ドクター「最近」アーミヤ「はい?」 (9)


ドクター「俺の持ち物が無くなっていることが多いんだ」

アーミヤ「そうなんですか?」

ドクター「最初はロープの仕業かと思ったんだがな」


ロープ『えー? 知らないわよ。ぼく、盗ったら使った後でちゃんと返すし』


ドクター「と言われてしまった」

アーミヤ「(使う?)そうでしたか」

ドクター「困っている訳じゃないんだが、仲間に私物を勝手に持ってかれていると思うと多少思うところはある」

アーミヤ「普通の人は怒ると思いますよ?」

ドクター「いや……普段頑張っている皆をそんなことで怒るつもりはないんだ。ただ、貸してくれと言ってくれれば良いのにと思ってな」

アーミヤ「ちなみに、どんなものが無くなったんですか?」

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ドクター「よくあるのはペンとかだな。恐らくちょっと借りるつもりで返し忘れている場合が多いと思うが」

アーミヤ「ああ……ありますね。すぐ使いたい時に手元になくて、ちょっと借りるつもりでそのままポケットに……」

ドクター「何故か新品のペンが置いてあったりすることもあって、バツが悪いんだろう。素直に言ってくれても怒らないのにな」

アーミヤ「ペンだけですか?」

ドクター「他には……あー、シャツとかよく無くなるな」

アーミヤ「えっ」

ドクター「すぐに戻ってくるんだが、新品同然になってるからついでに洗濯してくれているんだろうな」

アーミヤ「そ、そうですか」

ドクター「恥ずかしいのは下着だな。無理に洗濯してくれなくてもいいんだが……」

アーミヤ「ちなみに、どなたですか?」ニッコリ

ドクター「え? あー、時々で違うんだが、スカジとかホシグマ、ケルシーとかだな」

アーミヤ「…………なるほど」メモメモ

ドクター「なんでメモ取ってるんだ?」

アーミヤ「お気になさらず。それで、他には?」

ドクター「布団だな。仕事を終えて寝ようと部屋に戻ったら、無くなっていた。こっちは犯人が分かっていない。まぁ新しいのが置いてあったから、誰かが黙って変えてくれたんだろうな。わざわざそんなことしなくてもいいんだがな……」

アーミヤ「ふ……布団……」

ドクター「言ってくれれば金を払うんだがなぁ」


アーミヤ「ドクター、部屋とオフィスに監視カメラを設置しましょう」

ドクター「監視カメラ? いや、そこまでする気は」

アーミヤ「駄目です。仲間内とはいえ、窃盗は犯罪。大した被害が無いにしても、規律を乱すのはいけません。後で私が付けに行きますので」

ドクター「うーむ……まぁ、わかった。ただ犯人が分かったとしてもあんまり責めないようにな」

アーミヤ「もう……ドクターは甘すぎです」

ドクター「甘い……というかな。あいつらに悪気が無いのは分かってる。ただでさえ危険な事をさせているから、好きにやらせてやりたいのもあるんだ」

アーミヤ「そんな……ドクターが犠牲になる必要はありません!」

ドクター「犠牲になっているつもりは無い。日常的な事をしている時にストレス解消できる奴もいるだろうし、俺の世話をしているのが幸せだと言う奴もいる」

アーミヤ「……そう、ですね。それはそれとして規律違反を犯した人はちゃんと罰を与えますね」ニッコリ

ドクター「……あ、ああ。やりすぎないように……(時々アーミヤの笑顔が怖くなる時があるんだよなぁ……)」

アーミヤ「ではまたあとで」スタスタ


~数日後~

ドクター「………………」カキカキ

ドクター「ん……もうこんな時間」

ドゴーーーーンッ!!!

ドクター「!? 敵襲か!?」

タタタッ!

ドクター「む、チェン! 何があった!」

チェン「分からん! 今向かっているところだ!」

ドクター「一緒に行くぞ! 音がしたのは俺の部屋……の……方?」

チェン「夜襲をするような知恵が向こうにもあるようだな!」

ドクター「(何か嫌な予感がする)」



チェン「誰かいるか! 返事をしろ!」

ドクター「俺のベッドが完全に破壊されていて、布団が燃えカスになっているみたいだ。俺の部屋は……なっ!?」

チェン「どうした! ……ホシグマ!? どうした、大丈夫か!」

ホシグマ「隊長……不覚を取りました……申し訳……」

チェン「誰にやられたんだ! レユニオンか!?」

ホシグマ「……あ……アーミヤ……」ガクッ

チェン「なんだと!? おい! ホシグマ!」

ドクター「命に別状は無さそうだ。それにしてもアーミヤにやられた……のか?」

チェン「……あるいは、アーミヤが何らかの危機に瀕しているか、だ」

ドクター「……ん? ホシグマが何かを手に持っている。なんだこれは? 布?」

チェン「敵の遺留品かもしれん。失礼するぞ」

っ男物のパンツ

チェン「おわっ!? なんだこれは!?」

ドクター「ちょっと待て。それは俺のパンツだ」

チェン「は!?」


ドクター「何となく、なにがあったのかはわかってきた」

チェン「この状況を見て何が分かるんだ……?」

ドゴォオオン!!! ドォオオオン!!!

チェン「くっ、まだ戦闘中のようだ! 早く行くぞ!」

ドクター「ああ……そうだな」



チェン「……酷い有様だな……」

ドクター「アズリウス! イフリータ!」タタタッ

ドクター「気絶しているだけみたいだ……」

シージ「遅かったな、ドクター。アーミヤならここにはいないぞ」

チェン「なにっ!? 貴様、シージか! これはお前が!?」チャキ

シージ「そちらを事を構える気は無い。私はドクターの味方だ。そこの二人を倒したのは私だがな」

ドクター「何があったんだ? アーミヤの仕業なのか?」

シージ「騒ぎの原因はアーミヤだが、この騒ぎの元凶かと言われればNOだな。これだ」

チェン「それは……?」

ドクター「俺の上着……?」

シージ「……」クンクン

シージ「ああ、そうだ」

チェン「なぜ今匂いを嗅いだ?」

シージ「これがドクターのものという確かな確信が欲しかったのでな」

チェン「……そ、そうか」

ドクター「とにかく、それを持っておいてくれたんだな。ありがとう、シージ」

シージ「……? 意味が分からないな。これは戦利品だ」

ドクター「……そうか……」

チェン「そうかって、納得するのか!?」

ドクター「まぁ、なんだ。死人はでなさそうだから。俺はオフィスに戻るよ……アーミヤにはやり過ぎないように言っておいてくれ……」

チェン「待て! 一人で逃がすと思っているのか! ここまで来たら一蓮托生だ! 行くぞ!」

ドクター「絶対ロクなことにならない……」ズルズル

シージ「ここの後片付けはしておこう。健闘を祈る」

またそのうち

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