杏「ニノさん」 (24)
シンデレラジオの外伝です
例によって、今回だけでも見れるのでよければどうぞ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1387472102
杏「あー、寒い寒い」
杏「北海道生まれだから寒いのには慣れてるとかそんなのないから、ホント」
杏「早く暖かい事務所に戻りたい…」
杏「ただいまー」ガチャ
飛鳥「……」
杏(…なんか知らない人が窓の外見ながら黄昏てるんだけど)
杏「もしもーし?」
飛鳥「…ん、あぁ、ごめん。ここの人かい?」
杏「そうだよー。そっちは?」
飛鳥「今日からここでアイドルとして働くことになったんだけど…」
杏「あー、なるほど。プロデューサー、まーた見境もなく新しい子をホイホイと」
飛鳥「?…どういうことだい?」
杏「ウチのプロデューサーは、目に付いた子を片っ端からスカウトして拉致してくるんだよ」
飛鳥「フフ…拉致、ね。ボクも最初に声をかけられた時は少し驚いたかもね」
飛鳥「片っ端から…と言っていたけど、この事務所には何人アイドルがいるんだい?」
杏「えーと…180ぐらいだっけ?」
飛鳥「百っ……流石に驚いたな」
杏「全員集まったら事務所に入らないっていうね」
飛鳥「確かに…この広さで全員が入るのは無理があるね」
杏「そのうち、どっかに引っ越したりするのかなぁ」
飛鳥「ボクはその辺りはよく知らないけど…もう少し広い方が便利かもしれないね」
杏「ねー。…あー、で、そうそう自己紹介がまだだったね」
飛鳥「あぁ、そうだったね。こういうのは後輩であるボクが先に言うべきなのかな?」
飛鳥「はじめまして、ボクは二宮飛鳥。14歳だよ」
杏「双葉杏だよー。これでも17だよー、よろしくー」
飛鳥「ん…双葉…杏…?」
杏「お、杏の事知ってた?」
飛鳥「もしかして…あの、ラジオの?」
杏「あー、そっちでかぁ。そうだよ、ラジオの」
飛鳥「驚いた…いきなり大物と遭遇するなんて」
杏「いや、別に大物ではないと思うけど」
杏「にしても、ラジオで知ったって、また微妙にレアだねぇ」
飛鳥「テレビは殆ど見ないけど…ラジオはよく聴くからね」
飛鳥「たまたま耳にして、随分変わった番組だなと思っていたんだよ」
飛鳥「パーソナリティの正体が、まさかこんなに可愛らしい子だったなんてね」
飛鳥「しかもボクより3つも上とは…うん、ここに来てやっぱり正解だったかな」
杏「どゆこと?」
飛鳥「退屈しなさそうだな、と思ってね。非日常って感じで、凄くいいと思わないかい?」
杏(あ、この子中二だ)
杏「あー、家と学校は退屈だー、みたいな?」
飛鳥「そう、そうなんだよ。杏さんは分かってくれてるみたいで嬉しいよ」
杏(間違いない、中二だ。蘭子とは違うベクトルの)
飛鳥「もしかして、今、ボクの事を痛いヤツって思ったかい?」
杏「うん」
飛鳥「フフ、随分と正直なんだね」
杏「まぁ、別ベクトルで似たようなのがウチにいるからねぇ」
杏「それ以外にも変わり者は山ほどいるし」
飛鳥「へぇ…それは興味深いね」
飛鳥「そういえば、ラジオは確か3人でやっていたね。あとの2人は今日はいないのかい?」
杏「んー?そろそろ帰ってくるんじゃない?」
小梅「お、お疲れ様です…」ガチャ
輝子「フヒヒ…た、ただいま…」ガチャ
杏「うん、素晴らしいタイミングだ」
小梅「え…?」
輝子「ど、どういうこと…?」
杏「ほい、ニノさん、この二人が今言ってたあとの2人だよ」
飛鳥「それは分かったけど…その前に、今の『ニノさん』って言うのはなんだい?」
杏「二宮だから、ニノさん」
飛鳥「…なるほど」
杏「普通に飛鳥でも、超必殺飛鳥文化アタックでもいいけど」
飛鳥「後者は長すぎて呼ぶのも一苦労じゃないかな?」
杏「冗談冗談。まぁ、適当に使い分けさせてもらうよー」
飛鳥「よっぽど変なあだ名じゃなければ、ボクからは何も言わないよ」
小梅「え…えっと、杏さん…?」
輝子「フヒ…こ、この人は…どなたでしょう…」
杏「あぁ、ごめんごめん」
小梅「な、なるほど…新しい人…だったんだね…」
輝子「プロデューサー…そういえば、静岡に行くとか…言ってたね…」
杏「そうそう、そこでまた新しい子をお持ち帰りしてきたんだよ」
小梅「え、えっと…白坂小梅です…13歳…です。よろしくお願いします…」
輝子「フヒ…ほ、星輝子…15歳…。よ、よろしく…」
飛鳥「小梅に輝子だね、よろしく」
輝子「お近づきの印に…キノコを、どうぞ…フヒヒ」
飛鳥「キノコ…?…よくわからないけど…頂いておくよ」
小梅「あ…じゃ、じゃあ、何か…温かい飲み物…入れてくるね…」
輝子「私も…手伝うよ」
飛鳥「ありがとう。ただ…申し訳ないけど、お茶は苦手だからそれ以外でお願いしてもいいかな?」
小梅「お茶…苦手なの…?じゃ、じゃあ…コーヒーで…いい…?」
飛鳥「うん、それなら問題ないよ」
小梅「わ、分かった…少し…待っててね…」
杏「お茶が苦手とは変わってるねぇ。あの子が聞いたら何て言うか」
飛鳥「ん、あの子?」
茜「お疲れ様です!!!!」バンッ
飛鳥「!?」
杏「お、またしてもグッドタイミング」
杏「茜お疲れー、あと、もう少し声小さくして、扉もゆっくり開けようね」
茜「あ、そうでした!いつもの癖で!!」
茜「ふぅ、今日も暑いですね!!」
杏「うん、もう12月も終わろうとしてるよー」
茜「こういう時に飲む、冷たいお茶が最高に……おや?貴女は?」
杏「お、やっと気付いた。この子は新人の子だよー」
飛鳥「…はじめまして」
茜「なんと、そうでしたか!!はじめまして、日野茜です!!!」
茜「お茶と走る事が好きです!!よろしくお願いします!!」
飛鳥「えっと…二宮飛鳥だよ。髪を弄るのと…ラジオを聴くのが好きかな。よろしくね」
飛鳥(…ん?今、お茶が好きって…。もしかして…)
杏「あー、もしかしてこれ、エクステなの?」
飛鳥「ん、そうだよ。ささやかな抵抗ってヤツさ」
杏(校則的な意味でなんだろうか)
杏「なるほどねー…びよんびよん」
飛鳥「こらこら、人のエクステで遊んではいけないよ」
小梅「あ、茜さん…お帰りなさい…」
茜「あ、小梅さんお疲れ様です!」
小梅「い、今…コーヒーを淹れてるけど…の、飲む…?」
茜「ありがとうございます!ですが、今ちょっと暑いので冷たいお茶を飲もうかと思いまして…!」
小梅「あ…う、うん…分かった…」
茜「飛鳥さん!よかったら友情の証に一緒にお茶を飲みますか!?」
飛鳥「随分と出来るのが早いんだね、友情の証」
飛鳥「あと、申し訳ないけどお茶は苦手で…あっ」
飛鳥(しまった、つい)
茜「な……なっ……!」ガクガク
飛鳥「えっと…茜、さん?」
飛鳥(もしかして、怒らせてしまっただろうか)
茜「なんということでしょうー!!」ガクゥ
飛鳥「えっ」
茜「こんなに美味しいお茶が苦手だなんて…!いえ、しかし、人に苦手なものを押し付けるのは…!」
茜「私は…私は…どうすればー!!」
飛鳥「…困ったな」
杏(面白いから放って置こう)
飛鳥(仕方ない、ここはボクが折れるべきか…)
飛鳥「いや、こちらこそ、何も考えずに苦手だなんて言ってしまって」
飛鳥「お茶、一口もらっていいかな?」
茜「あ…あ…飛鳥さーーーーーん!!」ムギュ
飛鳥「うわぁ!?」
茜「ありがとうございます!ありがとうございます!」
茜「私、今、もーれつに感動しています!!お茶ですね、どうぞどうぞ!!」
茜「一口と言わず、全部飲み干しちゃって下さい!!!」
飛鳥(飲み干せって言われても…1.5リットルのペットボトルなんだけどな)
飛鳥「…じゃあ、少しだけ」ゴクゴク
小梅「お、おまたせ……あ、あれ…飛鳥さん、お茶…飲んでる…?」
輝子「ど、どういうこと…?」
杏「感動のドラマがあったんだよ」
小梅・輝子「?」
飛鳥「…ん、ありがとう」
茜「どういたしまして!!また飲みたくなったらいつでもどうぞ!!」
飛鳥「ん、分かったよ」
飛鳥(やっぱりこれは苦手だ…)
杏「んじゃ、小梅と輝子にコーヒーとお菓子用意してもらったし」
杏「飛鳥のプチ歓迎会といきますかね」
小梅「う、うん…そうだね…」
輝子「い、いいね…そうしよう…」
茜「それは素晴らしいですね!!」
飛鳥「ん、歓迎会を開いてくれるのかい?」
杏「まぁ、またその内、正式なのがあると思うけど、とりあえず杏達だけで先に」
飛鳥「そうか…うん、ありがとう」
小梅「あ、茜さん…また、隣…いい…?」
輝子「フヒ…わ、私も…」
茜「勿論です!!ゆっくり暖まっていってください!」
杏「あー、しまった、また隣を取られてしまった」
杏「んー、じゃ、杏は飛鳥の膝の上ー」ヒョイ
飛鳥「おっと…いきなりだね?ボクは茜さんほど暖かくないと思うけど」
杏「人肌は暖かいもんだよー」
飛鳥「…そういうものなのかな。ボクにはよく分からないけど」
小梅「え…えっと、それじゃあ…飛鳥さん…よ、ようこそ…CGプロに…」
杏「これからよろしくねー」
輝子「フヒ…よ、よろしく…」
茜「よろしくお願いします!!!!」
飛鳥「うん、こちらこそ、よろしく」
飛鳥(…ん、いつのまにかこんな和気藹々と…)
飛鳥(ボクは別にこんなことをするつもりはなかったんだけど…)
小梅「えへへ…や、やっぱり…茜さん、暖かい…」スリスリ
輝子「暖房要らず…フヒヒ」スリスリ
茜(あぁ、やっぱり可愛いです…!)
杏「お菓子うまー」モグモグ
飛鳥(……まぁ、これもボクにとって、一つの新しい世界、かな)
飛鳥(それにしても、小梅以外は全員年上みたいだけど…)
飛鳥(みんな、小柄だな)
おしり
折角リアルタイム遭遇できたんでくるみちゃんと時子さんも書いて下さいなんでもしまむら
イエノミ見てたら遅くなってしまった
飛鳥ちゃん可愛い(確信)
趣味にラジオを聴くことってあるし素晴らしいですね
見てくれた人ありがとう
>>15
ん?
くるみちゃんと時子様は飛鳥ちゃん以上に難しそうですね…
女王様キャラとかどうすればいいのやら…
くるみちゃんのSS書いたけど、泣いてばかりになってしまう
そりゃティッシュ必要ですわ
>>19
ちょうど今読ませて頂いた所でした
師匠の恰好の餌食ですね…くるみちゃん
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