【艦これ】高雄「私とあの人と……愛宕」 (983)


< しかいない >









高雄「そんな世界を望んだとて」

愛宕「とて? 」

高雄「いえ……それだけ。呟いただけ」

愛宕「願うだけ無駄だものね」

高雄「まったくね」

提督「…………悪いな、本当」

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< ある要港部→ 大湊警備府 >








提督……ウイスキー教スコッチ会ニッカ派。道民

高雄……指輪持ち。あなたの好きなお酒が好きなお酒

愛宕……指輪持ち。おっさん舌

明石……割とそれなりに女でもイケる

加賀……指輪持ち。妖怪食っちゃ寝料理人

雲龍……溢(あふ)れる才能溢(こぼ)れる煩悩

天城……諦めの境地から悟りへ

Littorio……汚部屋。弦楽器はお任せ

瑞穂……割と最近レズキチ

叢雲……養女

漣……大人

海風……堕ちた

江風……永遠の新参

龍田……クズ

山城……捻くれ者

扶桑……頭痛が痛い

阿賀野……真面目には生きたくない

能代……偏愛主義者

初月……厨二病重篤患者

涼月……まだまだ常識に囚われている

伊13……妹が心配

伊14……貧弱なアル中

旗風……常識を見失う

松風……常識は捨てた

涼風……闇


< 横須賀鎮守府 >







金剛……紅茶党。酒より紅茶。涙より笑顔。

霧島……割と珈琲が好き。心労が減って疲弊

時雨……自称運頼み女。傍観者

春雨……あまり飲まない。少食気味。

浜風……食べます食べます食べます食べます

鈴谷……誑し。

鹿島……理想主義者

若葉……甘いものが好き。屋上同盟

Graf Zeppelin……様々諦めた。屋上同盟

Warspite……淑女なんてものは捨てた

Aquila……面白いことの味方

赤城……赤城さん







あきつ丸……他人殺し。酒は酔うためのもの


<自由人なんて気取りたいものですがね >








明石「釣りに着いてきてくれる人ー」

天城「パスで」

山城「行かないわ」

扶桑「ごめんなさいね」

瑞穂「明石さんが出ている間にお部屋を掃除しておりますので」

提督「俺は行

高雄「仕事、残ってますから」

愛宕「はーい、軍令部から追加ー」

明石「…………」








雲龍「え? 釣り? いいけれど……何? 」

明石「雲龍さんだけですよ……取り敢えず付き合ってから考えてくれるヒト」

雲龍「……うん? 」


< 調理くらいは自分でするもの >








加賀「あら……雲龍は? 」

天城「明石さんと釣りに」

加賀「そう……また仲間外れね」

天城「いれば呼ばれたと思いますけれど」

加賀「いれば、の話でしょう? タイミングって大事なのよ。疎外感はどうしようもないわ」

天城「それはまぁ、分かりますけれど。今から行ってみては? 」

加賀「そんな無様なこ

伊14「アイナメとかヒラメとか泳いでましたよ?
あとノドクロとかも~ 。河豚はちょっと時期的に駄目かな? 」

加賀「…………ほう」

天城「加賀さぁん……? 」


< 分かってないですね…… >









伊13「ヒトミちゃん……それ」

伊14「嘘は言ってないよ? アイナメとかなら美味しいだろうし~ 。
他のも泳いでたのは本当だし? 」

瑞穂「……それなら明石さんは一体何を釣りに? 」


< 軍機ですぅ……>








愛宕「いや、そもそもあれよね、私イヨが海潜るの許可してないんだけど」

高雄「あの人では? 」

愛宕「暫く機嫌悪くて適当に私に投げて裁決させてたけど」

高雄「なるほど。…………なるほど? 」

龍田「その悪人面似合うわねぇ~ ……割と仕事してる風だったけど、何してたの? あの人」


< えっ? 何で? >








山城「イヨが無断で潜ってるのがマシなのかそれが嘘なのがマシなのか」

扶桑「さ、さぁ」

雲龍「無断な方がマシね」

山城「ふぅん? 」

雲龍「加賀さんにくだらない嘘を宣うなんて万死に値するわ」

山城「あ、そう。……戻ってくるの、早くない? 」

雲龍「飽きたの。無駄に寒いし風強いし眠いし。
あと加賀さんも来たし話し相手はいるでしょう? 」

山城「…………」

扶桑「…………加賀さんのこと、嫌いなんじゃないの? あなた」


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こちらでもゆるゆるとお願い致します

ありがとうございました


< 気怠い朝には下らない戯言を >







龍田「憧れは想い出に変えて、想い出は掃き溜めへ」

山城「何よ朝から……だるいわね」

龍田「ええ。私って何のために生きてるのかなって」

山城「はぁ? 今更思春期でも迎えたわけ? 」

龍田「いいえ? 想い出なんて殆ど無いし何かに憧れるなんて眩し過ぎて馬鹿馬鹿しいもの」

山城「はぁ。…………僅かでも残った想い出でも抱いて生きてなさいな。
あなたみたいなクズでもいなくなれば姉さまが悲しむわ」

龍田「あなたも? 」

山城「そう、ね。……………………本当、何? 明日死んだりするの? あなた」


< 慣れるよりは健全 >








龍田「まぁ、ほら、意味も無く感傷的になってみるフリでもしたくなったの」

山城「面倒臭い。偶には黙って座っていられないの? 」

龍田「できないわねぇ。口動かしてないと死んじゃうから」

山城「それなら仕方無いわね。キスでもしてあげましょうか? 」

龍田「息ができないくらい?」

山城「ええ。口が動かなくなるくらい」

龍田「いいの? 本当にするわよ? 」

山城「他人に触れるのが怖くて動かしてる口がどうなるか見ものね」

龍田「あぁら酷い。…………割と、キたのよ。
誕生日とはいってもあの人が高雄とヤってるの、ありありで」


< 与り知らぬところで >







山城「何を真っ当な乙女みたいなこと宣ってるのよ」

龍田「あの人の、好いた男の前でだけは乙女でいられるもの」

加賀「雲龍みたいなこと言うわねあなた」

龍田「えっ」

山城「あーあ……ヤれもしない触れることすらできない口だけの雲龍なんて無様な無価値ね」

龍田「」

加賀「あの…………割と内心は可愛らしいわねって揶揄うつも……あの子が可哀想じゃないその反応」


< 男女の垣根を越えれば割といつも通り >








提督「そーいや瑞穂にとってオレって何なんだろうな」

高雄「はい? 瑞穂さんまで毒牙にかけるおつもりで? 」

提督「違うし毒牙ってお前。……オレ普通に明石と寝るよ? 離さないよ? 」

高雄「あぁ…………どうなんでしょう? 」

提督「割と謎だよな。そのうち背後から刺されたり…………何かお前がいる限り大丈夫な気もするけどさ」


< 終局 >








高雄「実際簡単な話では? 瑞穂さんの倫理観も壊してしまったんでしょう、あなた」

提督「ん……そうなのかな」

高雄「雄らしく、クズらしく」

提督「雌らしく堕ちたとでも? 」

高雄「或いは瑞穂さんとしては。
……そもそも私たちなんて人外の魔性だ、なんて言うこともできますけれど」


< 要らない信頼 >







愛宕「じゃあその内に江風だとか涼月も堕ちちゃうのかしら」

高雄「かもしれないわね」

雲龍「叢雲と漣も怪しいと思うわ、私」

愛宕「最高に犯罪的な絵面なのにしっくりくるわね」

高雄「酷い話。……あなたは誰が一番欲しいんですか? 」

提督「やめろよそういうの……いないって、マジで。いねぇよ? 」


< まぁ、相対的にだけど >










雲龍「そりゃあヤった後の賢者タイムだものね」

高雄「私も貪られましたよ。誕生日の日」

提督「高雄に食い荒らされたの間違いだと思うけどな」

愛宕「共喰いでしょ? 腐ったクズ同士の慰め合い」

雲龍「…………高雄の言い分が一番、まとも? 」


< 惨状前の参上回避 >








愛宕「あ! でもそれで思い出したんだけど」

提督「ん? 」

愛宕「瑞穂の誕生日に単車貸したでしょうあなた」

提督「明石がどうしても貸してくれって言うから」

愛宕「何とは無しに有耶無耶になったけど……どこ行ってたと思う? 」

明石「頼まれてた資料持って来まーさよーならーお疲れ様でえぇぇぇぇす! 」


< 投げ捨てたモノを今更思うの? >








提督「まぁ、待て。単車貸した代価を置いていきな」

明石「はぁ。…………瑞穂さんが予約したレストラン入ってふっつーにホテル行っただけですよ? 」

愛宕「なーんだつまんない」

雲龍「在り来たりね」

明石「だから言ったじゃないですかぁ、もう」

高雄「…………普通って、何だったかしら」


< だいじょばないね >







提督「待て待て待て。女二人でホテル入ってどう絡んでいくのか滅茶苦茶興味あるぞ、俺」

明石「んなのあなたと大して変わりませんよ。
誘い受けと変なスイッチ入ったクズが登場人物の」

提督「なるほど……なるほど」

雲龍「あなた知らぬ間にひっどいクズになってるじゃない……明石さん大丈夫? 」


< そこじゃないだろう的なあれ >









天城「噂によるとですね。瑞穂さんって底無しらしいですよ」

加賀「全く要らない情報をどうもありがとう。……明石よね? 」

天城「ええ、愚痴ってたんです。自分も生娘のときはあの人にあんな面倒かけてたのかって」

Littorio「間違っているとしか思えませんね、その方向性」

加賀「まぁ、私は関係無……雲龍が二人になるような状況は少し、怖いわね」


< 恐怖し訊ね落胆し >








漣「このまま高雄さんを初月くん、LittorioさんをRomaさん、
みたいな感じでバラバラ寝取られてったら面白いかもですね」

Littorio「面白くないですよ。何故よりによって妹の虜にならなければならないんです」

天城「初月さんはまぁ……高雄さんのお料理に餌付けされてますからねぇ」

加賀「飼い主を噛む可能性、か」







初月「うん? 僕が夜何を考えているか? 昨日なら旗風たちと海大の過去問を見……何だっていうんだよ、怒るぞ? 」


< そういえばこんなことも >








天城「そういえば天城の部屋であの人がノロに罹ったことがありまして」

龍田「へぇ? 」

天城「陸軍の方で流行っていたものみたいなのですけれど……浴室から動けなくなったんです」

龍田「人間って大変ね」

天城「天城はそれに気付かなくて、
あの人が内線で助けを呼んだら高雄さんが来たんです。十分な説明も無しに」

龍田「うわぁ……」

天城「扉越しでも狂気が伝わってきましたね、あのときは。
あぁ、天城は海でも戦場でもないただの陸で死ぬんだ、って」


ありがとうございました


< 唐突に壊れたお人形 >







瑞穂「」

提督「あ? ……何してんの? ここ、廊下、あなた、歩ける。understand? 」

瑞穂「」

提督「瑞穂さーん? あのー? 」

瑞穂「…………無い」

提督「何が? 」

瑞穂「無い無い無い無い無い無い無い無い……無いんですぅ……」

提督「誰だお前。……………………で、何よ。さすがにこれでくだらねぇものだったらキレるぞ、俺」


< 感情的なドールと傀儡 >








瑞穂「あ、明石さんに貰った合鍵が」

提督「合鍵ぃ? 二人部屋なんだしお前も持ってるだろう? 」

瑞穂「お部屋ではなくて、工廠にある事務スペースの、鍵です」

提督「あ、そうで……どう考えても俺に無断だよなぁ。
一応そういうのって上官に一言くらいさぁ……どうなのそれって」


< 証 >








瑞穂「そんなことはどうでもいいんです」

提督「どうでもよくはねぇだろ間抜け」

瑞穂「…………無い」

提督「まぁ、変な所に落とされてるのも穏やかじゃねぇし……。
明石には訊いたのか? あいつが持ってるかもしれねぇだろう」

瑞穂「馬鹿なんですか? 訊けるわけ無いじゃないですか」

提督「理解はしてやらんでもないけどさ……お前ら二人最近おかしいぞマジで」


< 平常運転ドールズ >








雲龍「うん? ……どこで拾ったの? 」

天城「鍵……? サンジョルディ? 」

雲龍「こんな鍵見たこと無いわね。この子の縄張りに落ちてたっていうと……うーん? 」

天城「この子の部屋以外だと基本的に姉様の部屋までくらいしか動きませんよね」

雲龍「私たちが見ていないときは分からないけれど」

天城「ええ。…………ロッカーだとか金庫のサイズではありませんね」

雲龍「…………はい」

天城「はい? 」

雲龍「私、寝るから」

天城「……はぁ? 」


< さりとて望まないわけでもなく >








天城「と、いう流れで持ってきたわけです」

瑞穂「ありがとうございます。これで生きていけます」

天城「そんな大袈裟な」

瑞穂「天城さんだって提督から貰ったものを失くしたら困るでしょう? 」

天城「それはまぁ……鍵なんて貰えないでしょうけれどね」

提督「絡むなよ……悪いとも、思っちゃいけないことなんだしさ、きっと」


< まぁ、でも予想通り >








瑞穂「天城さんも雲龍さんと二人でいればいいのに」

天城「それは瑞穂さんに明石さんを諦めろ、というのと同じですよ」

瑞穂「なるほど」

提督「なるほど。…………ニヤけるの予想してこっち見るんじゃねぇよ」


< 異界の道理 >








山城「相当根深い所まで病んでるみたいだけれど大丈夫なの? あれ」

明石「ははは……いやー、どうですかね」

山城「そのうちあの男に嫉妬して背中刺そうとしたりなんかしたら大変じゃない」

明石「まぁ、確かに」

山城「あのね、水母って貴重な戦力なのよ? ちゃんと考えておきなさいな、真面目に」

明石「……はい」

松風「? 司令官の心配じゃなくて? うん? 瑞穂さんの心配なの? 」


< 彼の人の為ならば >








山城「分かってないわね。あなた試しにあの男の背中に包丁でも投げてみなさい」

松風「いやいやいや……松風たちなら兎も角あの人人間だから。普通に死ぬから」

明石「そんなわけ。下手すると投げようとした段階で松風さんが吹き飛びますって」

松風「はいぃ? 」

山城「瑞穂が病んでるなんて軽いレベルなのよ。
狂犬兼番犬兼牝犬兼忠犬兼、凶悪乙女な護衛から比べれば」


< 弱い犬程よく吠えるとは言うけれどね >








高雄「もしそれが私だけのことを言っているのなら撤回してほしいものですね」

山城「愛宕はそういうタイプじゃないでしょう?
それとも雲龍やLittorioもそうだって言いたいの? 」

高雄「あなたや龍田も同じでしょう、と言いたいんです」

山城「ハンッ。馬鹿にしてくれたものね。私なんて精々よく吠える駄犬止まりよ」

高雄「はぁ。…………変な謙遜なのか、それとも嫌味なのか悩みどころね、これは」


< 傀儡師の理 >








龍田「明石のこと呼び捨てしてみたら? 」

瑞穂「え、いや、呼んではみたいですけれど」

龍田「最初は面映くてもね、相手の顔見ていれば気にならなくなるものよ」

瑞穂「ん、んー……」

龍田「ほら、何なら今ここで口に出すだけでも練習になるわ」

瑞穂「ぁ…………ぁ、あかし? 」

能代「状況だけなら微笑ましい筈なのに……ただただ悍ましいですね」


< 魑魅魍魎の果て >







龍田「っていうことがあったの。期待してて? 」

明石「んな余計なことを……はぁ」

龍田「何? 嫌なの? 」

明石「嫌ですよそりゃあ。“ 明石さん ”って小声で恥ずかしそうにねだるのがいいのに」

天城「えぇ……」

Littorio「まさかあの人の次に駄目なのが雲龍以外だなんて」

雲龍「あのね……せめてそこは私が二番目ではなかったなんて、くらいにしておきなさいよ」


< 本日の戯言アワー >








雲龍「いつだったか私を高級娼婦なんて呼んだ男がいたわ」

山城「あれが消したんでしょうね、その男」

雲龍「あの人がその男だとは思わないの? 」

山城「毛程も。あれがあれの価値を喪ったのならとうに死んでいるもの」

雲龍「ま、そうね。…………東の海で、信じた奴隷に噛まれていたわ」

山城「いいじゃない、お似合いよ」

雲龍「…………」

山城「…………」

雲龍「…………冗談だったのだけれど」

山城「! あっ、なったねぇ……」


< ずっと見ているのもまぁ、それはそれで >








提督「……五月病だわ。死にたい」

愛宕「何馬鹿なこと言ってるのよ。万年五月病じゃない」

高雄「そもそも五月も終盤に差し掛かってますよ」

提督「何事にもヤる気が起きねぇんだぜ? 酒飲んで即行寝たいもん」

愛宕「そんなのそれこそいつも通…………目の前で高雄が啼かされてても同じこと、いえるかしら? 」


ありがとうございました


< まだまだ頭が回らない時間の戯言 >








提督「ふぁ……うぃーっすおはよう」

龍田「おはよ。……フ-……」

提督「状況だけ見たらお前と逢い引きする為に吸ってるみたいだな、俺」

龍田「本当にして、いいのよ? 」

提督「お前の心がそれでいいって諦めきれるならな」

龍田「強引にされれば断れないのに」

提督「趣味じゃねぇし。フ-……今日も、可愛いね」

龍田「そ…………踏み込んでほしいときには踏み込んでくれないなんて、酷い男」


< 濁り始めた一室で、頭も >








提督「フ-……ってもな、龍田」

龍田「何? 」

提督「本当にお前の心次第なんだぜ?
俺が言うことではねぇけど誰も今更文句なんて無ぇよ」

龍田「……そう? 」

提督「横須賀では割に嫌ってたやつもいたけどな」

龍田「例えば誰に? 」

提督「お前の方が知ってるだろうよ。
……心の清い甘ちゃんには大概そうだったろう? 俺も同じく」


< 澱み切らずに終わるのもまた >








龍田「フ-……一人だけ例外がいたのだけれどね」

提督「そいつも今じゃあ土の中だけどな」

龍田「あぁら、どこぞの趣味が悪い高級将校さんのこと? 」

提督「他にいるとでも? 」

龍田「金剛のことよ? 例外はいるにせよ、あぁいうのを誰からも好かれる、って言うと思ってるわ」

提督「なるほどな。…………美しいものを美しいと言える心も、美しくないことってあるんだなぁ」


< 偏見というより実体験 >







能代「英国式のブレックファストですか……重い」

阿賀野「うん? どこがどう重

能代「阿賀野姉ぇは黙っててもらえる? 」

阿賀野「」

天城「……さすがにそれは酷くないですか? 」


< いるんだよね、何故かできる人 >








能代「頻繁に食べ過ぎて代謝励起させながら水泳なんてしてる阿賀野姉ぇにはこれで十分です」

阿賀野「でもそのお陰で割とタイム伸びてるんだよ?
今なら素の身体能力で高校生のトップレベルは出るよ? 」

Littorio「えっ……あなたは、仲間だと思っていたのに……裏切りですっ」

阿賀野「は、はい? 」


< 腹筋とか割と使うよね >







阿賀野「へぇ、運動音痴なんだ」

Littorio「まぁ……認めたくはないものですが」

阿賀野「でもそれなら安心して?
こんなこと言ってる能代も割と駄目な子だから」

能代「……まぁ、阿賀野姉ぇよりは」

雲龍「運動なんてできるからなんなのよ。セックスくらいにしか役立たないじゃない」

Littorio「や…………あなたはそれで十二分に役立てて幸せでしょうが」


< 優等生だろうが劣等生だろうが終局は >







WS「暇ね」

GZ「結構なことだろう。私たちが活躍するなんてことは無い方がいい」

WS「優等生ね。……今夜、伯爵部屋に行ってもいい? 」

GZ「構わないよ。私は、お前のことを拒めない」

WS「堕落してるわね、劣等生」

GZ「優等生の間違いだろう? お前からすれば」

WS「堕落は堕落よ。それが、気持ちいいだけでね」


人物紹介で大淀さんを忘れていたことに今更気付く
どうしようもないね

ありがとうございました


< 割とお久し振りでございます >







雲龍「ふぁ……おはよう。二日振りね……何故かしら」

江風「本当何でだよ。フツーこの生活環境で二日会わないとか有り得ねぇだろ」

天城「二日くらいならいいでしょうとか言い出して引き籠ってたんですよ」

雲龍「お手洗いと飲み物の補給以外立ち上がってもいないわ」

江風「えぇ……」

雲龍「でもまだ寝たいのよね…………どうしたものかしら」


< やってやれないことは少なくとも無いけどね >









加賀「食事は天城に持ってきてもらっていたわけ? 」

雲龍「いえ。ベッドのサイドテーブルにガムとチョコを積んでいたので」

江風「えぇ……何それ」

加賀「はぁ? つまりあなた、二日もまともな食事をしなかったわけ? 馬鹿なの? 」

伊13「……ツッコむの、そこなの? 」


< 選択肢という可能性の魔窟 >







天城「百年後に行くか、百年前に行くのか」

山城「百年前ね。百年後に行って国が無くなっていたり惑星そのものが汚染されていたらどうしようもないでしょう? 」

天城「大戦の時代ですよ? 」

山城「戦争がしたいわけではないけれどね、
その時代だってきっといいものでしょうよ。生きているんだから」

明石「美人はどの時代もイージーですしね」

山城「ええ。…………できれば高級官僚の奥方でもやっていたいわ。お屋敷の奥の方で」


< 映像的にはまぁシンクロしそうではある >








扶桑「でも割と不幸も付き纏いそうよね……没落したり遊女に落ちたり」

山城「えーっと……姉さま? 」

雲龍「黒木渚の『赤紙』なんて似合いそうよね、あなたたち」

扶桑「それすらあなたの方が上手いでしょうよ」

雲龍「知らないけれど…………あなたそういう曲、分かるのね。意外でもないわ」


< ごめんね本当 >








提督「ただいまー…………」

雲龍「はいはい、おかえり。……どしたの? 」

提督「…………従兄弟の結婚式出てたろう、俺。今は何となく高雄たちといたくない」

雲龍「それで暫くいなかったものねあなた」

提督「あぁ…………想像以上に俺が心から祝えたことに喜びを覚え自分が祝われることの可能性に虚しさを、ね? 」

雲龍「あ、そう。…………理解してあげるけれど、
あなた私や加賀さんに喧嘩売ってるってことも理解してるわよね? 当然」


< 苦しめ楽しみ共に堕ち >







提督「お前が何を言いたいかは分かるけど、
駄目な意味で俺たちって似たような関係だろう」

雲龍「さぁ? …………綺麗だったでしょう? 」

提督「あぁ。あの一瞬だけは、高雄よりも愛宕よりも綺麗な新婦だったし、
従兄弟は俺よりも輝いていたよ」

雲龍「本来は逆だけれどね。そのときだけはあなたにも真実の姿が見えていたの」

提督「ハンッ…………はぁ、怠い」

雲龍「欲しいなら、癒してあげる。何ならウェディングプレイてもしてあげましょうか? 」

提督「……勘弁してくれ」

天城「怒っているんでしょうけれど……怒っているんですか? あれ? 」


< いや、本当許してセンチなの >







天城「で、でもあれですよね、その割に二日も式とは別に遊んできてますよね」

提督「さすがに許せよ。親と会ったり友達と会ってたんだから」

天城「許す許さないでもありませんけれど……」

提督「そもそも友達自体既婚者ばっかりでだな、
会ったことも家族の話も楽しいけどそれはそれで思い返せば心にクる話でーーーー







天城「高雄さんたちの領分でしょうあれは」

高雄「えーっと……いいのかしら、あれを聞く役になっても」

愛宕「逆に辛いんじゃないの? 私たちよりある意味」


< 絡新婦の断り >








龍田「え、普通に嫌だけど」

雲龍「えっ……うそ」

龍田「殆ど一切蟠りも無く一夫多妻擬き受け入れてるあなたたちがおかしいのよ? 」

雲龍「それは……そうなのだけれど」

龍田「私だってあの人は欲しいけれどね? やっぱり理想は捨てきれないわ」

愛宕「ん、んんっ……何というか、龍田に言われると正論も屁理屈に思えるわねぇ」


< 誰しもそう思う限りは >








龍田「失礼な。思考は兎も角起こったことだけ見たら私はまだただの乙女なの」

愛宕「そ、うね」

雲龍「う、うーん……」

山城「乙女っていうのは喫煙者で怠惰で陰険な策略家でもなれるものなわけ? 」

龍田「だってあの人は乙女だと思ってくれてると思うわよ? 」

愛宕「そんなこと言ったら私だって乙女だと思われ……好かれてはいるでしょうけどもしかして乙女かどうかは、危うい? 」


< ゼロなんだし億劫って程でも >







龍田「幾ら複数の女と関わっていてそれなりにまともなクズ男でも、男なのよ? 」

雲龍「なるほど」

愛宕「まぁ、確かに」

山城「いいけど。…………誰がまだまともかすら考えるのも億劫ね、これ」


< 廊下だって、危険な香り >







扶桑「しかし演習とはいってもこの先を考えるっあっ

提督「っと。……大丈夫? 」

扶桑「え、ええ、ありがとうございました。……私が転ぶ前に動いてませんでした? 」


< 選択を手放す逃走なんて >







提督「まさか。予言者とかじゃないし」

扶桑「はぁ。……今の姿、見られたら困りません? 」

提督「偶々躓いて手を広げてたから抱き留めて、
そのまま首回りに手回してしなだれかかられてる状態だね」

扶桑「まずくありません? 」

提督「離してほしいの? 」

扶桑「…………離さなくても、いいんですか? 」

提督「それは、扶桑次第? 」


< 犯し侵され冒される >








扶桑「ん……それなら一差のキスでも、落としてくださいますか? 」

提督「扶桑がそれを望むなら」

扶桑「…………何人の女がいても今更私は何も言えませんけれどね」

提督「あぁ」

扶桑「絶対に離しませんし、離れません。
最後まで共にいさせてくれないと、嫌です」

提督「そ。…………キスして、いいの? 」


< あなたが抱いてくれるのなら >








山城「ぁ」

龍田「? 」

山城「……嫌な予感がする」

愛宕「山城の予感とか無駄に嫌なことだけ当たりそうねぇ……」

雲龍「どうせ扶桑のことでしょう。そういえばいないし」

山城「はぁ。…………あの男の心臓に爆弾でも仕掛けられないものかしらね、今すぐにでも」


< 誰に向けてか >






扶桑「んっ…………選択させるなんて、あなたらしい」

提督「…………悪いな」

扶桑「ま、して欲しいの? なんて訊くよりは、マシですけれど」

提督「うん。…………溺れさせてくれる? 」

扶桑「あなたが、溺れさせてくれるのなら」

提督「そ。…………行こっか」

扶桑「喜んで。……………………ごめんなさいね……ありがとう」


< 他方この日このとき >







初月「そういえば提督様と扶桑が出てったぞ」

海風「」

江風「やめてくれよ……姉貴のテンション下がったら暫く酷いンだぜ? 」

初月「知ったことか」

Littorio「まぁ、ほら、えーっと……知り合った時期は、昔ですし? 」

海風「知ったことですか……はぁ」


< 色々とすっ飛ばしまして >






漣「はい、本日の総括」

叢雲「あぁん? 」

雲龍「幸せな結婚式の後で憂える人妻っぽい扶桑に逃げましたとさ」

漣「はい終わり! 」

叢雲「あぁ、そう……」

山城「人妻っぽさ……そう…………あぁ、そうね」

龍田「やめてよね……扶桑がいないときに山城酔わせ…………苦しんで死ねばいいのに」


ありがとうございました


< 愛に堕ちたのか、それともつまらない怠惰なのか >







「……………………もう、いないのね」

私は貴方の女になってしまったけれど

貴方は私を女にしてしまったのだけれど

私の心を奪っていってしまったのだけれど

貴方が欲しいのは私の身体でも、心でもない

こんな朝の作法なんて知らないものだから、思い付き、下らない感傷の発露

何て事はない思い付きでシーツを身体に巻いて窓を開け放った

麗らかな朝陽、上がり始めた気温と湿度と、それから多少の不快感

それを不幸せと言ってしまってもいいのだけれど

寧ろそうである筈ではあるのだけれども

そういった倫理からは離れてしまったのだと、逃げてしまったのだと

理解して身体に落とし込んだ、そんな日、そんな朝

こんな日には、思い切り二度寝なんて決め込んでしまってもーーーー


< 気にしない気にしない >








江風「」

叢雲「何この惨状」

海風「私に付き合って飲んでくれただけだよ」

叢雲「あなたに付き合ったらそれだけで酒瓶に埋まるわけ? 」

海風「江風なら時々ね」

叢雲「そう。…………最大の問題は折角加賀の部屋に逃げたのに漣が防御を放置した所為でね?
あなたたちに散らかされた私の部屋なんだけど? 」


< こんなことは一度切りだと割り切れるのなら >








扶桑「んっ…………まだ、痛い」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………何の想い出も無く、唐突に、物の弾みで」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………それまでの思慕と関係があったから、そう、思うことが、不仕合せなのよね、きっと」


< いつもの喫煙所にて >








提督「ふぃー…………何その顔」

龍田「……………………フ-」

提督「フ-……………………」

龍田「……………………」

提督「……………………」

龍田「……………………」

提督「……………………すまん」

龍田「別に? …………どうせ? 祝ってもらって飲んで騒いだ後だし? うぅん……? 」


< 余計なお世話 >








提督「や、でもさ……ねぇ? 」

龍田「まぁ……私が踏ん切りつかなくて逃げたのは仕方無いけれど」

提督「お、おう」

龍田「扶桑には強引にいったのに何故かしら? 私には及び腰なの」

提督「え、えーっと……あー……」

龍田「……………………フ-」

提督「……………………何か言っても、いいのか? 」

龍田「フ-……言ってもいいけど、言わなくても大して変わらないわね」

提督「あ、あぁ。…………何なら、灰皿にでも椅子にでも、なりますよ? 」


< 探偵役こそ真っ先に逝きそうな空間 >








愛宕「ふぁ……おはよ」

高雄「おはよう。早いわね」

愛宕「そう? …………ここで殺人事件なんて起きたら」

高雄「? ええ」

愛宕「ほぼ全員に動機があるしほぼ全員にアリバイなんて無いわね」

高雄「まぁ、確か…………あの、やめて、ね? 」


< 受けたダメージ >







愛宕「しないわよ、私は。寧ろ私と高雄が一番耐性あるでしょう? 」

高雄「そ、うね……余計なこと言ってそう」

愛宕「どうでもいいわよ。勝手にしてくださいな」

高雄「はぁ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………龍田? 海風? 」

高雄「龍田、のような……ある種山城さんの方が酷いかもしれないけれど」


< 部屋は完璧にしてもですね…… >








山城「」

扶桑「あら……おかえり」

山城「」

扶桑「山城? 」

山城「」

扶桑「…………あの」

山城「」

扶桑「…………………………………………怖い」


< 現在は別の意味で衝撃を >








涼月「おかしいでしょう。高雄さんと愛宕さんが割と平然としていて、ですよ? 」

明石「ええ」

涼月「何故龍田さんや山城さんの方が機嫌最低なんですか」

明石「んなこと言われてもね……当然というか平常というか」

涼月「はぁ? 」

江風「江風たちにもこンな時期があったンだなぁ……はははっ。なぁ、姉貴? 」

海風「…………そだね」


< 端ではいつもの >







雲龍「もし自分よりも女らしく、積極的でかつ消極的で、従順であって勝ち気で、そんな女が現れたら……む」







天城「命題も姿も乙女らしいと言えないことも……いえいえ」


< 別にどうも >







天城「大体ですね、姉様」

雲龍「? 」

天城「姉様よりも女らしい女って難しいと思いますよ、色んな意味で」

雲龍「そう? でも、女の言う女らしい女って基本的に悪意よね。……どうしたものかしら」


< ただまぁ、そんな相手が本当に現れたら >









明石「割と簡単に落ち込むと思いますけどね、私は」

雲龍「そんなもの? 」

明石「そんなものでしょ。それから躍起になって頑張ったりして、その先は知りませんけど」

雲龍「なるほどね。さすが女に好かれる女は違うわ」

瑞穂「まったくです」

明石「……は、い? 」


< 似ているところと反対と >






鹿島「色々といますけど、例えば時雨さんと海風さんも姉妹なんですよねぇ……」







時雨「あれ、どっちにとってより失礼なこと考えてるんだろう」

春雨「さぁ……香取さんと鹿島さんのこと考えればいいんじゃない? 」


< 安酒でもグラスに揺らしつつ >








GZ「ぼんやりと何もせず葛城と話していたのだがな」

WS「ええ」

GZ「『もし、子供ができたらどうしよう』などと言われた」

WS「…………」

GZ「…………」

WS「…………私も、気にするべきなのかしら」


< 養子なのか人工なのかただの冗談なのか >








GZ「どう頑張っても女同士ではどうにもならないと思うのだがな」

WS「まさか瑞鶴以外の、それも男性となんてことは」

GZ「無いとは思うのだが……なんだったのだろうな、あれは」

WS「さぁ……子供をつくるためには、なら考えてもみるのだけれど」


< そういえばこんなことも >







山城「そういえばあなた、あれどうしたのよ」

龍田「あれ? 」

山城「お亡くなりになった不幸な将校様からの贈り物」

龍田「あぁ、髪飾り……即行捨てたわ」

山城「酷い女」

龍田「売るよりマシじゃない? 」

愛宕「…………普通の女はそれ以前にお断りすると思うけど? 」


< 捩れた諦念を芯に回転でもしたような >







龍田「はぁ……嫌んなるわ」

山城「そうね」

龍田「…………あぁぁぁぁっ……あぁっ」

山城「鬱陶しい……やめなさい。見苦しいわね」

龍田「……………………」

山城「……………………」

龍田「……………………」

山城「……………………」

龍田「……………………格闘訓練でもしましょう、本気で」

山城「はぁ? ……………………あぁ、でも、やっぱりいい気もするわね。乗ったわ」


< 大事になって参りましたが >








高雄「私たちもやりますよ」

漣「はいはーい! 賭け金はこちらでーす! チーム変更が最後まであるので払い戻しも直前まで受け付けますよー! 」

加賀「なるほど……リーダー固定でバランス調整していくのね? 」

漣「その代わり早めの投票で払い戻しも増えますよー! 」

愛宕「高雄にだけ負けなければいいかなー」

海風「やるよ、江風」

江風「えっ、ちょっ、フッツーに嫌なんっ……涼風ーっ! 」

涼風「あたいはパス。…………暗器とか無ぇしな」







提督「えーっと、女の子が一時的にでもカタワになるのとかは、えーっと……」

叢雲「ばーか。あんたと扶桑は出禁よ。もっかいしけこんでくれば? 」

扶桑「」

提督「」


< 百禍繚乱 >







龍田班

龍田
愛宕
天城
海風
加賀


山城班

山城
高雄
雲龍
江風
叢雲








提督「らしい」

扶桑「純粋な格闘なのですよね? 」

提督「らしい」

扶桑「道具無し、急所狙い有りの殺し無し」

提督「あぁ」

扶桑「…………」

提督「…………」

扶桑「…………山城の着替えでも用意してきますね」


< 超常現象かはたまた神代の戦闘か >








漣「さーって! 江風くぅん、逃げてばっかじゃ仲間の負担が酷いぞー! 」

江風「ンなっ、ことっ、分かっ……ッ! 」

叢雲「馬鹿ッ、上よっ! 」

龍田「あら~ ? 麗しい仲間愛じゃない? 」

愛宕「はいこんにちはぁ~ 」

江風「ひぃぃぃぃっ」

加賀「馬鹿っ、二人の、突出っ、やめなさいっ」

海風「落ちろ叢雲ッ」







伊13「重力って何だっけ? 人体って何だっけ? 」

伊14「さぁ……そりゃあ一時的にでも筋肉膨張させたり励起したら、ねぇ」


< キャンプセットの椅子とかテーブルみたいなもので集まり >







旗風「どっちに賭けたの? 」

松風「龍田班。叢雲をどう見るかで変わる感じだよね」

瑞穂「山城班の方が有利ですよね」

明石「まぁ、そう思いますけど……龍田班の方が抱かれてる数は多いんですよねぇ」

Littorio「何の指標ですかそれは。……案外と誰も落ちませんね。つまらない」

明石「いいじゃないですかお酒飲んで適当なこと言っても。治療担当なんですよ? 私一人で」

松風「それなら余計アルコール入れない方が……もうそれどころではないけどさ」


< 割と冷静な方では >







阿賀野「むぅ……阿賀野もやりたかったんだけどぉ? 」

能代「能代に阿賀野姉ぇを殴り飛ばせと? 」

涼風「海風姉妹とか高雄姉妹とかは本気でやってるけどな」

初月「主人が見ていないのではね、面白くない」

涼月「単純に嫌なんだけど…………あ、江風吹っ飛んだ。大丈夫じゃないよね? 腕の向きとかさ? ねぇ? ねぇったら! 」


ありがとうございました


< 偶にはメンズトークでも >







提督「あー、あれだよな? 水着の上にショートデニムのボタン外して履いてるやつ」

「エロいっすよねー。腰の上まで出たヒモもグッド」

提督「そうだなぁ……奥さんと最近遊んでる? 」

「ぼちぼちは。そんなに帰れないんで今年は海まで行けるか分かんないですけど」

提督「そっか。ま、大事にしろよ? 」

「少将閣下こそそろそろ結婚なされては? 」

提督「そのうちな。……行けよ。あんまりこっちにいても良いこと無いぞ」

「またまた。俺は単に迷ってきちゃっただけですって。何なら副官にでもなりますよ? 」

提督「ばーか。…………もう一本、吸ってけ。用事ができた」

「うぃーっす、またー」


< 話したいことしたくないこと >







雲龍「随分と楽しそうね。誰? 」

提督「ん? まぁ……後輩だよ。シーレーンの方でちょっとな」

雲龍「ふぅん? 」

提督「…………マジな話な、時々男と話さないと心潰れると思う」

雲龍「私はあなたがいればそれでいいけど? 」

提督「他の男つくってから言いに来な」

雲龍「耐えられないくせに」

提督「まぁな。…………今度さ、また水着水鉄砲大会やりたいんだけどね? ちょっといい? 」


< 何は無くともカレーがあれば >








鈴谷「ふぁ……カレーって幸せ味の食べ物だよねぇ」

あきつ丸「知らん」

鈴谷「お寿司はお寿司味。パスタはパスタ味。うどんはうどん味。カレーは幸せ味なんだなぁ」

あきつ丸「意味が分からんな」

鈴谷「だってさ、単純に美味しいでしょ? これって余り物突っ込んだ適当カレーだけど」

あきつ丸「まぁ…………鈴谷のつくった鈴谷の好きなものを鈴谷と食べているからだと思うでありますが」


< 真逆すら有り得る振れ幅 >







提督「えっ? 愛宕と加賀? まぁ、似てるといえば……あぁ、言われてみると確かに似てるな」






雲龍「お料理の話だったのだけれど……どこが似ているのかしら? 」


< 有り得るのは分かるのだけれど >










漣「ところで明石さんって、瑞穂さんが」

明石「ええ」

漣「誰かと浮気するなんてこと考えたことあります? 」

明石「え……え、あれ…………うん? 」


< 他の女のこととか思ったり >








漣「だってご主人様がいるんですよ? 割に堕とされたり絆されたりとか」

明石「それはまぁ……あの人となら今更ですよ」

漣「じゃあ、何が琴線に触れたんです」

明石「それは…………難しいですね、難問ですよ」


< 一粒ずつなら俵もイケるとかなんとか >








愛宕「別に食費が足りないわけではないんですけどね? 」

加賀「? 」

愛宕「ゆっくり噛んで味わって二倍くらいの時間掛けてみたらどうでしょう? 」

加賀「む……」

愛宕「普段とは違った味わいと時間が……あぁっ、そんな考えた顔でキッチン行かないでくださいよぅ」


< そもそも何の話で出てきたのか >








江風「あぁっ、苛々するぅ! あとちょっと、あとちょっとで出てくる気がするンだけど」

海風「? 」

江風「ほら、あれだよあれ、この前言ってたあの

海風「バードカーヴィング? 」

江風「そう! それだよそれ姉貴! サンキュー! 」

涼風「…………何で今ので分かるんだ? 」


< 鑑みて顧みてさらに振り返った先 >









高雄「愛宕ですか……何というか基本的には仲の良い姉妹ですよ、それは確実」

加賀「ええ」

高雄「でもそれを越えて敵対はできるんです。そこからさらに裏切るなんてことはできませんけれど」

加賀「なるほど……大体分かったわ」

山城「はぁ……? 」


< 付加価値? >









雲龍「あなたと天城が結婚したとして」

提督「え? お、おう? 」

雲龍「あなたは私の義弟になるわけ」

提督「うーん……」

雲龍「でも私とあなたが結婚すると天城が義妹になるの」

提督「ほ、ほう? 」

雲龍「でも加賀さんと結婚すると……どうかしらね? 」

提督「は? うん? えーっと…………いやいやいや」


< エロいよねアレ >








海風「そもそもぉ、泣き黒子とか天城さんがいるじゃないですかぁ」

天城「……」

海風「何から何まで上位互換とかやめてくださいよぉ……泣いちゃいますよぅ……」

天城「……」

龍田「なぁに? これ」

加賀「二日もテンションが鬱陶しいから飲ませたの」

龍田「はぁ。……私も泣き黒子、あるわよ? 」

天城「! ありがとうございましたっ」

龍田「はい? 」

海風「龍田さぁん……それもいで私にくださぁい ♪ 」

龍田「イヤッ! やめ、やめなさいって! 」

加賀「あなた、こういうので昂ったりはしないの? 」

瑞穂「瑞穂を一体何だと……しませんよさすがに」


< そんなものは知らない >








加賀「何って……漣? 」

漣「レズキチ? サイコレズ? 」

瑞穂「失礼な。瑞穂は明石さんが好きなだけです」

加賀「レズはいいとして気持ちだけ見たら随分とサイコじゃない」

漣「っすよねー。レズはいいとして、からもう意味分かりませんけど」

龍田「いいから! これ離してよ! 無駄に力強っふぁっ⁈ あぁっ⁈ 」


< 強さを弱さの糧にして >








龍田「疲れた……」

山城「何やってんのよ。今更レズにでもなるの? 」

龍田「海風ちゃんに言いなさいよ。…………楽しい」

山城「は? 」

龍田「誰も、私を見てない、趣くままにいればいいの。周りなんて精々自分のファッションくらい」

山城「そうね」

龍田「…………」

山城「…………」

龍田「…………ただ、最も欲するものだけが、手に届かないけれど」

山城「諦めなさいな。……それでもあなたの弱さ、いつかきっと報われることだって、あるでしょうよ」


ありがとうございました


< 知られてはならない >








明石「この身体って簡単に高速修復できちゃうんですよねぇ」

雲龍「そうね」

明石「我ながら有り得ない」

雲龍「…………」

明石「…………? 」

雲龍「…………このド変態! 」

明石「は、はいぃ? 」


< ヤりたいことの意味で可愛さも >








提督「何てーかね、扶桑にネコ耳を着けてもらうのは凄い燃える、ヤバい」

伊13「はぁ」

提督「でもさ、海風に着けてもらうのは何か違うんだ。寧ろ似合うというか可愛いんだけどね」

伊13「うーん……分からない」

伊14「どっちも経験がー、ってのは言わない約束かな? 」


< 寧ろインプリンティングの可能性 >








雲龍「淫魔って動物や風に変化するって聞いたの」

天城「聞いた、というか見たですよね、ネットで」

雲龍「サンって淫魔じゃないのかしら。綺麗な黒猫でしょう? 」

天城「だとしたら姉様の使い魔みたいな? 」

雲龍「雄を見つけてきてあげないと」

天城「そうですね。…………選り好みが遺伝してたら、お先真っ暗ですけれど」


< ポケモンか何かかな? >







漣「ご主人様ー、対戦しましょー」

提督「かったるい……これ俺のデータじゃなくてお前と明石以外の不特定多数のデータだよな、買ったのは俺だけど」

漣「まぁまぁ。テキトーに誰かのキャラ出してくださいよ」

提督「ん。……っても江風が殆どで戯れの雲龍とかLittorioとかだな、キャラの名前見る限り」







漣「……キャラ名がどっかで見た名前ばっかなんだけど」

叢雲「誰よ! むーたんとかむーちゃんとかシリーズ化したやつ! 馬ッ鹿じゃないの? 」


<いやまてポケモンならサブロムを中国語にしてそれから……あれ? >








漣「ちなみにご主人様のキャラどれです? 」

提督「ん? 浦河とか七飯とか清水沢とかいるだろう、それだ」

漣「はぁ、何か普通の名前ですね」

提督「考えるの面倒だし駅名でいいかなって」

漣「そっすか。……寧ろ打線で浮いてて気持ち悪いんですけどこれ」


< 狩場? >








高雄「はぁ、サクランボ狩り、ですか」

加賀「割と近いのよ。別に車を出してくれなくても勝手に行くわ」

瑞穂「まぁ、免許も取らせていただきましたしレンタルでもいいですね」

高雄「その辺りは心配しませんけど……うーん? 」

Littorio「六月オープンの果樹園が六月中に閉鎖しそうですから、やめた方がいいのでは? 」


< 遠くに在りて、憧憬 >








春雨「思ったんだけどさ」

浜風「ええ」

春雨「司令官にもっと見てほしかったとかデートしてみたかったとか色々あるでしょう? 」

浜風「まぁ……はい」

春雨「でも春雨を選んでくれた司令官ってきっと春雨の欲しい司令官じゃないんだなぁっ、て」

浜風「難しいですね…………分かりますけれど」


< 意識が残っていないのはどうなんだろうか >








扶桑「冷凍保存って、どうなの? 」

明石「はい? 」

扶桑「人体への応用は完全に確立されたわけでもないようだけれど……ほら、私たちに」

明石「え……ぉ? 」

扶桑「あら、何をそんな急……嫌なもの始めさせたかしら、これ」


< 女の子の部屋で見たときの、あの >








雲龍「バッグにゴムが入っていないのは女子力低いのかしら」

涼月「普通に低いんじゃないですか? 」

天城「また下らない雑誌を……姉様なんてその雑誌鼻で笑えるでしょう」

雲龍「そうね。…………こういうのって割と笑えないものだけれど、そういうことにしておくわね」


< これが、普通なんです >








漣「そーいやご主人様のお友達にアイちゃんとかユウキくんとかいました? 」

提督「まぁ、知り合い程度なら。何で? 」

漣「や、ザッピングしてたら久々にアンパーンチとハヒフヘホ観まして」

提督「はぁん? ……ユウキちゃんならいるな」

漣「エロい友達でしょ? 」

提督「や、俺が二十代の頃に友達と結婚した普通の人」

漣「またまたー、ねぇ? 」

提督「その顔やめろ張っ倒すぞ」

涼月「……普通に考えれば上官で歳上で男性な相手にこんな冗談投げたらそんなんじゃ済まなくないです? 」


< 死ん賢ゼミ、始まります >







漣「まぁ、ほら、漣とご主人様って魂の同胞と書いてココロのトモと読む関係だから」

提督「んなわけ。精々腐れ縁の遊び仲間くらいだろうよ」

漣「ね? 似たようなこと思ってるでしょ? 」

涼月「分からないけど……まぁ、いい関係なのは分かりますよ」

叢雲「かったるいこと言ってないで、ほら勉強。
テストまで日にち無いんだからね? 」


< だって二人きりとか何か、ほら >







提督「ってもさ、何で俺も家庭教師やんなきゃいけないわけ? 勤務中なんだけど」

叢雲「部下のブラッシュアップや研修管理も仕事の内でしょ」

提督「でも涼月別にどっかで詰まってくれるわけじゃないし」

叢雲「じゃあ、休憩時間だと思っておきなさい」

提督「酒

叢雲「は、無し。空母チームがおしえた初月とこっちの涼月で勝負するんだから。本気でやりなさい」

提督「へーい仰せの通りに。…………教材も練習題も叢雲が用意してるんだし俺と漣ガチで要らねぇと思うけどな」


< まぁ、未知ではあるけれど >








漣「そもそもあれだよね。叢雲ちゃん含めて駆逐全員と潜水艦二人が受けるんだしさ」

叢雲「あぁん? 」

漣「涼月も敵だよ? 叢雲ちゃん一位取れないと泣くでしょ? 」

提督「叢雲は負けないからいいぞ。ハンデみたいなもんだ」

漣「左様で。……高雄さんと愛宕さんの問題が一番優しそうな辺りは幸せなのかな、これ」


< ギャンブル狂の狂詩曲 >







提督「ちなみに叢雲は俺とも勝負してるぜ? 」

漣「はぁ? 」

提督「自分の点数、涼月の点数、あと叢雲の順位な」

叢雲「賭けるとやる気湧くのよ。別にいいでしょ? 」

涼月「いいけど。……そういえばこの前の格闘も自分で自分に賭けてたね」

漣「…………外の世界とか出ない方がいいかもね、叢雲ちゃん」


< だらだらと戯言を >








龍田「テストねぇ……私たちも参戦してみる? 代理戦争」

山城「面倒だしパス。そもそも誰にするのよ」

龍田「簡単そうなのは涼風ちゃん? 」

山城「何でよ。海風の方が真面目にやりそうじゃない。あとヒトミとか」

龍田「だって結構情報流してくれたことあるから何かやってそうだし」

山城「あ、そう……この話自体無かったことにするわね。
本当に面倒なことやりたくないの、今」


< 分かってる反応なのだがしかし >







涼風「んー? 山城さんの前なら素でいていいの? 」

山城「やめなさいって言ったでしょう鬱陶しい。私と姉さまは龍田とは違うの」

龍田「扶桑が私やあなたと違っちゃったんじゃなくて? 」

山城「ッ…………あの男苦しんで死ねばいいのに、今すぐ」

龍田「でもそうなったらあなた泣くでしょう? 」

山城「だからなんなのよ。少なくとも悩み事は減るじゃない」

涼風「ふぅん? 殺ってあげようか? それこそ色々ツテあるけど」

山城「やめなさいよ馬鹿。巫山戯んじゃないわ」

涼風「…………はぁ? 」


< ポジティブ >








初月「僕、姉さん、叢雲、漣、旗風、松風、涼風、ヒトミ、イヨか。
九人というとせめて五位には入りたいところだな」

涼月「そうだね」

初月「主人が見ていることでもあるし」

涼月「加賀さんたち、どう? 」

初月「実に分かりやすいものの時々意味の分からない知識も与えられているな。……叢雲たちは? 」

涼月「叢雲ちゃんが真面目で提督は時々難しいこと。
漣ちゃんは採点係だね」

初月「なるほど。採点なんて一番面倒で難しいことをできるってことは……三位を目指そうかな」

涼月「私に勝つ気? 」

初月「主人の教え子を倒す、それだけだ」

涼月「あ、そう……負けたら負けたで次の理由と目標でも探しそうだね、初月は」


< 確実とは言えないものの >








あきつ丸「鬱陶しいやつだな、あれは」

赤城「蝿なんて殺気で落とせるものかと」

あきつ丸「できるなら既にしている。……赤城こそやってみる価値はあると思うが」

赤城「むむっ……むーん? 」

あきつ丸「その様なものではなくて自分が最も気に入らない人間の背中を狙うときのだとか」

赤城「……………………あ」

あきつ丸「真っ直ぐ窓から出て行ったな。…………偶然だろうがまったく、恐ろしい」


< 大切にするって約束したでしょう? >








瑞穂「瑞穂が明石さんに執着してしまっているのは本当ですけれどね」

明石「はぁ。…………そんな生易しいものではない気が」

瑞穂「マンネリも面白くないので偶には明石さんからベタベタしてほしいな、と。ベッド以外で」

明石「マンネリ……? 」

瑞穂「さぁ、さぁっ! 」

明石「そもそもからして瑞穂さんの方も……や、腕広げてベッドの縁に座られてもですね? 」


< 一人五猫くらいが標準かな、とか >








雲龍『あはっ、もっといい声で啼いて……鳴いてやりなさいなっ』

提督『クク……そーら』

加賀『ッ……ぁ…………んっーーーー







加賀「…………あなたの姉、たぶん十人分くらいは猫被ってるわね」

天城「えーっと……最低五十猫? 」

Littorio「その単位は一体……いや、分かりますけれど」


< 就寝前の穏やかな団欒 >








時雨「何もしたくないな。強いて言えば何もしないでぼんやりしていたい」

春雨「してるじゃん」

時雨「春雨とお喋りしてるよ」

春雨「黙ろうか? 」

時雨「いいかい? 」

春雨「うん」

時雨「……………………」

春雨「……………………いなくなろうか? 」

時雨「? 何で? 」

春雨「うぅん? 」


< 雨音に艶声隠して、或いはいつか >







時雨「大切なヒトとさ、黙って一緒にいるのが好きなんだ」

春雨「ふーん……春雨はお話くらいしていたいけどね」

時雨「それでもいいさ。いいけど……ね」

春雨「…………」

時雨「…………」

春雨「…………寝てみる? 」

時雨「それもまた……拒めないさ、春雨が欲しいのなら、ね」


< 失礼な >








阿賀野「マキシワンピってあれだよね、時々面倒くさい」

能代「まぁ、お手洗いとかは少し面ど

雲龍「それがいいんじゃない。あれはあれで愉しいと思うし」

加賀「あなたのそれは別のタイミン……お手洗いに反応してるのではないわよね? 確認しておくけれど」


< 声でも漏れていたのかな >








雲龍「そうですね。それにそこまで露出には付き合ってくれません」

能代「提督って割にまともですよね」

加賀「雲龍に比べてまともっていうのは成り立たないわ」

阿賀野「加賀さんも割と好き者って聞きましたけど」

加賀「はっ? 」

雲龍「私じゃないですよ」

阿賀野「あと提督さんでもないです」

加賀「えっ……え? 誰? 」


< あらゆるものを飲み下し >







鹿島「極上の……痛苦……よし」

鈴谷「何かまた危ないこと呟き始めたけどこの子酔ってるの? 」

あきつ丸「明らかにそうだろうが……最近は一人で飲んでいることが多いな」

Aquila「鹿島さーん。そろそろお風呂行きましょー 」

Pola「ストレスはお酒で流しましょ~ 。気持ちよーく寝ましょうね~ 」

鈴谷「えぇ……何この面子」

あきつ丸「…………まぁ、鹿島がそれで構わないのならいい、だろう? 」


< 自覚が無いわけでもないけれど >







龍田「あなた真っ正直過ぎるのよ。
女が相談持ちかけてきてそれが文字通りの相談なわけないじゃない」

山城「慰めとか共感とか、後押しでも期待しているわね」

江風「や、それが自分の姉妹でもか? 」

龍田「当然。女としての自分を妹に聞いてほしいんでしょ? 海風ちゃんは」

江風「まぁ……そうかもだけど、さ。龍田さンでもそうなの? 」

龍田「さぁ? 山城にでも訊いてみる? 」

江風「いや、いいや。何か全く為にならないことしか言ってくれそうもないし」

山城「あなたね……」


< お風呂帰り子供帰り >








鹿島「…………Zzz」

赤城「壊れるのも大概にしてほしいものですね。
山城や龍田が消えて少しは平穏になるかと思いきや」

時雨「ふぅん? 赤城さんはそういう目で彼女たちを? 」

赤城「当然。……ちなみにこれは少しだけ平穏になる、程度の意味ですが」

時雨「意味の無いことだよ、それは」

赤城「ええ、そうですね」

春雨「まぁ、壊れてるのなんて皆元からだし反論なんてできないよ? 」

時雨「そうだね。…………そうなんだけどさ」

鹿島「んふっ…………Zzz」

時雨「…………僕のベッドだよ? これ。どうするのさ、僕は」


< 別のと合わせたりできますからね >







江風「やっぱテートクって女物とかでも結構知ってるの?
高雄さンたちとかいっつもセンスいいの着てるけど」

提督「や、俺そんなにファッション詳しくないしそこまでまともなことは言えねぇわ」

江風「ンな馬鹿な」

提督「俺にできるのは俺の好みの話だけであってだな、つーかーーーー






愛宕「女って割にちょろいのよねぇ~……それでいいの、それだけで。
ある程度センス悪いのは兎も角男の好みで、いいのよ? 」


< 瑣末なこと >








瑞穂「ん…………ぁ」

明石「ぁ……綺麗な、月と星」

瑞穂「二人きりで見るなんて勿体無いかも」

明石「そんなわけ。だからいいんですよ。ロマンティックってそういうものなの」

瑞穂「…………」

明石「…………」

瑞穂「…………」

明石「…………」

瑞穂「…………そういえば瑞穂と明石さんってロマンティックな面で気が合うところが……あれ? 」

明石「? ……どしたの? 眠れないとか? 」

瑞穂「いえ。…………ま、いっか」


ありがとうございました


>>141あれ海風・江風は?あとPola参戦ww


< 今の環境とか正直よく分からないけど >








漣「叢雲ちゃんは種族値高めの代わりに進化無しのノーマル単体」

明石「私はまぁ、でんき/はがねタイプかな」

瑞穂「そもそも皆さんみずタイプでは? あと船体的にははがねも勿論」

雲龍「はがねの身体は兎も角としてみずは淫水のことね? 」

漣「……」

明石「いやいやいや……」

瑞穂「それは雲龍さん、と他数名だけでしょうが。
瑞穂は絶対に違いますからね? 誰に、何と、言われようと」


< 何とはなくタイプ表でも見つつ雑談中 >








Littorio「それならみずタイプは禁止にしますか」

加賀「でもそうなると私なんて確実にひこう/はがねになるわね」

天城「同じく」

雲龍「名前的に私、ドラゴン/ひこうね。……強そう? 」

高雄「目の色でほのおタイプにでもしますか。不愉快ではありますが」

江風「や、カラー的には江風がほのおでいいじゃン? 熱いの好きだし」

愛宕「じゃあ私フェアリーで。可愛いから問題無いわね? 」

提督「はいはい。…………んなこと真面目にやらないで面倒だし三タイプ掛け持ちとかすれば? 」


< アイデンテテーのほーかい >







Littorio「その場合愛宕にはあくタイプも付くんですね? 」

愛宕「小悪魔、って柄でもないしゴーストでしょう? 憑座的に」

明石「フェアリー/ゴースト……? 」

漣「布……でんのうせんし……電子の世界……」

明石「…………」

漣「…………」

明石「…………何だか色々と危ないこと考えちゃいそうですね。本当、色々なものに対して」

漣「…………ですね」


< 続きまして >







雲龍「たまごグループ? は簡単でいいわね」

天城「姉様が言うと不純な何かを感じますが」

漣「そりゃまぁ一応は人型なんですし陸じょ

明石「たまご未発見ですね」

天城「え? 」

漣「…………」

雲龍「まぁ、胎生だか…………私そんなプレイしたこと無いわよ? 天城ちゃん? うん? 」


< 雰囲気とかで案外変わるものではある >







伊13「なんでも似合って……羨ましいよ、イヨちゃん」

伊14「そんなことないって。全然駄目だよ? 」

伊「自分にはそういう可愛いの似合わないから……うん」







龍田「あの子たちって一卵性双生児並ってこと忘れてない? 」

扶桑「そうね。…………山城も、似たようなこと言ってくるけれど」


< だから煽るんじゃないですかやだなー >







江風「>>156 みたいなことがあったような」

海風「うん? 」

初月「うん? 」

江風「うン? 」

海風「何か忘れられてた気がするんだけど」

初月「さぁ? 忘れていたことすら忘れるくらい眼中に無いってことかも」

海風「あ? 」

初月「うん? 」

江風「どうどう。…………姉貴はテートクにおしえてもらえなくて拗ねてたンだぜ? やめてくれない? 」


< 気の所為ですよ? >






海風「自分で従者なんて一歩引いたようなこと気取って」

初月「愛なんて無くても敬することはできるからね」

海風「こんな鳥籠にいて綺麗事過ぎるよ」

初月「いいじゃないか。そんなことで綺麗であれるのなら」

海風「あれてもいないよ」

初月「そうなのかい? 」

海風「……」

初月「そもそもさ、その言い方だと提督に執着しているのは鳥籠にいるから仕方無くってこッ……

雲龍「やめておきなさいな。あなたが馬鹿にしていることでもね、誰かにとっては必要なことなの。逆もそうだし」

初月「ッ…………悪かった。少し自分を失くしてたよ」

海風「ん…………私もごめんね」

江風「……………………声って物理技だったンだな? うーン? 」


< どちらとも言えない >







龍田「安定は愛を殺し、不安は愛をかき立てる、って言葉があるけど」

Littorio「プルーストですね」

龍田「愛宕たちって不安なのかしら」

雲龍「単に欲求不満なだけでしょ」

能代「実に説得力がありますけど……逆に雲龍さんであるからこそ不安なのでは、とか」


どうも人数を増やし過ぎた感が……言い訳ですけどねぇ……

ありがとうございました



< 論点の創作へ >







雲龍「ふぁ……眠い」

天城「はいはい、寝間着はこちら……また毛塗れにしたんですか」

雲龍「サンが入ってきただけよ。私は悪くないわ」

天城「その辺りの躾もしていただかないと」

雲龍「確かに最近寝苦しくなってきたものね」

天城「はぁ……それでいいですから」

雲龍「この子、あの人を呼んだときは察してくれるし。
……もう少し来ていてくれれば寝間着も綺麗よね、ねぇサン? 」


< エンジン暖まって参りました >







瑞穂「女の生命に精粗の差も貴賎も優劣もありません」

明石「やー、瑞穂さんみたいにお手入れもしっかりしてな

瑞穂「ありません」

明石「や、でも私の髪なん

瑞穂「ありません! 」

明石「は、はい! 」







明石「…………」

愛宕「それで朝からやたら……こんな時間からベタベタされ始めたら夜には死んでるんじゃない? 明石」


< いない、というのもまた想像できませんけどね >








阿賀野「ふぇ……猫さんかわいー ♪ 」

雲龍「あなた、いい触り方ね。それならサンも嫌がらないわ」

能代「能代にはよく分かりません」

雲龍「あなただってあるでしょう? 撫でられるにしても、軽く触れてくれるにしても」

能代「余計分かりませんよ。誰にも許したことないんですから」

雲龍「寂しい女」

能代「まさか」

阿賀野「あはー……いいなぁ、猫さん。猫さんは面倒な仲間、周りにいないもんねぇ~ 」


< 見渡せない限りの…… >








天城「サンジョルディの部屋は掃除が楽でいいですよね」

瑞穂「まぁ、物も玩具箱? に入れて終わりですし、
粗相なんて一回も見たことがありませんもの」

天城「何と言っても姉様が抱いて出て行ってしまえばあの子も掃除機のストレス感じませんし」

瑞穂「猫は威嚇したり引っ掻いたりするみたいですね、掃除機の音に驚いて」

天城「ええ」

瑞穂「…………」

天城「…………」

瑞穂「…………Littorioさんのお部屋、どうしたものでしょうね」


< 続けると嫌な地雷に当たりそうだったので >








提督「こいつら全員適当だしそういうの気にしてなさそうだからいいんだけどさ」

高雄「? 」

提督「もし飲みのときだけでも上下関係出てきたら席順とかどうするんだろうな」

高雄「あなたが一番上座で……まぁ、階級等含めても私と愛宕がいて」

提督「そこから加賀までは、いいよ。だけどさ、階級で言えば山城たちも加賀と同じだし」

高雄「ここの面子としては浅いですけれど、上下関係とは階級と言い換えてもいいのでは? 」

提督「ってなると今度は山城たちの次に龍田たちと並んで雲龍たちか? 」

高雄「中尉としては同じですけれどね、空母と軽巡は同じなんでしょうか」

提督「んんっ……楽でいいなぁ、頭空っぽでいけるとー…… はは」


< いいんじゃないです? >






漣「でもここで叢雲ちゃんより上座に座れる度胸なんて誰も持ってないでしょ? 」

海風「そだね」

江風「まったくだぜ」

涼月「ええ」

初月「そうなるな」

旗風「うん」

松風「あぁ」

叢雲「…………誇っていいのかしら、これ」


< 後から他方 >







涼風「まぁ、あたいも……あたいは誰の上にも座れないな」

叢雲「殺しの数なんて誰も数えてないんだから気にしなくていいじゃない」

涼風「程度ってものがあるだろ。殺り方も理由も」

叢雲「馬鹿馬鹿しい……馬鹿馬鹿しいわよね? 」

提督「おう。…………倫理から見たら俺なんてガチで座にも加われないだろう? 」

涼風「胸張って言うことじゃ……ま、気にしないんなら、いいけどさ」


< 信仰以前に神経からして >







涼風「そーいやさ、あたいも色んなヒトに会ってるけど」

Littorio「ええ」

涼風「誰もクリスチャンなんていないよな。知識はあっても」

Littorio「本国にはまぁいないことも……ただですね、Littorioが」

涼風「うん」

Littorio「主の教えを守っていたら、ここで生活なんてできると思います? 」

涼風「あー…………あぁ」


< 経路不明トレース不能 >








Littorio「そもそもの話教会自体がLittorioたちを疎ましく思っているはずですし」

龍田「迷い戸惑い蔑まれ石を投げられている者にこそ主は手を差し伸べる筈じゃない? 」

Littorio「差し伸べてくれたことあります? 」

龍田「信じないと差し伸べてくれないわよ? 」

Littorio「…………」

龍田「…………」

Littorio「…………どうせ死ぬのなら早めに死んだ方がマシですね」

涼風「はいぃ? 」


< それで、堕ちたのですねとか何とか >








山城「大体神を語るとか烏滸がましいんじゃないの? 化物の分際で」

龍田「被造物の中でもこんなに不幸を押し付けられてるんだし、ねぇ? 」

Littorio「聖書によれば人間には他の被造物全てへの裁量権が与えられているとか」

龍田「あぁ……それで」

提督「それで、じゃねーよばーか。こっち見んな」


< 近場でもいいけどね >







提督「ガス抜きとしてどっか行ってもいいよ。
三組くらいに分かれて、だけど」

雲龍「例えばどこ? 」

提督「東北圏から南北海道じゃない? 三日くらいならいいしどこ行ってもいいけど」

雲龍「ふぅん……あなたは? 」

提督「留守番」

雲龍「……」

提督「一人遊び呆けるわけにもいか……だって嫌だろう、多種多様な女の子に囲まれてるのをオフの軍人に見られたりするの」


< でも旅客機に乗れるよって言ってみた >








加賀「…………」

雲龍「…………」

天城「大声ではしゃいだりしてるわけではないので構いませんけれどね……」

涼月「こんなに目をキラキラと……いっそ怖いですよ」


< ただでさえ目立つのに >







加賀「そもそも私は気にしませんが」

提督「俺が気にするんだよ……一般人にだって変な集団だと思われるぞ」

雲龍「男がいないとナンパなんてされそうですね」

加賀「あぁ……面倒な」

愛宕「確かにいた方がいいかもですよねー。…………罪無き臣民の皆様の安全の為にも」


< 人聞き悪い >






漣「ってもご主人様も雲龍さんと並んで傷害の前科持ちですからねー」

旗風「えっ……」

提督「引くんじゃねぇよ。あれは正当防衛だ」

漣「自分の女蔑まれて手が出ちゃったんですもんねー? 」

提督「仕方ねぇだろうが。つーか何? 雲龍何かやったの? 」

漣「ご主人様と似たような理由で何倍も酷いことを」

提督「あ、そう」

旗風「納得しちゃ駄目なような……誰に訊いても今更って言われそうですけどね」


< 関係の無い瑣末事として >







江風「でもあれだよな、何の気無しに飛行機乗って隣が雲龍さンだったときとか」

海風「ときとか? 」

江風「落ち着かないだろうなぁ、って」

海風「女かもしれないし……そもそも窓の外にずーっと集中して気付かないから、あのヒト」


< あくまで冗談ですよ? >







龍田「実現したとしたら空母組とか高雄姉妹とか阿賀野姉妹プラス私なんて確実に別班よね」

瑞穂「扶桑姉妹もですね」

龍田「明石も出すっていうんだから防衛的な戦力配置なんて気にしなくてもいい気がするけど」

瑞穂「単にあれでは? 仲が良過ぎて班員と蟠りが、とか」

龍田「そんな女子高生のグループみたいな」

山城「そんなものでしょうよ。女なんていつまで経っても陰湿なんだから」

初月「実に説得力があるな。山城が言うと」

山城「……あ? 」


< してもいいんですけど何となくね >






初月「まぁ、山城がまともな方なのは知っているさ」

山城「あぁん? 」

初月「山城がそもそもあまり好んでいないだろう? 無駄に群れるの」

山城「それは単に私が姉さましか必要としていないからよ」

初月「幼稚な嘘を……まぁ、いいけど」

山城「あなたこそまともそうよね。姉妹に比べると」

初月「まぁね」

山城「否定は? 」

初月「できないよ、僕も、女だから」

山城「……そ」


< 多少大袈裟些少危険域 >









能代「思ったんですけどね、瑞穂さん」

瑞穂「はい? 」

能代「明石さんに似合う獣耳は何でしょう? 」

瑞穂「えっ……え? うん…………はい? 」

能代「ここまで悩むんだ……さすがに驚いた」

叢雲「私はあなたが真顔でサイコ地味た実験みたいなことした方が驚きなんだけど……」


< 戯れに戯れ、そして戯れ >








能代「や、確かに龍田やLittorioさんの領分だとは思うんですけど」

叢雲「それはそれでどうかと思うけど、そうね」

能代「私もここでキャラを立てておかないと埋まっていくな、と」

叢雲「埋まって悪いことなんてあるの? 」

能代「さぁ? でも……考えると止まらなくて」

叢雲「変なことしなくてもキャラなんて立ってるわよ? 」

阿賀野「そうだそうだー。能代にはぐうたらをお世話する保護者属性があるぞー ♪ 」

旗風「いやいや…………阿賀野さんの方がある意味、サイコなんじゃあ」


< 発端はいつも突然に >







瑞穂「っく……んんっ、久方振りのっく………………ヒック」

明石「しゃっくりですかー……冷たい水でも持ってきます? 」







龍田「こういうときは驚かせるんだったかしら」

山城「あとは水を飲むとか舌を伸ばすとか? 」

龍田「ふふ、明石ちゃーん? 」

明石「はい? ……はぁ、まぁいいですけど」

龍田「瑞穂ちゃーん? 」

瑞穂「……ヒック……嫌な予かっ…………予感しますぅ……ヒッ」


< まぁ、恋人の匂いが嫌いという人も中々いませんが >








明石「この前私のベッドに私以外の髪の毛が落ちてたんですけど、知りません? 」

瑞穂「瑞穂のですよ。ック……提督のが落ちていたらすぐに片付けていますもの……ヒッ」

龍田「自分以外のがあると嫌よね、当然」

山城「まぁ、そうね。雲龍の場合猫の毛塗れみたいだけれど」

瑞穂「ック…………まぁ、提督も、最近は来ていない、ですけック」








明石「基本的に二人で寝るときって瑞穂さんのベッドなんですけどね……あーあ、聞かなきゃよかった」

龍田「しかも全然驚いたりしなかったわねぇ……当然の出来事扱いなんて」


< それとも自分にいくタイプ? >








龍田「ぁ、そういえば」

山城「何よ……また余計なこと言い出さないでしょうね」

龍田「明石が瑞穂に偏愛されてるって言ったらどうなるかしら。
しかも最初は明石から誘ったって言ったら」

山城「大淀? 」

龍田「ええ」

山城「…………」

龍田「…………」

山城「…………大淀って明石にいくタイプ? それとも相手にいくタイプ? 」


< 今夜はゆっくりとこのまま >








提督「しっかしあれだな、眼鏡かけただけでここまで……うんうん」

高雄「ん……伊達とはいっても何だかキスもしにくいですし変な感じです」

提督「ふぅん? 」

高雄「……外しちゃ、駄目? 」

提督「駄目」


ありがとうございます
まぁ、暫くはこんな感じだと思うんですけどね
どうも名前を忘れたり間違えたり出てこなかったり……

ありがとうございました


< いっそ投げ遣りに >







涼風「ふぃー……朝から広い風呂入ってコーヒー牛乳とか最ッ高だなマジで」

叢雲「よかったわね。今日はあいつ来なくて」

涼風「あたいは別に。そりゃあ平常心ではいられないだろーけど」

旗風「本当だよ……本当、本当さ」

松風「まぁ、風呂が一つとはいえ入っていったら男がいた状況っていうのもね」

瑞穂「瑞穂も慣れるのに一年は掛かりましたよ」








龍田「自称ですらレズキチなのにあれはいいのかしら」

山城「さぁ……男、というよりあれオンリーの歪んだ倫理なんでしょう、きっと」


< 知らず侵される蠱毒のウタ >








扶桑「仕方無いでしょう? 二つも大浴場を稼働させる程の人数ではないし」

涼風「そりゃあ提督にイかれてる扶桑さんは構わないかもだけどさ」

旗風「私たちは違うんですよ? 」

加賀「是非そうあってほしいものね。
今のところ天城と海風がそう言いながら堕ちていったわ」

旗風「いざとなったら松姉さんに守ってもらいますから」

松風「まぁ、僕は別に構わな……守ってもらう、っていうのも深読みすると些か不味い気がしてくるな、ここにいると」


< 色んな枠がありますけれど >








高雄「次の天城さん枠は誰なんでしょうね」

天城「はい? 」

高雄「瑞穂さんに引き継がれていた『もうヤダこの警備府』枠です」

雲龍「瑞穂は明石の所為で外れたものね」

高雄「旗風さんだとかヒトミさんが今のところ有力ですか」

天城「あぁ……高雄さん時々真顔でとんでもないこと言いますよね」


< 難易度初級レベル >







伊13「それ……入ったとしていつか、外れるんですか? 」

高雄「どうでしょうね。天城さん? 」

天城「天城は枠に入ったつもりも外れたつもりもありませんよ」

雲龍「そんなこと言ったら私もピンク枠に入ったつもりなんて無

伊13「抜け出せないんですね? 」

雲龍「……」

高雄「ふふ……取り敢えず、順調に雲龍さんの扱い方には馴染んでいるようですね? 」


< フランツくんもあれはあれで楽しいとは思うけど >







提督「歴史上の美女ってロマンあるよな」

雲龍「うん? 」

提督「妲己とかアントワネットとかエリザベートとか」

雲龍「全員奇人変人の類ね」

提督「仕方ねぇだろう。個人にしろ国家にしろ負けた側の人間だし。
それを差し引いてもまともでは無ぇとは思うけどさ」

雲龍「酒池肉林女とハンカチーフ女と美貌至上主義旅狂いウエスト五十一女ね」

提督「エリザベートだけやたら詰め込んでるのは何なの? 」

雲龍「一番親近感湧くもの」

愛宕「自分の選んだ女を宮廷半公認で夫に宛てがったりしてるんだけどね~ 。私の方が近いんじゃないの? 」

提督「…………」

雲龍「…………」


<エアリーディング講座のお時間です >









雲龍「じゃ、じゃあ、宛てがってくれるわけ? 」

愛宕「そんなわけ。仕方無く黙認してるだけよ」

提督「…………」

雲龍「…………」

叢雲「…………そこで変に話続けようとするから」


< アホの無限級数 >








阿賀野「……zzZ」

加賀「余裕の表情で寝ているわね、これ」

能代「許してあげてください。阿賀野姉ぇは常人の三倍はアホの割にその三倍は気を遣うんです」

加賀「分かるけれど」

能代「さらにその三倍はアホでその三倍は優しいんですよ」

加賀「ん、んん? 」

能代「さらにさらにその三倍はアホでその三倍は真面目でーーーー


< 楽しいことだけ胸に抱けるならば >








提督「ふぁ……めんどくさ」

涼風「許せよ。適当に誤魔化せばいいんだから」

提督「高雄とか愛宕とか……まぁ、平たく言えば幹部とかそういうのは懐柔できるし意見も共有できるけどな」

涼風「末端はできないって? 」

提督「できないわけじゃねぇけど……したくねぇってことだよ。半分洗脳だもん」

涼風「はぁん? できるんなら使うべきだと思うけど? 才能だぜ? それ」

提督「生死が関わるんならな。…………どうでもいいと思ってるやつと深く関わるの、疲れるだろう? 」


< 理由何てものよりも確かな結果を >








時雨「阿鼻叫喚らしいじゃないか」

あきつ丸「うん? 」

時雨「例の清く正しい将校一派の支援者が続けて摘発されてるとか」

あきつ丸「あぁ……何故か、ピンポイントに重要人物から挙げられているらしいでありますね」

時雨「何故か、ね。…………まだ分かってはいないらしいけど」

あきつ丸「……ん」

時雨「陽炎たちが探してるからね。リスト、横須賀から漏れたって噂だし」

あきつ丸「ご注進痛み入るであります。…………自分とてどうやってつくったのか、知りたいくらいだがな」


< 止めば降る、降れば止む >







あきつ丸「フ-……まぁ、復讐など何も生まないでありますなぁ」

時雨「いいじゃないか。生産性なんてものを考えるより憎しみを抱えて鬱屈している方が余程マシだ」

あきつ丸「憎悪は向けるられるものであって向ける相手などいない。
そんな阿呆には眩し過ぎる、直視できない」

時雨「君を恨む人間なんていないさ。
誰も知らないよ、苦労も痛苦も、怨嗟もきっとちいさな幸せだって」

あきつ丸「そうか。…………時雨程、達観できればいいのだが」

時雨「達観? 馬鹿なことを。僕はただね、色々と諦めてるだけさ」

あきつ丸「そうは見えないであります」

時雨「嬉しいよ、本当なら。…………雨はきっと止む、なんて悲観しながら生きてる道化の身分には、ね」


< いつだって駒は待つことしか >








あきつ丸「生産性といえば」

時雨「あぁ」

あきつ丸「何故かは知りたくもないが、秋津班などというものを設立する動きがある」

時雨「僕に言っていいのかい? 」

あきつ丸「秋津班筆頭の時雨殿にならば構うまい」

時雨「…………僕に、軍の狗になれと? 」

あきつ丸「いいや、殿下の目的の為の下僕になれということだ」

時雨「…………」

あきつ丸「生産性、などというものの対極ではあるが……それがある種の更生といえるらしい」

時雨「ふふ……更生なんて笑わせてくれるね」

あきつ丸「だろう? ま…………断る権利など最初から無い更生に、価値など無かろうがな」


< それでも追い出せないのですけれどね >







提督「うーん、苛々する……疲れた」

高雄「コーヒーのお代わり淹れてきますね」

雲龍「私は応援でもしてあげましょうか? 」

加賀「椅子にでもなる? 」

提督「そんなことしなくていいから黙って執務室から出て行ってくれよ……馬鹿なの? 」


< 勘弁してください >








加賀「悲しいわね。少しでも役に立ちたいだけなのに」

雲龍「健気だと思わないわけ? 」

提督「うるせぇな。……お前が雲龍の椅子になって雲龍が応援してればいいんじゃないか?
高雄もコーヒーくらいくれるだろう」

高雄「人数分持ってきましたけど……雲龍さんに二つ渡します? 」

加賀「…………? 」

雲龍「…………? 」

加賀「…………止めておくわ」

高雄「そうした方が。……少し二人で考えたあたりからしていつかやりそうですね」


< お酒があるならいいですよぉ~? >









WS「傘、なんてものはね、自ら持つものではないの」

GZ「他者に差しかけられるもの、か」

WS「ええ。日傘を差して庭園を散歩する、なんてときには構いませんけれどね」

GZ「あぁ」







Aquila「でもあれって単に相合傘で歩きたいだけですよね~。
外が雨、とか傘の話とか関係無く」

Pola「そうなんですかぁ~ ? Polaは~、お酌も一人でできちゃういい子なので傘も持てますよぉ~ 」

鈴谷「はいはい分かったから。そろそろお風呂いかないとお姉さん来ちゃうよ?
傘無しで外に立たされたりするけど、いいの? 」


< リスクというカタルシスを幸福というのかもしれない >








明石「発見や発明なんてものはね、模写に過ぎないんです。
どっかの文豪も似たようなこと言ってましたけど」

伊14「ふぅん……? 」

明石「あらゆる物理法則は既にこの世に存在していますから。
だから、その整えられたものを見つけて騒いでいるだけ」

伊14「なるほど? 」

明石「つまりね、愛だとか憎悪だとか、そういったものこそ創る、ということの最たるものなの」

伊14「へぇ。…………けど、それじゃあ失う可能性の分だけ意志だとか感情の方がリスクあるってこと? 」

明石「勿論。だからこそ……なればこその価値、ですからね」


ありがとうございました


< 遺言なんて自己満足と言われてしまえばその程度 >








高雄「遺言なんて許しませんけどね」

提督「え? おう」

高雄「サンジョルディに全て遺す、くらい書いておくならいいですよ」

提督「時事っすか。それともレオナ・ヘルムズリーか」

高雄「どうせまともな手続きでは私たちには入ってきませんし」

提督「そうかい。…………でもサンジョルディに遺したら雲龍に渡りそうじゃね? 」


< そうありたいもの >








雲龍「じゃあ、私もサンに遺すわ」

天城「そうすると天城に回ってきそうですね」

漣「今のうちにサンジョルディのお世話しておくべき? 」

叢雲「かもね。…………私、猫の世話なんて御免だから」

提督「はいはい。……死なねぇよ? お前らが生きているうちには、さ」


< おおみなとのどんふぁん >







Littorio「あらあら、この国のDon Giovanniのお話? 」

提督「俺はDon Ottavioでありたいものだけどな」

Littorio「それならばLittorioはZerlinaを」

提督「勝気な村娘で満足? 」

Littorio「あなたこそ優柔不断な優男で満足? 」

提督「Masettoになれと? 」

Littorio「だから、Don Giovanniでしょう? 」

提督「地獄に引き込まれたくはないが、石像が可愛い女の子ならいいかな」

Littorio「そう。…………Littorioが言うのもなんですけれど、
書類から目も離さずにペラペラよく話せますね、あなた」


< 素直に受け取りたい >








初月「偽善だって善行だろう。受ける側がとやかく言うことじゃない」

山城「意外ね。あなたなら偽善者なんて毛嫌いするものかと」

初月「僕だって一般論を正論だと思うことくらいあるさ」

山城「自分たちを憐れんで高いところから手を伸ばした気になってただ見下ろして、
くらいは言うのかと思っていたわ」

初月「知らないものは判断できない。
生憎とね、僕が知っているのは僕を化物扱いする人間と、玩具としか思わない人間。それから提督だけだ」

山城「そう…………よかったわね、特別視されていて」

提督「振るなよ……聞こえないふりしてたかったのに」


< あなたを惑わせるなんて、どんなに >








赤城「ふぁ……暑いですね」

鈴谷「だねー。こんな暑かったら女子力も死んじゃうよ」

赤城「いつでも美しく清廉でありたいものですけれど……やれやれ」

鈴谷「赤城さんって大概モグモグしてる割に結構女の子してるよね」

赤城「失礼な。…………私とて食事以上に想えるものがあるならそちらに惹かれますよ? 」



< あなたを惑わせるなんて、どんなに >








赤城「ふぁ……暑いですね」

鈴谷「だねー。こんな暑かったら女子力も死んじゃうよ」

赤城「いつでも美しく清廉でありたいものですけれど……やれやれ」

鈴谷「赤城さんって大概モグモグしてる割に結構女の子してるよね」

赤城「失礼な。…………私とて食事以上に想えるものがあるならそちらに惹かれますよ? 」



< 意志の強い女にこそ男は惹かれるものですよ >







鈴谷「ふぅん? 何で? 」

赤城「何でって……私だって女ですし、そもそも生きてますからね」

鈴谷「別にモグモグしてて幸せなら綺麗になる必要なんて無いでしょ」

赤城「ある日何の気無しに生きていて突然運命の人と出会えるかもしれないでしょう? 」

鈴谷「そうかな? そんな可能性はまずゼロ近似だと思うけど」

赤城「だからこそ、どんなときも美しくあるべきだと思うんです。
満足できない自分が振られるなんてつまらない負けは嫌ですから」

鈴谷「運命の為に可愛くありたい、か。女子力だねぇ……」

赤城「さぁ? 私は結局、生きたいように生きてるだけでしかないですからね」


< 強き者 >








高雄「実際分からないわよね。口では大きいことを言えても」

愛宕「うん? 」

高雄「就職してみたいだとか主婦になってみたいだとか。
そもそも萎縮したり孤独に苛まれるかもしれないわ」

愛宕「そうね。でもそんな心配はしていないようにしか見えないけど? 」

高雄「当然でしょう? 」

愛宕「ええ。…………何故かしら、疑問を持つべき筈の流れなのに」


< 二十三時間とか奉仕する方がまだ…… >









雲龍「ガラガラヘビは交尾に二十三時間程度使うらしいわ」

提督「マーモセットとかの小型動物は十秒程度だぞ」

雲龍「つまんないわね」

提督「二十三時間とか乾涸びるだろう」

雲龍「乾涸びるくらい尽くさせてよ」

提督「俺はマーモセットになるけどな」

雲龍「……む」

愛宕「小動物で遊べるなんて最高じゃない? 」

提督「違うだろ。…………違うよね? 」


< さぁ? どうしてでしょうね? >







伊14「そーいやね? ここの裏の林に古井戸があったよ」

伊13「そんなところまで……何しに? 」

涼風「戦前とかは使ってたのかもな。今は整理されてて」

伊14「江風ちゃんと松風ちゃんと探検してたんだけどね?
まだ使えるのかなーって思ったの」

涼風「どうだろうなー。埋めてなかったんなら整備すればもしかして」

伊14「でね、試しに降りてみようと思ったんだけど虫とかがいそうだし止めたの」

伊13「それで、いい……イヨちゃんのそういうところ、困る。死にはしないだろうけど」

涼風「ははっ、人間なら死ぬけどな」

伊13「うん。…………………………………………何でそこだけ推測じゃ、ないのかなぁ」


< 結論。できる人間の言うことは信頼できない >









雲龍「肉体的な行動上限は兎も角として。
スポーツの技術だとかも極論では数学の公式と同じだと思うの」

Littorio「はぁ」

雲龍「流れの中でしか、或いは才能と研鑽の延長でしか分からないものはあると思う。
身に付かない技術はあると思う。けれどね、同じなの」

Littorio「言いたいことは分かりますけれどね」

江風「つーかそもそも数学の公式からして覚えたから使えるってものでもないだろ」

雲龍「はぁ? 」

江風「あぁン? 」

Littorio「さっきからこうなんです。Littorioは単純に一輪車のコツを訊いたんですけど」

江風「なるほどな。…………でもLittorioさンですら同じこと言いそうだもンなぁ、料理とかだと」


< 加速するだけが人生ではないのですよ? >








提督「ガンディーは言った。There is more to life than increasing its speed」

高雄「はぁ、カッコいいですね。それで? 」

提督「それだけだけど」

高雄「そうですか。早く決裁を進めてくださいね」

提督「はぁ、散文的ってーか高雄くんさ、あのね、疲れたんですけれども? 」


< 六月六日 >








提督「はいおめでとう」

漣「はいどーも」

提督「あぁ」

漣「はい」

提督「…………開けねーの? 」

漣「こんなこれ見よがしなびっくり箱……逆に新鮮ですよこれ」


< してやったりと言える >








提督「しゃーねーな……ほい」

漣「ありでーす。何かな何か…………あの」

提督「うん? 」

漣「…………マジ? 」

提督「要らねぇなら返せよ」

漣「ヤーでーす。…………ありがとうございます、__さん」


< 価値基準が行方不明なのは誰の所為? >








叢雲「で、何貰ったのよ」

漣「ゲーミングノート」

叢雲「はい? 」

漣「ゲーム用の、パソコン」

叢雲「はぁん……いいもの? それ。あなたパソコンなんてもう持ってるじゃない」

漣「分かってませんなぁ叢雲さん。これがあるのと無いのとじゃね?
優しいご主人様と苛ついてるご主人様くらい違うんだよ? 」

叢雲「それは凄いわね。…………でも、本当にそんな違い、あるの? たかがパソコンが? 」


< 欲しがったわけでもないが >









漣「えー、特に漣が料理したわけでも準備したわけでもないですけどテキトーに飲んでください! 以上」







山城「幾ら飛び交ったのかしらね、今回」

扶桑「さぁ……一人二万円くらいだとして、四十八万円? 」

江風「江風それより低いけど」

海風「私は少し越えたくらいですね」

愛宕「値段なんてどうでもいいじゃない。センスよ、センス」

Littorio「まったくです」

龍田「何より面白いのがその額だとして赤城さんへのプレゼントよりも平均が低そうなところよね」

加賀「そんなに食べられるの? 横須賀だと」

明石「んな赤城さんが食べ物ばっかみたいな……まず間違いないでしょうけども」


ありがとうございました


< 被虐のボーダーって実際どの辺? >







龍田「世の中広いわよね」

雲龍「? そうね」

龍田「あなたの被虐なんていいとこちょっとした異常くらいなものよ」

雲龍「いいじゃない別に。被虐の天下を取りたいわけでもないし」

龍田「えっ、そうなの? 」

雲龍「馬鹿にしてるの? 」

扶桑「…………そもそも雲龍がちょっとした被虐、
に収まるのかどうか怪しいところだと思うけれど」


< 名前が分からなくても普通にやるとは思う >







提督「そういや君さ、あすなろ抱きって分かる? 」

旗風「分かりますけど」

提督「マジ? 分かるの? 」

旗風「はい? 」

提督「一応一番若そうな子に訊いたんだが……おかしいな……

旗風「あの、司令? あの、あのぅ……? 」


< ループって怖いね、というループの入口 >








提督「いや、なんだ、後輩と話してて言われたんだ。
若い子はあすなろ抱きなんて知らないでしょう、って」

旗風「私が若いかどうかはさておきそんなものでしょう」

提督「そう? 」

旗風「リヴァイヴァル、というのかどうかは知りませんけれどね、
案外と憧れのシチュエーションだとかは調べるものですよ。
創作物にも色々と出てきますし」

提督「なるほど。……つまり俺はリヴァイヴァルされてる側なのか、そうかぁ……」

旗風「し、司令? 司令? あのぅ……」


< 扱い >







松風「ふぅん? つまり旗風はあすなろ抱きに憧れている、と」

旗風「お慕いする殿方に抱き締められるのは憧れ、でしょう? 松姉さん」

松風「言いたいことは分かるけど……うぅん? 」

江風「そりゃ松風は抱きしめたい方だもンな」

旗風「なるほど」

松風「なるほど、じゃないよまったく。……江風も勝手なこと言ってると海風を嗾けるからね? 」

江風「やめろ。やめてくれ、本当マジで。何なのこれ酷くない? 」


< 開放的だとそれはそれでつまらないもの >








提督「……………………」

涼風「? どした? ついに色惚けが呆けまできたのか? 」

提督「違う。…………お前一応は新参でいいんだよな、俺の部下的には」

涼風「そうだね。前から知り合いではあったけど」

提督「女の子だよな、お前」

涼風「疑ってんの? 」

提督「いいや。……………………軍人だしさ、女の子ばっかの集団生活なのは分かるよ。
でも男が入れる場所に全員分洗濯物干すのはさ、やっぱどうなのって思うんだ」


< 羞恥も怒気も、疑問すら抱かずってのはちょっと…… >







涼風「ってもね、純粋な人間なら兎も角大なり小なり壊れてるんだって」

提督「…………お前のは? 」

涼風「あれ。水色のと黒っぽいの」

提督「あぁ、そう…………何か疲れたから寝てきていいか? 」

涼風「うぅん? 」


< じゃあ際どくないかっていうとさ >








愛宕「まぁ、でもこうして眺めてみると面白いわね」

涼風「? 」

愛宕「紐とかハーフとかフルとか……柄も色々デザインも色々」

伊13「何となくどれが誰のか分かりますね」

愛宕「雲龍は想像通りとか? 」

伊13「まぁ……愛宕さんだとか高雄さんは意外です、けど」

愛宕「そう…………結構前に誰かにも言われたわね。そんなに痴女っぽいのかしら、私って」


< ミストレス? >








高雄「何をしているかと思えば……集まって下着鑑賞会でもしているの? 」

愛宕「そういうわけでもないけど」

伊13「流れ、と言いますかなんというか」

高雄「はぁ……あら」

愛宕「? 」

高雄「阿賀野さんのがハサミから落ちているわね」

愛宕「あぁ、さっきぶつかって落としちゃったかもしれな……何で、阿賀野のって分かったの? 」


< 時々はちゃんと干しましょうね >








高雄「前に能代さんが干していたからよ?
阿賀野さんにへの文句を零しつつ」

愛宕「そう……このお布団は誰のかしらね」

高雄「さぁ……このお天気なら外に干せばいいのに」

愛宕「窓からの風と陽射しじゃあねぇ……」

初月「ダニの死骸から漂う臭いがそんなにいいと思うのかい? 」

愛宕「じゃあ、あれあなたの? 」

初月「いや、僕なら外に干すね。何故室内干しなのか理解に苦しんでいたところ」

愛宕「そ。…………逆張りというか捻たいお年頃というか。本当あなたあの人みたいね」


< それはどっち? >








龍田「山城が山城の性格で扶桑の格好をしてね? 」

提督「ん? おう」

龍田「扶桑が扶桑の性格で山城の格好をするの」

提督「ほう……ほう? まぁ、どっちがいいってーと……山城だな、うんうん。それはいいぞ」


< 酔いました >








江風「ンンっ……端から見ると何かの罠みたいだなこれ」

龍田「うん? 」

山城「何よ」

扶桑「? 」

江風「我ながら飛ンで火に入る、っていうか……集まってるだけで瘴気溢れてるみたいな、さ」


ありがとうございました


< 望んだ楽園とて身を置けば >








雲龍「ん……おはよう」

提督「おはよう。……どいてくれる? 」

雲龍「何故? 」

提督「邪魔だから。寝起きで跨られてるのはさすがにだるい」

雲龍「その割に三十分くらい起きなかったけれど」

提督「それだけ眠いんだよ……眠いの」

天城「そうですよ……寧ろ何故姉様はこういうときだけは朝でも元気なんです」

雲龍「充電されたから? 」

提督「それならちゃんと起きてシャワー浴びてコーヒーくらい淹れてくれよ。
……いくらなんでも望み過ぎじゃないと思うぜ? 」


< あくまで生理現象でしてね? >








提督「そもそも起きたんならこいつどかすくらいしてくれ、天城」

天城「天城が起きたときからこうだったので。天城も眠いですし」

提督「シーツも無しに俺の上でぼんやり三十分? 」

雲龍「あなたの寝顔を見ていたからぼんやりしていたわけではないわ」

提督「あぁ、そう……もう何でもいいから、取り敢えず隠そうぜ? ただでさえ……勃つ時間なんだ」


< 自虐者への恋歌、それとも自嘲 >








加賀「……………………ハァァァァッ! 」







龍田「加賀さんにはもう何も言わないけど、あれってどこの業物? 」

漣「さぁ? ご主人様が京都の何処ぞで買ってきたらしいですよ」

龍田「ふぅん……銘は? 」

漣「安くて持ちやすかっただけらしいです。当然無銘」

龍田「あっそ……鍛錬型なんて美しいだけだと思ってたけど」

漣「カッコいいでしょう? 」

龍田「ええ。…………キリングマシーンにでも、なったつもりなのかしらね、あのヒト」


< 飲むか打つか買うかくらいですね >








江風「姉貴はさ、真顔であなたのいる場所が私の帰る場所です、とか宣言する女になっちゃったンだよ」

涼風「わーお……我が姉妹ながらなんと業の深い」

江風「テートクはそれに対してクソ男らしい回答しかしねぇし」

涼風「そりゃそうだろ。姉貴の方が弱い立場だし。愛も、階級も」

江風「にしても、ね。あれで未だにテートクのこと好きなの、信じらンないよ」

涼風「自分もあれのこと、嫌いになれないくせに」

江風「本当な。最高だよまったく」

涼風「…………」

江風「…………」

涼風「…………で、相談って? 提督からもう少し離したいとか? 」

江風「や、逆ってーかなンてーか……そンなに病ンでるのにさ、
未だに江風のこと離してくれないンだけど……どうしたらいい? 」


< to be, or not to be.that is the question >








涼風「どうしたらって……仮にも妹に訊くことか? 」

江風「それでも訊かなきゃヤバいンだよ。貞操の危機なんだぜ? 割と」」

涼風「ふぅん? 未来のことは未来の自分に任せてみれば? 」

江風「未来の江風は今の江風より弱い、たぶン」

涼風「いいじゃんか。弱いやつにぶん投げれば」

江風「そりゃそうか、ってもな……何で弱いかって、割と絆されそうなとこなンだよなぁ」


< コント:日常 >








海風「誰が何を言おうと、江風のことを想おうとね、
江風は私のモノだし私の心は江風のモノだよ」

涼風「」

江風「ほらな? 全く動じずに真顔だろ? ヤバくね? 」

涼風「」

能代「…………江風さんこそ動じた方がいいように思いますが」

漣「…………君たちさ、コントでもやってるわけ? 」


< お見せできません。申し訳ございません >







Pola「ふぁ~……Polaはですねぇ、赤城さんみたいな人が一番嫌いなんですよぉ~ 」

赤城「それを面と向かって私に言うとはいい度胸ですね」

Pola「言っても怒らないでしょう? 」

赤城「怒る意味が見出せないので」

Pola「ほらぁ~ 。……壊れるんならもっと分かりやすく壊れてほしいですぅ~。
あなたが一番人間らしくてえぇぇぇぇ気持ち悪いぃ

赤城「そうですか。…………その気持ち悪いって私に対してですよね?
まさか嘔吐的な気持ち悪っちょっあのっ……………………えぇ……」


< 吐いた物た……言葉は戻らないのですよ? >








Pola「Mi perdoni……うぅぅ……」

赤城「お手洗いで飲んでお手洗いを間違った意味で使うなんて可愛らしいですね」

Pola「こんなとこで……狂った話を始めたヒトの言うこと?
我が祖国に、何を求めているっていうんですか」

赤城「あなた、真面目な話をするとクールですよ」

Pola「…………あはは~、grazie, grazie ~ ♪ 」

赤城「ま、どうでもいいですけれど。……代価は、あなたのボトルに入れておきましたよ」

Pola「ありがとうございまぁ……bottiglia ⁉︎ えっ? bottigliaってちょ……待ってくださいよぉ! 」


ありがとうございました


< 真っ暗病み >









海風「んぅ…………うん……Zzz」

提督「何とまぁにやけて…………俺には勿体無いよ」

海風「…………Zzz」

提督「煙草は、忘れてきたな……はぁ」

海風「…………Zzz」

提督「…………」

海風「…………Zzz」

提督「…………どうしたものかなぁ。一応明るい未来をつくるお仕事の筈なんだが」


< 酒と煙草をやめればいいのは分かっているんですけどねぇ…… >









海風「んん…………__、さん」

提督「ん? おはようお嬢さん」

海風「……………………煙草なら、サイドボードにありますよ」

提督「はぁん? …………本当だ」

海風「ここで吸っていってください。私にその臭い、染み込ませて帰って」

提督「ん…………でも火が無ぇよ」

海風「…………代わりにキスでもいいです」

提督「寝起きのキスなんてやめとけ。お互い幻滅するだけだ」

海風「…………」

提督「…………」

海風「…………一緒にシャワー浴びましょう。もう言い訳なんてさせませんよ? 」


< 一人になりたいとき二人でいたいとき皆で騒ぎたいとき >









龍田「あなた紅茶とアップルミントどっちがいい? 」

山城「は? 」

龍田「いいから」

山城「……どっちかというと、アップルミント」

龍田「じゃあ、はい」

山城「どうも。……香りはいいけど、結局煙草よね」

龍田「稀に私の一本持ってったりするだけであなた手ぶらで喫煙所来るでしょう」

山城「別に喧騒から離れたいだけなんだけど……まぁ、貰っておく」


< 煙管ってどうも合わないんですよ >








龍田「本当は煙管でも用意しようと思ったんだけどね? 」

山城「これでいいわよ。どうせ花魁がどうとか言うつもりなんでしょう? 」

龍田「ま、そうね。鬱な感じ似合いそうだし」

山城「はぁ……あなたはそれ似合うわね、細い煙草」

龍田「そう? 」

山城「馬鹿な男から貢がれてそれすら鼻で笑ってそう」

龍田「うふ……それって本人とイメージの順番逆なんじゃない? 」

山城「さぁ? 知らないわ…………火、頂戴な」


< 過程 >









提督「ふぅ……偶にはストレートでいなよ」

海風「はぁ」

提督「可愛いと思う」

海風「濡れ髪に惹かれるなんてチェリーみたいなことを」

提督「男はいつまでもガキみたいなものなんすよ、海風さん」

海風「そう? あ、ドライヤーはそこの引き出し」

提督「はいよ。気持ちよすぎて寝るなよ? 」

海風「勿論。……………………ノータイムで乾かしてくれるんですね。寧ろ嬉しいけど……何か嫌」


< ヒトネコの仲? >








雲龍「……………………いいわよ。よく待てたわね」










天城「今度は待て、ですか」

加賀「雲龍がおかしいと思っていたけれどサンジョルディもおかしくないかしら」

天城「中々に頭のいい猫ですよね」

加賀「そんな生半可な……私にはお手すらしてくれないのに」


< 嘘、でしょう……? >









加賀「」

明石「し、死んでる……」

雲龍「お手くらいで感動することかしら」

加賀「」

天城「そうじゃなくてですね……姉様が命じたら簡単に加賀さんの掌にお手をしたからかと」


< 状況に胡座 >









江風「ついにサッカーすら一緒に見てくれなくなってきたンだぜあの色狂い」

涼風「や、海風の姉貴がサッカーより大切に想われてるってことで」

江風「違う。姉貴が江風より想われているってことだ」

涼風「まぁ……? 間違っては、いない、かな? 」

江風「テンション下がるぅ」

涼風「心底どうでもいいし。サッカーだって何だって誘ってみたのか? 」

江風「そりゃ誘……あれ? うン? …………誘、う? 」


< 世界の色は何色でしょう >










扶桑「空はあんなに青いのに……

涼月「のに? 」

扶桑「海を見ると赤を思い出すの。溢れた重油の黒でも無く、弾け飛んだ臓物の肉色でもなくて」

涼月「は、はぁ……」

扶桑「考えてみれば空は空で艦載機の影を思い出すし…………はぁ」

涼月「…………」







涼月「……扶桑さんを一人にするの、やめた方がいいと思いますよ」

山城「は、はい? 」


< エロいと儚いと鬱屈って似てると思う >








龍田「いいのよあれで。扶桑はね、時々鬱屈吐き出す為に一人になるの」

涼月「それにしてもあれは……」

龍田「自分まで憂鬱になる? 」

涼月「ちょっとした兵器ですよ、あれ」

山城「それが姉さまのいいところだから」

涼月「はぁ? 」

龍田「分かるけど……あなたそろそろ扶桑に謝ってきなさいな」


< あーいをこーめてかーみかざりーをー >








提督「でも扶桑に取り込まれそうなやつがいなくてよかったな。
慰めたいとか、壊してやりたいとかさ」

龍田「うぅん? 」

提督「時雨が落ちかかってたって噂で聞いたんだ」

龍田「知らないわねぇ……うーん? 」

扶桑「あなたになら壊されても構いませんけれど。
慰めてくれるのなら勿論嬉しいですし」

提督「ッ! 背後から静かに寄ってこないでくれる? 」

扶桑「そんなことを言われても」

龍田「幽鬼の如く、よねぇ~ 。ホラーよりホラー」

扶桑「酷いわね。……ほら、目の前に虐められている女がおりますよ」

提督「んな無茶苦茶な……」


< 幸福を、願う >








龍田「と、言いつつしっかりお持ち帰りしちゃう提督くんなのであった」

山城「あぁん……? 」

能代「山城さんの半眼とか怖いからやめましょうよ」

山城「あなたも阿賀野があれに堕ちたら気持ち、分かるわ」

能代「分かりませんよ。別に能代は阿賀野姉ぇが提督と寝ても気にしないので」

山城「気にしなさいよ! 」

能代「何でですか」

龍田「何でってあなたねぇ……」


< 美味しそうに飲んでる、だよ? >










天城「はふぅ……お風呂の後の冷酒はいいものです」

阿賀野「酌婦は皆美人だしね」

天城「同意しておきますけど……あぁ、どうも」

阿賀野「ん、阿賀野にも注いで? 」

天城「どうぞ」

阿賀野「美味しいねぇ~ 」

天城「ええ」

阿賀野「…………」

天城「…………」

阿賀野「…………んふ、天城さん美味しそう」

天城「!?!??!???!!!? 」


< 美味しそうに飲みたい、ですね >










天城「……………………」

阿賀野「あーん、冗談冗談っ、阿賀野はレズじゃないですー」

天城「その言葉が全く信頼できない世界で生きているので」

阿賀野「あはははっ、それなら別にいいじゃないですか~。雲龍さんともヤっちゃってるんでしょ? 」

天城「まぁ、確……いいかもしれませんね、阿賀野さんも」

阿賀野「ほえっ? 」



< まなかし >









龍田「それなら私も山城でいい気がしてきた」

山城「私の気持ち考えなさいよ」

龍田「嫌なの? 」

山城「嫌に決まってるでしょう馬鹿。お互いに妥協するとか惨めじゃない」

龍田「惨めに二人で泥を啜りましょう? 」

山城「私、そうなるとあなたが他の誰かと寝るなんて許さないけれど」

龍田「愛してくれるなら、いいわよ? 真愛し向けてくれるのなら」

山城「あっそ。…………火」

龍田「はいはい」


< 木綿のとかって結構涼しくていいですよね >










初月「ふぅ……暑いな」

加賀「少し蒸し暑いかもしれないわね」

初月「脱ぐか……脱いだら? 」

加賀「セクハラかしら」

初月「上着だけに決まってるだろう。それとも脱ぎたいのかい? 」

加賀「私、紬なのだけれど」

初月「そうだな。それで? 」

加賀「はぁ。…………本当に脱いであげましょうか? 」


< 疑問の余地無し >









初月「構わないよ、僕は。飲んでるだけだし話し相手を止めないなら」

瑞穂「シュールな光景ですよね、それ」

加賀「ええ。……あなたの名古屋帯、綺麗ね」

瑞穂「加賀さんのも落ち着いていて加賀さんに合っていますよ」

加賀「落ち着いているかしら私」

瑞穂「落ち着いてません? 」

初月「堕ち着いているな」

瑞穂「…………? 」


< 男の子の憧れ >








愛宕「そういえば私と高雄と雲龍と加賀さんとLittorioと寝たことあったわよね」

提督「ん? あの精力を料理で高めようとかいう意味不明なときな」

愛宕「この前最高で4P、みたいな話ししてなかった? 」

提督「したっけ? 」

愛宕「明石が皆勤賞とかいう結末になったあれ」

提督「あった気もするし無かった気もする。……で? 」

愛宕「今度女だけで集まってみるのも面白いかなって」

提督「何それ混ぜて? 」

愛宕「いいけど……意味無いじゃないそれ」


< 距離を詰めたと言えるか >











愛宕「出会ったときから一番ね? 」

高雄「ええ」

愛宕「早く抱かれたのって誰かしら」

高雄「? …………? 」

愛宕「Bismarckは置いといて」

高雄「……………………もしかして、海風さん? 」


< 誰でもいい話ではあるのですけれどね、今があるのなら >









高雄「まぁ、私たちと加賀さんや明石さんが出会ったのは同じくらいだけれど」

愛宕「そこはほら、私>高雄>雲龍>明石>加賀>天城が確定しているから」

高雄「私>愛宕以外は同意してあげる」

愛宕「……は? 」

高雄「何か」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「ぁ…………そもそもLittorioじゃない? 」

高雄「ぁ」


ありがとうございました


< さぁ、どこどんなどうしてかな >








Littorio「あら……その歯形」

提督「あぁ、高雄」

Littorio「噛まれたの? 」

提督「噛んでもらったの。他に噛み締めてもいいとこ無かったから」

Littorio「そんな声出るようなこと……ふぅん」

提督「何だよ」

Littorio「いえ、この警備府で声を殺さなければならないなんて、と」

提督「……………………何? 」

Littorio「いいえ? 」


< まだまだ寒暖差はありますが >







提督「あぁぁ……暑い。何がいい? 」

雲龍「緑茶。…………ありがとう」

提督「いーえ」

雲龍「ん、お互い蒸れるわね」

提督「視線下げねーでくれるかなぁ、落ち着かねぇよ」


< さぁ、新しい朝です >







龍田「…………Zzz」

山城「…………Zzz」

扶桑「テーブルに突っ伏してって…………寝顔だけなら天使と言って差し支えないのだけれど、はぁ」


< おそようございます >






龍田「ふぁ……昨日何やってたかしら」

山城「忘れたわ」

龍田「扶桑は……あら普通ね」

山城「同意の無いセックスなんてしないわ」

龍田「そうなの? 」

扶桑「そうね。……過去にあったの? みたいな顔しないでくれるかしら」


< ハッカパイプなんてあったなぁ…… >








提督「気紛れで硝子パイプなんぞ買ってみた」

高雄「詰めるのって手間じゃありません? 」

提督「加熱式煙草に比べれば別に……味わいがダンチだし」

高雄「はぁ。障りますよ」

提督「問題無いよ。長生きできるなら儲け物、みたいな感じ」

高雄「私よりも長生きしてくれるのでは? 」

提督「そうだな、うん…………ごめん」

高雄「ふふ……何が、ですか? 」


< 見えないところでお願いします >







鈴谷「んにゃー……扇風機気持ちいい。一人ならバサバサしてるよこれ」

若葉「……スカートの中はやめた方がいいと思うが」

鈴谷「女の子に幻想持ち過ぎだよ若葉。女の子ってのは夢じゃなくて現実なの」

若葉「尚更問題だろうそれは」

GZ「それくらい構うまいよ。…………それくらいで済むのなら、な」

鈴谷「うん? 」


< 神秘の布切れの本体はスカートな気がしてきたよ最近 >







鈴谷「てゆーかそっか、ノーパンになればいいのか」

GZ「それならばいっそ自室で全裸の方が楽じゃないか? 」

鈴谷「今は部屋に熊野がいるんだよー」

GZ「……そうか」

若葉「それすら駄目なのか……いや、普通は鈴谷さんの方が迷惑の対象なんだが」


< 安くて難しい >







能代「これありがとうございました。参考になりましたよ」

雲龍「そう……詳報の下書きなんて見て楽しい? 雑記未満よ、これ」

能代「戦場に立ったヒトの感想は戦闘詳報よりも価値がありますから」

雲龍「そ。……料金でも請求しようかしら」

能代「何を? 」

雲龍「あの人のキス」

能代「それは難しいですね」

雲龍「? 安いものでしょう? 」

能代「じゃあ自分で貰ってきてくださいよ……」


< 行いって大事だね >







龍田「私と彼は身体だけの関係、とか言えるヒトがいないっておかしいわよね。これだけ愛人湧いてるのに」

海風「それどころか身体で惹かれたヒトすらいませんよ」

扶桑「そう考えると当人の魅力、なのかしら」

龍田「蠱毒ですねぇ~ 」

海風「宿主を殺さない程度の寄生虫というか何というか」

扶桑「あの人が? 」

海風「私たちが」

龍田「あなたたちよねー。……何? まだ私、堕ちてないけど? 何? 」


< 一杯目はね? >








提督「かんぱぁい……」

扶桑「乾杯。どうしたんです」

提督「眠い……」

加賀「乾杯。んっんっんっんっんっんっんっんっ……ん…………おふぁわり」

Littorio「ジョッキですけどそれ……はいはい少々お待ちを」


< 酒にも合うよ! 結構簡単だよ! >







愛宕「さぁさぁ召し上がれ。自信作よ! 」

加賀「美味しい……また腕を上げたわね」

愛宕「ありがとうございますー 」

伊14「鰈の煮付けって……美味しいけど」

松風「美味いよなぁ……最高」

天城「お酒が進みますねぇ」

扶桑「そもそも似合わないこと甚だしいなんて戯言みたいなものだし……本当に、美味しいわ」

愛宕「ありがと☆ 」


< つくり過ぎても次の日まで美味しいよ >








提督「おかわり」

愛宕「はいはーい」

提督「飯が進んでかなわんねこれ。こんな煮付けあったら白飯いつまでも食べられそう」

加賀「そういうものですから」

阿賀野「仕方無いよねぇ~ 」

叢雲「まったくもって」

天城「お酒も無しにこんなに……理解に苦しみます」

涼風「馬ッ鹿じゃねぇのかそれ……美味かったら飯だけでいいんだぜ? 」


< つもりなんて無くてもね >








天城「それはつまり天城のお料理が下手だと? おつまみとお酒が無いと場が持たないと? 」

涼風「や、え、そんなつもりじゃ……」

提督「明日の夜は、鮭とか鯵の南蛮漬けが食べたいな。ビール飲みたい」

天城「腕によりをかけて! 」

龍田「すかさず……見習いなさい? 」

涼風「や、別に女にモテるつもりなんてねーんで」


< 平和じゃなかったら持てない疑問ですけどね >








提督「あーん」

明石「え、ちょ……あのっ」

天城「いいんですかあれ」

高雄「? ……はい、あーん」

愛宕「おいしーい☆ 」

瑞穂「提督! 瑞穂にさせてください! 」

提督「? あーん」

瑞穂「提督! じゃ! なくて! 明石! さん! 」

涼月「はぁ……本日も当警備府は平……平和って言えるんでしょうか? 」


< 遠くに想いて >








山城「龍田と加賀さんとLittorioと涼風、か」

加賀「? 」

山城「一人部屋です。あれで甘えたがりの寂しがりなのですけれど」

加賀「欲しくなったらあの人なりあなたなりに甘えると思うわ」

山城「あの男に投げますよ……ふぅ」

加賀「できるものならそうあってほしいものね。
…………あなたの所為で赤城さんを思い出したじゃない、やめてよ」

山城「……はぁ? 」


< 一名様ごあんなーい? >









山城「ま、あれは男だし、私たちは女だもの」

旗風「はい? 」

山城「媚び売って取り入って贔屓してもらおうとするのはおかしいことじゃないわ。愛なんて要らない」

旗風「……では旗風が媚てもいいと? 」

山城「ええ、売ったものを買ってくれるかはあなた次第だけれどね」

旗風「海風ちゃんは? あれは媚? 」

山城「それはあの男次第。でも私から見てもロリコンではない、と思う」

旗風「ふぅん? 」

加賀「だとして欲情はしてしまっているけれど……ま、それこそ無駄な理性だった、と言えるものね」


< 風呂の長話って割と危険 >








龍田「なぁに? 楽しい話? 」

山城「クズ男とどう上手く関わるか講座」

旗風「意味があるかは分かりませんけどね」

龍田「そりゃああるわよ。誰だって寂しいときなんてあるんだから。
松風ちゃんがいなくて、誰とお話してもお酒を飲んでも気が紛れないときとか、ね? 」

旗風「そういうときに、使えると? 」

龍田「そーいうことー」

旗風「…………なるほど」

加賀「あなたそういうときはあれを悪く言うものでしょう? 回数が減るわ」

龍田「それはそれ、これはこれ? …………ふふ、面白いかなーって、ね? 」


< 綺麗事ってかなり正論ではあるんですが>








山城「加賀さんでも回数が減るとか品の無い計算するんですね」

加賀「死活問題だもの。それこそ、寂しがりなの私」

山城「女に逃げればいいのに」

加賀「赤城さんはそういう趣味、無いわ」

山城「案外と……いえ、そうだとしても、雲龍だとか」

加賀「あの子も一番に見てくれないのはあの人と同じでしょう? あの人と同じよ、それ」

旗風「そもそもそんな愛してくれれば誰でもいいなんて言い方は」

山城「ん…………強いわね」

加賀「若いのよ。…………ね」

龍田「そうですねぇ~…………ぁふ」


< 盛り下がって参りました >








瑞穂「明石ひゃんっれあなたと寝らろひはろーなんれすかぁ? 」

提督「普通。瑞穂といるときと変わらないと思うよ」

瑞穂「ひららっふれらいれるらふぁい! ほれらら明石ひゃんはみふほひむひゅぅ…………」

提督「…………」

瑞穂「……んぅ…………Zzz」

提督「…………返す」

明石「要りませんよ……万が一移動中に起きたらどうするんです。目も当てられませんよ」

瑞穂「…………Zzz」


< 見てる方が、楽しいかな? >








雲龍「お酒ゲームしましょう」

天城「それはどんなゲームなんです姉様」

雲龍「まずはお酒をね、口に含むの」

天城「はい」

雲龍「その後は……相手のお酒を多く飲んだ方が勝ち」

天城「あぁ……ポッキーゲームみたいなものですか」

江風「ウェイウェイウェーイ! ンなわけあるかよ淫乱酒乱女ァ! 」


< 男の子にはね……? >








提督「サマーニット……」

愛宕「うん? 」

提督「ノースリーブ……」

愛宕「はい? 」

提督「スキニーパンツ……」

愛宕「何? 」

提督「…………やっほーい! いぇーい! エロい可愛いやったー! 」

愛宕「な、何? これ。私これ一日着てるんだけど……何? 」


< 言われて酔いが醒めるって便利な気もする >








明石「よいしょっと……すみませんね。酔った瑞穂さんの相手してたら壊れちゃったんです」

愛宕「あぁ……面倒だったのね」

明石「もう部屋に寝かせてきたので大丈夫です」

愛宕「この人が大丈夫じゃなくなってるんだけど? 」

明石「得意でしょ? 」

愛宕「こんなに滅多に飲まないし……はい、いい加減その馬鹿みたいな演技やめなさい。引き抜くわよ」

提督「はい、やめますマム。申し訳ありません」

愛宕「ん」

伊14「ははははっ、提督おもしろーい! あっははははっ」

伊13「…………イヨちゃんもあぁいうことなら楽なのに」


< だと、よかったのかもね >








愛宕「そういえば高雄は? キッチンにもいなかったし」

阿賀野「Littorioさんとチェス? 」

能代「ええ、Littorioさんの部屋にお酒持ち込んでましたよ」

愛宕「ありがと。…………逃げられたかぁ」

提督「んだよ不満か? 」

愛宕「別に? お部屋行きましょう? 」

提督「やだ、もう少し飲む」

愛宕「…………はい、どうぞ」

提督「せんきゅー」

江風「顔見て溜息嚙み殺して目伏せて苦笑いして注いで微笑んで……母子かよあンたら」


< 従う楽さも時には >







高雄「む……」

Littorio「ゆっくり考えて? 少し、疲れたわ」

高雄「ええ。…………チェスの駒って」

Littorio「? 」

高雄「まるで馬鹿よね。言われて、従って、死んで、それでも進んで」

Littorio「Littorioたちも然程変わらないでしょう? 」

高雄「それでも少しだけ、ティースプーンひと匙分くらい、大切なモノを得ているわ」

Littorio「そうね」

高雄「……………………負けたらどうします? 」

Littorio「古今東西戦場では勝者の所有物でしょう? 」

高雄「あら、いつの間にか私あの人とチェスで負けていたのね」

Littorio「さぁ。……そろそろ負け、認めたら? 」


< 『もののけ姫』が一等好きなんですけどね? >








雲龍「姉妹がいっぱいこれくしょんね、ここ」

天城「……それはもしかして昨日見た映画から思い付いたんですか」

雲龍「問題でも? 」

天城「無いですけど…………無いですけどねぇ、はぁ」


< 自嘲して愉快に溶かし込んで >








雲龍「するときにね」

天城「はぁ」

雲龍「あの人時々目線が合わなくて慌てて合わせること、無い? 」

天城「あぁ……まぁ、有りますね」

雲龍「抱き起こされたときとか体位変えるときとか……ふふ」

天城「誰と誰を間違えているのやら…………はぁ」


< 何故、なんてくだらないことは忘れて >








雲龍「溜息ばかり吐いていると老けるわよ? 」

天城「誰の所為だと」

雲龍「あの人の所為でしょう? 直接的にも間接的にも殆どは」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………何でそんなのに姉妹揃ってイかれてしまったんでしょう? 」

雲龍「そこがいいところだもの。掛け値無しに、ね」


< 誘われなくても誘っちゃう >







愛宕「ふふ……だからね? 私も言ってあげたの。
馬鹿も休み休み言わないと監禁しちゃうわよって」

阿賀野「へ、へー……」

能代「ドン引きですよ……」

提督「どうしたことだ。いつの間にか愛宕が泥酔一歩手前だぞ」

明石「あなたの所為でしょ……寝かせてきてあげたら? 」

提督「枯れる」

明石「ヤらなきゃいいだけ」

提督「えー? 」

愛宕「えー? 」

明石「面倒くさ…………お風呂組長いなぁ。私も綺麗にして寝たいのに」


< 本日の殊勲者たち >







提督「つっかれたつっかれた、ふぃー……重いって言いたいわけじゃないぜ ⁈ 」

明石「はいはい。……本当に戻ってきたんですか? 」

提督「爆睡するぜあれ。ガチで眠そうだった」

明石「あなたもでは? 」

提督「何回か意識と記憶飛んでるけどその都度クリアになってるわ」

明石「無駄に元気。……何だか珍しいですね、最近だと」

提督「いつの間にか俺とお前しかいないもんな」

明石「お風呂組は部屋戻ってから来る人何人かいますけどね。
さっき龍田さんたちが通っていきました」

提督「そ。…………お疲れ様」

明石「あなたこそ。…………お疲れ様」


< 実際どうかな >






提督「あー……海で遊びたい」

明石「行けばいいじゃないですか。軍の保養地みたいなのあるって聞きましたよ」

提督「本格検討中」

明石「そうですか…………一番際どそうなのって」

提督「雲龍だろそりゃあ。……一番まともそうなのって? 」

明石「旗風ちゃんとか松風ちゃんとか、あと能代さんとか」

提督「ヒトミ・イヨ姉妹は? 」

明石「……分かってて訊いてません? 」


< 特に見たいわけではございませんがね? ね? >








提督「っても龍田とか読めなくねぇか? 」

明石「結構際どい、っていうか紐みたいなの着そうですけど」

提督「案外とパレオ着たりしそうじゃない? 」

明石「さぁ……買ってあげたら着てくれるんじゃないです? 」

提督「どうかな。…………スク水とかでも? 」

明石「寝室では、着てくれるでしょ、たぶん」


< 太陽の下で >








明石「しっかしあれですね、海とかって楽しいんですか? 」

提督「うん? 」

明石「飲んで食べて騒ぐんでしょう? 私たち普段からやってません? 」

提督「女の子の水着が見られるだろう? 」

明石「あなたここでも見られるでしょ」

提督「分かってねーなお前……そりゃあ見れるは見れるけどさぁ」


< お帰りなさい? >







龍田「お湯いただきましたぁ」

提督「はいはいよかったな」

山城「……逆上せそう」

明石「はい冷酒」

龍田「ん……あれじゃないの? 混合で海とか取り敢えずエロいことできればいいんじゃないの? 」

明石「程良く酔ってですか? 」

提督「違う」

山城「つまり普段のあなたと同じね」

提督「違う。違うって言ってんだろーがやめろその顔」


< 他方では逆に熱く >








雲龍「んっ……ぁは」

天城「! 、……っ…………んんっ……ね、様っ」

雲龍「いい顔……こっちは? 」

天城「ッ…………ーーーー」

雲龍「気やっちゃって……駄目でしょう? 誘ったら、私も楽しませなさいな」


< 日曜とか関係無い仕事なんで……ええ >








提督「深夜麺類ぃぃぃぃ! 」

明石「うま、うま……」

阿賀野「うーん、太っちゃうよぉ~ 」

能代「もう遅いでしょ」

阿賀野「あ"あ"あ"あ"ぁ? 」

叢雲「自棄食いとかやめなさいな……焼きそばとラーメン同時ってあなたたちね」


< 皆食べたら共犯者ですよ >








明石「まぁ、暴力的に美味しいですからね、仕方無い」

叢雲「女としてどうなのそれ」

明石「知ったこっちゃ。テキトーにテキトーに生きてるんだし」

叢雲「そ。…………まぁ、私もラーメンの片棒担いだし、明日はハードにいこうかしらね」


< まだまだいい時間 >







加賀「私を置き去りに始めて……頭にきました」

龍田「よく食べられますね……」

加賀「? 」

山城「大集合……高雄姉妹とか何人かはいないけど」

伊13「雲龍さんたちは……絶対来ない、です」

能代「その方が健ぜ……健全って言い切ってもいいのかしら私。何か違う気が」


< ↗︎↗︎↗︎↗︎↗︎↗︎↗︎↗︎ >








江風「あぁぁぁぁっ! 」

提督「んだようるせぇ」

江風「こンな時間に麺類食べたりあまつさえ焼き鳥とか焼き始めるンじゃねぇよ! 」

提督「あぁん? 」

江風「食いたくなってくるだろーが! 姉貴に怒られるだろーが! 水飲みに来ただけだぞ! 」

明石「どーぞどーぞ」

江風「お、さンきゅー、じゃねーの本当さぁ!」

阿賀野「うるさい子だねぇ」

能代「…………そうですね」


< まーたね☆ >







提督「あー、寝るわ。じゃーな」

明石「はぁい。私もそろそろ」

龍田「片付けは明日よろしくー」

提督「ん」

山城「はぁ……姉さま注がせてください」

扶桑「ありがとう。山城も」

江風「焼き鳥サイコー! ビールサイコー! あははははっ」

加賀「ハツか……私にも頂戴」

能代「あーがーのーねーぇー? 」

阿賀野「ん? 能代も豚串要る? 」

初月「折角早寝したんだが……有り得ないなこれは」

涼月「私まで起こして来た方が有り得ないよ……眠い」


< 一人でなんて寂しい日も >









提督「ふぅ、早くから飲んでたからまだ日付は……あれ、起きたの? 」

愛宕「ん、シャワー浴びたくて」

提督「そ」

愛宕「うん」

提督「…………近いよ」

愛宕「あなたが近いの」

提督「ん…………近いね」

愛宕「近付いたもの……んっ」

提督「…………待ってた? 」

愛宕「さぁ? ……ん…………待ってて、ほしかったんじゃないの? 」


ありがとうございました


< 一番になりたいなんて、きっと哀しいことだから >








瑞穂「ぅぅ……飲み過ぎた」

明石「やめてくださいね? 私は兎も角あの人にも迷惑掛けてたんですから」

瑞穂「あれは酔ったフリだからいいんです」

明石「全然よくないですって」

瑞穂「ふふ……あれは酔っているフリだからできたの……迷惑なんて熨斗付けて贈らないと」

明石「ただでさえ変な心労掛けてるんですからね?
私瑞穂さんも大切ですけど、あの人と比べるならあの人選びますからね? 」

瑞穂「分かってますよ、当然。大丈夫です」

明石「本当ですかね」

瑞穂「信じてくださいよ。自分が壊した女の本音くらい」

明石「はぁ……いいですけど」

瑞穂「ふふ……………………だから、迷惑くらい許してほしいんですけど、ね」


< 冗談ですよ? 当然 >







龍田「どうせフリなら明石に何かしてもよかったのに」

瑞穂「え」

明石「やめてくださいよ……この表情ヤなんですけど」

瑞穂「例えばどこまで? 」

龍田「殺す以外はなんでも」

瑞穂「……………………ふふ、明石さん? 」

明石「嫌です。嫌ですからね? 何度でも言いますけど…………嫌、ですよ? 瑞穂さん? 」


< だからですよ >







明石「龍田、お座り」

龍田「くぅーん? 」

明石「…………いい加減に瑞穂さん嗾けるのやめてくれませんかね、マジで」

龍田「わんわんっ」

明石「…………これから工廠行くんでレンチ持ってるんですけどね私」

龍田「やめてヘアが崩れちゃう」

明石「肩でも腰でもなんなら女の部分でもぶち抜いて差し上げますよ」

龍田「やめてよね、痛そうなのは」

明石「痛いの好きでしょう? 」

龍田「痛がるのを見ているのはね」

明石「はぁ。……………………やっぱぶち抜いて差し上げましょうか?
危険人物は軍人として摘んでおかないと」

龍田「やめなさいって。……楽しいことしたいだけなのよ? 私」


< 価値の源泉 >







明石「マジな話ですけど」

龍田「さっきからマジじゃないの? 」

明石「…………マジな話ですけど」

龍田「ええ」

明石「瑞穂さんはね、あの人とか扶桑さんじゃないんです。
龍田さんみたいに機微が分かるわけでもありません。
ツーカーで通じ合って不謹慎な軽口叩ける相手じゃないんですよ」

龍田「そうみたいねぇ~ 」

明石「だから、気を付けてくれる? 瑞穂さん、大切なの」

龍田「…………」

明石「本気です。このクソみたいな生に賭けて」

龍田「そ。……………………謝れば許してくれる? 」

明石「そりゃね。龍田さん痛め付けたら私が捨てられますから」

龍田「…………」


< 然りとて今すぐ捨てることなんて >







龍田「…………じゃあね、明石」

明石「ええ」

龍田「いつか、選ぶときがくると思う。あの人か、瑞穂か」

明石「…………」

龍田「選択権はあなただけど、行動の先は瑞穂のもの。
彼女、きっと耐えられない。自分が二番目であることに」

明石「…………」

龍田「こういう泥沼を良しとする空気にいるから、まだあれで済んでるのよ」

明石「…………」

龍田「…………」

明石「…………だから、今が優しいんじゃないですか、私」

龍田「そ。……………………二番未満の二番であることなんて、普通耐えられないわよ、絶対に」


< 心、って何なんだろうね >








雲龍「流星に願い事をすると」

天城「三度言えると叶うのでしたか」

雲龍「あの人の名前って珍しいけれど発音はしやすいわよね」

天城「まぁ……呼び捨てで願うんですか? 」

雲龍「そこなのよね、妙にそこは恥ずかしいというか違う気がするの」

天城「__さんが欲しいのに短縮してしまう違和感みたいな? 」

雲龍「ええ」

山城「心が大事でしょうそういうの」

雲龍「心にも無いことを」

山城「は? 」

天城「仲良いですよね、お二人」

雲龍「…………そうなの? 」

山城「そんなわけ。あなたなんて大ッ嫌いよ、心から」


< もし本当に叶う可能性があるなら、きっと願わない >









天城「はぁ……面倒くさい」

山城「…………」

雲龍「…………あなたなら? 運運運? 扶桑扶桑扶桑? 」

山城「あなたの理論なら姉さま姉さま姉さま、でしょうね」

雲龍「天城なら? 酒酒酒? 」

天城「__さん姉様__さん、くらいですね」

山城「叶わないじゃないそれ」

天城「どうせ叶いませんもの、構いませんよ。……
天城は天城の心を確認したいだけですし」


< やれと言われたので >








提督「女には、海を見せておけばいい」

高雄「……」

提督「女には、夜景を見せておけばいい」

高雄「…………」

提督「女には、ドリカムを聴かせておけばいい」

高雄「……………………」

提督「……………………」

高雄「……………………何だかそれっぽいですね」

提督「」


< ウィッチマン >








漣「ね? 」

提督「ね? じゃねーの……なんなのなの」

漣「サンドさんです」

提督「知ってるけど……知ってるけどね。高雄さん? 本当のことじゃないですからね? 」

高雄「知ってますよ。あなたが頑張ってることくらい」

提督「た、高雄……」

漣「こいつ、チョロい」

叢雲「漣と高雄がグルでも驚かないわねこれ」

初月「寧ろ漣と提督がグルなんじゃないのか、三周くらい回って」


< そもそもドリカムでよかった時代があるのか >







提督「そもそもあれじゃね? 今の時代でもドリカムなの? そういう感じの曲って」

漣「さぁ? 漣はしょーじきヒット曲とアニソンくらいしか知らないんで」

雲龍「私も流行りは知らないわ」

海風「ドリカムでいいんじゃないですか? 若くても昔の曲って聴きますよ? 」

提督「」

雲龍「若くて、も……」

海風「? 」

漣「雲龍さんは別にそうでも……まぁ、ご主人様には、謝った方がいいんじゃない? 」

海風「はい? 」


< 逆な若作りと言われるよりはまぁ…… >








海風「別にあなたのことをお年寄りだと言ったわけではないですって、本当です」

提督「だ、だよ

雲龍「趣味の合わないおっさんってことね。合わせないとどうにもならない」

提督「…………」

雲龍「私間違ったこと言ってる? 」

海風「言ってますよ……最初は私ですけどね……あんまりじゃないですか」

提督「」

漣「とどめ、入りましたー」


< 初夢って何だっけ? >








涼風「一姫二太郎三茄子? 」

海風「何か違わない? 」

涼風「そうか? 」

雲龍「唯一人のお姫様扱い、二人のあの人、第三のバイヴね? 」

涼風「違うな」

雲龍「違うの? 」

海風「違いますね」

江風「江風の姉妹って実は馬鹿ばっかなンじゃ……雲龍さンは言うに及ばずだけど」


ありがとうございました


< 朝風呂ってどうして気持ちいいんだろうね >








阿賀野「うっわぁ……何それ」

雲龍「あの人時々だけどテンションおかしくなって付き合ってくれるのよ」

阿賀野「……縄? 」

雲龍「と蝋燭。凄い背中でしょう? 」

阿賀野「痛くないの? 」

雲龍「痛くないと意味が無いじゃない。お湯の染みる今が二度目の快感ね」

阿賀野「えぇ……」

雲龍「あとたぶんもう一回、三度目があるわ」

阿賀野「ふ、ふぅん? さすがにもう……聞きたくないかなぁって」


< そもそも片付けが面倒なんですよあれ >







高翌雄「そもそも低温蝋燭でこんなに赤くなるものなんですか? 」

雲龍「SM用だって言って和蝋燭使ってみたの」

阿賀野「えぇ……」

雲龍「一応市販の蝋燭、まぁあの白いやつね。西洋蝋燭より融点が低いのよ」

阿賀野「……うわぁ」

雲龍「すぐに直るんだからいいじゃない」

高翌雄「まぁ、雲龍さんなら代謝を励起してしまえば傷はすぐに直りますけれど……」

雲龍「でも結局あれね、あの人は大分無理してたし私も肌が触れ合わないと嬉しくな……あの」

高翌雄「……何です」

雲龍「まさかあんなことしておいて安心した顔なんてされるとは思わなかったわ」


< 幾ら何でも >







提督「フ-…………はぁ」

龍田「溜息吐きながら吸うものじゃないわ」

提督「溜息も吐きたくなるぜ、マジで

龍田「うん? 」

提督「雲龍って被虐体質だろう? 」

龍田「そうね。見たことは無いけど」

提督「当たり前だ。……で、俺前に言ったんだよ。
マゾだとしてお前に痛がってる演技なんてできるのかって。
喜色溢れた瞳のやつに雰囲気なんて保てねぇだろうし」

龍田「ふぅん」

提督「そしたらな…………いや、いいわもう。あいつの多才さ舐めてたわ俺。
声にならない叫び声とか苦悶浮かべつつの悦楽とか……嗚呼……」

龍田「御愁傷様。……………………久々にあなたのこと本気で可哀想だと思ったわよ、私」


< 悪魔か何かですか >







高雄「まぁ、いいですけどね……はぁ」

雲龍「何? 」

高雄「疲れてテンションおかしくなったあの人をですね、
次の日もグダグダにするのはやめてほしいところです」

阿賀野「グダグダ? 」

高雄「女の子の身体になんてことを、とか呟きながら黄昏てましたよ、さっき」

雲龍「なるほど……これが、三度目の快楽。大切にされてるって、嬉しいわ」

阿賀野「サイテー過ぎるよ雲龍さぁん……」

高雄「…………はぁ」


< 正しく墓穴掘り >








提督「龍田さんって彼氏いるんすか? 」

龍田「んー? いないって言ったらちゃんと口説いてくれるの? 」

提督「口説く口説く。超口説く」

龍田「そお? でもなぁ、彼氏はいないけどつくる予定があるの」

提督「えー? 羨ましいなーそいつ」

龍田「でしょー? でも全然靡いてくれないの」

提督「うわぁ、そんなやつ捨てちゃいなよお姉さん可愛いし次探そう? 」

龍田「やーだ」

提督「そっか」

龍田「ええ。…………」

提督「…………」

叢雲「何やってんのよ……本当何やってんのよ馬鹿」


< そろそろ時刻は夕方を過ぎて >








雲龍「お風呂いきましょう」

提督「…………」

雲龍「傷はもう直したし今後は頼まないから。許してよ」

提督「…………許してもらうのは俺の方だよ」

雲龍「私が頼んだんじゃない。あなたはよく付き合ってくれたわ」

提督「…………風呂上がったら、寝るまで酌してくれ。それでチャラにしてやる」

雲龍「喜んで」

提督「ん。……………………甘いよなぁ、絶対。普通はあれお別れ案件だろう? 」

阿賀野「知らないよぉ……そんな気持ち悪いこと」


< 見ていた >






提督「っねもまぁ……もうこんな時間か」

雲龍「背中、流して? 確かめて? 」

提督「俺は三助じゃねぇんだけどな」

雲龍「ん……」

提督「……ん」

瑞穂「…………」






瑞穂「……ん」

明石「…………私たちが腕組んでお風呂行ってもいいとこ仲良しみたいな感じだと思いますけど」


< 愛されたい自覚、あるんです? >








明石「そもそも今大浴場行ったらあの人と雲龍さんいますけど」

瑞穂「構いませんよ」

明石「はい? 」

瑞穂「提督と寝るつもりなんてありませんけどね、
別に今更肌なんて見られてもどうとも思いませんから」

明石「あぁ、まぁ確かにそ…………えぇ? 」


< ここまでで誰が一番マシかな >






雲龍「…………ん…………♪ 」

初月「三助が腰のタオルだけになる必要はあるのかい? 」

提督「金受け取らねぇ代わりだな、うん」

雲龍「…………♪ 」

初月「できればこっちは向かないでもらいたいね」

提督「見なきゃいいだろうが」

雲龍「……♪ 」

初月「気になるのは気になるんだよ。逆の立場を想像してみろ」

提督「そりゃまぁ……見るか」

雲龍「……」

初月「だろ? 僕だってそれなりに興味の有る女なんだ」

提督「まぁ、善処すぅっ…………悪かったよ。お前だけ見るから、肘を当てないでください」


< 本当許してくださいよ…… >









雲龍「ふぅ……あったかい」

提督「そりゃな」

雲龍「……初月、どう思ってるの? 」

提督「どうも? いいやつだとは思うし相性もいいよ」

雲龍「ええ」

提督「で、言い訳にしか聞こえないだろうけどさ、雲龍」

雲龍「何? 」

提督「偶々奇跡的な巡り合わせで俺を許してくれて、
俺の好きなタイプで、好きでいてもいい女の子が周りに沢山いただけなんだよ、俺は」

雲龍「そ」

提督「あぁ」

雲龍「で、そこに初月が入らない理由は? 」

提督「そりゃお前……えーっと…………あー? 」


< その日の気分で始めてしまえればいいのに、なんて >








提督「まぁ、冗談だけど。…………何度も言うけどさ」

雲龍「ええ」

提督「俺を捕らえて、どっか逃げてくれればいいんだ。
クズで流されるままな俺はね、逃げ着いた先ではお前しか見れないよ」

雲龍「できるとも思えないし、仲間を捨てられるとも思えないの、私」

提督「できたとして、さ。一縷に賭けてみてもいいんじゃねぇの? 」

雲龍「してほしい? 」

提督「望んでるのかもしれないぜ」

雲龍「そう…………ね」

提督「ん? 」

雲龍「そんなことしたらあなたの罪が軽くなっちゃうじゃない。絶対に、してあげない」

提督「ッ…………そう、か。うん、それがいいさ……お互いね」


ありがとうございました


< 女は海なの、懐広いの何でも許すの >









江風「…………? 」

海風「どしたの? 」

江風「や、なンかよく分からない液体みたいな個体みたいなゴミらしいゴミというか……これ何だ? 」

海風「あぁ、蝋が縄にくっついちゃったんだね。
雲龍さんか誰かじゃない? SMとかで使ったんだよたぶん」

江風「あぁ、そ……何で、即答した? 」


< ファッキューテイソーカンネン >








雲龍「あぁ、ごめんなさいね。袋から少し漏れちゃったみたい」

江風「勘弁してくれ……絨毯ごとか」

雲龍「まさかあそこまで無理矢理高めてくれたのにシートなんて使うわけにもね」

江風「無駄な気遣いだろそれ……しないでやれよ」

雲龍「セックスを楽しもうとしない女よりはマシだと思うけれど」

江風「……あぁン? 」


< 結果論というか、結末論 >








雲龍「セックスって楽しいし。
そもそも嫌々で面倒だけどさせてあげてもいい、
程度の男となんて私寝たくないわよ」

江風「そりゃまともな考えに聞こえるけどさ。
雲龍さンが言うと楽しい、の部分しかまともに聞こえないぜ? 」

雲龍「いいわよ別に。どうせあの人にしか捧げないし」

江風「あ、そう……」

海風「貞操観念というべきか偏執というべきか……まぁ、どうでもいいことだけど、私的にも」


< 期待してた分です >









江風「で、今度は何捨てにきたンすか」

雲龍「余った蝋燭。買い過ぎちゃったけれどもう使わないから」

海風「その、リュックくらいはある袋に、全部……? 」


< 尽きない快楽、或いは愚痴 >









山城「姉さまのトリガーって何だったのかしら。いつの間にか堕とされてるし」

雲龍「快楽でしょう。それか一縷の望み」

山城「あなたには訊いてない」

雲龍「ここ私しかいないけれど」

山城「それでもあなたには訊いてないわ」

雲龍「あっそ。…………何がしたいの? 」

山城「愚痴吐きたいだけ。あなたの意見なんて訊いてないから暫く聞いてなさいな」

雲龍「そんなの龍田にやっ……やっぱいいわ、聞いてあげる。
この上あれまで来たら頭おかしくなりそうだし」


< 終局ここで >








龍田「呼んだぁ? 」

雲龍「呼んでない、帰って」

山城「どっか消えて」

龍田「あらあらご挨拶。私ならさっきのに答えあげられるけど? 」

山城「言ってみなさいよ」

龍田「あの人が悪い」

山城「…………あぁ」

雲龍「結局ここに戻ってくるのよね」

龍田「ね? 」

高雄「…………反論させてほしいものですね、偶には」


< 猫のダイエットって付き合うのも割と疲れんですよ? >








提督「そーいやあの猫元気? 」

雲龍「それなりに。最近寝てばかりで少し太った気はするけれど」

天城「姉様の所為ですよね。甘やかして一緒に寝たりするから」

雲龍「あの子が勝手に入ってくるのよ。私も毛だらけで困ってるわ」

提督「いっそお前全裸か下着で生活しておけよ」

天城「誰も困りませんしね」

雲龍「だから私困って……三日に一回私の部屋に来てくれるなら考えるけど? 」

提督「……………………すまん天城」

天城「いいですけど……姉様、それすらどうせ得られないなんていうのは自明でも自嘲でも悲しいと思いません? 」


< 俺が悪いらで終わるんだからこれ以上はね? >








提督「大体な、アホみたいな運動量と意味不明な努力でスタイル維持できるのはお前くらいなものなんだよ」

雲龍「ペットは飼い主に似るって聞くからつい」

提督「つい、じゃねーの」

雲龍「愛があればいいのよ愛があれば」

提督「んなら俺も

雲龍「愛なんて無いでしょう。性欲だけ、下半身野郎」

提督「…………もしかしてお前愛されてる自覚無ぇの? 」

雲龍「自信が無いだけよ。……与えてくれる? 」

提督「ん…………愛は私てるつもりだけど、自信だけは、与えられない代物でしてね? 」


< 同類の皆様 >







扶桑「あなた、寂しいときってどうしてるの? 」

雲龍「あの人と遊ぶか、天城に頼るか、時々は誰かで遊ぶか」

扶桑「そんな節操の無い」

雲龍「自分から求めないと誰も手を差し伸べてはくれないのよ? せめて楽しまなきゃ」

扶桑「だってそんな……はしたないでしょう? 」

雲龍「私にそんなこと言われても」

天城「まったくです」

海風「え……私もはしたないってこと? え? 」

江風「ひじょーに言いたかないけどな姉貴……手遅れだぜ、確実に」


< そういうことじゃねぇの >








提督「んあ……点棒どこ? 僕の点棒どこ? 」

叢雲「ここ」

提督「マッチは? 」

叢雲「ここ」

提督「返して? 」

叢雲「あんたが勝ったらね」

提督「ぬぬぅ……煙草じゃ駄目? 」

漣「漣たちは吸わないから駄目でーす」

提督「じゃあお前点棒使うのか? マッチ使うのか? おおう? 」

漣「そりゃあ使わねーですけどねぇ……」


< 無辜の誘惑 >









扶桑「ふぅ……あら」

提督「ん? 風呂上がり? 」

扶桑「ええ、提督は? 」

提督「これから」

扶桑「そうですか……お部屋で、待ってますね」

提督「え、何それ俺ねむ…………行っちゃったし」


<姉妹哀ストーリィ >








扶桑「どうしましょう……流れで誘ってしまったわ」

山城「知りませんよ、勝手にしてください」

扶桑「…………山城」

山城「嫌ですよ、何で姉さまの為に自分の尊厳捧げなきゃいけないんですか」

扶桑「…………」

山城「…………」

扶桑「…………山城? 」

山城「だから…………あぁもう、この際言いますけれどねッ」

扶桑「え、ええ」

山城「姉さまがあれに溺れたいように、私だってあれに女として見てもらいたいんです。
姉さまに妹以上の存在だって思ってもらいたいんです。
私の心をここまで踏み躙るなんて龍田でしませんよ」

扶桑「…………」

山城「姉さまッ」

扶桑「……………………出てって」

山城「姉さま……? 」

扶桑「私が悪いのなんて分かってるわ。それでも……それでも、私は私であることに耐えられないから」

山城「…………姉さまなんて嫌いです」

扶桑「ええ」

山城「では、私は龍田とでも飲んでます。…………本当に、大ッ嫌い。姉さまもあの男も……こんなに女々しい、私も」


ありがとうございました


< 悦楽天使 >









鹿島「フ-……龍田さんがいないと物足りませんね」

あきつ丸「喫煙者の艦娘はそれなりにいるはずだが……フ-」

鹿島「私だって誰とでも仲良くなれるわけではありませんから」

あきつ丸「そうか。…………相変らずそのメンソールか」

鹿島「美味しく感じるわけでもいつでも欲しくなるわけでもありませんし」

あきつ丸「フ-……やめてしまえ。お前には、似合わん」

鹿島「似合わないものを自分の為にこなしてくれる。
そういう女はそれなりに立場のある男性に好かれるんです」

あきつ丸「ハンッ、幻想を売って理想を贖うわけか」

鹿島「ええ、それが近道だと思ったので……フ-……っほ」

あきつ丸「そうか。今更貴様に忠告などお節介だろうが…………堕ち方を間違えたな、お互いに」


< 616事項 >








提督「ふぁ……何で早朝からシャツワンピなんて着てるわけ君」

愛宕「高雄と寝て窓から外見た後なの」

提督「あ、そう……煙草でも吸ってたら最高だね、高雄が」

愛宕「あら、よく啼いてた女の子は高雄の方よ? 」

提督「だとしても、さ。フ-…………おはよ」

愛宕「おはよ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………おめでとう。ありがとう」

愛宕「どういたしまして。…………ありがと」


< これが何にも代え難いものなのです >








提督「まぁ、でも……クク、有り得ないよな」

愛宕「誕生日の前日に姉と絡まってたことが? 」

提督「それもだけどさ。俺なんかがこんなに幸せなことが」

愛宕「馬鹿ね。私といて不幸せになるなんてそれこそ有り得ないじゃない」

提督「はは、そう、だな……うん」

愛宕「クズだとかそういうのは忘れましょう?
クズが幸せになっちゃいけないなんてことはないの」

提督「ん…………いつかさ、子供ができたら」

愛宕「うん」

提督「お前の心を独り占めできなくなって、泣くかもしれないよ」

愛宕「泣いてなさいよ。私も一緒に泣いてるから」

提督「ふ、ふふ……そっか、そういう……いや、悪いな気持ち悪い笑い方して」

愛宕「本当ね。……………………大好き。こんな私にすら分かる程愛してくれて、ありがと」

提督「こちらこそ、ですよお姉さん」


< それはさておき閑話休題の反対の余談っぽい何か >








雲龍「女物の財布って」

天城「ええ」

雲龍「どうも何か引っかかるのよね。そもそも私デザインが気に入らないわ」

天城「はい? 」

雲龍「男物の黒っぽいやつが欲しい」

天城「まぁ、そういう女性も……次の誕生日はそれにしますか? 」

雲龍「嫌よ。ファッションにも私にも合わないじゃない」

天城「…………あのですね」


< いや、嬉しいんだけどね? >








龍田「はぁい、おめでとぉ~ 」

山城「仕方無いから用意したわ」

涼風「まぁ、前から世話になってたしな」

旗風「お気に召すかどうか」

初月「センスは姉さんのだから、大丈夫だ」







愛宕「嬉しいしセンスもいいし私が欲しかったものばかりなんだけどね? 」

高雄「ええ」

愛宕「香水とかペディキュアとかに混じって鰹のたたきセットってどうなの? 」

高雄「…………は? 」


< 翻って古参面子 >








高雄「ん……まぁ、それなりに吟味してるわ」

江風「愛宕さンには、これだ」

雲龍「大切にはしなくてもいいけど感想は頂戴」

Littorio「また来年も祝わせてくださいね? 」

瑞穂「愛宕さんが一番難しかったかも、です」







愛宕「嬉しいんだけどね? ね? 」

龍田「え、ええ」

愛宕「雲龍以外みーんな食べ物って何なの? 確かに私の好きそうなものだけだけど! ちょっと! 」

龍田「はぁ。…………私からするとそもそもあなたの舌に問題があるとしか思えないけど? 」


< 好み >







愛宕「何? 私の舌がおかしいって言うの? 」

龍田「お料理の上手さとかじゃなくてね? 女子としてはアレな部類でしょう絶対」

加賀「そんなわけ」

天城「無いですよね」

山城「まったくよ」

龍田「…………ほらね? あなたの擁護ってこの面子なのよ? 」

愛宕「…………」


< 原因は >








提督「え? イヤリングだけど」

江風「だろ? 」

愛宕「うん? 」

江風「今回テートクが何選ぶか全く分からなかったからな。
テートクと被ったら目も当てられないし安牌選ンだンだ」

海風「だよね」

天城「やはり」

加賀「そもそも恋人でもないのに装身具だとかを贈るのもどうかと思ったし」

高雄「みなさいな。やっぱりあなたの所為でしょう? 」

提督「え、そんなこと……うーん? 」


< お出掛けには時に託児( ? )も >








愛宕「まぁ、ヘアミストとかハンドクリームが逆に浮いてるのが自分の所為だとは思いたくないものよ」

龍田「それを使って磨いた身体をあの人に見せると思うと…………あぁ、気持ち悪くなってきた」

愛宕「はいぃ? 」

龍田「よく考えたら装身具も似たような感じだし、
ボディケアもヘアケアもモロだしリップとかもうあれだし……あらぁ~ ? 」

愛宕「あらぁ~? はあなたでしょうよ……」

山城「何であなたこう都合の最悪なときに悪酔いしてるのよ……馬鹿」

龍田「んー? 」

山城「…………行きなさい。仕方無いから引き受けてあげる」

愛宕「ありがと。…………今日だけはお願いね、それ。今度埋め合わせは、するから」


< 自己否定した気がしたものの否定しなければならない気がして >









雲龍「……………………Zzz」

江風「まーた寝た……テートクとか誰か仲良いヒト消えたらいっつもこれだよ」

涼月「食事中の寝落ちが茶飯事ってどうなのでしょう」

初月「自由でいいじゃないか。どうせ誰も気にしない」

漣「それ雲龍さんだから、っていう理由で気にされないってーかさ」

海風「初月が言うんなら間違ってるんだね、とかさ」

叢雲「あいつとツーカーなやつなんて信じられるわけ無…………うん、信じられるわけないじゃない? ね? 」


< 場末というには騒がしいけれど >









龍田「あぁ~…………本気で気持ち悪い」

山城「飲み過ぎ。ペース落としなさいよ」

龍田「十四代……? …………ん」

山城「はぁ…………はい」

龍田「ありがとぉ…………注いでくれるのね」

山城「極論あなたがどう醜態晒そうと関係無いもの。
愛宕に頼まれた分の相手くらいはこなしたし」

龍田「そ。……………………煙草、付き合ってくれる? 」

山城「いいわよ。…………私も、少し自分を痛めつけたい、ところだったし」


< 私の男 >







加賀「あの人にね、訊いてみたことがあるの」

高雄「? 」

加賀「一番タイプな女は誰ですか、って」

高雄「龍田さんでしょう? 」

加賀「分かるの? 」

高雄「何年あの人の隣にいると思っているんです。
嫉妬だとかとは別に、私がなりたい私も別にして、それくらい分かります」

加賀「そ、そうなの」

扶桑「…………私、本当にまずい選択したのかもしれないわね、この分だと」


< 今とか昔とかいつかとか、結局今からの視点なの >









加賀「でも、Bismarckだと言うこともできるのじゃなくて? 」

高雄「いいえ。確かに嫉妬も湧かない程仲はいいみたいですけれどね」

加賀「ええ」

高雄「あのヒトは正反対なヒトですよ。だからこそあぁなって、今があるんです」

加賀「ふぅん……? 」

扶桑「…………何だか頭痛くなってきたわ。
何が言いたいのか分からないのに分かってる気がしてきたもの」


< 愛を知ればこそ痛みも深く、その逆もまた >








提督「ふぅ……ご満足いただけました? 」

愛宕「何に? 」

提督「私めにございます」

愛宕「それはもう。今ならお財布ごと募金でもできちゃいそう」

提督「いつだったかのプレゼントだけどな、それ」

愛宕「そういうことじゃないでしょう? それとも気にした? 」

提督「いーえ。こんなに幸せそうな女の子と夜の街歩けるなんて最高だよ」

愛宕「そ。…………あったかいわね」

提督「うん? 」

愛宕「手、繋いでるから。…………世界が冷たいからあなたを好きになったなんて思わない。
でも、今寒いからあなたの暖かさを感じるのは、本当」

提督「天気に感謝、だな。…………ハッピーバースデー、愛宕」


ありがとうございました


< どんなときだって熱い夜の次の朝は >








愛宕「む……ぅん? 」

提督「あん? 何やってんの? 」

愛宕「ベッド下に落ちたブラ取ろうとしてるんだけど微妙に届かないの」

提督「いい加減起きろ、ってーかその姿勢じゃあな」

愛宕「あなたは取らなくていいからね? シャワー浴びてきたんならドライヤーでも使ってて」

提督「はいはい。でもよく起きないで見つけたなそれ」

愛宕「踏んで転びそうだったから蹴り入れたの、昨日」

提督「あぁ、そう……分かるけど何か雰囲気考えると間抜けだな、それ」


暫くちょっと来ないような……そうでもないような

ありがとうございました


< 別の問題からさらに他のヤバさへ >







愛宕「私たちの遺伝子って仮に子供が産めるとしてどう遺伝するのかしら」

高雄「はい? 」

愛宕「例えば祖父母に似るとか、曾祖父母に似るとかあるでしょう」

高雄「うぅん? 」

愛宕「金髪は劣性遺伝子だから無いとして、
私の子供が高雄に似てたりなんかもするのかしら、って」

高雄「あ、あぁ……人間なら姉の子が妹に似る、とかあるものね」

愛宕「ええ。可能性としてあり得るのかなって」

高雄「む…………じゃあ」

愛宕「んー? 」

高雄「黒髪黒目な私の息子と淡い黒髪黒目なあなたの娘が子を産んでみたらどうかしら」

愛宕「あぁ、孫世代なら分か……うぅん? 」


< 昨夜はしこたま飲んでました >







加賀「…………味噌汁」

雲龍「どうぞ」

加賀「ありがとう」

江風「酒くっさ、酒くせぇですよ加賀さン」

加賀「ごめんなさいね。……ふぅ、美味しいわ」

雲龍「ありがとうございます」

加賀「ん……………………いいお嫁さんになりそうね、あなた。愛してるわ」

雲龍「そんなこと……ん、勿体無い、です」

阿賀野「雲龍さんが真人間に見えるっ? 」

能代「加賀さんが駄目過ぎるだけでしょ、どう考えても」


< 幸せならいいと言いつつも >







愛宕「でもそれならあの人の隣にいる私も真人間に見える筈じゃあ」

高雄「クズに絆された馬鹿女程度でしょう。同情はされるかもしれないわね」

愛宕「そう見えてる? 」

松風「えっ、いや、あー……どう? 」

旗風「……話を振らないで」

Littorio「つまりそういうことね」

愛宕「…………はぁ」

提督「んな恨めしい顔されても……どうしろって言うんだよ俺に」


< 知らない人から見ればまぁそれなり >







龍田「女が女にされる壁ドンって……」

漣「たぶんそれ元々の壁ドンじゃねーと思いますけど、何です」

龍田「? ……割りときったないわねって。欲望が透けて見えるわ」

漣「いやいやいや……見た目だけなら結構華やかでしょ。誰と誰か知りませんけど」

龍田「山城が扶桑にされてたの、さっき」

漣「あぁ、汚ったないですね。欲塗れで吐き気がします」

瑞穂「酷過ぎませんかさすがに……分かりますけれど」


< 聞かされる方が嫌な気がして…… >







明石「分かっちゃうんですか瑞穂さぁん……」

瑞穂「だって明石さんもそう思うでしょう? 否定できます? 」

明石「できるわけないじゃないですか。反吐が出ますよ」

加賀「はぁ。…………そもそもの話扶桑が何故そんなことをしたのかの方が気にならないの? あなたたち」


< 聞いてた >






明石「や、だって理由訊いてですよ? 」

加賀「ええ」

明石「扶桑さんが山城さんのこと手籠めにしようとしてたとか聞いてもね?
半笑いで別の話始めますよ私」

龍田「次の日の二人とか近寄りたくもないものねぇ」

瑞穂「どうせ巻き込まれるならできるだけ遅い方がいいですもの」

加賀「そう……そう聞くと確かにそうね、気持ち悪いかも」

扶桑「あなたたちね……さすがに、怒るわよ? 」


< どうせそんなことだろうと >






明石「じゃあ、訊いて差し上げますけどね、何でそんにことしてたんです」

扶桑「山城がやってって言うから」

明石「ほらぁ……」

龍田「扶桑からしたわけじゃないのに扶桑が主体なのが肝ね」

加賀「……はぁ」

瑞穂「瑞穂もこんな風に見られて……いえいえ」

山城「あなたがっ、カードで負けた罰ゲームでっ、やらせたんでしょうがっ、龍田っ!」

龍田「んふ……てへぺろっ? 」


< だって自分関係無いし >






龍田「でも、ドキドキしたでしょう? 」

山城「そりゃあ……そうでしょう」

龍田「扶桑だって楽しかったわよね? 」

扶桑「まぁ…………いえ、これ否定しないと何だか不味い気が」

加賀「あの人はバイでもストレートでも気にしないよ」

扶桑「……………………そう、そうだったわね」

瑞穂「加賀さんもあんまり余計なこと言わない方が……いいですけどね、別に」


< “ こんなこと ” >






提督「へい上がり。漣くんは富豪から京落ちっすね」

漣「ふぇー……やってらんね。何でこんなクズに負けなきゃならんねーん! 」

叢雲「弱いからよ。今生で徳でも積んで来世に賭けるのね」

漣「うぅ……」

初月「なるほどそうか。お前は前世で徳を積んだからこんなことができるわけだな? 」

提督「そうかもしれ

初月「じゃあ、来世は終わってるな」

提督「」


< 輪廻転勝 >







漣「ま、来世どころか十世代くらいは余裕で無生物でしょこの人。塵とか芥」

提督「や、せめて生き物にしてくれよ」

初月「ミドリムシとか? 」

漣「ミドリムシに失礼」

初月「じゃあ硅藻? 」

漣「ご主人様には烏滸がましいかな」

初月「む……それなら、ふふ、“ 艦娘 ”とか? 」

漣「それだッ! 」

能代「随分とエッジが効いてますけど……あぁ、スキモノの鬼畜に飼われるとかそういう」

江風「さすがにちげーだろそれは……えぇ? 」


< どうやれば勝てるレースなのかは誰も知らない >







提督「龍田改二さん」

龍田「何でしょう、提督改Xさん」

提督「呉に来ないかって」

龍田「行かない。あなたが許可したら泣くわ」

提督「ハンッ、泣かないだろうが」

龍田「泣く。……縋って泣いて、殺した後にまた泣くかも」

提督「そんなわけ」

龍田「今ここで、泣けるわよ? 」

提督「やれるもんならやっ

龍田「ッ…………ーーーー

提督「」

山城「馬ッ鹿じゃないのあなたたち……どっちが悪いかみたいなチキンレースなんてやめなさいな」


< 保護者の方にはもう少し早く >







山城「よく半笑いで目元と声音だけ泣けるわね」

龍田「半分本音だから半分だけ泣けるの、私」

山城「はぁ。……あなたも図に乗り過ぎ。あと乗ったら最後までクズでいなさい」

提督「……はい」

龍田「…………」

山城「…………」

提督「…………はい」

高雄「あのですね……この馬鹿これでも重職に就いているんですよ。壊さないでくれません? 」


< ストレス溜まるとちょっとね…… >






愛宕「なんというかね、信じられないでしょうけど馬鹿みたいに真面目なのよ、あの人」

瑞穂「はぁ」

愛宕「ガキみたいな純真さ、というか。女の子は守らなくちゃいけない、みたいな」

瑞穂「なるほど」

愛宕「勿論私の方が物理的には圧倒的。
だからこそ矛盾とか乖離に苦しんでるところもあるの、あの人なりに」

瑞穂「ええ」

愛宕「だけどね、変わらないの。
車道側は自分が歩くとか、荷物は二人の間側の手で持たない、とか」

瑞穂「彼らしいですね」

愛宕「でしょう? そういうところもいいところなんだけどそれすら深読みして穿って自己嫌悪してるのあの人」

瑞穂「クズの自覚を嫌悪している、と」

愛宕「そう! そうなの! 分かる? 」

瑞穂「ええ、ええ……分かりますとも」






涼風「誰かあれ助けてあげた方が……顔死んでるよ瑞穂さん」

伊14「ヤ。お酒不味くなるもん」

初月「まったくだな。……肝心の男はどっか消えたし、相変わらず最低だなあいつ」


お久し振りです……

ありがとうございました


< 見ているのもそれはそれで >







提督「ふぅ……ただいま」

高雄「んっ、おかえ、りなさい」

提督「ぅ…………、ん」

高雄「ぁ、んん…………っフはぁっ……ん」

雲龍「おかえり」

提督「ん…………いつ現れたお前」

雲龍「最初から。給湯室でお茶淹れてただけだし」

提督「…………」

高雄「…………」

雲龍「続きは? 」

提督「するかよばーか! 」


< 見せつけるのもそれはそれで >







雲龍「そもそも気付いていたでしょう、高雄」

提督「は? 」

高雄「当然ですね。というか雲龍さんに緑茶頼んだの私ですし」

提督「は? …………はぁ? 高雄、さん? あのー? 」


< 誰がおかしいかというと >







高雄「何です。したいからしたんでしょう? 」

提督「や、そりゃ……えぇ? 」

高雄「それとも、ヤだった……? 」

提督「嫌じゃない」

高雄「ね? 」

提督「う、ん……? 」

雲龍「大体……たかがコンビニから帰ってきたくらいでやる茶番でもないわよね」

提督「まぁな」

高雄「そうね」

雲龍「…………うん? 」


< 無いよ >







提督「雲龍と海風二人だとさ」

涼風「何だって? 」

提督「雲龍と海風と俺で3Pしたとするとさ、
体格とか雰囲気とか含めて親子丼みたいだよなって」

涼風「はぁ? 何言ってくれちゃってんの? 」

提督「や、ふと思っただけ」

涼風「あ、そう…………ふっつーに気持ち悪いけど何? 雲龍さん乗り移ってんの? 」

提督「そうそう。私雲龍なの」

雲龍「じゃあ俺に大人しく犯され

提督「ねーわ」

涼風「ねーな」

雲龍「ねーの? …………無いの? 」


< なるほど >






涼風「つーかあたいならそーいう下ネタもいけるみたいに思ってない? 」

提督「や、そんなことは、ねぇよ? 」

涼風「あぁん? 泣くぞおい、女だぜあたい」

提督「あぁ。…………それは知ってるんだけどさ、うん。何でかな? 」

雲龍「面白いから」

涼風「なるほど」

江風「なるほどじゃねーよ……変に染まるな馬鹿」


< モテるって何だろうね >







提督「どーすればそんなモテんの? 」

初月「馬鹿にしてるのか? 」

提督「や、参考にしようかと」

初月「まだ欲しいのか、クズ男」

提督「欲には果てなんて無ぇよ」

初月「まったく……どんなタイプにモテたいんだ。それによって違ってくるだろう」

提督「お前みたいなやつ? 」

初月「もう落ちてる。これ以上は近付きたくもないが」

提督「本当最高だなお前。……で? 」

初月「そりゃ…………望めば、手に入るさ」


ありがとうございました


< 血涙って割と怖いと思う >







雲龍「はぁ……眠い」

涼風「…………」

雲龍「朝からお風呂に入ってもだるいなんてもう…………何? 」

涼風「や、その大きさでよく垂れないなって」

雲龍「あぁ、本当何故なのかしらね。
クーパー靭帯なんてぐちゃぐちゃになってるレベルのことしてるのに」

涼風「内容は聞かないよ。…………はぁ」

雲龍「気にしてるの? 」

涼風「まぁね」

雲龍「ふぅん……あげないわよ? 」

涼風「そういうっ、話はっ、してない! 」


< さもどうでもいいような >







叢雲「あなた本当にあんなこと気にしてるわけ? 」

涼風「ガチのロリコンってな、ヤバいんだぜ」

叢雲「は? 」

涼風「触ってこなくてもな、視線はキモいし挙動は不審だし何なら近付いただけで……勃ってるし」

叢雲「だから、何の話? 」

涼風「そーいう相手がターゲットだったんだよ。
まだ、エロい女で遊びたいテンプレート権力者の方がよかったなって」

叢雲「……………………処女? 」

涼風「さぁね……どう見える? うん? 」


< どんな感情も過去も、どれだってあなたの持ち物でしきないから >







提督「なるほど。叢雲ちゃんはその辺気になると」

叢雲「普通は気になるでしょうよ」

提督「そこにさしたる意味があるとは思えないが」

叢雲「割と大事なことでしょ。嫌悪するような相手としか関わってないんだから」

提督「そんなわけ。どんな事情があったかは知らないけどさ、
そもそもあんな立場に追い遣られてる時点で処女とか貞節とか関係無いと思うよ」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………それはあんたが、ぶっ壊れてるからよ。
好きになった相手の過去とか仲間のいつかなんて、考えるに決まってるじゃない」

提督「そうだけど、さ。過去も、未来も、全部今なんだ。
俺は、今目の前にいる叢雲さえいればいいの」

叢雲「…………」

提督「…………叢雲にそこまで思われるなんて、妬けちゃうね」

叢雲「ばーか。…………ばか、莫迦よ、あんたも涼風も」


< 小鬼の攪乱 >







初月「あのさ……やめた方がいいと思う」

涼月「でも頑張ってつくってくれたんだし」

初月「それでもさ、言いたいことは言おうよ」

涼月「見た目は綺麗だよ? 」

初月「どこに目を付けてるのさ。物凄く目悪くしたりしてるの? 」

涼月「そりゃあ多少形が崩れ

江風「いいよもう! てめーらには頼まねーよもうっ」


< まぁ、誰かに出すものならね >







初月「まぁ落ち着け。これでも僕はそこそこまともな舌を持ってる。
少々盛り付けと包丁捌きが下手でも味の良し悪しは分かるさ。美味ければ問題無い」

江風「一々腹立つな初月……ン、どーぞ」

初月「それでは、いたたきます。…………」

涼月「いただきます。…………」

初月「…………」

涼月「…………」

江風「…………どう? 」

初月「不味くはないよ。でもやっぱり綺麗な見た目の方が美味しいよね」

涼月「そこ大事だよね」

江風「ンあぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 」


< また酒が増え睡眠が減る予報ともいう >








江風「ンあぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 」

涼風「うるさい」

提督「勝ったぁぁ! 負けたけど勝ったぁぁぁぁ! 」

高雄「頭に響きます」

江風「次も試合観れるぅぅぅぅ! 」

提督「っしゃぁぁぁぁ! 」

加賀「うるさい! サンが起きたでしょうが! 」

江風「」

提督「すまん」

雲龍「別にいいけど……そんなにこの子も気にしてないわよ? 」


< 惨禍残し >






江風「」

提督「やったぜ」

江風「」

提督「次も一緒に観……どした? 」

江風「……………………加賀さンが未だ嘗て無い形相だった」

提督「うぅん? 」

能代「そりゃあ提督は見たこと無いでしょうけどね…………はぁ」


< 鬼の角乱 >







雲龍「何でそんなに怒ったんです」

加賀「初めて私の腕で寝てくれそうだったのに、抱いて座っていても逃げなかったのにっ」

雲龍「うぅん? 」

加賀「何故、飛び起きて、私の腕を裂いてっ、逃げてっ、あなたの腕にっ、飛び込むのよっ」

雲龍「さ、さぁ? 」


< 瑣末事 >








天城「というか加賀さん、血が」

加賀「…………」

天城「あのー……」

加賀「…………__! 」

提督「ん? 」

加賀「酒! 」

提督「んー……マッカランの二十五年でいい? 」

加賀「早くっ」

提督「はいはい。……お前もいる? 」

天城「当然いただきます。…………ですけどね、首筋から滴ってますよ? 加賀さん? 」


< 妬け酒 >







加賀「……………………」

漣「こりゃあれっすわ、所詮球蹴り如きに恋人奪われた顔ですわ」

初月「女々しいにも程があるな」

漣「まーね? ある意味女の完成系なヒトだし? 」

初月「だとして負け犬だろう? 一番になれず猫にも逃げられ」

漣「っすねー。今なら加賀さんでも泣かせられる気がす

提督「持ってきたぞ」

加賀「ん」

提督「はいはい。…………せめてグラス合わせるまでは待ってほしかったなぁ……」


< 姫にはお部屋にお帰り願いました >







雲龍「またね、サン」

明石「アホなおっさんと惨めなおばさんには反省してもらいますからねー? 」

雲龍「あ? 今何て言ったのあなた」

明石「冗談ですって。……こんなんなるならそもそも一緒に観なきゃいいのに、マジで」


< 割とそういう人も多かったです、あの国 >








GZ「…………」

WS「なるほど……なるほど」

GZ「…………」

WS「この国が相手になるのね」

Aquila「ほぅー? まだ一位通過なんて確定してませんけどー? 」

WS「馬鹿ね。我が祖国が勝利するに決まっているもの」

Aquila「ふーん? 今のちゃんと覚えてますからね? 」

WS「お好きにどうぞ。出場すらできなかったsky blueさん」

Aquila「…………ほう? 」

WS「ふふ……」

GZ「あのだな…………私は単に眠いだけで……別にFußballに興味があるわけではないのだが」


祝杯用に買ったボウモアはお預け……

ありがとうございました


< 昨日の今日ですが >







提督「明石くんさ」

明石「はい? 」

提督「俺は嬉しいし楽しいからいいけど」

明石「ええ」

提督「瑞穂はどうするんだ? こんな二人で遊びに来て」

明石「どうもしませんよ。……でも、そのうち二人で刺されるかもしれませんね」

提督「勘弁してくれ。寧ろ今回に限っては俺よりお前の方が悪いだろう」

明石「瑞穂さんがそう思ってくれればね」

提督「…………」

明石「ま、私だって誕生日くらいあなたといたかったんです。
あなた風に言えば、これくらい瑞穂さんも許してくれる、と思いますよ? 」


< ときにはこんな一日も >








提督「やー、俺って大抵の人間よりクズだけどさ」

天城「そんな生易しいものではないと思いますけれど」

提督「それでもなけなしの恥と男としてのプライドくらいはあるんだよ」

雲龍「そうだったの? 」

天城「あんな声で啼くこともあるのに? 」

提督「そ、それはまた別の問題だろう」

雲龍「そうかしら」

天城「寧ろストレートに関わってますよね」

提督「あ、そう…………で、俺の女装なんて何が楽しいんだよ。アホなの? 」


< 女装なんて全力回避 >








雲龍「まぁ、ほら。女装男に犯されるのも楽しいかと思って」

天城「物凄く意味が分からない絵面ですよ……天城はそれ嫌ですし」

提督「困惑通り越す謎プレイだなおい。なんならお前は男装してくるか? 」

雲龍「と言っても男装らしい男装なんてバーテンダー衣装とスーツくらいしか無いわ」

天城「! それなら天城と二人であちらにいきましょう? いいですよね? 」

雲龍「ん、んんっ? 」

天城「ちなみに天城はスーツの方が好きです。
ポケットチーフは天城が整えますからねっ」

雲龍「え、ちょ……えぇっ? 」

提督「どーぞどーぞ。…………頑張れ、お姉様」


< 独りよがりのひととせ >








龍田「あの子も結構レズ気味なのねぇ~ 」

提督「レズってーか、姉キチだな」

龍田「あら私」

提督「お前みたいに徹底してはいねぇよ。
天城は目の前に雲龍がいて、幸せじゃないと生きていけない」

龍田「あらあら……」

提督「フ-……」

龍田「フ-……」

提督「…………天龍、呼んでほしいかい? 」

龍田「ご冗談を。天龍ちゃんは、私なんかといちゃいけないわ」

提督「俺もそう思うが……天龍がどう思うかだな」

龍田「そんなものどうでもいいもの」

提督「あぁ。……フ-…………正しいけど、正しくないよ、龍田」


< 甘い瘴気漂わせ >







あきつ丸「笑い話を一つ、いいか」

時雨「聞こうか」

あきつ丸「ある所に努力を重ねて自らの目標に手を届かせた女がいた」

時雨「あぁ」

あきつ丸「だが、それでも結局その女は満足がいかなかった。
一つの目標は新たな壁の認識でしかなかったのだ」

時雨「ありがちな話だ」

あきつ丸「だが、女は凡百の間抜けではなかった。
壁を見つけ、壊し、見つけ、倒し、見つけ、貫いていった」

時雨「羨ましいね」

あきつ丸「その先にあったのは……何だと思う? 」

時雨「ふふ、笑い話じゃなかったの? 」

あきつ丸「時雨の答えを笑い話にしようと思った」

時雨「あっは…………芸人でも何でもないんだけどね、僕。
悪いけど愉快なオチはつけられそうもないや」

あきつ丸「そうか。笑えない笑い話など得意だと思ったのだが……ふふ、見込み違いだったでありますかね」


< えっ? >







鈴谷「あーいうあきつちゃんには近付きたくないの、鈴谷」

春雨「ああいう時雨ちゃんも嫌ですよ」

鈴谷「こーいうとき龍田か山城がいるといいよね」

春雨「混ぜっ返してぐちゃぐちゃにしてくれるから? 」

鈴谷「もっと意味不明で暗い話で終わらせてくれるから」

春雨「そう……それ、どこがいいんですか? 」

鈴谷「うん? 」


< 結局は、私は私であなたはあなたなのです >








鹿島「努力は報われます、必ず」

あきつ丸「ハンッ、そうだといいな」

鹿島「正確に言うならば私の努力、ですが」

あきつ丸「ほう? 」

鹿島「プロのスポーツ選手、芸能人、一級の職人。
そういった方たちが同じことを言うならばそれは欺瞞です、断言してもいい」

あきつ丸「ふん……拝聴致しましょう、鹿島先生」

鹿島「……でも、這い蹲って、藻掻いて、苦しんで、
それでもなお努力は報われるのだと吐き続けることが、努力です」

あきつ丸「…………」

時雨「つまり、努力の価値を説くことができるのは、
苦しみの中で努力し続けているその瞬間の人にしかできないってことだね」

鹿島「そうです。だから、いつか私が道化になったときこそ終焉です。
私が、私の使命を終えたときなんですから」

赤城「龍田が聞けば泣くでしょうね。
こんなにも……嗚呼、成長し枯れる前の華を咲かせたというのなら」

浜風「ん、んんっ……? 」


< 偶然通りかかっただけですってば >








あきつ丸「なるほど。…………それで? 」

鹿島「はい? 」

あきつ丸「努力に努力を重ね、辛きに辛きを積み上げる鹿島先生の話は分かった。
それで? 今現在の努力はどれだけの壁を破砕したのでありますか」

鹿島「ーーーー」

あきつ丸「…………」

鹿島「ーーーー」

あきつ丸「……………」

時雨「悲しいことだね」

赤城「或いは喜劇と言えるでしょう。所詮、私たちにできることなんて限られていますからね」

Pola「あら~……真面目な話? 伯爵は何でここに連れてきたのぉ~? 」

GZ「連れてきたわけでは……ほら行くぞ間抜け。私ばかり睨まれているではないか」


これからも変に切れることは多々有るかと……

ありがとうございました


< 何もできない >







提督「…………んぁ……Zzz」

初月「間抜け面だな」

叢雲「そうね。正しく間抜け面」

初月「…………」

叢雲「…………? 」

初月「早起きして窓辺で読書を始めたこいつなんて最高の玩具なんだが……。
どうもどこからか見られている気がするな」


< なるほど >







愛宕「とか言われてるけど? 」

高雄「はぁ。……私が出なくても何かあれば叢雲さんがいるでしょう? 」

愛宕「その叢雲がまさかの裏切り者だったとか」

高雄「馬鹿な。私が億が一失望して自死を選んでも側に居続けるのが彼女だもの」

愛宕「なるほど」

初月「なるほど」

漣「なるほど」

叢雲「なるほど、じゃないんだけど馬鹿じゃないの? 」


< いい笑顔 >







提督「ってもな、初月」

初月「目覚めて開口一番コーヒーを所望した馬鹿が何だ」

提督「…………肌ワイ体育座りでコーヒーカップ持った女の子に起こされた夢を見たんだ」

初月「阿呆かお前は。それはな、夢ではなくて記憶というんだよ」

提督「ふぁ…………」

初月「…………」

提督「…………ねむ

高雄「コーヒー、はいりましたよ」

提督「ありがとう、高雄」

高雄「いえ」

初月「変わり身の早さといったらないな……まったく」


< 何故か、ねぇ…… >






提督「だけどな……眠いぞ」

初月「そうかい。……ありがとう、高雄さん。僕の分まで」

高雄「いいえ。一人分だけ淹れる方が面倒ですから」

初月「ふぅ……美味いな」

提督「あぁ……負けた」

初月「観てたのか。暇人だな」

提督「で、ついでに今日はずっと起きて漣に付き合ってたんだ」

初月「馬鹿だろうお前」

提督「まぁな……うん、うん、眠い」

初月「寝不足の軍人など更迭ものの阿呆じゃな……でも理由が女じゃないだけマシな気がするぞ、何故か」


< 食べさせられるのもそれはそれで辛いんですよ、感想とか >







提督「え? 飲ます食わすの拷問? 」

高雄「飲まず食わずですけれど……それはそれで面白いかもしれないですね」

提督「『SEVEN』の序盤か何か? 」

愛宕「というかさらっと拷問を面白いとか言ったけど」

高雄「面白いでしょう? 肥え太ったこの人をまだ愛してしまうのか想像するなんて」

愛宕「あ、そっちかー」

初月「そっちもこっちも無いだろうおい……おい」


ありがとうございました

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< 正解って、何かな >






雲龍「ヨガをする、を動詞にするとヨガってるになるのでは? 」

伊14「あんまり聞かないけどなるんじゃないですか? 」

雲龍「え……」

伊14「? 」

雲龍「…………嘘」

伊14「はい? 」

加賀「考えてみればこれが正解なのよね。半端な知識と読解力があるよりは、いっそ」


< 正しくも誤りでもない >







天城「そんな天城が間違っていたみたいな」

加賀「間違っているでしょうどう考えても」

天城「変態ちっくなことが間違っているなんて誰が決めたんです」

加賀「誰かは知らないけれどあなたそれ本気なの? 」

天城「誰が姉様について本気で話すと思っているんですか」

加賀「それもそうね」

雲龍「あの……それ、えぇ……? 」


< 純真であることもある種狂気だとは思うけれど >








雲龍「あなたの妹って無駄に純真なのね」

伊13「無駄では、ない……かな」

雲龍「楽しくないじゃないそんなの」

伊13「イヨちゃんが変な趣味持つよりは、いい」

龍田「あらぁ~ 。何て健全」

扶桑「そもそも楽しくないのは雲龍だけよね」

伊13「ん……イヨちゃんが健全に見えるなんて、おかしい、と思うんだけど、な」


< 矛先 >








漣「当警備府でヤンデレっぽくなりそうなヒトナンバーワンこと加賀さんですけど」

加賀「龍田か山城でしょうそれは。そもそも現実だと高雄の方が」

漣「リアルとかいうクソゲーはどうでもいいんですよ。
漣が言いたいのは加賀さんのヤバ気なところでして」

加賀「私も現実に存在している個人なのだけれど……それで? 」

漣「や、加賀さんは男にいくのか女にいくのかどっちかなーって」

加賀「自分にいくわね。他はプライドが許さないもの」

漣「ほらね? 安心でしょ? 」

提督「…………っすね」

加賀「は? …………は? 」


< どんな感覚なんだろうね本当 >







愛宕「由良の頭ってどうなってるのかしらね」

高雄「さぁ」

愛宕「後頭部にあれだけ重いものがあったらバランス悪くなると思うんだけど」

天城「それは姉様に訊けばいいのでは? あれも結構重いですよ」

高雄「天城さんはいつも結ってあげていますものね」

天城「ええ、中々に楽しいものなのですけれど」

愛宕「分かるわよ? 高雄はあんまり触らせてくれないけど」

高雄「あなたがただ結ってくれるだけなら喜んで任せるけれど? 」

愛宕「んー? 」






涼月「愛宕さんたちだって足下が見えているかも怪しいくらいバランスが……」

初月「姉さんからして怪しいだろう、そもそも。喧嘩でも売ってるのか? 」


< 舐め合う傷に私の毒を >







扶桑「ふふ……あなたは、酷い人です」

提督「そうだな」

扶桑「こんなにも、焦がれているのに……肉の熱さも、世界の冷たさも知っているのに」

提督「誘ったのは、お前だぜ? 」

扶桑「ええ、ええ、そうでしょうとも…………嗚呼」

提督「うん…………あったかいね」

扶桑「…………」

提督「…………」

扶桑「…………あなたのことなんて嫌いだと、断言できてしまえればいいのに」

提督「本当な。それが…………そこが扶桑の、弱さだと思うよ」


ありがとうございました


< だからできないのか、みたいな >







愛宕「前にね? 高雄と二人で私たちの子供ができたらって話をしていたの」

明石「はぁ」

愛宕「それでね? 金髪は劣性遺伝だから黒髪のあの人には負けるけど孫世代によっては発現する、みたいな話をしたのね」

明石「あぁ、何か変なところでまともですね」

愛宕「で、金髪は世界には普通にいるけど。
ピンクとか紫がかった髪はどうなるのかしらって思ったわけ」

明石「あぁ、私とか龍田さんみたいな」

愛宕「みたいな」

明石「……………………遺伝情報がそもそも異なる、とか? 」


< さて相手は誰でしょうね >








愛宕「つまりこう見えて私も何某かの欠落ないし余剰があるってこと? 」

明石「あくまで遺伝情報的には、ってことです。
愛宕さんなんて普通に人間ですし私だって髪さえ染めれば然程人外感はありません」

愛宕「そうねぇ。…………だから、か」

明石「はい? 」

愛宕「高雄がね? あの人を人外にした方が早いって誰かと電話してたの。明石も昔冗談で言ってたけど」

明石「言いましたね。……こっちに来てから? 」

愛宕「そう、大湊に来てから」

明石「はぁ。……………………龍田さんでも山城さんでもないとなると……本気でヤバめに思えますねぇ」


< 主体と自分と >








漣「これでも漣はご主人様のこと結構買ってるんですよ。ルックスも頭も性格も」

高雄「まぁ、存じてますよ」

漣「でもだからこそご主人様が落魄れるところも想像してみたいわけです」

高雄「ん、んん? 」

漣「絵になりますよー。そっから一念発起するのもそのまま腐って死ぬのも」

高雄「……はい? 」

漣「リアルではそうならないって確信してるからですかねー。
妄想のご主人様はそりゃあ酷い有様なんですよねぇ……あっはっはー」

高雄「……龍田、漣さんを弟子にでもしたの? 」

龍田「そんなわけないわよぉ~。…………私なら私で堕ちてくれないと嫌だもの」


< 笑み >







漣「その中でもね、ご主人様が寝取られるっていうのが面白いと思うんです」

高雄「は、はぁ」

漣「例えば愛宕さんをキモデブな上官に寝取られるとか」

高雄「…………なるほど」

愛宕「高雄お姉ちゃん? うん? 」

高雄「ぁ」

愛宕「変なこと考えたお姉ちゃんはちょっと借りていくわね~ 」

漣「はいどーぞー。…………高雄さんでもあぁいう顔するのかぁ……愛宕さんもこわいなーとづまりすとこ」


< 気が合う、に到るまで >







明石「でも正直大体の皆さんはルックスがアレな人に寝取られそうな感じはしますね」

雲龍「そうかも」

明石「は、はい? や、私が言うのも何ですけどそうなんです? 」

雲龍「あんなのにイかれているんだもの、凡百のイケメンに今更靡かないわ。
ルックスとかお金じゃなくて多分下半身の話でしょう? これ」

明石「まぁ、そうなんですけど」

雲龍「寧ろ変な興味すらあるのよ。
あぁいう遊んでたようなタイプでもないのにテクとか大きさが凄いのって」

明石「なるほど……それは確かに。ねぇ、瑞穂さん? 」

瑞穂「はぁ。…………そういうパートナーがいただけでは? まさに瑞穂にとっての明石さんみたいな」


< 何度も繰り返してまたここに >







能代「そもそも提督こそ誰かの愛を引き裂きそうなタイプに見えますが」

加賀「そう見えそうなのは否定しないけれどきっと無いわよ、そんなこと」

能代「そうですか? 能代は分かっていても止まれない程度の理性しか無いように思いますよ。
モテるのは否定しませんから女の方から引っかかるかもしれませんし」

阿賀野「相手が既婚者なのは分かってるのに憐憫とか欲求不満で誘われて断れないタイプってこと? 」

能代「そうそれ。どうです? 」

加賀「……………………一理

提督「ねーから。マジでねーから。君らマジにそろそろ俺に謝った方がいいと思うよ、心の底から」


< 一度抱いた愛を壊さずにはいられない >








天城「この人なら仮に寝取られてもきっちり仕返してから消えそうな気はしますけれどね」

提督「だからもうさ、この話やめろよ馬鹿女ども」

天城「仮に浮気が暴露たら本気で惚れ直させてくると思うんです」

山城「あぁ、それで女が惚れ直したと確信した段階で証拠を突き付けるのね? 」

扶桑「怖いわねそれは」

天城「縋って泣いても許してくれないんです。
表向きは今でも愛しているよ、なんて嘯いてくるんですけど」

山城「ありありと目に浮かぶわ」

扶桑「強がって強がって相手を憎んで倒して自分は何とも思っていないって顔で別れて泣くのね」

天城「で、その顔と雰囲気で別の女を引っ掛ける、と」

叢雲「想像の幅を広くさせ過ぎる生き方、というか何というか…………はぁ」


< 団欒のお時間です >







高雄「今日はアラビアータです。サラダとスープも私のですよ」

提督「そう、楽しみだね。……いただきます」

雲龍「いただきます」

加賀「いただきます」

初月「いただきます」

漣「いただきます」

Littorio「いただきます」

龍田「家長が箸を着けるまで、というかいっそ唱和でもしたら? ……ん? はいはい、いただきます~ 」


< 短冊は白紙で >






海風「明日はあれですね、雲龍さんが異様にテンション下がる日です」

扶桑「何故? 」

海風「七夕だからです」

扶桑「?? 」

海風「?? 」

龍田「扶桑は雲龍のこと読み切れてないんだから……あれよ、天の川の物語」

扶桑「あぁ……」

初月「あぁ、って何だよ……それで分かるんならもう読み切っているんじゃないのか扶桑も」


< 短冊は白紙で >






海風「明日はあれですね、雲龍さんが異様にテンション下がる日です」

扶桑「何故? 」

海風「七夕だからです」

扶桑「?? 」

海風「?? 」

龍田「扶桑は雲龍のこと読み切れてないんだから……あれよ、天の川の物語」

扶桑「あぁ……」

初月「あぁ、って何だよ……それで分かるんならもう読み切っているんじゃないのか扶桑も」


< 過ぎ去った過去だけが美しく >






明石「まぁ、扶桑さんもアレな初期メンバーですからねぇ。少し天然気味とはいえ」

初月「十分だろう別に」

明石「ええ……あの人、高雄さん、愛宕さん、龍田さん、山城さん、扶桑さん、それからあきつ丸さん。
あの人たちの仲には入れなかったものです」

初月「あきつ丸の代わりに入ったんじゃないのか、明石たちは」

明石「とてもとても。そもそも代わり、で満足できるような人たちじゃあ、ないんですよ」


< センチな心は寸の間に >






初月「壊れた過去だけが美しい、か」

提督「うん? 」

初月「なんでもない。…………僕も、もう少し早くお前に会いたかったよ」

提督「? もしかして惚れちゃったの? うん? 」

初月「違う。……続けたら張っ倒すぞ、馬鹿」


ありがとうございました


< いつまでもこれからも >







提督「お前と会うのはいつもこの岬、この時間だな」

「早朝だけに限られた逢瀬と洒落込むなら可愛い女と、にしたいところですね先輩」

提督「まったくだよ。可愛くない後輩と煙草ふかすだけなんてつまらない……フ-」

「フ-…………これでも女には可愛い男と言われ続けてきたんですが」

提督「女の可愛い、に幻想持つなよ。男から愛されてるわけじゃない」

「先輩が言うと説得力がありますよ、実に

提督「そうかい。…………フ-」

「ふはぁ……………………お互い、くだらないことしか考えてないでしょうね、今」

提督「今も、だろうさ…………フ-……」


< 分かりきっていたこととと、突きつけられたことと >







「先輩。俺ぁね、先輩のこと結構ソンケーしてるんすよ」

提督「そうかい。そりゃあ初耳だ」

「ふふん、ピンク髮の化け物抱けるなんて狂ってるとしか言いようがないですけどね? 」

提督「ッ……」

「そもそもが虚数空間生み出したり生身で海に浮いて砲弾打つけ合うやつらですよ、あれは」

提督「……………………ま、大したことではないさ」

「ですかね。……俺はそういうとこ真面目にきましたから。
化け物と、というか妻以外と遊ぶなんてことはできそうもありません」

提督「普通だろそんなの」

「普通ですか」

提督「あぁ、寧ろお前が俺みたいなクズとそれなりに付き合える方が驚きだ」

「先輩はまぁ、有能ですからね。媚び売っといて損はしません」

提督「そうかい。…………お前でさえ、それ、なのか」


< The process of merry good >








「俺は単に割り切れるだけです。
化け物とは思っていますが彼女たちには感謝してもし切れませんし、
目の前にいて会話をするくらいなら別に嫌悪だってありません。
先輩みたいに入れ込むことも無い代わりに“ 違うもの ”と認識しているだけ」

提督「……………………」

「先輩が恋愛結婚に憧れるんなら今から探せばいい。
政略結婚でもいいのなら今すぐに選り取り見取り。
遊ぶのが目的だとしたって幾らでも可愛い子は寄ってくる」

提督「……………………」

「…………そういうところを尊敬しているんです。
自分の信じた愛をね、他のもの全て忘れた振りして信じようとできるところ。
俺は今でも馬鹿な選択だと思ってますけどその意志だけは蔑めない」

提督「……………………」

「……………………」

提督「……………………それで? 」

「それだけです。この前先輩が書類の時点で振った相手、妻の従姉妹だったんですよ」

提督「何か言えと言われてきたわけか」

「ええ。俺は今更どうにもならないって言っておいたんですけどね。本人にも妻にも、義父上にも」

提督「世話ぁかけるな」

「本当に。フ-……………………あんたを義兄さんと呼ぶ未来なら、もっと楽しめたのになぁ」


< まぁ、別にどうでもいいんですけどね >








漣「漣ちゃんってスマホはスマホだと思うんだよね」

叢雲「はぁ? 」

漣「スマフォって言い方が嫌いなの。何となく気持ち悪いっていうか」

叢雲「寧ろそっちの方が近いんじゃないの? 発音としては」

漣「かもしれないけどそれならビデオはヴィデオだしエネルギーはエネルギィじゃないの? そんな使い方する? 」

叢雲「殆どしないけど……ベールが気持ち悪くてヴェールをつくったみたいな話ね」

漣「兎に角ね、何が正しいかとかじゃなくて人口に膾炙した言い方が

明石「FFをファイファンとかっていうのと同じ? 」

漣「は? ファイファンはファイファンでしょ? 」

叢雲「ん、んんっ……? 」


< せめて、今は黒々とただ熱いコーヒーでも >








高雄「相変わらず機嫌悪いわね、最近はずっとそう」

愛宕「でもあんなものでしょう? あっちから大湊に異動が決まった時点で分かりきっていたことよ」

高雄「…………」

愛宕「自分で考えて、決めて、半分しくじって半分成功して……。
自分が傷付くことでしか終わらせられない人なのよ、あの人は」

高雄「…………それで、傷を女に舐めさせて生き永らえるなんて、なんて自分勝手で、なんて

愛宕「不幸なのかしらね。…………本当、うんざりしちゃうわ」


< たのしいわがや >







雲龍「んぇ……ぅ……ゅぅ……っ」

提督「…………」

雲龍「……ん……ちゅ……………………ッ…………あは、今日も凄いわね」

提督「…………ぶん殴っていいかお前」

加賀「真顔で執務中に囁くことではないけれど……本当に無駄な演技力ね」


< 絶対嫌です >







雲龍「加賀さんもやってみては? 案外とできるものですよ」

加賀「……そう」

提督「やらなくていいからな。本当にやったら張っ倒す」

雲龍「是非」

提督「是非、じゃねーの。つーかエロいことする流れ全く無くて殴られて気持ちいいとかあり得るわけ? 」

加賀「頭の中常にピンクだから」

提督「あぁ、そう……」

雲龍「冗談なんですけど……自信無くなってきたので試しに殴ってもらえません? 」


< 意志の疎通とは >








加賀「あなたもよくできるわね。機嫌の悪いあの人に変なことを」

雲龍「愛の為せる業、ですよ」

加賀「そう…………三周くらい周って穿って深読みしてみても意味が分からないのだけれど、喧嘩でも売っているの? 」

雲龍「喧嘩? 」


< 意志の疎通とは >








加賀「あなたもよくできるわね。機嫌の悪いあの人に変なことを」

雲龍「愛の為せる業、ですよ」

加賀「そう…………三周くらい周って穿って深読みしてみても意味が分からないのだけれど、喧嘩でも売っているの? 」

雲龍「喧嘩? 」


< あぁいうのってどこで手に入るんだろう >







提督「あ、そうだ思い出した」

龍田「? 」

提督「あれ出してくれあれ。久々に見たいと思ってたんだった」

龍田「仕方無いわねぇ~。ちょっとだけよ? 」

提督「おうそんな時間は取らせやめろ馬鹿女服を脱ごうとするんじゃねぇおい馬鹿やめろ廊下だぞどうするおーい! 」


< 湧き出る童心 >








龍田「なんだぁ~ 。薙刀の方かぁ」

提督「それしか無ぇだろうがよ」

龍田「こんなの見ても面白くないのに……はい」

提督「おおう……ありがとう」

龍田「いーえ」

提督「…………」

龍田「…………」

提督「…………おぅ…………叢雲ぉ! 」

龍田「は、はい? 」


< 好き? いいえ、大好きです >







叢雲「大声出すから飛び出してみれば……はい」

提督「ありがとな。……すげぇっ! 」

龍田「…………なにこれ」

叢雲「あなたと私の得物ぶつけて喜ぶ中年の図」

龍田「…………」

叢雲「…………」

龍田「…………あ! ねぇねぇ、加賀さんの弓って普通の弓じゃなくて触媒みたいなものだけど借りてみたらど

提督「加賀ぁ! 」

叢雲「……………………余計なこと言うの好きね、本当」


< 誰が誰に諦めを >








加賀「何よ鬱陶しい」

提督「弓を貸してくれ」

加賀「? 引きたいの? 」

提督「ん? まぁ、それはそれで悪くな

加賀「! 借りていくわ」

龍田「はいはーい」

叢雲「どうぞどうぞ」

提督「は? え? ちょ、俺はお前の弓が見たいのであって的に射ちたいわけじゃっーーーー







天城「それでですか……回り回って天城も射場に連れてこられたのですけれど」

初月「いいじゃないか。弓なんてどうしたってカッコいいぞ」

涼月「どう頑張っても私たちは艦載機なんて発現させられな……分かったから、好きにしてよもう」


< 褒め言葉なんですよこれ >







時雨「どうもあれだね、戦うことそのものに存在理由を見出すタイプとは仲良くなれない。誰とは言わないけど」

浜風「夕立? 」

時雨「夕立はそんなんじゃないよ。単に見た目に比例して落ち着きが無いだけだ」

浜風「そ、そう……」

春雨「……余計酷い言い草になってない? 」


< これがギャップ萌えなんです、なんですってば >







時雨「とは言ってもね、本当にそう思っているんだから仕方が無い。
別に悪い意味で言ってるわけじゃないし」

春雨「まぁね。時雨ちゃんみたいに反比例して冷血なのよりはマシだし」

浜風「なるほど道理です」

時雨「…………春雨、君も反比例してないかい? 見た目とか今までとかから」


<何が何やら >







若葉「寧ろ本性から反比例しているのが被った猫なんじゃないのか、春雨たちは」

春雨「それは無いよ」

時雨「無いね」

浜風「そうなるのは猫でも愛してもらいたいときだけですから」

若葉「そうか。…………いい加減異常な性格の面倒臭さだな、若葉も含めて」


ありがとうございました


< ダンジョンTRPG擬きでもやってみたいヒトたちではある >







漣「漣たちがゾンビになったとしたら」

明石「悪夢にも程が有りますね。異様な耐久力で襲ってくるんでしょう? 」

漣「ええ、海から来るあの敵性体みたいな感じですよね、って」

明石「まぁ、確かにそんな感……あの敵性体たちってまんまゾンビみたいなものなのね、そういえば」


< まぁ、演じなくてもそもそも悪役染みている >








提督「ゾンビワールドのサバイバルとか男の子垂涎の夢じゃねぇか」

漣「ご主人様ってたぶん結構活躍した後に終盤で死にますよね」

提督「我ながらそう思う」

明石「高地位で頼りになって女がいて隠し事有りそうで変に間抜けなところもあるキャラ? 」

提督「……」

漣「あははっ、どう考えても悪役っすねー☆ 」


< 落ち込むというよりは一理あるとか何とか >








提督「ってもあれだろ、仲間にするルートとかプレイアブルにする隠しエンドとか」

漣「どうせ条件がやたら厳しいとか二周目のボーナスとかでしょ? 」

明石「そのくせ無駄にピーキーで上級者向け」

漣「通ぶった馬鹿と本当に上手い人しか使わないキャラっすね」

提督「……………………」


< 片足で済むかな? >







漣「そもそもですね、漣はあれです、絶望エンドとそれでも進むエンドと狂気エンドが揃っていて初めてグッドとかトゥルーが映えると思うんですよ」

明石「私は別に本筋が好みならそれで」

提督「狂気か絶望がトゥルーってのがいいと思うぞ」

漣「そっすか。…………狂気に片足突っ込んでるご主人様が言うと無駄に説得力有りますねぇ」


< コスチュ……ユニフォーム! >








提督「次に欲しいソシャゲシリーズだ」

漣「忘れた頃に思い付きますよねうざったい」

提督「そう言うな。……スポーツはどうだ? 」

漣「はい? 今でも幾らでもあると思いますけど」

提督「や、“ スポーツ ”だよ。サッカーちゃんとかバレーちゃんとかそういうの」

漣「あぁ、そういう……ご主人様」

提督「あん? 」

漣「さすがにワールドカップのサポーター特集観て思い付くのはどうかと思いますよ」


< 気分とか雰囲気を蔑ろにしちゃあ駄目ですよ >







明石「というかそもそもスポーツ特化したエロゲでしょうそれ。似たようなのあると思いますよ」

提督「そっか、駄目か」

漣「リアルでコスセできるご主人様が言ってもつまんないですし」

提督「コスセってお前……まぁ、するけど」

海風「で? 一番楽しかったユニフォームは? 」

提督「そりゃお前バレーかテニ……はい? 」

海風「覚えておきますね」

提督「え? えぇ……? 」

漣「……走って行きよったですぞあの子」

明石「明日届いた通販とかの中身、見たくないですねぇ……」


< 誘うというより、道連れ >







加賀「嫌な天気ね。気分が落ち込むわ」

扶桑「ええ……天気くらいは晴れてくれてもいいのに」

加賀「心はずっと晴れないものね」

扶桑「…………」

加賀「…………」

扶桑「…………」

加賀「…………あの人酔わせて誘ってきましょうか」

扶桑「そ、うですね? 」


< 屠殺前、とは言われたくないものですが >








提督「何だ何だ、やけに勧めるな、ってーかよくもまぁ

加賀「よくもまぁ? 」

提督「何でも無い日に気合い入れてつまみなんてつくったな」

扶桑「何も無い日だからこそ、心が躍ってしまったのね」

提督「ふぅん? まぁ、くれるなら喜んで食べるけどさ」

加賀「食べて飲んで、それでも足らなければ、また飲みましょうよ」

提督「うん。……………………何だか捕食待ちの兎みたいだな、俺って」


< ピコン♪ >







加賀『やりました』







愛宕「……グループラインで何故あの人の背中を撮るの? 」

叢雲「やったから、もしくはヤるから」

愛宕「…………」

高雄「……私と愛宕と加賀さんと叢雲さんっていうグループの時点で割と知れたことだと思うけれど」


< まぁ、男でも割とあることだけれど >








雲龍「え、何それ招待されてない」

愛宕「してないもの」

雲龍「…………」

愛宕「何?」

雲龍「…………」

愛宕「…………」

雲龍「…………無駄に女の陰湿さを垣間見た気がするわね」


< 人数に対する適正値とは……? >








愛宕「じゃあ言うけどあなたのグループ何個よ」

雲龍「九つ」

愛宕「ほら私より多いじゃな…………九つぅ? はぁ? 」

雲龍「はい? 」


< は? >







雲龍「ここの全員でしょ? 天城とのやつでしょ? 空母組でしょ? 旧新参組でしょ? 元大湊組でしょ? 元要港部組でしょ? 」

愛宕「まぁ、分かるわ。天城とのグループはいつか葛城も入れたいのね? 」

雲龍「ええ。……抱かれた組でしょ? あの人を許さない会でしょ? 」

愛宕「ん……分かるわね。二つ目は入ってないけど」

雲龍「あとはほら、えーっと……うん、うん」

愛宕「うん? 」

雲龍「…………知りたい? 」

愛宕「知りたいけど」

雲龍「…………………………………………ハメ撮り交換会」



個人的には雲龍の錫杖が割と最高ですね。式神とセットで

ありがとうございました


< 蒸し暑いとこう、うん、なんでだろうね >







天城「ふふ……あんなにシたのにまたシたくなってくるなんて」

提督「僕は普通に起きて仕事をしたいんですがね天城さん」

天城「責任取ってくださいな。こんなカラダにした」

提督「や、だってお前俺をイかせるの楽しみ過ぎだろう。
まだ俺だけが奉仕するならやりようはあるけどさ」

天城「それはそれで。…………ね、こんなにも暑い日なんだから」

提督「あぁ…………舌、攣るかもな、これ」


< 単純な値段には無い価値 >







漣「さて、艦隊の特型鬼畜艦と名高い叢雲ちゃんに質問」

叢雲「あ? 何よ」

漣「マジな話この先一番沈みそうなのは? 」

叢雲「知らないわよそんなの。何か意味あるの? 」

漣「無いけどさ、暑いし暇だし何となく? 」

叢雲「はぁ……かき氷用意してくれたら考えるわ」

漣「めんどい」

叢雲「私も面倒なのよ、頭使うの」

漣「そっかー……じゃあ、この数ヶ月保存しておいた貴重な雪見だいふくは要らな

叢雲「! まずはそうね、戦場における主目的のケースから考えてみましょうかーーーー


< 誤魔化しというよりは、テキトー >






叢雲「ご馳走様。……美味しいけど何か違うわね、暑い中食べるのは」

漣「そう? あと十個くらいあるんだけど」

叢雲「変なところで気が利くわね……私か漣でしょ、どう考えても」

漣「ほぉん? 」

叢雲「あなたね、江風や涼月残して沈めるの? 無理でしょ? 」

漣「ほ、ほーう? 」

叢雲「鬼畜鬼畜っていうけど、
鬼畜の所業なんてたかが人間の高級将校でさえできるんだから、
その後は人間性しかないのよ」

漣「あ、そう……うん? 誤魔化してない? 」


< 地方あるあるって割と洒落にならないんですよ >







天城「あー……提督閣下」

提督「その呼び方なら仕事関係以外の頼みはきかねぇぞ」

天城「……__さん」

提督「何? 」

天城「レイトショー、行きましょう」

提督「いいよ。何観るの? 」

天城「それは、行った先で」

提督「そう。…………大湊から一番近い映画館って確かーーーー」


< どうせ行くなら、なんていつものことです >







天城「ええ、陸奥湾を突っ切った方が早いかもしれません」

提督「だよなー……何それ」

天城「連れていってくれないんですか? 」

提督「連れてくけど。…………どうすっかな、いっそ函館行くか? 」

天城「は、はい? 」


< 案外と自分がハマるものだと思うけど >






初月「僕が相手になる、というのは無しとしてどうにかならないものかあれは」

叢雲「んー? ご主人様が邪魔な女に籠絡されてるのが? 」

初月「あぁ。あれが無かったら相当軍内でも登り詰められるだろう、あいつ」

叢雲「まぁ、分からなくもないけど……漣? 」

漣「漣ちゃんも異論は無いよ? それはそれで面白そうだし」

叢雲「ふぅん? 私はそんなの嫌ね」

漣「漣だって今の方がいいよ? 面白そうってだけだし」

叢雲「そ。……自分で女を虜にするのが嫌なら、どこかから連れてきなさいな、魅力的な男」


< 周囲の方が >







叢雲「でも考えてみなさいな。高雄や愛宕が今からあいつ以外に惹かれた場合を」

漣「傷心のご主人様なんて大好物になりそうなヒト一杯じゃん? 」

初月「しかも一人の量は増えるな。何とは言わないが」

叢雲「あいつなんてどうでもいいのよ。その好かれた相手の話」

初月「? 」

叢雲「今の偏愛を捨てる、上回る執着なのよ?
本気で洒落にならないことされそうじゃない? 」

漣「あぁ、そういう……ある意味ご主人様が防波堤なのかな。……………………牝鬼の」


< そんなことを笑いながら語れる歳に >







提督「あの頃の夏はなー……貴重だったんだよ」

伊13「今も、貴重でしょう? 」

提督「そうだけどな、学生の頃の夏はその三年間しか来ないとかさ、誰かおしえてくれればよかったのに」

伊13「おしえられても……きっと分からない? 」

提督「だろうね。……似たような後悔、十年後もしてそうだなぁ」


< いっそ拒んだ結果の別離ならば >






伊13「でも、十年前とか二十年前があるなんて、幸せ」

提督「そうだな……あぁ」

伊13「イヨちゃんと、そんなこと笑いながら話したいな」

提督「できるさ、きっと」

伊13「そのときは、提督も一緒に」

提督「…………」

伊13「一緒にいられるように、私は勝手に努力しますから……提督は、拒まないで、ください……? 」


< 冗談の可能性について考察しようか >







龍田「一番簡単で可能性高いのはこの人に抱かれることよ? 」

提督「お前はまた余計なことを」

伊13「イヨちゃんと……二人なら……いい、ですよ? 」

提督「はい? 」

龍田「はい? 」

伊14「はい? 」

伊13「えっ? 」

旗風「嗚呼……何だかまた仲間が、消えてる気がする……」


< まだまだ夏は始まったばかり >






龍田「チョロいことに定評のある山城さんですが」

山城「何に対してよそれは。姉さまのことなら当然だから論外ね」

龍田「何に対しても、よ。最後の最後で非情になれないでしょうあなた」

山城「割と普通のことだと思うけれど。まともなら徹頭徹尾なんてできないもの」

龍田「そう? 」

山城「ええ。あなたがおかしいの」

龍田「うーん……ぁ」

山城「今度は何よ」

龍田「お金貸して? 」

山城「この流れで……はい、私は紅茶でいいわ、ストレート」

龍田「はいはーい」

扶桑「チョロいとして結構冷たいわよね、
私目の前にいるのに話に混ぜてもくれな……あぁ、私は緑茶、お願いね」


< わらしべ長者でも目指してるのかな? >







提督「で、俺にはこれか。……アホだろお前」

龍田「んー? 」

提督「このクソ暑いときにおでん缶とかテンプレなボケをどーも」

龍田「どういたしまして~」

提督「っても……おでん缶なんてここの自販機にあったか? 」

龍田「漣が持ってたからコーヒーと交換してきちゃった」

提督「あのボンクラ……意味分かんねぇな」


< おでんを見つつ思い出したけど >







山城「そういえば二人羽織なんて見たことありませんね」

扶桑「羽子板と餅搗きくらいよね、お正月でも」

山城「ええ。……江風? まだこの前のカードの罰ゲーム権、残ってるわね? 」

江風「は? 」

山城「高雄と二人羽織したら、チャラにしてあげる」

高雄「なるほど? 」

江風「や、え、は? えぇ……? やらないぜ? この流れでなンて」


< 話の振り方とかその辺もね >







江風「百歩譲ってやるとしてもテートクとか涼風とかにしてくれよ」

山城「つまらないじゃないそんなの」

提督「やるなら背中に当たる子にしてくれ」

涼風「あたいも同じ枠扱いなのかー……はぁ、やめてくれ」

江風「……」

涼月「……あーだこーだ色々と。山城さんって結構グループで目立つ方ですよね」

提督「話し方とか弄りとかもな。……で、やらないの? 」


< 分かりやすい価値と得難い意志と >







龍田「実際のところ私の異動って割と簡単だったでしょう? 」

提督「あぁん? 」

龍田「人望なんて無い方だし?
求婚は暴露てないとしても、葬儀にお付きで行ったのに帰ってきてすぐ殺されて」

提督「あぁ」

龍田「しかも大して悲しまないし“ 最後のお別れ ”も行かなかったし」

提督「横須賀の雰囲気を考慮して出されたって? 」

龍田「ええ、違う? 」

提督「さぁね。…………ま、お前の改二を知ってたのが俺と殿下以外にもいたら、って妄想は時々するな」


< あまりにも似合うと言葉を失う >







高雄「お手」

初月「わんわんくぅーん。……こいつら何やってるんだなんて目で見るな。
罰ゲームだぞ、罰ゲームだったら! 」


< 筋を見せないという筋 >






涼月「いや……えーっと…………そういう趣味があっても私は変わらないから」

初月「だから罰ゲームだっ、カードで負けた」

江風「高雄さンとかLittorioさンでも大概強かったのに龍田さンたちまで来たからな……」

涼風「弱いのが悪いんだろ? 」

加賀「そうね。……でもあなたやたら強いわよね。よく分からない手筋ばかりだし」

涼風「ま、環境によって変わるじゃん? その辺は……ほら、カード切ったから再開しよう? 」


< 泣かせたいわけでもないのですが、時々は >







龍田「でも考えてみなさいな。涙を目一杯溜めて今にも泣きそうな扶桑姉妹とか唆るでしょう? 」

雲龍「確かに」

龍田「で、翻って加賀さん何かだとね?
どうも絶望を与え過ぎた感が出てくるじゃない」

雲龍「なるほど……なるほど」

加賀「…………分らないわね。その捻じ曲がった感性、是非叩き直してあげたいわ」


< 見たいと少しでも思ってしまったのならば…… >







龍田「じゃあ何です。あの人に捨てられて無言で涙を流す加賀さんに絶望を感じないと? 」

加賀「まぁ、それなら感じ……そのシチュエーションだと誰であってもそうではなくて?
その状況で泣けないなんて寧ろおかしいでしょう絶対」


< 偶然ですよ? >







龍田「そうですけどそうじゃなくてぇ~……うーん」

山城「この女はね、ようは絶妙な酷さで泣かせた相手に興奮する際の程度について語っていたんだと思いますよ」

加賀「…………そう」

龍田「あーん、引かないでくださいよぉ~」

扶桑「何故私の妹はそれが分かるのかしら……そちらの方にドン引きだわ」


< 艇得(ていとく) >







雲龍「口搾艦……従順洋艦……吸母……外慰巡……賤艦……潜(望鏡)水艦……食う母」

天城「はい? 」

雲龍「漢字って、言葉って、面白いわね」

天城「はぁ……姉様基準なら工作でも重巡でも何でも意味深ですけどね、そもそもが」

伊13「何を工作するのかしら、とか。重く巡るって何をかしら、とかですね」

雲龍「まぁ、確かに。……ね? 言葉って面白いでしょう? 」

天城「……姉様の頭が面白いくらい弾け飛んでいるの間違いでは? 」


< 遠巻きに見しな、元凶はいつも同じ >







扶桑「はぁ……」






龍田「相変わらず……辛気臭いというか鬱々しい溜息ねぇ」

山城「そんな姉さまも美しいでしょう? 」

龍田「否定はしないけれどトランプタワーなんてつくってるのを見ると、ね。
ちょっと間抜けじゃない? 」

山城「まぁ、否定はしにくいけれど……昨日カードを食堂に忘れた誰かが悪いわ」

龍田「あ、それ私」

山城「…………」


< 漸増する憂鬱 >






扶桑「崩すのが勿体無い高さまでいかないと……面白くないわね」






山城「…………」

龍田「あらぁ~……」

涼月「だから言ったじゃないですか……一人で放っておくと危ないですよって」


< 負けず嫌いの褒め方 >







Littorio「むぅ……」

高雄「だから言ったじゃない。初見の龍田は強いって」

龍田「あぁら? そんな回を重ねれば攻略されるみたいな言い方。
私ってあなたとも遜色無いと思うけど? 」

高雄「褒め言葉ですよ、確実に。
今回はチェスでしたけれどね、
普通の戦闘や他人を蹴落とす機会なんてそう何度も無いんですから」

龍田「なるほど~ 」

Littorio「なるほど。……結局チェスでのことは認めてないような」


< それこそ今更 >







提督「何かお前変なグループつくってるらしいな、LINEで」

雲龍「そんなことはないですよ、少将閣下」

提督「別に外流したりしなきゃとやかくは言わねぇけどさ」

雲龍「しないわ」

提督「女の子ってそういうとこで何かありそうだから、気を付けろよ? 」

雲龍「ええ。……何かあったとしたときの元凶に注意されるっておかしいわよね、絶対」


< いや、そもそもトークでいいじゃないかとか >








雲龍「で、あなたのグループは? 外の世界の人間の友達は除いて」

提督「……三つですけど何か」

雲龍「…………ハンッ」

提督「…………」

高雄「こんなことでダメージ受ける方が……いえ、別にいいのですけれどね」


< 知りたくないもの程知りたくなるとかありがち >








龍田「私? 大湊オールとか軽巡会とか、あと山城・扶桑のとか」

愛宕「ええ」

龍田「“ ヒコーキを飛ばせるヒトたちのぐるーぷ ”とか」

愛宕「私も入ってるけどそれ名前どうにかした方がいいと思うの」

龍田「そうね。……当然といえば当然だけど入ってないわよ私。
そのハメ撮りがどうとかのグループ」

愛宕「そうよね……高雄は知らないって言ってたんだけど」

龍田「ええ」

愛宕「他の子には訊きにくいじゃない。……誰まで入ってるのかしら、あれ」

龍田「さぁ……そんなの、知らない方がいいと思うけど? 」


< 禍根の種でも配りましょうか >






龍田「そもそも何? 私には訊きにくくないわけ? 」

愛宕「だって龍田だし」

龍田「要らない親愛をどうもありがとう。……でも」

愛宕「何? 」

龍田「あの人と寝た子があなたと高雄以外全員入っていたら、怖いわね」

愛宕「…………」

龍田「…………うふ」


< はたと >






雲龍「あれ? でも待って……大湊オールにはあの人の名前あるし」

天城「はい? 」

雲龍「高雄と愛宕とあの人の三人グループはあるって聞いたし」

天城「あのー、いきなり廊下で立ち止まらないでくださいよ」

雲龍「あの人が新人の為のグループなんてつくるとは…………む」

天城「姉様? 」

雲龍「旧横須賀組とかならいいけど……他だったら、これは」

天城「? 」

雲龍「……………………気にはなるけれど何か知らない方がよさそうね、精神衛生上」


ありがとうございました


< 病的な程惹かれゆく >







加賀「…………Zzz」

扶桑「…………Zzz」

提督「ふぅ…………なんつーかすげぇ絵面だな。背徳感のレベルやべぇ」

加賀「…………ん……Zzz」

扶桑「ぅ、ん…………Zzz」

提督「…………いや、別に誰と誰でもやべぇんだろうけどさ、何かな」


< 起き出してきまして >






加賀「私、扶桑と合うかもしれないわ」

扶桑「はぁ」

提督「知らねぇよ」

加賀「というか、雲龍や愛宕がハード過ぎるの」

提督「そりゃああぁいうのはな」

扶桑「ふぅん…………昨日の加賀さんでハードじゃないのね。割と、本心から怖いわ」


< 早朝、綺麗な海原でも眺めつつ何故か >







雲龍「この丁度いい小石を掴むでしょう? 」

能代「え? ええ」

雲龍「握り込み、身体を開く」

能代「はぁ」

雲龍「で、投げるッ」

能代「あー、飛びましたね。着地点あれ何メートル離れてるんです」

雲龍「さぁ」

能代「分かりませんか」

雲龍「ええ」

能代「で、何ですこれ。何の意味が? 」

雲龍「無いけれど」

能代「…………」


< やー……ねぇ? >







能代「どうもあのヒトはよく分かりませんね。
頭はいい筈なのに何がしたいのか全く分からない」

阿賀野「分かったらお仕舞いじゃない? 頭ドロドロになってピンクになるよ? 」

能代「ピンクは兎も角……うーん」

龍田「ピンクじゃなくても意味なんて分からないわよね? 」

愛宕「それがらしさだもの。…………それは兎も角、何故私がピンクだって思ったの? ねぇ? 」


< 音読みにしてあだ名っぽくしてみようのコーナーです >








叢雲「ソウウン……? 伊勢新九郎みたいね」

海風「カイフウ? 何か開けるのかな? 」

漣「レンちゃんとか可愛い。さすが漣」

涼月「リョウゲツ? カッコいい、感じかな? 」






加賀「……カガ」

雲龍「……ウンリュウ」

Littorio「訓読み自体はできるのだからマシでしょう?
Littorioなんてどんな読み方もできないんですから」


< じゃあ、現代っぽい読み方でも >







海風「ミカとか? 」

涼風「スズカだな」

山城「キャッスルとかそういうこと? 」

江風「扶桑さンはフーガ君とかだよなたぶン」






加賀「カッガ……クワ…………クアッガ? みたいな名前の動物いたわよね、確か」

能代「絶滅してますけどね。……何とは無しに、阿賀野姉みたいな」

阿賀野「ふーん? クアッガって可愛い動物だったんだね。残念だなぁ~ 」


< 言われたみたいこと言ってみたいこと >








山城「愛してる」

龍田「誰から? 」

雲龍「それとも誰に? 」

山城「勿論扶桑姉さま」

龍田「言いたいの? 」

雲龍「それとも言ってほしいの? 」

山城「当然どちらも」

龍田「あの人へは? 」

山城「愛してる」

雲龍「言われたいわね」

龍田「本当に」

山城「そうね。…………何なのかしら、この虚しくなる茶番」


< 劣等種の騒めき>







雲龍「敗北欲求って誰しも持っている深層心理だと思うけれど」

高雄「まぁ……分からないとは言いませんが」

雲龍「破滅願望にも似た、高雅の失墜からくる、泥濘の快楽」

高雄「表現と方向性がおかしいんですよ、雲龍さんの場合」

雲龍「分からないわね……あんなに気持ちいいのに」

旗風「…………」

提督「や、旗風さ、俺がそういう感情与えてるのかみたいな顔するのはやめ

松風「はぁ」

提督「……やめてよもうなんなのなの」


< 背中とは斯く語りき >








旗風「実際に司令がいたから壊れたわけでしょう? 」

提督「まぁ、確かにそ……俺の存在からして全否定かよ」

旗風「肯定しているんですよ? 等身大のあなたを」

松風「認めないわけにはいかないよね。ここまでのさばってるとさ」

旗風「目につくよね」

提督「そうですか。…………最近新人の皆さんが強く当たってくるんだけど俺何かした? 」


< いつか見たあなたの背中 >







天城『姉様は、何故戦おうと思えるのですか?
天城は闇雲にただ兵士であることに疲れてしまいました』

雲龍『借り物の意志で戦うのは……まぁ、いいか。簡単な話よ』

天城『簡単? 』

雲龍『ええ。あの人が後ろにいるって、帰る場所があるって、
死んではいけないんだって思えるから、戦えるの』

天城『……戦う相手すらよく分からないのに。もしかすれば分かり合えるかもしれないのに。
提督とは分かり合えてなんていないのかもしれないのに』

雲龍『そうね。……でも敵を知り己を知る、っていうのは政治の話なの。
百戦危うからず、っていうのは結果の話なの、天城』

天城『……』

雲龍『ふふ……まぁ、そんなくだらないことはどうでもいいわね。
笑っちゃうけれど、結局は愛なのよ、愛』

天城『……』

雲龍『そもそも、女は帰る場所さえあれば生きていける生き物だもの。
それが弱味になることだってあるけれど、いつだって守り切ればいい」

天城『……』

雲龍『愛が弱さになるほど誰かを愛してみなさいな。
そうすれば、きっと、天城も自由になれる』

天城『……自、ゆう』







雲龍「そろそろわかめ酒がわかめ酒になるようにしたのだけれどした後は剃毛プレ

提督「ばーか」

天城「はぁ…………いえ、ギャップがあるからこそ憧れた、ということなのかもしれませんけれど」


ありがとうございました


< 失楽園の呪法 >








雲龍「あふ……朝から、お風呂なんて」

提督「…………こう、二人で入るとさ」

雲龍「? 」

提督「お互い汚しあって、噛み付きあって、最後に流そうとしてる感じがする」

雲龍「ふふ……流れない、けれどね」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………何があるわけでもないけど、あと、どれだけこうやっていられるんだろう」

雲龍「少なくとも、私たちの時間はゼロじゃ





rrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr……!






提督「出てくるよ。…………どうせ、くだらない電話だろうけどさ」


< no where → now here それとも >







雲龍「……………………冷たい」

雲龍「…………………」

雲龍「…………………」

雲龍「…………………」

雲龍「…………………」

雲龍「…………………熱く入れたお湯なのに、シャワーも浴び直してるのに」

雲龍「…………………」

雲龍「…………………」

雲龍「…………………」

雲龍「…………………」

雲龍「…………………あの人の熱だけが、私を、私たらしめるのね」


< まぁ、仕方無い人は置いておいて、無いと思う>









叢雲「水分はちゃんと摂っておきなさいな。ぶっ倒れても知らないわよ」

江風「ン、そりゃまぁ気を付け……あのさ」

叢雲「何? 」

江風「江風たちって代謝励起したり体内物質弄れるじゃン」

叢雲「そうね」

江風「脱水でぶっ倒れた瞬間に水飲んで励起したら、直るよな」

叢雲「まぁ……そこまでして外でやりたいことがあるなら、いいんじゃないの? 」


< 詰ん出る >








能代「雲龍さんってセンスだとか審美眼は物凄くまともですよね」

雲龍「うん? 」

能代「一昨日いただいたこれ、凄くいいです」

雲龍「たかがルージュで何を」

能代「あなたって、ツンデレってやつですよね」

雲龍「…………」

能代「…………」

雲龍「…………あ、えーっと……あなたの為に選んだわけじゃないん

能代「ま、変則的ですけど……否定なんて、できないでしょうよ」


< 今日も今日とて>








提督「今日監査だってよ。金庫の中身綺麗にしといてくれ」

愛宕「はいはーい。戦闘詳報は? 」

提督「要らん。あくまで収支だとか弾薬関連の話だけだ」

高雄「担当は? 」

提督「お前の知らない華族様。取り敢えず取り巻きが本体だからよろしく」

高雄「了解」

愛宕「いいわねぇ、あなたは華族のぼんぼんとお話ししてるだけで」

提督「一番かったるいんだけどな。
……俺が相手するけど一応女好きなやつだから、注意しておけよ? 」


< やたら自然体でいるものだから >







明石「私の方、っていうか工廠にも入るんですか……面倒ですね」

提督「まぁな。あきつ丸に感謝しとけよ? 」

明石「そうしま……これ抜き打ちの監査だったんですね。
全然気付かなかったし私が忘れていたのかと」


< 色を見て味を確かめる、そんな泉なのです >









赤城「うぅん……最近あまりお料理していなかったせいか鈍った気がします」

GZ「赤城が言うのならそうなのだろう。私は十分に美味いと思うが」

赤城「十分では駄目なんですよ。ただでさえ他の方に食べてもらうんですから」

GZ「そうか。ん……あぁ、やはり美味いぞ」

赤城「まぁ、不味いものなんてつくれませんけど」

GZ「そうだな。……………………しかし、鍋を見つめるあの顔、何故百面相などするのだろうな」


< 今ではそもそも店の数があれですけどね >









鈴谷「ちょ、赤城さんの料理じゃん? しかもカレーの匂いじゃん? 」

GZ「カレーそばというものらしいが」

鈴谷「そばぁ? 」

赤城「夕張さんとお話しした後に大湊のあの人を思い出して無性に」

鈴谷「は、はい? 」

GZ「む? 」

赤城「あの人が滔々と語っていたんですよ。起源だとかイベリコ豚がどうとか」

WS「チーズを散らして最後は米まで入れて。
どう考えても淑女の食べ物ではないのに……何故、美味しいのかしら」


< 本日のお題は >









雲龍「嫌いなやつの名前」

龍田「ふふ……ありふれた名前だったけれど、きっと忘れない名前ね。あの無能将校」

山城「____」

扶桑「……どちらにせよ男の名前なあたり、女らしいというか、なんというか」


< 夕張カレーそばはね、不滅なんですよそりゃあ >








浜風「これはこれで中々」

赤城「私が言うのもなんですけれど、食べますねぇ」

浜風「はぁ」

赤城「私の分が減りそうです」

春雨「でもつくった量が……」

若葉「最初から織り込み済みなんだろう……いや、もういい。若葉は十分いただいたよ」


< 0721 >








提督「そーいや今日はオナニーの日だよな」

雲龍「そうね。見る? 」

提督「部屋の隅っこで勝手にどうぞ」

雲龍「つれないわね」

提督「まぁ、普通に楽しいとは思うけどさ、やっぱ触りたいものなんだよ男って」

雲龍「そ。…………触ってよ、掴んでよ、撫でてよ、抱き締めてよ」

提督「…………」

雲龍「…………」

天城「暑いですね姉様、__さん」

雲龍「そうね」

提督「そう、だな」


< 酒好きのアホさ舐めんじゃねぇよ >








漣「何故にスポットクーラー。普通に部屋に冷暖房完備でしょここ」

初月「何というかな、こういう家電、好きなんだ」

漣「ふぅん……お幾ら? 」

初月「幾らだと思う? 」

漣「あのボトルは買える? 」

初月「買えると思うが……しかしあいつのコレクションだからな、怪しいかもしれない」


< 閉幕 >








愛宕「ふぁ……だるい」

高雄「また面倒な査察でしたね」

提督「あぁ……」

愛宕「……何か、言われたの? 」

提督「あの銀髪の女、寄越せってさ。お前の地位は保証してやるとかなんとか」

愛宕「涼月? 」

提督「あぁ。叢雲のことだったら、一発ぶん殴ってやったのに」

高雄「それはそれで、彼の人の術中でしょう」

提督「ハンッ…………家族ってやつを、舐めるんじゃねぇよ、クソ野郎」


ありがとうございました


< 明けるのは、いつだろうか >







提督「っふぅぉ……ッホァ……」

叢雲「…………」

提督「ゴっ……あぁァッ…………っ」

叢雲「…………くだんないわね」

提督「ッ…………何がだい、お嬢さん」

叢雲「全部よ、全部。あんただけが飲み下して、喉を焼いた何か」

提督「ふん……お前に俺の何が分かるって? 」

叢雲「分かるわよ。あんたが望んだ未来と違うことくらい、全て」

提督「…………」

叢雲「酒飲んで、喉燃やして、自分ぶっ殺して、あんたは何がやりたいのよッ」

提督「…………」

叢雲「あんたはあんたじゃないといけないのよッ。
あんたがあんたらしさを失ったらッ、私は何を信じればいいのよッ」

提督「信じるなよ……俺なんて、ただの中年で、馬鹿で、誰にも信じられなーーーー

叢雲「馬鹿ッ……馬ッ鹿やろーーーー…………


< 明けるのは、いつだろうか >







提督「っふぅぉ……ッホァ……」

叢雲「…………」

提督「ゴっ……あぁァッ…………っ」

叢雲「…………くだんないわね」

提督「ッ…………何がだい、お嬢さん」

叢雲「全部よ、全部。あんただけが飲み下して、喉を焼いた何か」

提督「ふん……お前に俺の何が分かるって? 」

叢雲「分かるわよ。あんたが望んだ未来と違うことくらい、全て」

提督「…………」

叢雲「酒飲んで、喉燃やして、自分ぶっ殺して、あんたは何がやりたいのよッ」

提督「…………」

叢雲「あんたはあんたじゃないといけないのよッ。
あんたがあんたらしさを失ったらッ、私は何を信じればいいのよッ」

提督「信じるなよ……俺なんて、ただの中年で、馬鹿で、誰にも信じられなーーーー

叢雲「馬鹿ッ……馬ッ鹿やろーーーー…………


< 乖離 >






高雄「やめていただけますか。叢雲さんとて、許しませんよ」

愛宕「壊された身として言うけど、この人はこれでいいの」

提督「…………」

叢雲「ッ…………さっすが、殉教者のお二人は違うわね」

高雄「それは、最高の褒め言葉ですよ」

愛宕「狗足りて、それでも足らない、女が女であるために、私が私であるために、必要なの」

高雄「壊れた、壊された、何が主体か、私が主か……瑣末なことです」

愛宕「あなたがこの人に尽くす忠……私からすれば、くだらないことなのよ? 」

叢雲「ーーーー」

高雄「お引き取り、願いましょうか。ここからは…………私たちの、私たちだけの世界です」


< 正しく貧乏クジと言える >








漣「何かこの前珍しくキレてたみたいだけど? 」

叢雲「あいつがあまりにも馬鹿だから思わず叫んじゃったのよ。うるさくして悪いわね」

漣「べっつにー? ご主人様が馬鹿なのも叢雲ちゃんが過保護なのも分かりきったことだしね」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………で、何で怒ったわけ? 」

叢雲「…………また遺書書こうとしたんだけど」

漣「ふぅん? 高雄さんと愛宕さんが見つけ次第処分してる? 」

叢雲「ええ、思い付いたみたいな顔で嬉々として私に預けようとしてきたの。
もう少し機嫌悪い日だったら張っ倒してたわね」

漣「なるほど。……………………まぁ、それくらい許してあげて、とも言えないね。
でも、じゃあ許さない理由って何よって訊いても変に惚気みたいなこと言われそうだしなぁ……うぅん? 」


< 親しき中にも >







漣「さすがに不用意じゃねぇですか、ご主人様」

提督「や、マジな顔して渡したら本気で心配されそうだろう? 」

漣「本気で心配する相手だからあんなことされたら怒るんすよ? 」

提督「御尤もではあるんだが」

漣「多少の居心地の悪さとか精神的負担とかには甘んじないと。
何でも気軽に頼めるってわけじゃねぇんですからね、逃げないで向かい合ってください」

提督「ん……あ、そうだ

漣「漣は預かってもいいっすけどね。遺産は全部漣に遺すよう書き換えますから」

提督「いいぞ」

漣「はぁ……」

提督「……」

漣「……謝ってきてくださいね、ガチで土下座でも何でもして」

提督「おう。……世話、かけたな」


< 嫁が一人ならね? 趣味が星人じゃなければね? >







漣「まぁ、今ちょっと暑過ぎて真面目な話ししたくないんでいいっすけど……そーいや」

提督「うん? 」

漣「漣が女だからでしょうけどね、脳死状態のおっぱいアニメとかクソも面白く感じねぇんですよ」

提督「お、おう……? 」

漣「でもまぁそれはいいんです。正直どうでもいい」

提督「はぁ……? 」

漣「問題なのはですね、何だか最近いつもリアルでそれ状態なご主人様も十分脳死状態なんじゃねぇかって」

提督「いや、お前そんなことは無……うーん」

漣「ね? 」

提督「…………」

漣「…………」

提督「…………や、よく考えたらそれでいいだろうが。嫁に溺れて何が悪……うぅん? 」


< まぁ、1%くらいは冗談 >








鈴谷「那珂ちゃんと金剛って割と同じポジションだよね、弄られ方」

那珂「えぇ……那珂ちゃんちょっとそれは許容できない。無理無理」

金剛「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛? 」

那珂「那珂ちゃんはね? アイドルなの。百歩譲ってバラドル、千歩譲って売れないアイドル。
このヒトと同じは百万歩譲っても無いなー」

鈴谷「気持ちは分かるけどさ」

金剛「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛? 」


ありがとうございました


< 私を私として見てくれるあなたをあなたとして見ること >







提督「フ-……だる」

龍田「フ-……そうねぇ」

山城「フ-……嫌んなるわね」

提督「…………女の子がんなもん喫むなよ」

龍田「女の子だと思ってくれてるわけ? この状態で? 」

山城「上官様と面倒な同僚との付き合いみたいなものよ」

提督「そうかい。…………昔からの知り合いがさ、変わらず憎まれ口叩いて睨んでくれるとか、幸せだよな、俺って」


< 最高だぜ >







提督「嫁を選ぶのに戦力とか知らんわ関係無ぇ……とか思ったんだけどさ」

山城「あなたのこと除いても大概強いわよあの二人」

龍田「基本スペックが高いのよね。成長は兎も角」

提督「お前ら二人とも所謂改二ってやつだもんなぁ」

龍田「そうね」

山城「くだらない話」

提督「…………」

龍田「フ-…………センチになってるなら、話くらい聞くけど? 」

山城「今夜は十四代持って龍田の部屋に来なさいな」

提督「あぁ。……………………まったく、お前らってやつは……ーーーー


< 偶然とは誰かの作為、なんて聞きましたけれど >







Pola「あら~失礼ですね~……シラフですよぉ~ 」

金剛「誰デース! こんな女に朝から酒飲ませたやつ」

那珂「那珂のセリフだよ……飲ませたの自分じゃん」






鈴谷「酷い……誰? あんな状態にしたの? 」

時雨「偶然じゃないの? …………龍田か山城でもいれば分かりやすいお遊びだけど」


< まぁ、ピアスとかタトゥーじゃないだけ…… >







明石「女が水着を脱いだときに」

提督「あぁ」

明石「日焼けがあればそれは日焼けを着ているといえるのでは? 」

提督「なるほど……や、でも日焼け跡を着ているんだろう? 」

明石「いやいやいや、日焼けを着てるんですよ」

提督「あぁん? 」

明石「うぅん? 」

瑞穂「明石さんの為なら喜んで日焼けくらい着ましょう」

提督「ひゅー、いい彼女」

明石「…………」


< どこの何のアイドルなんだ、とか >






Aquila「はーい、Zaraのところに帰りましょうねぇ~ 」

Pola「やーですぅー……お酒取り上げられちゃいますよぉ~ 」

金剛「あぁ、もう……私の袖引っ張らないでくだサーイ」

那珂「そんなんで酔えるとか幸せだね」

鈴谷「? 那珂ちゃん飲めたっけ? あんま見たことないけど」

那珂「お酒に弱いと言うのは女の子、お酒に強いのはアイドルの必須能力なのです! 」

浜風「そんなわけ……」


< 私が私であるために >







春雨「いいんじゃない? これでも那珂さん、宴会の後片付けとかいっつもしてるよ? 」

浜風「へぇ……? 」

那珂「当然でしょ。できるヒトができることやるのなんて。
そこにアイドルとかそういうの、関係無いもん」

浜風「なるほど? 」

那珂「そもそもアイドルっていうのは偶像なの。
誰からも好かれて、褒めそやされて、愛されなきゃいけないの、分かる? 」

浜風「分からないわけでもないですけど……」

那珂「何にもしないで愛される程那珂ちゃんは天才じゃないから。
自分のやりたいこと、したいこと、見てほしいところなんてちゃんとやらなきゃいけないよね? 」

春雨「そうですね」

那珂「ね? 」

浜風「…………」

那珂「…………」

浜風「…………Polaさんが腰に掴まってなければ、ストレートにカッコいいのですけれど」

Pola「あはぁ~? 」


< 怖い >







赤城「いい加減にしなさい。彼女も迷惑がっているでしょうが」

Pola「はい」

那珂「は? 」

浜風「え? 」

春雨「うぇ? 」

Aquila「まったく……すっかり飼い慣らされてしまって……Aquilaの話も聞いてほしいところですけれど」


< 茶飯事とか恒例という程のものでもないが >







愛宕「青森って結構大きな花火あるじゃない」

高雄「みたいね」

愛宕「たぶん頼んだら連れて行ってくれるし頼まなくても皆で行くと思うの」

高雄「要は付近の海上にいればいいわけですものね。
装備だって虚数空間から呼び出せば一戦くらいはいけるし」

愛宕「うん。…………何となくだけど、また誰かがアレなことすると思うのよね」

高雄「アレ? 」

愛宕「最初はあの人が私の為に、次は雲龍が天城の為に」

高雄「あぁ……いやに目に浮かぶ光景ね。誰も気にも留めずに肴にするところまで」


< 心算が積もってあら不思議 >







雲龍「ふふ……取り敢えずは、人外の化け物から男と共依存する間抜けに昇格したわね、扶桑も」

山城「昇格っていうのかしらねそれは」

雲龍「まさかピュアな乙女から腐った阿婆擦れに降格したとか言うつもり? 」

山城「恣意的過ぎるでしょうどちらも。
精々馬鹿な女が分かりやすい馬鹿になっただけよ」

雲龍「あとはあなたと龍田だけね」

山城「ふん…………今更昇格するつもりも無いし、どうかしらね」


< 生き残るという惨劇まで含めて >








龍田「寡兵の戦い方ねぇ……加賀さんにでも訊いてきたら? 」

能代「意味が無いでしょうそれでは。
加賀さんが歴戦の傑物といっても航空母艦なのですよ? 」

龍田「そうでもないんじゃない? 艦船ならいざ知らず、
私たちの場合孤立してもそのまま継戦する可能性があるわけだし」

能代「それなら尚更ですよ。加賀さんが孤立状態に陥るって何の冗談なんですか」

龍田「まぁ、確かに。この国どうなってるのかしらね、そんな状態になるとき」

能代「下手をすると赤城さんも二航戦も五航戦も雲龍さんたちも皆いませんよ」

龍田「そうねぇ~……でも尚更こう話してると寡兵の戦い方、考えておいた方がいいのかもしれないわね」


< 蝙蝠っていうのは暗い所を好むものなのですがね >







加賀「そこはあれね、我らが少将閣下がそんな状況にはさせないわ」

提督「俺にそんな権限は無ぇが」

加賀「何を馬鹿な。野心が無かろうが元帥の狗だろうが一応は警備府の長でしょう」

提督「狗ってのを舐め過ぎだぜ君は」

加賀「あら、私はあなたの牝犬だもの。言いつけの大切さくらい理解しているつもりだけれど? 」

提督「は? 」

加賀「それに、歯向かうタイミングの大切さも」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………八方美人を極めたと言うのなら、蝙蝠くらい修めているでしょう? 」


< お互い何を言っているのか段々分からなくなる時間です >






山城「ふぅ…………ん」

提督「はいはい」

龍田「酌婦的能力なら天龍ちゃんより上よねあなた」

提督「せめたバーデンダー擬きと言ってもらいたいところだな」

山城「帝国海軍の高級将校ともあろうお方がバーテンダー如きに憧れるとはね」

提督「心にも無いことを。……バーテンダーであいつら養えるなら、会えるなら、今すぐなるぜ俺は」

山城「当然じゃない」

龍田「お仕事より女とかこの国の人間らしくないわねぇ~」

提督「ふん…………らしさ、とか要らねぇよ。俺は、俺なんだからな」


< そろそろお開き >






龍田「ネタでもなく訊くけど、あなた本当に扶桑と寝られる? 」

山城「愛ってそういうものでしょう? 」

龍田「本気で? 」

山城「本気で。姉様が覚悟してくれたとして、それに応えられない私なんて要らないわ」

龍田「あぁ、そうなの……」

山城「あなたこそ天龍と寝られないとか本気? 」

龍田「天龍ちゃんから求められても無理だと思うわ。
想いがあなたに負けているとは思わないけれど」

山城「……そ」

提督「フフ……怖いわ、お前ら」


< 吐き出す(not物理)ことを許してください >






提督「割と前から加賀ってこの国に喧嘩売るようなこと言うんだけどどうしたものかな」

龍田「放っときなさいよ。加賀さん馬鹿じゃないんだから」

山城「同感。加賀さんが馬鹿になるのはあなたか赤城さんの前だけよ」

提督「…………」

龍田「それとも何? 自分と自分の女の為に密告でもしたいわけ? 」

提督「そうじゃない、そうじゃないが……」

山城「加賀さん呼ぶ? 今なら証人が二人いるわよ? 」

提督「要らねぇよ。…………単に、心軽くしてほしかっただけだし」


ありがとうございました


< お互い身体伸ばして天井でもぼんやり見ながら >







龍田「ふぁ……私が言うのも何ですけどぉ、よくこんな早朝からお風呂来てますね」

加賀「日課みたいなものよ。弓を引いた後はここに汗を流しに来るの」

龍田「なるほど」

加賀「ん…………本気で、妬けるわ。あの人と山城と飲んでいたのでしょう? 」

龍田「あの人はいいところで帰りましたよ? 」

加賀「そういうところよ。そのまま済し崩しに絡まるわけでもない。
お互い意識し合いながら、友人として親しくあれるところ」

龍田「うーん……」

加賀「困った顔なんてしないで。余計虚しくなる」

龍田「本気で分からないんですけど……うぅん?
まだ踏み込めないから、分からないのかしらね」


< 別れて元気になるくらいならまぁ…… >







愛宕「離婚すると男は寿命が十年縮むとか」

提督「まぁ、そりゃこんだけ好きな人と別れたらな」

愛宕「あと生涯未婚でも寿命は短くなるとか何とか」

高雄「あぁ……いつまで経っても結婚できないのはつまりそういう」

提督「違う」


< 敬ってね☆ >







能代「お姉様? 」

阿賀野「違う」

能代「姉さん? 」

阿賀野「んーん」

能代「姉貴? 」

阿賀野「んー! 」

能代「姉ちゃん? 」

阿賀野「んーっ! 」

能代「阿賀野姉ぇ? 」

阿賀野「ん、結局そ

能代「お姉、ちゃん……? 」

阿賀野「それだ! 」

能代「なるほど? 」

伊14「……えっ? 」


< たぶんカナッペとかその辺 >








山城「持ってきたわよ、つまみ」

龍田「はいはいありがと、だぁりん」

山城「あ? 」

龍田「不満? んん……Thanks a lot,my sweet heart ♥︎ 」

山城「死ね」

龍田「あらあら……これ何? 」

山城「つくりに行ったら江風が悪戦苦闘してたから感想訊くの条件に貰ってきたの」

龍田「そう……Fuck you! Yamashiro? 」

江風「ふざけンなよ!そこまで言うこと無ぇじゃン? 」


< 適当なヒト、楽をしたヒト、巻き込まれたヒト >







龍田「はいはいそーりー? 申し訳無いデース? 」

江風「無駄にテンション高いなおい……やたら酷くない? 」

龍田「江風ちゃんには悪いけどね? 私は山城の料理を頼んだわけ」

江風「言いたいことは分かるけど。……不味かったら山城さン責めてよ」

龍田「しないわよ。ちゃんとあなたに言わないと意味が無いもの」

山城「まったくね」

江風「お、おう……? 」


ありがとうございました


< 違う、違うんですよそれは…… >







提督「かったる……もうあいつら金とかで買収できねぇものか。
次から次へと新しいやつが出てきやがる」

明石「さすがにできない……でしょ、でしょ? 」

提督「ちょっと詰まってんじゃねぇか。できねぇか? 」

明石「ぽーんと一人頭一億くらいでいけたら楽ですよね」

提督「あぁ……」

明石「……何かあったんですか? 」

提督「や、未だにあの縦セタおっ

明石「馬ッ鹿じゃないんですか……? 愛宕さんとかに着てもらえばいいじゃないですか」


< 塵も積もれば >







漣「あんなのに一億とか使うんなら漣にぽーんとくださいよー」

提督「メリットは何だよそれ」

漣「一晩付き合っちゃいますよ? 」

明石「一夜一億の女とかそりゃあ物凄そっすね」

提督「要らねぇ、ってーかお前別に頼んだら一緒に飲んでくれるだろうが」

漣「だからほら、今までのサービス代、ちょーだい♥︎ 」

提督「いいぞ」

漣「えっ」

提督「その代わり……あー、明石くん。俺との一晩に幾らまで出してくれる? 」

明石「あー、一億と五千円くらいっすね」

提督「だそうだ」

漣「……やっぱいいっす。寛大な漣ちゃんに感謝してくださいよ? 」


< 苗床とか言われるよりはまぁ気分も >







漣「あ、それと振り撒くのは愛想と金だけにしてくださいよ? 」

提督「他に何振り撒くんだよ。笑顔とかそういう話か? 」

漣「や、ほら種とか」

提督「もう駄目だなそれ」

明石「撒いてるというか土の方から吸収しにきてるというか……いや、私は違いますけどもね? ね? 」


< 気の所為ですって >







龍田「どうでもいいけどここってキャラの幅狭過ぎない? 」

山城「仕方無いじゃない。腐ったボスのアレな好みなんだから」

天城「江風さんだとか涼風さんがとても貴重ですよね」

龍田「信じられるかは別としてね?
清楚キャラとかお堅いキャラとか熱いキャラとかが必要だと思うの」

山城「例えば? 」

龍田「榛名ちゃんと那智と嵐ちゃんでどう? 」

天城「どう? って言われても……まぁ、少なくとも那智さんはすぐ溶け込みそうですね、
何故とは言いませんけれど」


< さぁ? 抱き締めてみれば、分かるかもね >








山城「榛名が清楚とか那智が堅いとか笑わせてくれるわね」

天城「またそうやって多方面に喧嘩売るようなことを言う……」

龍田「キャラ、キャラだから。内面とかは今話してないから」

山城「これの方がよっぽど喧嘩売ってるじゃない」

叢雲「というか内面の話ししたらあなたたちなんてどうなるのよ」

龍田「だからしてないって言ってるでしょう?
騙し通して幸せに溺れさせてあげるわよ」

海風「何でそんな変なところだけ主張す……そういうキャラ、ってことなの? 」


< どうせなら >







雲龍「…………」

明石「あれ、無駄に機嫌悪そうですけどあの人掻っ攫われたりしました? 」

雲龍「当たり」

明石「誰? 」

雲龍「Littorio。どうせなら着いていけばよかっ

瑞穂「あっ、明石さん丁度よかっ

雲龍「…………ど・う・せ・な、ら、明石以外も知ってみない? あなた」

瑞穂「はい? 」

明石「どうなっても知りませんからね私は……」


ありがとうございました


< 堕淫の夜明け >








瑞穂「はふ……もう男性なんて要りませんね」

明石「いきなり何言ってんですかあなた」

瑞穂「こんなに気をやる程気持ちいいなんて……嗚呼。
女がいればそれでいいです、それがベストです」

明石「はぁ……? 」

瑞穂「愛はただ一人に向けるものですけれど……肉の喜びは二人以上でもいいんですね」

雲龍「…………Zzz」

明石「たった二晩目でこれって……………………割と最初は嫌がってる風だったのになぁ」


< 一人にくらいさせてください >








明石「ふぅ……あぁ、瑞穂さんすみません」

瑞穂「はい? 」

明石「ちょっと、姿勢変えます」

瑞穂「んん……手、離しちゃ嫌です」

明石「一瞬でしょうに……はい」

瑞穂「んぅ……♥︎ 」

明石「…………」

瑞穂「…………お風呂っ」

明石「お先にどうぞ……あぁ、着替え用意したら行きますから、ね? 先に、どうぞ? 」


< あり得ないということがあり得ないのです >






明石「まぁ、恐るべし雲龍さんというか憎むべし雲龍というか」

雲龍「…………Zzz」

明石「ってもこれで寝取られた気分にもならないのは瑞穂さんのお陰なのか」

雲龍「ん…………Zzz」

明石「それとも雲龍さんのあの人への執着を見ているからか……」

雲龍「…………ぁ、Zzz」

明石「…………」

雲龍「……ぅ……………………Zzz」

明石「…………終局があの人でも、引鉄は自分だからなぁ……やんなっちゃう、あり得ないよね、これ」


< 自暴自棄というか、面倒? >






明石「…………雲龍さん」

雲龍「…………Zzz」

明石「雲龍さんっ……雲龍さんってばっ! 」

雲龍「………………………………ん? …………なに? 物凄く眠いんだけど」

明石「あなたの所為ですよあれ。サイコレズに進化したらどうするんです」

雲龍「知らないわよそんなの。頑張んなさいな」

明石「いやいやいや……あなたそれは無責任ってものですって」

雲龍「取り敢えずあの人の所為にしておきなさいな。万事なんとかなるわ」

明石「まぁ、あながち間違いでも……」

雲龍「……あと二時間」

明石「いいですけ……いや、帰ってシャワー浴びてきてくださいよ。
牝臭いにも程がありますからね?
ただでさえクソ暑いんですから、ほらほら、いった! もうっ! 」


< 深奥を知らなければどうということは >








江風「…………この前さ、大湊周辺の視察に来た将校が挨拶に来てたじゃンか」

初月「あぁ、あいつも着いて行って飲んだ挙句つまらないの一言で切り捨てたやつな」

江風「うン。で、女好きってーかなンてーか高雄さンのこと露骨に見てたンだよ、あの将校」

初月「ある程度は仕方無いだろう。男はそういう生き物だ」

江風「や、高雄さンもある意味慣れてるとは思うけどそうじゃなくて」

初月「? 」

江風「高雄さンの本性を知ったらフツーの男ってさ、
是が非でも欲しくなるのかそれともドン引きするのか、どっちだと思う? 」

初月「む…………ん? 」

江風「しょーじきさ、サッと離れていくような……うン、江風だけの感想じゃねーよな? な? 」


<何事も少し無理をして視点を変えてみれば >








天城「姉様がマゾなのってあの人の見た目の所為だと思いません? 」

加賀「はい? 」

天城「筋肉質で身長が高いでしょう? それから目つきも若干鋭い方ですし」

加賀「まぁ、サドっぽい見た目、と言われればそうかもしれないわね」

天城「だから、あの人が気弱で軟弱でメンタルだけが強い人なら……」

加賀「考えられないけれど……あぁ、確かに、今の雲龍は、あの人の容姿に左右されているのか、も? 」


< 前振り:序 >








提督「テニス行くぞお前ら。強制参加ではないけど適当なレクだ喜べ」

漣「喜べねーですよクソ提督殿……このパワハラクソ上司」

提督「じゃあ水着水鉄砲大会にするか」

漣「面倒くせぇですねぇ……スイカ割りくらいなら乗りますけど? 」

提督「じゃあそれで。……明石ー、デカいスイカ買ってくるからトラックの用意しておいてくれ」

明石「はーい! 」

初月「スイカ割りか……感覚を鋭敏に励起すれば……いや、つまらないけどな、それだと」


< イメージ:破 >








初月「というか何故トラックなんだ。どこか行くのか? 」

提督「海辺くらいは行かないとな。タープとか椅子持ってかないとならねぇし」

初月「そうか。……水着でいいか? 」

提督「いいぞ。なんなら推奨だ」

初月「だってさ、姉さん」

涼月「え、着ないけど? 」

提督「まぁ、それでもいいさ」

涼月「ですよね? 」

初月「僕もいいが。…………あんなに鏡の前でポーズをとっていたのに、変なところで恥ずかしがるんだな」


< Q:何故、黙ってしまったのか? >







涼月「シーッ」

初月「いいじゃないか姉さん。あいつに見られるのが余程嫌なら話は別だが」

涼月「だって嫌でしょう? 他の方から媚を売ってるとか思われるの」

初月「そうだが……今更誰も何も思わないだろう、あいつだぞ? あいつ」

漣「エロエロ大魔王の変態クソ野郎ですからねー、あれ」

涼月「だとしてさ、水着なんて、恥ずかしいものでしょう? 」

初月「分からないな」

漣「まーねー? 漣ちゃんも美少女だし分っかんないなー? 」

能代「阿賀野姉ぇは無理しなくていいからね? 」

阿賀野「」


< 悪意なんてございませんことよ? >







Littorio「別に何の問題も無いかと」

雲龍「無いわよね」

山城「無いわね」

愛宕「ヘアとかなら兎も角ねぇ」

加賀「運動もしてるでしょう? あなた」

龍田「気にしなくていいのよぉ~? 私たちが太鼓判押すもの」

阿賀野「だ、だよ

能代「だ、駄目、駄目だから阿賀野姉ぇ……この人たちのスタイルと並ぶのきついから本当。
着るなら阿賀野姉ぇだけね? 能代は、嫌だよ? ねぇ……? 」


< シン:福音の反面教師 >







Littorio「あの、割と真面目に何の問題も無いと思いますけれど」

能代「そりゃか私もそうは思いますけどね、阿賀野姉ぇは無駄に繊細なんです」

Littorio「そう? と、いうよりはあなた仲間が欲しいだけでしょう? 」

能代「…………」

Littorio「…………? 」

能代「…………女として何か、最後のラインというか? 」

Littorio「分かりますよ? 分かりますけれど……それは、負けとしか、ね? 」

雲龍「まったくね。……あ、どうせならセクササイ

能代「努力しますね。これを、糧にしましょう、ええ」

雲龍「…………」


< 特別ルールでございます >








明石「私特製の五感のほぼ全てをシャットアウトする“ スッゲーヘッドセット”を使っていただきます」

旗風「ネーミング……」

松風「しかもこれヘッドセットというよりフルフェイスのヘルメットじゃないか」

涼風「お? おぉ? おっ? これすっげー! どんなに頑張っても何にも感じねー! 」

伊14「そーなの? 貸して貸して…………すっごーい! 何にも感じない! 」

明石「えっへんっ! 」

扶桑「技術は凄いけれど……聴覚はまともじゃないとスイカ割りにならないんじゃあ……」

明石「あ……」


< 何か文句でも? >







明石「ま、ふっつーにこれ聴覚だけまともにする機能もあるんですけどね」

江風「マジかよ……なンだこれすげぇ」

愛宕「で、最初は? 」

提督「My sweet heart 叢雲ちゃーん? 」

叢雲「うっさいわね気色悪い……あっ、そんなきつく締めるんじゃないってばっ! 」

漣「いいからいいからー。お姉さんに任せなさーい? 」

高雄「水着を着てサンダル履いて日焼け止めを塗って棒の素振りをして……ノリ、いいですよね叢雲さん」


< お約束というか何というか >







叢雲「指示、頼むわ」

龍田「まっすぐまっすぐー」

山城「少し右、あぁ、あと少し」

龍田「まっすぐまっすぐー」

山城「少し右、あぁ、あと少し」

龍田「まっすぐまっすぐー」

山城「少し右、あぁ、あと少し」

龍田「まっすぐまっすぐー」

山城「少し右、あぁ、あと少し」

龍田「まっすぐまっすぐー」

山城「少し右、あぁ、あと少し」

龍田「まっすぐまっすぐー」

山城「少し右、あぁ、あと少し」

叢雲「…………」

龍田「二、三歩くらいしか歩いてないよー? 」

山城「あなたやる気あるの? 」

叢雲「や、や…………やってられるかぁぁぁぁ! 」


< 改めまして >








涼月「まっすぐでいいよ、一歩一歩」

涼風「少し左だ、十一時の方向微調整」

天城「駄目です、十時修正」

雲龍「行き過ぎね、さらに十一時」

Littorio「えーっと……その歩幅であと散歩前へ」

伊14「そのまま、振りかぶって! 」

叢雲「ッ……ハッ! 」

江風「真剣白刃取りぃぃぃぃ! ……やあっ! 」

海風「成功だね! 」

漣「っしゃ! 」

叢雲「だからっ、ざっけんなっ! 天丼とか面白くないんだからぁぁぁぁ! 」


< タープテント組はその頃>






提督「アホかあいつら……」

高雄「いいじゃないですか、これで」

提督「まぁな……ほい、切ったぞ」

高雄「ありがとう。…………んぅ」

提督「垂らすなよ? 水着だけなら兎も角白Tに垂らしたらみっともない」

高雄「あなたはその方が? 」

提督「よくない。……みっともないとエロいは違うんだぜ? 高雄くん」

天城「白のTシャツを自分から持ってきた時点で怪しいですけれどね……」

提督「嫌? 」

高雄「別に。……その手にある水鉄砲を見ればやりたことは分かりますけれど」

伊13「イチャついてないであれ……
あぁ、叢雲ちゃんキレて江風ちゃん追い回して……っ、いったそう……嗚呼」


< まだまだ始まったばかりですから >






叢雲「はぁっ……はぁっ…………ここで、いいのね? 次は無いわよ? 」

江風「いいって……そこジャストだぜ。…………いてぇ」

海風「棒で横薙ぎってスイカ割りじゃないよね」

瑞穂「ケラケラ笑ってる場合じゃ……瑞穂も加担しましたけどね」

叢雲「っと……せいっ! 」

龍田「お、やるじゃなーい。クリーンヒット? 」

扶桑「また物凄く綺麗に……薙刀だか槍の効果? 」

提督「シートごと持ってこい。綺麗にカットしてやるぞー」

叢雲「んんっ……あら、いいじゃない我ながら」

山城「じゃあその調子で残り、頼むわね? 」

叢雲「は? 」

提督「スイカはあと七つあるからなー。頑張ってくれー! ……うん? 」

叢雲「…………あんた、頭スイカにしてほしいのね?
そうなのね? そこに立っ……待ちなさいな馬鹿男っ! 」


<たのしいなつやすみ >







龍田「ん、おいし……そういえばスイカ割りって」

山城「? 」

龍田「時と場合によってロボトミーとか殺人の隠語になるのよねー」

山城「そ」

龍田「…………」

山城「…………」

提督「おーい! そこのお前らー! 助けろよー! 」

叢雲「待ちなさいな! このっ、このおっ! 」

漣「いけいけー! 水鉄砲で加勢してやりますよー! 」

龍田「…………」

山城「…………」

龍田「…………平和ねぇ~ 」

山城「そうね」

愛宕「そんなわけ……まぁ、これがいつまでも続けばとは、思うけど」


ありがとうございました


< 実際は弘前でねぷたが始まってますよ! >








提督「おっぱいの日っすよ高雄さん」

高雄「だからなんだっていうんです」

提督「明日はパンツの日です」

高雄「はぁ」

提督「明後日は……明後日は? 」

天城「秋田の竿燈祭りですね」

提督「…………」

雲龍「この人はね、ハチミツの日って言ってほしかったのよ?
えっ? ハミチツ? って返すために」

天城「だからですよ……ガキなんですか姉様もこの人も……」


< 愉快な家族 >








愛宕「寝顔だけなら天使なみなさーん? 」

山城「何よ淫乱」

龍田「あら、あなた寝顔すら醜いの? 」

扶桑「歯軋りとかそういうことかしら」

愛宕「ね? 一言何か添えただけでこの有様でしょう? 」

能代「酷いですね。……愛宕さんも大概だとは思いますけど」


< おい馬鹿やめろ待て待てお前あぁぁっ! …………嗚呼……>








提督「山崎の12年でハイボールとかお前……えぇ」

江風「ンえぇ? テートク飲まないの? 」

提督「飲む、飲むけどな……あぁ、どうも」

江風「美味いだろ? 江風が入れたンだからさぁ~ 」

提督「…………そう、だな」

叢雲「…………私が代わりに、張っ倒しましょうか? 」


< アル中と、笑いますか? >







天城「」

松風「あれはそんなにショックを受けることなのかい? 」

雲龍「価値そのままを見れば、ね」

松風「ふぅん? 」

雲龍「江風が誰かと寝ていて膜が無ければ、天城もヤり返して消化するのだけれど」

松風「……ふぅん? 」

天城「や、やりませんって……やりませんってば…………でも、本当にあれは、冒瀆ですよぉ……」


< 無垢への諦めとも言えるが >








阿賀野「はははっ、提督さんパパみたいな顔してるー」

加賀「…………あれで済ませるあたりがあれの凄いところよね」

Littorio「まぁ、お金ならありますし……でも、そうですね」

涼風「馬鹿にも程が……いや、分かってやってるよりはそりゃあ、マシではあるけどさ」


< 美味しいので是非 >







高雄「トリチリです」

提督「うぅん? 」

高雄「エビが無かったので」

提督「あぁ……ありがとう、美味いよ」

高雄「当然です」

提督「うん。……こっち、高雄も食べな」

高雄「はい」

江風「うぇへへ~……もう一杯ハイボー痛っ、いったいよ姉貴ぃ襟締まったら息できな吐く戻すぅ……」

海風「はいはい帰るよ」

能代「あれは回収しますので。後はごゆっくり」

高雄「ありがとう」

提督「や、別にいても……ん? ……うん、ありがとう。海風にも言っておいて」


< 堕ちた者勝ち負けた者勝ち>








加賀「もしあぁいうときにあの人がフリーだったらいってみなさい」

旗風「はい? 」

加賀「優しくあろう怒らないようにしよう、
って自己暗示かけてるから物凄く優しいわ」

松風「あぁ……高雄さんの目つき見れば分かるよ」

愛宕「あのままベッドまで持ち込む気ねぇ~……。
折角水着着たのにあんまり見てもらえなかったみたい」

初月「ほら、健全な女は男に、少なくとも愛する男には見てもらいたいものらしいぞ? 」

涼月「知らないよそんなの……あんなヤニ下がった顔で見られても困るし」

旗風「だよね。…………あれが嬉しくなるなんて、すっごい幸せな気分なんだろうけど、さ」


ねぷたは暫く続くのでよければどーぞ

ありがとうございました


< サマータイムかな? >







提督「あったま痛ぇ……高雄、おっぱ





rrrrrrrrrrrrrrrr……!





高雄「お電話ですね」

提督「プライベート用のスマホだぞおい……この朝から」

高雄「誰です、また例の酔って変な電話を掛けてくるお友達ですか? 」

提督「非通知」

高雄「緊急かもしれませんね。こんな時間から詐欺も無いでしょう」

提督「さぁ……はい、__…………

高雄「…………」

提督「…………いえ、私には必要の無いものですので、はい。
申し訳ありません、ええ、ありがとうございました」

高雄「…………? 」

提督「…………マジに詐欺だったわ。融資についてとか宣ってきたぞ」

高雄「…………暇なんですね、朝の七時前から」


< 暑いからね、頭もね、仕方無いね >








高雄「というかあなたもさらっと変なこと言いかけませんでした? 」

提督「あ、そうだそうだ。高雄? おっぱい出なっいってぇっ!
結局言わせてくれてなっっ、痛い! 」


< 溜息一つ、苦笑散らして >







提督「ってぇ……でもな、高雄」

高雄「この暑いときに何です、粘りますね」

提督「噎せ返るような暑さも、纏わり付く汗も、高雄がいてくれるだけで変わるんだよ」

高雄「それは私ではなくて私の胸では? 」

提督「暑さも高雄といれば気にならない、汗も高雄と混ぜ合えば流れるままに」

高雄「はぁ……」

提督「…………」

高雄「…………お仕事は、ちゃんと終わらせないと駄目ですよ? 」


< 個性って大事だね(適当) >








初月「天城さんですらフルスイングで匙を投げ飛ばすなんて有り得ないだろう」

雲龍「そう? あの子結構ドライなところあるけれど」

初月「それは雲龍さんに対してだけだ」

提督「いや、俺にも当たり強いが」

初月「お前はまた別だろう」

明石「私にも最近は」

初月「瑞穂さんを堕としたからだ」

龍田「あら、私にも最近酷いのよぉ~」

初月「それは龍田が龍田だから」

山城「私も久し振りに再会してからは」

初月「だから……ーーーー






高雄「例外的存在ばかり集まっているというか何というか……いえいえ」


< 仰ぎ見て >







愛宕「でもおかしいわよね、昼前に明らかお風呂上がりで出てきた高雄に辛辣じゃないのは」

高雄「あなたにもじゃない」

愛宕「まぁね」







天城「……………………この空間で高雄さんたちに逆らう蛮勇は有りませんよ、さすがに」


< 暑いのだけは駄目なんですよ >








雲龍「暑い……身体溶けるんじゃないかしら」

明石「雲龍さんそんなカッコしてるんだからまだいいじゃないですか」

雲龍「あなたもすればいいのに」

明石「や、私にもなけなしの女とプライドがあるんで」

雲龍「そう…………暑い」

明石「ですねぇ……」

山城「…………テーブルに氷枕置いて突っ伏して氷水入れたバケツに足突っ込んで」

龍田「すっごくダサい……」


< 冷えピタとかよりはまぁまだ >








雲龍「あの人にさえ見られなければいいのよ、最悪」

山城「女に見られる方がある意味女捨ててると思うけれど」

雲龍「女って言ってもあなたたちでしょう? 今更どうでもいいわ」

龍田「そこがあなた凄いというかおかしいところよね。
江風ちゃんだとかイヨちゃんならまだいい、なら分かるけれど」

雲龍「あなたたちに取り繕ってももう遅いもの」

扶桑「それでも……淑女とはいかないまでもせめて女であることは常に覚えていてほしいものね」


< 二次キャラのデザインについて >







提督「あり得ないサイズのおっぱいとか髪色はもういいよ、慣れた」

漣「胸は兎も角漣とか余裕で存在しちゃってますからねー」

提督「おっぱいはほら、夢が詰まってるって無理矢理思うことにしたし、
髪色は染めればまぁやってやれないことは無いよな」

漣「わざわざこの色とか馬鹿でしょ。
外行ったら帽子ありでもジロジロされたり小馬鹿にした顔されてますからね」

提督「どうもできないけど、何か悪いな」

漣「いーえ? クスクスされてるのって大体ご主人様ですし」

提督「は? 」

漣「アホな父親だと思われているんでしょーねー。
こんな髪色に、とか。あっはっは! よっ、馬鹿親父ー! 」

提督「…………」


< お前は違う、というわけでもないが >








提督「ま、まぁ、いいや。……二次キャラって何でやたらめったら髪が長いんだ。
床掃除でもしたいのか? 歩けなくならないのか?
あれどうやって結ってるんだ? つーかロリであの長さとか一回も散髪してないのか? それから

雲龍「うん? 」

提督「…………いや、別にお前に言ってるわけではないんだけどな……うん、でも何か認めたくない俺がいるよ」


< あんなに簡単なら逆に怖い。皮膚とかどうなるんだ >








雲龍「ネットの広告で」

天城「ええ」

雲龍「飲むだけで2カップUP! とか誰々も愛用中の! とかあるでしょう」

天城「ありますね。……姉様、万が一にもこれ以上大きくなったらどうするんです」

雲龍「私は使わないけれど……男に使ったらどうなるのかしら」

天城「はい? 」

雲龍「大胸筋の大きさもあるし、女性ホルモンの投与で大分変わるみたいだから」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………さすがにそんな悪ふざけしたら天城も絶え

瑞穂「ふふ……」

明石「…………雲龍さんって本当余計なことしか言わないですよね」


< これでも最近は緩い方なんですよ? >






雲龍「えぇ……今のは私が悪いの? 」

天城「そうですよ明石さん。
姉様は馬鹿のピンク頭ですけれど、
瑞穂さんがあれを実行したら躾けておかない明石さんの責任ですからね? 」

明石「」

雲龍「…………」

旗風「…………飼い主とかそういう話? 」

Littorio「よく分かってきているじゃないですか。前途有望ですね」

松風「とてもそうとは……いや、司令の近くに暫くいるなら必須の生き方かもだけどさ」


< ソファというお城 >






提督「ふぅ……こっち」

高雄「ん……まだ、皆いますよ」

提督「気にしない。……肩もう少し寄せてよ」

高雄「………… ♪ 」

提督「頭乗せて……うん…………手、握ってもいい? 」


< また来年まで待つとか…… >






伊14「あれ、今日はどういう理由? 」

江風「北海道代表が一日で消滅したから」

伊14「ん、んん? 」

漣「あれで不貞腐れて高雄さんに甘えてるっていうのが分かるなんて! 」

江風「分かるなンて? 」

漣「ご主人様検定二級相当だね☆ 」

江風「心底要らねぇ……」


< そうそう、暑いからね、うん >






高雄「っ…………」

提督「…………」

高雄「……ッ…………ぁ」

提督「…………」

高雄「んっ……………………ッ」






龍田「何故あの流れで耳掻きになるのか」

山城「意味が分からないけれど……逃げるわよ」

扶桑「いつあれが別のものになるか…………ふぅ、今日も、暑いものね」


ありがとうございました


< それでいい、少なくとも今は >








扶桑「あなたは……山城を欲しいと思ったりは、しないんですか? 」

提督「一般的な男としてならそりゃね」

扶桑「あの子、今なら背中を少し押されればすぐに転んでしまうのに」

提督「そんなことしたくない、ってのはまぁ建前でさ」

扶桑「ええ」

提督「それに、甘えてるんだよ。そういう山城に。
扶桑のときみたいに、何だか勇気を持てない」

扶桑「そう……」

提督「あぁ」

扶桑「はぁ。……………………山城も自分が甘えていると思っているでしょうけれど」


< 何か思い当たることでも >







龍田「ふぅん? まぁ、そんなものでしょう? 」

扶桑「そうなのかしらね」

龍田「思考の機序も振る舞いの歪みもあの人に一番近いのが山城だもの」

扶桑「…………あぁ」


< どこでというとここしか >







龍田「妙なやる気を奪って女にしたらたぶんあの人山城みたいになるわよ」

山城「ならないから。馬ッ鹿じゃないの? その程度で顔だけはいいクズになんてならないわ」

扶桑「…………」

龍田「ふふ……」

山城「姉さま……その“ 私は分かっているから ”みたいな顔どこで覚えてきたんです。泣いてしまいますよ? 私」


< 試しに反対 >








龍田「山城がもう少し積極的で男だったりしたらあなたになるわよね?
思考の立て方とか本音と建前の関係とか」

提督「ならねーし。馬ッ鹿じゃねぇの? その程度で顔と身体だけはいいクズになんてならねぇよ」

山城「……莫迦」

提督「あん? 」

龍田「ね? 台詞まで同じでしょ? 」

扶桑「…………なるほど」


< 二番目を決める戦い >







漣「やろーぜ! 封筒ゲームのお時間です」

叢雲「あなたね……定期的に変なことしないといけない病気なの? 」

漣「まぁまぁ。クソ暑い中頑張ってる漣たちへの細やかなゴホービだよこれは」

叢雲「そう……」

漣「これはね? ご主人様に一通の封筒を渡して一番驚かせたヒトの勝利、ってーゲームです! 」

叢雲「程度が低いし馬鹿過ぎると思うからしないけど……うん? 」

涼月「想像するだけなら楽しいよね、たぶん」

涼風「何出しても叢雲が出すのが一番効きそうだけどな」


< 婚姻届は婚姻届と面白いといえばまぁ >







江風「婚姻届、は無いな。状況的にも叢雲的にも」

伊14「無いなら? 」

江風「ここは養子縁組関係の書類だな! 」

叢雲「…………」

漣「…………」

江風「…………うン? 」


< えーとつまり? >








叢雲「何というか……江風って妙にこっちの地雷踏み抜いてくるわね」

漣「もしかして後ろ暗いことやってたっぽい涼風ちゃんから何か聞いてるのかも」

叢雲「そんなわけ。…………どうなの? 」

提督「個人的な感想で言わせてもらえれば涼風はそんなアホじゃないと思うが」

叢雲「そうよね」

漣「でもですよ? 涼風ちゃんってあの海風ちゃんとか時雨ちゃんとかの姉妹なんですよ? 」

提督「む……」

叢雲「なるほど……」

高雄「…………どのみち江風さんも同じ姉妹だと思いますけれど? 」


ありがとうございました


< silver octopus >








初月「今日はたこ焼きチェーンが十年に一度の安売りをするらしい」

提督「ほーん……食いたいなら用意するけど」

初月「いいか? 」

提督「いいぞ。中に入れたいものとかかけたいものあったらもってこい」

初月「あぁ」

涼月「…………その鉢巻どこから出したんですか? 」

提督「うん? 」


< カラオケで頼むやつだけは気が知れない >







高雄「どうぞ」

涼月「法被」

愛宕「はーい」

涼月「Tシャツ」

加賀「頼むわね」

涼月「お皿」

叢雲「ん」

涼月「ピック」

提督「さーて、いっちょやったりますかーっと」

阿賀野「おー! 」

能代「…………いつの間にか生地も薬味も蛸も他の具も」

伊13「意味、分からないけど……けど」

伊14「楽しまないとねー! わさびとかも、やっちゃうやっちゃう? 」


< まぁ、辛味って痛みと同じって言われますけども >







提督「はいお待ちどう! ロシアンたこ焼きでございます」

雲龍「誰よこんな味覚破壊兵器仕込んだの」

龍田「あ、それ私」

雲龍「……まぁ、知ってたわ」

龍田「そ、一つどう? 」

雲龍「じゃあ、これ」

龍田「はいはーい。どう? 」

雲龍「ん……んぁっ?!?!!!???!?!??? 」

龍田「あら、ドMなんだからいけるのかと……激辛程度の刻み山葵だったんだけど? 」

扶桑「…………“ 程度 ”? 」

山城「…………馬鹿なの? 」

旗風「? 美味しいですよ? これ」

雲龍「はぁっっっっ……? はぁっ? 辛ぁっ? 」


< リアクション、頼みましたよ? >








提督「や、リクエスト通りでなんだけどな……それ八個中普通のやつ一個しか無いぞ」

雲龍「ん……んっ……んんっ! 」

龍田「美味しいのに」

旗風「ですよね? 」

松風「んな、っわけっ……かっら、これ味じゃなくてっ、痛みじゃな……っああっ」

龍田「? 」

旗風「? 」

江風「アホしかいねぇのかよ……」

海風「珍しく当たり引いたね江風。普通のたこ焼き」

龍田「あぁら、はずれじゃないの? 江風ちゃん的には」

海風「あっ、ごめん江風。私が間違ってたよ」

江風「ち、ちげーよ。江風芸人じゃねーか……ちげーからなぁ? あぁン? 」


< 引き続きまして >






江風「まぁ、実際砲弾が腕吹き飛ばすよりはマシなは……辛ぇぇぇぇぇぇぇぇっ! 」

龍田「リアクションいただきましたー」

提督「アホかお前」

江風「かっらぁ! 辛い辛い辛い辛いっ、水ぅ! 」

漣「ほいさっさー」

江風「ありがっ辛ぁ! なんだっこれぇっ! 辛いっ痛いっ

漣「グラッパでーす」

Littorio「あらあら……それは痛いでしょうねぇ……」

江風「馬鹿なのっ? 馬鹿? 馬ッ鹿やろぉぉぉぉっ! 」


< このあとしこたま食わされました >







能代「はい、チャイですよ」

初月「まったく、世話が焼けるやつだな。氷も用意しておいたぞ」

江風「ありがとっ、ありがっ……ありがとぉ……」

龍田「さらっとチャイ出すなんてやるじゃない? 」

能代「昨日の夜あなたと初月がたこ焼きがどうのと用意しているのを見たので」

龍田「あらぁ~ 」

江風「……は? 」

初月「…………おいお前、焼きが遅いぞ」

提督「へいへい」

江風「初月? 初月くン……はーつーづーきーくぅン? こっち向いてくれるかなぁー? あぁン? 」


ありがとうございました


< ハウルだとカブとカルシファーが好きだよ >








雲龍「美しくなくなったら生きていけない? 」

愛宕「ある種正しいわね」

高雄「あの人が見てくれないという意味では」

加賀「死も同然ね」

伊13「はぁ」

叢雲「……アニメ映画観てこの感想なわけ? 本気? 」


< 永遠に分からず >








山城「…………ねぇ」

提督「うん? 」

山城「あなた以外誰もいないから訊くけれど」

提督「あぁ」

山城「扶桑姉さま、私と寝てくれるかしら」

提督「寝てくれるんじゃねぇの。あいつ、箍外れ始めてるし」

山城「あなたの所為でね」

提督「そうだな」

山城「…………」

提督「…………」

山城「…………火」

提督「はいよ」


< 明日、同じ顔で会えれば >








山城「…………そろそろ、いいかなって」

提督「何が? 」

山城「あなたの色に、溺れても」

提督「…………」

山城「姉さまが一番大切なのは変わらないけれどね、
そろそろ、本当に寂しいの。誰かに触れてほしい、肉の熱を感じたい」

提督「純潔守ってきた女の子の言葉だとは思えないね」

山城「そういうものでしょう? 私、弱いもの」

提督「…………」

山城「…………フ-」

提督「…………膜は残してほしい? 」

山城「どっちでも。どうせ、あなたに心まで捧げるつもりなんて、無いのだし」


< いつの日かどうにか >








提督「俺の気持ちは? 」

山城「心底どうでもいいわ。…………私の身体、自由にしてもいいから」

提督「肉人形を抱く趣味は無ぇんだけどなぁ……そっか」

山城「フ-……この煙草と同じ。流されるままに始めてずるずる堕ちていくの」

提督「禁煙でもすればいいのに」

山城「あなたが下手糞なら、そうしてみるわ」

提督「ふん……お前の肉欲は俺のテクニックにかかってるわけか」

山城「ええ。……それとも、怖いわけ? 」

提督「抜かせ。…………扶桑との初めてでも啼かせられるくらい、刻んでやるよ」


< 今 >








山城「…………」

提督「…………」

山城「……………………」

提督「……………………」

山城「……………………」

提督「……………………で? 」

山城「……………………今夜くらいは、私だけを、見ていてよ、お願い」

提督「当然。……………………今は、お前しか、見えないさ」


< 他人の皆様 >








龍田「あーあ……また先越された? 」

雲龍「くだらないプライドに負けて蜘蛛の巣でも張っているのね」

龍田「酷いこと言うわねぇ……私、魅力無い? 」

雲龍「それだけ大切にされているのに気付かないわけ? 」

龍田「大切にされるっていうのはね、それでも欲しいと望まれることよりも低いの。
想われているのなら、時々は無理矢理奪ってほしいの」

雲龍「分かるわ」

龍田「分かるの? 」

雲龍「ええ」

龍田「はぁ」

雲龍「…………」

龍田「…………」

雲龍「…………膜くらい、残してあげるけど? 」

龍田「ね・が・い・さ・げ ♥︎ 」


ありがとうございました


< 禁酒に比べれば万倍余裕 >







「また値上がりするんですってよ先輩」

提督「JTだけだろう? 俺は関係無い」

「またまた……女の子に止めてって言われるでしょう?
吸わない子には銘柄なんて分からないんだから」

提督「残念ながら既に諦められてるんでね、煙草は」

「そっすか……フ-」

提督「お前も止めねぇよな。結婚して子供までいるのに」

「家じゃあ吸いませんよ。吸うのはおっぱいくらいですって」

提督「ばーか。…………止めても、いいんだけどな別に……ふはぁ……」


< 実際他にって言われてもね >







伊13「ん、んんっ……? iTunesって、何? 」

漣「えぇ……? さすがにここ来てスマホ持たされて何ヶ月か経ってるしさぁ……」

伊13「でも、使わないものは、分からない。今、使いたいのに」

漣「そうだけど……まぁ、何したいかにもよるけど、何したいの? 」

伊13「んんっとね、イヨちゃんに貰ったこれをーーーー






天城「そういえばこれを持たされてからもう二年ですか」

扶桑「私はカメラとLINEと時々ネットと……あら」

初月「らくらくホンでいいんじゃないのかもう……。
自分が他に何をしているのかと言われれば困るのは確かだが」


< 胸張って言うことでは >









山城「別に姉さまも、それから私も機械音痴というわけではないのよ? 」

扶桑「そうね。……そもそも私、基本的にプレーヤで音楽聴ければそれでよかったから」

涼風「報告書つくるときとかは許可とってパソコンくらい使ってたしな」

初月「はぁ……? 」

江風「ンな中途半端に家電芸人みたいな顔して……じゃあ初月は何してるンだ? 」

初月「僕は買って満足するタイプだからな。特に無い」

江風「…………」


< 年季というものがありましてね? >








提督「つーかあれだろ、ユーザの俺が言うのも何だけど林檎系ユーザならそんなもんだろう」

高雄「物凄い偏見だと思いますけれど」

提督「ってもね? やりたいことあるなら泥にすればいいけど、
ケータイの延長線でいいならこっちにしとけって父親に言われたから」

能代「お父様の方がよっぽど現代に生きてますね」

提督「まったくだな。…………あんなこと言ってた父親も基本的にパソコン派だけど」


< 時々したくなっちゃうんですよ男の子は >








漣「ちなみに初月ちゃんはWi-Fi専用機のタブ持ってますよ? 」

提督「ほーん? 動画でも観てんの? 」

漣「や、どっちかってーと撮ってますね。大体イベントのときとか宴会のとき」

提督「あ、そう……」

初月「震えて待てよ? 」

提督「何をだよ。見られて困ることは何も撮られてない筈だが」

高雄「そこはせめてしていない筈だ、と言ってほしいところですけれど……無理ですものね、どう足掻いても」


< それって結局長いのか短いのか >








叢雲「でもあれね、スマホ持ちになって二年も経ったと言われると

漣「時間経つのは早いよねー」

提督「瑞穂を頼んだ、と言ったら誑し込んで依存させる程度の長さはあったけどな」

叢雲「なるほど」

漣「やっぱ楽しいことしてるとねー、仕方無いのかなー」

明石「いやいやいや……いやいやいや」


< 同じ坩堝 >








龍田「右手には約束を、左手には愛を」

雲龍「つまり右手には刃を、左手には痛苦を」

龍田「不純ねぇ」

雲龍「事実でしょう」

龍田「拳銃突きつけて自分の痛みも一緒に甘受してほしいなんて最低過ぎるじゃない? 」

雲龍「あなたのことね」

龍田「まぁね~ 」

山城「…………」

扶桑「…………何か言ったら負けって顔してるわね。物凄く言いたそうだけれど」


< 溺れるものが変わるだけ >








Aquila「興味本位なんだけど」

Pola「んー? 」

Aquila「あなた、もし想い人ができてその人がアル中女を嫌っていたら、やめられるの? 」

Pola「やめられると思いますよ~。今のところここまで好きなものがあってね?
目移りするなんて考えられないですし~」

Aquila「そのお酒をやめても、っていうことね」

Pola「ええ」

Aquila「ふふ……それじゃあZaraに言ってくるわね~ 」

Pola「は? え? ちょっ……まかり間違ってお見合いとかそんなの……許してくださぁい? ねーえー? 」


< 幼いのかBBAなのかの二択 >







Pola「そもそもアル中女って酷くないですかぁ~? 」

赤城「とても妥当な評価だと思いますよ」

Pola「Polaより赤城の方が飲めるでしょう?」

赤城「別に私は飲まなくても生きていけるので」

Pola「えぇ~? 」

赤城「バトルジャンキーよりはマシだと言っておきますけれど……大概ですからね? まったく若い身、そ……ら? で? 」


< 楽しいからね、仕方無いね >








愛宕「さてさて……今日は調子悪いわねぇ~ 」

龍田「これ以上続けたら賭けるもの無くなるんじゃない? 」

加賀「私は別に一日の賭け額に上限なんて要らないと思うけれど」

漣「そんなことしたら叢雲ちゃんが破産するんで駄目でーす」

叢雲「ふん……」

江風「寧ろ背水の陣で強化されて他から巻き上げるンじゃ……」

海風「トラウマあるもんね」

江風「あぁ。江風はもう高レートで麻雀なンてやらないからな、絶対にだ」

涼風「の割にカードはやって……いや、あたいも儲けせさせてもらってるけども」


< しか >







愛宕「それに? お金は上限あるけど物には無いし」

高雄「それでも査定は他の面子だもの。どうしても安く買い叩かれるようなものよ」

江風「最終手段としてテートク関連のモノ賭ければ一生破産しなさそうだな」

愛宕「それは駄目。私か高雄しか賭けられないんだから不公平じゃない」

加賀「言ってくれるわね……賭ければ? 」

愛宕「まだまだこれからですから、結構です」

加賀「……チッ」

高雄「加賀さんそんなにやさぐれた顔する程負けてないでしょう」

提督「待て、待ってくれ。俺のモノなら俺だって賭けられ…………おーい? 聞いてる? あのー? 」


< 見送ってこれからまた >








瑞穂「ふふ……今夜は寝かせないでくださいね? 」

明石「や、何かそれ違っ違うぅー……あぁ……引き摺らないでくださいよぅ」

提督「俺らはまだ飲んでるから」

瑞穂「はーい、佳い夜をー」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………今夜は寝かせないぜ? 」

叢雲「ばーか。肝臓ぶっ壊しても知らないわよ? 」


< 他人のことはよく見える >







提督「しっかしまぁ……ひっでぇなあいつら」

叢雲「あんたに言われてちゃお終いね」

提督「お終いだろうあれ」

叢雲「でもあんたよりはマシ」

提督「そうか? 」

叢雲「そうでしょ」

提督「そうか。…………いや、まったくもってその通りなんだけどさ、何か認めたくない、ガチで」


ありがとうございました


< きっと一日で最も仮面の薄い時間 >








山城「…………はっ」

提督「んだよ、起きたか? 」

山城「は…………? …………ん……………………あぁ」

提督「傷付くね、さすがに」

山城「…………………」

提督「…………………」

山城「…………………あなたの顔で安心するのが嫌なのよ。これが、癖になりそうで」


< 乙女らしく私らしくいつも通り >








提督「ってもな……三度目だぜ? 」

山城「こんな短期間にあなたと三度も閨を共にするなんて不幸に決まってるもの」

提督「そうかい。…………随分いい声で啼くようになってきたけど? 」

山城「あなたしか知らないだけよ。姉さまと寝た方がきっと幸せ」

提督「幸福感と快楽は違うと思うけどな」

山城「ふん…………コーヒーで、いいわ」

提督「淹れてるよ」

山城「ん。……………………普段の私と同じこと言ってるのに……暴露てるわね、これは」


< 無いモノねだり、ある者語り >








涼風「よくそんな布面積で平然と歩けるな。恥ずかしくないのか? 」

雲龍「全然。恥ずかしい、なんていうのは単に自信が無い女の恐れよ」

涼風「言ってくれるね。……何で、あれなんだ? 」

雲龍「知らない。愛する理由も、堕とされた理由もあるけれど……究極的な説明にはならないわ」

涼風「だよな。あたいにはきっと、言い訳みたいに聞こえる筈だ」

雲龍「もしかすると思考停止状態なのかもしれないわね、私たちって」

涼風「きっとな。あたいには、できない生き方」

雲龍「可哀想に」

涼風「本当に。そんな生き方……尊くて、あたいには、勿体無いよ」


< 幅有 >








龍田「そういえばね? 結構前だけど物凄く赤城さんに似てる人がいたわ」

提督「ほーん? 沢山食べる綺麗な子? 」

龍田「んーん、性格っていうか雰囲気が。確かに顔も似てたけど」

提督「なるほど。大して食べない赤城か……会ってみたいんだけどどこの子? 」

龍田「特務にいた子。あきつ丸の同僚」

提督「…………会えねぇなそれ」

龍田「そうねぇ~ 」

加賀「赤城さんと似てるなんて物凄…………どの、赤城さんだったのかしら」


< 何……何? >







伊13「“ 艦娘 ”、って」

明石「はい? 」

伊13「体内のある物質を他の物質に変換することもできるんですよね? 」

明石「理論上可能ってことです。
物質の変換というよりは身体的に代謝を早めたり痛みを遮断する、ということですけど」

伊13「つまり意識か無意識かで生に最適化される、ってことですよね? 」

明石「ん、まぁ……ほぼほぼ正しい、かな? 」

伊13「ってことは、呼吸ができなくても、多少は……ふぅん? 」

明石「…………うん? 」


< 棚に上げる? 何のこと? >








初月「知っているか? 直腸に出されると下痢するらしい」

雲龍「知ってる」

初月「だから、しないのか? 」

雲龍「いいえ? 単にあの人が興味無いの」

初月「そうか。存外にノーマルなんだなあいつ」

雲龍「少しつまらなくて蝋燭なんて試してしまったくらいにはね」

海風「蝋燭、余っていたら貰おうと思っていたのに」

雲龍「捨ててしまったわ。…………あなたに嬉々として蝋燭垂らす男はさすがに嫌悪感酷いのだけれど」


< 最後まで聞けたかな? >







雲龍「まぁ、そもそも後ろに出されること自体は腹部の違和感とは然程関係無いのだけれどね」

初月「ふ、ふーん……そうか」

雲龍「結局は内蔵を動かされた刺激に反応しているの。
出された物も無理に掻き出すと却って体内を傷付けるわ」

初月「お、おう」

雲龍「イチジク浣腸なんて以ての外ね。一番安全なのはお手洗いでいきむこと」

初月「……」

雲龍「そういう意味では私もそこまでしたいわけでもないわ」

初月「…………」

雲龍「私の場合終わったらあの人にそのまま抱き締めてもらいながら寝たいから。
後ろにそこまで興味があるわけでもないし別にやらな……うん? 」


< 今日という日を忘れにいこう >






加賀「ん……」

提督「ん? …………何? 」

加賀「…………酔ったわ」

提督「まさか。こんなので酔わないだろうお前」

加賀「…………あなたの胸に頭を押し付けていると、落ち着くの。酔ってるから」

提督「…………ん」

加賀「ぁ………………………あったかい」

提督「そっか。…………酔いが醒めるようなこと、しに行こうか」


< それもまた堕ち方が違うだけで本質は >






瑞穂「なるほど……あぁやって甘えれば」

龍田「ストレートでいいとは思うけどぉ……明石にやってもあんまりカッコつかないんじゃない? 」

瑞穂「それもまた、ね? 明石さんが明石さんをやってくれれば、どんな明石さんでもいいですから」

龍田「そ。…………明石ちゃーん? 私眠いから瑞穂ちゃんのことよろしくー」

瑞穂「ありがとうございます」

龍田「うぅん? 」

瑞穂「これ以上あなたに膝枕されていると、揺らぎそうでした」

龍田「待ってるわぁ。…………ふふ、早く決めないと、盗っちゃうわよ? 」

明石「ふぇ? 」


< 或いは、無い >






龍田「フ-…………何? 」

山城「あんまり明石や瑞穂誑し込んで引っ掻き回さない方がいいと思うけれど」

龍田「迂遠なやり方こそ私らしいでしょう? 」

山城「そんなことであの人が手に入ると思うのならあなた、自分の幸せすら見切れてないんじゃない? 」

龍田「ふふ……そういえば、いつかはあなたも排除しないといけないわね」

山城「ご勝手にどうぞ。…………姉さまと二人で、ってセッティングしてくれるなら少しくらい助けるけど? 」

龍田「結構でーす。そんなの、つまらないもの」

山城「フ-…………本当に、あなたの本音がどこにあるのか、分からないわ」


< 明日朝後悔無きように >








高雄「はぁ……」

愛宕「あの人、盗られちゃったわね」

高雄「加賀さんにだって愛は必要でしょう? 」

愛宕「そうね」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………はぁ」

愛宕「…………私でもいい? 」

高雄「ええ。……今日はちょっと、我儘かも」

愛宕「ふふ、蕩かしてあげるわ、お姉ちゃん☆ 」


ありがとうございました


< 約束捨ててなんて生きていけない >







提督「ふぅ…………? おはよう」

加賀「おはよう…………酷く、眠いわ」

提督「寝てなよ。特に訓練の予定も無い」

加賀「今日は雲龍と天城に弓をおしえる約束があるの」

提督「ふぅん? 何でそんな日に俺を呼んだわけ? 」

加賀「欲しかったから、よ。…………あなたも、来るのよ? 」

提督「えぇ……聞いてない」

加賀「今、言ったわ」

提督「……………………眠いな」

加賀「ええ……そう、言ったわ」


< カッサカサのボッロボロでした >








提督「しょくぱんまんって量産型っぽいなぁ……」

漣「あんぱんもかれーぱんも大概でしょ……」

提督「あ、黴びてる……」

漣「こんなの復活させても危ない薬品臭そう……」

提督「あぁ……」

漣「うへぇ……」

提督「…………」

漣「…………」

提督「…………誰だよ飲んだ後食堂に食パンなんて放置していきやがったやつ」


< 行き道の駄賃にしては酷い >







漣「あ、漣はジュース取りにきただけなんでー」

提督「俺も紅茶の茶葉取りにきただけなんだが……はぁ、捨ててくる」

漣「お疲れ様でーす」

提督「ん」

漣「……………………ま、深夜に唐突にピーナッツクリーム食べたくて用意して忘れてたの漣なんですけ

提督「あぁん? 」

漣「戻ってくんな! ……捨ててきますから、道場なんて連れていかないでくださいよぅ」


< 蕩けてるなんてそんな、眠いだけですよ >






雲龍「…………ッ」

提督「お、いつの間にちゃんと的に当たるように」

天城「…………ッ」

提督「あぁ、天城まで」

加賀「大したものでしょう? 」

提督「うん、才能が有るかどうかは運だし。ちゃんと努力してたようで嬉しいよ、俺は」

雲龍「当たるようになったのなんて大分前だけれど」

天城「時々は報告していた筈ですが」

提督「えっ」

加賀「まぁ、射るのなんて朝でそのまま報告するなら……一番脳が蕩けてる時間だものね」


< 紛うことなく >






雲龍「というかあなた、時々一緒に射たりしていたでしょう」

提督「そうだっけ? 」

加賀「それどころか結果を賭けたりしていたけれど」

提督「うーん……? 」

雲龍「やっぱり脳、下半身から出てるんじゃないの? 」

提督「…………かもな」

天城「はぁ。…………あなたに見てほしくて射たりもしているのですけれどね、酷い男」


< ゼロとちょっとって雲泥の差なんですけどね >








龍田「信じて送り出した山城が変態男のテクにドハマリして救えない淫乱女に帰ってくるなんて、みたいな? 」

漣「はぁ……雲龍さんもですけどどこでそう変なネタ仕入れてくるんですかね」

龍田「やることと言ったらファッションと陰口と男の話しか無いもの。
変なこと知る時間なんて有り余っているわ」

漣「そんなのゲームでもしてた方がまだ有意義でしょ」

龍田「キリングマシンに有意義も何も無いと思うけど? 」

扶桑「あなたには裏で誰彼となく利益と女チラつかせて嵌める趣味があったでしょう」

漣「あっくしゅみー」

龍田「そんなわけ。…………ちょっとだけ、そうちょっとだけ便宜を図ってもらっていただけ、それだけよ? 」


< 本日の予定調和 >







山城「そもそも別にハマった覚えなんて無いけれど」

龍田「あ、そういうこと言うと」

雲龍「ハメられた方だものね」

山城「…………」

雲龍「うん? 」

龍田「分かりきった結末よねぇ~ ……こんなの分かっていたくもないけど」


< 後出しとはいえ >








龍田「で? 」

山城「あ? 」

龍田「イイの? あの人」

山城「…………いいのじゃなくて? 」

龍田「ふぅん……? 」

山城「…………男としての機能と能力はかなりハイレベルだと、思うけれど」

龍田「そう……それはそれで楽しみだけど、私は心まで抱き締めて暖めてくれたのか、って訊いたのよ? 」

山城「…………」

龍田「んふ……何、考えたの? うん? 」


< 遅れてやってきたそんな目 >







江風「あれじゃねーの? 扶桑さンと3Pできるかもしれないじゃン?
そういう布石じゃないの? 」

山城「あのね、私そこまで悪辣じゃないし、
たかが布石程度の理由で男に身体許す趣味は無いんだけど」

能代「山城さんが真っ当なことを吐くと違和感すらありますね」

旗風「変なものでも食べたんじゃ……」

伊13「……怖い」

山城「…………姉さま、同輩が虐めてきます」

扶桑「仕方の無いことでしょう……勿論、あなたのイメージもあるとは思うけれど」


< 一言添えたいだけなのに >







雲龍「変なものといえば変なものよね。
普段は食べないもの、精え

江風「お帰りはあちらです」

能代「あちらです」

旗風「あちらです」

伊13「あちらです」

雲龍「…………扶桑、同輩が虐めてくるわ」

扶桑「あなたに及んでは仕方無いとかではなくて十割あなたの所為でしょうが……」


< 愉快な仲間たち >








時雨「何でこんなのが僕の上官なんだ、って思ったことはあるんだけどさ」

浜風「いきなり上官批判ですか」

時雨「いいじゃないか。密告でもして点数稼ぐかい? 」

浜風「稼ぎたい上官がいれば」

時雨「そ。……何でこんなのが僕の同輩なんだって思ったことはその何倍もあるんだよ。おかしいと思わない? 」

浜風「おかしいのは西村組では? 」

時雨「まったくもって。……時々夕立が品行方正に見えるなんてさすがにおかしい筈なんだけど、ね」


< 本気で >






満潮「いやいやいや……それ主に扶桑と山城とあんたの所為でしょうが」

時雨「そんなわけ。全員おかしいに決まってる」

満潮「だとして、よ。抜きん出て馬鹿でしょあんたたち」

時雨「そうかな? 」

春雨「そうだね」

浜風「満潮が正しいかと」

満潮「ほら見なさい」

時雨「おかしいな……さすがに僕が扶桑たちと並ぶ筈無いんだけど」


< 別にこれ以上は何も言わないけれど >






満潮「そもそもあれよ、あんたたちあのクズ男に惚れるなんて狂人のレベルよ」

時雨「そう、かな」

浜風「違ういますね」

春雨「浜風に同意」

満潮「…………はぁ、あんたたちも、そうだったわねそういえば」


< 取り敢えずスカートは膝上というより股下 >








雲龍「どうも、一等駆逐艦吹雪型雲級の一隻、雲龍です」

提督「雲だけじゃねぇか……その制服は? 」

雲龍「ネットで買ったコスプレ用の制服」

提督「…………まぁ、似合ってるよ、あれな意味で」

雲龍「ありがとう嬉しいわ」

提督「…………これやる」

天城「要りませんよこんな公然猥褻」


< えっ? >








雲龍「ちなみに天城用のもあるの」

提督「おっ」

天城「おっ、って何ですか! おっ、って! ちょっとっ! 」


< こういう状況ですが何か? >








提督「や、そこはほら、な? 」

雲龍「ね? 」

天城「…………はぁ」

提督「おい、お前の妹に久々の蔑んだ目で見られてるんだが」

雲龍「ごめんなさいね、不出来な妹で」

天城「…………」

江風「ちわーっす! 雲龍さンの通販届い…………えぇ、何これどういう状況? わっつ? 」


いっぱいいっぱいなのにまた出したくなる病気……

ありがとうございました


< 蜻蛉羽を重ねた様な仮面は笑みの形に >







あきつ丸「フ-……さすが時雨殿、時間通りだ」

時雨「当たり前だろう。殿下の使いと会うのに遅れるなんて有り得ない、できるわけがない」

あきつ丸「使いというよりは自分と時雨殿は同僚なのだがな」

時雨「自分から飛び込んだ馬鹿な陸軍と無理矢理引き込まれた僕では全く状況が違うさ」

あきつ丸「ハンッ……使いとして、一言」

時雨「うん」

あきつ丸「どうも特務内に内通者がいるらしい。警戒せよ、と」

時雨「そうかい。…………君の顔見てたらさ、明日にはそいつ、湾に浮かんでそうだけど」


< 驟雨を散らした様な瞳はそれだけが濁っていく >







あきつ丸「さてな。…………内通者とは言ったが事情が少しだけ面倒でありますよ」

時雨「ふぅん? 」

あきつ丸「三重スパイでも気取っているのか知らないが、
こちらと例の御清らかであらせられた将校一派を共倒れさせたい勢力がいるらしい」

時雨「そりゃあ沢山いそうだね」

あきつ丸「あぁ。自分や時雨が特務だと暴露ているとは思えないものの、
艦娘内の殿下方が将校派の支援者リストを作成したことになっている」

時雨「暴露たら大変だ」

あきつ丸「楽には死なせてくれんでありましょうな」

時雨「で? 」

あきつ丸「あ? 」

時雨「その情報も特務が流したんだろう? 何が目的? 」

あきつ丸「はて……フ-…………メリットが無いように思いますなぁ。自分には、とんと」


< 秋津も驟雨が荒れれば羽を休めざるを >








時雨「まぁ、別にどうでもいいやそんなこと」

あきつ丸「それが正しい。長く生きる選択でありますよ」

時雨「そ。…………楽しい話題は無いわけ?
ただでさえ眠い時間に君と二人で空の会議室なんてうんざりしてるんだ」

あきつ丸「無いな。何なら黙っていた方が精神安定上有意義なまで有り得る」

時雨「チッ…………一本頂戴」

あきつ丸「吸うのか? 」

時雨「まさか。こうするんだ、よ」

あきつ丸「…………たかだか数十円程度の紙巻一本灰皿に潰して気が紛れるのでありますか」

時雨「全然」

あきつ丸「…………」


< 選択に負け選択させられ、今また次の選択 >







あきつ丸「…………何ヶ月か前に死んだ同僚に訊いてみたことがある」

時雨「うん? 」

あきつ丸「自分たちは軍人なのか、軍属なのか、それとも備品や道具の類なのか、と」

時雨「その同僚は人間? 」

あきつ丸「優しい、人間だった。何故この腐った特務になどいるのかと思う程に」

時雨「……そ」

あきつ丸「彼は言っていたであります。
そのどれでもない自分になる為に、
そんな存在をこれ以上増やさない為に、
自分たちはこの汚い仕事をしている、と」

時雨「優しい嘘だ」

あきつ丸「彼は信じていただろう、本気で。
…………それが報われることなど終ぞ無いだろうが」


< 背に負うものとは胸を暖めてくれるものを指す >







時雨「ふぅ……それで? 」

あきつ丸「あん? 」

時雨「何が言いたいのさ。御涙頂戴の三文芝居?
それともそういう貴重な人間すら殺さなくちゃいけなかったっていう不幸自慢? 」

あきつ丸「取り敢えず、彼を殺したのは自分ではない」

時雨「そういうことにしておく」

あきつ丸「ふん…………愉快な話など無いでありますよ。
喪ったモノ、切り捨てたもの、過ぎ去った過去だけがいつも後ろ髪を引く」

時雨「不幸だね」

あきつ丸「不幸だろうな」

時雨「…………帰るよ。僕には、話しているだけで幸せになれる楽しい姉妹や愉快な仲間がいるからね」

あきつ丸「…………あぁ」


< それでも蜻蛉は、飛ばなくてはならないから >







時雨「ま、別に君にそういうのがいないとは決めつけないけど? 」

あきつ丸「ッ……………………持っていけ」

時雨「何? 煙草なんて誰も吸わないよ。それともまだ無駄にしてほしいの? 」

あきつ丸「違う」

時雨「? …………スマホ? 」

あきつ丸「特務の連絡用とは別のものだ。提督殿や扶桑たちの連絡先は既に入れてある」

時雨「…………」

あきつ丸「…………」

時雨「…………こんなの暴露たらヤバ

あきつ丸「帰れ」

時雨「でもこ

あきつ丸「帰れ!…………帰って、くれないか。自分もこれを吸いきったら自室に戻る」

時雨「……………………あぁ。謝らないけど感謝はするよ。……ありがと」


< 自分のことか、それとも >








あきつ丸「フ-……………………本当に、お人好しだ、お人好しの馬鹿だ」

あきつ丸「…………」

あきつ丸「…………」

あきつ丸「…………」

あきつ丸「…………」

あきつ丸「…………あれに、逆探知の装置や発信機が付いていないと、何故疑わないのか」

あきつ丸「…………」

あきつ丸「…………」

あきつ丸「…………」

あきつ丸「…………」

あきつ丸「…………まぁ、そんな都合のいいものは、無いのでありますがね……フ-」


< まぁ、社会人として酒臭いのはちょっとあれだけどね >








伊14「いい? 禁酒、っていうのは寝起きとか出撃中は成功していてね?
夜には終わりを迎えるものなんだよ? 」

初月「そんなわけあるか」

松風「意味が分からないな」

旗風「たぶん司令でももう少しちゃんと抑えられると思います」

伊14「イヨはね? 毎晩禁酒成功のご褒美に飲んでるんだよ? 」

雲龍「あなたね、天城ですらそんなこと言わないわよ」

伊14「えぇ~? あんなに飲んでて? 」

雲龍「あれだけ飲むからこそのこ

天城「禁酒など考えたこともありませんからね。
これからも、無いでしょうし」


< 地獄の釜 >






天城「大体ですね、天城より加賀さんや龍田さんの方が飲むでしょう? あと山城さんとかも」

伊14「でもイヨは加賀さんたちが酔ったとこ見たこと無いし」

加賀「そういえば私、イヨの前では無いかもしれないわね」

龍田「たまにはいいかも? 」

山城「一年に一度くらいなら」

扶桑「やめなさい怖気を振るうわ。あなたたちが自制失ったなんて考えたら……嗚呼」

雲龍「あの人が胃に穴空けるわね……私からも言うけど、やめなさいね? 」


< なんですか? >







明石「LINEもまぁ悪くはないんですけどね、匿名じゃないですよね」

漣「そりゃまぁそっすね」

明石「こう、時々ふとしたときに思うんですよ。
匿名掲示板みたいに安価で装備改修したり新装備開発したりしたいなって」

提督「お前それ問題しか無いが」

明石「ってもですよ? 資材も機材も潤沢ですし」

提督「まぁ」

明石「何かあっても誤魔化してくれるでしょう? 」

提督「そりゃな」

明石「ね? 」

高雄「あのですね……あのー……? 」


< やってやれないこともないというだけですが >






提督「まぁ、わざわざ誤魔化すんじゃなくて既に誤魔化して別によけてる資材の範疇なら今でもいけるな」

明石「あれ割と触ったら駄目なやつじゃなかったでしたっけ? 」

高雄「いえ、あの辺は複数の有志の方からの餞別やお土産ですので」

明石「あ、それならいけますね。質も悪くないでしょうし」

提督「あとは匿名性のある掲示板かメーリスみたいなやつか……む」

漣「黙って聞いてれば……あんたら本当に表向き正義の軍人なんですか? 特に、高雄さんは」


< 其れはレッテルと云ふものです >







漣「にしても……“ 有志の方 ”」

叢雲「“ 餞別 ”、“ お土産 ”、ねぇ……」

提督「問題有るか? 」

叢雲「あんたや高雄が無能じゃない限り無いわよ」

提督「無いな」

高雄「無いですね」

明石「無いですよねぇ」

叢雲「だそうだけど? 」

漣「あっそ。……ご主人様とか明石さんは兎も角叢雲ちゃんと高雄さんだけはさ、
こういうののストッパーになってくれると思ってたんだけどなぁ」


< 所変わり品変わり >







若葉「怖い話といえば」

鈴谷「うん? 」

若葉「青葉さんが偶然撮ってしまった写真が偶々上官に見つかって期せずして汚職が見つかったらしい」

鈴谷「何その出落ち並に分かりやすい流れ」

若葉「あぁ。……だが話はここで終わらないんだ」

鈴谷「? 」

若葉「青葉さんはその写真、撮ったことなんて無いと主張していたらしい。
その写真が撮られた時間、青葉さんは訓練中だったとか」

鈴谷「…………」

若葉「…………」

鈴谷「…………確かに怖いけどさ、それって幽霊とかじゃなくてもっと怖い実体のあるアレなやつなんじゃ」


< 怪奇現象ではある >








時雨「ふふ……普段は自室のパソコンに接続して印刷してるらしいけど」

鈴谷「ん? 」

時雨「偶々写真が趣味の上官と二人で印刷してたんだってさ」

鈴谷「何で? そんな仲いい上官いたっけ? 」

時雨「さぁ? ……風景とか仲いい子の集合写真を撮ってきたから一緒に印刷してたらしいよ?
談話室にある共用パソコンの使用許可取って」

鈴谷「…………問題の当該写真は青葉たちが趣味撮りしてきた日の何日前に撮られてたわけ? 」

時雨「前日」

鈴谷「…………」

若葉「ここまで説明されるともう怖くは……ま、そうとも言い切れないのか、ある意味」


< 瑣末な結末 >







満潮「私は時雨がそんなことを知ってる方が怖いけど? 」

鈴谷「そう? 」

満潮「だって時雨はあの日はどっか行ってたもの。
新兵装のテストだかなんだか忘れたけど」

鈴谷「誰かに聞いたんじゃないの?

時雨「あ、そういえば誰、だったのかな」

若葉「まぁ、周りには大勢いた筈だからな。
青葉さんと和気藹々話していた将校がいきなり叫び声をあげたときには」

満潮「ふーん」

時雨「うーん、誰だったのか気になるなぁ」

若葉「若葉も初霜に聞いたんだ。目撃者でも又聞きでも割に有り得るだろう」

鈴谷「なるほどねー。じゃあもう誰から聞いたかは分からないかな? 」

満潮「あっそ。別にどうでもいいけどね」

時雨「誰だったのかなぁ。…………………………………………僕が証拠提出する前にあんな暴露し方したやつ」


ありがとうございました


< また噛まれました >







加賀「で? 何か弁解は? 」

天城「猫に何を話しかけてるのかと思ったら……」

加賀「ふぅん、そう……無視するのね」

瑞穂「いっそ痛ましいですよもう」

加賀「自分で自分の弁護をしないと。弁護人がいなければ欠席裁判と同じよ? 」

雲龍「そもそも原告と裁判官を加賀さんが兼任してる時点でどうにも……」


< また(後輩に)噛まれました >








瑞穂「まぁ、いいですけれど……で、判決は? 」

加賀「撫で撫で? 」

雲龍「それは酷い」

加賀「あ? 」

雲龍「……」

天城「……」

加賀「……酷くないかしら。泣きたいのだけれど私」

瑞穂「酷いと思いますけれど……サンジョルディはそう思っていないでしょうね」


< 夏の終わり >







江風「終わったな」

提督「あぁ、終わった」

江風「…………いつあのラスボスを倒す主人公が現れるのか」

提督「俺は強いやつが勝つべきだと思うよ、心から。運なんて要らんね」

江風「…………」

提督「…………」

江風「…………それ、勝ち組の余裕じゃね? 」

提督「馬鹿。……高校生の子たちにさ、そんなこと重わねぇよ。
逆に、ある意味逆に、才能と努力積んだ子を、賞賛する気持ちすらあるぜ俺は」


< 分かれ >







江風「…………敵だな、あれ」

海風「そんなの分かりきったことでしょ」

江風「違う。違うよ姉貴……テートクは、敵なンだけどさ」

海風「うん? 」

江風「できるやつしか分からない葛藤は理解るかもしれない。
でも、できないやつの懊悩は分からないンだ、あれは」

海風「知ったことじゃないね、そんなこと」

江風「あ? 」

海風「私は私が魅力を持ってることを知ってる。
知ってるけど、あの人がそれを素直に認められないことも知ってる。
それは、葛藤と懊悩の両方じゃないの? 」

江風「…………」

海風「…………」

江風「…………」

海風「…………ん? 」

江風「…………あのさ、割とその、野球とかスポーツとか全般の話、なンだけど? 何の、話? 」


< マジに本心なんですよ、これで >







愛宕「ねぇ、私って瘦せ型? 」

提督「あ? 」

愛宕「ん? 」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………一応最初に言っておくけど瘦せ型よりお前くらいが一番好きだぜ? 」

愛宕「うん。それで? 」

提督「お前をデブだとは言わないけど、瘦せ型、痩せ過ぎとも思わないぜ?
たださ、俺以外の一般的男として、お前くらいが最高だと思うよ、俺は」


< 懺悔でも何でも、捧げますから、どうか >








愛宕「ふぅん……? 」

提督「や、ややや……一概に身長と体重だけで痩せてるかどうかは推し量れないだろう。
筋肉の量と胸の大きさ考えないと」

愛宕「つまりガチムチのレスラーみたいな女が最高? 」

提督「んなわけ。……頼むよ、本心からお前が最高なんだよ。信じてくれよ。語彙が少ないのは、謝る」

愛宕「知ってるけど。……つまり胸さえ大きければ誰でもいいのね? 」

提督「……………………いっそ、殺してくれよ。巫山戯んなよ、頼むよ……行動はクズでも、心はお前向いてるんだよ、頼むよ」


< 荒み荒まれ >








愛宕「あー、スッキリした」

高雄「浅ましい女ね」

愛宕「どうぞどうぞ。あれくらいで心治るクソ女で申し訳ございません」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………あの人壊したら、あなたでも許さないわよ、愚妹」

愛宕「こっちの台詞よ。あの人のこと追い詰めて吊らせるなんてしたら、
絶対に殺してなんてあげないんだから、愛するクソ姉様」


< 知ったことではございませんね >







涼風「いちおーあたいも免許持ってるんだけどさ」

叢雲「ふーん? 」

涼風「これ持ってないことにした方がいいの? 」

叢雲「別にいいんじゃない? それに無闇にツッコむ馬鹿じゃどの道どうしようもないわ」

涼風「ってもね……どう? 」

漣「ごじゆーに。漣もどうなろうと知ったことじゃないし。
最終的にはご主人様案件じゃないの? いちおー上官だし」

提督「そうそうホウレンソウって大事よ君」

涼風「そうかい。……いたなら言ってくんないかな。すっげービビったんだけど? 」


< the ninja! >






提督「気付いてただろお前」

涼風「まぁ……でも心臓に悪いぜ? 」

提督「はぁ…………高雄! 」

高雄「何でしょうか」

涼風「」

叢雲「はぁ」

提督「こういうのを、心臓に悪いって言うんだぞ。分かったか? 」

涼風「」

叢雲「…………はぁ」

高雄「???????? 」


< 男の子の弱み、なと思っていただけると >







涼風「……で? 」

提督「ヒトミくらいだろう警戒しておくべきなの」

叢雲「暴露たらどう、じゃなくてあの子が余計な詮索しないように、っていう警戒だけどね」

提督「ん。……釘刺しとくか」

涼風「頼むよ」

叢雲「大きなお世話だと思うけど?
あんたも完全にあの子のこと信頼してるわけじゃないんでしょ? 」

提督「まぁ、な」

涼風「それでも、さ。仲間だろう? 」

提督「そういうこと」

叢雲「あっそ。別に私は反対もしないわよ」

提督「あぁ」

涼風「ま、釘を刺すとか言って別のモノ刺したりはするなよ? 」

提督「ばーか。…………しねぇよ、求められない、限りは、な」


< 永遠に永遠にこのままであれるのならばどんなにか >







叢雲「クソみたいな人生歩んでるクソ野郎、
っていう言い方をされつつも自己承認で何とか自我を保ってる提督閣下」

提督「…………ひってぇ程に的確だが、何だね叢雲少尉」

叢雲「いつ、あなたは世界に、あなたが住んでいる世界に喧嘩を売り我々を解放してくださるのでしょうか」

提督「お前が望んだ、願った、追い求め始めるのなら、そのときから」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………始めるべきよ、今から。あんたがあんたであれる内に。
高雄や愛宕が、まだ動ける、内に」


< その一言を言われるだけで/言えるだけで >







提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………用意は、してる。殿下が殿下ではなくなるとき。
それとも殿下が、身罷るときに備えて」

叢雲「…………いいわね、それ。それでいいの。
……あんたがクズでも、慕う存在が一人はいること、忘れないでよ? 」


< 喜んで >






提督「最低だ、俺って」

高雄「慰めなんて言いませんよ」

愛宕「言えないしね」

提督「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「…………俺だけ、見てよ。お前たちしか、見えないくらいに」


< 似ているであろう、それすら免罪符 >






叢雲「最低。…………自我抑え込んで、あいつに命令したわ。あんなこと、望んじゃいないのに」

漣「漣はその気持ち分かるし、ご主人様はその気持ち汲んでくれるよ」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………でもそれは私の

漣「待ってよ、待って。…………叢雲ちゃんがそうであれるのは、あの人のお陰だけどさ、
あの人が叢雲ちゃんの話素直に聞くのは、むらくもちゃんのお陰なんだよ? 分かる? 」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………最低の気分ね、酒も大して飲んでないし」

漣「注ぐよ、何でも。…………漣は今だけ、叢雲しか、見ないから」


ありがとうございました


< くそったれ! もううんざり! >







Littorio『もしもしー? 』

提督「はいはいもしもし。今そっち何時だっけ? 」

Littorio『さぁ? 』

提督「さぁ? じゃねぇの。一応国際電話の為に起きてたの」

Littorio『ふふ……Romaと飲んでおりますよ、今』

提督「あいつもそっち行ってんだったか」

Littorio『ええ、代わります? 』

提督「Romaが話したいなら」

Littorio『え? そう? そう……__さん? 』

提督「うん? 」

Littorio『vaffanculo! Che palle! だそうです』

提督「それはそれは。……Mi manchi tantissimo.お前がいなくて寂しい、とお伝えください? 」


< あなたにこの想い、届けばいいのだが >







Littorio『ふふ……Littorioにも、言って? 』

提督「Vorrei che le mie parole ti arrivassero dritte al cuore.Mi manchi.」

Littorio『ふふ…………うん? なぁに? Ro

Roma『巫山戯ないでくれるかしら。姉さん誑かした挙句私にまで色目使う気? 』

提督「おっひさしぶりー。元気? 」

Roma『vaffanculo! ……あなたの声なんて二度と聞きたくなかったわ』

提督「その割に一昨年も去年も今年も誕生日にはどうも」

Roma『あなたが送ってくるから仕方無くよ。じゃあね』

提督「はいよー」

Littorio『ちょ、Roma! Roーーーー


< さりとて失うことなど認められない過去 >







高雄「Littorio? 」

提督「と、Roma」

高雄「なんだか怒っているようでしたけれど」

提督「あれはいつもあぁいうやつだよ。俺と話すときは」

高雄「ふぅん……? 」

提督「誤解無きよう願いたいね。友達だよ、友達」

高雄「知ってますよ。……傷付けて友達になったんでしょう? 」

提督「さぁ? …………昔のことは……忘れたよ」


< 仕方無く、代わりに言ってあげる >







Littorio「んもうっ……まだ話したかったのに」

Roma「あっちはまだ早朝でしょう姉さん」

Littorio「それくらい許してくれるわよ、あの人」

Roma「ふん…………別に今更とやかくは言わない」

Littorio「それはそれは」

Roma「でも、これだけは言っておく」

Littorio「なぁに? 」

Roma「彼の国に戻るならば、永遠に戻らない方がいいわ。
あの男の為でもいい、姉さんの幸せは、この国には無い」

Littorio「いいの? 」

Roma「ええ、姉さんと時々会えるなら私は満足。
……………………あの男ならば、こんなことは言えないでしょうからね」


< >






Roma「六月九日の因縁というか、腐れ縁というか」

Littorio「なるほど……Roma? 」

Roma「何? 」

Littorio「あの人の国の言葉、上手いわね」

Roma「あの男がおしえてくれたから。私も今では一年の半分以上あの国だし」

Littorio「そうね…………うん、そう」

Roma「姉さんには分からないかもしれないけれどね、
私は、好きでこの役目を果たしているの。
私を邪険にする祖国も、あんな男の故郷であるあの国も、
それにこんなに巫山戯た世界も、私は愛しているから」

Littorio「…………」

Roma「確かに祖国と彼の国の連絡役、なんていう体のいい厄介払いと使役ではある。
それでも、私はこの私が好き。何かを為す私が好きなの」

Littorio「…………」

Roma「別に姉さんがあの男と享楽に耽るためなんかじゃないわ。
安心して、罪悪感に溺れていて頂戴」

Littorio「……………………ありがとう。それとも……


< せめて今このときだけは膝に抱いて >







Roma「…………Zzz」

Littorio「馬鹿ね……馬鹿。あなたは、馬鹿だわ……馬鹿」

Roma「…………ぅ……Zzz」

Littorio「…………優しい子。優しくて馬鹿で優しくて……馬鹿な、子」


< さんたろー >








漣「三大有名昔話といえば? 」

提督「浦島太郎」

叢雲「桃太郎」

涼風「猿蟹合戦」

叢雲「違う」

涼風「は? 」

叢雲「三大昔話は室町頃から桃太郎と浦島太郎と金太郎だから、違う」

涼風「……は? 」

提督「ボケだぞこれ」

漣「眉と口元見れば分かりますよねー、真顔でも」

涼風「…………はぁ? 」


< 三大も五大も十大すらあるのですがね >








提督「まぁ、いいとこ浦島太郎桃太郎かぐや姫じゃねぇのか」

高雄「かぐや姫とか好きそうですものね」

提督「おい馬鹿やめろ」

高雄「はい? 」

叢雲「だから……前にも言ったけど早々あんたと酒飲んでない限り語らないわよ雑学なんて」

初月「さらっとお前それ…………いや、別に、いいが」


< さすがに酷いだろうとか言われても >







雲龍「世の中に蔓延している愛は強いくせに抱かせてくれない性欲の無い女よりはいいと思うの」

江風「取り敢えずその人たちに謝ったら? 」

雲龍「ごめんなさいね、愛されていて」

江風「…………」

天城「あぁ言えばこう言う……案外と姉様って営業とか代議士、向いているんじゃありません? 」


< 言わせたい、そんな日も。或いは言ってほしい日も >








山城「…………」

提督「…………」

山城「…………」

提督「…………」

山城「…………」

提督「…………」

山城「…………」

提督「…………何? 袖、引いてるだけじゃ、分からないよ」


< ロック、喉灼きつつ >







加賀「喪ってしまった過去だけが、美しい」

龍田「今は、幸せじゃないんですか? 」

加賀「あの人がいれば幸せよ? ……でも、きっとこれは、美しくない生き方」

龍田「そうですねぇ……生き汚いことが美しい、なんて思いますけど」

加賀「言い訳、自己暗示、倒錯の類ねそれは」

龍田「そうかも」

加賀「そうに、決まっているわ」

龍田「…………」

加賀「…………」

扶桑「…………鬱っぽい妹が踏み出したと思ったら。
…………私の周りってこんなのしかいないのかしら」


< その顔が、見たかったなんて言ったら、怒るかな? >







山城「…………いじわる」

提督「そういう男だろう? 俺って」

山城「……………………」

提督「うん? 」

山城「……………………手」

提督「ん」

山城「…………」

提督「…………ん? 」

山城「…………いじわる」


も、もも勿論忘れてなんていませんとも……ええ

ありがとうございました


< 肌寒い季節、肉か果実かお好きなものをお選びください >








提督「おはようございますお嬢さん」

山城「ん…………紅茶」

提督「少々お待ちを。……ホットフルーツティーだけど、林檎でいい? 」

山城「…………」

提督「…………機嫌悪そうですね。林檎にするよ? 」

山城「…………そう見えるだけ。割といい方よ。林檎でいい」

提督「左様で」

山城「……………………はぁ」

提督「…………何? 」

山城「別に。……あなたは、いつでもあなたね、って」


< 妹を女として見るのか、オンナが偶々妹だったのか >








雲龍「山城に横目で侮蔑的な目で見られるのって割とクると思うの」

扶桑「分かるわ」

雲龍「ええ、そ……あなたは分かったらいけないと思うのだけれど」


< 腐ったとして、アカシャの記録 >






扶桑「きっとあなたと話している所為ね」

雲龍「さすがに歪んだ嗜好植え付けるなんて不可能だと思うけれど」

扶桑「あの子に対して後ろめたいものがあるのが傾きかけている理由かしら」

雲龍「そう……」

愛宕「馬鹿じゃないの? そんなの自分の不幸呪ってなさいな。あんな男愛した」

扶桑「…………」

雲龍「…………」

高雄「それは禁句じゃあ……」

加賀「…………あの人、泣いてるわよ、きっと」


< 互いに刃突き付け >







山城「はぁ。…………朝起きたら人間になっていればいいのに」

提督「…………なりたい? 」

山城「ええ。なったのが分かった瞬間あなたを訴えて人生から切り離すわ」

提督「俺は人外生物のとき限定の堕ちた先だって? 」

山城「そうでしょう? こんな境遇じゃなきゃあなたなんかに縋らない」

提督「…………泣いていい? 」

山城「いいわよ? ……舐めて啜って、流した血涙まで飲み干してあげる」

提督「そうかい。…………お前が、誰でもない、ただのお前なら、喜んで心臓まで捧げたのに」


< その先はまた別のいつかに確かめよう >








山城「ま、でもそうね……叶わぬ夢だから笑い話にもできる」

提督「つまり山城が飽きない限りは俺といてくれるってことか」

山城「そうね。……自意識過剰ではなくて? 」

提督「悪いね」

山城「…………私だけを愛してくれるのならば、今のままでも……

提督「今のままでも? 」

山城「……………………火、くれるかしら」

提督「……………………どうぞ、お嬢様」


< 紫煙の奥にあなたの真心微かに >







山城「フ-…………虫酸が走るわ、あなたの吐息感じる朝なんて」

提督「ま、こんな男だろう? 何をどう言い繕っても」

山城「そうね、今更な話。きっとこれからも吐き続ける戯言でしょうけれど」

提督「うん。…………味噌汁が、欲しいな」

山城「いいわよ」

提督「……うん? 」

山城「いいって言ってるじゃない。つくってあげる」

提督「そっか頼む」

山城「…………」

提督「…………」

山城「…………ふふ、断った方が私らしかった? 」


< それはそはれで、或いは揚羽となりましょう >








Littorio「ふぁ……ねむ」

Roma「姉さん、どうでもいい報告を終わらせたのならさっさとあの国に戻りなさいな」

Littorio「邦が許可を出してくれないのよ。次はドイツにでも遣られるのかしらね」

Roma「…………」

Littorio「小耳に挟んだだけだけれどどうせ殆ど戦わせないなら特派大使にでもしよう、なんて話もあるとか」

Roma「姉さんが特使なんて笑わせてくれるものね」

Littorio「本当に。…………ふぁ」

Roma「……………………姉さん無駄に、女らしく、なったわね。それはもう、悪い意味で」


< 感情 >






高雄「どうぞ」

加賀「ん、美味しいわ」

龍田「愛宕と同じくらいねぇ~ 」

雲龍「或いは私と同じくらい」

高雄「は? 」

雲龍「……赤味噌って私嫌なのよ、偏っていて」

高雄「はっ、合わせ味噌なんて逃げたヒトには言われたく」

扶桑「…………これ全部、山城の所為なのかしら」


< 何か文句でも? >






加賀「巫山戯たこと言ってないで静かに食べなさいな。
私が、わ・た・し・が、美味しい、味わえると言っているのよ」

龍田「ね? 」

雲龍「はい」

高雄「はい」

天城「はい」

阿賀野「おいし♪ ……うん? 」

能代「…………異常な説得力というか、圧力というか」


< その微笑に既知、と言えればどんなにか >






提督「ありがと」

山城「何が? 」

提督「山城が山城であることを棄てずに、お前でいてくれて」

山城「意味が分からないわ。あなた、早朝のくせに酔ってるわけ? 」

提督「或いはお前に」

山城「ふん。…………高雄と愛宕、捨てなさいよ」

提督「いいよ。……お前は、何くれるわけ? 」

山城「分かって、いるでしょう? 」

提督「お前全て? 」

山城「私が持つもの、持てるもの、捧げられるもの、劫掠できるもの、全て」

提督「……………………」

山城「……………………」

提督「……………………ッ」

山城「ま、いいけれど。…………覚えておきなさい。
私、龍田なんかとは比べられないくらい、酷い女だから」


< 違います >








鹿島「……………………」

Aquila「あら~? どうしたの? 青褪めちゃって」

Pola「vinoでも飲みましょ~? 気分も晴れますよ~ 」

赤城「ふふ、正式に結婚を申し込まれたみたいですよ。
よかったですね、龍田や山城よりも早く嫁げて」

鹿島「……………………」

Aquila「あらぁ~……あら、あら? 」

Pola「あー……あー…………あ、取り敢えず、生? 」


< 御尤もでございます >







赤城「折角色々と忠告してあげたのに」

あきつ丸「今頃思い知っているだろうよ。
あれで龍田や山城がどれだけバランス感覚に優れていたか」

赤城「想い、なんていうジョーカーも別の鬼札で無かったことにしましたしね、龍田は」

あきつ丸「あぁ。しかし……面倒なことになったな」

赤城「ええ……誰なんですか? 鹿島さんにプロポーズなんてしたの」

あきつ丸「例の龍田に恋し沈んだ将校の後釜だ」

赤城「あの華族出身エリート軍人さん? 」

あきつ丸「そうだ」

赤城「また面倒な。まさかまた排除するわけにもいか……そのポストに前の前いたのって大湊のあの人ですよね? 」

あきつ丸「そうでありますね」

赤城「ははぁ…………そんな面倒しか起こさない人間ばかり就くポストなんて無くしてしまうべきでは? 」


< 思い出せない! あー……あー! >







江風「えっと、ほら、うン……あー……マス、マス……」

提督「マスト? 」

海風「マスク? 」

初月「益荒男? 」

雲龍「マスカキ? 」

江風「マスゲームだ思いだした!
……雲龍さンはさ、本気で江風がそンな言葉思い出そうとしてると思ったのか? 」


< 終局 >








時雨「何というかね、おかしいと思うんだ」

満潮「うん? 」

時雨「火の無い処に煙は立たない、なんて無責任で理不尽じゃないか。
言った者勝ちの根拠の無い決め付けだよあれは」

満潮「一理あるとは思うけど」

時雨「何? 」

満潮「あのね、心して聞きなさい」

時雨「うん」

満潮「あんたは自分に非は一つも無く、
疑われることさえ本来あり得ない、
そんな清廉潔白で真っ当な存在だってわけね? 」

時雨「や、それは……うーん…………えーっと、ね、ね? え? 」


< 余の辞書に…… >







龍田「うーん? 私の辞書には不可能も無謀も誠意も、当然載ってるわよ? 」

明石「へぇ……? 」

龍田「何? 」

明石「別に」

龍田「そ。…………載ってても、時々忘れるものでしょう?
あまつさえ全部覚えてるなんて有り得ないし」


< それすらいつか、仕合わせとして >







山城「あれの隣に立つということはね、不幸なことなのよ」

能代「そんなこと理解していますけれど? 」

山城「いいえ。全然分かっていないわね、あなた」

能代「は? 」

山城「あのね、あれの隣に立つというのは、幸せではあるのよ」

能代「はぁ」

山城「ただ、あれといる幸せは過去の自分、
本来の自分を対比させて浮き彫りにしてしまうということ」

能代「……」

山城「輝かしく愉快な未来と、澱んでいて不愉快な過去を同時に投げつけられる。
こんな不幸なことが……他にあって? 」


< こんばん、は! >







龍田「で、何? あれと寝て、満たされた自慢? 」

山城「そうね。私も所詮ただの哀れな女ってこと」

龍田「あっそ。…………火」

山城「ん。…………火」

あきつ丸「ん」

龍田「…………はぁ? 」

山城「っ、っほ、はっ……はぁ? 」


< 正しく右往左往 >







山城「あれ、呼びなさい、今すぐ」

龍田「そんなこと言っても……えぇ? 何で? 」

あきつ丸「鹿島の火急だ、呼べ」

山城「…………」

龍田「…………」

あきつ丸「あ? 」

山城「…………呼ぶ? 」

龍田「あなたが呼びなさいよ。…………取り敢えず、火? 」

あきつ丸「馬鹿女。…………フ-、ま、どうせそのうち、勝手に、来るだろうが」


< ^ ^ >






提督「呼ばれて飛び出て? ジャジャッ

龍田「死ね」

山城「失せなさい」

あきつ丸「どの面下げて」

提督「…………………は? 」


< 他人だから >






提督「マジなの? 」

あきつ丸「あれが青褪めるくらいには」

龍田「あきつちゃんがこっち来るくらいには」

山城「龍田が一瞬真顔になるくらいには」

提督「あ、そう……君ら、割と余裕じゃない? 何で? 」


ありがとうございました


< 闇雲にただ幸せを掴もうとするよりは >







提督「フ-…………あのさ」

「何です。珍しく内線で呼んだと思ったら」

提督「…………華族様がな、結婚相手をお望みだ」

「それはそれは。察しのいい後輩がお望みで? 」

提督「そうだと助かるね」

「はいはい了解。……先輩が振った俺の嫁の従姉妹を御用命ですか」

提督「悪い話じゃない。多少温室育ちで潔癖症だが、誠実な人だ。何より実家の力がある」

「お義父上も満足なさるだろう、と」

提督「あぁ」

「フ-…………力添えは? さすがに俺と先輩だけじゃあ力不足だ」

提督「殿下が……横須賀の元帥閣下が祝福してくださる」

「なるほど。…………ノった、ノりましたよ、先輩。俺の箔にもなる。
…………詰めの話は、俺の執務室で義父と三人でやりましょうか」


< 時に本人ではなく周囲にとって意味を >








鹿島「…………は? 」

あきつ丸「お前へのプロポーズは、誤りだ」

鹿島「はい? 」

あきつ丸「偶然見かけた部下と多少親密になっただけ。
まさか華族様が一時の気の迷いで人外の化け物と結婚なんぞするわけが無いだろう? 」

鹿島「…………」

あきつ丸「…………」

鹿島「…………たった数日で、何をしたんです」

あきつ丸「何人かに“ お願い ”を、それだけだ」

鹿島「……………………感謝、しておいた方が、いいのでしょう、ね。
きっと、私の理想とは正反対の、やり方でしょうけど」


< 或は恨まれたとして、きっと同じことをする >







提督「フ-……お義父上が話の分かる御仁でよかった」

「伊達に代議士なんてやってませんよ。あれで一族全員のことを考えている人格者でもある」

提督「その割にこんなきな臭くて性急な婚約にも同意したけどな」

「それはそれ、これはこれ。元々嫁の従姉妹は先輩みたいな若手将校に嫁ぐと理解して育っています」

提督「そ。…………ふはぁ」

「…………フ-」

提督「……………………何人の人生、歪めたかな」

「さぁ……それと気付いた人間がいなければ、
それはゼロと同じなんじゃないですか? それに俺にとっては、割にどうでもいい」


< 苛々するものですけどね、あれ >








愛宕「私たちって意識して止めなければ勝手に身体の傷直るじゃない」

高雄「まぁ、人外ですからね」

愛宕「だから私口内炎って分からなかったの」

高雄「でしょうね」

愛宕「それでね? 少しだけのつもりで偶々噛んじゃってできた口内炎を残してみたの」

高雄「また馬鹿なことを。疲れるでしょうそれ」

愛宕「でも何だか割と新鮮で楽しいわよ? これ。四時間目なのよ今」

高雄「はぁ。…………人外の割にみみっちいというか、ストレートにいえば馬鹿というか」


< それがいいのに >







提督「テレビ電話ってあれだな、何か無駄に緊張するな」

天城「はい? 」

提督「や、まぁ相手が相手、理由が理由だったからだけど……時々さ」

天城「ええ」

提督「滅茶苦茶酔った雲龍が変に赤い顔でビデオ通話してくる話していい? 」

天城「結構です。その時点でもう出落ちみたいな話じゃないですか」


< 別に生えてるとかじゃなくてね >








初月「シースルーのパレオか……」

涼月「うん? 」

初月「いや、個人の好みだけどさ……なぁ? 」

提督「俺は実物を見てないから知らん」

涼月「見ても大した感想は湧かないと思いますけど」

提督「や、女の子の水着見て感想が湧かないってのは男として有り得ないから、どんなのでも」

初月「そうだよな、うん」

提督「おう」

涼月「…………何で初月が妙に深く頷くの? 」


< 諸悪というより根本は同じ >








提督「つーかさ、パーカーとかラッシュガード羽織ればいいじゃん?
できれば白っぽいパーカーで頼みたいが」

高雄「それはあなたの趣味でしょう」

提督「そうとも言うけど」

涼月「別にそこまでして着たいわけでも……夏も終盤でしょう青森」

初月「ここなら着る機会ぐらい幾らでもあるだろう」

高雄「代謝を励起して海上にいるときと同じ状態になれば寒くもありませんし」

提督「だよな。…………これで初月が姉妹レズに傾いていってたら……それも俺の所為にされるんだろうなぁ」


< 望まぬ婚姻があり触れていた、そんな時代も >








鹿島「しかしですね、あきつ丸さん。私はよかったのですよ、あのままでも」

あきつ丸「ほう? 例のあれか? 選んだ男に合わせて自分を変える。
愛することを覚えて同じ方向を見られるようにとかいうお題目」

鹿島「お題目なんて失礼な。…………あの方の妻となるのであれば、
きっと軍内を軍内から変えることも少しは簡単になったでしょう」

あきつ丸「かもしれんな。……紹介しようか? 」

鹿島「はい? 」

あきつ丸「軍内に影響力を持っていて女を探している男だろう?
そんなもの、幾らでも紹介できるであります」

鹿島「それは結構。真っ当な紹介であるのならばお見合いくらいは応じますけれどね」

あきつ丸「そうか。…………ま、今回の件では提督殿にも力添えいただいた。気が向けば、感謝しておけ」


< 駄目人間にも五分の玉恣意 >







時雨「いっそそれを理由に迫ってしまえばいいのに」

鹿島「提督さんのこと、好ましい男性だとは思いますけどね、無理でしょう」

あきつ丸「あれで押しには弱い人間だが」

鹿島「いえ、あの人を済し崩してしまうことはできるかもしれませんけれどね、
あの人を動かして軍を変革するのなら、結局はあの人の一番にならないといけませんよ? 」

時雨「なるほど無理だね」

あきつ丸「一人デモの方がまだ希望があるな」

鹿島「でしょう? …………それはそれでどうなのでしょう、とも思いますけど」


< 知りたいこと >






時雨「はぁ。…………あれ、解決でいいの? 」

あきつ丸「当該エリート将校様とご実家にとってはな」

時雨「つまり僕たちや提督、殿下にとってはただ歪みが増えただけ、と」

あきつ丸「無理を通すために別の無理を拵えただけでありますからね。
鹿島とて複数人がプロポーズの件を知っているわけだ」

時雨「それは面倒だね。妬っかみや驚愕から好奇なんて」

あきつ丸「あぁ」

時雨「…………」

あきつ丸「…………」

時雨「…………本人の説得、誰がしたの? 」

あきつ丸「当然父君だが。家長の言葉には逆らえなかったようであります」

時雨「その父君へのお話は? 」

あきつ丸「殿下が」

時雨「そ。…………やっぱり、そこまでするご法度なんだね。
僕ら人外生物のオカルトモンスターが結婚なんて尊いこと、するのはさ」


< ただ、自由を >






あきつ丸「ふん……どこぞに、隠した恋人でもいたのでありますか? 」

時雨「いっそね、身体で釣った男であろうと結婚してしまえばどうにかなるかもって」

あきつ丸「化け物の安売りだな」

時雨「うん。…………ま、そんなこと、できないだろうけど」

あきつ丸「化け物の矜持なんぞ笑わせてくれるな」

時雨「だからこそ、さ。認めてくれる人を常に渇望しているんだよ、僕たちは。当然、君すら」

あきつ丸「…………」

時雨「別に認めろとは言わないけどね。
…………或いは究極的な愛かもしれないよ? 肉欲でも物欲でもない純粋な、さ」


< どうとでも、するのかされたのか >






赤城「まったく……面白くない結果になりましたね」

あきつ丸「生憎とこちらにも事情があってな」

時雨「赤城さんだって湾に浮かぶ死体なんて早々見たくないだろう? 」

赤城「そうですね。…………はい、どうぞ」

あきつ丸「あ? …………あぁん? 」

時雨「今度は何さ。…………はいぃ? 」

赤城「私たち側の裏切り者、探していたでしょう?
例の汚職を不自然な形で告発した誰かがいる勢力」

あきつ丸「…………」

時雨「…………」

赤城「方法は訊かないでくださいね? その封筒の報告書さえあれば、どうとでも、なるんだから」


< 望みあらばその為に >






あきつ丸「……………………末恐ろしいな、まったく」

赤城「これでも周りを見るのは得意でしてね。空母ですから」

時雨「つまらない冗談だ」

赤城「そちらはセンスが。…………あきつ丸」

あきつ丸「何で、ありますか」

赤城「そろそろ大湊に遣っていただけません? あれから何ヶ月経ったと思っているんです」

時雨「は? 」

あきつ丸「あぁ……済まないであります。急がせる」

赤城「早く、してくださいよ? そうしないと私……帝国海軍を崩壊させるまでやってしまうかもしれません」

あきつ丸「笑えんな。…………まったく、笑えないでありますよ、こんなこと」


< とは言いつつも、仲間であるのならば >







時雨「ん、んん……つまりあれかい?
大湊への中期的な訓練に派遣されたいためだけにあれだけのことをしたって? 」

あきつ丸「赤城の言葉を信じるのならばな」

時雨「…………」

あきつ丸「…………」

時雨「…………」

あきつ丸「…………」

時雨「…………これは、下手に突っつかない方がいい、案件だよね? 」

あきつ丸「そうでありますな。…………今あれに牙を剥かれて対処できる余裕など、自分たちには無いでありますから」


ありがとうございました


< 終わらない >







涼風「や、別に何日か賞味期限切れてても何とかなるから。
況してやあたいたちなんて本当にどうとでもなる」

加賀「はぁ……」

涼風「何さ。そんな心底から馬鹿にした顔して」

加賀「賞味期限が、というよりもね?
食材というものには美味しい時期があって、
食すに相応しい時機というものがあるの。
賞味期限には食材を安全に食べることができるという意味もあるけれど、
やはり食材を美味しく食べ感謝することのできる期限のことよ。
そもそも誰にだって当然のことだと思っていたけれど。
変色して紫色になった牛肉で焼肉が美味しい?
柔過ぎる大根で煮た風呂吹き大根が美味しい?
形の崩れた秋刀魚を焼いた塩焼きが美味しい?
匂いだけは撒き散らす腐った林檎が美味しい?
優しい青さと新鮮さを失った水菜は美味しい?
それからあのーーーー


< お人形遊びと嗤う人なんて >







提督「漣よ」

漣「はい? 」

提督「ん」

漣「何ですこの箱……和服? 」

提督「プレゼント。そのうち着てくれると、嬉しい」

漣「……………………そろそろ死期、ですか? 」


< ここまで冗談、これからも冗談 >







提督「んなわけあるか。憎まれっ子は世に憚りまくるつもりだぞ」

漣「じゃあなんで? 」

提督「実は友人のお子さんへと思っていたんだが亡くな

漣「不謹慎な嘘はいいですから。そんな友達の娘さんだったら葬式行くでしょご主人様」

提督「まぁな。割と気分だけだ」

漣「はぁ。…………あっ、これ結構お高めっぽいし換金して遊べというご主人様の優し

提督「泣くぞお……おい、ニヤつきながら部屋持っていくんじゃねぇよ! おい! 」


< この辺も大体冗談 >







叢雲「で、何でよ」

提督「天城にな……頼まれたというか何というか」

叢雲「天城? 」

提督「俺もまぁ思わないでもなかったからよかったんだけどさ、
新年には全員晴れ着だっただろう、Littorioも」

叢雲「そうね」

提督「泥酔した天城がすっげーどストレートに漣のやつ似合ってなかったとか言い始めて」

叢雲「はぁ……覚えてないわ漣が着てたやつなんて」

提督「だよな。…………と、いうわけだぞ漣くん」

漣「別に知りたくなかったかなーって。
……部屋置いてきたけどあれマジで換金しよっかな、マジに」


< 踏み出せない弱さと笑われたとしても >







龍田「そういえば私の引き抜きなんてどうやって断ったのかしら」

山城「はい? 」

龍田「六月末くらいにそんな話があったみたいなのよ。
くだらない冗談言い合ってそれで終わったんだけど」

山城「どうせお得意の屁理屈でしょう。データ取りと分析だけは陰湿にできるし」

龍田「呉から呼ばれていたのよ? 今の呉って前の大将に劣らず押しの強い人だし」

山城「さぁ……訊いてみれば? 」

龍田「訊いたら余計恩感じちゃうじゃない? 」

山城「いいでしょうそれで。あなた既に一生掛けても返せない借りがあるのよ? 」

龍田「そうだけど……そうなんだけど、ねぇ……? 」


< 冗談ではなくて >







Roma「何の冗談なのかしらそれは」

Littorio「ふふ……休暇っていつでも欲しいものでしょう? 」

Roma「それがただのバカンスなら、ね」

Littorio「たった数週間じゃない。それとも、嫌? 」

Roma「嫌とは言って……あれに恩を感じるのが嫌なのよ。
…………まさか、あの男の城で、演習期間だなんて」


< ヤ……ダメッ……ンッ! >








提督「みたいなのってやっぱいいよな、うん」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………でも逆にエロ過ぎて演技臭い子ばっかなんだよなぁ」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………や、だからって色々手付けてるとかそんなことは無い、無いんだけどさ、うん」


< 時刻は夕刻夕陽背にして >








加賀「あら……珍しく一人で黄昏れてどうしたの? 」

提督「んっ? んぇ……や、何でも」

加賀「また、他人には言えないこと考えていたのかしら? 」

提督「そんなとこ。……何? 」

加賀「夕食の用意、できたみたいよ」

提督「そっか。…………今、俺って執務椅子に座ってさ、お前は机挟んだ対面だろう」

加賀「? そうね」

提督「このまま立ち上がって、
ドアに向かって歩くお前のこと後ろから抱き締めたら、どんな反応する? 」

加賀「さぁ……ふふ…………試して、みればいいじゃない? 私、断れないんだから」


< 何もかも台無しにしてフラットにしたいときも >







提督「…………」

加賀「…………何? 慰めてほしいの? 」

提督「いーえ? ……あのさ」

加賀「何? 」

提督「……………………」

加賀「…………? …………何? 」

提督「……………………エロいって何だろう? 」

加賀「……………………は? 」


< 何を基準に置くかで >







鈴谷「どうなの? 実際」

鹿島「何が、ですか? 」

鈴谷「プロポーズされて一瞬で振られたとかそもそもプロポーズされたのが勘違いだったとか言われてるけど」

鹿島「どうなんでしょうね」

鈴谷「はぁ? 」

鹿島「私にも何と言えばいいのか分かりません。
あきつ丸さんや赤城さん、大湊の提督さんなら分かるかも」

鈴谷「あっ」

鹿島「? 」

鈴谷「もういいや、分かった分かった。鈴谷この話はカンペキ忘れる。やめやめ! 次の話! 」






時雨「…………表向きだけでもあの反応をされないだけ僕ってマシなんだろうか」


< 全き自明 >








満潮「あんた凄いわ」

あきつ丸「は? 」

満潮「時雨と連んでてよく自分失わないわねあんた」

あきつ丸「…………何か忘れていないか、満潮殿。それとも呆けたのか? 」

満潮「何? 」

あきつ丸「我ながらエッジが効いているのは別としてだな、
提督殿とまともに感性が合って龍田や山城と連んでいられるのでありますよ、自分は」

満潮「…………」

春雨「…………それは、ギャグでやってたの? 満潮ちゃん」


< 全て飲み下して忘れられるのならば >







時雨「そもそも満潮自体割とアレだと思うけど」

あきつ丸「いや、時雨が言えたことではないぞ」

春雨「まぁ、満潮ちゃんがアレなのにも同意するけど」

満潮「春雨も大概でしょうが」

浜風「まともなヒトなんているわけ……そのお皿、要らないならくれます? 」

若葉「あぁ。……………………嗚呼」


< 阿鼻叫喚背にして >







WS「何だか久し振りな気がします」

GZ「は? 」

WS「日の目を見るというか見られない方が真っ当というか」

GZ「何なんだ、何が言いたい」

WS「怖い夢を見た? 」

GZ「ほう……貴様つまり私と茶を飲んでいるときに、一瞬でも寝たと? 」

WS「そんなこと」

GZ「ふん…………演習で本気を出してBismarckを煽るのはやめてもらえるか。
ただでさえ飲むあいつにそれ以上飲む機会なんぞ与えるな馬鹿」


< 以下、言葉にならない言葉が続きます >








WS「でもそのお陰で伯爵を独占できていますもの」

GZ「EugenやLebeを犠牲にしてな」

WS「王子様は喜んでいるでしょうきっと」

GZ「お前はBismarckのアレを知らないから……」

WS「? 何? 」

GZ「言わないぞ……絶対に、言うものか。
我が祖国の恥、汚辱、かつ希望の象徴、しかして汚泥に塗れた悪辣な……淫猥な……いや、だがしかし……ーーーー

WS「伯爵? 伯爵……Graf……? 」


< 耳って誰でも弱点なんですよ? 色んな意味で >







赤城「あなた、本当に優秀ですね」

Pola「何がですか。私は私の祖国の為になることならば何であれ遂行するだけです」

赤城「…………」

Pola「…………」

赤城「…………」

Pola「…………」

赤城「…………これ、録音してどうするんですか? 」

Pola「赤城が褒めてるのを姉さまに聞かせれば少しくらい飲んでも怒られ痛い!
痛いですよぅ姉さまぁ~……あ! vinoは奪らないでぇ~! 」


< 弱味晒した弱味に惑う強み >







龍田「結局あの人の娼婦になってしまったのね、あなた」

山城「ヒト聞きの悪い。元々私なんて、その程度の価値よ」

龍田「だとしてね、あなたがっていうのはやっぱりあるでしょう? 私や扶桑以外」

山城「私と姉さまとあなたと高雄と愛宕とあきつ丸以外は、そうかもしれないわね」

龍田「また、その面子で楽しくできればいいのに」

山城「無理でしょう。あなたの所為であの人が、大湊に来てしまった以上は」

龍田「ッ……そう、ね。…………本当、そう、よね」


< いいといえば、まぁ臨めばいい >







提督「何? 何の話? 」

山城「あなたと龍田の明日の為に乾杯していたところ」

提督「ほーん……ウイスキーだけどいい? 」

龍田「ん、乾杯……私にも頂戴な」

提督「はいよ。……スコッチだぜ? 」

山城「っふぅ……きつい」

龍田「蟒蛇のくせに」

山城「あなた程じゃないわ」

提督「俺から見れば大して違いなんて。……で? 俺は、ここいて、いいの? 」


< ただの絡み酒ならばどんなにか >







高雄「解散、しましょうか」

愛宕「そうねぇ……たぶん私たち二人だけなら邪険にされないけど? 」

高雄「そうだとしてあの面子に今加わる気力も体力も無いわ、私」

愛宕「ん。…………解散した後飲み足りないヒト遊び足りないヒト、サンジョルディの部屋ね」

雲龍「もういい……気分最悪」

海風「あの空気見た後はちょっと……」

明石「私も寝ますね」

天城「一人で飲んだ方がマシですね」

加賀「私は行くわよ? ……だから、雲龍は最低でも来なさい? ね? 」


< 寒々とした廊下歩きつつ >









雲龍「あの、私は加賀さんとサンの仲介じゃないのですけれど」

加賀「ご冗談を。私がサンと仲良くなる踏み台でしょうあなた」

雲龍「なれませんよ。サンが加賀さんと仲良くなるなんて許しません。
あの人くらいなら許しますけれどね、私のことを見てくださいよ」

加賀「見ているわよ。……見ているけれど、あなた、真面目じゃない、努力しているじゃない。
私なんて必要無いじゃない」

雲龍「それでも届かないんですよ。……あなたの生き様にも、高みにも」


< 溢れた愛注いで >







山城「いいわよ」

龍田「ええ」

提督「そっか」

山城「…………」

龍田「…………」

提督「…………」

山城「…………呉への対応は? 龍田のことで」

提督「いつも通り。詭弁述べて、立ち回って、権力とコネ使った」

山城「そ。……こんなものよ、いっつも」

龍田「そう……私、一人部屋よ? 」

提督「深酔いした二人で初夜行く趣味は無いんでね。…………グラス、空いてるぜ? 」


< で >








高雄「はぁ……」

愛宕「ふふ……」

天城「何故天城まで……」

雲龍「ロン」

加賀「…………サン、こっちよ」

高雄「それですか……はい」

愛宕「ふぅん? 」

天城「フォールドしたいところですよ、まったく」

加賀「サン……ええ、それでいいわ…………あぁ」

雲龍「そうよね。…………他人の代打ちって楽で、いいわね? 」


ありがとうございました


< 喪われしあの日々をもう一度 >







提督「頭痛ぇ……お前らと飲んだ日には、まったく」

山城「五月蝿いわね……頭に響くわ」

龍田「戻しそう……馬鹿でしょうあなたたち」

提督「…………」

山城「…………」

龍田「…………」

提督「…………三人一緒にテーブルに突っ伏してるあたり、見放されてんぞこれ」


< バーとかならまだいいんだけどね >







愛宕「ふぁ……これ、何巡目? 」

高雄「知らない。……加賀さん、サンジョルディは諦めたんですか? 」

加賀「そうではないけれど……これを見ているとその方がいい気もするわね」

雲龍「……サン…………ん……………………Zzz」

天城「抱っこ寝ですものね……………………お酒飲んで虚しくなってお酒飲んで麻雀始めて眠気覚ましにお酒飲んで麻雀続けてお酒続けて……。
何ですこの悪循環は」


< 合流+α >








叢雲「馬鹿なの? 」

提督「馬鹿です」

高雄「馬鹿です」

天城「馬鹿ですとも。……姉様や加賀さんが、ですけれどね」


<勝てばよかろうなの >








能代「能代から見れば皆さん漏れなく馬鹿すら通り越してますけど」

阿賀野「でも楽しそうだよねー。阿賀野も麻雀やりたかったなぁ」

龍田「あら、じゃあ今度は呼んでもいいの? 」

阿賀野「是非是非ー。こう見えても阿賀野は結構強いんですよ? 」

能代「やめっ……やめた方が」

龍田「そうなの? あなた横須賀ではあんまりやってなかったから好きじゃないのかと」

阿賀野「嫌いではないですよ? 負けがこんだら嫌になるかもしれないですけど」

能代「強いって何を基準にして……」

龍田「なるほど? ……なるほどぉ」

能代「…………身包み剥がされても知りませんよ能代は。もう知らないからね? 」


< それからお昼回りまして >






漣「余計なこと言う人ランキングー! 」

叢雲「漣でしょ」

瑞穂「雲龍さんでは? 」

雲龍「龍田でしょう」

天城「Littorioさんも中々」

龍田「私やLittorioちゃんはわざとだもの。ちょっとジャンルが違うわぁ~ 」

山城「余計たち悪いじゃないそれ……」


< 流れを読む >










龍田「たちは悪いかもだけどー、このランキングには入らないでしょう? 」

山城「はぁ……ほら、漣次」

漣「? ……ああ言えばこう言う屁理屈人ランキングー! 」

叢雲「これは龍田」

瑞穂「龍田さんでしょうね」

雲龍「龍田よね」

天城「龍田さんですね」

龍田「そうねぇ。龍田さんねぇ~ 」

叢雲「……」

瑞穂「……」

雲龍「……」

天城「……」

山城「……いっそあなた詐欺師にでもなれば? ねぇ? 」


ありがとうございました


< 手で押さえて見るとかノリいいね >








鈴谷「んもーっ! 額に書いてる改二って文字消すぞこのぉ! 能力消えるぞぉ! 」

金剛「まっ、マジ!? 」

赤城「そんなもの書いているわけ。あなた自分のことでしょうに……」


< 行き着く理由 >







Littorio「ふぅ……眠い」

Roma「仕方無いわね。あの国の時間に慣れているんだから時差も感じるでしょう」

Littorio「寝たいときに寝る生活に慣れていたのもあるわ」

Roma「怠惰ね、姉さん」

Littorio「でもね、Roma。仮に私があの人と出会わなくて、真っ当な、いえ、使いやすい駒であったとして」

Roma「ええ」

Littorio「いつか、何かの理由で壊れていたと思う。これで、よかったの」

Roma「駄目とは言わないけれど……あれの影ちらつくのが、嫌なのよ」


< その幸せすら分かろうとさえせず >







鹿島「……あの」

あきつ丸「何だ」

鹿島「さらっと言うのもなんですし無駄な溜つくるのもおかしいですけどね」

あきつ丸「だから何だ」

鹿島「私はこのままでいいんでしょうか。よく分からないままに今に至るんですけど」

あきつ丸「何か問題があったか? 華族のエリート様は麗しい才媛と縁を持ち、
その父君は家の力と軍内のバランスを保ち、
貴様は望まぬ婚姻と嫉妬から逃れただろう? 」

鹿島「歪みは歪みとして残りますよ、それでも」

あきつ丸「ふん……今更な話だ。権力の機序に組み込まれた螺子には、そんなもの些事でありますよ」

鹿島「はぁ。……………………子供扱い、されてる気がする」


< 戻れるのならばガキの名程度甘んじて >







鹿島「気がするんです」

鈴谷「実際ガキでしょ。提督もあれでバランス保ちつつ少しずつ昇格してってるし」

赤城「龍田や山城は言うに及ばず。あきつ丸さんに至っては権力を行使する側ですらありますからね、非公式ですが」

時雨「望まぬ婚姻で無理矢理大人になるか、
このままゆっくりと堕落して朽ちていくのを選ぶのか。鹿島さん次第だよ」

鹿島「……………………」

若葉「伯爵が久々に焼き菓子を焼い……そのほっとした様な顔は、鹿島さんに失礼だと思うが」


< ちなみに貧乳も無いみたいですよ >







雲龍「綺麗な黒髪に生まれたかっただとか思うことはあるのよ」

龍田「ふぅん? 」

雲龍「小柄な体型だとか、褐色肌だとか、いっそカタワだとか」

龍田「妄想なら全て許されるって? 」

雲龍「ええ。……でも、男に生まれたかったなんて、ついぞ思ったことが無いの」

龍田「女に犯されたい男も、男を貶めたい女もいると思うけど」

雲龍「違う、違うわね。男っていうのは強くあるべきなのよ。
時々プレイとして遊んでみるのは面白いけれど……違うの」

龍田「そ。…………古風というか、ただの変態というべきか」


< まぁ、一杯目くらいはね? >







天城「乾きもののおつまみと瓶ビール……姉様たちには外聞というものが無いんですか」

雲龍「今オムレツが増えたわ」

龍田「あら~。チーズも入ってるのねぇ~。美味しいわ」

天城「どうも。……まぁ、いいですけれどね」

雲龍「ん」

天城「ありがとうございます……んっんっんっんっ……ビールは苦手って言ってるじゃないですか姉様」

雲龍「ごめんなさいね」

龍田「…………何故、イッキなんてしたのあなた、馬鹿なの? 」


< 普段が普段だから…… >







時雨「この前どこぞのバトルジャンキーと話してたらさ」

那珂「うん。……誰だかは訊かないよ? 」

時雨「そうかい? ……生き方の話になってね」

那珂「何でいきなりディープ」

時雨「仕事と義務からしてが戦い殺すことなんだから、
それに高揚したり溺れたって構わないでしょう? とか言い始めたんだ」

那珂「趣味と仕事とか、手段と目的とか。何か逆転してる気がする」

時雨「だよね。…………そういう盲目的で盲信的な生き方に羨望覚え始めたんだけどさ、救ってくれない? 」

那珂「無理」

時雨「無理か。……那珂ちゃんの無表情って、クるね。何か辛いよそれ」


< 冗談だとしても >







雲龍「創作の世界だとその時点の力関係が逆転するものもあるみたいね」

天城「はぁ? 」

雲龍「強い者が弱く、弱い者が強く」

天城「つまり天城たちが並の人間になってあの人が化け物染みた戦闘マシンにでもなると? 」

雲龍「ええ。…………ヤク漬けが一番楽しそうかしら。
そういうあの人をただの棒にして地下ろ……うん? 」

天城「」


< 生贄というイニシエーション >








龍田「ある意味山城って私が知ってる中で一番姉妹に拘ってる気がするの」

愛宕「ふぅん? 」

龍田「まぁ、姉妹だからこそ、だとか姉妹であるから、みたいな意味じゃないけれど」

愛宕「扶桑という存在を姉妹という括りに縛り付けてる感は多少あるわね。
愛さなければならない脅迫観念というか」

龍田「他に信じる者がいない状態から始まればそういう盲目も仕方無いわね」

愛宕「ええ。…………もし扶桑が姉妹じゃなかったらその“ 扶桑 ”のこと、山城嫌いそう」


< 誰が為に >







那珂「ふぁ~……眠いなぁ……」

鈴谷「その割に涼しい顔してるじゃん? 」

那珂「アイドルだからね」

鈴谷「ふぅん? 那珂ちゃん見た目的に深夜番組とか無理じゃない? 」

那珂「さぁ? そもそも那珂ちゃん別にテレビには拘らないし。
アイドルっていうのは元々偶像だからさ、誰かの希望であることが大切なの」

鈴谷「また難しいこと言う」

那珂「眠いからね、おかしくなってるかも。
……勿論、テレビでいつかしてみたいことは沢山あるけど、さ」


< 自分を信じることすら忘れたその日には >






あきつ丸「そもそも那珂のアイドル論とやらを聞いているとだな」

那珂「何? 」

あきつ丸「誰かの希望足る存在になる努力は認めよう、自分にはとてもできない」

那珂「ありがと。それで? 」

あきつ丸「誰かの為になっている自分を先につくって自己肯定しているようにしか聞こえないが」

那珂「究極的にはそうだもん。当然歌うこともダンスも好きだよ?
だけどさ、那珂は無償の愛なんて信じられないから、だからこそアイドルに憧れたんだ」

あきつ丸「…………そうか」

那珂「何? 」

赤城「眩し過ぎる程に、純粋ですね。それでいて私たちには憎む要素が無い」

鈴谷「…………夢、大切にしなね。いつかのその日、チケットくらい買うから、さ」


< 噎せた >






山城「……菊姫」

提督「はいよ。…………待ってろ、持ってくる」

山城「ん」

扶桑「……そんな顎で使って」

山城「私も求められれば応じますから。お酒でも、お料理でも、身体も、ただ共にあることも」

扶桑「…………」

山城「あの男も分かっていると思いますよ。ただあの男がそれを良しとはしないだけで」

扶桑「…………それなら」

山城「何です姉さま」

扶桑「私と寝れば、私も顎で使うのかしら? 同じモノ、呉れるのかしら? 」

山城「??!????!!?!?!??? 」


< 後ろめたさが有るか無いか >







提督「? ほら」

山城「、っあ、ありが、と……ふぅ」

扶桑「ハンカチなんて持っているんですか」

提督「何となく必要な気がしてさ、偶々」

扶桑「ふふ、随分と先回りしてきますね」

提督「待つ方が楽だからな」

山城「ええ……本当に」

扶桑「確かに待たせるというのは、中々に辛いものよね」

龍田「責められているのかしら……いえ、私が言っても違和感なんて無いとは思うのだけれど」


< 信じた方 >







龍田「そういえばこの前あなた、
イヨちゃんと二人なら抱かれるのも吝かではないって言ってたじゃない」

伊13「言い、ました」

龍田「二人とも大事にしてくれるならってこと?
それともイヨちゃんだけは大切にしてほしいってこと? 」

伊13「愛して可愛がってくれたら嬉しい、ですけど……。
でも、イヨちゃんの為になるなら、玩具でも道具でも、喜んで……なります」

龍田「そ。…………そんな気持ち、すぐ分かっちゃうわよ? 」

伊13「それならそれでいいんです。愛してくれないなら、愛されるように、愛する努力、します」

龍田「なるほど? 」

扶桑「歪んでいるわね……私たちとどっちがマシなのかは、分からないけれど」


< 繋げれば転がれるかな? >







江風「今日の昼さ、珍しく勉強してたンだよ」

海風「うん」

江風「装備の調整って加賀さンとか愛宕さンは自分でもできるって聞いたからさ」

海風「夕食まで引き籠ってたよね」

江風「で、さっき分からないこと訊こうと思って明石さンの部屋行ったら」

海風「行ったら? 」

江風「いつの間にかダブルベッドがあった」

海風「ふぅん……ふぇ? 」


< 世の中は知らないことだらけ >







江風「異様な光景だったぜあれ。シングル二つとダブル一つ置かれた部屋」

海風「だよね……どういう意味なんだろう」

江風「明石さンと瑞穂さンが寝るンじゃないの? 」

海風「瑞穂さんは狭いベッドで寝るのが好きって言ってたよ、二人で」

江風「じゃあ、明石さン? ダブルがテートク用で瑞穂さンのときは瑞穂さンのシングル」

海風「そんなことしなくても他のヤリ部屋、あるよ。しかも女ごとに」

江風「うーン分からねぇなそ……女ごとってマジかよ怖ぇなおい。初めて知ったわ」


< ゲージュツの為ならね >







初月「まったく……お前も男だな」

提督「やめろ照れるから。ちょっと涼月の括れに感動してただけだ」

初月「清々しい程に下半身野郎でもある」

提督「そうだな」

初月「そういう全く反省も否定もしない姿勢は好きだぞ。心底気持ち悪いが」

提督「そうだな」

初月「…………」

提督「…………」

初月「…………脱衣所の方から変な音がすると思ったら。
大丈夫か? 籠が頭に当たったんだろう? 」


< タオル巻いて入ってきました >







提督「大丈夫だ。この程度の痛みどうということも無い」

初月「タオルだけの姉さんが対価だから? 」

提督「あぁ。……あのタオルを胸の上で掴んで身体の下まで素直に垂らす持ち方、好き」

初月「気持ち悪いな……分かるが。姉さんのあの佇まいあってこそな部分もあるだろう? 」

提督「分かってるな。……身体に巻くのもいいけどね、
あのおっぱいと股間を絶妙に隠しつつ括れが露わなあの

涼月「あのー

提督「はい! ごめんなさい! 」

初月「はい! 許してください! 」

涼月「……はい? 」


< 言うだけならまぁタダだし >







涼月「すみません……ちゃんとプレートは確認して入ったつもりだったんですけど」

提督「いいよいいよ。大浴場一つしか稼働させてない俺が悪い」

涼月「そんなこと……」

初月「お前が入っているかどうか一目で分かるようにさ、
ネームプレートが掲げられる軍事施設とは何なんだと思ったよ。最初は何の冗談かと」

提督「まぁ、俺も。今までは誰も気にしなかったからなぁ」

初月「それはそれでどうなんだ」

提督「あぁ……」

涼月「…………平然と二人で脱衣所来た初月には何も言えないんじゃないの? 」


< 平然と加わってくる辺り大物感 >







松風「僕だって割と新参者な自覚はあるんだけどさ」

愛宕「うん? 」

松風「それにしたって司令は割と狂ってると思うんだ」

愛宕「そうね」

松風「でも一番ヤバいのはさ、この警備府の人望」

愛宕「? 」

松風「司令>黒猫さん>>>>>>>>>>>>>高雄さんと愛宕さん>>>>>>>>>>>>>その他みたいな感じでしょう? 」

愛宕「嬉しいけどそんなこと無……雲龍いるし」

松風「」

雲龍「それなら人望じゃなくて猫ぼ……何? 」


< そんなのよりモニターでも買った方が……>







初月「二つ目のタブレットPCを買ったんだが」

漣「買ったんだが? 」

初月「どうもあれだな、僕はこういったものをあまり使わない」

漣「それ買う前に分かるでしょ初月くん」

初月「そうなんだが……うん」

漣「ってもここやたら番組に拘るヒトとかいるしそれで動画でも観たら? 」

初月「そうするかな。うん、そうしようか」

漣「まぁ、要らなくなったらご主人様に倍値で売り付けてや

提督「買わねーわ馬鹿ども、アホかよ」


< 勿論タブが純粋に欲しいだけですよ? >








漣「でもあれですよ? 僕っ娘美少女のお古ですよ? 」

提督「いやいやいや……百歩譲ってな? 世の中にはそういうのが垂涎な男もいるだろうよ」

漣「ご主人様は違うと? 」

提督「絶対違う。……あとさ、そーいうのって普通コップとか下着とかじゃねぇのか? タブレットでもいいのか? 」

漣「知らねーですよそんなの。漣は男じゃないんで」

初月「僕も知らないな。お前が買ってくれないなら談話スペースにでも放置するよ」

提督「そうかい。…………お前ら二人とも目逸らしてるところ悪いけどな、
あっちで耳澄ましてる姉貴は注意した方がいいと思うぞ」


< 認めるのはまぁ癪 >







叢雲「分かってないわね。絶対天龍の方選ぶわよ」

初月「ふぅん? 随分自信あるんだな」

叢雲「あぁいう手合いはそこそこ経験あるの」

初月「む……」






叢雲「あなた、あいつと天龍どっちかしか助けられないとしたらどっち選ぶ? 」

龍田「天龍ちゃんに決まってるでしょう? 」

叢雲「ほらね? 」

初月「以外だな。どっちも選べないかと思ったよ僕は」

叢雲「それは漣ね」

初月「そう……うん? つまり叢雲は自分とあいつを同じレベルと思われていると……。
いや、別にいいんだぞ? いいんだから……睨むなよ怖いな」


< 羸弱性思考底嬴政 >







江風「や、知らねーから。エイセイって誰だよ。
江風は自慢じゃないけど三国志なんてよく知らねーよ」

加賀「嘆かわしいわね。嬴政くらい基礎知識でしょう。三国志と混同なんて酷い」

山城「寧ろ衛青のこと? みたいなボケくらいは欲しいところですよね」

加賀「せめて衛星とか永世でのボケもね」







江風「なンつーか……どれだけ美人でも強くても、結局はテートクの部下なンだな。酔ったらひでぇよマジで」

提督「うん? 」


< 慣れればそこそこ >







あきつ丸「時雨、笑えそうな話をつくってきた。笑い話かどうかは分からないが」

時雨「ふぅん? どんな話だい? 」

あきつ丸「あぁ、とある任務の後、どうも暇で街に出て外を歩いてみたのだ」

時雨「うん」

あきつ丸「街角の路地裏にいた占い師が目に留まってな、戯れに頼んでみた」

時雨「ふふ……人殺しの相があるとでも言われたかい?
それともこれから幸せになるとか? 」

あきつ丸「聞いて驚くな、何故それで憑き殺されないのかとしつこく訊かれてしまったぞ」

時雨「凄いじゃないかその占い師。……どんな占いだったの? 」

あきつ丸「タロットだったな。あれで何故あぁいう結論になったのか、是非訊いてみたいところだったであります」

時雨「なるほどそれは凄い。恋愛運でも訊いてこようかな? 」

鈴谷「これ宣言済み作り話なんだよね……? 何か楽しいの? これ」


< 信じたいものだけ信じればいいと思うよ >






あきつ丸「まぁ本当なんだがな」

時雨「え? 本当? 」

あきつ丸「あぁ。数千円であれとは勿体無い実力でありますよ」

鈴谷「そんなに当たるんなら逆に怖いね」

あきつ丸「そうだな。…………次会いに行ったときは顔を見るなり店仕舞いされたのだが気にした方がいい、のだろうか」


ありがとうございました


< そんな一日の始まり >







漣「しょーじき今やご主人様と瑞穂さんって同じカテゴリの人ですよねぇ」

提督「何故これと同じにカテゴライズされてしまうのか」

瑞穂「全く理解できませんね」

提督「巫山戯んなって話だよな? 」

瑞穂「ですよね? 」

提督「は? 」

瑞穂「はい? 」

能代「くだらないコントしてる場合じゃ……まぁ、仲がいいにこしたこともないですけど」


< 無になった後のことならば >






龍田「物足りない気がするのよねぇ~。成金か風俗堕ちくらい落差無いと」

旗風「堕ちてから言えば認めて差し上げますけれど」

龍田「嫌よ。私安くないもの」

愛宕「ふふ……それならハイレートで麻雀でも打つ? 絞り上げられればまた下ろしてくるかも」

龍田「別にお金が欲しいわけじゃないから」

愛宕「そう? 巻き上げ続けたら最後はあの人もカタにするかもしれないわよ? 」

龍田「幾ら、というかどれだけ勝てばいいのかしらね」

愛宕「私の生命を賭けて負けてからくらい」

龍田「そ。…………似たような意味だと思うけど」


< 悪意が無くてそれが快楽の奉仕ならば >








提督「ふぁ……………………Zzz」

旗風「司令って一応は武道も嗜んでいますよね」

愛宕「ええ、それなりに強いわよ? 鍛錬も続けてるし」

旗風「達人までいくと寝ていても攻撃から身を守れるって言いますけど……」

松風「やめときなって。変なことしたら僕らの方が酷いことになる」

愛宕「そうね。この人だって人間だもの。
本当に攻撃されたら反応なんてできな…………でもあれは別に攻撃じゃないわよね、うん」

松風「……あれって、何? 」


< 試してみれば分かると思うよ >







愛宕「まぁ、そもそも

高雄「殺気を感じなければ私でも分かりませんよ」

旗風「! 」

松風「」

愛宕「そ」

初月「いや、殺気で分かるのも異常だけどさ、
その分かれば駆けつけられるだろうみたいな自信はどこからくるんだ一体」


< つまりはどこを見るか >







天城「足し算をしていくのと引き算をしていくのと掛け算をしていくのと」

雲龍「うん? 」

天城「どの方式だと一番高得点でしょうね、あの人」

雲龍「ん、んんっ……? 」

天城「やはり、引き算方式であれば辛いものになるでしょうか」

雲龍「難しいけれど……そういうので推し量れないところが彼のいいところではなくて? 」


< あの世までも朽ちてなおも >







高雄「あなたは私たちが永遠の生命を捨て去れなくてもいいだろう、なんて言いますよね」

提督「まぁな」

高雄「百年経って、二百年経って、あなたのお墓さえ崩れて無くなって」

提督「う、うん? 」

高雄「それでも想われているなんて、それはそらで何か怖いのでは? 」

提督「まぁ、確かに? …………そこまで想われていると思いながら死ねるなら、幸せだと思うけどな」


< 包丁を動かしつつ淡々と >








雲龍「この世で一番の苦痛って何かしらね」

提督「さぁな、知らん」

雲龍「あ、レタスは少なめにするからもういいわ」

提督「そうか」

涼月「…………何なんですこの異様さは」


< 一人去って一人増えて >







雲龍「この世で一番の苦痛って何かしらね」

愛宕「あの人がいなくなることでしょう? 」

雲龍「あ、そのお皿はこっちで使うから」

愛宕「はいはい。……模範解答とか無いわけ? あ、っそう……」

涼月「…………だから何なんですこの異常さは」


< さらに一人消えて一人来まして >








雲龍「この世で一番の快楽って何かしらね」

高雄「苦痛は、とは訊かないんですか? 」

雲龍「意味が無いもの」

高雄「そうですね。……では、スープは運んでしまいますよ」

雲龍「ありがとう。……一番なんて選べないものね」

高雄「全て等価であり、最高ですから」

雲龍「そ」

涼月「だから……いえ、もういいですけどね。
あ、お鍋だとかは洗いおわりましたよ? 」


< その間には何を? >








瑞穂「明石さんと提督が今でも繋がっているのは確かに気になるといえばそうですけれど」

龍田「それなら……ふふ、傷心の明石を慰めるなんてシチュはいいものなんじゃない? 」

瑞穂「なるほど…………む」

愛宕「…………どうやって明石を傷付ける予定なのか、訊いてもいいかしら? 」


< 周りがほら……ねぇ? >








大淀「え? 確かに明石は大切な仲間であり友人ですけど……別に同衾しようとは思いませんよ? 」

鈴谷「えっ」

時雨「えっ」

大淀「……は? 」


< わざわざ語りかけてくれるということ >








涼風「……提督はあたいたちを、いや高雄さんや愛宕さんでいいかなこの場合」

提督「……」

涼風「彼女たちをさ、人間として扱おうとしてるだろう?
それにそれは殆ど上手くいってる。綻びなんて無い」

提督「……」

涼風「でもさ、あたいはそれが嫌だった。
あたいたちが人間の女として扱われるっていうのは、
提督が軍人でありながら戦えないことと同じ煩悶を抱えることなんだ。
現実の自分と好きな人の中の自分の乖離。それが女を、壊す」

提督「……」

涼風「できるなら、提督はあたいたちを“ 女の心を持つ兵器 ”くらいに扱うべきだった。
別に高雄さんを愛せなくなるわけじゃない、
愛宕さんの心を信じられなくなるわけじゃない。
それで十分だったのに、提督は肝心なところで踏み込み過ぎた。
自分が“ いい人 ”でありたいエゴの為だけに」

提督「……」

涼風「そういうところだぜ、あんたが愛されたり、嫌悪されるのは」

提督「珍しくよく喋るじゃないか。…………涼風」

涼風「うん? 」

提督「お前、優しいな。ありがとう」

涼風「ーーーーーーーー…………」


< 随分と楽しそうな顔でした >








加賀「ところで私の昇任は略式だったわけだけれど」

高雄「そうでしたね。書類と制服と階級章が届いたんでしたか」

加賀「ええ。……あなたはどうだったの? 横須賀のときから大尉だったでしょう? 」

高雄「私も略式で、あの人に徽章を着けてもらいましたよ」

加賀「まぁ、それが妥当なところかしら」

高雄「ええ。…………ふふ、階級が上がれば、またあの人のあの顔を見れるのね。あの、痛みを堪える顔を」

加賀「え?……………………はい? 」


< エラーナンバーが検出されています…… >







愛宕「まぁ、時々見ますよ? 階級章撫でながら嫌な笑い方してる高雄」

加賀「えぇ……」

愛宕「私も階級章とかはあの人と二人のときでしたし、何かあったんじゃないですか? 」

加賀「ん、んん……そうね」

愛宕「私もあのときのあの人の顔、覚えてますよ。
私に縛られて、逃れられないことを喜ぶ顔でした」

加賀「あ、そう…………高雄と愛宕、どちらがまた救いようあるのかしら」

< 羨むことと、そうありたいと願うことと >







雲龍「……………………」






龍田「あのぽけーっとした顔で大分得してますよね彼女」

加賀「あの子って大概のことなら何でもできる代わりに、
性格と顔と雰囲気がどれもそぐわない駄目な才能も持っているのよね」

龍田「何にもできないグダグダっ子っぽい、かな」

加賀「どうでもいいことだけれど」

龍田「で、嫉妬している、と」

加賀「あの人のことだけ、ね」

龍田「…………」

加賀「…………」

龍田「…………あの子の目標だけありますもんね、加賀さんも」


ありがとうございました


< 黄色いのかもしれない >







赤城「あの、私の十四代……あの」

Pola「ふぁ~ ……勝手に飲んだりはしていないですぅ。
お酒の恨みは深いですからね~前に盗られたお返し~ 」

赤城「矛盾とかそんな問題ですらないですね……返しなさい。せめて残った分は寄越しなさい」

Pola「肝臓を経由していてもよろしけれぶぁいたぁいっ! 姉様ぁっ! 耳はだ~め~で~すぅ~……」


< 頽廃性捕食者 >







龍田「高まり始めた恋心なんて美味しそうよねぇ~ 」

山城「あなたからすれば砂糖細工みたいなものよね」

龍田「ま、自分の以外は、そうかも」

山城「あなた自身のは炭化した焼き魚レベルだもの」

龍田「美味しい炭なんて珍しいわねぇ~ 」

山城「はぁ。……確かに腐る寸前の芳香くらいは薫っているのでしょうね、男から見れば」


お久し振りです……
泥酔してたり眠かったり忙しかったりどっかで浮気してたらこんなことに

まだ、まだ終わりじゃない


< 永遠にあれればそれはそれで支障も >







赤城「あなたに逢いたくて参上致しました、でよろしいですか? 」

提督「よろしいよろしい。目ぇ笑ってねぇのは減点だけど」

赤城「相変わらず厳しいですね。……改めまして」

提督「ん」

赤城「暫くここで休暇を取らせていただきます。どうぞよしなに」

提督「休暇ねぇ……」

赤城「誰の顔を窺うことも無い、他人の瑕疵を道具にすることも無い、誰かの功績を出汁に近付くことも無い。
これを休暇と呼ばずにしてなんと呼ぶのです」

提督「嫌な話はあいつにどーぞ。俺はお前のカウンセラーじゃないんでね」

赤城「? ……あぁ、分かりました。それでは」

提督「あぁ」

赤城「…………」

提督「…………」

赤城「…………何故ただの人間であるあなたが部屋の外にいる加賀さんの気配を? 」


< 所為なんですよ、そりゃあもう >






加賀「呼んだかしら」

提督「呼んでない。何をさも当然の様に上官の部屋に入ってきやがる。ノックぐらいしろ」

加賀「赤城さんとあなたの気配なら分かりますから。それにいつものことでしょうここでは」

提督「そうだけどな」

赤城「それが問題かと。……久方振りですね、加賀さん」

加賀「ええ、赤城さん。本当に、本当に久し振りだわ。それもこれもこの人が無能だから」

提督「そりゃすまんね」

赤城「加賀さんがあっちに戻ってきてもよかったのに」

加賀「それもこれもこの人が嫌わせてくれないのが悪いの」

提督「そりゃすま……俺の所為か? それ」


< 桶屋が儲かる式計算ですが >






加賀「当然」

赤城「女の屈折を舐めてはいけませんよ」

提督「身体以外は舐めてる程でも。……あきつ丸に気を付けろ」

赤城「は? 」

提督「確実にお前をマークしてるぞ。お前が死んで加賀を慰めなくちゃならん俺の労力を考えて生きろ」

赤城「後半の戯言は抜きにして、警戒されてます? 私」

提督「そりゃあな。俺が警戒しろって言っておいたし」

赤城「…………」

加賀「赤城さんも考えてくれます? この人が終わったらこの国の防衛は確実にレベルが下がりますので」

赤城「それこそ私の所為では……いや、ある意味では加賀さんより、分かっていますけれど」


< それがどこかなんてくだらないこと >







提督「あそこでお前だけを選んでいたら、なんて時々思うよ」

愛宕「私はその方がきっと平穏に幸せだったわね」

提督「うん……後ろ向きだ」

愛宕「今に始まったことじゃないし。どっちの未来も望んでくれたんだって思うからいいわよ、許す」

提督「ありがとう」

愛宕「ん。……何? 死ぬ予感? 」

提督「や、別の女に人生捧げる夢見てさ、それってお前の中の俺は死ぬだろう? 」

愛宕「ま、そうね。…………それを有り得ないと信じさせてくれるあなたをこそ、愛しているのだけど」


< 皆が狙うものをこそ >






愛宕「ふふ……あなた一人くらいなら死ぬ気で守ってあげるし?
私の心守る為に精々長生きしなさいな」

提督「そうする」

愛宕「大体ね? 高雄や雲龍に奪われてみなさいな。速攻で奪い返してあげる」

高雄「それを私の前で……ま、同じ、気持ちですけれど」


< 気付き >






愛宕「ま、でもその理論重ねていけばあなたは常に誰かに浮気していれば一生楽しませてもらえるけど」

提督「そうだな。…………言いたかないけど、今じゃね? 」

高雄「ですよね。……張っ倒してもいいですか? 」


< 今日も平和 >






満潮「そもそも創作に対してガチのツッコミかけるのはおかしいと思うけど」

鈴谷「いやいやいや、創作にリアル見出せないとか馬鹿なの? 文明人なの? 」

満潮「これでもパソコンくらいは使えるしルックス除けばそこら辺の上場企業で働けると思うけど」

鈴谷「そーいう問題じゃないの。これはガチの人生に関して話してる」

満潮「んなわけ」

鈴谷「……」

春雨「随分白熱してるけど何の話ししてるの? 」

時雨「創作物のカレーが何故黄色っぽいか」

春雨「……はい? 」


< 年末もそろそろ >







愛宕「そろそろまた宝くじが発売されるじゃない。もうされてるのかもしれないけど」

高雄「? そうね。買うの? 」

愛宕「んーん、別にこれ以上端金が増えてもしょうがないし」

伊14「……端金? 」

愛宕「でももし私たちが当たったらどうするのかなって。
高額当選って確か未成年だと受け取りに保護者の同意が必要なんでしょう? 」

高雄「あの人が受け取り、っていうのは置いといて」

愛宕「横須賀や呉だと将校に手数料でも取られるかしら」

高雄「うーん……」






龍田「つまらない話ね、情報でも売ればいいのに。なんなら当たりくじすら貰えるけど? 」


< 見たくない顔とは >







高雄「まぁ……時々は、あるわね」

愛宕「大体は大して飲んでもいないのに目がどんよりして定まらないときかしら」

高雄「ベッドまでは運んでくれたり特に激しいわけでもないけれど」

愛宕「床ドンで見つめながら死にそうな顔してくるのよね」

高雄「母性本能が私たちにもあるのなら……ああいうときに? 」

愛宕「かも。結局いつの間にか奉仕されて悦んで忘れて次の日の朝謝られるけど」

瑞穂「なるほど。…………やはり瑞穂はおかしくないのですね。
クズっぷり甚だしい明石さんの朝帰りを見ていそいそとするのは」

能代「確実におかしいと思いますけど……なんなら誰か反論してみてくださいよ、絶対できませんから」


< そういえばさ >







赤城「いいんですか? あれは」

提督「うん? 」

赤城「加賀さんは何も知らないでしょうけれどね」

提督「おう」

赤城「あなたが色々と手を回したり情報を流してくれたからこそ私は今ここにいるわけです」

提督「自分の女に対して俺は後ろ暗いことをして君の大切な人をいっ時でも連れてきました。
感謝してくださいとでも言えと? 」

赤城「そうは言いませんが……いえ、あなたがそれでいいのなら」

提督「ま、お前が暴露した情報とかえげつないやり方を加賀に語れるんなら俺も同席してやる」

赤城「ご冗談を。私が加賀さんなら心底から見下げ果てますよ」

提督「そ。……お前、俺に似てるよな」

赤城「山城さんに似ているのでは? 」

提督「それは結局思考の話でさ、自己中なクズさはお前の方が似てると思うよ」

赤城「酷いこと言うものですね。……図星とか真実って、割にクるんですよ? 」


< 憧れとは見たままそのままを見てこそ >






あきつ丸「自分はいなかったが……赤城は行ったか」

時雨「あぁ、それはもう晴れやかな冷笑を浮かべて手まで振ってくれたさ」

あきつ丸「ふん……“ 私には私しかいませんし、私には私しか要りません ”」

時雨「うん? 」

あきつ丸「加賀が提督殿の部下として正式に認められ通達がきたときの台詞だ」

時雨「なんというか強がりの子供みたいな言い分だね」

あきつ丸「だろう? あれで存外可愛らしいところもあるものだと思っていたが……やれやれ」

時雨「今では本当にそうなんじゃないかって思えるよね。
自分がしっかりとここに立っているからこそ周りを楽しむっていう圧倒的な余裕と独歩」

あきつ丸「或いは独善的で独り善がり、俯瞰的な視野でしか生きられない哀れな女」

時雨「本当。…………赤城さんに憧れている子の騙され具合ってさ、半端ないよね、きっと」


< シーッ >





時雨「ん? あれ、でもこれもしかして僕も裏切って提督に縋って身体捧げて殿下に謝ったら……」

あきつ丸「頼むからやめてほしいであります。そんなことをしようとしたら自分に抹殺命令が下る」

時雨「あ、そう……」

あきつ丸「……」

時雨「……」

あきつ丸「……」

時雨「……君は、何で買収されてくれる? 」

あきつ丸「勘弁してくれ……」


< 今晩寝かせるつもりなんて無いですよ? >







赤城「だって全部食べますし」

提督「カレーの話だぞ、カレーの」

漣「出落ちィ……」


< 遺書ってそういえばあったけれど >







高雄「見たことなかったわね」

愛宕「? 何を? 」

高雄「あの人の書く遺書の中身。どんなこと書いているのかしら」

愛宕「さぁ? でもなんだかそう言われると、気になるわね」

叢雲「さすがにそれ言ったらあいつ機嫌悪くすると思うけど……」


< 発覚 >






愛宕「で? 」

高雄「どんなこと

叢雲「書いてたわけ? 」

提督「最近のならまぁ、いいか。あらゆる資産の半分を両親に。もう半分を叢雲に、以上」

愛宕「え、それならいいけど」

高雄「今書いたら受け取りますよ」

提督「え、マジ? 」

叢雲「…………あんたたち私のこと一ミリも考えてないわけね?
そうなのね? キレるどころか泣くわよ? いいわね? 叫ぶわよ? ねぇったら!! 」


< 割に少食ですよねとか言われて >







雲龍「そうなの。私燃費がいいのが取り柄だから一回でいいの」

提督「嘘吐け毎回腰抜けるかと思ってるぞ」

明石「その理論だとそのうち加賀さんに搾り殺されますね」

提督「あいつは結構受けが強いから割と余ゆ……どっから出てきたお前」

加賀「さぁ? それより私が弱いと言っていたように聞こえたのだけれど」

雲龍「加賀さんはか弱い乙女ですものね」

明石「最近実験台になってくれてどーもでーす」

加賀「…………赤城さぁん」

赤城「なんですかもう……これでもまだ純潔保っているのですよ? 知ったことですか、そんなこと」


< つまり、あれば >






加賀「そんな……」

雲龍「最近処女でも割とヤられそうな女認定しているんです、赤城さんを」

赤城「なんですそれ」

雲龍「だってその辺にカメラ仕込んでそうだし嗜好知られていそうで」

赤城「そんなわけ。…………これでも私、欲しいと思ったもの以外に興味なんて無いんですよ? 本当に、心から」


< まだまだ余裕ですよ? >







赤城「んっ……ん……ん……ん……ん……ん……ん……んっ……! 」

提督「デキャンタをイッキってお前」

扶桑「意味が無いような……香りも何も無いでしょうそれでは」

龍田「というかそれ下手したら私たちでもアル中じゃない」

山城「さすが赤城さんというか赤城さんでもそこまで飲みたくなるストレスというか」

赤城「もう一杯」

提督「はいはい」

愛宕「何これ」

高雄「さぁ……取り敢えず今夜は長いですよ、きっと」


< ここまでもここからもいつまでもポーズ >







赤城「次は白がいいです」

提督「ん、待っとけ」

高雄「私も行きますよ。どうせ一人では運びきれないでしょうし」

龍田「そんなにストレスが? 」

赤城「それはもう。あなたや山城がいないだけで横須賀は随分と変わりました」

山城「一般的にはいい方に変わったんでしょうね」

愛宕「毒をもって毒を制すタイプだものねあなたたち」

赤城「実際にはそこまで。単に私の心持ちが、ね」

龍田「あらぁ、赤城さんに友人とまではいかなくても路傍の石くらいには思われていたなんて」

山城「なんなら川辺の花くらいには」

愛宕「よかったわねぇ……」

赤城「…………泣いても、いいですよね? ね? 」


< その背後で飲み食いしつつ >







雲龍「禁欲して掴み取れるものなんてたかが知れているって私は知ってるから」

天城「そう馬鹿にしたものでもないでしょう? 」

雲龍「あなた加賀さんを見ていてそう思うの? 」

天城「あぁ……天城も節制や我慢を止めてみましょうか」

加賀「あなたたちね……」


< 酔いが回って参りましたが >






天城「でもほら、姉様? 」

雲龍「? 」

天城「禁欲して、というかせざるを得ない状況で一ヶ月以上あの人に触れもできなかったでしょう? 」

雲龍「あぁ、死にそうな程辛いどころか死にたくなったわ。
あの人に触れてもらわないと承認欲求さえ満たせないの、私」

天城「…………加賀さん」

加賀「赤城さん」

赤城「えーっと……瑞穂さん? 」

瑞穂「よーく分かりますよ、瑞穂は。雲龍さんの気持ち、分からない筈がありません」

雲龍「ありがとう。…………私とあなたと明石って本気で土下座でもして瑞穂に謝るべきなんじゃないの? 」

提督「知るかよ……堕ちたやつなんて拾える余裕無ぇよ馬鹿」


< 分かる人と分からない人がいるとは思うけどね >






龍田「そもそも拾えるわけ無いじゃない。あなたもっと下でしょ? 」

提督「そうだな」

瑞穂「いえいえ、この人は瑞穂よりも上ですよ」

龍田「何故? こーんなクズの下とか普通有り得ないけど」

瑞穂「だってほら、瑞穂は明石さんの一番にはなれませんし」

龍田「なるほど」

提督「…………」

明石「…………」

山城「責められてる? みたいな顔してるけれど……責められてるわけないじゃない。
あなたたちに優越感とか申し訳なさ感じさせるくらいなら堕ちてないわよ、莫迦」


< 色々翻ってみて >







赤城「でもですね、皆さん私にああだこうだと言う割には自然に笑える方っていませんよね」

加賀「……」

愛宕「……」

高雄「……」

提督「……うーん」

赤城「ね? 」


< グラス持ってテーブル回って……まぁ、その後は癒されに? >







漣「そーいや赤城さんって貯金どれくらいあるんです? 」

赤城「え……」

漣「え? 」

赤城「いえ、そんなことを訊かれたことがなかったもので」

漣「どうせあれでしょ? ご主人様とかあきつさんとか龍田さんと連んでたし貯め込んでるんでしょ? 」

赤城「それでなお訊きますか」

漣「ご主人様の部下っすからねー」

赤城「なるほど」

提督「何がなるほどなんだよ、あぁん? 」


< 帷幄の中に終われるのならば皆名将であって名宰相であって >







赤城「で、訊きたいですか? 」

漣「そりゃ断然No。遠慮してくださいよ優しいセンパイなら」

赤城「はぁ」

提督「さて、ここに赤城の通帳が

高雄「それは私の……いや、まぁ大して変わらないとは思いますけれどね」


< マジな話 >






赤城「見せていただけます? 私のも見たいなら後で……へぇ」

高雄「そんなに面白いものでもないかと」

赤城「……」

提督「俺に車買ってくれたりここの設備も結構変えてるからなぁ」

漣「プレゼント無くてもお酒とか調理器具とか……あとお高いランジェとか」

赤城「…………私、正直お金は持っているんですよ、今度見せてもいいですけど」

高雄「ええ」

赤城「……………………結婚しません? 家事は全部しますよ? 」


< 友達の通帳に絶句する経験なんてしない方がいいと思うよ、マジで >






漣「え、何それマジ? まーじ? マジ? 」

高雄「口外しないのならどうぞ」

漣「え、いやマジで目潰れそ…………は? 」

高雄「はい? 」

漣「…………ご主人様? 」

提督「さてさて何かな……密告でもなんでもするがいいよ、漣くん? 」


< 声とかよりね、気配とか痕跡がね、うん >







松風「考えてみてよ、幾ら閉鎖的で鳥籠の箱庭だとしたって関わろうと思えば人間の男なんているわけじゃないか」

旗風「現に将官とかと付き合ったりしてる子もいるしね」

松風「ね? それなら女同士で絡まり合わなくたっていいと思うんだ」

瑞穂「そう、でしょうか」

松風「逆だったら少し気持ち悪いだろう?
艦娘が男ばかりだったらつまり一部の将官とか出入りの業者以外は女がまったくいないことになる」

瑞穂「別に気持ち悪いとは思いませんが」

松風「うーん……司令からも何か言ってみてよ、今更遅いかもだけど」

提督「俺のアレさを置いといて言ってみてもいいけどな。
……海兵とかの環境はおしえない方がいいだろうなぁ、お前には」


< つーか誰に何処でどんな状況で? >






提督「おい、ここずれてる……すまん、触るぞ」

山城「いいわ」

提督「ん…………お前細いんだよ、帯気を付けろよ」

山城「肥えるよらは、ね。……ありがとう、中々上手いわ。痛くないし苦しくない」

提督「まぁ、慣れだよ慣れ」

山城「私はこれでも半分普段着なのだけれど。……ねぇ」

提督「? 」

山城「最近までできなかったと思うけれどいつ着付けなんておしえてもらったわけ? 」

提督「え、えーっと……」


< 閑話 >







漣「たとえばほら、普通あきたこまち沢山食べたんだろうなー、とか言われたら米でしょ?
出身とか親戚のトークでしょ? 」

伊14「そんなこと言われるシチュが分かんないけど、そうだね」

漣「でもご主人様の場合秋田小町沢山食べたんだろうなー、
ってのは女の子食い散らかしたって思われるわけ」

伊14「なるほど」

提督「何がなるほどだよ……シチュに疑問抱いてたじゃねぇかお前」


< 自信の無さは許してください >







山城「蜜柑というものは何故こう個体差があるのよ」

漣「やー、白い筋そこまで完璧に取ろうとしたらそりゃかったるいでしょ」

雲龍「そういえば蜜柑って妊婦にいいっていうわね」

山城「あなたには大豆食品でも贈りましょうか? 」

雲龍「どうせ孕まないし私結構大豆製品好きよ? 」

山城「なんならあなたが愛宕たちより先に孕んだ未来も愉快だけれど……そうね」






初月「あれ、何? 」

天城「大豆に含まれる成分が古来この国で避妊に使われていたとかなんとか。
……いや、こんな話に使うくらいなので姉様たちも話半分、だと思い、ま、すけど? 」


< 限度という閾値 >








雲龍「まぁでもあの人に孕んだって冗談でも言ったらどうなるかしら」

山城「泣いて喜ぶでしょうあれなら」

雲龍「そうね」

山城「ええ」

雲龍「……」

山城「……」

雲龍「……冗談だって言ったら? 」

山城「高雄や愛宕には一生目も合わせられないでしょうね。
彼女たちの気持ちとかじゃなくて、あなたがせめてまともな女の感性を持っていたら、の話だけれど」


< 趣味で資格取る人もいるしね? >







あきつ丸「時雨、今度こそ一点の曇り無く愉快な話を持ってきたぞ」

時雨「本当かい? 何度その言葉に騙されたか」

満潮「あんたたちは普段どんな会話してんのよ」

あきつ丸「ふん……間宮がな」

時雨「間宮さんが? 」

あきつ丸「ついにハラル認証を取った」

時雨「そう。…………今度はそっちからくるの? 」

あきつ丸「そういう公式情報は無いな」

時雨「そうかい。……公式が無いのに変なことするなんて……んんんっ」

満潮「…………さすがな時雨がおかしいわよね? 」

春雨「さぁ……どう? 」

浜風「変わったお料理が食べられるなら私は別に構いま……さすがに何にもないでしょう。信じましょうよ、それくらい」


< 同じって何さ >








雲龍「あの人がいないならお酒を飲めばいいじゃない、天城はそう言ったわ」

明石「えぇ……」

雲龍「まぁ、あなたは瑞穂を探せばいいかもしれないけれどね」

明石「や、そんな代わりに探すとかしな……雲龍さんとか愛宕さんも大概同じでは? 」


< 現在の自分を鑑みて >








雲龍「乳袋、乳テント、乳カーテンなんて言葉もあるのよ」

天城「どこから仕入れてくるんですそんなの」

漣「本当そうですよね……この顔この性格でサブカルの知識増やすとかなんなんですかこれ」

雲龍「顔は関係無いと思うけれど」

漣「キャラってものがあるでしょーが」

雲龍「じゃあ私の顔と性格から類推されるべきキャラって? 」

漣「雲と古武術? 」

天城「天界と人界についてとか」

雲龍「…………」

扶桑「自分の所為でしょうあなた……いえ、そもそも容姿通りの趣味嗜好っていうのも分からないけれど」

山城「あなた自身の所為よね、明らかに」


< 嗜好の先 >







漣「っても漣はゲームですし天城さんは和装では? 」

山城「姉さまはクラシックだったりするけれどね」

江風「ンなこと言ったら愛宕さンなンて和食とかだぜ? 」

初月「瑞穂さんもヌイグルミ集めが好きだったりするしな」

Littorio「……そもそもパーフェクトに近い一致を見るのはあの人だけでは? 」


< 然もありなん >






漣「高身長で筋肉質で」

山城「いやらしさを除いても切れ長の鋭い目で」

江風「疲れたとか言いつつ付き合ってくれて」

初月「気付けば溺れさせられてるらしいな」

Littorio「……やはり、敵ですよね? 」


< 許して? >








提督「うん? 何か言った? 」

Littorio「今日もカッコいいですね、と言ったのです」

提督「そりゃどうも」

天城「筋肉質で上背があって鋭い目付きのともすれば攻撃的に取られかねない容姿」

雲龍「もう女好き以外有り得ないわよね」

提督「……うん? 」


< せみふぃなぁれ >





提督「寝る……俺は寝る」

Roma「あら、ホスト役が先に死ぬわけ? 」

提督「うるせぇな……お前がベッドまで着いてきてくれるなら最後までいるけど? 」

Roma「あなたの寝室に入ることが許されるなら、ね。……また明日」

提督「明日も会ってくれるの? 」

Roma「私の意志には関係無く、ね。あなたが高雄や愛宕に溺れてブランチを楽しみたいなら、会わないかも」

提督「起きるさ。……赤城」

赤城「はい? 」

提督「こいつにここ、案内してやれ。お前の後にここ、来たんだ」

赤城「はい。承り……え? 」

Roma「その顔最初から要らないわよ。あなたがどれだけヤバいのかなんて本国でも……いえ、それすら自覚、していると思うけれど? 」


< しーらない >





Roma「で、何の集まりなの? これは」

Littorio「脛に傷持つ者? 」

赤城「失礼な」

龍田「本当そうよね」

Roma「あなたは正しいでしょう」

Littorio「そうよね」

赤城「まったくです」

龍田「そうねぇ~ 。……赤城さんはさすがに色んな意味で逃げられないと、思いますけど? 」


お久し振りです
取り敢えず生きていることだけはお伝えしようかと

最近の他所様は ↓
よろしければどうぞ
【艦これ】提督「この絶望的な海へと」【あんこ】
【艦これ】提督「この絶望的な海へと」【あんこ】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1540730295/)

これからもそれなりによろしくお願いします

ありがとうございました

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