二宮飛鳥「扉のムコウ」 (59)
二宮飛鳥にとって、扉とはセカイを断絶する壁であった
それと同時に、セカイをつなぐ壁でもあった
今彼女は事務所の扉の前に立っている
この扉の向こうには今いるセカイとは別の世界が広がっている
彼女はそんなことを思いながら、扉を開けようと手をかける
すると中から声が届いた
『ヘーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイ!!』
彼女は扉から手を離し、自販機へと向かった
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1484394559
次の日、事務所の扉前
飛鳥「ん...?」
幸子『だからなんでボクが出るんですか!?』
P『こんな機会滅多にないぞ!』
飛鳥(何か言い争ってるみたいだな)
幸子『絶対おかしいですよ!』
ガチャ
飛鳥「おはよう、朝からそんなに声を出してどうしたんだい?」
P「あ、飛鳥!きいてくれよ!」
幸子「あ、飛鳥さん!聞いてください!」
幸子「Pさんがボクをぬるぬるにしまくって落とそうとしているんですよ!」
飛鳥「!!??」
P「語弊がある語弊が」
P「いやな、幸子にぬるぬるピラミッドのオファーが来てな、出てくれーって頼みまくったんだよ」
飛鳥「ぬるぬるピラミッド…?」
ぬるぬるピラミッド
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira126335.jpg
幸子「嫌に決まってますよ!アレ皆さんの前で脱がされたりするんでしょ!?」
P「だからそんなことないって(ある)」
幸子「心の声が聞こえるんですよ!!」
ID変わったのはスマホから画像付きでやったからです、気にしないでください
飛鳥(何が何だか全くわからない...)
P「今回は女芸人を集めて一夜限りの復活!てわけなんだ。G6の皆さんとは面識あるだろ?」
幸子「だからってぬるぬるピラミッドはいやです!!カワイさの欠片もないし!ズルズルですよズルズル!」
飛鳥「ま、まあ二人納得するまで話し合うと良いよ。ボクには関われない話みたいだし」
P「何言ってんだ、飛鳥にもオファーが来てるぞ」
飛鳥「え?」
後日、事務所の扉前
飛鳥(体中が痛い...)
P『や、やめろォ!これ以上はやめろォ!!』
杏『ま~だだよ~、絞れるまで絞るからね~♪』
飛鳥「!?」
P『ゆ、許して...もうないから...何もないから...』
飛鳥(ナニ!?)
杏『まだあるでしょ~ほら~』
飛鳥「......」
飛鳥(中でナニが起きているんだ...こういうことにはあまり関わらない方が...)
飛鳥(でも...)
彼女は思春期だった
飛鳥「...確認した方がいいかもしれない...真実とやらを...」
彼女は思春期だった
飛鳥「見よう、見るべきだ」
ガチャリ
飛鳥(気づかれないように...)
杏「いいよいいよ~♪どんどんいっちゃえ~♪」
P「ああぁ...ああぁああぁぁあああ!!」
ソローリ
飛鳥(見せてもらおうか...このセカイの真実とやらを!!)
P「やめろォォォォォ!!これ以上俺の物件を勝手に売り払うんじゃねえぇぇぇぇぇぇ!!!」
杏「いいぞもっとやれ貧乏神~♪」
飛鳥「」
TV『3...2...1...!』
P「ああキングボンビーになっちゃった!!」
杏「おおぉ~...って、ボンビラス星いっちゃってんじゃん」
P「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
杏「もう杏の勝ち確だね」
P「(ガチャで有り金全部溶かした人の顔)」
杏「やったぜ。」
飛鳥「.......」
飛鳥(そうだ、今日はレッスンがあるんだった、行かないとな)
杏「もう一回!もう一回!」
P「...次99年な」
杏「ばっちこい!」
飛鳥(今日も一日がんばろう)
すいませんここからスマホで書き込むんでID変わります
後日、事務所の扉前
ヘレン『ダンサブルッ!!』ヘーイ
飛鳥(そっとしておこう…)
彼女は自販機へ向かった
後日、事務所の扉前
P『こことここが見分けるポイントだな』
美波『他に気をつけることは…?』
P『そうだなあ…あ、チェックするときに…』
飛鳥(何かの打ち合わせか?)
ガチャ
飛鳥「やあ、何をしてい…」
ピヨピヨ ピヨピヨ ピヨピヨ
ピヨピヨ ピヨピヨ ピヨピヨ
ピヨピヨ ピヨピヨ ピヨピヨ
飛鳥「」
ヒヨコA「ピヨピヨ」
美波「オス?」
P「オスだな」
ヒヨコB「ピピッ」
美波「オス?」
P「いやメスだな」
ヒヨコC「ピヨッピヨッピヨッ」
美波「メス?」
P「メスだな」
小鳥「ピヨッ!」
美波「事務員」
P「事務員」
小鳥「メスですらないんですか」
飛鳥「…何を?」
P「お、飛鳥。すまんが、今ちょっとここ使わせてもらってんだ」
美波「ごめんね…」
飛鳥「……何を?」
P「ああ、美波がひよこ鑑定士の資格を取りたいって言ってな、先に見分け方とか教えてたんだよ」
美波「Pさんすごいんです!どんなヒヨコでも一瞬で見分けちゃって!」
P「昔取ったからな…でも美波もいいセンスしてるよ」
美波「あ、ありがとうございます!」
P「んじゃこれ終わったら筆記の方をやろうか」
美波「はい!」
飛鳥(事務所でやるべきことじゃないだろ…)
飛鳥(というかアイドルがやるべきことじゃないだろ…)
後日、事務所の扉前
飛鳥(ん?)
『ん…んんっ!あっ…』
飛鳥「!!」
『あっあっ…ああ!』
飛鳥「こ、これは…」
飛鳥(…いや、どうせ前みたいなオチだろう…分かり切ってるじゃないか…)
飛鳥(…でも……)
彼女は思春期だった
飛鳥「シュレディンガーの猫のように…中のセカイに何があるのかは見るまでわからない…何が起きてるのかをボクが知るすべはない…」
飛鳥「だったら、見に行くしかないじゃないか」
彼女は思春期だった
飛鳥「行こう、行くしかない」
ガチャリ
飛鳥(気づかれないように…)
P「じゃあこれは?」ピッ
TV『いい!イッちゃうぅ!』
飛鳥(TV?ということはAVか?でもP以外にも誰かいるみたいだし…)
愛海「これは豊胸だね、不自然、31点」
P「んじゃこれ」ピッ
TV『いいよ…来て…!』
愛海「天然で形もいい、柔らかさも申し分ない、86点」
P「流石は愛海だな」
飛鳥「」
P「これまでで最高だったのは?」
愛海「【好きな女優の名前を入れてね】さんかな、乳輪、形、柔らかさ、ケア、全てが最高峰だった、96点」
P「へぇーあの人が…」
愛海「あの人を超えるのは容易くないよ…他にはないの?」
P「ん、こっから先はAVとかIVじゃないけど」ピッ
TV『青い~鳥~もし幸せ~♪』
愛海「ありのままを出してる、72点」
P「おおー…次」ピッ
TV『ふえぇ…大沼くる「100点」
P「最高峰超えちゃったよ」
P「軽々と超えてんじゃねえか」
愛海「あの山に勝てる人類はいないよ…」
飛鳥「……」
飛鳥(そうだ、今日は蘭子と収録があるんだった)
P「まあ続けるぞ、愛海のレビューを心待ちにしている人が大勢いる」
愛海「好きなことして人の役に立てるって最高だね!」
飛鳥(今日も一日頑張ろう)
後日、事務所の扉前
美城常務『1秒間に10回呼吸をしなさい!』
ヘレン『ヘーイ!それが世界レベルなのね!』コォオォ…
飛鳥(そっとしておこう…)
彼女は自販機へ向かった
後日、事務所の扉前
飛鳥(話し声が聞こえる…?何だろう)
P『ヒソヒソ…飛鳥…2月3日…ヒソヒソ…』
蘭子『ヒソヒソ…生誕祭…フフッ』
P『サプライズ…ヒソヒソ…』
飛鳥(断片的にすごい重要なところだけ聞こえた!!)
飛鳥(どうするべきだ!?この場合僕が取るべき行動は!?)
蘭子『プレゼント…ヒソヒソ…』
P『ヒソヒソ…内心すげえ喜ぶ…ヒソヒソ』
飛鳥(すごい失礼なことも言われてる気がする!!)
飛鳥(でもどうしようか…当のボクが知ってしまったら元も子もないし…)
幸子「あれ?飛鳥さん?入らないんですか?」
飛鳥「!!あ、あぁ、まあ今は…」
幸子「?」
飛鳥(…そういえばドッキリ系の番組に彼女が出てるのを多く見かけるな…)
幸子「あのー、飛鳥さん?」
飛鳥「…少し…相談に乗ってくれないか?」
幸子「へ?」
後日、事務所の扉前
飛鳥(結構ドッキリで先にバレることってあるのか…)
飛鳥(!、今日も誰か先にいるみたいだ)
美城常務『呼吸を整えなさいッ!!』
ヘレン『これが世界レベルのアンチエイジング…』コォオォ…
瑞樹『師匠!』コォオォ…
菜々『師匠!!』コォオォ…
飛鳥(…そっとしておこう)
彼女は自販機へ向かった
後日、事務所の扉前
飛鳥(最近妙なことが多いな…)
飛鳥(今日も先に誰かいるみたいだ)
まゆ『Pさん…ヒソヒソ…毒…』
響子『二人で…ヒソヒソ…』
飛鳥(また断片的に変なところだけが!)
部屋の中ー
まゆ「Pさんまたインスタントばっかり…体に毒だから気をつけてほしいんですけどねぇ…」
響子「それなら…二人でまたご飯を作りに行きませんか?」
まゆ「いいですねぇ!」
響子「栄養バランスも考えたレシピがあるんですよ!」
まゆ「見せてくれませんか?」
部屋の外、扉の前ー
まゆ『いいですねぇ!』
飛鳥(殺る気マンマンじゃないか!)
響子『……バランスも考えたレシピ…』
飛鳥(毒のレシピ!?)
飛鳥(このままここにいたら僕の命も危ないんじゃ…!)
P「飛鳥?」
飛鳥「!?」
P「どうしたんだ?何かあったのか?」
飛鳥「あぁ…あ…」
P「飛鳥?」
飛鳥「うわあああああああ!!!」ダッ
P「飛鳥!?何で逃げるんだ!?」
飛鳥「ああああああああ!!!」ダッダッダッダッ
P「飛鳥ーーーー!!」
この後、まゆと響子の二人の説明で誤解を解くことになるのだが、2時間かかった
翌日、事務所の扉前ー
飛鳥(昨日はボクらしくもない…第一アイドルのみんながPを殺すことなんてあるわけない…)
飛鳥(ボクもバカだな、全く)
留美『ちひろさん…クロ…』
美優『Pさん…叩き潰す』
飛鳥(アイドル以外が殺そうとしてた)
飛鳥(いやいやいや、落ち着こう、多分また変なボクの勘違いさ)
留美『…罠…毒…薬…』
美優『…業者…』
飛鳥(かなり周到に殺そうとしてる)
部屋の中ー
留美「ちひろさんが黒いアイツを見かけたんですって」
美優「私も見かけました…その時はPさんが『叩き潰すッ!』って言ってやっつけてくれたので助かったんですけど…」
留美「今ある罠よりも毒や薬を使った方がいいかもしれないな…」
美優「それならいっそ業者さんに頼んだ方が…」
飛鳥(いやまさか、ちひろさんがそんなこと)
飛鳥(…でもちひろさんなら、ちひろさんなら)
飛鳥(殺すよりも更に酷いことを
ちひろ「飛鳥ちゃん?」
飛鳥「!?」
ちひろ「何かありました?」
飛鳥「」
ちひろ「?そんなに固まっちゃって、どうし…」
ちひろ「…気絶してる…」
その後、誤解は解けたが、ちひろさんは飛鳥から少し避けられるようになってしまった
ちひろ「これ私に落ち度あります?」
P「ありませんよなぁ」
後日、事務所の扉前
ヘレン『その世界レベルの石の矢で私を貫いてくれないかしら?』
芳乃『ほー』
飛鳥(そっとしておこう…)
彼女は自販機へ向かった
後日、事務所内にて
飛鳥「ケンカ?」
涼「ああ、夏樹と拓海の二人がな…お互い一歩も譲らないって感じだったし、Pと一緒に三人が会議室で話し合うことになってよ」
飛鳥「会議室?ついさっき前を通ったけど、随分と楽しそうだったよ」
涼「へ?」
会議室前ー
『ワハハハハハハハ!!』
飛鳥「ほら」
涼「まじか…あんなに険悪だったのに…」
飛鳥「ま、解決したならいいじゃないか」
涼「それもそうだな!」
ガチャ
涼「おーい、三人とも!そろそろここから出
P「そう!それでね!武内くんをこねて作ったパンを部長に食べさせると…!」
拓海「アハハすげーな!もしかしてそれで偏頭痛が治ったのか!?」
夏樹「武内くんはやっぱり万能だな!ウヒヒヒ!!」
三人「「「キャフン★」」」
P「だぁ~よねぇ~!やっぱり武内くんって最高ぅ~!まぁちがいないそんざぁい~!」
拓海の 「ねぇっ!もっともっと武内くんのお話しようよぉ~うっ!」
夏樹「んっさんっせ~~い♪」
「たっけーうち!」 「たっけーうち!」
『たっけーうち!」 「たっけーうち!」
「たっけーうち!」 「たっけーう
ガチャ
涼「……清良さんを…」
飛鳥「…うん………」
のちにこの現象は、武内コンプレックスと名付けられましたとさ
すいません今日はここまでにします
明日には完結させます
再開します
一週間後-
拓海「頭いてえ...」
夏樹「なーんか忘れてる気がするんだよなぁ...」
P「武内くん...武内くん...」ボソボソ
清良「...ごめんなさい、私に出来たのはここまでよ」
飛鳥(治ってない)
清良「これから重症者を隔離するから、少し手を貸してもらえないかしら?」
飛鳥「アッハイ」
拓海「うーん...」
夏樹「何なんだ...?」
このあと、完治まで5日かかった
後日、事務所の扉前
ヘレン『世界レベルの精神エネルギー...私はこれを『スタンド』と名付けるわッ!!』ドギャーン
飛鳥(そっとしておこう...)
彼女は自販機へ向かった
後日、事務所の扉前
美優『いい加減にしてください!!』
飛鳥「!」ビクッ
美優『Pさんも...早苗さんも...許される事じゃないですよ!」
飛鳥(美優さんがこんなに声を張り上げて...)
P『ウッス...』
早苗『はい...』
飛鳥(こんなに怒るなんて...何があったんだ?)
美優『ほんとにわかってるんですか!?』
美優『菜々ちゃんはまだ17歳なんですよ!!お酒をすすめるのはやめてください!!』
飛鳥「」ブハッ!
P『グッ...はい...』
早苗『フッ...』
飛鳥「グッ...!」
菜々『あ、あのー美優さん...ナナは...』
美優『それに菜々ちゃんは体が弱いのか他の人よりも疲れやすいんです!それなのにいつも頑張ってて...!』
P『ウグッ...ぞ、存じてます...ッフフ』
早苗『.......フフッ』
飛鳥(は、離れよう...!笑いが止まらなくなる...!)プルプル
飛鳥(な、なるべく遠くに...早く遠くに...!)
幸子「飛鳥さん?」
飛鳥「!」
幸子「どうしたんですか?そんなに顔を真っ赤にして...」
飛鳥「さ、幸子...」
幸子「部屋に入らないんですか?おかしなひとですねぇ...」ガチャ
バタン
幸子『あれ?どうしたんですか二人とも正座して...』
美優『ごめんね幸子ちゃん、ちょっと...』
飛鳥(幸子の笑ってはいけないが始まってしまった...!!)
幸子『ウグッ...そ、そうですね...ゆる、せませんねえ...』
飛鳥(すまない...止められなくてすまない...!)
後日、事務所の扉前
飛鳥「あれ、今日は僕が一番乗りかな」
飛鳥「まあこんな日もあるだろう...さて、どうやって時間を潰そ
ドグオォーーーン!!!
瑞樹「時を止める...これが私のスタンド、『THE WORLD』の能力なのね、わかるわ」
瑞樹「今この5秒間だけは私だけの時間よ...」
瑞樹「あの石の矢にこんな力があったなんてね...でももうそろそろ時が、動、き...」
瑞樹(な、何!?わからないわ!体が固まって...!)
「『THE WORLD』...私の『世界(ザ・ワールド)』と同じ世界レベルのスタンド...」
瑞樹「こ、、れ、、は、、!」
「私が...」
ヘレン「私が時を止めたわ」ヘーーーーーーーーーーイ!!
ヘレン「驚いたわ...まさか同じようなスタンドが発現することがあるのね」
瑞樹(姿形...能力まで...私の『THE WORLD』と酷似しているなんてッ!!)
ヘレン「少し...語り合わない...?私と同じ世界レベルのスタンドを持つもの同士、話したいことがあるわ...」
瑞樹「......」
瑞樹「ええ、わかったわ、心ゆくまで語り合いましょう...」
ヘレン「では行きましょうか...そして」
ヘレン「時は動き出す」
ドグオーーーン!!
飛鳥「うか...うん、コーヒーでも買ってこよう」
彼女は自販機へ向かった
ここからシリアスです
ある日、
二宮飛鳥がその扉を開けたとき
彼女は惨劇をその目にした
口から赤いものを吹き出し床に突っ伏せているP
服を赤く汚し、事務所のソファーにもたれかかる喜多見柚
その横で満面の笑みを浮かべるのは村上巴
そして、両手に凶器を携えた橘ありす
そのような彼ら彼女らの姿がそこにあった
飛鳥は脳が恐怖を感知する前にその部屋から逃げ出した
(やばいやばいやばいやばいやばい!)
ハアハアと息を切らし疾走をする飛鳥
逃げ出して初めて彼女は『恐怖』を知った
胃が気持ち悪い
吐き出しそうになる
しかし彼女は足を止めなかった
あの酸味のきいた臭い
あの赤い色
あのこの世のものとは思えない凶器
それらから逃げるため
頭にこびりついて離れないそれらから逃げるため
彼女は走り続けた
途中あの部屋に向かう幸子が目に入ったが、気にとめることもできなかった
それほどまでに彼女は焦っていた
そけほどまでに彼女は恐怖をしていた
あの地獄の惨劇に
「ん?どうしたんじゃ?」
村上巴が尋ねる
彼女は満面の笑みを浮かべていた
「いえ...誰かが来たような気がしたので...」
橘ありすは両手の凶器をテーブルに置き、こたえた
「Pさん、柚さんまだおかわりはたくさんありますからね」
Pと柚はうめき声で返答をする
その声が肯定なのか否定なのかを知る者は本人ら以外居ないだろう
「お、ワシもまたおかわりええか!?」
「ええ、いいですよ」
ありすは上機嫌になって答える
「たくさんありますからね、遠慮しないでください」
扉が開く
事務所に来たばかりの幸子が惨状を知る
「ああ幸子さん、ちょうど良いところに」
もはや、幸子に逃れる術はなかった
「イチゴの炊き込みご飯とイチゴ味噌汁、作ってみました」
己の死を幸子は悟り、涙目になる
「ぜひ、食べていってください」
幸子は犠牲になったのだ、ありすの料理の犠牲に
二宮飛鳥は学ぶ
扉とはセカイを断絶する壁であり、セカイをつなぐ壁であることを
そして、自らのセカイを守ってくれる最後の壁であることを
~完~
ここまでおつきあいいただきありがとうございました
シリアス(大嘘)と凶器(イチゴ料理)
前作とか→
渋谷凛「恋するスカート」
渋谷凛「恋するスカート」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482935842/)
地の文って難しいですね、精進します
途中sage忘れ多くてすいませんでした
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