照「やっぱり妹は如何なる敵にも屈せず、嶺上開花が狙って出来て、土壇場に数え役満を決めて逆転したりして」

照「その上、素の状態だとトイレ探して涙目になるくらい可愛げがないと」

照「どや顔で『役満くらいくれてやる』とか言っておきながら、二位になる人は私の妹にはなれない」

淡「ぐぬぬ……それって先輩たちのせいでもあるじゃん！」

菫「……」

照「そんな事は関係ない。要するに最後決めれるか決めれないか」

淡「……でも」

照「言い訳はいらない。少なくとも前の三人は一位のままバトンが渡せたわけだし」

照「それを守りきれなかったのは淡の技量の問題。それくらいできなければ大将は勤まらない」

淡「……」

照「大体、淡は……」

菫「おい、照。その辺にしておけ」

淡「もういい！　てるの妹に絶対ならないし！」

照「私もいらない」

淡「私がてるの妹を妹にしてやる！」

照「……何を言ってるのかさっぱりわからない」

菫「ほら、お前があまり言いすぎるから、淡が頭に血が上って意味分からないこと言い始めたじゃないか」

淡「意味分からなくないし！　絶対妹にしてやる！　私高校１００年生なんだから！」ﾀﾞｯ!

菫「おい、淡！　……どうするんだこれ」

照「放っておけばいい。少しは反省する」

菫「……らしくないな。お前」

照「そう？」

菫「何かあったか？」

照「別に」

菫「それで、どうするんだ？　淡のこと。本気でお前の妹探しに行ったぞ」

照「放っておけばいい」

菫「……本当にお前の妹と仲良くなって帰ってきたりしてな」

照「まさか」

菫「お前より仲良くなったりしてな」

照「……まさか」

菫「それでもって、お前の「妹はいません」発言よろしく、妹に「姉はいません」とか言われたりしてな」

照「そんな……」

菫「「本当のお姉さんは淡さんです」とか」

照「それはない」

菫「……確かにない」

照「……まさか」

菫「……まさか、なぁ」

淡「てるのばかー！　あほー！　おたんこなすー！」

淡「絶対てるの妹を私の妹にしてぎゃふんといわせてやるー！」

淡「私の勘ではこの辺りに妹がいるはず……もう！　見つからないし！」ﾀﾞｯ!

ｺﾞﾂﾝ

淡「痛っ！」

咲「あ、ごめんなさい！」

淡「ちゃんと前を見て……あっ！　てるの妹！」

咲「はい？」

淡「ほかくー！」ｷﾞｭｯ

咲「え！？」

淡「見つけた見つけた♪」

咲「私を探してたんですか？」

淡「うんうん。やっと見つけた」

咲「それで、どんな用事が……」

淡「妹になって」

咲「……え？」

淡「今日から私の妹だ」

咲「……え？」

淡「姉だから今日から名前呼び捨てにする」

咲「あの、流れが全然分からないんですけど……白糸台の方ですか？」

淡「白糸台の方です。そしてあなたの姉！　淡お姉ちゃんと呼びなさい」

咲「……淡お姉ちゃん？」

淡「そして私は咲と呼ぶ」

咲「はぁ……あの、私ついていけてないんですけど」

淡「あ、そうだ。写真とって写真。写メ送るから」

咲「え？」

淡「はい、それじゃピース！」

咲「ぴ、ぴーす」

ｶｼｬ

淡「よっし。それじゃてるに送ってやろーっと」

咲「？？？」

ﾌﾟﾙﾙﾌﾟﾙﾙ

照「あ、メールだ……淡から」

菫「へぇ。何て？」

照「さぁ、反省して帰ってきます、とかじゃない」

菫「そんな素直じゃないと思うけどな」

照「どれどれ」

淡『咲ちゃん捕獲！　今日から私の妹になりました！』

淡『もうらぶらぶだし！　ツーショットのピース写真送っっちゃうし！』

淡『へへーん。てるあっかんべー！』

照「……」

菫「お、おい照。大丈夫か？」

照「……淡、ゴッ倒す！」ｺﾞｺﾞｺﾞ!

菫「落ち着け照！　一体何が……」

菫「……これ、お前の妹か」

照「うん」

菫「淡、よく見つけられたな」

照「そうなんだけど、そこじゃなく」

菫「可愛いな、お前の妹」

照「そこもそうなんだけど、それじゃなく」

菫「二人揃って仲良くピースしてるな」

照「そこ。許せない。まさか本当に咲を奪うとは……ユルセナイ！」ｺﾞｯ!

菫「いや待て待て。変なオーラ出すな。落ち着け、そもそもはお前が淡を虐めたのが悪いだろう」

照「……そうかもしれないけど。でも咲が」

菫「まぁ見てみろこの写真。妹の方は無理やりピースさせられてるみたいに見えるぞ」

照「……確かに」