に早いな」


 今週は特に時が経つのが早く感じた。

 さすがに前日ともなると勉強優先してたし、昨日も疲れて放課後はどこにも行かなかったから。



――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



まどか「今日はよろしくね、【貴方】くん」

貴方「ああ、こちらこそ」


 鹿目さんと学校を出て街の中を歩く。

 暁美さんからは誘っても断られていたし一人では行ってないから、こうしてパトロールに向かうのは実に1週間以上ぶりだった。

 感覚、鈍ってないかな。大丈夫かな。


貴方「鹿目さん、テスト期間中もパトロールやってた? 俺は今週は勉強優先だったし、なんか久しぶりで」

まどか「わたしは昨日と一昨日は行ってたよ。杏子ちゃんも昼から回ってるみたいだけど、テストがあるからって一人に任せておくのも悪いかなあ……って」

まどか「ほむらちゃんも行ってたのかな。魔法少女やってて強くて成績優秀って本当にすごいよね!」


 鹿目さんは純粋な憧れの気持ちを向けている。

 魔法少女の活動に対しての責任感もあるんだろう。けど、ちょっと無理してないかな。

 並み以上に両立してる人のことはすぐに真似できるものじゃない。――そう思って、あの時の随分と弱気だった言葉を思い出した。


まどか「うーん、わたしもテストの結果を犠牲にする気はなかったんだけどね……?」



 鹿目さんは――同じクラスでいつも近くにいるけれど、思い返してみれば直接関わったことはほとんどなかった。

 別の友達を介してとか、誰かと一緒にいるときについてきていたことが多かったと思う。


 そんな表面しか知らない彼女の印象は、純朴で優しそうな子、というくらいだった。誰に対しても人当たりは良さそうだと思う。

 けど、さやかほど活発じゃないし、スタンダードで控え目な女の子らしく見えるから意識しないと話題が出てこない。

 この前、魔法少女としては心配しなくていいくらいに戦っても腕は立つし度胸があるということがわかったけど……。

 ふと、この前『接近戦は苦手』だと言ってたことを思い出した。


貴方「鹿目さん! 近づいてくる敵からは今日は俺が守るから」

まどか「うん。じゃあわたしは遠くの敵を。みんな得意分野が違うからこそ守り合えば強いよね」


 それでも彼女は一方的に守られることは良しとしない。対等に肩を並べて戦うことを前提にしていた。

 それもこの前わかったことで、おおよそ好戦的には見えない性格から少し意外だと思っていたことだった。



 ――――寂れた景色の増えてきた街の片隅に、結界を見つけて押し入る。

 薄暗い路地裏から入ったそこは、薄暗い路地裏を更に複雑にさせたような迷路だった。

 知らずに取り込まれたらわけがわからなくなりそうだ。


まどか「どっちの道が正解かな?これ……!」

貴方「迷ったって仕方ない……こっち!間違ってたらごめん!」

まどか「それは言いっこなしだよ」


 決めた方向に足を進めながら鹿目さんの一足先を歩いて確認し、近くに迫っていた使い魔を薙ぎ払う。

 横を桃色の矢が駆けていく。不思議な曲線を描いて飛んだそれは吸い込まれるように命中し、離れた距離から飛びかかろうとする使い魔を貫いていった。

 不意打ちのごとく曲がり角で出くわすものやよほど素早いものを除けば、鹿目さんの攻撃だけでもほぼ接近を許さず片づけることはできる。



貴方「ここが迷路の奥か……!」

まどか「使い魔がいっぱいいるね。まずはわたしが!」


 通路を抜けた先。

 待ち伏せている敵がいないことを確認すると、さっきまでとは順序を変えて、道を開くために鹿目さんが斜め上に向けて弓を引き絞る。

 上に向けて射られた魔力の矢は上空に桃色の魔方陣を描き、そこから雨のように無数の矢を降らせた。


 ――使い魔の群れがこちらに気づく前にほとんどが雨に撃たれて消滅していく。

 そして、残りの使い魔がこちらに向かってくるより先に俺が前へと踏み出した。


貴方「うぉおおー――――っ!」


 わざと声を出したのは自分を鼓舞するためでも、敵の注意を引き付けるためでもあった。

 接近戦でも、その前に倒せるのなら中距離でもいい。とにかくここで仕留める。

 ここを守るのは俺の役目だ。……それに、どうせならカッコいいとこ見せたい気持ちはやっぱりある。


 使い魔を倒し、そのままの勢いで魔女へも武器を振るいにいく。

 真っ正面から大技をぶちこめるほどの余裕はないから、さすがに一発とはいかない。

 後ろからも太く迸る魔力の矢の援護を受け、遠近両方の攻撃で魔女を倒す――――。


貴方「なんとかなったね」

まどか「うん! この調子でいこう」


 結界から街中へと戻ると一息つく。

 鹿目さんのやる気に満ちた明るい声には元気をもらえる。

 そして、また次の場所へと歩いて行った――――。



四回目【貴方】 29日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・守り合う仲間↑
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:3回】

30日目



 今週も今日で最後だ。

 昨日も時が経つのは早いと思ったが、考えてみれば二年生の終わりも近づきつつあるのだとしみじみ思った。


 ……本当に、進路どうしようか。

 魔法少年の活動をしたり、学校でも授業はそこそこ真面目に受けてたけど、自分のこととなるとなんにも考えてはいなかった。

 来年の今頃には猛勉強でもしてるんだろうか。なんだかまだ実感がわかなかった。


 志筑さんに同じところを狙わないかなんて言われたこともあるけど――――……。


貴方「みんなって、将来なりたいものとかある?」


 帰りのHR前の小休憩で、ふとこんな話題を振ってみた。


さやか「どしたの急に?まじめな話?」

仁美「三年生も近いですものね……。私は漠然と親の事業を継ぐんだと思ってました」

仁美「『なりたい』――と言われると、ちょっと違うかもしれないですけど」

ほむら「【貴方】くんも実家を継ぐんじゃないの?」

仁美「【貴方】くんのご実家はなにをしてらっしゃいますの?」

貴方「ああ、近くの寺……まあ、それももちろん悩むことなくていいんだけどね」

貴方「自分がなにが得意でなにをしたいと思ってるか、って言われるとあんまり考えたことないなって思ってさ」

まどか「難しいね。わたしも就きたい職業って考えるとわかんないかも。そんなに取り柄もないし……」


 結局この時は、誰も明確な夢を口に出す人もいなくて曖昧なまま話が終わった。


――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス




貴方「そういえば、初詣のことって鹿目さんたちには話してないの?伝えておいてもいいっていってたけど」

ほむら「……忘れてたわ。誘いたいのなら直接誘ったほうがいいんじゃない?」

貴方「それもそうか。ちなみに、暁美さんもなりたいものって思い浮かばない?」

ほむら「ええ」



 ……暁美さんはそれだけきっぱりと言った。




1誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
2他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス




 教室を出て、1Fで巴さんと合流する。



マミ「待たせてしまったかしら? 帰りのHRが少し長引いちゃって」

貴方「あ、いえ、大丈夫っすよ。ちゃんとテレパシーで伝えてくれましたし」

貴方「テレパシーって便利ですよね。学校内で離れてても気軽に会話できて」

マミ「もっと気軽に話しかけてくれてもいいのよ?」


 とはいえ、さすがに授業中とかだと怒られそうだ。

 休み時間は直接誰かと喋ってることも多いし、便利とはいっても巴さんとはあまり雑談に使ったことはなかったか。


貴方「向こうの状況が見えないから、誰かと話してたりしないかな……とか考えちゃうんですよね」

マミ「私くらいになれば誰かと話しながらでも大丈夫よ」

貴方「あ、そうなんです?」


 ……どんな自慢なんだろう。



マミ「……大分誇張が入ったかな。長い事やっててもそんな器用な経験は積んでないわ」

貴方「で、ですよね?」


 この人、たまに冗談かわからないことを言うな。でもそんなところも面白い。

 雑談をかわしながら校舎を後にする。


マミ「で、今日は朝ちょっと気になるニュースを見たからそこを――――」


 雑談では気を抜いた様子だったけど、パトロールのこととなるとやっぱり真剣なものを感じた。

 本心では戦うことは恐いし進んでやりたいわけじゃない――巴さんと深く付き合って垣間見えたそれは、当たり前の感情だった。

 しかしそれ以上に巴さんは魔法少女に対して真面目でストイックだ。


 俺が志筑さんと約束して強く心に決めた目標――『全ての魔女を倒すこと』。これを達成すれば、もう彼女も戦う理由はなくなる。

 その日までの道のりは簡単なものではないけれど、巴さんと一緒なら明るく前を向いて戦っていけそうだと思った。


――――
――――



四回目【貴方】 30日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・守り合う仲間
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:3回】




――――


 明日は休日だ……。何をして過ごそうか?


・キャラ選択(まどか/さやか/ほむら/マミ/仁美)
・何に誘う?※キャラによっては断られることもあります
1遊びに行く
2パトロールに行く
3訓練する
4家に誘う
5相手の家に行く
6自由安価

 下2レス

六週目休日



 ……当日の昼になって返事がきた。


 『他の人と約束があるから』 


 返事が来た、だけマシだろうか?

 いや、文面に言い訳くさいものも感じた……。



・ほとぼりが冷めるまで待ちましょう…手遅れになる前に…
1家の手伝いでもするか
2せっかくだから遠出してみるぞ
3そのへんふらふら
4別の人を誘ってみる?(好感度上げきってる相手のみ)
5自由安価

 下2レス



 せっかくだから遠出してみよう。



 大きな敷地。グラウンドからは部活動中の女子生徒たちの声が聞こえた。

 お嬢様たちの花園。当然、男子禁制の場所。そりゃもちろん憧れではあるし自然とそわそわしてくる。

 実はこの中にも魔法少女とかいるんじゃないか?いたっておかしくない。あらゆる街の魔法少女が集まってるかも。

 契約者同士縄張りの垣根なんて超えて仲良くしたっていいじゃないか。


 汗水垂らす部活すら上品。むしろ良い匂いがしそう!


 畏れ多くも周辺をぶらぶらしていると、制服を着たお嬢様たちの視線がこっちに突き刺さった……。

 休みの日のお嬢様学校周辺をうろつく不審者という図が出来上がりかけていた。



 …………あれ? 俺迷走してる?




― 六週目休日 終了 ―



[好感度] to貴方
美樹さやか★★★巴マミ★★★志筑仁美★★★>鹿目まどか・暁美ほむら・佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

――――
31日目



貴方「さむ……っ」


 昼食休憩にみんなで外に出た瞬間、思わず口をついて出る率直な感想。

 契約して身体が強くなっても感じる寒さは変わらない。

 ……いや、もしかしたらあっためたり軽減する魔法とかあるのかな?


さやか「今日の夜は雪が降るらしいよ。明日積もってるかな!?」

まどか「雪だるまとか作りたいね」

さやか「雪合戦もいいぞ!」

仁美「遊ぶのもいいですけど、登下校中に転ばないように注意しませんと」

さやか「あ……明日雪積もってたらこのテーブル使えなくない?綺麗にどけてくれるかな?」

貴方「朝掃除されてそれからずっと晴れてれば乾くかもな」

まどか「【貴方】くんは雪遊びといえば何が浮かぶ?」



1雪合戦
2雪だるま作り
3かまくら作り
4スノーエンジェル
5自由安価

 下2レス



貴方「雪合戦かな」

さやか「お、明日は一緒にやるか!」

仁美「少ない雪の量でもできますしね。形に残らない分、溶けていくような悲しさもありませんし」

まどか「あぁ……溶けるのはさみしいねえ」




 寒さに耐えつつ、明日のことを想像して話を弾ませた!



――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 帰りのHRが終わると、教室内は一気に賑やかになる。

 荷物をまとめて教室を出る準備をする人、まだ残って誰かと話している人、さまざまだ。


まどか「わっ、忘れるところだった」


 鹿目さんは鞄を取って立ち上がると、机を収納する前にもう一度しゃがみこんだ。

 ピンクのマフラーを首に巻いて、支度完了らしい。


貴方「冬は身に着けるものが多くて支度に時間がかかるよね」

まどか「うん、そうなの。朝はちょっとだけ早く準備をしなくちゃいけないのに、暑い時よりも布団から出たくなくなっちゃって……」


 のんびりとした調子で話す鹿目さんの言葉に、その光景が浮かんでほっこりした。


まどか「【貴方】くんはその格好で寒くないの?」

貴方「マフラーと手袋とか、つけてこようかと思っても毎回忘れちゃうんだよね。そもそもまともなの家にあったかな」

貴方「……まあ、今日は後悔するくらいには寒いな」

まどか「そうだよね。あ、余計なお世話かもしれないけど……よかったら前につくったのあげようか?」

まどか「少し大きく作っちゃって。【貴方】くんなら合うかなって」

貴方「えっ、くれるの? それは嬉しいな」


 そういう特技っていいなと思った。取り柄がないとか言ってたけど、ちゃんとあるじゃないか。

 何かお礼ができないかと考えてふと思い出した。


貴方「あ……そうだ。うちの実家が寺って話はこの前したと思うんだけど、よかったら、初詣こない?」

貴方「代わりと言ったらなんだけど、おみくじとかサービスするよ」

まどか「初詣か。もう近いもんね。家族で行ってもいい?」

貴方「もちろん」




1鹿目さんの家族って気になるな
2手芸が特技っていいね
3誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス



貴方「手芸が特技っていいね」

まどか「あ、ありがとう……特技っていえるのかな」

貴方「十分特技だと思うけど。そうそうみんな出来るわけないし、俺もせいぜいボタン付くらいしか……」

まどか「でもわたしは【貴方】くんみたいに成績よくないし」

貴方「成績がいいだけだよ。勉強が特技ってのもしっくりこないしさ。俺は何が特技かって言われたら悩むくらいだよ」

貴方「鹿目さんはもっと自信もっていいんじゃない?」


 そう言うと、褒め言葉は慣れてないらしく、鹿目さんは少し照れた様子だった。


貴方「……引き留めたみたいになってわりい。そろそろ帰るか」


 教室を出て、廊下を通って階段を下りる。

 校舎を出てもしばらく自然と同じ道を歩いていた。


貴方「今日はまっすぐ帰る?」

まどか「うん、そのつもり。あ、【貴方】くんがパトロール行くなら付き合うよ」

貴方「俺も今日はいいかな……。鹿目さん家ってどのへん?」

まどか「大きい公園のあるほうだよ」

貴方「ああ、あの噴水のある公園か」


 何気ない話をかわして、それから鹿目さんがぽつりと話し始める。

 驚いているような不思議そうにしてるような、そんな雰囲気。


まどか「さっきの話、だけど……【貴方】くんもああいうことで悩むことあるんだね」

貴方「そんなに意外だった?」

まどか「うん。意外だった」

貴方「そっか。そういうふうに見えてるのか。褒められてるって思っとこうかな?」

貴方「でも、鹿目さんみたいな人が取り柄ないなんて言ってたらほとんどの人が取り柄なんてなくなっちゃうよ」

貴方「特技の話もしたけど、取り柄って別に特技だけじゃないだろ。鹿目さんと話してると気分が穏やかになる感じするし」

まどか「え、そう……かな?」

貴方「うん。そうだよ」


 鹿目さんについて深く知ってるわけじゃないけど、雰囲気はこうして話してても伝わってくる。

 さやかとかは誰かと一緒でも目に入りやすいけど、鹿目さんは多分、あまり自己主張しないタイプなんだろう。

 ……そんな彼女に、少しだけ興味を持った。



四回目【貴方】 31日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・守り合う仲間↑
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:3回】

32日目



 昨日から噂されてた予報が的中し、教室の中は朝からどこか沸き立っていた。



さやか「いやー見事なもんだね。あー、早く遊べる時間こないかな」

まどか「触ったら冷たいけど、踏み固められてないところはふわふわしてそうで綺麗だよね」

仁美「ほむらさんも雪ってテンション上がりませんか?」

ほむら「私は別に……。寒いのは嫌よ」

さやか「なーにさ、大人ぶっちゃって」

ほむら「……雪景色を見る分にはいいけれど、足も取られるし外に出るには厄介だわ」

さやか「まあそれはわかるけど。あたしも雪が少し靴の中に入っちゃって足が冷たいんだよね」


 いつもは比較的冷静な志筑さんも今日は少しはしゃいでそうだ。

 対して、暁美さんはいつもどおりだった。まあ、こんな日は家でゆっくりしてたいって気持ちもわからないことはない。


まどか「昼休み、ほむらちゃんもいっしょに外どうかな?遊んでみたら楽しいよ、きっと!」

ほむら「……そう言うなら」


 やっぱり、いつもどおりだった。



 雪は昨日の夕方あたりから降りはじめ、朝起きたら晴れ空の下に積もっていた。

 ……昨日はまっすぐ帰って正解だった。


 この前気軽に話しかけてと巴さんに言われたのもあって、

 身体を温める魔法や寒さを和らげる魔法がないかどうかをテレパシーで聞いてみたが、

 『魔力を身体に纏うようにしてみたら?』ととても感覚的なことを言われた。


 授業中にこっそり試してみたら、コントロールを失敗したのかとても暑く――というか、熱くなってしまった。


 魔力の感知にも長けている暁美さんには気づかれた様子だったが、身体から謎の熱気を発していたら契約者じゃない人にも気づかれかねない。

 慌てて解除した。だが少なくとも寒さはなくなった。

 どうしようもなく寒い時に瞬間的に身体を温めるには悪くないかもしれない。


 ちなみにもう一つ、『寒さを和らげる魔法』のほうだが……――。


マミ『――戦ってる時って、集中すると痛みを抑えることができるじゃない?』

貴方『巴さんも怪我することあるんですね……』

マミ『最近はないけど前は一人だったし、私もいつも無傷とはいかないわ。特に最初のうちはね。そこそこ大きな怪我を負うこともあったから』

マミ『でも、痛いからってくじけていたら、もっと酷い目に遭って殺されてしまうのよ。痛みを感じることすらできなくなる』


 幸い、俺はそこまで大きい怪我をした経験はなかった。だからいまいちピンときていない。

 思わぬところで出てきた深刻な話――『殺される』という物々しい単語に、思わず唾を飲む。

 それからまた一転して、話は元の軽い調子へと戻ってくる。


マミ『……だから、寒さを和らげるなら、もしかしたら応用できるかなあって』

マミ『無理矢理感覚の伝達を妨げる物質でも出してるのか、脳内麻薬でも出してるのか、魔法とは関係なく生理的なものなのかもしれないけど』

マミ『医学の知識はないから詳しいことはわからないわね』


 しかしさっきの話のインパクトはまだ引きずっていた。

 ……巴さんはずっと死の恐怖と隣り合わせで戦ってきたんだ。



 ――――昼休みになるといつもみたいに外に出て弁当を食べる。

 ちゃんと掃除されていたため、テーブルを使えないんじゃないかという心配は杞憂に終わった。

 そして、食べ終わった後はお待ちかねの雪遊びだ。



さやか「隙アリッ」

貴方「つめて~!」


 最初は昨日から意気込んでたさやかと。

 なんだかんだ仁美と鹿目さんまで巻き込み、結局みんな一度は参加してた。その頃には暁美さんも来ていた。




1花壇の傍にいる鹿目さんに声をかける
2さやかとの雪合戦継続
3雪でなにか作っている仁美と暁美さんに声をかける
4巴さんも放課後には誘おう
5自由安価

 下2レス



 鹿目さんは花壇のとこにいて、仁美と暁美さんもその近くにいる。

 ……雪で何か作ってるらしい二人はいいとして、鹿目さんは花の世話でもしているのだろうか。せっかくの休み時間なのに。


さやか「よそ見してると……こうだっ!」


 さやかは、よそ見してたのがなんか気に入らなかったらしく。今までで一番大きいやつ投げてきてた。

 それならこっちもやられっぱなしにはしてられない。大きいのを作って。


貴方「こっちもお返し!」


 子供は風の子、ってこういうことを言うんだろうなあ。

 今はこっちを全力で優先しよう。手や身体の表面は冷たくなったものの、内側はあったまった気分だ。

 結局二人していっぱい雪かかっちゃったから、内側まで落ち着いたときには冷えることになりそうだが……。



 ――そうして、雪の日だけの楽しみを存分に遊んだ。

 しかし昼休みは短い。切り上げないといけない時間もすぐにやってくる。



貴方「あれ、花壇の雪がなくなってる?食ってた時には手を付けられてなかったよね」

まどか「わたしがさっきやったんだ」

さやか「放課後でもいいのに。まどかは真面目だなあ」

まどか「そ、そんなに真面目なわけじゃないよ。たまにしか顔出さないし。ただ、やっと咲き始めたのに可哀想だな……って思って」

まどか「あ、ほむらちゃんは楽しめてたかな? 寒いの嫌だって言ってたけど……」

さやか「なんだかんだ雪も投げてたし、仁美と一緒になんか作ってたじゃん? やっぱほむら敵に回すと恐ろしいわ」

仁美「一緒に雪うさぎ作ってたんですよ!暁美さんのもとても綺麗でしたよ」

ほむら「寒いのはもちろん嫌だけど……」


 『だけど』と逆接の後に発されたのは、首をかしげるような言葉だった。


ほむら「雪って、冷たいのね」

さやか「……なにを当たり前のことを言ってるのさ?」

仁美「ええ。雪は冷たいですよ」

さやか「アンタってたまに天然な発言するよね??」



 微笑んで返した仁美に、わけわからないと言いたげなさやか。

 最近一緒にいることの多い仁美は何か理解したのかもしれない。


 ――――みんなで暖かい教室に戻って行った。



――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



まどか「【貴方】くん。朝は渡せなかったけど、帰る前にこれを」


 鹿目さんが渡してくれたのは、昨日言っていたマフラーだ。

 鹿目さんのより幅が太めの赤色のマフラー。このデザインなら誰が着けるにも無難な感じだ。


貴方「おー、ありがとう! これもよく出来てるね」

まどか「そう言ってもらえてよかったぁ」

まどか「それと……わたしのほうこそ昨日はありがとうね。これも特技だって言ってくれて、少し自信を持てたから」

貴方「そんなのお礼言われることじゃないよ」

まどか「なんていうか、改めて手芸って楽しいなって思ったし、また一つ何か作ってみようかなって気になって」

まどか「最近はパトロールや訓練があったから少し離れてたんだけど……」


 鹿目さんの中で何かやる気のスイッチが入ったらしかった。


貴方「今度は何を作るの?」

まどか「それはまだ決まってないんだ」

まどか「冬だからまた編み物を作るのもいいし、季節に関わらず、ちょっとした刺繍やコースターづくりなんかもいいなあ」




1鹿目さんの作ったもの見てみたい
2なにかリクエストしてみる
3自由安価

 下2レス



貴方「鹿目さんの作ったもの見てみたいな」

まどか「あ、それなら家庭科室にもいくつか飾ってあるよ!」


 家庭科室――教室とは違うフロアにあるし、部員でもない俺らが寄るのは授業でほんのたまにって程度だ。

 次がいつになるかもわからない。かといって放課後、部活動中に付近をうろつくのも勇気がいりそうだ。

 なにせ部員が女子ばっかりだから、俺みたいなのがいると確実に浮く。


貴方「家庭科室か……」

まどか「そこ以外だと……うちにはあるけど、身に着けられそうなものや使えそうなものがあったら持ってこようかな?」

まどか「新しいもの作ったら見せるね」



 まあ、さすがにそれだけのために家までお邪魔するのも気が引けるし。

 とにかく鹿目さんの熱意は伝わってきた。

 ――――そんな雑談を交えながら、今日も一緒に学校を出ていった。



貴方「そろそろ道はだいぶ雪がかかれて歩きやすくなってるね」

まどか「綺麗にしてくれた人に感謝しないとね」

貴方「今日はパトロール行く?行くならついてくけど」

まどか「うん。いこっか」


 昨日とは違って、途中の道を大きく曲がっていく。行先は話し合って決めているがいきあたりばったりだ。

 人のよく通る道は雪がどかされているものの、そこから少し外れると手の入っていない場所が出てくる。

 しかし、魔力の反応があるところというのは得てしてこんな人の立ち入らない場所ばっかりでもあった。


 ふわふわに積もった雪を踏みしめて足跡をつけるのは、これはこれで楽しくもある。

 ……これが、ただの革靴でなくしっかりと足を覆える長靴だったならだが。


貴方「ごめん、一旦帰って着替えてからにすればよかった……!」

まどか「そうだね。でもここまで来ちゃったんだし今は仕方ないよ」


 俺もズボンの裾が濡れる不快感はある。

 けど、鹿目さんは上着は着ていても下はスカートにニーハイソックスという軽装だ。余計に冷たそうに見えた。


まどか「使い魔の魔力もすぐそこなんだし……!はやく倒して、わたしたちが街の人を守らないと」

貴方「ああ……まあ、倒すまでは踏ん張るしかないな」


 鹿目さんの言葉にはいつになく強い意思を感じた。

 もちろん俺も同じ気持ちだ。けど、どこか新鮮に思えたのは普段自分の主張を強く出さない鹿目さんだからか。

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つぎの
そろそろタイトルネタが尽きてきたけど、多分この次スレでギャルゲスレは最後になりそう
貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594395036/)



貴方「そういえば、巴さんやキュゥべえが言ってたっけ。俺たち以外は基本的に使い魔を倒さないって」

まどか「うん……言ってたね。グリーフシードを落とさないからって。杏子ちゃんも少し前まではそうだったんだっけ」

貴方「鹿目さんはそれ、どう思う?腹立たしく思ったりする?」


 使い魔を倒さないっていうのは、つまるところ自分さえよければいいって考えともとれるわけで。

 まっすぐに使命を受け入れて正義の味方やってる側としては、正直どうなんだと思ったりもする。


まどか「うーん……他の人がそう考えるなら強制はできないかな。同じ立場の仲間同士で争うことのほうが嫌だから」

まどか「でも、他の人がどうだってわたしは使い魔も魔女も倒すよ。わたしたちはそれでいいんじゃないかな?」

貴方「そうだね。違う意見を受け入れさせようとしたら、結局争うことになるんだもんな」


 ……今のでなんとなくわかった気がした。

 鹿目さんはあれこれと強く主張を押し付けることはしない。けど、ちゃんと自分の意見は持ってるんだ。


貴方「鹿目さんってしっかりしてるんだね。ちゃんと考えてるっていうか」

まどか「えっ、そうかな……それほどでもないよ」

まどか「でも……。わたしにとって魔法少女になれたことは誇りだから」

貴方「魔法少女になったこと自体が?」

まどか「うん。わたしって、魔法少女になるまで平凡だし何のとりえもないし、人の役に立てることなんてないって思ってたから」

まどか「今はこんなわたしでも誰かを助けることが出来るのがうれしいんだ。だから、精一杯頑張りたいなって」


 力強い意気込み。同時に感じたのは、少し卑屈に思える自己評価の低さだった。

 魔力の反応もかなり近づき、居場所の目処も立ってきた。使い魔相手とはいえ変なミスをして苦戦したりしないようにしないと。


まどか「結界はそこだね!」

貴方「ああ。変身しよう」



 ――――使い魔の潜伏する場所を突き止め、戦い始めてからは早かった。

 それほど数もいなかったし、逃げようとする使い魔も二人がかりで仕留めてすぐにもとの道に戻ってくる。




まどか「使い魔を倒して気が抜けたら、やっぱり寒いね。足がぐしょぐしょで冷たい」

貴方「それ俺も。靴の中まで入っちゃってるな。やっぱ革靴で雪の中歩き回るのは無謀だった」

まどか「次のとこ行く前に、今からでも着替えに帰る?」

貴方「そうしたほうがいいかな。風邪引いても困るし……まあ、魔法で治せるかもしれないけど」

まどか「魔法があるからって無理はよくないよ。魔力も限りがあるんだし……」


 それもそうだ。人通りの少ない道から大きい道路の方へと戻っていく。

 現在地からだと鹿目さんの家のほうが近そうだ。行ったことはないが、公園の近くと言ってたはずだ。

 それぞれ家に戻るとなると、少し待たせることになるかな。


貴方「……あ、そうだ!今日、巴さんから教えてもらったんだ。身体を温める魔法」

貴方「魔力を身体に覆うようにして熱を纏えばいいって。俺は授業中にやって、熱すぎて失敗したけど……」

まどか「失敗しちゃったんだ……?」

貴方「うまくコントロールできれば便利そうだけどね」

貴方「多分調整次第では暑いときに冷たくもできるんじゃないかな。氷の結界とか炎の結界ってのもないとも限らないし」

まどか「なるほど……たしかにそうだね」

貴方「もうひとつ、集中すれば感覚を操れないかみたいなことも言ってたけど……――――」


 そっちは魔法かどうかもわからない話。

 魔力の操作とか抽象的なことを言われるよりも魔法らしさを感じない分イメージがわきにくかった。

 追い詰められないと出来ないんじゃないか、という気もしてくる。


まどか「感覚? 魔法でそこまで出来るのかなあ……?」


 鹿目さんの反応も予想した通りだった。魔法は便利だけど、やりすぎるのは違う気がする。

 巴さんは、死んだら痛みすら感じられなくなるって言ってた。

 痛いのも寒いのも嫌だけど、最初からなんの感覚も感じなくなったらそれはそれで生きてる実感が遠くなるんじゃないだろうか。


 そんな話の途中、鹿目さんが何かを発見する。


まどか「あれ?そこの道のすみっこ」

貴方「ん?」



 雪の積もった道の隅に、なにかが落ちている。

 誰かの落とし物かとも思った。黒くてふわふわした……。


まどか「……たいへん! 猫だよ、それもまだ子猫だよ!」

貴方「えっ!生きてる?」

まどか「息はしてるみたい。でもすごく冷たい。このままじゃ死んじゃうかも……あっ、そうだ!」


 子猫を雪の中から掬い上げ、鹿目さんが薄く桃色の光を輝かせる。さっき話した身体を温める魔法だ。

 俺が自分に向けてやった時にはコントロールをミスった魔法。

 基本的にこういう魔力の扱いっていうのは自分に向けるよりほかのものに向ける方が難しい。

 でも、鹿目さんの真剣な表情を見てると失敗する様子が浮かばなかった。


 やがて高い鳴き声が聞こえてきた。


まどか「よかったぁ……目を覚ましてくれて」

まどか「この子……わたしが学校にいくとき通る道でよく見かけてた子だ」

貴方「野良猫?かな?首輪もないし」

まどか「うん、たぶん」

貴方「もう大丈夫かな? ていうか何があったんだろう」


 見て取れることは、痩せていておなかをすかせていそうということだった。

 鹿目さんも同じことを思ったようだ。


まどか「家に何かあげられそうなものあったかな……うちこの近くなんだ」


 やっぱり、ほっとけない……よな。



1その間見てようか?
2何か買ってこようか?
3家で飼えたりってしないよね
4自由安価

 下2レス



貴方「とりにいくなら、その間見てようか?」

まどか「あ、うん。お願いするね」


 鹿目さんはそう言って足早に去っていった。

 目の前の猫に視線を移す。すると子猫らしい高い声で『みゃー』と鳴いた。

 人慣れしてるのか、幸い逃げる様子は見せなかった。頼ってきているようにも思える。

 まだ小さいのに、母親とははぐれてしまったのだろうか。飢えと寒さで弱ってしまったんだろう。


貴方「大変だな……野良猫ってのも」


 猫を膝で温めながら待っていると、それほど経たないうちに鹿目さんが戻ってきた。

 手には皿と牛乳。それから缶詰を持っていた。


まどか「牛乳だけじゃ足りないかもと思って、水煮缶ならいいかなって持ってきたんだけど……」


 サバの水煮缶を空けると、皿に出さないうちからすぐに顔を近づけて食いついてきた。

 腹を空かせていたのもあるだろうけど、とりあえず食べてくれないって心配はなさそうだ。

 むしろガツガツとたいらげていって、むせそうになってたことに心配したくらいだった。


まどか「お、落ち着いて食べていいんだよ。逃げたりしないから、ね?」

貴方「でも食べてくれてよかった」

まどか「これで元気になってくれるといいな……」


 猫のことが一段落すると、家から戻ってきた鹿目さんの格好が変わってないのも気になった。

 着替えてこようって話だったのに。



貴方「そういえば、着替えてきてはいないんだね」

まどか「あ……時間かけたくないなって思ってて。急いでたから」


 昼休みのことといい、鹿目さんは自分よりも他人のことを優先する人なんだろう。

 今日までで少しずつ鹿目さんのことはわかってきた気がした。


貴方「そっか。また着替えに行って、パトロールする?」

まどか「うん。でも、もう少しこの子の様子を見てようかな」



 ……ご飯を食べ終えると、少し元気になったようでホッとする。

 猫が自分からどこかへ行くまで鹿目さんと一緒にしばらく様子を見ていた。




四回目【貴方】 32日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・守り合う仲間↑
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:3回】

33日目



 人の歩く道からはすっかり雪の姿は消え、ほんのすみっこに名残が見えるくらいになった。

 昨日パトロールで行ったような人通りのない場所ならまだほとんどそのまま残ってるところもあるだろうか?

 なにはともあれ、あれだけ沸いていた教室の雰囲気も元通りだ。


貴方(今日はまだ来てないのか。揃って遅刻?)


 HRがもう少しで始まる時間になっても、なじみのあるいくつかの席が空席になっていた。

 いつも一緒に登校してるさやかたちの席だ。暁美さんを除いて、あのあたりは席が固まってるからごっそり空席だと寂しく感じる。


さやか「はよー! セーッ……フ?」

仁美「まだ先生は来てませんね。なんとか間に合ったみたいですわ」

ほむら「……それはなにより」


 どうしたんだろうかと思ってるとバタバタとやってきた。


貴方「今日は遅かったね。なんかあった?」

さやか「あー、まどかがね。なんか通学路で猫見つけたとか」

貴方「え、それって昨日の……?」

まどか「おはよう、【貴方】くん。うん、実は今朝茂みで昨日の子に会って……」


 話の途中でチャイムが鳴り、先生が入ってきた。

 本当にギリギリだったようだ。


まどか「ごめん、また今度ね」

貴方「ああ、うん」



――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

放課後



 昼休みが終わった後、なんとなくテレパシーで話してるうちに今日の予定が決まった。

 放課後はさやかと鹿目さんと一緒にパトロールに行くことになっていた。

 どちらともなくアイコンタクトをして教室を出ようとすると、暁美さんに声をかけられる。


ほむら「どこへいくの?」

さやか「『さ・ん・ぽ』、だよ。正義のね」

ほむら「そう……」


 暁美さんの表情はわかりづらい。これはどちらかというと疎外感を感じてたりする反応なんだろうか。

 パトロールでもそれ以外でも、なんだかんだでみんな揃ってるとついてくることが多いタイプではあった。


貴方「……暁美さんも来る?」

ほむら「いえ……私は別に」


 しかし、今日はついてくる気はないようだった。

 予定通り三人で廊下を歩く。


さやか「ま、三人いれば十分だけどさ。てっきりまどかが心配でついてくるかと思ったのに」

さやか「まーでも最近そこまでべったりでもなくなってきたかな? 子離れってやつ?」

まどか「わたしはほむらちゃんの子供じゃないよ……」

さやか「ってのは冗談で……、なんかあったの? べったりでもなくなってきたけど、じっと見てることは多い気がするよ」

まどか「何もないと思うけど」

さやか「んー、やっぱ元からと言われれば元からな気もしてきたなあ……」

貴方「……」


 こっちはなにかあった、っていうのかな。

 でも、鹿目さんに対しても何か思うところがあるのか。


 結局その話題はそれ以上続くことなく、これからのパトロールの行き先についての話へと変わっていった。




さやか「――――見て、このへんそのまま雪が残ってるよ!」


 学校を出てから街を回っていると、

 人気のない工業地帯の隅に足を踏み入れた時にさやかが急にテンションを上げて言った。


さやか「近くの魔女倒したらさ、せっかくだし遊ばない?」

貴方「昨日の二の舞にはなりたくないな……」

さやか「昨日?なにがあったの?」

まどか「パトロールで雪積もってるところ歩いてたら靴の中びしゃびしゃになっちゃって」

さやか「せっかくこのへんなら人目にもつかないしちょうどいいと思ったんだけどな。あ、なんなら変身するとか――」

まどか「いくら人がそうそう来ないっていっても、うっかり見られたりしないかな!?」

さやか「別にあたしたち、見られたら消滅するとか、カエルとか人ならざるものになっちゃうってわけでもないんだよ?」

まどか「それはそうだけど……。うーん、それもそっか。訓練とかも人目につかないとこ選んでやってるだけだもんね……」


 鹿目さんも意外と納得したようだった。

 それにしても、さやかも怖いこと言うな。それにちょっと悪ノリしてみた。


貴方「でも、それってさ……誰が証明できるの?」

さやか「え!?いやでもそんな――」

貴方「聞いてないからってのはナシだよ。この中で誰か素質も持たない一般人に正体とか変身した姿見られたことはある?消えてからじゃ取り返しはつかない……」

さやか「怖いこと言うなよおおお!!」

貴方「ま、ないと思うけどね。そんな危険があるならそれこそ訓練の時言うだろうし」

まどか「とりあえず魔女たおしにいこっか。あっちかな?それにたしか……杏子ちゃんってお父さんに知られたんじゃなかったっけ?」

さやか「あ、そっか! そうじゃん! もー、ビビらせんなよ」


 適当にビビらせるだけビビらせて、本題のパトロールに心を切り替えていった。

 一応車の通る道は綺麗に片付いているから結界のある近くまでは足を取られなさそうだ。

――――
――――


 ――――遠近中と全距離に隙のない取り合わせ。

 さやかか鹿目さん、どちらかと組んで二人でもそれほど苦戦した覚えはなかったし、三人いれば割と早くに片付いた。


 パトロールを終えると結局遊んでいた。

 人に見られないことを前提に変身して身体能力を解放しての雪合戦は、昨日の昼休みにやったのとは比べ物にならないくらい苛烈を極めていた。


さやか「なんかこれ、結構いい訓練になってない!?」

貴方「たしかにこれは遊びっていうより……!」


 雪の剛速球が飛び交う。

 回避する動きも戦闘中や組手でのそれに近いものになっていた。主に動きの速いさやかに当てるのが至難の技になっている。

 そのうえ、動きが速いってことは回り込まれるのも速い。


まどか「きゃあっ、つめた!」

さやか「やったー、背中もーらい!」

まどか「うう、なかなかさやかちゃんに当てられない~……」


 鹿目さんが雪のついた部分を払っている。

 よくよく考えてみれば制服より衣装のほうが薄着だけど、変身中のほうが寒さは感じない。

 魔力を纏って和らげるっていうのはこれと似たようなものだろうか。


貴方『鹿目さん、協力して! 奴をやっつけるぞ!』

まどか『え、うん!』


 ――とりあえず、さやか打倒は徒党を組んで攻める必要があると判断。


さやか「えっ、何!?急に動きが変わって――わぶっ!?」

貴方「よしっ!」

まどか「うまくいったね」



 さすがに明日にはもう遊べるほど残ってないかな。

 投擲と回避とコンビネーションを鍛えつつ、昨日から残っていた雪を楽しんだ。



四回目【貴方】 33日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・守り合う仲間
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:3回】

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