垣根「クリスマスか……」 (43)


未元定規がいちゃつくだけのスレ
キャラ崩壊する


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垣根「24日だっつーのに俺らは夜遅くまでクソみてぇな仕事とはな」

心理定規「あら、クリスマスを楽しみたい気持ちなんて持ってたの?」

垣根「俺がクソみてぇな仕事をしてるときに世間の奴らがキャッキャウフフしてんのが気に入らねーんだよ」

心理定規「アナタの事情に世間が合わせられる訳ないじゃない」

垣根「解ってるっつーの。ハァ、俺も今日くらいデートでも楽しみたいね」

心理定規「そう、じゃあデートする?」

垣根「あん?」

心理定規「私が相手してあげる」

垣根「してあげる、って程イイ女だと思ってんのかテメェ。せめてCカップになってから出直しやがれガキが」

心理定規「セクハラよ、それ」

垣根「セクハラなんてテメェがやってる仕事に比べたら可愛いもんだぜ。あぁ、小遣い稼ぎじゃない方のな」

心理定規「それはお互いさまでしょ」


垣根「それで、どこ行きたいんだよ。今からじゃそれなりのトコは全部予約で埋まってると思うけどな」

心理定規「あら、結局エスコートしてくれるの?」

垣根「あぁ。相手がテメェだろうとデートはデートだしな。付き合ってやってもいいぜ」

心理定規「やってもいいぜ、って程イイ男だと思ってるのアナタ」

垣根「思わない理由がないね。何故なら俺はイケメンな上金持ちで頭もいい」

心理定規「そうね。そして乱暴でひねくれ者だわ」

垣根「ほう。因みに俺はオマエに奢ってやるかどうかはまだ考え中の段階だ」

心理定規「よく考えたらアナタは優しくて紳士的だったわ」

垣根「だろ? その優しくて紳士的な俺はどこに連れてきゃいい」

心理定規「うーん、ケーキがあればどこでもいいわ。私もささやかにクリスマス気分を楽しみたいし」


――ファミレス


心理定規「キノコのパスタとサラダとショートケーキでお願い。飲み物はアイスティで」

垣根「俺はバジルのピザとポテト。あとコーラ」

心理定規「……ふぅ、一応腰を落ち着けたけどあんまりリラックスできそうじゃないわね」

垣根「たかがファミレスなのに混雑が激しすぎんだよ」

心理定規「この店は深夜までやってるし、それに学生の街だとこういう手頃な所の方が集まるのかもね」

垣根「……なるほど。逆に金銭感覚が麻痺してたな」

心理定規「まぁ偶にはこういう学生ぽいのもいいじゃない」

垣根「……あんまり肌に合わねぇな」

心理定規「出る?」

垣根「いや、とりあえず食ってから決めるわ」


心理定規「……」モグモグ

垣根「……」モグモグ

心理定規「……」モグモグ

垣根「……」ズズッ

心理定規「……ねぇ」

垣根「なんだ」

心理定規「普通、デートって男の人が会話もリードしてくれるものじゃない?」

垣根「女の話にテキトーに相槌打って盛り上げときゃいいんじゃねーのか?」

心理定規「認識に相違があるみたいね」

垣根「どうりでこのテーブルだけ静かだと思ったぜ」


垣根「ま、一応リードするようにしてやるよ」

心理定規「紳士的に頼むわね。セクシャルハラスメントは無しで」

垣根「そう言われると世間話って中々思いつかねぇわ」

心理定規「日本経済の話でもする?」

垣根「デートで日本経済の話する男なんかいるかよ」

心理定規「私のお客さんは政治経済のお話をよくしてるわよ」

垣根「ソレしか知らないだけだろ」

心理定規「あと若い子に教えたいんでしょうね」

垣根「んな楽しくないデートは俺はお断りだ」

心理定規「じゃあロマンチックな話でもする?」

垣根「そうだな……クリスマスプレゼントは何が欲しいとかか?」

心理定規「現金、と言いたいところだけど、ロマンチックに答えるなら素敵な出会いかしら」

垣根「あぁ、俺も25日の朝に目が覚めたら枕元に色っぽいお姉さん系の彼女がプレゼントされてたりしないかね」

心理定規「不法侵入してるような女でいいの?」

垣根「そこ突っ込むのは野暮だろ。ロマンチックはどこ行ったんだ」


心理定規「そうねぇ、じゃあシチュエーションの話とか」

垣根「どんな風にプレゼント渡したらいい雰囲気かとかか?」

心理定規「そうそう、アナタ理想のシチュエーションとかあるの?」

垣根「そうだな、クリスマスに告白とかいいんじゃねーか」

心理定規「ありがちね」

垣根「やっぱり浮ついてるからな、成功率も高いと思うぜ。更にプロポーズもクリスマス」

心理定規「告白と同じ日にプロポーズね、中々ロマンチックじゃない」

垣根「そこで婚約状態にして1年後結婚式もクリスマスで入籍もクリスマスだ」

心理定規「クリスマスに並々ならぬ拘りがある人みたいになってるけど」

垣根「そうすりゃ記念日忘れねぇからな、それに面倒なお祝いみてーなのがあっても1回で済む。相手の誕生日もクリスマスならもう最高だね」

心理定規「彼女とのお祝いが面倒って……子どもの誕生日もクリスマスにしそうな勢いね」

垣根「採用」

心理定規「提案した訳じゃないわよ。アナタこそロマンチックはどこに行ったの?」


垣根「ダメだな。ロマンチックとか俺に合わねーわ」

心理定規「そんな気はしてたけどね。あ、このショートケーキ美味しい。最近ってファミレスでもかなり凝ったもの出てるわよね」

垣根「季節限定メニューみたいなの入れ替わりが激しすぎてついていけねーんだよな」

心理定規「食べたかったのにいざメニューを開いたら終わってた、みたいなことあるよね」

垣根「別にすげぇ執着がある訳じゃねーが、食おうと思ってたのがないとテンション下がるよなぁ」

心理定規「食べ物じゃなくても自分の中での予定が狂うとなーんか微妙な気分になるのよね」

垣根「すげぇ解るわ。そういや、この後はどうすんだ?」

心理定規「アナタが決めていいわよ。リードしてくれるんでしょ?」

垣根「俺の家でも来るか?」

心理定規「家? イヤらしーことする気ね」

垣根「しねーよ」


垣根「これから遊ぶっつー感じでもねーし、今食ったかばっかだから飯も行かねぇだろ」

心理定規「なんて言い訳して私の身体目当てなんでしょ」

垣根「身体目当てとか言える程の体型じゃねぇだろテメェ」フッ

心理定規「今私の胸見て笑ったわね」

垣根「イヤ? 顔以外を見て鼻で笑った」

心理定規「顔以外魅力が無いっていいたいのかしら?」

垣根「いや、他にも悪くないと思ってる所はあるけどな。こんな公の場では回答を控えさせて貰う」

心理定規「言えないようないい所って何よ。……まぁでも行く所も無いしアナタの家でもいいか」

垣根「結局ノリ気か。オマエこそ俺にエロいことすんなよ」

心理定規「私に微塵もメリットが無いことするわけないでしょ」

垣根「第2位のDNAを採取して研究所に高値で売り飛ばすとかするかもしれねぇじゃん」

心理定規「……いくらで買い取ってくれるのかしら」

垣根「それやった時点でオマエは死ぬからいくらだろうと無意味だ」


心理定規「ちぇっ。一生遊んで暮らせるかと思ったのに」

垣根「今も結構好き勝手暮らしてんだろ」

心理定規「うーん、我慢してることもあるわよ? もっとエステ行きたいし、新しい靴とかバックとかも欲しいし……
     お金が無限にあったら我慢しないで買うんだけど」

垣根「実際意外と金持つと使い道無ぇけどな」

心理定規「あら、私へのクリスマスプレゼント代にあててくれてもいいのよ
     今はティファニーのリングがほしいな。200万円くらいのやつ」

垣根「死ね。サイト上でおねだりボタン連打して無視されてろ」


垣根「つーか俺にもプレゼントしてくれてもいいんだぜ?」

心理定規「何? 一応私に用意できるものなら考えてあげるわ」

垣根「具体的には特にねぇが自分じゃ買わないようなもんとかが欲しいな」

心理定規「じゃあもう着なくなったドレスあげるね」

垣根「確かに買わねぇけども。自分じゃ買わねぇけど貰ったら結構使えるようなやつを言ってんだよ」

心理定規「買わなくて結構使えるもの……うーん、チーズフォンデュの鍋とか」

垣根「何でそのチョイスだよ。全く魅力を感じねぇ」

心理定規「私がチーズフォンデュ好きだからよ。専用のセットを買うのはちょっと躊躇うけど貰ったらかなり嬉しいわ」

垣根「コイツ頑なに自分目線でしか物を考えないな」


心理定規「あ、このケーキ美味しい」モグモグ

垣根「ファミレスのケーキも大分進化したよなぁ。下手なケーキ屋より美味いとことかあるし」

心理定規「盛り付けもお洒落よね。贅沢言ったらホールケーキが食べたいけど」

垣根「丸々自分で食うのか? デブるぞ」

心理定規「全部食べるわけじゃないわよ。クリスマスって言ったらホールケーキってイメージだからそこから切り分けて食べたいの」

垣根「ふーん。まぁ確かにクリスマスとか誕生日とかはホールケーキのイメージだな。あとあの切り株みてーなやつ」

心理定規「ブッシュドノエルのこと? オシャレだけどやっぱり大きいホールケーキの方がわくわく感がない?」

垣根「ケーキとか見てそこまでテンション上がることねぇからなぁ」

心理定規「男の人だからかしら? 何ならテンション上がるの?」

垣根「昆虫の生態に迫る系の番組」

心理定規「あれって男子小学生以外にも需要あるのね」

垣根「むしろ大人になってきてからの方が楽しく見られるようになってきた感じだな」


心理定規「ふぅ、ご馳走様」

垣根「この後俺の家でいいんだよな? 何もねぇからコンビニよってくけどいいよな?」

心理定規「うん。私も買いたい物あるし」

垣根「何だ? まだ食うのかよ」

心理定規「食べ物じゃないわよ。メイク落としとか買いたいの」

垣根「……オマエまさか泊まる気なのか?」

心理定規「だってもう23時じゃない。家に帰るの面倒臭いわよ」

垣根「いや、まぁいいけどよ……客用の布団とかねぇぞ?」

心理定規「じゃあアナタはベランダで」

垣根「何で家主がベランダだよ。せめて屋内に入れろ」

―――
――



――垣根の家


心理定規「へぇ、きれいにしてあるのね」

垣根「あんまり見るな。減る」

心理定規「何が減るのよ」

垣根「酸素」

心理定規「それは見る見ないに関係ないでしょ」

垣根「俺の家の酸素吸うなよ。えっち」

心理定規「何が!?」

垣根「俺の香りで肺を満たしたいんだろう。この変態め」

心理定規「その発想ができるアナタの方が変態よ」


垣根「そこのクローゼットにハンガーあるから適当にコートかけとけ」

心理定規「りょーかい」

垣根「てかオマエそのドレスで寝んのか? Tシャツ着るか?」

心理定規「うーん、でもそれだと下に履くのが無いじゃない? 落ち着かないっていうか……」

垣根「いや、ドレスとほぼ同じ丈だろうが。ほれ」ボスッ

心理定規「わっ、いきなり投げないでよ」

垣根「キャッチできるように投げただろ? ……あ、アレ買い忘れたな」

心理定規「何を?」

垣根「ゴム」

心理定規「えっ」

垣根「髪濡れるの嫌だから朝に顔洗うとき縛ってんだが朝に切れちまってよ」

心理定規「あ、あぁ。そうなの……」


心理定規「髪ゴムなら私のやつ貸してあげるわ。スペアも持ってるし」

垣根「あぁ、サンキュー。てか予備とか持ち歩いてんのか」

心理定規「髪結うことが多いからね。切れたときの為に何本か持ってるわ」

垣根「流石エロいやつは髪伸びるの早いから準備がいいな」

心理定規「……うるさい」

垣根「向こうの方洗面所と脱衣所一緒になってるからそこで着替えて来い。あと……」

心理定規「うん?」

垣根「俺はちゃんと避妊する派だかr心理定規「着替えてくるわね」


心理定規「ねぇ、やっぱり丈短くない?」

垣根「いつもそんなんだろ? あー、でも胸元はちょっとブカブカだな……あ、パーカー着たらどうだ? ほら、これ」

心理定規「パーカーなんて持ってるんだ。近所に行くだけでもバッチリ決めてそうなイメージなのに」

垣根「オマエもどこ行くときも年中ドレスだろ」

心理定規「あら、偶にはワンピース着たりショートパンツ履いたりするわよ」

垣根「は? 俺見たことねぇんだけど」

心理定規「偶にだからね。何でちょっとキレてるのよ」

垣根「その偶にを俺に会う日にしてくれていいんだぞ? なんでアジト来るときは毎回ドレスなんだよ」

心理定規「……大人っぽいから」

垣根「発想がガキじゃねーか」


心理定規「別にいいでしょ。うん、パーカー着ると結構いい感じね」

垣根「別にさっきのままでもいいと思うけどな」

心理定規「えー、だってイヤらしい目で見てくるでしょ」

垣根「……まぁ、確かに胸元がだぼっとしてるのはいつものドレスとは違って中々良い」

心理定規「そう? ありがとう。パーカーのチャック全部閉めておくわ」ジー

垣根「チッ……ところで実際どこで寝るんだよ」

心理定規「ベッド」

垣根「ベッドは俺が使うから駄目だ。ソファにしろ」

心理定規「えぇ? アナタか弱い女の子にソファで寝ろって言うの? 風邪引いちゃうわよ」

垣根「俺がソファに寝ると足はみ出るだろ」

心理定規「だからアナタはベランダでしょ?」

垣根「本気で言ってるならテメェを外に放り出すぞ」


心理定規「でもソファとか寒そうじゃない。私冷え性なんだけど……」

垣根「はぁ、仕方ねーな。もう面倒くせぇからベッドに寝ていい……その代わり寝心地悪くても文句言うなよ
   下のマットとかもう結構古いから硬いかもしんねぇぞ」

心理定規「はーい。ありがと」

垣根「さてと……とりあえずさっき買った茶でも飲むか?」

心理定規「うん、喉渇いちゃった」

垣根「俺はチューハイでも飲むか」

心理定規「え? お酒飲むの?」

垣根「おう。酒だけは冷蔵庫に入ってるからな……オマエも酒飲むか?」

心理定規「うーん、私お酒って飲んだことないのよね」

垣根「ん? あぁ、そうかまだ中学生か」

心理定規「ていうかアナタも未成年よね?」

垣根「チューハイなんてジュースみたいなもんだからセーフだ」

心理定規「ふぅん……ひとくち貰ってもいい?」

垣根「あぁ、グラス出しとくからなんか飲みたいやつ選んで持ってこい。俺は先にソファ行くからな」

心理定規「うん……えっと」

心理定規(本当にお酒ばっかりだわ……あと6Pチーズと納豆と卵があるくらいで)

心理定規(チューハイはセーフとか言ってたけどどう見ても日本酒もビールもワインも入ってるわね……)


垣根「レモンのやつにしたのか」

心理定規「うん、レモネードとか好きだし……これもさっぱりしてて美味しいわね」

垣根「飲めるなら全部飲んでもいいぞ?」

心理定規「ありがと。ていうかアナタの家の冷蔵庫本当にお酒しか入ってなかったけど普段何食べてるのよ」

垣根「カップ麺か外食、あとコンビニ弁当なんかだな」

心理定規「へぇ、健康に悪そうね」

垣根「いやいや、外食=身体に悪いは間違いだろ。和食とか健康志向の店もあるわけだし」

心理定規「そういうところに普段食べに行くの?」

垣根「いや、ハンバーガーとかが多いな」

心理定規「健康に悪いわね」


垣根「毎回ハンバーガーじゃねぇからな。最近はカレーにはまってる」

心理定規「この辺りにカレー屋さんあるの?」

垣根「あぁ、本格派で結構美味いぜ?」

心理定規「本格派って辛いのかしら」

垣根「いや、辛さは選べるしそこまで辛くもねぇ。今度連れてってやるよ」

心理定規「じゃあ明日行こうよ」

垣根「明日? まぁいいか……」

心理定規「あら、何か用事とかあった?」

垣根「特にねぇが、オマエこそ24も25も俺と一緒でいいのか?」

心理定規「いいわよ。特に用事もないもの」

垣根「へぇ、こういうイベントのときは小遣い稼ぎのバイト三昧なのかと思ってたぜ」

心理定規「むしろこういうときは入れないわよ。気があると勘違いされても困るし」

垣根「けどオマエの客ってオッサンばっかだろ。こんなガキ相手に勘違いとかするか?」

心理定規「大学生とか若い研究者相手のこともあるわよ
     それに普段から人付き合いが苦手な人ばっかりだから私みたいな可愛い子に優しくされたらみんなイチコロよ」

垣根「イチコロて。言葉選びのセンスはオッサンだなオマエ」

心理定規「イチコロってもう死語かしら、私的にはまだまだナウでヤングな言葉だと思うけど」

垣根「マジで言ってんのか? 冗談はヨシ子ちゃんだぜ」

心理定規「なにそれ知らない」

垣根「テメェ」


心理定規「ふぅ、結局1本飲んじゃった。美味しいわね」

垣根「オマエ普段からレモンティーとかオレンジペコとか飲んでるし結構柑橘系好きだよな
   多分このライムのやつとかも気に入ると思うから一口飲んでみろよ」

心理定規「ありがと。あとオレンジペコは別にオレンジ味じゃないわよ」

垣根「……冗談はヨシ子ちゃんだぜ?」

心理定規「知らないし。本当だし」


心理定規「あ、これも美味しい。お酒って全部苦いのかと思ってたけどそうでもないのね」

垣根「ビールとかは苦いけどな」

心理定規「へぇ、ちょっと興味あるな」

垣根「飲むか?」

心理定規「そんなに開けて大丈夫なの?」

垣根「残したら俺が飲むし、俺はそんなに酔わねぇから平気だ」

心理定規「ふぅん。じゃあちょっと貰おうかな」

垣根「オーケー。言っとくが俺はメチャクチャ泡作るのうまいからな。俺の華麗なる技に惚れな」コポコポ

心理定規「確かに泡立ちがすごいわね」

垣根「だろ?」ドヤ

心理定規(初めて見たからそれくらいすごい技術なのかは正直解らない……ていうかそもそもスゴイのかも解らないけど)


心理定規「チューハイよりアルコールっぽい匂いね」クンクン

垣根「早く飲め。泡がなくなるだろ」

心理定規「どれだけ泡にこだわりがあるのよ……」ゴクッ

心理定規「……にがっ」

垣根「まぁ苦いだろうな」

心理定規「ホントにみんなこんな苦いの好んで飲んでるの?って疑うくらい苦くて不味いわ」

垣根「それが美味いんだろ」ゴクゴク

心理定規「えぇ……?」

心理定規「…………」ゴクッ

心理定規「……やっぱ苦っ」


垣根「ふー……結構飲んだな」

心理定規「そうね、梅酒とか甘くて美味しかったわ」

垣根「つーか初めての割に飲んだな。大丈夫なのか?」

心理定規「うん、全然平気。私を酔わせてえっちなことする気だったなら残念だったわね」フフフ

垣根「別に酔い潰れなくてもエロいことはできるだろ」

心理定規「えっ」

垣根「ん?」

心理定規「…………」

垣根「…………」

心理定規「……ちょっとくらいなら考えるけど」

垣根「いや、エロいことをするっていう宣言じゃねぇからな?」


心理定規「なんだ。驚いたじゃない」

垣根「俺もだよ。何で急にOKに傾いてんだよ」

心理定規「……ていうか、最初から完全にNGだったら家に来ないし」

垣根「…………オマエ酔ってんのか?」

心理定規「酔ってないわよ」

垣根「……微塵もメリットが無いとか言ってたじゃねぇか」

心理定規「でも等価交換で代わりに通帳と印鑑とか貰えるかと思って……」

垣根「全然等価じゃねぇだろ! どんな思考回路だ!?」


垣根「通帳と印鑑てほぼ全財産だろ。どんだけ横暴だ」

心理定規「個人的には私とのハグにはそれくらいの価値があると思うわよ」

垣根「ハグまでだったのか!? 全財産で!?」

心理定規「定額プランなら年間2万5千円」

垣根「何年契約だよ」

心理定規「80年。解除料金は8兆だけど」

垣根「得なのかそれ」

心理定規「会話料金発生ナシ。お話し放題」

垣根「今無料で話せてるよな?」

心理定規「じゃあ添い寝も無料サービス」

垣根「……得なのか?」

心理定規「キャッシュで一括200万払ってくれればキスもつくわよ」

垣根「通帳と印鑑と比べたら確かに得かもしれねぇが……」

心理定規「もう、我侭ね。じゃあ何が欲しいのよ」

垣根「まず金を取るな」


心理定規「じゃあ現物取引でもいいけど……何がいいかな」

垣根「金目の物も要求するな。ていうかアレだぞ、もし金払ったらキスまでとか俺は納得しねぇからな」

心理定規「あら、交換日記まで?」

垣根「何でグレードダウンしてんの?」

心理定規「そうね。交換日記は小学生かも。手つなぎまでかしら」

垣根「中学生か?」

心理定規「そうだよ」

垣根「そういやそうだ」


垣根「もう0時回ってるし中学生は寝る時間だな」

心理定規「あんまり眠くないんだけど……」

垣根「そうか。明日は朝飯にカレー食いに行くから早く寝ろ」

心理定規「アナタ私の相手するのが面倒くさくなってるでしょ」

垣根「正直ちょっと思ってる。この部屋出てまっすぐ行けば寝室だ」

心理定規「……添い寝する?」

垣根「要らん」

心理定規「無料だよ」

垣根「無料じゃねーよ。200万発生する」


垣根「おら、降りろ」グイグイ

心理定規「ちょ、押さないでよ」

垣根「ここはもう俺の寝床だからオマエのスペースは無ぇんだよ」ゴロン

心理定規「……足はみ出てるわね」

垣根「だからベッド譲れよ」

心理定規「でもソファとか身体痛くなりそうだし……」モゾモゾ

垣根「おい、何してる」

心理定規「寝心地を確かめようと思って」

垣根「やめろ狭い」

心理定規「でも幅は結構あるじゃない……ていうか毛布とかかけないの?寒くない?」

垣根「エアコン効かせて寝るからいいんだよ。ベッドにしか布団ねぇし」

心理定規「あら……じゃあ寒いからベッドに行ってくるわ」

垣根「そうしろ。あとベッドの下見るなよ」

心理定規「大丈夫、人の家を勝手に探るような真似はバレないようにするから」スタスタ

垣根「しないからじゃねぇのかよ」


垣根「…………」

垣根「…………行ったか」

垣根(…………実際どこまでOKなんだ?)

垣根(いや、でもガキって言ったらガキだしなぁ……)

垣根「……………」

垣根「…………」

垣根「……Zzz」


―――
――


――翌朝


垣根「んあ……朝か……」

心理定規「…………」スースー

垣根「…………何でだよ」

垣根(つーかなんか暑いと思ったら毛布じゃねぇか……昨日のベッドに行って来るって布団取って戻ってくるってことだったのか?)

垣根(やっぱ絶対酔ってたなコイツ……)

心理定規「…………」スースー

垣根(こう、間近で見ると睫毛長いな……顔も小せぇー。唇とか見るからに柔らかそうだし……)

心理定規「んっ…………」ピクン

垣根「…………」


心理定規「ふぁ……あれ……?」

心理定規(何でソファで寝てるのかしら……)

心理定規「……リーダー?」

垣根「なんだ?」ガラッ

心理定規「うわ、びっくりした。ベランダにいたの?」

垣根「オマエがベランダで寝ろって言ったんじゃねぇか」

心理定規「え、嘘。本当にベランダで寝たの……?」

垣根「あぁ、夜中に心理定規がゴリラ並みのパワーで暴れて俺をベランダに追いやった」

心理定規「嘘つかないで」


垣根「嘘って言い切れるか? オマエ昨日のこと覚えてるのかよ」

心理定規「……ビール飲んだくらいまでしか記憶ないわね」

垣根「あんなにハッキリ喋ってたのに結構序盤で記憶なくなるレベルに到達してたのか」

心理定規「自分でもこんなに思い出せないものなんだって驚いてるわ」

垣根「次からは少しずつ飲んだ方がいいな……あ、そうだ。今日飯ついでに欲しがってたフォンデュ鍋だったか買ってやるよ」

心理定規「え、いいの? 私が欲しいやつ1万円くらいするけど……」

垣根「大丈夫だ。何ならあと199万円高い鍋にしろ」

心理定規「そんなのあったとしても怖くて使えないから無理……ていうか何で199万円?」

垣根「心理定規に200万払わないといけなくなったんだよ」

心理定規「昨日何があったのよ」


心理定規「謎すぎて怖いから199万円の部分は要らないわ」

垣根「鍋は要るんだな」

心理定規「あまり前田のクラッカーよ」

垣根(……素なのか?)

心理定規「あぁ、そうだ、折角クリスマスだし私もアナタに何かプレゼントしようかな。何がいい?」

垣根「じゃあ大人っぽい彼女くれ」

心理定規「……ラブプラスってまだ売ってるのかな?」

垣根「生身で頼む」


心理定規「ちょっと今は用意できないから他のにしてくれないかしら」

垣根「他ぁ? ……思いつかねぇから外出てから考える」

心理定規「うん、じゃあ私も着替えてくるわ。昨日と同じ服だけど……」

垣根「あ、じゃあ今日違う服買って着てくれ。それがプレゼントでいいから。可愛い系で頼むぞ」

心理定規「なんかプレゼントっぽくないから却下。服は買ってもいいけどね」

垣根「じゃあ可愛い系とセクシー系の2種類頼む。あとセーラー服とかコスプレ系の衣装も……」

心理定規「却下」

垣根「CAとか中々そそる心理定規「着替えてくるわね」


心理定規「うん、顔も洗ったし目が覚めたわ」

垣根「おぉ、んじゃ行くか」

心理定規「あ、待って。言い忘れてた」

垣根「?」

心理定規「メリークリスマス」

垣根「……メリークリスマス」

心理定規「ふふ……。さ、早く行きましょ200万円分奢ってよ」
                             
垣根「さっき辞退してただろ」

心理定規「気が変わったわ。199万円を全部チーズフォンデュの材料費に当てましょう」

垣根「絶対食いきれねぇぞ」

心理定規「大丈夫、80年くらいかけて食べるから」



                                
                                   おわり

終わり
クリスマス過ぎてるけど許して

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