二宮飛鳥「キミとボクの非日常」 (17)

飛鳥「やぁ、おはよう」ガチャ

モバP「おお、おはよう。飛鳥。今日からレッスン開始だぞ!」

飛鳥「わかってるよ。キミならボクに外の世界を見せてくれると期待してるんだ」

モバP「…そ、そうか。今日は初日だからってこともあって、一日俺が付いてレッスンを見ることになったんだ。今後の方向性も決めて行きたいから、気合い入れていこう!」

飛鳥「もちろん。だが、人に見られるというのはなかなか慣れないものだがね」

モバP「おいおい、将来的にはホールを埋め尽くす大観衆の前で歌って踊ってもらうんだ。俺一人くらいで緊張して貰っちゃ困るぞ?」

飛鳥「ふふっ…そうだね。それじゃ、頑張るとしますか」

飛鳥「ハァ…ハァ…」

モバP「お疲れ様。ほいタオルと水」

飛鳥「あぁ、ありがとう。いやしかしこれはなかなかキツイものだね。同時に楽しくもあるが」

モバP「慣れないうちはちょっと大変かもな。でも飛鳥ならすぐ簡単にこなせるようになるさ」

飛鳥「そうかい?とてもそうには思えないんだがね」

モバP「いや、飛鳥は飲み込みが早いからなぁ。初日で目に見えて成長したじゃないか」

飛鳥「褒めても何も出ないよ。…まぁ、悪い気はしないけどね」

女子寮まで送る車の中

飛鳥「そうそう、…ちょっといいかい?」

モバP「ん?どうした?何か不安なことでもあったらなんでも言ってくれ」

飛鳥「いや、そうじゃないんだ。キミがボクをスカウトした時、ボクの口調を始めて聞いたとき、キミはまるで変わらぬ様子で話を進めたよね」

飛鳥「今までボクのこの性格に気付いた人は例外なく疑問、そして不快感をあらわにした」

モバP「…」

飛鳥「なぜだい?何故キミはボクのこの性格を知った上でスカウトの話を進めようとしたんだい?」

モバP「そうだなぁ…。まぁ、職業柄ってこともあるかな。アイドルのご機嫌取りも仕事の上だし、ましてやスカウトだからね。気を悪くしたらダメだろ。それにそういうキャラが受けることもある」

飛鳥「そう…か」

モバP「でもそれは理由としてはほんの些細なことだ」

飛鳥「?」

モバP「俺はな、普通に可愛いと思ったんだよ」

飛鳥「な…」

モバP「こういう子もいいなってね。そして必ず売れるとも確信した」

モバP「それにウチのプロは色モノが多くてな。そんじょそこらの『痛いヤツ』じゃ足元にも及ばないぞ?」

飛鳥「…ふふっ、そうか。初めて言われたよ、この口調が可愛いなんてね」

モバP「なぁ、飛鳥」

飛鳥「なんだい?」

モバP「俺は必ずお前をトップアイドルにしてみせる。だからこれから二人で一緒に頑張ろうな」

飛鳥「うん、もちろんさ。キミとボクとでどんな未来が見られるかな。楽しい未来だといいね」

モバP「楽しいなんてモノじゃない。トップアイドルになって見られる景色はきっともっと今より素晴らしい世界だ」

飛鳥「キミはボクに新しい、素晴らしい世界を見せてくれたと思っていたんだが…まだまだ上があるってことか」

モバP「ああ。だがそこは恐ろしく高い所にある。辿り着くのは一苦労ってもんじゃないぞ」

飛鳥「ふふっ…。なんでだろうね。キミとなら辿り着けそうな気がするよ。…さて、次はどんな景色が見られるのかな」


飛鳥「高いところとか、好きだよ」

数週間後

飛鳥「おはよう」ガチャ

モバP「…」

飛鳥「おや、誰かいないのかい?」

モバP「Zzz」

飛鳥「なんだいるじゃないか。あぁもうソファで寝ちゃって。夜遅くまで仕事をするのは良くないとあれほど…」

モバP「ぐー」

飛鳥「よく寝てるじゃないか。…よいしょっと」ボスッ

飛鳥(…なんでボクは隣にすわってるんだか…。まぁ、起きなさそうだしいいかな)

モバP「ぐー…」

飛鳥「…」

飛鳥(初めて、この私を理解してくれた。そしてこの数週間、ボクのために尽くしてくれた。昨夜も、仕事で一杯だったんだろうな)

飛鳥「……」

スッ

飛鳥(やれやれ、恋愛感情なんて漫画の中だけだと思っていたんだけどな…)

チュッ

飛鳥「まったく、恋とは罪悪だよ」

モバP「…うーん…?」

飛鳥「やぁ、おはよう。目が覚めたかい?」

モバP「んおっ?寝ちゃってたのか…しまった、まだ仕事が片付いてないのに…」

飛鳥「キミは少し休んだらどうだい?お茶でも淹れてくるよ。ボクは苦手だから飲まないけどね」

モバP「そうか?すまんな…」

モバP「そういえば、もう仕事には慣れたか?大変なこととか無いか?」

飛鳥「おかげさまで、すっかり慣れたよ。仕事も楽しめてる。全力でサポートしてくれたキミのおかげだ」

モバP「そう面と向かって言われるとなんか照れるな…。まぁ、上手く行ってるようで安心したよ」

飛鳥「うん、非日常って感じだね。忙しくとも、面白い」

飛鳥「そういえば、キミ、入社したての頃言ってたよね。ボクを必ずトップアイドルにするって。…あれは本心なのかい?それとも職業柄のご機嫌取りってやつ…」

モバP「本心だ」

飛鳥「っ……ふふっ、即答か。まったく、罪な男だよね、キミも」

モバP「ん?どうかしたか?」

飛鳥「いや何でもない。改めて今後ともよろしく頼むよ、…『プロデューサー』」

モバP「…ああ!目指せトップアイドルだ!」

飛鳥「…ふふっ」

飛鳥「初めて…だったんだけどね。まぁ、うん。キミにあげられて良かったかな」


おわり

飛鳥ちゃん可愛くて衝動で書いたんで
誰かもっと飛鳥ちゃんのイチャコラssください

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