【ガルパン】アンチョビ「どうかしたのか?」まほ「伝えたい事がある」 (40)

※まほ「行くぞ!」アンチョビ「望むところだぁー!!」 の続きです 
まほ「行くぞ!」アンチョビ「望むところだぁー!!」 - SSまとめ速報
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アンチョビ「さて引退式も終わったしそろそろ勉強しないとなぁ」

アンチョビ「しかしペパロニやカルパッチョのことも心配だし…」

アンチョビ「ん…電話か?」

アンチョビ「私だ」

まほ「…アンチョビ…」

アンチョビ「二人きりの時はちよちゃんでいいよ、まほちゃん」

まほ「……そうか」

アンチョビ「どうかしたのか?」

まほ「…ちよちゃんに話があってな」

アンチョビ「何だ?」

まほ「実は…来年、黒森峰大学に入学することになった」

アンチョビ「もう決まったのか!?」

まほ「あぁ、戦車道での推薦入学だ」

アンチョビ「おめでとう、こっちはようやく高校の戦車道を引退したところさ」

アンチョビ「まぁ、引退といってもまだまだ練習には参加するけどな」

まほ「で…ちよちゃんはどうする?」

まほ「このまま…進学するのか?」

アンチョビ「……まぁ、そうなるな、私の今の実力ではまだまだプロには速い」

まほ「戦車道は続けるのか?」

アンチョビ「当然だ!」

まほ「そうか、それなら安心だ」

アンチョビ「二年後には世界大会が控えてるしな!それまでに更にレベルアップしておくさ」

まほ「…あと…」

まほ「一週間後に名古屋に寄港する」

アンチョビ「おぉ、ということは!?」

まほ「あぁ、久しぶりに会えるな」

アンチョビ「じゃあその日は空けておくよ」

まほ「……あぁ」

まほ「じゃあ、切るぞ…おやすみなさい」

アンチョビ「あぁ…おやすみ」

まほ「………」

言えなかった

一緒に来ないか

その一言が言えなかった

彼女には…彼女が選ぶ道がある…

それを止める権利なんて…私にはない

なのに……なんだろう……

この悲しい感情は…

まほ(もし彼女が黒森峰に来たら…私が隊長で、彼女は参謀といったところだろうか)

まほ(彼女は一体、何に乗るのだろうか、パンターかティーガーか…それとも)

エリカ「隊長…この戦況での状況判断を……隊長?」

まほ「…………」

エリカ「……隊長!」

まほ「!」

まほ「あぁ、悪かった」

まほ(物思いに耽ってしまった…)

まほ(彼女は私と別の道を歩むというのに…)

エリカ「……」

まほ「しかし、私はもう隊長じゃないぞ」

まほ「エリカ、今はお前が隊長じゃないか」

エリカ「すみません…しかし、どう呼べば」

まほ「まほ でいい」

エリカ「わかりました!まほさん!」

まほ「さんはいらないのだが…しかし随分と熱心だな」

エリカ「当然です!来年こそは…王者の座を取り戻すんですから」

エリカ「それに…あの娘に…」

まほ「………なぁ、エリカ」

エリカ「どうかしましたか?」

まほ「…エリカは、もう一度、みほと戦車道をやりたいと思ったことはあるか?」

エリカ「う”ぇええ!?」

エリカ「いきなり…なんですか!?」

まほ「真剣に答えて欲しい」

エリカ「……」

エリカ「……えっと、正直考えたことがないです」

まほ「そうなのか?」

エリカ「…そうです」

エリカ「私とあの娘の戦車道は違います」

エリカ「一緒に戦車道をやりたくないとは思いませんが…」

エリカ「それよりかは、私はあの娘と戦いたいです」

まほ「…そうか」

エリカ「…どうかされたんですか?」

まほ「…少しな」

エリカ「もしかして…アンツィオの隊長のことですか?」

まほ「……あぁ」

エリカ「たいちょ…いえ、まほさんはアンツィオの隊長のことをどう思っているんですか?」

まほ「………え?」

エリカ「私は、貴方の妹のことを目標だと思っています」

エリカ「…貴女が彼女をどう思っているかが重要なはずです」

エリカ「自分の気持ちに素直になれば…失敗したとしても、後悔はしないと思います」

まほ「…私の気持ち…か」

まほ「………ありがとう、エリカ」

まほ「私の想いを…伝えてみる」

アンチョビ「…」

アンチョビ「………」

何故だろう、最近、時間の流れが遅く感じる

戦車から一時的とはいえ降りたからだろうか

それとも……

ペパロニ「ドゥーチェ、なに考えてるんスか?」

アンチョビ「ペパロニ…か」

アンチョビ「…少し、将来のことをな」

アンチョビ「半年後には私はこの学園艦から出て行く事になるからな」

ペパロニ「どこに行くんです?」

アンチョビ「大学に学園艦はないし、地元の大学かアンツィオ大学かな」

ペパロニ「あれ?姐さん…黒森峰大学に行くんじゃないんですか?」

アンチョビ「何!?」

ペパロニ「あれー、てっきりまほ姐さんとあの時にそういう約束をしてたんだと」

アンチョビ「…してないぞ」

アンチョビ(黒森峰に…考えたこともなかった…)

アンチョビ「というか、私が黒森峰に行ったらアンツィオはどうなる!」

ペパロニ「そもそもアンチョビ姐さん、アンツィオ大学って戦車道やってませんよ?」

アンチョビ「え”え”え”え”え”え”!?」

アンチョビ「ほ、本当なのか、それ!」

ペパロニ「姐さんがウチに来るまで戦車道の受講者は0だったんですよ?」

ペパロニ「アンツィオ高校みたいに、昔やってたとかもないっス」

ペパロニ「あ、ちなみに大学では料理が有名っス」

アンチョビ「そ、そうだったのか…」

ペパロニ「だからカルパッチョも、来年卒業したらたかちゃんとおなじ学校に行くんだーとか言ってたっス」

ペパロニ「しかし…悩むなんてドゥーチェらしくないっスね」

アンチョビ「別にいいじゃないか…」

ペパロニ「ドゥーチェのやりたいようにしてください」

ペパロニ「あたしたちとの関係は、何があっても崩れるものじゃないッス」

アンチョビ「…!」

アンチョビ「…わ、わかった」

・・・・・・・・・・・

アンチョビ「とはいっても…どうしたらいいんだ」

アンチョビ(私のやりたいようにって言われても)

アンチョビ(まほと…大学…か)

アンチョビ(もしまほと同じ大学に入って戦車道をやることになったら)

アンチョビ(まぁまほが隊長で…私が良くて副隊長か)

アンチョビ(…………今の私では…荷が重いかもしれない)

アンチョビ(黒森峰大学も私よりも優秀な選手が揃っている強豪校だろうし…)

アンチョビ(そう考えると世界大会の代表なんて…私には向いていないんじゃ…)

アンチョビ「…ええい、気にしてられるか!明日になったらまほちゃんが来るんだ」

アンチョビ「速く寝ないと…」

アンチョビ(…………眠れない)

9月22日

まほ「…大学選抜の試合以来だな、ちよちゃん」

アンチョビ「…そうだね、まほちゃん」

アンチョビ(あまり眠れなかったけど…なぜか眠気はない、何故だろう)

まほ「今日は1日大丈夫なのか?」

アンチョビ「あぁ、とことん付き合うぞ!」

まほ「そうか」

アンチョビ「で、どこに行きたい?」

まほ「そうだな…」

戦車道ショップ

アンチョビ「ここなんだな…」

まほ「ダメだったか?」

アンチョビ「いや、構わないが…」

アンチョビ(まぁ、まほちゃんとはずっと戦車道ばっかりだったしなぁ…)

まほ「あ、あれ…」

アンチョビ「あぁ…戦車のシュミレーションゲームか、結構昔のだが」

まほ「このゲーム、そういえば中学の頃、よく二人でスコアを競っていたな…」

アンチョビ「あぁ、やったな、最後どっちが勝ってたけ?」

まほ「確か私が少しだけスコアが上だったが…別の人にスコア1位を奪われたような…」

アンチョビ「何だそれ!私は知らないぞ!」

まほ「まぁ、あの時は私達は大会があったからな…大会が終わった後に見に行ったら塗り替わってた」

まほ(確かネームは…MAKOだったか…一体何者だったんだ…私はMAHOだったし…)

まほ「それじゃあ、久しぶりに…やるか」

アンチョビ「よーし、なら、勝った方がお昼の決定権を貰えるってことで」

まほ「いいだろう!勝負!」

・・・・・・・・・・・

まほ「3年のブランクというものは…思いの外、辛いものだな」

アンチョビ「お互いボロボロだったな…まさか最後の面でゲームオーバーになるとは…」

アンチョビ「しかし、スコアは私の勝ちだな」

アンチョビ(…この前たまたま懐かしんでやったのが功を奏するとは思わなかった)

まほ「…もう一度だ」

まほ「西住流に敗北の二文字は…」

アンチョビ「まぁ待て、こうして二人で過ごす貴重な時間をゲームだけで過ごすつもりか?」

まほ「あ…すまなかった」

アンチョビ「まぁ、とりあえず腹ごしらえだな!」

まほ「その前に…」

アンチョビ「何だ?」

まほ「買いたいものがある…少し外で待っててくれないか」

アンチョビ「あぁ、わかった…しかし何を買うんだ?」

まほ「…まだ内緒だ」

アンチョビ「?」

イタリアンレストラン

まほ「随分と高そうな店だな…」

アンチョビ「私のお気に入りの店だ…雰囲気良し、値段よし、味よしの素晴らしい店だ」

シェフ「イラッシャイマセ、お二人で?」

アンチョビ「あぁ…まほ、私のオススメでいいか?」

まほ「頼む」

アンチョビ「ランチセット二つで」

シェフ「かしこまりました」

アンチョビ「で……午後からはどうする?」

まほ「…アンツィオ高校に行きたい」

まほ「ちよちゃんが過ごした学校を…しっかりと見たいんだ」

まほ「前に来た時は…戦車道の練習や試合ばかりだったからな」

アンチョビ「そうか…」

シェフ「オマタセシマシタ」

まほ「お、来たな…ここのカルパッチョが絶品なんだ」

・・・・・・・・・
アンツィオ高校

まほ「アンツィオ高校はイタリアをリスペクトしていると聞いたが…ここまでとはな」

アンチョビ「ほとんど似せただけだがな」

アンチョビ「……よし!乗っていけ!」

まほ「カルロ・ベローチェか」

アンチョビ「…歩いてたら時間がかかるからな」

アンチョビ「私が運転するが…良かったら後で動かしてみるか」

まほ「あぁ、そうさせてもらおう」

アンチョビ「よし!じゃあ行くぞ!」

アンチョビ「まほちゃん!久しぶりにあれ、やるか!」

まほ「…あぁ」

まほ・アンチョビ「パンツァー・フォー!」

移動中

アンチョビ「なぁ…まほちゃん」

まほ「どうかしたか?」

アンチョビ「どうして…私を推薦選手に選んだんだ?」

まほ「なんだ、その話か」

アンチョビ「なんだとはなんだ!」

アンチョビ「高校の戦車道だと私は何も結果を残していないんだぞ!」

まほ「アンツィオをたった1人で立て直したんだろ?」

まほ「優秀な選手でも簡単に出来ることではない」

アンチョビ「まほちゃんの妹は戦車道を復活させた年でその学校を優勝させているじゃないか」

アンチョビ「それに、私以外にももっと他に…いい選手が」

まほ「ちよちゃんは優秀な戦車乗りだよ、私から見ても」

アンチョビ「そ、そうか」

まほ「それに…もう一度、ちよちゃんと戦車道がやりたかった」

アンチョビ「なっ!!?」

まほ「ダメだったか?」

アンチョビ「……いや///」



まほ「もうこんな時間か…あっという間だったな…」

アンチョビ「で…アンツィオはどうだった?」

まほ「前に来た時も思ったが、とても楽しそうな学校だったな」

アンチョビ「だろ?まぁこれがもうちょっと戦車道の方に向けてくれたら、もっといいんだがな」

まほ「勝つことだけが戦車道じゃない…そうだろ?」

アンチョビ「…確かに、そうだな」

まほ(そう、今の彼女の戦車道は、そういう道だ)

まほ(私の戦車道とは…違う道)

もし…ちよちゃんを誘ってしまったら

私の戦車道に彼女を巻き込むことになってしまう

今の彼女には西住流は合わないかもしれない…

…離れたほうがお互いのためになるのか…

…だが…

アンチョビ「もう…お別れか」

まほ「あぁ…今日は楽しかったな」

アンチョビ「そうだな」

…もしここで言わなかったら…きっと、ずっと後悔する…

断られたら諦めればいい…でも言わずに逃げるのは論外だ

自分の気持ちに…正直に…なって

まほ「…………ちよちゃん」

アンチョビ「…何だ?」

伝えるんだ

まほ「今日、ちよちゃんと一緒に過ごしてて…確信した」

まほ「私は、ちよちゃんともっと一緒にいたい」

アンチョビ「ななっぅ?!」

まほ「もっと同じ時間を過ごしたい」

私の想いを…

まほ「今から言うことは、私のわがままになってしまうが…」

まほ「それでもいいか」

アンチョビ「……あぁ、構わない、応えるかはわからないけど」

まほ「……黒森峰大学に…来る気はないか?」

アンチョビ「……!」

まほ「世界大会だけじゃない」

まほ「私と一緒にまた…戦車道を歩んで欲しい」

アンチョビ「………」

まほ(…ダメか)

アンチョビ「…………」

アンチョビ「……………いいよ」

まほ「本当か!?」

アンチョビ「まぁ、推薦じゃないから受験に合格するかはわからないが…」

まほ「…ちよちゃん!」ギュウッ

アンチョビ「ーーーー!!!」

まほ「…………ありがとう、苦労をかけるかもしれないが…よろしく頼む」

アンチョビ「…///」

アンチョビ「で…まだ帰らないのか?」

まほ「あぁ…大事なことが、まだ一つだけ残っている」

まほ(…そろそろのはずだが…)

9月22日 23時59分

9月23日 0時0分 カチッ

まほ「……ちよちゃん…お誕生日おめでとう」

アンチョビ「まさかとは思ってたが…」

アンチョビ「…覚えてて…くれたのか!?」

まほ「当たり前だ、こうして誕生日を祝うのも…3年ぶりだな」

まほ「……プレゼントも用意した、気に入ってもらえるといいんだが」

アンチョビ「…P40のキーホルダーか…」

アンチョビ「もしかしてこれ、今日戦車道ショップで買った…」

まほ「…本当はもっと豪華なものを用意したかったんだが…」

アンチョビ「いや、これでいい、まほちゃんからのプレゼント、すごく嬉しい」

まほ「そうか!」

まほ「気に入ってくれて…私も嬉しい」ニコリ

アンチョビ「…………///」

その時の笑顔を見て…私はずっと考えていた悩みへの答えが出た

どうして…まほちゃんと一緒にいるとドキドキするのか…

どうして…あの試合以降、時々まほちゃんのことを考えるようになったのか…

どうして…この一週間が、すごく長い時間に感じたのか…

気がついたら…簡単なことだ



私は…まほちゃんが好きなんだ


アンチョビ「…///」

アンチョビ「…次は…いつ会えるかな」

まほ「そうだな…冬休み頃になりそうだ…」

アンチョビ「そうか…」

まほ「なに、ちよちゃんが合格して4月になれば…ずっと一緒なんだ」

アンチョビ「…///」

あぁ、この言葉も…無自覚なんだろうなぁ

まほちゃんは…私のことを…どう思ってるんだろう

…………………
……………
…………

言えなかった

一緒の大学に来て欲しいという私の"願い"は伝えることができた

だが…肝心の私の想いは…伝えることができなかった

私は…ちよちゃんが好きだ

ただ、最近まで私は友情としての意味でちよちゃんが好きなんだと思っていた

………だが、最近芽生えたこの感情

ちよちゃんといると心が踊り

ちよちゃんがいなくなると心が寂しくなる

この感情は…恋心なのだろうか?

きっと…そうなのだろう

エリカに相談すればそうであると答えるはずだ

だが…この私の感情を…本当に伝えるべきなのだろうか

もし伝えたら…私達の関係が崩れることになるかもしれない

それだけは嫌だ…だが、この高ぶる感情を抑え続けるのは……

私は……どうすればいいのだろう

以上になります
次はクリスマスのお話になると思います
まさか外伝作品とはいえアンチョビ呼びだったなんて…

アンチョビは愛知県出身だけどアンツィオは栃木の学校で母港は静岡です(小声)

>>37
おもいっきり間違えました…すみません…

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