【艦これ】暴れん坊 元帥!【時代劇?】 (36)


土曜 

ピッピッピ ポーン

夜PM8:00

作中に登場する人物名、役職、団体は全て架空のものであり

実在の人物、役職、団体等と一切の関わりはありません。

全てフィクションです。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1523631062



伊58「やっと着いたでち。」

伊58「哨戒網を潜り抜け何とかたどり着いたでち。」



ベチ。



伊58「ここから横須賀の艦隊司令部まで後僅かでち……。」



キキーッ。



三下A「見つけたぞ。やはり艦隊司令部へ直訴に来ていやがったな!」

三下B「もう逃がさんぞ!帰ったら無期限オリョールだ!」

伊58「いやでち!仲間のみんなの為にここで捕まる訳には行かないでち!」

三下A「ならば無理やりでも連れて帰るしかないな。」



チャキッ。



伊58「ひっ。」

「おい!そこで何をしている!」

三下A「あぁん!?何だ手前!」

「俺か?俺は天下の風来坊、徳田新之助だ。」

三下A「かまわねぇ!殺っちまえ!」



フン!

ドスッ

ギャー グワァー



三下B「なんて野郎だ!」イテテ

三下A「一旦引くぞ!」アイタタタ

三下B「てめぇ、覚えてろよ!」

徳田「健忘症なんでな。今日の朝食も覚えていないから無理な相談という奴だ。」

徳田「大丈夫か?俺は徳田新之助という。」

徳田「ここにこのまま居るとさっきの奴らが仲間を連れて戻ってこないとも限らん。」

徳田「俺の知り合いの所に避難しよう。」

伊58「あっ、ありがとうでち」ガクッ



横須賀のどっかにある長屋



男「新さん、この娘、艦娘じゃないですか。」

徳田「あぁ、何者かに狙われていたようでな。」

徳田「俺が助けた後、安心したのか気を失ったんだ。」

男「それでここへ。」

伊58 パチ

男「おっ、目を覚ましたようですよ。」

伊58「こっここは?!」

男「私の住処ですよ。こちらの徳田様がここまで連れてきて下さったんですよ。」

男「私はね、この辺りの顔役というか世話役をしていましてね。」

男「悪い奴らに追われていたんだって?まぁ、そういう輩がここを嗅ぎ付ける事は無いと思うから安心して欲しいね。」

伊58「男さんはその筋の方でち?」

男「まぁ、そんな所ですかね。やくざ者ではないですがね。」クスクス

伊58「助けてもらって感謝するでち。ゴーヤは艦娘でゴーヤと言うでち。」

徳田「それで、悪いがどうして追われていたんだ?」

伊58「そっ、そうだったでち!ゴーヤはこれを!」

伊58「横須賀艦隊司令部の元帥に直接届けないといけなかったでち!」

ゴソゴソ

男(スクール水着の間からって、いや、みちゃいけないみちゃいけない。)ジー

徳田 ………。(ポッ)

伊58「この直訴状を手渡す大役があったでち!」

徳田「直訴状?」

伊58「でち!」

徳田「見てもいいか?」

伊58「どうぞでち。」

ガサガサ。

徳田「むぅ。」

男「これはこれは……。」


徳田「これを読む限りゴーヤの所属する鎮守府は休む暇なく艦娘を酷使しているようだが。」

伊58「そうでち。毎日来る日も来る日も潜水艦娘の仲間はオリョクルに駆り出され、

大発を搭載可能の駆逐艦娘や軽巡の娘は休むまもなく遠征に出されているでち。」

伊58「潜水艦の自分達は怪我をすれば入渠で少しばかりの休憩が取れるけど……。」

男「けど?」

伊58「遠征の娘達は疲れると怪しげな薬が混ざった羊羹や

アイス最中を食べさせられて強制的に戦意高揚状態にされるでち。」

男「禁止薬物かなにかかい?」

伊58「分からないでち。

ただ、常用させられている睦月型の娘達は目の焦点が定まらず常に笑顔が絶えないでち……。」

徳田「かえって不気味だな。」

伊58「疲労がポンと抜けるって空ろな目で言ってたでち。」


男「しかし、これには実際の状況だけで客観的証拠が何もないですね。」

男「せめてその羊羹とやらでもあれば証拠として海軍特別警察隊に駆け込めるんでしょうがねぇ。」

伊58「管理が厳しくて持ち出せなかったでち。」

徳田「その菓子の製造は誰が行ってるんだ?」

伊58「鎮守府の間宮さんと伊良子さんが嫌々させられているでち。」

伊58「2人は鎮守府の地下牢に監禁されて無理やり作らされているでち。」

男「なんて酷い。」

伊58「みんなの為にゴーヤは轟沈を装ってここまで泳いできたでち。」

伊58「助けて貰ったことは感謝するでち!それを持っていかないと!」

徳田「まぁ、まて、先ほどの様にお前が来ることを見越して手下を放つような相手だ。」

徳田「横須賀の艦隊司令部の中にも協力者が居るかもしれない。」

男「それにお前さん元帥の顔を知っているのかい?」


伊58「しっ、知らないでち……。」

男「知らないのにどうやって渡すつもりだったんだい。」

伊58「そっそれは。」

徳田「まぁまぁ、そう色々一度に問うものではないだろう。」

徳田「それより、所属鎮守府の事をもう少し詳しく教えてくれないか?」

伊58「でち?」

男「あぁ、徳田様はな。海軍の名家の三男で海軍の関係者に顔が利くんだよ。」

男「御本人は海軍に入ってはいらっしゃらないんだけど

私の仕事の関係で色々手伝っていただいているんだ。」

男「御立派なお方だから安心して話すといい。」

男「徳田様。私は席を外しておきますので。」

徳田「うむ。」

スススッ。


1時間後

徳田「そうか、工廠の職員が入渠時間を誤魔化して休憩を取れるようにしていてくれたのか。」

伊58「それだけじゃないでち、

艤装のメンテという事で遠征に回る娘達が偏らないように

ローテーションをばれない様に組んでいたりしてくれたでち。」

徳田「良心のある者もいたのだな。」

徳田「男!」



ススッ



男「話の方は終わられましたか?」

徳田「あぁ、俺はちょっと出てくるので後を宜しくお願いする。」

男「任されました。」

叢雲「着替え持ってきたわよ!」

伊58「!」

男「あぁ、この娘は私のかみさんでね。艦娘を訳あって退役した後に結婚したんだよ。」

叢雲「話は聞いたわよ。大変だったわね。」

叢雲「でも安心しなさい。徳田様に任せておけば万事上手くいくわよ。」

叢雲「その格好で外に出るのもまずいから是に着替えなさい。」

伊58「あっ、ありがとうでち。」


横須賀艦隊司令部 付近埠頭


徳田「川内!青葉!控えておろうな!」

ドラム缶( 川内「ここに!」 )シュバッ!

ダンボール(青葉「御呼びですか!」)ガバッ!

徳田「男が調べていた例の件、こちらの予想以上に根が深いらしい。」

徳田「男に協力してやりより深く探ってくれ。」

川内 青葉「「畏まりまして。」」ヒュバッ!


何処かの黒鎮守府



悪提督「なに!ゴーヤを取り逃がしただと!?」

三下A「もっ申訳ありません!」ドゲザー

三下B「天下の風来坊とか名乗る怪しげな奴に邪魔をされまして……。」ドゲザー

悪提督「ええい!この無能どもめ!」

「まぁ、まぁ、あまり怒ってはいけませんよ。」

悪提督「あっ、おっお越しだったのですか。」

悪少将「今月の資材調達の件で打ち合わせをと思いましたのでね。」

悪少将「此処から逃げたゴーヤを助けたのはどうやら海軍の関係者のようですよ?」

悪提督「なんですって!?」

悪少将「私の所に元帥との会見を望んでいると連絡が有りましてね。」

悪提督「まさかゴーヤはこちらの不正の証拠を掴んでいたのですか!?!」

悪少将「私との関係までは漏れていないようですがね。」


悪提督 ……。

悪少将「そういう顔をしなくても大丈夫ですよ。」

悪少将「あなたにはまだまだ資材の横長しで金を稼いで貰わないといけませんからね。」

悪提督「私が資材の横流しで得た金で貴方様の昇進工作。」

悪少将「えぇ、その通りです。まだまだ協力して貰いますよ。」

悪提督「はは!」

悪少将「ただ、ゴーヤの轟沈に見せかけた脱走計画を防げなかったのはいただけませんねぇ。」

悪少将「鎮守府内に協力者が居るのは間違いないでしょう。」

悪少将「そうですね、その鼠を使ってゴーヤを誘き出し始末しましょう。」

悪少将「全てが上手くいけば貴方を私の部下として将官に取り立ててあげようじゃないですか。」

悪少将「期待を裏切らないで下さいね?」ンフフフフ

悪提督「わっ分かりました。」ガクブル


数日後 長屋

男「おっ大分怪我も回復したみたいだな。」

叢雲「入渠施設が無いから大きな怪我をしてなくて良かったわ。」

男「いやぁー、良かった良かった。」

男「叢雲、ゴーヤちゃんはもう暫くうちで匿う事になるだろうから

  必要な物を買い物に言ってきてもらってもいいかな?」

叢雲「分かったわ!」


近くのショッピングセンター



伊58「うわぁー、色々売っているでちー。」ホワー

叢雲「しばらく一緒に暮らすなら色々買わないといけないわね!」

叢雲「ほら、向こうも見に行きましょう!」

怪しい店員A「いらっしゃいませー。」

怪しい店員B「お客様―。こちらのクーポンをどうぞー。」

伊58「ありがとうでち!」



『 お前に協力していた整備員の身柄は預かった。

  整備員の命が惜しければ誰にも見つからずに黒鎮守府に帰って来い。 』



伊58「!」

叢雲「あら、ゴーヤどうしたの?」

伊58「なっ、なんでもないでち!」



その夜、ゴーヤはひっそりと長屋を抜け出した。

一枚の書置きを残して。


男「なんてこったい!」

叢雲「ごめんなさい!私がついていたって言うのに……。」

徳田「男!ゴーヤが消えたそうだな!」

男「あっ、新さん!これを!」



『 お世話になっていた整備員の方が捕まってしまったでち。 

  ゴーヤは助けに行くでち。皆さんお世話になったでち。 』



徳田「ゴーヤ……。」

徳田「もはや一刻の猶予もならん!急ぎ悪鎮守府へ向かうぞ!」


悪鎮守府 工廠



悪提督「ゴーヤめ。よくも元帥に直訴しようとしやがったな。」

伊58「言われた通りに帰ってきたでち!」

伊58「整備員さんを解放するでち!」

悪提督「あぁん?会えるとでも思っていたのか?」

伊58「やっ約束と違うでち!」

悪少将「まぁまて黒提督くん。ゴーヤはなんというか可愛いとは思わんかね?」

黒提督「はっ?」

悪少将「私はね。以前から潜水艦娘というのに興味があってだね。」

悪少将「普段から水泳で鍛えられたあの引き締まった太もも。

    素晴らしいとは思わんかね。」

黒提督「あぁ、分かりました。しっかりと楽しまれた後に……。」グヘヘヘ

伊58「へっ、変態でち――――!」

伊58「だっ、誰か助けてでちー!」

黒提督「馬鹿め、こんな所に助けが来るわけがなかろうが!」








                  「それはどうかな?」









          \ 正義 / シュウゥゥゥゥゥ




伊58「!?」



バシッ!



黒提督「何奴!」バッ



テーテテーテテーテテー



徳田新之助「俺は天下の風来坊、徳田新之助。」

三下A「あっ!黒提督、あっあいつです!」

三下B「あいつがゴーヤを助けた野郎です!」

黒少将「ほう、あなたが助けたのですか。いずれ始末をしなければと思っていましたが。」

黒少将「これは探す手間が省けましたねぇ。」

黒提督「ふん、それにしても素浪人風情がなんと生意気な。」

黒提督「ここを何処と心得ている!黒鎮守府で海軍施設だぞ!」

黒提督「素浪人風情が軽々しく出入りして良い訳がなかろうが!」

徳田「このうつけ者どもが!!余の顔を見忘れたか!!」

悪少将「余だと……?まっまさか!?」


カーンッ!カーンッ!



悪少将「げっ元帥!?ははぁ!!」ドゲザ

一同「ははぁ」ドゲザ

吉宗「黒提督。貴様は提督という立場を利用し艦娘達を酷使。

   更に怪しげな薬物を用い艦娘達の思考能力を奪う。」

吉宗「更に更に物資を横流ししそれを着服。

   黒少将、貴様は黒提督が稼いだ金を賄賂として自己の立身出世を図って居ったな。」

吉宗「貴様らの鬼畜の如き所業。この吉宗、断じて見過ごすわけにはいかん!」

吉宗「海軍軍人らしく潔く腹を斬れ。」

黒少将「ふっ、ふっふっふ。はっはっは!元帥がかような場所に御座すはずがない!」

黒少将「者共、出会え!出会え!」



ゾロゾロゾロ


黒少将「こやつは元帥の名を語る痴れ者!構わん、切捨てい!」

吉宗「……。」スッ



デーンデーンデーン デデデデデデ デーンデーンデーン!

ズバッ!

斬られ役A「ぎゃぁ――――!」

ソバッ!

斬られ役B「ぐわぁ―――――!」

黒提督「おっおのれ元帥!覚悟!」

吉宗「貴様の行った非道、吉宗断じて許さぬ!」チャキッ

黒提督「ギャァ―――――!」

黒少将「くっ、黒提督がやれたか。」

吉宗「黒少将。残るは貴様だけだぞ。」

黒少将「くそぅ。かくなる上は。」チャキッ

伊58「銃でち!あっ、あぶないでち!」

川内 クナイ シューーーーー

グサッ

黒少将「ぐわぁ―――――!!」

吉宗「成敗ッ!」チャキッ

青葉「!」ザシュッ

川内「!」ザシュッ

黒少将「ギャァ―――――!」

吉宗「……。」スッ


伊58 ドゲザ

吉宗「ゴーヤよ、面をあげい。」

川内「元帥!捕らわれていた整備員さんに間宮さん

   伊良子ちゃんも救い出してきました。」

吉宗「うむ。」

伊58「げっ元帥様、この度は助けていただき大変感謝するでち。」

整備員「この度は助けていただきありがとうございました。」ドゲザ

吉宗「ゴーヤよ。緊張の所為かやや言葉がおかしな事になっているぞ。」フッフッフ

吉宗「この鎮守府で行われていた悪事に気付くのが遅れたのは俺の不始末だ。」

間宮「そっそんな事は。」

吉宗「今回、黒提督を処罰した所為でここの提督が不在となってしまった。」

吉宗「整備員。」

整備員「はっ、はい!」

吉宗「聞けばそなたは酷使される艦娘達になにかと気遣い世話をしてやっていたそうだな。」

吉宗「そなたをここの新提督に任命する。

   慣れるまで俺の腹心の部下を補佐に付けてやるから運営に励むがいい。」

整備員「はは――――。」ドゲザー

吉宗「さて。帰るとするか。」

吉宗「これにて一件落着!」



『 艦娘の事をちゃんと考えられる新提督。その誕生を嬉しく思うと共に、

  新提督である整備員の艦娘への心の通った鎮守府運営に大きな期待を寄せる若き吉宗であった 』




この番組は

健康は、進化する

バスクリン

の提供でお送りしました。



何処かの鎮守府

大淀「元帥なにやってるんですか?」

男「私に言われてもね……。」

大淀「叢雲さんと二人して何楽しそうに出演してるんですか!?」

大淀「私も呼んでくださいよ!」

男「あっ、出たかったんですか。」

叢雲「ごめんなさいね。」

大淀「次回の撮影にはちゃんと台詞付きで出演させてくださいね!」

男「前向きに検討しておきます……。」

叢雲(これは駄目な奴ね。)



元帥の海軍広報用時代劇に出演出来なかった大淀が上官に文句を言っていたそうである。

お読みいただきありがとうございました
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1からの御連絡
外鎮88は現在一生懸命ウォースパイト編が終われるように書いている途中です
時代劇を久しぶりに見て書きたくなったんです、お許し下さい

1です
>27様
これかしらという心当たりがある作品のURLを貼っておきます

【艦これ】鎮守府の裏方求人事情
【艦これ】 鎮守府の裏方求人事情 - SSまとめ速報
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