千秋「一応新曲やライブの情報は載せているけれど」

茄子「なにかまずかったですか？」

モバＰ「いや、それはいいんだ。むしろどんどんやってくれ」

文香「…では、何が」

モバＰ「返信機能が、あるだろ」

千秋「あるわね、けれども事務所の他のアイドルにしかしていないわよ」

茄子「私もです〜」

文香「…私もですね」

モバＰ「ああ、それは俺も知ってるよ」

茄子「それなら特に問題ありませんね」

モバＰ「自覚なしか……。そうだなまずは茄子さんの投稿を見ていこうか」

茄子「私ですか？」

ほたる：〇月✕日に△△で握手会を行います。
　　　　よろしくおねがいします。
→茄子：ＣＤ10枚買ったら全部握手券入ってました〜。これでいっぱい握手できますね！

モバＰ「身内の握手会にいくな！ってか10枚も持ってたら怪しまれるだろ！！！」

千秋「10枚なら遠慮してる方じゃないかしら」

文香「…我々もアイドルですから。そのあたりはわきまえているつもりです」

モバＰ「全然わきまえてないんだよなぁ」

茄子「でもほたるちゃんのファンの皆さんも『ほたるちゃんにたくさん握手して幸運を分けてあげて』って言ってましたし。握手会の現場で」

モバＰ「ガッツリ身バレしてるじゃん！せめて変装していけよ！」

千秋「偽りの姿で握手するのは失礼じゃないかしら？」

モバＰ「まず握手しに行くのが間違ってるからね？」

茄子「ほたるちゃんの手、とても白くて小さくて、でもすごく暖かかったです〜」

モバＰ「聞いてないよ」

茄子「それから『いつもテレビで見てます』って言ったらほっぺを真っ赤にしてすごく恥ずかしそうにしてて思わずほっぺも触ろうと思ったんですけど警備の人に剥がされてしまって…」

文香「…それは、災難でしたね」

モバＰ「ほたるちゃんにとってだけどな！」

千秋「あなた、今日はかなり気が立っているわね。何かあったの？」

モバＰ「何割かははあんたのせいだよ」

千秋「？」

モバＰ「じゃあこの前の投稿を見ましょう」

雪美：明日は□□でライブ。とっても楽しみ
千秋：雪美さん、なんとか最前を取れたわ。
　　　一番近くで見守っているわね。
雪美：………………うん

モバＰ「普段ＳＮＳでは三点リーダー使わない雪美ちゃんがわざわざ使う意味わかるか？」

千秋「感極まっているからかしら。そんな当たり前のことなのに」

モバＰ「どう見ても困ってる感じなんだよなぁ」

文香（…これが…由里子さんの言っていた解釈違い…？）

千秋「私だって一人の女の子だもの、ライブくらいはいくわよ」

モバＰ「じゃあアイドルとして返信するなよ！公私混同だぞ！！」

千秋「大丈夫よ。雪美さんのライブを宣伝するためにライブレポートも書いたから。アイドル黒川千秋として、ね」

モバＰ「いやそれもうただのファンでしょ。何も大丈夫じゃないよ」

文香「…千秋さんのライブレポート、読ませて頂きました」

モバＰ「えっ」

文香「…とても…熱と躍動感のある文章で…まるで…文章の中で雪美ちゃんが踊っているような文章でした」

モバＰ「文香がそれほどまで言う文章はちょっと気になるけど…ってかどうやって最前列を確保したんだ？まさか…」

千秋「失礼ね。たまたまCDを買ったらあたったのよ」

モバP「あっ、それさっき茄子さんで聞いたのでいいです」

千秋「いいですって何よ、ほんとよ」

モバＰ「そうかー千秋さんも意外と運がいいんだなー。ちなみに何枚買ったの？」

千秋「雪美さんの誕生日にちなんで928枚よ」

モバＰ「ちなまなくていい！！」

千秋「大丈夫よ、ＣＤは友人にプレゼントしたり保管したりしているから。一枚の捨てたりしていないわ」

モバＰ「はぁ…そうですか…。後じゃぁ最後に文香さん」

文香「…私、ですか…？」

モバＰ「文香さんは二人に比べると比較的マイルドだからいいんだけど……これかな」

ありす：ヘミングウェイさんの『老人と海』読了しました。
　　　　老人と魚だけでここまで迫力のあるお話になるのはとても素晴らしいと思いました。
文香：『老人と海』面白いですよね。臨場感溢れる情景描写も素晴らしいですが、老いてなお襲い来るサメたちと孤独に戦い続けるサンチャゴのダンディズムが読むものを奮い立たせますね。私も彼のように強く逞しく生きてみたいと、憧れてしまいます。ヘミングウェイだと他には「武器よさらば」なども大変迫力があ



茄子「あら、文字数オーバーで途切れちゃってますね」

モバＰ「これこの後下に延々とリプライで続くんだよ」

千秋「なるほど、そういう使い方もできるのね」

モバＰ「真似しなくていいからね」

文香「…すみません…書のことになると…つい」

モバＰ「まぁこれは文香ちゃんらしいから良いけどこれに頑張って毎回返してるありすちゃんのこと考えてあげて」

文香「…かわいいですね」

モバＰ「周りの二人に毒されたか？」

茄子「頑張って文香さんの話についていこうとタブレットの前で必死に返信を遂行するありすちゃん。

千秋「そうね、100点満点中……500億点といったところかしら」

モバＰ「満点の意味！！」

文香「…確かに一度に大量に返信するのは、少し失礼だったかもしれません」

モバＰ「よかった文香さんは話がわかる人だ」

文香「…文字数制限を…撤廃して頂くことはできませんか？」

モバＰ「う～んわからない人だったか～」

文香「？」

モバＰ「まぁとにかくその…こう…あんまりアイドル像を崩すような感じのはちょっと…」

茄子「お疲れのようですね、ちょっと休憩します？」

モバＰ「だれのせいだよ！」

文香「…でも、ファンのみなさんも…理解していると思います」

モバＰ「えっ？」

茄子「私も良くトークショーでほたるちゃん好きなんですかって聞かれますし～」

千秋「私もよく大学で雪美さんについて質問されるわ」

モバＰ「それ絶対CD配ってるからだと思いますよ」

文香「…私も…この前のファンレターでそのようなことが」

モバＰ「そうだったのか……」

モバＰ（3人とも実はそういう部分もファンに受け入れられてるんだなぁ）

モバＰ（待てよ、この3人……年齢も近いしクールなイメージだし黒髪だし…合うんじゃないか？）

文香「…モバＰさん？」

モバＰ「よし、3人でユニットを組もう」

千秋「唐突ね、でもこの二人となら気が合うしいいと思うわ」

茄子「そうですね～。似たもの同士、頑張りましょ～」

文香「…よろしく、お願いします」

この後、３人はユニットを組み絶大な人気を博しましたが、

裏では「ロリコン三羽烏」と呼ばれたり呼ばれなかったりしましたとさ。

おしまい