奈緒「晶葉から借りたゲームもこれで終わりかな」 (39)

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奈緒「さーて、晶葉から借りたゲームでもやるか……」
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【安価】奈緒「そろそろ今日も晶葉から借りたゲームやるかぁ」
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奈緒「よし、今日も晶葉から借りたゲームでもやるか」
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奈緒「早く晶葉から借りたゲームもクリアしないとな……」
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――夜、奈緒の部屋

奈緒「22時か……よし、やるか」

奈緒「セーブデータをロード……そろそろ終わりそうだし、今日中にクリアできるかな?」

奈緒「まあ、毎日徹夜しちゃってるし、いい加減終わらせないと仕事にも影響でそうだからな……」

奈緒「しかし張られていた伏線とか、回収できてないの結構あるな。今進んでるルート以外のはなしだったりするのかな」

奈緒「まあ、2周目とかやるならそこら辺考えればいいか。まだ1周目だし」

奈緒「よし、ロードも終わったし……やるかぁ……」


――――
――

――月面施設(指令室)

歌鈴「千秋さん!」

P「破壊者はどうなってんだ!?」

千秋「ええ、こちらの観測結果……ツクヨミヒメで代用したヤタノカガミが反応したということは」

楓「結構近いですね。ただ、大変なのが……」

ピピッ!

あやめ「この破壊者の移動ルートは……まさか、地球?」

ピピピッ!

周子『あたし、もしかしてピンチ?』

美優「そ、そうかもしれませんね……」

翠「反応が2つありますね。超高エネルギー体の物、前回戦闘を行ったドラグーンと同等のエネルギー体の物……楓さん、映像は出ますか?」

楓「初期解析は晶葉ちゃんとお城の開発室に転送しています。映像……でます」カタカタカタッ!

ピピッ!

のあ「これは……」ピクッ

麗奈「コイツ……! よくも!」

珠美「お二方、どうなされたのですか?」

麗奈「……いや、何でもないわ」

紗枝「なんや……これ、大きいのは頭が4つもあるんやなぁ……」

P「バカでかいほうの破壊者は何だかメチャクチャな形してるな……頭が4つに至るところに武器があるのか? もう1体は背中にデカい翼を持った人型、ドラグーンか……」

芳乃「……これが、最後ということでしょうか」

のあ「依田芳乃……? やはり……ええ、そうね。恐らくはあの破壊者がこの世界を歪めている元凶……」

ピピピッ!

晶葉『あまり無駄話をしている時間はないぞ。初期解析の結果が出たが……どうやら2体とも地球へ向かっている』

翠「今度は地球……前回はここを狙ってきたというのに、今度は地球に……」

麗奈「……まさか、楽園!」ハッ!

周子『そうかもねー。みんな月に行っちゃったし』

のあ「……やはり、大魔王の意思が混ざっているのね」

歌鈴「麗奈ちゃん……? みなさん、なんのお話をしてるんですか?」

麗奈「……アンタたち、よく聞きなさい」

P「なんだ?」

千秋「麗奈……いえ、小関麗奈、もしかして」

麗奈「この世界はね、元々はとある世界から分岐して生まれたうちの1つ……別の未来に進んだ世界なの」

麗奈「分岐したすべての世界は、それぞれの未来へと進んで……消滅してしまった世界もある」

紗枝「別の、世界……」

のあ「そして今、あの破壊者……破壊の力が地球に向かったことで、この世界も消滅を迎えようとしている……いえ、それよりも悪い状況、かしらね」

あやめ「世界が消滅する以上に悪い状況があるのでしょうか?」

のあ「すべての世界は……1つの起点に結びついているのよ。次元の狭間に存在する、ただ1つの境界……全てを繋ぎ、世界の均衡を保つ楽園」

歌鈴「楽、園……」

周子『全ての次元には、世界のどこかに楽園へと続く道が存在する。多分、破壊者はそれを知っているんじゃないかな』

麗奈「アレは知っているのよ。だから、アンタたちが地球から離れたこの時に、動き始めた。全てを壊すために」

P「……もしかして、麗奈も、母さんも」

のあ「P、残念ながら貴方の考えは半分は外れ……私は、あくまでもこの世界に存在する1つよ」

周子『おおう、やっぱプロデューサーは勘がいいねー。あたしや麗奈ちゃんは、まあそっち側やね。用事あってここに来てるけど』

あやめ「別の世界の……住人、ということですか。もしや、千秋殿は知っていたのですか?」

千秋「それなりに、ね」

麗奈「……破壊者たちは、過去の世界に取り残された遺物。過去に根源の世界にいた破壊の力の一部は、この世界に流れ着いて……そしてまた元の場所に戻ろうとしている」

P「その話、この前聞いた……英雄たちの話か」

麗奈「無駄話は終わりよ。晶葉、ダイオウカーはどうなの」

晶葉『ツクヨミヒメに設置していた負荷軽減装置はアマテラスに移している。Pもいることで、春霞は全力で戦える状態だ』

P「……行くか」

歌鈴「はい!」

珠美「よくは分かりませんが、倒さねばならぬ敵には変わりありません!」

あやめ「奴がすべての元凶であるのならば、わたくしたちで討ちましょう」

芳乃「……なるほどー」

紗枝「芳乃はん……?」

芳乃「やはりー、繰り返されるは、魂の邂逅なのでしょう」

紗枝「なんの話や?」

芳乃「わたくしもー、紗枝殿もー、恐らくは……」

翠「格納庫、アマテラスとブロッサムディーヴァの出撃準備を!」

麗奈「アタシも出るわ。タケミカヅチも1機出しなさい。のあは邪魔だからついてこなくていいわよ」

のあ「そうね……貴方に焼かれるのだけは、お断りよ」

千秋「これが最後……いえ、最後にするべき戦い……春霞、出撃よ!」


……
…………

――宇宙(戦闘宙域)

歌鈴「ダイオウカー、合体完了しました!」

P「フィールドジェネレーター、稼働安定……皆、刻印の状態は大丈夫か?」

紗枝『あんさんがおりますし、うちらのことは気にせんといて』

珠美『はい。珠美の精神は最高の状態です。今なら、すべてを斬り払ってみせます!』

あやめ『この時の為に、ここまで戦ってきました。今のわたくしたちであれば、必ずや』

ピピッ!

芳乃『……みなみなさまー、破壊者の姿が確認できるのでしてー』

麗奈『レーダーに反応。これは……』



破壊の力「……」

ドラグーン「……!」


P「でかっ……ドラグーンはさておき、あの破壊者、指令室で見た以上に……!」

珠美『ダイオウカーよりも……いえ、数倍は大きいですよ!』

破壊の力「……!」

ビビビビビッ!

P「大規模な法術反応……芳乃!」

芳乃『ブロッサムシールドでしてー!』

ズドォォォンッ!!

紗枝『くぅっ……!!』

あやめ『なんという砲撃……今ので、ダイオウカーの出力が……!』

ドラグーン「!!」ギュンッ!!

歌鈴「もう1体が動きました……草薙剣!」ジャキンッ!

珠美『遅れは取りません!』

ガキィィィィンッ!!

歌鈴「くっ……!」ギリギリギリッ!

破壊の力「……!」ゴゴゴゴゴゴッ!

P「あいつ、また砲撃を……!」

麗奈『フンッ!』ブォンッ!

シュパアアアアアンッ!!

ドラグーン「!?」ドガアアアアンッ!

P「タケミカヅチの斬鉄!? 紗枝!」

紗枝『ぶろっさむびーむ!』ズドォォォンッ!

ドガアアアアアンッ!!

破壊の力「……」

P「なんとか砲撃は防げたか……!」

麗奈『アンタたち! この雑魚はレイナサマが遊んでおくから、そっちはやっておきなさいよ』

あやめ『麗奈殿! ですがタケミカヅチでは……』

P「タケミカヅチの斬鉄だけでどうにかなる相手じゃないだろ!」

麗奈『つべこべうるさい!! アタシを誰だと思ってるのよ! そこの雑魚、アンタはこっちに来なさい!』ギュオオオオッ!!

ドラグーン「……!!」ギュンッ!

P「麗奈……!」

ピピピッ!

楓『タケミカヅチ、ドラグーンと共に戦闘宙域から離れていきます……麗奈ちゃん……』

歌鈴「お、追いかけないと! 麗奈ちゃんが……」

P「歌鈴、行かなくていい」

歌鈴「でも!」

P「麗奈は、俺たちにここを任せたんだ。俺たちが……コイツを倒さないと、世界は……」

歌鈴「……!」


……
…………

――月、月面施設(指令室)

楓「タケミカヅチとドラグーン、どんどん離れちゃってますね。どうしましょうか」

翠「こちらからの援護は……」

美優「施設には防御用のシールドと、迎撃装備しかありません。長距離に使える攻撃は……」

ピピピッ!

晶葉『お前たち、気持ちはわかるがこの場はダイオウカーのほうが優先だ』

翠「晶葉さん……ですが……」

晶葉『タケミカヅチについてはこちらのほうで動向を把握しておく。のあ、万が一の時に備えて2機目のタケミカヅチを出す。格納庫まで来てくれ』

のあ「……了解したわ」

晶葉『というわけだ。そちらは頼んだぞ、千秋』

ピッ!

千秋「……そうね、そちらはよろしく、頼むわよ」


……
…………

――宇宙(戦闘宙域外)

麗奈「そらっ!」ボシュシュシュシュッ!

ドラグーン「……」ドガガガガガァンッ!

麗奈「やっぱミサイル程度じゃダメージも無いわね……ま、ここまで連れて来ればいいでしょ」

ピピピッ!

晶葉『レイナ』

麗奈「ん? どうしたのよ」

晶葉『人払いは済ませておいたぞ。私は、何も見なかったことにしておく』

麗奈「あっそう。悪いわね」

晶葉『気にするな。こちらも、色々助けてもらったからな。それに、興味もあった』

麗奈「興味?」

晶葉『法術は、この世界が失いつつある力の残骸。麗奈にはあるんだろう? 元々世界が持っていた、本来の力が』

麗奈「……そこまで話してたっけ?」

晶葉『のあからも聞いた』

麗奈「あっそ……ま、アンタとは何かと縁があるし……最後に、一瞬だけ見せてアゲル」ピッ!

パシュンッ!

晶葉『生身で宇宙に出られるのか。大したものだな』

麗奈「まあ、ある程度離れたとはいえ、ここで暴れたらPたちも巻き添え食らうだろうし……それじゃ、さよなら」

晶葉『世話になった。またどこかでな』

パアアアアアアッ!!

ドラグーン「……!?」

麗奈「どこかで、ね」

パシュンッ!!

――
――――

――???

パシュンッ!

ドラグーン「!?」ガションッ!

麗奈「さーて……飛ぶにしても、やっぱ地面が見えないと落ち着かないのよね」

ドラグーン「!!」ドシュシュシュシュッ!

麗奈「フンッ!」パアアアアアッ!

ボオオオオオオオッ!!

ドラグーン「……!」

麗奈「別にいいわよ? ビームだろうが、ミサイルだろうが、羽を飛ばすなり、好きにしなさい」

ドラグーン「!」

麗奈「ここなら誰も邪魔しないし、アンタとレイナサマだけしかいないんだから好きに暴れなさい。ま、それも無駄だろうけど」

パアアアアアアアッ!!

[マジカルガール・フレイム]小関麗奈「ここでのアタシの仕事はこれで最後。お膳立てしてやったんだから……後はアイツらの仕事よ」

麗奈「さて、そこのアンタ。全人類……いや、全次元最強のレイナサマが、最後には綺麗さっぱり燃やしてアゲル……かかって来なさい」ボオオオオオオオッ!!


――
――――

――宇宙(戦闘宙域)

破壊の力「!」ボシュシュシュシュッ!!

あやめ『ミサイルの雨……こちらで相殺します!』ボシュシュシュシュシュッ!

ドガガガガガガァンッ!!

破壊の力「……!!」ブォンッ!

P「ハンマー!? 歌鈴!」

歌鈴「やああああああっ!!」バゴォォォォンッ!!

ビビビビビッ!

紗枝『だいおうかーの出力が……!』

歌鈴「受け止めて……た、珠美ちゃん!」ググググッ!

珠美『一閃!』シュパアアアアンッ!

歌鈴「つ、強い……」ハァ、ハァ、ハァ……

P「麗奈たちが真面目な顔して言うだけのことはあるのか……ダイオウカーの稼働率低下、全員の刻印同調率を調整……」カタカタカタッ!

破壊の力「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!

あやめ『高エネルギ―反応……P殿!』

P「砲撃か! 紗枝、芳乃!」

紗枝『はい!』

芳乃『ブロッサムブラスターでしてー!』ズドォォォォォンッ!!

破壊の力「……」ズドォォォォォンッ!!

P「相打ち……押し負けるわけには……!!」

歌鈴「やああああああ!!」


キィィィィンッ!!


歌鈴「えっ!?」

珠美『今、何かが……』

紗枝『なんや、この感覚……』

芳乃『……』

あやめ『目の前に、光が』

P「俺たちを、包んで――」


――
――――

――???

P「……なんだ?」

歌鈴「ここ、どこですか? 私たち、一体……」

紗枝「蒼い空……」

珠美「青い海……」

あやめ「砂浜に、奥には山……」

芳乃「……」

P「もしかして、ここが……」


??「はい、いらっしゃいませ♪」


歌鈴「えっ!?」ビクッ!

P「……誰、だ?」

??「あら、酷い言い方ですね……でも、はじめまして、ですからね?」

歌鈴「あ、あの、あなた、は……?」

茄子「鷹富士茄子でーす♪ えっと、麗奈ちゃんからお話は聞いていると思いますけど」

紗枝「……聞いとらんね」

あやめ「はい」

茄子「えっ……そ、そうだったんですか。一応私、神様なんですけど」

珠美「は? 神様?」

茄子「女神様ーって言ってくれるヒトたちもいるんですけどね。ちょっと恥ずかしいです♪」

P「あ、そう……神様って着物着てるんだな」

茄子「ところで……紗枝ちゃんも芳乃ちゃんも、お元気そうですね」

芳乃「?」

紗枝「へ?」

珠美「さ、紗枝殿も芳乃殿も、神様にお会いしたことがあるのですか!?」

紗枝「う、うち知りまへんよ!?」

茄子「ちょっと言い方が悪かったですね。紗枝ちゃんも芳乃ちゃんも、私と同じ神様なんです。神様の欠片……でしょうか?」

芳乃「……なるほどー。わたくしが感じていたものは、その力だったのですね」

P「え、神様? この2人が?」

珠美「ええええ、そんなこと突然言われましても……」

茄子「ま、まあ神様の欠片というか、生き写しというか……普段はここに、紗枝ちゃんと芳乃ちゃんもいるんですよ? 今は用事があってお留守にしいてるんですけど」

茄子「ほら、今って世の中物騒ですよね? 私たちも神様らしく何かしようかなーって思って、だけど全部の世界を見ておくのは大変ですねってお話になって」

茄子「それじゃあ、自分たちの欠片を色んな世界にばら撒いておけば、何かの役に立つかなーって思ったんですよ」

あやめ「適当にばら撒かれた存在……」

紗枝「なんやうち、自分が虚しくなったんやけど……」

芳乃「むー……」

P「適当過ぎるだろ」

茄子「でも、ちゃーんと『貴方達じゃないと世界は守れません。自覚を持って生きてください』って念押しもたくさんしましたし……」

紗枝「それ……うちがたまぁに聞こえてた声……」

茄子「はい。世界の為に、貴方に与えられた使命……出来ることを頑張ってくださいっていう私たちの心からの言葉です」

P「ま、まあ話はよく分からないけど分かった。紗枝と芳乃が神様の分身? みたいな存在っていうのも分かった。で、何で俺たちはここにいるんだ?」

歌鈴「そ、そうでしゅ! まだ破壊者と戦っている最中で……!」

茄子「そうでした! えっとですね、みなさんに私の力をプレゼントしようと思ってお呼びしたんですよ」

歌鈴「か、神様の力?」

茄子「はい。貴方達が誕生の力と言っている物……昔、貴方達と同じように世界の為に戦っているアイドルのみなさんにも、プレゼントしたことがあるんですけどね」

茄子「あのゴーレムを操っている貴方達なら、この力を使うことが出来ると思います。あとは……アレがここに来ないよう、頑張ってくださいね」

あやめ「む、これは?」

紗枝「体が、光って……」

歌鈴「なんだか、ダイオウカーに乗っているときのような力が……」

芳乃「ほー……よき心地でしてー」

珠美「これほどの力を……茄子殿、ありがとうございます!」

P「俺も光るのか……ありがとうな神様、世話になったよ」

茄子「いえいえ、貴方の為ですから♪」

P「あ、そう? それじゃあ皆、行くか」

「「「「「はい!」」」」」


――
――――

――宇宙(戦闘宙域)

ズドドドドドドドドッ!!

歌鈴「……はれっ!?」ビクッ!

破壊の力「……!」グググググッ!

P「今のは……夢?」

歌鈴「ち、違います! 私も、神様とか、何だか変な場所に……!」

P「ブロッサムブラスターで打ち合いをしたまま……歌鈴! 話は後だ、踏ん張れ!」

歌鈴「は、はい! うううううう!!」グググググッ!!

ピピピッ!

珠美『P殿!』

あやめ『わたくしたちも同じ景色を見ていました』

紗枝『なんや、うちが神様なんてなぁ……なあんもそんな気せえへんけど』

芳乃『ですがー、これまでにない力を、身体の底から感じているのでしてー』

歌鈴「た、確かに……みんなの刻印の力が、いつもより強くなって……ううん、どんどん強くなっていって……!」

P「歌鈴、負けるな! 皆も、まだやれるか!」

珠美『はい! 世界の為に、今こそ――』

キィィィィィンッ!

歌鈴「……あれ?」

あやめ『……歌が、聞こえてきます』

紗枝『なんや、この歌……せやけど、なんや身体の中から……』

珠美『力が際限なく湧いてきます! 溢れるほど……これは!』

芳乃『なるほどー、これが誕生の力ということでしてー』

P「皆の、ダイオウカーとの刻印同調率が急激に上がっている……いや、ダイオウカー自体も……!!」

歌鈴「やああああああ!!」グググググッ!!

ズドオオオオオンッ!!!!

破壊の力「!?」ドガアアアアアンッ!!

珠美『歌鈴殿! 今こそ剣を!』

歌鈴「はい! 草薙剣!!」ジャキンッ!!

歌鈴「感じます。この世界の力の根源……破壊の力に抗う為の、命を生み出す、誕生の力……」

珠美『珠美たちが背にしている地球……』

あやめ『守るべき命!』

紗枝『うちらにしかできひん、守る為の力!』

芳乃『今こそ―、すべての力を解き放つのでしてー』

P「歌鈴、やれるか!」

歌鈴「はい……でも、みんなの力……すごく、すごく重くて……Pさんも、一緒に……」

P「ああ、分かった……この戦いが終わったら」

歌鈴「Pさん?」

P「この戦いが終わったら、春霞の為の曲でも、作ろうか。今聞こえているような曲を」

P「皆、こんなところまで来て、こんなことをしてるけど……アイドルだからな」

歌鈴「……はい。でも、Pさんと、みんなが一緒にいてくれるなら、私は大丈夫です」

P「ああ、皆も一緒だ。皆、歌鈴の手を握っている……いくぞ!」ギュッ!

歌鈴「……はい! 全てを断ち斬る、破魔の力!!」

パアアアアアアッ!!!!


「「「「「「究極桜花斬!!」」」」」」


破壊の力「――!」

ドガアアアアアアアンッ!!!!


……
…………

――宇宙

P「……終わった、のか?」

ピピッ!

歌鈴「はい。全部……終わった、のかなぁ……?」

珠美『そ、そこはせめて、終わった! と言い切りましょう……』

あやめ『締まりませんね』

紗枝『せやけど、これでようやく――』


茄子『ちょーっと待ってくれませんか?』


P「え?」

芳乃『その声はー……茄子殿ですか』

歌鈴「ま、また神様の声が……」

茄子『ありがとうございます。貴方達の世界に存在していた、破壊の力を消滅させてくださって』

P「まあこれで給料もらってるしな」

珠美『いきなり現実的な話をしないでください……』


茄子『お疲れ様です……と言いたいんですけど、1つだけ協力してもらえませんか?』

歌鈴「なんですか?」

茄子『実は……他の次元、とある1つの世界が、貴方達の世界と同じように崩壊の危機に陥っているんです』

茄子『なので、貴方達のその力……剣を一振りだけ、その世界の為に振ってくれませんか? 一度だけ、です』

あやめ『わたくしたちと同じような世界……であれば、一度だけではなく事態が解決するまでご助力したほうがいいのでは?』

茄子『それはルール違反というか……多分、あんまりお助けしちゃうと怒っちゃう人がいるんです。だからこっそり、お願いできますか?』

P「なんだそりゃ……まあ、神様には世話にもなったし、1回だけならいいか。皆、大丈夫か?」

紗枝『あんさんがそう言いはるなら、うちはええよ』

珠美『問題ありません!』

芳乃『わかりましたのでー』

あやめ『しかしどうやって別の世界へ?』

茄子『あ、それなら今から送りますね。終わったらここに戻しますから』

パアアアアアアアッ!!

歌鈴「そんな軽い感じで他の世界に行けるんだ……」

P「まあ、神様だから何でもありなんだろ」

パシュンッ!!


――
――――

――???

歌鈴「ここ、は?」

あやめ『先ほどまでいた宇宙と……似ていますが』

珠美『む、P殿、あちらを』

P「ん? あれは……なんだあれ、SF映画に出てくるような戦艦? んで奥には……地球か? いや、何か色が違うような……」

紗枝『光がぎょうさんあって、消えて……』

芳乃『……恐らく、あの星で何やら争いが起きているのでしょう』

茄子『はい、今この世界では……生きるための戦いが起きています。未来の為に、すべての命の為の……』

P「……珠美、あやめ、使えるか分からないけどダイオウカーで拾える通信チャンネル、全部開いてくれ」

珠美『はい』

P「そこの戦艦、聞こえるか? 聞こえたら返事をしてくれ」


『……なん……こちら、S-0……この通信……』

『G型……残……フレ……ヴァルキ……』


あやめ『ノイズが多くて、通信がうまく拾えていないようですね』

P「ギリギリ繋がるなら大丈夫だろう。紗枝、ダイオウカーの攻撃範囲、向こうに送ってやってくれ」

紗枝『せやなぁ、巻き込まれたら大変やし……』

あやめ『ですがP殿、データを取りましたが、この世界はどうやら次元断層が非常に不安定なようです』

あやめ『恐らく草薙剣の断層修復機能があっても、振うのは一度しか……』

P「だから一度だけって話なのか」

茄子『そうなんです。すみませんけど、お願いしますね』

ピピッ!

紗枝『Pはん、でーた転送、おわはったよ』

P「さてと……じゃあやるか。おいそこの戦艦、仲間がいるなら全員に連絡してくれ。今デカいの飛ばすからな」

歌鈴「……感じます。たくさんの命と……悲しい声と、怒っている声」

芳乃『もう、元には戻れない存在も、いるのでしてー』

P「……そうか。それなら猶更、俺たちはこの1回で終わらせるべきなんだろうな」

歌鈴「はい。あとは……この世界に生きている人たちに、お任せしましょう!」

パアアアアアアッ!!!!



「「「「「「究極桜花斬!!」」」」」」



――
――――

――月、月面施設(指令室)

翠「宙域の再スキャン、まだ終わりませんか?」

美優「ま、まだです……ダイオウカーの攻撃の余波で……索敵が困難に……」

晶葉『こちらもダメだな。継続的に次元振動と断層崩壊、修復現象が確認できている。最後のダイオウカーの一撃は凄まじい物だったが、これほどとは……』

楓「ダイオウカーからの応答もないです……どうしましょう」

千秋「……大丈夫よ、彼女たちなら、必ず」

のあ『……そう、ね。魂の邂逅を果たし、黄金の意思を得た彼らなら』

ピピッ!

楓「……索敵結果に反応がきました……ダイオウカーです」

ピピピッ!

P『指令室、聞こえる?』

翠「Pさん……!」

美優「無事でしたか……よかった……」

歌鈴『ご、ごめんなさい……色々あって……』

千秋「その様子……やったのね」

珠美『はい! 珠美たちの勝利です!』

あやめ『流石に、色々あって疲れましたね……』

紗枝『今から帰りますえ』

芳乃『ようやくすべてが終わったのでしてー』

のあ『小早川紗枝、依田芳乃……そう、崩壊という名の、永劫の深淵から……この世界は解き放たれたのね』

ピピッ!

楓「大変でしたね……みんなの、ダイオウカーとの刻印同調率も低下してきています。刻印の消耗も危ないレベルでしたね」

P『皆、大丈夫か?』

歌鈴『う、うーん……大丈夫、じゃないです……』

珠美『そうですね。これ以上の戦いは……』

あやめ『戻り次第わたくしたちの刻印を回復してもらわないと、どうなることやら……』

紗枝『あんさん、戻ったらよろしゅう頼んますえ?』

P『……マジか、俺も疲れたんだけど』

芳乃『逃げ場はないのでしてー』

楓「下品な感じで終わっちゃいましたね」

美優「そうですね……でも、本当によかったです」

千秋「ええ、これで、私たちの役目も終わり……みんな、お疲れ様」

P『まだ仕事残ってるんだけどな……まあいいか。さてと、早く帰るとするか」


「「「「「はい!」」」」」


……
…………
………………
……………………

――早朝、奈緒の部屋

奈緒「お……終わったああああああ……!!」カチッ……カチッ……

奈緒「……」

奈緒「うーん……終わった……これ、全員と上手くやれたから、一応ハーレムエンドみたいな感じなんだろうか」

奈緒「いやまあ、負けてバッドエンドにならなくてよかった……初プレイにしては上出来かな?」

奈緒「だけど……最後の話」

奈緒「なんだろうなぁ……他の世界とか、何か色々気になる話が出てきたけど、他のルートでもっと話が出たりするのかな」

奈緒「まあ、2周目とかやるなら、そこら辺はもうちょっと調べてみてもいいかな?」

奈緒「それにしても、事務所のみんながぞろぞろと出てきてたなー。だけど、オリキャラみたいなのもいたな」

奈緒「晶葉が作ったんだろうか? 便利屋みたいなキャラだったけど……」

奈緒「小関麗奈って、うちの事務所の誰が元ネタなんだろ?」

奈緒「まあいいか……とりあえずもう寝よ。5時だし……」

……
…………

――翌日、事務所

ガチャッ!

奈緒「おはようございまー……ふわぁ」

晶葉「ん、奈緒か」

奈緒「おはよう晶葉……」

晶葉「おはよう……なんだ、朝っぱらから眠たそうにして。疲れているのか?」

奈緒「あれだよあれ、借りたゲーム……昨日クリアしてさ」

晶葉「おお、そうだったのか! それで、どうなった?」

奈緒「ボスみたいなの倒して、他の世界に行ったりして……とりあえず終わったって感じだったな」

晶葉「うむ、うむ……そうかそうか、それならよかった」

奈緒「もう1周やろうかと思ってるけど、なんか攻略のヒントとかないのか?」

晶葉「いや、ヒントは特に用意していないな……そうだ、そのゲームなんだが、ちょっと修正したい内容があってな、すまんが明日返してくれないか?」

奈緒「あ、そうなのか? まあ1回クリアしたから別にいいけど……」

晶葉「奈緒のプレイ結果も見て、色々と修正したいからな」

奈緒「そうかぁ……それじゃ、今日からはまた元の生活に戻れるな」

晶葉「……ところで、実はもう1つゲームを作っていたんだが、やるか?」

奈緒「ホントか? どんなゲーム?」

晶葉「アイドルを性的に調教して自分の好みに仕立て上げるゲームなんだが」

奈緒「流石にそんなものはやらないっての!」

……
…………

おわり

このスレは昔やってた「ファンタジーな世界で大魔王ちひろを倒す」と「奈緒は生存本能ヴァルキュリアの世界で戦い抜くようです」の関連スレです。
思っていたよりあの衣装の実装早かったので、多分そのうちそっちのほうも続きやろうかなって。

HTML化依頼出して終了。

衣装でも追加されたら最後の話を投下しようかなとは思っていたんですよね

(芳乃は)ないです

別に方向転換する気はないんですが、むしろどっちだったらいいなとかあるんでしょうか

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