ちひろ「女性恐怖症?」モバP「はい」 (86)

ちひろ「誰が?」

モバP「俺がです」

ちひろ「女性恐怖症?」

モバP「はい」

ちひろ「……」

モバP「?」

ちひろ「っはぁ!?」

モバP「!?」ビクッ


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ちひろ「ちょっ、ちょっと待ってください!」

モバP「えっ何ですか」

ちひろ「え?女性恐怖症??Pさんが???」

モバP「ええ。そう言いましたね」

ちひろ「こんなに大勢の女性に囲まれて仕事してるのに?最近でもたくさんのアイドルをスカウトして来てるのに??」

モバP「それはまぁ、仕事ですから」

ちひろ「仕事だからってどういう事ですか!?て言うか、今日だってNGの送迎とか普通にこなしてたじゃないですか」

モバP「一応自分も社会人ですから、個人的な嗜好で仕事を疎かにはしませんよ」

ちひろ「それってもしかして、我慢してたって事ですか」

モバP「まぁ、言っちゃえばそうなりますね」

ちひろ「えぇ~……」

ちひろ「なんて軽い……。」

モバP「そうですか?」

ちひろ「そうですよ。あっ、それよりPさん!この事他の子には言ってませんよね!?」

モバP「言ってませんよ。ちひろさんが初めてですね」

ちひろ「ホッ……。良かった、まゆちゃんなんかが知ったら下手したら自殺してるかも……」

モバP「大袈裟じゃないですか?」

ちひろ「大袈裟じゃないですっ!」

モバP「はぁ、そうですか」

ちひろ「何だか他人事ですけど、ホントに女性恐怖症なんですよね?」

モバP「ホントですよ」

ちひろ「でもでも、Pさんが女の人を怖がってるとこ見た事ありませんし」

モバP「そりゃ怖がってたら仕事になりませんし対策はしてますよ」

ちひろ「対策、ですか……?」

モバP「ええ、対策です」

ちひろ「あんまり聞きたくないんですけど、それってどんな対策ですか?」

モバP「別に大した事はしてませんよ」

モバP「出社前に真っ暗な部屋で、ロウソクの灯りを付けて『女性は怖くない女性は怖くない』って繰り返すんです」

ちひろ「大した事あるわッ!」

モバP「ッッ!?」ビクッ

ちひろ「何ですかそれ!?完全に自己暗示じゃないですか!どこが大したことないんですか!?」

モバP「使ってるのはロウソク一本だけですし」

ちひろ「ソコじゃねーよ問題は!!」

モバP「えぇ~」

ちひろ「何で催眠術なんかに頼ってるんですか。因みにですけど、ソレをやらないとどうなるんですか?」

モバP「そうですね……」

モバP「この間、不意に来た宅配便の配達員が女性だった時は救急車呼ばれましたね」

ちひろ「救急車!?」

モバP「はい。何でも奇声を上げた後、過呼吸になってしまったらしいです。気が付いたら救急隊員に見下されてました」

ちひろ「Oh……」

モバP「まぁ、不意打ちじゃなければよっぽど大丈夫ですよ」

ちひろ「大丈夫な要素が無い……」

ちひろ「えっ、て言うかあれですか?私とこうして普通に話してるのも暗示が聞いてるからですか?」

モバP「そうですね。自己暗示のお陰ですね。もし暗示がなかったら正気を保つ自信がないです」

ちひろ「そこまで言いますか……。興味本位で聞きますけど、暗示の有る無しで私の見え方って違ったりします?」

モバP「それはモチロン」

ちひろ「具体的には?」

モバP「そうですね……」

モバP「これは女性全般がですが、基本的には鬼や悪魔の様な恐ろしい姿に見えます」

モバP「目の前に立たれただけで、全身から汗が吹き出して、呼吸も上手くできません」

ちひろ「そ、それは大変ですね。因みに暗示がかかっていれば、ちゃんとマトモに人間と認識できるんですよね?」

モバP「いえ、野菜です」

ちひろ「……はい?」

モバP「野菜です」

ちひろ「ベジータとかナッパ?」

モバP「サイヤ人じゃないです。野菜です」

モバP「ほら、よくあるじゃないですか。緊張する子供に『観客は人じゃない、ジャガイモと思え』って言うやつ。アレですよ、アレ」

ちひろ「じゃあ、私の事も……?」

モバP「はい。一目見たときから綺麗に黒光りする茄子だと思ってました」

ちひろ「あっはっは。意味分かんねぇ」
 

モバP「大丈夫ですか、ちひろさん。さっきからちょいちょい口調が変ですよ」

ちひろ「誰のせいだと……」

ちひろ「そういえば前に美波ちゃんが、グラビアの感想をPさんに聞いたら、『最高にフレッシュなアボカドだったぞ!』って答えが帰ってきたとか言ってましたね……。」

モバP「あぁ、あの時の美波はまさに森のバターと呼ぶに相応しい姿でしたからね」

ちひろ「うーん、全く意味が分からない」

モバP「そうですか?」

ちひろ「その女性恐怖症なんですけど、改善は出来そうにないんですか?」

モバP「一応、ちょっとずつは良くなってますよ」

ちひろ「良かった。少し安心しましたよ。ずっとこのままって訳でもないんですね」

モバP「ええ。最近じゃあ、卯月達が男爵いもからメイクイーンに見えるようになりました」

ちひろ「先が長そうだなぁ……」

ちひろ「……それにしても暗示って凄いですね。あんなに可愛いアイドルたちが八百屋の商品に見えるなんて……」

モバP「苦労して習得した甲斐がありましたよ。通信教育で会得できるとは自分でも思ってませんでしたけど」

ちひろ「通信教育かよ……。いや、もう何も言いませんけど」

モバP「二週間の短期集中コースでした!」

ちひろ「聞いてねぇよ」

モバP「いやいや、ちゃんと聞いてくださいよ。すごいんですよ、自己暗示って」

ちひろ「はいはい、私はもう仕事してるんで勝手に喋っててください」

モバP「コレのお陰で学校も共学に通えましたし。他にも日常生活にも活かせますし」

ちひろ「そーですねーすごいですねー」カタカタ

モバP「暗示を解除するのも、自分で決めた合図をするだけですから簡単安心ですよ」

ちひろ「へー、今年は豪ドルが狙いめなのかぁ」カタカタ

モバP「自分の場合は、こうして両方の耳たぶを抓めばすぐに暗示が解除されるんですよ」キュっ

ちひろ「えっ?」

モバP「あっ」シマッタ……

モバP「あっあっ、」

ちひろ「Pさん大丈夫ですか!?尋常じゃないくらい汗が噴き出てますけど!?」

モバP「ち、ちひろさんが……ちひろさんが……」

ちひろ「わ、私が何ですか!?やっぱり怖いんですか!?」

モバP「よ、嫁に食わすなと言われるくらい美味しいそうに黒黒としていたちひろさんが、みるみる間に緑のカネゴンに……」

ちひろ「カネゴン言うな!」

モバP「ひいぃぃぃっ!怖いぃ女の人怖いいぃ!」

ちひろ「あぁ!Pさんが、なんか見るに耐えない感じで悶ている!」

モバP「アバああああ!オバアああたあ!」

ちひろ「そして汚い声で奇声を上げている!」

モバP「コヒュー、コヒュー」

ちひろ「そして呼吸が変!あっ、これが過呼吸か!」

ちひろ「って、それどころじゃないですね!Pさん落ち着いてください!」

モバP「あばばばばばば」

ちひろ「駄目そうですね。うぅん、一体どうすれば……」

モバP「あばばばばばば」

ちひろ「あっ!暗示が解けたならもう一度かけ直せばいいんですね!」

モバP「あばばばばばば」

ちひろ「そうと分かれば早速、ブラインドを下げて部屋を暗くしてって……さっきからうるさいな!」

モバP「あばばばばばば」

ちひろ「よし、これで部屋が真っ暗になりましたね!あとはロウソクを付けてPさんを一人にすれば……」

ちひろ「って、ロウソクなんて持ってるわけないじゃないですか!」

ちひろ「誰かの私物で置いてないですかね。これだけ女の子が居るんだからアロマキャンドルの一つくらい……」

ちひろ「クッソ、ちくわしか無い!アラサー連中が事務所で飲み会した時のツマミの残りですね。こんなもん要るか!」ポイッ

ちひろ「Pさん!ロウソク持ってませんか!?予備くらい事務所に常備してるんでしょう?」

モバP「うあぁぁぁぁぁん!」

ちひろ「ちょ!泣いてないで協力してくださいよ誰の為にやってると思ってるんですか!」

モバP「びえぇぇぇん!」ビリビリ

ちひろ「ちょっ、暴れないで下さい!シャツが破れてるじゃないですか!こんなとこ誰かに見られたら」

「お疲れ様でーす」ドアガチャ

ちひろ「来ると思ったよ畜生!」

なんだか眠いんだチヒロッシュ
続きは明日だね

奈緒「お疲れ様でーすって、部屋暗っ」

加蓮「あれ、Pさんとちひろさん居ないの?」

みく「鍵をかけずに事務所を空にはしないと思うにゃ」

美嘉「そうだね。どっかその辺にいるんじゃ……って、あっ」

ちひろ「あ、あのこれは……」

加蓮「えっ?えっ?」

奈緒「ちひろさんがPさんに覆いかぶさってる??は?どう言うこと??」

ちひろ「ちがうんですちがうんです」

みく「ぴ、Pちゃんの服が乱れてるにゃ。おまけにPちゃん泣いてるし……」

美嘉「ちひろさん、いくら何でもそれは……」

ちひろ「だ、だから違うんですって!」

ちひろ「ろ、ろうそく!ろうそくありませんか!?ろうそくが必要なんです!」

加蓮「事務所で無理やり……」

みく「その上、ろうそくを使うアブノーマルプレイ……」

美嘉「千川さん、いくら何でもそれは……」

奈緒「ふ、不潔!不潔すぎるぞ、それは!」

ちひろ「だから、違うんですって!!」

ちひろ「Pさんも何か言ってください!このままじゃ私が変態みたいじゃないですか!」

モバP「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」カタカタ

ちひろ「く、ダメだ使えねぇ!」

加蓮「ちひろさんやめて!Pさんが
怖がってる!」

ちひろ「怖がってるのも訳が有るんです!まずは私の話を聞いてください!」

美嘉「そうだね、まずは話を聞こうか。でもその前に……」

美嘉「早 苗 さ ん 呼 ぶ ね?」

ちひろ「」

早苗「……えーっとじゃあ、状況を整理するね?」

早苗「美嘉ちゃん達が事務所に入ったら、真っ暗な中でPさんに覆い被さるちひろさんが居たと」

早苗「ちひろさんはPさんの服を剥ぎ取る真っ最中で、その後ろうそくを使ったプレイを計画していた所を四人で阻止」

早苗「Pさんは怯えて話ができる状態じゃないから現在は仮眠室で保護している」

早苗「ちひろさんは私より一足先に到着したまゆちゃんが拘束中、と」

早苗「大体こんな感じで合ってる?」

みく「大体合ってるにゃ」

早苗「うーん、そっかー。大体合ってるのかー」

加蓮「早苗さんどうかしたの?」

早苗「いやぁ、信じられないと言うか信じたくないと言うか」

まゆ「うふふふふふふふ」

ちひろ「フゴー!フゴー!」

早苗「真実なら私の手に余るというか」

美嘉「あぁ……」

まゆ「うふふ、大丈夫ですよぉ。早苗さんの手は煩わせませんからぁ……」ニコッ

ちひろ「フゴゴゴ!」

早苗「いや、大丈夫じゃなくてね?」

まゆ「お気遣いなく。それよりもドラム缶と生コンクリートって何処で買えるか知りませんか?セ○ンイレブンに有りません?」

奈緒「そんな物コンビニにあってたまるか」

加蓮「暮らしを便利にするコンビニに死体遺棄の便利アイテムがあったら嫌だなぁ」

早苗「うーん、お姉さん帰りたくなってきたなぁ」

早苗「ところでP君の様子はどんな感じ?」

美嘉「怯えてて会話も出来ないみたい。あんなPさん初めて見た」

みく「巴ちゃんの実家に挨拶に行く時だってあんなに怖がってなかったにゃ」

奈緒「あの時は、むしろ半笑いだったらしいぞPさん」

加蓮「俺ヤクザ初めて見ました!って言って空気が凍ったって、巴ちゃん言ってたよ」

早苗「何やってんのよ、P君……」

奈緒「しかもその後、村上さん家は町を守る良いヤクザなんですよねって聞いたって」

加蓮「若い衆を止めるのに苦労したって巴ちゃんが」

早苗「ホントに何やってんのよ!?」

まゆ「うふふ、反社会的勢力にも物怖じしないなんて、Pさんはやっぱり素敵です」

美嘉「事務所の仲間の実家を反社会的勢力て」

奈緒「いやまぁ、半分以上事実だし」

早苗「それより今素敵な要素あった?」

ちひろ「フゴゴゴ!」

みく「あっ、ちひろさんの事忘れてたにゃ」

早苗「取り敢えず、ちひろさんの拘束を解いてくれる?私も話を聞きたいし」

加蓮「だつてさ、まゆ」

まゆ「うふふ、嫌です」ニコ

奈緒「まゆが嫌だってさ」

早苗「そっかぁ、嫌かー」

まゆ「はい。嫌です♡」

早苗「あー……」

ちひろ「フゴー!フゴゴゴ!」ジタバタ

まゆ「……」

早苗「……」

早苗「どうしよっかなぁ……」

美嘉「早苗さん頑張って!」

早苗「いや無理でしょ。まゆちゃんガチギレじゃない。笑顔なのが超怖いわよ」

美嘉「でもこのままじゃ事務所で惨劇が起こるよ」

みく「裁判すっ飛ばして死刑執行しかねないにゃ」

加蓮「それにもうすぐ凛達も帰ってくるし」

早苗「……もしかして凛ちゃんも、もうこの事知ってるの?」

奈緒「まゆが携帯で連絡入れたって」

早苗「おうふ……」

加蓮「それで、さっき私の携帯に凛からメッセージが」

早苗「……聞きたくないけど、一応聞くわね。凛ちゃんは何て?」

加蓮「不倶戴天千川ちひろ」

早苗「おうふ……」

美嘉「不倶戴天って、どういう意味だっけ?」

みく「同じ天の下には生かしておけないって意味にゃ」

美嘉「違う天の下なら大丈夫って事?」

加蓮「それ多分あの世だから」

奈緒「何にしろ惨劇が起こることに変わりはなさそうだな」

早苗「凛ちゃんが来る前にかえろうかなぁ……」

卯月「お疲れ様です!ただ今戻りました!」ドアガチャ

まゆ「うふ、卯月ちゃんおかえりなさい」

卯月「まゆちゃん、ただいまです!ところで、何でちひろさんはちくわを咥えてるんですか」

ちひろ「フゴー、フゴゴゴ!」

美嘉「おかえり卯月。一応言っとくけど、ちひろさん別に好きで咥えてるわけじゃないよ」

卯月「そうなんですか?じゃあリボンで全身を縛られてるのも」

加蓮「好きでやってたら事件だよね」

早苗「ところで凛ちゃんは?卯月ちゃんと一緒じゃなかったのかしら」

卯月「途中で別れました!なんでも用事があるとかで」

早苗「そうなんだ」

卯月「ドラム缶ど生コンクリートが要るとかで、コンビニによってから来るそうです!」

まゆ「さすが凛ちゃん。気が利くわ」

奈緒「嫌だからコンビニにはないだろ」

卯月「でもミ○ストップですよ?」

奈緒「何ストップにも置いてないし、むしろストップするのは卯月だよ」

みく「この状況に全く動じてない卯月ちゃんが怖くてしょうがないのはみくだけかにゃ?」

ちひろ「モグモグ……プハッ!皆さん!私の話を聞いてください!」

奈緒「ちひろさんが!」

美嘉「咥えていたチクワを食べて、喋れるようになった!」

加蓮「どうして最初からしなかったんだろうね」

卯月「美味しいですよねチワワ」

みく「今変なこと言わなかった?」

ちひろ「だから話を聞いムググ」

まゆ「悪い子は黙りましょうね~」

早苗「2本目!」

ちひろ「……」グスッ

みく「ちひろちゃんが泣いちゃったにゃ」

奈緒「正直気持ちはわかる」

まゆ「情状酌量の余地はありませんよ?」

美嘉「じょう……何?」

加蓮「たまにはニュースも見ようね」

早苗「あ~。まゆちゃん、ちょっと良い?」

まゆ「何ですか、早苗さん」

早苗「やっぱり話だけでも聞かない?考えにくいけど、私達の勘違いの可能性もあるしさ」

卯月「そうですね。処刑するのはその後でも遅くはないと私達も思います」

奈緒「処刑て」

加蓮「私達て」

みく「何で事情を知らない卯月ちゃんが一番ノリノリなの?」

まゆ「わかりました。皆さんがそこまで言うなら……」

美嘉「あ、あんなんで納得するんだ」

まゆ「ちひろさん、ちくわ外しますね」

加蓮「凄い。私、ちくわを外すって言葉初めて聞いた」

奈緒「多分これが最初で最後だな」

ちひろ「……プハッ」

早苗「ちひろちゃん大丈夫?」

ちひろ「え、ええ……一応」

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