―黒森峰女学園・食堂―
まほ「そこでまほは考えた」
エリカ「いい加減にしてください隊長。なんの脈絡もなく何を言い出すんですか」
まほ「みほが大洗に転校して大きく成長したように、私も他校に短期転校し、見聞を広めよう大作戦の件だが」
エリカ「もう凛々しくてかっこいいしっかり者だった頃の隊長はいないのですね・・・」
まほ「忍者ってかっこいいと思わないか?」
エリカ「あっ!全然違う話をしだした!」
まほ「この前、島田愛里寿と会った時、忍び装束姿だったんだが・・・これがまたかっこよくてな。少し忍道というものを調べてみたんだ」
エリカ「勘弁してくださいよ!他校に転校とかいいながら今度は戦車道から鞍替えですか!?」
まほ「勘違いするなエリカ。戦車道から離れるつもりはない」
エリカ「怪しい・・・」
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まほ「ほら、雑誌に載っていたのだが忍者を題材にしたテーマパークが楽しそうだぞ。現代の中高生に大人気らしい。シノビックパークと言うそうだ」ウキウキ
エリカ「はあ、そんなのが流行ってるんですか。今日びの女子高生はわからないわね・・・」
まほ「今時行っていないのは私とエリカくらいなのかもしれないな」
小梅「あら、私もまだですよ」ヒラリ
エリカ「赤星!」
小梅「忍び、忍者、くノ一!まだまだ知らない忍者の世界!ぜひリポートしてみたいですね」ウキウキ
エリカ「あのねぇ、私達は戦車女子よ。忍道なんか取ってないし、やる必要もないわ。乙女なら戦車一直線よ!他の道に寄り道している暇なんかないの!」
まほ「今度の休みにでも三人で行ってみるか、そのテーマパーク」
エリカ「赤星、よくやったわ」グッ
小梅「あ、それと隊長にご報告があって来ました。お客様が来られていますよ」
まほ「客?予定は無いが・・・」
エリカ「まさか家元では・・・」
まほ「!・・・エリカ、生徒全員に非常事態通告を」
小梅「いえ、家元ではありません。プラウダ高校のカチューシャさんとノンナさんです」
まほ「なに?・・・よかった」ホッ
エリカ「家元が抜き打ちで来られていたら、我々の怠惰っぷりにこの艦を撃墜されていたかもしれませんね・・・」
カチューシャ「マホーシャ!話を聞かせなさい!」
まほ「ずいぶんな御挨拶だなカチューシャ。いきなり訪れて何の前置きも無しに、何の話だ」
ノンナ「申し訳ありませんまほさん。同志カチューシャは憤慨しているのです」
カチューシャ「聞いたわよ!あなた、最近いろんな学校に遊びに行ってるそうね!」
エリカ「ちょっと、隊長は戦車道の腕を磨くために他校に赴き、見聞を広めているのよ。遊びに行ってるわけじゃないわ」
まほ「ああ。アンツィオ、知波単、継続高校に遊びに行ったぞ」
エリカ「ンンッ!隊長ォ!」
カチューシャ「・・・・・・なんでよ」
まほ「?」
カチューシャ「なんでカチューシャのところには遊びに来ないのよ!プラウダは全然楽しそうじゃないってワケ!?」
まほ「・・・」
エリカ「そう来たか」
ノンナ「カチューシャは激怒しました。かの西住まほが他校へ遊びに行っているのになぜプラウダには来ないのだと」
まほ「理由はない。順番も決まっている訳ではないし、プラウダもいずれは行く予定だった。何も考えずに短期転校していたのだ」
エリカ「なんも考えてなかったんですかぃ!」
カチューシャ「だったらプラウダに来なさい!あなたの言う通りいずれ来るつもりだったんなら問題ないでしょ?それともカチューシャが怖くって怖気づいたのかしら?」
まほ「ん、いいぞ」
カチューシャ「速いお返事ね!」
エリカ(いけない・・・これはいけないわエリカ!今の隊長は忍道がどうこう言っているようなブレブレ状態・・・放っておくと本当に忍道とか仙道とかに走ってしまうかもしれないわ・・・)
エリカ(そんな時に何があるかわからないプラウダに短期転校なんて・・・帰ってきたら今度こそどうなっているかわからない。戦車道?なにそれ?それより革命だ!なんて隊長になっているかも!)
エリカ(それはまずいわ!それにプラウダの方から隊長を呼びに来るなんて、なにか罠があるかもしれない!ここは私が・・・私がしっかりして隊長を守らないと!)
エリカ「隊長、私も行きます」
まほ「む。どういう風の吹きまわしだ。いつもは短期転校に反対していたくらいなのに」
エリカ「プラウダは我が黒森峰にとって強大なライバルです。そこへ隊長を一人で送るなどできません。私もお共します」
まほ「そうか。では、私と一緒に行ってくれるか」
エリカ「!・・・はい!(あ、今の隊長かっこいい)」
―プラウダ高校―
エリカ「ついにやって来たわに!プラウダ高校!」バーン
まほ「わに?」
カチューシャ「よく来たわね!ここがあなたたちの墓場になるのよ!」
まほ「えっ」
ノンナ「ようこそ、プラウダ高校へ。我々はあなたがたを歓迎いたします。まほさん、エリカさん」
まほ「出迎え感謝する。世話になるな」
カチューシャ「校内に入る前にまずは我が校の制服に着替えなさい」
まほ「着替えた」プラ~
エリカ「隊長、よくお似合いです」ウダ~
まほ「エリカもな。もっと暑い服なのかと思ったが、案外快適だな」
ノンナ「ロシアの冬はたしかに寒いのですが、夏は気温が30度以上になることもあるので、常に寒いという訳ではありません」
エリカ「日本だけどね」
カチューシャ「それじゃさっそく行きましょう!マホーシャ!イツミーシャ!」
エリカ「えっ!?私だけ名字ーシャ!?」
カチューシャ「いいじゃないの。小熊みたいでかわいい名前じゃない」
ノンナ「モスクワオリンピックのマスコットキャラクター、小熊のミーシャを連想させますね」
エリカ「エーリカとかエリーチカとかでいいと思うんだけど・・・」
まほ「小熊のミーシャか。かわいいじゃないか」
エリカ「イツミーシャでいいわに!」
カチューシャ「それじゃ宿舎に案内してあげるわ!荷物を置いて一息つくのよ!」
ノンナ「こちらがお二人の部屋です」キラ~
まほ「すごい豪華な部屋」
エリカ「新築の部屋じゃないの。こんないい所を余所者にあげていいの?」
カチューシャ「偉大なカチューシャの懐の広さに感謝しなさい!」
ノンナ「テレビにはWOWOW、スカパー、アニマックスのケーブルも引いてあります。冷蔵庫の中は自由に飲み食いしてください。パソコンもインターネット使い放題。Wi-Fiも完備してあります」
エリカ「・・・怪しい・・・なんだってここまで高待遇なの・・・なんだか裏がありそうね」
まほ「気を抜くなエリカ。私達を甘やかして、黒森峰の情報を聞き出そうとしているのかもしれない」ヒソヒソ
エリカ「はい。警戒しましょう」ヒソヒソ
ノンナ「寝室には二段ベットを用意しています」
まほ「やった!二段ベットだ!」グッ!
エリカ「・・・」
カチューシャ「それじゃ、30分後には食事だから。それまでは長旅の疲れを癒しなさい」
ノンナ「では、失礼します」バタン
エリカ「・・・一体何を企んでいるのかしら」
まほ「私が上の段だからな」
エリカ「二段ベットの話はいいんですよ!気を引き締めてください隊長。プラウダの策にはめられてはいけません」
まほ「うーむ。私もそう思ったが、考えすぎかもしれない」
エリカ「いいえ!プラウダは黒森峰を目の敵にしています!なのにこんな立派な部屋に快適設備・・・きっと私達をまるまる太らせて食べる気なんです!」
まほ「エリカ、落ち着け。たしかにプラウダとはライバル関係だが、我々は戦争をしているわけではない。試合の時以外は友人同士だ」
エリカ「カチューシャは勝利のためなら何をするか知れません。油断できませんよ・・・ここは敵陣のど真ん中なんですから」
まほ「とにかく、今は休もう。まさかプラウダに来てエリカと一緒の部屋に泊まることになるとはな。迷惑をかけるかもしれんが、よろしくなエリカ」
エリカ「プラウダ最高ォーーー!」
今後、津軽弁とか方言が出てくるかもしれませんが、>>1は方言喋れないのでむちゃくちゃだったり間違ってたりするかもしれません。ご了承ください
―食堂
ノンナ「まほさん、エリカさん、こちらが食堂です」
ニーナ「あんれまおどれぇた!黒森峰の隊長さんと副隊長さんじゃねぇべか。こったらとこでなにしてんだか」
まほ「ああ、少しの間だが短期転校してきたんだ」
アリーナ「へえ~、こりゃまたどえれぇ方が来たもんだな~。んだばよろしくしてやってくんろ」
まほ「ここは日本国内?」
エリカ「あれもれっきとした日本語です。プラウダは青森に寄港しますからね。隊長のカチューシャと副隊長のノンナは北海道の出だそうで」
まほ「我々とは真反対だな」
クラーラ「アチャラペチャラクチャラポンポコリン」
まほ「!?」
ノンナ「『有名な西住まほさんと逸見エリカさんと同志になれてうれしいです』と、クラーラは言っています」
エリカ「今のはロシア語?」
ノンナ「はい。クラーラはロシア出身のモノホンです」
クラーラ「クラーラピーヒャラピーヒャラ、パッパパラパー、ウガチャカウガウガ」
まほ「今度はなんと?」
ノンナ「『私ノ名前ハ、クラーラ言イマス。仲良クシテホシイ思イマス』と言っています」
エリカ「なんで通訳がカタコトなのよ!」
まほ「昼食のボルシチ、おいしかったな」
エリカ「ええ。かなり本格的でしたね。午後の授業は何時からかしら?」
ニーナ「さあ・・・カチューシャ隊長のお昼寝が終わったら授業が始まるんだべ」
まほ「えっ」
エリカ「なにそれどゆこと」
アリーナ「カチューシャ隊長は必ずお昼寝をするべーな。お目ざめになるまで待つんだべさ」
エリカ「学校全体が?カチューシャに合わせてるってこと?独裁すぎない?」
クラーラ「テケレッツノパー」
まほ「またロシア語だ。ノンナはどこだ?」キョロキョロ
ニーナ「隊長のお昼寝中はつきっきりだー」
クラーラ「コンバインオッケー、コンバインオッケー」
エリカ「なにか訴えたいみたいだけど通訳がいないんじゃ話にならないわ。あなた、日本語は喋れないの?」
クラーラ「喋れるよー」
エリカ「りゅうちょう!」
アリーナ「クラーラさんは日本語が堪能なんだべさ」
クラーラ「カチューシャ様のお昼寝は、カチューシャ様の大切なライフワークの一つなのです。私達はただ待つのみ」
エリカ「めちゃめちゃペラペラじゃない・・・最初から日本語で話しなさいよ」
アリーナ「クラーラさんはわたすたつと話す時は日本語だども、カチューシャ隊長の前ではロシア語で話すことが多いんだべ」
クラーラ「ロシア語がわからなくてくやしがるカチューシャ様のかわいいことったら」
エリカ「地吹雪のカチューシャってもっと恐れられてるものかと思ったけどそうでもないのね・・・」
ニーナ「いんやいんや!カチューシャ隊長は今でこそ丸くなったども、ちょっと前まではそったらおっそろすぃー人だったんだべ!」
アリーナ「んだんだ!やたらめったら怖い隊長だったんだべ!」
まほ「気になるな。一体どれほどまでの恐怖政治を敷いていたんだ?」
ニーナ「ありゃあわたすたつがプラウダに入学して間も無いころだった・・・」
ホワンホワンホワンホワ~ン・・・
~数か月前・・・プラウダ高校・春~
ニーナ「なあなあ、聞いたべか?この学校の戦車道チームの新隊長、めっちゃくちゃおっかない人だそうだべ」
アリーナ「わたすも聞いた。とにかくすんげぇ鬼隊長がいるそうだべ」
プラウダ一年生「そうそう。今年の一年生はたくさんおるけんど、何人残るかわがんねえなあ~」
ニーナ「でもそれは、本人の気持ち次第だべ。わたすは絶対やめないべ!わたすはどんなことにも耐えてみせるべ!」
ガラッ!
ニーナ「!」
アリーナ「来たべ」ヒソヒソ
ツカツカツカ・・・・・・
机<バァン!
ニーナ「っ」ビクッ
アリーナ「ひっ」ビクッ
カチューシャ「・・・隊長のカチューシャよ」
ノンナ「・・・」
カチューシャ「私の使命は・・・役立たずのあなた達を、立派な戦車女子に育てあげることよ!」
ツカツカツカ・・・
アリーナ(あ・・・一年生の背後に立ったべ・・・後ろから顔を近づけて・・・)
グイイッ
カチューシャ「名前は?」
ニーナ「・・・ふへっ・・・ニーナですだ。へへっ・・・」ヘラ
カチューシャ「ニヤニヤするなフンコロガシが!!!」クワ!
ニーナ「ぴっ!」ビクゥ!
ムギュ!
ニーナ「むぇっ」ホッペムギュー
カチューシャ「その顔は・・・上官に媚びへつらう時の顔よ・・・私に・・・色目を使ってるのかしら?」ムギュー
ニーナ「っ・・・が、がんばりましゅ・・・」ムギュー
カチューシャ「声が小さい!」
ニーナ「がんばりましゅ!」ムギュー
カチューシャ「声が小さいぃ!!!」
ニーナ「がんばりまっしゅ!」ムギュー
カチューシャ「よぉし!」バッ
ニーナ「・・・」グスン・・・グスン・・・
ツカツカツカ・・・・・・
アリーナ(!・・・き、来たべ・・・)
グイイ・・・
カチューシャ「・・・名前は?」
アリーナ「っ・・・・・・アリーナ」
カチューシャ「わかってる!!!」クワ!
アリーナ「!?」
カチューシャ「隊長のカチューシャよ」
アリーナ(なんで聞いた・・・)
カチューシャ「あなたは今日から・・・・・・田舎っぺ大将よ」
アリーナ「!?・・・えっ・・・あだ名?・・・」
カチューシャ「あなたの訛りはヒドイ。頭痛がする。かっぺ根性丸出しだわ」
アリーナ「っ・・・うっ・・・うう・・・」グスン・・・
<グスグス・・・
<ウウ・・・
<ヒック・・・ヒック・・・
ニーナ(・・・一年全員泣かされたべ・・・)グスン
カチューシャ「いい?あなた達はこれからプラウダの歯車となって戦うの。それまで、あなた達はこの学園艦で最も下等な生命体よ!ピロシキの中のお惣菜を集めた価値にしかすぎない!わかったわね!?」
アリーナ(・・・お、おっかねぇ・・・帰りたい・・・)グスン
カチューシャ「よし・・・それじゃ戦車道の基本、挨拶からよ!私の故郷、北海道の方言を教えてあげるわ!北海道弁をしっかり叩き込みなさい!全員立て!」
バッ!
カチューシャ「右向け右ぃ!」
バッ!
カチューシャ「腹から声出しなさい!」
ニーナ「っ・・・」ゴクリ・・・ アリーナ「・・・」ゴクリ・・・
カチューシャ「なーーーんばらしばれるっしょーーー!!!(訳:とても冷え込みますね)」
『なんばらしばれるっしょー!!!』
カチューシャ「じょっぴんかったのかぁーーーい!!!(訳:鍵は閉めましたか?)」
『じょっぴんかったのかーい!!!』
カチューシャ「ベリーーーグーーーッ!!!(彼の名前はトムです)』
『ベリーグーッ!!!』
ホワンホワンホワンホワ~ン・・・・・・
ニーナ「――ってな具合でめっちゃくちゃ鬼隊長だったんだべ」
エリカ「いやもう・・・」
まほ「北海道弁は難しそうだな」
アリーナ「だけども大洗との試合の後・・・特に大学選抜との試合が終わってからはなんだかカチューシャ隊長、優しくなったんだべさ」
クラーラ「私も鬼隊長の頃のカチューシャ様を見てみたかったです」
まほ「みほとの試合で何かが変わったのかもしれんな」
エリカ「・・・」
ノンナ「皆さん、同志カチューシャがお目覚めになりました。午後の授業は10分後に開始されます。各自教室に向かい、授業の準備をするように」
ニーナ「あっ、はーい」
エリカ「本当にカチューシャ中心に回ってるのね・・・プラウダって」
カチューシャ「歴史の授業は実にゆういぎだったわねマホーシャ!」
まほ「プラウダらしく旧ソビエトの歴史の授業だったな。特にソ連将校のベレンコ中尉の亡命事件の話が興味を引いたよ。戦闘機で訓練中に逃げだし、日本へ強行着陸するとは、なかなかできることじゃない」
カチューシャ「当時の国家機密にして最新鋭戦闘機と恐れられていたミグ25の実態が世界に暴露された事件ね。機体がチタンではなくステンレス製だったり、時代遅れの真空管などで作られてたっていうんだから驚きだわ」
まほ「ソビエト内部の腐敗っぷりが亡命のきっかけの一つらしいが、カチューシャ、お前も生徒が他校に亡命転校しないようにしっかりしておけよ」
カチューシャ「プラウダはそんなんじゃないわよ!いいとこは見習って、悪いとこは改善してるんだから!脱走生徒はちゃーんと離れの倉庫に幽閉してあるもの!」
まほ「えっ」
ノンナ「冗談です」
カチューシャ「さっ、授業も終わったんだから戦車道の練習に行くわよマホーシャ!」
まほ「ああ。ところでカチューシャ、あっちの・・・校庭の隅にある倉庫は何だ?」
カチューシャ「逃げだそうとした生徒を閉じ込めてるの。大丈夫、ちゃんと1日2回食事は与えてるわ」
まほ「えっ」
ノンナ「冗談です」
まほ「・・・本当か?」
ノンナ「カチューシャの冗談です。ですのでまほさん、あの倉庫の中は覗いてはいけません。絶対に」
まほ「・・・・・・」
カチューシャ「みんなそろってるわね!それじゃあ戦車道訓練の前に健康チェックよ!ノンナ!」
ノンナ「点呼します。アリーナ」
アリーナ「はい。元気です」
ノンナ「ニーナ」
ニーナ「はーい。元気でーす」
カチューシャ「もうっ!これ毎回まどろっこしいのよ!一度にやった方がいいわ!体調不良の者はいる!?」
\シ~ン・・・/
カチューシャ「じゃあ元気な人は手をあげなさーい!」
\ハーイ!/
カチューシャ「はい、全員元気ね!ノンナ!次!」
ノンナ「今日は同志カチューシャの意向で戦車道訓練前に資料映像を見ることで、皆のモチベーションを上げようと思います」
カチューシャ「偉大で寛大なカチューシャの斬新なアイデアよ!今日は黒森峰からの転校生もいることだし、新しい試みをしようと思うの!」
エリカ「・・・サブリミナル映像でも見せて洗脳しようとしてるんじゃないでしょうね」
カチューシャ「失礼ね!今日見る映像はね、カチューシャの大好きな映画よ!」
エリカ「映画?・・・プラウダといえば『戦艦ポチョムキン』とか『イワン雷帝』とかかしら。それとも『バイオソルジャー』みたいなロシア映画かも」
ノンナ「『アントマン』という映画です」
エリカ「おもっきしアメリカ映画じゃないの!」
カチューシャ「私はね、良いと思うものは取り入れる主義なの。アメリカだろうとイギリスだろうとこだわってたらもったいないわ!世界は広いんだから、良いものにどんどん触れてかないとね!」
まほ「アントマンか・・・聞いたことはあるが見たことはないな。身長数センチの男がどうのこうのという宣伝を見たことがある」
カチューシャ「この映画を見たら、たとえ小さくてもどんなにすごいことができるかを理解できるはずよ!小さくったってヒーローになれるんだからね!」
ニーナ「ああ・・・そういう・・・」 アリーナ「なるほどな~」
カチューシャ「そこ!まだ見てないのになにを頷いてるの!カチューシャのことを小さいとか思ってるんじゃないでしょうね!」
ニーナ&アリーナ『いえいえいえ!』ブンブン
ノンナ「身体の小さい人間が活躍する様を見て、カチューシャは大変興奮していました」
カチューシャ「ちょっとノンナ!」
ノンナ「では、再生します」ピッ
エリカ「まったく、何を見るかと思ったら子供向けのヒーローモノですって?こんな子供騙しなんか見たってなんにもならないわよ。意味ナシ。時間のムダね。砲弾を磨いてる方が有意義だわ」
エリカ「ものすごくおもしろかったわ!」パァー
カチューシャ「ふふーん!どうかしら?」ドヤァ
まほ「とても面白い映画だったな。あまりこういうヒーロー物というのは見ないのだが、子供騙しなどではない。純粋に楽しい物語だった」
アリーナ「戦車道とぜんぜん関係ないかと思っとったっけど、ちゃんと戦車も登場してたべな」
ニーナ「戦車に乗ってる兵隊さんを引っ張りだして放り投げてたんもんな。あと終盤で――」
カチューシャ「わかったかしら!もう小さい人間のことを舐めたりしないことね!さ、小さい人間のスゴさを理解したなら、次は戦車の訓練に移るわよ!」
ノンナ「全員外に集合。今日は模擬試合の紅白戦を行います」
まほ「プラウダに来ていきなり紅白戦か。面白そうだ」
ニーナ「んだばさっそく戦車に乗るべーな!」ダッ
カチューシャ「こら!待ちなさい!」
ニーナ「ひっ!」ビクッ
カチューシャ「急に戦車に乗るとケガするかもしれないじゃない!準備運動で十分身体をほぐしてからよ!」
ニーナ「あっ、はい」
カチューシャ「ボードに書いたチームに分かれなさい!私が事前に公平に分けたチームよ!」
エリカ「あ、私隊長と別・・・」
まほ「エリカはカチューシャのチームか」
ノンナ「!・・・カチューシャ・・・このチーム分けは一体・・・」
アリーナ「ノンナさんはまほさんのチームだぁ」
ニーナ「カチューシャ隊長とべっこだな。めんずらすぃ~」
カチューシャ「いい?ノンナ。あなたが相手でも私は手加減しないわよ」
ノンナ「・・・しかし・・・なぜ私がカチューシャのチームでないのですか」
カチューシャ「偉大で寛大で斬新なカチューシャの完璧な采配よ。あなたはマホーシャに従いなさい」
ノンナ「・・・」
まほ「ノンナ、私ではふがいないかもしれんが、よろしくしてくれるか」
ノンナ「・・・いえ、あの・・・」
カチューシャ「さっ!イツミーシャ、私についてきなさい!マホーシャとノンナ率いる白チームをコテンパンにしてやるわよ!」
エリカ「その呼び名やっぱり変えないの?・・・」
シュポッ
カチューシャ「やったー!勝ったわー!マホーシャに勝ったわー!」ピョンピョン
まほ「ふう・・・すまん皆。私の指揮がいたらず負けてしまった」
ニーナ「いんやいんや。まほさんと一緒に戦えてよかったですだ。それに戦法の毛色が違うプラウダの生徒を指揮するのは大変だべ」
クラーラ「クピポ!」
まほ「すまん、ロシア語は・・・」
ノンナ「『いい試合でした』とクラーラは言っています」
まほ「ありがとう。次はがんばるよ」
カチューシャ「ふっふーん!どうかしらマホーシャ?このカチューシャの強さが身にしみたかしら?」
まほ「ああ。エリカへの指示も完璧だったと思う」
カチューシャ「大学選抜の時に組んだ仲ですもの!ねっ、イツミーシャ!」
エリカ「まあ、そうね。隊長ほど完璧な指揮官ではないけれどあなたもなかなかよ。一緒にやれていい経験になったわ」
カチューシャ「そうでしょそうでしょ!二人ともこの偉大で寛大で斬新で完璧なカチューシャの優秀さが理解できたかしら?アッハハハ!」
ノンナ「・・・」
アリーナ「なあ、ノンナさんなんだか元気がなくねが?」ヒソヒソ
ニーナ「んだんだ。なんか心配になっちまうな」ヒソヒソ
クラーラ「クププ・・・」
まほ「夕食はビーフストロガノフか。美味しいな」モグモグ
エリカ「これはなに?デザート?」
カチューシャ「リンゴとカスタードが入ったデザートのシャルロートカよ。ロシア風のリンゴケーキってところかしら。あったかいうちにバニラアイスと一緒に食べると格別よ!」
まほ「うむ、美味」ングング
エリカ「ロシア料理ってバニラとかサワークリームとか甘いイメージが強いわね」
カチューシャ「さっ、ご飯を食べたらお風呂よお風呂!今日の練習で分けた紅白チーム別でお風呂に入るわよ!」
ノンナ「えっ!?」ガタッ
ニーナ「隊長がノンナさんと風呂をべっこだって・・・」ヒソヒソ
アリーナ「こらぁ今夜のノンナさんはブリザードのように荒れるべ・・・」ヒソヒソ
クラーラ「モクケラヒー・・・」
ノンナ「あの・・・カチューシャ・・・私とは・・・」
カチューシャ「たまにはノンナと一緒じゃないのもいいかなって思ったの。かまわないでしょ?」
ノンナ「・・・・・・カチューシャがそう言うのなら・・・」
カチューシャ「さっ、行きましょイツミーシャ!今日のお風呂は熱海の湯よ!」グイグイ
エリカ「はいはい。温泉の素でしょ。じゃ、隊長お先に失礼します」
まほ「ああ」
ノンナ「・・・・・・」
カポ~ン
ノンナ「・・・」ブクブク
ニーナ「ノンナ副隊長、口をお湯につけたままブクブクしてらぁ」
クラーラ「ノンナの気持ちはわかります。自分の下から大事な雛鳥が飛び立ってゆくが如し、その悲しみは子を持つ親にしか知ることのない果てしなき寂しさ・・・まるでツンドラの永久凍土のように心は凍てつき・・・」
ニーナ「よくしゃべるなぁ」
まほ「ノンナ、平気か?」
ノンナ「・・・・・・いえ・・・考えごとをしていただけです・・・」
クラーラ「無理をしないでください同志ノンナ。カチューシャ様が自分から離れ、逸見さんと一緒にいるのがさみしいのでしょう」
ノンナ「・・・・・・大丈夫です・・・少し気分がよくないだけです」
ニーナ「大丈夫ですか?気分がよくないって・・・どんくらい?」
ノンナ「・・・いや、泣いていませんよ・・・」
ニーナ「あれ!?ノンナさんがポンコツになっちまってるだ!」
まほ「ノンナ、『Don't cry』じゃない。ニーナはどんくらいと言ったんだ」
ノンナ「・・・」ブクブク
クラーラ「ロシア語でなく英語に反応するとは・・・これは思った以上に重傷かもしれません」
まほ「・・・ここは私がなんとかしてやらないと。そう、数々の問題を解決してきたまほお姉ちゃんが!」バシャー
エリカ「あ、隊長、お風呂上がったんですね」
ノンナ「!!!」ピシャーン!
まほ「ああ。ところでエリカ、何をしているんだ?カチューシャを太ももの上に乗せて・・・」
エリカ「テレビを見るから座らせろとうるさくて・・・」
カチューシャ「今ね、あなた達がお風呂からあがるまで『世界の車窓から』のロシアの駅をまとめた総集編を見てたの!プラウダの同志が編集してくれた特別製よ!」
ノンナ「・・・カチューシャを乗せて・・・」ワナワナ
カチューシャ「まっ、白チームもお風呂から上がったことだしミーティングをはじめましょ。明日も紅白戦をするんだから、今日の試合の反省点をまとめて、明日に活かすように!」
まほ「ああ、わかった」
カチューシャ「じゃ、紅チームは第1会議室に集合よ!いくわよイツミーシャ!かがみなさい!」グイ
エリカ「はいはい・・・肩車ね」スッ
カチューシャ「じゃあまた後でね~」
ノンナ「・・・・・・」ドォーン
ニーナ「ゲ~ッ!ノンナ副隊長が立ったまま気絶してるだぁ~!」
―プラウダ高校・第2会議室
ノンナ「・・・」イジイジ
まほ「ノンナ。椅子の上に三角座りをして机を指でいじいじするのもそこまでだ」バタン
ノンナ「・・・まほさん。チームの皆さんは?」
まほ「各自で反省会と明日の試合の対策を考えておくように言っておいた。君と話をしないとならないと思ってな」
ノンナ「・・・心配させてしまって申し訳ありません・・・少し・・・環境の変化に驚いているだけです・・・」
まほ「ノンナ、君はカチューシャにとって何だ?」
ノンナ「!・・・」
まほ「姉か?親か?」
ノンナ「同志です」
まほ「友人ではないのか?」
ノンナ「・・・・・・大切な友人です」
まほ「カチューシャがエリカと仲良くするのが面白くないのか?」
ノンナ「それは違います。カチューシャは魅力溢れる偉大なる存在。惹かれる人間が多いのは当然です。エリカさんも悪い人ではありません」
まほ「なら何が気がかりだ」
ノンナ「・・・カチューシャとはいつも一緒でした。食事も入浴も戦車道も・・・今日、カチューシャと別行動になって思ったのです。いつか・・・いつかカチューシャと一緒にいられなくなる日がくるのかと・・・」
まほ「出会った以上、別れはある」
ノンナ「わかっています・・・ですが・・・考えるだけでとても寂しく・・・悲しくなるのです・・・」
まほ「私も去年、みほと別れ別れになった」
ノンナ「あっ・・・」
まほ「最初は寂しかった。私が中学に上がってからみほと別れて生活した時もあったが、みほが黒森峰に入ってからも一緒に戦車道をやっていたからな」
まほ「しばらくは連絡もできない間柄だったが・・・今では昔と同じようにとまでは言えないかもしれないが、仲良くやっている。強く反発していたエリカもな」
まほ「もし、今後君とカチューシャが別々の道を進むことになったとしても、友人関係がそう簡単に消えるようなことはないさ。君達が友人であり続けたいと思うのならな」
ノンナ「・・・・・・ありがとうございます。気をつかっていただいて」
まほ「ふっ・・・私はお姉ちゃんだからな」
ノンナ「?」
まほ「まあ、君達が別の道を進むようなことにはならないとは思うがな。これからもずっと二人で一緒にいそうだ」
ノンナ「そうですね。私はカチューシャと共に生きることを決めています」
まほ「なにがそこまで君を心酔させるんだ?」
ノンナ「・・・そうですね・・・」
―――
カチューシャ「ノンナ。私達一年生の意見なんて三年生は聞いちゃくれないわ。いくら私がすごい作戦を考えてもプラウダのドクトリンに採用されない」
ノンナ「ええ。一年生の提案など聞く耳を持ってくれませんね」
カチューシャ「今はまだ駄目かもしれないけど・・・いつかきっと私はプラウダの隊長になってみせるわ!いえ、きっとじゃない!絶対によ!」
ノンナ「ええ」
カチューシャ「そのためにはいっぱいいっぱい練習して、いっぱいいっぱい勉強して、強くならなくちゃ!」
ノンナ「ええ」
カチューシャ「それと・・・ハートを磨くっきゃないわ!隊長たるもの、人を率いる者としてハートを磨くっきゃない!キレイに磨くっきゃない!」
カチューシャ「今より誰より輝いて、プラウダの隊長の座を射止めてやるんだから!」
ノンナ「ええ」
カチューシャ「そのためにはノンナ!あなたの力が必要よ!私一人じゃすごい隊長止まり。だけどノンナが一緒なら、日本一のすごい隊長になれるわ!」
ノンナ「!・・・」
カチューシャ「私と一緒に道を進みましょう!ノンナ!」
ノンナ「・・・はい。あなたとならどこまでも、カチューシャ」
―――
ノンナ「カチューシャは私を必要としてくれた。私はいつまでもカチューシャと一緒にいます」
まほ「そうか・・・去年我々がプラウダに敗けたのもうなずけるな」
ノンナ「もう私は平気です。ご心配をおかけして申し訳ありませんまほさん。明日の紅白戦、勝ちましょう」
まほ「ああ」
カチューシャ「ふわぁ~・・・」アクビィー
エリカ「あら、おねむの時間かしら?」
カチューシャ「もう9時じゃないの。いい子は寝る時間よ。さ、会議はここまで。みんな、明日の紅白戦、勝つわよ!」
\ウラーーー!/
カチューシャ「各自部屋に戻ってしっかり身体を休めるように!明日になって体調がすぐれない~なんて言わないようにね!」
エリカ「・・・けっこう気づかいできるのね」
カチューシャ「ふわぁ~っ」
ノンナ「・・・あの、カチューシャ?」
カチューシャ「ん?なに?」
ノンナ「・・・私でいいのですか?今日の子守歌はエリカさんにしてもらうのかと思っていたのですが」
カチューシャ「え、なにそれ?なんでイツミーシャ?」
ノンナ「え」
カチューシャ「へ?」
ノンナ「あれ?てっきりエリカさんを気に入ったのでは・・・」
カチューシャ「え?」
ノンナ「ん?」
カチューシャ「いや、イツミーシャとは仲良くなれたけど。いつも子守歌を歌ってくれるのはノンナじゃない」
ノンナ「それはそうですが・・・」
カチューシャ「私、ノンナの歌じゃないと眠れないから」
ノンナ「!」
カチューシャ「自慢じゃないけど私、ノンナがいないと寝ることもできないのよ」
ノンナ「・・・・・・ふふ」
カチューシャ「あっ!なに笑ってるのよ!」
ノンナ「いえ、安心してくださいカチューシャ。私が眠らせてあげます。永遠に」
カチューシャ「っ!?なんか怖いニュアンス!」
今回はここまでで。書き忘れてるけどこのスレは
まほ「アンツィオ高校、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」
まほ「知波単学園、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」
まほ「継続高校、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」
の続きになります。が、見てなくても大丈夫だと思います。それぞれの高校の連中とまほが仲良くなったってことで
>。57
まほ「泥まみれの虎」
はほんとがんばったSSなので皆みてほしい。いやもう本文読まなくていいからスレ終盤に貼られてるイラストだけでも見てほしいあれほんと最高。描いたの俺じゃないけど
あのSSをよんでIDから全てのSSをよんだ私は最高ってことでOK?
>>58
隊長がイサミになっちまっただー!
アイツに届かない光じゃ悔しいから
良い歌詞だよね
>>63
それははずかしいから勘弁して。自分でも「あ、こりゃ面白く書けなかったな」ってのが大半だから。泥まみれの虎だけでいいです。いや、そこに貼られてる絵を見るだけでいいです
>>68 >>69
知ってる人は「あ、これ○○のネタ!」ってなってくれればいいし、知らない人は特に違和感なく文をそのまま読めればいいなと思ってます。違和感ありまくりだけど
―まほとエリカの部屋
まほ「ふふん。少しお姉ちゃんっぷりを発揮しすぎてしまったかな」ドヤァ
エリカ「えーとカチューシャが考えた作戦を整理して・・・」
まほ「ふふふーん」ドヤサァ
エリカ「作戦資料はこれでまとまったわね。さ、あとは少しゆっくりしようかしら」
まほ「エリカ、エリカ」グイグイ
エリカ「もう!なんですか!」
まほ「なにがあったか聞いてくれ」
エリカ「・・・今日はなんか映画やってるかしら」ピ
まほ「エリカ、エリカ」グイグイ
エリカ「あーもう!なんですか!?なにがあったんですか!?」
まほ「ふふふ、いや、なに、あまりひけらかすようなことはしないほうがいいかな?」
エリカ「あっ、サマーウォーズやってるじゃない。WOWOWでスタンド・バイ・ミーやってるし。アニマックスのこち亀も捨てがたいわね」
まほ「わーエリカーエリカー」グイグイ
エリカ「やっぱりポンコツまぽりんじゃないですか!なんなんですかもう!」
まほ「実はさっき、コレコレシカジカ・・・」
エリカ「カクカクウマウマ・・・ということですか。つまりあのプラウダの副隊長はカチューシャを私にとられてヤキモチやいてたと」
まほ「うーん?そうだったかな?」
エリカ「やれやれ、あの人はしっかりしてる人だと思ってたのに。安心するように伝えておいてください。別にカチューシャを取るつもりなんてないと」
まほ「それは自分の口から伝えてやってくれ。明日にでもな」
エリカ「はい(あ、今の隊長かっこいい)」
まほ「さて、休むとするか。コーヒーを淹れよう。エリカも飲むか?」
エリカ「はい(あ、やっぱり隊長かっこいい)」
まほ「部屋に置いてあったんだ。ロシアのコーヒーらしいが、武士道コーヒーというらしい。面白いな」コト
エリカ「やっぱり隊長ってかっこいい(ありがとうございます)」
まほ「ふ、こうしてゆっくり飲むと一日の疲れが吹き飛ぶな」ズズ
エリカ「ポンコツじゃないキリリっとした隊長ほんと最高(まったくですね)」ズズ
まほ「あ、二段ベッドは私が上だからな」
エリカ「うぅん!」ジタンダ
~朝
プラウダ生徒「大変でんがな大変でんがな~!」ドタバタドタバタ
カチューシャ「・・・うぅ~ん・・・うるさいわね・・・なんの騒ぎ?」ムニャ
プラウダ生徒「カチューシャ様!大変でんがな!」
カチューシャ「なによ朝っぱらから!それになにその方言!あなたどこ産よ!」
まほ「なんだ。なにか事件か?」ヒョコ
エリカ「まだ朝練の時間より一時間も早いわよ・・・なにかあったの?」ヒョコ
プラウダ生徒「食糧庫に盗人が入ったみたいで・・・食料がごっそりなんでっせ!」
冷蔵庫<カラッピッピ!
カチューシャ「なんてことなの!ハムやソーセージ、牛肉ブロックも盗まれてるじゃない!」
エリカ「学校の冷蔵庫からボるなんて大した奴がいたもんね」
まほ「中にメモが」スッ
『食べ物を分け合うということは、とても優しいことなんだよ>(∪v∪)』
エリカ「犯人の残したメモでしょうか・・・一体どういう意味なのかしら」
まほ「・・・」
エリカ「このメモから犯人を推理しましょう。大丈夫、私こう見えて名探偵エリカですから。必ずや食糧泥棒をとっ捕まえてやりますよ!」
まほ(心当たりがあって困る)
カチューシャ「このメモ!このマーク!また継続高校の連中ね!もうっ!あいつら週2で盗みに入るんだから!」
まほ「えっ」
プラウダ生徒「どうすっぺーなカチューシャ様。高タンパクで栄養満点なものばかりとられてるっぺ」
カチューシャ「仕方ないわね。調理班のメンバーで買い出しに行っておいて。朝はありものでなんとかしてちょうだい」
プラウダ生徒「わかったっぺっぺ!」ビシッ
カチューシャ「朝から騒がせちゃったわね、マホーシャ、イツミーシャ。朝練は55分後だから遅れないように」
エリカ「泥棒はほったらかしなの?おとがめなし?捕まえてイスに縛りつけて洗濯バサミで拷問は?」
カチューシャ「まあいつものことだからね。気にしてたらキリがないわ。偉大で寛大で斬新で完璧で優秀なカチューシャは器が大きいんだから」
エリカ「・・・ちぇっ」
カチューシャ「どうかしらマホーシャ?私ったら心が広いでしょ?」フフーン
まほ「?・・・ああ、まあ、かもな」
カチューシャ「・・・・・・むう」
まほ「?」
まほ「朝食は残りモノで作ったピロシキか。にしては美味しいな」モグモグ
エリカ「ちょっと重いですけどね。朝練も筋トレ中心で、少し緩めでしたね。プラウダってもっと厳しいと思ってたのに」
まほ「アリーナとニーナが言っていたが、大洗や大学選抜との試合以降はカチューシャもずいぶん丸くなったそうだ」
エリカ「あれで太ったと言うんなら元はどれだけヒョロヒョロだったんですかね。あはは・・・」
まほ「エリカ、丸くなったとはそういう意味じゃない」
エリカ「!・・・し、知っています!今のはそう・・・ちょっとトボけてみたんです!みほ・・・じゃなくて副隊長みたいに!」
まほ「ほう」ニマニマ
エリカ「ちょっ!笑わないでくださいよ!私はまだ隊長みたいにポンコツじゃないんですから!」
まほ「その言い方はちょっと傷つく」
ノンナ「まほさん」
まほ「ノンナ、おはよう」
ノンナ「おはようございます。昨日はありがとうございます。あなたのおかげで色々と心が楽になりました。少し考えすぎていたようです」
まほ「君のためになったのなら何よりだ。それと、これは提案なんだが・・・エリカと少し話してみたらどうかな?私は席をはずそう」スック
エリカ「なっ、隊長、そんな無理やり・・・」
ノンナ「是非」ザッ
エリカ「ちょっ!あなたも意気揚々と隣の席に座らないでよ!」
ノンナ「エリカさん。あなたとは一度じっくり話をしてみたいと思っていたのです」
エリカ「そう・・・昨日はごめんなさいね。あなたの大事な隊長さんを横取りしちゃって」
ノンナ「いえ、カチューシャは皆の心を惹き集める方ですから」
エリカ「・・・さすがプラウダの副隊長ね。人間が出来てるわ」
ノンナ「エリカさん、大学選抜との試合の時・・・カチューシャを肩車していましたね」
エリカ「ええ。なに?あれもあなたの許可無しでやったから粛清?」
ノンナ「どういった経緯で肩車をされたのかお聞きしたいのです。カチューシャは誰にでも肩車をさせる訳ではありません。私は誇りを持ってカチューシャを肩車しています」
エリカ「いやそんな大したことじゃないでしょ」
ノンナ「お聞かせしてもらってもいいでしょうか?エリカチュ問題の真相を」
エリカ「ちょっとまって当人の知らないところでなに呼び名つけてんのよ」
~~~大学選抜戦・カチューシャ車、エリカ車、撃破後・・・
カチューシャ「ふうっ・・・やるだけはやったわ」スタッ
エリカ「・・・」パカッ スタッ
カチューシャ「よくやったわね。大学選抜の強豪相手に」
エリカ「・・・また隊長と戦えなかった・・・」シュン
カチューシャ「なにを暗い顔をしてるのよ。あのパーシング3輌の一角を落とせただけでも御の字じゃない。3輌揃ったままマホーシャ達に相手をさせていたらかなり危険だったわ」
エリカ「でも私は結局・・・また隊長を一人残してしまったわ・・・隊長と並んで戦って、勝利したかったのに・・・」
カチューシャ「あの3輌の連携はかなりのものよ。1輌でもあるのとないのでは大きく違う。私達があのパーシングを撃破したからこそマホーシャ達に勝てる希望を与えられたはずよ」
カチューシャ「それにマホーシャは一人残されたんじゃないわ。ミホーシャもいるからね」
エリカ「・・・」
カチューシャ「ボールをシュートして点を取るのも大事だけど、シュートを決めるために仲間をアシストするのも大事よ。チームってのはそういうものなの」
エリカ「・・・そうね。あなたの言う通りだわに」
カチューシャ「わに?」
エリカ「私も・・・少しは役に立てたのかしら・・・みほみたいに・・・副隊長みたいに出来ないかもしれないけど、隊長の役に立ちたかった・・・」
カチューシャ「・・・」
エリカ「・・・」
カチューシャ「ちょっとかがみなさい」クイクイ
エリカ「は?」
カチューシャ「いいからっ、ほら」グイ
エリカ「ちょっ!な、なにすんのよ!」グイグイ
カチューシャ「ほぅら!んー!いー眺めよ!」パアー
エリカ「ちょっと・・・なんであなたを肩車しなきゃいけないのよ」
カチューシャ「あなたが私を肩車してくれるおかげで、私はいい眺めを見れてるの。人の役に立つなんて簡単なことよ。ただ肩に乗せてあげるだけでいいんだから」
エリカ「・・・ないよそれ。励ましてるつもり?・・・私が隊長を肩車しろってこと?それって・・・ふふ、なんだか見当はずれな励ましね」
カチューシャ「ほら、あんまり揺らさないの。あなたが私を持ちあげて、私がマホーシャとミホーシャの戦いっぷりをしっかり見届けてあげるから」
エリカ「モニタービジョンで見れるから別に肩車する必要ないじゃない」
カチューシャ「ものの例えよ!人の上に立つ人間っていうのは、人に支えられないと立ってられないんだから!」
~~~
エリカ「――っていう感じで肩車してたのよ。無理やりだったけど、私のことを気遣ってくれてたようね」
ノンナ<メモメモメモ・・・
エリカ「ちょっ、なにメモしてるの?」
ノンナ「いえ、私の知らないカチューシャを知れて大変有意義な話でした。ありがとうございます」
エリカ「・・・あ、そう」
ノンナ「エリカさん、カチューシャは偉大な方です。あなたならカチューシャを支えることもできるでしょう。今日の紅白戦でもカチューシャをサポートしてあげてください」
エリカ「・・・ええ」
ノンナ「ですが、私達も負ける気はありませんよ。私はまほさんを支え、あなたとカチューシャに勝ってみせます」
エリカ「楽しみにしてるわ」
ノンナ「・・・・・・あなたもカチューシャファンクラブに入ります?」
エリカ「はっ?」
クラーラ「バケラッタ!」
ノンナ「クラーラも歓迎してくれていますよ」
エリカ「遠慮する」
カチューシャ「みんな聞きなさい!今日は一日戦車道の日!なにをするかわかってるわね!?」
ニーナ「あ~、朝から晩まで戦車漬けの日だぁ~。これがまたキツイんだべな~」
アリーナ「体力の限界まで戦車の操縦なんだもんなぁ~」
カチューシャ「いつもは一日中戦車訓練だけど今日は趣向を変えることにしたの!午後からは紅白戦を行うけど、午前は皆で討論会よ!」
ニーナ「とーろん?」
エリカ「皆で作戦を考えて試合で使えるかどうか議論するのかしら」
ノンナ「テーマは『カチューシャのすごいところ』です」
エリカ「はっ?」
ノンナ「我らが隊長、カチューシャの凄さを皆で討論し合い、その偉大さを再認識するのです。皆を束ねるリーダーがどれだけ頼りになるかを知れば、どんな戦況でも心折れずに戦えるからです」
アリーナ「あぁ~・・・そういう建て前かぁ~」
カチューシャ「いい!?カチューシャがどれだけ偉大で寛大で斬新で完璧で優秀で器が大きくてカッコイイかをマホーシャ達にも教えてあげるのよ!」
クラーラ「アッチョンプリケ!」
ノンナ「クラーラもやる気十分のようです」
カチューシャ「それじゃまずニーナ!あなたからよ!」ビシッ
ニーナ「ひえっ!わたすだべか!?」
カチューシャ「早くしなさい。ヘンなこと言ったらシベリア送り5ルーブルよ!」
アリーナ(前と比べて少ない日数だべ)
ニーナ「わ、わかりますた・・・うーん・・・カチューシャ隊長はちみっこいけど――」
カチューシャ「ギロリ!」
ニーナ「見た目と違って試合の時はすんげー頼りになるというか、人間としてとっても大きいというか、この人の言う通りにやってれば何とかなるべーって思える隊長ですだ」
カチューシャ「っ!・・・そ、そう・・・そんな風に言われるとなんだか・・・てへへ!照れちゃうじゃない!もー!おべっか使っちゃって!」バンバン
ニーナ「痛いですだ」
ノンナ「次はアリーナ、どうぞ」
アリーナ「えーと・・・隊長はなんていうか・・・やたらいばりちらしてっけど――」
カチューシャ「ギロリ!」
アリーナ「嫌な人って感じはしないし、物知りで色んなことを知ってるべ。電気の節約方法とか服のシミ抜きの方法とか。おばあちゃんみたいですだ」
カチューシャ「てへへへ!褒めすぎよまったく!」バンバン
アリーナ「いでえ」
エリカ「ふーん、なんだかんだでいい隊長なのね」
まほ「うむ」
カチューシャ「まったく!みんな私のすごさをちゃーんと理解してたのね!どうマホーシャ?私ってばすごいでしょ?」
まほ「えっ、あ、いや、まあ、そうなんだろうな」
カチューシャ「・・・・・・むむむ」
ノンナ「なかなか手ごわいですね」
まほ「?」
カチューシャ「ノンナ!次!」
ノンナ「では、クラーラ、どうぞ」
クラーラ「ポ!」
ノンナ「『偉大なる同志カチューシャの凄さを挙げるには、この世の言葉を全て猛羅していたとしても、決して語り尽くせるものではなく、人間の表現力の限界を越えているので、このような討論自体が無駄ということを前置きにさせていただくが、あえて言葉にするならば、その淡麗で甘美で魅惑的な容姿、愛らしいしぐさを備えながら、その心の内に秘めたる強い心、高い志、勇敢な魂が他者の心を惹きつけ、虜にしてしまうことは確かである。なによりそのキュートな外見とハードな内面のギャップが、他には無い強烈な個性として発揮されており、知れば知るほどカチューシャの魅力に引き込まれていくのは誰もが通る道である。カチューシャの魅力、偉大さ、凄さはまるで雪山の巨大クレバスのように底知れぬものであり、その全てを知るには人類の脳の許容量を越えていると考えられている。私自身もカチューシャの魅力、偉大さ、凄さの全てを知っているとは言えず、まだまだシベリア鉄道の始発駅を出発したばかり、といった所であろう。どれだけカチューシャの新たな魅力を発見しても、さらにまた新たな発見があり、これからもずっと新しいカチューシャを目にしてゆくのだろう。私は生涯、カチューシャに癒され、楽しまされ、魅了されながら、カチューシャを尊び、見守り、愛していくということを心に決めている』」
ノンナ「と、ノンナは言っています」
エリカ「ロシア語ってなんなのよ!」
>>88
ノンナ「と、ノンナは言っています」 が間違いで
ノンナ「と、クラーラは言っています」 が正しいです
頭おかしくなっちった
カチューシャ「どうかしらマホーシャ!そろそろカチューシャの魅力に気づいたんじゃないの?」フフーン
まほ「えっ、うん、そうだな。そうだよ。うん」
カチューシャ「もーっ!」ポカポカ
まほ「わっ、なにをする」
エリカ「ちょっと!隊長をポカポカ叩くんじゃないわよ!」
カチューシャ「ちーっともわかってないじゃない!カチューシャは偉大で寛大で斬新で完璧で優秀で器が大きくてカッコよくて憧れの的なんだから!」
まほ「ああ、わかってる」
カチューシャ「ぜんぜんわかってない!」ポカポカ
ノンナ「カチューシャ、まほさんが困っていますよ」グイ
カチューシャ「んん~!見てなさいマホーシャ!ぜったいにあなたにカチューシャの凄さを認めさせてあげるんだから!こうなったらあなたが跪いてヒンヒン鳴くまで徹底的にやってやるわ!」
まほ「?」
ノンナ「カチューシャはこの前、『もし世界的魔法ファンタジー文学の主人公が女の子だったら』というテイの二次創作品を読んで影響され、子供のように真似ッ子しているのです」
カチューシャ「余計なこと言わなくていいの!」
クラーラ「ブタモ オダテリャ キニノボル」
ノンナ「カッコイイ女性像を見ては真似をするカチューシャ様かわいい、とクラーラは言っています」
エリカ「日本語だし意味合ってるのかなと思ってちょっと混乱するわ」
カチューシャ「それじゃ紅白戦を始めるわよ!イツミーシャ!私の副官としてちゃんとしなさいよ!」
エリカ「はいはい」
まほ「ノンナ、作戦通りにゆくぞ」
ノンナ「はい」
~~~
プラウダ生徒「カチューシャ様!囲まれてますだ!」
カチューシャ「なんですって!?包囲網を包囲網で囲まれてるって訳!?」
エリカ「こちらの手を読まれていたようね。当然といえば当然・・・相手は隊長以外は皆プラウダの生徒。自分達の戦法を熟知してるもの。弱点までもね」
プラウダ生徒「どうするんですか!?このままじゃやられっちまいますべ!」
エリカ「撤退よ。3輌ほどで相手を引き付けて残りは一気に引くしかない」
カチューシャ「ダメよ!自分の土俵で競り負けたら二度と立ち直れなくなるわ!意地でも押し返すのよ!」
エリカ「本気?意地張ってもこの戦況じゃ――」
カチューシャ「ここで負けたら自信も根性も砕けてなくなっちゃう!絶対に引いちゃダメ!石に噛みついてでも戦い抜くのよ!」
カチューシャ(負けない!負けてられないのよ!あなたなんかに!)
~~~
エリカ「なんとか引き分けまで持ってこれたわね・・・ふう」
まほ「大したものだ。あそこまで詰めておきながら巻き返されるとは・・・私もまだまだ甘いな」
ノンナ「カチューシャの意地が不利な戦況を引き分けにまで持ちあげたのです。ですがまほさんもプラウダの戦法を手に取るように指揮していましたね。流石です」
まほ「いや、仲間が優秀だったが故だ」
クラーラ「ドッテチ~ン」
ノンナ「クラーラもまほさんの凄さを称えていますよ」
エリカ「普通に褒めなさい。マジメに」
カチューシャ「・・・」ムムム・・・
まほ「どうしたカチューシャ。ゴキゲンナナメだな」
エリカ「引き分けの結果が不満なの?王手かけられて置きながら挽回したんだから大したものじゃない」
カチューシャ「ぜんぜん不満よ!不満しかないわ!ふん!ふん!」
まほ「なにを怒ってるんだ」
カチューシャ「なんでもないわ!行くわよノンナ!」プイ
ノンナ「すみません皆さん。では、また後ほど」ペコ
まほ「?」
今回はここまでで
ガルパンエンサイクロペディアはいいよ
包囲網を包囲網で囲むってどういうこったいと思われるかもしれませんが細かいことは気にしないでください
カチューシャ「んも~っ!ぜんっぜんうまくいかないわ!なにをやってもマホーシャったら眉ひとつ動かさないんだから!」
ノンナ「だからと言って八つ当たりのように怒るのはよくありませんよ。まほさんにカチューシャが凄くて優しくて偉大だということを認めさせる作戦、そろそろ中止にしてもよろしいかと」
カチューシャ「ダメよ!そのためにわざわざ黒森峰まで召致に行ったのよ!なんとしてもマホーシャにカチューシャのことを認めさせてやるんだから!」
ノンナ「そんなことをしなくても、既にまほさんはカチューシャのことを認めていられると思いますよ。遠まわしに自分のことを良く見せるより、素直に言葉で言えば早いと思いますが」
カチューシャ「プラウダの隊長が他校の隊長に物腰柔らかく接する訳にはいかないわ!強くて大きな隊長でないとダメなの!」
カチューシャ「最近は皆に甘くしていたけどもうやめよ!やっぱり厳格な指導者じゃないと!皆も気が緩んでるし、厳しくしないと示しがつかないもの!ビシビシしていくからね!」
ノンナ「できるのですか?」
カチューシャ「私はカチューシャよ!いつだってカチューシャなんだから!」
ノンナ「それより、夕食の時間ですよ。食堂に向かいましょう」
カチューシャ「みてなさい!地吹雪のカチューシャの恐ろしさを忘れてる連中に思い出させてやるわ!」
―――
アリーナ「今日の夕食はお鍋ですだー。豚汁もあるだーよ」グツグツ
カチューシャ「わーい!アリーナの豚汁だいすきー!」
まほ「カチューシャは子供だなぁ」
グツグツ
エリカ「夕食に鍋って雪国のプラウダらしいけど、鍋に豚汁ってシルシルしててどうかと思うわ」
カチューシャ「心配いらないわ。アリーナの豚汁はとってもおいしいんだから」
エリカ「ふーん。いくら美味しいからってお腹に水分たまるとあんまり食べられな・・・・・・あ、おいし」ズズ
アリーナ「もっと寒い日には練習の後にみんなで食べるんですだ。ヘトヘトの身体には効くだーよ」
エリカ「なんかあなた喋り方志村けんみたいになってない?」
まほ「鍋も食べはじめよう。野菜入れるぞー」
ニーナ<ピピーッ!
まほ「!」ビクッ
ニーナ「ちょっと待ってくだせぇ。野菜を入れるのは後ですだ。まずはお肉や魚を入れてダシを出すんですだ」
まほ「あ、そうなのか」
カチューシャ「灰汁が出てきたわ。私が取ってあげる。このカチューシャが灰汁取りをしてあげるのよ!感謝しなさい!」スススイ
ニーナ<ピピーッ!
カチューシャ「!?」ビクッ
ニーナ「ダメですだ隊長。灰汁は取りすぎると肉の旨み脂も一緒に取ってることになるですだ。取りすぎず、マチマチでいいんだべ」
カチューシャ「そ、そう・・・わかったわ」
まほ「味がしゅんでいて美味しいな」ングング
エリカ「しゅんでいて?どういう意味ですか?」
まほ「ちゃんと沁み込んでいるという意味だ。言わないか?」
ノンナ「牛肉を入れます。しっかり煮こまないと」
ニーナ<ピピピーッ!
ノンナ「!」ビクッ
ニーナ「牛肉は鶏肉と違って最後に入れるんだべ。その前に野菜や豆腐を入れるんですだ。牛肉はサっと煮るだけでいいべ」
ノンナ「はい・・・」
エリカ「どうやらこの子、鍋奉行という奴みたいですね・・・」ヒソヒソ
まほ「いつもと様子が違うな。鍋となると人が変わるらしい」ヒソヒソ
カチューシャ「捕まると面倒ね・・・変なことしないようにしましょ」ヒソヒソ
ノンナ「そろそろ野菜を入れてもいい頃合いですかね」
カチューシャ「任せなさい!カチューシャがやってあげる。たくさん野菜を食べて栄養とらないとね」
ニーナ<ピピピーッ!
まほ「鍋警察だ!」
エリカ「ひえー!」
ニーナ「なにやってるだ隊長!野菜全部ブッ込むなんてダメですだ!根菜は最初に、葉っぱ系は最後に入れるべ!煮すぎると野菜に含まれるビタミンが壊れてしまうべな!」
カチューシャ「ひっ・・・う、うん・・・」
<ピピー!
ニーナ「シラタキや春菊はお肉と離していれるだ!タンパク質が固くなっちまうだ!」
<ピピー!
ニーナ「貝類は煮こみすぎは禁物だべ!カチカチになる前に食べなきゃだめだ!」
<ピピー!
ニーナ「野菜は鍋の端に!中央は対流があるから煮崩れするべ!」
カチューシャ「・・・なんだかあんまり食べられてないわ・・・私」
まほ「私もだ・・・喉を通らないというかなんというか・・・」
クラーラ「ニャロメ!」
ノンナ「クラーラも鍋を楽しめていないそうです」
エリカ「ロシア語を学んでみたいわ」
―まほとエリカの部屋
まほ「お腹すいた」
エリカ「さっき夕食食べたところのはずなんですけど・・・鍋、全然食べられませんでしたね。あの子も悪気はないんだろうけど」
まほ「最近の我々は食事量を増やしていたせいもあって、夕食が中途半端だと空腹感が大きく感じるな」
コンコン ガチャ
カチューシャ「邪魔するわよ!」
まほ「邪魔するなら帰ってくれ」
カチューシャ「わかったわ!」バタン
エリカ「あー、戦車女子ってカロリー使うからたくさん食べないともたないわー」
カチューシャ「って待ちなさいよ!どうしてカチューシャが帰らないといけないのよ!」ガチャ
エリカ「ちゃんとノってるクセに・・・」
まほ「どうしたカチューシャ。遊んでほしいのか?」
カチューシャ「あなたたち!外出するわよ!」
エリカ「外出?もう夜よ。消灯までは自由時間だって聞いてたけど・・・」
カチューシャ「だから自由に外へ出かけるのよ!このカチューシャが行こうって言ってるんだから黙って来なさい!」
ノンナ「カチューシャはお二人と仲良くなりたくて、校外で買い食いをしようとお誘いに来たのです」
カチューシャ「ノンナ!そんなんじゃないったら!せっかくだからプラウダの学園艦の夜の街並みを案内してあげたら仲良くなれるかなって思っただけなんだから!」
―プラウダ学園艦市街地(夜店街)
ワイワイガヤガヤ ワイワイガヤガヤ
まほ「夜の街も賑わっているな。淡い街灯の灯りが雪国を思わせる、味わいぶかい街並みだ」
エリカ「プラウダは青森に寄港するけど北海道色も取り入れてるんですね」
カチューシャ「二人とも!はい!遠慮せずに食べなさい!カチューシャのおごりよ!」ホカホカ
まほ「これは・・・?」
エリカ「丸ごとのじゃがいもに切りこみが入ってて・・・その切りこみの上に乗ってるのはなに?」
ノンナ「ほくほくのじゃがいもにバターとイカの塩辛を乗せた、カチューシャと私の故郷の名物です。といっても、メジャーなものではありませんが」
まほ「ものすごく美味い」ホクホク
エリカ「いやいやいや、隊長、イカの塩辛ですよ?農作物のじゃがいもにイカなんてミスマッチに決まって――」ガモ
エリカ「すんげー美味いわ」ホクホク
カチューシャ「ふふーん!そうでしょそうでしょ!」
クラーラ「ヒョウタンツギ!」
ノンナ「クラーラも『お酒のおつまみにちょうどいい!』と言っています」
エリカ「ロシア語の勉強するわ。マジで」
まほ「しかし夜の街に買い食いに抜け出すとは・・・なんだか非行に走っているようでわくわくするな」ワクワク
カチューシャ「わかるわその感覚!私も最初はドキドキしたもの。でもカチューシャは大人だからね。たまにこうして買い食いしてるのよ。すごいでしょ」
まほ「ほう、やるな。実は私もこの前、一人でラーメンを食べに行ったぞ。なかなかすごい体験だった」
カチューシャ「な、なんですって!?一人でラーメン屋さんに!?そんなの大人のすることじゃない!」
まほ「ふふふ、驚くのも無理はない」ドヤサァ
カチューシャ「でもカチューシャだってすごいんだから!先月なんか一人で電車に乗ったのよ!ノンナ無しで!しかも陸地の電車で、県境も越えたんだから!」
まほ「な、なんだと!切符も自分で買ったのか!?無事に帰って来れたのか!?」
カチューシャ「とーぜん!」
まほ「まさかカチューシャがそこまで出来るとは・・・だが私も負けていない。とっておきの秘密を教えてやる。私は・・・一人で映画館で映画を見たことがある!」バーン
カチューシャ「な、なんですってぇー!?ひ、一人で映画館なんて・・・誰かに止められなかったの!?おまわりさんとか学校の先生とか!」
まほ「ふっ・・・そうとも。ポップコーンとジュースも買ったんだぞ・・・一人でな!」バーン
カチューシャ「・・・な、なんてことなの・・・さすがマホーシャね・・・ならこっちも最後の一手よ!私は・・・私はこの前!タクシーに乗ったんだから!」バーン
まほ「な、なんだってぇー!?こ、高校生なのにか!?」
カチューシャ「そうよ!」バーン
まほ「ま、まさか一人で・・・!?」
カチューシャ「安心しなさい。いくら私が勇敢でもそんな無茶はしないわ。ノンナと一緒に乗ったのよ」
まほ「・・・そうか・・・良かった・・・・・・だがいくら二人でとはいえ、タクシーとは・・・すごいなカチューシャ」
カチューシャ「あなたもなかなかよマホーシャ。さすがね」
ノンナ「私達の隊長は素晴らしい隊長ですねエリカさん」
エリカ「ええ、まったく」
クラーラ「ザンヌイユ ヨーガリー ヒーガリー」スッ
ノンナ「みなさん、クラーラが瓶のプリンを買ってきてくれましたよ」
カチューシャ「日本語で話しなさいよ!」
エリカ「それロシア語どころか沖縄弁じゃないの」
まほ「瓶に入ったプリンか・・・高級そうだな」
カチューシャ「濃厚でと~ってもおいしいんだから!」パクリンチョ!
エリカ「どれ・・・!ほんと、おいしい」
まほ「なんやかんやでけっこうたくさん食べてるんじゃないか私達」
カチューシャ「ふわぁ~・・・お腹いっぱいになったらなんだか眠くなってきちゃった。寝てもいい?」
エリカ「ちょっと、まだ校外なんだから無茶言うんじゃないわよ」
ノンナ「カチューシャ」スッ
カチューシャ「ん」スッ
まほ「おんぶ」
エリカ「さすがに肩車じゃ眠れないか。にしてもいよいよもって親子みたいね」
クラーラ「チュチュミィ チュチュミィ」
ノンナ「クラーラ、それはいくら私でも少し恥ずかしいですよ」
エリカ「なんて言ったのかスゲー気になるじゃないの!」
カチューシャ「Zzz・・・かちゅーしゃはすごいんだから・・・Zzz・・・」ムニャムニャ
エリカ「おんぶされながら歩いてるのによく眠れるわね。図太いというのかなんというか」
ノンナ「カチューシャは何ごとにも動じないのです」
まほ「おや、カチューシャの口元にさっきのプリンがついてるぞ」スッ
カチューシャ「はも」カプッ
まほ「わ」
エリカ「!!?」ピシャーン!
ノンナ「!!!」ピシャーン!
まほ「カチューシャに指を噛まれた」
エリカ「ななななななんてことを!隊長の指に!」
カチューシャ「はむはむ」アムアム
ノンナ「いってるッ・・・いってる・・・ッ!」カァッ!
クラーラ「めっちゃんこおそぎゃー!」
まほ「みんな落ち着け」
まほ「なんとか学校に戻ってこれたな」
エリカ「隊長、このお寝坊さんをどうやって懲らしめますか?隊長の指をくわえるなんて・・・しかも生で」
まほ「私は平気だ。八重歯が当たって少しだけ痛かったがな」
エリカ「隊長がそう言うなら・・・」
ノンナ「まほさん、カチューシャに噛んでもらった感想を是非詳しくお聞かせてくれませんか」
クラーラ「ニャガニャガ」
まほ「いや、感想と言われてもな・・・」
エリカ「はいはい、その辺にしておいて。もうこんな時間よ。明日も戦車道の練習あるんでしょ?今日は解散にしましょう」
ノンナ「私もカチューシャに噛んでもらいたい(では、また明日)」ペコ
クラーラ「シュルポー」ペコ
エリカ「心の声と声音が逆になってるわよ」
まほ「やれやれ、アンツィオ、知波単、継続と色んな学校を見てきたが、プラウダもなかなか癖が強いな。戦車道では強豪なのに、戦車から降りるとどこか間が抜けている子達だ」
エリカ「まったくですね。ポンコツどもが」
~朝
まほ「Zzz・・・Zzz・・・うーん・・・太陽さんあっちいって・・・」ムニャムニャ
まほ「・・・!・・・しまった!寝過ごし・・・・・・ていない・・・フッ」キリッ
エリカ「ぐー・・・ぐー・・・」
まほ「エリカ、朝だぞ。起きろ」
エリカ「ぐー・・・ぐー・・・指を・・・口に近づけてくれたら・・・起きるかも・・・ぐー」
まほ「うーむ、さすがに疲労がたまっていたか。なかなか起きないな。どうすればいいのだろう」
エリカ「ぐー・・・ゆびを・・・指を口にください・・・ぐー」ソワソワ
まほ「?・・・寝言か」
エリカ「ぐー・・・ぐー・・・起きますから・・・」ソワソワ
まほ「エリカ、早く起きないと」ユサユサ
エリカ「・・・ぐ、ぐー・・・指ください・・・」
まほ「仕方ない。寝かせておいてやるか。少しぐらい遅刻するのもいい経験になるだろう」
エリカ「ッ・・・~~っ・・・」ムクリ
まほ「む、起きたかエリカ」
エリカ「・・・はい」ショボーン
まほ「エリカ?泣いているのか?」
バッ!
カチューシャ「隊長のカチューシャよ!みんな揃ってるわね!」
\ウラーーー!/
カチューシャ「今日は私はちょっと別件があるから自主練習してなさい!ノンナに指揮を任せてあるわ!いっとくけど怠けてたら承知しないんだからね!」
\ハーーーイ!/
カチューシャ「マホーシャ!ちょっと来なさい!」
まほ「えっ」
ニーナ「あー、怒られるやつだべー」
アリーナ「おーこられるっ、おら知らねー」
まほ「エリカ、ついてきて」ギュ
エリカ「一人で行ってくださいよ」
カチューシャ「ほらっ!別に噛みついたりしないからさっさと来なさい!」
まほ「フシン・・・」
エリカ「冗談で言ってるつもりだろうけど噛むんだもんなぁ」
ノンナ「ではカチューシャとまほさんを除いた皆さん、これより戦車道訓練を開始します。まずは準備運動からはじめましょう」
アリーナ「ノンナさん、指に包帯まいてケガでもしたべか?」
ニーナ「それも全部の指にケガなんて、何があったんだべ」
ノンナ「なんでもありません」
カチューシャ「ほら、行くわよ。乗って乗って」
まほ「カチューシャ、なぜKV-2に乗るんだ?しかも二人だけで」
カチューシャ「いいから!ちょっとお出かけするの!早く乗りなさい!」
まほ「・・・一体何が目的なのだろう」ドッコイセ
カチューシャ「じゃ、運転してね」
まほ「えっ」
カチューシャ「なによ。できるでしょ?戦車の操縦」
まほ「うん」
カチューシャ「じゃ、やって」
まほ「・・・」
KV-2<キャラキャラキャラ・・・・・・
まほ「で、どこに向かうんだ?わざわざ戦車を引っ張り出して」
カチューシャ「私がいいって言うまで走らせて」
まほ「・・・・・・(なんか怖い)」
IS-2<ドワ!
ドォーン!
アリーナ「ひゃ~っ・・・エリカさん、砲手の腕もすっげえな~」
エリカ「ふうっ・・・どう?私の実力」ドヤ!
クラーラ「お見事です。全段標的を的確に撃ち抜き、動きに乱れがありません。流石は黒森峰を背負って立つであろうお方です」
エリカ「まあねっ。天才エリカとでも呼んでちょうだい」フフーン
クラーラ「天才エリカ」
エリカ「ほんとに呼ぶんじゃないわよ!」カア~ッ
ニーナ「なあノンナさん、カチューシャ隊長とまほさんはどこさ行っちまっただ?」
ノンナ「・・・そろそろお話してもいいでしょう。エリカさんにも聞いていただきたいことです」
エリカ「?・・・なによ改まって・・・」
ノンナ「我々がまほさんとエリカさんをプラウダに招いたのには理由があります。今まで秘密にしていましたが、極秘の計画が進んでいたのです」
エリカ「な、なんですって!ほらみなさい!やっぱり罠だったんだわ!私達にたくさん食べさせてまるまる太らせて食べる気なんでしょう!」
ノンナ「その計画とは、『カチューシャと西住まほを仲良くさせちゃおう大作戦』です」
エリカ「謝るわ!疑ってごめん!」
ノンナ「カチューシャは悩んでいました。まほさんが自分に対して冷たい、睨むし、と」
エリカ「無愛想なところがあるからね」
ノンナ「そこでカチューシャは考えました。まほさんをプラウダに招待し、カチューシャの偉大さや優しさを目の当たりにすれば、まほさんはカチューシャのことを認め、仲良くなれるのではないかと」
ノンナ「というわけであの手この手でカチューシャ優しいでしょフフーンアピールドクトリンで攻めてみたのですが、効果は梨の礫」
ノンナ「カチューシャは最後の一手として、一緒にドライブに出かけて一気に距離を縮めちゃいましょうドクトリンで攻めることにしたのです」
ノンナ「今、KV-2に二人で乗り、学園艦内をあてもなくドライブしている頃でしょう。きっと帰ってくる頃にはまほさんがカチューシャを肩車しているかもしれませんね」
アリーナ「なるほど完璧な作戦ですべー!」
エリカ「・・・そうだったの。ていうか、隊長はカチューシャのことを十分認めてるけど」
ノンナ「それと、もう一つ重大な秘密作戦があります。それはまほさんのサプライズ誕生日パーティーを開催すること」
エリカ「なんですって!」ガタッ
ノンナ「校舎から離れた所にあるあの倉庫・・・あの中で既に準備は進んでいます。まほさんには近づかないようにと前もって言っておきました。エリカさん、あなたもパーティーの準備を手伝ってくれますか?」
エリカ「もちろんよ!隊長のためにサプライズパーティーなんて粋ね!」
ノンナ「では、皆で倉庫に向かいましょう。まほさんを驚かせてあげるために」
KV-2<キャラキャラキャラ・・・・・・
まほ「・・・・・・」
カチューシャ「・・・」
まほ「・・・・・・」
カチューシャ(マズったわ!)
カチューシャ(戦車の中で二人っきりになれれば一気に距離が近づくと思ってたけど、この子じぇんじぇん喋らないじゃない!)
カチューシャ(このままじゃだめだわ・・・なんとかしておしゃべりしないと・・・このまま引き下がるなんてできないわ!)
カチューシャ(私はカチューシャよ!いつだってカチューシャなんだから!)
カチューシャ「マ――」
まほ「カチューシャ」
カチューシャ「ひゃいっ!?」ビクッ
まほ「すまん。かぶったな」
カチューシャ「べ、別に気しないわよ!なに?」
まほ「いつまで走ればいいんだ?」
カチューシャ「そ、それは・・・流れよ流れ!風のふくままよ!」
まほ「それに天気も悪くなってきたようだ。どうやら一降りきそうだぞ」
ワイワイガヤガヤ
ニーナ「こったらでっけぇケーキを作るなんてわたすたち女子力たっけぇ~なぁ~」ウキウキ
アリーナ「んだな~。チョーナウいガールズだべさ~」ルンルン
クラーラ「逸見さん、見てください。西住まほさんへのプレゼントです」
エリカ「なにこれ?本?やけに手作り感があるわね」
クラーラ「日本で覚えた、カッコイイ日本の言葉集です。手作りです。カチューシャ様にも同じものを用意しました」
ニーナ「カッコイイ日本語だっぺ?どんなのだべどんなのだべ?」 アリーナ「教えてくんろ~」
クラーラ「そうですね・・・・・・たとえば、カクテイシンコク!」バーン!
ニーナ&アリーナ『革帝神国~~~!?』ガーン!
クラーラ「チョウジュウギガ!」バーン!
ニーナ&アリーナ『超獣ギガ~~~!?』ガーン!
クラーラ「ビルトインスタビライザァー!」バーン!
ニーナ&アリーナ『ビルトインスタビライザ~~~!?』ガーン!
エリカ「もうツッコむ気にもならないわ」
クラーラ「他にもありますよ。キングサーモン・サイキョウヅケ、シュウキュウカンゼンフツカセイ、イノキボンバイエ・・・」
エリカ「・・・聖グロの隊長にでもあげた方がいいんじゃないの?」
~~~
ダージリン「ダァッ!」クシャミー!
ローズヒップ「ダージリン様のくしゃみウルトラマンみたいですの!」
ノンナ「さて、パーティーの飾りつけはこのくらいでいいですかね」フー
アリーナ「あんれま~、外を見てくんろ。雪が降り出してるべー」
ニーナ「風も出てきたべ。こりゃあ荒れるかもしんねぇな~」
ノンナ「今の内に耐寒性の低い戦車を雪仕様へ外装を変えておいた方がいいかもしれませんね」
エリカ「プラウダの戦車ってもとから雪の中でもへっちゃらじゃないの?」
ノンナ「除雪用の外装パーツだったり、戦車内の温度を下げないための部品だったり、車内で身体を温めるためのカイロや毛布など、色々と準備するものはあります」
プラウダ生徒「それがノンナさん、戦車倉庫に片づけておいた冬期用の戦車パーツが色々無くなってまして・・・」
ノンナ「なんと」
プラウダ生徒「こんな謎のメモが残されていました」スッ
『人という字はね、互いに支えあって立っているんだよ (∪v∪)♪』
ノンナ「おのれっ、またしてもっ」グヌヌ
エリカ「ザッルザルじゃないの!プラウダ!」
ビュオオオォォォ・・・
KV-2<キャラキャラキャラ・・・
カチューシャ「吹雪いてきたわね」
まほ「時期設定的にはまだ冬ではないんだがな」
KV-2<キャラキャラ・・・キャラ・・・
まほ「む、燃料がもう少ないぞ」
カチューシャ「仕方ないわね。ちょっとその辺で止めて、迎えに来てもらいましょ。あっ、そこの倉庫。そこの倉庫に入れて」
まほ「ん」
KV-2<キャラ・・・キャラ・・・キャラ・・・
まほ「ここは?」
カチューシャ「プラウダの戦車供給所よ。学園艦にいくつか点在してるの。燃料補給できるし非常用の保存食が置いてある、言ってみれば小型の無人サービスエリアね」
まほ「そんなものがあるのか」
カチューシャ「外もだいぶ荒れてきたし、止むまでここで待機しましょう」
まほ「うぶるるる・・・寒いな・・・」
カチューシャ「このくらいでヘコたれてるんじゃまだまだね!私なんかこんなの慣れっこなんだから!」フンス
まほ「かなりの猛吹雪だな・・・外部と連絡はとれるのか?」
カチューシャ「えっ、あなた携帯とかないの?」
まほ「ない。カチューシャは?」
カチューシャ「いつもノンナがやってくれてるから・・・」
まほ「・・・」
カチューシャ「・・・ま、まあ雪が止むまで待ってればいいわ」
まほ「何か暖をとれるものはないか?このままでは・・・ハブショ!」クシャミ!
カチューシャ「あーあーもー仕方ないわね。あったかいスープかなんか作ってあげるわ。ここポットもあるし」
まほ「すまん」
カチューシャ「かーべーたんの中にも色々あるからなんか探して使うといいわ。カイロとか乗せておいたはずだから。てきとーに見つけて使いなさい」
まほ「助かる。いつも乗せているのか?」ガサコソ
カチューシャ「いいえ、皆それぞれ自分用の暖房用の物をまとめてて、自分が乗る戦車に持ち込んでるの。私、試合の時にかーべーたん乗ってないし」
まほ「なるほど・・・おっ、毛布を見つけたぞ。かなりボロボロで年季ものだが」バッ
まほ「うーむ・・・いい生地を使っている毛布だ」ホッコリ
カチューシャ「はいマホーシャ、スープ作ってあげた・・・・・・ってちょっと待った!」
まほ「?」
カチューシャ「それは私のよ!」グイッ!
まほ「わっ、なんだ。なにをする」
カチューシャ「その毛布は私が・・・チームの皆からもらったプレゼントよ!初めて仲間からもらった大事なものなの!誰もつかっちゃだめー!」グイグイ
まほ「わかったよ。そう興奮するな。ほら、返すよ。返すから」スッ
カチューシャ「もうっ!破れちゃいそうだから大事にしてるの!ぜーったいに私以外の人に触らせないんだから!」バッ
まほ「知らなかったんだ。すまない。他に暖をとれる物を探すよ・・・仕方ない」ブルル・・・
カチューシャ「!」
カチューシャ「・・・・・・」
カチューシャ「・・・いや、私のじゃなかったわ」
まほ「えっ?」
カチューシャ「ほら、使いなさい」スッ
まほ「でもさっき・・・」
カチューシャ「いいから、使って」ファサ
まほ「・・・・・・そうさせてもらうか」
ニーナ「隊長達・・・けぇってこねぇな・・・」
エリカ「・・・ねえ、電話してみてくれない?この吹雪の中を何の音沙汰もないなんて、さすがに心配になるわ」
ノンナ「・・・カチューシャは携帯を持っていません。まほさんの携帯に連絡を」
エリカ「隊長に携帯なんて持たせてる訳ないじゃない」
ノンナ「・・・」
エリカ「・・・ちょっと」
ニーナ「それってもしかして、隊長達はこの嵐の中で音信不通で行方知れずってこったか?」
エリカ「まずいじゃない!探しに行かないと!」
ノンナ「落ち着いてください。この中に飛びだすなんて無茶です。こういう時こそ冷静でいなければなりません」
エリカ「落ち着けですって!?極寒の学園艦で雪の台風の中に大事な人がほっぽりだされてるのよ!?宇宙人の艦隊がやってくるほうがまだマシよ!」
ノンナ「あなたまで遭難させるわけにはいきません。カチューシャとまほさんは賢い方達です。きっと無事なはずです」
エリカ「うちの隊長はなんでもソツなくこなす完璧超人だと思ってるのかもしれないけど、全然そうじゃないの!そうじゃない・・・全然・・・ポンコツなのよ・・・」
アリーナ「エリカさん、泣かないでくだせえ」
カチューシャ「・・・さすがに・・・寒くなってきたわね・・・扉も窓も全部閉めてあるけど・・・」ブルル
まほ「カチューシャ、一緒に毛布にくるまるといい。ほら」バサ
カチューシャ「・・・うん」ソッ・・・
まほ「まさかこんなことになるとはな。これで遭難は二度目だ。こんな短期間で続けて遭難するなんて、お母様が知ったら飛び上がるな」
カチューシャ「・・・マホーシャ・・・マホーシャはカチューシャのことが嫌いなの?」
まほ「えっ、どうしてそうなる」
カチューシャ「だって私が何か言うとすぐ怒るし、睨むし、去年の大会でのミホーシャのことも・・・」
まほ「怒ったことあるか?私が」
カチューシャ「大学選抜の時、信じるのと崇拝するのは違うって怒ったじゃない。あと会議の時睨んだし」
まほ「あれは怒った訳ではない。それに睨んだのは・・・あれはまあ、うん、すまん」
カチューシャ「人助けしてるミホーシャの車輛を撃破したのも、ずっこいって思ってるんでしょ。そのせいでミホーシャは黒森峰を追いだされててんてこまいになっちゃって・・・」
まほ「立場が逆であの状況なら私も撃っていた。それに、みほが選んだ選択の結果だ」
カチューシャ「でもそのせいで西住流から追放されたんでしょ」
まほ「決められた道をただ歩くよりも、選んだ自由に傷つく方がいい。みほは変わった。今は・・・楽しくやっているさ」
カチューシャ「じゃあ・・・私のことを嫌ってるわけじゃないのね?」
まほ「ああ。・・・・・・もしかしてだが、それを気にしてたのか?」
カチューシャ「ち、違・・・いや違わない!そうよ!悪い!?嫌われてるって思ったから仲良くなりたかったの!私が偉くて優しくてすごいカチューシャだって認めさせたかったの!」
まほ「ハハハ・・・そんなことだったのか」
カチューシャ「あー!笑うんじゃないわよ!こっちは大まじめだったのに!カチューシャは偉大で寛大で斬新で完璧で優秀で器が大きくてカッコよくて憧れの的で立派な隊長だって認めさせたかったの!」
まほ「認めているさ。十分にな。それどころか尊敬しているよ。カチューシャほど人を率いる者に相応しい人間はそうはいない」
カチューシャ「・・・本当?」
まほ「状況を正確に見極め、的確に判断し、確実な一手を指示できる。お前はすごいよカチューシャ。本当にそう思う」
カチューシャ「・・・・・・てへ・・・てへへへへへ!もー!そうなの!?マホーシャったら私のことそんな風に思ってたの!?なーんだ!そうならそうと早くいいなさいよ!」カーチュカチュカチュ!
まほ「それ笑い声?」
ビュオオオオオ・・・・・・
カチューシャ「一向に止まないわね・・・」
まほ「・・・」ガチガチブルブル・・・
カチューシャ「マホーシャ、大丈夫?震えてるわ」
まほ「・・・寒い。ウォッカか何かはないか?身体を温めたい」ブルブル・・・
カチューシャ「ダメよ。アルコールを飲むと脳の体温調節の機能が働かなくなるわ。身体が火照るだけ。それに私達未成年」
まほ「そうだったな・・・」ブルブル・・・
カチューシャ「戦車の中に入りましょう。どこかから隙間風が入ってるのかもしれないわ」スック
まほ「ああ・・・」ドッコイセ
まほ「本当だ・・・戦車の中の方がこころなしか・・・あったか――」ガクン
カチューシャ「マホーシャ!?ちょっと!大丈夫!?」
まほ「・・・・・・さむい・・・」
カチューシャ「!・・・さっきより震えが少ない・・・ま、まずいわ!ど、どうしよう!」
エリカ「あなた達が行かないなら私一人で行くわ!その戦車使うわよ!」
ニーナ「無茶ですだエリカさん!やめてくんろ!」
エリカ「あなた達と違って私は隊長を大事に思ってるの!あなた達はさんざんいじめられてたからどうでもいいかもしれないけど、私は見捨てたりできないわよ!」
ノンナ「・・・」
アリーナ「エリカさん・・・言いすぎだべ」
エリカ「っ・・・あ・・・」
ノンナ「エリカさん・・・私達がカチューシャの身を案じていないと思っているのですか」
ノンナ「本当なら全校生徒を総動員してでも捜索に向かいたいものです。ですがその結果、被害が広がるようなことになればカチューシャは悲しみます。自分のために誰かが傷つくことを良しとしない方なのです」
エリカ「ごめんなさい・・・言いすぎたわ・・・」
アリーナ「わたすたち、カチューシャ隊長にイビられてはいたけど嫌ってんじゃないべ。皆、隊長が隊長らしくなろうと思って厳しくしてたことを知ってるんだべ。だって、まだ隊長が隊長になって間もないころ――」
~~~ちょっと昔・プラウダ高校(夜)
アリーナ「ふわぁ~・・・夜中の2時半に目が覚めちまって喉が渇いたべ・・・飲み物切らしてて買いに行くなんてめんどうだな~」ポテポテ
アリーナ「おんや?こんな時間に会議室の明かりが・・・」ソッ
カチューシャ「よし!これで対聖グロ用の作戦がまとまったわ!これでダージリンをコテンパンにしてやるんだから!」
カチューシャ「さ、この作戦を確実にこなせるようになるための練習法を整理しないと。相手の動きを遮るための陣形を作るためには・・・ふわぁ~・・・眠いけどがんばるわよ」カキカキ
アリーナ「あんれま・・・こったら夜中まで起きて・・・がんばってるんだなぁ隊長・・・」
~~~
アリーナ「――ってな具合で、カチューシャ隊長は誰より努力してがんばってるんだべ!」
クラーラ「隠れて頑張るカチューシャ様最高かよ」
ニーナ「わたすだってエピソードあるべ。カチューシャ様になまらしごかれた後――」
~~~ちょっと昔・プラウダ高校(戦車倉庫)
ニーナ「うう・・・今日の隊長もめったら厳しかったなぁ・・・準備運動に腕立て腹筋スクワット300回ずつ・・・練習でちょっとミスしたらがなり散らすし・・・怒鳴ってストレス発散したいだけなんじゃねえべかな・・・」
ニーナ「あ!やっべ!筆記用具を戦車の中に忘れてきちまっただ!・・・やだな~・・・まだ隊長達いるかな~・・・忘れ物するなんてたるんでる!って怒られっかな~・・・」ソ~
カチューシャ「・・・ノンナ・・・私ってひどい隊長かしら」
ノンナ「いいえ、あなたは立派に隊長としての務めをこなしています」
カチューシャ「私って小さいでしょ・・・皆を率いるのに頼りない隊長だなんて思われたらダメでしょ。だから強い隊長にならないといけないって思ってつい厳しくなっちゃうの・・・」
カチューシャ「それにこの方が皆も気が引き締まるだろうし、練習にも身が入るかなって・・・プラウダを強くするためにやってるんだけど・・・これでいいのか不安になって・・・」
ノンナ「皆、カチューシャの崇高な志に賛同してくれたから厳しい訓練にもついてこれているのです。あなたはあなたの道を歩いてください。我々はその後ろをついていきます、カチューシャ」
カチューシャ「・・・うん。ありがとうノンナ」
ニーナ「あわわわ・・・おら、見ちゃいけねぇもんを見ちまっただ~」
~~~
ニーナ「――ってな具合で、私達に厳しくあたってることを気にしてくれてたんだな~ってわかったんだべ。それからは隊長のためならおっかない戦車を相手にしたって怖くなくなったんだべ」
クラーラ「鬼隊長として頑張りながら皆を気遣ってるカチューシャ様ヤベェ」
エリカ「ちょっとそっち黙ってて」
クラーラがロシア弁を喋っていない…!?
ノンナ「エリカさん、誰もが皆、カチューシャとまほさんを心配しています。その気持をなんとか押し留めているのです」
エリカ「でも・・・」
ノンナ「カチューシャはきっとこの状況でも生き抜く方法を思いつき、切り抜けるはずです。私はカチューシャを信じています」
エリカ「・・・・・・そうね・・・ごめんなさい。私が悪かったわ。私達はここでできることを考えましょう。警察か何かに連絡したほうがいいんじゃない」
クラーラ「消防にも連絡をしましたが、キャンユースピークジャパニーズ?としか返事されませんでした」
エリカ「それあなたがロシア語で電話してるからでしょ!日本語話せるなら日本語で言いなさいよ!」
ノンナ「私が代わって電話したのですが、吹雪の勢いが止むまで出動は難しいと・・・」
エリカ「くっ・・・天候が回復するまで隊長とカチューシャが耐え抜くのを信じるしかないか・・・」
―――
まほ「・・・・・・あったかいかれーがたべたい」
カチューシャ「しっかりしなさいマホーシャ!私達はまだ10代よ!これから人生で楽しいことがたっくさんあるっていうのに、ここで寝ちゃダメよ!」
まほ「・・・・・・いんどでかれーたべてみたかったなぁ・・・」
カチューシャ「っ・・・落ち着くのよカチューシャ・・・マホーシャを助けられるのはカチューシャだけ・・・私がやらなきゃ誰がやるの!プラウダの隊長として、友達として、マホーシャを助けるのよ!」
カチューシャ「私はカチューシャよ!いつだってカチューシャなんだから!」
>>150
時と場合によってロシア弁と日本語を使いわけるのじゃ。書き手の都合なのじゃ
ロシア語ではなくロシア弁なのね
まほ「・・・・・・またそうなんしたんですか?そうなんです・・・ふふふ・・・おもしろっ」
カチューシャ「気をしっかり持つのよマホーシャ。これを食べなさい。ロシアお菓子のプリャーニキよ。チョコ味。物を食べ続けることで身体の中でエネルギーを作るために食べなさい」スッ
まほ「・・・」モグ・・・
カチューシャ「少しでも食べ続けるのよ。それからこの帽子を貸してあげる。頭から熱を逃がさないためにかぶるの」ボフ
カチューシャ「それから横になって、膝を抱えて丸くして。回復姿勢で熱を逃がさないようぬするためよ」グイ
まほ「・・・・・・すまん・・・迷惑を・・・」
カチューシャ「無駄に喋って体力を使わないこと。ほら、ありったけ毛布を防寒着かぶせてあげるから」バサァ
カチューシャ「それから他にできることは・・・たしか前にノンナが――」
~~~
ノンナ「カチューシャ、もし雪山で遭難した時は、お互いに服を脱いで裸で身体を温めあうのがいいですよ。急激に温度を上げると身体がビックリしてしまいます」
ノンナ「だから少しずつ体温を上げていくために、人肌で温め合うのがちょうどいいのです」
ノンナ「では、もしもの時のために練習をしておきましょう。まず服を脱ぎます――」
~~~
カチューシャ「――って言ってたっけ・・・でもあの時は恥ずかしくって逃げちゃったけど、今はそんなことも言ってられないわ」
カチューシャ「扉のじょっぴんかったのに(鍵を閉めたのに)なまらしばれるっしょ(とても冷え込む)・・・もう恥ずかしいなんて言ってられないわ」
カチューシャ「マホーシャ、今から服を脱がすけど・・・我慢してね」
<・・・・・・
カチューシャ「!」ピク
<・・・・・・ドド・・・
カチューシャ「・・・外から音が・・・・・・エンジン音が聞こえる!」バッ
<・・・・・・ドドドドドド・・・
カチューシャ「窓の向こうにライトの光が見える!近くを車か何かが走ってるんだわ!」タタタ
カチューシャ「う~ん!扉があかない!外の雪がふさいじゃってるんだわ!」グググ
<・・・ドドドドド・・・・・・
カチューシャ「ああっ!ライトが前を通り過ぎちゃう!お~い!ここにいるわよ~!」ドンドン
カチューシャ「聞こえやしないわ!私達がここにいることを知らせないと・・・でも扉があかないし・・・」
カチューシャ「・・・やるしかないわ!私一人じゃ無理かもしれないけど・・・他に手はないもの!」バッ
カチューシャ「うんんん~~~!おもった よりも おもい!」グググ・・・
まほ「・・・・・・カチューシャ?・・・なにをしている?・・・」ボ~
カチューシャ「見てわからない!?かーべーたんの砲弾を・・・装填してんのよ!」グググ・・・
まほ「・・・できるのか?・・・」ボ~
カチューシャ「ニーナやアリーナみたいに力持ちじゃないけど、私だって戦車女子なんだから!~~~!だー!なんでこんなに重いのよ!よくこんなのをホイホイ装填できるわねあの子達!」
<・・・ドドド・・・
カチューシャ「外の車が行っちゃう前に・・・根性みせるのよカチューシャ!口だけじゃないって証明するの!」グググ
カチューシャ「プラウダの隊長に相応しいってことを証明するのよ!私自身の誇りにかけて・・・やってみせるの!」グググ
カチューシャ「絶対に・・・諦めるな!!!」グイィ!
ガコン!
カチューシャ「はあ・・・はあ・・・これからは装填手の子達に特別手当を与えるわ・・・」
<・・・・・・ドドド・・・
カチューシャ「かーべーたん・・・準備はいいわね。そのすんごい大砲で壁をぶっこわすわよ・・・」
KV-2<キリキリキリ・・・
カチューシャ「人の英知が生み出した物なら、人を救ってみせなさい!」
KV-2<ドッ!
ド ワ !!!
まほ「・・・超スーパーすげえどすばい・・・」ボ~
カチューシャ「これで・・・こっちに気付くはずよ・・・こんな爆音と爆発があったんだから・・・」コテン
まほ「カチューシャ・・・!」ボ~
カチューシャ「はあ・・・はあ・・・こういう環境で・・・身体を動かすと・・・冷たい血液が身体を巡るから良くないの・・・」ボ~
まほ「カチューシャ・・・お前は本当にすごい奴だ・・・」
カチューシャ「・・・・・・ありがとうマホーシャ・・・」
<・・・ドドド・・・
<・・・ドドドドドド
<ドドドドドド!
カチューシャ「・・・どうやら・・・車じゃなかったみたいね・・・」
BT-42冬将軍カスタム<ドドドドドドド
(∪v∪)「待たせたね」ポロロン♪
・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
・
まほ「・・・・・・ん・・・」
エリカ「隊長!気が付きましたか!」
まほ「・・・ここは・・・プラウダの保健室?」
エリカ「よかった・・・吹雪の中で孤立していた二人を偶然通りがかった継続高校の戦車が見つけてくれて、学校まで運んでくれたんです」
まほ「継続高校?・・・」
エリカ「プラウダから盗んだ戦車パーツで完全武装してたおかげだそうです。全面に装備した装甲で除雪しながら走れるし、足回りも雪に捕まらない奴らしいし・・・」
まほ「偶然にも継続の戦車が吹雪の中を走っていたというのか?なぜ?ここはプラウダの学園艦だろう」
エリカ「継続の隊長が言うには『人には秘密にしておきたいこともあるんだよ』と言っていました。後で知ったのですが、プラウダの食糧庫の半分が無くなっているそうです」
まほ「・・・嵐に紛れて学園艦から脱走する気だったのか」
エリカ「二人をここまで運んでくれた後、そそくさと帰ってしまいました。プラウダの副隊長が礼をしたいと言っても『人は支え合うものだからね』と言って何も施しを受けずに」
まほ「ふっ・・・彼女らしいな。カチューシャは?」
ガチャ
カチューシャ「それじゃその手筈でね。いい?私が最初に台詞を言って、せーのって言ったら皆で一斉に鳴らすのよ」
ノンナ「はい。ケーキを切り分けるのはどのタイミングで?」
カチューシャ「それは・・・!・・・マホーシャ!目が覚めたのね!」
まほ「ああ。おかげで助かったよ。ありがとう、カチューシャ」
ノンナ「ご無事で何よりです。保健の先生によるとすぐに良くなるとのことです。もう平気ですか?」
まほ「スパシーバ(ありがとう)、もう平気さ」
カチューシャ「あなたロシア語話せるの!?どうしてナイショにしてたのよ!」
まほ「秘密にしてたわけじゃない。クラーラの会話を聞いていて自然と覚えたのだ」
エリカ「あれで?」
カチューシャ「ぐぬぬ・・・やるわねマホーシャ!」
エリカ「隊長を救ってくれてありがとう。本当に感謝してるわ」
カチューシャ「当然よ!私はカチューシャなんだからね!」
エリカ「私・・・今まであなた達プラウダのこと、少し誤解してたかもしれないわ。強がって偉そうにしてて暑苦しい服を着こんでる連中だって思ってたけど、皆、カチューシャのことを信じてる」
エリカ「カチューシャも立派な隊長として相応しい器なのね。プラウダのこと見直したわ。私も見習わなきゃね。ロシア語の勉強もする。便利そうだし」
ノンナ「それは何よりです。まほさん、具合がよくなったらご案内したい所があるのですが、一緒に来ていただけますか?」
まほ「ノンナ、どこへ向かっているんだ?こっちは前に言っていた、校舎から離れた所にある倉庫ではないのか。たしか脱走しようとした生徒を閉じ込めてるとかいう・・・」
ノンナ「そうです」
まほ「・・・もしかして私達を黒森峰に帰さないように閉じ込めるのでは・・・」
ノンナ「その通り」
まほ「・・・」クルッ ダッ!
エリカ「隊長!逃げないでください!大丈夫ですから!嘘うそ!」
ノンナ「冗談ですよまほさん。あの倉庫は幽閉場所でもなんでもありません」
カチューシャ「びっくりして泣いてもしらないからね!さあ、準備はいいかしら~?」
まほ「・・・」ゴクリ・・・ スッ・・・
エリカ「ファイティングポーズをとらなくていいですから。そんなに警戒しないでください」
まほ「!」
クラッカーパンパンパーン!
カチューシャ「せーのっ!」
「「「お誕生日おめでとうごぜーますだー!!!」」」
\ワーワー!ドンドンパフパフー!/
まほ「・・・こ、これは・・・」
カチューシャ「驚いたかしら!こっそり準備をすすめてたドッキリパーティーよ!プラウダの皆ががんばってくれたおかげね!それから・・・せーのっ!」
\テーテーテーテーテーテテテーテー♪テーッテテーッテ テテテテー♪/ ガラガラガラー
ノンナ「歌のカチューシャに合わせてケーキのご入場です」パチパチパチ
カチューシャ「どうこのおっきなケーキ!飴細工でカチューシャを肩車してるマホーシャも作ったのよ!すごいでしょ!」
エリカ「他校の友人達にこれだけ盛大に祝ってもらえるとは、さすがは隊長!」パチパチパチ
ノンナ「おめでとうございます、まほさん」パチパチパチ
ニーナ&アリーナ&プラウダ生徒『おめでとーだべー』パチパチパチ
クラーラ「ヤダモー」パチパチ
エリカ「それロシア語だったの?」
まほ「っ・・・みんな・・・」
カチューシャ(泣くわよ。すぐ泣くわよ。絶対泣くわよ。ほら、泣くわよ)ソワソワ
ノンナ(極秘で計画を進めたかいがありましたね)ソワソワ
エリカ(隊長の感動の涙が見れるなんて・・・)ソワソワ
まほ「・・・・・・みんな・・・」
まほ「今日・・・誕生日じゃないんだが・・・・・・」
カチューシャ「!」 ノンナ「!」 エリカ「!?」 ニーナ&アリーナ&プラウダ生徒『!?』
クラーラ「ダメダコリャ」
Ende
~おまけ~
小梅「まほさんとエリカさんがプラウダから戻って一週間・・・」
小梅「二人とも今までよりなんだか優しくなった気がします。特にエリカさんは今までのツンツンした態度が、まるで氷が溶けたみたいに丸くなりました」
小梅「まほさんはもとより、あんなに厳しかったエリカさんまで変わって、後輩からの人気も集まってます。皆に慕われてチームの絆もより固くなってる気がするんですけど・・・でも・・・」
まほ「クピポ」
エリカ「デシ!ペポーイ。ポニョソウスケスキー」
まほ「モンガー。タトバ タトバ。ポルポルピー」
エリカ「アッチョンプリケー!アッタマテッカテーカ!オーノホ ティムサコ タラーキー!チーキュノニッポンポン!ギエピー!」
まほ「クププ・・・」
小梅「ロシア語で会話するのやめてほしいんです!」ワ~ン!
小梅「っていうかたぶんロシア語じゃないですし!まほさんに続いてエリカさんまでポンコツみたいに見えるし!」ワ~ン!
みほ「あはは・・・それで喫茶店に呼び出したんですね。黒森峰も大変ですね」
小梅「これじゃクールでカッコイイ黒森峰のイメージがズタボロなんです!みほさんからもなんとか言ってあげてください!」ワ~ン!
みほ「きっと大丈夫ですよ。私からもしっかりしてねって言っておくから」
小梅「わーん!ありがとうございますみほさーん!」ダキッ
小梅「ぐへへ」スリスリ
みほ「小梅さん?」
~おわり~
これにて完結です
長くなってしまってすんません。プラウダそんなに好きでもなかったけど描いてるうちに好きになってきた。粗もたくさんあるだろうけど大目にみてくんろ
それではここまで見てくれてありがとうございました
あ、あとプラウダの学園艦を東北風にしてたり色々勝手に書きましたがもし公式で全然そんなことなかったらごめんなさい。公式で言及されてなかったら大丈夫かと思って勝手に解釈してました
東北訛り無茶苦茶でごめんなさい
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