まどか「ほむらちゃんにべた惚れ」 (126)

まどマギの百合物です。2回か3回に分けて投下する予定です

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ピピピピピピピピ

ほむら「ん…もう朝……」

ほむら「……」

ほむら「……」Zzz

ほむら「……はっ」

ほむら「……どうにもまだ目が覚めきってないみたいね…顔でも洗ってきましょう」

ほむら(結局、あまり眠れなかったわね……)

ほむら(布団に入って目を閉じると…あれこれ考えてしまう)

ほむら(……まさか、まどかにあんなことを言われるなんて)

ほむら(昨日あんなことになってしまって…何だか今日は顔を合わせづらいわね)

ほむら(でもちゃんと返事はしたから、大丈夫…よね。うん、きっと大丈夫)

ほむら「ふぅ…さて、朝食はどうしようかしら……」

——————

ほむら(いつもの待ち合わせ場所に着いたけど……)

ほむら「……まどかとさやかはまだ来てないみたいね」

ほむら「まどかはともかく、さやかも来てないなんて…1人で行こうかしら」

ほむら「……ふぁ」

ほむら(やっぱり、ちょっと眠いわ…どうしたものかしら……)

ほむら(この辺に自販機ってあったかしら…とりあえずコーヒーか何かを……)

ほむら「……」

さやか「……」ニヤニヤ

ほむら「……おはよう、さやか」

さやか「おはよう、ほむら」ニヤニヤ

さやか「いやー、ほむらが欠伸してるなんて珍しくて…寝坊した甲斐があったよ」

ほむら「寝坊したの、あなた…あれ、じゃあまどかはどうして?」

さやか「そう言えばメールが来てたっけ、えっと…少しだけ遅くなるみたい」

ほむら「それだけ?理由は?」

さやか「いや、理由までは書いてないね。ま、まどかの少しならほんとに少しだろうし、待つ?」

ほむら「そうね。必要以上に遅れるのなら、連絡して先に行くことにしましょう」

さやか「んじゃ返信しとくよ。いつもの場所にほむらといるから早く来なさいよ、っと」

さやか「そういやさっき欠伸してたけど、どしたの?寝不足?」

ほむら「えぇ、少しね…布団の中であれこれ考え事してしまって、寝付けなくて」

さやか「あー、あるよね。寝る前に考え事すると止まらなくなることって。で、何考えてたの?」

ほむら「え?そ、それは……」

さやか「ほむらのことだから、悩みを1人で抱え込んでるんじゃないかって気がしてね」

ほむら「別に悩みってわけじゃ……」

さやか「悩みじゃないなら教えてくれてもいいでしょ?さやかちゃんだけに教えてくれない?」

ほむら(……さやかはまどかの幼なじみだし、まどかのこと、よく知ってるだろうから…何か力になってくれるかしら)

ほむら「……絶対、他の人に言いふらしたりしない?」

さやか「お?何、秘密の話?大丈夫だよ、絶対喋ったりしないから」

ほむら「……それじゃ話すわ。実は昨日……」

ほむら「……まどかに、告白…されたの」

さやか「……はい?」

ほむら「昨日の放課後、私もまどかもあなたの遊びの誘い、断ったでしょ?あの後、屋上で……」

さやか「……あーはいはい、告白ってあれでしょ?何か秘密にしてたことを打ち明ける……」

ほむら「そうじゃないの、まどかは私を…好き、らしいの」

さやか「そりゃ見てればわかるよ。まどかはほむらが好きってことくらい……」

ほむら「それも…友達としてではなく、恋の対象として私が好きみたいなの……」

さやか「あ、あのまどかがそんな大それたこと言うわけないじゃん!ほむらも冗談が上手くなった……」

ほむら「……」

さやか「……マジで?」

ほむら「……えぇ。全て事実よ」

さやか「はー…まさかそんなことになってたなんてなぁ……」

ほむら「そのことを考えてたら寝付けなくなってしまって…それで少し寝不足に……」

さやか「そうだったんだ…あれ、それじゃあほむらはまどかと……」

ほむら「いえ、まだ付き合ったわけじゃないわ」

さやか「まぁ、自分と同じ女の子から告白されて、すぐ返事なんて出来ないよね」

ほむら「それは…まぁ」

さやか「昨日は一体何がどうなったのさ。教えてよ」

ほむら「昨日は……」

——————

ほむら「まどか?さやかの誘いを断ってまで言いたいことって、一体……」

まどか「……あのね、ほむらちゃん。わたし、これからほむらちゃんを困らせること、言っちゃうかもしれない」

まどか「でも…それでも、わたしの想いだから…ちゃんと聞いてほしいんだ」

ほむら「……?わかったわ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん。……えっと、わたしね……」

まどか「ほむらちゃん、あなたのことが…大好きです」

ほむら「改まって言うことじゃ…私もまどかのことは好きよ」

まどか「違うの。友達としてじゃなく…特別な人としてほむらちゃんが好き、なの」

ほむら「それって…私と恋人になりたい…ってこと……?」

まどか「……うん」

ほむら「で、でも私もまどかも女同士よ、それなのに……」

まどか「うん、わかってる。でも…同じ女の子同士だとしても、ほむらちゃんが好き…なんだ」

ほむら「そう…なの……」

ほむら(ど、どうしたら…まさか告白されるとは思っても……)

まどか「……ほむらちゃんはわたしのこと、どう思ってる……?」

ほむら「……まどか、私を好きだって言ってくれてありがとう。でも……」

ほむら「私はまどかを…そういう意味で好きというわけではないの。あくまで友達として……」

まどか「……」

ほむら「まどか?」

まどか「ほむらちゃんは、わたしのこと、好きじゃない。だから、付き合えない…ってこと?」

ほむら「好きじゃないわけでは…たけど恋愛対象として好きというわけじゃないから……」

まどか「……ほむらちゃんの言いたいことはわかったよ。でも、わたし…諦めないから」

ほむら「え?」

まどか「わたし、ほむらちゃんのことが誰よりも…1番好きだもん。手を繋いで、抱き合って…ちゅーしたいって思ってる」

ほむら「そ、そう……」

まどか「だからわたし、決めた。絶対にほむらちゃんを振り向かせてみせるって」

ほむら「まどか?あなた一体何を……」

まどか「わたし、明日から頑張るから。ほむらちゃん、楽しみにしててね」

ほむら「え、ちょっと、まどか?」

まどか「さっそく帰って作戦を考えないと…ほむらちゃん、わたし帰るね!また明日!」

ほむら「え、えぇ…また明日……」

——————

ほむら「……という感じに」

さやか「えっと、断った…んだよね?」

ほむら「私はそのつもりなのだけど、まどかは諦めてないみたいで……」

さやか「でもまぁまどかの気持ちもわからんでもないけど。可愛くて、自分に優しくて、何をするにも頼りになる……」

さやか「同性のまどかが惚れちゃっても仕方ないね」

ほむら「他人事だと思って勝手なことを……」

さやか「だけどほむらだってまどかが好きなんでしょ?ぶっちゃけあれだけの仲で友達って言われても説得力ないよ」

ほむら「私はあくまで友達だと思ってるのだけど…今のところは」

さやか「あんだけイチャイチャしといて、それはないんじゃないの?」

ほむら「別にイチャついてなんて…でもまどかが私を振り向かせるらしいから、それ次第では……」

『それ、ほんと?』

ほむら「えぇ、ほん……」

まどか「そっかぁ…ほむらちゃん、楽しみにしててくれたんだね」

ほむら「え…っと、おはよう、まどか……」

まどか「おはよう、ほむらちゃん。それよりも、さっきの言葉、本当?」

ほむら「え、えぇ…私は何も女同士だから付き合えないと言ったわけじゃないし……」

ほむら「もしかしたら、あなたの行動にときめいてしまう…かもしれないわ」

まどか「それなら…何が何でも、ほむらちゃんにはわたしを好きになってもらうよ」

まどか「そしてほむらちゃんに…わたしのお嫁さんになってもらうよ!」

ほむら「……気が早いんじゃないかしら?」

まどか「そんなことないもん。ほむらちゃんとは絶対、恋人になるんだもん」

さやか「あのー…2人とも」

まどか「あ、さやかちゃん。おはよう」

さやか「そんな今更…それよりもまどかも来たことだし、そろそろ行こうよ」

ほむら「それもそうね…それじゃ、行きましょうか」

まどか「うん、そうだね」ギュウ

ほむら「……まどか、何をしてるの?」

まどか「え?ほむらちゃんの腕に抱きついてるんだけど」

ほむら「そうじゃなくて、何でそんなこと……」

まどか「ほむらちゃんを振り向かせるためだよ。ほら、学校行こう?遅刻しちゃうよ」

ほむら「仕方ないわね……」

さやか「……ねぇ、ほんとに付き合ってないの?」

ほむら「えぇ、まだだけど……」

さやか「えー……」

——昼休み——

ほむら「……やっとお昼、ね」

さやか「お疲れさん。まどかは今席外してるから、ゆっくりとぐったりしてるといいよ」

ほむら「まさかあのまま教室に入るとは思わなかったわ……」

さやか「まぁ、女の子同士で腕に抱きついたまま入ってこられたらねぇ…まどか、すっごいデレデレした顔してたし」

さやか「みんなこっち見て、しばらく固まってたね」

ほむら「まどかが私の気を惹こうとあれこれしてくるのもイチャイチャしてるように見えてるのかしら……」

さやか「そうかも。あたしは事情知ってるからいいけど、仁美が妙な目で見てたよ」

ほむら「そう…まぁ、私がまどか次第なんて言ってしまった以上、文句は言えないわ」

さやか「まぁ、見てるあたしとしてはちょっと面白いからいいんだけど」

ほむら「あなたね……」

さやか「もういっそのこと付き合っちゃえばいいんじゃない?」

ほむら「……そんな軽い気持ちで付き合ってはまどかに失礼よ。ちゃんと私もまどかを好きでないと」

さやか「変に頑固だねぇ、ほむらは」

まどか「ただいま、ほむらちゃん。ごめんね、待たせちゃって」

ほむら「気にしないで。大して待ってもないから」

まどか「やっぱりほむらちゃん、優しいなぁ……」

さやか「……あたしをスルーってのはもう気にしないことにするよ」

まどか「あ…ごめんねさやかちゃん。ほむらちゃんがいるとどうしても……」

さやか「わかってるって、大丈夫だよ。それよりまどかも帰ってきたし、お昼にしようよ」

まどか「待っててくれたの?先に食べててもよかったのに」

ほむら「まどかと一緒に食べたいから待ってたのよ」

まどか「そう言ってくれるなんて…ますます好きになっちゃう」

さやか「はいはい、いいからお昼にするよ」

まどか「今日はいい天気だし、屋上に行こうよ」

さやか「お、じゃあそうしよっか。ほむらもそれでいいよね?」

ほむら「えぇ、構わないわ」

まどか「あ、ちょっと待って。……よいしょ、っと」

さやか「……まどか、何かお弁当にしちゃ大きくない?」

まどか「んー?へへへ……」

さやか「……ま、いいか。それじゃ、行こうか」

——————

さやか「んー、天気も良くて気持ちいいね」

ほむら「そうね。……それよりもまどか、ひとつ言いたいのだけど……」

ほむら「どこへ行くにも腕に抱きついたり組んだりするのは勘弁してもらえないかしら」

まどか「えー、ダメ?」

ほむら「私は構わないのだけど、周りの人の視線が…ね」

まどか「うーん、それなら仕方ない…かな」

さやか「ここに来てまでイチャついてないで、場所探すよ」

ほむら「別にイチャついてなんか……」

まどか「今の、そう見えてたんだ…えへー」

さやか「あーもー…さて、場所も取れたことだしお昼、っと」

ほむら「私のお昼は…どこだったかしら?」ゴソゴソ

さやか「……ほむら、まだお昼にカロ○ーメイト食べてんだ」

ほむら「失礼ね、ウイ○ーインゼリーの日だってあるわ」

さやか「そういうこと聞いてるわけじゃ……」

まどか「ほむらちゃん、これ……」

ほむら「……?まどか、これは?」

まどか「えっと、ほむらちゃんのために、お弁当…作って来たんだ」

さやか「やけに大きかったのはほむらの分も入ってたからか……」

ほむら「まどか…私の為に……?」

まどか「うん。好きな人を落とすにはまず胃袋から、ってどこかで聞いたような気がして……」

さやか「へぇ…それにしてもまどか、お弁当なんて作れたんだ。やるねぇ」

まどか「ほむらちゃんを想えばこそだよ。ほむらちゃんが喜んでくれるなら、わたし……」

ほむら「ありがとう、まどか。じゃあ、開けてみるわね」

まどか「どう…かな」

ほむら「これ…私の好きなものばかり……」

まどか「うん…ほむらちゃんの好きなもの、頑張って作ってみたから…食べてみて」

ほむら「じゃあ遠慮なくいただくわね。……あら、まどか?このお弁当、箸が付いてないんだけど……」

まどか「うん。だってひとつしか持ってきてないもん」

ほむら「えっと、それじゃどうやって食べたら……」

まどか「だからほむらちゃん、はい、あーん」

ほむら「……え?え、ちょ、まどか!?」

まどか「ほらほむらちゃん、あーん」

ほむら「さ、さやか、助け……」

さやか「あたしゃお邪魔虫みたいだからちょっと飲み物でも買って来るよ。でもきっとお昼時で混んでて時間かかるかもね」

ほむら「ちょっと、さや……」

さやか「そんじゃ2人とも、ごゆっくりー」

さやか「……はぁ。最初はちょっと面白いなーとか思ってたら段々大変なことに……」

さやか「あの2人、まだ付き合ってないとか何かの冗談でしょ?付き合ってなくてアレってんなら……」

さやか「付き合ったら一体どうなるってんのよ……」

マミ「美樹さん、付き合うって…何の話?」

さやか「え?……あ、マミさん。マミさんも自販機に?」

マミ「えぇ。たまには、と思って。それより今の話だけど、付き合うって…一体何の話かしら?」

さやか「あー…ちょっとまどかとほむらのことでですね……」

マミ「鹿目さんと暁美さんの?その2人がどうかしたの?」

さやか「まぁ、マミさんには話してもいいよね。実はですね……」

さやか「……ということなんです」

マミ「それじゃ鹿目さんは暁美さんに振り向いてもらう為に……」

さやか「あれやこれやと熱烈アタック中なんです……」

マミ「そうなの…それにしても鹿目さんが暁美さんに告白するなんてね」

さやか「あたしも驚きましたよ。……さてと、そろそろ戻らないとかな」

マミ「美樹さん、私もついて行ってもいいかしら。どうにも気になって……」

さやか「じゃあ一緒に行きましょうか。今日は屋上でお昼にしてるんです」

——————

さやか「うーす。ただいま」

まどか「あ、さやかちゃん、おかえり。……ほむらちゃん、これで最後。はい、あーん」

ほむら「あ、あーん……」

マミ「これは…何と言うか……」

さやか「……見てる方が恥ずかしくなりますよね、これ」

まどか「はい、これでおしまい。ほむらちゃん、どうだった?」

ほむら「……えっと、その…とても美味しかったわ」

まどか「ほんと?ほむらちゃんにそう言ってもらえると、嬉しいなぁ」

まどか「……また、作って来てもいいかな?」

ほむら「それは…凄く嬉しいけど、お願いだから箸は付けて頂戴…もの凄く恥ずかしいから……」

まどか「えー…仕方ないなぁ」

マミ「……こんにちは、鹿目さん」

まどか「あ、マミさん。こんにちは」

マミ「え、えぇ…それで、今のは……」

まどか「ほむらちゃんにあーんって」

マミ「そうじゃなくて、どうしてそんなことを……?」

まどか「ほむらちゃんにわたしを好きになってもらおうと…それがどうかしました?」

マミ「い、いえ…何でもないの、何でも……」

マミ「……美樹さん、これって私がおかしいのかしら?」ヒソヒソ

さやか「いえ、あいつらがおかしいんです。あたしらは至って普通です」ヒソヒソ

まどか「……?変な2人…それよりほむらちゃん、お昼、食べ終わっちゃったね」

ほむら「え?えぇ、そうね……」

まどか「それじゃあ残りの時間、ゆっくりしていようよ」

ほむら「……そうね。お昼休みが終わるまで、のんびりしてましょう」

まどか「ほむらちゃん、お弁当作戦、どうだった?わたしに惚れちゃった?」

ほむら「そうね…お弁当は本当に美味しかったし、とても嬉しかったけど……」

まどか「まだ、かぁ。それじゃ、もっと頑張らないと」

まどか「……ね、ほむらちゃん。ここに横になって」

ほむら「まどか?一体何を……」

まどか「ほむらちゃん、どうぞ」

ほむら「えっと…もしかしなくても膝枕…よね」

まどか「うん。ほら、遠慮しなくてもいいよ」

ほむら「そ、それじゃ遠慮なく……」

まどか「ほむらちゃん、どうかな」

ほむら「その…気持ちいいわ」

まどか「そう?よかった」

さやか「……ちょっと目を離したらもうコレだよ」

マミ「……美樹さんも大変ね」

マミ「あの、鹿目さん?ひとつ聞いていいかしら?」

まどか「……え、あ、はい。何でしょう?」

マミ「美樹さんから聞いたのだけど、鹿目さんは暁美さんが好き…なのよね」

ほむら「……さやか、あなた」

さやか「どうせマミさんにはそのうちバレるんだから、気にしない」

マミ「聞くのも野暮かもしれないけど…どうして鹿目さんは暁美さんのことを好きに……?」

まどか「えっとですね、頼りになって、可愛くて、でもかっこいいところもあって……」

まどか「気が利いて、何でもそつなくこなして、だけど変なところで抜けてるのがまた可愛くて……」

まどか「……えへー」

さやか「うわぁ、超うっとりしちゃってるよ……」

ほむら「本人ここにいるのだけどね……」

まどか「本人がいるのに想像でうっとりしちゃった。ごめんね、ほむらちゃん」

ほむら「い、いえ…別に気にしてないわ」

まどか「だから本人でうっとりすることにするね。……はぁ、ほむらちゃん……」

さやか「どうしよう、まどかが完全に恋する乙女だ……」

ほむら「まぁでも…まどかに好意を寄せられているのは嬉しいわね」

マミ「……とりあえず、暁美さんのことが大好きだってことはわかったわ」

まどか「大好きなんてものじゃないですよ!ほむらちゃんのことしか目に入らないっていうか……」

まどか「……そう!わたし、ほむらちゃんにべた惚れしちゃってるんで!」

ほむら「ま、まどか、そんな大声で…何だか周りの人がこっち見てるし……」

さやか「……当たり前だけど、他の生徒もここ、利用してるんだよね…すっかり忘れてたみたいだけど」

ほむら「……もしかして、まどかにずっとあーんされてたのも見られてた?」

さやか「……多分?」

ほむら「ど、どうしよう…見られてたと思うと余計に……」カァ

さやか「今のその膝枕も見られてるよ…っと、そろそろ休み時間終わるね。教室に戻ろうよ」

ほむら「えぇ……」

マミ「私も教室に戻るわ。……鹿目さん、頑張って……?」

まどか「はい!絶対、ほむらちゃんを惚れさせてみせます!」

ほむら「だからまどか、声が大きいわ……」

——放課後——

さやか「……やれやれ、やっと放課後だよ」

ほむら「……そうね」

さやか「えらい疲れてるね。案外楽しそうだったのに」

ほむら「まどかといることは楽しいけど……」

さやか「まぁ、ね。だけどまどかもほむらが好きで好きで仕方ないんだろうからさ」

ほむら「……わかってるわ」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「まどか…何かしら?」

まどか「えっと、帰りに寄り道していかない?……あ、さやかちゃんも」

さやか「取ってつけたみたいに…まぁ、あたしはいいけど」

ほむら「私も構わないわ」

まどか「それじゃ…どこに行こう?」

さやか「考えてなかったんかい…そうだね、ゲーセンとかでいいんじゃない?ショッピングモールになかったっけ」

ほむら「そう言われると…じゃあとりあえず、ショッピングモールに行くことにしましょう」

まどか「うん。じゃ、行こっか」ギュウ

ほむら「まど…もう放課後だから、構わない…かしら?」

さやか(普通学校の外でしてる方が恥ずかしい気もするんだけど…まぁいっか)

今回はここまで。何だか今日はエラー表示多発するなぁ。書き込めてるけど…

次回投下は17日夜を予定しています

テレビ見てたら遅くなっちゃった…

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——ゲームセンター——

さやか「お、あったあった。そういや前に1度杏子と来たことがあったっけな」

ほむら「杏子と?……そう言えばあの子、ゲームセンター好きだったわね」

さやか「案外あいつも遊びに来てるんじゃない?ここ、結構大きいし」

ほむら「……それはそれとして、まず何をしましょうか」

まどか「ほむらちゃん、プリクラ撮ろうよ!」

ほむら「え?えぇ、いいけど…さやかは?」

さやか「邪魔したらまどかに恨まれそうだからね。杏子が来てないか、ちょっと見てくるよ」

まどか「じゃあほむらちゃん、早く行こうよ!」

ほむら「わ、わかったから、引っ張らないで……」

さやか「……あたし、何でついて来ちゃったんだろう。はぁ」

さやか「仕方ない。杏子でも探してみるかな」

さやか「……とは言ったものの、いるかなー…お、あのダンスゲームしてる赤毛はもしや……」

杏子「よっ、と」

さやか「やっぱり。おーい、杏子!」

杏子「ふぅ。……お、さやかじゃねぇか。遊びに来たのか?」

さやか「そんなとこ。まどかとほむらもいるよ」

杏子「何だ、あいつらもいるのか。……で、まどかとほむらはどこにいるんだ?」

さやか「あー…ちょっと聞いてくれない?少しばかり長くなると思うんだけど」

杏子「……その口調からするに、愚痴か?聞くんじゃなかったな」

さやか「ねー、いいでしょー?愚痴らないとやってらんないのー」

杏子「へいへい…どっか座れる場所、探すか……」

——————

ほむら「……たくさんあるわね」

まどか「最近撮ってないから楽しみだなぁ。しかもほむらちゃんと2ショットだし……」

ほむら「……それでまどか、どの機種がいいのかしら?私は詳しくないから、まどかに任せるわ」

まどか「わたしもあんまり詳しいわけじゃないけど…うん、それじゃこの機種にしよう」

ほむら「これね。……何だか撮られると思うと緊張してくるわ」

まどか「リラックスしないと微妙な顔になっちゃうよ?……まぁ、ほむらちゃんはどんな顔してても素敵なんだけど」

ほむら「す、素敵って、そんな…あ、そう言えば料金は……」

まどか「あ、気にしなくていいよ。わたしが払っておくから」

ほむら「え?でも……」

まどか「いいの。わたしが撮りたいって言ったわけだし、それに……」

ほむら「それに?」

まどか「……ううん、何でもない。じゃあお金、入れるね」

まどか(……それに、これからすることの迷惑料も含んでるから)

ほむら「……えっと、ポーズはどうしましょうか」

まどか「んー…そうだね、まず……」ギュウ

まどか「……これで、1枚」

ほむら「え?あ、まど……」パシャ

ほむら「……撮られてしまったわ」

まどか「ほむらちゃん、次はこう…わたしの肩に腕を回してみて」

ほむら「えっと…こう、かしら」

まどか「うん、ありがとう。これで2枚目」パシャ

ほむら「……何だか恥ずかしいものを撮られてしまった気がするわ」

まどか「そんなことないよ、とっても素敵だと思うな」

ほむら「……撮られてしまったものは仕方ないわね。それで、3枚目はどうするの?」

まどか「うん…ほむらちゃんは前を見てて」

ほむら「前を?それだけでいいの?」

まどか「それだけでいいの。……あとは、わたしが」

ほむら「……?何だかわからないけど、とりあえず撮影開始、と」

まどか「ほむらちゃん……」

まどか「……大好きっ」

ほむら「ちょっ、まど……」

パシャ

ほむら「……」

まどか「……あ、出て来た。うん、よく撮れてるよ、ほむらちゃん」

ほむら「そ、そう…それはよかった…じゃなくて」

ほむら「ま、まどか…さっき、私に……」

まどか「うん…ほっぺだったけどね」

ほむら「な、何でまたあれを撮ろうだなんて……」

まどか「え?そりゃほむらちゃんとの2ショットだったから」

まどか「誰も見てないんだから、いいかなーって」

ほむら「……あなた、最初からこのつもりで私を……」

まどか「……そんなことないよー」

ほむら「……はぁ、まぁいいわ」

まどか「いつものほむらちゃん、かっこいいほむらちゃん、可愛いほむらちゃん」

まどか「どのほむらちゃんも最高に素敵だよ。ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「お気に召したようでよかったわ……」

まどか「それじゃこの3枚目のを携帯に……」

ほむら「まどか…お願いだからそれだけは勘弁してもらえないかしら」

まどか「せっかくよく撮れてるのに…じゃあこの1枚目のを……」

ほむら「そう言えばさやかが戻ってこないわね…何をして……」

さやか「ごめんごめん、遅くなった」

ほむら「さやか、一体どこまで…あら杏子、来てたのね」

杏子「ちょっとさやかの愚痴…じゃない、話を聞いてやってた」

ほむら「そう…さやかが迷惑をかけるわね」

さやか(あんたたちのことなんですけど……)

さやか「それで…まどかは何であんなニヤけてんのさ」

まどか「……えへー」

ほむら「あぁ…プリクラ撮ったときにちょっと、ね……」

杏子「どんなの撮ったんだ?まどか、見せてくれよ」

まどか「えへー…あ、うん。はい」

ほむら「ま、まどか!それ他の人に見せちゃ……!」

杏子「どれどれ…おぉ、これは……」

さやか「……まどか、あんた思い切ったことするねぇ」

ほむら「……恥ずかしい」カァ

杏子「さすがにこんなのが写ってるなんて思いもしなかったな……」

まどか「ちなみにほむらちゃんのほっぺは柔らかかったよ」

ほむら「よ、余計なことは言わなくていいの!」

杏子「……さやかの話、マジだったのか」

ほむら「さやかの話って…もしかして」

さやか「うん、喋っちゃった」

ほむら「……あなたに相談した私が馬鹿だったわ」

杏子「さやかから話は聞いたよ。ほむらを落とそうとしてるんだって?」

まどか「うん。だけどほむらちゃんはまだ振り向いてくれないんだ。だからまだまだがんばるよ」

杏子「そ、そうか…ほむらはどう思ってるんだ?」

ほむら「まどかが私に好意を寄せてくれているのは…とても嬉しいわ」

まどか「わたしとしてはもういつでもOKだよ」

ほむら「えっと……」

杏子「あー…その、何だ、無理しない程度に頑張れよ……?」

まどか「うん。ありがとう、杏子ちゃん」

ほむら「そ、それよりもゲームセンターに来たのだから、何かゲームを……」

さやか「あ、向こうに新しいのが入ってたよ。ほむらにお似合いのがね」

まどか「ほむらちゃんにお似合いの?ほむらちゃん、行ってみようよ」

ほむら「え、えぇ…さやかたちはどうするの?」

さやか「あたしは杏子と遊んでるから、ほむらもまどかと遊んできなって」

まどか「ほらほむらちゃん、行こうよ」

ほむら「わ、わかったわ…それじゃ、行ってくるわ」

さやか「……さて、どうしようかねぇ」

杏子「どうするかな…聞いてたよりもグイグイ行ってるな、まどかは……」

さやか「周りが見えてないっていうか…恋は盲目とはよく言ったもんだよ」

杏子「途中で鉢合わせしても何だし、外出るか?」

さやか「そうだね…帰るまで付き合うよ」

ほむら「……さやかが言ってたのはこれかしら。私にお似合いって、ガンシューティングのこと……」

まどか「これ以上ないくらいにほむらちゃんにぴったりだよ」

ほむら「……私、そんな物騒に見える?」

まどか「あ、そうじゃなくて…銃持ってるほむらちゃんが様になってるっていうか、かっこいいって話だよ」

ほむら「そ、そう…せっかくだし、やってみようかしら。まどかはどうする?」

まどか「うーん…じゃあ、やってみようかな」

ほむら「今回は私が払うわ。……それじゃ、ゲームスタートね」

ほむら「……」バァン

まどか「わわわ、当たらないよ」バァン

まどか「あ、あれ?撃てな…た、弾が…えっと、リロードは……」

まどか「や、やられちゃう……」

ほむら「……っ」バァン

まどか「あ…ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「……まどかは私が守るわ。例え、ゲームだとしても…ね」

まどか「ほ、ほむらちゃん……」

ほむら「……これで止めっ!」バァン

まどか「や…やった!ゲームクリアだよ、ほむらちゃん!」

ほむら「ふぅ…なかなか面白かったわね」

まどか「わたし、後半はほとんど見てるだけになっちゃった…ごめんね……」

ほむら「いいのよ。まどかにはこういうのは向いてないってだけ。それに……」

ほむら「まどかのことは、私が守るから」

まどか「……やっぱりほむらちゃん、かっこいいよ…惚れ直しちゃう」

まどか「さっきの…ゲームだとしてもわたしのこと、守ってくれるって聞いたときなんてもう……」

まどか「胸がドキドキして仕方ないよ」

ほむら「そ、そう言ってもらえると嬉しいわ。……さて、そろそろいい時間だし、帰りましょうか」

まどか「うん、そうだね。……あ、さやかちゃんと杏子ちゃんは……」

ほむら「確かメールが来てたわね。えっと……」

ほむら「……メールを見る限り、先に帰ってしまったみたいね。それじゃ、私たちも帰りましょう」

ほむら「……じゃあまどか、私はここで」

まどか「うん。……ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「何?」

まどか「今日はありがとう。すごく楽しかったよ」

ほむら「そう?私も楽しかったわ」

まどか「ほむらちゃん、明日からまた頑張るからね」

ほむら「……えぇ。楽しみにしてるわ」

まどか「じゃあほむらちゃん、また明日」

ほむら「えぇ、また明日ね。……ふぅ」

ほむら(……正直、今日1日でも大変だったのに…私が好きになるまでずっと続くのかしら……?)

ほむら(……でも、大変だったけど…楽しかったからそれでいい…かしらね)

——数日後——

まどか「ほむらちゃん、今日も寄り道していこうよ」

ほむら「え?私は構わないけど、さやかは……」

さやか「あんたらのデートに付き合うつもりはないって。あたしはまっすぐ帰るよ」

さやか(ここ最近、まどかの攻めが強くなった気がする…さては全然振り向いてくれないから焦ってんのかな?)

さやか「そんじゃ、あたしは帰るよ。またねー」

まどか「さやかちゃん、また明日。……ねぇほむらちゃん、今日はどこに行こう?」

ほむら「そうね…映画とかどうかしら?」

まどか「うん、いいよ。それじゃ行こうよ!」

——————

まどか「はぁ、素敵だったなぁ……」

ほむら「……恋愛ものはあまり見たことがなかったけど…確かにね」

まどか「やっぱり恋って素敵なものなんだよ…ちょっと前まではよくわからなかったけど」

まどか「今はよくわかる。ほむらちゃんに恋しちゃってるから」

ほむら「まどか……」

まどか「……それじゃ映画も終わったし、そろそろ帰ろっか」

ほむら「え?えぇ、そうね」

ほむら「……それにしても、学校の帰りに映画を見るなんてね」

まどか「……」

ほむら「自分で言ったことだけど、どうにも変な感じが……」

まどか「……」

ほむら「……まどか?どうかした?」

まどか「……わたし、迷惑じゃないかな」

ほむら「え?」

まどか「ほむらちゃんのことが好きっていうのは、嘘じゃない。ほんとのこと。だけど……」

まどか「ほむらちゃんを振り向かせようとやったことが、ほむらちゃんは迷惑に思ってるんじゃないかって」

ほむら「そんな…は、恥ずかしいと思うことはあったけど、迷惑だなんて思ってないわ」

まどか「……さっきの映画も、わたしとそっくりだったよね。好きな人を振り向かせようと、頑張る女の子の話」

まどか「まぁ、わたしの場合は相手も女の子なんだけど。それで、途中でその女の子、言われてたよね」

まどか「『お前のしてることは独りよがりだ』って」

まどか「それで…わたしもそうなんじゃないかと思って……」

ほむら「……そんなことないわ。私だって嬉しいし、楽しいって思ってるから」

ほむら「それに…私のこと、絶対に振り向かせるんでしょう?」

まどか「……でもほむらちゃん、そんな素振り…全然見せてくれないから」

ほむら「あ……」

まどか「だからほむらちゃん、わたしにその気なんて全然ないんじゃ……」

ほむら「そ、そんなことない!……そういう意味で好きかどうか、まだわからないけど、でも!」

まどか「……じゃあ、返事…聞かせて」

まどか「映画の女の子は…頑張って、頑張って…5年かけて、好きな人を振り向かせてた」

まどか「でも、わたしはそんなに待てない。……それにもう、作戦もいい案が浮かばないし」

まどか「だから…ほむらちゃんの返事、聞かせて。……どんな答えでも、わたしは大丈夫だから」

ほむら(私の気持ちは…どっちなのかしら。少し前ならすぐ答えられた。そういう意味で好きじゃない、って)

ほむら(だけど今は…よく、わからない……。考えが纏まらない……)

ほむら「……もう1日だけ、時間をくれないかしら」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「あなたが私にしてくれたことも含めて…自分の気持ち、考えを纏めたいの」

ほむら「今は…頭の中がごちゃごちゃで…答えられないから」

まどか「……うん、わかった。じゃあ明日の放課後に…聞かせてね」

ほむら「えぇ。わかったわ」

まどか「じゃあ、今日のところは帰るね。……ほむらちゃん、また明日」

ほむら「まどか、また明日」

ほむら(……私の気持ち、か)

ほむら(家に帰ったら…きちんと向き合わないと……)

今回はここまで
見て下さってる方、ありがとうございます

次回投下は18日夜を予定しています

どういうことだオイ…日付変わってるじゃねぇか……
ごめんなさい、色々あって日付変わってしまいました

次から本文

——————

ほむら「……やっと、答えが出たわ」

ほむら(こんなに時間がかかるなんて…一睡もできなかった……)

ほむら(まぁでも、私が振り向くまでまどかは続けるだろうと思ってた…私の自業自得ね……)

ほむら(……いつもならそろそろ起きて支度をする時間…ね)

ほむら「徹夜で考え込んだせいかしら…頭がぼーっとする…それに何だか熱っぽい……」

ほむら「……そう言えば私、あまり体が強い方じゃなかったわね…魔法少女になったせいで、すっかり忘れていたわ」

ほむら「だけど…今日は休むわけには…まどかに、ちゃんと返事を……」

ほむら「返事を…しない、と……」

——学校——

まどか「ほむらちゃん、どうしちゃったんだろう……」

さやか「おはよー、まどか。悪いね、今日も寝坊しちゃって……」

まどか「いつもの場所にいなかったし、電話もメールも返事がないし……」

さやか「おーい?まどかー?」

まどか「ほむらちゃん……」

さやか「ちょっとー?まどかってばー?」

まどか「っ…あ、さやかちゃん、おはよう……」

さやか「おはよう。それで、ほむらはどうしたのさ?」

まどか「それが、まだ来てないの……」

さやか「まだ?もうホームルーム始まるけど…あたし以上に遅刻とも思えないし、どうしたんだろ?」

早乙女「はい、席について下さい。ホームルーム始めますよ」

さやか「っと、それじゃ席に着くかな」

まどか(ほむらちゃん…返事、してくれるって言ったのに…どうして……)

早乙女「……えーと、暁美さんは欠席かしら?美樹さん、何か聞いてませんか?」

さやか「すいません、聞いてないです」

早乙女「そう…あとで家の方に電話してみますね」

さやか「あ、それが通じないみたいだって、まどかが言ってました」

早乙女「あら、そうなの?……風邪で寝込んでるのかしら。帰りに様子を見に行ってあげて下さい」

さやか「わかりました」

早乙女「他の連絡は…なし、と。それじゃ、朝のホームルーム、終わりです」

さやか「いやー…ほんとにどうしたんだろ。学校にも連絡してないみたいだったけど」

まどか「……」ガタ

さやか「まどか?どうした……」

まどか「……わたし、ほむらちゃんの家に行ってみる。ほんとに風邪で寝込んじゃってるのかもしれないし」

さやか「え?でも授業は……」

まどか「そんなのどうだっていいよ!わたしは…ほむらちゃんが心配なの!!」

さやか「声がでかいって、みんな見てるよ。……すいませんね、何でもないんですよー」

まどか「……お願い、さやかちゃん。行かせて」

さやか「はぁ…あんたのことだから、ダメって言っても行くんでしょ?」

まどか「……うん」

さやか「しょうがない、あとはあたしが何とかしてみるから…行ってきなよ」

まどか「あ…ありがとう、さやかちゃん!」ダッ

さやか「気にすんなー…って、もう行っちゃったよ」

さやか「……さーて、どう言い訳するかな」

——————

まどか「ハァ…ハァ…やっと、ついた……」

まどか「……ふぅ、よし、それじゃとりあえず……」ピンポーン

まどか「……やっぱり出てこないなぁ…鍵もかかってるし」

まどか「そう言えば…ほむらちゃん、確か鍵を外に…ここ、だっけ……?」

まどか「……あった…ごめんね、ほむらちゃん…でも、ほむらちゃんが心配だから……」ガチャ

まどか「……おじゃまします、ほむらちゃん」

まどか「ほむらちゃん、いるー?ほむらちゃーん」

まどか「いないのかな…寝てるだけだったらいいけど……」ガチャ

まどか「ほむらちゃ……」

ほむら「……」

まどか「……え、ちょっと、ほむらちゃん……?」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん!?ほむらちゃん、どうし……」

まどか「顔が熱い…熱があるのかな…とにかく、ベッドに寝かせないと……!」

——————

ほむら「……ん…あれ、私……?」

ほむら(私…ベッドで寝てたかしら……?それにこの濡れタオル……)

ほむら(キッチンから人の気配がする…何か音もするし……)

ほむら(……時間的に杏子、かしら。まだお昼前だから、まどかたちは学校のはずだし)

ほむら(きっと私が学校に来なかったから…心配したまどかが頼んだのかしらね……)

ほむら「……杏子?杏子なの?」

まどか「残念、わたしだよ」

ほむら「……まどか?」

まどか「うん。ほむらちゃんの恋人のまどかです」

ほむら「まだ付き合ってないわ…それよりもあなた、学校は……?まだお昼前よ?」

まどか「……えへー」

ほむら「えへーではなくて……」

まどか「……ほむらちゃん、学校にも連絡しないで欠席したから…心配になって、様子を見にきたの。そしたら……」

まどか「ぐったりしてるほむらちゃんを見つけて…それで、わたしが看病しようって」

ほむら「そう…ありがとう、まどか……」

まどか「……あ、お昼としてお粥作ったんだけど…食べられる?」

ほむら「じゃあ…いただこうかしら」

まどか「それじゃ…はい、あーん」

ほむら「……あーん」

まどか「あれ、今日は何だか素直だね」

ほむら「どうせ誰かに見られてるわけでもないし…それに、これは看病なんでしょ?」

まどか「……やっぱり、素直じゃないや」

ほむら「ふふ…これでもだいぶ素直に言ったつもりよ」

ほむら「……ふぅ。ごちそうさま、まどか。美味しかったわ」

まどか「よかった。……じゃあわたし、洗い物してくるね」

ほむら「えぇ……」

ほむら(まさかまどかが…こんな風に看病してくれるなんて……)

ほむら(勿論申し訳ないと思ってる。だけど…それと同時に、凄く嬉しい)

ほむら(具合悪くて弱ってるせいかしら…看病してくれてるまどかが、とても愛おしく感じる……)

ほむら(もう、答えは出たはずなのに。……私もまどかが好きだって)

ほむら(普段見せない一面…恋人になったら、もっとそんな部分、見れるのかしら……)

まどか「ただいま、ほむらちゃん」

ほむら「……あ、おかえりなさい、まどか」

まどか「洗い物も終わったし、引き続きほむらちゃんを看病するよ。してほしいことがあったら遠慮しないで言ってね」

ほむら「……ずっと気になってたけど、あなたどうやって入って来たの?鍵、かけてたと思うけど」

まどか「あ…あのね、鍵を隠してるところ、なんとなく覚えちゃってて…それで、勝手に開けて入って来ちゃったの」

まどか「やっぱり…ダメ、だよね」

ほむら「……今度、ちゃんと場所を教えておくわ。まどかになら、安心して教えられるから」

まどか「ほむらちゃん…ありがとう」

ほむら「……今日はごめんなさい。あなたへの返事をするはずだったのに」

まどか「ううん、気にしてないよ。それにこうしてほむらちゃんの看病ができてるし、ちょっと弱ったほむらちゃんも見れてるし」

ほむら「そ、そう…それで、返事なんだけど……」

まどか「あ、また後日でもいいよ?具合悪くて考えるどころじゃなかったと思うし」

ほむら「いえ、もう答えは出てるの。むしろ、考えを纏めてたから体調を崩してしまったわけで……」

まどか「そ、そうだったんだ……」

ほむら「えぇ、心配させてごめんなさい。……じゃあ、あなたの告白の返事、させてもらうわね」

まどか「……うん」

ほむら「まどか…私もあなたのことが、好きよ」

まどか「……それは、どういう……?」

ほむら「決まってるわ。あなたと恋人になりたい。そういう好きよ」

まどか「……へへ、そっか。わたし、ほむらちゃんを…振り向かせられたんだね」

ほむら「……そうね。あなたが私にしてくれたこと…色々あったわね」

ほむら「昨日、あなたが言ってた…自分にその気なんてないんじゃないか、って……」

ほむら「私、あんな風に…誰かに特別な好意を寄せられたことなんて、なかったから……」

ほむら「だから、あなたのすることに少し…戸惑っていたの」

まどか「そう…だったんだ。今思えば、結構すごいことしてた…よね、わたし」

ほむら「そうね…だから余計に、どうしたらいいかわからなくて…気がないような素振りもしてしまったと思う」

ほむら「結果、あなたを不安にさせてしまって…ごめんなさい。でもね……」

ほむら「あなたが私を想って何かしてくれたことが…私はとても嬉しかった」

ほむら「私への好意からの行動なら…素直にその好意、受け取ろうって……」

ほむら「あなたの好意を受け取って、あなたの想いに触れて、自分の気持ちに素直になって…ようやくわかったの」

ほむら「……まどかのことが好きだって」

ほむら「それに答えが出たあとのことだけど…今、私のことを看病してくれているまどかが…とても素敵だと…思ってるの」

ほむら「まぁ、要するに…私もまどかに惚れちゃった…ということかしらね……」

まどか「ほむらちゃん…やっとわたしに惚れてくれたんだ」

ほむら「そうね…時間がかかってしまってごめんなさい」

まどか「……ま、まぁわたしがほむらちゃんに惚れてるんだもん。ほむらちゃんがわたしに惚れないわけがないよ」

ほむら「ふふ…そうね。好意を寄せられて、惚れるなというのは…難しいわね」

ほむら「そう言えば…まどかはどうして私のことを……?」

まどか「え…あれ、わたし、告白したときに言わなかった?」

ほむら「えぇ…私が1番好きだってことは聞いたけど……」

まどか「……あー、言う前に帰っちゃったんだっけ…えっとね」

まどか「わたしね…ほむらちゃんの笑顔が好き…なんだ」

ほむら「私の…笑顔?」

まどか「うん。ほむらちゃんの素敵な笑顔、もっと見ていたくて…ほむらちゃんが笑っていてほしいって…そう思ってたの」

まどか「だけどいつからか…笑顔だけじゃなく、他のことにも目が行くようになったんだ」

まどか「頼りになって、可愛くて、かっこよくて…気が利いて、何でもそつなくこなして、でも変なところで抜けてるのが可愛くて……」

まどか「ほむらちゃんの素敵なところ、1つ見つけたら…次から次に探しちゃってたの」

ほむら「それ、この前の……」

まどか「……わたし、勢いだけで言ったわけじゃないよ。ほむらちゃんのこと、ほんとにそう思ってるんだ」

まどか「でも、どうしてほむらちゃんだけにそんなことしちゃうのかなって考えて…もしかしてわたし、ほむらちゃんのこと好きなのかな、って」

まどか「そんな風に思ったら…何でもないようなこともすごく素敵に思えてきて……」

まどか「ほむらちゃんのことばかり考えるようになっちゃって…ほむらちゃんから目が離せなくなって……」

まどか「どんどんほむらちゃんに惹かれていって、それで……」

ほむら「私に惚れちゃった…ってことね」

まどか「……うん」

ほむら「そう…私は知らないうちにまどかを…惚れさせてしまっていたのね」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「さっきも言ったけど…特別な好意を寄せられるのは初めてなの。でも……」

ほむら「まどかの好意なら…私がいくらでも受け取ってあげられる。……まどかのことが、好きだから」

ほむら「……まどか、私の…恋人になってくれる……?」

まどか「……うん。もちろんだよ」

ほむら「ありがとう…まどか……」

まどか「……よし、それじゃ早く治しちゃおう。せっかく恋人になれたのに、これじゃつまんないよ」

まどか「早くよくなって、一緒に学校に行こうよ」

ほむら「また屋上で…一緒にお弁当、食べたいわね」

まどか「一緒にお出かけもしよう」

ほむら「そうね、今度はどこに行きましょうか……」

まどか「ちゅー、してもいい?」

ほむら「えぇ、いい……」

まどか「ありがとう。じゃあ、するね」

ほむら「ちょ、ちょっと待って、不意打ちはずるいわ……」

ほむら「えっと…病院行ったわけじゃないからわからないけど、きっと風邪だと思うの」

まどか「うん」

ほむら「それで、その…キスしちゃうと、もしかすると…まどかに風邪をうつしちゃうかもしれないのだけど……」

まどか「大丈夫、ほむらちゃんの風邪なら喜んで貰い受けるよ」

ほむら「……さっき自分で言ったこと、覚えてる?」

まどか「それはそれ、これはこれだよ。それにもし風邪がうつったら、ほむらちゃんが看病してくれるでしょ?」

ほむら「……これが惚れた弱みって奴かしらね」

まどか「じゃあ、ほむらちゃん…するね」

ほむら「……えぇ」

まどか「……」

ほむら「ん…っ……」

まどか「ぷぁ…ほむらちゃんと、ちゅーしちゃった…えへー」

まどか「この間ほっぺにはしたけど…あれよりももっと、柔らかかったよ……」

ほむら「まじまじと感想を述べないで、恥ずかしいから……」

まどか「ほむらちゃんはどうだった?」

ほむら「……不思議な感じ…ふわふわした感じというか…どう言ったらいいかわからないわね……」

ほむら「ただ言えるのは…まどかとキスができて、嬉しかったってこと…ね」

まどか「そう言ってもらえるとわたしも嬉しいな…えへー」

ほむら「……ごめん、なさい…少し寝させてもらえる……?」

まどか「それは全然構わないけど…眠くなったの?」

ほむら「えぇ…言いたいことを言って、まどかが側にいてくれて…安心したからかしら…急に眠気が……」

まどか「そっか…ほむらちゃん、ゆっくり休んでね」

ほむら「ありがとう…まど、か……」

まどか「……おやすみ、ほむらちゃん」

まどか「……さて、寝てる間もしっかり看病してあげないとね」

まどか(ありがとう、ほむらちゃん。わたしに振り向いてくれて。わたしに惚れてくれて)

まどか「……ずっと、ずーっと一緒にいようね。大好きだよ、ほむらちゃん」

——翌日——

さやか「おはよう…っと、まだまどかもほむらも来てないか」

さやか(2人揃っていつもの場所いなかったからあたし1人で学校に来たけど…どうしたんだろ)

さやか(ほむらがほんとに風邪で寝込んでて、昨日様子を見に行ったまどかも風邪貰っちゃってダウンした…とか?)

さやか(……まぁ何にせよ、無断欠席は勘弁してよ?昨日のアレであたし、えらい怒られたんだから)

さやか(ここで無断欠席されるとまたえらい目に遭いそうだし……)

まどか「さやかちゃん、おはよう」

さやか「お、まどか、おはよ……」

ほむら「おはよう、さやか」

さやか「……」

まどか「さやかちゃん?」

さやか「……あ、うん、おはよう、ほむら」

ほむら「どうしたの?鳩が豆鉄砲食らったような顔して」

さやか「いや、あのさ?まどかがほむらの様子を見に行ったのが昨日でしょ?」

さやか「それが何で今日になってそんな仲よさそうに腕組んじゃってるのさ……」

ほむら「あぁ、簡単な話よ。私とまどか、恋人になったから」

さやか「……は?はああああ!?あんたら、学校サボって何してたのさ!?」

ほむら「私は本当に体調が悪かったのだけど。……まぁ、まどかの看病のおかげですっかりよくなったわ」

まどか「ほむらちゃんが早くよくなるようにって、夕飯もおいしいもの作ったからね」

ほむら「まどかの愛が効いたのね、きっと」

まどか「やだもうほむらちゃん、愛だなんて…あ、そうそう。お昼のお弁当持ってきてあるから、楽しみにしてて」

ほむら「……それを聞かされるとお昼が待ち遠しいわね」

さやか「あーもう!あたしの!目の前で!イチャイチャするな!」

まどか「声が大きいよ、さやかちゃん。……あ、今のでみんなにバレちゃったみたい」

さやか「え!?……あー、クラス全員がこっち見てるねー…何か拍手までされちゃってるよ、どうしようこれ」

まどか「え、えーと…みんな、ありがとう」

ほむら「……さやか」

さやか「……悪かったよ。だけど、人の目の前でイチャイチャしてるあんたらも悪いんだからね」

ほむら「まぁ、バレてしまったものは仕方ないわね。……だけどこれで教室なら構うことは」

さやか「少しは人の目を気にしろっての。……あー、頭痛くなってくる……」

ほむら「だってせっかくまどかと恋人になったのに…校内は禁止じゃつまらないじゃない」

さやか「はぁ…もういいや。どうぞご自由に……」

ほむら「よかったわねまどか、許可が出たわよ」

まどか「よかったよ、ほむらちゃん。……えへー」

さやか「……あんたら、よくもまぁそこまで好きになれるもんだねぇ」

ほむら「そんなの当然じゃない。だって……」

ほむら「私、まどかにべた惚れしてるもの」

まどか「わたしもだよ。えへー」

さやか「もうやだ、このバカップル……」


Fin

これで完結です
最後まで見ていただき、ありがとうございました

何で完結したあとで時間取れるのさー…
読んでいただき、ありがとうございました。叛逆まであと何本書けるかなぁ…

次回予告
ほむら「魔女使い」 長編

まどか「ほむらちゃんの日記」 短編

ほむら「助けて、応援団」 長短未定クロス


早く書かないとどんどん増えていく…
どれももれなくまどほむの予定です

また見かけましたらよろしくお願いします

旧作を教えてほしいとのことなので今まで書いたもの

ほむら「人の恋路を邪魔する魔女は銃に撃たれて死んじまえ」

まどか「人の恋路を邪魔する魔女は弓に射られて死んじまえ」

まどか「わたしのナイト様」

まどか「甘い甘い恋のチョコレート」

ほむら「魔法少女戦記ホムガイア」
ほむら「魔法少女戦記ホムガイア」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364712788/)

まどか「ネガティブほむらちゃん」
まどか「ネガティブほむらちゃん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370093649/)

もし気が向いたら読んでみてください

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月11日 (金) 19:44:04   ID: va67f0e-

甘い!甘い甘い甘いよぉぉぉ!!!
食ってた飯がチョコの味がするよ!
でもそこがいい!もっといろんな作品書いてください!

2 :  SS好きの774さん   2014年11月06日 (木) 07:43:30   ID: bGIQFs0Z

これは酷い
悪い意味でキャラ崩壊している

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