魔人「わ、私は屈しないからね!!」(13)

剣士「行くぞぉ!! おらぁ!」ブンッ

魔人「おっと」サッ

剣士「おおおおおおお!!」ズバババババ!!

魔人「おいおい、それで本気かい? 止まって見えるよ人間」

剣士「なにぃ!?」

魔人「攻撃ってのは......こうするんだよ!!」グワッ

剣士「!? ぐあぁ!?」ドガァ!

魔人「ハ! 呆気ないねぇ?」

剣士「グ......まだ......だぁ」

魔人「へぇ、普通の人間ならこれで終わるんだが......あんたは頑丈だねぇ?」

剣士「うるさい!! おおおおお!!」

魔人「でもまぁ、終わりさ」ドゴォ!!

剣士「ッ!? ゲホォ!!」バタッ

魔人「私なんかに勝負を挑むからさ......ふーん、良い剣だねぇ? フン!!」ザンッ

剣士「.........っ!」

魔人「生殺与奪......生きるも死ぬも、勝手にしな」スタスタ

剣士「ま、まてぇ!!」

魔人「これに懲りたら魔族に手を出さないこったね? 武者修行も良いけど程々にねー」スタスタ

剣士「............く、くそぉ」

剣士「くっそおおおおおおおお!!!」

剣士「(初めて......負けた......魔族の女に......)」

剣士「だが.........次は......次は負けねぇ!! 負けねぇからなぁーーー!!!」

剣士「...............」

ーーーーーー
ーーーー
ーー

ー五年後ー


剣士「............やっと見つけたぜ魔人さんよ」

魔人「んー? お前は......へぇまたやられに来たのかい?」

剣士「覚えててくれたんだな......」

魔人「まぁねぇ、アンタみたいに正々堂々闘う人間なんて初めてだったからさ、人間は卑怯な手ばかり使うからね?」

剣士「それは悪かったな、だが安心してくれ」

剣士「俺は小細工なんてしねぇ!! 五年前の借り.........返させてもらうぜ!!」

魔人「............」

剣士「何をしている構えろ」

魔人「.........ふふ、ふふふ」

剣士「なぜ笑う!」

魔人「五年も私のこと探してたのかい?」

剣士「負けたままじゃ俺が納得できないからな......」

魔人「へぇ......じゃあもう五年......頑張りなぁ!!」

剣士「.........」ガキン!!

魔人「な!?」

剣士「今の俺は......五年前とは違うぞ?」

魔人「へぇ、やるじゃないか?」

剣士「.........」フッ

魔人「!? きえーー」

剣士「油断しすぎだ......」ドンッ!!

魔人「ガ!?」ドサッ

剣士「これで借りは返したぞ?」

魔人「驚いたよ......こんなに強くなってたなんてさ」

剣士「.........アンタのおかげだ」

魔人「そう、かい......ぅ」パタ

剣士「.........」

ーーーーーー
ーーーー
ーー

魔人「.........ぅ、私は......」

剣士「気づいたか」

魔人「!? なぜここに!!」

剣士「俺がどうしようと勝手だろう?」

魔人「お前は私を倒した......五年前の雪辱を晴らしたんだ、ここにいる理由はないだろう?」

剣士「いや、アンタを倒せたら伝えようと思ったことがあった」

魔人「............なんだ」

剣士「五年前......人生で初めて勝負に負けた......」

魔人「.........」

剣士「正直挫折したよ、魔族といえど女に負けたんだ。でもな」

剣士「アンタに負けた悔しさを糧に、この五年間、己を鍛えられたのも事実だ......国では剣聖とまで言われるくらいにな」

魔人「だからなんだ? お礼でも言うのか人間」

剣士「俺の名前は剣士だ、アンタは?」

魔人「.........魔人だ」

剣士「じゃあまーさんだな」

魔人「おま.........変な名で呼ぶな!」

剣士「待て、まずは聞いてくれ」

剣士「俺は五年間ずっとまーさんを忘れた事はなかった。まーさんに勝ちたいと......苦しい時も辛い時も乗り越えて来た」

剣士「そして気づいた、俺は」

剣士「アンタが好きだ」

魔人「」

魔人「は?」

剣士「嫁になってくれ」

魔人「な、何を馬鹿なことを......大体お前は人間、私は......」

剣士「関係ねぇ」ギュ

魔人「なな!?/// おまえなにして!? 手を離せ!!///」

剣士「まーさんにとっては俺はそこらへんにいる人間かもしれない......」

剣士「でも、俺はアンタに惚れたんだ......絶対幸せにする!!」ギュ!

魔人「.........本音は断りたいぞ」

剣士「.........っ!!」

魔人「だが、魔族の決まりでな勝者は絶対だ、好きにしろ.........///」

剣士「!! よっしゃぁーー!!」

魔人「こ、こらひっつくなぁ!?///」

ーーーーーー
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ーー

ー剣士宅ー

魔人「.........はぁ、変なことになったねぇ」

魔人「ま、そのうち愛想尽かすだろ......」

剣士「ただいま」

魔人「お帰り、今日はどう......」

剣士「やっと帰ってこれたよ」ギュウ

魔人「ひゃぁ!?/// いきなりなんだい?」

剣士「嫁を抱きしめて悪いか?」なでなで

魔人「わ、私はお前より歳上だぞ! 子供扱いするな!!」ペチ

剣士「そんなこと言わないでくれよ......好きだからやってんだ」

魔人「/// 馬鹿かお前は......」

剣士「まーさんに言われるなら馬鹿でもいいよ?」

魔人「ぐ/// お前は変な奴だな.........」

剣士「かもな」

魔人「.........ふん///」

続く

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