【シャニマス】果穂「大人のデートがしてみたいです!」 (69)


シャニP(以下、P) 「ごふぅ!?」ブフゥ

有栖川夏葉(以下、夏葉) 「んぐっ!?」

小宮果穂(以下、果穂) 「?どうかしたんですか、プロデューサーさん」キョトン

P 「い、いや……」

夏葉 「ちょっと、プロデューサー?」

P 「俺は無実だ!」

夏葉 「話は警察で聞いてもらったらいいわ」ピッポッパ

P 「本当に誤解なんだって!」


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P 「果穂、大人のデートなんて言葉、誰から聞いたんだ!?」

果穂 「えっと、チョコ先輩です!」

P 「アイツ……」

夏葉 「……後できっちり叱っておくわ」

P 「任せた」

果穂 「プロデューサーさん?夏葉さん?」

夏葉 「ああ、なんでもないわよ果穂」ニッコリ


P 「……ところで、なんでそんな事を急に言い始めたんだ?」

果穂 「デートって、男の人と女の人が仲良くなる為にやるんですよね!?」

P 「……まぁ、確かにそれはそうだけども」

果穂 「あたし、プロデューサーさんともっと仲良くなりたいんです!」キラキラ

P 「こんないい子になにを吹き込んでるんだ智代子……」ナデナデ

果穂 「えへへ……くすぐったいです」

夏葉 「でも果穂?それなら、大人って言葉は必要ないんじゃないかしら」

果穂 「え?デートって大人じゃないとできないんじゃないんですか?」キョトン

P 「いや、そういう訳じゃ……まぁ、良いか」


P 「でもなぁ……アイドルとデートするのは」

夏葉 「あら、良いじゃない!お願い聞いて上げたら?」

P 「夏葉、反対しないのか?」

夏葉 「そりゃ、他の子だったら止めるかもしれないけど」

夏葉 「でも、果穂に変な事はしないでしょう?」ニッコリ

P 「俺がやらかす前提なのか……」

夏葉 「ふふ、冗談よ」


果穂 「あの……ダメ、ですか?」

P 「いいや、そういう事なら二人で遊びに行こうか」

果穂 「良いんですか!やったーっ!!」ピョコピョコ

夏葉 「良かったわね、果穂」

果穂 「はい、ありがとうございます!」

果穂 「えへへっ……プロデューサーさんとのデート、楽しみです!」ニコニコ

夏葉 「……本当に、何もしないわよね?」ジトー

P 「しねぇよ!!」

―――――

P 「さて、ちょっと早めに来てみたけど……」

果穂 「ぷ、プロデューサーさーん!」タッタッタ

P 「果穂、おはよう」

果穂 「ご、ごめんなさい……遅れちゃいました」ハァハァ

P 「大丈夫だよ、まだ時間前だか、ら……」ボーッ

果穂 「?どうかしたんですか?」


P 「いや、その髪飾り初めて見たなって思ってさ」

果穂 「お母さんが買ってくれたんです!男の人と出かける時に使いなさいって!」

P 「そうか……お母さんが」

果穂 「に、似合ってますか……?」

P 「良く似合ってるよ、とても可愛いと思う」ウンウン

果穂 「ホントですか!?やったー!」

果穂 「えへへっ、早速褒めてもらっちゃいました!」ニコニコ


P 「それじゃ、早速出発するか」

果穂 「はい!あ、でも……」

P 「どうした?」

果穂 「あたし、デートってどういう事したらいいのか分かりません……」シュン

P 「そうだなぁ……果穂でも楽しめそうな施設、少しぶらついて探してみようか」

果穂 「わぁ……!デート、なんだかワクワクしますね!」

P 「あんまりエスコートの期待はしないでくれよ……」ハハハ


果穂 「……そうだ、プロデューサーさん!一つお願いがあるんですけど……」

P 「どうした?」

果穂 「手、繋いでみても良いですか……?」

P 「そうだな、はぐれると困るし繋いでおくか」

P 「ほら、果穂」スッ

果穂 「はいっ!」ギュッ


P 「……あの、果穂?」

果穂 「なんですか?」

P 「なんで恋人繋ぎなんだ?」

果穂 「チョコ先輩が、デートではこうした方が良いよって教えてくれたんです!」

P 「智代子……」

果穂 「……えへへっ、なんだか胸のあたりがポカポカします!」カァア

P 「……そうか」

果穂 「さぁ行きましょう!プロデューサーさん!」グイグイ

P (……俺捕まらないよね?)

――――― 

夏葉 「…………」ジーッ

西城樹里(以下、樹里) 「……なぁ、夏葉」

夏葉 「何かしら、樹里」

樹里 「果穂が心配なのは分かるぜ?けどよ……」

園田智代子(以下、智代子) 「あっ、夏葉ちゃん!手繋いだよ!」

夏葉 「ゴメンなさい樹里、今大事なところだから」ジーッ

智代子 「そうだよ樹里ちゃん!プロデューサーさんが変な事しないか見張ってなきゃいけないんだから!」

樹里 「いや、今のお前らには言われたくねーだろ!?」


夏葉 「失礼ね、樹里」(オペラグラスを覗きながら)

智代子 「こういうのは雰囲気だよ?」(サングラスにコート)

樹里 「お前ら、どの口で……」

夏葉 「これは果穂を守るためよ、仕方ないわ」

智代子 「そうだね!……もきゅ」モグモグ

樹里 「流石にプロデューサーが可哀そうに思えて来るぜ……」


樹里 「……それによチョコ、そのパンと牛乳はなんだよ?」

智代子 「そんなの、チョコパンと牛乳に決まってるじゃん!」

樹里 「……わりぃ、何が言いたいのか分からないんだけど」

智代子 「だって、張り込みだよ!?張り込みって言ったらこのセットでしょ!」

樹里 「……それを言うならあんぱんじゃねえの?」

智代子 「ちょ、チョコも甘いもん……一緒みたいなもんじゃん」プクー


樹里 「はぁ……おい凛世、凛世からも何か言ってやって」

杜野凛世(以下、凛世) 「プロデューサー様……」ジーッ

樹里 「……り、凛世?」

凛世 「すみません樹里さん、用事が出来ましたので」スタスタ

樹里 「ってオイ!そっち行ったらダメだって!」ガシッ

凛世 「離してください、プロデューサー様の元へ参らなくては……」グイグイ

樹里 「落ち着け相手は果穂だから!な?」ズルズル


凛世 「……それならば、仕方――」

智代子 「わぁ、恋人繋ぎしてる……!」パァアア

夏葉 「果穂、やるわね……!」

凛世 「…………」グイグイ

樹里 「お前らちょっと黙ってろ!」ズルズル

――――― 

P 「…………」ジーッ

果穂 「どうかしたんですか、プロデューサーさん?」キョトン

P 「いや、何でもないよ」

P (アイツら、折角のオフなのに何やってんだ……?)


P 「……おっ、ゲームセンターがあるな」

果穂 「ゲームセンター、ですか?」

P 「ああ、デートには定番だと思うし悪くないだろ」

P 「果穂はゲーセン来たことあるのか?」

果穂 「はい!クライマックスガールズの皆で来ました!」

果穂 「……でも、大人のデートでゲームセンターに入っても良いんでしょうか?」

P 「大人かどうかは別としてだな……ほら、アレ見てみな」

果穂 「アレ……?」


果穂 「わぁっ、男の人と女の人が、仲良くUFOキャッチャーしてます!」キラキラ

P 「ゲーセンだったらああいう風に二人で楽しめるしな」

P 「それにプリクラもある」ウンウン

果穂 「プリクラ……!」キラキラ

P 「果穂は俺とプリクラ撮りたいか?」

果穂 「はい、撮りたいです!」

P 「よし来た!」

――――― 

P 「……さて、何から遊びたい?」

果穂 「えっと……あ、アレがやってみたいです!」ビシッ

P 「あれは……ガンシューティングか?」

果穂 「この前、みんなで来た時は出来なくて……」シュン

P 「ん、時間がなかったのか?」

果穂 「いえ、時間はありました!」

果穂 「でも、樹里ちゃんと夏葉さんがやめとこう!って……」

P 「……ああ、納得した」


P 「じゃ、まず操作説明から……」

カクカクシカジカ

P 「……どうだ、分かったか?」

果穂 「大丈夫、だと思います!」コクコク

P 「よし。それじゃ、やってみるか」

果穂 「はい!あたし、初めてだから楽しみです!」

P 「よーし……」ガシャコン


果穂 「……き、来ましたっ!」ワクワク

P (甜花の教えを思い出して……)バンバン

果穂 「えい、えいっ!」バンバン

果穂 「あ、当たらないです……」チラッ

P 「果穂?」バンバン

果穂 「プロデューサーさん、どうすればうまく当たるんですか?」


P 「そうだな……まずは、ちゃんと脇をしめること!」

果穂 「脇を……しめる」シュッ

P 「それで、しっかり狙って……!」

果穂 「狙って……!」

P 「撃つ!」バーン

果穂 「っ!」バーン

果穂 「わぁっ!やりました、プロデューサーさん!」キラキラ


P 「ありがとう、果穂!」カチリ

P 「……カチリ?」ピタリ

~~~~~

大崎甜花(以下、甜花) 『プロデューサーさん……当てるだけなら、誰でもできる』

甜花 『重要なのは、リロード……だから』

甜花 『驚いたり、喜んだりしてても……忘れちゃ、ダメ』

~~~~~

P 「……あっ、やべっ!?」ガチャリ

果穂 「プロデューサーさん!」バーン

P 「果穂!?」

果穂 「えへへ、間に合いました!」

>>23 P 「ありがとう、果穂!」→ P 「よし、よくやった果穂!」

P 「危ない所だった……ありがとな、果穂!」

果穂 「このくらい、お安いごよーです!」ニッコリ

果穂 「それにそれに!なんだか今のヒーローっぽかったですよね!」

P 「おう、助けに来るところなんてまさにヒーローって感じだった!」

果穂 「……よーっし!やるぞーっ!」

P 「……果穂、リロードは忘れないようにな!」

――――― 

樹里 「あいつら、なんか兄妹みたいだなー」

智代子 「二人とも、スッゴク楽しそうだね!」

樹里 「ああ、これなら心配いらないかもな……」

夏葉 「あら樹里、よそ見してる場合?」

樹里 「あん?これだけリードしてるんだからどうとでも……」バコン

樹里 「って!夏葉、今甲羅ぶつけやがったな!?」

夏葉 「悔しかったら追いついてみなさーい!」ビューン


樹里 「くっそぉ……お?」

夏葉 「……!?」

樹里 「へへっ、ショートカットみーっけ!」

夏葉 「ちょっと、樹里!卑怯よ!?」

樹里 「先に仕掛けてきたのはそっちだろー?」ニヤニヤ

夏葉 「くぅ……負けないわよ!」ブーン

樹里 「望むところだぜ!」ギュイーン


智代子 「二人とも早いなぁ……って、凛世ちゃん!?」

凛世 「どうか……いたしましたか?」キョトン

智代子 「曲がり過ぎ曲がり過ぎ!曲がり過ぎて逆走してるってば!」

凛世 「左様でしたか……おや」ピロピロ

樹里 「うわっ!雷!?」

夏葉 「小さくなっちゃったわ……」


樹里 「……でも、負けてられ」ヒュー

夏葉 「…………?」

ドーン!!

樹里 「なぁ……!?」

夏葉 「吹き飛ばされたわよ!?」

樹里 「ったく、今度は誰が……!」

智代子 「はい、私っ!」バビューン

夏葉 「智代子!?」


智代子 「やったー!私いっちばーん!」

樹里 「ちょ、チョコに負けた……!」ガーン

凛世 「おめでとう、ございます……智代子さん」

智代子 「えへへ、ありがと凛世ちゃん!」ニコニコ

夏葉 「……もう一回よ」

智代子 「へっ?」

樹里 「だな、負けて終われないぜ……!」

智代子 「な、夏葉ちゃん?樹里ちゃん?」

樹里・夏葉 「「もう一度だ!」よ!」ビシッ

――――― 

P 「ふぅ……何回もやっちゃったな」ハハハ

果穂 「プロデューサーさん、スッゴク上手かったです!」

P 「いや……この前教えてもらっただけだよ」

果穂 「誰かと一緒に行ったんですか?」

P 「ん、甜花と一緒にな」

P 「そうだ果穂、今度誘ってみたらどうだ?」

果穂 「だ、大丈夫でしょうか……」

P 「一緒にゲームするくらいなら、喜んで一緒に来てくれると思うぞ?」

果穂 「分かりました!今度誘ってみますね!」


P 「……さて、プリクラの前まで来たんだが」キョロキョロ

P 「種類、多いんだなぁ……あんまり考えた事なかったよ」

果穂 「あっ、この前みんなで撮ったのこれです!」

P 「おっ、それならそれにしてみるか!」

果穂 「はい!お邪魔しまーっす!」

P 「よし、とりあえず入れて……」チャリン


P 「けど俺、あんまり操作分からないんだよなー」

果穂 「そうなんですか?」

P 「ああ、あんまりプリクラ撮る機会がなくてな」

果穂 「だったら、あたしに任せて下さい!」ニッコリ

P 「おっ、自信ありそうだな?」

果穂 「えへへ、チョコ先輩からたっくさん教わりましたから!」

果穂 「プロデューサーさんの事も、いっぱいキラキラさせられます!」キラキラ

P 「お、お手柔らかにな……」

果穂 「任されました!それじゃ……えーと、確か」ピッピッ

果穂 「……はい!これで大丈夫だと思います!」


果穂 「ほら、プロデューサーさん撮りましょう!」ダキッ

P 「!?」

果穂 「?」キョトン

P 「……なんで抱きついたの?」

果穂 「だって、近づかないと映らないじゃないですか!」

P 「……なるほど」

果穂 「ほら、プロデューサーさんもくっついてください!」

P 「……ええい、やけだ!」グッ

果穂 「!えへへ……♪」

果穂 「それじゃ、撮りまーす!はい、チーズ!」パシャリ

P 「……上手く撮れたか?」

果穂 「はい、バッチリです!」


果穂 「それじゃあ……!」キュッキュッ

P 「俺の顔に何描いてるんだ?」

果穂 「サングラスです!」

P 「ほぉ……」

果穂 「渋くてカッコよくありませんか!?」

P 「自分の顔見てカッコイイって言える程の自信はないかな……」

果穂 「似合うと思いますけど……」


P 「……それじゃ、俺はこんなのでも描こうかな」キュッキュ

果穂 「わぁ……!なんだかあたし、お姫様みたいです!」

P 「まぁ、たまにはこういうのもな」

果穂 「よーっし……それじゃ、あたしも!」カキカキ

~~~~~

果穂 「できましたー!」

P 「最近のは写真写りが良いんだなぁ……さ、果穂の分」

果穂 「ありがとうございます!何処に貼ろうかなー」ウキウキ

P 「……あんま人には見えない場所にしておくんだぞ?」

――――― 

樹里 「すっかり楽しんじまったなー!」

夏葉 「まったく、樹里ったら本気で遊び過ぎなのよ」

樹里 「そういう夏葉だって騒いでたろー?」

夏葉 「なっ!……まぁ、そうね」

智代子 「また行けたら良いね!」


凛世 「……二人とも、今度はどちらに向かわれるのでしょう?」

夏葉 「あれは……ファミレス、かしら?」

樹里 「ファミレス?なんかデートっぽくねえよな?」

智代子 「デートというか……家族連れ?」

凛世 「家族…………」

樹里 「止まってろよな凛世」グググ

夏葉 「果穂の食べられそうなものが沢山あるから、じゃないかしら?」

樹里 「……ま、イタリアンとか行くより満足できそうだしな」ウンウン

凛世 「お優しいですね……」ウットリ


智代子 「……あれ?でも、ここカップル御用達のお店じゃない?」

樹里 「……は?」ポカン

夏葉 「どういう事、智代子?」

智代子 「う、うん……ここ、カップルジュースが有名なお店なんだ!」

凛世 「かっぷるじゅーす……?」

智代子 「一つのコップに入ったジュースをね、ストローを使って二人で飲むんだよ!」

凛世 「一つの物を……二人で」ホワホワ

樹里 「ざっくりしてんなぁ……」


夏葉 「ねぇ智代子、貴女どうしてそんな事を知っているの?」

智代子 「へっ?」パチクリ

夏葉 「だって、カップルジュースなら相手がいないと……」

智代子 「……そ、そんな事どうだっていいじゃん!?」グルグル

樹里 「でもよ、あんなの一人で頼んだら……」

智代子 「つ、ツイスタ映えするもん!」アワアワ

夏葉 「……食べ物粗末にしたらダメよ?」

智代子 「わ、分かってるよぅ……」ホッ

樹里 「ま、良いじゃねーか!早く行こうぜ!」

――――― 

P 「それじゃ、果穂は何が食べたい?」

果穂 「オムライス!オムライスが食べたいです!」

P 「オムライスか……」

果穂 「はい!この前お母さんが作ってくれたオムライスが美味しかったんです!」

P 「あー、懐かしいなぁ……」

果穂 「プロデューサーさん、オムライス久しぶりなんですか?」

P 「そんな事はないが……昔を思い出す味っていうかさ」


P 「ただ……うん、今日はチーズハンバーグにしようかな」

果穂 「ち、チーズハンバーグ……!」ゴクリ

P 「食べたいのか?」

果穂 「食べたいです!あ、でも……」

P 「ん、どうした?」

果穂 「いっぱい食べたら、お腹いっぱいで残しちゃうかもしれません……」

P 「なるほどな……それじゃ、俺と分けっこするか?」

果穂 「あっ、それなら食べられますね!」

果穂 「プロデューサーさんも、欲しかったら遠慮なく言ってくださいね!」

P 「はは、分かったよ」ピンポーン


店員 「はい、ご注文は?」

P 「オムライスとチーズハンバーグ、お願いします」

店員 「畏まりました……他に御座いますか?」

P 「……そういや、ドリンクを決めてなかったな」

P 「果穂、何か飲みたいのとか……」

果穂 「…………」ジーッ

P 「果穂?」

果穂 「あ、あのっ!一つ聞いても良いですか!?」

店員 「はい、どうかしましたか?」


果穂 「このカップルジュースってなんですか!?」

店員 「ああ……一つのカップにストローを差して、お二人で飲んでいただくメニューになっております」

果穂 「二人で……!」

P 「……あの、果穂?」

果穂 「プロデューサーさん!あたし、これ飲んでみたいです!」

果穂 「ダメ、ですか?」シュン

P 「……店員さん」

店員 「はい、なんでしょうか?」


P 「これってカップル限定ですか?」

店員 「!?と、特には……」ギョッ

P 「それじゃ、これも一つください」

果穂 「やったー!楽しみです!」ニコニコ

店員 「…………」ヒキッ

P (あっ、変質者を見る目だ)

――――― 

店員 「……お待たせしました、カップルジュースになります」

P 「ありがとうございます」

果穂 「わぁ……!あたし、初めて見ました!」パァアア

果穂 「プロデューサーさん、早速飲みましょう!」

P 「ああ、俺は良いよ」

果穂 「ふぇっ?」キョトン

果穂 「でも、これ二人で飲むものじゃないんですか?」

P 「……それは、まぁそうなんだけどさ」

果穂 「…………」シュン

P 「……分かった、飲もう」

果穂 「!はいっ!」パァアア


果穂 「それじゃ……」チュー

P 「……よし」チュー

果穂 「…………」ジーッ

P (あ、目が合った)

果穂 「…………!」パチクリ

P 「………ん」

果穂 「ぷはぁ……美味しいですね!」キラキラ

P 「……甘いな、こりゃ」ハハハ

果穂 「プロデューサーさん、美味しくなかったんですか?」

P 「いや、美味しかったよ」


果穂 「こんな美味しいのに、どうして皆頼まないんでしょうか……?」ムムム

P 「恥ずかしいからじゃないか?」

果穂 「なるほど!流石プロデューサーさん、頭良いです!」

P 「果穂は恥ずかしくなかったのか?」

果穂 「あ、あたしも恥ずかしかったですけど……」

果穂 「でもそれ以上に、プロデューサーさんの顔が近くにあって嬉しかったです!」パァア

P 「……そうか」


果穂 「えへへっ……もう一回飲みましょう!」

P 「ああ、分かった」

P (ジュースも美味しいし、果穂も可愛いんだが……)チラリ

店員 「…………」ジトー

樹里 「…………」ギロッ

夏葉 「…………」ジーッ

P (……針の筵に座ってる気分だ)

――――― 

P 「ふぅ……食った食った」

果穂 「お腹いっぱいです……」

P 「美味しかったか?」

果穂 「はい!頬っぺたが落ちちゃいそうでした!」

P 「はは、それは何よりだ」

果穂 「プロデューサーさん、分けてくれてありがとうございました!」

P 「良いよ、御礼なんてさ」

果穂 「あたしのオムライス、食べなくて良かったんですか……?」

P 「……美味しそうに食べる果穂が見たかったからな」

P (食べさせる方ならまだしも、食べさせられる方は流石にな……)


果穂 「……ん」

P 「果穂、眠いのか?」

果穂 「あっ……だ、大丈夫、です」ウトウト

P 「無理しなくて良い、お腹いっぱいになったら眠くなるもんだしな」

果穂 「プロデューサーさん……」

P 「さて、どこかに休めるところは……」キョロキョロ

P 「おっ、公園の中にベンチがあるじゃないか」トコトコ


P 「……よし、これで座れるな」

果穂 「ごめんなさい、折角のデートなのに……」

P 「良いよ、果穂が本調子じゃないなら楽しめないしな」

P 「皆で遊ぶときとかでもそうだったろ?」

果穂 「そう、でした……」

P 「だろ、だから今はお休み」

果穂 「……ぅ」パタリ


果穂 「すぅ……すぅ……」スヤスヤ

P 「いつもと違う事ばっかりだったしな……」

P 「もう少し、気を付けるべきだったか」ナデナデ

果穂 「…………♪」ニコニコ

P 「別に、俺にもたれて寝なくても良いのになぁ」フニフニ

――――― 

智代子 「果穂、寝ちゃったね……」

夏葉 「そうね……果穂ったら、あんなにゆったりしちゃって」

樹里 「良い事言ってるみたいに見えるけど、とりあえずオペラグラスは下ろそうな?」

凛世 「…………」ニコリ

智代子 「凛世ちゃん、羨ましいとか思わないの?」

凛世 「それは……果穂さんも……お疲れのようですし」

凛世 「プロデューサー様は、お優しいですから」フフ

智代子 「……そっか」クスリ

凛世 「また今度、してもらう事に致します」

樹里 「……結局、羨ましいとは思ってるんだな」

――――― 

果穂 「んん……あれぇ?」

P 「果穂、起きたか」

果穂 「ぷろでゅーさーさん……?」

果穂 「っ!すみません、寝ちゃってました!」ピシッ

P 「良いんだよ、よく眠れたか?」

果穂 「はいっ、気持ち良かったです!」


果穂 「……あれ?あたし、プロデューサーさんにもたれてたんですか?」

P 「ああ、肩に頭乗っけてな」

果穂 「ご、ごめんなさい……重かったですよね」シュン

P 「そんな事ないさ、寝顔も可愛かったしな」

果穂 「……な、なんか照れちゃいます」カァアア

果穂 「また、お願いしても良いですか……?」ジーッ

P 「機会があればな」クスリ

果穂 「本当ですか!やったー!」


P 「……おっと、もう日が暮れてきたな」

果穂 「あっ、もうそんな時間なんですね!」

P 「今日のデートはここまでだな」

果穂 「デート……」ハッ

P 「果穂、そろそろ帰ろう」

果穂 「……はい」ショボン

P 「…………?」キョトン

――――― 

P 「…………」トコトコ

果穂 「…………」ギュッ

P 「……果穂、どうかしたのか?」

果穂 「ふぇっ?どうしてですか?」

P 「なんだかさ、さっき妙に落ち込んでた気がしたから」

P 「何か悩みでもあるのか?」

果穂 「いえ、そういう訳じゃないんですけど」


果穂 「……あたし、今日ちゃんとデートできたのかなぁって」

P 「もしかして、寝ちゃったこと気にしてるのか?」

果穂 「は、はい……」

果穂 「遊んでるだけでも、デートって言って良いんでしょうか……?」

P 「ふむ、そうだなぁ……」ムム

P 「それじゃ、一つ聞いても良いか?」

果穂 「はい、なんですか?」

P 「今日、楽しかったか?」

果穂 「勿論です!プロデューサーさんといっぱい遊べたし、ご飯も食べましたし!」キラキラ

P 「そうか、それなら良かった」ホッ


P 「……デートってのはさ、お互いが仲良く楽しくやれればそれで良いんだよ」

P 「果穂だって、仲良くなる為にデートするって言ったじゃないか」

果穂 「それは、そうかもしれないですけど……」

P 「まぁ、確かに色々形はあるだろうけどな」

P 「でも、お互いが仲良くなれないデートなんて寂しいだけだろ?」

果穂 「…………」パチクリ

P 「今日、俺と果穂は一緒に楽しく遊んで仲良くなった!今日のデートはそれで十分なんだ」

果穂 「……です」ボソリ


P 「?」

果穂 「やっぱり!プロデューサーさんはスゴイです!」

果穂 「そっかぁ……仲良くなれたらデート、なんですね!」キラキラ

P 「うん、そういう事だ」コクリ

P (……良かった、納得してくれたみたいだ)

果穂 「……それじゃ、プロデューサーさん。一つお願いがあるんですけど」

P 「ん、どうかしたか?」

果穂 「また今度、あたしとデートしてくれますか!?」

P 「……ああ、今度はもっと色んなところに行こうな」


果穂 「……あれ?」ピタリ

P 「どうした、果穂?」

果穂 「あ、アレを見てください!」

P 「ん、アレ……?」

≪お城のような建物≫

P 「…………」

果穂 「す、すっごいお城です……!」キラキラ

P 「……そうだな、大きなお城だな」ヒキッ

果穂 「いつの間に……まさか、隠された基地とか!」キラキラ


P 「……よし、果穂。そろそろかえろ」

果穂 「入ってみましょう、プロデューサーさん!」

P 「えっ?」

果穂 「こんなに大きなお城、きっと何かあるに違いありません……!」キラキラ

P 「そ、そりゃあるにはあるだろうけど……」タジタジ

P 「……ダメだ、帰ろう」キッパリ

果穂 「えぇ、なんでですか……?」シュン

P 「それは、その……」

P (言えない、逮捕されるかもしれないなんて言えない!)プルプル


P 「……その、だな」

果穂 「…………」ゴクリ

P 「……ほら、あの城は悪の大幹部の城なんだ!」バーン

果穂 「悪の、大幹部……ッ!?」ゴクリ

P 「でもな、果穂のレベルじゃまだ追い返されちゃうんだ」

P 「なにしろ、大幹部だからな!」

果穂 「そっか……あたし、まだアイドルとしてまだまだですもんね」

P 「その通りだ、だからまだここに来るのは早い!」ウンウン

果穂 「……それじゃ、仕方ないですよね」

P 「そうだ、これは仕方のない事なんだ」

果穂 「じゃあ、あたしがトップアイドルになったら連れて行ってくれますか!?」キラキラ

P 「えっ」

果穂 「じー…………!」キラキラ

P 「……お、おう!勿論だ!」

果穂 「よーっし!プロデューサーさんと一緒にあそこに行けるように頑張ります!」

P 「……が、頑張ろうな」アセアセ

P 「……ん?」チラッ


樹里 「……流石に、それはやべーんじゃねーの?」ヒキッ

智代子 「…………」ジトー

凛世 「凛世なら、いつでも……」ウットリ

夏葉 「…………」

P 「…………」

夏葉 「…………」ピッポッパ

P 「やめて!!」


おわり

最後が書きたかった
果穂は素直でかわいいワンコな小学生だよ

ここまで読んでくれた方に感謝を

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