【ガルパン】アンチョビ「重戦車が欲しい」まほ「…ふむ」 (82)

まほチョビシリーズ第三弾

まほ「行くぞ!」アンチョビ「望むところだぁー!!」  
まほ「行くぞ!」アンチョビ「望むところだぁー!!」 - SSまとめ速報
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アンチョビ「進路か…」まほ「どうかしたのか?」
【ガルパン】アンチョビ「どうかしたのか?」まほ「伝えたい事がある」 - SSまとめ速報
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の続きです

※百合要素 オリ設定などがあるので注意
※地の文ちょっとだけあります


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476962540


夜 23時

アンチョビ「さて…今日はここまでにしておくか」

アンチョビ「アイツはちよちゃんなら絶対大丈夫だ~って言ってるけど…」

アンチョビ「もし受験に失敗したら…アイツが悲しむからな…」

アンチョビ(今、私は…黒森峰大学に進学するための勉強をしている)

アンチョビ(中学時代からの親友である西住まほの誘いを快諾したのだ)

アンチョビ「……よし、そろそろ寝るか」

アンチョビ「………」

試合終了!優勝!日本代表チーム!

まほ「……」

アンチョビ「隊長、ぼけっとして…大丈夫か?」

まほ「勝った…んだよな?」

アンチョビ「あぁ、そうだ!」

アンチョビ「今日は、我々が戦車道で世界で頂点を取った記念すべき日だ!」

アンチョビ「嬉しいだろう?もっと喜べ!」

まほ「そうか…」

まほ「あの時の約束を…ようやく果たせたのだな」

アンチョビ「?」

まほ「スゥー…」

まほ「ずっと…言いたかった…お前と約束した…あの時から、7年越しかな?」

まほ「…よし」

まほ「…安斎千代美…」

アンチョビ「なんだ、お前がフルネームだなんて…え?そんなに近づいてどうしたんだ?」

まほ「伝えたい事がある」

アンチョビ「な、何で…しょうか…?」

まほ「あなたを愛している」

アンチョビ「な”っ!」

まほ「結婚を前提として、私と付き合って欲しい」

アンチョビ「いー、いつからだ!いつから私のことを!!?」

まほ「中学の時から、ずっとだ」

まほ「迷ったことなど一度もない」

まほ「世界を共に取ったらこの想いを伝えるつもりだった」

アンチョビ「///」

まほ「絶対に、貴女を幸せにする」ギュウッ

まほ「後悔なんてさせない、だから、ずっと私の側にいてくれ」

アンチョビ「……………」

アンチョビ「……………」

アンチョビ「…す、すえながく…///」

アンチョビ「よろしく、お願い します…///」

まほ「…ありがとう」

まほ「これからはずっと一緒だな」チュッ

アンチョビ「ーーーーーーっ!!!」ガバッ

アンチョビ「…………夢…か…///」

最近、夢をよく見る

形はどうであれ…最終的には私の………友人である…西住まほに告白されて…

その…キスをされて私は目覚める

アンチョビ「…」

大好きな恋愛小説を読んでいてもまほのことが頭にちらついて集中できない…

……私は…西住まほのことが好きだ

友人……ではなく…1人の女性として…彼女に好意を抱いている

そして……その想いから逃げるな

最近…そう言われているような気分だった

アンチョビ「今日は…あぁ、旧隊長達が合同で集まる日か…」

しかし…こんな調子でまほちゃんに会って大丈夫なのだろうか

いや、これから何年も一緒に過ごすんだ、一日くらい…くらい…

アンチョビ「……///」

アンチョビ(な、なんとか平静を保たないと…///)

アンチョビ(…後は…)

まほ「…なんだ、ちよちゃん」

アンチョビ「あー、まほちゃん、悪いんだが…」

アンチョビ「隊長会の間は……」

まほ「わかっている、アンチョビ…と呼べばいいんだな」

アンチョビ「あぁ、ちよちゃん呼びは…ちょっと…恥ずかしかったからさ…///」

まほ「わかった、で、会が終わったらどうするんだ?」

アンチョビ「え?」

まほ「いくらか時間があったはずだ」

アンチョビ「食事はサンダースのケイさんが用意してくれるそうだが…」

まほ「…むぅ」

アンチョビ「どうかしたか?」

まほ「……ちよちゃんと一緒に…どこか」

アンチョビ「……っ//」

まほ「駄目だったか?」

アンチョビ「…わかった!」

アンチョビ「明日は休みだから、どこか行くか」

まほ「…そ、そうか!」

アンチョビ「じゃあ、切るぞ」

まほ「わかった…それじゃあ、ちよちゃん…会場で会おう」

アンチョビ「あぁ、わかったよ」ガチャッ

アンチョビ「…なんだ…出来たじゃないか…そうだ、考えすぎだ」

アンチョビ「よし…なんとか…行けそうだ」

…………………
ケイ「それじゃあ、今日の集合会のテーマについて発表するわ」

ケイ「今回はそれぞれの学校の未来について!」

ダージリン「未来?」

ケイ「えぇ!私達は来年大学生だけど、来年も戦車道の大会は行われるでしょう」

ケイ「そこで各自どうやって引き継ぎをしたのか…どう後輩に託したのかを話しあうの」

ケイ「あと、今のチームが何をしているかとかもネ!」

ケイ「大洗と知波単学園は隊長が2年生だから除外…しようと思ったんだけど大洗は生徒会長のアンジーが来てくれたわ」

杏「よー!」

ケイ「継続高校は…誘ったんだけど断られちゃった」

まほ「…そうか」

杏「まぁ気分屋だからねー」

アンチョビ「案外恥ずかしがり屋だったりしてな!」

ケイ「じゃあまずは私からね!」

ケイ「私はアリサに隊長を任せたわ」

ケイ「結構ハートも強いし、よくやってくれてるみたい」

カチューシャ「意外ね、貴女ならファイヤフライの砲手を据えると思ってたわ」

ケイ「ナオミは勝ちにこだわろうとして色々とやっちゃうアリサのストッパー役ね」

ケイ「チーム全体のことをよく見ているのは間違いなくアリサの方が隊長に向いてると思ったの」

杏「おケイらしい判断だね」

ケイ「試合中にナオミがファイヤフライの砲手として100%の力を出せる事も考慮したわ」

ダージリン「で、編成はどうするの?」

ダージリン「来年度もシャーマン中心になるのかしら?」

ケイ「うーん、シャーマンは私のこだわりだったからね、けど戦車を変えるとなると上手く動かせるまで時間が掛かる」

ケイ「少しずつイージーエイトとか改修を行ってるみたいだけど、今はパーシングの導入も検討してるみたい」

ケイ「数が多すぎて全部は難しいみたいだけれどね」

まほ「だが、数による攻勢がしにくかった一回戦でも強力な戦車でカバーが出来るようになる…」

ダージリン「あらあら、随分と難敵になりそうね」

ケイ「それじゃあ…次はダージリンね!」

ダージリン「私はローズヒップに隊長を任せたわ」

まほ「ほう…これこそ意外だな」

ダージリン「えぇ、私もみんなに打ち明けた時はみーんな驚いていたわ」

ダージリン「ちなみに、一番驚いていたのは本人だったけど」
………………
ローズヒップ「マ、マジですの!?」
………………
ダージリン「とても可愛らしかったわ」クスクス

カチューシャ「もしかして…私情じゃないでしょうね」

ダージリン「まさか、彼女は…聖グロリアーナを変える存在よ」

ダージリン「グロリアーナの風習に縛られず、自由に、そして…優雅に戦う…」

ダージリン「彼女にはきっとそれが出来ると信じているの…そのための準備も行っているわ」

アンチョビ「クルセイダーだけじゃなくてクロムウェルでも用意するのか?」

ダージリン「えぇ、本当はセンチュオンが欲しかったけど」

ダージリン「…まだまだ難しいわ」

まほ「OG会…か」

ダージリン「お互い苦労が絶えなさそうね」

まほ「そっちに比べたら私の方は全然いい、出会うたびに小言を言われるくらいだ」

まほ「次は私だな…」

アンチョビ(…あっ、こっち見た)

まほ「私はエリカに隊長を任せた」

ダージリン「妥当なところね」

まほ「あぁ、戦法は前回のような重戦車重視ではなく、軽戦車や中戦車に力を入れた戦いにするようだ」

まほ「もっとも本人はティーガーⅡのままのようだが」

アンチョビ「それ…今までの黒森峰や西住流とはコンセプトが違わないか?」

まほ「あぁ、だが、おおまかな戦い方は同じだ、そして…私はそれでいいと思う」

まほ「どうやらエリカは…全国大会での敗因は重戦車を重視しすぎた編成」

まほ「そしてそれを抱え込んでの作戦のせいだと思ったようだ」

まほ「事実、準決勝や二回戦の途中で故障や燃料切れを起きており、一部の戦車が戦いに参戦できないというケースが目立っていた」

ケイ「……なるほど」

まほ「おそらくパンター、ヤークトパンターを中心にラングやⅢ号を多数投入する編成になる」

まほ「エレファントやマウスを抜いた編成になるが弱点を狙うことができれば」

まほ「ティーガーやヤークトパンターで貫けない戦車はない」

アンチョビ「確かに火力はその編成でも十分にあるな…」

アンチョビ「羨ましい…」

まほ「何か言ったか?アンチョビ」

アンチョビ「いや、なんでもない、続けてくれ」

まほ「わかった」

まほ「エリカが目指しているのは…攻撃力と機動力に優れあらゆる状況に対応する強さだ」

まほ「彼女には…期待している」

アンチョビ「……」

杏「いやー、怖いね~」

杏「じゃあ、次は私だね~、まぁ隊長は西住ちゃんのままなんだけど…色々と問題があってね」

まほ「ほう、何だ?」

杏「一番は戦車の不足かな、修理費とかは捻出できるんだけど導入までは難しいんだ」

杏「多分まだまだ眠っている戦車があるかもしれないけど…全然見つからなくて」

アンチョビ「…学園艦の中に戦車が置いてあるってのもおかしな話だがな」

杏「まぁそれ以上に深刻かもしれないのが一個あってさ…」

ダージリン「何でしょうか?」

杏「人員が不足してんだよね」

ケイ「……あ~」

杏「今でさえ人数が足りてなくて一人二役や三役をやることになってさー、覚えることが多くて大変なんだよね」

杏「主な修理を担当してる自動車部も3人一気に卒業して戦車道に参加してる自動車部の部員は一人になっちゃうし」

杏「まぁツチヤちゃんが誘ってそこそこのメンバーを揃えるらしいけど」

ケイ「アンジーももちろん卒業するわけだし…」

ダージリン「来年度の入学生や途中から履修してくる生徒に賭けなきゃいけないのね」

杏「まぁ、そこらへんは新生徒会長が頑張ってくれそうだけどね、あの娘、色々とすごい子だから」

カチューシャ「へぇ、あなたがそこまで言うだなんて」

まほ「もしかしてみほか?」

杏「いやいやー、さすがに西住ちゃんにこれ以上負担をかける訳にはいかないよ」

まほ「そうか…」

杏「何にせよ、戦車道で結果を出し続けなきゃまーた文科省に色々と言われるからさ」

杏「引退はせずに卒業するまで私達も必死でやるつもりだよ!」

カチューシャ「次は私ね」

ダージリン「カチューシャは…一番読めないわね」

カチューシャ「私が隊長を任せたのはね………ニーナよ」

アンチョビ「ニーナってあのKV-2の?クラーラじゃないのか?」

カチューシャ「あら?クラーラは3年生よ」

アンチョビ「あれ?そうだったっけ?」

※本当だと不明ですがこのSSではクラーラは3年生ということにしておきます

カチューシャ「クラーラがいるならクラーラに任せたわよ、メールを送れば全部私の言うことに従うだろうし」

カチューシャ「で、将来性も考えたら私達がいるうちにニーナにやらせたほうがいいと思ってね」

カチューシャ「戦術に関しては今、ノンナとクラーラが叩き込んでるわ」

カチューシャ「隊長はあくまでニーナだけどしばらくは作戦の指示を出すのは卒業した私達…こうなるわ」

ケイ「で、どうしてニーナなの?」

カチューシャ「…はっきり言うけど」

カチューシャ「このカチューシャみたいに優れている後継者なんて…いるわけないじゃない」

ダージリン「随分と自信家ね」

カチューシャ「だから…これをつかったの」

まほ「何…?」

ダージリン「まさか…くじ引き…?」

杏「おー、これはこれは…」

カチューシャ「…えぇ!困った時のお供よ!」

ノンナ「本当は選挙で決めようとしたのですが…」

クラーラ「カチューシャ様を留年させて続投させるという選択肢が何度やっても一番多くて選挙になりませんでした」

カチューシャ「アンタ達もそこに投票してたじゃない!」

カチューシャ「というかなんでいるのよ!?」

ノンナ「カチューシャ様が心配だったので」

クラーラ「こっそりと」

カチューシャ「な!?せっかく……ダージリンといっsy」

ダージリン「カチューシャ?どうかしたの?」

カチューシャ「…!な、なんでもないわよ///」

アンチョビ「で…最後は…」

杏「チョビー」

アンチョビ「チョビと呼ぶな!アンチョビだ!」

まほ「……」

アンチョビ「私はペパロニを隊長に据えた」

杏「まぁー順当なところだね」

アンチョビ「アンツィオのノリと勢いを体現してる存在だからな」

アンチョビ「ただ、作戦立案の能力がないから参謀にカルパッチョを据えることになった」

アンチョビ「入学希望生も増えて…2年生の中でも戦車道をやりたいと言ってくれる生徒もいた」

アンチョビ「ようやく…ようやく軌道に乗り出した………だが」

まほ「…どうかしたのか?」

アンチョビ「……戦車がな」

ダージリン「!」

ケイ「…あー」

アンチョビ「こればっかりはどうにもならない、セモベンテの修理こそなんとか終わったがそれもギリギリ」

アンチョビ「P40はこのままいけば20年は使えそうにもない」

カチューシャ「あれ?でも確か…修繕費は連盟が出すって」

アンチョビ「戦車道連盟に問い合わせたが募金のHPが出来たくらいで保険金はびた一文も出していないんだ…」

カチューシャ「あらら……」

アンチョビ「募金も少しずつ増えてはいるんだが…微々たるものだ」

ダージリン「まぁ、それは大変ですわね(目を逸しながら)」

アンチョビ「しかもCV33もセモベンテも燃料が僅かで練習するのも難しい」

アンチョビ「…これじゃあ練度の差が広がるばかりだ…」

アンチョビ「なんとか事態を解決しようと色々と動いてるが…どれも上手くいってない」

アンチョビ「…あの島田流の娘を引き入れれば、一気に形勢が変わるとも思ったんだが」

アンチョビ「それもできなかった、まぁ仕方のない話なんだがな」

まほ「………」

杏「いや~お互い大変だね」

アンチョビ「まぁ人員はこっちはそこそこいるからそれは助かってるな、けど課題は山積み…」

アンチョビ「せめて重戦車が後3両でもあれば…装甲を貫けるくらいの戦車が…あればなんとか…」

まほ「…………」

アンチョビ「ま、もっとも、あっても燃料がないからロクに動かせない」

アンチョビ「なんせP40の履帯ですら代わりがないからな…」ハハハッ…

カチューシャ「……」

ケイ「……」

ダージリン「……」

まほ「ちy……アンチョビ」

杏「…笑えないよー、チョビ子」

アンチョビ「あぁ!悪かったな、最後に暗い話になってしまった」

アンチョビ「でも、ペパロニもカルパッチョもみんな元気でやってくれている!」

アンチョビ「楽しくやれているみたいで…そこは安心しているぞ!」

まほ「………」

まほ「………アンチョビ…」

ケイ「さ、さーて、それじゃあ次の話題に入りましょうか!」

ケイ「次は…島田愛里寿ちゃんについて……」
…………………
アンチョビ「さーて、会も終わったし、それじゃあ…行くか」

まほ「……」

アンチョビ「…まほちゃん?」

まほ「……」

まほ「…ずっと、そんな調子だったのか?」

アンチョビ「…?」

まほ「アンツィオにいた時は…ちよちゃんは…ずっと悩んでいたのか?」

アンチョビ「………」

アンチョビ「あぁ、今よりも、もっと悩んでいた…」

まほ「……」

アンチョビ「…先輩達が残してくれた貯金があったからP40を導入できたが…」

アンチョビ「練習費、遠征費、燃料代、修理費」

アンチョビ「…正直、勝つための作戦を立てるよりこっちの方がずっと難しかった」

まほ「……」

アンチョビ「まぁあの怪我があって、そのことに時間を割けて集中できたのは幸いかもしれないが…」

まほ「そんな中…お前は戦い続けてきたのか」

まほ「…たった一人で」

アンチョビ「いいや、一人じゃない」

アンチョビ「先輩達がいた…まぁ二桁いるかいないかってくらいだったし同級生や一つ上の生徒は私以外は誰にもいなかった」

アンチョビ「先輩達が引退した後は…CV33一両の修理に1日かかった」

アンチョビ「二年からはペパロニやカルパッチョが来てくれて…そこからは楽しくやれた」

アンチョビ「…正直、強豪校に並ぶ程の力はまったくなければ…実績もない」

アンチョビ「この隊長会も正直、参加する権利は、私にはないと思っている」

アンチョビ「まぁ、お前からの誘いだったし、色々といい話が聞けると思って断るつもりもなかったが」

まほ「……」

まほ「重戦車…か」

アンチョビ「…どうした?」

まほ「黒森峰は来年、エレファントやヤークトティーガーなどは使うことはおそらくないだろう…」

まほ「もしちよちゃん達がよければ…私が頼めば…」

アンチョビ「おい、何を言っているんだ!」

アンチョビ「まほちゃんがそこまでする必要はない…」

アンチョビ「P40の修理を前やってくれたのだけで…もう十分すぎるくらいダージリン」

まほ「……けれど…結局また壊れたじゃないか!」

アンチョビ「まほちゃん…お前は大事なことを忘れているぞ!」

まほ「何だ!」

アンチョビ「アンツィオの目的は…勝つことじゃない!」

まほ「!」

アンチョビ「戦車道を通じて、色々なことを学んで、他校と交流して…楽しむことが大事なんだ」

アンチョビ「全員が無事で、笑って終わることが出来れば、それでいいんだ」

アンチョビ「それが…アンツィオの戦車道だ」

まほ「…ちよちゃん…///」

アンチョビ「戦車道は戦争じゃないからな!」

アンチョビ「…まぁそりゃ、やるからには勝ちたいけどさ…」

アンチョビ「それよりも私は…アンツィオの戦車道が長く続くようにしたい」

アンチョビ「卒業してもアンツィオのことは色々と面倒を見たいと思っている…お前には負担をかけるかもしれないが…」

まほ「…構わない」

アンチョビ「まぁ、なんとかやってみるさ、それでダメなら…その時考える!」

まほ「……わかった」

アンチョビ「さぁ!これで戦車の話はおしまいだ!出かけるぞ!」

まほ「あ、あぁ!」

その夜

アンチョビ「今日は楽しかったな!」

まほ「あぁ!ところで………ちよちゃん」」

アンチョビ「ん?どうかしたか?」

まほ「明日は大丈夫か?」

アンチョビ「あぁ、電話言ったが休みは明日までだ…」

アンチョビ「…どこか行きたいところでもあるのか?」

まほ「…来てほしいところがある」

アンチョビ「へー、そりゃ一体」

まほ「私の家だ」

アンチョビ「…え?!」

まほ「今からならヘリで間に合う、ついてきてくれ」

アンチョビ「わ、わかった…」

西住家

まほ「……ここだ」

アンチョビ「豪華な家だな…近くに倉庫とかもあるし」

アンチョビ「…なぁ、まほちゃん」

まほ「どうした?」

アンチョビ「なんで私をここに…?」

まほ「黒森峰に行くことも考えたが、今の私が行ってもじゃまになるだけだからな」

まほ「それに…あの戦車はここにしかない」

アンチョビ「……?」

まほ「…なぁ、ちよちゃん」

アンチョビ「何だ?」

まほ「…昨日話していて…気になったことがある」

まほ「ちよちゃんは…大学では、一体何の戦車に乗るつもりなんだ?」

アンチョビ「え?用意された戦車に乗るだけだ」

アンチョビ「重戦車でも軽戦車でも関係ない、なんだってやってやる」

まほ「……そうか、なら、尚更だな」

アンチョビ「…どういうこと?」

まほ「私は、一年度から黒森峰大学での隊長を任せられることになった」

まほ「勿論…編成は私が決めることになっている…」

アンチョビ「…そうだったのか」

アンチョビ(やはり…まほちゃんはすごい)

アンチョビ(もう一流大学の戦車道の隊長を約束されているんだ…)

アンチョビ(けど…まほちゃんは私を一体何に乗せる気なんだ)

まほ「ついてきてくれ」

アンチョビ「わ、わかった…」ギュッ

まほ「………こっちだ」

アンチョビ「家じゃなくて……倉庫?」

アンチョビ「これは…」

まほ「これをお前に見せたかった」

まほ「ティーガーⅠ…217号車…」

まほ「ちよちゃんには大学で…」

まほ「このティーガーの車長をしてもらいたい」

アンチョビ「これ…黒森峰の戦車じゃないのか?」

まほ「あぁ、私のティーガーとこの戦車は…西住流の物になっている」

アンチョビ「何で…ティーガーなんだ?」

まほ「前、ちよちゃんはティーガーに乗ってみたいと言ってたよな」

アンチョビ「…覚えていたのか、でもあれは…物の例えであって」

アンチョビ「他の重戦車でも良かったんだがな…」

まほ「それに…」

まほ「こいつをこのまま眠らせておくには惜しいと思っていてな」

アンチョビ「…」

まほ「これは…昔、私の大切な人が」

まほ「…みほが乗っていた戦車だ」

アンチョビ「なっ!?」

まほ「…だが、みほには、この戦車はもう必要がなくなってしまった」

まほ「だから…ちよちゃんにこの戦車を…」

アンチョビ「ちょっと待て……それはダメだ!」

まほ「…何故だ?」

アンチョビ「まほちゃんの誘いはたしかに嬉しい、だが…」

アンチョビ「その戦車の番号は…私には荷が重すぎる!」

まほ「そうかな?」

アンチョビ「そうだ!それに…」

アンチョビ「その戦車は…まほちゃんとお前の妹との思い出がつまってる戦車じゃないのか!?」

まほ「……」

アンチョビ「そんな戦車に…私が乗るわけには…」

まほ(集会の時にも思ったが…)

まほ(…たまに弱気になるのが、ちよちゃんの悪いところだな…)

まほ(私やみほのことを考えてくれているのは…嬉しいが)

まほ(でも………私は…)

まほ「…そうか、たしかに、この戦車はみほとの数年間の思い出がある」

アンチョビ「だよなっ、だから…」

まほ「……私はこの戦車には…」

まほ「私と共に歩んでくれる人間に乗ってほしいと思っている」

まほ「みほは自分の道を見つけ、それに向かって進んでいった」

まほ「私の側からは…離れていったんだ」

まほ「そして…あの日、再びちよちゃんと共に戦ったあの日から…」

まほ「ずっと…このティーガーを駆るちよちゃんの姿を考えていた」

アンチョビ「……!」

まほ「勿論、今でもな」

まほ「……だが、お前がそこまで言うんだ…」

まほ「このティーガーは…みほが戻るまで…眠りについて」

アンチョビ「…………わかった」

まほ「……ちよちゃん」

アンチョビ「わかった!」

アンチョビ「まほちゃんにそこまで言われたんだ…断る訳にはいかない!」

アンチョビ「私はお前と…世界の頂点に行く、このティーガーでな!」

まほ(ちよちゃん………)

まほ(本当、お前はすごいやつだ)

まほ(そんなちよちゃんだから…私はお前のことを…)

まほ「あぁ…ちよちゃんとなら…きっと…」

???「まほ」

アンチョビ「!」

???「そちらの方は?」

まほ「…お母様…」

まほ「私の……友人です」

しほ「ただの友人に…このティーガーを乗らせるというの?」

まほ「ですが…」

しほ「あなた…名前は?」

アンチョビ「えっと…その…安斎…千代美です」

しほ「安斎さん」

アンチョビ「はっ…はいい!!!」

しほ「…あなたにテストをします」

しほ「その戦車を駆るのに…あなたがまほの隣に並ぶのに…相応しいかどうかを…」

続く

後半に続く
みほティーガーって本編だとどうなってるんでしょうね

ちなみに前作や前前作を読めばわかりますが
このSSだと中学時代でまほとチョビがおんなじ中学にいたって設定になってます(黒森峰でもない別の学校)
なのでフェイズエリカとかとは違う別次元でのお話です IF要素ありますって書き忘れました…

訂正
>>29
× アンチョビ「P40の修理を前やってくれたのだけで…もう十分すぎるくらいダージリン」

○ アンチョビ「P40の修理を前やってくれたのだけで…もう十分すぎるくらいだ」

おのれ誤変換…ちなみに百合成分後半だと最後の方しかないかもです

30分後

アンチョビ「……」

しほ「テストは全部で10問……どれも戦車道に関するテストです」

しほ「その回答次第では…あのティーガーに乗ることを認めます」

アンチョビ「わかりました…」

しほ「制限時間は30分…カンニングなどは…」

蝶野「はい、問題の形式上ないとは思いますが、一応私が見ておきますね」

まほ「何故、あなたがここに…」

蝶野「少し用事があってそのついでよ」

蝶野「それにしても……あなたと安斎さんが…ねぇ」

まほ「………」

しほ「それでは……始め!」

しほ「……まほ…」

まほ「はい」

しほ「あなたとはお話があります、付いてきなさい」

しほ「まほ」

まほ「はい」

しほ「どういうつもりかしら」

まほ「……私は、彼女があの戦車に相応しいと思ってここに連れてきました」

しほ「…」

しほ「それより…」

しほ(はっきりと……聞いたほうがいいわね)

しほ「まほ……あなたはあの子のことが好き?」

まほ「…えっ…///」

しほ「…そう、わかったわ」

しほ「…そう、わかったわ」

まほ「いえ、私はまだ何も……」

しほ「まほ、あなたはあの人にもう想いを伝えたのかしら?」

まほ「…………いえ」

しほ「…どうして、逃げるの?」

しほ「…西住流を引き継ぐ人間が…逃げるだなんて…」

まほ「逃げてなんかいません!」

まほ「私は…彼女の笑顔に…優しさに惹かれました」

まほ「…ずっと彼女と一緒にいたいと思っています」

まほ「でも…いいんです」

まほ「ちよちゃんと一緒にいれるだけで…私は幸せなんです」

しほ「あなたは…このままでいいと?」

まほ「…はい」

しほ「…伝えなければ…必ず後悔するわよ」

しほ「………そろそろ時間ね、少し様子を見てくるわ」

しほ「…調子はどう?」

蝶野「全問終わって、今から見直しだそうです」

しほ「わかったわ」

アンチョビ「ええと…」

しほ「少しいいかしら?」

アンチョビ「えっ!?ええと、その…終わった後にして…」

しほ「まほとは…どういう関係なの?」

アンチョビ「はいっ!?」

しほ「……」

アンチョビ「……ええと…まほちゃんとは…中学時代の同級生で」

アンチョビ「私の…親友です」

しほ「……そう、親友なのね」

アンチョビ「…はい」

しほ「……安斎さん」

アンチョビ「…はい?」

しほ「好きなんですね?まほのことが」

アンチョビ「っーーーー!!!!」

アンチョビ「ええと…その…あのっ!」

しほ「……まほのこと、よろしく頼むわ」

アンチョビ「え」

しほ「きっとあなたなら…まほのことを支えることができる」

しほ「まほがあなたのことを…対等な関係としてみていた」

しほ「…初めてのことです」

しほ「ただし、ティーガーに乗るかは別ですが…」

アンチョビ「…」

しほ「あなたには…もっといい戦車があると思います」

アンチョビ「……家元」

アンチョビ「できました」

アンチョビ「これが正解になるかどうかはわかりませんが…見てください」

しほ「ええ、今回のテストは"西住流の家元"として…その答えを見せてもらうことになるけれど…」

アンチョビ「構いません、それが…私の本心です」

しほ「…わかったわ」

しほ「…………………」

しほ「………!」

しほ「………」

まほ「………」

アンチョビ「………」

しほ「…………ダメね」

まほ「そんなっ…!」

しほ「これじゃあ…あのティーガーに乗ることは許可できないわ」

アンチョビ「やっぱり……そう…ですか」

まほ「ちよちゃん…」

しほ「………そして」

しほ「…まほ」

しほ「今日限りで、その人との付き合いを辞めなさい」

まほ「!?」

アンチョビ「!?」

しほ「彼女は西住流とはあまりに離れすぎている」

しほ「…これは西住流家元としての命令よ」

しほ「彼女を家に帰したら…そこで付き合いは終わりにしなさい」

まほ「そんなっ!!」

アンチョビ「………」

まほ「…いくらお母様といえど…!!」

しほ「…………」

まほ「…決定を変えるつもりは…」

しほ「ないわね、あなたは今のままで居る限り」

まほ「……失礼します!」

まほ「行こう、ちよちゃん!」

アンチョビ「あ、え?」

しほ「待ちなさい!まだ話は…」

…………
しほ「……行ってしまったわね」

蝶野「…良かったんですか?」

しほ「えぇ…これで上手く行けばいいんだけれど…」

蝶野「彼女のこと、認めてるんでしょう」

しほ「ええ、まほが選んだもの、それに…」

しほ「このテストの彼女の回答は…確かに西住流が求めている物とはかけ離れている…けど」

しほ「彼女は、自分の信念を貫いた」

しほ「この結果だと、上手く行かないということを、彼女は理解していながら…ね」

しほ「なかなか出来ることではないわ」

しほ「…その意志の強さとこのテストが示している…彼女の優しさがあれば…」

しほ「これから先、彼女達に何があっても…大丈夫だと思っています」

蝶野「…素直にそういえばよろしいのに」

しほ「わざわざキューピットになってあげたんだから感謝してもらいたいくらいよ」

しほ「……あそこまで感情を表に出すなんて…」

しほ「よほど…彼女のことを気に入っているのね」

しほ「きっかけは作ったつもりよ」

しほ「上手くやりなさい…まほ」

まほ「……」

アンチョビ「まほ!そんなに引っ張るな!」

まほ「!……すまない、悪かった」

アンチョビ「……ごめん、まほちゃん…」

まほ「何を言っている…ちよちゃんが謝る必要は…」

アンチョビ「……ずっと思っていたんだ…私が…黒森峰でやっていけるかどうか…」

まほ「やっていける!ちよちゃんにはその力がある!必ず…」

アンチョビ「いや、そうじゃないんだ…」

アンチョビ「戦車道の実力じゃない」

アンチョビ「…今の私は…まほちゃんの隣には…相応しくないのかもしれない」

まほ「……!」

アンチョビ「まほちゃんに誘われてから…ずっと考えてた」

アンチョビ「本当に、これでいいのかなって…」

アンチョビ「まほちゃんには…西住流を引き継ぐって大切な使命がある」

アンチョビ「けど、いつか、私の存在がまほちゃんの足を引っ張ってしまうかもしれない…」

アンチョビ「そして…今日、まほちゃんの母さんに…それを指摘された…」

アンチョビ「私は…まほちゃんにもっと上の世界に行って欲しい…世界の頂点を取ってほしい!」

アンチョビ「心の底からそう思ってる!」

アンチョビ「……だから…私は…」

まほ「………ふざけるな」

アンチョビ「…?」

まほ「ふざけるな!」ギュッ

アンチョビ「まほ…ちゃん?」

まほ「……ちよちゃん」

アンチョビ「……」

まほ「私には…お前が必要なんだ、もし世界の頂点に立っても…」

まほ「そこにお前がいないと…意味が無いんだ」

アンチョビ「…どうしてだ…」

アンチョビ「どうしてまほちゃんは…そこまで私にこだわるんだ…!?」

まほ「………」ギュウウッ

アンチョビ「…まほちゃん?」

まほ「私は……」

まほ「安斎千代美を……愛している」

まほ「……それじゃあ、ダメか?」

アンチョビ「……………!」

アンチョビ「…い、いつからだ…!?」

まほ「…気がついたのはちよちゃんと戦ったときからちょっと後だ」

まほ「お前と一緒に過ごしている時間…私はとても幸せだった」

アンチョビ「…」

まほ「戦ってるときも、宴会のときも、ちよちゃんが側に居るというだけで…すごく…楽しかった」

まほ「大学に誘ったのも…本当はちよちゃんの側にいたかったからだ」

まほ「…戦車道だけじゃない、どんなときでも…ずっと…ずっと…ちよちゃんと一緒にいたい」

アンチョビ「…本当なのか…///」

まほ「あぁ…何度でも言ってやるさ」

まほ「私は安斎千代美のことを…愛している」

アンチョビ「…」

アンチョビ「………///」

アンチョビ「すごく……」

アンチョビ「すごく…嬉しい……///」

まほ「!」

アンチョビ「…あの試合以降、ずっとまほのことしか考えられなくなったんだ…」

アンチョビ「けど、私にはそれがどうしてなのか…わからなかった」

アンチョビ「けど、誕生日プレゼントを受け取った時の…まほの笑顔を見て…ようやく気がついたんだ」

アンチョビ「私は…まほのことが…好きなんだって」

アンチョビ「私も……西住まほ…」

アンチョビ「あなたを…愛してる」

まほ「そうか!」ギュウッ

アンチョビ「わっ…///」

まほ「……千代美も、私のことが好きだったのか!」

アンチョビ「あぁ、でも……私達が一緒にいるのは…///」

まほ「…戻るぞ」

アンチョビ「え?」

まほ「二人の気持ちを伝えれば…きっと、うまくいく」

まほ「もし、それでもダメなら…この家を出て行く」

アンチョビ「えぇ?!」

まほ「家も戦車ももう関係ない!」

まほ「もう絶対に千代美を離さない、離したりなんかしない!」ギュウウウウウウ

アンチョビ「………わかった」

アンチョビ「…わかったから!」

アンチョビ「そんなに強く抱きしめないでくれぇー!」

しほ「…………」

まほ「……私は彼女を安斎千代美を…愛しています」

しほ「……そう」

まほ「ですから、お母様の決定には従えません」

アンチョビ「…///」

しほ「…いいわ、そこまで言うのであれば、あなた達の関係を認めましょう」

まほ「本当ですか!」

しほ「…けれど」

しほ「まほ…約束しなさい、必ず安斎さんを幸せにすること」

まほ「わかっています」

しほ「…そして…安斎さん」

アンチョビ「は、はい…」

しほ「色々と大変かもしれないけれど」

しほ「どうか…まほのことを、よろしくお願いします」

アンチョビ「あ、あははは…」

アンチョビ「…はい、わかりました」

まほ「それでは…千代美を送ってきます」

しほ「えぇ、行ってらっしゃい」

まほ「…ここでいいか?」

アンチョビ「あぁ、わざわざアンツィオまで…ありがとうな、まほ」

アンチョビ「それにしても…説得はすんなりと終わったな」

まほ「あぁ……もしかしたらお母様は最初から…」

アンチョビ「…?」

まほ「いや、千代美は気にしなくていい」

まほ「………そういえば…」

アンチョビ「…どうした?」

まほ「ちゃん付け…もうやめるか」

アンチョビ「そうだな…その……恋人になったんだし…///」

まほ「それとも、恋人同士はちゃん付けしあうものなのかな?」

アンチョビ「どうだろ…わからないや」

まほ「……これからは、付き合い方とかも変わっていくことになるな」

アンチョビ「そうだな」

まほ「…4月を楽しみにしている」

アンチョビ「あぁ、私も…まほと一緒に過ごしたり…戦うのが楽しみだ」

まほ「今度は…いつ会えるかな」

アンチョビ「クリスマスに文化祭があるから…その時とかどうだ」

まほ「あぁ、わかった…必ず会いに行く」

アンチョビ「それまでは電話やメールで…だな、どうする?私達の関係は…」

まほ「隠すようなものではないだろう……」

アンチョビ「そうだな…それじゃあ…今日はいろいろあって疲れた…寝させてもらうよ」

まほ「………千代美」

アンチョビ「……何…だ…ま」




アンチョビ「……………………!!!!!!」

まほ「…………また会おう」

アンチョビ「……………あ、あぁ」

アンチョビ「…………」

………
……


アンチョビ(今夜は…眠れそうにないな…///)

……こうして、私とまほは…恋人になった

続く

続くって書いてるけどとりあえずここでこの二人のお話はおしまいです
定期的に短編でイチャイチャ書けたらなーって感じになると思います
どこかで長編まほチョビ書きたいけどネタがない…つらい

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