【コンマ】崩壊した世界を旅する5【安価】 (1000)

コンマによる判定と安価による選択で、崩壊した世界を旅するSSです。
結末はあなたの選択、そしてコンマによる運で決められます。

最終目標はストーリーの展開で変わります。デッドエンドも当然あり得ますが、一応できうる限りキリのいいところまではやるつもりです。
なお、スレ主は主にスマホから打つため、進行が遅くなりがち&まとまった投下がしにくい点ご容赦ください。

>>2以下、基本的なルール説明とキャラ設定、現状説明になります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487342414

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1488424313

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ルール設定

コンマは二桁で判定します。数字が小さいほど悪く、大きいほどいいものとします。
また、ゾロ目発生時には特殊イベントが発生します。数字が小さいほど不運なイベント、大きいほど幸運なイベントになります。
例えば50以上で成功判定の場合、55だとちょっとしたボーナス付き、99だと状況を一変させる大ボーナス付きの何かが起きます。逆もしかりです。

なお、00のみ特殊イベントが起きます。直後にコンマの偶奇で再判定し、奇数なら0、偶数なら100で判定します。
ともにストーリー進行を激変させる何かが起きます。

また、安価はストーリーの分岐点で発生します。
賢明な選択か否か、よく考えて選んでください。場合により多数決を取ることもあります。

ルール説明2

旅は地上にあるいくつかの町と、その近郊にあるダンジョンで行われます。
町でのイベントや聞き込みが、ダンジョン攻略の糸口になることもあるかもしれません。
一応ダンジョン踏破は最終目標に入ります…が、かなりの困難を伴います。もちろん、御約束の大ボスもいます。

イベントを通してキャラクターは成長します。強力な武器や防具も手に入るかもしれません。
仲間やヒロインとの交流を通して、世界崩壊の謎を解き明かしてください。

シデ(主人公、29歳翼人)

HP 94+15
筋力 7+3
知力 9
器用さ 4+6
賢さ 16
耐久力 10+2
魅力 11+4
職業:モンク

特徴:
・朦朧打撃…
命中判定クリティカルか、ダメージ判定時コンマ60以上で発動。次の一撃が無条件で当たる。
さらにその際のダメージ判定コンマが40以上なら継続。

・秘孔ヒット…
ダメージ判定コンマゾロ目で発動。ダメージが通常の×3に加え、朦朧打撃が強制発動。

・鋼体術(条件:賢さ7以上)…
不意討ちでない限り攻撃と防御にボーナス

・治癒術(条件:賢さ5以上)…
階を一階降りるごとにHP10回復

・高速治癒術(条件:賢さ13以上)
ターンを一回飛ばし、対象のHPをコンマ下一桁×3+賢さだけ回復

・破邪術(条件:賢さ10以上)
念を込めた拳で死者・悪魔系に追加ダメージ(コンマ下一桁×5+筋力×4)

・集気弾(条件:賢さ15以上)
気の塊を投げつける。遠距離攻撃、朦朧打撃、武器・防具のダメージ補正対象外。秘孔ヒットは乗る(コンマ下一桁×5+賢さ×5)

装備:
神器「フィンゴルの手甲」
器用さ、魅力すべて+4、ダメージ軽減20(重複可)、与ダメージ修正+35、コンマ判定10、朦朧修正60以上で発動(継続判定は40以上)

守護のヘアバンド(ダメージ軽減10)

シデ背景概略

・ユングヴィ教団上位幹部の息子。14の時に災厄の日に遭遇、奇跡的に難を逃れる。
・その後修行や治癒のため司教に付き従っていたが、司教の死により5年前よりアングヴィラに。
・アングヴィラに来た当初穴に潜ったが、第一階層でエルダードラゴンに遭遇。パーティが全滅する中、生還。
・その後は冒険者の治癒などで生計を立てる。
・酒は宗教上の理由であまり飲まない。食事もそれほど気にしない。
・性格は生真面目。慈悲深く、聖人とも言えるほど。半面、お堅い人間とみられがち。実際その面はある。
・女性関係にも真面目。宗教上の理由で遠ざけてきたが…?

>>4修正。

シデ(主人公、29歳翼人)

HP 94+15
筋力 7+3
知力 9
器用さ 4+6
賢さ 16
耐久力 10+2
魅力 11+4
職業:モンク

特徴:
・朦朧打撃…
命中判定クリティカルか、ダメージ判定時コンマ60以上で発動。次の一撃が無条件で当たる。
さらにその際のダメージ判定コンマが40以上なら継続。

・秘孔ヒット…
ダメージ判定コンマゾロ目で発動。ダメージが通常の×3に加え、朦朧打撃が強制発動。

・鋼体術(条件:賢さ7以上)…
不意討ちでない限り攻撃と防御にボーナス

・治癒術(条件:賢さ5以上)…
階を一階降りるごとにHP10回復

・高速治癒術(条件:賢さ13以上)
ターンを一回飛ばし、対象のHPをコンマ下一桁×3+賢さだけ回復

・破邪術(条件:賢さ10以上)
念を込めた拳で死者・悪魔系に追加ダメージ(コンマ下一桁×5+筋力×4)

・集気弾(条件:賢さ15以上)
気の塊を投げつける。遠距離攻撃、朦朧打撃、武器・防具のダメージ補正対象外。秘孔ヒットは乗る(コンマ下一桁×5+賢さ×5)

装備:
神器「フィンゴルの手甲」
器用さ、魅力すべて+4、ダメージ軽減20(重複可)、与ダメージ修正+35、コンマ判定10、朦朧修正60以上で発動(継続判定は40以上)

守護のヘアバンド(ダメージ軽減10)
アーバインの指輪
腕力+3、器用さ、耐久力+2、HP+15

ダナ(20歳女性、人間)

HP 159
筋力 11+2
知力 11
器用さ 12
賢さ 8
耐久力 8+1
魅力 12
好感度 146
職業:勇者の娘

特徴:
・魔法…
火、氷、雷術の3種が可能。使用可能回数は5回。
ダメージは火、氷がコンマ一桁×3+知力×3
雷がコンマ一桁×4+知力×4
ただし、特効ありのため、使い分けが重要。

装備:
フォラスギル(筋力+2、物理ダメージ補正10)
大地の鎧(耐久力+1、ダメージ軽減10)
ダリオのヘアバンド(基本コンマに20のプラス補正)

ダナ背景概略

・穴深層に到達した勇者「ダリオ」の一人娘。一人称は「ボク」。基本元気で前向き。
・5歳の時災厄の日に遭遇。父とともに難を逃れる。その後は母と祖母のいる村に預けられて育つ。
・最近肉親が病で相次いでこの世から離れ、父の後を追って穴に向かった。
・ダリオは災厄の日の後、穴に潜ったが「死んだ」(コーウィン)。
・酒はよく飲む。食事は基本大食。
・身長は162程度。B~Cカップ。体重はそこまではないが、基本筋肉質。なお、シデは182で75キロほど。
・最近シデに告白した。

ミドル(男性、15歳)

HP 71
筋力 7+2
知力 12+2
器用さ 5+2
賢さ 7
耐久力 6+2
魅力 5+2
好感度 64

装備:
「吟遊詩人フーリのブーツ」知力、魅力+2、ダメージ軽減5
小剣「ペネトレーター」
腕力、器用さ、耐久力すべて+2、HP+30
命中補正10 ダメージ補正20
遠距離攻撃可(命中基準100)

特徴:
・良成長…
ミッション達成時のポイントにボーナスあり。

ミドル背景概略

・アングヴィラとテルモンの中間の村ペラ出身の15歳。ごく普通の少年。身長は160ほど。筋肉はないが、成長期はこれから。
・ペラがレッドドラゴンに襲われ、仇を取れる冒険者を探しにアングヴィラを訪れた。
・基本真面目。若干守銭奴の気あり。
・最近酒を初めて飲んで主にライラにいぢめられたが、記憶は今のところ飛んでいる。
・何やらライラに頭が上がらなくなっている様子。
・最近感情を多少抑えられるようになった。

ライラ(女性、21歳人間)

HP 116
筋力 4
知力 13+2
器用さ 6
賢さ 7
耐久力 8+4
魅力 7+1
好感度 75

特殊能力 闇魔術
・闇で目眩ましができる。近くにいるものを巻き込めば不意討ちが可能。あるいは逃走判定に大幅プラス
・生命力吸収 触った相手から生命力を少し吸収(コンマ下一桁×2+知力)
・闇弾 遠距離から闇の弾を発射、ダメージは小さい(コンマ下一桁×2+知力)。判定成功で目つぶしの追加効果。
・闇吸血(最大2体を対象に盲目+ダメージコンマ下一桁×3+知力×3、かつダメージ÷5だけ回復)

装備:
「魅惑のワンド」 知力+2、魅力+1
軽鎧「ヒムリング」耐久力+4、ダメージ軽減25

ライラ背景概略

・本人曰く「駆け出し魔術士」。ただ師匠は「影のジャック(別名シャドウ)」と呼ばれる大物魔導士であり、才能はある模様。
・師匠からの命令で「『怪竜ガチャ』を倒せ」と言われている。
・その他の背景は現在不明。
・身長166ほど。体重は多分50台前半。ゆるふわ金髪Eカップと男が好きそうなルックスとスタイルだが、酒豪であり酒乱。
その手の経験がどこまであるかは現在不明。
・最近ミドルを酒の勢いでいぢめた。
・ミドルを尻に敷く感じにいつの間にかなっている。恋愛感情があるかは不明。
・シリアスな時は口調が間延びしなくなる。

・ミッション

ストーリー進行に関わる「大ミッション」と、ダンジョンを潜る上で発生する「小ミッション」があります。

ともにクリアすればステータスの底上げやアイテムの支給がありますが、当然大ミッションの方が大きな果実を得られます。
ただし、果実はミッションクリアの度合いに比例します。その過程で何かしらの犠牲や損失があれば割り引かれますし、逆に想定以上ならボーナスがあります。

小ミッションは穴5階層ごとに必ず発生するものです。通常より強い「名前付き」の魔物が、行く手を遮ります。
強さはコンマ次第です。手の付けられない怪物が出るか、雑魚より少し強い程度か。完全に運です。
逃げてもストーリー進行には基本的には無関係です。倒せば旨みがある宝物が入手できるぐらいです。
ただ、後半以降は撃破が絶対要件になる敵も出る、かもしれません。小ミッションのクリアが大ミッションの(あるいはストーリーそのものの)クリアに直結する可能性もあります。

ミッションクリア後は、内容に応じ成長ボーナスがあります。コンマで伸び幅を決めますが、ゾロ目なら追加の成長機会もあるかもしれません。
逆に言えば、ミッションクリア以外に成長機会はありません。雑魚撃破で成長することもゾロ目時などあり得ますが、基本はミッション達成の時だけです。
なお最大の20までステータスが上がることがあるかは謎ですが、上がった場合はあるボーナスを用意しています。

好感度はミッション以外でもイベントで上下します。コンマより、適切な行動を取ったかどうかが大きいかと思います。慎重に判断してください。
なお、0でパーティーから離脱します。復帰可能性は基本ありません。シデの場合、余程相性が悪い相手でなければ0まで行かないとは思いますが。
200まで行ったキャラの好感度はそこで固定です。ストーリー次第ですが、あまり一気に上げることはしない方針です。せいぜい一桁ずつでしょう。

問題となるのはキャラロスト。仲間キャラが誰かにもよりますが、ステータスダウンが発生する可能性が高いと思って下さい。その他、もろもろ不利な何かが生じます。

デッドエンドは一部例外を除いて大きなペナルティーを課します。
具体的には

・重要アイテム、装備の消失
・ステータスの大幅ダウン
・好感度の大幅ダウン

のいずれか、または複数です。

このSSはデッドエンドを複数回通ることを前提にしていません。逆に言えば、正しい選択のヒントは必ずどこかにあります。バッドエンド埋めの感覚で選択するのはお薦めしません。

また、安価下3ではなく安価下5、ないしは7の場合は重大な選択です。
なお、愉快犯防止のため推理ありを強制することがありますがご了承ください。

・ダンジョン

1階層ごとに、雰囲気チェックをコンマで行います。言うまでもなく0に近ければ危険で、100に近ければ安全です。
危険だからといって実入りがあるわけではありません。通常より強い魔物を倒して、良い宝物が見つかる可能性はありますが。
また、安全ならとっとと下に行くことをお薦めします。ローリスクローリターンなのです。

ゾロ目なら、その階には何かがあります。あるいは誰かがいます。
強大な魔物とセットで強力な遺物がある宝物庫があるかもしれないですし、ストーリー進行を左右する重要人物がいるかもしれません。

危険な階と分かれば即離脱が大事です。危険に巻き込まれる前に逃げましょう。
なお、帰還のルーンは複数持ち歩くことを強くお薦めします。なくなった場合、徒歩で上に戻るか、ダンジョン内でルーンを見つけるかしないとなりません。浅い層ならまだしも、深層では致命的です。
帰還のルーンは道具屋で比較的安く買えます。最重要アイテムと心得ましょう。

・現在の大ミッション

※マリアをモリブスまで護衛せよ
…マリアをモリブスまで護衛する
※レッドドラゴンを倒せ
…廃村ペラにいるレッドドラゴンを倒す(ミドルがパーティにいればボーナスあり)
※審判の石を探せ
…聖地ウィルコニア(第四十五階層)にある審判の石を入手
※サーリャの仇を取れ
…サーリャのパーティの殺害犯(帝国関係者、ザッシュのみ確定)を倒し、モリブスにいるはずのサーリャに報告する
※ベネディクトの野望を砕け
…「一族」ベネディクトの撃破

・その他登場人物

・エルヴィン…
アングヴィラの村長。見た目は30代だが、実年齢は60過ぎのエルフ。大陸南西部のトリス森王国出身。

・エイラ…
ユングヴィ教団の元シスター。戒律くそくらえな豪快ばあさん。

・ハーニス…
医師。元ズマ魔侯国の出らしく、シデにはやや複雑な感情あり。

・ゴラフ…
ギルドハウス主人。元冒険者で、料理が上手い。懐が深く剛毅な禿中年。

・ダリオ…
ダナの父で「勇者」。災厄の日以降消息不明。コーウィン曰く「死んだ」。
40年ほど前の「へイルポリスの惨劇」の生き残りであるらしいが?

・影のジャック…
ライラの師匠(魔族)。現在モリブスに居住?魔侯国に反発したレジスタンスで、ダリオやシデの父とも面識があった。

・ネモ…
第一階層で会った胡散臭い中年男性。ジェスタル帝国の近衛騎士団長。圧倒的魔力を備える。
ザッシュに深手を負わされたが奇跡的に一命はとりとめた。

・ザッシュ…
第八階層で会った糸目の青年。ジェスタル帝国の鎧を着ている。サーリャのパーティの殺害実行犯。
ジェスタル帝国関係者。実は「死の行商人」の一員であり、裏でエリック側と繋がっていた。
帝国を裏切ったフィオナに身柄を奪い返された。

・アーバイン…
故人。ジェスタル帝国関係者。サーリャのパーティの殺害実行犯。ザッシュにより殺害。

・クシャナ…
ジェスタル帝国近衛騎士。女性。茶色と白髪の混ざった髪、右目に眼帯。

・ジュリアス皇太子…
帝国残党一派の首魁。王家の血を引いているらしいが?
「針」を刺されており傀儡疑惑あり。女性?

・アンリ…
故人。帝国皇弟の息子。ネモにより殺害。

・マリア…
帝国皇弟の娘。アンリとは腹違いの兄妹。モリブスに逃亡中。

・ジュディ…
故人。ジュリアス皇太子のお付き。ザッシュにより殺害。

・サーリャ…
ザッシュとアーバインに襲われ瀕死の重傷を負ったシーフ。現在モリブスに向け移動中。

・モネーラとリネール…
魔帝国出身の少女と少年。ともにザッシュに「針」を打たれ操られていた。
現在は正気に戻ったが、情緒は不安定。

・フェリル…
魔候国の元貴族。ザッシュの情婦?帝国に間者として忍び込んでいた。現在の消息は不明。

・ジェイクとリリア
食堂で出会った馬鹿ップル。「穴」で行為に及ぶなど節操はないが、腕は一流。
モリブス領事府のエージェントとしてドラゴン襲来事件を調べる、2人組の冒険者。

・コーウィン…
ギルドハウスで出会った男。「一族の第四位継承者」と名乗り、穴の管理者を自称する。圧倒的圧力と力量を備え、数万年を生きる人外。
ダリオの育ての親であるらしいが…?地上争覇のためにユングヴィ教団を作り出し、1000年に及ぶ三つ巴の争いを始めた張本人の一人。

・ランダム…
第十二階層で出会った男。「一族の第十位継承者」であり、「一族」でありながら人として悠遊と生きるつかみどころのない男。
酒を愛してやまない世捨て「一族」。王位争奪争いには全く関心がない。

・ベネディクト…
第十三階層で出会った「一族の第一位継承者」。最強の怪物の作成を続けるマッドサイエンティスト。
実は自分が作った怪物で「一族」の皆殺しを企んでいる。コーウィン、ランダムとは敵対関係にあり、
シデたちパーティとも敵対している危険人物。

・ジュリアン…
帝国の後ろ楯の一人。フィオナに裏切られた。

・フィオナ…
帝国の元後ろ楯。ジュリアンを裏切り、魔候国のエリック側と手を結んだ。ザッシュを奪い返したが…?

用語集

・災厄の日…
15年前に世界をほぼ滅ぼした出来事。詳細は一切不明。死者には外傷がなかったとされるが?

・穴…
ダンジョン。恩恵と災いを生み出すすべての源。多くの冒険者が挑み、散っていった。なお、人間による最深到達は第三十二階層とされる。

・へイルポリスの惨劇
40年ほど前にユングヴィ教団、ズマ魔侯国、ジェスタル帝国3か国の国境付近にある独立貿易都市「へイルポリス」が滅ぼされた事件。
大量のドラゴンが街を焼き尽くし、ドラゴン自らも炎に焼かれたとされるが、原因は不明。

・一族
「アンバーの一族」とも言う。穴の管理者で、空位の王位を巡り1000年争っている。王位継承者は以下の通り。
ベネディクト、ジェラード、エリック、コーウィン、ケイン、ブランド、フィオナ、ジュリアン、ブレイズ、ランダムの計10人。
地上の制圧か、他の一族皆殺しが王位に就く条件。

・神器
「一族」特効の凶悪な武器・防具。現在シデの「フィンゴルの手甲」、コーウィンの「グレイスワンダー」がある。

・アンバライト
魔力を込められた石で、時間とともに中の魔力が増え続ける魔石。輝きが最高潮に達すると、ドラゴンが招かれるとされる。
ペラはこれで滅ぼされた。また、アングヴィラ側の穴入口付近にも仕掛けられ、深層からドラゴンを呼び寄せようとされた節がある。

・「針」
刺した相手の自我を奪い、肉体能力と魔力を大幅に引き上げる魔具。限界以上に引き出すことも可能だが、反動も大きく生命力が枯渇する。
フィオナによる魔具であるが、ジュリアンでも作れる。

・死の行商人
テルモンで活動する謎の組織。「呪病」と呼ばれる伝染病を主に使い、周辺の集落を根絶やしにするという。

・アングヴィラ
大陸北部の人口1000人足らずの街。これでも世界3位の街。
ユングヴィの影響がやや強いが、基本は平和。

・テルモン
大陸北東部の都市。人口は現在不明だが、かなり規模は大きい。
ジェスタル帝国の影響が強いとされる。

・モリブス
大陸南東部の都市。規模はテルモンと同規模。
ズマ魔侯国の影響が強いとされる。

持ち物
身体増強薬(ミドル所有) 3本
隠密の数珠×4
「電話」アンリとマリアのものと、コーウィン配給のもの計3機
ザッシュとリネールの武具防具一式

19訂正。

持ち物
身体増強薬(ミドル所有) 3本
隠密の数珠×4
「電話」アンリとマリアのものと、コーウィン配給のもの、ザッシュのもの計4機
ザッシュとリネールの武具防具一式

テンプレ以上です。本編更新は明日朝。

帰還のルーン買わなきゃ(使命感)

ところで帰還のルーンは切らさないようにって言ってる割には自動で買い物してくれてるように見えるけど、誰かが指摘したのを拾ってくれてる感じ?

>>23
あれは序盤金策が危険な時用の記述ではあります。
ただ、リスとかリスとかが奪ってくることがあるので、連続での探索はそれなりにリスクがありますよ、ということで。

>>25
リスだけに…リスク…ぷーくすくす

いやでもサルとかサルとかサルとか動物系は地味に危険という事か…
気軽に手出して噛まれるだけで済んだミドル君ラッキーだったんだな…

ちなみにフィオナの容姿はアニメ漫画のキャラでいうと誰に近い感じ?

>>26
小動物は危険です。いや、マジで。リターンも大きくしますが。とりあえず超火焔○○は出します。

しかし、疲れましたねえ。WBC見ながらやるもんじゃないです。
翔さんと牧田は神。あと小林覚醒は驚きです。こんなに育つなんて…。
小久保は負けてたら間違いなく国民総叩きだったですねえ。則本なぜ抑えで使うし。

>>27
金髪のシーマ様ですかね。キャラクターは少し違いますが、謀略大好きで裏切りも躊躇しない雌狐という点は一致します。

ここから影のジャックやミドルくんの復讐や一族の件もあったりで審判の石探すために潜るのはまだ先になりそうね…もしかすると審判の石得る前にエンディング行って真相が闇に葬られる場合もあるのか…

>>32
それは全然あり得ます。ただ、ベネディクトを殺さずにエンディングはないです。
(ベネディクトがラスボスとは限りませんが)

今日も仕事で見れなかったんだが勝ったか!良かった…
小久保采配は心配しかねえからなあ…

そういやライラの個人的なイメージはグラブルのマギサってキャラだったんだけど髪色も違うし見た目年齢も違うんだよなあ…もう少し歳を重ねたらあんな感じになるかなあ…

>>34
知らなかったのですが、ちょいイメージとは違いますね。もう少し乳は控えめ(それでもE)ですし。
ポーラをザラ改二に寄せたら大体ライラな感じはします。

モネーラはふしぎの海のナディアなイメージですが、リネールが思い付きません。背はちっこい感じなんですが。

再開します。

########

「……あれが、『一族』ですか」

ジェイクが憔悴しきった顔で言った。正直、ランダムが来なければ全員死んでいただろう。コーウィンやベネディクトほどではないが、それでもフィオナが私たちを苦もなく消滅できる力量を持つことだけはすぐに分かった。

周りを見ると、全員が似たようなものだった。マリアは腰が抜けて動けなくなっている様子だし、リネールは座り込んでガタガタ震えている。平然としているのは、ランダムぐらいのものだ。

「しっかし、お前さんたちつくづく厄介事に縁があるな。フィオナ姉とまで敵対するってどういうことだよ」

ランダムは呆れた様子だ。私はこれまでの一部始終をかいつまんで説明した。フィオナが帝国を裏切りエリック側に付いたらしいと伝えると、彼の顔が驚愕で歪んだ。

「うっそだろ??エリックとケインの野郎と組もうなんて、ついにブランドのイカレが伝染っちまったか?」

「ええ、ただ可能性は極めて高いです。これからジュリアンが背後にいる、帝国残党の本拠地に行く予定ですが、来ますか?」

「おうともよ。ジュリアンが何かやらかしちまったのかどうなのか。俺にはよく分からねえが、状況は把握してえな。
フィオナ姉が何考えてるか分からねーのは昔からだが、さすがに今回は摩訶不思議だぜ」

ランダムは難しい顔をして考えているようだ。

「とにかく、これからネモと連絡を取ります。話はそこからですね」

#########

「……フィオナ様がザッシュを拐っただと??」

「電話」の向こうでネモが絶句した。

「ああ、私たちも注意はしていたが、無理だった。あれは、私には止められない」

「そうであろうな。大方『電話』の位置情報から探知したのだろう。その点は迂闊だったが、フィオナ様直々に来るとは誰も想定できん。……が厄介になったぞ」

そうか、「電話」で分かってしまったのか。ネモに譲り渡すつもりだったが、考えが足りていなかった。

「……それだが、ジュリアス閣下、というかジュリアンに会わせたい男がいる。ランダムだ、覚えているだろう」

「ああ、覚えているが、ジュリアン様に会うのは難しいぞ。ジュリアス様の前にすら、ほとんど姿を表さないのだから」

ランダムを見ると、「ちょっと貸せ」と言う。

「あー、俺だ。ランダムだ。別にジュリアンと仲がいいわけじゃねえが、ちと言いたい、というか確認したい点がある。
というか、このままだとお前ら全滅だぜ?同盟組んだなら、協力しようじゃねえかとも伝えてくれ。どうやって伝えるかは知らねえが」

「……善処しよう」

ランダムは私に「電話」を返した。

「そういうわけだ。予定よりやや遅れるが、クシャナをイスパファンに寄越してもらえると助かる。それと……フェリルはどうしている?」

01~15 処刑したよ
16~70 逃げられた
71~90 拘束中だ
91~99 フェリル?

『……フェリルなら、逃亡したよ。ザッシュが私を刺した日に消えた。位置探知にも引っ掛からん。
魔候国出身でありながらこちらの皇族の血も引く女だったから入れたが、やはり信用するのではなかった……な』

自嘲するような笑いが向こうから聞こえた。

「多分本隊と合流したのだろう。あの状態のザッシュが戦力になるとは思えないが……。そういえば、なぜザッシュには魔術が効かなかった?」

65以上で成功

※90…成功

ここで休憩。

想定してたルートから思い切りそれたからここでザッシュに魔法聞かなかった理由聞けちゃう感じ?たんおつ

少し再開します。

>>44
それはややありますね。後で言わせますが、vsザッシュ2が極めて濃厚になったのでシデが探りを入れているという面はあります。

まあしかしあれですね。悪役としてザッシュを死なせるなというコンマ神の声が聞こえるようです。

『体質だ、と聞いている。元々魔力が受け付けにくい身体ではあったようだ。理由はよく知らないが。
とにかく、奴はそれをジュリアン様の鎧で増幅させていたわけだ。本人が持つ特質を拡大させるのが、ジュリアン様の武具。だから本人以外が着けても効果は薄いのだが』

「なるほどな。少し腑に落ちた。また戦うこともありそうだし、少しの情報でも助かる。……体質の謎は残るが」

『そこまでは分からん。あいつの両親は普通の貴族だ。血統によるものとは思えないが、とにかく魔術の類が一切効かないのは疑い無い』

ザッシュと再び会った時、どうなるだろうか。私は考えていた。
殺意むき出しで襲ってくるのか。フィオナたちの忠実なる下僕として、まみえることになるのか。
ザッシュを殺してそれで終わりではないと、ミドルも理解したはずだ。ただ、未だに憎悪自体は消えてはいまい。ミドルを止めるのはなお難しいかもしれないと、私は思った。

『とにかく、用心はすることだな。フィオナが奴に何かしらしないとは限らん。また後程会おう』

##########

「とんでもないことになっちゃったね」

ダナが大きなため息をついた。

「これでランダムさん含め、4人目の『一族』か。威圧感で息が詰まりそうだったよ……。『一族』って皆ああなの?ランダムさん以外は」

「おいおい、俺は例外かよ。まあ一癖二癖あるのしかいねーからな。ジェラードの兄貴は少し違うが、もう500年会ってねえからわかんねえな」

ランダムが苦笑しながら言った。

「でも助かりました。来てくれなかったら、私たちは全滅してた」

「まあいいってことよ。お前さんたちを助けるってのもあるが、ベネディクトの脅威を知らん連中にそれを知らせるってのもあるからな。呉越同舟でも、協力者は多い方がいい」

ランダムは座り込みウイスケ入りと思われる酒瓶をぐいっとあおった。

「ともあれ、後で俺も行かせてもらうぜ。ジュリアンが引きこもってる理由も分からんしな」

##########

「随分と遅かったな」

イスパファンに着くとクシャナが仏頂面で言った。街は夕暮れに染まっている。

「ああ、知っての通り色々あってな。行くのは私とランダムだけでいいのか?」

01~25 ああ、そうだ。
26~60 後一人連れてきていい。
61~90 貴様らのパーティも許可する。
91~99 全員来いとの話だ。

「後一人、連れてきてもよいとのことだが……。どうしたものか」

クシャナが口ごもっている。どういうことだ?

「いや、すまない。実はジュリアス閣下は、あまり下々のものとの付き合いがない。それは当然なのだが、ここしばらく少し情緒が不安定でな。ジュディ様が亡くなられて、特にその傾向は強くなった」

そうなのか?確かにネモが少しそういうことを言っていたような気がするが。

「それでだ。貴様らの一行に閣下と同年代の子供がいると言ったら非常に興味を示された。そしてそいつを連れてきてくれという。何を考えられているのか分からないが……」

「ぼ、僕ですか??」

ミドルが驚いて大声をあげた。

「ああ、お前だ。……村のことは悪かったとも言っておられる。色々思うところはあるだろうが、それも含めて会いたいと仰られている」

「……いいんですか?」

ミドルが私に聞いてきた。

「選択の余地はなさそうだな、行こう」

続きは夜。ミドルで強制固定なのは、ファンブルではありませんのでご安心を。

というか、この展開は相当前から用意してたんですが、使わないだろうなあと思ってました。
どういう展開かは後程。

再開は早くて2100でしょうか。

なお、今日の更新か明日の更新でちょっと特殊な設定が入ります。拒絶反応を示される方がいたら申し訳ありません。
ちなみにあるキャラクターの肉体的特徴についてのものです。

再開します。

#########

第十八階層の帝国本拠に着くと、ジュリアスと杖をついたネモが出迎えに来ていた。
私たちを見るや否や、ジュリアスはすっと跪く。ネモが一瞬呆気に取られているうちに、臣下が王に取るような礼をしてみせた。

「お初に御目にかかります、ランダム様」

ネモもすぐさま真似てみせた。ランダムがばつが悪そうに笑う。

「よせよ、そんな立場の男じゃねえって」

「いえ、我が主の弟君であると聞いております。ならば礼もそれに準ずるのが、当然のことです」

「いやあ、堅苦しいのは苦手なんだよ。まあ楽に行こうや。酒は飲めるかい?」

ジュリアスとネモが顔を見合わせた。

「いえ、飲んだこと自体が……」

ネモも下戸であるという。ランダムは「じゃあこの面子でまともに飲めるのは俺一人か……」とがっくりしていた。

「難しい話をすると肩が凝るし、腹割って話すにゃ酒が一番なんだがな。まあ俺だけでやらせてもらうよ。とりあえず、落ち着ける場所に行こうや」

ふと見ると、ミドルが少しぼーっとしている。

「どうした?」

「いえ、帝国の皇太子って聞いてどんな奴なのか思ってたんですが。
肩を怒らせた暴君みたいなのを想像してたんですけど、全然逆なんで驚いてしまって」

「私も話したが、彼はちゃんとした人物だ。話があるそうだが、多分変なことにはならないだろう」

ミドルはそれでも少し呆けている。

100-賢さ(7)×7=51以上で成功

上の賢さはミドルの賢さです。念のため。

66…成功、追加情報あり

「どうした、行かないのか?」

「……シデさん、ちょっと話があります」

ミドルが少し不審げに前を行くジュリアスを見ている。
私は以前、彼の本当の性別が女性ではないかと疑ったことがある。ミドルもそれに気付いたのか?あるいは針のことか?

「……ジュリアスのことだな」

「……ええ。さすがにシデさんも勘づかれてますね」

小声でミドルが返してきた。

「……どっちのことだ?」

「……どっちというのが何か分からないですが、二つ気付きました。頭と手、ですよね」

私は軽く頷いた。前の二人とランダムには気付かれていないようだ。
しかしよく両方に気付いたものだ。大したものだと、私は内心舌を巻いた。

「……このことは黙っておけ。当然だが」

ミドルがこくんと首を振った。気が付くと、以前ジュリアスと会った応接室の前にいる。

「どうぞこちらに」

ジュリアスが上座に私たちを促した。

「話というのは、ザッシュが話した件だな」

ジュリアスが切り出した。

「ええ。既にネモから聞いているかと思いますが、あなた方の後ろ楯であったフィオナが裏切りました。おそらくは、エリックとケインの側に付いています。
そのフィオナは、ザッシュを奪って逃亡しました。ただ、分からないことはあまりに多い」

「そうだ。余にとっても不可解なことが多すぎる。なぜフィオナ様が、我らが長年の仇敵であるエリックと手を結んだのか。何が目的なのか。
……ランダム殿、ご存じのことはありませぬか」

ランダムはグラスに入った薄黄色い液体――「バーボン」というらしい――を一口口にすると、真剣な表情で話し始めた。

「俺はそちらさんの状況をよく知らねえ。フィオナ姉に会ったのも300年ぶりだしな。ただ、お宅を主に引っ張ってきたブランド兄が狂ったのは、風の噂で聞いたよ。50年ぐらい前だったな?」

「そのように聞いております」

「直感だが、それと関係があるんじゃねえか?ブランド兄は狂うまではそれなりの人物だったからな。
あれは敵には容赦しないが味方には優しい、ある意味英雄の一側面を具現化したような男だった」

10以上でイベント発生

※イベント発生

しばらく沈黙が流れた。すると、目の前のジュリアスが苦しみ出し始めた!?

「……うううわああああ!!!!痛い痛い痛い!!!誰か、誰か止めてええええ!!!」

頭を抱えてのたうつジュリアス。ネモは「発作だ!薬を、誰か薬を!!」と叫んでいる。
しばらくすると、叫びはピタッと止まった。覗き込むと、目が白目を剥いている。

「どういうことだ!?」

「ジュリアス様は稀にこのような発作を起こすのだ。薬で収めるか、しばらく放っておけば元に戻るのだが……」

すると、驚くべきことが起きた。白目を剥いたままジュリアスは立ち上がり、椅子に座り直したのだ。
白目が元に戻る。しかし、そこには輝きはない。

「失礼したな」

90-賢さ(16)×5=10以上で成功

90…成功

ジュリアスが声を発する。しかし、その印象は大分異なる。
高い、声変わりする前の少年――あるいは少女か――のようなジュリアスの声ではなく、もっと低い、威圧感すら感じる声になっていた。

……まさか。

「……ジュリアンか」

ジュリアス――いやジュリアンはにっと笑った。

「勘のいい人間だな。そう、僕がジュリアンだ。ジュリアン・ヴィルエール」

少し中断します。

私はごくりと唾を飲み込んだ。その場にいるジュリアン以外の皆が固まっている。これは、どうしたことだ?

「『針』、使ったな。お前さん、それを通してその子の行動を乗っ取ってるだろ」

口を開いたのはランダムだ。険しい表情をしている。

「御名答。腐っても『一族』だな、ランダム」

「下らねえ世辞はよせ。そもそも、なぜそんな回りくどいことをする。手前が来るか、来れなくても『テレカン』にすりゃいいだろうが。そのぐらいの設備、ここにあるだろ」

ランダムが苛ついたように言う。

90-賢さ(16)×2=58以上で成功

01…失敗

そう言えばそうだ。なぜジュリアンはここに来ないのだろう?

「そういう理由を、君に話す義理があると思うかい?」

ジュリアンが苦笑した。

100-ミドル賢さ(7)×5=65以上で成功

62…失敗

ミドルは何か考えているようだが、首を振った。

「まあいい。で、お前さんが出てきた理由はなんだ。まさか出たかったから出たとか、つまらねえ理由じゃないだろ」

「舐めては困るね。とりあえず、君らに依頼したいことがあるんだ。一つは言うまでもない、フィオナ姉さんを殺して欲しい。さすがにこの裏切りは看過できないからね。
もう一つは……僕をここから解放して欲しい、ということだ」

ネモがガタッと椅子から立ち上がった。

「どういうことなのです!?あなた方が『テレカン』ですらほとんど顔を出されないのと、関係があるのですか?」

ジュリアンがネモを一睨みした。

「そんなことを僕は聞いているんじゃない。ただ、解放して欲しいと言ってる」

30以上で追加イベント

※追加イベントなし

「解放というと、囚われているのか?」

「ある意味な。場所は第四十八階層だが、ジュリアスに言えばゲートは開く。来たければすぐにでも来れるが」

ジュリアンは奥歯に物が挟まった言い方をずっとしている。何故だ?

※安価下5まで自由推理。近いものがあれば、それに沿って続けます、

ヒントは以下の通り。
・ジュリアンは誰か敵に囚われているわけではありません。
・本来さっさとランダム辺りが気付かないといけない話です(コンマがダメなのでそうなってませんが)。
・ブランドが関わってます。

すまん、纏まってないし多分的外れな事言ってるわ…

後は任せた…

ブランドを抑えつけることに手一杯で動くことができないんじゃないの?2年前から強まったってことはフィオナと交代で縛り付けるなんなりしてたんでしょ。それなのにフィオナがいなくなっちゃったから殺せとか言ってんじゃね

>>102
的外れではないですよ。

>>103
ぶっちゃけ正解なのですが、まだ余裕があるので。
なぜブランドを縛り付ける必要があるのでしょう?ヒントはこのスレのどこかにあります。

0000から再開。ブランド拘束の理由まで分かればそれも盛り込みます。

ブランド拘束については正解者なしなので、このまま行きます。

「原因は、ブランドだな?ブランドは発狂していると聞いている。奴を抑えるのに手一杯なのだろう?」

ジュリアンがにっと笑った。

「その通りだよ翼人。つまり、僕を解放するというのは、ブランド兄さんを殺してくれということでもある」

「合点が行ったぜ。お前がここに出ずに、『針』を使って皇太子様を通して出てきたのはそういうことか。動きたくても動けない、そうだな?」

「……ああ。昔はフィオナ姉さんと一緒に交代で兄さんを『次元牢』に抑えてたんだけどね。姉さんがいなくなって、僕一人でやらなきゃいけなくなった。
だから、僕は『テレカン』でしか出れなくなったのさ。それすら、最近は怪しくなっている。正直、限界は近い」

ジュリアンの目が真剣に見つめてきた。

「アンバライトを使って撹乱して手早く地上制圧も狙ったんだけどね。姉さんが裏切ったのは、完全に計算外れだったよ」

「なぜフィオナは裏切ったんでしょう?」

50以上で成功

44…失敗、小ファンブル

「僕に言われても困る。……そろそろ子の子の限界も近付いてきたな。僕もこれ以上は危ない。……第四十八階層で待つ」

そう言うと、ジュリアンは気を失った。ネモが救護班を呼んでいる。

「もっと聞きたいことはあったんだがな、仕切り直しってとこか」

ランダムが少し苛立った様子で言った。

※大ミッション「フィオナを殺せ!」が発生しました。
目的→フィオナの殺害
(目的消滅の可能性があります)

※大ミッション「ブランドを殺せ!」が発生しました。
目的→ブランドの殺害
(倒せると確信した場合、ジュリアス経由でブランドの所に行けます)

今日はここまで。

一応この後でネモとの会話がありますから、そこで色々ある程度分かるようにしています。

なお、ここで視点が二つに分かれます。どちらから先にするか選択して下さい。

1 シデ視点
2 ミドル視点

安価下5多数決

なお、どっちから先でも大差はありません。

言い忘れましたが、

シデ視点→ネモとの会話
ミドル視点→ジュリアスとの会話

になります。打ち切られた部分はここで挽回可能です。

では2で。

ゾロ目あそこで出しちゃったので、多分えらい勘が鋭いミドル君になる予感がします。

ダナの親父の邪魔すんのにブランドが直接出向いてたらしいけど
そのころはまだ捕まってなかったのか、それともわざわざ脱走してまで妨害してたのか

再開は1000頃から昼過ぎにかけて。夜は更新しません。
というか、ほぼ完全に読まれている方がいますね。シデ視点の進行に加味したいと思います。

>>135
ブランドではなくケインのはずですが、書き間違えていたらごめんなさい。

今ってシデ一行どれくらいお金あるんだろう

目的消滅の可能性がないあたりやっぱりブランドが「誰か」なのかなぁ…

そろそろ再開します。

>>139
400マドルクラスを複数売っているので、当面は金策せず済むレベルです。
ただ、そろそろ何か売らないといけませんが。

>>140-143
濃厚とだけ言っておきます。ブランド撃破は最終局面でしょうね。(ラスボスかは未確定)

あと、ベネディクトは腕を切り落とされてマッドサイエンティストになったわけなので、狂ってることは狂ってます。
ある部分では正気であったりもするのですが、それはお楽しみに。

########

ジュリアンとの会談は、消化不良に終わってしまった。あまり長く、ジュリアスの身体を借りることはできないらしい。
僕には及びもつかないが、ブランドという奴を抑えるのはそこまで大変なのだろうか。

そういう僕は、ジュリアスの寝室にいる。僕が彼を寝室に運んだというのもあるが、ネモが「少し様子を見てやって欲しい」と頼んできたのもある。
シデさんとランダムさんは、ネモと話があるらしい。今後の対応を話し合うのだろうか。「一族」がらみの話だと、僕の出番はどうしてもなくなってしまう。
それは仕方がないことだけど、少し寂しい気もする。

僕は彼の寝顔をチラリと見た。とりあえずは落ち着いて寝息を立てている。
こうして見ると、本当に女の子のようだ。ただ、鎧を脱がせた時に胸の膨らみはなかった。やはり考えすぎなのだろうか。

すると、ゆっくりと彼の目が開いた。

01~20 ……誰だお前は
21~40 っ痛!……まだ、痛む
41~60 ……誰だ、君は
61~80 ……君が介抱してくれたのか
81~99 君がミドルか

「君が……ミドルか。話には聞いているよ」

ジュリアスはゆっくりと身体を起こした。まだ少し、辛そうに見える。

「まだ横になっていては?」

「いや、大丈夫だ。話すくらいはできる」

ジュリアスは僕の方を向くと、深々と頭を下げた。

「まず、謝らねばならぬ。……村の件、余の責任だ。心から、申し訳なかった」

僕は驚いた。ジュリアスのような貴人が僕のような村人に頭を下げたからだけじゃない。その目から、一筋の涙が流れていたからだ。

「……えっ……頭をお上げ下さい、僕には過ぎたことです」

「いや、よいのだ。余はここで、君に殺されても文句は言えぬ立場だ。余が作ったアンバライトで、君の村は滅んだ。実行犯はザッシュでも、それを監督できなかった余の責も大きい。
……罪なき人を殺すつもりなど、なかった。帝国の、父様とネモ、ジュディの愛した国を取り戻せれば、それでよかったのだが……余は、余は間違っていたのか?」

ジュリアスはいつしか号泣していた。

100-魅力(7)×10以上で成功

82…成功

「本当に、何も知らなかったのですね」

僕が言うと、ジュリアスはこくんと頷いた。

「私が初めてアンバライトを作った時、そこに魔力はほとんど宿らなかった。そういうことが10回ほど続いた。正直、それを利用されるとは思いもしなかった」

ジュリアスは俯きながら言った。

「多分、フィオナ様が魔力を注ぎ込んだのだろう。そのぐらいはできるお方だ。ただ、余はフィオナ様どころかザッシュの裏切りに気付けなかった。
……帝国復興が成るかもしれないという思いが、眼を曇らせていたのかもしれぬ。あるいはネモも」

「……『穴』にアンバライトを、なぜ置いたのですか」

僕は、ずっと抱いてきた疑問をぶつけた。それもまた、罪なき人を殺すような手段ではないか。

「私たちには支持が足りぬ。民衆の支持なくして、復興は成らぬ。だから、街にドラゴンが現れ次第ネモらが最小限の被害で殺し、支持を得るつもりだった。
ただ、君の言いたいことも分かる。これはジュリアン様の発案だ。私も内心反対だったが……倒れている間に決まってしまった」

「針」で操られた結果なのだな。僕は直感した。彼は本当に大事なことは、ほとんど知らされていない。

1 頭にある「針」のことは知っている?
2 どうしてフィオナは裏切ったと思う?
3 貴方は本当は、女性ではないですか?

安価下3多数決、推理あり

「どうしてフィオナは、帝国を裏切ったのだと思いますか?」

「……シデにも言ったが、見当がつかぬ。ただ、エリックの側についたということは、帝国を見限ったということなのだろうな」

自嘲気味にジュリアスが笑った。

「帝国再興を目指す者は、ここ最近で一気に減ってしまった。ネモは強いが、奴一人でどうなるものでもない。アンバライトを作ろうにも、しばらくの時間が要る。再興は、諦めるべきなのだろうな」

1 ……なぜそこまで再興を願うのです?
2 しかし、貴方は皇太子ではないですか。
3 僕たちが力を貸します!

安価下5多数決、推理あり

1と2で決戦投票です。安価下5多数決。

1で決定します。

「……なぜそこまで再興を願うのです?」

そうだ。彼が生まれてすぐに帝国は滅んだはずだ。ではなぜ、今は亡き国の再興にそこまで拘るのだろう?

「応接室に飾られていた絵は見たであろう。ブランデス2世の絵だ。帝国がもっとも領土を拡大し、もっとも栄え、もっとも人々が安寧に暮らしていた時代を作り出した『聖帝』だ。
余は彼のようになりたかった。なれる力を持っているとも思った。崩壊する世界を導きたかった……」

100-賢さ(7)×10=30以上で成功

78…成功

何か引っ掛かる。確かに彼の言葉に嘘はないのかもしれない。しかし、どうしてそこまでの自信を持っているのだろう?

100-賢さ(7)×7=51以上で成功

71…成功

僕はある可能性を思い付いた。なぜ彼がアンバライトを作れるのか。なぜそこまで再興に自信を持っていたのか。
ネモがなぜ血が絶えたはずの彼を皇太子として絶対の忠誠を誓っているのか。これならば筋はほぼすべて通る。……が、これを言うべきなのだろうか。躊躇したが、僕は思いきって言った。

「貴方は、再興に自信があった。……ジュリアンの子供だから」

彼は驚きで目を見開いた。そして力なく頷いた。

「……そうだ。僕は皇帝シグルドの子供じゃない。ジュリアン様――父様と、皇后エリーナとの子供だ」

「……やはりそうでしたか」

「ああ。ただ、皇帝より後ろ楯の『一族』の血の方がより優先される。かつてのブランデス2世がそうであったように、だ。
僕は『一族』の血を引くものとして、民を導く役割を負っている。そうネモとジュディに言われて育てられた。
でも、その機会は訪れなかった。3年前までは」

「何があったんです?」

「僕の前に父様が現れたのさ。『成人も近い、動くべき時が来た』と。
そこからネモは帝国王家と貴族を中心に信頼できる同士を集め始めた。僕もそれに協力した」

100-賢さ(7)×6=58以上で成功

23…失敗

ここで中断。

僕は黙って彼の話を聞いていた。ジュリアスが続ける。

「僕は父様とネモに言われるまま動いた。帝国復興という大義が、僕を動かしていた。
……でも、何だか疲れてしまったよ。僕は、父様の操り人形でしかなかったのだろうか」

実際、文字通り彼は操られていた。だが、これは言うべきではないという気がした。

「そもそも、僕は子供の頃からネモとジュディ以外の人に会ったことがない。友達もいない。
ずっと『皇太子』という役割を演じさせられてきただけなんだ。自分が何者なのか、よく分からなくなっちゃった」

彼は静かに泣いていた。こういう時、どうすればいいだろう?

100-魅力(7)×10=30以上で成功

67…成功

僕は黙って彼をそっと抱きしめた。男相手に何をしているんだとも思ったが、何となくそうするのが自然な気がした。
……ちょっと前に同じようなことをライラさんにされた気がする。それもあるのだろうか。

ジュリアスは僕の腕の中で泣いていた。しばらくして泣き止むと、ジュリアスは僕を見上げた。

「……君になら話してもいい気がする。僕は皇太子であって皇太子でないんだ。自分が何者か分からないのは、それもあるんだ」

何のことだろう?ジュリアスが実は、女の子ということなのか?

100-賢さ(7)=93以上で成功
※この判定のみファンブルなし

46…失敗

「それは……貴方が女の人ということですか?」

ジュリアスが首を振った。涙で濡れた目が、どこか艶かしく映る。

「それは半分合ってて、半分は正しくない。聞いたことはないかい?帝国には皇女がいたと」

「はい。……でも、それが貴方だと思ってました。皇太子を演じるため、男装しているのだと」

彼――彼女というべきだろうか――は哀しそうに否定した。

「……違うんだ。僕はそういう姿もできる人間なんだ。つまり……」

ジュリアスが黙り込んだ。僕は話し出すのを、ただ待っている。

意を決したように、ジュリアスが見上げた。

「僕、ジュリア・ド・ヴィルエール・ジェスタルは、両方の性を持つ……両性具有者なんだ」

多分今日はここまで。元々力業での矛盾解消は考えてましたが、不快に思われる方がいたら申し訳ありません。

あと、親友ルートなのかライラさんぐぬぬルートなのかは未定ですが、ジュリアちゃんのミドル君に対する初期好感度が高い状態なので(>>145)……

ちなみに、>>182の無理ゲー判定に成功していた場合、ぐぬぬルートが確定していました。

一族の遺伝法則がちょっと特殊なんです!とかでいいんじゃない?

子の本来の性別が一族側の性別と異なる場合、一族側の性別を少し引き継いじゃうみたいな

両性具有の所為で自分がどういう精神状態で生きれば良いのか分からないって訳か
これは性同一性障害の範囲に入るのか?

親友ルートかぐぬぬルートかはこのスレの住民の趣味によって変動しそうやな

針の能力がどちらかというと旅団のやつじゃなくて暗殺一家の方だといってたから針で姿変えてるのかと思ってた

再開できそうです。

>>192
その点の説明はいつかできるかもしれません。
「一族」との混血がすべてああなわけではないのです。

>>193
この辺りはおいおい。

>>197
実は肉体変化させてます。

ジュリアスの肩を抱く僕の手が、少し強ばった。両性具有?男と女の性を、両方持つということか?
そんなのは存在しないと思っていた。しかし、彼が出鱈目な嘘を言う人間とも思えない。

僕の困惑を察したのか、ジュリアスは僕をそっと遠ざけた。

「気持ち悪いだろう?男でもあり、女でもあるなんて。逆に言えば、僕はどっちでもない。何者でもないんだ」

視線をそらし、彼は寂しそうに笑った。

僕は彼に何と声をかけるべきなのだろうか?

100-魅力(7)×7=51以上で成功

35…失敗

僕はかけるべき言葉を探したが、上手い言い方が思い付かなかった。

「……ごめん、忘れてくれ。でも、君に会えて良かった。久しぶりにちゃんと泣けた気がするよ」

僕は彼に申し訳ない気持ちで一杯になった。こんなことを明かすのは、並大抵の勇気ではなかっただろうに。
何か僕にできることは、ないのだろうか?

※安価下3自由記述。その理由も合わせて書いてください。
適切なものがあればそれを採用、ない場合は無言で進行します。

これ具体的な正解が何かある感じなのかな

安価下

>>205
一応用意している答えは二つほどありますが、もっといいものがある感じもします。
丸投げっぽいのであれなのですが。

そのものずばりはないですが、足して3で割ると大体想定線の答えの一つになるのでそれを採用します。

やっぱり友達ルートの方が考えやすいですね。ぐぬぬルート一直線はコンマ判定噛まさないとどうもピッタリ来なかった印象です。

シデダナ√はほぼほぼ確定として、ミドル君がジュリア√入った時、ライラちゃんが孤立しちゃいそう…。って考えるとジュリアは友達√でいいのかなぁ…。

僕はジュリアの目を見た。視線を外してはいけない。今彼女に必要なのは、「受け止めてくれる存在」だ。嘘や誤魔化しは、彼女の孤独を深めることにしかならない。そう思った。

「……こちらこそごめん。正直に言って、驚いちゃった。そういう人がいるなんて、思いもしなかったから。
でも、こうやって話していて、君が凄くいい人だというのは分かった。心を開いてくれたのは嬉しかったし、ああいう秘密を打ち明けるにはとても勇気がいったと思う。
……僕には、きっとできない」

僕は敬語を使うのもやめた。立場が上の人に対してどうかとは思うし、初対面で馴れ馴れしいとも思う。
でも、距離を感じさせるのは、きっと今の彼女にとってはもっと辛いことだ。

「だからとりあえず、友達にならない?僕も、近い歳の友達はいないしさ。皇太子じゃない、そのままの『ジュリア』として友達になれたらいいけど、ダメかな?」

ジュリアはぽかんと口を開けている。

「……友、達……?僕、今までそういうのいたことがないから、どうしていいか分からないよ」

「いいんだよ。たまに会って、他愛のない話をしたり、ご飯食べたりで。……あ、お酒だけはちょっと勘弁だけど。あれだけはやっぱ苦手だ」

ジュリアが少しだけ、くすくすと笑った。……やはり本質は、女の子に近いような気がする。

「うん、分かった。じゃあ、よろしくね、ミドル」

ジュリアが手を差し伸べてきた。僕はそれを握り返す。

「こちらこそ、よろしく」

※コンマ下一桁+70がミドルに対するジュリアの好感度になります。200到達でイベント発生

ジュリア好感度 127

今日はここまで。明日はシデ側になります。ミドル側で得られた情報は、基本向こうでも判定なしに明かされます。

なお、ライラ側の好感度は未公表ですが、ストーリー次第で進んだり引いたりするんじゃなかろうかと。
ジュリア側がオープンになったから言うわけではないですが、イメージとして大体イーブンかやや負けてるぐらいかなと。

ジュリアに対する対応は、あんなもんでいいでしょうか?ミドルなら、誤魔化さず正直に言うのが彼らしいかなとは思いましたが。
なお、シデならもう少し説教臭い気がします。



そういえば随分前にダナより動かしやすいキャラを今後出すかもみたいなこと言ってた気がするけどそのキャラってもう出た?

下一桁なら好感度間違ってない

>>222
おおっと。コンマ下+70ですね。失礼しました。まだ酒が残っているようで。

>>214
ストーリーの進行とコンマ運次第ですが、両手に華ルートや悲恋ルートも用意はしてます。
というか、ジュリアにはさらに重大な設定がありますが、これに気付くのは現状では多分無理です。

>>220
ランダムですね。行動パターンが分かりやすいのでとても書きやすいです。

少し再開します。

#########

私たちはネモの部屋に通された。ミドルが戻るまで、ここで待機ということらしい。

「具合は大分良いようだな」

私はネモを見た。杖こそついているが、顔色は大分いい。

「お陰様でな。ただ、これでも結構無理をしているのだ。……座って構わないか」

私が頷くと、ネモは椅子に腰掛けた。「貴公らも楽にするといい」と薦められたので、ランダムと一緒に向かいの席に座った。

「しっかし、全然喋らなかったな、あのおっさん。何しに出てきたのだか」

「私にも分からん。……ただ、ジュリアン様がああいう状況に置かれているとは……」

ネモの額には冷や汗が滲んでいる。

「奴がどうなっているかは、その分だと知らなかったようだな」

ランダムの問いに、ネモは頷いた。

「全然というわけではない。動くに動けない事情があるらしいとは思っていた。フィオナ様が消えた理由と、関係がある予感もしていたのだが」

「ブランドのことも知らなかったようだな」

「ブランド様は私が生まれた時には、既に帝国の後ろ楯ではなかったからな。ジュリアン様からは『遠くに消えた』とだけ聞いていたが……」

ブランドの発狂は、ネモのような皇族に非常に近い部下にも秘匿情報であったらしい。
どこまでネモが知っているかは分からないが、とりあえず帝国関連の話を聞いてみよう。

1 ブランドとはどういう男だ?
2 ジュリアスはなぜ「針」を刺されていた?
3 ジュリアンを解放するには?

安価下3多数決、考察なしも可

4に「フィオナはなぜ裏切った?」を追加、安価下5に変更します。

上げます。再開は多分昼過ぎですので、それまでに選択をお願いします。

上げます。

「フィオナはなぜ裏切ったと思う?」

私はネモに訊いた。ネモは少し黙り、救護班のシーラという女が注いだ薬湯をすすって言った。

「正直、よくは分からない。が、うっすらと見えてきたことがある。
ブランド様を抑えていたのは、多分ジュリアン様とフィオナ様だ。そして、何らかの理由でフィオナ様はその役目を2年前に放棄した。
その時には、既に我々を見限っていたのだと思う。ジュリアン様がフィオナ様との不仲を嘆いていたからな」

「なるほどな、ちったあ見えてきたぜ」

ランダムは酒を一口飲み、ネモの方を見た。

「おっかしいと思ってたんだよ。だってジュリアンは超がつくレベルのシスコンだったんだぜ?実姉に求婚でもしかねないほどの、だ。フィオナはどうだか知らないが、ジュリアスは奴を溺愛してた。
それが『フィオナを殺せ』と言ってきやがる。『可愛さ余って憎さ百倍』じゃねえが、俺の知るジュリアンはそういうことは言わねえ」

ランダムは一気に3分の1ほど入っていた酒瓶を飲み干した。

「そこに来て『次元牢』ときた。あれを維持しつけるには、相当な魔力が必要だ。少なくとも、一人じゃ無理だ。だからおそらくフィオナの手を借りていたんだろう。
ただ、フィオナはよく言えば拘束を嫌う。悪く言えば、超がつく程の自己中心主義だ。だからいつまで続くか分からないブランドの監視をやめ、逃げたんだろうな。
あわよくば帝国の乗っとりまでできればいいとでも考えたんだろうよ」

「すみません。『次元牢』とは?」

「魔力で対象を拘束する牢屋、みたいなもんか。脱出はまず不可能。ただ、維持コストも膨大だ。『一族』以外で作るのは無理だろうし、一人で維持するとなると……そうか!」

ランダムが何かに気付いたように立ち上がった。

「こいつは厄介だぜ。ジュリアンは死にかけだ。少ししか顔出さなかった理由も、これなら納得がいく。『出さなかった』んじゃねえ、『出せなかった』んだよ」

ネモの表情が変わる。驚愕と不安に満ちた表情だ。

「ジュリアン様が、危ない?」

「そうだ。お前のとこに顔を出さず、ジュリアスを乗っ取る形で出てきたのもそれを裏付けている。元々ブランド封じで一杯一杯だったんだろうが、本格的に魔力が尽きかけているな。
俺らには寿命はないが、魔力、というより体力が尽きたら普通に死ぬ。そして、俺の推測が正しければ……ジュリアンが死んだら、世界は終わりだ」

ランダムが冷や汗をかいている。それほどの事態なのか?

「ブランドは、そこまで危険なのですか」

「ああ。俺もブランド兄が狂ったという話は、噂でしか聞いたことがなかった。ただ、さっきので確定した。
そして、これも噂……いや、コーウィン兄の受け売りだが……『ヘイルポリスの惨劇』は、ブランドによるんじゃねえかって話だ」

※70以上で追加イベント

これ、どうしましょうか。奇数だとぶっちゃけ破綻ルートしかないわけですが。

一応コンマ下で偶奇判定します。

00偶数なので、セーフです。

再開は夜にでも。あの人が来ます。

全盛期ベネ>>>>ブランド>弱体化ベネ≧コーウィン

こんな感じかな?

もし奇数だったらその場でジュリアン死亡でブランド暴走確定で
他の一族と協力でもしないと勝てないのに帝国に攻めてきて00以外即死とかだったのかな

正直破綻ルートも見てみたかった感はある…w
if√とか書く予定あるならお願いします!

2100以降メドに再開。隠密の数珠なんてなかった。

なお、バレバレですがあの人は77、88、99ゾロ目なら登場していました。成功だけなら音声のみ。00偶数なので…

>>245
かなり適切ですが、左はもっと距離が小さいです。つまり、喧嘩売ったら…察して下さい。

>>248
とりあえず、いきなり結構な鬱展開から始まり、色々絶望的なことが起こる感じですね。
そういうの苦手なので、奇数引いたら「そのまま続行」か「ペナルティありでやり直し」で決取るつもりでした。
なお、続行しても打開できる可能性は残してありましたが、運に恵まれないとバッドエンド濃厚だったので心底ほっとしてます。

>>251
破綻ルートは書ききる自信が皆無なので、お蔵入りですね。

再開します。

その時、私の「電話」が鳴った。ランダムはここにいる……まさか。

板の上には「コーウィン」と名前がある。

「私だ。……状況は芳しくないようだな」

「コーウィン!どこにいるんです?」

二人の視線が、一斉に私に集まった。

「第四十二階層だ。野暮用でな……動くに動けなかった。ただ、ここでの用は済んだ。緊急時なのだろう?今から向かう」

ランダムが唖然としている。人前に現れることが少ないコーウィンが、ここに来るのか?
ネモも「コーウィン……??」と呟いたまま動かない。私も含め、皆が固まっていた。

部屋の入り口付近の空間が歪む。……黒い衣服に赤い布を首に巻き、コーウィンが現れた。

「事情はある程度分かっている。ブランドの解放が近い、違うか?」

私は唾を飲み込み、無言で頷いた。コーウィンは表情一つ変えない。

「用件が片付いて良かった。下からの気配が、急激に増していたのを感じたからな。40年前と同じだ。……同じ過ちは、二度繰り返さない」

コーウィンは、ネモを見た。

「ジュリアンの手の者は貴公だな。できるだけ早く、奴の元に向かいたい。……フィオナは不在のようだな」

「あ、ああ。フィオナ様は、我々を見限った。エリックについた」

コーウィンは嫌悪感を顕にし、「チッ」と舌打ちをした。

「ベネディクト相手に団結せねばならぬ時に、あの女狐は愚かにもほどがあるな……。ブランドが解放されたら収拾が付かなくなるのは、分かりきっているだろうが。
……ああ、なるほどな。そういうことか」

ズバァァァァァン!!!

そう言うや否や、コーウィンは壁を殴り付けた。石造りの壁は大きく凹み、周辺に無数のヒビを作った。

「エリックめ、舐めたことをしてくれる。ブランドの復活自体が目的か!収拾などどうやってつけるというのだ!?
まあいい。急ぐぞ。ゲートを開け、今すぐにだ」

話が見えない。それは他の二人も同じのようだ。

「ちょっと待てよコーウィン兄!?いきなり現れておいて何だ?ジュリアンを助けに行くのか?」

「当たり前だ、愚弟よ。『次元牢』を、私たちが作り直すのだ」

「『私たち』って……俺もかあ??」

コーウィンはネモを睨みつける。

「早くしろ。やらぬならば無理矢理にでもやらせるが」

ネモは顔をひきつらせ、何とか言葉を紡いだ。

「ジュリアン様のゲートは、御子のジュリアス様にしか開けない。ジュリアス様なら、上の階にいる」

また舌打ちをし、コーウィンは荒々しくドアを蹴破った。

「ランダム、行くぞ。……貴公も来るか」

1 行く
2 行かない

安価下5多数決、推理強制なし

「ええ、行きます」

「良かろう。世界の真実の一つが、そこにある。……覚悟はいいな」

私はコーウィンの目を見据え、頷いた。

#########

ジュリアスの寝室に入ると、ジュリアスとミドルが談笑しているところだった。突然の闖入者に、楽しげだった二人の表情が固まる。

「コーウィン……さん……?」

「少年よ、君に用はない。そこの少年……いや、娘だな。今すぐジュリアンへのゲートを開け」

ジュリアスは突然のことに言葉を発することができない。ようやく、「貴方は……?」と絞り出すと、コーウィンが早口で言った。

「聞き及んでおろう、王位継承権第四位、コーウィンだ。事は一刻を争う、ゲートを開けと言っている」

コーウィンの周囲から魔力の奔流が感じられる。やらねば実力行使というのは、本気だ。

「父様に、何が……」

「死にかけておるのだ。奴が死んだら、控えめに言って地上は半壊だ。そういう事態が迫っている。……だから開けろ」

有無を言わさぬコーウィンの圧力に負け、ジュリアスは何やら呪文のようなものを唱え始めた。
やがて、目の前に歪んだ空間が現れる。コーウィンは私たちに目配せした。

「僕は、行っちゃダメですか」

ジュリアスが言った。ミドルが心配そうに彼を見る。

「死にたければ来い、命の保証はないが、それでもいいのだな?」

コーウィンが睨む。「脅しではない」と、その目は語っていた。

25以上で成功

31…成功

「……分かりました、ここで待っています」

ジュリアスは、俯いて言った。

「聞き分けがよいと助かる。では、行くぞ」

私たちはジュリアスの作った歪みに消えた。

##########

【第四十八階層】「ジュリアンの間」

歪みの先は、薄暗い部屋のなかだった。先には半透明の、硝子の扉がある。

「セキュリティがやはりかかっているな。だが、もはや無用だ」

コーウィンが扉の前で右手をかざすと、自動的にそれがプシューっという音とともに開いた。

「この先に奴がいるはずだ」

廊下の先に、また同じような扉があった。コーウィンはそれも、同じように開ける。その先には……無数の大きな硝子の板と、その中に見える後ろ手に縛られたボロボロの人影があった。
そして、その前には……机に突っ伏し、口から血を吐いて倒れている痩せぎすの男がいた。

「ジュリアン!起きるのだ痴れ者が!」

コーウィンが一喝すると男は微かに動いた。

「……瀕死だな。シデ、そいつに治療術をかけ、その上でこれを飲ませろ。それで、多少はなんとかなるはずだ。
ランダムは私と一緒に来い。『次元牢』を、再構築する」

「んなのできんのかよ?……しゃあねえなあ」

私は青い液体入りの小瓶を、コーウィンから渡された。
「一族」に治療術は効くのだろうか……?

90-賢さ(16)×5=10以上で成功

33…成功、クリティカル

ここで今日は終了。

シデの治療術やばない?(2回目)

>>278
3回目ですね。サーリャへの99ゾロ目入れるなら4回目でしょうか。
ネモとザッシュ(特にザッシュ)は本来退場済みでしたからね…。
なお、今回やたら判定が甘いのは「一族」の生命力の高さに由来するものです。

再開します。

私は机に突っ伏すジュリアンの顔を見た。茶色い髪は艶を失い、支店は定まらない。体力は限界にあるようだった。
私はジュリアンのシャツのボタンをあけ、背中に手を当て気を送り込む。

すると、白かった顔の血色はすぐにわずかながら赤みを帯びてきた。気の巡りが早い?
普通では考えにくいほどの回復の早さだ。「一族」は、やはり人間とは造りが違うのかもしれない。

「……う、うぅ……」

呻き声を上げながら起き上がろうとするジュリアンに、私はコーウィンから渡された小瓶を飲ませた。
顔をしかめるジュリアンだが、抵抗はない。すぐに飲み干すと、大きなため息を付き椅子にもたれ、そして何かを思い出したかのように跳ね起きた。

「……まずいっ!!『次元牢』の維持に戻らねば……!?」

無数の硝子板の前では、コーウィンが何やらランダムに怒鳴っている。手元にあるよく分からない複数の釦を、物凄い勢いで叩いていた。

「魔力の放出量を500マドルほど増やせ!ブランドが隙間から逃げかねんぞ!?」

「んなこと言われてもなあ!こいつ、魔力の爆弾みてえなもんじゃねえか!!しかも爆発してもしても、限界が見えやしねえ。これ抑えんの、本当にできんのか?」

「魔力容量が貴様より少ないジュリアンで独力でできるのだ、貴様ができない方がおかしい。……次来るぞ!」

板の向こうでは、ブランドとおぼしき人影が、膨大な魔力を無秩序に放っているのが見えた。……まるで魔力の嵐のようだ。
放たれた先は不明だが、別の硝子板が魔力の奔流を受け止める半透明の黄色い壁のようなものを映し出していた。

「……コーウィンに、ランダムだと……!!?何故だ、何故ここにいる?」

「貴方を助けに来たのですよ。ブランドの解放を止めねば、と」

ジュリアンは信じられないものを見るように二人の方を向いた。「どういうことだ……?」と呟いている。

「目覚めたようだな。暫くそこで寝ていろ。……今拘束を二重にする」

コーウィンはさらに釦を押す速度を上げた。すると何かの叫び声を板の向こうの男は上げ、その体にいつの間に現れた無数の縄が絡み付いた。

「これで一先ずは再構築、完了だ。当面は動くまい」

眠気酷いので昼に回します。夜の更新があるかは微妙。

ランダムと会話してたと思ったが半ば意識がない状態でどうにか必要最低限話せてた位に限界だったのか

どうも眠気と酔いは敵ですね。

>>295
だからろくにしゃべらず落ちたとも言います。(ファンブルだったのでそういう展開にしたとも言いますが)

「これで大丈夫なのか?」

ランダムは肩で息をしている。コーウィンも、よく見ると額にうっすらと汗がにじんでいた。

「急場凌ぎだな。多分、長くても一日あれば奴はあれを破るだろう。あとは毎日これの繰り返しだ」

コーウィンですら疲労を覚える作業を毎日?それを一人でやっていたとしたら、心身は磨り減るだろう。
ジュリアンは力なく立ち上がった。ゆっくり二人のところに歩み寄る。

「……どけ。これは僕の仕事だ。お前らの出る幕じゃない」

彼はコーウィンをどかそうとしたが、あっさり弾き返された。

「半死人が出しゃばるな。貴様の安いプライドで、再び地上が焦土になるのは耐えられん」

「……偉そうに。『災厄の日』の時も、どこかに雲隠れしていただけだろう?ブランド兄さんを抱えながら、僕がどんな50年を送ったか分かるか?」

コーウィンは鞘から剣を抜き、ジュリアンに突き付けた。

「知らんな。ただ今はお前の愚痴に付き合っている暇はない。
こちらが訊きたいことは二つだ。ベネディクトとフィオナ、分かるだろう?」

「……そちらの要求は」

「こちら……私とランダム、シデ一行との同盟の完全なる履行。逆にお前が帝国の復興を望むなら、協力してもいい。
……とはいえ、そちらの戦力は見たところあのネモという男ぐらいか。ジュリアスとかいうお前の小娘だけでは、再興は遠かろう」

コーウィンが薄く笑った。

「足元を見たな。だがさっき僕はフィオナ姉さんとブランド兄さんの殺害を、こいつに命じたばかりだ。これもやってもらうぞ」

「いいだろう。まあ、ブランドの殺害なぞ到底できまいがな」

ブランドの殺害?あれをどうやって殺せるというのだ?
狂人と言われているようだが、あれは単に理性をなくしただけのようには見えない。
狂人というより、もっと意思のない何か……天災にも似ている。

「じゃあ質問だ。ベネディクトと接点はあったな」

30以上で成功

88…成功、追加情報あり

「ああ。ネモの副官にゲラードという男がいた。力量ならネモに並ぶほどだった。
アンバライト計画のため、ドラゴンの生息が多い第二十四階層にやらせていた。いわば、撒き餌を撒く役だ。
ドラゴン相手でも、死ぬことはないだろうと踏んだからだが、とんでもない奴がいた。ベネディクトだ」

ジュリアンは椅子に戻り座った。

「僕はジュリアを通して指示を出していたが、『隻腕の白衣の男と、怪音を発する大男に追われている』と聞いて嫌な予感がしたよ。
隻腕で白衣の奴が『穴』をうろつくなんてのは、ベネディクトぐらいしか思い付かなかったからな。
そして、ゲラードは僕らの元に戻ってきたよ。右腕と左脚を斬られ、事切れる寸前でね。ご丁寧に『次はお前だ』とメモまでつけていやがった。
……それで直感したよ。奴は僕を殺す気だと」

誰もがジュリアンの言葉を黙って聞いていた。

ちょい中断。

再開します。

「なら話は早い。ベネディクトは、私たち全員を殺すつもりだ。王位継承の条件、忘れたわけではあるまい」

コーウィンの言葉に、ジュリアンは頷いた。

「地上における支配権の確立か、他の9人の消滅か。その口振りだと、あんたもベネディクトに会ったようだな。……奴は、誰かに僕たちを殺させようとしている、違うか」

「そう、そのためのモンスター製作に、奴はこの数百年躍起になっていたわけだ。地上が混乱した今が動くときと考えたのだろう。
奴は『最高の素体を見つけた』と宣っていた。まだ完成はしていないようだが、そう時間もなさそうだ」

コーウィンは少し間を置いた。

「心当たりはあるか」

「ゲラードを殺したのはベネディクトだろうが、大男も気にはなる。そのものじゃないかもしれないが、倒せば何かしらの手掛かりがあるかもな」

ゲラードという男がいたのは第二十四階層。そこを調査する必要はありそうだ。
コーウィンがちらりと私を見る。私は静かに頷いた。

※大ミッション「第二十四階層を探索せよ」が発生しました。

ジュリアンは見かけ上、この数分間でかなり回復したように見える。
質問はまだできそうだ。

1 フィオナが裏切った理由は?
2 ブランドとはどういう男で、今どのような状況だ?
3 ブランド発狂の理由は知っているか?
4 同盟を組んだがこれからどうする?

安価下5多数決、推理は自由。

5に「コーウィンがジュリアスを娘と言っていたが?」を追加します。

1030頃まで不在にします。

2

攻撃手段とか知りたいなー

上げます。

2と3で決戦投票です。

安価下5多数決

上げます。

2で決定します。

「ブランドとは、どういう男なんだ?ランダムから話は少し聞いたが、今の状況も含めて分からないことが多すぎる」

私はジュリアンに訊いた。

「兄さんは、偉大な人だったよ。誰よりも王に相応しい人だった……。
歴史を知っているなら分かるだろう?建国以来、帝国はほぼ単一の血統で成り立ってきた。仮に皇帝に種がなくても、兄さんがその役割を代わり、皇帝が無能なら、摂政として導いたからだ。
時には大将軍、時には女帝の情夫として陰に陽に帝国を支え、魔候国と教団と対峙してきた。兄さんなしでは帝国は回らなかったと言ってもいい。だから僕やフィオナ姉さんは、安心して裏方に徹したのさ」

どこか懐かしそうにジュリアンは言った。

「ブランドは疑い無く最大の強敵だった。個としても、為政者としても。敵には一切の容赦がなかったから、私と相容れることはなかったがな。
ある意味、一番オルドの血を濃く引く男だった。天才であった、と言ってもいい。
……ここまで変わり果てたとは思わなんだが」

コーウィンは「次元牢」が映る硝子板を見やった。
そこには身体を猛烈にばたつかせる長い髭の男がいる。衣服は千々に千切れ、下着も意味をなさなくなっていた。2メド以上はあると思われる体躯に、黒目だけの瞳が怪しく光る。

「意識はない、それでいいな」

「ああ、もう兄さんは兄さんであって兄さんでない何かだ。ただ周りの全てを破壊しようとする、獣だ」

「コーウィンでも何とかならないのですか」

コーウィンは静かに首を振った。

「あれは元々『一族』でも屈指の実力者だ。狂ったことで能力のリミッター――歯止めがなくなったのが、今の状態だ。無作為に魔力の嵐を撒き散らし、全てを破壊するだけの存在になり果てた。そういうことだ。
私は『一族』によっては殺されないが、ヘイルポリスの惨劇をあと10回起こして地上を滅ぼすぐらいは余裕だろう」

「……では、こうして閉じ込め続けるしかないのですか?正気に戻すことは?」

「正気を取り戻してもらおうとあらゆる手を作ったよ……全てが無駄と気付いたのが2年前だった。そしてフィオナ姉さんは出ていったのさ」

ジュリアンが口惜しそうに言う。

90-賢さ(16)÷2=92以上で成功

99…成功、クリティカル

ここで中断。再開は夜。

うっそだろと作者が驚いてます。どうなるかはお楽しみに。

たんおつ

そういえば深層になるとデッドエンド上等っていってたよね?まさか死ぬたびにペナルティ…?

>>335
特定の場合のみ「デッドエンドでのペナルティなし」と明示します。雰囲気判定で極端な低コンマが出たりした場合などですね。
生還率は低いですが、撃破時の見返りは高いです。

なるほど、ありがとうございます

デッドエンド上等とはいっても慎重にいけば基本死なないってことか

ガキ大将、ベネさんの手下っすか…w

多分2100から再開します。

>>341
ぼえ~♪ですね。
ネタ枠の敵はいくか考えてます。身体がどろどろで灰色の逃げ足が速いあいつとか。ただし、凶悪そのもので出会ったらまず死にますが。

け、経験値は多めに入りますか(震え声)

好戦的なはぐれメタル……DQ2かな?

再開します。

>>346
入りませんが、あれシリーズが手に入ります。

更新前に低コンマ無駄撃ちしとこ…

何かが引っ掛かっていた。エリックやフィオナは、ブランドを解放しようとしている。しかし、コーウィンでも抑えきれない奴を、3人がかりとはいえ封じられる自信があるのだろうか?
地上にいる残り少ない生命を殲滅したとして、その上でブランドが残るなら意味はあるまい。つまり、どこかで止めるだけの手段がある、ということだ。

ではそれは何だ?

……!?

「ジュリアン、確認したい。ブランドは『魔力を嵐のように放ち全てを破壊する』――つまり、無尽蔵の魔力を破壊のために垂れ流す存在になり果てた、これでいいな?」

「間違いない」

怪訝そうにジュリアンが私を見た。

「逆に言えば、魔力が問題だ……ということは、魔力が一切通じない相手をぶつければいい」

ランダムが「あ、あああ!?」と何かに気付いたように叫んだ。

「そういやそういう奴にシデたちは会ってるぞ!?ネモが言ってたな、『ザッシュには魔法が効かない』と!
……ま、まさか……!!」

「そうだ、おそらく切り札はあいつだ。だからフィオナは奴を拐った。計画に必要だったからだ」

シデがエリック陣営の計画見破っちゃうルートだった訳ね

ブランドって今のベネディクトより強いっぽいし抑止力として使えそうな気もするけどどうなんだか

おそらくコーウィンの口振りからして、エリックもケインもブランドは抑えられない。もしできるなら、ここにいる私以外の3人で何とかできるはずだ。
とすれば、既にブランドを止める手段がないとおかしい。……私には、ザッシュ以外の選択肢が考え付かなかった。

「……そんな男がいるのか。そいつはどこに」

「私が瀕死に追い込んだところを、フィオナが拐いました。どこにいるかは分かりません……が、生きているのは確かです」

コーウィンが私を驚きの目で見た。ジュリアンがそれに続く。

「確かにザッシュならば可能だ。だが、奴が死んだら計画は水の泡だ。それはどう考える?」

「……多分、ザッシュのような存在を何人か囲っているのだろう。そいつらの戦闘力がどの程度か知らないが、足りなければ『針』でも刺しておけばいい。
ある程度身動きを縛りつつ、魔力が通じない人間か魔族の部隊で一気に物理的に襲えば。ブランドは殺せるのじゃないか」

私の読みが正しいかは分からない。しかし、3人の一族は黙って聞いていた。

ピリリリリリ

その時、私の懐から何かが鳴った。私の「電話」ではない。……ザッシュから奪っていた「電話」だ。

「誰だっ」

『あらあら、敵対的ねえ。せっかく話を聞こうと思っていたのに、切っちゃおうかしら』

「フィオナか!?」

3人の「一族」が一斉にこちらを向いた。

急展開がすごい(小並感)

敵を操る道具といい狂わなければ完璧だった指揮官といい一時は地上制覇に近づいた帝国自体の強さといい魔翌力が効かない人間といいブランド陣営のバリエーションはすごいな
しかしコーウィンは何故ブランド陣営と対峙を?
見ていくと勝ち目がないように見えるがまだ奥の手が…?

「姉さんだと!?」

ジュリアンが絶叫した。

『あら、その声はジュリアンじゃない。そろそろ死ぬかと思ったら、元気そうじゃない』

「ふざけるな!姉さんのせいで全て台無しだ!帝国の復興だけじゃない、兄さんまで解き放ってどうするんだ!!」

『それが何かまずい?あたしはもう疲れたのよ、帝国も、兄さんの面倒も』

フィオナが苛立った声を上げた。

「すまないが静かにしてくれ。……あんたの考えは読めてるよ。ブランドを解放し、魔力の効かないザッシュを使って殺す。地上を一通り荒らさせた上でな」

『……何者よあんた。多分、あの場にいた翼人でしょうけど、首突っ込む資格はないわよ』

底冷えのするような低い声でフィオナが言う。……コーウィンが「貸せ」と私に「電話」を要求した。

「生憎だが、資格ならある。私の手のものだからな」

『……コーウィン兄さん!!?貴方までいるというの?』

フィオナが驚愕した。

「ランダムもいるぞ。帝国と私は同盟を結んだ。人数だけなら、そちらと五分だが?
……少し話がある。まず、ベネディクトのことだ」

『ベネディクト?そういやランダムが何か言ってたわね。あれはどういうこと?』

「なら話は早い。ベネディクトは、自作の魔物を使って我々全員を消す気だ。ジュリアンの手勢も、そこにいるシデも襲われた。私もベネディクトに会った。疑い無く、本気だ。
そして奴は切り札を持っている。分かるだろう?ベネディクトが本気で動き出した意味を」

フィオナは黙った。……長い沈黙の後、彼女は口を開いた。

『あんたらと組めって?それこそ悪い冗談ね。そもそも、裏切ったあたしをそこの坊やが許すとでも?』

「当たり前だろう!!姉さんがいない2年、どれだけ大変だったか!?挙げ句にエリックと結ぶとか、あんたも狂ったんじゃないのか??」

90-賢さ(16)×4=26以上で成功

コンマ神と和解せよ
ンン
マ マ
神  神
と   と
和    和
解     解
せ      せ
よ       よ

数珠「はたらきたくないでござる」

44…成功、クリティカル

「いや、多分……フィオナは正気だ」

私はそう言うと、コーウィンに「電話」を戻すよう言った。
コーウィンは眉を潜めたが、私は「大丈夫です、多分説得できます」とささやいた。

ブランドは、ジュリアンとフィオナにとって重い存在のはずだ。とすれば、フィオナがブランドを解放しようとする意味は、これしかない。

「フィオナ。貴女の目的は……ブランドを殺し、狂気から解放すること。エリックと組んだのは、そのための手段でしかない。
……深くブランドを愛しているから、狂気で変わり果てた彼に耐えられなくなった。そこにエリックが目をつけた……違うか?」

フィオナが再び黙り込んだ。ジュリアンも「まさか」と言ったっきり私を見ている。

『……だから、何だって、言うのよ』

フィオナがかすれるような声で言った。泣いている?
……「一族」も泣くのだな、と私はふと思った。

「元々はザッシュはエリック配下だったはずだ。何かでザッシュの存在を知った貴女は、彼を使ってブランドを殺すことを思い付いた。あるいは、エリックの発案かも知れないが。
どっちにせよ、ブランドを生の苦しみから解放させたがっていた貴女は、エリックと結ぶことを選んだ。帝国より、ブランドの方を選んだというわけだ」

「姉さん……そうなのか!?」

ジュリアンが叫んだ。

『……そうよ。大体その翼人の言う通り。……大したものね、コーウィンが目をかけるわけ、よおく分かったわ』

フィオナがははっと笑った。

ここで中断。

なんかすんげーゾロ目出てるけど>>1的に想定してる範囲なん…?

>>360
基本教団は帝国に対して劣勢でした。
ただ、潰しきれない理由もちゃんとあります。それは近々分かるでしょう。

>>374
いえ、全く。間に大ミッション何回も挟んで、vsエリックがそれなりに煮詰まってからここに辿り着くはずでした。
多分3スレぐらいショートカットしてます。

>>357
いい指摘です。詳しく言えませんが、そのルートは可能性が低くなったとはいえ生きてます。
ただ、ここにきてザッシュ生存が恐ろしく効いてきました。ついでにザッシュ奪還も。00奇数とは何だったのか。

完全にどの陣営も五分だった訳じゃなかったわけね




どうでもいいけど
「ランダム『も』いるぞ」
末弟とはいえランダムさん…

せめてコーウィンが電話してる後ろでギャグキャラっぽく早口で「ランダムもいるぞ!」って付け足してたら面白かったんだろうか
…駄目だ脳内でキャラ崩壊する…

そういやランダムさんもプライベートルームもってんのかな。酒蔵と化してそうだが

でも魔侯国というかザッシュと協力となったらまたミドルの問題が出てくるよね
あと、大ミッションが省略されたのはクリアできるかはともかく成長の機会が減ったといことなの?

ジュリアちゃんがミドルを抑える存在になってくれると俺は信じる

少しだけきりのいいところまで行きます。

>>379
ランダムは「超絶強い人類」ぐらいでしかないので…。タイマンならフィオナやジュリアンに勝てますが、彼らのような特殊能力がないので、舐められるのは致し方ないと言えます。

>>380
大体その通りです。本編に出るかは謎ですが、多分出すとしても番外編ですね。

>>381
そこを考えて安価を選択する形ですね。ストッパーはできましたが、いつでもいるわけじゃないですし。
なお、ご指摘通り成長機会は減ってます。その代わり…

エンディングがだいぶ近づいてきてる感じある

っというかまだアングヴィラを出てモリブスに行くとかいう序盤の山場位だったはずなのに、どうしてこうなった

「で、どうするんだ?おそらく貴女は、ブランドさえ殺せればエリックの狙いなんてどうでもいいと考えているはずだ。
ジュリアンもエリックを殺してほしいと依頼してきた。……狙いが同じなら、組めるんじゃないか」

『……あからさまには組めないわ。エリックには、本当の意図は悟られたくない。奴等の狙いは地上の生命の更なる殲滅。
あたしにとってそんなのはどうでもいいのだけど、奴等にとってはブランド兄さんの殺害は手段であって目的じゃない。だから出来るだけ、ばれずに動きたい。
……それに、ザッシュの回復にはかなりかかるでしょうね。残りの『反魔法部隊』も、まだ掌中には落ちてない。だから、当面は別行動した方がいいわねえ』

それももっともだ。ただ、フィオナの裏切りという懸案は解消されそうでもある。

「まあ、『次元牢』の監視と維持はこちらでやるべきだろうな。私もやることはあるが、出来る範囲で手伝おう。
……無論、ランダム。貴様も動くのだ」

「ええーっ、俺は酒飲みてえだよ……ああはいはい、やりゃいいんだろ」

コーウィンに一睨みされ、ランダムはやれやれと言うかのように肩をすくめた。

「姉さん……ごめん」

『あたしにとって間接的に殺されかかったのに、よく言えるわねえ。感心するわ本当』

かつてジュリアンはフィオナを溺愛していたのだという。それがこの甘さに繋がっているのだろうか。

「それでザッシュはどこだ?」

01~30 モリブスにいる
31~60 テルモンにいる
61~99 第二十二階層のアジトにいる

『ザッシュならテルモンよ。あたしもそこにいる。当面は動けないでしょうけど。
まあ、あんたたちはモリブスでしょうから、どっちにしても当面は会わないわねえ。ま、ジュリアンも元気そうだししばらくは時間稼ぎできるでしょうよ』

「モリブスには魔候国の一派がいると聞いた。エリックが噛んでいる、間違いないな」

『まあそんなとこね。気を付けなさいよ、あいつはあたしと違って甘くはないわ。そもそも、あいつがモリブスで何をしようとしているか、厳密には知らない。慎重に動くことね。
……じゃあ、皆さんごきげんよう』

フィオナと繋がっていた電話は切れた。

ここまで。多分明日までに長かった帝国会談編が終わります。

>>388
えっと、まだまだ遠いです。
vsエリックがありますし、それに…

>>389
vsザッシュで中盤の始まりぐらいだったんですが。大会議ルート的には半分越えた印象です。大体コンマ神のお陰ですねえ。

本人が出てくる前に推理だけで淡々と野望を見破っていっちゃうせいでイマイチ盛り上がりに欠けるな……乙です

>>395
それを言われると辛いところです。
とはいえコンマ的にそうならざるを得なかった点、御容赦下さい。さすがにゾロ目ラッシュは想定外です。

390修正。眠気で一部変なとこがありましたので。

#######

「で、どうするんだ?おそらく貴女は、ブランドさえ殺せればエリックの狙いなんてどうでもいいと考えているはずだ。
ジュリアンもエリックを殺してほしいと依頼してきた。……狙いが同じなら、組めるんじゃないか」

『……あからさまには組めないわ。エリックには、本当の意図は悟られたくない。奴等の狙いは地上の生命の更なる殲滅。
あたしにとってそんなのはどうでもいいのだけど、奴等にとってはブランド兄さんの殺害は手段であって目的じゃない。だから出来るだけ、ばれずに動きたい。
……それに、ザッシュの回復にはかなりかかるでしょうね。残りの『反魔法部隊』も、まだ掌中には落ちてない。だから、当面は別行動した方がいいわねえ』

それももっともだ。ただ、フィオナの裏切りという懸案は解消されそうでもある。

「まあ、『次元牢』の監視と維持はこちらでやるべきだろうな。私もやることはあるが、出来る範囲で手伝おう。
……無論、ランダム。貴様も動くのだ」

「ええーっ、俺は酒飲みてえだよ……ああはいはい、やりゃいいんだろ」

コーウィンに一睨みされ、ランダムはやれやれと言うかのように肩をすくめた。

「姉さん……ごめん」

『あたしに間接的に殺されかかったのに、よく言えるわねえ。感心するわ本当』

かつてジュリアンはフィオナを溺愛していたのだという。それがこの甘さに繋がっているのだろうか。

「それでザッシュはどこだ?」

ジュリアンもエリックを殺してほしい?ブランドの間違いかな?こっちが間違ってたらすまんです

>>398
うわあああ、やらかしてますね。完全にミスです。
エリック→ブランドです。眠気は最大の敵ですね…猛省。

そろそろ再開します。

なお、ガチャは達成済です。

「とりあえず、これでフィオナの真意は知れたわけだな。狙いも分かったが、それでもフィオナを殺すつもりか」

ジュリアンは力なく首を振った。

「姉さんの考えは分かったよ。僕らがここで封じ込めていても、兄さんの苦しみは長引くだけだ。でも一言ぐらい言ってもいいじゃないか」

「……多分あいつ、自分一人だけ悪女になっておこうとでも思ったんじゃねえか?まあ、お前がくたばりかけたのが誤算だったかは分からねえが」

ランダムは硝子板の向こうのブランドを眺めながら言った。

「とにかく、ブランドは当面脅威ではない。いつかは排除しなければならないが、態勢が整うまではこちらで対応すればいい。……問題は、ベネディクト、そしてエリックだ」

コーウィンの言葉に私は頷いた。

「第二十四階層に、ベネディクトの拠点の一つがありそうですね。これは潰さないといけない。
……分からないのはエリックです。フィオナがある程度協力してくれるかもとはいえ、陣容は不明のままです。
そして、ブランドを抹殺するにはザッシュを再び奪還しないといけません」

「そうだ。差し当たりエリック陣営がいるモリブスで情報を集めるより他あるまい。貴公らがテルモンに行くのは、それからでも遅くないだろう。
我々は交代でブランドを封じよう。2人がかりなら、消耗も少ないはずだ」

70以上で追加イベント

※あと大ミッション「フィオナを殺せ!」は消滅しました。

※追加イベントなし

コーウィンは私を見た。

「差し当たり、最初は私とジュリアンがここに残ろう。ランダムは1週間後にここに来い。プレーンウォークをすれば、問題なく来れるはずだ」

「あー、へいへい。まあ、やるっきゃねえわな」

ランダムは少しだけ肩を落として言った。

とりあえず、一段落とは言えそうだが、聞き忘れたことはないか?

1 特にない
2 ブランドが狂った理由
3 エリックについて
4 何かくれ

安価下3多数決で、推理ありでお願いします。

「ブランドが狂った理由は知っているか?」

ジュリアンは首を振って答えた。

「分からない。ただ、50年前から少しずつ狂っていった気がする。突然暴れたり、苦しみ出したり。徐々に正気を失い……決定的になったのが40年前だ。
ヘイルポリスで何があったかは知らない。ただ、駆け付けた時にはドラゴンの業火の中で高笑いする兄さんがいた。全てが焼き尽くされた後、気を失った兄さんを僕とフィオナ姉さんが何とか封じ込めた」

「……災厄の日には、ブランドはあそこにいたのか?」

「間違いない。『次元牢』はそう簡単に脱出はできないからね」

ジュリアンの言葉に嘘はなさそうだ。ただ、何らかの関係があっても不思議ではない。

90以上で追加イベント

※追加イベントなし

発狂に至るまでは、身内のジュリアンですら知らないようだ。フィオナなら知っているのだろうか?

「……そろそろシデは帰るといい。ここから先は、我々の領域だ」

コーウィンが右手で円を描くと、空間に歪みができた。ここから元に戻れるらしい。

「俺はちっとここに残るわ。まあ、この分ならまたすぐ会うような気がするがな。じゃあな」

※50以上で追加イベント

※ゾロ目か80以上でもう一つ追加イベントです。書き忘れました。

※追加イベントなし

#########

「大丈夫でしたか??」

ジュリアスの部屋に戻ると、ミドルが心配そうに聞いてきた。ジュリアスも不安げな表情を見せている。

「ああ。色々伝えねばならないことがある。ネモを呼んできてくれ」

ミドルは「分かりました」と言うと、下の階に向けて走り出した。

「父様は、無事ですか」

「危なかったが、何とかなりましたよ。ただ、しばらくは姿を現せないようですが。これまでよりは、出てくれるでしょう」

「良かった」と彼が安堵したように笑った。やがて、ネモが杖をつきながらミドルと現れた。

「どうした?……コーウィン殿とランダム殿の姿が見えないが」

「二人ともジュリアンの所に残っている。事態が大きく変わった。……安心しろ、いい方向だ」

##########

私は一部始終を3人に話した。フィオナの裏切りの真相とその狙い。そして、ザッシュがブランドに対する切り札であることも。驚きで皆、押し黙って聞いていた。
逆に、ミドルからもジュリアス――ジュリアの話を聞いた。コーウィンが「娘」と言っていたのが引っ掛かり訊いたのだが、これにはさすがに仰天した。

「それで、これからどうする?一先ず、お前たちの危機も去ったとは言えそうだが」

「再興はもちろん目指す。が、それまではお前たちに協力するしかなかろうな。色々借りもできた」

ネモはふうと大きな溜め息をついた。

「だが、いつまでここにいるつもりだ?フィオナが襲う懸念はないが、ザッシュは分からんぞ」

01~25 いや、ここに残る
26~50 テルモン近郊に廃村がある。そこに潜もう
51~75 モリブス近郊に廃村がある。そこに潜もう
76~99 時期を見てアングヴィラに行こう。身分は隠さないといけないが…

ここまで。再開は夜。

51~と76~を入れ間違えた気がしますが、まあいいでしょう。
(アングヴィラだとネモは指名手配犯で身動きが取れない&身バレリスクが大きいわけです。ただ、安全なのは安全)

そういえば結局理由不明だけど一方的な警官殺しに捕虜殺しだから見つかったら即アウトだったなネモ

>>439
キャラが定まってなかった…というメタな理由はさておき、嫁さんをザッシュに殺されて、かなり精神状態がアレだったのはあります。
一度補完の外伝をやりたいですが、気力と時間次第でしょうか。

では、そろそろ再開します。

「モリブス近郊に廃村がある。元々帝国の前線基地でもあった所だ。身を隠すには問題のない場所だ」

「途中まで一緒に……とはいかんだろうな。マリアにとって帝国は仇でしかないからな。あと、モネーラはどうする」

ネモが思案している。私はどうすべきと考えているのだろう。

1 帝国所属のままにしておく
2 こちらで引き取り村に戻す
3 こちらで引き取り領事府に預ける

安価下3多数決、推理強制なし

「私はネモたちに預けたいと考えているのだが。村に戻しても、おそらくは売られた身だ。帰るところはないだろう」

「同感だな。彼らを拐ったのはザッシュであり我々ではない。身柄の保護の意味でも、そうするのがいいだろう。
ようやくモネーラもクシャナに慣れてきたところだしな。近い年代の子がいるのは、閣下の情緒にもいいだろう」

ネモは頷くと、ジュリアを見やった。

「そうなると、こちらで預かっている少年――リネールもそちらだな。私が戻った際に引き取ってもらうとしよう。
確かモネーラとは恋仲だったらしいから、言えば応じると思う」

ジュリアがちらちらとミドルを見ているのに気付いた。余程気に入られたのだろうか。
それにネモも気付いたのか、「モリブスに行けば、再会の機会もございましょう」と彼女に話した。

「そうだな、楽しみにしているよ」

「僕も。また会おうね」

二人は笑顔で握手を交わした。ネモが私に小声で言う。

「どういうことだ?閣下があそこまで心を開くとは」

「私にも分からん。ただ、ジュリアは両性具有と言っても大分女性寄りな気はする。私も初対面では女性と思ったからな」

ネモが小さく溜め息をついた。

「閣下は生まれた時は皇女として扱われていたからな。災厄の日に行方不明になり、1年後にジュリアン様が連れられてこられた時は男の服装をされていたが。
帝国再興には男性として、皇太子として扱われるのが妥当と思ったし、そう育てても来たが……あの方の本質は、やはり女性なのだろうか」

ネモの亡き妻、ジュディはジュリアの世話を長く続けていたと聞く。おそらくはネモもそうだったのだろう。
親代わりとして、どちらの性で育てるかには苦労があったのかもしれない。

「おお、そうだ!褒美を取らせねば。父様をお救いいただいた上に、フィオナ様の件も解決なされたと聞く。僕からの感謝の印だ、是非使ってくれ」

「少し待っていてくれ」と言って、ジュリアは部屋を出た。しばらくすると……

01~25 手に剣を握って彼女は現れた。
26~50 手に冠を持って彼女は現れた。
51~75 手に畳んだ服を持って彼女は現れた。
76~99 手に小さな箱を持って彼女は現れた。

手に冠を持って彼女は現れた。

※冠のランクを決めます。

01~75 3000マドル相当
76~95 4000マドル相当
95~98 5000マドル相当
99、00 神器(10000マドル相当)

「これは『ヌメノールの宝冠』という。帝国皇族に伝わる品だ。使われず埃を被ったままより、実戦で使われる方がこの冠も本望だろう。大切に使ってやってくれ」

手渡されたのは、冠というより頭全体を守る器具のようだ。魔力が十分に込められた逸品であるのが、私にも分かる。ジュリアン製なのだろうか。

「ありがたく頂戴します」

私は最敬礼して、ミドルとともにこの場を辞することにした。

※「ヌメノールの宝冠」
知力、賢さ、魅力+2、コンマ判定全て10のプラス修正、知力か賢さを使った攻撃に+10のダメージ修正、全ダメージに-10修正

#########

ソールとともにイスパファンに着くと、夜もすっかり更けていた。宿は一つだけらしく、訪ねるとダナが入り口に待ち構えていた。

「遅かったじゃないか!心配したんだよ?」

彼女は心底嬉しそうな顔で出迎えてきた。随分長く向こうにいたから、さぞかし何かあったと不安にさせたことだろう。

「済まなかった。その代わり、色々進展もあった、とだけ言っておくよ」

#########

私は全員を集め、向こうであったことを話した。
あまりの展開に経験豊かなジェイクとリリアすら目が点になっていたが、事態が大きく変わったのは理解してもらえたようだ。

「とにかく、帝国は全面的に協力するとのことだ。フィオナも、敵対関係にはなくなった。……ザッシュがどうかは知らないが。
問題はエリック陣営だな。おそらく魔族を中心とした反領事府勢力なのだろうが、全貌が掴めない。
あと、後々ブランドを倒さねばならないが、厄介なのはそれにザッシュらエリック側の人材が要ることだ」

75以上で追加イベント

※追加イベントなし

「モリブスの反領事府勢力の裏に誰がいるかは分かってないんです。ただの没落魔族ではないとは踏んでますが、まだ合法的な反発に留まっているので、あまり打つ手がないのが現状ですね」

ジェイクが眉を潜めて言った。

「とにかく、モリブスに着いたら色々調べることがありそうだな。……マリアはどうする?」

既にリネールはソールに連れられてジュリアとネモの元に行った。モネーラがいると聞くと素直に従った。
ただ、マリアは帝国にはやれない。当たり前ではあったが。

「私は、モリブスで生きていくわ。差し当たり、領事府で何かできることがないか聞いてみる」

マリアはちらりとリリアを見た。「仕事があるかもね、と言っただけよ」と目をそらしながら言うリリアを、ジェイクが可笑しそうに見ていた。

#########

「明日だねえ、モリブスに着くの。……色々あったけど、長かったなあ」

ダナが感慨深げに言った。部屋はパーティ別で、マリアはジェイクたちの部屋だ。

「ライラちゃんは、師匠のとこに行くんでしょ?」

「うん、そうだよー。シデさんとダナちゃん、そしてミドル君も紹介したいし。まずはそこかなあ」

「『影のジャック』か。何か知っていることがあるかもしれないな。……師匠に会ったら、パーティを抜けるのか?」

ライラは、はははと笑った。

「今のところ、そのつもりはないかなあ。旅をするのは楽しいし、たまにスゴいお酒も飲めるし。……でも、師匠次第だねえ」

「そう言えば、師匠の『影のジャック』ってどんな人物なんだ?考えてみれば、ほとんど聞いたことがない」

ライラがうーんと唸った。

「見た目は若いよ。中身は煙草ばかり吸ってるおじさんだけどね。ちょっと偏屈だけど、いい人だよー……多分」

「父さんと一緒に会った時も、何やら言い争ってたっけなあ。その後酒盛りになってたけど、ちょっと怖いかも」

なかなか癖のある男ではあるようだ。協力してもらうにせよ、それなりに苦労が必要になるかもしれない。

「そう言えば、これだけ残していっちゃいましたね」

ミドルはリネールの服とシャムシールと呼ばれた曲刀を見た。ザッシュの装備一式は「帝国の所有物なので」とソールが引き取っていったが、リネールのはフィオナ側のものだったのか持っていかなかったのだ。

「これ、使っちゃって良さそうだよね。服は大きさ的にシデは着れそうもないけど」

ダナが鑑定計を取り出した。服に針を当てると……

01~70 750マドル相当だ
71~95 1000マドル相当だ
96~98 2000マドル相当だ
99、00 針が振り切れた

すみません、寝落ちしてました。

コンマは下で。

針は750マドルを指した。

「さすがにただの服じゃなかったねえ。ミドル君の攻撃もそこまで効いてなかったみたいだし」

ライラが言った。

「でも、細かい鑑定は向こうに着いてからだね。じゃあ今度はこれかな」

ダナはシャムシールを持ち出した。魔族特有の剣であるらしいが……

01~40 750マドル相当だ
41~70 1000マドル相当だ
71~90 1500マドル相当だ
91~95 2000マドル相当だ
96~00 針が振り切れた

マリア護衛は達成できそうだし成長機会か

シデの筋力上げんとな。指輪は後々返すからその前に上げとかないとダメージ倍率下がってしまう

中途半端ですが、再開は夜予定です。
多分成長判定が中心。

>>467
そこは実は難しい判断になりますね。ザッシュまだ生きてますから。

少し時間ができたので更新。

「これも相応の品だな。ダナ、使えそうか?」

「うーん、曲刀使ったことないから、性能次第かなあ」

ダナは思案顔だ。

「とにかく、装備品の選択が増えるのは悪いことではないな。帝国からもらった宝冠もある」

「そうそう、それ。相当なものみたいだけど、誰が持つのがいいかな」

1 シデ
2 ダナ
3 ミドル
4 ライラ

安価下3多数決

「私はミドルでいいと思う。力の底上げにもなるし、皇太子にも気に入られたようだしな」

少しからかい気味に笑うと、ミドルの頬が少し赤くなった。ライラはそれを不審そうに見ている。
ジュリアの身体のことは、ダナとライラに言っていない。こういうことはペラペラと言いふらすものではないと思ったからだ。

「ふうん、まあいいけど。でも、確かにこれはすごいねー。見た目はちょっと変わってるけど。宝冠というより、少し変わったヘアバンドみたい」

冠は頭をすっぽり覆うものではなく、昔見た遺物の「ヘッドギア」のような形状をしている。元々儀式用ではなく、実戦用であったのかもしれない。

「ありがとうございます!ジュリアも喜ぶと思いますし」

素直に喜ぶミドルの後ろで、ライラはぽつりと「聞き間違えかな……?」とこぼした。

###########

翌日の旅路は平穏そのものだった。昼頃にモリブスに着くと、複雑なスパイスの香りが私たちを取り囲んだ。

「ここがモリブスかあ。初めて来たよ」

ダナは好奇心を隠さずきょろきょろ辺りを見渡している。人通りも多い。アングヴィラとは、さすがに比較にならない。

「では、僕たちは一旦お別れですね。領事府で、また会いましょう」

「私もジェイクさんたちについていくわ。一週間、どうもありがとう。一生忘れないわ……じゃあ、またね」

マリアも微笑んで手を振った。領事府預かりなら、また会うこともあるだろう。

※大ミッション「マリアをモリブスまで護衛しろ!」が達成されました。

成長判定行きます。シデからやります。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

HP 94+15→109+15(124)

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 3ポイント
34~66 4ポイント
67~99 5ポイント

コンマ下

5ポイントの上昇です。

さて、5ポイントのうち2ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(賢さと耐久力、魅力は2ポイント必要)

安価下

筋力かしら

>>483
両方とも筋力でいいですか?

筋力 7+2→9+2(11)

あとはランダムになります。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ(2p)
65~80 耐久力(2p)
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

ゾロ目なので自由割り振りです。

安価下

知力 9→10

2回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ(2p)
65~80 耐久力(2p)
81~96 魅力(2p)
97~00、ゾロ目 自由割り振り

自由割り振りです。安価下

賢さ 16→17

以上です。

シデ

HP 109+15(124)
筋力 9+3(12)
知力 10
器用さ 4+6(10)
賢さ 17
耐久力 10+2(12)
魅力 11+4(15)

ダナです。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

HP 159→183

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 3ポイント
34~66 4ポイント
67~99 5ポイント

コンマ下

5ポイントの上昇です。

さて、5ポイントのうち2ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(賢さと耐久力以外は2p必要)

安価下

賢さですかね

>>503
賢さ全振りでいいですか?

じゃあ1ポイントだけで

>>505
では、自動的に残りは耐久力にします。

賢さ 8→9
耐久力 8+1→9+1(10)

あとはランダムになります。

1回目

01~16 筋力(2p)
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ(2p)
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

器用さ 12→13

2回目

01~16 筋力(2p)
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ(2p)
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

器用さ 13→14

残り1pですが、次のミッション達成時に回すこともできます。
どうしますか?

安価下

と、ここまで書いてミス発覚。シデの賢さは3p必要でした。ダナの判定を終えた後で再安価します。

好感度上昇
コンマ下一桁

ダナ

HP 183
筋力 11+2
知力 11
器用さ 14
賢さ 9
耐久力 10+1(11)
魅力 12
好感度 155

※追加イベントが後程発生します。

シデの自由割り振りをやり直します。賢さ以外でお願いします。

器用さ 4→5

残り1pですが、次のミッション達成時に回すこともできます。
どうしますか?

安価下

シデ

HP 109+15(124)
筋力 9+3(12)
知力 10
器用さ 5+6(11)
賢さ 16
耐久力 10+2(12)
魅力 11+4(15)

ミドル以降は後程。

少し再開。

ミドル行きます。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

HP 78+30→96+30(126)

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 5ポイント
34~66 6ポイント
67~99 7ポイント

コンマ下

6ポイントの上昇です。

さて、6ポイントのうち2ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(知力は2ポイント必要)

安価下

残りの1pの指定お願いします。

器用さ 5+2→6+2(8)
賢さ 7→8

あとはランダムになります。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

耐久力 6+2→7+2(9)

2回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

器用さ 6+2→7+2(9)

3回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ(2p)
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

耐久力 7+2→8+2(10)

4回目

01~16 筋力
17~32 振り直し
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

筋力 7+2→8+2(10)

好感度上昇
コンマ下一桁

ミドル

HP 96+30(126)
筋力 8+2(10)
知力 12+4(16)
器用さ 7+2(9)
賢さ 8++2(10)
耐久力 8+2(10)
魅力 5+4(9)
好感度 64

ライラです。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

HP 116→121

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 3ポイント
34~66 4ポイント
67~99 5ポイント

コンマ下

4ポイントの上昇です。

さて、4ポイントのうち2ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(知力は2ポイント必要)

安価下

知力 13+2→14+2(16)

あとはランダムです。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

耐久力 8+4→9+4(13)

2回目

01~16 筋力
17~32 振り直し
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

魅力 7+1→8+1(9)

好感度上昇
コンマ下一桁

ライラ

HP 121
筋力 4
知力 14+2(16)
器用さ 6
賢さ 7
耐久力 9+4(13)
魅力 8+1(9)
好感度 85

以上です。

再開します。

########

「で、これからどうしよう?いくつか用事はあるけど」

ダナが街並みを眺めながら言った。魔候国の影響が大きいのか、褐色の肌の人が多い。純血の魔族は少ないが、血が一部入った人は多いのだ。
スパイスが効いた料理も名物という。辛いので好き嫌いは別れるが、司教と来たときに食べた「カリー」は絶品だったという記憶はある。あの店はまだあるだろうか。

「『影のジャック』の所に行くのはもちろんだが、サーリャに仇の話をするのもあるな。まだザッシュは生きているから微妙だが……。
領事府への挨拶もあるし、エリック関連の情報収集もしなければならない。個人的にはここいるらしいブレイズにも会いたいが、まあ優先順位を決めないとな」

日はまだ高い。どこに行くか?

1 影のジャックに会いに行く
2 サーリャの家に行く
3 エリック関連の情報収集をする
4 ブレイズに会いに行く
5 領事府に行く
6 鑑定屋に行く

安価下5多数決、推理なし可

「やはり『影のジャック』に会いに行くべきだな。ライラも会いたいだろう」

「そうだねー。お師匠、家大丈夫かなー」

「大丈夫……ってどういう意味です?」

ミドルが不安そうに訊くと、ライラが苦笑した。

「お師匠、整理整頓できない人でねえ。家がゴミ屋敷になってるのよー。で、お酒も煙草も大好きだから酒瓶と吸いカスが床に転がってるという……容易に想像できちゃうなー」

この弟子にしてこの師あり、なのだろうか。

#########

家は街外れらしく、少し歩いた。すると……

01~80 汚ならしい屋敷が見えた。
81~99 意外と清潔な屋敷が見えた。

そこには汚ならしい屋敷が見えた。

「あちゃあ、やっぱやってるかー。こりゃまず掃除からかな」

ライラは頭に手をやり首を振った。近付くにつれ、汚れはさらに目立ってきた。不思議なのは、臭いがないことだ。ゴミ屋敷というからそれは覚悟したのだが、なぜだろう?

「ああ、それはお師匠が臭いだけを闇魔法で吸いとってるからね。生命力だけじゃなく、極めればこんなこともできるらしいよ」

ライラが私の疑問を察したのか言う。随分無精な男だな、と私は感じた。
実際に入口は開けっぱなしで、警戒している風情もない。

「大丈夫なの、ここ」

ダナまで一抹の不安を感じ始めたようだ。ライラは「へーきへーき」と能天気極まりない。
やがて入口の門に着くと、ライラが大声で叫んだ。

「おししょお、戻りましたよお!」

20以上でイベントなし

22…イベントなし、代わりに別のイベント発生

「……何が呑気に『戻りましたよお』だ、このアホ弟子。緊張感はないのか」

背後から声がする。そこには不機嫌そうな褐色の肌の男が、煙草をくわえていた。小柄で、耳は尖っている。見た目は若々しいが、おそらくこの男が……

「お師匠!?いつの間に??」

「常に気を張っておけと言ったはずだが?……こいつらがお前の仲間か」

ジャックが私たちを舐めるように見た。

「……ほう?なかなか……興味深いな。というか、そこの二人。翼人と髪の短い女だ、会ったことがないか」

「……ええっ?ボクのこと、覚えてるんですか??」

「私も驚きました。凄いですね」

フフンと鼻を鳴らしてジャックが言った。

「私を舐めるなよ。シドの息子にダリオの娘だろう。私は一度見た顔は忘れないし、ましてやその二人だ。忘れたくても忘れられんわ」

そこまで互いの父と繋がりがあったのか。よく考えると、父のことは教団の高位にいたという程度で、あまり詳しく知らない。ジャックという男に、俄然興味が湧いてきた。

80以上で追加イベント

※追加イベントなし

「その分だときっちりガチャは倒してきたようだな。中に入れ、話がある」

ジャックは家に入った。廊下は書類と酒瓶、その他のゴミで足の踏み場もない。

「お師匠ぉ、掃除したほうがいいんじゃないですか?」

「しばらく会わんうちに忘れたかアホ弟子。私はこの状態でどこに何があるか全て記憶しているのだ。片付けたら逆に混乱するわ」

ジャックがライラを睨んだ。しばらくすると、「客間だ」と一室に私たちは通された。

「……あれ?意外ときれいですね」

「言葉を慎め小僧。単に使わないだけだ」

ミドルが漏らした言葉にも、ジャックは反論してきた。ライラの言う通り、かなり癖のある人物であるらしい。

「そこに座れ。……例の物は」

ライラはザックをゴソゴソとやると、白い牙を出した。

「これです、お師匠。『ガチャの牙』になります」

ジャックは満足そうに頷いた。

「間違いないな。……まあ単独で殺れるとは思ってなかったが、とりあえず合格だ」

ライラの顔がぱあっと明るくなった。

「それじゃお師匠!あたしを一人前と認めてくれるんですね!?」

「いや、まだだアホ弟子。まだ私の足元にも及ばんわ。……ただ、シドとダリオの子供と一緒にいる辺り、何かの縁はあるようだな」

「そもそも、ボクやシデの父さんと、なぜお知り合いなんですか?確かにジャックさんには子供の頃会ってましたけど」

ジャックが煙草に火をつけ、煙を燻らせた。ふーっと大きく息をつく。

90-魅力(15)×5=15以上で成功

69…成功

「ああ、私は昔、お前らの父と戦ったことがあるからな。……私がまだ正気でなかった時のことだが」

「どういうことです?」

「私はある時期まで『穴』で生きていたのだよ。記憶はろくにないがな。だが、そこから救い出したのが、お前らの父親だ」

父が「穴」に?初耳だが、それならダリオと接点があったのは納得できる。ただ、ダリオは単独行ばかりだったと聞く。父とパーティを組んでいたのだろうか?

「ボクもそこは知りたいです。父さんはどうして、ジャックさんと戦ったんですか?」

80-ダナ魅力(12)×3=44以上で成功

38…失敗

「それは今話すことじゃない。機会があれば話す。……ともあれ、あの二人は恩人と言えば恩人だ。呪縛を解き放ち、生きたいように生かせてくれたのには感謝はしている」

ジャックは煙草を灰皿に押し付け、次の煙草を口にくわえた。

「まあそんなわけでだ。アホ弟子にはもう一度『穴』に潜ってもらいたい。
次は『格闘王ヴェガ』だ。多分二十階層にいる。こいつを殺し、多分そいつが被っている帽子を持ち帰って欲しい」

90-知力(10)×5=40以上で成功

40…成功

「ヴェガって……200年ほど前にいた、帝国の奸雄ですか?」

「そうだ……と言いたいが、それは姿形だけだ。中身は違う」

90-賢さ(16)×5=10以上で成功

97…成功

私はその言葉を聞いた瞬間、ベネディクトのことを思い返していた。帝国一派も、ベネディクトが連れた魔物にやられている。とすれば……

「中身は元冒険者か何か、おそらくは改造されている。そうですね」

ジャックが驚いた表情を見せた。

「よく分かったな。その通りだ。フロアマスターとされる多くの魔物のうち、幾つかは『作り物』だ。どうしてそれを知っている?」

1 「勘です」
2 「何者かに作られたらしい魔物に会ったことがあります」
3 「ベネディクト、ですね」

安価下3多数決、推理あり

「何者かに作られたらしい魔物に会い、戦ったことがあります。死者の肉塊を繋ぎ合わせた奴です。明らかに自然のものではない、そう判断しました」

ベネディクトの名は、敢えて出さないでおいた。「一族」を知る人間は極めて少ないはずだ。もしジャックが他の「一族」と繋がりがあるなら、警戒されてしまうかもしれない。そう判断した。

ジャックは煙草を口にしたまま、暫く黙っていた。

「ライラ、それは本当か?」

100-ライラ魅力(9)×7=37以上で成功

37…成功

「え?……あ、うん。本当ですよぉ」

かなり怪しかったが、ライラも私の意を汲んでくれたようだ。ジャックが不審げにライラを見たが、ふうと息をついて言った。

「まあ嘘ではないようだな。『作り物』の存在を知っているなら話は早い。私はそれを調べているのだ。誰が作っているのか、何のためか。
……研究の結果、いくつかの魔物は『作り物』であることが分かった。ガチャはその一体だ」

なるほど。ポケットが身体にあったり不自然とは思っていたが、ガチャの中には元となる冒険者がいたのかもしれない。家まで作っていたのは、冒険者の記憶の名残だったのだろうか?

「少し待て。リストを持ってくる」

ジャックはそう言うと、廊下に出て何かを探し始めた。やがて、そう時間をかけずに一枚の紙を持ってくると、私たちに見せた。

「ダリオやシドらの報告と冒険者の統計、そして魔力分析から見て確実に『作り物』なのはこいつらだ。
倒されてもまた現れるが、その中身は毎回違う。つまり、誰かが同じ魔物を作り出していることに他ならない」

そこに書かれていたのは、5体の魔物だった。

『怪竜ガチャ』
『格闘王ヴェガ』
『アイ・ゴエイモン』
『覇者ラウ』
『超人ローク』

「ヴェガは20階層、ゴエイモンは25階層までにいるのは分かっている。ただ、あとは分からない。とにかく、まずはヴェガからだな」

※大ミッション「格闘王ヴェガを倒せ!」が発生しました。

今日はここまで。元ネタは分かりやすいものからマイナーなものまで。

皆ここぞとばかりに前スレにポトフに合いそうな野菜モンスター提案してるの草生える、いや野菜生える…?

まあその二人はすぐ分かりますよね。ミッションの彼も。
もう一人はなかなかディープです。実はそれ由来のアイテムが既に出てますが、気付かなくても問題はないです。

>>606
あのスレはひっそりと参加させてもらってます。女剣士のキャラがいいですよね。ああいうキャラ、書けないんですよ。
あと、スキル周りは私が処理しきれないので手を抜いているのもあり、よく次から次に出てくるなあと感心してます。

少し進めます。

「しかしなぜ『作り物』を調べているんですか?」

ミドルが訊くと、ジャックは眉を潜めて言った。

「被害が特に多いからだよ。中でも比較的浅い階層にいるガチャとヴェガ、ゴエイモンにやられた冒険者は多い。
さすがにラウとロークは、ダリオぐらいしか会ってなかっただろうが、それでも奴の報告からすれば『作り物』で間違いないな」

ベネディクトの研究の被害は想像以上に大きいらしい。奴は単に「一族」にとって脅威というだけではなさそうだ。

「そう言えば、こんなのを拾ったんですが、何か分かりますか?」

ダナがウルファストとモウカの死骸が持っていた鉄塊を取り出し、ジャックに見せた。

70以上で成功

91…成功

「これは……『作り物』が生前に持っていた何かかもしれんな。詳しくは分からないが、こういうことはよくあるらしい。
2つあるということは、既に何回か他の『作り物』と戦ったようだな」

ジャックが鉄塊の一つを手に取り言った。

「これが何かは分からないんですか?」

「テルモンにボレルという男がいる。復元術なら信用のおける男だ。暇なら行くといい。……ああ、土産だけは忘れるな、強欲な男なのでな」

外を見ると、夕暮れ時になっていた。あまりこれ以上の長居はできないかもしれない。何か聞きたいことがあるなら今のうちだ。

1 ライラとはどういう関係?
2 魔族なのにどうして魔候国と敵対?
3 「一族」を知っているか?
4 「作り物」の調査に何故そこまで入れ込む?
5 自由安価

安価下5多数決、推理あり。
自由安価については適切なものであれば採用。

上げます。再開は多分夜。

5に関しては有効票かどうなのか教えて欲しいな

決選投票狙うにしても分かりづらいし

>>628
5は複数あれば有効とします。
決選投票の際には、筆者が有力と見たものを選択肢として提示する方針です。

もう一度上げます。

決選投票です。

1 魔族なのにどうして魔候国と敵対?
2 魔力が効かない人間を知っているか?
3 怪音を上げる大男を知っているか?

安価下5多数決、推理なし可

上げます。

少し進めます。

「そう言えば、魔力が通じない人間はいると思いますか?大魔導師『影のジャック』なら、御存知かと思ったのですが」

ジャックは煙草に火をつけた。

「何故そんなことを訊く」

「魔力が一切効かない奴に襲われました。そいつはまだ生きていますが、また襲われるかもしれません」

75以上で成功

46…失敗

「悪いが知らないな。こちらの方がお目にかかりたいぐらいだ」

ジャックの答えはにべもなかった。

「もう夜だ。道に迷う前に早く帰るべきだな。……ヴェガを倒したらまた来い」

#########

街の中心部に戻った時には、夜の帳はすっかり降りていた。
簡単な食事の後に宿に着くと、これまでの疲れが一気に出たのか、私たちはすぐに眠りについた。

85以上で追加イベント

00ですので再判定します。
といっても、状況が状況なのであまり破滅的なものにはしませんが……。

では、コンマ下です。

#######

夜半。深い眠りに入りかかった私の目を覚ましたのは、耳をつんざくような爆音だった。

「何事だ!?」

同部屋のミドルも飛び起き、宿の窓に駆け寄った。
そこで私たちが目にしたのは……崩れ落ちた建物と逃げ惑う人々。目抜通りのあちこちで、爆炎と燃え盛る家々が見えた。

「これは……!!?」

ばあんとドアが開き、寝間着のままのダナとライラが入ってきた。

「シデ、ミドル、見た??何者かが、街を襲ってる……!!」

「見当は付く。おそらくは反領事府の魔族……エリックの手勢だろう。ただ、これほど派手にやるとは……!!被害は大きい、私たちにもできることはあるはずだ」

##########

戦闘態勢を整え、外に飛び出した私たちを出迎えたのは、何かが焦げる悪臭と噎せるような黒煙だった。
焔はまだ消えてはいない。領事府所属と思われる魔術師数人が駆けつけ水魔法で消火に当たっているが、到底人手は足りそうもなかった。

その時、私たちに駆け寄る人影が見えた。それは……

01~35 二人組の魔族だ。
36~60 ユングヴィ教団のシスター二人だ。
61~80 領事府所属と思われる戦士と魔術師だ。           
81~90 ジェイクとリリアだ。
91~98 クシャナとソールだ。
99   ランダムだ。

駆けてくるのは、二人組の魔族だ。黒い装束に身を包んでいる。一連の襲撃の実行犯か?
年若い男が右手のワンドを振りかぶる。攻撃するつもりかっ!?

70以上で先制

私が集気弾を撃つ姿勢に入る一瞬先に、ワンドから炎の波が放たれた。波の範囲は広く、私たち全員を襲う!

90-器用さ(11)×3=57以上で回避(コンマ下、シデ)
80-器用さ(14)×3=38以上で回避(コンマ下2、ダナ)
90-器用さ(9)×3=63以上で回避(コンマ下3、ミドル)
100-器用さ(6)×3=82以上で回避(コンマ下4、ライラ)

シデ…回避
ダナ…回避、カウンター
ミドル、ライラ…ダメージ

コンマ下一桁×7+40-知力(16)×5-15(コンマ下、ミドル)
コンマ下一桁×7+40-知力(16)×5-25(コンマ下2、ライラ)

ダメージ
ミドル…1 残りHP 125
ライラ…2 残りHP 120(スタン)

「うわあっと」

炎の波はミドルをわずかに掠めただけだった。しかしライラは煙に巻かれ、身動きが取れないようだ。

「隙だらけだっ」

ダナは雷光を左手から男に放った。無防備な男に、雷の矢が直撃する!

ダメージ
コンマ下一桁×4+知力(11)×4-10

ダメージ 74
魔族1残りHP 600-74=526

残りは夜。

再開。

「ぐあああっ!!何だこいつら、かなり『使う』ぞっ」

男が絶叫した。炎の波の後ろから突っ込んでくるのは……二刀の小刀使い、女か?
方向からライラを狙っているようだ。ただ、こちらも集気弾の準備を終えている。一気にぶちかます!

90-賢さ(16)×4=26以上で成功

85…成功

ダメージ
コンマ下一桁×5+賢さ(16)×5-10

※今回から試験的に描写方法を変えています。ご了承を。

ダメージ 95
魔族2残りHP 600-95=505

集気弾は女の腹部に直撃した。女は軽くよろめいたが「……チィッ」と舌打ちしただけで視界を失ったライラに斬りかかった!

ダメージ
コンマ下一桁×6+25-耐久力(13)×4-25
(75以上で毒)

ダメージ 1
ライラ残りHP 119

「……手応えが、ない。逃げて本隊に合流した方がいいかも」

女はさっとライラから飛び退いた。そこにミドルのペネトレーターが伸びる!

90-知力(16)×4=26以上で成功

66…成功、クリティカル
(追撃判定あり)

ダメージ
コンマ下一桁×5+知力(16)×5+10

ダメージ 105
魔族2残りHP 400

「……ぐっ……!?」

ミドルの剣は魔族の女の脇腹を貫いた。ミドルはそこから女の腹を横凪ぎにしようとする!

「う……うおおおお!!」

80-器用さ(9)×4=44以上で成功

46…成功

ダメージ
コンマ下一桁×4+筋力(10)×4+10

ダメージ 90
魔族2残りHP 400-90=310

ミドルは強引に刺さったままの剣を横凪ぎにしようとした。さすが距離があったためか完全に成功はしなかったが、それでも傷口からは相当な出血が吹き出した。

「サーヒリィ!??」

男が叫んだ。

「私は……いい。早く逃げて……リナルド様に、連絡と応援要請を」

男は頷くと、背中を向けて逃げ出し始めた。

「逃がすかあっ!!」

ダナが男の背後から雷術を放つ!

(一連の攻撃で魔族1のHPを300以下にすれば逃走阻止成功)

80-知力(11)×6=14以上で成功

ダメージ
コンマ下一桁×4+知力(11)×4-10

ダメージ 70
魔族1残りHP 526-70=456

私も逃げる男に集気弾を放った。背後からというのが若干引っ掛かるがやむを得ない。

90-賢さ(16)×5=10以上で成功

ダメージ
コンマ下一桁×5+賢さ(16)×5-10

※秘孔ヒット

ダメージ 270
魔族1残りHP 476-270=206

集気弾は男の後頭部に直撃した!

「…………あああああ!!!!」

男は倒れ込んだ。私はもう一発撃ち込むことにした。

ダメージ
コンマ下一桁×5+賢さ(16)×5-10

※HP0で捕獲成功

ダメージ 110
魔族1残りHP 206-110=96

「がああああっっ!!」

集気弾は男の胴体に当たった。しかし、そこから男はよたつく足で歩き始めた。

ミドルが「どうします?」と言いたげに私を見た。このまま放っておいても、私たちは男を問題なく捕縛できる。
ただ、深手を負った女がどうするかが問題だ。男の元に駆け寄った時に、女が一か八かで攻撃してきたらどうなるか?

1 男を攻撃する
2 男の捕縛に向かう

安価下3多数決、推理不要

※HP-50以上で死亡します。

上げます。

「ミドル、確実にやっておこう」

女を見ると、深手を負いながらも抵抗の意思はまだ残しているようだ。
おそらく、男を捕縛に向かったときに乾坤一擲の勝負に出たはずだ。そうはさせない。

ミドルは頷くと、ペネトレーターを男に向けて突き刺した。

ダメージ
コンマ下一桁×5+知力(16)×5+10

ダメージ 200(ダメージ2倍のため)

※魔族1は死亡

ミドルの放った剣は、男の心臓近辺に刺さった。

「……………!!!!」

男は前のめりに倒れた。おそらく、即死だろう。

ミドルは暗い表情で、ペネトレーターを元の長さに戻した。

「……仕方、ないですよね」

「……ああ。やらねばやられていた。それに、こいつらは罪のない人をおそらくかなり殺している。……心は痛むが、やむを得ない」

私は静かに祈りを捧げた。ミドルも同じようにしている。……思えば、ミドルが自ら人を手にかけたのは初めてだったか。

「ライラ、女の視界を奪ってくれ。とりあえず縄で縛っておこう。……その後、領事府に向かう。多分、本隊はそっちだ」

#########

領事府に向かう長い通りを走った。炎包まれた瓦礫が、あちこちにある。
泣き叫ぶ声もそこかしこから聞こえる。……無差別虐殺か。

領事府に着くと……

01~20 領事府は、炎に包まれていた。
21~50 領事府前の広場で、魔族7人と冒険者10人ほどが戦っている。劣勢だ。
51~80 領事府前の広場で、魔族5人とジェイクとリリア、その他数人が戦っている。魔族2人は死んでいるようだ。戦況は互角か?
81~99 領事府前の広場で、魔族2人がジェイクたちに追い詰められている。

領事府前の広場で、ジェイクとリリアを含む数人の冒険者が5人ほどの魔族と戦っていた。双方数人の犠牲があるようだが、戦況は互角か?
観察すると、一人の魔族が突出しているようだ。数人がかりで斬りつけられても巧みに交わし、魔法剣で反撃している。
一方でジェイクには数人がかりで攻め立てている。リリアのゾンビが壁になっているが、どこまでもつか?

1 リーダー格の魔族を襲う
2 ジェイクに加勢に行く
3 魔族の襲撃とジェイクへの加勢で半々に別れる

安価下3多数決

安価下5まで伸ばします(残り2枠)

2と3で決選投票します。
安価下3多数決

内訳を決めます。

安価下3多数決

「私とミドルがあの魔族をやる。ダナとライラは、ジェイクの加勢に!」

「分かった!……頑張ろうね」

※視点が一定ターン毎に切り替わります。

##########

リーダー格の男――おそらくはリナルドという名か――は、私たちに背を向けている。このまま駆ければ、背後を取れるかもしれないが……?

75以上で不意討ち成功

「……新手か」

男は前にいた冒険者を袈裟斬りに斬り捨てるや否や、私たちの方に向いた。……よく見ると、彼と戦っていた冒険者は良くて満身創痍だが、男は返り血を浴びただけでほぼ無傷だ。相当な手練れと見るべきか。

「ミドルは遠距離支援してくれ!私が接近戦をしている合間に、撃ってくれれば構わない」

「分かりましたっ!」

男は剣を中段に構えた。……見たことがない、細身の両手剣だが……。

50以上で先制

男は剣を振りかぶると、恐るべき速さで私に降り下ろしてきた。これはどうする?

1 避ける
2 耐える

私は攻撃を受け、接近戦闘に持ち込むことにした。……受けきれるか?

ダメージ
コンマ下一桁×8+50-耐久力(12)×4-30

さすシデ(と手甲)

もうほんとランダムとジュリアンには感謝しても仕切れないよね

ダメージ 1
シデ残りHP 123

男の一撃は、額をわずかにかすっただけに終わった。
これならば、こちらの攻撃は当たる!

40-器用さ(11)×3=7以上で成功

当たる(当たらない)

02…失敗

しかし、男に察せられたのか、左は空を切った。

「シデさん、避けて!」

ミドルがペネトレーターを伸ばす!

90-知力(16)×4=26以上で成功

俺に任せな?

79…成功

ダメージ
コンマ下一桁×5+知力(16)×5-5

ダメージ 170
リナルド残りHP 900-170=730

ミドルの剣は、男の腿の辺りに刺さった。

「これならっ!」

ミドルはそこから一旦剣を抜き、長い状態のまま腹を狙い斬りつける!

80-器用さ(9)×4=44以上で成功

32…失敗

しかし、男は後ろに下がり交わした。

「まだいるかよ……これほどのがいるとは、聞いてねえぜ」

「……リナルドだな。放火して回っていた、二人は片付けたぞ」

チッと舌打ちをし、男は剣を構えた。

「相当やるなあんた。……本気で行くぜ」

男から発せられる殺気が、一段と増した。……来る。
男は小さく踏み込むと、私の拳を狙ってきた。攻撃力を削ぐ狙いか?とすれば、受けはあり得ない。交わすしかあるまい。

90-器用さ(11)×4=46以上で成功

※安価下とのことなので、コンマを取る意志なしと判断します。
※できうる限り安価下で避けるのはやめてください。混乱のもとなので。

もう一度再判定します。

18…失敗

ダメージ
コンマ下一桁×7+40-耐久力(12)×4-30
(70以上で連続攻撃)

元よりコンマは踏むつもりだったけど。まぁどのみち避けられてないからいいけど。コンマは踏むって付け足せばいいですかね

ダメージ 1
シデ残りHP 122

※最少ダメージのため、攻撃力ダウンは発生せず

再び男の斬撃は、私の腕をかすめただけに終わった。
逆にこうなればこちらのものだ。下手に近付いたのを後悔させてやろう。

40-器用さ(11)×3=7以上で成功

>>783
とりあえず、安価判定でない局面では混乱防止のため普通にしていただければ。

46…成功

ダメージ
コンマ下一桁×4+筋力(12)×4+10

ダメージ 70
リナルド残りHP 730-70=660

大きく踏み込んで放った右は、男の顔面を捉えた……が、さして効いた様子はない。

「もう一撃!」

ミドルのペネトレーターだ!

90-知力(16)×4=26以上で成功

あれ、ダメージ74じゃない?

08…失敗

しかし、剣は大きく逸れた。

「後ろのガキの方が厄介だな。……消えてもらうか」

男は剣先に魔力の塊を造り出した。……かなり不味い代物のようだ!

私はミドルが攻撃される前に左を放つ。当たれば、狙いは逸れるだろう。少し遠間だが、行けるか?

70-器用さ(11)×3=37以上で成功

>>796
失礼しました、暗算ミスです。

リナルド残りHP 656

14…失敗

しかし、攻撃は外れてしまった。これはミドルに託すしかない。

「避けろぉ!」

90-器用さ(9)×5=45以上で成功

50…成功

男は剣先から魔力の塊を放った。……間一髪、ミドルが避ける。

その次の瞬間、後ろの建物からズオオオオンという音が聞こえた。建物は半壊している。……直撃なら、危なかった。

「交わされたか。次は当てるぞ」

「次なんて、ないっ!」

90-知力(16)×4=26以上で成功

33…クリティカル(追撃判定あり)

ダメージ
コンマ下一桁×5+知力(16)×5-5

ダメージ 100
リナルド残りHP 556

ペネトレーターは浅くだが腹部に刺さった。

「もう一回だ!」

80-器用さ(9)×4=44以上で成功

54…成功

ダメージ
コンマ下一桁×4+筋力(10)×4-5

ダメージ 67
リナルド残りHP 489

ミドルが無理矢理横に凪いだ剣は、男の腹部を切り裂いた。傷はさほどでもないが、男の顔が屈辱に染まる。

「てんめえぇぇぇ!絶対生かして帰さねえぞこのクソガキがぁああ!!!」

男が逆上した。……魔力が膨れ上がる!

80以上で追加イベント

※追加イベントあり

その時。

「ダメじゃあないですか。こんなに暴れては。街を散々荒らしてくれて、なかなかいい度胸です」

いつの間にか、神父の服装をした男が私たちのすぐ近くに立っていた。丸眼鏡に穏やかそうな微笑みをたたえた初老の男だ。

「ともあれ、私は殺しは好みません。少し静かになってもらえますか?」

男がその言葉を発した途端に、リナルドが「あ¨あ¨あ¨あ¨あああああ!!」と叫び声を上げしゃがみこんだ。少しして私にも猛烈な頭痛が生じる!

「うわあああああああ!!」

頭の中に、超音量の讃美歌が流れ込んでくる!朦朧とした意識で周りを見ると、その場にいる全員が同じような状態になっていた。

90-賢さ(16)=74以上で成功

53…失敗

抵抗しようとしたが、私は耐えられず、そのまま意識を失った……。

########

気が付くと、私は柔らかいベッドの上にいた。……まだ頭が少し痛む。

「気が付きましたか」

私のベッドの側に、誰かが座っている。……白い翼?

はっと飛び起きると、そこには温和な笑顔を見せる、一人の翼人がいた。

「シデさん、ですね。初めまして。ユングヴィ教団モリブス支部の支部長補佐、ユミナといいます」

ここまで。追加イベントのコンマをどうするか思案しましたが、「やりたい放題やられているのに、こいつが出張らないのは変だな」という判断で大幅に甘くした次第です。(といっても80ですが)

粗方陣営は出てきた感じかな…
次は推理ですね…

>>831
これで一通り役者は揃った感じですね。無理矢理気味ではありますが、コンマ神のお導きということで。

なお、シデが当てさえすればリナルドは普通に倒せたはずです。当てずにミドル君が避けなかったら…お察しですが。

ダナライラタッグみたかった(´・_・`)

再開します。

>>835
追加イベントがなければあそこで視点が切り替わる予定だったのですが…。また別の機会に。

「まだ寝ておられた方がいいですよ」

ユミナと名乗る女性は、身体を起こした私を静かに制した。

「深手はほとんどないはずだが」

「レイズ倪下の『歌』を聞かれたのでしょう。身体は無傷でも、精神は別です」

彼女は微笑んで言った。年の頃は私と近いようだが、それに見合わぬ母性がある。

1 戦闘はどうなった
2 仲間はどうなった
3 他の翼人は久々に見た

安価下

「……仲間はどうなりました」

「皆さん無事ですよ。女性の方二人――ダナさんとライラさんは少し傷を負ってますけど、すぐ良くなります。じき会えるでしょう」

「……随分と詳しいですね。私は貴女と、初めて会ったはずですが」

確かに妙だ。コーウィンとブレイズが組んでいるなら、さほど不思議でもないが。

90-魅力(15)×5=15以上で成功

04…失敗

「それは秘密、です。あと1刻ほど寝ていて下さい。そうしたら迎えに上がりますので」

ユミナは微笑んで部屋を出た。

##########

彼女が出て、私は天井を見上げた。眠ろうにも眠れない。
モリブスを突如襲撃した魔族。そして唐突に現れたブレイズ。頭を整理しようと思ったが、なかなかまとまらない。
やはり、ブレイズに直接聞くしかどうもないようだ。問題は、そうすんなりことが運ぶか。そして、彼が本当に信頼がおけるのか否か、だ。

##########

予定通り、1刻ほどしてユミナが現れた。

10以上で追加イベントなし

※追加イベントなし

ユミナの後ろには、ダナとミドル、そしてライラがいる。

「無事だったんだね!」

ダナが私のベッドに駆け寄り、私を抱き締めた。

「ああ、問題はない。そっちは?傷を負ったと聞いたが」

ダナはぶんぶんと首を振り、にかっと笑った。

「あのぐらいへーきへーき。一応3人のうち2人は捕縛できたし」

「……ということは、逃げたやつもいるのですか?」

ユミナに言うと、表情が少し曇った。

「ええ。主導者の男は『歌』の最中にも関わらず、陽炎のように消えました。同じ消え方をしたのが、あと2人ほど」

「一族」の消え方……「プレーンウオーク」と同じだ。やはり、エリックが一枚噛んでいる可能性は高そうだ。

「そうなると、再襲撃の可能性はありますね」

90-賢さ(16)=74以上で成功

06…失敗

「ええ。被害が大きかったのは領事府近辺ですが、ここも安全とは言えません。警戒を強化しなければ」

「……あれほどの襲撃です。被害は甚大でしょう。お手伝いできることはありませんか?」

「そうして頂ければ助かります。……領事府と協力して、負傷者の治療と救出活動、そして警備活動を行っているところです。
死者は200人を超え、行方不明者もまだ多く被害は甚大です。皆さんが力を貸して頂けるなら、大変心強いのですが……」

ユミナが悲痛な表情になった。

1 協力しない
2 治療活動を手伝う
3 救出活動を手伝う
4 警備活動を手伝う

安価下5多数決、推理あり。

ここで切ります。

これってシデグループで同じことをやるの?それともシデのみの安価?

>>848
グループとしてお考え下さい。

再開します。

「ならば私たちは治療活動を手伝おう。それでいいか」

「ボクは全く異存ないよ」

ダナが強く頷くと、他の2人も同意した。

「分かりました。教団でも『神童』と呼ばれたシデさんのご協力、心から感謝いたします」

深く頭を下げるユミナに、私は慌てた。

「その呼び方は止めてください。今はただの一冒険者です」

「いえ、アングヴィラでのご活躍も耳にしております。本当に心強い限りです」

私は苦笑するしかなかった。

##########

「これは酷い……」

救護院に通された私たちを出迎えていたのは、鉄にも似た血の臭いと苦痛の呻き、そして救いを求める泣き声だった。

「できうる限り人を回してますが、人手が決定的に足りません……。人々に救いを」

若い教団の女性が、消え入りそうな声で言った。これは、さすがに難儀だ。

※55以上で追加イベント、90以上でさらに追加イベント

※追加イベントなし

「軽症者への簡単な手当てはミドル、あとの2人は私の補佐を。頼む」

「分かりました。昔村で簡単な薬草の使い方は習ってます。やってみます」

私は重症者の一人の病床にまず足を運んだ。手は千切れ、もう余命幾ばくもない。

「ダナ、腕の根元をキツく縛ってくれ。ライラは強心剤の準備を」

私は「大丈夫だ、助ける」と、病床の男に言った。手を心の臓にかざす。

90-賢さ(16)×2=58以上で成功

33…失敗、ファンブル

気を送り込むが、一向に改善の余地はない。男の息は徐々に浅くなり……息を引き取った。

「……間に合わなかったか……」

肩を落としてもいられない。次は腹部に深手を負っている女性だ。
ダナに止血を任せ、もう一度手をかざす。

90-賢さ(16)×2=58以上で成功

92…成功

手をかざすこと10分。止血も上手くいった。

「シデ、この人は大丈夫そう!」

「ああ。ライラ、口から強心剤を飲ませてやってくれ。これで大丈夫のはずだ」

女性が安らかな寝息を立てるのを確認し、私は次の重症者に向かった。今度は……子供か。

「いだいよおおお!!ママ、ママァァァ!」

悲痛な叫び声が響く。左脚の傷が甚大だ。傷を負って半日たつだろうが、よく生きていたと言えるほどだ。

「大丈夫、ママに会えるよ」

私は気を強く込めた。

90-賢さ(16)×3=42以上で成功

66…成功、クリティカル

「ダナ、そこに糸と針はないか」

「えっ、縫合用の?あるけど……」

「治癒術をかけながら千切れかけた足を縫い合わせる。足を切れば生きられるかもしれないが、この子の先は長い。やってみよう」

近くにいた教団の癒し手や医者がざわついた。「できるわけがない」との声が聞こえる。しかし、できないと思うからできないのだ。
私は壊死しかかった足の組織を再活性化し、骨も繋ぎ合わせた。ここからが重要だ。

「ライラ、足の固定を」

左手で生命力を与えながら、右手で手早く縫い合わせる。ダナには、男の子に軽い麻酔薬を嗅がせさせた。

半刻後、施術は完了した。見た目上は、足は繋がった。あとは十分な休養で、組織が接合するのを待てばいい。

「救護班!添え木と包帯を。あとは任せる」

呆気に取られた教団員をよそに、私は次の患者に向かった。

#########

あっという間に夕刻が来た。救えなかった者もいたが、7~8割の重症者は救えたようだ。
ミドルもよくやってくれた。終わったときには疲労困憊になっていたが、あとで労をねぎらおう。

コンコン

休憩室で休む私たちの部屋に、ノックの音が飛び込んだ。誰だろうか。

01~45 ユミナだ。
46~75 ジェイクだ。
75~90 ユミナと昨日会った神父だ。
91~98 クシャナとジュリアだ。
99   ランダムだ。
 

「ここにいましたか。無事でよかった」

入ってきたのはジェイクだ。疲れきった顔をしている。

「……どうした。相当きついようだが」

「全くです。……ああ、昨晩はありがとうございました。ダナさんとライラさんには心底助けられましたよ。シデさんはリナルドとやりあってましたね。少し見えました。
……用件は、別にあります。ここではなんですから、場所を改めたいのですが」

ジェイクの表情は深刻だ。どうすべきだろうか。

1 ジェイクに同意する
2 ジェイクの誘いを断る

安価下3多数決、推理あり

877修正。

「ここにいましたか。無事でよかった」

入ってきたのはジェイクだ。疲れきった顔をしている。

「……どうした。相当きついようだが」

「全くです。……ああ、昨晩はありがとうございました。ダナさんとライラさんには心底助けられましたよ。シデさんはリナルドとやりあってましたね。少し見えました。
……用件は、別にあります。ここではなんですから、場所を改めたいのですが」

「ここでは話せないのか」

「ええ……。誰が聞き耳をたてているか、分からないので」

小声で話すジェイクの表情は深刻だ。どうすべきだろうか。

1 ジェイクに同意する
2 ジェイクの誘いを断る

安価下3多数決、推理あり

小一時間中断。

少し再開します。

なお、神父の外見は丸眼鏡をかけたゲー○ッツです。

「分かった。移動しよう」

「ありがとうございます。領事府と教団はこの件では共同戦線を張ってますが、言いにくいことも多々あるので。
領事府に夜の6の刻、それでいいでしょうか」

私が頷くと、ジェイクはほっとした表情を見せた。

「こちらの戦力は枯渇しています。……話を聞いてから判断していただきたいですが、是非ともご協力を」

#########

「ジェイクが、あれだけ切迫した顔をするのは、初めて見たな」

「そうだね。昨日の戦闘の疲れもあるだろうけど。
領事府はこの街の行政機能を担ってると聞いたけど、結局争乱を止めたのは教団だし、面子は立たないだろうね。それもあるかも」

ダナが私たちに出されたお茶を飲みながら言った。確かに、襲撃を許した領事府への風当たりは強いだろう。
攻めてきた魔族はもちろんだが、市民を守れなかった領事府もまた、批判の矢面に立たざるを得ないのかもしれない。

ジェイクの来訪から20分ほどたった。治療活動が一服したあと、ユミナが来る手筈になっているが……

再び、ノックの音が飛び込んだ。

01~45 ユミナだ。
46~90 ユミナと昨日の神父だ。
91~98 ジュリアとクシャナだ。
99   ランダムだ。

ここで切ります。再開は夜。
とりあえず、落ち着いて下さると幸いです。

で、またですか。本当に隠密の数珠って何なんですかね。

少し再開します。

ドアを開けたのは……

「ランダム!?」

部屋の皆が一斉に声を上げた。ランダムはばつが悪そうに頭を掻いている。

「うーす。何か、お呼びじゃなかったかな」

「そんなことはないです、むしろ助かりました。……まさかモリブスにいるとは」

「ああー、いや魔族が作る『ラク』って酒な。久々に飲もうと思って来たらこの有り様だよ。まあお前さんたちが気になったってのもあるがな。
しっかし、酷いな。魔族がやったんだって?」

私は昨晩の一部始終を話した。ランダムが額に皺を寄せている。

「そりゃあひでえな。無差別テロか、まあ下策も下策だ。エリックの野郎、本格的におかしくなったか」

「やはり、そう思いますか」

「断言はできねえが、魔族にそんなことをやらせるのは奴しかできねえ。ブランドを使おうとしているのに全面戦争もやるって辺り、どうにも噛み合わねえが……。まあ詳しい話は領事府でだな。あのカップルもいた方が、話は進みやすい」

50以下で追加イベント

その時、ユミナが部屋に入ってきた。

「シデさん、倪下がお呼びで……誰ですかこの人は」

「おう、姉ちゃん邪魔してるぜ。……翼人の別嬪さんたあ珍しいな。
……倪下って、ブレイズのことか」

ランダムの目付きが鋭くなった。ユミナが一歩たじろぐ。

「……ブレイズ?レイズ倪下のことですか?」

「あ、多分地上じゃそう名乗ってるな。まあ奴に伝えてくれや、コーウィンとランダムが、シデに用事があると連れ出したってよ。それで話は通じるはずだ」

ランダムは強引にユミナを押しのけ、「行くぜ」と私たちを促した。唖然とするユミナが、私たちの後ろ姿を眺めていた。

「コーウィンが私に用事?」

「……ああ、ありゃ嘘だ。ああでも言わねえとブレイズは奪い返しに来るからな。
あと、コーウィン兄貴の伝言だ。『ブレイズは私の陣営だが、信用はするな』だそうな。……気を付けろよ」

少し中断。

「なぜ気を付けろと?」

ランダムの目付きは普段どこか抜けたものではなく、鋭いままだ。

「奴が現れた時、讃美歌が大音量で頭の中で流れて気絶したと言ったろ。ありゃ、精神感応術の最上系だ。
奴は人の心を操る術に長けている。別名が『ブレイズ・マニュピュレーター』。古の言葉で『操る者』という意味だ」

「そうなると、迂闊に彼に会ったら……」

嫌そうな顔をしたランダムが、低い声で言った。

「それと気付かず、『操作』されるかもな。それについても、後で話す」

##########

領事府に着くと、ジェイクとリリア、そして汚ならしい頭の大男がいた。肌は浅黒い。魔族の血が入っているのかもしれない。

「シデさん、来てくださりありがとう……ランダムさん??」

「おう。ここに来る途中じゃどうも」

ジェイクとリリアも驚愕の表情を見せた。大男が「誰だこいつ」と小声で言う。

「説明は難しいんですが……とりあえず心強い味方です。……紹介します、テジー総領事です」

「俺がテジーだ。よろしく頼む。まあ、話は既に聞いているだろう、昨日のことだ。入ってくれ」

テジーは横柄な態度で私たちを手招きした。

「気分を害されたらすみません。ああ見えても、話は通じる人なので……」

「聞こえてるぞジェイクゥ!後で覚悟しておけよ」

「うう……はいはい」

ジェイクが肩をすくめた。

##########

「話というのは言うまでもない。魔族とユングヴィ教団の件だ。基本的な構図は知っているな?」

「ええ。領事府と教団、魔族が三つ巴の対立をしていたと聞いています」

テジーは葉巻を加えると、自らの魔法で火をつけた。

「そうだ。対立、といっても冷戦だがな。信仰を広めようとする教団、貧しさからの解放を求める魔族。平和裏に統治し冒険者の支援をしたい俺たち。求めるものは噛み合わねえが、まあ何とかやってきたわけだ。
そのバランスが、ここ最近崩れてきた。理由のひとつが……」

「ブレイズ、ここではレイズ枢機卿か。その登場だな」

酒を煽りながら、ブランドが言った。

「まあちょっと酒をやりながら話そうや。お前さんは酒いけるだろう」

「あ、ああ。酒は飲むが……」

「葉巻にはこいつがよく合うんだ。やるといいぜ」

ランダムはこの前ライラに渡した酒を取り出した。

「あーっ、『マイヤーズ』だ!ライラにもちょーだいよー」

「おう、ライラちゃんもやろうぜ。腹割って話すにはこいつしかねえからな」

にやりとランダムが笑った。

ランダムがブランドになってるぞww
ブランドさんは封印されるのに飽きたようです

>>932
※その通りですね。猛省。脳内補完してください。

「レイズは1年ほど前にここに来た。死にかけの奴を全快させたり、魔族を一瞬で撃退したり、まあ派手なことをやって見せたわけだ。
そして、多額の寄付金を市民に要求し始めたのさ。『奇跡を体験したいなら金を払え』と。あるいは、教団に全てを捧げろ、とな」

「そこまでは聞いています。……しかし、問題はまだあるのでは?」

テジーは葉巻を吸うと、ラムのグラスを口に含んだ。「……甘いな」と感心したあと、煙を吐いて言った。

「ああ。『苦痛なき楽園へ導こう』などと言い出し、信者の囲いこみを始めたのさ。『時はすぐだ、エグソダスは近い』と、最近は説いているらしい。
……シデと言ったな。あんたは昔、教団で『神童』と言われたそうじゃねえか。そんな教義、聞いたことあるか?」

私の口の中が渇くのを感じた。ランダムが言っていたのは、これか?

「いえ、ないです」

「そうだろう。教団が好かない俺でもそんなことは分かる。ただ、狙いが分からなかった。……そこに来ての、魔族の反乱だ」

「魔族は度々反乱を起こしていた、違いますか?」

「ああ、だがこれほど大規模なのは初めてだ。そこでちょっと判断がつきかねている」

テジーは両拳を組み、机の上に置いた。

「ジェイクが持ってきた情報では、帝国の残党が仲間割れし、片方が魔候国の残党に付いたと聞いている。俺の情報でも、魔候国の生き残りの大物がモリブスの反乱を煽っているって話が来ている。そこは問題ない。
ただ、これまで正面衝突だけは避けてきた。こちらの戦力も、相当あったからな。
そうなると、可能性は2つ。1つは、正面から叩けるほどに奴らが強くなった。実際、昨日出てきたリナルドという奴は、相当な手練れだった。奴にはこちらも何人かやられたし、数自体もかなり多かったからな。
もう1つは……ユングヴィ教団の自作自演。ただ、手を組む理由が分からねえ」

「ちょっといいか」

ランダムが手を上げた。

「一応自作自演として、手段は分かるぜ。ブレイズが操ったのさ。……ジェイク、レイズに会ったことは?」

「はい、何度か。……同類だとすぐに分かりましたが、確かに次元は違った。できなくはない、かもしれませんが」

「そう、奴なら何十人、何百人……それこそ数万人の意識をある方向に向けることさえできる。だから魔族を操るのは簡単だ。
……ただ、ブレイズはエリックをもっとも嫌悪していた。エリックと手を組むのは、フィオナ以上にあり得ない。
そもそも無差別テロ――無差別襲撃をやっておいて、それが教団に得になるのか?」

「領事府の支持を落として、救護活動で教団の株を上げるとか?」

ランダムがマイヤーズの瓶をぐっと飲んだ。

「それはあるかも知れねえ。だが、その先が分からん。何より、エリックとは組まないはずだが……やっぱ本人に聞くしかねえか」

「ちょっと待てよ。さっきからブレイズやらエリックやら、知らない単語ばかりだ。分かるように説明しろ」

ランダムは私の顔を見た。

1 全てを正直に話す
2 レイズが偽名でかつての教団の大物だったこと、エリックは魔候国の王族と話す
3 適当にごまかす

安価下3多数決、推理あり

「全部話しましょう、そうした方が良さそうです」

「だな。そもそも、ジェイクとリリアのねーちゃんはフィオナも見ちまってるしな。一度ちゃんと説明した方がよさそうだ」

私とランダムは、今までの旅路と「一族」について3人に話し始めた。
もちろん要旨だけだが、それでも説明には結構な時間を使った。「一族」と何かから始まり、知りうる限りのそれぞれの勢力の概要。
そして、現在私たちと帝国の残党が同盟を組んでいることと、エリックの一派と対立していることも併せて伝えた。

長い説明が終わり、テジーはふーっと深い息をついた。

「言いたいことは分かった。嘘もついてねえようだ。だが、腹には落ちない。不老不死の神のような存在がいて、しかも目の前にその一人がいるって?ガキのお伽噺を聞いているようだぜ?
何か、その話を信用させるだけの何かを見せろ。そうしたら、全てを信じてやる」

安価下3まで自由安価、納得ができそうなものを採用

※「ランダムの階層に招待」を採用。

ここで切ります。想定していた答えと違いますが、多分こっちが正解ですね。ありだと思います。
(筆者的には「葉巻を出させる」を想定してました)

それと、多分明日午前の更新で次スレですね。
皆さん、どうもありがとうございました。次スレでもよろしくお願いします。

何で葉巻で証明になるのが分からん…
ランダムでできる範囲で証明→空間転移→なんだっけ?プレーンウオーク?→ランダム部屋や!
しか思い浮かばなかった…

>>950
葉巻には銘柄がたくさんあるわけです。それこそお酒並みに。
まあ伝説の名酒と同じように伝説の銘柄もあるわけで…。

ただ、ランダムの部屋に連れていくのが一番分かりやすい方法ですね。これはやらかしました。

なお、設定上モリブスは亜熱帯です。んで、この南の集落で細々とタバコ栽培が行われています。
葉巻は勿論ですが、紙巻きタバコも相当な高級品ということになってます。

…テジーが私腹を肥やしているように見えますが、実は収入のかなりの部分をこれに突っ込んじゃってます。存外趣味人なのです。

というか、明日午前に次スレ移行した方がいいかもですね。
ランダムルームの話は今後の伏線込みで少し長くなるかもなので。
起きたら考えます。

ちょい更新します。

「しゃあねえなあ……俺の階層に招待してやるよ。人間が足を踏み入れるのは、千年ぶりぐらいか」

「……入ったことがある人がいたんですか」

「おう、多分シデなら知ってるだろ。ハクリって詩人だ。えらい酒好きでなあ」

ハクリの作品は少年時代に読んだことがある。ジェスタル帝国黎明期の詩人で、人間讃歌を歌い上げた作品は未だに愛され続けている。
酒豪としての逸話も多いが、ランダムの友人だったとは初耳だった。

「いや、長生きしてるのは知ってたけど、凄い人の名前が出たもんだねえ。というか、どんなところなんだろ」

ダナが首をかしげた。少し酒が回っているようだが、まだ言葉ははっきりしている。

「そりゃあお酒、お酒しかないでしょー。いくよぉー」

ライラは既に割と出来上がっている。「ええっ、今から行くんですかあ?」と、彼女に絡まれているミドルが呆れたように言った。

「まあそれはお楽しみだ。じゃあ行くぜ」

ランダムは苦笑しながら、空間の歪みを作った。

【第四十八階層 ランダムの間】

「……ここは……?」

テジーがつぶやいた。ランダムが連れてきたのは、薄暗い洞穴だった。少し肌寒い。

「ああ、『俺の』階層さ。登り階段も下り階段もないが、一応第四十八階層になるな。『一族』は皆、自分たちだけの階層を持っているわけだ」

そう言うと、ランダムは洞穴の一角で立ち止まった。よく見ると、そこには樽がずらりと置かれている。

「ウイスキー……今じゃウイスケと言うんだったな……の樽だ。ここにあるのは熟成中だが、もう30年は寝かせているやつだ。やるかい」

そう言うと、ランダムは傍らにあったグラスを持ち、樽につけられた蛇口をひねった。中から琥珀色の液体が流れる。

「はーい!ライラがのっみまーす」

「誰もライラさんに聞いてないですよ……勧められているのはテジー総領事なんですから」

テジーは怪訝そうに小さなグラスを手に取り、一気に飲み干した。

「……クッ……これは旨いな。強いが、薫りがとにかく強い。さっきの『マイヤーズ』も美味だったが、これは少しものが違う」

「そうだろうよ。ここにあるのは全て、失われた時代の酒だ。古今東西、ありとあらゆる酒が再現されている。今飲んだのは『マザキ』だな。酒の味が分かって、話が早いぜ」

ランダムは得意そうに笑った。

昼まで中断。

そこからしばらくは、ランダムの蒐集品の見学会だった。下戸の私とジェイクはともかく、テジーと女性陣は皆興奮ぎみに試飲して回った。
ミドルはというと、ライラに何かを飲まされたのか、目がとろんとしている。この場で寝たりしないか、少し心配だ。

「酒ばかりでも何だ、少し食事でもするか。まあ、酒のつまみしか出ないが」

ランダムは洞穴の一角にあるドアを開いた。そこには全員が座れる程度のテーブルと椅子があった。
何の原理でかは分からないが、天井からはランプとは違う光が発せられている。料理も既に準備されており、テーブルには鶏の唐揚げやサラダ、チーズの盛り合わせから野菜の煮込みまで様々な皿が並んでいた。葡萄酒入りのデキャンタまである。

「すごーい!これ、いつの間に作ったんですか?」

「ん?まあそこは、『一族』の力って奴だな。気にせず食べてくれ、毒は入ってないし、味も保証する」

唐揚げは下味がしっかり付いて肉汁も豊富な、実に美味なものだった。皆も「美味しい!!」と舌鼓を打つ。

「これで納得してもらえたかい?」

「……原理はよく分からんが、お前が普通じゃないことだけは分かった。……とりあえず、こんだけ旨い酒は初めてだ、心底感謝するぜ」

テジーも満面の笑顔だ。丁度腹も空いていたところだ、私も酒宴に参加させてもらおう。

90-賢さ(16)×2=58以上で成功

48…失敗

###########

酒宴は騒々しくも和やかに進んだ。私も少し酔いかけている。
向かいの席では、すっかり意識が朦朧となったミドルにライラが執拗に絡んでいる。会話の内容から察するに、ジュリアについて色々詮索しているらしい。

「……男だって女だってどっちだっていいじゃないですか……」

「だーかーらー。じゃあなんでえ、ジュリアスじゃなくてぇ、ジュリアとか言っちゃってんのさー」

「……てか何でそんなに……ヒック……ジュリアにこだわってるんですか……」

※50以上で追加イベント

※追加イベントあり

ライラがむっとした表情を見せた。

「ミードールー、こっちを向きなさい」

「……は?何でs……むぐっ」

ちらりとライラの方を見たミドルの隙を、ライラは見逃さなかった。素早く彼の小柄な身体を抱き寄せると、その唇を奪ったのだ。

「んーっ!んーっ!」

「……チュ……チュルチュル……ぷはぁっ、あむっ……」

10秒ほど、長く深いキスが続いた。ダナが顔を真っ赤にしている。
ダナの隣にいたジェイクはリリアからのちょっかいを「人がいるから」と押しやっていたが、呆気にとられている間にこちらもリリアに抱き寄せられた。
酒と葉巻談義に花を咲かせていたランダムとテジーも「若いな……」と固まっている。

「……!?どういうこと、ですか!?」

「どういうことって、こういうことよ。これで分からないなら、もう知らない」

ミドルが完全に固まっている。……

※75以上で追加イベント

※追加イベントなし

固まったミドルは急激に酒が回ったのか、その場に倒れてしまった。

「……ライラちゃん、いいのこれ……?」

「返事が聞きたいわけじゃないのよ、ただ、あたしの気持ちをこのお子ちゃまに伝えるなら、こうした方が手っ取り早いかなーって。まあいいや、飲みなおそ」

むくれながらライラが言った。

「ライラちゃんがミドルに対して世話焼いてたけど、そういうことだったかあ……」

「まあ、そういう気配は感じてたが……嫉妬か」

私はミドルとジュリアが談笑していたのを思い出した。ミドルはどうか分からないが、ジュリアは友情以上のものを初対面で既に抱いている気がした。
彼女の内面の性がどちらなのかは判然としないが、ライラは女の勘なのか、そういう気配を察したのかもしれない。

「でもなんか、久し振りだよね。こうやってみんなでわいわいやるの。ずっと息が詰まる感じだったし。
……まあここを出たら、また元の油断できない日々が来ちゃうんだろうけど」

「そうだな。ここでこうしているのは、一時の平穏に過ぎない。……でも、だからこそこういう時間は大事にしたい」

※25以上で追加イベント

※追加イベントあり

ここまで。続きは次スレで。イチャイチャトークは場所を変えてまだ続きます。

なお、夜の更新は多分ありません。

雑談たーいむか

ジュリアンの見た目って言及してたっけ?

テジーさんのも聞きたいね

ミドルのモテ具合は主人公のそれ

>>974
少しだけ描写しましたが、茶髪で細身、目は前髪で隠れぎみな感じです。
このキャラが近いかもしれません。外見だけですが。
ttp://www.classicaloid.net/character/img/character-figure-large7.png

>>975
これは元ネタのMTGのテゼレットで大体そのままです。「悪人でないテゼレット」ですね。
ジェイクの上司ならこいつでええやろ、と。

ネモがジュリアンの作ってる武具は専用装備だから他人が使ったら性能落ちるってな事言ってたけど
フィンゴルとかペネトレーターもアレで弱体化してたりするん?

モリブスは亜熱帯らしいけどテルモンとアンクヴィラはどのあたりになるんかな?四季はある?

ランダムの兄貴酒蔵すごいけど一番好きなのなんだろう…ウイスケ?

用語集

・災厄の日…
15年前に世界をほぼ滅ぼした出来事。詳細は一切不明。死者には外傷がなかったとされるが?

・穴…
ダンジョン。恩恵と災いを生み出すすべての源。多くの冒険者が挑み、散っていった。なお、人間による最深到達は第三十二階層とされる。

・へイルポリスの惨劇
40年ほど前にユングヴィ教団、ズマ魔侯国、ジェスタル帝国3か国の国境付近にある独立貿易都市「へイルポリス」が滅ぼされた事件。
大量のドラゴンが街を焼き尽くし、ドラゴン自らも炎に焼かれたとされる。ブランドが発狂した結果と判明した。

・一族
「アンバーの一族」とも言う。穴の管理者で、空位の王位を巡り1000年争っている。王位継承者は以下の通り。
ベネディクト、ジェラード、エリック、コーウィン、ケイン、ブランド、フィオナ、ジュリアン、ブレイズ、ランダムの計10人。
地上の制圧か、他の一族皆殺しが王位に就く条件。

・神器
「一族」特効の凶悪な武器・防具。現在シデの「フィンゴルの手甲」、コーウィンの「グレイスワンダー」がある。

・アンバライト
魔力を込められた石で、時間とともに中の魔力が増え続ける魔石。輝きが最高潮に達すると、ドラゴンが招かれるとされる。
ペラはこれで滅ぼされた。また、アングヴィラ側の穴入口付近にも仕掛けられ、深層からドラゴンを呼び寄せようとされた節がある。

・「針」
刺した相手の自我を奪い、肉体能力と魔力を大幅に引き上げる魔具。限界以上に引き出すことも可能だが、反動も大きく生命力が枯渇する。
フィオナによる魔具であるが、ジュリアンでも作れる。

・死の行商人
テルモンで活動する謎の組織。「呪病」と呼ばれる伝染病を主に使い、周辺の集落を根絶やしにするという。

・次元牢
ブランドを抑えるために魔力で作られた檻。別次元に飛ばした上で魔力で封印しているが、膨大な魔力を使うため「一族」二人がかりでも疲弊する。ジュリアンは2年間一人で封印していたため、ほぼ死にかけていた。

・アングヴィラ
大陸北部の人口1000人足らずの街。これでも世界3位の街。
ユングヴィの影響がやや強いが、基本は平和。

・テルモン
大陸北東部の都市。人口は現在不明だが、かなり規模は大きい。
ジェスタル帝国の影響が強いとされる。

・モリブス
大陸南東部の都市。規模はテルモンと同規模。
ズマ魔侯国の影響が強いとされる。

次スレです。

【コンマ】崩壊した世界を旅する6【安価】
【コンマ】崩壊した世界を旅する6【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1490225486/)

テンプレ誤爆、申し訳ありません。以下、ご自由に。

>>978
誤爆したテンプレにもありますが、アングヴィラはやや北国寄りです。街の雰囲気はスイスとかあの辺りに近いものを想像してます。
テルモンは温暖湿潤な気候です。中国と日本の要素も入ってます。海は近いですが、汚染されているため航海には出られない状態です。魚料理もなくなっています。

>>977
弱体化してますが、そもそもが一族用なので人間が使ってもオーバースペックになってます。
ザッシュの鎧などは、本人が使うと身体能力を跳ね上げますが、他人だとそこまで引き出せない…という感じでしょうか。

なら何かやりましょうか。緩いやつを。
リクエストあればどうぞ。

ではイスパファンでシデ&ミドルがいないときの女子トークを夜ぐらいに。

「まだ帰ってこないねえ」

ライラちゃんが頬杖をついて言った。シデとミドル、そしてランダムさんが帝国の本拠に行って、もう2刻ほどになる。着いたときは薄赤かった空も、すっかり紺色になっていた。

「……まあ、大丈夫じゃないかな。ランダムさんいるし」

「それもそうなんだけどね。何か、妙な予感がするんだよねえ」

「うーん、気のせいだと思うけど」

ボクはカップに入ったミルク入りのお茶――モリブス風のはスパイス入りで甘い――を少し飲んだ。
ライラちゃんはふーっとため息をつく。

「なんかさ、いいよね。ダナちゃんはシデさんのこと信頼してる感じで」

「そうかな?まあ、シデなら大丈夫かなーって根拠のない思い込みはあるかもだけど」

「そうそう、それ。シデさんは大人じゃない?しかも賢くて頼れるし。あと、シデさんもダナちゃんは心底信頼してるんだなーって昨日のザッシュたちとの戦いの時も思った。
ちらっと見えたけど、ダナちゃんを信頼してなかったら、あれだけ息の合った攻撃はできないよ」

ライラちゃんはまた一つため息をついた。

「羨ましいんだよねえ。いや、ダナちゃんがシデさんのこと好きなのは分かってるよ。そういうんじゃなくて、二人の関係が羨ましいってこと。
……ああいう関係になれたらいいのに」

「……ミドルのこと?」

「うん、そう。きっと仲間としては信頼してくれてるんだろうなとは思うんだけどさ。もっと、何かこう、深いところで繋がってたいんだよね。
互いに何を求めてるのか、言わなくてもある程度伝わっちゃうみたいな」

ボクはまたお茶を一口、口にした。

「ボクもまだそんなとこには行ってないと思うけど……」

「でもシデさんも、ダナちゃんは好きだと思うよ。あの人だから、あまり面と向かって言わないだけで。
ミドルは、まあ、お子様だからねえ……」

「……というかさ。何でライラちゃんはそんなにミドルのこと気にかけるの?」

不思議だった。確かにミドルは真面目でいい子だし、ライラちゃんは世話焼きだ。でも、ライラちゃんは男性としてミドルを意識しているように見える。
ミドルに対する叱責を聞いても、ライラちゃんがミドルに何かしらの特別な感情を抱いているのは感じ取れた。

「うーん、何でだろう。弟に似ているからってのはあるかな」

「弟?」

「うん、弟。生きてればミドルぐらいの歳だったかな。9歳で死んじゃったけど」

ライラちゃんが寂しそうに笑った。そう言えば、ライラちゃんの身の上はほとんど聞いたことがない。

「病気?」

「そう。流行り病でね。土地の毒にやられちゃったのかもしれない。
あたしね、モリブスとテルモン中間ぐらいにあった村にいたんだ。15の時までかな。父さんと母さんは早く死んじゃったけど、細々と野菜作ってね。
小さいけど真面目に働いてくれたのが、弟だった」

ああ、そういうことか。ミドルに性格も少し重なったのか。ライラちゃんの彼への思い入れが、少し分かった気がする。

「でも、あっさり逝っちゃって。村も結構やられたから、みんな村を捨ててモリブスかテルモンに流れたの。
あたしはモリブスに行って、そこで酒場の給士として3、4年かな?働いてたわけ。お酒の味を覚えたのもその頃。全銘柄覚えちゃったから、ある意味重宝されてたなあ。
……んで、そこの常連さんがお師匠だったわけ。何故か闇魔術の才能があったみたいだから、せっかくなんで弟子入りしたという感じかな」

「……なるほどねえ。ライラちゃんにそういう過去があるとは……ごめんね、聞きにくいこと聞いちゃって」

ライラちゃんはぱたぱた手を横に振った。

「いやいや、気にしないでよー。とにかく、話を戻すとさ。放っておけないんだよね、あの子。弟とミドルは違うのに。見た目も性格も。
でも、幸せになってほしいなあって思ってたら、何かそういう気持ちになっちゃったわけ」

「そっかあ。でも、ミドルも何だかんだで言うこと聞くじゃない。お酒いきなり飲まされたりとか、普通ならもっと抵抗すると思うよ。
ミドルも、何だかんだでライラちゃんを大切に想ってると思うけどな」

ライラちゃんは「そっかなあ」と言いながら、手元にあったオレンジジュースとランダムさんから貰ったお酒を混ぜたものを飲み干した。

############

「妙な予感がする」というライラちゃんの言葉が、また妙な形で当たってしまったのは、また別のお話。

以上、外伝でした。

あとは適当に埋めてください。

暇な時に「シデが蹴り技を使わない理由」を小話でやる、かもです。

「そう言えばさ、シデって蹴り技使わないよね。修行僧なのに」

ダナがモリブス風のパン――「ナン」というらしい――を辛いスープに浸しながら言った。

「そういやそうですね。殴って攻撃している所しか、見たことないです」

ミドルは辛いのがダメなのか、ラッシーという甘い乳の飲み物ばかり飲んでいる。そう言えば、戦闘のやり方は話したことがない。

「一応、理屈はある。蹴り技は射程は長いが隙が大きい。威力も高いが、逆襲の一撃を防ぐには、殴り中心の方がいいということだ。
あと、蹴り技を使っていない訳じゃない。打撃は『地面を蹴る』ことで威力が高まる。急所を付くには殴りの方が細かい調整が効くというのもあるな」

私は鶏の焼き物を頬張った。少し辛いが、病み付きになる味だ。

「……というのは父の受け売りだ。単に父が打撃術しか教えられなかったのだよ。あまり脚が良くなくてね」

「そうなの?」

私は頷いた。視線を外に移すと、瓦礫を片付ける冒険者が見える。

「父はかつて冒険者であった、らしい。ダリオと親好があったのもそのせいみたいだが、私が生まれてしばらくして、冒険者を引退し教団の活動に専念するようになった。
探索中に右足に深手を負ってね。充分歩けなくなったと聞いたよ」

皆黙って聞いている。私は続けた。

「あるいは、不用意な蹴り技が原因だったのかもしれんな。父は蹴り技の弱点を随分と強調していた。自分と同じように、なってほしくはなかったのだろうな。
……まあそんなわけだ。聞き込みに動こう」

私の視線の先に、まだ小さい少年が見えた。……左手がない。
生まれつきか大分前の怪我によるものと見えたが、私はそっと、心の中で祈りを捧げた。

外伝終了。埋めてください。

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