貴方「安価でヒロインを攻略するまどか☆マギカ?」 (1000)

要するに、ギャルゲーみたいなものです。


*一定まで好感度を上げるとそのキャラは【攻略済】に。キャラの攻略が終わったらリセットか続行を選択。リセット時には設定変更ができるかも。
*たぶんそんなに長くはしない。周回前提で。
*恋愛要素、はもちろんあるのですが…関係を深めすぎると他ヒロイン攻略は難しくなるかもしれません。
*ハーレムは距離感が大切。あんまりなオイタをすると刺される可能性もありますよ?
*目的は【攻略済】のキャラをたくさん作ること。リセットしても記録は引き継がれます。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1569759132

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 目を覚ますと、何の変哲もない天井が目に入る。

 身体を起こせば今まで寝そべっていたベッドが見える。


 そう、今日もまたいたって平常な朝がはじまったのだ。


 見滝原中学校に通う【貴方】は平凡な学生だ。

 どこにでもあるような一日の始まり。これから朝の支度をして、一学生らしく学校に向かう。

 天才的な能力もなければ、もちろん奇跡も魔法も特別な力なんて使えない。


 そういえば一時期平和を脅かすらしい影、災害の前兆というのやもしれない珍説を唱える学者が話題になっていたっけ。

 ――ワルプルギスの夜、だとかそんな呼び名にうっすらと聞き覚えがあるような気もするけれど、


 ……とにかくこの街は平和だ。そんな平和な朝が幕を開ける。


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【現在】二週 6日目


[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・張り合いのある女子
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・色んなことがわかってきた
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・ますますわからない

[攻略済]
なし


『オール安価でまどか☆マギカ 26』 >>736あたりから

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一応番外編のつもりなので、スレタイは前からきめてました
前スレの>>1000 いつかは…多分いつかは…多分
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貴方「美樹たちは女子なんだから気を付けないと」

さやか「え?【貴方】って女子だったの?」

貴方「違う!」

さやか「男女差別はんたーい」

貴方「差別じゃなくて区別だ」


 まったく、何かあったらどうするんだか。いや、一応今回何かあったのはこっちだったのか。

 とにかく俺みたいな男子中学生でも危険な場所ということだ。


 そんな俺たちを見て鹿目さんは苦笑いしてて、暁美さんは後ろからわたわたして見てた。

 ……いたのか。


さやか「中っていっても、入口の近くに落ちてたんだよ」

貴方「そうなのか?慌ててたから全然覚えてないな……」

まどか「ごめんね。心配してくれてありがと。それで、【貴方】くんはどんな写真を撮ったの?」

まどか「【貴方】くんの言う独特な……いい写真は撮れた?撮れたなら見せてほしいな」

貴方「いや、中は暗くてあんまり……。外観なら」



貴方「撮ったけど、目指してたような表現には追いつけてないな」

貴方「素人だしな。やっぱただ映すだけじゃダメなんだろうなぁ。儚げな……あの時の暁美さんみたいな」

ほむら「わ、私ですか……?プロの方の雑誌じゃなくて?」


 会話の流れで思わず口に出してしまった。そして、やっと会話に入ってくる暁美さん。

 話したいならもっと入ってきていいのに。


貴方「この際だから聞いちゃおうか。屋上での写真。あれって誰が撮ったの?」

ほむら「屋上……?あ、もしかして」

まどか「もしかして、それ撮ったのわたしかも」

貴方「鹿目さんが?」

まどか「写真部の子からカメラ借りててさ、ふざけてるうちに撮れちゃったんだよね」

貴方「すげー、写真の才能あるよ」

まどか「そんなことないよ。偶然の産物だし。それならほむらちゃんにモデルの才能があるんじゃないかな?」

ほむら「そ、そんなことないです!偶然の産物です!」


 二人は謎の譲り合いを始めた。



1今度一緒に写真撮りにいく?(まどか)
2今度撮らせてくれないかな?(ほむら)
3今度撮らせてくれないかな?(さやか) ※特に話に関係ないけど★1ボーナス

 下2レス


貴方「じゃあ、今度俺にも写真撮らせてくれないかな?暁美さん」

ほむら「え!?それって、その、あれは偶然の産物であって……自分でも実物覚えてないですけど……。冗談?」

貴方「冗談を言ったつもりはないよ。別に減るのは時間くらいで、そんなに難しい頼みでもないでしょ?」

貴方「あ、変な写真は撮らないから!いやほんとに!」

ほむら「それはわかってますけど……」

まどか「いいじゃない。きっとわたしよりもいい写真を撮ってくれるよ」

貴方「でもさ、鹿目さんも偶然の産物だって馬鹿にはできないんじゃないかな」

貴方「たとえばプロの写真家とかも、その中でも特別にいい写真って偶然から生まれるところもあると思うし」

貴方「ま、わかんないんだけど」

さやか「ちょっとー、そこは断言しなよ」

貴方「俺は写真家じゃないし」


 俺のフォロー?に対して、鹿目さんは。


まどか「そっかあ。そういう考え方もできるよね」


 ――と、案外素直にポジティブに受け止めてくれたようだ。

 そんな話をしているうちにいつのまにか先生が来ていて、チャイムが鳴ってみんなは慌てて戻っていった。


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今日はここまで。

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>マミさんと出会える方法
とりあえず教室の外に出ることですかね…。
はじめはよく知らない人ですが、よく見かけたほうが知り合う機会はあると思います。

昼休み


 ――なにはともあれ、午前の授業まで滞りなく終わった。

 気になっていたカメラのことももう考えなくていいし、謝りに行くシミュレーションをしなくても済むわけだ。

 これでゆっくり昼の時間をとれるわけだけど、今日はどうしようかな?。



1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス



 美樹たちもいつもみたいに教室から出て行くみたいだし、今日は俺も外に行こうか。

 教室の野郎共に絡まれる前に廊下に向かって歩いて行った。


 ……見滝原中学校の廊下、ガラス張りの校舎の中から各教室が見える。

 みんな自分の席で食べていたり、誰かの席に集まっていたり。

 そんな教室郡の並ぶ廊下を抜けて、突き当たりの小さなカフェスペースに腰かけてみる。


 テーブルとイスがいくつか置かれた飲食にはちょうどいい場所だ。ただ、隅っこだからかあまり人はいなかった。

 たまにはこんな場所で食べるのも悪くないか?弁当の包みを開けてみる。


 ここからは階段を行き交う人が見える。

 中にはちょっと話し声の大きい人もいて、それだけが少し気になる。

 まあ、人間観察しながら食事してるんだと思っておけばそれも悪くはないかもしれない。見ているとなかなか面白い人もいるもんだ。


 ――と、何の気なしに見ていると。

 階段を通っていた人がポケットから何かを落とすのが見えた。



・落ちたもの

 下2レス



貴方(紙?)


 しかも気づいてない。行ってしまう。行先はわかっていた。

 屋上だ。その人が、美樹たちと仲いいらしい、よく一緒にいる先輩だったからだ。

 最悪、後で美樹たちにでも渡せば無事手元に渡るかもしれない。


 でももしもすぐに必要なものだったら? この場で拾って渡しにいくのだって大して時間はかからない。

 そう思って、食べ始めようとしたばかりの昼食を一旦中断して追っていく。


貴方(ローストビーフ――牛ももブロック肉、カチョ・エ・ペペ――チーズ……?)


 ……階段のほうに行って、紙きれを拾って見えた文字だった。

 これはすぐに必要なものではないな、と確信する。まあそれでもここまで足を動かしてしまったんだ。


貴方「ちょっとすんません!」

「……? あっ、それ!」

貴方「落としたのが見えたので」

「ありがとう。でもその、……内容見えたかしら?」

貴方「まあ、なんか豪華な食事だなってだけ。おつかいのメモですか?」

「おつかい……というか、買い物のメモではあるわね。今日作ろうと思ったものを」


 あぁ、この人自分で作るのか。

 だとしたら相当料理上手だ。――そして、優雅だ。


貴方(美樹もこの人に習えばいいんじゃねーの。……いや、この前の家庭科じゃそこそこ活躍してたか)

貴方(じゃあ、本当に習ってたりして?)



1前会った時のこと覚えてます?
2美樹のことについて
3暁美さんのことについて
4鹿目さんのことについて
5多くは語らずクールに去るぜ
6自由安価

 下2レス



貴方「料理得意なんですね。見習いたいです」

「え? ……手順は割と簡単よ。レシピも検索すれば色々出てくるんだし」

貴方「そう言えること自体が得意そうに思えるんですが……」


 まず苦手な人は作ろうとも思わないし、火や包丁を使うことを考えるとハードルを高く感じてしまう。

 というか大体買うかレストランで食べるって発想しかない。

 それか、誰かに作ってもらうか――そういう人が近くにいるといいな。


「拾ってくれてありがとう」


 先輩は最後にまた一つ礼を言ってから階段を上がっていった。


貴方(……ああ、そうだ。ご飯食ってる最中だった。弁当弁当)


 弁当を置きっぱなしにしているテーブルに戻って食事を始める。

 さっき見た豪華な夕飯の字を思い浮かべながら、今日のうちの夕飯はなんだろうなと考えていた。

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今日はここまで
主人公の設定によって関わりやすいキャラ・好感度上げやすいキャラってどうしても出来るんですが、
マミイベントは考えていきたいですね…。

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放課後



 帰りのHRを終えると、今日一日の授業が滞りなく終わる。

 そう、朝心配していたのとは裏腹に滞りなく終わったんだ。

 ……美樹たちがカメラを拾っていてくれたから。二人もあんな場所に行ったんだと思うとモヤモヤするけど。


 なにはともあれ謝りに部活に向かう必要はなくなった。さて、どうしようか?



1帰宅
2写真部
3暁美さんに撮影を頼む
4部活を掛け持ちしてみる(部を指定)
5委員会
6寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス



 今度って言ったけど、暁美さんとの約束、できることなら今日にでも誘いたいな。

 暁美さんはまだ教室にいるだろうか。教室を見回すと、まだいつもの三人で話していた。これから教室を出るのだろうか。


貴方「暁美さん、モデルの話、よかったらこの後どう?」


 さっそく声をかけてみると、暁美さんは足を止める。

 どこか戸惑ったようだった彼女を見かねて先に口を開いたのは鹿目さんだった。


まどか「いいんじゃない?行ってきなよ」

ほむら「え、はい……!」

さやか「じゃーね、ほむら。【貴方】も」

まどか「また明日ね」

貴方「おう」


 促されて返事をした暁美さん。

 でもあの反応、もしかしたら何か用事でもあったとか?


貴方「はいって行ってくれたけど、本当に大丈夫?」

ほむら「だ、大丈夫です。私なんかでよければ……ですけど」

貴方「よくなかったら頼んだりするもんか。じゃ、とりあえず部室までいこうか」

ほむら「はい」


 ひとまず暁美さんをカメラのある部室につれていくのはいいとして、撮影場所はどうしようか。


1屋上
2部室
3教室
4校門前
5自由安価

 下2レス


 ……屋上。あの時見た写真と同じ場所。

 そのイメージが強烈にあったから、真似しているようだけどまずはそこでいっか。


貴方「おつかれさまっすー」

*「おう。その子は?入部希望か?」


 半歩後ろについてくる暁美さんと一緒に部室に入ると、先輩が出迎えてくれた。

 なにか期待の目を向けられているけど違う用事だ。

 部長は気を抜くとすぐ強引に勧誘してきそうだ。無理強いさせるのはいけない。


貴方「いや、自分がモデル頼んだ子で。カメラとりに来ただけっすよ」

ほむら「…………あ、あの、お邪魔します」

*「モデル?へぇー、いいね。なんか意外だけど派手すぎない感じも逆にいいかもしれないね」


 部長、それは暗に『地味だ』って言ってないか?

 暁美さんは曖昧な表情をしている。


*「そういう役割も兼ねて入部してもいいよ!うちモデル役はいないからさ」

*「心配しなくてもほら、女子もいるよ?二年だと**さんとか。知ってる?他に部活はやってんの?掛け持ちしづらい?」

ほむら「えっ、えっと……」

貴方「質問攻めにしないでくださいよ。暁美さんも急に勧誘されても困るでしょ。今日はそういうつもりじゃないんだし」

貴方「えーと、どれ使おうかな……」


 カメラの置いてある棚を探る。その中には金曜落としたカメラもあった。本当によく無事にここまで戻ってきたものだ。

 ここにはフィルム式の本格的なのも置いてある。

 けど、自分の腕にそこまで自信はないから今日は撮ったらすぐ確認できるやつを使いたい。


貴方「じゃ、撮影いってきます」

ほむら「し、失礼しました……」


 カメラを一つ取って部室を後にする。

 放課後なら屋上に他の人はいないかな。廊下を歩き、上へと階段を進む。


貴方「いつも昼は屋上で美樹たちと食べてるんだよね」

ほむら「はい。鹿目さんが誘ってくれて……」

貴方「やっぱり鹿目さんかあ」


 傍目から見ても仲良さそうだもんな。来たばっかの時から。



 屋上の扉を開くと、ぶわっ――と風が一気に吹き込んできた。


貴方「うわっ」

ほむら「きゃっ」


 突風に足を止められた。暁美さんはスカートを押さえている。

 風が落ち着いてから屋上に出て青空を背にする。


 ……前に見た写真は絶妙に少し斜めの構図から撮られていた。

 今思うとあれは鹿目さん自身が背が低いからっていうのもあるかもしれない。

 あのイメージはあったけど、こんな日はローアングルはやめといたほうがいいかな。


貴方「風強いね……」

ほむら「そういえば、昼にも置いてたものがすぐ飛ばされて困ったりしてました……」

ほむら「撮りにくい、ですか?」

貴方「人物撮影なら風が吹いてたってそこまでブレることはないけど」

貴方「むしろ髪が乱れやすいとか、服が乱れやすいとか、ポーズが取りにくいとか、モデル側が最高の状態を保ちにくいってのはあるかな?」

ほむら「髪……! そうですね、せめてセットしなおしてきます。だらしないの撮られたら恥ずかしい、です」


 そう言うと暁美さんは一旦しゃがみこんでバッグを漁り、手鏡を出して身だしなみを整えはじめる。

 あの写真の自然さに惹かれたから俺としてはそこまで気張らないでいいけど、本人は撮られるならっていうのはあるんだろうな。


 そこでふと思いついた。



貴方「あえて髪をまとめないっていうのはどう?」

ほむら「でも余計に乱れちゃうんじゃ。私、毛量多くて……」

貴方「風で乱れやすいなら、それを利用して靡く髪を撮るってのも雰囲気あっていいと思うんだよ。暁美さん髪長いしさ」

ほむら「そ、そう言うなら……」


 『撮る』って身も心も準備整えたらもう鹿目さんの時とは違う。同じ写真は生まれないだろう。

 だったら違う雰囲気で対抗するしかない。


 しばらくこっちに背を向けて手鏡と向き合う暁美さん。そういう姿はあまり堂々と見せたくないらしい。

 後ろから白いうなじが見える。太めの三つ編みにまとめられていたロングの髪。

 リボンを外し、二つに編みこまれてまとめられていたロングの髪がほどけていく。そこに手櫛が通ると、黒い髪がふわりと風の中に散らばった。


ほむら「終わりました……」


 暁美さんが鞄を整理して立ち上がってこちらを向く。

 ――真面目な少女然とした、悪く言えば地味な印象を与えていた三つ編みがなくなると、少し大人びて、すっきりとした印象だった。

 一言でいうと似合っていた。なんだかあか抜けた……みたいな。


ほむら「あの……撮り、ますか?」


 少しの間言葉を失っていた俺に暁美さんは遠慮がちに聞いてくる。

 艶があってまっすぐに伸びた髪。よく見ると少しだけ左右に分けていたクセの名残も発見する。


貴方「あ、うん!撮ろう!」

ほむら「ポーズとかは……」

貴方「適当でいいよ。色々撮ってみるし。あまり硬くならないでほしいかな」


 もちろん今までだって見た目が悪いとは思ってなかった。むしろ顔立ちは整っているほうだとは思う。

 でも、こうして見ると誰がどう見ても正統派美少女だ。

 ……正直、もったいない。損してる気がする。



 まず屋上の中央で写真を撮って、それから柵のほうに移動してみる。

 柵に手をかけてもらってみたり、正面から撮ったり、横顔を写したり。

 恥らうような表情があの写真とはやっぱり違うけどどこか儚さを感じる。けど、俯き加減なことが多いのは少し困った。


貴方「……暁美さん、こっち」


 横に回って声をかけると、暁美さんはこっちを振り向いて目線が――レンズに合う。

 その瞬間を収めた。画面の中には、風が吹いて、靡く髪に手を添えて振り向いた姿が映っている。

 それから小さく疑問符のついた声が聞こえた。


貴方「ゴメン、すぐ下向いちゃうからさ。撮るって言うとどうしても表情が硬くなるし」

ほむら「あっ、すみません。……実は、昔からなんです。昔から、写真ってあんまり得意な思い出ないんですよ」

ほむら「せっかく撮ってもらっても一人だけ目をつむってたり、笑ってって言われても全然うまく笑えなかったり……」

ほむら「それに、【貴方】君はああ言ってくれてるけど、本当に私なんて撮っても価値があるのかなって不安になっちゃったりして……」


 カメラに写したのはそんな思いも浮かぶより前の一瞬。

 その一瞬が終わると、暁美さんはいつもの自信がなさげな様子に戻る。


貴方「そりゃ写真に自信のあるモデル向きの人はいるだろうけど、そうじゃなくてさ」

貴方「今日は暁美さんが撮りたかったんだ。だから、これでいいんだと思う」

貴方「そんなこと何も気にしないで撮ったって、十分綺麗なんだから」

ほむら「え……!?」


 最後の言葉は本心だった。――あれ、これじゃ軽薄なナンパ野郎の台詞みたいじゃんか。

 でも、これで暁美さんが少しでも自信をつけてくれるならいっか。



 ――――いくつか写真を撮って、風の強い屋上を後にした。

 屋上前の廊下で、暁美さんはまた髪を整えている。



ほむら「…………あの……、さっきのって」

貴方「あ、あぁ、えっと」

ほむら「な、なんでもないです!」


 『さっきの』って、やっぱあれのことだよな。

 さすがにもう一度聞かれると俺も言葉に詰まってた。



1髪、また結ぶの?
2さっきの言葉について
3自由安価

 下2レス



貴方「あー、いや、えーと……言葉通りに受け取っといてくれよ」

貴方「曲解とかしないでさ。暁美さんすぐ自分なんてって言うから。自信もっていいと思う」

ほむら「そ、それって……」

貴方「ていうか、髪また結ぶの? あ、下ろしてると邪魔か」

ほむら「えっと、それもあるけど……そうでもないです」

貴方「下ろしてるほうが似合ってるよ。今日はこのままで過ごしてみるのはどう?……まあ、もしよかったらだけど」


 そう言うと、暁美さんは少し迷った後、リボンを鞄の中に戻した。


ほむら「じゃあ、【貴方】くんがそう言うなら……今日はそうしてみます」


 カメラを使った後は返さなきゃいけない。

 部室に戻る間、その間に廊下を歩きながら二人で写真を確認していた。


貴方「自分で見てみてどう?」

ほむら「じ、自分じゃよくわからないです」


 俯いてたり、ちょっとぎこちない表情もこれはこれで暁美さんらしい雰囲気になってると思う。

 でもやっぱりあの最後に撮った写真が一番思い入れがあって、綺麗に見えた。



 部室に戻ると、カメラを返す前にパソコンにつないだ。

 パソコンの画面にさっきも見たデータが並ぶ。印刷ができるのはここだけだ。


貴方「いくつかデータ印刷しようか。暁美さんも記念にさ」

ほむら「なんだかでも、変な気がします。何の記念でもないのに、私だけ写ってて……」

貴方「まあそう言わずに」


 いくつか写真を印刷して渡してからカメラを返却する。


ほむら「あの……今日はありがとうございました。写真も記念に取っておくことにします」

貴方「ああ。付き合わせたのは俺だろ?こっちもありがとうな。モヤモヤしてた理想に近づけた気がする」

*「――――おー、戻ってきたか。って、ん?あれ?」


 すると、ちょうどどこかへ行っていた部長が帰ってきたようだ。

 視線は暁美さんのほうに注がれていた。


*「モデルやるって言ってた子だよね?髪ほどいたのか!へー、いいじゃん」

*「マジで入部しない?俺にも撮らせてよ。【貴方】より絶対上手く撮るからさ!あ、撮る側に回るのも大歓迎だから!」

貴方「だから今日はそういうつもりで来たわけじゃないって。暁美さんも知らない人に撮られるのは嫌だったりしない?」

ほむら「えーと………………ちょっとだけ、考えておきます」

*「よし!入部の紙は先生に言えばくれるからね」

貴方「マジで……っ!?」


 これは意外な展開だった。暁美さんが首を縦に振るとも思ってなかったし。

 自信がついた結果、なのか?


 でも、これでもし暁美さんが人気になってしまったら少し複雑な気持ちだ。最初に誘ったのは俺なのに。


貴方「暁美さん、俺にもまた写真撮らせてくれる?」

ほむら「……はい」



 そう答えてくれて、満足しながら部室を出て、校舎を後にした。



【貴方】 6日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・可愛いとこもあるじゃん?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・美人だったんだな
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
なし

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7日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはようございます……」


 別になんともない朝だ。

 しかしそこで驚いたのが、いつもとは違う暁美さんの姿だった。


さやか「なーに見とれてんのよ」

まどか「えへへ、【貴方】くんもやっぱり驚いた?」

ほむら「…………」


 昨日学校の屋上で撮影をして別れた時と同じ。

 暁美さんの三つ編みはほどかれ、頭にカチューシャがついているだけだった。

 大分長い事二つに分けていたからなのか、昨日も見つけたクセは風が吹いていない今のほうがよくわかる。


 しかし暁美さんはやっぱり自信なさげにもじもじとしていた。



1いいね、と褒める
2本当に写真部に入部するの?
3自由安価

 下2レス



貴方「改めて見てもやっぱりいいよ。すごくいい」

ほむら「ほ、本当ですか?」

貴方「もちろん」

まどか「あれ?改めてってことは、見たことあるの?」

貴方「昨日ね。写真も撮ったんだ」

まどか「へー!見せてもらってもいい?」

ほむら「う、うん。うちにあるので……」

まどか「やった。今度ほむらちゃんち遊びに行くね」

さやか「ありゃー、これはただならぬ怪しい雰囲気……」


 何かを感じ取ったらしく美樹がつぶやく。

 最初はここだけで話をしていたが、周りの女子たちも集まってくる。男子勢もそわそわと見ている。


さやか「あたしも髪下ろしたらちやほやされるか?」

まどか「なに言ってるのさやかちゃん」

さやか「寝言は寝て言えみたいなマジな反応やめてくれる?あと、まどかはそれが一番似合ってると思うよ」




さやか「……伸ばしてみる、かな。ちょうどいい区切りだし」




 ――――授業開始のチャイムが鳴る。


 正直言って1,2を争うほど退屈な授業。

 前で話す先生たちの後ろでは、まだ朝の暁美さんの話題がちらほらと続いていた。


 みんなの反応はもちろん芳しいものが多いが、髪型を変えてきたという『驚き』のほうが強かった。

 たしかにそうだろうな。昨日のことがなくていきなり髪を下ろしてきたら俺もまず驚く。


 ……当人は、かなり真面目にノートをとっているところだった。



授業中
1こっちも集中するか
2話しかける(クラスメイト指定)
3他の人を眺める(クラスメイト指定)
4自由安価

 下2レス



貴方(こっちも集中するか)


 ボードに書き足される内容をノートにうつす。

 暁美さんは先生が話してただけの内容も書いてたっけな。

 ノートが一区切りついてペンを置くと、自然と暁美さんのほうに目がいっていた。


ほむら「……」


 やっぱ、綺麗になったよな。三つ編みが悪いとは言わないけど。

 これであと少し胸を張って堂々としていたらもっと魅力的になると思う。


ほむら「……!」


 見ていると、暁美さんもこっちに気づく。

 気付いた瞬間に、目を逸らされてしまった。こっちも居た堪れなくなってどこでもない場所に視線を移す。



 ……そんなことをいくらか繰り返していた。


――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

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今日はここまで
眼鏡はかけてます。

昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 美樹たちは今日も弁当袋を持って教室を出る準備をしている。

 しかし、今日は他の女子も一緒にいるようだった。


*「髪キレイー。手入れは?シャンプー何使ってるの?」

ほむら「特別なことはしてないと思うんですけど……」

*「なにそれうらやましーい!」

*「てか今日は一緒に食べない?いつも昼休み始まると三人でどっか行っちゃうじゃん」

さやか「ごめん、待ち合わせてる人いるからさ」


 暁美さんの髪をいじりながらそれを話題にした雑談。それと昼を誘ってるようだ。

 しかし返答はつれないものだった。


*「そっか。でも前は違う三人だったのにね」

*「あ、バカ。その話は……」

さやか「…………」


 女子二人が何かを言い合っている。二人が見ていたのは、前は美樹たちとよく一緒にいた志筑さんのほうだった。

 あまり一緒にいるのを見かけなくなったのは暁美さんが転入してきたくらいからだろうか。

 ちょうど入れ替わるように暁美さんがいる。


貴方(……喧嘩でもしたのか?)



 結局いつものメンバーだけで屋上に行くみたいだ。


貴方「ねえ、暁美さん」

ほむら「え?」

貴方「暁美さんってやっぱり目が悪いの?」

ほむら「小学生くらいからこれがないと生活できないです……で、でもどうしたんですか?」

貴方「一度くらい眼鏡を外したところも見てみたいなって」

ほむら「お、面白いことはないと思います……」


 そう縮こまって言う暁美さんの背後に美樹が回る。


さやか「よっしゃーもらった!あたしも一回くらいかけてみたかったんだよねー」

ほむら「ひえっ、み、美樹さん?」


 珍しい眼鏡のない暁美さんだが、慌て顔だ。

 代わりに美樹の顔に赤縁の眼鏡がかかっている。


さやか「どうよ?」

貴方「びっくりしたよ。美樹がかけると驚くほど印象違うんだな」

さやか「え!どういう意味?」

貴方「全然まじめそうに見えない」


さやか「もっと他に感想ないの?」

ほむら「このままじゃ行けないです……」

まどか「もういいよね?さやかちゃんも返してあげてくれないかな?」

さやか「しょーがないなぁー。なんか目悪くなりそうだし」


 美樹から眼鏡を返してもらうと暁美さんはいそいそと自分の顔にかける。

 視界が戻ってやっと落ち着いたようだ。


さやか「うーん、でもほむらは本当に目悪いんだなあ」

まどか「ほむらちゃんは入院中いっぱい本読んでたんだよね?」

ほむら「暇で暇で……。入院してるのに目まで悪くしちゃいけないですよね」

貴方「といっても、なっちゃったものはしょうがないだろ。こっちこそ無理なお願いして悪かったよ」


 あまり話してても先輩を待たせるか。

 こっちもあまり遅くならないうちに弁当を広げることにした。


――――
――――


*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1帰宅
2写真部
3部活を掛け持ちしてみる(部を指定)
4委員会
5寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。



 そういえば帰りに買い物を頼まれていたっけ。

 鞄の中からメモを取り出した。



 昨日昼食時に拾ってあげた紙を思い出す。

 正直、あれほど豪華なものは書かれていない。



・買い物リストの中身
下3レスまで



 ……食品とペットの餌とLED電球、だそうだ。


 スーパー寄ってからホームセンターにでもいくか。

 駅前に行けば揃うだろう。大体なんでも揃う。


 校舎を出ると足を進めて駅前の通りに着いた。



*遭遇
1ひとり暮らしって言ってたっけな、暁美さん
2今日の夕飯はなんだろう?買い物中の先輩
3同じくおつかい?鹿目さん
4同じくおつかい?美樹
5あの赤い髪は……

 下2レス

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今日はここまで
委員会は会よっては誰かが所属してるかも
縦割り系で学年違いと関わる構想とかあったけど今からやると後出し感すごいなぁ



 ――まずは食料品だ。メモを片手にスーパーの中を練り歩く。

 野菜買おうとしてたんだっけな。まあなんか安売りの買っておけばいいだろう。

 それから鮮魚・精肉コーナーのほうに行くと知り合いと会った。


ほむら「あっ……」


 暁美さんだ。同じく制服のまま買い物かごをもってる。

 まったく気付かなかったけど、本当は同じようなタイミングでここまで来てたんだろう。


貴方「奇遇だね。あそっか、一人暮らしだからよく寄るの?」

ほむら「そ、そうですね……」


 何の気なしに籠の中を見てみる。総菜コーナーの弁当といくつかのレトルト食品が入っていた。

 昼にもいつも出来合いのものを買ってるらしい暁美さん。

 まあそりゃ自炊も楽じゃない。でも今は魚を見てたみたいだった。


貴方「ご飯自分で作ったりするの?」

ほむら「さ、魚焼くくらいならできますよ。……たぶん」


 ……多分、か。

 そういえばこの前の家庭科ではもっぱら俺たちと一緒に皿洗いに回ってたのを思い出す。



1料理興味あるの?
2料理上手な女性っていいな
3栄養のあるもの食べたほうがいいよ
4自由安価

 下2レス



貴方「料理興味あるの?」

ほむら「できたほうがいいとは思います。でもうちじゃキッチンも狭いし、道具も何も揃ってなくて」

貴方「あぁ、そっか……。ちなみに魚焼くグリルとかはあるの?」

ほむら「で、電子レンジじゃだめですか……?」

貴方「いいのかな……それはわかんない」

貴方「まあとにかく栄養あるもの食べたほうがいいよ。一緒に見てみよう」


 鮮魚コーナーに並ぶ魚たちを見る。

 焼き魚(?)にしやすそうなのがいいよな。ついでに生でも大丈夫そうなほうがいい?

 この時間だと値引きシールの貼ってあるものは少ない。まず自分が買おうとしていたさんまを取ってみる。

 さんまなら加熱すれば食べられるか?生だと寄生虫が心配?


貴方「……暁美さんはこれとかどう?最初から味付いてるし」

貴方「ちょっと手間かけるならムニエルとか家庭科でやっただろ。……あれ、その時暁美さんいなかったっけ?」

ほむら「鮭…………いいですね。これ、買ってみます」


 それぞれ買いたいものを買ってスーパーでの買い物を終える。

 次はホームセンターか。



*ホームセンター
1同じくおつかい?鹿目さん
2あの赤い髪は……
3次も暁美さんと一緒に行動

 下2レス



ほむら「も……もう、帰りますか?」

貴方「いや、俺はこれからホームセンター寄ってくけど。まだ買う物があるんだ。暁美さんは帰る?」

ほむら「い、いえ。それなら私も……」

貴方「ついてくる?」


 暁美さんはこくりと頷いた。ついてくるらしい。

 二人で駅前のデパートに入ってホームセンターの階まで上がる。

 クラスメイトとスーパーの買い物袋を持って歩くのも変な感じだな。


 暁美さんは何が見たいんだろうか。

 俺についてきながらも、色々なものを見回して目移りしてるように見えた。


貴方「暁美さんは何を見たいの?」

ほむら「私は……物が増えてきたので収納とかを見たいなって」

ほむら「あとは特に決まってないです。まだ部屋に不便なところはいっぱいあるのでいいものがあれば」


 ひとまず先に電球を売ってるコーナーを見つける。


貴方「あった」

ほむら「電球……ですか?」

貴方「ああ。古いのが切れたからこれを機にLEDに変えようと。あとはペットの餌」

ほむら「何を飼ってるんですか?」



生き物
・自由安価

 下2レス



貴方「犬がいるよ。暁美さんは動物好き?」

ほむら「え……まあその、可愛いのなら……。で、でも、吠えたり噛んだりしそうなのは怖い、かな」

ほむら「そういえば鹿目さんも言ってました。小さい頃に大きな犬に追いかけられたことがあるから苦手だって」

ほむら「でも小さくて大人しいのなら大丈夫みたいです。ふわふわした小動物が好きって、鹿目さんらしいですよね?」

貴方「お、おう」


 ……なんか急に饒舌になったな。鹿目さんは大型犬が苦手か。

 友達のことを話す暁美さんはいつもより明るく見えた。

 その様子は初めて親しい人ができた子供が母親に話すようで。ちょっとうらやましくも思えた。


ほむら「ペット用品のコーナー、こっちにありましたよ」

貴方「ああ。ドッグフードはここだな」


 棚に並ぶドッグフードの袋を一つ手にとる。

 その間、暁美さんは後ろのほうのコーナーを見ていた。シックな雰囲気に合いそうな、お洒落なインテリアだ。


貴方「いいインテリアだね」

ほむら「! ……は、はい。でもうち、あまり考えずにものを揃えちゃったから……こんなにお洒落なものが合うかどうか」

貴方「これから物を整理するならそういうのこだわってみてもいいのかもしれないね?せっかく自分が好き勝手出来る部屋なんだし」



1自慢できる部屋になったら見せてほしいな
2この後もどこか寄る?
3自由安価

 下2レス


貴方「自慢できる部屋になったら見せてほしいな」

ほむら「え……えーと…………はい、その」

ほむら「すぐには自慢なんてできないけど……あまり遅くならないように考えておきます」


 ……こういう時の暁美さんって軽いことは言わないんだろう。

 多分本当にいつか見せてくれる気でいる。


 その時を楽しみにしつつ、暁美さんと収納用の家具やインテリアを見て回ってから帰った。

 色々と買い込んでしまったから荷物が多くなってしまったようだ。


貴方「荷物多くなっちゃったね。家まで送るから半分持とうか?」

ほむら「え、でも悪いです……!」

貴方「本当気にしないでいいよ。なんか暁美さん見てると無理させたくなくてさ。ここから遠いの?」

ほむら「遠……くはない、かな。なので、心配しなくても……」

貴方「遠くないなら頼ってくれても大した負担にはならないよ。もしなんなら途中まででも。二人で持ったほうが楽になるから」


 暁美さんは『そう言うなら』と納得してくれた。

 それから案内してもらったが、暁美さんの家にたどり着くまでには本当にさほどかからなかった。

 このくらいなら本当に渋らなくてもよかったのに。……いや、このくらいだから渋ったのかな。

 なんにしても、暁美さんには頼ってほしかった。


ほむら「ここまでしていただいて、本当にありがとうございます」


 家の前に来ると、暁美さんはぺこりと頭を下げた。

 それから少しだけもじもじと何かを言いたそうにしているのを待って――。


ほむら「……あの! よかったら、お茶でも出しましょうか? 見せるの予定より早くなってなんにもしてないけど……」

貴方「気にしないでいいのに。でもまあ、そう言うのならせっかくだから甘えようかな。ちょうど喉渇いてたし」

ほむら「ちょっとだけ待っていてください。片づけてきます、ので」


 そんな提案すら勇気を出した言葉だったのかなと思う。

 その言葉の後に部屋に入って行った暁美さんを少し待ってからお邪魔させてもらった。

 暁美さんが出してくれたのはペットボトルのお茶だった。


ほむら「すみません、あまりこういう時に気の利いた出せるものがなくて」

貴方「いや、お茶出してくれだだけでも十分気が利いてると思うよ?ありがとう」

貴方「へー、これが一人暮らしの部屋か。秘密基地みたいでいいな!」


 正直に言うと思ってたよりも狭かった。家族誰も居なくて一人ならこんなものか。

 ……というか、家族がいないってことは今ふたりっきりなのか。



1一緒に買い物っていうのもいいね
2今度は遊びに行ってみる?
3今も悪くはない部屋だと思うけどな
4自由安価

 下2レス


貴方「今度は俺の部屋を見てくれよ。女の子の意見を聞いてみたい」

ほむら「は、はい……今度。わんちゃんも見てみたいです」

貴方「うん。大丈夫、人を噛んだりはしないよ」


 暁美さんちでお茶をいただいてから帰宅した。


 これから部屋を整理するみたいだし、次来る時はどうなってるか楽しみだ。

 うちに来る時にも恥ずかしくないように片づけておこう。



▼ほむらの家を知りました。



【貴方】 7日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・可愛いとこもあるじゃん?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・家に上がった↑
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
なし

-------------------
今回はここまで

>仁美
基本的にメインではないです
いまのとこ設定的にNTLになっちゃうけど相手が上条だし
あまりにほったらかしてるとそれもありえるよなぁ、正直そうやって学んだほうがいいとは思うの
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――――
8日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 もう週の半ばだ。もう少し頑張れば休日がやってくる。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはようございます」


 今日はいつもの女子三人はいつもより少し遅くにやってきた。

 誰か寝坊したのかな。

 HR前は話せずにみんなすぐに席のほうに行ってしまい、話せたのはHR後だった。


話しにいく
1ほむら
2さやか
3まどか

 下2レス



貴方「今日は遅かったな。ギリギリだぞ」

さやか「いやー、それがねぇ……」

貴方「当ててみようか?寝坊した?」

さやか「誰が?」

貴方「って言ってる美樹だったりして」

さやか「なんでそう当ててくんのよ!……でも違うし。あたしは原因だけど寝坊したわけじゃないし」

貴方「へー?じゃあ……」

さやか「ここから先は当てられるかしらね」


 美樹が待ち合わせに遅れた理由?


1体調が悪かったから
2トラブルが起きたから
3人助けのため
4休みだと思ってたから
5やっぱり寝坊だろ

 下2レス


貴方「人助けのためとか?」


 そう言うと美樹は驚いた表情をする。


さやか「正解だよ。道に迷ってるおばあちゃんがいて、案内してたんだ」

貴方「……マジで!?」


 自分で言っておいてなんだけどこっちも驚いていた。

 そんな漫画みたいな状況。


貴方「頼まれたのか?」

さやか「いや、地図持ってああでもないこうでもないってうろうろしてたらわかるっしょ」

さやか「おまけに不良みたいな奴に『邪魔だ』ってわざとぶつかられたりしててさ。見ておけなくなったんだ」

貴方「へえ……いやでもさ、朝だろ?普通見逃す人も多くないか?」


 正直自分なら頼まれたんだとしてもちょっとしんどい。

 でも、美樹って意外と正義感あるんだな。


さやか「まあ、フツーはそう思うだろうね。でもその時はなんかそういうのやってみようって気になったのよ。目覚めちゃったわけ!」

さやか「……それに、まどかでも多分ほっとけないと思うよ。あいつあたしなんかよりすげー優しいから」

さやか「でもそっかー、あたしはやっぱりそういうキャラに見られてるんだ?これはもう正義の味方ですな!」


 とりあえず美樹は嬉しそうだった。そして俺もちょっと美樹のことを見直すことにした。


――――
――――



 ――――授業開始のチャイムが鳴る。


 着替えて体育館に集まっていた。体育の授業だから周りには野郎共のみ。

 まあそれはそれで楽しいんだけど。


*「おー、いいね!」

*「あれって――さんか?キャップしてるから誰だかわかんなかった」

*「体型でわかるだろ!あぁでもキャップがなければもっとな」


 試合の合間、することがなくなるとみんな小窓のほうに集まっていた。

 理由は単純なことに、女子のプールの授業の風景が覗けるからだ。


*「なあなあ、【貴方】は誰がいいと思うよ?」



1(クラスメイトの誰か指名)
2あれってあっちのクラスは……
3自由安価

 下2レス



 キャップはしてるけどよく見れば遠くからでもわかる。背の低い鹿目さん。逆に高くて、隣で凸凹コンビみたいになってる美樹。

 あと、みんなが泳ぐ中一人で先生と水に顔を付けるとこからやってる人がいる。


貴方(……顔を上げた)


 暁美さん、か。

 泳げないんだろうか。そもそももともと入院してた暁美さんには、冷たいプールに浸かるのは心臓に負担がかかるのかもしれない。

 先生も気を使ってか、すぐにプールサイドで休みに入って泳ぐみんなを見ていた。


貴方「……暁美さんかな」


 みんなは体型だけを見て誰がいいかを聞いてたんだろう。

 でも今本当に目で追っていたのは暁美さんだった。いつにもましてはかなげな雰囲気が気になったんだ。


*「えー、暁美さん?」

*「昨日からイメチェンしたじゃん。あれはかなりイイと思うんだよな。でも……なぁ、あれじゃね?細くね?」

*「貧相?」

*「おいやめろよ、直球すぎるだろ」

*「そういうのが好みかよー」


 マジに答えてみると、思った通りからかってくる男子たち。



貴方「う、うるさいなっ。暁美さんは……仕方ないだろ。病弱だったんだし」

*「いや、マジに返されても困るし」

*「おっとー?これはー?まさかのー?」


 ……それからすぐに笛が鳴って試合に呼ばれたが、その後もちょっといじられてしまった。

 もっと適当に軽く答えときゃよかったか?

 スタイルがいい奴はいる。なんつうか、こうして見てみりゃ……美樹とかも結構いいほうかもな。

 でもなんか、最近結構話すからか、あんまり暁美さんが囃し立てられるのはちょっと聞いていられない気がしてた。


――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

昼休み



貴方「なあ、美樹たちって毎日屋上で飯食ってんの?今日も?」

さやか「うん、雨降ってなきゃね」

貴方「……そうか」


 たまにはまた屋上に行ってみようかと思ったけど、やめといたほうがいいかな。

 あんまり歓迎されてなかったし。


 あいつらも行ってしまったし、食べるか。ああ、今日弁当ないんだった。購買いいの残ってるといいな。


貴方「くそっ、売り切れないうちに急ぐしかない!」


 走らない程度に早歩き早歩き。

 ……購買に着いて棚を見ていると、ふと取ろうとしたものが重なって手が当たってしまった。

 これあと一個だったのに。


「あっ……ど、どうぞ」


 どうしようと考えてると控え目な声がした。

 え、譲ってくれるのか? というかこの声――……。


ほむら「って、あ……」

貴方「ああ。暁美さんいつもここに来てるって言ってたもんな」



ほむら「【貴方】くんも来るんですか?」

貴方「まあたまに。毎日作るのも大変だろうし、こういうのが食べたくなるときもあるよ」

貴方「これ本当に譲ってもらっちゃっていいの?いつも売り切れるの早いんだよ」

ほむら「わ、私は毎日来てます……自慢にならないですけど。だから、いいんです」

貴方「じゃ、そういうことなら。ありがとな」


 食べたかったパンを譲ってもらった。


1昨日はあれからどうだった?
2今度一緒に昼食べない?
3自由安価

 下2レス



貴方「今度お昼一緒にたべない?多めに持ってくるから」

ほむら「一緒に食べるのはいいですけど……いいんですか?」

貴方「お返しだと思ってさ」

ほむら「でも、作ってもらってるんですよね……?なんだか悪いです」

貴方「いやいや!俺だってこう見えて料理くらいできるんだよ?その時は作ってくさ」

ほむら「そ、そうなんですか……?」



*ちなみに今の言葉……
1出来る(事実)
2出来る(多分)

 下2レス


貴方「まあ、そりゃ大したことできるわけじゃないけど……自分で作ってくこともあるしな」

貴方「うちあんまり親が家にいないからさ。全部作ってもらうってわけにもいかないっていうか」

ほむら「わ、私なんて一人なのになにもできないです」

貴方「ま、まあまだ始めてすぐだろ!」

貴方「それに逆に一人だとそうなる気持ちもわからなくないかな……」

ほむら「あ、あと……鮭、ありがとうございました。美味しかったです」

貴方「お!上手く焼けた?」

ほむら「鮭はなんとかなったんですけど、ご飯が少し……固かったりして何度かやり直しました」

貴方「そ、そっか。炊飯器はあるの?」

ほむら「あるんですけど、面倒臭がってレンジでやっちゃって……」


 ……まずはそこからだった。

 まあ、炊飯器さえ引っ張り出してくれれば大丈夫だろう。

 色々揃ってるのが当たり前な家とはなにもかも違うよな。


――――
――――


*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1帰宅
2写真部
3部活を掛け持ちしてみる(部を指定)
4委員会
5寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス



*委員会活動
1図書委員
2風紀委員
3保健委員
4生徒会、立候補してみる?
5自由安価(ほか、やめとく等)

 下2レス



 ……帰ろう、と思ったけどそろそろ委員会の仕事もやんないとまずい気がする。

 久しぶりに図書室に寄っていくことにした。


 ――――図書室に足を踏み入れるとそこはとても静かな空間だ。

 司書の先生に挨拶して仕事に取り掛かる。古くなった雑誌や新聞の整理。それと新しいものに入れかえてっと。

 文章だらけの本以外にもこういうのもあるから親しみやすい。他の委員の奴らも別に読書好きばかりではない。

 委員会なにかやらなくちゃって時に俺が図書委員を選んだのもなんとなく楽そうだからだった。


貴方(……これで終了かな。今度こそ終わりにするか)


*「ああ、あと【貴方】くん。貸出期限過ぎてる人いるから催促しといてほしいんだけど」

*「同じクラスだから多分知り合いでしょ」


 と、思ったら頼み事が来た。

 貸出カードのチェックなんて面倒からは逃れられたからよかったけど。



・クラスメイトと借りてる本の内容

 下2レス



貴方(さーて、誰が何借りてんだ……?)


 カードを見せてもらうと、そこに書かれてる名前は美樹さやか。

 本の記録は……。

貴方(恋占いの本!?マジかよ。そういうキャラか?)

貴方(……誰か好きな人でもいんのか?美樹が?)


 色々と考えさせられてしまう内容だった。

 催促は明日にでも言えばいいだろ。了承の返事を返して挨拶をして去る。


 まあ、いい話のネタにはなるかな。



*この後
1帰宅
2写真部
3部活を掛け持ちしてみる(部を指定)
4寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

部室



 帰る前に部室に寄って行くことにする。

 すると――。


貴方「お疲れ様っす……って、あれは?」

*「おお、お疲れ。いいとこにきた。ちょうどさっき暁美さん入部届出してくれたとこなんだよ」

貴方「確かにそんな話してたけど、マジにうちにするのか」


 部室の中に暁美さんの姿を見つける。

 女子部員に囲まれて話しているところだった。まずは部についての説明とか、部室にあるものを紹介してるみたいだ。


*「女子が率先して見てるけど、【貴方】の知り合いなんだろ?」

*「カメラの使い方とかは教えてやりなよ。ちょっとはわかるだろ?」

貴方「クラスメイトっすよ。もちろんフォローはしますけど、そんなに本格的なの使ったことないっすけどね……」

*「まあ困ったら俺が教えるけどな!」


 部長は部長をやってるだけあってカメラには詳しい。趣味で色々やってる人らしかった。

 他の部員も若干オタク気質な奴がいたり、女子もおとなしめのタイプが多い。

 暁美さんとも気が合うだろう。そういう知り合いが増えたのはよかったのかもしれない。



部長「そんで、カメラの使い方もなんだけど、モデルの話あったじゃん」

部長「今度頼まれてる校内雑誌の表紙に彼女を使うのはどうかと思ってさ」

「どう?たまには校舎や風景じゃなくてもいいだろ。みんな飽きてるだろうし。新しい部員の紹介ってことで、いい機会だと思わない?」

貴方「えっ、その話暁美さんにはもうしてるんすか?」

部長「いや、今からする。おーい、暁美さん」


 毎月配られる雑誌のことだ。前からその表紙の依頼が写真部にきてたりする。

 当たり前だけど、中身まで読まなくても表紙なら全校生徒の目に入ることにはなるだろう。

 たしかにいい機会だけど、かなり目立つことにならないか? 受けてくれるだろうか。


部長「校内雑誌用の表紙の写真撮りたいからさ、ちょっとモデルやってみない?」

ほむら「こ、校内雑誌、ですか? ……いきなりそれは、私まだ入ったばっかりなのに」

部長「関係ないって、上手く撮るのは俺たちに任せなよ。晴れ舞台になるよ~。この前の写真も良く撮れてたじゃないか」

ほむら「で、でもそれってたくさんの人が見るんじゃ……」



 渋っている様子の暁美さんに女子部員たちも押しに入った。


*「やってみればいいじゃん。撮った写真は見られてこそ、だよ!」

*「案外いい思い出になるかもよ?私は撮る側だけど、暁美さんはモデル向きの容姿してるしさ。飾ったらすごく綺麗になると思うよ?」

ほむら「え、え、そんなことは……」

*「本当だって。主要な雑誌には全部目を通してるくらい見る目は肥えてるんだから。マネージメントさせてよ」

部長「えっと、校内雑誌だしそんなに飾る予定はなかったんだけど……」

*「えー、じゃあそれはまたの機会でいいからさ。せっかくなんだしやってみようよ!」


 ……俺はなんて言うべきか。


1暁美さんがどうしても嫌じゃなかったらどう?
2暁美さんが表紙にいたらみんなも興味が沸くかも
3自由安価

 下2レス


貴方「暁美さんがどうしても嫌じゃなかったらどう?」

部長「頼むよ暁美さん!」

ほむら「ええと……ええと……ちょっと待ってください…………」


 こういう時は急かさないほうがいいのかもしれない。

 どちらかの返事の決心がつくまで待つ。

 みんなは期待の目を送っている。俺も暁美さんが表紙に載った校内雑誌なら見てみたいと思っていた。

 それに、もし撮るのなら……――。


ほむら「……や、やりましょう」

部長「よっしゃ!じゃあ背景はどうしようか?校内?校舎周り?」

貴方「あの、写真は自分に撮らせてもらえませんか?」

部長「え~? ここは俺が、と言いたいとこだけど……まあいいよ。【貴方】がいなかったら暁美さん入部してないもんな」

部長「ただし!いい写真撮ってこいよ」


 部長に任せてもらった。

 ちゃんと構図も考えないとな。

 まず、どこで撮ろうか?校内雑誌だから学校が映るほうがいいだろう。



1教室
2廊下
3校門前
4花壇
5屋上
6自由安価

 下2レス



ほむら「そ、それじゃあ、今度はどこで撮りますか?」

貴方「そうだなぁ……場所より先に、夕焼けをテーマにするっていうのはどうかな?」

貴方「今までの表紙ってたしか昼間の風景しかなかったはず」

部長「なかったな」

貴方「ふと浮かんだんだ。夕焼けの中に佇んでるところ。イメージに合うんじゃないかって」

部長「インスピレーション湧いてるじゃねえか!その調子でさっそく撮った撮った!夕焼け時はもうすぐだぞ!」


 ……ちょっと強引な形でカメラを持たされて部室を締め出されてしまった。

 本気で期待してるみたいだ。いいの撮らないと。


貴方「この前みたいに屋上行って空をバックってのも考えたけど、教室や廊下に差し込む光ってのもよさそうだな」

貴方「夕焼けの一番良い時って短いし、さくっと数枚ずつ撮って回ろうか。いいの撮れたら提出しにいこう」

ほむら「は、はい。頑張ります」


 暁美さんも意気込んでくれている。

 雑談して緊張をほぐしながら、まず屋上に向かった。ここからだと空はよく見える。

 まだ少し上にある太陽。ここから見える景色を二人で眺めた。



貴方「暁美さんが本当に入部してくるなんて驚いたよ。どうして決心したの?」

ほむら「ええと……それは……」


 暁美さんは柵の上に置いた手をもじもじと動かす。


ほむら「…………こんなこと言うと自意識過剰だって思われちゃうかもしれないけど、【貴方】くんが撮ってくれたから」

ほむら「【貴方】くんや部長さんが『良い』って言ってくれたから」

ほむら「絶対私なんか撮る価値ないって思ってたんです。笑えないし、写真写りは悪いし」

ほむら「でも、そう言ってくれたから、もしかしたら入部してみたらこんな私でも何か変われるかもって……」

ほむら「……調子に乗りすぎですかね」


 照れくささが限界を超したのか、曖昧に笑ってそっぽを向く。

 赤が差し始めた空にこの前みたいに黒い髪が揺らめいていた。


貴方「いや、そんなことないよ」

貴方「ていうか、暁美さんはもっと調子乗ったってバチは当たらないさ。俺が保障するし、みんなも保証してくれるよ」

貴方「でも、そっか。そういう思いで入部してくれたんだな」

貴方「今日も絶対いい写真撮るよ!」


 自分も今までこんなに写真撮るのに張り切ってたことなんてなかった。

 あまり本気で写真に凝ってるほうではなかったし。

 暁美さんがきてくれたことで何か変わり始めたのかな、と思った。

---------------------
今回はここまで



 それから屋上で何枚か撮って、自分たちの教室、その外の廊下でも撮影してみた。

 今日手渡されたカメラは綺麗に撮れるように調整してくれたらしい。暗くなってくると難易度は増してくる。

 やっぱり技術では部長に敵いそうになかった。でも、任せてくれたんだもんな。それに暁美さんにもああ言ったんだ。


貴方「どう? いいのはある?」

ほむら「夕焼け、どれも綺麗に撮れてると思います」

貴方「うん。でもメインは暁美さんだよ」

ほむら「【貴方】くんは、いいと思うのはありますか……?」

貴方「そうだな…………」


 そう言われると悩んでしまう。いくつか良いのはある。でも表紙は一枚だ。

 撮った写真の中から一つを選んで指さした。


貴方「これとかどうかな?」


 自分たち以外誰もいない教室で窓際の机に軽く手をついた写真だ。毎日通うよく知った教室。なのにどこか幻想的だ。

 ガラス張りでできた教室は陽の光をよく通してキラキラと反射させていた。

 考えてみればこんな時間に教室に寄ることはなかったな。


ほむら「……はい。いいと思います」


 その雰囲気がそこに佇んで照らされる暁美さんの姿とよく似合っていた。



貴方「じゃあ、これを提出してもいい?」


 そう言うと、暁美さんは少し悩んでから返事をしてくれた。


ほむら「……はい」

ほむら「や、やっぱり、恥ずかしいですね。みんなこれ見ちゃうんですね…………」

貴方「手元に来たら記念にとっとくといいよ。俺もとっとく」

ほむら「え、とっておくんですか?」

貴方「一応、『俺が撮った作品』でもあるんだからさ」

ほむら「あ、そ、そうでしたねっ。すみません」

貴方「なんで謝るの?さっきも言ったけどメインは暁美さんだよ。この景色だけでも……もし他の人でも、この写真は撮れなかったと思う」

ほむら「え……、でも、他にもっと良い人だって」

貴方「そういうことじゃなくてさ」

貴方「クラスメイトの暁美さんじゃなかったら俺も名乗り出なかったと思う。素直に部長に任せてたよ」


 部長なら持ち前の知識と技術で良い写真を撮るだろう。

 風景やほかのモデルだったらそうしてた。そのほうがいい。……でも、これは暁美さんの始めての大役で。

 暁美さんは俺が写真を撮ったから入部することを決めてくれて。


 だったら、やっぱりこの写真は俺が撮れてよかったと思う。



貴方「……提出しに行こうか」

ほむら「はい。なんだか、私も」

貴方「ん?」

ほむら「他の人に見られるのはやっぱりまだ恥ずかしいけど、【貴方】くんや友達の鹿目さんに見てもらうのは、少し……」

ほむら「……なんていうのかな。嬉しい……楽しみ……、というか……うん。誇らしいって気がします」

ほむら「少しだけ…………だけど」

貴方「ああ、やっぱせっかく覚悟を決めて入ってもらったからにはそうじゃないとな。きっと鹿目さんだって良いって言ってくれるさ」


 変われるきっかけを求めて決心するように入部したという暁美さん。

 普段から消極的で決して目立とうとしない彼女にしては意外なほどに大胆な決断だ。

 でも、そんな決心をできたのだから、今ももう変わり始めてるんじゃないかなと思う。


 ――夕焼けが沈みかけた頃に部室に戻ってきた。その頃には部室にはほとんど人は残っていなかった。

 撮影した中から一つ選んだデータを提出する。



 …………あとはその写真が実際に印刷されて発行されるのを待つだけ。



【貴方】 8日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・意外な一面ある?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・教室でも部活でも仲間↑
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
なし

――――
9日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「お、おはようございます」


 いつも見る顔。元気な美樹の声と、優しげな鹿目さんの声と、ちょっとだけいつもより明るい気がする暁美さんの声。

 ……と。とりあえずここで昨日頼まれてたことを思い出した。


貴方「ああそうだ、美樹。図書室から本借りてるだろ。期限すぎてるから返せって司書の先生言ってたぞ」

さやか「へ?」


 そう言うと美樹はまるで心当たりなさそうな声をあげる。


まどか「【貴方】くん図書委員なんだっけ。さやかちゃん心当たりないの?」

さやか「うーーん……? あー、そういえばなんかあったわ」

貴方「『あったわ』ってお前な……」


 適当すぎるだろ。内容もアレだし本当にちゃんと読んだのかすら気になる。



ほむら「図書室、行くんですね。ちなみに何の本ですか?」

貴方「恋占いとかのやつ」

さやか「ちょっ……」


 そういえば暁美さんは本読むって言ってたけっな。

 なんてぼんやりと考えてると美樹が顔色を変える。


さやか「ちょっと!デリカシーなさすぎない?」

貴方「別に言われて困るほどやましい本じゃないだろ。そんなのに頼るのは意外だなって思ったけど」

貴方「それとも、まさか中身はそういう……?」

さやか「なわけないでしょーが!アホ!ばか!」

まどか「け、喧嘩しないでね!?」


 なんだか怒らせてしまったっぽい。

 鹿目さんが慌ててなだめてる。これは謝っといたほうがいいか……?


貴方「悪かったよ。延長するなら言っとくけど、とりあえず一回持ってこいよ」

さやか「…………あー、もういいよ。いらないし。てかどうでもいい」

さやか「返すの忘れてたわ。今日探してみる」


 まだ必要なのかと思って聞いてみると、素っ気ない返事がかえってきた。やっぱり適当なのかこれは。

 けど、彼女はどこか機嫌を損ねたように見えていた。



 ――――朝のHRが終わると授業の用意をする。



授業中
1真面目に取り組む
2話しかける(クラスメイト指定)
3他の人を眺める(クラスメイト指定)
4自由安価

 下2レス



 一時間目は国語の授業。

 この前当てられた時は焦ったから今日はちゃんと聞いておくことにするか。


 ……特に誰とも喋らず真面目に取り組みながらも考える。昨日のことだった。


貴方(本が出来るまで自分から写真のことを口に出すのはやめておこう)

貴方(鹿目さんや美樹もびっくりするかもな)

貴方(暁美さんにもそう言っておこうかな? まぁ、暁美さん本人が話したいならいいんだけど)


 暁美さんのほうをちらっとだけ見てみると、彼女も真面目に取り組んでいるようだった。

 それから一瞬だけ目が合って、またお互いに授業に集中した。

 暁美さんが目を合わせてくれることは少ない。撮影の時もカメラ目線は苦手なようだった。

 前に屋上で不意打ちで撮った写真くらいか。ふと、それを思い出してみた。


――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4暁美さん誘ってみようか
5自由安価

 下2レス

昼休み


 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 俺は暁美さんに声をかけていた。


貴方「暁美さん、昼一緒に食べない? 昨日言ってた通り作ってきたよ!」

まどか「そういうことなら今日は行ってきてよ、ほむらちゃん」

さやか「てか料理とかできんのね」

貴方「まー男飯ってレベル?」


 と、いつも暁美さんと一緒に昼食を食べてるメンバーにも快く送り出された。みんなはまた屋上に行くんだろう。

 こっちも昨日の体育館での一件もあって、教室だと人の目が気になる。


貴方「こっちも移動しよっか?」

ほむら「あ、はい……どこに?」

貴方「どうしようか。まあ適当に空いてるとこ探しに行こう」


 ひとまず廊下に繰り出す。それから適当な場所を見つけて弁当を広げた。


貴方「はい、これ暁美さんに」

ほむら「あ、ありがとうございます」


 具は無難に卵焼きとかウインナーとか。冷食も混ざってる。あとは野菜も添えて栄養もカンペキ。

 人に出すのだからいつもより見た目にも気を遣ったけれど、シンプルな容器と相まって無骨さは否めないかな。

 多分あのメモ書き落としてった、いつも暁美さんと一緒に食べてる先輩とかはもっと綺麗で手の込んだ弁当を作るんだろう。


ほむら「美味しそうです……唐揚げとか自分で揚げたんですか?」

貴方「あー、いや。冷食だよ」

ほむら「冷食でも美味しそうなものを売ってるんですね……」

貴方「さっきも言った通り、大したモンは作れないし見た目より味と量重視だけどさ。まあ頑張ってみたつもり」

貴方「あ、量多かったりしたら残していいよ?」

ほむら「はい。ええと……美味しい、ですし、なんか参考になりました。……こう作ればいいんだって」

貴方「おお、参考に!」


 まあ、自分で作ったのは簡単なのだけで組み合わせている。

 時間かけられなくてもちょっと頑張れば作れそうな感じだろう。


1あれから料理とかしてみてる?
2よかったらまた作ろうか
3自由安価

 下2レス


貴方「あれから料理とかしてみてる?」

ほむら「じ、実はいそがしくてあんまり……」

貴方「んー、忙しいのか。まあ無理しないでほしいけどさ」

貴方「今日の気に入ってくれたなら、よかったらまた作ろうか。弁当」

ほむら「で、でも、なにもお礼ができないです。今日のは購買のパンのお礼って話だったけど、私はお礼に何をしたらいいのか……」

貴方「お礼にって言い出したのは俺だけど、別にそこまで貸し借りとか考えなくていいよ?」

貴方「暁美さんは大切な友達だからよくしてあげたいって気持ちもあるし」

ほむら「と、友達…………」

貴方「え、ええと、違う?」

ほむら「い、いえ……っ!」


 暁美さんが慌てて否定する。

 さすがに今まで親しくしてきてると思ってるし、友達とすら思われてなかったら悲しい。それとも……?


 ――ちょっとだけ考えた下心のある勘繰りを握りつぶす。


貴方「それでももし何かお礼がしたいっていうんだったらさ、また写真撮らせてよ」

ほむら「写真……ですか。そんなことで」

貴方「せっかく同じ部活仲間にもなったんだからさ」



 そうして、他愛もない話をして、同じ中身の弁当をつついて――

 昼休みを終えた。



――――
――――

放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。

 今日はすぐ帰ろうか、どうしようか。



貴方「暁美さん、今日は部室に寄る?」

ほむら「ええと……【貴方】くんはどうしますか?」



1暁美さんが寄るなら
2帰宅
3写真部
4委員会
5寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

---------------------
今回はここまで。



 俺もどうするか決めてなかったから聞いたんだけど、暁美さんに聞き返されてしまった。

 でも、わざわざ聞くのはこういう意味なんだけどな。


貴方「暁美さんが寄るなら」

ほむら「あ、だったら……私も寄りたいなって思ってます。入部したてですし……」

貴方「そうだね。いこっか」


 二人で部室に向かう。

 そしてその中へ足を踏み入れると、部長をはじめとした写真部の面々が出迎えてくれた。


部長「おお、きたきた。見たよー、昨日の表紙用の写真。いいの撮ってこれたんだな」

貴方「恐縮っす。よかったね、暁美さん」

ほむら「は、はい」

貴方「今回のは俺も自信あったから。実際に雑誌になるのが今から楽しみですよ」

部長「提出用データ以外のも見たけど、やっぱ素材が良いから外れがないな。これからもよろしく頼むよ、暁美さん」

ほむら「えっ、ええと、はい……が、頑張ります」

貴方「一仕事終えたけど、今日はどうする?」

ほむら「今日は……せっかく写真部だし、撮るのもやってみようかなって……」

ほむら「最初に少し教わったけど、あまりよくわかってなくて壊したりしたら怖いし、【貴方】くんがいてくれるなら助かるなって」

貴方「俺が使えるくらいのやつなら、そんなにビビらなくてもいいとは思うけどな……?」

部長「ああ、やってみればいいじゃないか。歓迎だ。まずは簡単なのから教えてやってくれ」



 部長からもそう頼まれて、とりあえず二つ分カメラを借りる。

 撮影対象をどうするかだな……。



どこに行こうか?
1校舎周り
2校内
3外に行く?(自由安価)

 下2レス


貴方「じゃあ、とりあえず廊下に出て校内を回ってみようか。この時間だとまだ色んな人も残ってるはずだし――」

貴方「人でも物でも、気を引かれたものがあったら撮ってみよう」

ほむら「はい」


 カメラを持って廊下に出る。クラスメイトなのに、こうしてるとなんだか後輩が出来たみたい。

 それは多分、彼女の知らないことを自分が経験しているというだけでなく、

 同級生に向けるにしては謙虚すぎる態度もそう思わせてるんだろう。


貴方「……暁美さんって、誰に対しても敬語だよね」

ほむら「ええと、どう話したらいいかあんまり慣れてなくて……すみません」

貴方「また謝った。別に責めたりしてないよ」


 廊下をゆっくりと眺めながら話す。

 運動部文化部問わず、校内からも校外からも、部活にいそしむ人たちの活発な声が聞こえてくる。

 同じ場所なのに、昨日の夕焼けみたいな綺麗で少し寂しげな景色とは別物だ。


 一枚、廊下から見下ろした校庭をカメラに収めてみる。

 すると俺を真似するように暁美さんもカメラを起動して、その手中の小さな機械を色んな方向から覗きこんで戸惑っていた。



1……機械苦手だったりする?
2鹿目さんたちのとこに寄ってみる?
3自由安価

 下2レス



 こんな時こそ出番だ。


貴方「撮るのはここ。あとは、こっちがズームで逆が縮小だよ」

ほむら「は、はい……あ、撮れました」

貴方「うん。じゃあ、ここ押すと撮ったの見られるから」


 ひとまず最低限の機能だけ一緒に操作をして教えてみる。


ほむら「少しブレてる……」

貴方「こうやって持つとブレにくいよ。あとはどっか置いてみるとか。部室には三脚もあるから必要なら持ちだして」

貴方「まあ当然だけど、落としたりしなきゃいいから。ボタン押したくらいじゃ壊れないよ。データの削除だってワンクッションあるし」

ほむら「そ、そうですよね……でもなんだか変なことしそうで心配で」

貴方「……とりあえず落とすのだけは気を付けてね?首から提げとくのが確実だから!」

ほむら「は、はい。気を付けます」


 暁美さんはアドバイス通りにカメラについた紐に首を通して手に持つ。

 記念すべき一枚目の写真を撮るとこんな提案をする。


貴方「鹿目さんたちのとこに寄ってみる?手芸部って言ってたよな」

ほむら「はい。手芸部と園芸部をかけもちしてるらしいです」

ほむら「そんなに頻繁に顔を出すわけじゃないみたいだけど、最近はたまに行ってるみたいだからいるかな……?」

貴方「いるといいな」


 鹿目さんのことは暁美さんのほうが詳しい。

 さっきのはおためしだ。やっぱり、どうせ撮るなら暁美さんが気の乗りそうなところがいい。



まどか「――あれ?ほむらちゃんと【貴方】くんだ。撮影に来たならどうぞ」


 服やふわふわした小物の展示物が並ぶ教室。

 家庭科室を覗いてみると、こっちに気づいた鹿目さんが真っ先に出迎えてくれた。


貴方「ああ、実はそうなんだ。暁美さんが撮るのにいいものがあるかなと思って」

ほむら「鹿目さんも今日は部活に来てたんですね」

まどか「うん。そっか、ほむらちゃんも部活デビューかあ。【貴方】くんと同じ写真部なんだよね。どう?新しく友達とかできた?」

ほむら「よくしてくれる人ならたくさん……」

貴方「鹿目さんは何作ってるの?」

まどか「ええっとね、これなんだけど……」

ほむら「刺繍?きれい」


 シンプルな真っ白のハンカチに可愛らしい桃色の花の刺繍が咲いている。

 なるほど、これだけでぐっと高級感は増す気がする。こんなのを自分で施せるなんてそれはすごいな。

 これが手芸部か。


まどか「ひさしぶりだし、先輩たちに教えてもらわなかったらできなかったよ」

ほむら「あの……もしよかったらそれと鹿目さんのこと一緒に撮ってもいいかな?」

まどか「うん!ずっと残るのかなって思うとちょっと恥ずかしいけど、上手く出来たから記念に残すのもいいね。ほむらちゃんが撮ってくれるなら」


 そう言われると暁美さんも張り切ったように見える。

 暫くそんな二人のやりとりを眺めて、その風景も写真に撮ってみた。



貴方「――――いい写真は撮れた?」

ほむら「はい。少しだけ写真を撮る楽しみっていうのも分かった気がします」


 手芸部の様子を撮って、それからまたいくつか校内を回ってみてから自分たちの部室に戻ることにした。


ほむら「今まではそれも理解しようとしないで撮ってもらってたから……」

貴方「俺も暁美さんを撮って、こうやって一緒に撮影に出かけて、なんかわかった気がする」


 家庭科室で撮った二人の写真を見せる。

 カメラ片手に鹿目さんと向き合う暁美さんは珍しく笑っていた。

 レンズに目を合せて笑顔を送るのは暁美さんが苦手とすることだった。今まで撮った写真の中じゃ初めてかもしれない。


ほむら「あれ、いつのまに……?」

貴方「いい風景になりそうだなって思ったからさ」

ほむら「今日は撮る側だって思ってたから全然気づきませんでした……」

ほむら「気付かなかったからなんだろうけど、私……写真の中でも笑えてたんですね」


 今までモデルしてもらってたのとはまた少し違うけど、この写真も自信のある一枚となった。


 ――カメラを返しに部室に戻ると、帰り際に部長から尋ねられる。


部長「そうだ、【貴方】暁美さんの連絡先知ってる? 暁美さんもうちの連絡グループに入れないと」

貴方「ああ、そうですね」


 何気に家とか知ってるんだけど、俺は暁美さんと連絡先を交換したことはなかった。

 連絡グループのメンバーに暁美さんが追加される。

 グループは基本的に部内の連絡用だけど、これからは連絡を取り合うこともできるな……とふと思った。




▼ほむらの連絡先を手に入れました。


【貴方】 9日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・意外な一面ある?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・教室でも部活でも仲間
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
なし

--------------------
今回はここまで

ほむら攻略が落ち着いたら出番も増えるんじゃないかな…うん
高嶺の花だからね…しょうがないね
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――――
10日目 教室



 一週間の最後の日。今週はなんだかいろんなことがあった気がする。

 暁美さんの写真を撮ったり、それがきっかけになって入部してくれたり。


まどか「おはよう、【貴方】くん」

さやか「おはよー」

ほむら「おはようございます」


 思い出を振り返りながら席につくと、今朝も暁美さんたちがやってきた。

 そろそろ慣れてきたけど、暁美さんが髪を下ろしたのも今週では大きな変化だった。


 そして、朝のHRではついにあの冊子が配られた。


まどか「あれ?これって…… え!?」

さやか「ほむらじゃん!なんでいるの?」

ほむら「…………」



 やっぱり驚くよな。クラス中も似たような声で賑わっている。

 暁美さんはやっぱりどこか恥ずかしそうにしていた。


 普段だったら大して目もくれない程度の雑誌。

 内容は校内のイベントごととか先生のコメントとか、いたって真面目で面白みのない内容だ。

 しかし見慣れた教室で夕焼けの中に佇む暁美さんが映った表紙はやはり特別にみんなの目を引いていた。


「そうそう、うちのクラスの暁美さんが表紙を飾ってくれてます」

「担任として誇らしいことですね。先生も聞いた時は驚きましたよ。とても美人に映っていてグッドです!」


 冊子を配り終えてから早乙女先生が言った。

 HRが終わると暁美さんの席のまわりを生徒たちが囲んでいた。


*「どういうことどういうこと?」

ほむら「じっ、じつは写真部で表紙用の写真を撮ることになって……」

*「えー、可愛い!写真部ってこういうのも撮るんだあ」


 その様子を見て、撮った俺に対しての話題がまったく上がらなかったのはちょっと寂しかったけれど。

 一気にクラスの中心みたいに囲まれて暁美さんはまだ気恥ずかしそうにしてるけど、みんなの反応も当然だよなって思った。

 やっぱそのポテンシャルを持ってる。


まどか「ねえねえ、これも【貴方】くんが撮ったの?」

貴方「ああ。みんなのこの反応を見ると俺も嬉しいもんだな。前々から表紙は撮ってるけど写真部で今までこんなに目立ったことないし」

貴方「鹿目さんも今度また写真撮るのはどう?よかったら入部するのも歓迎だよ?」

まどか「手芸部のほかに園芸部もやってるからこれ以上は難しいかな。でも気が向いたら覗きにいくね」



 ……鹿目さんがこうして自分の方に話を向けてくれたのはちょっと嬉しかったりする。




 ――――授業開始のチャイムが鳴る。

 早乙女先生の英語の授業だ。


「I like English most in all subjects」

「私は全ての教科の中で英語が一番好き。みなさんもそうですよね? Aren't you?」


 それに対する反応は人それぞれだけど大多数が苦笑い。


「では、Takashi is tallest in this class. これは?――さん」

*「タカシくんはクラスの中で一番背が高い?」

「その通りです!-estとmostはどちらも最上級ですが、使い分けに注意してください」


 まだ英文に関しての問いかけならまあわかりやすいわけだけど。


「……そうそう、ところで。女子の背たけは高い方がいいと思いますか?低い方がいいですか?【貴方】くん!」



貴方(だからなんでこっちにくるんだよ……)



 先生は小さい方だけど……。



1高いほうがいい
2小さい方がいい
3普通がいい
4スタイルが良いのがいい

 下2レス



 と言われても、特にこだわりはないしなぁ。どちらと答えても後でとやかく言われそうだ。


貴方「平均でいいんじゃないでしょうか……」

「なんとも面白みのない答えですね……しかし平均……平均というと大体160手前だなんていいますけど」

「くれぐれも、ヒールを履いた女子に対して『無理してる』なんて言わないでくださいね!」



 まあ、言われたんだろうなぁ。

 教室ではこの授業で『一番』の苦笑いが起きていた――――。



さやか「普通かぁ。確かに無難な答えだけど、実際のとこどうなの?」


 授業が終わってから美樹が話を蒸し返しに来ていた。とはいえ、あまり面白そうな答えを期待されても困る。


貴方「いや、特に気にしたことないよ」

まどか「先生くらいで小さいならわたしはどうなるんだろう……」

ほむら「先生は大人だから……私達もきっとこれから伸びますって」

まどか「そうかなぁ。そうだよね?」

貴方「そういう女子たちのほうがどうせ男の身長に関してはうるさいんだろ」

さやか「ん、まぁ普通くらいあれば困ることはないんじゃない?」

まどか「あんまり高いと見上げるのが辛いかな……?」


 まあ、すぐにはどうにもできないことだ。けど一応俺たちは成長期である。


1牛乳のもう
2身長差とか気にするの?
3自由安価

 下2レス

------------------------
今回はここまで



貴方「身長差とか気にするの?」

まどか「わたしに合わせると小さくなっちゃうよ。でも、男子も女子もすらっとしたのは憧れるよね……」

さやか「足長っ!みたいなモデル体型っての?」

ほむら「美樹さんは十分だと思いますけど……?」


 美樹が一瞬ちらっと見た先には志筑さんがいた。志筑さんは確かにクラスのマドンナのような存在だ。

 絵に描いたようなお嬢様で、誰にでも優しい上に振る舞いが上品ってのもある。背に伴うように発育もかなりいい。


 ……でも、暁美さんの言う通り背に関しては美樹はこのくらいで丁度いいと思うけどな。高すぎないくらいで。

 モデルのような高身長だとそれはそれで並んだ時に男心を削られるのだ。

 その上ヒールなんて履いてたら追い抜かれてしまう。


貴方(……まあ、志筑さんと並べるような男はそれこそルックスも家柄も完璧中の完璧の男なんだろうな)


貴方「一応俺も男だから、自分より背が圧倒的に高い女子は……とは思うけどさ」

貴方「たださ、それでも好きになった相手ならそんな事は気にならなくなると思うな」

まどか「じゃ、じゃあ低いほうには問題なし?」

貴方「まあ女の子らしくて良いって思う人はいるんじゃねーの」

貴方「高かろうが低かろうが惚れた相手なんだ。気にするなんて馬鹿馬鹿しいと思うけど?」

まどか「う、うん。そうだよね! でも、これからも牛乳はたくさん飲んでみるね」


 鹿目さんはちょっと嬉しそうにしていた。


――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 朝から続いてまだ暁美さんの周辺には人が集まって話していた。

 いつもならそろそろ弁当袋を持って教室を出る準備をするところだけど。


さやか「……ごめん、あたしたちはそろそろ行くわ」

ほむら「え、えっと……」

さやか「ん?それとも今日はほむらはこっちで食べる?それなら連絡しとくけど?」

ほむら「ええと……いえ、私もいきます」

*「あ、うん。約束してるなら優先しなよ。むしろ気を使わせちゃってごめんね?」

*「そういえば誰と食べてるの?部活の先輩?」

まどか「部活じゃないけど……」


 そこそこ話は盛り上がっていたらしい。

 少し名残惜しそうにしながらも、いつも通り三人でここを離れるようだ。


貴方「あれ、いくのか」

さやか「うん。あれ、もしかして今日も一緒に食べたかった?」

まどか「昨日は一緒に食べてたんでしょ?最近、ほむらちゃん【貴方】くんの話よくするんだよね」

ほむら「そ、そうですか……?」


 そうなのか?――暁美さんも自分じゃそうは思ってなかったみたいだけど。


 俺は鹿目さんの話をするときはよく話すなって思ってた。

 でももしかしたら、あっちだと俺のことも同じように思われてるんだろうか?

 ちょっとだけ気になった。



貴方「ほかには女子だけだとどんなこと話してんの?」

まどか「お昼だと美味しいものの話とか、最近流行ってることとか?」

さやか「うん。まあ色々あるけどあとはヒミツね!」


 色々――そういわれると更に想像を掻き立てられるような。



1暁美さんの話についてさらに聞く
2流行ってることってどんなの?
3美樹は本は返しに行ったのか

 下2レス

【Tips】一つの時間に選択する話題が少なければその分内容を深く話し、多いと1つ1つは浅くなります
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貴方「まあ色々気になることはあるけど……俺のことはどういうふうに言ってた?流行ってることってどんなの?」

まどか「昨日はお弁当作ってきたって聞いたよ。【貴方】くんはお料理もできるんだって」

さやか「うん、あとインテリアも一緒に見てくれたって。流行ってることといえば最近できた雑貨屋とかかな?」

貴方「なにそれ?」

さやか「やっぱり言ってもわかんないんじゃん」


 ……好意的に話されているようで、ちょっとむずがゆい気持ちになった。

 雑貨屋はわかんなかったけど。


さやか「じゃ、そろそろ行かないと」

貴方「……あ、そうだ、美樹は本は返しに行ったのか?まだなら返せよ。俺はちゃんと伝えたからな?」

さやか「わ、わかってるってー!」


 そんな会話をしてから、三人は教室の外へと出て行った。



――――
――――



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1帰宅
2写真部
3暁美さんに撮影を頼む
4寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

名前判明してない人は居ますがキャラは出尽くしてます。
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放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。



貴方「美樹、今帰りか?」

さやか「そうだけど?本のことなら帰ってから探すって。あ、どっか寄る?」

貴方「それなら…………――――」


 帰り道を駅前の方向に寄り道する。

 この辺の通りは良く知ってるつもりだ。けど今日は美樹に案内されていた。


さやか「てかマジで雑貨屋いくの?ファンシーな感じだよ?楽しめなくない?」

貴方「まあ……たまにはゲーセンとかスポーツ以外の場所を回ってみるのもいいかなってさ」

貴方「美樹は楽しめるだろ。一応、友達同士で話してるくらいなんだし」

さやか「そんな気の遣い方されてもうれしくねーっつの」


 通りは知っていても店が入れ替わることはそこそこ多い。

 その全部までは把握してなかった。特にあまり興味のない店となると情報が入るのも自然と遅くなる。

 その中のごてごてと飾られた外装の店の中へと入っていく。


 ……美樹は楽しめるかと思ったけど、正直あんまり美樹のイメージにもないな。



さやか「じゃ、あたしは普通にショッピングするけど?折角来たんだし」


 着いていきながら美樹の見ているものを見る。

 ぬいぐるみや髪留め、インテリア、ちょっとした生活に使えそうなものも売っている。

 が、どれもファンシーすぎて確かに自分用にするには興味は惹かれない。


さやか「こういうとこ知ってたらプレゼントとかにはいいかもね。あげたい相手がいるのかは知らないけど」

貴方「プレゼント……か」



1何か買ってみる
2美樹に何か買ってあげる
3別のとこいこう
4自由安価

 下2レス



貴方「……何か買ってみようかな」

さやか「え、マジ!?」


 言われた通りプレゼント用で考えてみる。

 すると……自然と暁美さんに似合いそうなものを探していた。


貴方(これなんて持ってたら合いそうだ)


 黒猫のぬいぐるみがついたキーホルダーを手に取ってみる。

 なんの記念でもないけれど、これだけ買うことにした。



さやか「――――ねえ、当ててみようか。それ、ほむらにあげるんでしょ?」



 店を出たあと、美樹は少しからかうようにこんなことを言ってきた。

 ……正解だった。やっぱり、それだけ暁美さんのイメージに合ってるんだろう。


貴方「わ、わかるのか?」

さやか「わかるよそりゃ!猫はまどかも好きだけど、なんとなくそんな感じするしなにより最近仲良いじゃん」

貴方「はは……そっか」


 そう言われると照れてしまった。どこか甘酸っぱいような気持ちになる。


貴方「美樹はなにも買わなくてよかったのか?」

さやか「こういうのは見てるだけでも楽めるの」


 そういうものなんだろうか。

 存分にショッピングしたあとの満足げな姿を見て、それから互いの帰路へと手を振って別れていった。


【貴方】 10日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・意外な一面ある?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・教室でも部活でも仲間
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
なし



・二週目の結果

[好感度] to貴方
暁美ほむら★★>美樹さやか★>鹿目まどか>佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!


▼[ほむらルート]に入りました。なにもしなくても好感度の上がるイベントが進みます。
 個別ENDの準備はできてます。ゴールインするかは安価次第。



貴方(週末、誰か誘おうかな……?)


1ほむら
2さやか
3今週は一人で過ごす

 下2レス

-----------------
今回はここまで。



 ……決めた。暁美さんを誘ってみよう。

 部活の連絡グループから連絡先を辿ってメッセージを送った。



――――
――――
二週間目 週末
自宅



ほむら「おじゃましま……す」

貴方「ああ。いらっしゃい、暁美さん」


 扉を開けると、うちの愛犬が熱烈な出迎えをしにいった。

 今日は前に言っていたとおり暁美さんを家に呼んでいた。


貴方「ごめんね。噛んだりはしないけど興奮してるみたいで。嫌だったかな」

ほむら「あ、いえ、大丈夫です……」


 しっぽをぶんぶんと左右に振って近づいてきた犬に暁美さんは少したじろいだ様子だ。

 そのまま舐め回すような勢いだったので少し下がらせる。

 少しずつ落ち着いてくると暁美さんが遠慮がちに背中を撫でた。


ほむら「最初はちょっとびっくりしちゃったけど……可愛いですね」

貴方「おう、よかったな!暁美さんに気に入ってもらえて」

貴方「じゃ、上がって。部屋こっちだから」


 自分の部屋まで暁美さんを案内する。

 今日暁美さんを呼んだのも、前に部屋を見せるって約束してたからだ。

 昨日のうちに念入りに掃除しといたからいつもりマシになってるだろう。そうそう疾しいものも出てこない……はずだ。


ほむら「綺麗に片付けてるんですね……」

貴方「さすがに呼ぶ前に片づけたからね!ていうかそこ?雰囲気とかどう?」

ほむら「えっと……いいと思います。落ち着いてる感じがして。あんまり他の人の部屋とか見たことないんですけど……」


 まぁ、聞いてみたけどなんてことはない部屋だと思う。そこまで内装凝ってるわけじゃないし。

 だからこそ他の人から見た印象は気になったけど、悪い感想が出てこないならいいだろう。

 あまり彼女が悪い感想をずけずけ言う人じゃないというのもあるけど……。


貴方「お茶持ってくるよ。適当に座ってて」

ほむら「はい」


 立ったままそわそわとしていたのを見かねて、とりあえず座らせるついでに飲み物を持ってくことにする。

 それからコップを持って部屋に戻ってくると、隣に腰掛けた。


1暁美さんちはあれから模様替えした?
2暁美さんは休日どうしてる?
3自由安価

 下2レス



貴方「そういえば……暁美さんの私服って初めて見た。この前スーパーで合った時も学校帰りだったし」

ほむら「そ、そうですね。私も【貴方】くんのはじめて見ました」

貴方「指輪してるんだね」

ほむら「あ、えっと…………」


 暁美さんはどこか言いづらそうにしている。……なにかまずいこと言ったかな。


ほむら「学校でも、してるんですけど…………」

貴方「え!あっ。ごめん!そっか」

ほむら「い、いえ!イメージにないですよね。私なんかが指輪なんて着けていて……」

貴方「そ、そこまで卑下しなくてもっ」


 褒めるくらいのつもりだったのにな。ちょっと失敗した。

 服のことを褒めてフォローしようか、もしくは話題変えようか?



1暁美さんちはあれから模様替えした?
2暁美さんは休日どうしてる?
3私服について褒める
4自由安価

 下2レス


貴方「服、いいね。似合ってるね」

ほむら「そ、そうでしょうか……?」


 淡い秋色のカーディガンにロング丈のスカート。

 決して華やかさはないけれど落ち着いた雰囲気にまとまっていて、暁美さんの印象によく合っていた。


ほむら「今までずっと病院にいたから、あまり服もないし流行とかお洒落も気にしたことがなかったので……」

ほむら「こんな感じでいいのか、鹿目さんや美樹さんを見習いながら勉強中なんですが」

貴方「二人とも結構方向性違いそうだけどなあ」

ほむら「そうです、ね……。でも二人ともお洒落です」


 話しているうちにコップが空く。


貴方「あ、お茶おかわりいる?持ってこようか?」

ほむら「えっと、じゃあお願いします……」


 再びコップを持って立ち上がる。

 ついでに何かおやつでも持ってこようかな。

 なにかいいものがあったかと棚を探っていると、部屋から暁美さんの声が聞こえた。


ほむら「き、聞いてないよ……? そんな急に言われても」


 こっちに向けたものではないっぽい。

 だが話し声のようだ。


貴方(……電話かな?)


ほむら「とにかく今日は無理よ。今その……と、友達の家にいるからっ」

ほむら「ううん……そういうのじゃないけど、大事な人だよ」

ほむら「……うん。……うん。じゃあわかった。明日ね」


 ちょうどおやつを探し終えて、電話も終わったようなので部屋に戻る。


貴方「電話終わった?」

ほむら「あ、はい。えっ、えっと……聞こえてましたか?」


 暁美さんはちょっと恥ずかしそうにしていた。

 いつもと違って敬語じゃない相手――俺やクラスメイトよりも気兼ねなく話せる相手。家族か、それとも?


貴方「ごめんね、聞くつもりはなかったんだけど……もしかして彼氏とか?」

ほむら「い、いないですそんなのっ!」


 慌てたようにいつになく強く否定される。



ほむら「いたことないし、それに、いたらさすがに来てないです……」

貴方「ああ、そうだよね」

ほむら「……親から電話がきて、急に今から家に行ってもいいかって。心配してくれてるんだろうなって思うけど、こういうのは困りますね……」

貴方「そっか。はい、お茶と適当におやつも持ってきたよ」

ほむら「お、おやつまでありがとうございます」


 持ってきたおやつを一緒に食べはじめる。

 確かに一人暮らしなら親も心配するだろうな。


ほむら「さっきの……聞こえてたってことは、あの……」

貴方「さっきの?」

ほむら「あ、いえ、なんでもないです……っ」




1明日親来るの?
2家族って聞いて安心した
3自由安価

 下2レス


貴方「明日親来るの?」

ほむら「そう、ですね。たまに来てるんですけどいつも結構急です」

ほむら「この前片づけたから、少しマシになったかな…………ごちゃごちゃしてたものを収納して少しすっきりしました」

貴方「あぁ、あの時買ったやつか」

ほむら「はい。これからきっと、ああいうものも合うような部屋に……できたらいいんですけど」

貴方「明日来た時も驚くかもね。綺麗になってたら」

貴方「俺もまた暁美さんちにも行ってみたいな。あの時とは変わってるんでしょ?」

ほむら「い、一応。少し、だけど」


 暁美さんはやっぱり控えめな言い方だったけど、前とは変わったらしい部屋は気になる。

 ――おやつを食べたり雑談したりして、帰り際になってから昨日買ったプレゼントのことを思い出した。


貴方「あ、そうだ。暁美さんに渡したいものがあるんだった」

ほむら「え?」

貴方「これ。開けてみて」


 小さなラッピングを手渡す。


ほむら「黒猫……?」

貴方「うん。……暁美さんに似合いそうだなって思って」

ほむら「い、いんですか!?」

貴方「もちろん。そのために買ったんだから」

ほむら「あ、ありがとうございます……! わ、私も今度こそなにかお礼…………」

貴方「い、いいよ気にしなくて!ああいや、もしなにかしてくれるならそれはそれでもちろん嬉しいんだけど」

ほむら「え、えっと、じゃあなにかほしいものってありますか……?」


 ……改めてそう言われると、なんだろう。


1今度の部活でよろしく
2なんか奢ってくれ
3暁美さんの作った弁当食べてみたい
4本当に気にしなくていいよ
5自由安価

 下2レス


貴方「……暁美さんの作った弁当食べてみたい」

ほむら「えっ?弁当……ですか?」

貴方「あとじゃあ、今度犬の散歩に付き合ってよ。してほしいことと言ったらこのくらいかな?」

ほむら「わ、わかりました……けど、弁当のほうは本当に期待しないでくださいね?が、頑張ってみますけど……!」

貴方「うん。無理しない範囲で。楽しみにしてるから」



 見返りを求めてしたことじゃないけど、そう言ってもらえるとやっぱり嬉しかった。




― 二週目休日 終了 ―

――――
11日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはようございます」


貴方(あ、あれは…………)


 暁美さんが教室に入って来てすぐ、バッグについてるストラップに気づいた。

 自分があげた黒猫のぬいぐるみのストラップだ。つけてくれたんだな。


 ついでにもう一つ目に入ったものがある。


貴方「美樹、その本が借りてたやつ?」

さやか「あー、そうだよ。HR終わったらさくっと返してくる」


 頼まれてたことも一件落着だ。



1恋占いってどんなんよ?
2暁美さん、昨日はどうだった?
3自由安価

 下2レス



貴方「暁美さん、昨日はどうだった?」

さやか「昨日?なんかあったの?」

ほむら「昨日は親が家に来てて……」

まどか「久しぶりに家族と会ったんだね」

ほむら「はい。特に何かあったわけじゃないんですけど……インテリアの話とか、普段とは違うことも話せました」

さやか「内装凝りだしたのかぁ~。そういうの興味持ち始めたの?」

ほむら「す、少しだけ…………」

まどか「ほむらちゃんの両親ってどんな人なの?」

ほむら「普通の人だよ。えっと……でも、鹿目さんのお母さんお父さんとはちょっと違う感じ」

さやか「んー、まあそれはまどかの家は変わってるっちゃ変わってるとこもあるからねぇ」


 それから家族の話なんかをしたりして、朝のHRが始まるまで雑談して過ごした。

 ……鹿目さんの家はお母さんが働いて、お父さんは主夫をやっているらしい。



貴方(……全然しらなかったな)



――――

――――
放課後



 ……放課後になって部室に顔を出してみると、女子部員たちと一緒になにやら知らない女子がいるのが目に入った。

 先に来ていたらしい暁美さんも一緒にいる。

 なんだろうと思って眺めていると、後ろから声をかけられる。


*「あのー、写真部の人ですか? 入部希望なんですけど」

部長「ああ、それならこっちこっち。俺が部長だからね。入部届は持ってきた?」

*「これでいい?」


 なんと、部員が増える現場の一部始終に立ち会ってしまった。

 それほど人気のある部活でもないし、この時期に写真部に部員が増えること自体珍しい。

 新入生が入る時期でも毎年2,3人増えればいいほうだったはずだ。


貴方「……もしかして、部員増えました?」

部長「うん。実は今ここにいる人みんな部員なんだよね。なんかこの前の校内雑誌の影響で入部希望が増えたみたいでさ」


 今入部を希望しにきた人も含め、あまり今までの写真部にはいなかった雰囲気の人たちが増えていた。

 一言で表すと、キラキラとした雰囲気だ。

 しかし、知名度が一気に増えて部員が増えたとなればもっと喜んでいてもいいはずだが、部長の声色は弾んだものではなかった。



*「モデルやりたくて来たんですけど、すぐにできます?」


 先輩の女子部員が答える。


「あぁ、ちょっと待って。まだこっちもあるから……」

部長「最近入った部員、みんなモデル志望の人なんだ」

部長「校内雑誌の暁美さんの件で、写真部でそういうのもやってるっていうのが広まったんだって」

貴方「そうすか。どおりで……」


 そう聞くとこのキラキラした雰囲気の正体も、部長が素直に喜んでない理由も想像がついた。

 今まで写真部に入る人は、暁美さんは特別だったが、写真を撮りたくて入った人がほとんどだ。

 機材の使い方の説明も飛ばしてモデルだけやりたい人が増えたとなれば、カメラ趣味の部長が拍子抜けしてしまうのもわからないでもない。


 すでに暁美さんという前例はあるから断るわけにはいかないし、被写体にできる人が増えたと思えば喜ぶべきなんだろう。


「これだけモデルがいるんだから本格的に雑誌つくっちゃおうって企画が出てて、今順番に撮ってるんだ」


 女子部員たちで部室内に簡易的なスタジオを作って撮影しているみたいだ。

 しかし、モデルの数に比べるとカメラマンは少ないな。他の人たちは出払ってるんだろうか。

 普段から何人も活動してるわけではないが。



部長「【貴方】も手伝うか?」

女子部員「スタジオ狭いしこっちは大丈夫。こっちはちょっと時間かかるから、先にその子連れて撮ってきたら?」

貴方「俺が……すか?」

*「この人?」

女子部員「この人があの表紙を撮った人だよ」


 モデルが暁美さん以外にもできるとは思わなかったし、ほかの人を撮るとは思ってもみなかったからちょっと困惑する。


*「その前に、ちょっとそっちも見てもいいかな?」

貴方「あ……じゃあ俺も見てみようかな」


 暁美さんのことも気になっていた。

 今までは似たように大人しめの人だけだったが、自分とは違う雰囲気の人に囲まれて委縮しはじめているのが見てとれた。

 自らモデルを志望しにくるだけあって、入部してきた人は積極的だったり派手だったりする人ばかりだ。

 それに確かに美人揃いでもある。


部長「はは、両手に花だな」

貴方「からかわないでくださいよ」

「ねえねえ、これって見滝原の中でもかなりレベル高い人集まってるよね?」

「思いつきなんだけど、せっかくだしミス見滝原とかやるのはどうよ?もちろん制服でっていうのもつまんないしちゃんとお洒落してさ!」

ほむら「えっ……?」

「いいね、盛り上がりそう!」

部長「まあ盛り上がるだろうな。でも一番ってどうやって決めるんだ?」

「投票でいいんじゃない?ちょうどこれから文化祭があるんだし、審査員には困らないと思うよ?」

部長「文化祭のイベントか……アリだな」

部長「好評だったらますますモデルのほうにしか日が当たらなくなりそうで怖いケド…………」

「じゃ、決定!今日は何にも用意してきてないんでいきましょー」

「とりあえず撮影期限だけ決めておこう。編集もあるから今週いっぱいでどう?」


 一人が提案すると、他の人も賛成して流れるようにイベントが決まっていった。

 ……ただ、暁美さんはやっぱり困惑しているようだった。



 新入部員の女子に連れられて撮影に行って、それから部室に帰ってくる。

 結構時間がかかってしまったから、彼女はもう帰るそうだ。


貴方(まだ暁美さんいるかな……?)


ほむら「あ、【貴方】くん……お疲れ様です」

貴方「ああ、お疲れ」


 暁美さんは顔なじみの女子部員と一緒にセットや機材の後片付けを手伝っているようだった。


貴方「他のモデルの子たちは?」

*「自分の撮影が終わったらもう帰ったよ」

*「でも……なんか思っちゃうよね。私は顔も可愛くないし、ただの裏方としか思われてないのかなってさ」


 ……それは前からいる部員たちが感じているもやもやの代弁なんだろう。

 いきなり違う雰囲気の人たちがやってきて、一気にメインを乗っ取られてしまったかのような気持ちはあった。


ほむら「そ、そんなことないですよ……」

*「うん、暁美さんは私たちのことも仲間だと思ってくれてるのはわかってるよ」

*「私もそういう人を支えて輝かせられるようになりたいと思うんだ。……これからやるミス見滝原、私は暁美さんが一位を取ってほしいな」

ほむら「えっ、そ、それは…………私なんかじゃ……」

*「もうわかったでしょ。みんなあなたのこと綺麗だって認めてる」

ほむら「でも、みなさんすごい美人なんですよ?私よりオシャレだし、私より写真写りだって……」


 ……たしかに今日撮った子は暁美さんの時とは違ってカメラ目線や笑顔を作るのが得意そうだった。

 撮り慣れてるというか、どう撮れば自分が綺麗に写るかをわかっているんだろう。


貴方(その分注文も多かったんだよなぁ。俺はプロじゃないんだ。正直荷が重いよ……)


*「じゃあ、そこはがんばらなくちゃね」

ほむら「え、ええと…………」


 暁美さんは困ったようにこっちを見た。


貴方「……やるなら俺も暁美さんに一位になってほしいかな」

ほむら「じゃ、じゃあ……やれるだけ…………やってみます」



 ――自分が促したけれど、俺は暁美さんの言葉に驚いていた。

 前の暁美さんだったらこう言われても無理だって返してたと思う。

 暁美さんがこの部に入った時に言った目標のように、少しずつ変わってきたのだろうか。

帰り道



貴方「今日はどうだった?」

ほむら「他にもモデルがいるってことなかったから緊張しました。一緒に撮る時には一人だけ笑えてなくて迷惑かけちゃうし……」

ほむら「金曜にも撮ってもらったんですけどやっぱりちょっと慣れなかったです」

貴方「そっか……」


 最後に見た時も緊張した顔してたのを思い出した。


ほむら「とりあえず、今日は家に帰る前にファッション雑誌でも買ってみます」

ほむら「あと、今度鹿目さんたちにもついてきてもらって服とか買いに行こうかな……」


 今回、撮影に使う服は自前だ。きっとほかのモデルたちもとっておきの衣装を身にまとってくることだろう。

 前に見たような服でも悪くはないけれど、衣装にするには質素に見えるかな。


貴方「お、お金とか無理しない範囲でね?」

ほむら「はい、それはわかってますけど……」



1俺もついていこうか?
2どんな写真になるか楽しみにしてるよ
3自由安価

 下2レス


貴方「俺もついていこうか? ファッションのこととかはてんでわからないけど……何かしたいんだ」

ほむら「ええと!その気持ちは嬉しいんですけど……そのことは私達に任せて待っていてくれませんか?」

ほむら「きっと少しは今までよりお洒落に、綺麗になってきますから。……その姿を見せたいんです」

ほむら「その代わり、【貴方】くんには撮影の練習に付き合ってほしいんです」

ほむら「多分何枚も付き合ってもらうことになると思うけど、他の人に撮ってもらうよりも緊張しないで済むと思うから」

貴方「……わかった。それが俺のできることだもんな」


 暁美さんがそう言うのならそっちは本人を含む女子たちに任せようか。



貴方「準備期間は今週までか~……」

ほむら「それまでに身だしなみの勉強をして、服を揃えて、写真写りも磨いて…………できますかね?」

貴方「きっとなんとかなるさ。暁美さんなら」



 それに、俺も少し楽しみになってきた。

 ……そうだ。暁美さんも頑張るなら、こっちも撮影の技術も上げる努力をしたほうがいいか?



 暁美さんを勇気づける言葉をかけて、少しの間関係ない雑談もしたりして、それぞれの家に帰って行った。



――――
――――
【貴方】 11日目終了


★ほむらルート★



 ――――それから、放課後には写真部らしく部活にも精を出して、

 今まで本格的にはやることのなかった撮影にも力を入れたりした。

 一人での撮影に出かけるのもいいが、なんだかんだでモデルが増えたことで、写真慣れした彼女たちを撮るのは人物を撮る練習になっていた。



――――
――――
13日目 教室



 朝、教室に入ると変化に気づいた。


貴方「あれっ? 暁美さん、眼鏡は?」


 暁美さんはいつも通り美樹たちと一緒にいる。


貴方「コンタクトにしたの?」

ほむら「い、いえ……実は、ちょっと“治療”をしてもらいまして」

貴方「えっ?レーシックってやつ?」

ほむら「え、えっと、そうですね……」

さやか「視力悪いのは生まれつきじゃないわけだし、“怪我してる”ようなもんでしょ?」

貴方「眼鏡も別に悪くないと思ってたけどな……でも、視力悪いのは不便だろうしそのほうがいいか」


 それはかなり驚いたけど。



貴方「……眼鏡外したら何も見えないって言ってたもんな」

さやか「それに視力がそれほど悪くないってことは、かけるかかけないか選べるってわけですよ」

貴方「なんでさっきから美樹が偉そうなんだ?」

さやか「い、いや? そんなことないし!」

まどか「ほむらちゃん、肌綺麗になった?」

ほむら「あ、ありがとうございます。昨日塗った化粧水の効果かな……」


 その姿はクラスのみんなにも好評で。暁美さんは慌てたり照れたりしながらも嬉しそうにしていて。

 ……ちょっとだけ遠い存在になったようにも感じた。


ほむら「あの……!今日、撮影の練習に付き合ってくれませんか?」

貴方「! ああ、もちろん」



 それからも一緒に撮影の練習をしたり、一人でカメラの勉強をしてみたり、少ない日数でやれることをやった。

 他の人は、最終日を待たずにもう提出した人もいるらしい。けど他の人は関係ない。こっちはこっちのペースでいい。


 ――――そして、期限の金曜日になる。

放課後



 撮影は私服だから、更衣室として部室の隣の空き教室を貸し切っている。

 この一週間は放課後になると毎日貼り紙をしてあった。

 暁美さんがそこから出てくる。


ほむら「……着替え、終わりました」


 前に見た時の私服はどちらかというとぼんやりとした色で揃えていて大人しめの印象を持ったが、

 今回はシンプルながらもややはっきりとした色合いで構成された服だった。


ほむら「ど、どうですか? 雑誌に書いてあったことを参考にしながら、鹿目さんたちとも相談して選んだんですけど……」

貴方「な、なんか……前見た時とは印象が違ってて驚いちゃった。すごくいいと思う」


 ゆったりとした白色のトップス。裾の両側についた紫のリボンが控え目だがワンポイントになっている。

 ひらひらとしたミニスカートを穿いているが、スカートと同じ色の黒いタイツのおかげで露出は少ない。

 暁美さんの素の容姿の端麗さを活かしつつ上品にまとめられているといった印象だ。


ほむら「あ、ありがとうございます……素直に喜んでいいんですよね? でも、他の人を超せるのかなぁ……」

貴方「他の人、か……」

ほむら「もしかして、他の人の写真ももう見てる……?」

貴方「一応出てるのは見たよ。うん、まあ……綺麗だった。そういや中には胸元開いた服で釣ろうとしてるのもあったなあ……」

ほむら「や、やっぱり、私なんかじゃダメですかね!? ずん胴に見えないようにゆったりとしたものを選んだんですけど」

貴方「いや、色気やスタイルも長所ではあるけどそれだけで決まるわけじゃないと思うよ?」


 この時間だけは化粧も許されているし、してないモデルも少ない。

 暁美さんも薄くメイクを済ませているようで、普段よりもやや血色がよく見えている。きっとこれも練習したんだろう。


 今まで見た中でも一番といってもいいくらい、暁美さんは間違いなく綺麗だ。短い期間ではあるけど努力したのも知ってる。

 ……でも、他の人と比べてやっぱりなにかが足りない気がしていた。


ほむら「そ、そう……ですよね。もう撮影に行きますか?」

貴方「……ちょっと待って」

ほむら「ど、どこかおかしいですか……? それとも、カメラのほうで何か調整が必要とか……?」

貴方「いや、足りないのは外見じゃなくて」

貴方「暁美さんは最初の頃からすればすごく自信がついたと思う。でも、まだあともう少し自信を持ったほうがいいと思うんだ」


 他の人は自分を綺麗だと思っている。暁美さんと他の人との違いはそこだった。

 それは一歩間違えれば自意識過剰なとこもあるかもしれないけど……身に纏うオーラというか、その違いが見る人にも影響を与えることは確かだ。


貴方「だから、撮影する前に……自分は一番綺麗だって自信を持ってほしい」

貴方「撮って暁美さんが気に入らなかったら何回でも撮りなおすし、もっとこうしてくれっていう注文があればその通りにするよ」

貴方「暁美さんの控え目なところは素敵な個性だと思ってる。でももう少し堂々としていいんだよ」

ほむら「【貴方】くん……」

貴方「まずは……そうだな。敬語、やめてみない?クラスメイトだし、俺たちはただの友達――以上だと思ってるよ」


 その上は『親友』だろうか。

 暁美さんにとって鹿目さんは親友だ。それと同じ……? それとも、『友達以上恋人未満』ってヤツを指したのだろうか。


貴方「あ、無理にとは言わないけどね!?」

ほむら「……うん。うん、今だけはちょっと張り切ってみる!」



 無理なお願いをしてしまったかと心配になったが、暁美さんはいつになく強い口調で返してくれた。

 ……勇気づけることができたのかな。


 これで準備は整った。もう足りないものはないはずだ。胸を張って撮影に向かおう。



*「あの子すごい綺麗」

*「あれってこの前の表紙の子じゃない?」

*「実際に見たほうが迫力あるね」


 廊下を歩くと、周りの人たちが暁美さんを見て話していた。

 普段だったらこんなことからでも不安になって縮こまってしまうだろう。でも、今は違った。


ほむら(大丈夫。きっと悪いことは言われてない)

ほむら(みんなも協力してくれて頑張ったんだもの)


 背筋を伸ばし、表情を変えずに行く。

 周りの目もカメラのレンズも敵じゃない。そう思えるようになったら自然と堂々としていられたようだった。



ほむら「――――き、緊張したぁ…………」

貴方「お疲れ様」


 ――――更衣室から、今度は見慣れた制服姿で出てくる。

 撮影を終えて服を着替えると一気に力が抜けたようだった。撮影の間の隙を無くした雰囲気とは大違い。

 素が綺麗なだけあって、そういう人は堂々と振舞っているだけでも迫力がある。


貴方「暁美さん、やっぱ堂々としてるとすごいね。別人みたいだった」

ほむら「そ、そうですか……?」

貴方「着替えてる間にも写真見てたけど、良いのいっぱいあってどれを出そうか迷うな」

貴方「納得できる写真はいくつかあるって言ってたけど、本当に出すのは俺が選んでいいの?」

ほむら「はい。私のこと一番見てくれてるのは【貴方】くんだと思うから……」


 しかし、気が抜けたと同時に敬語まで戻ってしまったのは少し残念。


貴方「……ところで、ため口もさっきだけで終わり?」

ほむら「あっ、本当だ……!」



 もう一度撮った写真を見返す。どれを選ぼうかな。

1微笑を浮かべた写真
2にっこりと笑った写真
3凛とした表情の写真

 下2レス



貴方「これかな。暁美さんが珍しいくらい笑ってるから」

ほむら「い、今見るとなんだか恥ずかしいかも……」

貴方「恥ずかしくないよ。よく撮れてるって」


 提出できるくらいのはいくつもあった。ひきつけられるというか、誰もが目を奪われるような写真。

 その中でも、一番にひきつけられたのはこれだった。


ほむら「じゃ、じゃあそう思っておきます。でも、なんか……モデルってやってみると意外と楽しかった」

ほむら「自分でもそう思えたのが一番驚きかもしれない」

貴方「俺もこんなに本気で撮ったのも楽しく撮れたのも始めてかもな」



 部室のパソコンに選んだデータを提出しにいく。

 するとそこに私服姿の女子部員がいた。いつもは撮る側なのに。


*「実は私もせっかくだからこっちに回ってみようかなって。思い出作りに」

*「いっぱい美人さんいるんだから一人くらい私みたいな箸休めがいたっていいでしょ?でもランキングは下まで発表しないでほしいかな」

ほむら「……そういう言い方ってあまりよくないと思います」

*「え?」

ほむら「せっかくなんですから、自信もってください!」

*「……あ、うん。ありがとう」



 ……女子部員はきょとんとしていた。

 そりゃそうだろう。今までだったら暁美さんが絶対言わないことだったから。
 




 それから帰り際、また見知った人物とすれ違う。



ほむら「志筑さん?」

仁美「あら、ご機嫌麗しゅう。こうして話すのは久しぶりですね」

仁美「写真部員でしたっけ。この前の校内雑誌の表紙ですごく話題になっていました」

貴方「もしかして志筑さんも?」


 『ミス見滝原』を名乗るのだから、参加資格は写真部の部員だけには限っていない。

 イベントの貼り紙を見て撮影に来てくれた人など、全校の女子生徒が参加できるようにしていた。

 そのほうが盛り上がるだけでなく、カメラマンの活躍も見せつけられるという部長の意向だった。


仁美「はい、友人に勧められて。あとは……まあ、アピールのチャンスになったいいなと」

貴方「アピール……?」

仁美「暁美さんはこれから撮影ですか?」

ほむら「いえ、私はちょうど終わったところです」

仁美「そうでしたのね。お疲れ様です。私はこれからですので、ライバルにはなりますがよろしくお願いしますね」


 志筑さんはにっこりと挨拶してスタジオのほうに駆けていった。

 その笑顔は決して嫌なものではなく、何者にも怖気づかない芯の強さがあるんだろう。

 お嬢様だけあって肝は据わってそうだ。人をまとめる委員長なんかもやってたりする。……前までなら迷うことなく一番にマドンナ扱いだっただろうな。


貴方「こりゃけっこう参加者多そうだな」

ほむら「志筑さん、モデル向きの体型ではありますよね。美人だし……」

貴方「でも暁美さんが負けるとは思わないよ」

ほむら「……そうだね」



 こうして無事締め切りまでの一週間を乗り切った。

 それからは部活でもクラスでも文化祭の準備に忙しくしながら過ごしていた。


 写真を撮り終えたら雑誌を作るための作業だ。暁美さんはこういう裏方作業までちゃんとやってくれるから部内の人気は高い。

――――
文化祭当日



 夏から秋に変わった季節を実感してくる頃、ついに当日を迎える。

 雑誌は部室で公開。集計は15時頃だ。当日もまずは宣伝に出ていた。


ほむら「お疲れ様。そろそろ私が代わるから、回ってきても……」

貴方「そうだな、クラスの出し物もあるしなぁ」



1どこかの出し物を見に行く(同行者:一人か指定キャラと・内容安価指定)
2自分のクラスの出し物の様子を見に行く(内容安価指定)
3自由安価

 下2レス



 『ゲーム屋』と書かれた教室に裏から入る。

 色んなミニゲームのようなものを自分たちで作った俺たちのクラスの出し物だ。


貴方「調子はどう?」

まどか「うーん、お客さんちらほら来てくれるけどイマイチかなぁ」

さやか「やっぱり景品がよくないんじゃない?」


 各ゲームで取ったスタンプによって駄菓子のつめあわせを用意しているのだが、それが微妙だった。


さやか「もしくは難易度とか?」

貴方「人もいないみたいだしいっちょやってみるか」



やってみる
1射的
2輪投げ
3型抜き
※採用レスのコンマ1ケタで結果

 下2レス

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今回はここまで

ほむら「いつも一緒にお昼食べてる先輩も誘ってみたんですけど断られました」

ってセリフ入れようとしたけど没になった。
そういうの出たがるタイプじゃなさそうっていうのと、今回は美人設定ある人たちの(二人しかいないけど)の特権前提にしたほうがいいかなと。

文化祭の出し物には出る可能性が微レ存…?



 射的のパネルの前のテープの上に立つ。

 そこから割り箸鉄砲で狙いをつけ、折り紙の的を潰せたら一点だ。中には色違いで高得点にしてある的もある。

 どれも手作りだ。足りなくなったら今から補充もできる。……が、あまりその必要もなさそうな。


貴方「これってさ……当たっても潰れないことない?」

さやか「……あー」

貴方「その場合ってどうするんだっけ?」

まどか「失敗じゃないかな……ほら、景品を打つタイプの射的も倒さないと駄目だよね?」

貴方「そうか」


 命中率は4割ってとこかな。平均的だろう。


まどか「ちょっと貸してみて」

さやか「お、まどかの技が炸裂する!」


 鹿目さんに鉄砲を渡すと、命中率がグンと上がる。見たところ7割ってくらい。

 意外なことにそんな特技があったとは。


貴方「鹿目さんは上手なんだね」

まどか「ま、まあ習ったから!銃じゃないけど……」

貴方「へ?」

さやか「お客さんくるよ。ってあれ、まどかの家族じゃん!」

まどか「あ、ほんとだ。来てくれたんだね。みんないらっしゃい。たっくん、なにかやる?」

「あれやるー!」


 小さな子供を連れた家族がブースに訪れる。

 鹿目さんの弟か。身内だけあって、鹿目さんが率先して案内しにいった。

 美樹が小声で話す。


さやか「こっそりお菓子多めに渡してもいいわよ?」

まどか「……! うん!」


貴方(ここも手伝いが必要なほど混み合ってはなさそうかな。見て回ってくるか)



 ――暫く鹿目さんたちを眺めてから廊下に出てみると、暁美さんに会った。


貴方「お、そっちはどう?」

ほむら「ぶ、部活のほうの宣伝は他の人が代わってくれるって。……っと、それで、なんだけど」

貴方「??」

ほむら「……私、今は一人だからっ。一緒に回ってほしいな」

貴方「あぁ、そんなことか。もちろんいいよ。それなら行こっか」



どこ回ろうか?
1食べ物系の屋台
2お化け屋敷
3…メイド喫茶?
4体育館での演劇
5自由安価

 下2レス


貴方「そういえば、暁美さんの家族は今日は来ないの?」

ほむら「仕事の都合でどうしても来られなかったみたい……。急に来るって言ったり、来られなかったり、予測できないんですよね……」

貴方「あぁ……そっか。暁美さん、喉とか乾いてない?お腹は?」

ほむら「どちらも少しかな……【貴方】くんはすいてるんですか?」

貴方「まあ少し?」


 食べ物ならお祭りの定番といえるものは大体揃ってるし、飲み物なら流行りのタピオカミルクティとかも近くにあったはずだ。

 どこだったかなと少し考え始めていると、暁美さんは意外なところを指した。


ほむら「だったら、そこなんてどうでしょう……?」


 ……メイド喫茶って書かれてる。


貴方「そこ?どんな感じか面白そうではあるかな」

ほむら「知り合いがやってるって聞いたので、多分大丈夫だと思います」

ほむら「オムライスは奥で手作りしてて相当な評判だとか……」

貴方「へえ……そんな評判知らなかったな。じゃあ行ってみるか」


 入店してみると、メイド服なコスプレの女の子たちに案内される。


「いらっしゃいませ、ご主人様♪」


貴方(ご、ご主人様……)


 独特な世界観に気圧されそうになった。

 こっちはこっちでミスコンのモデルなんかとはまたちょっと違う覚悟が必要そうな……。



 席に通されると、手渡された手書きのメニュー冊子を開いて二人で覗き込む。


貴方「どれにしようかな?せっかくだからオムライスはつけるとして……暁美さんは決めた?」

ほむら「紅茶とオムライス、かな……」

貴方「じゃあ同じのにしようかな」


 注文を決めてテーブルに置いてあったベルを鳴らす。

 ……それから、内緒話でもするように暁美さんに話しかける。


貴方「暁美さんはこういうのはどう?」

ほむら「へぇっ!? コスプレ…………?」

貴方「コスプレとか、接客とか?」

ほむら「接客は無理ですっ」

「ご注文お決まりですか?ご、ご主人様?」


 気付いたらどっかで見たことのある巻き毛のメイドさんがいた。

 そんなこと言ってたからか、ちょっと恥ずかしそうな素振りだ。


ほむら「えええっ、あ、えっと、二人とも紅茶とオムライスで……」

「“美味しくなる魔法の掛け声”もサービスしましょうか?」

貴方「あー、じゃあ一応それも?」


 魔法の掛け声ってなんだ。そう思って周りを見てみると、隣のテーブルでメイドさんが『萌え萌えニャンニャン』ってやってた。

 ……この人がそれやるのかな。



ほむら「……ティロ・フィナーレとでも言うんですかね?」

貴方「なにそれ?あれじゃない?」

ほむら「あぁ……」


 あっちでやってる『掛け声』を見て暁美さんは納得したような顔をする。

 同時に、ちょっと気の毒そうな顔にも見えた。


*「はい、これがご注文の品でーす」


 ……しかしそれから実際に出てきたのは違う人だった。


貴方「あれ、さっきの人は……?」

*「さっき?あぁ、彼女なら厨房に戻りましたよ?彼女はコックのほうで大忙しですから接客に出るのはレアなんです」


 この学校は共学なわけで、クラスの出し物ではもちろん男女どっちも活躍しているわけで。

 男子も執事服で混じってたり、こっからは見えない厨房にもいるんだろうけど、

 稀に何故かメイド服を着たがるお調子者タイプの人まで混じっていたのがとんでもない存在感を放っていた。


ゴリラ「じゃ、美味しくなる魔法いきますよー? 萌え・萌え・ニャン♪ニャン♪」


貴方「」

ほむら「」



 食べてみると、確かに評判通りの味だった。

 ……しかしまあ、実際に料理や紅茶を美味しくしてるのは彼女のおかげなんだろうなって思った。


――――
――――
部室



 暁美さんと二人で出し物を見て回り、集計の時間が近づくと一緒に部室のほうへと来ていた。

 もう投票は締めきった時間だ。


貴方「投票総数はどのくらいですか?」

部長「こっちが集計終わってるやつで、ざっとこんなもんだよ。二人もそっちの紙数えといて」

ほむら「は、はい……!」

貴方「さすがに票数いっぱいありますね……」


 投票は紙に番号を書いて出す方式だ。

 アプリかなんか使ったりデジタルでやることも考えていたが、PTAや地元のお年寄りのような上の世代が参加することも予測して意外とアナログな手段。

 こっちのほうが一票一票を重く感じる気がする。


貴方「暁美さんの名前多いね……」

部長「志筑さんも多いな。妥当っちゃ妥当だけど、正直意外なとこから出てきたってイメージなんだよな……目立ちたがるタイプじゃないだろ?」

部長「ぶっちゃけここのツートップだ。というかモデルとしての資質がガチすぎて他が霞んでる。……あぁ、これは他のモデルたちには言わないでくれよ」

貴方「わかってますよ」

部長「俺はもちろん暁美さんを応援するけどね?」


 暁美さんは票と向き合いながら黙々と作業をしていた。

 ……そして、集計が終わる。

------------------------
今回はここまで。
お化け屋敷だったらマミさんがマミーさんになって出てきたかもしれない。



部長「結果が出たぞ!」


 一般向けに公表するよりも前に知ることが出来るのは部員の特権だ。

 この時間になるとさすがに部員全員が集まっていた。

 1位、2位、3位……と続いて5位までをホワイトボードに書いていく。


 1位には暁美さんの名前が書かれていた。2位ともそこそこの差をつけて。


貴方「おお、やった!やったな、暁美さん!」

ほむら「ほ、本当に……!」

部長「暁美さん、おめでとう」


 この結果を見て心から嬉しく思った。しかしそれほど驚きはなかった。

 心のどこかで確信していたからだ。あの暁美さんの写真ならいけるって。


貴方(こう見ると正統派の美人から上に並んでるけど、谷間に釣られてる人も多いな……)

貴方(さすがにそれはこの場じゃ口に出さないけど)


 それもまあ想定してたことだった。安易かもしれないけど、目を引けるのならそれも作戦のうちだ。

 暁美さんはそういう戦い方はできないだろうから、純粋に素の魅力と努力で戦って勝ったことになる。

 ……それに、そういう戦い方をするにしてもスタイルがいい人ってのも他にいるわけで。


「正直悔しいけど暁美さんが1位ならわかるかな。あの写真見たし」

「表紙の写真は綺麗に写ってたけど実際見たらただのオドオドした子だしいけそうじゃんって思ってたけど、やっぱ暁美さんってなんか持ってるよ」

ほむら「ありがとうございます」

「それでいいの?大分褒められてるのかわからない言葉だったけど?この不遜なギャルに一発ガツンと言ってやってもいいんだよ?」

ほむら「私の今までの態度でどう思われてるかは理解してたので……いいんです。そういう私は変えたいって思ってたので」


 6位、7位以降もホワイトボードに書かれていく。上がる一喜一憂の声。その中には同数票もある。

 10位までで部長が手を止めた。


部長「さて、じゃあこれで表に貼り出すか!結果に納得がいく人もいかない人もお疲れ様」

部長「2年生までなら是非来年リベンジしてくれ!次は俺もただの参加者として投票しにきてやるよ」

*「10位以降の順位と票数も教えてくれない?」

部長「あぁ、集計結果は全部メモしてるから見たい人は見といてね」

*「……うん。やっぱり私の票は少ないけど、票を入れてくれた人がいると思うと嬉しい。やってみてよかった」


 結果に納得がいく人もいかない人も。

 目指すところはみんな違うが、ひとつ決着がついたようだ。



 ――――集計結果を発表する時間になると、もうそろそろ文化祭も終わりが近づく。

 各地でやっていた出し物も片づけに入っているところが多くなっていた。

 自分のクラスに戻ると、こっちもその最中だった。


仁美「隣の教室から借りてきた机を戻すのを手伝ってくださいませんか?」

仁美「ちょうど男手が足りなかったんです。上条君は病み上がりで無茶はさせられませんし」

ほむら「わ、私も何か手伝えることは……」

仁美「暁美さんは私達と一緒にこちらの装飾を外すのを手伝ってくださいまし」


 ……志筑さんも今回のイベントで二番目に目立った人だった。


貴方「そういえば、順位は見た?」

仁美「暁美さん、1位でしたね。おめでとうございます」

ほむら「あ、ありがとうございます。志筑さんもすごいです」

仁美「負けてしまいました」

ほむら「……2位で負けたなんて言ってたら、他の人に怒られちゃうかも」

仁美「そうですね。でも、私からしたら……やっぱり満足のいく結果は得られなかったみたいなので」


 1位とは差があったけれど、その下には更に圧倒的な差をつけていた。

 ほとんどの人から羨まれるくらいすごいことなのに、それでも物足りないのだろうか。

 本人は負けた言うが、悔しがるでも喜ぶでもなく淡々としているように見えた。



 机を運んで再び教室に戻ると、美樹とも会う。教室の中も大分片付いてきていた。


さやか「残った駄菓子配ってるんだ。あげるよ」

貴方「おう、ありがとう」

まどか「ほむらちゃんにも」

ほむら「わぁ、ラムネがいっぱい……!」

さやか「あとの細かい片づけは後日でいいかな?」

まどか「順位見てきたよー。ほむらちゃんおめでとう!すごいよ!それになにより、とっても綺麗に写ってて驚いちゃった」

さやか「あたしたちももちろんほむらに投票しといたよ」

ほむら「ありがとうございます」


 暁美さんは照れながらも嬉しそうにしている。

 ――ついに文化祭終了のチャイムが鳴った。あとは自由解散だ。もらった駄菓子を食べながら話す。


まどか「文化祭も終わっちゃったね」

さやか「みんなで作ったものも終わったらすぐに片づけてゴミ箱行きなんだからちょっと寂しいよね」

ほむら「でも、私はこの文化祭で消えないものをもらえました」

まどか「わたしも。思い出はずっと残るからね」

貴方「ああ。そうだな」



 こうして文化祭の一日は終了する。

 思い出と順位、それから物としても写真の載った雑誌は残せる。これらはずっと取っておこうと思った。


――――
――――

★イベント終了★



[好感度] to貴方
暁美ほむら★★★>美樹さやか★>鹿目まどか>佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

15日目 教室


 ついこの間までは非日常を感じるイベントをやっていたわけだが、それが明けると残りの片づけをやってすぐに元の様子に戻る。

 文化祭の名残があったのは学活の1時間目までだ。それからは通常の授業が再開していた。


 授業を終えて昼休みのチャイムが鳴る。


ほむら「あの……【貴方】くん、今日のお昼は一緒に食べてもいい?」

貴方「うん。教室出る?」



 珍しく弁当箱を持った暁美さんが机の前に来て、食べる場所を探しにいく。

 前みたいに適当な空き教室を見つけてそこで食べることにする。



貴方「それ手作り?」

ほむら「えーと……1割くらいは」


 ……暁美さんは自信なさそうに言った。見てみると前に俺が作ってきた弁当に似た感じだ。


ほむら「お弁当作ろうと思って、【貴方】くんが作ってきてくれたのを参考にしてみたんですけど……」

ほむら「食べてもらうなら、冷凍食品は似た感じなので卵焼きだけでも自分で作って食べてもらおうと思って」

貴方「……あの時言った約束か」

ほむら「全然特別なものでもないし、上手なわけでもないですけど……食べてくれる?」

貴方「うん!もちろんもらうよ。ありがとう」


 暁美さんからもらった卵焼きは……たしかに特別美味しいわけじゃなかったし、

 自分の好みに合ってるかと言われるとそうでもなかったけれど、それでも満足だった。

 俺のために頑張ってくれた姿はなんとなく想像できるから。


ほむら「それで……あの、ちょっと気になってて。あの時の……」

貴方「あの時?」

ほむら「あの時の『友達以上』って、どういう意味……?」

貴方「あぁ、あれは――――……」



1『恋人』になりたいって言ったらどう思う?・・・個別END
2『親友』って意味だよ・・・このままで続行

 下4レス中多数決 ※END後も直前に戻ることは可能です


貴方「『恋人』になりたいって言ったらどう思う?」

ほむら「それって……え!? えぇ!?」


 暁美さんの返事をじっと待つ。

 いつからかははっきりと覚えていない。

 けど、暁美さんのことをいっぱい知っていくうちにいつのまにか好きになってたんだ。


ほむら「い、いいの……?」

貴方「そ、その返事って受け入れてくれるってこと? だってそう思ってるのはむしろこっちだよ!?」

ほむら「あ、そう、だね……こんな時だからはっきり言わなきゃ」

ほむら「私も【貴方】くんのこと好きだから……よ、よろしくお願いします」


 電流でも走ったような気分だ。


貴方「こ、こちらこそよろしく!暁美さん。……あ、いや、ほむらって呼んでもいいかな?」

ほむら「~~! ……いいよ」

貴方「なんか、意外だな……言ってみたらこんなにあっさり、それにほむらも好きだなんて」

ほむら「私も、こんなことがなかったら多分ずっと伝えられなかったかもって…………」



 暁美さんはふと何かを思い出したかのように話す。


ほむら「前に、私は尽くされるタイプかもって言ってたじゃない?」

ほむら「……すぐ怖くなっちゃうの。迷惑だったらとか、拒絶されたらとか考えちゃって」

ほむら「目を向けて、優しくしてもらってはじめて優しくしようって思えるの」

ほむら「無償で人に手を差し伸べるほどの勇気も出せない。だから…………、私は本当にわがままなの」

ほむら「でも、そんな私にも……『こんな私』って思って卑下してた私にも【貴方】くんはずっと良くしてくれた」

貴方「それは本当にそうしたかったんだよ。もしかしたらその時から惚れてたのかもな」

貴方「今の暁美さんはみんなから羨ましがられる人だよ。良くしてくれる人も、言い寄ってくる人もいっぱいできるかもしれないよ?」

ほむら「それでも、私は【貴方】くんがいい」

貴方「……ああ!俺だって誰よりも暁美さんのこと幸せにするから!」


 満たされた気持ちになる。これから恋人同士――その響きが心にむず痒かった。

 そして、同じことを思って通じ合えたのがなによりうれしかった。



―ほむらEND.1―


三週 16日目(※上のレスで15日って書いてたけど普通にミスだよ)


[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・意外な一面ある?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・☆恋人☆
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら



[好感度] to貴方
暁美ほむら☆>美樹さやか★>鹿目まどか>佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。
  



1END後で続行
2直前の好感度★★★のまま続行(ハーレム主人公が鈍感なのはお決まりのこと)
3一日目からリセット…攻略済記録は引き継がれます。設定変更が可能。

 下4レス多数決

このまま続行でもヤンデレはありえるんやで…?
おまけにヒロイン全員病んでるギャルゲとかも面白いかもしれない(白目)
-------------------------------------------------------------------------

1『恋人』になりたいって言ったらどう思う?・・・個別END
2『親友』って意味だよ・・・このままで続行←



 問われて、暁美さんへの気持ちを再び考え直す。

 この数週間、たくさん一緒に過ごして色んなことをして仲良くなれた。

 ――すると、やっぱり、暁美さんへの思いにぴったりと当てはまるのはこれだった。


貴方「『親友』って意味だよ」

ほむら「えっ?」

貴方「暁美さんは前から鹿目さんたちと仲良いけど、俺も暁美さんと仲良くなれて本当によかったって思ってるんだ」

貴方「……暁美さんはそう思ってくれてないかな?」

ほむら「…………」


 するとどうしてか暁美さんはぽかんと黙り込んでしまう。

 しかし、少ししてから納得したように言った。


ほむら「ううん……そう、だね。私も【貴方】くんと仲良くなれて良かったって思ってる」


 写真に撮った満面の笑みも良いけれど、今は暁美さんらしい素敵な微笑を浮かべて。

 ――そうして、一緒にお昼の時間を過ごしていった。



[攻略済]
暁美ほむら



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1帰宅
2写真部
3部活を掛け持ちしてみる(部を指定)
4委員会
5寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。


 最近は写真部の活動が忙しかったし、たまにはまっすぐ帰ろう。

 そう思って教室を出ると、同時に出てきた美樹が隣に並ぶ。たまたまタイミングが合ったみたいだ。


さやか「今日はもう帰んの?」

貴方「ああ、最近放課後色々やってたし」

さやか「やっぱ部活ってやってたほうが楽しいのかな?充実する?」

貴方「思い出は作れるんじゃね?少なくとも俺の場合はそうだと思うけど?」

さやか「あー、だよねー」

貴方「美樹もなんか部活やりたいとか?」

さやか「あたしに合うのって何部だと思う?」



1テニス部
2バレー部
3陸上部
4野球部のマネージャー
5吹奏楽部
6美術部
7放送部
8部活つくっちゃうのは?
9自由安価

 下2レス


貴方「野球部のマネージャーとか?」

さやか「あぁ、自分がやるんじゃなくてマネージャーか。いいかもね!」

貴方「美樹はなんだかんだ面倒見良さそうだし」

さやか「いいこと言うね!」

貴方「ちなみに自分が動くほうはどうなの?」

さやか「あたしは運動はやんないよ。キツそうだし、あたしが大会なんて出たら余裕で記録抜いちゃうもんね」

貴方「そうかそうか」

さやか「でもさすがに今からは無理かなぁ。すでにマネージャーいるでしょ?」

さやか「軽く参加できそうなとこがあれば誰か誘って入ってみるのもいいんだけどな」

貴方「あんまり軽すぎると思い出も軽くなりそうなもんだけどな?」


 野球部でマネージャーをする美樹か。

 案外自分で言ってたように選手にはならずに、献身的に誰かのサポートに回る姿ってのも似合うかもしれない。


貴方「そういえば、習い事とかも何もやってないんだっけ?最近なんか忙しそうにしてたけど」

さやか「……んー、そういうのならやってるような、やってないような?」

貴方「なんだそれ、どっちだよ」

さやか「まあやってないかな」

貴方「部活もいいけど、今からだと塾とか入ったほうが身になるんじゃねーか」

さやか「そりゃあんまり勉強は自信ないけどさぁ、よりによって塾とかツマンナイこと習い事にしたくないよ」

さやか「やるんだったら、【貴方】が教えてくれない?無料で!」


 本気なのか冗談なのか。


貴方「……別に逃げ出さないならそれでもいいよ。今から図書室でも行く?」

さやか「えっ、……マジで?」

貴方「じゃあマジってことで」

さやか「ええー。まあ、確かに期末もあるし見てくれるなら嬉しいっちゃ嬉しいけど……」


 まっすぐ帰ろうって思ったけど予定変更だ。

 美樹は嬉しいのか嬉しくないのかわからない様子でついてきた。

図書室



 図書委員だから我が物顔で入ることはできるが、今日は委員会の用事で来たんじゃない。

 普段から大してここに入り浸ることはなかった。

 勉強で使うっていうのもなんとなくそんなイメージがあったからというだけだった。


貴方「……で、まずはどの教科からやる?」

さやか「教科書とか持ってるやつのほうがいいでしょ?あたし普段置き勉だからなー」


 適当なテーブルで向かい合わせに腰掛けて教科書を出していく。

 俺も後日使わない教科のならいくつか持ち帰ってるけど、さすがに全部は持ってない。


さやか「まずは英語かな。今日やったとことかマジで意味わかんなかった」

貴方「じゃーそうするか。確かに難しかったよなあれ。俺も復習できるし丁度いいや」



――――
――――


 …………それから英語を今日やったことと近いところから復習していた。


さやか「――――やーっと理解できたわ。【貴方】が解読してくんなかったら一生わかんないままだったよ」

貴方「大げさだなぁ。調子のいいこと言って」


 教えたり聞いたり相談したり、意外とあれこれと話していると勉強といっても案外声が大きくなりがちだと気づく。

 静かな放課後の図書室では会話が丸ぎこえでちょっと恥ずかしい。もっと気にしなくて済む場所だったらよかったんだが。


貴方「……次からはもっと話しやすいとこにするか?」

さやか「えーっ、次」

貴方「テスト範囲はまだまだあるだろ。それに意外とかみ砕いて教えようと思ったら勉強しやすいことに気づいた」

さやか「じゃあ……カフェとか?」

貴方「場所代確保のために金払うのももったいないなぁ。無料でって言ってたのに。飲み物くらいならうちで出してやるけど?」

さやか「そう?でも無料でって言ったけど、ホントに何もせず教えてもらうだけっていうのはさすがに悪いかな」

さやか「飲み物くらいならうちでも出せるよ。一応、お礼としてね」


 こういうところを意外と気にするのが美樹なんだろう。

 ……次やるなら、せっかくだから甘えてやってもいいかもしれない。




【貴方】 16日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・割と律儀だよな↑
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら

-----------------
今回はここまで

――――
17日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 暁美さんは前までみたいにオドオドした感じじゃなく、みんなと並んで前に出て、微笑んで挨拶するようになった。

 前からすれば随分変わった暁美さんの印象。


さやか「そういえば、いつのまにかほむらの敬語とれてるね?やっぱいろいろあった?」

ほむら「えっ、ええとまあ……」

貴方「敬語じゃなくていいよって言ったんだよ」

まどか「そうだよね。クラスメイトなんだし」

さやか「まーそーだけどー。あたしには敬語だからなあ。あれはあれでアイデンティティな気もするけどね」

貴方「あ、美樹はたまには敬語で敬ってくれてもいいけど?」

さやか「あんたのことはうやまわない!」



朝の雑談
1美樹は先輩相手だとどんな感じ?
2鹿目さんも印象変わったよね
3自由安価

 下2レス



 部活はやってない美樹だが、ふと先輩と一緒にいた場面を思い出した。


貴方「そういや、美樹は先輩相手だとどんな感じ?変な態度とってないだろうな」

さやか「そんなことするわけないじゃんー!敬いたい人は敬ってんだから!」

まどか「うん、ちゃんと敬語つかってるよ?……たまにッス~みたいに崩れてるけど」

ほむら「す……」

貴方「ほら駄目じゃねーか、美樹」

ほむら「でも……【貴方】くんもたまに言ってるじゃない」

貴方「ん、まあそーカナ……」


 この中に部活中のことを知ってる人はいた。まさか暁美さんに言われてしまうとは。

 彼女はくすくすと笑う。


 なんとなくそんな雑談をして、HR開始のチャイムが鳴ると同時に席に戻っていった――――。

 それから一時間目の授業。話を聞いてノートをとるだけの世界史の授業か。



授業中
1ノートに専念
2話しかける(クラスメイト指定)
3他の人を眺める(クラスメイト指定)
4自由安価

 下2レス



 そういえばまた美樹と勉強する約束してた。そうでなくともテストは迫ってるんだ。

 文化祭も終わって、いつまでも祭りモードじゃいられないんだよな。

 ボードに出てきた内容をノートを書き取りながら、ふと美樹のほうを眺めてみる。と――。


貴方(雑談してんじゃねーか。ノートすら出してないし……余裕だな)


 あくまで自分のためだからな、と再び言い聞かせて授業に集中しようとする。

 けど、どうしても気になってこそっと話しかけてみた。


貴方「……美樹、ノート取らなくていいのかよ」

さやか「ボードの内容ならこの前から共有フォルダに資料あげてくれてるからいいのよ」

貴方「え……マジで?そんなの全然気づいてなかった」

さやか「ふふん、サボれるところは効率的にサボる方法を身につけないと」

貴方「で、でも書いたほうが覚えやすいんだよ。だって、この授業でノートすら放棄したら……確実に寝る!」

さやか「それ以上にメモしといたほうがいいとこがあったら【貴方】がメモっといてよ」


 それはなんか腑に落ちない。腑に落ちないけど、自分のためだ。

 教えてくれた美樹に感謝しつつ、書きかけのノートは完成させることにした……。


――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 美樹たちは今日も弁当袋を持って教室を出る準備をしている。


貴方「屋上?たまには一緒に食べられないかなと思ったんだけど」

さやか「あー……前見た通り、他の友達も一緒にいるからさ」

貴方「あの先輩か……」


 いつも他の女子に誘われてもそれを理由に断ってきてるみたいだ。

 暁美さんと二人で空き教室に食いにいったこともあったけど、基本的に先約は優先なのはわかる。


貴方「まあ、一緒でも構わないよ」

さやか「そっちが構わなくてもこっちが構うんだって。その辺の男子とでも食べてなさいよ」

まどか「そ、そこまで邪険にしなくても……」

さやか「だって、困るでしょ?いきなり連れてってどう思われるかもわからないし」

まどか「うん、まあ……そうかもしれないけど」

貴方「さ、さすがにそんなに困るならいいよ!」


 これはあれか。やっぱり、最初に思ったとおり女子の聖域だったってことか。

 ちょっとそこに入るのは無理そうかな。



1購買いこう
2教室の外へ
3教室で食べよう

 下2レス



*「【貴方】振られたの?しょーがねーから一緒に食ってやんよ」

貴方「嫌な言い方すんなよ」


 男子生徒に話しかけられる。結局美樹の言うとおりその辺の野郎どもと食べることになりそうだ。

 いつもちょっと優柔不断で早乙女先生にいじられてる奴だ。このクラスは気のいいやつが多い。


*「やっぱ【貴方】ってあの中の女子に惚れてたりすんの?一緒にいること多いじゃん」

貴方「たまたまだろ。そりゃ大切な友達だとは思ってるけど……」

*「噂通り暁美さん?それとも美樹さん?まさかの鹿目さんも押しとく?」

貴方「いや聞けよ」


 噂が好きなのは男子も女子も変わらない。俺のこともあっちで話されてたりすんのかな。


*「美樹ねぇ、美樹は…………今どうなんだろうな」

貴方「何が?」

*「いや、美樹って上条に惚れてたろ?でもさぁ、上条は志筑さんと付き合ったわけじゃん」

貴方「え……!?」


 唐突に現れた話に思わずこんなリアクションをしてしまう。

 なんだその情報。情報量が多い。


*「何その反応、まさか気づいてなかったとか?上条に劣らずお前も鈍感だよな」

*「美樹が上条好きなのは見ればわかるって。みんな知ってたし。志筑さんと上条が付き合ったのも」


 噂の上条は今教室にはいない。確か前に志筑さんと一緒にどこかへ行ってたのを見たことがある。

 じゃあそれって……?



貴方「今二人がいないのもそういうことだったのか!?」

*「はははは、だから何言ってんだよ。マジで今更すぎだっての」


 意外な情報を聞いてしまった。

 美樹が恋占いの本なんてもの借りてたのも。それをもういらなくなったってのも。


 ……美樹、そこまでわかりやすく落ち込んでただろうか。

 今は普段通り明るく見えるからわからなかった。


 それを知ったら、少しだけ――――美樹への見方が変わった気がした。



――――
――――



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1帰宅・・・美樹と勉強する話があったよな
2写真部
3部活を掛け持ちしてみる(部を指定)
4委員会
5寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。今日の授業もおしまいだ。

 それから部室のほうに足を延ばしてみた。


貴方「お疲れ様ー……っす」


 そう挨拶するとばらばらと返事が返ってくる。中に居るのは数人の前からいる部員とモデルさんたちだ。


部長「おお、お疲れ!この前の文化祭のことで打ち上げでもやるって話出てるんだけどさ、予定はどうだ?」

貴方「とくにないですけど……」

部長「それならよかった。明日あたり暁美さんにも聞いてきてよ。主役がいないんじゃはじまらないだろ?」

貴方「主役……そうですね!伝えておきます」

部長「それに、次の部長も決める時期だからなぁ……。なあ、【貴方】部長やってみねえ?」

貴方「え……?」

部長「この前の、【貴方】も一緒に優勝してるみたいなもんだからな。他のモデルのも何人か撮ってるし」



1やってみようかな
2お断りします

 下2レス



貴方「……やってみようかな」


 ちょっと考えたのちそう返事を返すと、食い気味に部長に手を取られる。


部長「そうか!やってくれるんだな。お前がやるなら安心して任せられるよ」

貴方「そこまで!?さすがに言いすぎじゃ?」

部長「うーん、実を言うと今年は立候補があんまし出なくてな……最近実績のある【貴方】ならみんな納得だろうと思って」

貴方「ああ……そういうことだったんすね。ならまあ、頑張ってみますよ」


 部長とそんな話をしてからカメラを取りに行く。

 今もモデルはたくさんいる。けど、今日は久しぶりに外に風景でも撮りに行こうか。


 校外まで出て探索して街並みやら自然やらを写してから、自宅へ戻った。



【貴方】 17日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・無理してた?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら

――――
18日目 教室



さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 朝、自分の席にいるといつもの三人が教室に入ってきていた。

 挨拶の声に気づいて返事を返す。


貴方「おー……っす」

さやか「朝から気の抜けた挨拶だこと」

ほむら「何を見てるの?」


 手元にあるのは昨日撮影したデータの入ったカメラだ。

 普通ならそうそうなくしたりなんかしないし、返すのは今日でもいいかと思って持って帰っていた。

 ……廃墟の件については一応反省はしている。


貴方「撮った写真をね」

さやか「あぁ、そういうのも撮るんだ」

貴方「暁美さんやミス見滝原で人の写真が目立ったけど、写真部こっちが元々メインだからな!?」

貴方「公園の片隅に咲く花とか、ちょっと洒落た街並みとか。街をぶらつく猫なんかも自然の一部かな?」

ほむら「あ……その子!」



貴方「へ?」

ほむら「鹿目さんが見てあげてた猫だよね?」


 暁美さんが一枚の写真に反応する。

 すると、鹿目さんも覗きこんできた。


まどか「あ、本当だ。エイミーだよ」

貴方「名前ついてたのか。野良猫?」

まどか「わたしがつけたんだよ。野良ちゃんなんだけど、たまにご飯とかあげてるの」

貴方「ふーん」



1飼えるなら飼ったら?
2今度見に行きたい
3自由安価

 下2レス


貴方「普段どこにいるの? 今度見に行きたい」

まどか「じゃあこんど案内するね。うちの近所でいつも見るんだ」


 鹿目さんと約束をとりつけた。

 犬も猫も動物は嫌いじゃない。だからこうして写真を撮ったりしてるんだし。


 それから各々席に戻っていく前に前に暁美さんに打ち上げの話をしてみた。

 暁美さんも特に予定はないらしく、事前に日程が決まっていれば行けるとのことだ。

 とりあえずその通りに部長に連絡を送って、授業に臨む。



――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。


貴方「そういえば、暁美さんはあれから弁当作ってったことってある?」


 自分の弁当を出しながら、姿を見かけたのでほんの興味本位で聞いてみる。

 美樹たちは今日も弁当袋を持って教室を出る準備をしていた。


ほむら「えええっ、えっと……」

貴方「あ、いや、してないならしてないでいいんだけどね?大変なのはわかるつもりだし!」

貴方「ただまあ、一回暁美さんが作ってきたの見たから、どうなのかなって気になっただけ」

ほむら「つ、作った、には作ったんだけど……持ってこられなかった」

貴方「?」

まどか「失敗しちゃったんだよね……別に、恥ずかしがることないよ」

まどか「わたしなんかパパに頼りきりで自分でお弁当なんて作ったことないし」


 鹿目さんの言葉に少し違和感を覚えたが、そういえば鹿目さんの家庭の話を聞いたのを思い出した。

 そういえばお父さんが主夫やってるんだっけ。


さやか「まどかのはフツーに羨ましいんだよなあ」

まどか「あ、でも家の手伝いなら少しするよ。わたしも今度お弁当作ってみようかな?」

ほむら「鹿目さん……立派だね」

さやか「ほむらは……料理さえ出来ればもう完璧なとこあるからね」

ほむら「えっ!?」

貴方「まあ、確かにそうかもな。誰もほっとかなくなるよ」

ほむら「えっ?えっ!?」



 暁美さんはひたすらに困惑していた。もちろんお世辞なんかで言ってたわけじゃない。

 ……そして密かに何かに燃え始めていたのだが、それに自分は気づくことはなかったのだった。

――――
放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。


 部長からは打ち上げの日程の連絡が来ていた。来週頭にやるみたいだ。

 今は部活のことと、あと日程は決めてないけど美樹と鹿目さんとも約束事があるな。


 今日は誰かに声をかけようか? それとも一人でどこかに寄ってから帰ろうか?



1美樹との勉強の約束を果たす
2鹿目さんとの野良猫の居場所に案内してもらう約束を果たす
3一人で寄り道

 下2レス



 ……美樹との約束、やる気が削げ落ちないうちに果たしておこうか。


貴方「おーい美樹、勉強会するって言ってただろ? 今日空いてるか?」

さやか「あ、覚えてたんだ?」

貴方「ていうかそんなに経ってない」

さやか「まあそれもそうだけど。じゃ、うちくる?場所くらいは出してやるって話だったでしょ」

貴方「そうだったな。じゃあ行くか」



 美樹と二人で学校を出た。

 家につくまでの間はいつもみたいになんでもない雑談だ。



貴方「へえ、美樹の家ってこんなほうにあったんだ」

さやか「うん。他にもまどかとか……あと仁美も近いかな?」


 志筑さんの名前を出すのに少し躊躇ったような間があったことに気づく。

 考えてみれば、前までの美樹ならここでも幼馴染の上条の話題は出していた気がする。

 前はよく自分から話題に出していたのに、今は意図的に避けているような?


貴方(あぁ、しかし言われてからこんなことに気づくってのもやっぱ鈍感だな……俺)


 もっとよく見ていれば他にも察せられるようなサインはあったのだろうか。



さやか「着いたよ!」

貴方「ここか。お邪魔しまーす」


 家に上がらせてもらって挨拶すると母親らしき人が迎えてくれた。

 勉強をするんだと言ったら驚きながら喜んでいた。


 部屋でジュースを飲みながら適当に座って……こうしてるとすっかり遊びに来たみたいな気分になるが本題に入ろう。


貴方「今日は教科書とか持ってきてるよな?」

さやか「いやもっと文明の利器があるっしょ!」


 そう言って美樹がノートパソコンを机に置く。

 もしかして全部これ頼りか。


貴方「文明の利器もいいけど、教科書くらいは見たほうがいいんじゃねえの?」

さやか「えー、でも大体問題ってこっからでしょ?あたしは効率的なもんでー」

貴方「アナログな先生のは?」

さやか「そ、そういうのは【貴方】が見せてくれると思って!それにまどかとほむらも丁寧にノート取っててすごく頼りになるんだから」

貴方「暁美さんのノートか……まああれは確かにわかりやすかったな」


 テスト前には貸してくれとか言ったっけ。とかそんなことを思いだす。


さやか「この場にないものねだったって今はしょうがないんだから、あるものでやるよ!まずは社会?」

貴方「ああ、資料全部共有に上がってるって言ってたな。ノートも持ってるけどさ……」



 パソコンを操作するとPDFファイルが出てくる。

 飾らない堅そうな文面の資料が画面に映った。……これよりは自分で書いたノート見たほうが勉強しやすいって思うのは俺だけか?


さやか「んー、といっても丸暗記かこれ。片方答え見て問題出して覚えてるか確認する?」

貴方「穴埋めみたいな?それでもいいけど」


 何年になにが起きた――とか文中の言葉を問題にしてみる。

 美樹は最初はボロボロだったし自分もところどころしか覚えてなかったものの、

 まあさすがにこういうのは何回も繰り返せば段々と答えられるようにはなってくる。

 知識を詰め込んでるって感じだけど、一旦は覚えたものがいつの間にかすっぽ抜けてしまわないか心配だ。


 ……いくつか繰り返して正答率が上がってきてから勉強に区切りをつける。


さやか「……【貴方】って優等生だよねえ。勉強楽しい?」

貴方「別に。でも授業は面白いのはあるかな」

さやか「ああ、あたしもそれはわかる!じゃあ何の教科が一番好き?」



1国語
2英語
3社会
4理科
5数学
6体育
7音楽
8美術
9家庭科

 下2レス



貴方「音楽かな」

さやか「あれっ、五教科じゃないんだ。意外」

貴方「別にそんなに真面目なわけじゃないって。勉強はたまたま出来るっていうか」

さやか「でたそれ、そういうの出来ない人からしたら最早イヤミだよ」

貴方「前言撤回。美樹よか真面目だった」

さやか「それはそれで腹立つー」

貴方「で、美樹は?何の教科が一番好きなんだよ」

さやか「んー……あたしも……音楽、かなぁ」


 美樹はそう言うにはどこか自信なさげな様子で答えた。


貴方「なんでそんな自信なさげなんだよ。得意じゃないの?」

さやか「いや得意だよ?あたしこう見えて音楽のテストは毎回満点近くとってるからね?」

貴方「え……マジかよ……」

さやか「疑うなら証拠もある。うちだからね」


 俺のほうはただ単に楽器触るのが楽しいとかそんな理由で答えてたから、まさか学力を出されるとは思わなかった。

 苦手じゃないけど筆記は平均くらいだ。なんか負けた気分。


貴方「じゃあ音楽は教えてもらうか。つっても今まで五教科以外はそこまで重要視してなかったな。出来るに越したことはないけど」

さやか「バカにしないでよ。音楽が出来る人はすごい人はすごいっていうか……」

さやか「……まああたしは凡人だけどね」


 ……まあ、誰を思い浮かべたかはわかってしまった。

 上条、たしかにあいつはすごいもんな。授業なんかじゃ触れられない楽器だし比べ物にならない世界。

 美樹がテスト出来るのもその影響、か? そう思うとあんましツッコんじゃいけないのかなあ、とか考えた。


さやか「なんか腹すいてきたな。おやつ探しにいこ」

貴方「ああ、確かにそんな時間だな」


 それからリビングのほうでおやつを食べにいくと、いつのまにか美樹は勉強の気分も吹き飛んでしまった様子だった。


さやか「そういやうち太鼓のソフトあるんだよね。せっかく来たんだからやんない?この前のゲーセンの時のリベンジ果たす!」

貴方「勉強しなくていいのかよ?」

さやか「あーうん、先に息抜きっていうの?」

貴方「まあいいけど、面白そうだし」


 なんだかんだ勉強の気分が吹き飛んでたのは自分も一緒だったようで。

 提案に乗ってしまう。うちじゃできないしな。


さやか「やっぱ【貴方】は太鼓使うの?」

貴方「逆にコントローラーでやったことないんだよな。タイミング狂いそうじゃん。それにやっぱ太鼓でやってこそだって」

さやか「あたしも最初はそう思ってたんだけどコントローラーのほうが速いのいけるんだよね」

さやか「よし!曲はそっちに任せたる!」

貴方「じゃまずは定番で」

さやか「お、いいの選ぶじゃん」



 ……いつのまにか熱中していた。




貴方「――――あれ、もうこんな時間か」



 曲が終わったところでコントローラを置く。

 最初のほうはコントローラで慣れてた美樹のが勝ってたけど、こっちもそろそろ追いついてきたところだ。

 まあ、音感リズム感みたいな根本的な部分は同じくらいなんだろうな。


さやか「あれ、もう帰る?」

貴方「負けたままってのも悔しいからもう一回」

さやか「あはは、いいよー。もうこれからまた勉強って時間でもないね」

貴方「あっ、そういえば勉強しにきたんだった」

さやか「途中から遊んでたね。まあ勉強会なんてそんなもんでしょ。また今度だってできるんだし」

貴方「……まあそっか。美樹、ちゃんと社会覚えてるか?」

さやか「えー? えー、どうだろうなあ……」


 勉強は諦めてもう一曲だけプレイすると、そろそろ家族が揃う時間らしい。

 夕飯までいただくことになる前に帰宅することにした。


 帰り道は夕飯のおつかいついでに途中まで美樹もついてきてくれて、その間に軽く覚えたことの復習をしていた。



さやか「まったく、いい機会とばかりにおつかい押し付けるんだからー。か弱いあたしが帰り道危ない目にあったらどうしてくれんのよ」

貴方「か弱い奴の言う台詞じゃないのは置いといて、とりあえずちょっと復習しとくか」

さやか「何覚えてる?」

貴方「じゃあモンゴル帝国の襲来」

さやか「えちょっとまって思い出せない。勝ったんだっけ」

貴方「確か一回目と二回目は勝てたんだよ偶然台風が来て。神風ってやつ」

さやか「すげー。今回の範囲いい国つくろう鎌倉幕府くらいしか覚えてないわ」

貴方「全っ然じゃねーか」


 と言いつつも自分も細かいとこ突っ込まれるとあんまり自信ないな、なんて思って夕方の涼しい風を感じながら歩く。

 美樹の家から少しだけ歩いたところでふと足を止める。


貴方「なんか聞こえる。バイオリン……?」


 繊細でどこまでも澄んでいて芯があって……。

 それは街の隅から聞こえてきただけなのに思わず惹きつけられるような魅力を持った音色だった。

 思わず足を止めて気にしてしまうほど。これがバイオリンの音なのか。


さやか「……恭介だよ」

貴方「ああ、そっか。幼馴染だって前に言ってたもんな。家近いか」


 もちろん今まで一度も聞いたことがないってわけじゃないと思う。

 そりゃ生で聴いた覚えはないけども、それにしたってそこらのとは別格だってなんとなく理解した。


 そしてふと疑問もわく。


貴方「たしかに最近は杖なしでも歩けるようになってきたって聞いたけどさ、腕のほうももうこんなに弾けるものなの?」

さやか「うん。ほぼ元通りだと思うよ。医者から云わせると……“奇跡”、だってさ?」

貴方「へー……」



 そんなこともあるんだな。

 社会でやった神風じゃないけど、神は見捨てていなかったってわけか。



貴方「まあとにかく治ってよかったよな」

さやか「うん。よかった」



貴方「美樹はもう聴かせてもらったのか?」

さやか「退院する前にいち早く聴かせてもらったよ」


 なんでもない会話だけど、横にいる美樹を見るとなんともいえない表情をしていた。

 確かに喜んでるんだろうけど、浮かないというか切ないというか。

 それが皮肉にもバイオリンの音色と合っていて。――――なんつー顔させるんだよ、上条の奴は。


さやか「ああもう、しんみりさせる曲弾くんだから恭介は!さっさと買い物済ませて帰ろ」

貴方「そ、そうだな。なんかバイオリンって物悲しい感じする曲あるよな」

さやか「神様、かぁ……。もしかしたら、“神風”も誰かが願って起こした奇跡なのかもしれないね」



 ……美樹はどっか感傷的になったのか、泣きそうになりながらそんなこと言ってた。

 歴史なんて普段文字列の丸暗記でしか覚えないくせに。



1そうかもしれない
2願っただけじゃ奇跡は起きない
3治ってなかったらどうなってたかな
4自由安価

 下2レス



 願うとしたら名の知れた偉い人とかじゃなくて、きっと名も知らない歴史にも残ってないような人の願いなんだろうけど。


貴方「そうだとしたら、神様って勝手だよな」

さやか「それと同じくらい、なんでも神様のせいにする人間も勝手だと思うけどね」

貴方「まあ、戦争の時とか神風とかあやかって特攻させてるしな」


 そんで考えた。

 上条が志筑さんと付き合ったのも多分退院して学校に来てからで、それまでは美樹が一番近くに居て。

 もしも状況が変わらなかったとしたらこうはならなかったんじゃないか。


貴方「……腕が治ってなかったらどうなってたかな」

さやか「どうだろうね。でも……やっぱ治ったのはよかったと思うよ」

貴方「ああ。そうだな」



 それから少し歩いてスーパーの前で別れる。



貴方「じゃあな。暗いし一人なんだから気を付けて帰れよ」

さやか「一応心配してくれるんだ?」

貴方「そうやって泣いてたらいつもよりか弱く見えちゃうだろ」

さやか「泣いてないし!」



 手を振って別れる。

 ――――別れ際に見た顔は、やっといつもの調子に戻っていた。



【貴方】 18日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・弱いとこ見えた↑
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら

-----------------
今回はここまで。
この世界クレオパトラとジャンヌダルクが魔法少女らしいし神風が魔法少女の仕業もありえるんだよなあ。

――――
19日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 普段通りの朝――だよな。

 別に変ったところなんでないんだけど、なんとなく美樹を見てみる。昨日意外な顔見ちゃったからかな。


さやか「どうかした?なんかついてる?」

さやか「あ、それともあたしに見とれてたかぁ!」


 なんて冗談を言ってくる美樹は間違いなくいつも通り。別れ際に見たのと同じ顔だった。



1そんなわけないだろ
2なんとなく心配でさ
3そうかもな
4自由安価

 下2レス



貴方「そうかもな」

さやか「え?ほんと?」


 向こうの冗談にはこっちも冗談で返すぞ。


貴方「うんうん、そう思いたいならそう思っといたほうがいいんじゃね」

さやか「あからさまに適当すぎんのよ!」

まどか「【貴方】くんとさやかちゃんも仲良さそうだよね」

さやか「どこをどう見たらそう見えるんだか」

ほむら「……【貴方】くんっ、私も昨日と少し変えたところがあるんだけどっ」


 そして、冗談が通じなかった人が一人。


貴方「え?どこだろ?」

さやか「【貴方】ってばホーントそういうの気にしないんだから!昨日勧められてたやつ試した?」

貴方「あー、それはわからなかったけど暁美さんなら見とれられててもおかしくはないな」

さやか「ちょっと、それってあたしじゃおかしいって言ってるじゃーん!」


 ――暁美さんは、今や誰もが認める絶世の美少女なわけで。

 HRが始まるまでそんな冗談交じりの会話をしてみんなで談笑していた。




授業中
1真面目に取り組む
2話しかける(クラスメイト指定)
3他の人を眺める(クラスメイト指定)
4自由安価

 下2レス




 ――――授業開始のチャイムが鳴る。


 専用のペンを持って教師が電子ホワイトボードにさらさらと文章を書いていく。

 やたらと高性能なものがあるのだから、パソコンを操作して映し出すだけの授業も多いが、自慢の整った字のおかげかこの先生はアナログ派のようだった。


 全員席に着いて一時間目の国語の授業の時間になってから、朝の会話を少しだけ思い出して気になっていたことがあった。



貴方(結局、『昨日勧められてたやつ』ってなんだったんだ? 何か変わったとこあったっけ?)



 美樹が言っていたがその違いに俺はいまだに気付けてなかった。

 だがあの流れでまだどこが変わったのかわからないと言えばどうせ呆れられる。

 少しだけ引っ掛かっていたものの直接聞くことはしなかった。


 ……まあ、そこまで興味があるわけでもないが。今になってなんとなく暁美さんに目を向けてみた。


ほむら「……!」


 すると目が合って、一瞬二人の間だけに慌てた空気が流れる。

 あからさまな逸らし方はしないものの、どちらからともなく自然に視線を外す。暁美さんもこっちを見てた?まさか。


 それからすぐに、再びまっすぐと視線が向けられたのがわかった。

 暁美さんはにこっと笑いかけていた。一度目が合ったのだから、覚悟を決めたというような――。



 結局、俺のたいしたことない観察眼では変化はわからなかった。



――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 美樹たちは今日も弁当袋を持って教室を出る準備をしている。


貴方「結局、暁美さんの変化ってなんだったんだ?」


 それを引き留める形で一言問いかけてみる。ギブアップだ。呆れられてもいい。


さやか「朝はああいったけど、まあわからないだろうねー」

ほむら「あ、えっと……!ほ、本当はあんまりたいしたことじゃないんだけど」

さやか「リップクリームでしょ?色もないし、最初は昨日の話からの推測で後になってからやっぱりってなったんだけどね」


 と言われて見てもやっぱりわからない。

 見た目は特に変わらないように見える。……まあ、ひび割れたりしてないし綺麗な唇だ。


まどか「じっと見つめてもわからないと思うよ。いちごの香りがするやつなんだ。かなり近づかないとわかんないよ」

貴方「!?」

さやか「今変なこと考えてないでしょうね?」

貴方「いや、さすがにしないって!」

ほむら「お昼食べたら塗りなおす用に持っていかなきゃ」


 そう言って暁美さんが取り出したのはピンク色のスティック。

 きっとまた彼女たちの中でそれを話題にして盛り上がるんだろう。俺は、ちょっと…………そこまではついていけなかった。



今日の放課後のこともついでに決めておこうかな?
1美樹、今日も勉強するか?
2鹿目さんとの野良猫の居場所に案内してもらう約束を果たす
3一人で寄り道

 下2レス

外伝まで範囲広げてたらいつまでたっても終わらないのでまどマギの主要人物で全員とします
-------------------------------------------------------------------------------------


 そうだ、ついでに今日の放課後のことも約束しておくか。


貴方「鹿目さん、野良猫の場所に案内してくれるの今日はどう?」

まどか「うん、いいよ。放課後いっしょにいこっか」


 ……放課後の予定が決まった。



――――
――――
放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。

 約束どおり、みんなが席から立ち上がりはじめると鹿目さんはこっちの席まで来てくれた。


まどか「じゃあ、いこっか」

貴方「うん。鹿目さんちの近くなんだよね?ついでに何か買ってく?」

まどか「ごはんは朝あげたから、おやつかな?」


 まずはいつもどおり校門を出て、それから普段あまり通らない道のほうを歩く。

 昨日行った美樹の家のあるほうだ。途中寄ったコンビニで猫用のおやつを買って、鹿目さんに案内されるまま目的地を目指す。

 すると、道端の茂みを少しかきわけたところに皿が置いてあるのを発見する。


まどか「ここだよ。エイミー、出ておいで」


 鹿目さんが優しく声をかけると、どこからか猫の鳴き声が聞こえて、茂みのさらに奥のほうから顔をのぞかせた。



まどか「こんにちは、今日はおやつ持ってきたよ。友達もいるんだ」

貴方「えーと、こんにちは?」


 小さな黒猫はこっちを見上げている。

 鹿目さんに倣って挨拶してみると、小さく鳴いてから差し出されたおやつを食べ始めた。

 鹿目さんは慣れた様子だ。


貴方「いつからいるの?」

まどか「えーと、数ヶ月くらい前かなあ。まだ子猫だけど、お母さんとか見てないんだ。もしかしたらはぐれちゃったのかも……」

まどか「本当はうちで飼えればいいんだけどね。さすがに難しいから、ご飯だけはお小遣いから買って毎日あげてるんだ」

貴方「毎日……!?それって大変だろ」




1どうしてそこまで?
2無責任な餌付けは迷惑かもしれない
3自由安価

 下2レス


貴方「どうしてそこまで?」

まどか「もともと猫は好きだし、ほっとけなかったっていうか……」


 うちも犬は一匹飼っているが、同じ動物とはいえ野良の世話をするのとは随分違う。

 安い餌だとしても、毎月出して余裕が残るほど中学生のお小遣いは大層な額ではないだろう。

 今は小さいからあまり食べないのかもしれないけど……。


貴方「これから大きくなっても続けるの? 野良猫なんて、いつ怪我や病気をしていなくなるかもわからないのに」

まどか「怪我や病気、か……」


 そう言うと鹿目さんは考え込んで、猫に心配そうな表情を向けた。


まどか「具合を悪くしてたらできるだけ助けてあげたいと思うよ。ここまで世話見ちゃったんだし。でも、やっぱ危ないよね……」


 俺は正直『いつの間にかいなくなってしまうかもしれないから世話をしてもしょうがない』って意味も含んで言ってたと思う。

 でも、鹿目さんの言葉には純粋に心配だけがこもっていた。心配だけど自分じゃどうしようもないという表情だ。

 怪我や病気はペットでもありえるが、交通事故に遭うかもしれない。変な人に何かされてしまうかもしれない。それらは防げない。


貴方「保健所、とかに連れてかれてもまずいよね。うちももう犬がいるから飼えないだろうし」

貴方「ごめん、写真撮った時にはそんなこと全然考えてなかったな。猫が歩いてるなんてのびのびしてていいなってくらいにしか考えてなかった」

まどか「ううん、わたしもわかってたはずなのにあんまり考えてなかったから」

まどか「やっぱりママとパパに飼えないか頼んでみようかな……?」


 鹿目さんのその提案には俺はうなずくことしかできない。

 そして当の猫――エイミーは、そんな話を知るわけもなくおやつを食べ終わって満足そうにしていた。


 その背中をそっと撫でてみると、手にすり寄って甘えてくる。……この無邪気な姿を守るために何かできればいいんだけどな。



【貴方】 19日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・弱いとこ見えた
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら

――――
20日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 それから昨日のことを聞いてみる。


貴方「鹿目さん、猫のことどうだった?」

まどか「話してみたんだけど、やっぱりダメだって……」

貴方「うーん、そっか……」

さやか「エイミーのこと?」

まどか「うん、飼えないかって。さやかちゃんのとこもペット駄目だったよね?」

さやか「あー、駄目だねぇ」

ほむら「うちも小さなアパートだから……」


 やっぱりそうそう都合よく事は運ばないか。


貴方「まあ、野良だってすぐに危険なわけじゃないよ」

まどか「そうだね。そうなんだとは思いたいけど……」


 鹿目さんはどこかまだ煮え切らない返事。

 ……言い出したのも俺だ。どうにかしてやりたい気持ちはあった。



 ――――授業開始のチャイムが鳴る。

 早乙女先生の英語の授業だ。


「今日はリスニングの問題を出しますよ」

「イケメン外国人講師の代わりに私がCD流すだけになりますが、残念がらないでくださいね。26Pを開いてー!」


 みんな一斉に指定されたページを開く。教卓にラジカセが置いてあるのはそういうことか。

 教室がしんと静まると先生がラジカセを操作すると問題の音源が流れはじめた。


貴方(さすがにリスニングならいつものトークが飛び出す隙はないな)


 問題は教科書を見ただけだとまだ内容はよくわからない。

 とりあえず一通り英語の会話に集中して聞いていると、会話が終わって教科書と同じ設問が日本語で流れる。

 そしてCDの再生が終わった。


「はーい、ではあと少ししたら回答の時間にしますよ。みなさんちゃんと聞き取れましたかー?」

「……はい!では、一問目!ナンシーが山にハイキングに来たのはいつぶりだと言っていましたか?美樹さん」

さやか「3年ぶり?」


 いつもリスニングは苦手そうにしてたから、すぐに答えられたことにちょっとだけ驚いた。……当て勘じゃなければだけど。


「そのとおりです!では、その時は誰と来たと言ってましたか?」

さやか「えっ、誰って言ってたっけ?友達とか?」

「勘じゃいけませんよ。uncle、叔父さんと来たって言ってました。でも頑張りましたね!」

さやか「あー、そういえばそんなの聞こえた!でも食べ物か人の名前かと思ってた。たまにそう読まれる知り合いいるし!」


 小さな笑いが起きる。……それはまさか佐倉さんのことじゃないよな。


「ふーむ、それにしても今回ケンと二人きりで来た意味を考えちゃいますよね」

「しかしですよ?山ガールというのも流行りましたが、趣味が濃すぎる人というのも大変なものなんですよね」

「私も人の立ち入らないような山奥でキャンプに誘われて虫を食料にとってきた時には無理だと悟りました」

さやか「そ、それはまたすごいですね……」

貴方(濃いなぁ……)

「というわけで私からの特別問題!彼女には自分の趣味に付き合ってもらいたいほうですか?【貴方】くん!」


 CDが終わった後はいつもの調子か!


1付き合ってもらいたい
2付きあわせたくない
3どっちでもいい
4彼女の趣味に付き合いたい

 下2レス



貴方「そんなに趣味ってほどのものないし、むしろ彼女の趣味に付き合ってみたいですかね……」

「ふふふ、相手を優先するいい心がけですが後悔しないといいですね?」

「マクロビご飯にホットヨガはもちろん、ショッピングじゃ2時間は荷物持ちに付き合ってもらうかも」

貴方「そ、それはちょっと厳しいっす」


 女子に多い趣味を考えてみると、早乙女先生の発言はどこまで冗談といえるかは不明だ。

 けどまあ、人気のない山の奥で虫食わされるよりはマシだろう。


 ふと考える。


 ……趣味か。趣味とまでいえるかはわからないけど、最近は写真に熱を注いでいた。

 暁美さんみたいな仲間なら一緒に楽しむこともできるな。


 あとは――。



1美樹について考える
2鹿目さんについて考える
3佐倉さんについて考える

 下2レス



 美樹。美樹は趣味はなんだろうな。

 前に聞いた話からすると音楽なのかもしれないが、それも上条の影響っぽいし。

 上条……あいつは俺とは真逆の意味で趣味ってレベルじゃない。この歳で既に周りに誇れるくらいの実績がある。


 美樹はああ見えて相手に付き合ってたほうだったのかもな。

 尽くそうとするタイプだった――のかもしれない。


 遠くからちらっと眺めてみるといつもと変わらない横顔が見えて、悟られないうちに視線を戻した。



*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 美樹たちが教室を出る前に少し話を振ってみる。


貴方「美樹は趣味ってあるか?」

さやか「英語の授業の時の話? んー……なんだろ。すぐに思いつかないや。まどかはどう?」

まどか「わたしも特にないかなぁ……でもなにか特技がほしいとは思ってるよ。趣味とかそういうのがある人ってすごいと思う」

貴方「よく趣味とか特技っていうけどなかなか見つけるのも大変なもんだよな。俺も超がつくほど凡人だから」

ほむら「でも……【貴方】くんには写真があるじゃない」

さやか「あっ、そうだよ!」

貴方「あー……趣味って言ってもいいのかな。写真部には俺なんかよりずっと凝ってる人がいるからさ」


 最初は美樹に聞いてみたが、美樹もすぐに鹿目さんのほうに話を振ってしまった。

 みんな、語れるような話はできないってことか。



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1美樹を勉強に誘うか
2野良猫の居たところに行ってみようかな
3繁華街に寄り道
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

――――
放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。



貴方「美樹、今日も勉強するか?」

さやか「ん、いいよ。またうちでゲームする?」

貴方「この前は美樹の家行ったし、今度はうちでもいいよ」

さやか「マジ?じゃあ犬見せてもらおっと」


 返事は快諾だったがいつもどおりお気楽な美樹にどこか不安になる。


貴方「遊ぶ気満々じゃねーだろうな。勉強するんだろ?」

さやか「する、するよ! 一人じゃ勉強なんてする気起きないしさー」

さやか「でもその後に楽しいことがあってこそやる気も起こるんじゃん?」


 まあ、その理論はわかるような気もする。

 この前もなんだかんだゲームで競い合ってたのは楽しかったし自分も結構熱中してたからな。


さやか「じゃ、いこ!」

貴方「なんで先歩ってるんだよ。場所教えたことねえし」

さやか「案内するが良い!」



 二人で校舎を出る。

 最初だけ偉そうな背中に後ろから口出しして案内してたけど、途中から並んで自宅への通学路を歩いていった。





 ――――自宅の玄関を開けるとまず犬が出迎えにくる。

 隣にいる客人、美樹に対しても同じようにしっぽをパタパタと振って全身で歓迎していた。


さやか「おーかわいい!」

貴方「……部屋はこっちだぞ」


 すっかり玄関で犬と美樹が一緒に止まっているのを見かねて先に自室のほうに歩いていくと、犬もそれに合わせてついてこようとする。

 そこでやっと美樹も動き出した。けど、一緒にいたんじゃ勉強にならなさそうだ。



1先に犬と遊ぶ?
2勉強するよ?
3自由安価

 下2レス



貴方「勉強するよ? ハウス」

さやか「えーっ、なんで帰しちゃうの?一緒でもいいじゃん!」

貴方「絶対集中しないだろ」

さやか「厳しいなぁ。なんか本当に家庭教師みたい。ここは【貴方】の家だけど」

さやか「案外そういうの向いてたりしてね」

貴方「そうかぁ……?美樹ならまだしも知らない人の家に押しかけて勉強教えるのはやだよ」

さやか「ふーん?」


 美樹はああ言ったけど家庭教師なんて考えたこともなかった。

 勉強道具を揃えていく。まずはなんの教科からしようか。国語の教科書を手に取る。

 それから数枚のプリントを集めておく。


貴方「……この前言ってたアナログなやつやるか」

さやか「あー、それはありがたい。だって紙引っ張り出すのメンドイんだもん」

貴方「それはたしかになあ。ノートにでも貼っとけば?」

さやか「ノートが太るじゃん。あと糊付けするのメンドイ」

貴方「半分同意」


 あとの半分はもうちょっと面倒がらずに頑張れよ、って意味だった……。



さやか「そういえばやったなぁ、こんな問題」

貴方「これ美樹が指されて変なこと答えてた時のだ」

さやか「そんなのはもう忘れてよ!」

貴方「今は覚えてる?」

さやか「覚えてなかったけど……」


 プリントを見ると前にやった授業内容も思い出す。

 国語も割と暗記ゲー。暗記じゃすまない文章問題なんかは教えるのも難しいけど、美樹は意外と得意なほうらしかった。

 暗記とかよりも直感で解くのが美樹らしいのかもしれない。


貴方「文章問題のコツって?」

さやか「なんとなく読んだ感じで」


 ……さっぱり頼れないのが困ったもんだった。

 授業でやった話なら授業中に先生があれこれ解説してくれるから授業さえ聞いてればわかりやすいんだけど。



 そんなこんなで勉強に一区切りをつけて――――……

 今日もいつのまにか遊びのムードになっていた。



さやか「へー、漫画とか集めてるんだ」

貴方「大体は連載だけ追うけどハマったものだけかな。でもこれとかもっと小さい時に集めてたやつだよ」

さやか「ああ、確かに子供向けも多いか。なつかしー。これもタイトルだけ知ってる」


 美樹は漫画本を詰め込んである本棚に釘付けになってたかと思うと、唐突に言い出した。


さやか「ね、モフってきていい?」

貴方「……そういえばそれが目当てだったな」


 子供向けのコミックも多いけど、今はそこそこ過激な内容のも手を出してたりする。

 美樹が興味を示したのは子供向けのほうだったから、そっちには突っ込まれなくて少しホッとした。

 いや、噂によると少女漫画とかもグロはないけど色々と過激だって聞いたっけ?美樹もそういうの読んでたりすんのかな?


 リビングのほうに行くとソファで昼寝してた犬が起きてきた。


さやか「あれ?寝てたか。起こしちゃったね」

さやか「この子って色々芸覚えてたりすんの?」

貴方「お手とか簡単なのくらいはできるかな」

さやか「へぇー」

貴方「美樹がやってもやってくれるかはわかんないけど」

さやか「あとさっきもハウスはちゃんと従ってたね。頭いいのか」

貴方「犬は頭いいよ。美樹んとこは動物飼えないんだっけ」

さやか「残念ながらね。魚とかハムスターくらいだったら飼えるかも」

貴方「魚か。魚もいいよな」

さやか「金魚一匹くらいだったらうちの親も許してくれるかもね」

さやか「本当は犬か猫がいたらいいけど、まあいいや。犬は今存分にモフってくことにしようっと」



 ……美樹が存分に犬をモフってから、あまり遅くならないうちに家を出ることにした。

 この前美樹もついてきてくれたから一応俺も送ってはいく。


さやか「今日はわんちゃんめっちゃ撫でられた!」

貴方「この前も思ったけど勉強の内容抜けてね?」

さやか「ありをりはべりいまそかり、オッケー」


 本当にオッケーなのかなあ。というのはまあこの際置いとくとして。


さやか「でもいいんだよ? この前はあたしがお使いたのまれたからだし、別に送ってくれなくても」

貴方「か弱いだのなんだの言ってたのは誰だよ」

さやか「じゃあ前言撤回。あんまりか弱く見られるのもやっぱ癪だったわ」

貴方「めちゃくちゃだなあ」


 これは美樹なりに遠慮してる、のか?


1遠慮しなくていいよ
2礼儀として
3長く一緒にいたいから
4そういう気分だから
5自由安価

 下2レス


貴方「遠慮しなくていいよ」

さやか「いやいや遠慮なんてしてない!あたし見滝原のスポーツクイーンだし」

貴方「はいはい」

さやか「――ってのはまあ適当に言ったけど。んー、そう言うならそれでもいいわよ。ありがと」



 ……なんだかんだ素直に礼を言ってくれる美樹は見ていて好印象だった。




【貴方】 20日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・弱いとこ見えた
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら




 そうだ。休日の予定、美樹と行動しようかな?



1二人で繁華街に遊びに行こうと誘う
2佐倉さんも一緒に繁華街に遊びに行こうと誘う
3勉強に誘う
4今週はやめておく

 下2レス




 帰り際、明日は遊びにいこうって約束してから別れていった。

 最近は勉強してるから、せっかくの休みは勉強のついでじゃなくて久しぶりに丸一日遊びに行って気分転換しよう。



――――
――――
四週間目 週末
繁華街



さやか「【貴方】!待った?」


 待ち合わせに選んだ場所で待ってると、近づいてくるのが見えた。

 待った?なんて言うけど時間はジャストくらい。


貴方「いや?別に」

さやか「そう?【貴方】って早くに来そうなタイプって感じするじゃん」

貴方「え、そんなふうに見えてんの?俺……まあそんなに遅くはこないけど」


 だとしたら美樹の中でどんだけ優等生キャラなんだよ。


さやか「あたしよりは真面目そうって意味だよ。それより、勉強のこと考えなくていいのはいいね。今日は思いっきり遊ぶよ!」

貴方「いつも思いっきり遊んでるような気もするけどな……」

さやか「勉強だってやってるよ。さてと、最初何したいか決めてある?お昼には少し早いし、先にゲーセンでもいく?」

さやか「この間の続き、まだ決着ついたとは思ってないからね」



 まずは美樹のリクエスト通りゲーセンに向かっていって、対戦系のゲームを片っ端からやりにいった。

 二人ともだろうけど、この前は操作に慣れてなくて手探りなところもあったからこっちも決着ついたとは思ってない。

 熱中したやつは何度かやってみたりして、少しずつ上達したりして。


さやか「……そういえば、あれから一人とか誰かと練習したりした?」

貴方「いや全然。一人でやってもいいんだけどさ」

さやか「実はあたしは一回だけ杏子が得意だっていうから参考にしようと思って一緒にやってみたんだけど、
    あんまりにボコボコにされたからもういいや!ってなっちゃって」

さやか「結局【貴方】くらいと一緒にやるのが一番楽しいわ」

貴方「そりゃどーも。下手で悪かったな」

さやか「いやいや、悪くないんだって!」


 そんなこんなで勝敗はやっぱり大した差はつかず。

 いつのまにか時間が午後に差し掛かってくる頃になって、美樹は入口付近に置いてある一つの機体を指した。


さやか「ねえ、今度はあたしが取ってあげようか?」

貴方「ぬいぐるみを?正直もらってもそんなには……」

さやか「【貴方】じゃないし。【貴方】んとこのわんちゃんにあげるんだよ。昨日いっぱいモフったし」

さやか「そういうことだから、いいでしょ?」


 自分がもらってもほとんど犬のおもちゃになるかもって思ってたけど、美樹のほうから言い出したらわかりやすい。

 美樹がコインを入れて挑戦する。

 この前の抱きつけそうなサイズのイルカに比べたら小さいぬいぐるみだけど、それでもなかなか取れずに苦戦していた。


 ……そういえばイルカ、この前美樹の部屋見た時ベッドの上にあったな。



さやか「……むう、うまくいかないもんだね。このくらいの大きさならいけるかなって思ったんだけど」

さやか「遅くなってもアレだしそろそろ昼食べちゃうか」

貴方「あぁ、まあ無理しなくてもいいよ。今度また遊んであげてくれ」


 少し後ろ髪引かれた様子ではあったものの、ここに時間と金をかけすぎていてももったいない。

 諦めてレストランやフードコートのあるところに向かっていった。


 昼は無難に安価なファーストフードだ。


さやか「太鼓もさすがにうちでやるのとは違うね。こっちのが難しいけどゲーセンでやるのも楽しいかも」

さやか「あー、でも結局ぬいぐるみ取れなかったの悔しいなあ」

貴方「UFOキャッチャー難しいよな」

さやか「次どこいく?」

貴方「そうだなあ……」



1フードコートでデザートでも食べる?
2ショッピングでもしよう
3カラオケ行こう
4ボーリングリベンジ
6自由安価

 下2レス


貴方「身体動かしたし、あとはまったりショッピングでもするか?」

さやか「いいよ。何見たいの?」

貴方「ん、なんだろうな。その辺歩きながら見て回ればいいんじゃね?いろいろ店はあるみたいだし」


 食べ終わったハンバーガーの包みを小さく畳み、少しゆっくりしてから席を立つ。

 外食エリアから上へ上ると、雑貨やら服やら本やら、更には鉄道模型なんかが置いてある店も詰め込まれたフロアに出た。


さやか「こういうのって見てるとすごいけど、さすがに部屋に置くのはねぇ」

貴方「さすがに驚くほど高いな。置ける場所もないし」


 買いはしないけど見てるぶんには楽しいものから、普通に買えるくらいの実用的なものも見ていく。

 最新のパーティーグッズとか目につく面白いものを見つけてあれこれ話す。

 さすがに二人だと盛り上がらないけど、友達誘ってやったら面白いかななんて言って手にとったりして。


 ……すると、途中で美樹がどこかのコーナーを見たいらしく引きとめた。


さやか「そうだ、一個買い物に付き合ってもらってもいい?」


 ついていくと、美樹が見ていた棚にあるのはぬいぐるみだ。


貴方「あれ?もしかして取れなかったの相当悔しかった?」

さやか「そ、そういう意味じゃないって。あたしがあげたいからあげるの。……この前のイルカも気に入ってるし」



 お礼と言うには犬のためなんだけど。

 でも、まあやっぱり嬉しいかな。



 ――――デパートの中を見て回って、歩き疲れてしまわないうちに帰ることにした。



貴方(うちの犬にも小さい友達ができたな)




― 四週目休日 終了 ―

――――
21日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 休日は思いっきり遊んで、今日からはまた学校だ。

 週初め。そういや部活の打ち上げ今日って言ってたな。

 放課後になったら暁美さんと一緒に向かうか。



朝の話題
1写真部の話(ほむら)
2昨日のぬいぐるみの話(さやか)
3自由安価

 下2レス


さやか「そうそう、昨日のぬいぐるみわんちゃん喜んでくれてた?」

貴方「ああ、抱き枕にしてたな」

さやか「へー?よかった!こっちもイルカを枕にしてることあるからお揃いだ」

さやか「まどかの部屋ほどとは言わないけどうちもあのイルカのおかげで華やかさが増したよ」

まどか「えっ?ぬいぐるみ可愛いよね。さやかちゃんってあんまりあつめてるイメージはなかったけど……」

さやか「別に今も集めてはないよ。でもあれは気に入ったからもう一個くらいあってもいいかな」

貴方「今度行ったらまた考えてやるよ」


 とは言ったものの、この前とれたのも大分粘ってからだった。

 ……あんまりカッコつけて言うもんじゃなかったかな。

 買ってやるってのもなんか、ペットにならともかく本人へのプレゼントとしては重い気がしてきた。


貴方(鹿目さんちはぬいぐるみだらけなのか)


 ついでにそんなことを考えながら、雑談しているうちにHRの時間になって解散していった……。



授業中
1真面目に取り組む
2話しかける(クラスメイト指定)
3他の人を眺める(クラスメイト指定)
4自由安価

 下2レス




 ――――授業開始のチャイムが鳴る。


 初っ端から電子ホワイトボードに問題が並んでいく。みんな揃って演習問題を書き写していた。

 後からデジタルデータの資料で済ませられる授業も多いが、この時間はさすがにきちんとノートを取らざるを得ない。

 後で当てられることあるし。


貴方(これは美樹もノート書いてるか……)


 横目でちらっと眺めてみると、うーんとうなりながら頭を抱えている美樹の姿があった。

 書き写せても、それ以上順調に筆が進んでいるかは別だ。まあ、この授業は難しいって評判だしな。


 真面目に解こうとしてるじゃん。

 一進一退、一喜一憂してるのが手に取れるようにウンウン唸ってる姿が面白くて暫く見ていた。


 やべえ、あっちに気を取られてて何も考えてなかった。こっちもやんないと。


さやか「……!」


 ――丁度そう思ったところで目が合って、隅に小さく何かを書きこんだと思ったら小さい飛行機にして投げつけてきた。


 『見てるんだったら助けてよ』……だそうだった。


貴方(折角だから一緒に考えてみるかな。それも良さそうだ)


 制限時間が終わるまで、一緒に挑戦してみることにした……。



――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 美樹たちは今日も弁当袋を持って教室を出る準備をしている。


貴方「美樹、結局あの問題理解できた?数学の」

さやか「当たんなかったし、当たっても答えは一応一緒に見たからラッキーだったけど」

貴方「ラッキーで済ませてちゃテストは駄目だろ?」

まどか「【貴方】くん、面倒見いいね。先生みたい」

さやか「ああ、うちの専属家庭教師だから」

ほむら「そ、そうなの……!?」

貴方「いやそんなんになった覚えねーよ!?」

ほむら「ま、また美樹さんの冗談を真に受けちゃった……?」

まどか「でもなんか、【貴方】くんって本当に先生向いてそう。成績もいいし」

さやか「それはわかるなー。数学もまた今度聞くわ!そんときに教えてよ」


 ……そう言われると悪い気はしなかった。

 ちなみになぜか、みんなと一緒に屋上に向かう暁美さんは少しほっとしたり複雑な顔をしたり、数学の時の美樹みたいに表情を変えていた。


――――
――――

放課後



 今日の授業を全て終えて下校の時間になると、俺と暁美さんは一緒に部室に向かっていた。


貴方「あれから暁美さんはどう?部活には顔出してる?」

ほむら「ええ。気が向いた時に。少しやらないといけないこともあるのでそっちも優先してて……」

ほむら「今日はどんな感じになるのかな?」

貴方「打ち上げだしお菓子とか用意してるんじゃない?あと来年の役員決めもするって言ってたけど」


 次の部長任されてるって話は暁美さんには言ってない。


 部室も今日だけはいつもとは違う雰囲気だ。

 まずはみんなで片づけをして机の上のスペースを空けておく。出しているものは一旦片づけて、必要なものは出す。

 ――カメラ。イベントごとならこれは必要だよな?


部長「みんな集まってるよな?お菓子いっぱい買ってきたから!紙コップとかも配って」


 買い出しに行ってた部長と先輩数人がお菓子とジュースの入った袋を持ってやってくると、そっちに注目する。

 文化祭の時ぶりに元からいた部員たちもモデルの子たちも揃っている。

 去年までだったら部長が変わるって時もこじんまりやってたよな。


部長「全員分いきわたってるな。よし、食うか!」

部長「この間の文化祭はみんなよくがんばった!今年こんなに盛り上がったのもみんなのおかげだ!カンパイ!」


 セッティングが終わると部長の軽い挨拶があって、今日からはこういうの俺がやるのかなんてことをしみじみ考えた。

 隣の暁美さんが紙コップを近づけてきてた。紙だから音は鳴らないが、こちらもそっと合わせる。


貴方「お疲れさん」

ほむら「ふふ、おつかれさま」



部長「そうそう、それから伝えてたと思うけど俺たち三年は今日で最後だ。次の役員も発表しないとな」

部長「次の部長は【貴方】だから何かあったら頼ってやれ!」

ほむら「え……!?」


 突然の発表に暁美さんは隣で驚いてた。そりゃそうだよな。


ほむら「驚いた……。前から決まってたの?」

貴方「ああ、実はどうかって言われてさ……」

部長「副部長は暁美さん。こっちもまとめる機会はそんなにないと思うけど頑張って」

貴方「えーっ」

ほむら「じ、じつはモデルの中から一人欲しいって言われて、特別なことはしなくていいからって言われたから……」

ほむら「部長が【貴方】君とは思わなかったけど……お手伝いくらいなら頑張るね」

貴方「そ、そっか。よろしく」


 今も副部長なんていたのかってくらいには表立ってはいない。けどこれも驚きだ。


ほむら「部長ももう元になっちゃうんだね……」

貴方「一年って早いな」

ほむら「私はまだ一年もいなかったから……せめて転入してからもっと早くに入っていればって思うけど」

ほむら「【貴方】くんとのことがなかったら興味すら持たなかったから、ありがとう。おかげで私も少し自分に自信を持てるようになれた」

貴方「ああ。あと一年も頑張ろうな」


 たしかに、暁美さんも最初の頃とは少し変わったよな。

 仲良くなったからって部分もあると思うし、自信をつけられたからって部分もあると思う。


 今までよりも部活にも顔出してみようかな? まあ、まずは目前に迫ったテストだけど……。



部長「――――お、いいのが用意してあるじゃねーか!さすが写真部だよな。全体で撮るぞ!」


 お菓子も食べ尽くして打ち上げも終わりが近づいてくると、出してあったカメラを指して部長が言った。

 その前にも打ち上げの様子は写している。


 今まで撮ってきた写真とは少し違うイベントの風景。思い出。


 それから三年生の先輩たちが一人一言ずつ別れの挨拶をするのを聞いて、打ち上げは終わった。

 ……今日で最後、か。それに自分たちももう最後の一年が近づいている。



 少ししんみりした気分で帰路についた。




【貴方】 21日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・弱いとこ見えた
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら

――――
22日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 昨日は部活のことで一区切りがついたって感じだ。

 どこの部活ももうそろそろ別れのシーズンなのかな?


 部活に関係ない教室の中はいつもどおり。とりあえず、テストは来週だ。学業での区切りはそこになるかな。



1みんなテスト対策してる?
2園芸部と手芸部はどんな感じか
3自由安価

 下2レス



貴方「鹿目さんって園芸部と手芸部入ってたよね?どんな感じ?」

まどか「え?どうって?」

貴方「そろそろお別れの時期かなって思ってさ。写真部がそうだったから」

まどか「あー……園芸部はお世話の当番があるからもう少しまだ先かも。先輩たちが抜けちゃったら少し大変になるね」

貴方「当番なんてあったのか」

さやか「帰りについてったことあるからあたしは知ってるよ。じゃないと誰も世話をしなくなっちゃうでしょ」

まどか「まあすぐ終わるくらいのことだから」

まどか「手芸部のほうは先輩が合同制作みたいの作ってたかな。わたしは参加してないや」

さやか「今の時期なんか採れるのある?」

まどか「今はないかな?春に向けていちごを育ててるよ。うちの庭だとにんじんが採れたって。今朝も食べたんだ」


 家でも園芸か。だから興味を持ったのかな。


ほむら「こっちは昨日打ち上げをやって、【貴方】くん部長になったんだよ」

貴方「しかも暁美さんは副部長」

まどか「え、すごいね二人とも!」

ほむら「か、鹿目さんもやってみたら合うんじゃかな?私がやれるなら鹿目さんのほうが多分……」

まどか「え!?そんなことないよ!わたしなんかじゃ人をまとめるなんて無理だし……今は他にやることもあるから」

ほむら「わ、私も無理だよ。名前だけ。でも【貴方】くんはまとめてくれると思う。だって――」


 ……暁美さんによる俺の自慢話がはじまって、ちょっと照れくさくなった。

 話聞いてると、鹿目さんもちょっと卑屈なとこあるよな。



さやか「前から思ってたけど、ほむらって……すっごく好意がわかりやすいよなぁ」




授業中
1真面目に取り組む
2話しかける(クラスメイト指定)
3他の人を眺める(クラスメイト指定)
4自由安価

 下2レス



 ――――授業開始のチャイムが鳴る。


 もちろん俺は今日も真面目に取り組むぞ。

 眠くなりそうな日本史の授業の中、ノートにペンを走らせる。サボる気まんまんな美樹を横目に見つつ。


貴方(流されちゃいけねえ……)


 この授業、やっぱり美樹以外も同じように集中してなさそうな人は多い。それも資料が公開されてから増したらしい。

 全然違う勉強してる人までいたりする。

 けど、後でこの授業を勉強しなおすことを考えたら今集中した方が絶対お得だろう。


 美樹にも教えてやらないといけないし。

 ……最近そんなふうに世話を焼こうとしてる自分に気づいた。



――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

昼休み



 今日は久しぶりに外に出てみた。

 階段を降りて、購買を少し覗いて、ついに校舎の外まで来てしまった。

 ついでに少し校舎の裏側に回って朝に鹿目さんから聞いた花壇と畑を見てみることにする。


 このあたりは普段通ることがない。体育の授業のマラソンの時くらいだ。ああ、そういえばもうそろそろ今年もやる頃かな。


 今日はよく晴れているけれどちょっと肌寒い。

 いつの季節もそうだが、暑くなる季節と寒くなる季節は特に昼時に校舎の外にいる人はほとんどいない。

 一応、テーブルとイスは用意されてたりするんだけど。


貴方(このあたりでいいか。たまには花でも見ながらってのも悪くないし)


 部活で写真を撮りに行ったりするだけあって、綺麗な花や自然の景色は好きだ。

 人のいないテーブルの一つに弁当と飲み物を置いてセットすると、外の通りのほうと視線が合った。


「……あ」


 ほぼ二人同時に、思わず声を出していた。結構前、一度しか会ってないけど顔は覚えてた。

 ――佐倉さんだ。あのとき美樹と一緒に遊んだ。今もたまに話題に出てくる。

 今日もこんな時間にもかかわらず私服で、片手に食べかけのパンを持っている。佐倉さんのほうはちょっとバツが悪そうに目を逸らしていた。

 会いたくないヤツに会った、みたいな。



1なんでこんなところにいるの?
2この前はどうも
3自由安価

 下2レス



貴方「久しぶり」

杏子「……ああ、久しぶりだな」

貴方「美樹はそっちではどう?」


 とりあえず挨拶だ。あと世間話でも。


杏子「あー……あいつは相変わらずバカやってるよ」

貴方「そ、そう?まあこっちでも似たような感じなのかな。いい意味でバカだよな」


 俺たちは相手のことをあまり知らない。とりあえずすごくボーリングが上手かったってことくらいしか。

 美樹という共通の友人の話が終わるとすぐに話は尽きてしまった。

 そもそもなんの友達なんだかもよくわからないしな……。


 そろそろ行くかな?と思った頃に佐倉さんが変わらずの素っ気ない調子で問いかけてきた。


杏子「お前さやかと仲いいの?」


 続いたと思った話もやっぱり美樹のことで。


1友達だよ
2最近よく遊んだりするよ
3クラスメイトだよ
4自由安価

 下2レス



貴方「友達だよ」

杏子「……そうか」


 あっさりと短く言葉を交わす。なんでもない会話だった。

 それから佐倉さんは通りの向こうへ行ってしまって、俺はまた一人になった。


 すっかり意識の外にいってた弁当に再び視線を戻し、昼食をとる。

 こうしてみるとやっぱりちょっと寂しいかなあ。寂しいやつって思われてたらどうしよう。でも、美樹のことは知ってるし。

 佐倉さん、別に今も美樹に会いに来たってわけじゃないよな?


 風に揺れる花壇の花を眺めながら昼食を終えた。



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1美樹を勉強に誘うか
2野良猫の居たところに行ってみようかな
3繁華街に寄り道
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

――――
放課後



 学校が終わると今日も放課後は美樹と勉強だ。そろそろ本当に試験の日が近づいてるし手は抜けない。

 この前が俺の家だったから、今日は美樹の家に来ていた。


さやか「んーだから、これが少しずつ――で、これがだんだん強く――だからそのまま組み合わせればいいんだよ」

貴方「ああ、そういうことか。もう少し覚えないとわかんないな……」

貴方「ところでなんでピアノが弱いなんだ?」

さやか「そんなのあたしに聞かれても知らないわよ」

さやか「で、ここでこっちに飛ぶ。フィーネのとこまででで終わり」


 今日は美樹が得意だと言ってた音楽も教えてもらってた。


 得意だってのは本当そうだ。ほとんど英単語覚えるのと変わらない気がするんだけど、どうして美樹はこっちだけはできるのだろうか。

 ……学習意欲の差か。俺も音楽の試験はそこまで重要視してなかったし、あんまり覚えてない。

 そもそも試験は筆記があるくせに授業は実技ばっかりってどうなんだ。積極的に対策するか元々詳しくないと良い点数なんて取れるわけない。


さやか「『月光』って身分違いのお嬢様に贈った曲だったらしいね」

貴方「へー。曲は授業で聴かされたの覚えてるよ。綺麗な曲だった」

さやか「けど身分違いの上に歳の差だから相当難易度高いよ?もちろん年下ね。なんで挑む勇気が出たのか不思議なくらい」

さやか「結局失恋して、しかも同時期に音楽家として致命的な聴覚障害まで患って、色々とボロボロになったんだって。そんで遺書まで書いてたり」


貴方「自殺しちゃったのか?」

さやか「ううん、障害と向き合って克服したんだってさ。音が聴こえなくても振動で感じ取れるように工夫したりして」

さやか「本当は遺書も死ぬためじゃなくて前の自分と決別するための決意表明。すごいよね」


 このあたりは歴史っぽい。


貴方「詳しいな。授業じゃそんなのやってないだろ?少なくとも俺は聞いた覚えねーわ」

さやか「うーん、ほとんどは恭介の薀蓄きいてたら覚えたやつ……」

貴方「ああ……そうか」

さやか「入院してた時ずっと話してたんだ。そうやって苦悩を乗り越えた音楽家がたくさんいるからって」

さやか「でも……実際に自分が直面したらなかなかそうはいかなかったみたい」

貴方「まあ治ったんだからよかったじゃないか」

さやか「……そうだけどね」


 美樹は少し何かを考えるような間を空けてから答えた。少し軽く言い過ぎたかな。

 もしも後遺症でも残ることになったらアイツは潰れていただろうか。それとも彼なりに向き合って乗り越えただろうか。

 それはクラスメイトで表面的な関わりしかない俺に推測することはできなかった。


さやか「ベートーベンの失恋エピソードはこれだけじゃないんだよ。恋多き人で、それも身分違いな上に歳の差ってのばっかり」

さやか「さっきの月光も40のおじさんが17の教え子に手ぇ出すんだから相当ヤバいって」

貴方「ベートーベンってロリコン?」

さやか「疑惑はあるよねー。『エリーゼのために』も同じような感じで玉砕してる曲でさ」


 少し暗くなった雰囲気を変えて、美樹はまた語り出す。

 音楽家の話ではあるけど、他人の恋愛玉砕エピソードという俗な話題を嬉々として話す美樹。


 元は上条から聞いたんだよな。

 あいつはどんな気持ちでそれを美樹に語ってたんだろ。

 なんにしても他人事ってのは気が楽だよな。それも絶対に自分たちとは関わることのない過去の偉人の話だから純粋に楽しめる。



さやか「――……って、話が大分逸れてるなあ。音楽の勉強してたんだよね、あたしたち」

貴方「でもこんなの聞いたら絶対忘れないよ」


 元は『月光』はベートーベン作曲ってだけの話だった。テストじゃ絶対にこんな突っ込んだ話まで出ない。

でも音楽に限った話じゃないが、テストのために表面だけ覚えて終わりって味気ないもんだよな。

 ……考えてみれば、俺が勉強出来るほうってのもそのくらいの知識しかない。


さやか「それもそうか」

貴方「一通り範囲は終わったかな。そろそろ他の勉強もやる?」

さやか「えーっ」

貴方「お返しだよ。俺は美樹みたいに面白い話なんて挟めないけど」




1美樹はなんか楽器やったりしないの?
2美樹は本当に音楽得意なんだな
3自由安価

 下2レス



貴方「美樹は本当に音楽得意だったんだな」

さやか「だから前からそう言ってたでしょ!疑ってたの?」

貴方「いや、そういう意味だけじゃなくてさ~……ちょっと感心したんだよ」

さやか「……まあ、音楽が好きなのは本当だよ」


 素直に褒めてやると美樹は照れくさそうにする。

 上条の影響は大きくても、音楽を好きなのはそれだけじゃないもんな。元から美樹自身の感性はあったんだろう。


 ――――それからまた少し他の教科を勉強して、そろそろ帰ったほうがいいかという頃になると美樹のお母さんが提案をしてきた。


「【貴方】くん!また来てくれてありがとね。それに、そっちでもお世話になったって。今日は夕飯作ろうか?」

貴方「あ、えっと……じゃあ良いならそうさせてもらおうかな」

さやか「お母さん今日なにー? 客が居るなら手抜かないでしょ?」

「いつも手なんか抜いてないわよ。そうねぇ、【貴方】くんは嫌いなものない?」

貴方「特にないです。なんでも」

さやか「ご飯できるまでゲームでもするか!今日ずっと勉強だったしなー」


 ……名前覚えられてた。ていうか美樹も俺のこと話とかしてたんだな。勉強見てくれてるって言ってるなら印象もいいはずだ。

 一度目に来た時は遠慮したけど、そのおかげもあってか今日は美樹の家で食卓を囲むことになった。



食事中の話題
1美樹、お母さんになんて話してるんだ?
2家だと美樹はどんな感じ?
3自由安価

 下2レス



 ――――食卓にはおいしそうな家庭料理が並ぶ。

 よそで食べる家庭料理というのは新鮮で、決して豪華なわけではないけど、美樹の日常を覗いた気持ちになる。


 それに、この前は見ることがなかった家族が揃っていた。

 俺たちがさっきゲームしてる間にお父さんも帰ってきて挨拶だけはした。兄弟はいないらしい。


貴方「美樹、お母さんになんて話してるんだ?」

さやか「最近よく勉強見てくれる友達だって言ったよ。あとイルカくれたって」

貴方「勉強教えてくれる頼れるカッコいい奴ってとこいっぱい話しといてくれよ」

「それに近い印象は抱いてるわよ?一人じゃ勉強なんてしないんだから」

さやか「でも今日はあたしも教えたんだから!」

貴方「たしかにあれは助かったよ。一緒に勉強するのはまあ自分の為にもなってるんで」

「さやか何を教えたの?」

さやか「音楽」

「たしかに昔から好きだったねえ……でもそれしか教えられないでしょ」


 勉強の話に学校の話。色んな事を話しながら食事を楽しんだ。

 帰り際にはお母さんまで玄関に見送りに来てくれた。


「これからもよろしくね。特に勉強見てやって」

さやか「もー、そんなに勉強勉強いわなくてもいいじゃん!」

貴方「テストももうすぐなんで勉強は力入れますよ。点数のことは任せてくれー、とは言えませんけど」

「そりゃ最終的にはさやか次第だからね」

さやか「わかってるよー。多分いつもよりは良くなると思うよ。勉強してるし」

「もちろん勉強以外でもね。仲良くしてくれてるみたいだし。じゃ、気を付けてね」



 美樹のお母さんからは随分と好意的に見られているようだ。

 まだ二回来ただけだけど、美樹の家にも少しだけ馴染めた感じがした。


 親御さんにまで任されてしまった。というか、すでにそこまで話が回ってたことに驚いた。


 ……これは頑張らないといけないな。



【貴方】 22日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・音楽好きなんだな↑
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら

――――
23日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 いつのまにかもう今週も半分まできている。

 テストは近づいてきているが、まだ今日はいつもの朝だ。あと、もう冬休みも近いっちゃ近いか。


1みんなテスト対策してる?
2昨日見た園芸部の花壇の話
3佐倉さんを昼に見かけた話
4自由安価

 下2レス



貴方「そういやみんな、テスト対策はしてる?」

まどか「実はわたしとほむらちゃんは一緒に勉強してるんだ」

ほむら「わからないところは鹿目さんに見てもらってなんとか……」

まどか「今はほむらちゃんのがわかるとこもあるでしょ?理解も早いしすごいよ」

さやか「えっ?いつのまに?聞いてないんだけど」

まどか「さやかちゃんは前に断わってたから」

さやか「ん~~、まあいいや。あたしは今度はちゃんと対策してるもんね」


 じゃあ、美樹がその時の気分で断らなければ今二人で勉強することもなかったわけだ。

 そう考えるとそれはそれで寂しいような気がしていた。なんだかんだ美樹とやるのは楽しかったから。


貴方「鹿目さんってぜんぜん勉強してないって言いながらちゃっかり点取るタイプっぽそう」

まどか「えっ、そんなことないと思うよ?夏休み前のテストなんてもうさんざんだったし!」

さやか「たしかにあの時はねぇー。珍しく赤点だったもんね?」

ほむら「みんな揃って、だったけどね……あれもいい思い出です」


 ……意外なことを知ることが出来た。褒められたことではないけどそれもなんだか楽しそうだ。

 でも、今回はそんなことにはならないようにしないとな?


 HRが始まる前に教科書の準備をして、授業を迎えた。


 ――――授業開始のチャイムが鳴る。

 五教科よりは少し優先度の下がる授業、体育だ。それも身体を動かすやつじゃなくて保体のほう。

 教科書を開いて席に座って授業を受けている。体育教師が電子ホワイトボードの前に立つ姿はあまり似合わない。



 授業開始早々、お調子者の奴が下ネタで囃し立てては教師に注意を受けていた。

 ……ああなっちゃいけないな。俺は一応冷静な紳士路線で通ってるつもりだし。

 対して女子は気まずそうな顔をしてたり。


 保体のテストで高得点を目指しづらいのはこういう事情もある。

 あからさまに興味のなさそうな態度をとって手を抜いている人もいるみたいだ。



授業中
1話しかける(クラスメイト指定)
2他の人を眺める(クラスメイト指定)
3自由安価

 下2レス



 美樹も暇そうに頬杖ついてた。こっそり話を振ってみる。


貴方「……美樹、起きてる?」

さやか「一応起きてる。てか話してていいの?体育も一応テストあるけど」

貴方「俺は五教科以外は教える気はないな。体育はみんなの前でやる実技のほうができればいいや」

さやか「ま、そうだね。実技はあたしも自信あるし。で、音楽は?」

貴方「音楽は美樹に教わるならやるよ。この前の話は結構面白かったから」


 昨日の美樹との勉強は思ってたよりも充実した時間になっていた。

 ただのテスト勉強とか点数が上がる以上のものをもらえたような。


貴方「それに、少し美樹のことがわかった気もしたんだよな」

さやか「なーにそれ?」

貴方「なんだろうな。言葉で全部は表せないけど、美樹が音楽を好きな気持ちとか」



 授業中だが、美樹と雑談をして過ごした。……けどさすがにずっとこれじゃまずいか。



貴方「……授業なんだし一応少しは聞いておいたほうがいいか。というわけだから寝るなよ。バカのことは気にするな」

さやか「やっぱり優等生じゃん。……まあでも【貴方】のほうが大人でちょっとだけ見直した」

貴方「いやアレと一緒にするなよ!」




*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 美樹たちに声をかけようとすると、その前に暁美さんが一人でこっちに来た。


ほむら「【貴方】くん、今日は、えっとその……また卵焼きを作ってきたんだけど、一緒に食べない?」

貴方「え?あ、ありがとう。でも前から言ってくれてるとよかったかな」

ほむら「ごめんなさい、忘れてて……前から言っておけばよかったよね……あ、でも、卵焼きだけだから……」


 ……周りからの視線が痛い。それは多分、羨むような視線だろう。


 こうして言ってくれるのはありがたい話なんだけど――。

 正直暁美さんの作る卵焼きってあまり好みではないんだよなあ。とはいっても無下にするのも悪いし。



1暁美さんと一緒に食べる
2他の人も一緒ならと言う
3断る
4自由安価

 下2レス



貴方「一緒に食べようか。美樹たちはまた屋上?」

ほむら「あ、うん。みんなはいつもどおり」


 ここだとまた囃し立てられたりしそうなので、二人で食べられそうなところを探しに出る。

 すると結局、前に一緒に食べた時と同じ場所に落ち着いた。


ほむら「あの、これ」

貴方「ありがとう、もらうよ」

ほむら「……どう?」


 小さな箱に入った卵焼きを食べてみると、やっぱり次に求められるのは感想だ。

 そういえば、前の時は他にも話があったんだっけ。感想を伝えるのははじめてな気がする。



1美味しいと言う
2自分の好みを伝えてみる?
3他の人に習ってみたらさらに上手くなるかもと提案
4卵焼き以外は挑戦してみないのか聞いてみる
5自由安価

 下2レス



貴方「うーん……文句つけるみたいで悪いけど、もう少し甘くない方が好みかな」

ほむら「甘くない……わかった、今度また作ってみる」

貴方「ああ、うん。ありがとう」


 暁美さんは少ししょんぼりとしてしまったが、好みを伝えてみた。

 ……次はどんなふうに変わってくるだろうか。



 今日は暁美さんと一緒に弁当を食べた。



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1美樹を勉強に誘うか
2野良猫の居たところに行ってみようかな
3繁華街に寄り道
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

――――
放課後



 学校が終わると、今日は俺んちの番。もちろん美樹と勉強だ。


貴方「――で、次はこことここの計算」

さやか「あれ、じゃあこう?」

貴方「違う違う、ここはこうだから――」


 みんな苦戦しがちな数学だが、美樹も例外なわけがなく苦手らしい。

 俺も得意なわけじゃないけれどなんとかついてきて教えられるように準備はしている。

 最近、理解したことをどうやって美樹に教えたらいいかを考えるようになってきていた。


貴方「……本当に将来は教師にでもなっちまおうかな」

さやか「お?家庭教師の【貴方】?」

貴方「家庭教師はしないけど。まずは塾の講師とかでも悪くはないかなあ」

貴方「今まで将来の夢とか本気で考えたことなかったからさ。美樹のおかげでなんか見えてきたかも」

さやか「そうなの?どんどんあたしに感謝したまえ!」

貴方「『将来の夢』とか教師は持たせたがるけど、所詮大きい事言ったって実現できるわけないし馬鹿馬鹿しいって思ってた」

さやか「スレてるー。不良だ」

貴方「今でも上辺だけ口だけで言ってるのは意味ないと思ってるよ。美樹は将来の夢とかあんの?」

さやか「あたしはそうだなあ、小さい頃はお花屋さん―だとかケーキ屋さん―だとか言ってた気がするけど」

さやか「たしかにコロコロ変わってたし意味ないかもね」


貴方「今は?」

さやか「正義のヒーローかな!」

貴方「……今の方が退化してね?」

さやか「甘い甘い、あたしの三番目だか四番目だかの夢と同じだから。日曜午前の」

貴方「魔法少女?なにやってたか覚えてないけど」

さやか「違う。ライダーのほう」

貴方「成長してないってことか……?」


 さすがに冗談とか笑い話のつもりで言ってるんだと思ってたけど、美樹は真面目に話をする。


さやか「正義のヒーローっていうか、人助けって意味じゃもっと広く捉えていいんじゃないかな」

さやか「たとえば大人でもボランティアとかやってる人はいるでしょ?」

貴方「ああ……そう言われればたしかにな。美樹はそれがやりたいの?大変そうだと思うけど」

さやか「大変だろうね。でも救われる人はいるよ」


 まあ確かに美樹は正義感はあるほうみたいだし、意外と悪い考えではないのかな?


貴方「……でもあんまり金は稼げなさそう」

さやか「それを言われたら痛すぎるよ!仕事はやっぱ真面目に探したほうがいい?それとも玉の輿にでも乗るか?」


 けどもう一つ現実的な視点をぶつけると、美樹はうろたえはじめた。

 ……真面目に考えてなかったのかよ?


貴方「とにかく、どんな夢でも勉強しなくていいことにはならないからな?」

さやか「むうう、わかってるよ!」


 少し雑談は挟んだものの問題の続きを解く。

 それからプリントにある問題を一通り終えてから一息ついた。


貴方「――――数学はこんなもんか。腹減ったー、なんかお菓子でも持ってくるよ」

さやか「マジ?なんか甘いのお願いねー!」


 なんか甘いやつ、あったかな。

 リビングにお菓子を取りにいくと犬がしっぽを振って来る。


貴方「悪いな、今はお前と遊ぶ時間は……」

さやか「このあと一緒に散歩にでもいく?」


 いつのまにか美樹もこっちに来てた。


貴方「それでもいいか。美樹がついてきてくれんなら」

さやか「この子にもおやつあげないの?」

貴方「あんまり甘やかすのは……と思ったけどたまにはいいか」

さやか「おー、よかったね!」


 ……なんかさっそく美樹になついてきてるな。

 甘やかしてくれる雰囲気でも感じ取ってるんだろうか。


さやか「人懐っこいねー」

貴方「美樹が好かれやすいのかもな」

さやか「えっそれは嬉しい!」



1将来の話再び
2犬派か猫派か
3自由安価

 下2レス



貴方「……なんだかんだ、『正義の味方』ってのも美樹に合ってるのかもな」


 美樹を眺めてると、さっきも思ったことがまた頭に浮かんだ。

 そのくらいざっくりとした夢なのも含めて。


さやか「ふふ、あたしってそう思われてるんだ?」

貴方「まあ悪い奴だとは思わないし」

さやか「良い奴って言ってよ」

貴方「良い奴かもな」

さやか「やったー」

貴方「そもそも、小さいことでも人を救うことを迷わずしようと思える奴が少ないんだよ」


 この前の道に迷ったお婆さんを助けた話にしても、今日の話にしても、素直にそう思った。


さやか「途中でくじけそうになったりしても?」

貴方「ああ、途中まで出来てたんなら美樹ならまたやり直すんじゃね?」

さやか「あはは、そのとおり!」



 ――――しばらくリビングでお菓子を食べて過ごすと、それから家を出た。

 見送りもついでだ。最後には美樹の家の近くまで行こう。


 空はまだオレンジ色が見えている頃だ。


さやか「おお、綺麗な夕焼けだ!」

貴方「最近日が沈むのも早いし、外に出る頃には暗かったからな」

さやか「あんまり暗くなるとこの子も寒いかな?」

貴方「いくら毛におおわれてても寒いかもな」


 家の近くの公園に立ち寄ると見事な景色が見えた。

 カメラがあったら写したかったが、レンズ越しでなく肉眼で見るのもまた良しだ。

 なんといっても夕焼けの時間は短い。


 そろそろ公園にも子供の姿が少なくなり、閑静な雰囲気に包まれている。

 まあ犬と遊ぶには丁度いいかな。持ってきたおもちゃを取り出す。


貴方「……この夕焼けが沈んだら帰ろうか」

さやか「それって結構短いよね?」

貴方「だからいいんだよ。あと遅くなると心配するだろ。俺は顔も覚えられてるんだから」

さやか「何かあったら【貴方】の責任ってことになるねぇ」

貴方「怖いこと言うなよ!……まあ、ちゃんと家までは送ってってやるし」

さやか「ねえ、明日もやるでしょ?勉強会」



1やるか
2また音楽教えてくれ
3明日は別の事をしたい
4自由安価

 下2レス



貴方「また音楽教えてくれ」

さやか「オッケー、音楽なら引き受けた!」

貴方「……まあ、テストまでは勉強しないとだよな」

さやか「来週ねぇ。今週は週末も落着けないわね。まああたしはほっとくと遊んでそうだけど……」

貴方「週末も一緒に勉強するか?」

さやか「えー、折角の休みも勉強なわけー?」

貴方「美樹が言い出したんだろ?休みも遊んでられないって」

さやか「それはわかってるんだけどさ」

さやか「……まあ、あたしも勉強自体は嫌いだけど【貴方】とやる勉強会は嫌いじゃないよ」

貴方「俺もだ。前にも言った気がするけど、勉強自体は別に好きじゃない」

さやか「やっぱ教師向いてるんだって!あたしにも教えられるんだから」

貴方「美樹は問題児だからな」

さやか「うわー、そう言われると腹立つー!」



 ――美樹と話しながら犬と遊んでると夕焼けが沈むのもあっという間だった。

 自分から言っといてなんだけど、やっぱちょっと名残惜しいよな。




【貴方】 23日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・正義の味方↑
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら

――――
24日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ!」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 何か話してたみたいだ。


まどか「今日機嫌いいよね、さやかちゃん。なにかあった?」

さやか「え、そう?」

ほむら「いつもよりどこか楽しそうにしている気がします」


 俺は今きたばかりだから見てないが、付き合いの長い鹿目さんだけじゃなく暁美さんまで言ってるんだから本当なんだろう。



1何かあった?
2勉強が楽しみとか?
3自由安価

 下2レス


貴方「何かあった?」

さやか「いや~、特に何もないけど?」

貴方「俺はともかくとして、鹿目さんと暁美さんが言ってるくらいだし」

さやか「別になんもないって」

まどか「でも最近は【貴方】くんもわたしたちと負けず劣らず一緒にいそうだよね」

貴方「さすがに付き合いの長さでは負けるよ」

まどか「でも一緒に勉強会やってたりするんでしょ?」

貴方「それはそうだけど……」


 言われてみれば、確かに最近一緒に居ることは多いかな?

 それに、美樹についてわかったこともいくらかある。


 ……結局、何があったのかは聞いてもはぐらかされてしまった。


貴方「……まあ、俺には勉強会の時間もあるしな」

さやか「えー、そんなこと尋問すんのやめてよ?ていうかそんなに楽しそうに見えてる?」

貴方「尋問はしないけど……」

まどか「別に何もないならそれでいいんだけど……自分でも気づいてないだけだったりして」

さやか「まさかぁー」



 ――それからHRが終わると授業の準備をする。

 もうそろそろほとんどテスト前最後の授業とかで、これまでの復習も多くなっていた。

 勉強会の甲斐もあって、古典の授業で美樹が当てられた時もさすがに前みたいにおかしいことは答えなくなってた。



*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス

――――
昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 ……今日は久しぶりに購買に飯買いに行くか。


ほむら「【貴方】くん……今日は購買なの?」


 購買に行くと、今日も暁美さんとばったり会う。


貴方「ああ、うん。今日は弁当ないから。出来合いのものもたまにはいいよね」

ほむら「作ってくるの、こんな日だったらよかったのにね……タイミング悪かったね」

ほむら「卵焼き、まだあまりコツを掴めてないけど……」

貴方「い、いやあ仕方ないよ!言ってないんだし」

ほむら「じゃあ、あ、明日!……――は、どうかな…………?」


 明日――か。どうしよう?


1それでいいよ
2無理しないでいいよ
3ごめん、他に食べたい人が……
4自由安価

 下2レス



貴方「それでいいよ。二日も弁当休めるなら多分喜ぶよ」

ほむら「うん!頑張ってみる……!」


 暁美さんは張り切った様子だ。

 ……張り切りすぎて失敗しないといいけど。


 今日のところはお互い適当なものを買っていった。



――――
――――
放課後



 学校が終わると、昨日言った通り今日も勉強会をしていた。

 美樹の部屋。美樹による音楽の授業。


貴方「美樹も先生向いてたりして」

さやか「音楽の?ピアノとか弾けないから無理ー」

貴方「あー、それも必要か。……考えてみると楽譜の記号とか一応わかるのにもったいないな」

さやか「テスト用に覚える知識なんてどれもそんなもんでしょ?将来使わない、もったいないもんばっかり」

貴方「確かにそうだな。じゃあこの人は?なんか面白い話ないの?」

さやか「モーツァルト?これに限らずだけど音楽家って基本的に奇人変人多いらしいよ。たとえばこの人は大の猫好きでよくニャーニャー言ってたとか――」


 音楽の教科書には作曲家名だけが書かれている。それを指して言うと美樹は無茶ぶりなのにすらすらと答えてくれた。

 リコーダーでやった曲だ。教科書に載るくらいの有名な音楽家なら大体エピソードも持ってるってことか。

 どうせ将来使わない、からこそ面白い話とセットにするととても覚えやすい。

 ……そんなことも美樹と一緒に勉強会なんてやらなきゃ気づけなかったんだよな。


貴方「――――これで今回のテスト範囲は一通りできたかな?この前の復習も終わったし。今回はいい点取れそうな気がするよ」

さやか「当然よ、あたしが教えたんだから!」

貴方「他の教科もやるか。俺が教えてる他の教科も当然いい点取ってくれよ?」

さやか「~~多分いつもよりはいい点取るわよ」



 音楽のテスト範囲はそこまで広くない。満点取ったこともあるらしい美樹とこれだけ勉強すれば、本当に満点取れるかもしれない。

 それから一緒に今日配られたテスト対策用のプリントを見て古典の復習をして、今日の勉強に区切りをつける。

 前に比べれば美樹も理解してくれている。


さやか「とりあえずこれ覚えとけばいいっていうのも楽なもんだよね。問題は簡単に覚えられないとこだけど」

貴方「ヤマ張ったりする必要ないのは助かるな……」

さやか「よーし、あたしも出来る気がしてきたぞ!テストなんかこわくなーい!」

貴方「そうだそうだ、怖くない!」

*「頼もしいね。【貴方】くん、今日はご飯は?」


 ……そんなことを言ってたところでちょうどお母さんが尋ねてきた。

 ちょっと恥ずかしくなった。


貴方「えっと、この前と続けてで悪くないですか?」

*「今はテスト前で張り切ってるんでしょ? もちろんその後も歓迎するけどね」


 親御さんからも期待大らしい。

 ……お母さんが夕食の準備に向かって行って部屋に残された俺たちは、さっきのデカイ態度とはよそにやっぱり緊張感を感じていた。


貴方「……こりゃ半端な点はとれないな」

さやか「うわー、なんかプレッシャーが増えた感じ……」



 そういえば朝は美樹が楽しそうだとか良い事あったとかそんな話題があったけど、俺は特に変化に気付けなかった。

 これだけ時間が経てば朝とは気分が変わることはあるけど――。


 ……変化がないというか、良い意味でいつも通りに見えていた。




【貴方】 24日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・正義の味方↑
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら

――――
25日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 今日が終わると休みを挟んでテスト期間に入る。

 正真正銘テスト前最後の授業だ。……だからって、特に教室の雰囲気は変わらなかった。


 自習しとこうか? そう思って一人早めに教科書を出して見ていると話しかけられた。


まどか「勉強してるんだ。すごい。テストもすぐだもんね」

貴方「あぁ、まあ」

まどか「あ、ごめんね。勉強の邪魔しちゃ悪いよね」

さやか「今回のテストは本気だからねー。別になにも懸ってないのに」

ほむら「……私たちも勉強する?」

まどか「そうだね。そうしよっか」

さやか「そ、それならあたしもやるわよ」


 どうやらみんな勉強を始めるらしい。

 一人でやってたことだったのがここだけで広がったようだ。


 しかしそんな真面目な空気も、今日はHRから続けて授業を受け持つのが早乙女先生だ。

 HR中が始まると、今日は授業を待たずしてちょっと違うことに頭を巡らせることになる。



「おはようございます、みなさん。あら、今日は朝から自習している生徒がいくらかいて素晴らしいですね」

「勉強に積極的なのは良いことです。――ところで、恋愛においても積極性は大事。しかし駆け引きというものも大事!」

「告白するのとされるの、どちらが良いと思いますか? 【貴方】くん!」


 最早なんにも関係ないだろ……!



1告白するほう
2告白されるほう
3関係ないですよね?
4自由安価

 下2レス



貴方「されるほうがいい……かな」

「あら、告白されるまで待つ自信があるのですね?」

貴方「いやどっちも経験ないっすけど!断られるのやだなー……って」

「それはそうと、月曜からはテスト期間に入りますね。みなさんも彼・彼女らを見習ってたくさん勉強するように!」

「……ま、とはいっても根は詰めすぎないでくださいね。恋愛を楽しむ余裕があるくらいにはほどほどに」

「問題の答えを解くよりも相手の気持ちに気づくことが大事なことも人生にはあるのです」


 先生の言葉は――深い、のか?

 一応人生経験と恋愛経験だけはある先生だ。あまり満足に実ったことはないらしいが。


「かといってテストで赤点を取るのは許しませんよ?では、授業がはじまったらまた戻ってきます」


 ……早乙女先生はそう残して一旦去って行った。



――――
――――
昼休み



 今日は暁美さんが作ってきてくれるという日だ。


ほむら「【貴方】くん、いつものところに行く?」

貴方「そうだね。行こうか」


 二人で教室を出て場所を移す。

 この前みたいな小さい箱じゃなくて、暁美さんは今日は弁当箱を2つ分持ってきてくれていた。


ほむら「ほとんどは冷食だけど、卵焼きとウインナーは焼いてみたの」

貴方「ピーマンも入れて炒め物にしてあるのか」


 簡単だけど、出来合いばかりでなくひと手間入ってるものがあるとやっぱり好感が持てる。

 立派な料理じゃないか。


貴方「いただきます!」


 手を合わせておかずを口に運ぶ。


ほむら「卵焼きも前とは変えてみたんだけど、ど、どうかな?好みに合うようになったらなら嬉しいけど」

ほむら「やっぱり男の子には甘くないほうが食べやすいのかなと思って……」

貴方「……」


 ……今日のは卵焼きもウインナーも全体的に味が濃いような、かといって何かが足りないような感じがした。

 最初はああ思ったものの、出来合いは味が出来てるから何もしなくとも万人に受ける味はしているんだよな。


 なんて伝えよう。



1…折角作ってくれたんだし美味しいと言おう
2こうなったら徹底的に改善をはかるぞ!
3自由安価

 下2レス


貴方「あ、ありがとう。美味しいよ」

ほむら「本当!?」

貴方「ああ、うん…………たた、塩味をもう少し減らしたらもっと良くなるかもとは思ったかな?」

ほむら「そ、そっか。入れすぎは身体に悪いものね」


 折角作ってくれたんだし、美味しいとは言いつつ角が立たないようにやんわりと伝えてみた。

 その気になってくれたらいいけれど、また暴走起こさなければいいな……。

 塩味の効きすぎたおかずをお茶で薄めて流し込む。


貴方「ちょっと水筒なくなっちゃったから飲み物買ってくるよ!すぐ戻るから!」

ほむら「あ、うん。いってらっしゃい」



 まあ、たまにはこんな昼も悪くないのかな?

 ……暁美さんと一緒に昼を過ごした。

――――
放課後



 今日の授業はほとんどがテスト対策用のもので、新しい範囲はほとんど追加されなかった。

 もしくは、今日新しい範囲をやっても今回のテスト範囲には含まれなかったり。


 ――――そんなわけで授業中にもいくらか復習をする余裕はあったわけで、今は美樹と各教科の範囲をざっくりと振り返っていたところだった。

 今日はあんまり俺が美樹に教えるというより、二人で復習してるって感じだ。

 美樹も大分理解してきたようだし、俺が教えられるところももう少なくなってきてるのかもしれない。


 ……いや、もうテストも近いんだしそうでなきゃ困るんだよな。

 だけど、少しだけ寂しく思った。


さやか「もうこうやって放課後家行って勉強ってのもしばらくお休みなんだね」

貴方「またテストの前はやるか?」

さやか「じゃあお願いする。なんだかんだ【貴方】が居てくれると心強いわ」


 このところ毎日どっちかの家に行ってた。

 それがなくなると思うとちょっと名残惜しさはあるんだよな。この勉強会で距離が縮まったところもあると思う。


貴方「別にまた勉強じゃなくても一緒に遊べばいいじゃないか」

さやか「それならイルカ二個目お願いするかな!」

貴方「あれはマジで大変だったんだぞ。二個目は相当な奇跡がないと無理」

さやか「んー、あれなかなかできなかったよね。……じゃあ!気晴らしにでっかいパフェでも食べるのはどう?」

貴方「えー、パフェ……?」

さやか「何?恥ずかしいの?そんなファンシーなもん食べねえ!って? それじゃあねえ、うーん……」


 もっと小さい頃なら気にせず喜んだけどカフェでパフェってのもなんか恥ずかしいんだよな。

 ……どうせ誰も見てないのかもしれないけど、周りの目とか気にしちゃって。



1……パフェ食べるか
2ケーキでも買ってくる?
3イルカ挑戦してやるよ
4自由安価

 下2レス



 けど、折角だもんな。


貴方「……パフェ食べるか」

さやか「え!なんだー、そういうの好きならそうと言えばいいのに」

貴方「でっかいパフェ、気にならないこともないもんな。一人だと無理だけど美樹もいるんだし」

さやか「あたしも一人はムリかな。じゃー決まりだね!テストの後の楽しみ!」

貴方「ひとまず今はテストに集中するか。それに明日も勉強はするだろ?」



 ……パフェとか食べるの何年ぶりだろ。別にそういうのは嫌いなわけじゃない。



――――



五週 25日目終了


[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・正義の味方
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら



[好感度] to貴方
暁美ほむら★★★▽>美樹さやか★★>鹿目まどか>佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。



▼[さやかルート]に入りました。なにもしなくても好感度の上がるイベントが進みます。
 個別ENDの準備はできてます。ゴールインするかは安価次第。

――――
五週目 週末



 ――――最後の勉強会。

 テスト前の休日、二日連続だが今日は朝から美樹が俺んちに来ていた。

 美樹が犬に会いたいと言ったからだ。ペット禁止のマンションじゃ連れてくこともできない。


 といってももちろん本題は今日も勉強。

 それもこの休日で悔いがないくらいにしておかないといけないんだから、なんだかんだいつのまにか遊んでた前までに増して本当に余裕はなかった。

 遊びはこれが終わった後までお預けだった。……さすがに互いにそれはわかってるから、美樹も今日は少し真剣な様子で。


さやか「ねえ【貴方】。これってどういうことだったっけ?」

貴方「ああ、これは――」


 前よりは少なくなったが、今も美樹のほうからちょこちょこと聞いてくることがある。


 さすがに一日勉強に費やすまではしなくていいはず。勉強は先に終わらせて、さっさと遊びに行きたいところだ。

 この前は夕方になってしまったが、今日は明るいうちに外に出たい。


さやか「……んー?」

貴方「どうした? 着信?」

さやか「うん、まどかからたまにはこっちの勉強会来ないかって。でもこの後わんちゃんとも遊びたいしなあ……」

さやか「あ!まどかの家なら犬連れてってもオーケーか?」

貴方「ああ、たまにはそれでもいいと思うけど」


 鹿目さんちに犬と一緒にお邪魔することになるかも?

 ……という話だったが、美樹がスマホを操作してから少ししてまた短い着信の音が鳴る。


さやか「……あー、犬は連れてけないって。じゃあ今日はいいや。まどかとは勉強じゃなくて普通に遊びで会えばいいし」

貴方「鹿目さんと暁美さんの勉強会も気になるけどね」

さやか「そう? あっちねぇ、あっちはどんな感じでやってるんだろうね」


 少しの間雑談していたがまた勉強に戻る。

 ――――それから昼時になると、一旦切り上げて食事をすることにした。


貴方「そろそろなんか食べるか」


 この前のお返しにうちで食べてもらおう。思い立って台所を漁ってみる。

 ……レトルトならあった。お返しと言うには簡素なものだけど。


さやか「……え、まさかいつもそんな感じ?」

貴方「まさか。今日は親が家にいないから」

さやか「だよね。ほむらじゃあるまいし……あ、ここで料理上手なさやかちゃんが何か一品つけたしてやろうか?何食べたい?難しいのは無理だけど」

貴方「暁美さんも今はもう少し改善してるんじゃないかなぁ……最近料理には目覚めたみたいだし」


 そう思ったが、昼に作ってきてくれる弁当を思い出すとまだ道は長い気がした。

 美樹は本当に料理上手なんだろうか。



1卵焼き
2みそ汁
3サラダ
4自由安価

 下2レス



貴方「じゃあ、野菜炒めって出来るか?」

さやか「了解、任せなさーい!」


 美樹が台所に立つ。

 家庭科の授業でもやった覚えがあるレシピだ。当たりはずれの少ない、シンプルな料理だ。

 ……けど、まずはそういうのが美味しく作れるって印象上がるな。


 暫くすると、食欲をそそる油のはじける音とともに良い匂いがしはじめる。


貴方「へえ、うまく出来てるじゃん。ありがとう、食事が立派になった」

さやか「でしょ?」


 味もなかなかだ。レトルト食品だけだと物足りない気がするが、一品足しただけでも満足感も増す。栄養的にも良くなってるだろう。

 今日はこっちで出すつもりだったけど、この前に続いて料理を振舞ってもらうことになってしまったな。

 しかし、美樹の作った料理を食べるとは思ってなかった。


 食後には犬にも餌をあげて、その姿を二人で眺める。――美樹へのお返しはこっちのが喜びそうだ。お返しするのは俺じゃないけど。


貴方「勉強もしたし、そろそろ散歩行く?」

さやか「よし、待ってた!」



 荷物をそろえて家を出る。考えていたとおりまだ日の明るい時間だ。

 この前みたいに遊べる広場や公園があればいいが、休日のこの時間はどこも子供たちがたくさんいる。


さやか「……公園はどこも空いてないね」

貴方「まあ仕方ない。歩くだけでも気晴らしになるよ」

さやか「そう思うしかないか。この前みたいに遊ぶのも楽しかったけど」


 それに今日はよく晴れていて散歩日和だ。

 歩いている途中、スマホの着信音がする。美樹がポケットから取り出す。俺のではなかったらしい。


さやか「――ん?はい?」


 微妙な顔して立ち止まった美樹を覗きこむと、画面を見せてくる。

 綺麗にデコレーションされたケーキの写真だ。


さやか「あっちイイもん食べてるってまどかから自慢送られてきたー!」

貴方「見事なケーキだな」

さやか「先輩が作ったんだって。犬連れてけないってそういうことかよ!……まあいいもんね、あたしたちにはパフェがあるし!」

さやか「それにこうしてわんちゃんと散歩できてるんだから」


 自分のことを言われたということをわかったらしい犬が小さくワンと返事をした。

 …………そうしてテスト前の休日一日目は、勉強を早めに済ませ、町内を一周して散歩を楽しんだ。



― 五週目休日 終了 ―

――――
26日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ!」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 ――休日は一日目と二日目で教科を分けて美樹とともにテスト対策をした。

 今までの勉強と二日間で十分に勉強できた……と思う。


まどか「今日はついに試験だね」

さやか「言われなくても嫌なほどわかってるってば。そっちも勉強してたんでしょ?……イイもんも食べて」



 ……ああ言ってたけど根に持ってるなあ。



1向こうの勉強会の様子を聞く
2こっちの勉強会の様子を話す
3自由安価

 下2レス



貴方「そっちってどんな感じだったの?」

まどか「先輩が勉強を教えてくれて。ひさしぶりにケーキもごちそうになったんだ。お昼はペスカトーレ」

さやか「うわっ、なにそれうまそう。もう自慢なんか聞きたくなーい」

貴方「美樹の野菜炒めだって悪くなかったけどな?」


 そう言うと美樹はなんか驚いた顔だ。


さやか「いや!どう考えたって別次元でしょ。あたしのなんかと比べるまでもない……」

貴方「そうかな」

まどか「そっちはさやかちゃんがお料理したんだ?」

貴方「一品足してくれるって言って。美樹はこう言ってるけど助かったしうまかったから俺は満足してるよ」

貴方「自分で料理上手、なんて言ってたんだから今更気を小さくするなよな」

ほむら「へえ、すごい……」


 少し照れたように笑う美樹。これで少しは根に持たなくなっただろうか。

 ……雑談もそこそこに少しテスト前に暗記系のものをざっと目を通しておこうかと思ったが、その前にふと気づく。


貴方「……てか先輩って、三年も今日テストじゃね?」

まどか「まあそうなんだけど……」

ほむら「どうしてるんだろうね?私達のせいで時間なくしてたら悪いなあ」


 気になったが、そっちを気にしててもしょうがない。

 今はテストに向けて集中することにした……。


――――
――――

----------------------
今回はここまで

魔法少女がない世界のギャルゲss…前に見たことあるやつだと一人目杏子攻略したのち失踪してたなあ。続き気になってただけに残念だった。
『家族が存命な杏子』って何気に一度も書いたことがないのね…。

それは>>1さんが無意識的にいつもの杏子とは別人になってしまうと思っているのでは?>『家族が存命な杏子』を書かない理由

>>621
『無意識』ではなく、性格や振る舞いを変えるほどの経験がないため別物にはなりますね。(無論どちらもアリ)
時系列によってはアリだったんだけども一度も安価で選ばれたことがないのがオール安価~からこのシリーズで書いてない理由です。

世界線というかスレる前の過去と同じなはずです。スレた後の杏子もその過去を含んではいるのです。
性格自体は原作でも出てないことはないし、スレてる状態とは別の角度でキャラも立ってるほうだと思います。
ちなみに『経験的に別物』で言うと、スレた後とその後マミやさやかと和解した後でも別物ではあります。




 ――――初日の滑り出しは概ね順調。

 全教科いつもより迷うことなくスムーズに答えを出せる問題が多かった感触だ。


 帰ったら美樹と問題の答えについて語り合ったり、また明日に向けて勉強したり。


 あっという間に週の半分は過ぎて――。




貴方「――――ついに終わった~~……!」

さやか「長かったー!テストが終わった日に次のテストのこと考える日々も終わったんだあ~!」


 一日の授業が終わる鐘が鳴って自由の身になると開放感が凄まじかった。


まどか「お疲れ様。さやかちゃんはいつもよりできた?」

さやか「おうよ!そりゃいつもよりはね」

貴方「あんだけ勉強したんだもんなあ。鹿目さんと暁美さんは?」

まどか「わたしもこの前よりはいいかな」

ほむら「わ、私もこの前よりは……」

さやか「この前ってみんな最悪だった時じゃん!」


 放課後みんなでテストのことを話して、少しするとみんな帰宅かどこかへいく雰囲気になる。

 鹿目さんと暁美さんが帰ったあと、美樹と二人で残った。


さやか「この後はやっぱり、疲れた脳みそに甘いもの!」


 これからはちいさな祝勝会だ。



 学校を出るといつもの駅前のほうに歩いていく。

 美樹に案内されて入ったのは、繁華街の中の落ち着いた雰囲気のカフェだった。


貴方「美樹は来たことあんの?」

さやか「うん、あたしも人から教えてもらってさ。いい場所でしょ」


 内装もお洒落だし、疎らにいる客も見たところ男女比に大した偏りはないから居心地は良さそうだ。

 美樹が言ってた『ジャンボパフェ』を頼むと、期待を裏切らないメニューが出てくる。


貴方「おお、これが……」

さやか「でっかいパフェきたー!」


 大きな器の上で目を引くプリンとアイスとクッキー、更に生クリームがたっぷりとのった姿は圧巻だ。

 一人でこれを食べる贅沢。……ちょっと量が多い気もするけど。


さやか「夕飯食べられるかなぁ」

貴方「少な目でいいかもな」

さやか「てか、今日の物理の問題?あれ焦ったわ。問題集と同じと見せかけて違うんだもん」

貴方「いやぁいつもそんなもんじゃね?けどあれ難しかったなぁ」


 パフェをスプーンですくっていく。 

 テスト期間中の昨日までと同じような会話。……それから美樹はちょっと改まって話し始める。


さやか「まあ、あれだね。思いつきで言ったのがきっかけだったけど、助かったよ。わかるとこ増えたし」

さやか「それに勉強以外でも【貴方】と話して得たものはあるからさ」


 得たもの――か。

 勉強会がメインだったが、今までそれだけやってたわけじゃないもんな。



1俺もそうだよ
2この時間もそうだよな
3イルカのこと?
4自由安価

 下2レス


貴方「この時間もそうだよな」

さやか「そうだね。テストの後にこうやって一緒にパフェ食べることなんてなかったよね」

貴方「ああ。とくに俺はな」


 俺が美樹からもらったもの――――将来の夢のこともそうだ。

 そして、この時間が今まで得たものの結果だった。もちろんこの場で終わってしまうようなものでもないけれど。


貴方「まあ、美樹のことも色々知ることが出来たし」

さやか「それはお互いだね」

さやか「【貴方】って人のこと基本的に否定はしてないでしょ?それに人を認めるのが得意だと思う」

さやか「……だからあたしもちょっと嬉しかったんだ」

貴方「美樹も素直な奴なんだな」

貴方「そんな長所自分じゃ気づかなかったよ。これから長所とか聞かれたらそう答えることにするわ」



 美樹とは急激に近づいたって気がする。



1勇気を出して…・・・個別END
2いい友達になれたよな・・・このままで続行
3自由安価

 下4レス中多数決 ※END後も直前に戻ることは可能です

このスレもオール安価スレと同じく連取りは1票とみなすけど、さすがにID的には連度りとは判定できない…
ちなみに1と2の一番の違いは主人公側のさやかへの気持ち。2だと現時点で恋愛感情はないってことになります。
ただし、どっちにしても☆攻略済み☆なので、今後自由安価で告白すれば失敗することはないです。その場合も個別END後直前に戻れます。
逆に、個別エンド行の選択肢が出ていない時に自由安価で告白しても確定でフラれてしまいますのでご注意を。
------------------------------------------------------------------------------------------

貴方「あのさ、俺たちって……」

さやか「ん?」

貴方「いい友達になれたよな」


 なによりうれしいのは、深く信頼し合える友人が増えたことだ。それが一番の得たものだったと思う。

 そうしみじみと考えていると、美樹は少しだけ口ごもったあと――


さやか「――……そうだね。あたしもそう思う!」


 いつも通りに笑って、そう言ってくれたのだった。


さやか「んー、あたしってなんでこう見込みのなさそうな人ばっかり好きになっちゃうんだろうなぁ……」

貴方「? 何だ、また好きな人でもできたのか?せっかくだし相談に乗ってもいいけど?」

さやか「べ、別にそれは相談に乗ってくれなくていいよ!」


 そう強く否定されるとちょっと落ち込む。

 俺ってそんなにそういう話で頼りないっていうか、モテなさそうに見えてるのかな?

 ……まぁ、話したくないなら無理に問いたださなくてもいいか。


貴方「それにしてもこれうまいな」

さやか「うん。来てよかったよね」



 雑談しつつ、ゆっくりと大きなパフェを味わった。



【貴方】 26日目終了


[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・親友↑
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら
美樹さやか



[好感度] to貴方
暁美ほむら★★★▽=美樹さやか★★★>鹿目まどか>佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

こちらからじゃ見分けがつかない以上それを言い出したらキリがないっす…
何より事前にルールを明文化しないと疑わしいだけで罰するのはこちらがルール違反になってしまいます(あまりに取り返しつかない内容なら無効にすることはありますが)
対策するとしたら多数決系は深夜のみ1レス毎の間隔制限つけて1つ上から何時間以内のレスは無効にするとか?


――――
――――

――――
29日目 教室


 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ!」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」



 テスト期間が明けるともう週半ばとはいっても、特殊な時間も終わって日常が戻ってくるとなると『まだ週半ば』って感じだ。

 しかし、もっと大きな区切りも近づいていた。


さやか「もう来週で学校も終わりか」

貴方「そうだな」

まどか「楽しみだね、冬休み」

ほむら「【貴方】くんは予定とかあるの?」

貴方「これから決めるけど……」



1スキーに行きたい
2遊園地に行きたい
3家でこたつみかん
4自由安価

 下2レス



貴方「スキーとか行ってみたいかな」

ほむら「【貴方】くんは運動神経もいいものね。私はやったことないし、すぐに転んじゃいそう……」

貴方「誰かと一緒なら最初は支えてもらえばいいじゃないか。いつか滑れるようになるよ」

まどか「【貴方】くんはアウトドア派?」

貴方「家でゆっくりするのもいいけど、せっかくの長い休みならどこか行きたいかなあ」



 ……今のうちから冬休みのことを考えてみた。

 ぼーっとしてると、長いようですぐに終わっちゃうもんな。


 ――――HRが終わると、授業開始のチャイムが鳴る。

 いつも難しくて嫌われがちな数学の授業だが、テスト明け一発目は新しいことはやらない。

 テスト返しと答え合わせで終わりそうだ。



授業中
1話しかける(クラスメイト指定)
2自由安価

 下2レス



貴方「美樹、結果はどうだった?」

さやか「普段よりは大分いいよ。赤点は難なく回避できたし」

貴方「こっちもだよ」

さやか「……ってか、上位3位に【貴方】書かれてんじゃん」

貴方「え、本当だ」


 美樹に言われてホワイトボードを見ると自分でも驚く。

 普段こんなふうに名前が出ることってあったかな。さすがにまだ上には上がいるけど。


さやか「でもまた仁美が一位かー。まああたしたちとは土台が違うっていうか」

さやか「あ、【貴方】はあたしと一緒にはされたくないか!」

貴方「美樹も赤点難なく回避ってことは悪くはなかったんだろ?」

さやか「まあ平均点くらい?数学でこんなに取れたことなかったわ。ありがとうね」



 あの勉強会の成果は出たらしい。それがわかれば教えた甲斐があるというものだ。

 残りの時間はテストの振り返りに集中することにした。



*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちと雑談
2(クラスメイト指定)を誘ってみる
3購買に飯買いに行かなきゃ
4教室の外へ
5自由安価

 下2レス

――――
昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 美樹たちももう行ってしまったし今日はどうしようかな。


貴方(……外に出てみるか)


 この前行った外のテーブルスペースに行ってみると、やはり誰もいなかった。

 ……さすがにそろそろ屋外は寒いな。おとなしく中にすればよかったか。


 そういえば、美樹たちはまだ屋上で食べてるんだろうか?

 ふとそう思って校舎の上のほうを見上げてみる。……目を細めてみたが、この角度ではよく見えなかった。


貴方(今度またそっち見にいってみようかな)


 視線を手元に戻してテーブルに弁当を広げていると、通りのほうから再び声をかけられた。


杏子「アンタまたこんなとこで食べてんの?」

貴方「えっ……ああどうも。毎日ではないよ」

杏子「ああ、それは知ってるよ」


 佐倉さん。……こちらとしてはここで君と二度も会うことのほうが驚きだよ。

 知ってるってことは何回もここに来てるってことか。



1美樹が屋上で食べてるのは知ってる?
2よくここを通るの?
3自由安価

 下2レス



貴方「美樹が屋上で食べてるのは知ってる?」

杏子「今日はいないよ」

貴方「あ……そうなんだ」


 美樹がどれだけ学校の話をしてるのか知らないが、どうやら佐倉さんのほうが詳しそうだ。 


杏子「まあどうでもいいけど。じゃあな」


 ……話題がなくなった、と思ったところで佐倉さんは向こうにいってしまった。

 今のところあまり会話が続いた経験がない。佐倉さんもあまり心を許してくれてる感じがしないから、しょうがないのかな。

 手には今日はスナック菓子を持っていた。……あれ昼ご飯?


 とりあえず、自分も弁当の続きを食べることにした。


――――
――――


*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1野良猫の居たところに行ってみようかな
2繁華街に寄り道
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

放課後



 ――――今日は久しぶりに一人で繁華街に寄り道してみた。

 特に目的はなかったが、なにをやるにもここに来れば大体揃っている。


 街並みを眺めながら歩いていく。さて、今日はどうしようか。




1ゲーセン行ってみようかな
2昨日行ったカフェに行ってみようかな
3自由安価

 下2レス



 ……昨日行ったカフェを見つけて、今度は一人で入ってみた。

 賑やかな通りの中の落ち着いたカフェ。あれだけ人の目だのなんだのを気にしていたが、ついに俺もカフェデビューだ。

 まあ、昨日行って雰囲気がわかったからでもあった。それに美味しいのはスイーツだけではなかったし。


 飲み物を頼んで少し店内を眺めていると、見覚えのある姿を見つける。


貴方(あれはたしか…………)


 美樹や暁美さんたちとよく一緒にいる先輩。俺も何度か会ったことはあるな。

 美樹もこの場所を人から教えてもらったって言ってた。あの人からだったりして。


 今は一人みたいだ。一人で二人掛けの小さなテーブルに腰掛けて紅茶を飲んでいた。



頼んだ飲み物
1コーヒー
2紅茶
3メロンソーダ
4自由安価

 下2レス



 やがて自分のテーブルにも飲み物と食べ物が運ばれる。

 昨日と同じコーヒーと、それからこの店のおすすめらしい林檎のタルトだ。


 ……まあ、あんだけ豪華なパフェはあまり一人で食べる気にはならないかな。

 でも美樹とならまた同じように食べに行ってもいい。


 そんなことを考えながら林檎のタルトにフォークを刺し、口に運ぶ。

 一口目から広がる林檎とクリームの芳醇な味わい。二口目からも飽きないくらいの絶妙な甘さ。おすすめってのがわかる美味しさだ。

 それにほろ苦いコーヒーがよく合っていた。



 こっちも二人掛けのテーブルで、向かいの席は空いている。周りにも今はぽつりとしか人はいなかった。

 周りは本を読んでいる人、スマホを弄っている人、ノートパソコンで作業をしている人とさまざまだ。各々自分の時間を過ごしている。

 喋っている人たちもいるけれど穏やかで、このくらいのほうが一人で来ても落ち着ける。隠れた名店って感じだ。

 ふとあの先輩が何をしてるのか気になって眺めてみた。


 ――特に何をしているわけでもなく静かにお茶を飲んでいるだけだった。

 少し合間に携帯も見ていたりしたけれど、行儀の悪い感じではない。なんだか自然と優雅に見えてくる佇まいだ。

 なんていうか、店の雰囲気に合ってるよな。


 そういう自分は何をしているのかといえば、ただ店の中を眺めているだけだったけど……

 そういう過ごし方も悪くないかなって思った。


 それから少しするとその人も席を立ち、またあの賑やかな通りへと歩いて行った。




 ……今日の放課後も十分楽しめた。一人でもまたこうして来てみてもよさそうだ。




六週 29日目終了


[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・優雅!↑

[攻略済]
暁美ほむら
美樹さやか

――――
30日目 教室


 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ!」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 今日で今週も終わりだ。


さやか「今回はテスト返しも怖くないし、今日も授業簡単なやつばっかりならいいなぁ」

貴方「今から新しいことやってもどうせ休みで忘れるからな」

ほむら「休みに入ったら暫くこうやってみんなで顔を合わせることはなくなるから……少し寂しいね」

まどか「そうだね」

貴方「三人は休みでも一緒に遊んでそうだけど」

まどか「わたしたちはそうだけど、それも毎日じゃないしね」


 このクラスに思い入れがあるんだろうな。

 俺もそうだ。このクラスは居心地が良いし、それに仲良くなれた人も増えたから。


 ……少し、視線を感じた。暁美さんが何か言いたげに見てるような。



1みんなは何か予定はあるの?
2(名指し)予定はある?
3自由安価

 下2レス


貴方「暁美さんは何か予定はある?俺は話したけど、他の人のことは聞いてないなと思って」

ほむら「えっ、えっと……私は最初の数日は家にいるけど、年末年始には両親が迎えに来て実家のほうに帰ってしまうから」

貴方「実家って東京だっけ?遠いね」

まどか「家族団欒楽しんできてね。わたしたちともこっちにいる間に遊ぼう!」

ほむら「う、うん」


 なら、こっちでみんなと遊べるのはその数日だけか。だから他の人より寂しがってたのかな。


 ――――雑談してるうちにHRの時間になって、授業がはじまる。

 英語の授業もテスト返しだ。ただ早乙女先生はいつもどおりだった。



「……並べ替え問題、間違える人が多かったですね~。『彼女に欠点があるから、私はその分いっそう彼女が好きだ』」

「ここで使うtheは副詞としてのtheで、betterの前に置きます。だから順番はこうなりますね」

「ところで、欠点まで含めて人を愛することは大切ですが、惹かれちゃダメな欠点だってあるんですよ」

「それって一番はなんだと思いますか? 【貴方】くん」



 ……いつもどおり。けど、今回は選択式じゃないから難しいな?

 テストより難しいかもしれない。この問題、俺は合ってたのに。



1恋愛関係のだらしなさ
2束縛が厳しすぎる
3お金の浪費癖
4自由安価

 下2レス



貴方「……恋愛関係のだらしなさ、とか?」

「そうですね!浮気を許してよかったことはありません。それは私にも少しは悪かったところがあったかもしれませんが、だからってコソコソと……」


 早乙女先生は語りながら悔しそうな顔をしている。


貴方(やっぱり体験談なんだなぁ……)


「ですので、【貴方】くんも絶対に、『浮気』だけはしてはいけませんよ?」

「嫉妬に駆られた女子は恐ろしいんですからね!どうなるかわかりません!」


 ――と、言われたってまだ恋人もいないし。

 まあいつかのための忠告と思っておこうかな。



 早乙女先生は自分の始めた話題で憤慨していたが、それからころっと調子を戻してテストの答え合わせの続きに戻っていった。




*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちと雑談
2(クラスメイト指定)を誘ってみる
3購買に飯買いに行かなきゃ
4教室の外へ
5自由安価

 下2レス

前回選択肢時点で恋愛感情なしだから思い直すには早すぎるかな…
せっかくだから急ぎすぎるよりももうちょい良いシチュエーションを用意したほうがいいかも?
-------------------------------------------------------------------------------------------


再安価


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちと雑談
2(クラスメイト指定)を誘ってみる
3購買に飯買いに行かなきゃ
4教室の外へ
5自由安価

 下2レス

――――
昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 今日は美樹を誘ってみることにした。


貴方「美樹、今日は飯一緒にどうだ?」

さやか「オーケー。じゃ、まどかたちにも言ってくるね」


 実はわざわざ呼ばなくても聞こえる位置にはみんないるが。

 美樹を残して鹿目さんと暁美さんが教室を出て行った。もしかして二人で昼飯ってはじめてかな?暁美さんとは何回か食べてるけど。


貴方「今ってみんなどこで食べてるの?」

さやか「上の階の空き教室。場所はそこまで変わらないよ。あの辺空いててちょうどいいんだよね」

さやか「寒くなかったら屋上で食べるのが気持ちいいんだけど」

貴方「へー」


 まあ自分が行くことはないかな。けど知っておいて損はない。

 学校が違う?というか通ってない?はずの佐倉さんのほうが詳しかったのはちょっと負けた気分だったし。



1また今度カフェいこう
2外の通りで佐倉さんを見た話
3自由安価

 下2レス



貴方「そういえば、外の通りで佐倉さんを見たんだけど」

さやか「昼?」

貴方「ああ、昼」

さやか「あー……アイツ。たまに外からこっちの様子見に来るんだけどね。心配しなくてもいいわよ」

貴方「知ってたのか」

さやか「学校に通えない事情があるみたい」

貴方「そう言われると心配にはなるけどなあ」

さやか「本人から怒られそうだからあたしからはこれだけ」

貴方「個人的にはスナック菓子で昼済ませてそうなのも心配だ」

さやか「それはまったくだね。今度見かけたら言ってやれば?」

貴方「気を悪くしない?」

さやか「するかも。でも気を遣われることは悪い気はしないっしょ」



 あまり詮索をしても嫌われそうだけど、佐倉さんは正直謎が多い。

 美樹と雑談をしながら昼食を共にした。


 ……一応話のタネはできたかな。怒ってどっか行ってしまわなければだけど。



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1野良猫の居たところに行ってみようかな
2繁華街に寄り道
3一人カフェ
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

――――
放課後



 ――――学校が終わると、今日も一人でカフェに来ていた。

 注文は昨日と同じ。あれこれ試してみたい気持ちもあるが、まだ気に入ったものをリピートしたい気分だった。

 でも昨日とはひとつ違うことがあった。この時のために用意してきたものが。


 鞄から本をとり出す。放課後に図書室から目を引くタイトルのものを借りてきていた。

 一応腐っても図書委員だ。本を読む事は嫌いじゃない。


 ページをめくって冒頭の部分を読み進めていく。


貴方(へえ、割と面白そうかな。持ってきたはいいもののつまんなかったらどうしようと思ったけど)


 『嫌い』――じゃないけど、詳しいわけでも特別好きなわけでもない。

 でもこれなら飽きずに読めそう。



 …………コーヒーとタルトを味わいながら、区切りの良いところまで読み進めた。

 いくらかおかわりしたコーヒーのカップもちょうど空だ。少しずつ、また来た時に続きを読んでいこうか。

 そう思って本を閉じて顔を上げると、先輩はいつのまにか今日も来ていたようで、ふと目が合った。


貴方(見られていた、のかな? 俺も見覚えだけはあるし、互いに認識はしててもおかしくはない)

貴方(でも一言二言しか会話したことはないと思うけどな)


 せいぜいが『眺める』以上の接点や共通点なんてなかった。

 その人がおもむろに一冊の本を取り出すまでは。


貴方「! 同じ本?」

「奇遇ね。あなたもこのシリーズ好きなの?」

貴方「いや、偶然手にとって借りてきただけだけど……」

「そう……」



 そう答えると、少し残念そうにしていた。

 まさかこの本が共通点になるとは。



1面白いんですか?
2三年の人ですよね?
3自由安価

 下2レス



貴方「面白いんですか?まだ少ししか読んでないんですけど」

「面白いわよ。私も読んでみたらハマっちゃって。でも周りに好きな子がいなくて話せないのよね……」

「だから珍しいって思っちゃって」

貴方「また続き読んでみます。気になりますし」

「ええ。……いつか話せるようになるといいわね」


 今日のところはほんの少しだけ話をして店をあとにした。

 とりあえず、今日はここまでだ。これからの楽しみが出来た。



六週 30日目終了


[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・優雅!

[攻略済]
暁美ほむら
美樹さやか



[好感度] to貴方
暁美ほむら★★★▽=美樹さやか★★★>鹿目まどか>???>佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。

六週目週末


貴方(週末、誰か誘おうかな……?)


1ほむら
2さやか
3さやか+杏子
4今週は一人で過ごす

 下2レス



 休日、家で暇してるのもつまらないから美樹を誘ってみた。

 場所はいつもの繁華街だ。美樹も同じく暇してたらしい。


さやか「勉強ももうしなくていいし、やることなくて家でだらけてたからちょうどよかったよ」

貴方「テストがなくたって勉強しててもいいんじゃね?」

さやか「あたし一人じゃやるわけないでしょ?でももう勉強会はいいよ。遊ぼう!どこいく?」

貴方「俺も勉強はやりたくないな」


 苦笑する。毎日のようにやってた勉強会も名残惜しかったけれど、勉強自体が楽しいわけじゃない。

 美樹といるのが楽しかったんだ。



1いつものゲーセン
2何か食べにいく
3買い物
4カフェ
5自由安価

 下2レス



貴方「ちょっと腹減った。なんか食いにいかない?」

さやか「いいね。いくか!何食うー?」

貴方「あっちにケバブの屋台とかなかったっけ?」

さやか「あたしアイスも食べたいなー」

貴方「アイスもいいな」


 話しながら移動していく。

 何を食べるにもこの辺なら選択肢は多い。1つに絞る必要もない。

 それぞれ好きな物を買うと、近くのベンチに座って食べ始めた。


さやか「んー、これおいしい!」

貴方「何味だっけ?珍しいやつだったよな」

さやか「練乳いちごだったっけ?期間限定!」

さやか「【貴方】はそれ辛口ソースだっけ?辛くないの?」

貴方「思ったより辛いかも。アイスあってよかったわ。でも人の見てるとうらやましくなるな」

さやか「……えー?」


 そう言うと、美樹はちらちらとこっちを気にするように見る。

 疑惑の視線、ってやつか?別に食いしん坊キャラじゃないはずだったんだけど。


貴方「さ、さすがに取ったりしねぇよ?そこまで食い意地張ってないし」

さやか「わかってるわよ!杏子じゃあるまいし」

貴方「佐倉さんってそんな食い意地張ってんの?」

さやか「まああいつのことはいいでしょ?」


 自分から振った話題なのになあ。



1次何する?
2次何食べる?
3自由安価

 下2レス


貴方「次何食べる?」

さやか「まだ食べるの?やっぱ食いしん坊じゃん。あたしはもういいかなぁ」

貴方「辛いもの食べたら食欲刺激されたかも。美樹は小食だなぁ」

さやか「いやいや!?あたしもこれでも食べすぎないように制限はしてるからね?すごくいいものがあったら食べるかもしんないけど……」

貴方「なんだ、ダイエットでもしてんの?」


 ――と改めて見てみるけど、細いほうだよな。

 肉付きがないというより引き締まってるというのが正しく見える。


貴方「必要ないように見えるけどな。今のままを保ちたいってことか」

さやか「ふふふ、なかなか褒めてくれるじゃん。まあ、ダイエットってほどのことはしてないけどさ」


 いよいよ立ち上がってその辺をぶらぶらと歩いてみる。


貴方「そういや新しくポップコーン屋が出来たとか言ってたっけ」

さやか「あ!……いいなあ」


 結局またいくつか食い歩いて、それから軽く身体を動かす遊びをしに行った。

 前と同じように素人なりに二人で競い合って。


 いつのまにか平日以上に疲れる一日になって、帰ったらぐっすりと寝ていた。



―六週目休日 終了―

31日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 その挨拶も、どこかいつもより気の抜けた感じだ。

 みんななんだかんだ浮かれてるんだ。


さやか「うーん、今日も簡単な授業だといいなー」

貴方「それこの前も言ってただろ。気が抜けてるなぁ」

まどか「でも期限があるものもあるよ。裁縫とか……」

さやか「あーっ!もーそれ思い出したくなかったやつ!まどかはいいよね、順調に終わりそうで」

まどか「裁縫はいいけど、技術の工作のほうが……」

さやか「そういやそっちもあったわ。そっちはなんとか授業中に終わりそうかなあ……」

ほむら「がんばって作っても、エプロンも棚も置き場所に困っちゃうね……」

貴方「暁美さんは進み具合どうなの?」

ほむら「授業中には終わりそうかな?」

さやか「ほむらは割とどっちも順調に進んでるよね」


 暁美さん、意外な特技を持っているんだろうか。

 自分はどうだろう。そこまで遅れそうなのはなさそうかな?でも、油断はできないかもしれない。


――――
――――



 テスト明け最初の音楽の授業では、授業のはじめにテストが返された。

 五教科外のテストは優先度は低く考えがちだ。今日もテスト返しより、実技の歌のテストのほうがメインだったりもする。

 自分のイスの上に裏返して置かれたテスト用紙をめくってみる。


貴方「……おお!」


 思わず自慢したくなる点数で、美樹に話しかけにいった。


貴方「美樹、今回のテストどうだった?」

さやか「あ!【貴方】と二点違い?」

貴方「一問の差で負けたか……でも十分すごいよな?この点数って」

さやか「ふふん、もっと褒めていいよ。でも他のに比べたら小難しいことないし、コツを押さえれば点数とりやすいでしょ?」

貴方「そうかもしれない」


 順位も貼り出されないのが惜しいけど、誇らしい気分だ。

 前ではさっそく先生が歌のテストの準備をはじめていた。



1眺める(クラスメイト指定)
2自分の番に集中(能力コンマ)

 下2レス


さやか「これから歌のテストだって。自信ある?ついに音楽まで得意になった優等生君」

貴方「順番にやるだけだろ?筆記と違って厳密に点数がつけられるわけじゃないし」

さやか「まあね。やれば終わるだけだねー」


 自分の並びにつくから少しの間美樹ともお別れだ。

 女子の方から順番が回ってくる。とりあえず、俺は静かに自分の番に集中してた。



 下1レスコンマ判定1ケタ 歌唱
0~9
※0が最大、1から9は大きいほど良い。例によって00はクリティカルだよ。

5 めっちゃ普通!
----------------------------------


 ……うん。まあ、取り立てて目立つこともなく無事に終わって順番が通り過ぎていった。

 どんな評価をつけられるやら。自己評価では可もなく不可もなくだと思うけど。


 美樹の言ってたとおりやれば終わるだけだな。

 緊張したのも束の間、あとは周りの野太い歌声を聞くだけの時間になってしまった。



――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちと雑談
2(クラスメイト指定)を誘ってみる
3購買に飯買いに行かなきゃ
4教室の外へ
5自由安価

 下2レス

1

昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 美樹たちは今日も弁当袋を持って教室を出る準備をしている。


貴方「みんなもう行くところ?」

さやか「うん。そうだけど?」

貴方「暁美さん、購買行くなら一緒に行かない?俺今日弁当なしの日だからさ」

ほむら「う、うん!いく!」

さやか「……じゃあ、あたしたちは先行ってるよ?まどか、いこ」

まどか「うん。また後でね、ほむらちゃん」


 みんなとは階段で別れて二人で購買のほうまで降りていく。

 人混みにまじって棚に並ぶパンや弁当、飲み物のコーナーを見てみる。


貴方「暁美さんはどんなのがいいって決めてる?」

ほむら「私は……、実はお昼は昨日のうちに買ってて」

貴方「え?そうなの?」

ほむら「腐りやすい季節じゃないし、安かったから……」

貴方「じゃあなんでここに?飲み物がないとか?」

ほむら「えーと、飲み物も、まだ残ってるけど……」


 暁美さんはもじもじと指先を動かして、それからお菓子の並ぶ棚のほうに視線を動かした。


ほむら「みんなで食べるおやつでも買っていこうかなって」

貴方「あぁ、そういうのもいいかもね」

ほむら「どういうのがいいかなぁ。私もあまり普段お菓子とか買わないから……」

貴方「節約?」

ほむら「……そういうわけじゃないけど」



 なんか勧める?
1袋入りのスナック菓子
2箱に入った個包装のチョコレート
3ロッキー
4きのこ
5たけのこ
6自由安価

 下2レス


貴方「これとかどう?」


 手に取ってみたのはきのこをかたどったチョコビスケット菓子。

 お気に入りを選んでみた。箱入りだし食べやすそうだ。


ほむら「あ……いいね。可愛い」

貴方「だろ?スタイリッシュなフォルムしてるよな!」

ほむら「スタイリッシュ……?」

貴方「自分のも決めないとなー。これでいいや」


 適当に昼飯を選んで手に取る。


貴方「じゃ、それでよさそうなら会計して上に行こうか。暁美さんとは階段でお別れだな」

ほむら「うん…………そうだね」


 それぞれ目的のものを買って上の階に戻っていった。

 俺は教室に。暁美さんはもっと上の屋上に。



▼【貴方】はキノコ派。かも。

――――
――――


*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1野良猫の居たところに行ってみようかな
2繁華街に寄り道
3一人カフェ
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

まあ幼稚園の頃の話だからね
ちなみに100の質問はうちのシリーズでも考慮に入れてます
--------------------------------------------------------


 放課後、久しぶりに鹿目さんとまたあの猫の居た茂みに寄ってみる。


まどか「エイミー、ごはんだよー」


 鹿目さんが近づくと、それだけで黒猫は茂みから姿を現した。


貴方「へー、なついてるんだな」

まどか「というか、もともと人懐っこいの」

貴方「そうか」


 茂みに置いてあったボウルに鹿目さんが餌を入れていく。

 学校に持ってきてるのか。あげるのは朝と夕方?それも毎日?


貴方「まだ毎日あげてるの?」

まどか「うん。最近ちょっとずつ食べる量が多くなってきてるみたいで少し大変だけど……」


 エイミーはボウルに顔を近づけ、すんすんと匂いを嗅ぐと顔を背けてしまった。


まどか「あれ?今日は食べないの?」

貴方「地面を……なにやってるんだこれ?」

まどか「おなかいっぱいなのかなぁ……? 飽きちゃったのかなぁ……? 食欲がないってことはないよね……」


 犬の行動や気持ちならそこそこわかりそうだが、正直猫はあまり詳しくないから俺もわからない。

 けど猫はボウルを素通りして鹿目さんにすり寄ってきていたから、食事よりも甘えたそうだというののはわかった。



1ほかの人があげたのかも
2元気そうには見えるよ
3餌変えてみる?
4自由安価

 下2レス


貴方「餌変えてみる?その辺で何か買ってこようか?」

まどか「うーん、そうだね。見てこようか」

貴方「鹿目さんはそこで待っててよ。エイミーもまだ甘えたそうだし」


 こっから一番近い店ってどこだろう。大き目のスーパーなら売ってるかな。 

 鹿目さんとエイミーを置いて見に行ってみた。



1どうせなら奮発して良い猫缶を
2贅沢を覚えるのは困るから別のドライフードのほうがいいかな
3おやつなら食いつくかな?
4どうせなら色々買っておけ!
5自由安価

 下2レス


貴方「鹿目さん、別の餌買ってきたんだけどどうかな?」

まどか「ありがとう。あげてみよっか」


 ボウルの中はあれから減っていなさそうだ。新しい餌を追加で少し入れてみる。

 鹿目さんが買ってたのとは別のドライフードだ。価格帯は同じくらい。贅沢を覚えたらそれはそれで大変かな、って思って。
 

貴方「……匂いは嗅ぐけど、食べないね」

まどか「うーん、いつか食べるといいけど……」

貴方「明日の朝も寄るんでしょ?その時にも減ってなかったらまた考えようか」

貴方「単におなかが減ってなかったのかもしれないし」

まどか「そうしてみるね。【貴方】くんのおかげでちょっと不安が減ったかも」


 エイミーは鹿目さんの膝に戻って、いつのまにか寝てしまった。その様子を見ながら動けないねなんて二人で話して。

 まだ日差しも出ている時間帯。けど、もう外は寒くないかな。

 茂みの奥を覗いてみるとタオルが一枚あるけど、これも鹿目さんが置いたんだろうか。


貴方「そういえばまだエイミーを飼えそうな人って見つかってない?」

まどか「うん……」

貴方「まあでも、エイミーもこれだけ鹿目さんに懐いてるんだもんな」


 エイミーが他の人のところに行ってしまったらやっぱ寂しいだろうし、こうして見てるとこのままでもいいんじゃないかとも思う。

 今のままでも飼い猫みたいなもんじゃないか?


貴方「……暖かい場所で休めないのはかわいそうだけど」

まどか「エイミーのおうち、もうちょっと良く出来ないかな?タオルだけじゃ寒いよね」

貴方「ダンボールでもあれば……」

まどか「明日、家から持ってきてみるね。いらないダンボールくらいならうちにもあると思う」

まどか「雨に濡れたら心配だから、テープでも貼ったら防水できないかな」

貴方「朝やるの?」

まどか「ちょっと早くに来てやってみようと思う」

貴方「へえ、楽しそう。秘密基地みたいだな。俺も行っていい?」

まどか「もちろんだよ。わたしはあんまり工作は得意じゃないから、男の子が手伝ってくれるのは心強いし」


 工作っていうほどのものかなあ。でも、ちょっと凝ってみたら面白いかもしれない。

 そのほうがエイミーも快適に住めるわけだし。


 ――――鹿目さんと明日の約束をした。



七週 31日目終了


[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな↑
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・優雅!

[攻略済]
暁美ほむら
美樹さやか

――――
32日目 朝



 今朝はいつもより早く起きて猫のいる場所へと向かった。あの場所は鹿目さんの通学路でもあるんだよな。

 行ってみると、ちょうどダンボールを持った鹿目さんと、その傍にはエイミーの姿が。


貴方「おはよう、鹿目さん。エイミーご飯食べてくれた?」

まどか「【貴方】くん! おはよう。ご飯減ってたよ。【貴方】くんの言った通りお腹すいてなかったのかも」

貴方「だとしたら、おやつか何かあげてる人が他にもいるってわけか。昨日がたまたまだったのかもしれないけど」

まどか「エイミーは人懐っこいし、ありえるかも」

貴方「エイミーの家のほうはどう?」

まどか「一応道具は持ってきたんだ。ダンボールと水を弾くテープと、カッター」

貴方「こうして見るとなんか本格的な工作っぽいね。今はテープ貼ってるとこ?」

まどか「うん。【貴方】くんはこっちのほう手伝ってくれたら嬉しいかも」



 鹿目さんと分担してエイミーの家を作っていく。

 テープを貼って、少しダンボールを切り貼りして、工夫を重ねていくと――――。



まどか「わあ! 最初はただのダンボールだったけど、おうちっぽくなったね!」

貴方「ああ、立派だな!」

まどか「最後にこのタオルも入れて……エイミーも満足してくれるかな?」


 ダンボール製の家を茂みの奥に置くと、エイミーは興味があるようですんなりと入ってくれた。

 ――しばらく二人で達成感に浸っていたが、ふと時計を確認してはっとする。


貴方「まずい、時間が!鹿目さん、もう行かないと!」

まどか「ほ、ほんとだ!熱中してて気付かなかった……。ごめんね、もう行くね。エイミー」


 エイミーのにゃんという鳴き声に送られて、俺らは通学路を進む。

 すると、その途中で美樹たちが待っていた。




さやか「あ、まどかやっと来た――って、【貴方】も?なんで?」

まどか「遅くなってごめんね、さやかちゃん!ちょっとエイミーのとこ寄ってて……」

さやか「猫が可愛くて遅れたとか? まさか【貴方】までそんな理由? あんたは家に犬がいるじゃん」

貴方「いや、エイミーに家を作ってたんだ。暖かくて雨に濡れない場所を作ってやりたいって、鹿目さんがね」

ほむら「そうなの? 今度見に行くね」

まどか「うん!」


 そういやいつも三人で教室にきてたもんな。その中に自分が入るとは思ってなかった。

 でも良く知ったメンバーだし、居心地は悪くない。



1二人は何の話をしてたの?
2いつもここで待ち合わせ?
3自由安価

 下2レス



貴方「いつもここで待ち合わせ?」

まどか「うん、さやかちゃんとは小学生の時からだね」

さやか「そういうこと言うとほむらが嫉妬するぞー?」

ほむら「う、たしかに鹿目さんと美樹さんの絆を見てると私じゃそこまでは並べないのかなって思うことはあるけど……」

ほむら「……それよりうらやましい、って思うかな。私にはそういう人はいなかったから」

ほむら「鹿目さんとか、【貴方】くんみたいな人が幼馴染だったら、って思ったりしちゃうんだけど――……なんて」

貴方「今からでも遅くないと思うけどな」

貴方「あたりまえだけど、これからもずっと一緒にいたら今からでもいつか長い付き合いになるよ」

ほむら「これからも、ずっと………… うん!そうだよね」


 俺たちは親友なんだから。

 それにきっと鹿目さんともそうだ。


 俺自身の幼い頃はどうだろう?――ほんの少し考えようともしたのだが、それより先に教室についてしまった。

 今日はいつものようにHRまでに余裕がない。

 とりあえず、ギリギリ間に合ったことにみんなで安堵した。



 ……それからHRが終わると、美樹と志筑さんが話してるのが目に入った。


さやか「……仁美」

仁美「さやかさん?どうされましたの?」

さやか「いや、最近は登校も一緒じゃないし、あんまり話してないなって思ってさ。朝は恭介と一緒にいるから邪魔はしないけど」

さやか「放課後は仁美はお稽古事があるし、アイツもバイオリンばっかでしょ? 落ち着いて一緒に居られる時間は大事だもんね」

仁美「……」

さやか「あたし、あいつのことやっと吹っ切ったんだ。だからもう気を遣うことはないよ。元通りに戻ろう。仁美も大事な友達なんだから」

仁美「ありがとうございます。さやかさんからそう言われないと、私は多分ずっと気にしてましたから」

仁美「さやかさんのことはもう前とは違うって見ていてわかります。元気になりましたよね」

仁美「でも……私、上条君とはもう一緒に登校していませんわよ?」

さやか「えっ?」

仁美「あと、今度は自分から動いてみたらいいと思います」

さやか「!!」


 あの二人の仲も戻った、のかな。


――――
――――



――二時間目の授業、技術
・様子を見にいく(クラスメイト)

 下2レス



 朝も軽い工作をしたが、今日の授業でも工作をやっていた。

 技術の時間で作っている棚だ。自分の分が割と順調に出来てしまって、他の人の様子が気になった。


 暁美さんのところを見に行くと、暁美さんもそろそろ完成しそうなところだった。


貴方「暁美さん、そろそろ出来そうだね」

ほむら「うん。なんとか……」


 『なんとか』なんて言いつつも、造りを見てもかなり精確に作られているのがわかる。

 家庭科も技術も順調だって言ってたっけ。


貴方「こっちももう終わったんだけど、暁美さんのほうが完成度は上かもしれないな。手先が器用なんだね」

ほむら「慣れてるから、かな……?」

貴方「慣れてるの!? こういうのが趣味だったり?」

ほむら「あっ、ううん、日曜大工はやってないけど……!」


 暁美さんは大人しい女の子らしい女の子ってイメージだったから少し意外だった。

 日曜大工じゃないならなんだろう。


ほむら「それより【貴方】くんのも見てもいい?」

貴方「ああ、もちろん」

ほむら「これだけ終わらせたら完成だからそっちに行くね。少し待っていて」


 作業をする暁美さんを眺めて、それから自分のも見てもらった。



――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちと雑談
2(クラスメイト指定)を誘ってみる
3購買に飯買いに行かなきゃ
4教室の外へ
5自由安価

 下2レス

昼休み



 今日は美樹を誘って教室だ。いつも一緒に食べてる鹿目さんたちは上に行っている。


さやか「今朝は驚いたよ。まどか遅いなって思ったら【貴方】まで一緒なんて」

貴方「待たせて悪かったよ。ちょっと熱中してたんだ」

さやか「まあ間に合ったからいいんだけどさ」

貴方「けっこうギリギリだったけどな」


 いつもの調子で笑い合っていたが、美樹が少し重く何かを言いかけていることに気づく。

 さっきのとは別の話題だろうか。


さやか「あの、さ…………」

貴方「……? どうした?」

さやか「あー……、ううん!大したことじゃない。食後にこれどうかなって」

貴方「グミ?」

さやか「微妙だったから杏子にでもあげちゃおうかと思ったんだけど、【貴方】にもこの微妙さを体験してもらおうかと思って」

貴方「えー、微妙なもの押し付けるなよなぁ」

さやか「もし気に入ったらそれでも全然問題ないんだよ? あたしの口に合わなかっただけかもしんないし」

貴方「……これ、微妙だな」

さやか「でっしょ!」


 なんでもないような話で盛り上がった。

 けど、こんなことで言いよどんだりするかな?


 いつのまにかまた次の話題へ、それからまた次の話題へと切り替わるうちに、そんな小さな疑問もどこかへ流されていった。


――――
――――


*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1野良猫の居たところに行ってみようかな
2繁華街に寄り道
3一人カフェ
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

放課後



 学校が終わると、今日は繁華街に寄り道してみた。

 色んな店が雑多に並ぶ大通りをぶらつく。カフェもいいけれど、今はもう少し賑やかな空気を味わいたい気分だ。


貴方「ん……?」


 ふと景色を眺めながら歩いていると、見知った姿を見つけた気がした。

 足を止めて中に入ってみる。

 ゲームセンターの中、ここは繁華街の中でも少々うるさいくらいの賑やかさだ。

 軽やかに舞うステップは前にも見覚えのあるもので――。


貴方「さすがだなぁ」


 音楽が終わると彼女は振り向いた。画面にはパーフェクトの文字。


杏子「……何か用かい?」

貴方「もしかして、気づいてた?見てたこと……」

杏子「ああ。あえて無視してたけど?気にするほどの用はなさそうだし」


 思わず苦笑を浮かべる。……手厳しいな。確かに用事があるわけじゃないけど。



1コツを教えてほしい
2一緒に遊ぼう
3自由安価

 下2レス



貴方「それ、コツとかあるの?」

杏子「俊敏さ。あとは慣れ」

貴方「慣れ、か……」

杏子「飽きるほどやってんだよ。まあ初見でもほとんどはいけるけどな。他は自分で探せば?」


 飽きるほど。もしかして、学校にも行かないでずっと入り浸ってるのかな。

 彼女ほどの運動神経ならスポーツとかやったらどっかの大会にも出られそうなのに。


貴方「あっ、そうだ。お菓子ばっかじゃなくて、食事はバランスよく食べたほうがいいよ」


 ……美樹との会話を思い出す。佐倉さんは今もお菓子を食べてた。

 そういや食べながらやってたのもすごいな。


杏子「なんだよそれ、アンタが飯おごってくれんの?」

貴方「えっ、ええと……」

杏子「……本気にするなよ。別にそこまでしてもらう必要ねぇし」

貴方「そ、そう? じゃあおごるのはどっちでもいいけど、一緒にご飯食べにいくとかなら……」

杏子「なんでアンタなんかと二人で行かなきゃならないのさ。……あれだろ?他にも女と見ればすぐ誘ってんのか?」


 疑惑の視線が突き刺さる。

 うっ、そこまで軽薄に見られてたのか。初対面の時のことをまだ引きずってるらしい。


杏子「……さやかのことは誑かすんじゃねえぞ。アイツ、最近やたらとアンタの話しやがる」

杏子「ハンパなことやってアイツのこと不幸にしたらマジ潰すからな!」



1そんなんじゃないよ
2友達思いなんだね
3幸せにします!
4自由安価

 下2レス


貴方「友達思いなんだね」

杏子「は!?あんなやつ友達じゃねえよ!」


 友達じゃなかったら心配なんかするわけない。

 佐倉さんはやりたいようにやってるように見えて、ものすごく素直じゃない人なのかもしれない。

 未だに謎の多い人だけど、少しだけ人となりはわかった気がした。


 ……でも、誤解されたままなのはいつかどうにかしないとなあ、と、思った。




七週 32日目終了


[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・素直じゃない人

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・優雅!

[攻略済]
暁美ほむら
美樹さやか

――――
33日目 教室



貴方(今日は少し早く来ちゃったな……)


 昨日早起きした名残か、今日もいつもよりやや早めに起きてしまった。

 自分の席をセットして鞄を置いて、時計を見てみる。

 早いといっても、何かが出来るほど時間があるわけじゃない。せいぜい10分程度か。


 教室内はまだ少しだけ人が少なく、普段なら来た時には居るクラスメイトの姿がいくつか足りていない。

 しばらくスマホでもいじっていると、いつもの三人の挨拶が聞こえた。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 それと、もう一人。


仁美「おはようございます、【貴方】くん」


 今日は志筑さんも三人と一緒に教室に入ってきていた。


貴方「おはよう。志筑さんも一緒だったんだ」

仁美「はい。上条君が退院してからは、杖がないと歩けない状態でしたので私が付き添いをしていたのですけど……」

仁美「足の方ももうリハビリが終わったから大丈夫だと言われて」


 ……そういう話題に疎い俺にもさすがにもうわかる。志筑さんが上条と登校するようになったのはそれだけが理由じゃないだろう。

 でも、それならやめたのもそれだけを理由にしていいのか? 美樹たちとの友情を優先したってことなのかな。

 たしかにもうとっくに杖はなくなっているけど。


まどか「【貴方】くん、今日は早いね」

貴方「ああ、ちょっと早く起きたからさ。別に大した理由はないよ」



1今朝の猫の様子を聞く(まどか)
2最近の上条について聞く(仁美)
3自由安価

 下2レス

誰に話してるのかを明確にするためです。基準は主人公から見てわかることかどうかかな。場所選択他は今まで通りです。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------


貴方「大丈夫なの?」

仁美「ええ。完全に元通りとはいいませんが、少しでしたら走ることもできるそうですわ」

貴方「それはよかった。最近上条はどう?」

仁美「体調は順調に回復しているみたいで。放課後も習い事に復帰されましたし、暇さえあればバイオリンを弾いています」

貴方「へー、バイオリンか」

さやか「アイツらしいわねぇ。やっと絶好調ってわけね」


 この前も美樹の家に行った帰りにちょっとだけ聴いたっけな。道端で聴こえてきただけだけど。

 それでもあれだけ心奪われたのだから、目の前で見たらすごい迫力だろう。

 そういや前にクラスで見たことがあるようなないような――……。


 美樹は半ば呆れたように言ってるけど、予想通りって感じみたいだ。

 好きなものに熱中出来るようになって微笑ましくも思えるが。


仁美「……いいことなのですが、少し寂しいですわよね」


 ……志筑さんは一度視線を向こうに向けて、遠くを見るような表情を浮かべた。


さやか「あー、今度アイツに言ってこようか?バイオリンばっか熱中してないで仁美に構えって!」

仁美「い、いいんです。せっかく本調子になられたのに邪魔したら悪いですわ」

さやか「理解のある良く出来たお嫁さんだなぁ、仁美は」

仁美「お、お嫁さんなんて……と、というかその、暁美さんや【貴方】くんもその、き――気づいてましたの?」

ほむら「あ、はい……」

貴方「まあ、少し前に聞いちゃって」

仁美「~~!」



 知られてないと思ってたんだ、志筑さん。

 美樹が志筑さんのことをからかって、志筑さんは恥ずかしそうにしてて。

 美樹も立ち直ったってことでいいんだよな。



――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちと雑談
2(クラスメイト指定)を誘ってみる
3購買に飯買いに行かなきゃ
4教室の外へ
5自由安価

 下2レス

すみませんがここだとあまり納得させられるほどの展開にできないから安価下で。でもフラグは立ったと思うよ?
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昼休み


 今日の授業はしょっぱなから実技テストをやった体育と、休み前でやっぱり内容の緩くなってる座学の授業と……。

 午前の授業の終わりをチャイムが知らせる。昼飯の時間だ。生徒たちもざわざわと席を立ちはじめていた。


貴方(あいつらはまた上の教室か。志筑さんもこの時間はまだ上条のとこに行ってるんだな)


 ……美樹。そういや昨日は佐倉さんには妙なこと言われたっけな。向こうで俺の話してるらしいけど、どんな話してんだろ。

 美樹とは友達だ。親友だ。――としか思ってなかった。美樹だってきっと。


貴方(佐倉さんからの誤解は少しずつ解いていくしかないか。態度で示せばいつかわかってくれるだろ)


貴方「おーい、体育の実技どうだった?」

まどか「わたしはああいうの得意じゃないかな。あ、でも去年よりは大分マシだと思う。さやかちゃんはすごかったよ」

ほむら「私もさんざん……【貴方】くんはちゃんと出来てそうだね」

貴方「え、あー……どうかな。美樹のはちょっとだけ見たぞ。難易度高い技やってるんだな?運動神経いいんじゃん」

さやか「えー?見られてたの?照れるなあ」


 と言いながらもみんなから褒められて機嫌良さそうな美樹。

 少しの間雑談をして、彼女たちを見送った。



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1野良猫の居たところに行ってみようかな
2繁華街に寄り道
3一人カフェ
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス

放課後


 学校が終わると、今日はあの猫の様子が気になってあの通りへ行ってみた。


貴方「鹿目さんは今朝も見てるんでしょ?エイミーはあれ使ってくれてる?」

まどか「うん。寝てるとこ見たよ!」

貴方「それは良かった。作った甲斐があるってもんだな」


 茂みの奥を覗いてみると、昨日の朝と変わらぬ姿のダンボールの家がそこにあった。

 まあ、まだ一日しか経ってないし。雨とかも降ったわけじゃないもんな。

 そして、その中には猫が。


まどか「おいで、エイミー。今日はおなかすいてる?」

貴方「そういやあれから食欲も平気?」

まどか「ちゃんと食べてるよ。わたしが今まであげてたのと、【貴方】くんが買ってくれたやつ、交互にあげてるんだけどね」

貴方「そうか。それはよかった」



1おもちゃで遊んだりはしないの?
2トイレはどこでしてるんだろ?
3芸とか覚えさせられる?
4自由安価

 下2レス



 鹿目さんの用意したご飯をボウルに顔を突っ込んで食べる姿を眺める。


貴方「芸とかは覚えさせられる?」

まどか「犬じゃないよ……。そういえば【貴方】くん、犬飼ってるんだっけ?」

貴方「ああ。鹿目さんは犬苦手って聞いたけど」

まどか「実はそうなんだ。小さい頃、追いかけられてから苦手になっちゃって」

まどか「小さくて、吠えたり噛んだりしなければまだ大丈夫かなあ?【貴方】くんちのはどんなの?」

貴方「あいつはそうだな……」



・どっちめ?
1ちいさくてかわいいやつ
2大きくてかわいいやつ
3つよそうだよ!

 下2レス


貴方「小さくてかわいいほうに入るんじゃないかな」

まどか「それならなんとか大丈夫……かなあ……」

貴方「む、ムリしなくていいんだよ!?」

まどか「そうだね!もし見せてもらう機会ができたら考えてみよう」


 見せる機会、か。今のところ互いの家は知らないけど。

 エイミーがボウルから顔を上げて鹿目さんのほうを見る。


まどか「……エイミー、お手っ!」


 猫は差し出された鹿目さんの手に鼻先を近づけてくんくんと匂いを嗅いで、何もないことがわかると顔を離した。

 もう手には興味なさそうだ。


貴方「…………」

まどか「やっぱり猫に芸は無理かぁ」

貴方「猫は自由気ままだろうしね」


 芸を覚えさせるのは断念する。

 帰ったら犬に特訓してみようかな。もし鹿目さんを家に呼んだら、芸を見せてあげよう。 



七週 33日目終了


[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・素直じゃない人

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・優雅!

[攻略済]
暁美ほむら
美樹さやか

――――
34日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると挨拶が返ってきた。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」

仁美「おはようございます。【貴方】くん」


 昨日から加わったのが志筑さんの上品な挨拶。

 いや、もっと前には美樹たちと一緒にいたんだろうけど。



1志筑さんは放課後なにしてるの?
2犬に昨日覚えさせた芸の話
3自由安価

 下2レス



貴方「ちょっとこれ見てみてよ」


 みんなに見えるようにスマホの画面を見せる。

 昨日の特訓の成果を動画に収めていた。


さやか「おお、わんちゃんじゃん!」

仁美「わんちゃんを飼ってらっしゃいますのね。しかもお利巧さん」

貴方「……鹿目さん、動画で見てみてどう?苦手な感じする?」

まどか「う、ううん。動画なら怖くないっていうのもあるし、それに……可愛いと思うよ」

まどか「実際に会ったらどうなるかわからないけど……」

貴方「そっか。画面越しなら大丈夫なんだね」


 まずはこうして見せておいたほうが慣れてくれるかなと思った。

 あとは他の人へも自慢を込めて。


さやか「まあ画面越しだったらかなり怖い動物でも大丈夫だよね。襲われないってわかってるんだし」

さやか「それと同じなんじゃないの」

貴方「ライオンとか虎とかと同じような本能的な恐怖ってこと?」

まどか「うーん……まあ、そうかもしれない……」

さやか「動画でもダメなのは虫くらいかなー」

まどか「見た目が気持ち悪いのは嫌だなあ。わんちゃんは違うよ。可愛いとは思うから!」

ほむら「可愛いけど怖いんだね。複雑だね……」


 鹿目さんの犬への恐怖は、割と根深い問題なのかもしれない。

 一度慣れれば解消しそうなもんだけど。


 それからHRを終えて、授業の準備をしにいった……。

 一時間目、家庭科ラストか。


・授業中
1様子を見にいく(クラスメイト)
2教えを乞う(クラスメイト)

 下2レス



 最後の裁縫の時間、暁美さんのところに見に行っていた。

 するとやはり噂に違わぬ様子で。


貴方「……技術も家庭科も順調って聞いてたけど、やっぱこっちも出来がいいね」


 ほとんど手本を見に行くような気分だったし、期待通りだ。

 暁美さんのは落ち着いた藤色のエプロン。……自分のはどうせ適当にしか選んでないとはいえ地味にしすぎたかな。


ほむら「でも、やっぱり使うとは思えないよ。これ」

貴方「そうなんだよな。暁美さんって他にエプロンって持ってるの?」

ほむら「持ってないけど……今までろくに料理なんてしなかったから。これでも、服を汚さないためくらいには使えるのかしら」

貴方「ああ……油ものとかは跳ねたりするのかな」

ほむら「あ……、私はいろいろとドジをしてしまうから……」

貴方「裁縫こそドジじゃできないと思うけどな」

ほむら「最初は、割と……ミシンで手とか縫いそうになったし……」

貴方「えっ」

ほむら「でも今は鹿目さんにも教えてもらって、少し慣れたから」


 暁美さんは、手先は器用だけど慣れない動作はドジをしやすいのかもしれない。

 雑談はそこそこに、自分の作業を終わらせることに集中していった……。



*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちと雑談
2(クラスメイト指定)を誘ってみる
3購買に飯買いに行かなきゃ
4教室の外へ
5自由安価

 下2レス

――――
昼休み


 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 ……今日は美樹誘ってみるか。


さやか「今日も教室で食べる?」

貴方「他のとこでもいいけど。どっちのがいい?」

さやか「うーん、あたしは……他に空いてるとこのほうがいいかな?別にどっちでもいいけど!」


 そう言われたので美樹の意見を尊重して他の空き教室を探すことにする。

 手頃な場所を見つけて腰を落ち着けた。


さやか「最近よく誘ってくるじゃん。前はほむらと食べてることが多かったと思うけど……」

さやか「ほむら今料理張り切ってるんでしょ?あたしもなんか作ってきたほうがいい? ――なんて」

貴方「それはありがたいけどなんか悪いって。でも、前に美樹が作った野菜炒めは本当にうまかったよ。美樹は料理はできるんだよな」

さやか「ふふ、そりゃ当たり前でしょー?」


 得意そうな顔だ。


貴方「そういやさ、初対面の時に言った冗談のせいか佐倉さんにずっと変な印象持たれたままみたいなんだけど……」

さやか「アンタが変な冗談言うからでしょ。自業自得よ」

貴方「うっ、まあそうだけどどうにかできないかな?」

さやか「すぐには無理じゃない?」

貴方「美樹からなんか言えない?」

さやか「無理」

貴方「きっぱり言うなあ」

さやか「これでも悪い事は言ってないんだから。あとは自力でどうにかしなさいよ」

さやか「……でも、あんまり【貴方】が杏子に好かれるのも腹が立つな」



 美樹と昼食を共にした。



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1野良猫の居たところに行ってみようかな
2繁華街に寄り道
3一人カフェ
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合うを誘うことはできます。

 下2レス

――――
――――
放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。

 一人カフェもいいけど、久しぶりに美樹を誘ってみるか。


貴方「美樹、この後予定ある?これからこの前のカフェ行こうかなって思ってるんだけど」

さやか「予定は別にないかな。一緒に行くか!【貴方】はあれから行ってるの?」

貴方「ああ。一人カフェなんて気取ってるみたいだって思ってたけど、実は何度か。あの店はアップルパイが美味しいってことが一番の発見だ」

さやか「へー?じゃああたしもそれにしてみようかなあ」


 最近読み始めた本のことも思い出したけど、そのことは美樹には話さないことにした。

 あの先輩の言い方だと、周りには知ってる人がいないって言ってたから、美樹も多分読んだことないんだろうし。

 あれも冬休み前に延長の手続きをしてこなくては。



 カフェに入ると前みたいに向かい合って腰掛けた。



さやか「【貴方】もアップルパイにすんの?」

貴方「いや、せっかく美樹と居るんだからパフェにしようかな。一人パフェはちょっと勇気要るんだよ」


 頼んでみたのが運ばれてくると、やっぱり逆だと思われてた。

 一人とか男女とか関係なくうまいんだけどな。



1アップルパイの感想を聞く
2美樹は一人では来たことない?
3自由安価

 下2レス

記憶違いで林檎のタルト→アップルパイにすり替わってることに気づく
まあ些細な違いさね(白目)
-----------------------------------------------------------------
――――
――――
放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。

 一人カフェもいいけど、久しぶりに美樹を誘ってみるか。


貴方「美樹、この後予定ある?これからこの前のカフェ行こうかなって思ってるんだけど」

さやか「予定は別にないかな。一緒に行くか!【貴方】はあれから行ってるの?」

貴方「ああ。一人カフェなんて気取ってるみたいだって思ってたけど、実は何度か。あの店は林檎のタルトが美味しいってことが一番の発見だ」

さやか「へー?じゃああたしもそれにしてみようかなあ」


 最近読み始めた本のことも思い出したけど、そのことは美樹には話さないことにした。

 あの先輩の言い方だと、周りには知ってる人がいないって言ってたから、美樹も多分読んだことないんだろうし。

 あれも冬休み前に延長の手続きをしてこなくては。



 カフェに入ると前みたいに向かい合って腰掛けた。



さやか「【貴方】も林檎のタルトにすんの?」

貴方「いや、せっかく美樹と居るんだからパフェにしようかな。一人パフェはちょっと勇気要るんだよ」


 頼んでみたのが運ばれてくると、やっぱり逆だと思われてた。

 一人とか男女とか関係なくうまいんだけどな。


貴方「どう?うまいだろそれ」

さやか「そうだね。カフェのタルトっていうのもいいもんだね~」

貴方「俺はコーヒーと合わせるのが好みだけど。レモンティか」


 レモンティもその場でレモンを絞る本格的なやつだ。

 俺は紅茶は頼んだことなかったな。


さやか「うむ!紅茶でも抜群に合う」

貴方「一層フルーティになりそう」

さやか「そう、それが合うんだよね。コーヒーも今度試してみようかな。最近紅茶ばっかりだったから」


 そういえば前に見かけた時、あの先輩は二度とも紅茶を飲んでたっけ。

 もしかして美樹もその影響だったりして。


さやか「一人カフェってのは言ってたけど、他の人と行ったりはしないの?」

貴方「今のところないかな」


 この前から本のことであの先輩とも少しだけ話すようになったけど、偶然居合わせただけだしな。


さやか「じゃ、気が向いたらあたしをもっと誘え!……なんてね」

さやか「これから少しの間、毎日は会わなくなるでしょ?」

貴方「ああ……そうだな」


 休み中でも会うことはできるけど、連絡先知らないと街中で会うかもしれないって程度だし。

 それに暁美さんは少ししかこっちにいないんだっけ。

 美樹とは連絡も取れるし会いやすいほうだとは思うけど、それでも学校のある時ほどは一緒にいなくなる。


 美樹は……自分で言っておいてちょっと照れたようにそっぽ向いてた。



▼個別ENDやるなら冬休み挟まないほうがいいと思います。個人的にはですが。
1行くか!?・・・個別END
2冬休みイベ中に延期するか!?(冬休みの遊びにさやかを誘う)
3気が向いたらそうするよ

 下3レス中多数決!



 ――……このままでいいのか。

 美樹もどうせ友達としか思ってないかもしれないとか。そんなこと関係あるのか?

 言葉で表してないからというなら、自分だってそうだ。結局は全部俺の推測に過ぎない。


貴方「……あのさ、そうなる前に言っておこうと思うんだ」

貴方「美樹と仲良くなれたのは本当に嬉しかったよ。でも、それだけじゃなくて」

さやか「……へ?」

貴方「俺、美樹のことそれ以上に好きだ。美樹がどう思うかはわからないけど、それを伝えておきたかったんだ」


 美樹は目を丸くする。沈黙が流れる。ものすごく長く、音のない時間が経っている気がした。


さやか「ホントにわからないの……? やっぱりアンタって鈍感だよ」

貴方「え…――て……、ていうと!?」

さやか「あ、あたしもそうなの!」

貴方「!! 本当に! あ、でも……」

さやか「何?」

貴方「ちゃんと好きって聞きたい」


 前から女子の中では親しみやすい存在に感じていた。それはあまり女子として意識してなかったせいもあった。

 美樹は一緒にバカもできて、張り合える相手で。そして今は、弱いところも可愛いところも、色んなところが見えて――――。



さやか「……好きだよ。【貴方】」



 素敵な女性として映っていた。




貴方「じゃあ佐倉さんにもしっかり言ってこないとな」

さやか「ええっ。なんて!?」

貴方「『ハンパなことして不幸にしたら潰す』って言われてるからさ。本気だって伝えなきゃ」

さやか「アイツそんなこと言ってたの? 十中八九変な印象ついてるせいというか、勘違いだと思うけど」

貴方「ははは、まあね。でも心配してるのはマジみたいだから」

さやか「……前の失恋で結構落ち込んじゃってたからかなー」

さやか「でも、本当に予想外だったよ?ほむらのほうが噂もあったし、一緒にいる気がしてたからさ」

さやか「あたしは勝ち目がないのかなって思ってた」

貴方「暁美さん? ……なんで?暁美さんは確かに親友だけど、そういうのじゃないよ」

貴方「美樹のことも途中まではただの仲の良い友達だって思ってたけど……」

さやか「……うん。今は同じ気持ちならいいや。あたしも途中からだし」


 それからの時間は幸せいっぱいだった。甘くて美味しいパフェがさらに美味しく思えて。

 こんなことなら悩んだりしないでよかったな。

 まあ、ちゃんと言えたからいいか。美樹のことを今度は不幸にしなくて済んだのだから。



―さやかEND―



七週 34日目終了


[知り合い]
・鹿目まどか・・・随分献身的だな
・美樹さやか・・・☆恋人☆
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・素直じゃない人

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・優雅!

[攻略済]
暁美ほむら
美樹さやか



1END後で続行
2直前の好感度★★★のまま続行(ハーレム主人公が鈍感なのはお決まりのこと)
3一日目からリセット…攻略済記録は引き継がれます。設定変更が可能。

 下4レス多数決

リセット

杏子マミまどかは冬休みに遭遇できる行動回数増やそう思ってたけど、やや攻略しづらそうなのが残ってたからアリかもねぇ。
特典として、前回と同じくまどかたちとクラスメイトなら攻略済みは初期から好感度を高くして引き継ぎます。


・何年生か。あとまどかたちとの関係(同じ部活にいるとか)

下2レス


・ほむら
1メガほむ
2クーほむ(攻略済みですが一応別カウントとして好感度引き継ぎの影響は少なくなります)

 下2レス



 未攻略キャラ的に前回以上に孤独で荒んでる杏子とか孤高のヒーローマミとかほぼ攻略不可なので削っときます。

 5人契約してて仲良しなら責任も背負い込まなくて済んだっていうのは大きい。



1主要キャラ5人みんな契約済。サニーデイライフ的な時空。(前回同様)
2みんな契約してないよ

 下2レス

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・見滝原中二年


ほむら以外は前回同様ですね。
キャラとの関係が今のところなんにもないけど、レスがあれば何か追加で叶うかもしれない。
とりあえず今日は寝ます。

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 素質のある主人公か。
 あと『まどかたちとの』って書いたけど別に関係決められる相手がまどかだけとは言ってないっす
 まあでもあんまり魔法少女事情突っ込むと話が重くなるしややこしくなるんで、そんなにガッチリ描写する気はないです。
 また【主人公が一緒に居たなら知っていて介入してないとおかしい詳細な事情】はある程度省かせていただきます。

 ・・・あとすでに矛盾大噴出なんて断っておきますが、
 このスレは割と息抜き的な位置ではあるけど、二次創作だからキャラの個性や整合性を軽視していいとは思ってません。
 あらゆるifや余白を見られるのは醍醐味ですが、土台として『らしさ』があってのものだと思ってます。公式非公式関わらず。


関係
1主人公は魔法少女(年?)で、まどかたちに助けられて最近(数ヶ月前?)契約した
2主人公は魔法少女(年?)で、マミと杏子に助けられて契約した
3主人公は魔法少女(年?)で、マミに助けられて契約した
4生徒会役員な主人公と魔法少女ず(+1~3と組み合わせ可能)


 学年は2年で決まってるので変えられないです。まどかたちと同クラスということにします。
 マミの年をいじると他のキャラとの関係まで歪みが出るのでそこまではできません。

 下2レス


――――……2nd. 起動



 朝、一日がはじまる。


 どこにでもあるような至って平常な朝だ。退屈なほど平凡で。

 ワルプルギスの夜だとか、そんなうっすら噂で聞いたことがあるようなないような災害の予兆も当然無縁で。


 ――ただ、【少し前】から俺の日常には少し特殊なものが加わっていた。



――――――
――――――

1日目
見滝原中学校 教室



貴方「はよー」


 略した挨拶を口にしながら自分の席をセットして座る。

 床のボタンを押すと机とイスがワンタッチで立ち上がる仕組みだ。


さやか「おはよう!」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」


 挨拶が返ってくる。

 美樹の朝から元気になるような声に、鹿目さんの一日が明るくなるような挨拶。

 それから、少し遅れて暁美さんの落ち着いた声。

 少し冷たい態度にも聞こえるが、ちゃんと挨拶してくれるのだからこれでもそんなに悪く思われてないと思う。


 ――少しの間雑談していると、その途中で鹿目さんが放課後のことを話す。


まどか「それから今日は放課後は『訓練』やるって、マミさんが」

貴方「ああ……わかった。一緒に行くか」


――――
――――

放課後



 授業が終わるとみんなで川沿いのほうへと来ていた。

 土手の中でも人目につかない場所に。すでに【残りのメンバー】もいて、訓練に合流する。



さやか「おまたせー!」

杏子「おっせーぞ」

マミ「ごめんなさいね。今日は掃除当番だったのよ」


 【佐倉杏子】と【巴マミ】だ。

 巴さんは一つ上の先輩。佐倉さんは少し複雑な事情があるらしいけど同い年だ。



 みんな揃ったところで、少女たちと特訓をはじめる。

 といってもこの集まりは部活だとか、スポーツなんてもんじゃない。もっと過酷なことだった。



貴方「疲れた……みんななんでそんなに体力持つんだ? 特に美樹」

杏子「はんっ、魔法少女ん中じゃ男女の差なんかないってことだよ」

杏子「てゆーか『少女』ってのにおかしくない?魔法少年とか聞いたことないんだけど」

貴方「そうだよ。なんで女子たちに混じって俺だけ『魔法少年』なんてやれてるんだよ?」


 愚痴まじりに零すと、俺たちと契約を交わした『妖精』が話に入ってきた。


QB「そのことなら前にも説明したと思うんだけどなあ」


QB「魔法少女になるためには素質が必要でね。それがそのまま『強さ』に繋がると思っていい」

QB「君たちの力の源は心と願いだ。それは魔法少女でない人間たちにもまったく無いわけじゃないよ」

QB「ただ、どういうわけか契約できるほど素質のある人間が男性に少なくてね。君の場合は例外的に素質が高いから安心していいよ」

貴方「……安心しろって言われてもな。話はわかるけど納得できない!女々しいって言われてんの?」

QB「二次性徴前後の女子に高い傾向があるってだけで、性別は関係ないよ」

まどか「とにかく、他にそうそう男子はいないってことだね。小さい子や大人も珍しいのかな?」

さやか「回復してやろうか?」

貴方「いいよ。そのくらいの操作は覚えた。自分で出来る」


 ……これはただの『訓練』。しかし、本番はこれだけじゃ済まない。

 妖精――ことキュゥべえが語った、『力』を得る契約。この魔法の力を使って、魔女と呼ばれるものと戦う使命がある。


 俺がはじめたのは一か月そこそこ?

 魔女に襲われたところを鹿目さんたちに助けられたのがこの世界を知ったきっかけだった。

 それからこうして訓練をやったり、数人で戦いに行ったりするのが今の日常だ。

 魔力の操作は主に巴さんに習っていた。こうして覚えていけているのは巴さんのおかげだ。


マミ「【貴方】くんは筋がいいわね」

貴方「いやーそれほどでも」

マミ「でも、回復だったら美樹さんに任せたほうが魔力の消費は少ないかも」

さやか「だってさ!」

貴方「ま、まあこれも訓練のうちと思っときますよ……」

マミ「……ふふ。私はずっと一人でやっていたけれど、大分楽になったわ」

マミ「今では6人もいるんですものね。もう三人とも慣れてきたし、全員で戦うには多いくらいだわ」


 周りが女子ばっかりなのは複雑な気分だが、チーム6人、背中を任せ合う仲間だ。

 街を背負うなんて一人でできることじゃない。巴さんはずっと一人でやってきたらしいけど、辛かったのは伝わってきている。

 ……それにまあ、女子にだけ戦わせておくのも男としては見過ごせないかな。


このあと
1ご飯に誘う(キャラ指定)
2ヒミツの特訓(キャラ指定)
3自由安価

 下2レス

--------------------
ちょっとだけやるよ



貴方「腹減ったな……もうこんな時間か」


 特訓が終わって、今まで固まっていた6人がバラけていく。

 クラスメイトとか契約の時期の違いとか、付き合いの長さには偏りがあるがほぼみんな関係なく関わっているようだ。

 といっても、やっぱり俺からすると同じクラスの美樹や暁美さん、鹿目さんは付き合いやすく感じる。

 他が女子だからっていうのもあるかな。


 ……そういや、これまで女子しかいなかったのに俺が入ったことで雰囲気変わってしまってないだろうか?


貴方(美樹はあっち行っちゃったし……誰か)


貴方「鹿目さん、これからご飯とかどう?」

まどか「え?わたしはもう家でパパがご飯用意してるかもだから、ご飯はいいかな」

貴方「じゃあお菓子でもいいよ。家につくまで持たなそうでさ」

まどか「わたしもお腹はすいてるかも……なにか食べに行こっか」



1あっちでたい焼き売ってるとこあったよね
2縁日とかやってるところがあったような
3カフェでお茶するのは?
4自由安価

 下2レス



貴方「立ち食いってのもなんだから、カフェでお茶するのは?」

まどか「うん。わたしもそれでいいよ」


 鹿目さんと一緒に近くのカフェに入った。ここならご飯系もあるしお菓子もある。

 鹿目さんは紅茶とご飯の前に食べても重くなさそうな小さなホットケーキを食べていた。


まどか「なんだかお茶会みたい。契約したての頃は訓練の後、マミさんの家でよくやってたから」

まどか「マミさん、すっごいケーキとか作っちゃうんだよ!」

貴方「へえ」

まどか「……最近はやること減ったなぁ。みんな新人ってほどでもなくなったし、分かれて行動するのが増えたからかな」

貴方「もしかして女子会とかってしてたり?」

まどか「することはあるね……」


 マミさんの家で、か。上がったことがないわけじゃないけどあんまり知らなかったな。

 でもいいことを聞けた。


まどか「【貴方】くんも羨ましい?」



1羨ましい
2別にそうでもない
3自由安価

 下2レス



 そこまで甘いものが好きなわけでもないけど、嫌いってわけもないし。


貴方「まあ、羨ましいかもな」

まどか「今度わたしからも言ってみるよ!」


 ……そんな話をしているうちに鹿目さんは薄いパンケーキをぺろりと食べ終わってしまう。

 こっちは食事系だからもう少しかかる。鹿目さんは紅茶を飲みつつ、こっちを眺めていた。


まどか「【貴方】くん、それおいしい?」

貴方「ああ。なかなか」

まどか「カフェでご飯ってあんまり食べないし、今度食べてみようかなあ。ていうかうち外食自体少ないほうかも」

貴方「料理上手なお父さんがいるんだろ?外に行かなくても家でうまいもの食えるならいいんじゃない?」

貴方「弁当も超豪華って美樹が言ってたぞ」

まどか「まあ、そうだね。パパには感謝してるよ」


 羨ましくなったのはそっちもだ。

 ――――カフェで腹を満たして、それぞれ帰ることにした。




二回目【貴方】 1日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・献身的な娘
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・友人↓
・佐倉杏子・・・仲間!new!
・巴マミ・・・先輩!new!

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

---------------------
やるよー

――――
2日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると挨拶が返ってきた。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」


 いつもの光景。いつものやりとり。


貴方「今日は1時間目は……世界史か。それより4時間目の数学だな……」

さやか「社会はいいの? まあいいか」

まどか「そういえば宿題があったね。わたしちょっと自信ないとこあるんだよね」

貴方「あ、それなら俺が見ても――」

ほむら「私が見るわ」


 言いかけたところで先に暁美さんに取られてしまった。

 ……暁美さん、普段何に対しても興味なさそうにしてるけど、鹿目さんのこととなるとやたらと気にかけるところがあるよな。


まどか「本当? ありがとう!ほむらちゃんが見てくれるなら心強いよ。わたしももっと頑張らなくちゃね」

ほむら「まどかはちゃんとやってきただけマシよ」

さやか「やってきてない人がいるみたいな感じの言い方じゃん!あたしも今回はちゃんとやってきてるからね?」



主人公の【学力】
1前回と変えない(7)
2コンマ再判定
3実は自分やってきてないっす

 下2レス


コンマ再判定


 下1レスコンマ判定1ケタ 【貴方】の学力
0~9

※0が最大、1から9は大きいほど良い
※00はクリティカルだよ。天才かもしれない。

【学力】
8 やったね【貴方】くん!1あがったよ!…多分感覚的には大差ないかな



貴方(ま、いいや。俺がでしゃばらなくても暁美さんが見てくれるらしいし)


 正直活躍とか感謝とか諸々奪われたような気がして複雑な気分。


さやか「で、【貴方】。ほむらはまどかにつくみたいだから、【貴方】はこっちに見せてよ!」

貴方「やっぱりそうくるか……。ていうか、答え見せるって話じゃねーし」

さやか「あちゃ、バレたか」


 調子良く笑う美樹は放っておくとして、とりあえず次の授業の教科書とノートだけ出しておく。


さやか「社会の時間は貴重な睡眠時間だね」

まどか「さすがにそれはだめだよう……たしかにお話はつまらないけど」

ほむら「つまらないわね」

貴方「ノートだけとっておけばいいさ」


 まあ、そんな気を抜いた授業が1つくらいあってもいいのかな……?


――――
――――

四時間目 数学


 思った通り、数学の授業では初っ端から宿題の答え合わせが行われていた。

 鹿目さん以上に自信ないらしかった美樹は、最初のほうの簡単な問題に当てられて喜んでいた。

 そして、暁美さんが指名されて前に出ていく。


ほむら「…………これで合ってますよね」


 ノートさえ見ることなくさらさらと迷わず数式を書いて、こともなげにそう言って席に戻る。

 複雑な問題なのに、自信に満ちた鮮やかなまでの手際の良さだ。みんな思わず息を飲んでたし、教師もさすがだと褒め称えてた。


 暁美さん、マジで勉強出来るよな。俺だってこのくらいの問題となると自信満々には答えを突きつけられない。

 ただ、クールといえば響きはいいが、何に対しても興味なさそうって印象と相まって少し鼻につくように見えるのもわかる。

 ……なんで俺たちとは友達でいてくれてるんだろうな。


貴方(いや、友達に対して思うには失礼なことか)


 俺の視線に暁美さんも気づいて、感情のわからない無表情のままこちらに向いた。

 冷静で、少し冷たそうに見える藤色の目。


*「次の問題を【貴方】くん――……」

貴方「やっべ、俺か。やってきてるけど…………」


 自分の番が来て焦って前に出ていく。

 その頃には暁美さんも視線を前に戻していた。



――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合うを誘うことはできます。

 下2レス


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今の世界は始まったばかりなので、前の世界のちょっとしたおまけ
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?日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 ……いつもだったらすぐに挨拶が返ってくるところだが、今日はみんな取り込み中のようだ。


まどか「わたしのはこれ!普通に溶かして固めただけだけど……」

さやか「おー、ハートなんて情熱的ー!うんうん、さっすがあたしのお嫁さんだ!」

ほむら「お嫁さんが三人も出来ることになるけど……」

まどか「まぁ……特に意味ないんだけどね。ハート可愛いでしょ?あとバレンタインっぽいかなって!」

仁美「ええ、可愛らしいと思いますわ」

さやか「仁美のはメッチャ高級感漂ってるね!これはさすがに買った?」

仁美「い、いえ!習いながらですが、一応手作りですわ」

さやか「あーそっか、お手伝いさんいるもんね」

まどか「さやかちゃんのもよくできてるよ!石畳チョコってやつだよね」

ほむら「みんな手作りなんてすごいね…… わ、私だけ市販のでごめんなさい」

さやか「これはこれでうまいからいいんじゃね? 下手に失敗するよりはいいよ」

ほむら「失敗……」


 カラフルな手提げ袋やラッピングをあちこちで見かける。

 今日は朝から女子たちがチョコレート交換にいそしんでいるみたいだ。


貴方(バレンタインって本来こういうイベントじゃなくね? なんか蚊帳の外な気分だよなあ)


まどか「あ、【貴方】くん。来てたんだ。おはよう」

貴方「ああ、おはよう」

さやか「おはよ。あー、えっと、【貴方】にもあげるよ。多めに作ってきたし」

貴方「ありがとう。へー、よく出来てるじゃん。本格的だな」

さやか「もう、そんなに褒めたって何も出ないよ?」


まどか「わたしからもあげたいんだけど、さやかちゃんのせいで渡しづらくなっちゃったなあ」

さやか「まどかから義理チョコだってさ。……えっ、だよね? でしょ……?」

まどか「う、うん!義理。仲良くしてくれてありがとうって意味だよ」

貴方「あ、有り難いけどそこまで念押ししなくてもよくね?」

さやか「だって本気にしたら困るから」


 言い淀むことなく言い切った鹿目さんは、多分本心からのものだろう。


 ……こんなところで堂々と渡されるのなんて、よほど距離が近くて照れ隠しできるとかじゃない限り、本命じゃないもんな。

 カップルすらみんなの前でイチャついたりはしてないし。

 でも二つともうまそうだ。素直に嬉しいかな。


ほむら「えっと……!」

貴方「?」

まどか「ほむらちゃん、どうしたの?」

ほむら「い、いえ……なんでもない」


 なんか言いたそうにもじもじしていた暁美さん。

 ――――結局この後すぐHRが始まってしまって、この時には何を言いたかったのかわからなかった。



 それからバレンタインでノリノリの早乙女先生にHRで当てられたり、授業は普通にいつも通り退屈だったり。

 授業によってはチョコレートもらってる先生もいた。



 午前の授業が終わると、昼休み開始のチャイムが鳴ってすぐに暁美さんが俺のほうに来た。



ほむら「きょ、今日はお昼空いてる? お弁当のおかず作ってきたから……」

貴方「ああ、うん。また空き教室行こうか」


 場所を移動して腰を落ち着けると、弁当を広げる。

 暁美さんが持ってきてくれた小さな容器に詰められているのはいつもの定番、卵焼きだ。

 ……正直まだ上手とは言えないし、道のりは通そうな感じだけど。


 暁美さんは終始落ち着かなさそうにしてた。

 すると、半分くらい食べところで、暁美さんが鞄からなにかを取り出す。


ほむら「あ、あとっ! チョコレートも作ってきたの。よかったら……!」


 ラッピングの中に見えるのはちょっと形の歪なチョコレート。

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  /.\j:::/.:: イ ry'ィ, ニニニニ.ヽヘ⌒ /丶. '´ ト〃      \、)丶:::::}::::}/ヽ
  ,'.... 、/`ヽ'--、 ∨.′       `ヽ|_rr,=-、_>|         } r―`r={.........}
 ヽ_ノ、_/ヽ..../、 ヽ    ,.-― ァ<((((⌒⌒).;.;.;`ヽ..ィ⌒ヽ   /_.ィ........ヘノヽ=‐{
  >゙.::::::{ヽ..../ ゙ゝj  / j   ノ'.;.;.;.;>゙ヽイハ.;.;.;.;.;.;.;ヽ{l  i \.´ /\../イ::::::::ヽ
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  ヽ:::::::'.、        {`゚.弋XX> .._____ ..<XXノ' /イ      ノ.:::::::/ `ヽ
   `<:::::=-‐'   /、./ \ ゚ < XXXXXXXXXXX>゚ ,.<ヽム ー=彡:::: イ
       ̄      / /\/ ゚ー‐-'`=========´‐-イ゚\./ ハ   ̄
          / /  /丶 /  / \    /  / ヽ.  /\' ‘,
            / /  /   /\/   \ /  /    \/  .′、. ,
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          / . /丶/   /  /   \  /  .\     /  / \   ,
.         /\'  ./\ /  /       /、 ./  \ /  /    ヽ ,


貴方「え?ありがとう!手作り……?」

ほむら「本当は鹿目さんたちの分も作ってたはずなんだけど、1つしかちゃんとできなかったから」

貴方「俺にくれるの?嬉しいな。でもこれこそ本気にされかねないよ?」

ほむら「私はそれでも……」

貴方「え?ごめん、ちょっと声小さくて聞こえなくって」

ほむら「う、ううん! 私からも、感謝の気持ち」


 今日は感謝されることが多い日だ。

 …………できれば1つは本命が欲しかったけど。


 チョコレートの話が出てふと気づく。


貴方「あれ、もしかして暁美さんの弁当にたくさん入ってるその黒いのって……」

ほむら「ぎく…… 実は失敗しちゃったやつなの。気にしないでいいよ。自分で食べるから」

貴方「一人で食べるのも大変でしょ。せっかくだから1つもらおうかな」

ほむら「あっ……!美味しくないよ!?」


 形はもらったの以上に歪だ。『ミルクチョコレート』の色にしては黒味が強い気がする。


 ちょっと焦げてるのかもしれない。甘味の中に隠せないような苦味があって。

 うまくできた味ではないけど――。


貴方「大人の味だ」


 市販品とはちょっと違う。

 それも、暁美さんが作ってくれたものなら悪くないかな――って思った。



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      ハ::::::∧ ゚    _ _ _  },'.:.:.:.:{ Х /}:.:.:.:Vr、ハハハハr、 ゚,ハ:::∧
     {:::: У: ノ { _ r、ハ!V ヽrv{:.:.:.:.:{く Х }:.:.:.;ムィニニニニニヽノ),゜{:::::ヽ::::゚.
  /.\j:::/.:: イ ry'ィ, ニニニニ.ヽヘ⌒ /丶. '´ ト〃      \、)丶:::::}::::}/ヽ
  ,'.... 、/`ヽ'--、 ∨.′       `ヽ|_rr,=-、_>|         } r―`r={.........}
 ヽ_ノ、_/ヽ..../、 ヽ    ,.-― ァ<((((⌒⌒).;.;.;`ヽ..ィ⌒ヽ   /_.ィ........ヘノヽ=‐{
  >゙.::::::{ヽ..../ ゙ゝj  / j   ノ'.;.;.;.;>゙ヽイハ.;.;.;.;.;.;.;ヽ{l  i \.´ /\../イ::::::::ヽ
=彳:::::::::::: ヽ゜  .ヽ  / {   レト、.;.;.;.;.;.;.;.;.; >≦〆、ノ!ノ  /  ゚。}/  " ノ:::::::::::::゚.
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  、::::::::::トヽ.__.ノ    ヾ. ゚{ー゚(|、・。・。・。・。・。・。・。|)XX}´ ,イ     j:::::::::::::人
  ヽ:::::::'.、        {`゚.弋XX> .._____ ..<XXノ' /イ      ノ.:::::::/ `ヽ
   `<:::::=-‐'   /、./ \ ゚ < XXXXXXXXXXX>゚ ,.<ヽム ー=彡:::: イ
       ̄      / /\/ ゚ー‐-'`=========´‐-イ゚\./ ハ   ̄
          / /  /丶 /  / \    /  / ヽ.  /\' ‘,
            / /  /   /\/   \ /  /    \/  .′、. ,
.           /、 /  /   /  /\    /、 ./      /丶/   ヽ,
          / . /丶/   /  /   \  /  .\     /  / \   ,
.         /\'  ./\ /  /       /、 ./  \ /  /    ヽ ,

こっから続きに戻りますよー

---------------------------------
放課後



 帰りのHRが終わり、チャイムが鳴る。



貴方「そういや、鹿目さんはなんの問題見てもらってたの?」

まどか「これ。当てられなかったけど、間違ってたんだ。ほむらちゃんに教わってやっとわかった感じ」

まどか「【貴方】くんも勉強できるほうだよね。本当勉強できる人ってすごいよ」

貴方「いやぁ、暁美さんはさらにすごそうだし……」




1暁美さんと仲良いよね?
2野良猫どうしてるかな?(前回の未完了イベントを引き継ぐ?)
3一緒にパトロール行く?
4ヒミツの特訓
5自由安価

 下2レス



貴方「鹿目さんって暁美さんと仲いいよね」

まどか「うん、友達だよ!ほむらちゃんが転入してきてから――」

まどか「――――あれ?ほむらちゃんが転入してきて、魔法少女だってわかって……?」

貴方「?」

まどか「【貴方】くんも仲良さそうに見えるよ。他にあんまり男の子と話すことないから、ちょっと意外かなぁ」

貴方「あぁ、そうだな。クールそうに見えるけど、ああ見えていろんな人と仲良くしてるんだな」


 鹿目さんと暁美さんのことについて話していると、本人に聞かれてしまったのか近寄ってきた。


ほむら「二人とも私のこと話してるの……?」

貴方「あ、別に変なことは言ってないよ!ただ鹿目さんと暁美さんが仲いいなって思ってさ」

ほむら「それはわかってるわよ。二人とも陰口を言うような人ではないもの」

ほむら「まだ帰らないの?」

貴方「いや、もう行くよ。そうだ、暁美さんも一緒に帰らない?ちょっと寄り道して遊んで、ついでにパトロールも兼ねる!」

ほむら「遊びたいだけじゃない?」

貴方「そっちがメインなのは否めないな」

まどか「まあ、他にもパトロールに出てる魔法少女はいるから。わたしたちがそんなに張り切る必要もないんじゃないかな?」


 三人で校舎を出ることになった。下校ついでに遊びとパトロールだ。

繁華街


 駅に近い大通りに寄ってみる。

 人が集まるところには魔女も出やすいし、パトロールとしても悪くない場所だろう。


まどか「早くも小腹がすいてきちゃった。ほむらちゃんはなにか食べたいものはある?」

ほむら「私は特にお腹はすいてないけど……食欲がないわけじゃないわ。あなたに合わせようかしら」

まどか「え?そう言われると悩むなぁ」


 ま、みんなほとんど遊ぶことにしか意識は向いてないみたいだけどな。


1食べたい物提案(記述安価)
2ゲーセンでお菓子ゲットとかは?
3同じく鹿目さんに合わせる
4自由安価

 下2レス ※コンマ60以上で魔女が出るよ


貴方「ゲーセンでお菓子ゲットとかは?」

まどか「それもいいね。楽しそう!」

ほむら「ええ、私もそれでいいわよ」


 ゲーセンにつくと、お菓子のある機械を見回す。

 甘いものからしょっぱいものまでお菓子で溢れている。うまくいけばお値段以上のお菓子がゲットできそうだ。

 失敗したらってことは今は考えないでおこう。ひとつも手に入らないってことはなさそうだし。


貴方「色んな種類があるな。どれからやろうか」

まどか「ちょっと待って、今何か反応が――!」

ほむら「外からね……たった今生まれたのかしら」

貴方「マジかよ……! 魔法少女ってのもゆっくりできねーもんだなぁ、もう!」



 反応を頼りに結界の位置を突き止めていく。

 その辺はやっぱり俺や鹿目さんより先に契約してた暁美さんとかのほうが優秀みたいで、ほとんどついてくだけだった。



ほむら「――――二人とも、変身するのはまだ待って。この魔女は孵化したて。使い魔もまだ生み出されていないわ」

ほむら「最深部までは下手に刺激しないほうが余計なリスクは負わなくなる」


 抜け殻の迷宮を進み、ついに魔女の眠る最深部への扉を破ると、一斉に変身して暴れ回る。

 道中には姿が見えなかった使い魔たちは、起き抜けの魔女の寝室を守っていた。

 立ちはだかる使い魔を倒し、魔女への進路をひらく。


まどか「【貴方】くん、そっちをお願い!」

貴方「ああ!」

ほむら「これだけ邪魔者がいなくなればあとは一人でも十分なくらいね」


 暁美さんが顔色一つ変えずにそう言うと、次の瞬間には魔女は爆風に包まれていた。

 時間停止の魔法だ。他人と協力して攻撃することもあるけれど、触れている者以外の時を止めてしまう性質もあり大抵は一人で事足りてしまう。

 結界に入ってからも暁美さんの独壇場だった。



 ――――魔女との戦闘が終わると、さっさと遊びのつづきに戻っていった。

 繁華街は賑やかでも結界のあるところは薄汚くて奥まったところだ。そんなところには長居したくないし腹もますますすいてしまった。


貴方「いやー、あっけなく片付いたな!暁美さんのおかげか!」

まどか「わたしはあんまり役に立てなかったかな……。やっぱり経験の差なのかな?ほむらちゃんって魔法少女長くやってるんだよね?」

ほむら「……私じゃなくて魔法が強いだけよ」

貴方「それにしたって、暁美さんって銃の腕でも巴さんと渡り合えるんだろ?身のこなしもなんつーか卓越してるし」

貴方「武器や魔法がなくても俺や美樹くらいだったら簡単に倒されちゃいそうだよなぁ。女の子相手に情けないけどさ」

ほむら「それはどうも」


 と、話しながらもお菓子の出る台を操作する。順調にゲットできていた。


貴方「ところで、暁美さんも見てるだけじゃなくてやったら?」

ほむら「私はあまりそういうの上手じゃないから……」

まどか「遠慮しないでよ!眺めてるよりやったほうがきっと楽しいよ?」

ほむら「じゃあ少しだけ……」


 ……暁美さんに操作を交代してみると、とたんに失敗続きになった。

 適当にボタン押しても1つは当たるって思ってたけど、まさか収穫ゼロとは。


ほむら「…………」

貴方「ま、まあまあ!運が悪かっただけだって」

まどか「がんばって、ほむらちゃん!」

ほむら「……一人でやったことがあるけど本当にとれなかったのよ」



 まあ、勉強でも戦闘でも完璧だった暁美さんだ。

 苦手なものがひとつくらいあったほうが親しみが持てるってものだろう。




二回目【貴方】 2日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・一緒に遊んだ↑
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親しみが持てる完璧↑
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・先輩

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

――――
3日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると挨拶が返ってきた。


さやか「おはよー」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「……おはよう」


 三人で話し中らしい。


貴方「何話してんの?」

まどか「あ、実はね――」


 朝は適当に雑談を楽しんで、HRの後は更衣室に直行する。

 一時間目から体育の曜日はちょっと慌ただしい。



 着替えて体育館に集まっていた。今日はバスケだそうだ。

 ……さて、契約したことで見えないところで色々と強化されてるわけだけど。どうしようかな。



たいいくの授業
1手を抜いてやる
2目立つくらいにやる
3全力でやる
4見学にする

 下2レス



 そこそこくらいにやってみた。

 球さえもらえればこっちのものだ。もらった分はとりあえず全部シュートに突っ込んでみた。

 遠くからでも力は足りるし、コントロールが不安ならゴールまで距離を詰めるのも簡単だ。

 本来団体スポーツだが、誰かにパスするより自分でやったほうが確実に点が入る。今の自分なら全部一人で出来てしまった。


――――
――――


「すげー!【貴方】が居たから勝てたよ!てか【貴方】が居た時のチーム全部勝ってるし!」

「なあなあ、バスケ部入らねえ? 一緒にバスケやろうぜ!」

貴方「いや……やめとくわ」

「えー、マジでもったいねーのー。これからも【貴方】がチームに居れば安泰だな!敵に回った時が恐ろしいぜ!」

貴方「お、おう……」


 野郎共からの黄色い声。

 体育が終わってから周りに取り巻いてた奴らがいなくなると、なんかドッと疲れた気分だった。

 身体は少しも疲れてないのに。それどころかまったくやりごたえを感じてない。


さやか「【貴方】、なんかぐったりしてるわね。体育でそんなに疲れちゃったの?」

貴方「ツマラナイ……」

さやか「……あー、アンタ体育で目立ってたんでしょ?ほむらも毎回県内記録破ったり痛い目立ち方してるんだよ」

さやか「魔法少女だから出来るの当然なのになんで手加減しないのさ? やろうと思えばあたしのほうがほむらより上なのに」

ほむら「痛くて悪かったわね……。でも今更調子を変えたら不自然でしょう?」

さやか「最初に調子に乗っちゃったからやめられないのか」

貴方「俺の思ってるスポーツとなんか違うんだよ!これでも全然全力とか出してないし!」

貴方「もう魔法少年はスポーツを楽しむことも許されないんだ……一生無難に手加減するしかないんだ……」

まどか「二人とも悩んでるんだね……」

さやか「んー……わかった。じゃあ、契約者だけでスポーツすればいいんでしょ?マミさんにも持ちかけてみる!」

貴方「え?」

まどか「6人で出来ることだね……訓練や戦い以外で身体動かすのもいいかも!わたしはそんなに運動得意ってわけじゃないけど、頑張る!」

ほむら「まどかはきっと体の動かし方をわかっていないだけよ……。それと少し遠慮もしてるから」

さやか「ま、普段溜め込んでるのを出す機会にはよさそうだね!決まり!あとはなにやるかだなー」



 ということで、みんなでスポーツをする約束が決まった。



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3レッツスポーツ!(内容指定)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス

――――
――――
放課後 土手



 放課後になると、一昨日ぶりに6人全員で土手に集まっていた。



マミ「――ということで、第一回魔法少女……と少年、スポーツ大会をやりたいと思います!」

さやか「わーい、どんどんぱふぱふー」

貴方「……美樹、何の準備してるんだ?そのノートは?」

さやか「吹き矢と的だよ!手作りのね」

まどか「みんなで吹き矢をやるのかな? ……それだったらわたしも勝てそうかも」

ほむら「使う力は肺活量のみね」

杏子「ハラ減りそうじゃん?」

貴方「まあいいけど、それちゃんと飛ぶのか?」

さやか「まっかせてよ!」


 美樹が手作り吹き矢を吹くと、まっすぐに飛んでいった。

 意外と速いし、全力でやったやつが当たったりしたらそれなりに痛そうだ。


さやか「どうだ!勝敗はダーツみたいに点数で競うよ。準備は出来たことだしさっそくやろうよ」

さやか「順番は適当にじゃんけんで決めます」

まどか「6人でじゃんけんって結構かかるね……」


 順番を決めて、まず最初の人が基準線の前に立つ。


マミ「吹き矢といっても、要領は銃の扱いと似てるわよね」

まどか「弓よりはマミさんの使ってる銃のほうに近い気がします……!」

ほむら「まどかもコントロールは鍛えているのだから大丈夫よ」

さやか「げっ、強敵が多そうだ!でも言い出しっぺが負けてらんないね」

杏子「ま、やるからには勝つ気じゃないとな」

貴方「燃えてきたぞ!今度こそ全力だ!」

さやか「勢い余って吹き矢壊したらやり直しねー。……つくりなおすけど」



下1~6 結果コンマ判定 0=100、高いほどイイ!順番は喋った順。【補正】マミ・ほむら+20、まどか+10
5分間レスが空いた場合に連投許容



マミ「狙いは――ここ! ……あれ?」39

まどか「これで当たるかなぁ……? あっ、0点!?」24

ほむら「こんなもの……かしら。的には当たったわね」46

さやか「おお、いいとこいったじゃん!?ビギナーズラックってやつかな」64

杏子「一発目からほぼ真ん中か。もーちょい左にずらせば完璧だったな……」82

貴方「ドストライク!?」99


 途中的や吹き矢を直しつつ、三巡やって終わりだ。

 結果は少し意外だった。優勢かと思われた射撃組がことごとく奮わず、代わりに美樹や佐倉さんのほうが健闘していた。

 特に佐倉さんはすさまじかったが、さらに驚くのは俺が三連続で真ん中当てちゃったことだった。


さやか「意外な結果に!」

マミ「いつも使っている銃の感覚とはさすがに少し違うか……奮わないものね」

まどか「うーん、ダメダメだぁ。マミさんは十分できてると思いますよ……」

ほむら「マミはいつも決まった愛用の銃でしょう?私は色んな銃を使うから少し出来たのかもしれないわ」

杏子「あたしもさやかも銃なんか持ったことないけど上じゃねーか。関係ねーよ」

さやか「ま、あたしは運がよかったんだよ。でもアンタはたしかにすごいわね、杏子」

杏子「気分いいな!けど【貴方】はなんだよそれ!実は吹き矢のプロかよ?」

貴方「吹き矢のプロってなんだよ」



1俺も銃なんか持ったことないよ
2銃は使うことはあるけどさ
3銃はいつも使ってるけどさ

 下2レス


貴方「俺も銃なんか持ったことないよ」

さやか「で、どう?全力で競えてスッキリした?」

貴方「ああ、楽しかったな!今度はガッツリ身体動かすやつでもいいかもなあ」

さやか「第二回も遠くなさそうだねー」


 美樹はやる気らしい。

 今日はみんなで遊んで絆も深まった気がした。ついでに新しい特技も見つかったかも……?



このあと
1ご飯に誘う(キャラ指定)
2ヒミツの特訓(キャラ指定)
3自由安価

 下2レス



杏子「あー腹へった。メシメシー!」

さやか「まったくアンタはそればっかりなんだから。少しは女の子らしくしようとは思わないの?」

杏子「別にいいじゃんか。好きにさせろよ」

杏子「気にしてもしょうがないこと気にしてどうなるってんだ。あたしに青春とかあるわけないし?」

まどか「そ、そんなことない……かもよ? 一応魔法少年やってる男の子もいるみたいだし」

さやか「意識しなきゃ青春もこないもんだと思うけどなー?」


 わいのわいのと雑談しながらぽつりぽつりと人が離れていく。

 完全にみんながいなくなる前にこっそりと巴さんを呼び止めた。


貴方「……巴さん!俺に特訓してくれませんか?」

マミ「特訓?……吹き矢の?」

貴方「い、いや。戦い方を見てもらえないかなって」

マミ「それはもちろんよ。【貴方】くんは熱心ね」

貴方「俺が一番新入りだから……」

マミ「そんな。私や佐倉さん、あと暁美さんもかしら?そのあたりは差があるもしれないけど、他はもうほとんど変わらないわよ!」

マミ「……あと、少しだけ吹き矢のコツも教えてくれる?二回目がないとも限らないもの」

マミ「やっぱり先輩、ベテラン、銃使いとしての威厳をね!」

貴方「は、はあ……」


 巴さんからの特訓のお願いも受けてヒミツの特訓をはじめた。

いっそのこと複数の武器に変化させられるギミック武器はどうだろう?烈火の炎の小金井みたいなの

みんな、武器ばっかり考えていたけど魔法生物作って使役するタイプもありなんじゃないか?

魔女を口説いてメロメロにする言葉の魔術師タイプもな

いっそのこと正当な魔法使いタイプで本(魔法書)ありなのでは?
他の魔法少女の魔法も解析すればコピーできるとか(ただし、本家より劣化)



マミ「さあ、もっと遠慮しないできていいのよ! じゃないと特訓にならないわよ?」

貴方「っていわれたってそんなに隙なんて――――!? わあっ!?」


 巴さんからは魔力の操作と動き方を総合的に見てもらった。

 ……しかしまあ、巴さんの戦い方も多彩だよな。

 銃を武器にしてはいるけどアクロバティックにバリバリ動くし、そもそも本来の武器は銃じゃないって話だ。


貴方(巴さん、よく動くんだよな……美樹みたいに胸当てもないし、ちょっと気になるっていうか)

マミ「ほら、気が抜けてるわよ!」

貴方「やべえっ!」


 気付いた時には伸びているリボンが厄介で、何度も足に引っ掛かっては顔から落ちそうになっている。

 巴さんは優しいから地面に強打は避けられているが、意図せず浮く感覚は心地がよろしくない。


マミ「……組手はこれくらいにしましょうか。【貴方】くんは私と同じように不定形の武器なのよね」

貴方「同じって言っていいんすかね。同じってほど自由度ないですけどね……」


 連敗のままレッスンを終え、杖の先に向けていた魔力を消す。

 そのまま使えば短い杖。だが、今のところは戦いとなると勝手に感情が昂ぶって武器が出てきてしまう。

 そのまま力を込めれば大剣。工夫すれば刀や斧、他の武器にも出来るだろうか。……巴さんと違うのは刃が魔力そのものってところだ。


マミ「あ、そうだ!吹き矢があれだけすごかったんだから、吹き矢にしてしまえばいいんじゃない?」

貴方「これで!?いや、そんな操作はムリっすよ」

マミ「そう?もっと器用になれば、作れる武器の幅が増えるかもしれないわね」



 戦いで吹き矢を使うのはまだ難しそうだ。

 ――――と、そんなこんなで組手のレッスンを終えて、また吹き矢に戻ってくる。



貴方「あ。道具がもうないですね。美樹、ちゃんと持ち帰っちゃったんだな……」

貴方「吹き矢の作り方調べるか……こんな感じでいいのかな」

マミ「……相変わらず【貴方】くんはドストライクなのね」

貴方「ははは、まあ……。この辺を狙って的に合わせる感じで」

マミ「こ、こう……?わからないわ……」



 ついでに、吹き矢の作り方も覚えてしまった。

 巴さんに教えるのは新鮮な気分だ。


▼巴さんと二人で特訓した。少し器用になった気がする。



二回目【貴方】 3日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・一緒に遊んだ
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親しみが持てる完璧
・佐倉杏子・・・仲間
・巴マミ・・・吹き矢教えた↑

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら

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色々出てたけど総合したら>>954になりました。
>>957>>958武器とは別の魔法はまだ決まってないのでチャンスはあります。このままなしってこともありえますが。
>>959 ものすごく海香ちゃん…しかも劣化も(恐らく)しない…

次スレでございます

貴方「俺が魔法少年でヒロインを攻略するまどか☆マギカ?」
貴方「俺が魔法少年でヒロインを攻略するまどか☆マギカ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1581868368/)


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無理に埋めなくても残ってたらなんかおまけ書くかもです

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*おまけ* 嫉妬Lv3モード
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ほむら(あくまのひと)「……バグったみたいよ」


※主人公の設定に関わらず理不尽に全キャラ嫉妬Lv3・好感度MAXでスタートします
※オチも目標もありません。ただ生き延びてください
※ここに出てくるヒロインはよく知った女の子たちの分身だよ。本人とは関係ないよ
※一定時間が経つ(まずはこのスレで『1000になる』)と収集が付かなくなった世界を「あくまのひと」が強制終了させてくれます
※↑たとえ結末を書く前に誰かが書きこんで1000になってしまったなどの諸事情があった場合でもそう思っててください



――――……??回目. 起動



 朝、一日がはじまる。


 どこにでもあるような至って平常な朝だ。退屈なほど平凡で。

 ワルプルギスの夜だとか、そんなうっすら噂で聞いたことがあるようなないような災害の予兆も当然無縁で……。



貴方 is 誰
1学生は学校に…見滝原中学校に行かなきゃ!
2学生だからどうしたぐっすり二度寝
3自分が誰だかわからない…とりあえず街を歩く
4自由安価

 下1レス



 見滝原中学校に向かおう。



1二年生の教室に行く
2三年生の教室に行く
3寄り道してから行く

 下1レス



 寄り道せずに学校へ行き、自分の教室に着いた。

 自席で荷物の整理をしながらHRの時間までぼんやりと過ごす。


 ――……あるはずの席がいつまで経ってもないままだ。

 この学校では机と椅子を収納できる仕組みだ。登校してくる人が増えれば席も埋まっていく。

 学校に来ていない人の席は空間が空いたままだ。今日の教室内は妙に広かった。


貴方(あの辺って……誰の席だったっけ?)


 あんなにごっそり休むことなんてあるだろうか……と思った頃に数人まとめて駆けこんできた。

 こっちにくる!


さやか「【貴方】! なんで待ち合わせ場所に来てくれなかったのよ! 約束してたんだよ?」

貴方「えっ……約束、してたっけ?」

仁美「ほら、【貴方】くんも違うと言っていますわ。今日は私が迎えに行くと言っていたのです。今朝はもう家を出た後だったのですが……」

まどか「えっ……? 違うよね? 毎日一緒に登校してたのはわたしなのに、なんで今日は先に行っちゃうの……?」


 何故かまとめて詰め寄られる構図になっているが、困ったことにまったく覚えがない。

 どうしよう……?



1約束…?
2何を言ってるのかわからない、と言う
3とりあえずあやまる
4じっくり思い出してみる

 下1レス



貴方(いや……これは自分が忘れてるだけなのかも……)


 まずはじっくり思い出してみよう……。

 これまで何があったか……。近いうちのこと……



 ……今学期のはじめ……みんなとの出会い……家族との思い出。



貴方「ウッ――――――――!?!?!?!?」



▼貴方の精神は崩壊した!



DEAD END.この世界において、自分を深く考えることは禁忌




――――
――――


1約束…?
2何を言ってるのかわからない、と言う
3とりあえずあやまる

 下1レス



貴方「何を言ってるのかわからないんだけど……」

さやか「やっぱそうだよね? 仁美のはともかく、まどかと毎日登校してるはありえないでしょ」

まどか「えぇ!? なんでありえないの!?」

貴方「いや、さやかが何言ってるのかもわからんし」

さやか「なんでよ! わかるでしょ!? だってさ、その……!! 恋人との約束だよ!?」

貴方「こっ……――!?」

仁美「何を言ってますの? それは私たちのことでしょう?」

まどか「えっ? ち、ちがうよ! わたしだよ! まさか【貴方】くん、こんなにいっぱいの人と浮気を……!?」

貴方「いやだからまったく覚えがな――」

さやか「ちょっと! どういうことよ!」

仁美「聞き捨てなりませんわよ?」

まどか「うえぇぇえん!」



 さやかと仁美には詰め寄られてるしまどかは泣いてるし、ひどいありさまになってしまったが、

 タイミングよくHRが始まったことで運よくこの場は収まった。


 だけど今からHRが終わって小休憩になるのが怖くて仕方がない!

 ――助けてほしいのはこっちのほうだ!



 こうなったら…
1廊下に逃げる
2保健室に逃げる
3お外に逃げる
4逃げも隠れもしない!全部本当にしてやる!

 下1レス



 気分が悪くなったってことにして授業が終わるまで保健室に逃げよう。


 薬品の匂い……白いベッド……。

 今は保健室の先生もいないようだ。静かな空間でいったん落ち着こうか。


まどか「【貴方】くん、具合悪いの?」

貴方「な、なんでここに……」

まどか「わたしは保健委員だよ? 悪いところがあるなら見せてよ。先生いなくてもわたしが手当するから!」

貴方「そう言われても怪我とかしたわけじゃないから。えーっと、ちょっと休んでれば良くなるよ」

まどか「でも心配なの。……どうして朝あんなこと言ってたの? 【貴方】くんのことだから、やっぱり嘘とかは言わないって信じてるから」

まどか「……本当にわたしとのこと覚えてないの?」


 ……泣きそうな目でじっと見られるとキツいものがある。

 やっぱりこの話題は避けられない!



1覚えがない
2嘘でも思い出したと言う

 下1レス



貴方「わ、悪いけど、覚えがないな……」


 そう言うと、まどかは立ち上がる。

 後ろに回ったかと思うと、小さな手に頭を撫で回された。


まどか「頭を打って記憶喪失とかってよくあるけど……本当に怪我じゃないんだね」

まどか「じゃあ、何のせい? どこが悪いんだろう……?」

貴方「さ、さあ……」


 どこも痛くはないし、向こうが冗談言ってるとしか思えないんだが、

 ナデナデされてるようでちょっと照れてしまう。


 ……と、そんなことを考えてたら、風が吹いてきた。


貴方「な、なんか風強くない? 窓――あ、あれ!? 閉まってるのに!!?」

まどか「忘れたままなんて嫌だよ……! わたしが、わたしが治してあげなきゃ……! もっと集中――――――!」


 室内を吹き荒れる風は急激に強さを増した。

 ――――天気の良い午前中、密室の保健室に竜巻が発生した。


▼貴方はバラバラになった!



DEAD END.女神の殺人的治療

---------------------------------
…素直がイチバン、とは限らない?
---------------------------------

――――
――――



貴方「……お、思い出したよ! 付き合ってたし、毎日登校してた……!」

まどか「! うん。よかったぁ、思い出してくれて! このままだったらどうしようかって怖かったの!」

まどか「……じゃあ、先に教室戻ってるね?」

貴方「あ、うん……」


貴方「…………」


 どおおおうすんだこれ!!? なぜか成り行き的に恋人になったんだけど!!?


貴方(この経緯はあんまり嬉しくないけど……でも、案外悪くもないかもなあ)

貴方(ナデナデされてしまった……)


 残りのクラスメイトもいるのが怖いけど、とりあえずもう寝てしまおう。寝て現実逃避しよう。

 実は後で教室戻ってみたら『ドッキリ大成功』とか言われるかもしれないし。


貴方(いや、それはそれでダメージあるぞ。……まあいいや、もう今はおやすみ!)



 ――――……気持ち良くまどろんでいたが、チャイムの音とともに目が覚めた。

 壁に見える時計は、一時間目の授業が終わった時間だ。


貴方(結構寝てたな……先生まだ来てないのかな?)


「うーん……」


 その時、布団の中で何かがもぞりと動いた気がした。

 ……中っていうか横!? 横から声したんだけど!


 横を見てみると、すぐ近くに暁美さんがいた。


ほむら「ど、どうして私のベッドに……!?」

貴方「いいいいいいやそっちこそ!?」

ほむら「まるで私から入ったみたいな言い草ね……!? ありえると思ってるの?」

貴方「ごめんごめんごめん! とりあえず出てくから許して!」

ほむら「…………いえ、いいわ」

貴方「えっ」


 暁美さんの白い指に袖を小さく掴まれる。


ほむら「……【貴方】くんなら許してもいいと言ってるの」

貴方「 えっ?」

ほむら「……」

貴方「えっ」

ほむら「当たり前だけど……他の女子にまで手を出してみなさい? このこと言いふらすから」


 断じて変態的なことをしたいってわけじゃないけど、ついさっき恋人が出来たところなんですが……。

 暁美さんはまだ袖を掴んでいる。……もうこの際、思い切って二時間目までいっちゃうか?



1欲望に負けて添い寝
2逃亡

 下1レス



貴方(……ここは思い切って流されるか。ええい、二度寝最高!)


 起きたばかりだが、再び横になることにした。

 ……そっと隣を見る。目の前に無防備すぎる寝顔がある。これがどうして落ち着いていられるんだ。


貴方(本当、綺麗だよな……こんな近くで見ることがあるなんて思ってなかったけど)

貴方(……これってもしかして、キスくらいしても怒られないんじゃないか? ここまで許されたんだぞ?)



 その時、扉の開く音がした。そういえば、今って一時間目が終わって小休憩の最中……?



まどか「【貴方】くん、まだ具合悪いの? 二時間目始まっちゃうよ?」

貴方「か、鹿目さん? こ、これは違うんだ!」

まどか「え……な、なんでほむらちゃんといるの。一緒のベッドって、どういうこと……?」

貴方「いやだからその、これはちょっと事故というかもしかしたらドジが発端というか」

まどか「何も違わないよね? だってわたしが来た時、【貴方】くん起きてたよ! ほむらちゃんのことキスとかしそうな体勢で見てたよ!」

ほむら「ええ。何も違わないわ」

貴方「あ、暁美さん、何を言ってるの!?」

ほむら「……そういうことよ」


 『そういうこと』って何!? いや、否定もできないけど……!


まどか「そ、そ、そ、そんなのおかしいよ! 【貴方】くんはわたしと付き合ってるんだもん!」

まどか「毎朝一緒に登校したこととか、ちゃんと思い出してくれたって言ってたもん!」

ほむら「……【貴方】くん、それは話が変わってくるわよ。まどかとのことがありながら私にも手を出したというの?」

ほむら「他の女子にまで手を出したら承知しないと言ったわよね……。それも、よりによってまどかに?」



 鹿目さんからは泣きながらも怒気を感じる。暁美さんからは鋭い殺気のオーラを感じる。

 暁美さんとの添い寝に流されてしまった以上、前者のことはナシにしないとどっちにしてもマズイものがバラされそうだ。


貴方「じ、実は……思い出したっていうのは嘘だったんだ! 安易なこと言ったのは悪いと思ってるけど、かわいそうだと思って」

貴方「鹿目さんのためを思ったつもりだったのに余計に悲しい思いをさせてしまった。本当に好きなのは暁美さんだったんだ」

ほむら「【貴方】くん…………」

まどか「そんなのってないよぉ! 本当は覚えてるんでしょ? わたし、一緒に登校するために早起きして頑張ってたんだよ」

まどか「朝、【貴方】くんの顔を見るたびに嬉しかった。【貴方】くんも目が合ったら笑って挨拶してくれた。それだけで頑張れたの!」

まどか「なのに今日に限っていつもより早い時間に出ちゃうなんて……」

貴方「えっ……毎朝一緒に登校ってそういうこと? 見かけたら挨拶くらいはしたかな。それ以外のエピソードないの? やっぱりそれって付き合ってないんじゃ」

まどか「それ以外……? あ、帰りも一緒だったよ!」

貴方「登下校中にたまに会ってもそんなの偶然としか思わないよ! 約束した気になってたのはそっちだけだよ!」

まどか「ど、どうして……そんなことないもん……うぇぇええん」


貴方「というわけで、暁美さん。添い寝の続きを……」

ほむら「……そんなにうまくいくと思った?」

貴方「……やっぱダメ?」

ほむら「まどかを泣かせたのは事実よ」



▼貴方は社会的に爆死した!


DEAD END.ほむらちゃんの理不尽爆弾


――――
――――


>>988
1逃亡

>>983 こうなったら…
2廊下に逃げる
3保健室に逃げる
4お外に逃げる
5逃げも隠れもしない!全部本当にしてやる!

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>>983 逃げも隠れもしない!全部本当にしてやる!


早乙女先生「――というわけで、女子は食い意地の汚い男性とは絶対にお付き合いしないように!」

早乙女先生「男子はそんな男性にならないように!」

早乙女先生「欲張りすぎるとお腹壊しちゃうので、注意してくださいねっ♪」



 HRが終わって先生が教室を出て行った。ここから一時間目まで、小休憩のはじまりだ。

 だが泰然と待つ! もう逃げも隠れもしない!

 よく考えたら美味しい状況じゃないか! 一気に三人からモテるなんてそうそうないぞ。


 さやか「で、どうなの!」 仁美「どうなんですか!」 まどか「どうなの!?」

貴方「……そうだった。さやかと付き合ってたのは本当だよ」

さやか「! そう言ってくれてよかった……!」

仁美「そんなことないです! それなら私とは!?」

貴方「仁美とももちろん付き合ってたよ」

仁美「そ、そう――――え? え?」

貴方「まどかとも」

まどか「……ちょっと待って。やっぱり浮気してたってこと!?」

貴方「浮気なんて不名誉なこと言うんじゃない! 世界を良く見るんだ。日本の常識だけに囚われるのは不幸なことだ」

貴方「君たちは俺が好き。俺は君たちを好き。ほら、何も問題ないじゃないか!」

 さやか「……」 仁美「……」 まどか「……」

貴方「ああ、そうだ。不満もあるだろうから、ちゃんと一人一人が独占できる時間も考えるよ」

貴方「たとえば今日の放課後はさやかとデート、明日は仁美と、明後日はまどかと。そうやってローテーションで分担していくんだ」


 女子たちが自分を取り合うなんて、考えてみれば悪くないよなぁ――と、浮かれた気持ちに浸っていたが。


さやか「そっかあ。『分担』ね、なるほど」

仁美「私だけのものにできないのなら、そういう手もありますよね……」

まどか「わたしたちは親友だから、わたしだってみんなとも仲良くしたいもん……仲良く分け合うのも大事だよね」

貴方「ああ、そうだよ。わかってくれた――――……その剣はどこから!?」



▼貴方はバラバラになった!


DEAD END.仲良くシェア♪


――――
――――



 こうなったら…
1廊下に逃げる
2保健室に逃げる
3お外に逃げる

 下1レス



 HRが終わってすぐ、とりあえず廊下に逃げ込んだ。


貴方(こ、ここまでくれば大丈夫だろう……)


 教室から離れた廊下で一息つく。三年生のフロアまで来たんだからもう大丈夫だろう。

 悪いことなんてしてないはずなのになんでこんな目に。いや、もしかして三人で手を組んでからかってるのか?


 こそこそ逃げなきゃいけないのは癪だが、小休憩が終わるまではここで待機しよう。


マミ「あら? 【貴方】くん?」

貴方「あ、マミさん」

マミ「嬉しいわ! 私に会いに来てくれるなんて。もう放課後まで会えないんじゃないかと思ってたのよ」


 会いに来たわけじゃないけど、まあ喜んでるならそう思ってもらってもいいか。


マミ「今朝は一緒に登校できなかったから」

貴方「…………うん? なんか、デジャブが……」

マミ「【貴方】くん、次の小休憩も来てくれるわよね?」

マミ「お昼もこっちで食べるでしょう?」

マミ「帰りも来てくれるわよね?」

貴方「い、いや……そこまでは……」

マミ「……そこまでは? 一人だと寂しいのよ、ねえ」


 なんだか有無を言わせない感じがする……。

 ちょっと雰囲気が怖いけど、クラスメイトから逃げる口実にもなると思えば悪くもない提案なような。


1マミと約束する
2一年のフロアに逃亡
3屋上に逃亡

 下1レス



貴方「な、なんでもないっすよ!」

マミ「そう! じゃあ、約束よ。来なかったら…… いいえ、来てくれると信じてるわ」

貴方「ハ、ハイ」


 マミさんと約束して、授業の開始直前に教室へと戻っていった。

 ――――そして、終わりと同時にまた廊下へと逃亡を試みる。


貴方(さて、今回もすぐにマミさんのところに向かわないと……)


 椅子から立ち上がり、扉に向かって歩き出す。


貴方(……あれ)

 歩き出す。

貴方(おかしいぞ)


 あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
 『おれは教室を出ようと歩き出したと思ったら一歩も進めていなかった』
 な……何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった……
 頭がどうにかなりそうだった……
 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……


ほむら「……まどかに頼まれたから仕方がなかったの」

貴方「い、いつのまにすぐそばに」

ほむら「でもやっぱり自分の気持ちに嘘はつけないわ! あの子の恋は応援できない! ストーカー行為を恋人との付き合いと思い込むなんて間違っている!」

貴方「そ、それはそうだね。君も何言ってるかわからないんだけど、とにかく外に用事が……」

ほむら「自分の気持ちに嘘はつかないと言ったでしょう? あの三人はこの中よ。そしてあなたも外へは行かせない……」

貴方「この中とは……」

 盾 \ダセー! ダセー! ダセー!/

貴方「腕から声が!?」


 その時、扉のほうから巴さんがやってきた。


マミ「【貴方】くんがいつまでも来ないと思ったら……あなたの仕業なのね!」

ほむら「邪魔をしに来たのね……あなたとは決着をつけないといけないと思ってたわ。巴さん! あなたも収納してあげる!」


 どういうわけか教室で銃撃戦がはじまった……

 自分はそれを見ているしかできなかった……


▼貴方は蜂の巣になった!


DEAD END.流れ弾☆

――――
――――


1一年のフロアに逃亡
2屋上に逃亡

 下1レス



 いや、やっぱり危険を感じる気がする……! それだったら!


貴方「寂しいことなんてないですよ。さやかとまどかと一緒に過ごせばいいと思います」

マミ「【貴方】くんは!?」

貴方「俺はちょっとやることが……じゃあこのへんで」


 三年のフロアにも安寧はなかった。

 一年のフロアに逃げよう。そこなら知り合いもいない。


マミ「駄目よ…… 美樹さんも鹿目さんも大事な仲間で友達……だった。だけど」

貴方「……」


 心苦しいが無視して背を向ける。

 『だった』? 何かあったのかな……。


マミ「それじゃ駄目なの!」

貴方「――――!!?」


 階段を下りはじめると、後ろから何かに絡み付かれた!


貴方「これは……リボン……!!?」

マミ「どうしてみんな私から離れていこうとするのよ!」

貴方「なっ……」

マミ「佐倉さんは私を置いていった……やっと信頼できる仲間ができると思ったのに、鹿目さんも美樹さんも私の敵になっちゃった!!」

貴方「て、敵ってどういう……!」

マミ「恋敵に決まってるじゃない!」

貴方「ぅぐ…………ッ!」



▼貴方は粘土のようにちぎられた!


DEAD END.私と貴方をつなぐもの



貴方「……ここは? 天国か? マミさんにリボンで締められて死んだような……」


 いや、あれは夢だったんだ。

 冷静に考えておかしいじゃないか。あんなのが現実なわけがない。


 気付けば誰もいない廊下にいた。

 そして、誰かが立っていることに気づく。彼女は――――。


あくまのひと「……【貴方】くん。人をその人たらしめる要素って、何だと思う? 記憶? 性格? あるいは――――行動、かしら」

貴方「え? 暁美さ――」

あくまのひと「私のことはあくまのひとと呼びなさい。これは夢よ。悪い夢なの」

貴方「やっぱり……まさかこれが俺の無意識の願望だったのか? みんなから異様にモテるのも……AKMさんがそんな露出度の高い服装してるのも」

あくまのひと「違う」

あくまのひと「……一言で言えば、この世界の人はおかしくなっている状態だわ」

あくまのひと「恐らく他の『可能性』から記憶や感情がバラバラに混ざった結果、本来のものから乖離した行動へと破綻を起こしていった」

あくまのひと「前回も開始早々貴方が魔女にやられて没になったけれど、この回も没ね。攻略も何もこんなのシミュレーションじゃないわ」

あくまのひと「少し面白いと思って眺めてたけれど、やっぱり自分や知人が狂っている様はあまり見ていたくないものね……」

貴方「よくわかんないけど、これは明晰夢ってやつか! じゃあ好き勝手してもいいってことだ! そうだ、目が覚める前に――――!」

あくまのひと「……強制終了!」



―――そうして、1つの世界が消え去った…―――


DEAD END.強制終了、さようなら世界

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