【モバマス】P「ちひろさんへのお返しか……」 (22)

P(明後日はホワイトデーだな。アイドルたちには)

P(バレンタインのお返しとして。そして日頃の感謝の気持ちも込めて)

P(手作りのクッキーを贈ろうと思ってる)

P(その方が財布にも優しいし……)

P(だけど)

P(ちひろさんには何を贈ろう。手作りのクッキーじゃ、きっと)


ちひろ『ああん? 何ですかこの安っぽいお菓子は』

ちひろ『ホワイトデーのお返しは10倍返しって決まってるでしょうがぁ!!』

P『ひっ、ごめんなさい!』


P(こうなるよなぁ)

P(というか、バレンタインの日に)


ちひろ『プロデューサーさん、お返し期待してますね』ニコッ


P(って言ってたし。安い物は贈れない)

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P(10倍とはいかないけど、高価なお菓子を贈るしかないな)

P(となれば、早速今日買いにいくか)


ちひろ「……?」

ちひろ(プロデューサーさん、ボーッとして何を考えてるんでしょうか)


――ホワイトデー当日――


P「卯月、これホワイトデーのお菓子」スッ

卯月「わあ! ありがとうございます!」

P「感謝の気持ちも込めて手作りなんだよ」

P「安っぽくてごめんな」ハハ…

卯月「そんなことないですよっ! すごく嬉しいです!」

P「そしてこれが凛。これが未央の分」スッ

凛「ありがとう」

未央「手作りは女だけでなく、男がやってもグッとくるねぇー」

凛「食べていい?」

P「これからレッスンだろ。終わってからな」

未央「とか言って、目の前で食べられるのが恥ずかしいんでしょ」

P「ち、違うぞ」

卯月「赤くなりました!」

未央「かーわーいーいー」

P「茶化すな!」


美嘉「なになに? 賑やかじゃん!」

凛「プロデューサーがホワイトデーの手作りお菓子をくれたんだ」

まゆ「手作り……!? プロデューサーさん!」ササッ

P「ちゃんとみんなの分もあるよ。今から渡す」

かな子「お菓子だー!」

杏「食べられるのー?」クスクス

P「失礼な! 美味いかどうかは置いといてちゃんと食えるわ!」

加蓮「美味しいよ」モグモグ

奈緒「形は不格好だけどな」モグモグ

P「加蓮に奈緒……! いつの間に……!?」

ワイワイ ガヤガヤ

ちひろ(さて、お仕事お仕事……ん?)

ちひろ(何か騒がしい。アイドルたちの中心にいるのは……プロデューサーさん?)

ちひろ(あっ! そっか、今日はホワイトデーだっけ)

まゆ「うふ♡ 手作りクッキーだなんて幸せ♡」

ちひろ(手作り!? プロデューサーさんの!?)

ちひろ「……」ソワソワ


P「!!」

P(ちひろさん発見! 渡しにいかないと)

P「みんな、クッキーはこの袋の中に入ってるから、1人ずつ取っていってくれ」

「「「はーい!」」」

スタスタ

P「ちひろさん」

ちひろ「は、はい」

P「今日はホワイトデーですよね?」

ちひろ「ですね。お返し、くれるんですか?」ニコニコ

P「はい……えっと」ガサゴソ

P「あった。これどうぞ!」スッ

ちひろ「?」

ちひろ(みんなとは違う袋……)

ちひろ「あの、これは?」

P「有名店のクッキーです。並んでもなかなか買えないほどの」

P「値の張るやつです」

ちひろ「そんなもの貰っていいんですか!?」

P「ちひろさんにはいつもお世話になってますから」ハハハ…

P「……どうでしょうか」

ちひろ「え?」

P「お気に召しましたか?」

ちひろ「もちろんですよ! こんな良いものいただいて」

ちひろ「ありがとうございます」ペコリ

P「いえいえいいんですよ! ほんの気持ちですから!」

P「それじゃあこれで」

スタスタ

ちひろ「……」

ちひろ(有名店のクッキーかぁ)

――お昼――

ちひろ(見る限り、アイドルの子には全員手作りのクッキーをあげてた)

ちひろ(なのに私には……)

ちひろ(……私も、手作りがよかったなぁ……)

ちひろ(ううん、こんなこと言っちゃダメ。欲張りよ)

ちひろ(せっかく買ってもらったんだから、喜ばなきゃ)ガサゴソ

パカッ

ちひろ(……)スッ パクッ

ちひろ(美味しい。すっごく)モグモグ

ちひろ(……バレンタインにあんなこと言っちゃったからかなぁ……)モグモグ

ちひろ(ん?)

ちひろ(ちょっと待って。みんなには同じ物をあげて)

ちひろ(私だけには特別なものをあげた。これって)

ちひろ(本命っ!?)

ちひろ(いや、でも手作りだしなぁ。どんな高価なものも手作りには……)

ちひろ(どっちなんだろう)

――――

P「……」カタカタ

ちひろ「……」ジー

P「……」チラッ

ちひろ「!」ビクッ

ちひろ「ふんふふふーん♪ ふーんふふふーん♪」

P「……」カタカタ

ちひろ「……」ジー

P「……」

P(どうしよう。めっちゃ睨まれてる)

P(あれじゃダメだったのか? でも評判だと)

P(あのクッキーを貰った女性は100%喜ぶと)

ちひろ「……」ジー

P(じゃあ何であんなに鋭い目で見てくるんだ!?)

ちひろ(今私のことチラッと見た。ということは好意あり?)

P(ダメだったのか……クッキーじゃ足りないってか……!)

P(マズいぞ、ここで機嫌を損ねると今後の財布事情に悪影響が)

P(どうすりゃいい。何か策を考えないと)

P(……よし!)スッ

スタスタ

P「ちひろさん」

ちひろ「は、はい!」

P「今日の夜空いてますか? 一緒に夕飯どうですか?」

ちひろ「え?」

ちひろ(ここ、これって……!)

ちひろ「いいですね。ひょっとして奢ってくれるんですか?」クスッ

P「ぜひ奢らせてください」ペコリ

P「時間は……――」

ちひろ(間違いない。私が誘うことあっても)

ちひろ(プロデューサーさんから誘ってくれたことないし)

ちひろ(さっきの高級クッキーといい……プロデューサーさんは)

ちひろ(私のことが大好き!)

P「聞いてますか?」

ちひろ「へ? ああ、はい! 分かりました!」

P「じゃあそれでお願いします」

スタスタ

ちひろ(ふふ……顔がにやけそう……)

――――

ウェイター「ご注文はお決まりでしょうか」

ちひろ「……」

P「どうしました? 頼んでください」

ちひろ「えっと……すみません」

ちひろ「入るお店を間違えてないですよね?」

P「このお店ですよ」

ちひろ「だ……大丈夫なんですか?」ヒソヒソ

ちひろ「すごく高いですよ、何から何まで」ヒソヒソ

P「心配しないでください。こんなの(搾取される可能性を潰すためなら)安いもんです」

ちひろ「プロデューサーさん……」

ちひろ「(私のためなら)安いものだなんて、男前ですね」ポッ

P「?」

P(何で赤くなったんだ)

――――

ちひろ「美味しい……!」

P「絶品ですね。こんな美味しいもの食べたことないですよ」

ちひろ「過言じゃないですね、その言葉」

ちひろ「……あの、プロデューサーさん」

P「はい?」

ちひろ「私、心の準備ができたので」

ちひろ「そろそろ聞かせてください」

P「え? な、何をですか?」

ちひろ「ホワイトデーの日に、こんなにしてくれるってことは……」

ちひろ「そういうこと(私のことが好きってこと)なんですよね?」

P「……はは」

P「なるほど、バレてたんですね……さすがちひろさん」

ちひろ「!」

P「そうです。俺はそのため(今後の出費を抑えるため)に」

P「こうしてちひろさんに尽くしたんです」

P「……怒ってますよね」

ちひろ「?」

P「(裏があっての行為だから)怒ってるに決まってる」

ちひろ「……」

ちひろ(怒ってる……今まで私のアピールをスルーしてきたから?)

ちひろ「いいえ。そんなことないですよ」

ちひろ「最終的に打ち明けてくれたんですから」ニコッ

P「!!」

P「ほ……本当ですか?」

ちひろ「ええ」

P「つ、つまり……約束してくれるんですよね?」

ちひろ「え」

P「あ、それはまだ早いですよね!」アタフタ

P(もう搾取しない約束を取りつけようなんて、気が早かった)

ちひろ(約束? 恋人になる約束? いや)

ちひろ(まだ早いってことは、結婚!?)

ちひろ「……まあ」

ちひろ「順を追って、ですね」コホン

P「!?」

P「順を……これから何をすればいいんですか?」

ちひろ「そりゃあ、色々あるでしょう。特に肝心なのはご両親への挨拶です」

P「両親への挨拶!? 何でそんなことを……」

ちひろ「しなきゃダメでしょう! まあそれは最後らへんですから」

ちひろ「今にでもしなきゃいけないのは……」

P「いけないのは?」

――――

P「……?」

ちひろ「さあ入りましょう」

P「え、いやいや。ここってホテルですよね」

ちひろ「はい」

P「ホテルで何を?」

ちひろ「……分かってるでしょう」カァァ

ちひろ(プロデューサーさんのこと、もっと知りたいし)

P(金が惜しいなら体でってことか!?)

ちひろ「早くしてください。ホテルの前で立ち止まってるの」

ちひろ「恥ずかしいじゃないですか……」モジモジ

P「いやいや、それはちょっと……ほら、仕事仲間ですし!」

ちひろ「今は他の関係でもあるじゃないですか」

P(他の関係? まさか、ご主人様と奴隷?)

P(金を使いたくないなら体で。つまり俺は奴隷になるということ)

P(いくら搾取が嫌とはいえ、承諾していいものなのだろうか)


ちひろ「……嫌なんですか……?」

P「!」

ちひろ「私とじゃ……できませんか……?」ウルウル

P「……」ドキドキ

P(ちひろさんって)

P(こんなに可愛かったっけ)

P「……分かりました」

P「それがちひろさんの望みなら」

ちひろ「プロデューサーさん……♡」

P(こうして俺は、食い違いに気づくことなく)

P(ちひろさんとそういう関係になったのだが)

――――

P「それがまさかこんなことになるとは」

5歳男の子「もっときかせてー!」

3歳女の子「てー!」

P「終わりだよ。これがママとの馴れ初め」


ちひろ「あなた、ご飯ができましたよ」

P「だとさ。この匂いはカレーだな」

男の子「かれー!」タタタッ

女の子「れー!」タタタッ

ちひろ「ふふ、元気ね」

ちひろ「何を話してたんですか?」

P「ん? ちょっと昔のことを」

ちひろ「……何度も言いましたけど」

ちひろ「私があなたのお金を事あるごとに頂戴していたのは」

ちひろ「照れ隠しですから」

P「そのことじゃないです。っていうか、それ何度聞いても意味が分かりません」

ちひろ「まあ細かいことは気にせずに。家族の貯金になってるんですし」

P「はは……」

P(彼女のお金管理は、今もなお健在だ)


おわり

ちひろさんの魅力に最近気づき始めました
またいつか書きたい

どこかで見たけどちひろは

「事務所のために実力ある娘は必要ですよね!」と言ってガチャチケくれる

それ以上回そうとすると「毎週実力ある娘が来てるじゃないですか」とMCを要求するようになる

一握りの才ある者を求め出すと「まだ足りないんですか?もっとたくさんの娘にチヤホヤされたいんですか?」と渋り出す

そこで引き返せないと「冗談じゃないです、これ以上邪魔者が増えたら……」と露骨に絞り始める

上位(余所)に目を向けようモノなら「私より他の娘が大事ですか……っ!」と妨害工作利敵行為にまで手を染める

らしい


そんなちひろさんに魅力?

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