野崎「御子柴の誕生日プレゼントは何がいいだろうか」 (19)

佐倉「えっ、みこりんもうすぐ誕生日なの?」

野崎「ああ、2月14日だ」

佐倉「バ、バレンタインデー!!?」

野崎「そうなんだ、だからいつも誕生日プレゼントはバレンタインと一緒くたにされてチョコレートばかりなんだそうだ」

野崎「貰えるのは嬉しいかもしれないが毎年同じ物ばかりだと本人も飽きるんじゃないかと思ってな」

野崎「だからチョコレートじゃない何かをあげようと考えているんだが……」

佐倉「チョコレートじゃない何か……か」

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佐倉「そうだ!! ギャルゲーとかどうかな!?」

野崎「……うーん……ギャルゲーか……」

佐倉「野崎くん……?」

野崎「いや……俺達はそこら辺に疎いからな」

野崎「だから仮にあげたとしても……」











御子柴『これ、糞ゲーで有名なやつじゃねえか!!』






御子柴『野崎てめえ!! このギャルゲーは特典あってこそ価値があんだろ!! なんで特典のコードが入ってねえんだよ!!』









御子柴『シークレットデイズはいらねえっつってんだろ!!!』












野崎「逆に機嫌を損ねるかもしれない」

佐倉「さ、最後のは何!?」

佐倉「えっとじゃあ……フィギュアもダメ……かな?」

野崎「ああ、かもしれないな」

野崎「ここは御子柴の得意分野じゃなくて俺の得意分野で祝うしかないな」

佐倉「得意分野?」

野崎「そうだ、描き下ろしのイラストだ」

佐倉「!!」











鈴木『誕生日おめでとう!!』

野崎「できた」

佐倉「凄いよ野崎くん!! これ、かなり価値があるよ!!」

野崎「そ、そうか?……ありがとう。 そう言って貰えると嬉しい」

佐倉「でも……」

野崎「『でも』?」

鈴木『誕生日おめでとうマミコ!!』

マミコ『ありがとう!!』

佐倉「マミコ祝ってどうすんの!!」

野崎「しまった!! つい!!!」

野崎「よし、描き直した」

鈴木・マミコ『誕生日おめでとう御子柴くん!!!』

佐倉「凄い!! これならきっとみこりんも喜ぶよ!!」

野崎「だといいが……」













御子柴「明日は2月14日……」

御子柴「俺の……誕生日か」

当日、学校

女子「キャーーーー!!! 御子柴くーーーーん!!///」

女子「誕生日おめでとーーーーー!!!///」

女子「私のチョコレート受け取ってーーーーーー!!!///」

御子柴「これを食うってことは……お前らも食うってことだぜ?」

女子「キャーーーーーー!!!」

御子柴「///」

御子柴「……」

御子柴(今年もチョコレートばっかか……)

御子柴(いや、嬉しくなくはねーんだけどよ……)

御子柴(なんつーかこう……)

御子柴(……いや、考えるのはやめるか)

御子柴(折角祝ってもらえるのに我儘なんて言えねえよな)

御子柴(……ん? 待てよ……)

御子柴(確か今日って……)

御子柴「……あっ!!!」

鹿島「おはよー御子柴!!」

御子柴「! 鹿島……」

鹿島「誕生日おめでとう!! はい、誕生日プレゼント!!」

鹿島「チョコレートだよ!!」

御子柴「……」

鹿島「……御子柴?」

御子柴「……わりい、帰る!!」ダッ

鹿島「えっ!? ちょ、ちょっと!! 御子柴!!?」

野崎「さて、御子柴にプレゼントを渡しに行こう」

佐倉「そうだね!!」







2-G

野崎「すいません、御子柴は……」

佐倉「……あれ、みこりんいないね」

鹿島「野崎……千代ちゃん……」

佐倉「あ、鹿島くん!! みこりんは?」

鹿島「それが……」

野崎「……?」

野崎「何っ!? チョコレートを渡そうとしたら帰っただと!?」

鹿島「うん……」

佐倉「でもなんで急に……」

野崎「うーん……」

鹿島「私……何かまずいことしちゃったのかな」

野崎「……もしかしたら」

佐倉「野崎くん、分かったの?」

野崎「恐らく御子柴は……ショックだったんだろう」

鹿島「ショック……?」

野崎「誕生日プレゼントが……チョコレートばっかりだったことに」

佐倉「ええっ!?」

野崎「御子柴は毎年バレンタインと誕生日プレゼントを一緒にされていた……」

野崎「その為誕生日プレゼントはいつもチョコレートばかりだった」

野崎「それに飽きた御子柴はそろそろチョコレート以外のプレゼントを欲しがってたはずだ」

野崎「そして御子柴は信用していたんだ……親友の鹿島なら……チョコレート以外のプレゼントをくれるだろうと……」

鹿島「じゃあ……私の所為で……」

野崎「いや、悪魔で憶測だ」

鹿島「で、でも!! 私が渡そうとした時に帰ったってことは……」

野崎「……携帯も繋がらないな」

野崎「……御子柴が帰ったのは何時ごろだ?」

鹿島「ついさっきだよ」

野崎「……こうなったら直接本人に聞こう。 まだそんな遠くには行ってないはずだ」ダッ

佐倉「の、野崎くん!!」

野崎「どこだ……御子柴はどこに……?」

野崎「……」

鹿島「二手に分かれて探す?」

野崎「そうだな、じゃあ俺はあっちを探すから二人はそっちを頼む」

佐倉「うん!!」









マミコ『私……みんなに……ちゃんと祝ってもらいたいよ……』









野崎「待っててくれ……マミコ!!!」

鹿島「誰!?」

野崎「……」タッタッタッ

野崎「……!!」

御子柴「……」

野崎「御子柴!!!」

御子柴「!!! の、野崎!?」

野崎「安心しろ!! チョコレートじゃないプレゼントなら俺がやる!!」

御子柴「はぁ!!?」

野崎「お前が鹿島にチョコ貰ったと同時にすぐ帰ったのは……チョコ以外のプレゼントが欲しかったからじゃないのか?」

御子柴「いや、違えけど……」

野崎「じゃあどうして……」

野崎「……!!!」

野崎「もしかして御子柴……お前が今持ってるそれは……」

御子柴「……某アニメショップで先着10名しか売ってねぇバレンタイン仕様のフィギュア」

野崎「……そういうことか」

御子柴「みんなにチョコ渡された時にふと思い出してよ……そんで急いで学校を飛び出したんだ」

御子柴「丁度そう思ったところに鹿島が来たってだけで別にチョコ貰ったからショックだったとかじゃねーよ」

野崎「なんで何も言わないで帰ったんだ?」

御子柴「言えるわけねぇだろ!!」

御子柴「確かに熱っぽいとか色々言えばよかったのかもしれねぇけどよ……そこまで頭回らなかったんだよ!! その時は頭の中はフィギュアでいっぱいだったんだよ!!」

野崎「なるほど、フィギュアに夢中で電話にも気づかなかったということか」

御子柴「お、おう。 わりい」

野崎「……」

御子柴「……?」

野崎「……そのフィギュア、全然鈴木っぽくないな」

御子柴「何言ってんだお前」

野崎「そうだ御子柴、誕生日おめでとう」

御子柴「! 覚えててくれたのか? サンキューな」

野崎「はい、誕生日プレゼント」

御子柴「プレゼント?」

御子柴(チョコか?)

野崎「どうぞ」

御子柴「!!! お前これ……イラスト……」

野崎「ああ」

御子柴「……」

野崎「……?」

御子柴「……」ジーン

野崎「!!」

野崎(感動してる!?)

御子柴「これ……お前が描いてくれたのか? 俺の為に……?」

野崎「ああ」

御子柴「一丁前に……下手くそな花描きやがって……」

御子柴「本当お前は……俺がいねえと駄目なんだな」

野崎「……そうだな」

御子柴「……すっげえ嬉しいわ、ありがとな」

野崎「どういたしまして」

佐倉「みこりん見つかったって!! 野崎くんからメール!!」

鹿島「本当!?」

佐倉「うん、体調不良で帰ったんだって。 嘔吐する所を鹿島くんに見せたくなかったから何も言わないでそのまま行っちゃったらしいよ」

鹿島「そっか……チョコだったからショックで帰ったわけじゃなかったんだね、よかった……」

鹿島「……ってよくないよ!! 御子柴、大丈夫なの? 今、フラフラじゃないの?」

佐倉「あー……それは大丈夫だと思うよ」
















御子柴「俺のコレクションがまた増えたぜ!!!」

御子柴「それに……」

御子柴「……」

御子柴「……ありがとな野崎」

野崎「今回はマミコの誕生日ネタにしようと思ってます」

宮前「なるほど……」















マミコ「ありがとう……こんなに嬉しい誕生日プレゼントもらったの初めて……本当に嬉しい……」













宮前(このマミコの嬉しそうな表情……やはりプロの漫画家だけのことはある)

宮前「……ん?」












マミコ「鈴木くんがプレゼントなんて……」

鈴木「マミコ!!!」














宮前「なんですかこのミニチュアの鈴木は」

野崎「もしかしてこの服、あまり鈴木っぽくないでさかね?」

宮前「そういうことじゃねえよ」

~終わり~

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