【ガルパン】料理道です!! (165)

書き溜めないのでゆっくり

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~西住家~
みほ「こうやってみんなで御飯食べるなんて久し振りだね」パクパク

しほ「みほ!もっとゆっくり食べなさい」

まほ「みほが大洗に行ってしまって以来だからな、こうしていると昔を思い出すな」

みほ「そうだねお姉ちゃん・・・この前は助けに来てくれてありがとう」

まほ「そんなこと気にするな、家族なんだからな」

みほ「うん、でもありがとう!それにしてもお母さんのごはんは本当にに美味しいなぁ」

まほ「ああ、本当においしい」パク

みほ「やっぱり結婚するならお母さんみたいに料理が上手な人がいいよね」

まほ「みほが作るんじゃないのか?」

みほ「うん!やっぱり私は食べるほうが良いかな」ハハハッ

~黒森峰~
まほ「ということが昨日あってな」

エリカ「副隊長ご実家に戻られてたんですね」

まほ「ああ、久しぶりにみほと食事ができて楽しかったよ」

エリカ「でも料理が上手な人か・・・私はあんまり得意じゃないのよね・・・」ハァ

まほ「ん?なにか言ったかエリカ?」

エリカ「いえなんでもないです」

~グロリアーナ~
エリカ「ということがあったそうなんですよ」

ダージリン「でも料理が得意な人と結婚したいなんてみほさんらしいですわね、ふふふっ」

オレンジペコ「ダージリン様もサンドイッチならお得意なんですけどね」

ダージリン「何を言うのペコ、私だって料理も一通りできるんですよ」

エリカ「そうなんですか?私なんて本当にダメなんですよ・・・」

ダージリン「こんな格言を知っている?”料理は愛情”」

エリカ「へっ!?」ハテッ

オレンジペコ「陳建一、中華の料理人ですね」

ダージリン「料理が上手いか下手じゃないわ、その人を心から愛していれば料理もおいしくなるというものよ」

~プラウダ~
ダージリン「ということが先日ありましたの」カチャン

カチューシャ「ふーん、ミホーショったら料理が一番上手な人と結婚するなんて大胆なことを言うものね」

ノンナ「カチューシャ様は料理はダメダメですからね」

カチューシャ「ノンナ!!私だってやれば出来るんだからね」フンッ

ノンナ「はいはい、そうですね」ふふふっ

~アンツィオ~
カチューシャ「それでミホーショったら料理が一番うまかった人と結婚するっていうのよ」

ペパロニ「いやー姉さん思い切ったこと言ってますねえ」

アンチョビ「そうだな・・・料理なら私でも勝ち目があるかもしれない・・・」

ペパロニ「姉さん西住さんのお嫁さんになりたいんですか!?」

アンチョビ「いや例えばの話だ例えばの!!!」アタフタ

ペパロニ「本当かな~姉さん??」

アンチョビ「本当だ!!変な勘ぐりをするなペパロニ!」プンプン

ペパロニ「へへへっすいませんアンチョビ姉さん」テヘヘ

~サンダース~
ペパロニ「それで大会を開いて一番美味しかった人と結婚するって話ですよ」

ケイ「みほも思い切ったこと考えたわね」

ペパロニ「そうっすよね~うちの姉さんもなんだかんだで張り切っちゃって、ここんとこ隠れて料理の練習してんですよ」

ケイ「アンチョビの料理は美味しいからねえ、これは手強い相手になりそうね・・・・」

ペパロニ「なんか言いますた??」

ケイ「いやこっちの話よ、で日程とかはもう決まってるの?」

ペパロニ「いや~私はまだ何も聞いてないんすよ」

ケイ「そうなの・・ならこっちで聞いておくことにするわ、Thank youペパロニ」

辻廉太「という話が来ているんですよ」

児玉七郎「いやはや大変なことになりましたな、料理大会で家元の嫁選びとは・・・」

辻廉太「それも考え方次第ですよ・・・ここは戦車道世界大会宣伝のためにいっそ大掛かりに大会を開いてみましょう」

島田千代「そうですわね、うちの娘もお世話になたことですし島田流家元としてこの大会、私が仕切らせていただきますわ」

辻廉太「おお、そうしていただけるとありがたいですね」

~大洗~
杏「ってことで料理大会を開いて優勝した人は西住ちゃんと結婚できることになったらしーよ」モグモグ

みほ「何なんですかそれ!?私そんな話全然聞いてないですよ?」

杏「いや~でもそうやって協会から通達が来てるんだよね~」

柚子「戦車道連盟と文部科学省、それから島田流家元の名前で大々的に宣伝もされてるみたいなのよ」

みほ「そんな・・・・結婚相手がこんなことで決まっちゃうなんて・・・・・」

杏「まあまあ安心してよ西住ちゃん!私が優勝して西住ちゃんのお嫁さんになってあげるからさあ」

桃「会長!?」

杏「はははっここは大船に乗ったつもりでドーンと構えていなよ」パンパン

~大会会場~
優花里『ということでついに始まりました西住殿争奪料理大会!!司会進行の秋山優花里です』

オレンジペコ『解説のオレンジペコです、ついに始まりましたね・・・でも優花里さんは参加されないのですか?』

優花里『いや~出たいのは山々なんですが、料理だけはどうも自信がなくて・・・』ハハァ

オレンジペコです『それにしてもすごい人数ですね』

優花里『流石は西住殿、モテモテでありますね』

オレンジペコ『大会は予選と本選の2部構成で行われます、予選の上位3名が晴れて本選に出場となるわけですね』

優花里『早速会場では予選の審査が行われていますね』

オレンジペコ『審査員は西住しほさん、まほさん、みほさんの3名によって行われます』

優花里『おおーと最初の挑戦者はサンダースのケイ殿のようですね』

ケイ「Heyみほ! この料理であなたのハートも奪っちゃうわよ」

みほ「はははっ何でこんなことに・・・」

ケイ「グランマ直伝のチェリーパイよ」パチンッ

優花里『おおーとこれはアメリカならではのチェリーパイですね』

オレンジペコ『アメリカならではの温かいパイとクリームの組み合わせですね、アメリカでは各家庭にオリジナルのレシピがあるそうですよ』

ケイ「さあみほ!早速食べて、ほっぺた落ちちゃうわよ」

みほ「いっただきまーす」パクン

みほ「うん!パイもサクサクで中のチェリーもとってもおいしい!!」

まほ「サクサクの温かいパイとクリームの組み合わせが良いな」パクン

しほ「でも、このパイはダメね」カチャン

ケイ「why!どうしてよ?グランマ直伝の特製パイよ??」


しほ「では聞きますが何ですか?このパイ生地は?」

ケイ「なにっていつも使ってる冷凍パイシートよ?」

しほ「それにこのフィリング、生のチェリーではないでしょ?」

ケイ「ええ、いつもの缶詰のチェリーフィリングよ」

しほ「これではとてもみほは任せられませんね」

ケイ「そんなぁぁぁぁ」OH MY GOD!

優花里『おおーとケイ選手失格です!』

オレンジペコ『実にアメリカ人らしいパイでしたね』

優花里『直伝のレシピといっても冷凍パイシートを伸ばして缶詰を詰めて焼いただけですからね・・・』

オレンジペコ『アメリカの家庭料理には良くある話ですね、朝はシリアル、昼はハンバーガー、夜はステーキなんてこともザラですからね』

優花里『冷凍食品とジャンクフードだけの食事はきついものがありますからね・・・・・』

福田「次は自分の番であります」カタン

優花里『次は知波単学園の福田殿のようですね、一体どんな料理を見せてくれるのでしょうか』

福田「さあ、どうぞお召し上がりくださいであります」

まほ「おおこれは・・・」

みほ「すごい・・・こんな綺麗なごはん見たことないよ」

福田「西住殿のために地元千葉の特選こしひかりを用意したであります、それを羽釜で炊き上げました」

しほ「うん、よく炊けたごはんね。米の一粒一粒が綺麗に立っているわね、割れた米や欠けた米を取り除いて炊いたのね」モグモグ

福田「はい!西住殿のために一粒一粒よりすぐりました」エッヘン!!

しほ「それにこれはただのかまど炊きではないわね、わらを使ったのでしょ?」

福田「おお!さすがお母様、最後にわらをひとくべして強火で余計な水分を飛ばしたのであります」

しほ「基本がしっかりと出来ているわね、美味しかったわ」

優花里『おお~これは高評価であります、果たして結果はどうなるのでしょう』

しほ「あなたも失格よ」

福田「そんな・・・何ででありますか」

みほ「なんでって・・・」

まほ「ご飯以外のおかずはないのか?」

福田「何を言っているでありますか、お米こそ最高の食事、これ以外に何がいるというのでありますか」

しほ「うちの大事な娘を脚気にでもするつもりか、こんな米だけの食事では病気になるぞ」ダンッ!

福田「ひいいいいい」ビエエエン

優花里『流石にどんなにおいしくてもごはんだけでは無理がありましてね・・・」

オレンジペコ『そうですね、日本ではお米を大切にするあまりおかずが蔑ろになり脚気が流行した事がありますからね』

優花里『日本海軍が脚気撲滅のために海軍カレーを導入したという話もありますからね』

福田「残念であります・・・」メソメソ

みほ「でもとってもおいしいごはんだったよ!また食べさせてね」ニコッ

福田「はい!これまで以上に精進するであります」パァァァァァ

ダージリン「ふふふっ次は私がいかせてもらいますわ」

優花里『次は聖グロリアーナのダージリン殿です』

ダージリン「ではどうぞ召し上がれ、イングリッシュブレックファーストです」カチャン

優花里『これは伝統的な英国朝食のようです』

オレンジペコ『トーストに目玉焼き、ベーコンにブラックプディング、焼きトマトとベイクドビーンズ、それに朝食には欠かせないオレンジジュースとロイヤルミルクティーのようですね』

みほ「じゃあ、頂きます」モグモグ

みほ「うん、とっても美味しいです、この黒いのはなんですか?なんだかとっても懐かしいような気がするんですけど」

ダージリン「それはブラックプディング、豚の血の腸詰めですわ」

まほ「黒森峰ではブルートヴルストと言うな、豚の血と肉、脂身などを混ぜあわせて作ったソーセージだな」

みほ「そっか、黒森峰でよく食べてたんだ。久しぶりに食べれておいしいよ」

優花里『おおーと以外にも高評価の模様です』

ダージリン「ふふふっこんな格言を知っている、”イギリスでよい食事をしようと思うなら、朝食を三度とればいい”」
 
オレンジペコ『イギリスの小説家、サマセット・モームの言葉ですね』

しほ「それにこのミルクティーもいいわね、濃厚なミルクの味がします」

ダージリン「聖グロリアーナで特別に飼育している乳牛のミルクを低温殺菌で加工しました、茶葉も最高級のものを用意しました」

まほ「朝食としては完璧だな」モグモグ

みほ「うん、この紅茶もとってもおいしい」ニコッ

しほ「これは決まりだな、ダージリン、合格!」

優花里『おおおお意外な伏兵、聖グロリアーナダージリン選手一拔けです」



今日はここまで

ブラックプディングの説明聞いただけでうえぇってなった
実際に食ったらはうまいんだろうか

>>21
血を使った料理は日本ではあまり発達しなかったがヨーロッパでは血のソーセージや血のプリンと非常に発展している

アジアでも中国や台湾では猪紅(チューホン)といった物もあり豆腐の用に使ったりおかゆに入れて食べたりしている

特にフランス料理では血の味をとても大切にしておりステーキも血の味を大事にするためにみディアムレアなどの調理法が発達していった

また、鴨やうずらなどの身の赤い肉は生きたまま首をへし折り窒息させて血の旨味を全身に行き渡らせてから調理する

フランスのミシュラン獲得店でも鴨のソテー血のソース掛けなんてメニューも有る

そもそも血液と母乳は飛翔に似た成分をしているので受け入れやすい食材だと思う、ただ血液というものには本能的な恐怖心があるものなので人によりけりになる料理になる

筆者はフランスの香辛料をたくさん使ったブータンノワールやそば粉を練り込んだポーランドのカシャンカ、フランストゥール・ダルジャンのスペシャリテ、幼鴨のローストなんかは大変美味しく頂きました。 あれにわさび醤油かけれのは流石にできませんねwっw」

これども元寿司屋なんでね

優花里『いや~オレンジペコ殿意外な選手が決勝へ駒を進めましたね』

オレンジペコ『そうですね、ダージリン様はサンドイッチ位しか作れないと思っていましたが以外でした』

優花里『それに流石はグロリアーナ、紅茶にかけては右に出るものは居ませんね』

オレンジペコ『ロイヤルミルクティーはイギリスの朝食には欠かせませんからね、通常のミルクティーは淹れた紅茶にミルクを入れますが、ロイヤルミルクティーは直接牛乳で茶葉を煮出すことで濃厚な味になるんです』

優花里『さすがわダージリン殿といったところですね、でも美味しくないと言われるイギリス料理で挑むとは意外でした』

オレンジペコ『よく勘違いされますが決してイギリス料理がおいしくないわけではないんです。イギリスでは料理を食べる際に塩や胡椒で各自味を付けて食べるのですが、それを知らない観光者がいきなり料理を食べるので味のない料理でまずいと感じるんです』

優花里『なるほど~イギリス料理もおいしかったんですね』

オレンジペコ『いえ、おいしくはないですよ?そもそもイギリスでは調理が大雑把ですからね、焼くかクタクタに煮るしかないですから、先ほどダージリンが出されたベイクドビーンズも焼くとついていますが実はソースに豆をぶち込んで煮ただけなんです』

優花里『はははっ・・・何はともあれダージリン殿、決勝進出です!!」

杏「いあや~やるね~、でも私も負けらんないからね」

ダージリン「ふふふっ私に勝てるかしら」

杏「よーし私も作るぞ~」
ドジュウウウウウウウウ

優花里『おお~と会場に突如巨大な音が、一体これは何だ~!!』

杏「後は野菜と身を入れて煮込めば完成っと」カポン

オレンジペコ『角谷選手の調理の音のようですね、一体何の料理を作っているんでしょう』

杏「完成~特性あんこう鍋だよ~西住ちゃん味わって食べてね~」

優花里『角谷選手の料理はあんこう鍋だったようです!!』

みほ「会長これってあの時の鍋ですね」

杏「ちっちっち、今回の鍋は前のより更に凄いんだよ、さあ食べて食べた」

まほ「では、いただくとするか、味噌仕立てのちゃんこ鍋のようだな・・」ハム

みほ「んん~おいしい、すごく濃厚なあんこうの味がする」パクパク

まほ「それにこの汁が絶品だな、一体何のだしを使ったんだ??」

杏「ふふ~この鍋はねえあんこうと野菜、味噌しか使ってないんだよ~」

みほ「ええ~それだけでこんな濃厚な味になるんですか?」

しほ「これはどぶ汁ね・・」パクン

優花里『オレンジペコさんどぶ汁とは?』

オレンジペコ『どぶ汁とは茨城や大洗の漁師めしとして広がったあんこう鍋のことですね、水を使わず炒めたあんこうの肝とあんこうの身、それから野菜だけで作られる鍋料理です』

優花里『なるほど~しかしだし汁を入れなくても本当に大丈夫なんですか?』

オレンジペコ『あんこうは水気の多い魚ですからね、一緒に入れる大根や白菜の水分だけでちゃんと鍋になるんです』

優花里『なるほど~船の上では水は貴重ですからね、それに余計な物が入ってないのでそれだけ濃厚でコクのあるスープになるんですね』

みほ「本当においしいです会長」パクパク

まほ「ああ、この出汁をたっぷり吸った大根や白菜っも絶品だな」

優花里『おおどうやら高評価のようです、これは決まりでしょうか?』

しほ「確かにこの鍋は美味しいはでも欠点もあるわね・・・」

優花里『おお~とこれはどういうことでしょう?』

しほ「やはり旬を外したあんこうでは本来のコクは出ていないわね」ズズー

オレンジペコ『やはりそうでしたか、あんこうの旬は冬、夏のあんこうではまだまだ肝や身に脂がのってなかったんですね』

しほ「料理の腕は良いようですが旬を見極める目も必要ですよ、あなたならもっと良い食材で美味しい物を作れたはずです」

杏「はははっ~バレちゃったか・・・西住ちゃんとの思い出の鍋で決勝に行きたかったんだけどね~ごめんね西住ちゃん」

みほ「そんなことないです会長、とっても美味しい鍋でした、大洗は存続できたんです、今度は冬にみんなで美味しい鍋を食べましょう」

優花里『角谷選手渾身の料理もここでリタイアです、いや~厳しい審査員たちですねえ』

オレンジペコ『いや、厳しいのは一人だけだと思いますが・・・』

優花里『それにしてもどぶ汁と言うのはなんだか食欲のなくなるような名前ですね・・・』

オレンジペコ『どぶ汁のどぶはどぶろくのことですよ?焼いたあんこうの肝がオレンジ色になり野菜と煮込むことでどぶろくの様な色になることが由来のようです』

優花里『なるほど、それは失礼な勘違いをしてしまいましたね、西住殿と食べる鍋が待ち遠しいであります』

アンチョビ「さて次は私の番だな、アンツィオ仕込のイタリアンを見せてやろう」

優花里『さて次はアンチョビ選手のようです、一体どんな料理を見せてくれるのでしょう』

アンチョビ「今日はイタリアンのコース料理を出してやるぞ、心して食べるんだぞ!」

アンチョビ「まずはアンティパストだ、今日はカツオの叩き、ライスサラダ添えだ」

優花里『アンティパストとは何のことですかオレンジペコさん?』

オレンジペコ『イタリアの前菜に当たる料理ですね、カツオの叩きということはカルパッチョ風にアレンジした料理ということでしょう」

みほ「わ~賽の目になったカツオの身とライスサラダが市松模様になってて綺麗だね」

まほ「うむ、セルクルをはめて並べた後、型を外したんだな。ルッコラと薄くスライスされたチーズの彩りも良いな」

アンチョビ「さーさー御託はいいから食べてみてくれって」

まほ「そうだな、ではいただくとしよう」パクン

みほ「ん~これすっごくおいしい」ピョンピョン

しほ「この香りはわらだな、わらで表面を炙ったんだな、カツオの臭みがうまく消えている。それにこのバルサミコスのソースも良いな」

しほ「この時期のカツオhどうしても脂の乗りが悪いからな、オリーブ油でコクを出しつつ、さっぱりと食べられるようになっているな」

優花里『アンチョビ選手高評価のようです、しかしお米をサラダにするとは大胆な発想ですね』

オレンジペコ『日本ではあまり見かけませんが、イタリア南部ではポピュラーな食べ方ですね、私はそれよりもカツオとの取り合わせに驚きましたね、あの料理はいうなれば日本のお寿司をイタリアンに作り変えたものでしょう』

優花里『アンチョビ選手、いきなりの高評価です、次はどんな料理を出してくるのでしょう』

アンチョビ「次はプリモ・ピアット渡り蟹のトマトクリームパスタだ!」

オレンジペコ『プリモ・ピアットつまり主菜の一皿目ということですね、渡り蟹を選ぶあたり、愛知出身のアンチョビ選手らしいですね』

優花里『渡り蟹の出荷量では日本有数ですからね、麺も手打ちの平打ち麺できしめんみたいでありますね』

オレンジペコ「あれはフェットチーネですね、6mm幅の平打パスタです、平たい麺がソースと良く絡みクリームパスタのように料理にはピッタリでしょう』

みほ「これも美味しそうだね、頂きます」クルクル パクッ

まほ「うん、これもいけるな!コクがあるソースに蟹の身とよくあっている」

しほ「うん・・・しかしこれはうますぎるな。普通、甲殻類をソースにすると旨味がソースに流れ出して身がパサパサになってしまう。煮込みが足りなければ身に旨味は残っても、ソースが味気ないものになってしまう・・・これは・・・そうか、ビスクだな、ソースにビスクを使ったんだな」

アンチョビ「さすがお母様、そうですこのソースはビスクを使ったソースに更に渡り蟹を入れてうまみたっぷりに仕上げたんです」

優花里『オレンジペコさん、ビスクというとスープ料理のビスクのことでしょうか?』

オレンジペコ『そうだと思われますね、フランス料理の技法をイタリアンに応用したのでしょう』

優花里『なるほど、でもそんなこと可能なんでありますか?』

オレンジペコ『ビスクは普通はエビやザリガニなどの甲殻類を使って作られます。アンチョビ選手は渡り蟹を炒めブランデーで臭みを消した後、野菜やスープを加えて煮込み、ミキサーにかけて蟹の旨味を最後の一滴まで絞り出し越してソースの下味にしたのでしょう』

優花里『なるほど、それで後から入れたカニの身には旨味がたっぷり残り、ソースにもカニの濃厚な旨味が残るということですね』

アンチョビ「ふふふっこれがこのアンチョビの力だ、恐れいったか~」ハハハッ

しほ「そうね、下手をしたらクリームとカニの味でくどくなり過ぎるギリギリのラインをトマトの酸味で見事にまとめ上げているわね」

アンチョビ「ふふふっ驚くのはまだ早いぞ、次がメイン、セコンド・ピアット”コトレッタ アッラ ミラネーゼ”だ」バーン

みほ「わ~美味しそうなトンカツ!」

まほ「ミラノ風カツレツだな、豚ではなく牛肉を使ったカツだぞ、みほ」

みほ「じゃあ、いただきまーす」カリッ

みほ「ん~ジューシーでとってもおいしい、こんなカツレツ初めて食べたよ」パクパク

しほ「普通は油で揚げ焼きにするところをこのカツレツはたっぷりの油で揚げてあるんだな、だからこんなにさっくりとしていつつ中はしっとりと仕上がっているんだな」カチャカチャ

優花里『ミラノ風カツレツというとあの牛肉を叩いて伸ばしてパルメザンチーズを混ぜた細か目のパン粉を付けて揚げ焼きにした料理ですね』

オレンジペコ『はい、でもしほさんの話から察するに揚げ焼きではなく完全に揚げて作られているようですね』

まほ「そうか、高温の油で一気に揚げることで外の衣はさっくりと、中の肉には適度に火の通ったミディアムレアに仕上がっているんだな」サックリッ

アンチョビ「その通り、この方法ならフライパンで揚げ焼きにした時と違い、肉汁をしっかり保ったまま揚げることができるんだ」

優花里『アンチョビ選手この料理も絶賛です、これは本選決定か?』

オレンジペコ『本当にすごいですね、口で言うのは簡単ですが、揚げる肉をミディアムレアに仕上げるのは並大抵のことではないですよ』

優花里『そうでありますね、まるで一流の天ぷら職人の揚げる天ぷらのようであります』

オレンジペコ『そうですね、イカやエビなどの天ぷらも中心にわざと少し生の部分を作り旨味が逃げないよう揚げますからね、この料理にもイタリアにはない技法が使われていますね』

アンチョビ「ふふふっその通り、私は大洗に負けた後、自分に何が足りないかを必死に考えた、そして大学選抜との戦いで気づいたんだ、確かに伝統は大事だ、だが伝統にしがみつくだけでなくもっと色々なものを吸収して自分のものにする」

アンチョビ「ノリと勢いだけでなく他の高校の良いところもしっかりと学んで活かす、これが新しいアンツィオの戦車道!!それを料理に活かしてみたんだ」

みほ「すごいアンチョビさん、これがアンチョビさんの新しい戦車道なんだ」

優花里『さすがアンチョビ選手ですね、これはもう本選決定でしょう』

オレンジペコ『そうですね、これだけ完璧な料理をこの短時間で作るなんてすごいです。冷凍パイシートに缶詰をぶち込んで焼いただけのケイ選手を小一時間ほど何をしていたのか問い詰めたいほどの出来ですね』

アンチョビ「さあこれで最後だ、ドルチェのないイタリアンはイタリアンじゃないからな」

アンチョビ「アンチョビ特性ティラミスだ。さあみほ、味わって食べてね」パチンッ

みほ「わ~ティラミスだ美味しそう~」

まほ「早速いただくとしよう」

しほ「・・・ティラミスですって?」

アンチョビ「ああ、楽しんでくれよ」

しほ「楽しむですって・・・あなた、私の子どもたちにティラミスを食べさせるのね・・・」ブチッ

しほ「失格よ、失格!!!!アンチョビ選手は失格!!!」

優花里『おおーと、とんでもないことになりました。アンチョビ選手まさかの失格です、今までの絶賛は何だったのでしょう、突然の失格です』

オレンジペコ『恐らく原因はあのティラミスですね』

優花里『ティラミスがでありますか?私には意味がよくわからないんでありますが』

オレンジペコ『ティラミスの意味は知っていますか?』

優花里『いえ。考えたこともなかったです』

オレンジペコ『ティラミスの意味はですね、私を元気にしてまたはハイにしてという意味です』

優花里『それの何が悪いんでありますか?』

オレンジペコ『そのなんと言いますか//// 夜遊びをする女性が男性に向けて作ったデザート作ったデザートと言われているんです』

オレンジペコ『なので、そっちの意味で私をハイにしてという意味があるんです/////』

優花里『つまりアンチョビ殿はお母様の前で娘に夜のお誘いをしたのでありますか?/////』

オレンジペコ『はい、そういう意味に受け取られる場合も・・・』

しほ「失格よ失格、早く子どもたちから離れなさい」ウガアアアア

アンチョビ「そんな・・・知らなかったんだ、そんな意味があったなんて本当に知らなかったんだ・・・」ウワアアアアアン

優花里『アンチョビ選手まさかの失格、退場となってしまいました』

オレンジペコ『実力があっただけに残念ですね・・・』

カルパッチョ「ペパロニあなたこの事を知っていてアンチョビ隊長にデザートはティラミスを薦めたんですね」

ペパロニ「いや~ほら、姉さんが結婚しちゃうなんてなんか嫌だったんだよ・・・」

カルパッチョ「ふふふっ今回は許してあげるは、よくやったわよペパロニ」クスクス

優花里『次の挑戦者は知波単学園の西殿であります』

絹代「いざ勝負です!!』

絹代「季節の八寸です、どうぞお召し上がりください」カチャン

みほ「これも綺麗な盛りつけだね、何から食べようか迷うっちゃうな」

まほ「イタリアンの次は純和風な料理だな」

絹代「西住殿のために丹精込めて作りました、よろしくお願いします」

しほ「ええ、ではいただきましょう」

優花里『西殿らしく和食出来ましたね、ところで八寸とは何でありますか?』

オレンジペコ『懐石料理の前菜のことです。八寸とはその名前の通り長さを表しているんです、24cm程度の器に酒の肴になるものを盛り合わせた料理ですね、海の幸や、山の幸、季節の食材などを様々な技法で舌だけでなく目や香りでも楽しませる料理ですね』

オレンジペコ『逆に言えば、料理人の腕の善し悪しがしっかりと現れてしまう料理でもありますからね、よほど自信があるのでしょう』

まほ「では、これから頂こうかな」ヒョイ

絹代「それはホタテときゅうりの黄身酢掛けです」

ダージリン「き、きゅうりですって!?」

オレンジペコ『そこに突っ込まないでください』

絹代「酢洗いした帆立の貝柱に蛇腹にしたきゅうりを添えて黄身酢を掛けました、軽く混ぜてお召し上がりください」

みほ「ホタテがプリプリでおいしいね」

まほ「ああ、それに黄身酢との相性もいいな」

優花里『オレンジペコさん、黄身酢ってなんですか?』

オレンジペコ『卵黄に酢や砂糖、酒などで湯煎にかけながら練り上げた和食の調味料です。油っけのないマヨネーズといったところでしょうか、独特のコクが有り卵が魚介類の生臭さを消してくれるんです、でもだまになりやすく、うまく作るにはかなりの技術を要しますね』

ダージリン「きゅうりにマヨネーズですって!?それではまるでサンドイッチじゃない・・・・」ハアァ

オレンジペコ『ダージリン様、うるさいです』ペシッ

みほ「次はこれにしようかな、イカ飯かな?」パクリッ カリッ

みほ「んん?カリッ? これイカ飯じゃないたけのこだ!?」

まほ「イカ飯に見立てて出汁で炊いた筍の穂先にイカのすり身を詰めて蒸して照りを塗ったのか・・・」ウムッ

優花里『面白い趣向でありますね』

オレンジペコ『八寸ではこういった洒落の聞いた物が好まれますね、お客の思惑をいい意味で裏切ることで記憶に残りますからね』

みほ「これは鶏の照り焼きかな?それにしては皮が厚いような」ハム

みほ「これは鴨だね、こってりとした鴨の脂と焼きネギがちょうどいいよ」モグモグ

まほ「この丸いのはなんだ?」

絹代「それは新じゃがを蒸かして荒く潰したものに茹でたそら豆を混ぜて揚げた和風コロッケです、特性のタルタルソースでどうぞ」

まほ「ふむ、これもさっくりとしていてうまいな、ホクホクのじゃがいもとこのタルタルソースも相性が良いな」

みほ「うん、このタルタルソースとってもおいしいね、でもどこかで食べたことあるような味だね」ツンツン

絹代「それはしば漬けの味です、ピクルスの代わりにしば漬けを入れて和風に仕上げました」

みほ「そうか、これはしば漬けの味だったんだ、だから何処か懐かしくなる味がしたんだ」パクパク

絹代「ピクルスもしば漬けもきゅうりの漬物ですからね、じゃがいもとの相性もいいので使ってみました」

ダージリン「きゅうりの漬物ですって!?」

オレンジペコ『もういい加減、ダージリン様は待合室で待っててください』ハアァ

まほ「最後はこのちまきか・・・」クルクル

優花里『ちまきと言うとあの端午の節句に食べる笹で巻いた米粉をのお餅ですか?』

オレンジペコ『確かにそのちまきですが、これは恐らくそれを模した料理でしょうね』

まほ「ほう、中身は鯛の笹寿司か」

オレンジペコ『やはり笹寿司でしたか・・』

しほ「うまく出来ているな、これは昆布締めにした鯛だな、この鯛は何処の鯛だ?」

絹代「はい、今日は山形の鯛を使いました」

しほ「そうですか」パクン

優花里『意外ですねえ?てっきり西さんのことなので明石などの瀬戸内海の鯛を使うかと思いましたが?』

オレンジペコ『違います、絹代選手は本当に凄い選手です』

優花里『それはどういうことでありますか?』

オレンジペコ『鯛と言えば明石と言われるほど瀬戸内海は美味しい鯛の産地ですがこの時期に限ってはそうではないんです』

優花里『どういうことですか?』

オレンジペコ『この時期の明石の鯛は産卵を終えた直後で身が痩せてしまっているんです』

優花里『なるほど、北の海ならまだ海水が冷たいので産卵期前の一番脂が乗った時期なんですね!?』

オレンジペコ『はい、それをしっかりと計算して絹代選手は山形の鯛を使ったんです、本当に凄い選手です』

優花里『いやー凄いでありますな~、でもそんな細かい所まで目を配るしほ殿も凄いですねえ』

オレンジペコ『そうですね、あんな人に毎日料理を出さないといけないなんて、私なら胃に穴が開いて倒れていますね』

しほ「・・・」ギロリ

オレンジペコ「し、審査結果が出るようですよ・・・」タラタラ

しほ「西絹代選手、合格です!おめでとうございます」

絹代「やりました~やりましたよ西住殿~」ワーイ

優花里『これで2人目ですね、残る席は1席、一体誰のものになるのでしょうか』

エリカ「やばいわね、みんな相当手強いわ、私で勝ち目があるのかしら・・・でも、みほと結婚するため、私はあきらめないわ」

エリカ「審査、お願いします!!」

優花里『次の選手は逸見殿のようであります』

オレンジペコ『西住さんと同じ学校で過ごしてきましたからね、好みも詳しいでしょう、これは期待できますね』

今日はここまでありがとうです

寿司ネタについて解説してくれなにかひとつ

>>71さんのご要望に答えて小ネタ

優花里「いや~オレンジペコさん、絹代選手の料理には驚かされましたね」

オレンジペコ「そうですね、彩りや食材の選び方もさることながら寿司の技術もかなりのものを持っていますね」

優花里「ところでオレンジペコさんはお寿司なら何が好きですか?」

ダージリン「私はなんといってもかっぱ巻ね、中のきゅうりがとってもおいしいの」

オレンジペコ「ダージリン様、勝手に実況席に入ってこないでください。そういえば以前とてもおいしいかっぱ巻きを食べましたよ」

優花里「ほうほう、それは一体どんなかっぱ巻きだったのでありますか?」

オレンジペコ「今、市場に出回っているのは本来のきゅうりではないのはご存じですか?」

優花里「それは聞いたことがありますね、きゅうりは連作障害を起こすことが多く病気にもなりやすいのでかぼちゃの苗を使って接ぎ木して育てているんでしたね」

オレンジペコ「はい、ただ最近はそれだけでなくきゅうりの表面にできるブルームという白い粉が極力出来ないものを主流に作っているんです」

優花里「表面の白い粉が農薬と間違われてクレームが後を耐えなかったという噂までありましたね」

オレンジペコ「そうなんです、そこで接ぎ木に使われるかぼちゃの苗にこのブルームが出来ない品種が見つかりそれを使ったブルームレスきゅうりが主流になったんです」

優花里「そうだったんでありますか」

オレンジペコ「ただ、残念なことにこのブルームにはきゅうりの水分の蒸発を防いだり防虫効果もあったんですがこれがなくなったことで、極端に味の劣化が早いきゅうりになってしまったんです」

オレンジペコ「また、きゅうり自身も水分の蒸発を防ぐために皮を分厚くして防いでいるんです。その結果本来のきゅうりとは食感や味が違ったものになっているんです」

優花里「そうだったのでありますか、なんだか残念でありますね」

オレンジペコ「でも、その厚い皮のおかげでパリッとした食感と水分を吸収しやすいことから柔らかい果肉になり生食向けのきゅうりになったんです」

優花里「なるほど、ところでオレンジペコさんの食べたかっぱ巻きもブルームレスだったんでありますか?」

オレンジペコ「私が感動したかっぱ巻きに使われていたのは四川胡瓜という品種でした、イボがたくさん出来て見た目は細いゴーヤみたいになるんです」

オレンジペコ「皮も薄く噛んだ時のカリッっとした食感が小気味いいですね。香りも良くきゅうり本来の濃厚な味が特徴です、皮が薄いので味が染み込みやすく漬物屋さんがこぞって使うきゅうりです、きゅうりのキューちゃんも四川胡瓜で作られているんですよ」

オレンジペコ「私がおじゃましたお寿司屋さんでもその四川胡瓜を使っていたんですがそのまま巻くのではなく、きゅうりに塩をして昆布で挟んで昆布締めにしていたんです」

優花里「胡瓜の昆布締めでありますか?なんだか贅沢でありますね」ウワアア

オレンジペコ「味の染み込みやすい四川胡瓜を上手に使ったかっぱ巻きだと思いました、極上の浅漬のようになったきゅうりとそこに煎ったゴマを少し混ぜ込んで香り高いとてもお美味しいかっぱ巻きになっていました」

優花里「聞いただけでも食べたくなってきますね」

オレンジペコ「最後の締めまで気を抜かない職人さんの意地を感じさせるお寿司でした」

ダージリン「・・・さて行きますわよペコ」ガタンッ

オレンジペコ「やっと控室に帰ってくれるんですか?」

ダージリン「何を言っているの、今からそのかっぱ巻きを食べに行くのよ」

オレンジペコ「待ってくださいダージリン様、まだ本選が残っていますよ・・・」ズルズルズル

優花里「小ネタ終わりであります」チャンチャン

寿司屋のあんちゃんが店辞めてからガルパンにハマって、
文章書くの慣れてないけど頑張ってSS書いてると思うと微笑ましい

>>79 なぜ知っている
今日も続き書いてきます

エリカ「良し、焼色もバッチリね、完成しました試食をお願いします」ダンッ

エリカ「ヴァイスヴルストとプレッツェル、それから黒森峰特性の白ビーr・・ゴホンゴホン、麦ジュースです」

優花里『これは黒森峰らしい料理できましたね』

オレンジペコ『みほさんも慣れ親しんだ味ということでしょう』

優花里『ただ私の知っているプレッツェルよりも太くて大きいですね』

オレンジペコ『それは恐らく、アメリカで広まったtお菓子のプレッツェルでしょう、本場ドイツのプレッツェルはあのような歯応えのあるパンなんです』

みほ「じゃあ、プレッツェルからいただきまーす」パンパン モグ

みほ「そうそうこれ、懐かしく味!!」

しほ「基本はしっかりと出来ていわね、黒森峰の伝統がしっかりと守られていて嬉しく思います」モグ

優花里『なかなか高評価のようですね』

オレンジペコ『黒森峰では下級生が上級生のための食事の準備をしますからね、エリカさんもみほさんと一緒にパンを焼いていたのでしょう』、

優花里『それにしても見事な焼き上がりですね、あれだけ均一に綺麗な焦げ茶色をつけるのは難しそうですね』

オレンジペコ『あれがプレッツェルの特徴ですね、焼く前に水酸化ナトリウム水溶液に浸してから焼き上げることであの色を出しているんです』

優花里『水酸化ナトリウムでありますか?そんなことして大丈夫なんですか?』

オレンジペコ『水酸化ナトリウムが必要というよりアルカリ溶液につけるのが大切なんです、アルカリ溶液の作用でパン生地表面のグルテンが変性し固くなるんです。その結果パンが必要以上に伸びずにずっしりとした食感のパンに仕上がるんです』

オレンジペコ『また、小麦粉のフラボノイドがあるかい変性して黄色くなりそれを焼くことで綺麗な焦げ茶色になるんです』

優花里『なるほど~麺を打つときにアルカリ性のかん水を入れて、コシと独特の色合いを出す中華麺と同じ原理ですね』

オレンジペコ『はい、それから焼く直前に振られた岩塩がビールとよく合うんです』

優花里『西住殿は先程少し落として食べていましたね』

オレンジペコ『自分の好みの味になるよう調節しながら食べるんです』

みほ「じゃ次はソーセージを食べよっと、この前帰った時は食べられなくて残念だったんだよね、エリカちゃん覚えてくれてたんだ」

エリカ「たまたま材料があったから作っただけよ/// 別に気にしてなんてないんだから」

まほ「ヴァイスヴルストか、みほは黒森峰に居る時はよく食べていたな」カチャ

みほ「うん!でも、この前演習を見に行った時はお昼を跨いじゃったからもう売ってなかったんだよね」

みほ「うん、やっぱりエリカちゃんの作るヴァイスヴルストはおいしい」パクパク

まほ「白い麦ジュースとの相性もいいな」グビグビ

優花里『以前、西住殿が黒森峰に演習を見学に行った際は食べることが出来なかったようですね、ただそれと昼を超えてしまうこととどんな関係があるんですか?」

オレンジペコ『ヴァイスヴルスト、白いソーセージと呼ばれるこのソーセージはとても繊細で朝 用意したものは午前中に並べてしまわなければ味が悪くなると言われているんです、なのでレストランなどでも何時でも食べられるわけではないんです』

優花里『それは凄いですね、味の方はやはり普通のソーセージとは違うんですか?』

オレンジペコ『新鮮な仔牛とベーコン、生クリームやパセリなどの香辛料で作られるんですが、ふわりとした食感と口の中で溶け出す新鮮な仔牛の肉の味、鼻を抜けるパセリやレモンなどの香辛料の香り、口に残る濃厚で優しい味わいとコクのある旨味が素晴らしいですね。最もおいしいソーセージに選ぶ人も多いそうです』

オレンジペコ『それを味が逃げ出さないよう慎重にボイルして皮を剥いで食べるんです、熱々のソーセージと白ビールの組み合わせは最高ですよ』

優花里『聞いているだけでヨダレが出てしまうであります』ズビッ

優花里『ところで先程から話しに出ている白ビールとは何なんですか?』

オレンジペコ『ドイツのバイエルン地方で作られるビールのことですね、ヴァイスヴルストも同じバイエルンのソーセージなので最高の組み合わせではないでしょうか』

優花里『なるほど、同じ土地でとれたつまみにはその土地の酒を飲めということですな』

オレンジペコ『それと白ビールは上面発酵ビールのエールなので日本ではあまり作られないんですよ』

優花里『日本ではビールといったらキレと程よい苦味が受けますからね。また日本のようにビールをキンキンに冷やしてしまうとエール独特のコクや爽やかな甘味は弱まってしまうのでウケが良くないですからね』

オレンジペコ『なのでエリカさんは、みほさんに今では食べられない黒森峰の味を出したんでしょう』

優花里『まあ、西住殿達が飲んでいる麦ジュースとは関係ない話ですけどね』

みほ「ゴクゴクゴク プハッーやっぱりこの味だね、いくらでも食べられちゃうよ」モグモグ

まほ「やはり私たちにはこの味が忘れられないな、暑い夏の日に戦車の中でヘトヘトになるまで練習した体を癒やしてくれたのはいつもこの味だったな」ゴクゴクゴク プハッ~

優花里『麦ジュースは飲むパンとも言われてますからね、修道士達が断食中に食べるのは禁止されてるけどこれは飲み物だからいいんだ~とせっせと飲んでいたとも言われてますからね』


オレンジペコ『その修道士達が居たおかげで何百種類ものビールが生まれましたからね』

しほ「黒森峰伝統の味をしっかりと受け継いでますね、それに娘をいたわる気持ちもあるようです、逸見エリカさん合格です」

優花里『最後の一コマは逸見選手が勝ち取りましたああああああ』

エリカ「いやったああああああああ」ワーイ

みほ「エリカちゃん美味しかったよありがとうね」ニコニコ

エリカ「あれくらいなら何時でも作ってあげるわよ、だからたまには黒森峰にも帰ってきなさいよ・・・」プイッ

優花里『ついに本選出場者が決まりましたね』

オレンジペコ『そうですね、家庭的な味わいで勝利したダージリン様、他を圧倒する知識と技量で勝利した西選手、みほさんの故郷の味を忠実に再現した逸見選手、誰が優勝するか楽しみですね』

優花里『逸見殿はたまたまあった材料で作っただけだ~なんて言ってましたけど相当気合を入れているようですね』

オレンジペコ『そうですね、ヴァイスヴルストはそんなに簡単に作れるものではないですからね、恐らく徹夜で仔牛を捌いてひき肉を作っていたに違いありませんね』

優花里『では今後の予定を発表します。この後、本選の課題が発表され本選は明日ということになります』

オレンジペコ『それでは、本選の課題発表の前に各選手にインタビューしたいと思います、中継の武部さ~ん』

料理に詳しいから寿司屋やってたのか
寿司屋だから料理に詳しいのか

沙織『は~い、こちら武部沙織でーす。ダージリンさん本選出場おめでとうございます、今の心境はどうですか?』

ダージリン『まあ私が本戦出場など造作も無いことですわ、みほさんのハートは私のものです』

沙織『なるほど~では、本選への意気込みをどうぞ』

ダージリン『誰が相手でも正々堂々と戦うだけです』

沙織『ありがとうございます。続いて西選手にお話を伺いたいと思います、西選手、今のお気持ちをどうぞ』

絹代『私は西住さんに料理を食べてもらえただけで感動です、これからも精進したいと思います』

沙織『本選に向けて何か秘策はありますか?』

絹代『特に考えてはいません、突撃あるのみです』

沙織『ありがとうございます、続いて逸見選手です、本戦出場おめでとうございます』

エリカ『ありがとう、でも勘違いしないでね、私はあくまでも料理の腕が試したかっただけで、みほと結婚したいなんて思ってないんだから』

沙織『はははっ・・・ところで美味しそうなソーセージでしたね、みぽりんも喜んでいましたね』

エリカ『ソーセージは黒森峰の伝統だからね、黒森峰の文化祭ではディアンドルを着た生徒がソーセージや麦ジュースを振る舞うのよ』

沙織『オクトーバーフェストみたいで楽しそうですね』

エリカ『10月にあるから良かったらいらっしゃい。・・・その、みほにも伝えといてね』
※黒森峰の文化祭は創作です

沙織『ありがとうございました、それでは実況席にお返ししまーす』

優花里『武部殿ありがとうございました。では、本選の課題の発表に移りたいと思います』

優花里『本選の課題はずばり”自分たちの披露宴に出す一品”です』

オレンジペコ『披露宴の料理ですか、これはなかなかむずかしそうですね』

優花里『そうですね、披露宴の宴席は結婚する二人のためでもありますが、お互いを互いの家族や親類、友人たちに自分の伴侶を紹介する場でもあります、ふたりの歩んできた道や思い出、相手への想いそんなものが詰まった一品を作ってもらいたいと思います』

オレンジペコ『最近は形式張ったコース料理ばかりになてしまっていますからね、相手のことを考えたまごころのこもった料理を期待したいですね』

優花里『では、本日の実況は私、秋山優花里と』

オレンジペコ『解説のオレンジペコでお送りしました』

優花里『では、また明日お会いしましょう!」バイバーイ

オレンジペコ「よろしくお願いします』フリフリ

今日はここまで、もしかしたらまた夜書くかも、ありがとうございました

>>86 寿司懐石のお店だったから寿司も会席料理も両方やってた、メインで入ってたのは会席の料理です
今ある日本料理だけじゃなくて世界中の技法や食材なんかを活かした新しい日本食を目指したかったので、他の国の料理も勉強したり、食べ歩いたりしてました。

ちなみに寿司屋になる前は管理栄養士だったという異例の経歴ですwww職場でも不思議がられてました

そして気づいたらガルパンおじさんになってました

乙乙
ガルパン料理おじさんとかいう新カテゴリー

>>90
もともとミリオタとアニメ好きの合併症何だけどな、ガルパンの履帯の動きに感動してハマった
各車両のサスペンションの違いによる転輪の動きの違いを忠実に再現してることに感動したね

一番好きなサスペンション方式ダブルトーションバー方式です

~グロリアーナ~
オレンジペコ「ダージリン様そんなに落ち着いていて良いんですか?明日は本選ですよ」

ダージリン「今更騒いでもどうしようもありませんわ、ゆっくりと明日の英気を養うのが正解ですわ」カチャン

オレンジペコ「そういうものですか、でも勝算はあるんですか?」

ダージリン「ふふふっ面白いものを見せてあげるわよペコ」

アッサム「ダージリン様、荷物が届きましたよ」ガチャン

ダージリン「ふふふっやっと届きましたね」ビリビリビリ

オレンジペコ「だ、ダージリン様これはっ・・・・」

ダージリン「これがあるかぎり私に負けはありえませんわ」クスッ

~知波単~
絹代「待っていてください西住さん、これさえあれば・・・」ブロロロロン

絹代「ん~この道であっているのだろうか?どんどん山に入ってしまうんだが・・・」

絹代「ええーい、ここは前進だ、吶喊!!」ブロオオオオン

※無事帰ることが出来ました

~黒森峰~
エリカ「これじゃあダメね、もっと何か工夫しなくちゃ」ダンッ

まほ「エリカあまり無茶はするなよ」ガチャン

エリカ「た、隊長!?そうしてこんな所へ?」

まほ「かわいい後輩が心配でな」クスッ

まほ「私も審査員だからあまり肩入れは出来ないがエリカらしい料理を出せばいいんだ、昨日もロクに寝てないんだろ、このままでは体を壊すぞ」

エリカ「はい、でももう少しで何か掴めそうなんです、もう少しだけヤらせてください」

まほ「ああ、私もこれ以上は言わない、ただ自分気持ちは裏切るなよ」ガチャン

エリカ「自分の気持ちか・・・よーし、もう少しで掴めそうなのよ、頑張るわよ」パンパン

優花里『さーやってまいりました西住殿争奪料理大会、本選です。本日も実況は私、秋山優花里と』

オレンジペコ『解説のオレンジペコでお送りします』

優花里『いよいよ本選でありますね、一体皆さんどんな料理を見せてくれるんでしょうか』

オレンジペコ『披露宴に出す一品ということで各選手どんな想いを込めるのか期待したいですね』

優花里『会場では各選手早速調理にかかっております』

卵 ズラアアア~

ダージリン「ふふふっ、これでみほさんの心は私のものよ」クスクスクス

優花里『ダージリン殿は大量の卵を用意していますね、イギリスの卵料理といえばスクランブルエッグやスコッチエッグでしょうか』

オレンジペコ『それにしては量が多いですね、ダージリン様はお菓子を作るのではないでしょうか?』

優花里『なるほど、イギリスもアフタヌーンティーのおやつには異様に力を入れますからね』

オレンジペコ『恐らく卵をたくさん使うデザートになると思われますね、披露宴でもデザートはつきものですからね、これは楽しみです』

絹代「・・・・・」パチパチパチ ジュウウウウウウウ

優花里『おお~と、西選手は何か小魚をあげていますね』

オレンジペコ『ここからでは何の魚なのかは判別できませんが、随分小ぶりの魚ですね』

優花里『披露宴と小魚の揚げ物これはまた変わった組み合わせですね』

オレンジペコ『そうですね、何が出来上がるのか楽しみです』

エリカ『トオオオオ』ダダダダダダダダ

優花里『逸見選手はすごい勢いで肉を叩いております』

オレンジペコ『恐らくミンチを自分で作っているんでしょう、ミンチにされたものよりも包丁で細かく叩いたほうがジューシーな仕上がりになりますからね』

優花里『ということは予選に引き続き得意のソーセージ料理ということでしょうか?』

オレンジペコ『ドイツにはひき肉を使う料理はたくさんありますからね、これも楽しみですね』

おつ
最近ちょくちょく見るんだけどみほがエリカ「ちゃん」なんで呼ぶ場面なんてあったっけ?ドラマCD5?

優花里『各選手着々と料理が出来上がって行きますね』

ダージリン「さて、焼きに入りますわ」ガチャン カパ

優花里『ダージリン選手何か生地をオーブンで焼いているようです、ただオーブンの温度も低く扉に木べらで隙間を作っていますね』

オレンジペコ『恐らくあれはマカロンを作っているんでしょう。先ほどの卵はメレンゲを作っていたんだと思われます』

優花里『なるほど、ですがあの木べらにはどんな意味があるんですか?』

オレンジペコ『マカロンは本当に繊細なお菓子なんです、オーブンの中の温度や水蒸気の量が少しでも狂ってしまうと表面にシワができてしまうんです。それを防ぐためにああして水蒸気の逃げ道を作っているんでしょう』

優花里『なるほど、しかしマカロンとは西住殿の好物で攻めるわけでか、なかなかしたたかですね』

ダージリン「ふふふっイギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばないのよ」

>>99
ドラマCDでみほがエリカって言いかけて逸見さんに直してたから、それから劇場版とかあったからもっと仲良くなってエリカちゃんに戻ったのかな?と想像してた
これからは逸見さんでいきます、話の都合でエリカちゃんに戻るかも

優花里『さあ、続々と料理が完成して来ましたね、まずはダージリン選手からの模様です』

ダージリン「みほさんとの披露宴を飾る”マカロンタワー”ですわ、どうぞお召し上がりください」

みほ「わ~マカロンがいっぱい、私が好きなの覚えててくれたんですね」

ダージリン「ええ、もちろんよ!さあ、食べてみてください」

みほ「わ~いっぱい種類があるんだ、どれから食べようか迷っちゃうよ」キョロキョロ

まほ「綺麗に焼かれているな、マカロンは火加減が本当に難しいお菓子だ、大した腕だな」

みほ「んん~こっちは甘酸っぱいいちごの味、こっちはレモンの皮を使ったほろ苦い味でおいしい」パクパク

優花里『好評のようでありますな、でもなぜマカロンが披露宴の料理なんでしょう?』

オレンジペコ『披露宴のケーキカットではマジパンやショートニングで作った見栄えだけの食べらるないケーキを使うことが多かったんですが、最近は小さめのメッセージ性の強いデコレーションケーキを好まれる人が増えていますからね』

オレンジペコ『またフランスではケーキでなく小さなシュークリームを水飴で貼り付けて高く積んだクロカンブッシュが披露宴のお菓子として有名なんです、マカロンタワーはそのクロカンブッシュをもして女性に人気のマカロンを積み上げて作った最近流行のウエディングケーキなんです』

優花里『なるほど、披露宴にウエディングケーキはつきものですからね』

オレンジペコ『はい、ただこのままでは二人の結婚式と言われると少し弱い気もしますね』

みほ「サクサクでどれもおいしい!!次はこの茶色のにしよ」パクンッ

みほ「んんん~この味は・・・ダージリンさん、この味っってもしかして」ハッ

ダージリン「思い出してくれたようですね。そう、それはあの時送った紅茶を練り込んだんですわ」

みほ「本当だ、あの時ダージリンさんからもらった紅茶の味・・・あの時は本当に嬉しかったな」

ダージリン「そうです、このマカロンタワーはみほさんとの出会い、そしてあの戦い、楽しかったこと苦しかったこと、そんなみほさんとの思い出がそのマカロン一つ一つに込めてあるんです」

優花里『なるほど、何色ものマカロンを用意したのはこの意味があったんですね』

オレンジペコ『なるほど、これなら課題にもピッタリの料理ですね』

ダージリン「バラのポプリを練り込んだ淡い恋の味、レモンを練り込んだみほさんとの初めてのキスの味、敵として戦わなければならなかったあの苦味も、このマカロンにはすべてが詰まっているんですのよ」

優花里『本当にそんなことがあったんですか?』

オレンジペコ『半分以上はダージリン様の妄想ですね、ただ二人の思い出をマカロンに込めるというのは面白い趣向でしたね』

みほ「おいしいマカロンをありがとうございましたダージリンさん、とっても嬉しかったです」ニコ

ダージリン「おおおう・・・これは勝ったも同然ですわね」ポタポタ

絹代「それはまだわからないですよ、私も完成しました、よろしくお願いします」

絹代「さあどうぞ、”稚鮎の南蛮漬けです』

優花里『絹代選手の料理は南蛮漬けのようです、ただこの料理がどう課題と関係するんでしょう?』

オレンジペコ『こればかりは食べた3人の反応を見るしかないですね』

みほ「じゃあ、いただきます」パクンッ

まほ「私も頂こう」パクッ

みほ・まほ「「!?」」

みほ「お、お姉ちゃんこの味って・・・・」ポロポロ

まほ「ああ、私にも見えてよ、みほと遊んだあの川が、あの風景が・・・」ポロポロ

優花里『おおーと、一体これはどういうことでしょう、西住殿達が泣いております』

しほ「間違いないわ、これは球磨川の稚鮎ね」パクン

オレンジペコ『なるほど、西住さんの地元熊本の鮎を使ったんですね』

優花里『球磨川は日本三大急流の一つでもありますね、熊本では球磨川の鮎を使った姿ずしが有名でありますね』

オレンジペコ『はい、それに球磨川は日本でも珍しいダムが撤廃された川でもあります、天然の鮎が数多く取れる川に戻ってきているそうです』

みほ「おいしい、おいしいです西さん、昔お姉ちゃんと遊んだあの時に帰ったみたいです」ウッウッ

まほ「しかし、どうやって球磨川の鮎を!!確かに今は鮎が遡上する時期ではあるが・・・」

絹代「昨日の課題が発表された後急いでバイクで熊本に向かいました。そして帰り道に知波単の地元千葉でこの新玉ねぎを買ってきたんです」

しほ「なるほど、この新玉は千葉の新玉なのね、シャキシャキとした玉ねぎとカリッと揚がった稚鮎、それに絡まる南蛮酢がなんとも言えないな」

まほ「うん、でもこの甘酢の味なんだかどこかで食べたことがあるような・・・」ペロッ

絹代「ふふふっその秘密はこれです」ズイ

杏「ああ、あれは」

優花里『会長?あれがなにかわかるんですか?』

杏「あれは大洗名産の紅アズマを使った芋焼酎に間違いないね、この干し芋と同じ紅アズマだよ」

オレンジペコ『なるほど、魚の下味や南蛮酢の隠し味に芋焼酎を使ったんですね、紅アズマ特有の甘さを活かした焼酎です。その自然な甘みが南蛮漬けに深みのあるコクと甘さを出しているんですね』

みほ「そうか、これは紅アズマの甘みなんだ、華さん達と食べたアイスクリームの味だ!」パクン

しほ「つまりこれは娘の故郷の味と自分の故郷の味、そして二人の出会った場所の味をすべて使っているというわけですね」

絹代「はい、私は西住さんと大洗で出会うことが出来ました。この料理で二人の故郷の味を味わってもらうだけでなく二人の出会い、二人の思い出も味わって欲しかったんです」

優花里『これもまた凄い料理ですね、二人の故郷と思い出の場所、一皿で3箇所もの場所を連想させるなんて』

オレンジペコ『それに、大洗特産の芋焼酎入のタレが2つの食材の架け橋になっているのも憎い演出ですね、これは高評価でしょう』

オレンジペコ『しかし、ここ大洗から熊本までは1300キロ以上ありますが一体何キロで飛ばしていたんでしょう』

ゆかり『法定速度でないのは確実ですね、それより飛行機を使えば楽だったのでは?』

オレンジペコ『途中で千葉によるためだと思いますよ、まあそちらを誰かに任せれば楽だったと思いますが』

絹代「西住さんとの披露宴の料理ですからね、なんとしても自分で取り揃えたかったんです!」

みほ「西さん本当に美味しかったです、こんな嬉しい気持ちになれるなんて幸せです」

絹代「その言葉だけでもう何もいらないであります////」

優花里『さて最後は逸見選手ですね、一体何を見せてくれるんでしょう』

エリカ「ふたりとも凄いわね、それに比べて私の料理は・・・いやいや、みほを好きな気持は他の子には絶対負けないわ、自信をもつのよ」パンパン

エリカ「これが私の料理ですお願いします」

みほ「わ~ボコだ~!!!」ウキウキ

まほ「これは?みほの持っている人形をかたどったハンバーグか?それにしてもでかいな」

優花里『逸見選手は特製の巨大ボコハンバーグのようです!!』

オレンジペコ『あの大きさですと、ハンバーグと言うよりミートローフですね』

優花里『ミートローフというとあのアメリカのパーティーとかによく出てくるあれでありますか?』

オレンジペコ『はい、でもあの料理も元はドイツ料理を発展させたものなんです』

エリカ「特製のハンバーグをボコの形にしました。包帯は焼いた卵白で、鼻の部分は特製のコロッケになっています、ハンバーグを食べる途中で割ってみてください」

今日はここまで、ありがとうございました
暇ができたら>>71みたいに小ネタ書くかも。なんか知りたいことあったらどうぞ

~小ネタ~
優花里『西住殿争奪料理大会予選もいよいよ大詰め、続きてはBC自由学園からアスパラガス選手です』

オレンジペコ『自由学園とBC高校が統合されて出来た学園ですね、本場仕込みのフランス料理に期待ですね』

アスパラガス「よろしくお願いします」コトン

みほ「アスパラガスさんはじめまして、今日はよろしくお願いします。でも、良かったんですかこんな大会に出て?私、アスパラガスさんと会うの初めてなんですけど・・・」アハハ

アスパラガス「ふふふっこんな大会フランス仕込の私の腕なら楽な狩場ざます。結婚なんてどうでもいいんざます。今日は我がBC自由学園の力を戦車道界に響かせるために来たざます。さあ特と味わうざます」コトン

しほ「・・・・」ピクッ

まほ「鶏のトマトにのようだな、てっきりもっと凝ったものを作ってくるかと思ったぞ」

アスパラガス「確かにフランス料理は華やかな物が多いざます。しかし、フランス料理の真の価値とはこのような家庭的な素朴な味にあるんざます、”若鶏のマレンゴ風どうぞ召し上がれざます」

優花里『フランス料理とはもっと派手なものばかりかと思っていましたが随分地味な料理ですね?鶏のトマト煮でしょうか?』

オレンジペコ『フランス料理と言うとどうしてもコース料理や高級感漂う、料理を想像される方が多いかも知れませんね。ですが、フランスの家庭料理は実はシンプルでいて、素材の味を引き出すような郷土色豊かな料理が多いんです』

優花里『なるほど、ところでマレンゴと言うとナポレオン率いるフランス軍とオーストリア軍の戦ったマレンゴの戦いを思い出しますね』

オレンジペコ『はい、この料理の由来はそのマレンゴの戦いから来ているんです』

優花里『そうだったんでありますか!?』

オレンジペコ『イタリアのマレンゴ村でナポレオンがオーストリア軍を破ったことをお祝いして出された料理なんです。当時は戦いの混乱で物資も失われてしまっており、困った料理人がその場にあった材料を有り合わせで作った料理なんです』

優花里『なんとそんな由来があったんですね、どういった料理何ですか?』

オレンジペコ『塩コショウをした若鶏の肉をにんにくを利かせたオリーブオイルでこんがりと焼くんです。肉を取り出してエクルビスやマッシュルーム、白ワインなどでフライパンについた鶏の旨味をしっかりとこそぎ落とし、トマトの角切りと鶏肉を戻して煮込むんです』

優花里『随分シンプルですね、ところでエクルビスとは何でありますか?』

オレンジペコ『食用のザリガニのことです、フランスでは高級食材として扱われているんですよ』

優花里『そういえば大正天皇の即位式の晩餐でも、ザリガニのクリーム仕立てのポタージュが出されていましたね』

みほ「鶏もしっかりと焼けているのに旨味が残っていて、エクルビスのコクもソースに溶け出していて本当に美味しいですね」パクパク

まほ「焼く時間や煮込み時間が完璧なんだな、それにこのハート型に切られたクルトンも憎い演出だな」サクサク

アスパラガス「この料理にはカリッと押しつぶしながら焼いたトーストが不可欠だからな、それでソースを拭ってたべてもいいんざますよ」

優花里『この料理も好評のようですね、さて結果はどうなるでしょう!!』

しほ「・・・・」プルプル

しほ「失格です、よくもこんなものを娘達に食べさせましたね、失格です!!ここから出て行きなさい」

優花里『おおーとまさかの失格、それもかなり怒られているようです』

アスパラガス「なぜざます、この味の何処が不満なんざます?」

そういえばプラウダは誰も出場してないの?

しほ「不満ですって?よくもこんな料理を出しておいて、神聖ローマ帝国を憎きフランスの従属国にしたナポレオンを称える料理ですって、よくもこんなもの出してくれましたね」

しほ「だいたいあなた達フランスは負けたくせにネチネチ、ネチネチと抵抗活動をするわ、終戦したらしたで急にでかい顔をしだすわ本当に気に入らないのよ」

アスパラガス「そういうドイツこそ野蛮人の集まりじゃない、いつもいつも喧嘩ふっかけてきて。それに、戦勝国であるフランスがでかい顔をするのは当たり前ざます」

しほ「なにが戦勝国ですか、一人じゃ何処にも勝てないくせに、だいたいあなたたちはいつも・・・・・・・」キィーーーー

アスパラガス「そういうそちらだって・・・・・」キィーーーー

優花里『なんだかしほ殿のキャラが崩壊してますね・・・』ハハハッ

オレンジペコ『BC自由学園と黒森峰は仲が悪いですからね、それに娘を蔑ろにするようなことを言われて頭にきたんでしょう』

優花里『ということで、アスパラアガス選手失格となりました』

オレンジペコ『料理の腕は良かっただけに残念ですね』

優花里『というわけで、小ネタは終わりま~す』

オレンジペコ『ありがとうございました』

オレンジペコ『ところで秋山さん、日本にいるアメリカザリガニはおいしくわないですよ』

優花里『え?そうなんでありますか? 高級食材というからさぞ美味しいと思って後で獲りに行こうと思っていたんですが』

オレンジペコ『フランスのエクルビスとは種類が違いますからね、アメリカザリガニは食用カエルの餌としてアメリカから輸入され、それが野生化して増えてしまったものです、なので食べても全然美味しくないんです』

優花里『そうだったんですか残念であります・・・』ショボーン

本当におわり

>>115
小ネタ3
~プラウダ調理室~
・・・・「痛っまた指切っちゃったわ」ペロ

ノンナ「誰か居るのですか?」ガチャン

・・・・「しまった」ササッ

ノンナ「カチューシャ様、夜遅くまで遅くまでこんなとこで何をしているんですか?」

カチューシャ「あの、ノンナこれはちょと料理の練習を・・・」アタフタ

ノンナ「・・・カチューシャ様も西住さんの争奪戦に参加なされるのですか・・」ショボーン

カチューシャ「ち、違うわよこれはその・・・・いつもお世話になってるノンナのために・・・美味しいご飯を作ってあげようかと・・・」テレテレ

ノンナ「カチューシャ様どうして急にそんな・・・」

カチューシャ「ノンナだって結婚するなら料理が上手な娘が良いって思ってるんでしょ?カチューシャは料理はダメダメだからせめて少しはできるようになろうと思って・・・」

ノンナ「カチューシャ様」ガバッー

カチューシャ「の、ノンナどうしたのよ急に抱きついたりして////」

ノンナ「ありがとうございますカチューシャ様、でも一人で料理は危ないです、指もこんなに切ってしまって、消毒するからまっていてください」ペタペタ

カチューシャ「やっぱりノンナも料理が上手な娘のほうが良いわよね・・」ストン

ノンナ「ふふふっ料理は一緒にこれから覚えていきましょう。それに私は料理は作ってあげるほうが好きですから、カチューシャ様の料理ならなおさらです」

カチューシャ「そうね、じゃあ明日はカチューシャとボルシチでも作りましょ///」

ノンナ「はい、カチューシャ様」ニコッ

カチューシャ「完成したらみんなにも食べさせてあげましょ」ニコッ

ノンナ「そうですね、きっとみんなさん喜ぶと思います」チラッ

クラーラ(覗き見中)「Я никогда не был так счастлив・・・(こんなに嬉しいことはありません)」

アリーナ(覗き見中)「ううっ~さすがカチューシャ隊長です・・・」グスンッ

ニーナ (覗き見中)「もう幸せすぎるだっぺ」ウゥゥ

優花里『小ネタ~完~であります』

小ネタ4
優花里『次の選手は竪琴高校からアウンさんです』

オレンジペコ『ビルマと言えば日本と同じ用意にお米を主食にする国ですからね、どんな料理か楽しみです』

アウン「今日はよろしくお願いします」ペコッ

みほ「こちらこそよろしくお願いします」ペコリン

アウン「ビルマ風カレー”ヒン”です、ビルマではあまり牛肉は使わないんですが熊本のあか牛を使ったアメーダーヒンを作りました。付け合せに”ラペソー”も用意しました、どうぞ召し上がってください」

まほ「カレーだと!?」

オレンジペコ『ミャンマーでは牛は大切な労働力ですからね、魚や豚を食べるほうが多いそうですよ、日本で言う納豆を使ったものもあるそうですよ』

優花里『やはりインドのカレーの様な料理なんですか?』

オレンジペコ『インドのカレーよりもスパイスが控えめな印象ですね、ただ最大の特徴は油の使用量ですね』

優花里『油でありますか?』

オレンジペコ『はい、ビルマ料理では大量の油が使われるんです、特に煮込み料理であるヒンには油が浮くほど使われています。野菜や香辛料、肉の旨味が油に溶け出し、その油を具と一緒に食べるんです』

みほ「いただきまーす、ん~辛いと思ったけどすっきりしててお肉もとろとろで美味しい」

まほ「ガツガツガツ・・・こういうカレーもいけるな」

しほ「タイカレーのように辛過ぎることもなく、インドカレーのようなスパイシー感が強よすぎるわけでもない、辛いというより旨いというカレーね、それにお米の選び方もいいわね」

アウン「はい、普段はインディカ米を食べることが多いんですが、今日は皆さんに食べやすいようにとシャン米を用意しました」

優花里『オレンジペコさんシャン米とは何でありますか?』

オレンジペコ『シャン族の方が好んで作られるお米ですね、東南アジアでは珍しくジャポニカ米なんです、粘り気があることから日本の米に近い味わいなんです』

優花里『なるほど、日本人にはインディカ米のパラパラしたごはんはどうも馴染みがないですからね』

みほ「んん~美味しい、あのもうちょっと貰ってもいいですか?」

まほ「私にもお代わりをくれ」ガチャ

優花里『この料理も好評のようでありますね』

オレンジペコ『そうですね、日本ではあまり辛いものに馴染みがないですから、ビルマのカレーは日本人にとっては日本のカレーの次に食べやすいカレーだと私は思いますね』

しほ「私たちに食べやすいよう細かな調節がされているわね、特に付け合せのラペットもいいわ、このラペソーはあなたが漬けたの?」

アウン「はい、私が漬けた特製のラペソーに豆や干しエビをいれ、魚醤とレモン汁で味付けしました」

しほ「魚醤を使うことでより日本人好みにしたのね、美味しかったわ」

優花里『オレンジペコさんラペソーと言うのは?』

オレンジペコ『茶葉を発酵させたビルマの伝統食ですね、ミャンマーでは食べるお茶と言われてます。発酵茶の旨味と口に残る清涼感が特徴で食べた日本人の90%は好きになるそうですよ』

優花里『そんな料理があったんですか、全然知りませんでした、私も食べたくなってきちゃいました』

オレンジペコ『まだ残ってるようなので後でお願いしてみましょうか?』

ダージリン「お茶を使った料理なら私が食べないわけにはいきませんわね」ドヤッ

オレンジペコ「・・・・・」ビシビシビシッ

ダージリン「痛いですよオレンジペコ」ポコポコ

優花里『さあ、審査結果が出るようですよ』

しほ「アウンさん・・・・残念ですが不合格です』

優花里『おお~と好評のようでしたが不合格の模様です』

しほ「やはりこれだけ油が強い料理を毎日となるときついものがありますね」

まは「そうですか?私はいくらでも食べられますが」ガツガツガツ

オレンジペコ『歳をとると肉や油がきつくなるといいますからね』
キラッ  シューーーン    スプーン|壁 ザスッ

オレンジペコ『あわわわわわ・・・』ガタガタガタ 

優花里『やはり油の多量摂取は体にわるいですからね』ガクガク

オレンジペコ『そうですね、近年ミャンマーでもヘルシー至高の傾向が出てますからね‥‥』ブルブルブル

アウン「残念でした・・・」ハハハッ

みほ「アウンさん本当に美味しかったです、今度は一緒に食事をしましょう」ニコッ

アウン「はい!ありがとうございました」

優花里『小ネタ~完~であります』

今日は歯医者行くから後は夜に

優花里『さあ逸見選手、特製のボコハンバーグで勝負のようです』

オレンジペコ『西住さんの好みに寄せてきましたね』

みほ「じゃあ、いただきます」パクン

まほ「頂くとしよう」パクッ

まほ「うん、これは良く出来ているな、肉のほぐれ具合もちょうどいい」

しほ「肉を丁寧に叩いたおかげだな、ミンチ肉を使ってしまうとこうはいかないな」モグ

しほ「それにこの肉汁、周りにベーコンを巻いてオーブンで焼いたのね」

エリカ「はい、ハンバーグのタネに黒森峰特製のベーコンで巻いてオーブンで巻きオーブンで焼いた後ベーコンを剥がしました」

優花里『なかなか手が込んでますね』

オレンジペコ『あれはミートローフやトルネードステーキに用いられる手法ですね。ただのその場合は一緒にベーコンも食べますが、逸見選手はベーコンを剥がすことでボコの薄い茶色を表現しつつ、肉汁たっぷりのハンバーグに仕上げたんでしょう』

優花里『ベーコンで火が通り過ぎるのを防ぎつつ、油の流れ出るのを防いでいるんですね』

まほ「問題はこのコロッケだな。ボコの鼻を表したいのはわかるが、ハンバーグにコロッケを乗せて旨いのか?」サクッ トローリ

ボカハンバーグ 血まみれ~

優花里『おおお、コロッケに切れ目を入れた途端中から赤い汁が出てきました』

オレンジペコ『恐らくクリームコロッケのようなものだったんでしょう』

まほ「す、凄いな、ボコが怪我をしたようだ・・・」

しほ「ペロッ これはグヤーシュね、肉も野菜もトロトロになるまで煮込んだグヤーシュをクリームコロッケの要領で包んであげたのね」

まほ「なるほど、コロッケだと思っていたが、これはハンバーグのソースになるんだな。旨味たっぷりのグヤーシュとハンバーグの相性は最高だな!!」

優花里『オレンジペコさんグヤーシュってなんですか?』

オレンジペコ『グヤーシュはドイツやハンガリーで食べられるシチューのことですね、パプリカの酸味と香りが効いたビーフシチューといったところでしょう』

優花里『パプリカってあの赤や黄色のピーマンのことですか?』

オレンジペコ『この場合は辛味のない唐辛子を指しますね。もともとピーマンはスペイン語のパプリカを表すピメントがなまったものです、パプリカは甘唐辛子全般を表す言葉なので日本のピーマンもパプリカということになります。太くて真っ赤な辛くない唐辛子と言ったところでしょうか』

優花里『なるほど。では、あのハンバーグはグヤーシュコロッケを割ることでドイツ風の煮込みハンバーグになるということですね』

オレンジペコ『そうですね、シンプルな肉の旨味をストレートに味わうハンバーグと野菜や肉を煮込んで作った煮込みハンバーグの美味しさを両方味わえる料理ですね』

まほ「なかなか面白い趣向だな、このボコもみほの好きな人形だったな」クルンッ

みほ「・・・・おいしい、おいしいよエリカちゃん」ポタポタ

優花里『おお~と、西住殿ハンバーグを食べた瞬間泣き出しております!!』

みほ「エリk・・・逸見さんこれはあの時のハンバーグだよね」

エリカ「・・・ええ、そうよあなたに作ってあげたハンバーグ、覚えてたのね」

みほ「忘れるわけないよ、私のために作ってくれたハンバーグだもん!!」グスグス

優花里『一体どう言うことでしょうか、あのハンバーグに一体どんな逸話があったのでしょうか』

まほ「まさか・・・ゴソゴソ やっぱり、これはあの時のハンバーグか」

しほ「どういうことなのまほ?」

まほ「あれはまだみほが小学生だった時のことです、当時みほは嫌いなピーマンが給食に出ると何時までたっても食べられなくてよく教室に残されていたんです」

みほ「うん・・・いつも残されてるのを気にかけて逸見さんがピーマン嫌いを治すために作ってくれたのがハンバーグだったの」

しほ「だからこのハンバーグには刻んだピーマンが練りこまれてたのね。でもみほ、あなたピーマンが嫌いなんて今まで一度も言わなかったじゃない?」

まほ「お母様が怒られると思っていつも隠していたんです」

しほ「そんなことがあったなんて」

みほ「うん・・・内緒にしてたからずっと食べられないままだったの、それを逸見さんがこのハンバーグで食べられるようにしてくれたの」

エリカ「フンッあなたが遅くなると練習が遅れてみんなが困るからよ、別にみほのために作ったんじゃないわよ」ツンッ

みほ「でも美味しい、美味しいよエリカちゃん!あの頃のまま、うんん、あの頃よりずっとずっとおいしくなってる」グスッグスッ パクパク

エリカ「泣くか食べるかどっちかにしなさいよ」フフッ

みほ「そうだね、エリカちゃ・・逸見さん」ニコッ

エリカ「エリカでいいわよ昔みたいに」フンッ

みほ「ありがとうエリカちゃん、美味しい、本当に美味しいよ」モグモグ

優花里『さーこれですべての試食が終わりましたね、勝者は一体誰になるのでしょう?』

オレンジペコ『披露宴のメインイベントであるウエディングケーキを二人の思い出の味で仕上げたダージリン様』

オレンジペコ『二人の故郷の味、そして二人の出会った大洗の味を2つの味の架け橋にした絹代選手』

オレンジペコ『そして二人の思い出の味を更に洗練したものに作り上げた逸見選手。勝者は一体誰になるんでしょうか』

まほ「ここまで拮抗していては私達では決められないな・・・みほ、お前が決めろ」

みほ「ええ!?私が決めるの?」

まほ「ああ、お前が自分で決めるんだ」

みほ「・・・・そうだね。うん、私が決めるよ、この勝負勝者は・・・・・」

ダージリン「・・・・」ドキドキ

絹代「・・・・」ドキドキ

エリカ「・・・・」ゴクリ

みほ「「エリカちゃんです!!」」

エリカ「・・・私でいいのみほ・・・」

みほ「うん、私はエリカちゃんが良い、エリカちゃんが一番好き」ギュ

優花里『優勝は逸見選手です!! 西住殿争奪料理大会、優勝は逸見エリカ選手です!!!』

オレンジペコ『おめでとうございます』パチパチパチ

杏「あそこまで言われちゃーしょうがないね~おめでと~」パチパチ

ダージリン「悔しいですが認めるしかないようですね」パチパチ

カチューシャ「ハラショー」パチパチ

絹代「おめでとうございます、乾杯です」パチパチ

アンチョビ「悔しいが結婚おめでとう」パチパチ

「「おめでと~」」パチパチパチパチパチ
パチパチパチパチパチ
パチパチパチパチパチ

エリカ「みんな・・・」グスン

みほ「ありがとう、皆さん」



しほ「ところで、結婚とはどういうことかしら?」

全員「・・・ええ!?」

まほ「みほの結婚相手をこの料理大会で決めるのではなかったんですか?」

しほ「何のこと?一体誰がそんなことを言い出したの?」

みほ「だって連盟と家元の連盟で大会が行われるって。お母さんもそのために審査してたんじゃ??」

千代「・・・・・・」ソロリソロリ タラタラ

しほ「ちょっと話があるんだけどいいかしら?」ガシンッ

千代「その・・・これには訳が・・・」タラタラ

千代「ギャアアアアアアアアアアアアアア」

千代「だってだって、大学選抜チームは負けちゃうし、愛里寿も負けていらい西住さんにベッタリだし、悔しかったのよ」

しほ「それでこんなことをしたというわけか」ボキボキ

千代「そんなちょっとしたジョークじゃない、洒落よ洒落そんな怖い目で見ないで・・・」ガタガタ

しほ「まったく、お前はいつも」ゴチーン

みほ「お母さん、もうそれくらいで許してあげてよ・・・」

しほ「まったく、本当に迷惑を掛けてくれたわね」

エリカ「・・ハハハッそうなんだ・・・」グスンッ

みほ「エリカちゃん・・・」

しほ「・・・逸見さん、結婚とは料理の上手い下手で決まるものではありません。ただ、あなたの料理には娘を思いやる気持ちにあふれていました。そしてそれこそ結婚にとって最も大切なことだと私は思います、あなたの料理に私も感動しました、ありがとう」

しほ「そして皆さん、こんなに沢山の方々にお祝いして頂いている娘が誇らしいです。皆さん、娘を育ててくれてありがとう」

みほ「お母さん・・・」グスン

エリカ「義母様・・・」

まほ「良かったなみほ、お母様もこうして二人の結婚を認めてくれているぞ」グスグス

しほ「それとこれとは話が別です、大事な娘はまだ誰にも譲れません。ただ、まあ交際くらいは認めてもいいでしょう・・・」ポリポリ

みほ「ふふふっお母さんありがとう」

しほ「ごっほん!!逸見さんもまだまだ精進が足りません、西住流家元の娘が欲しいならもっと精進なさい」

エリカ「は、はい!!」ビシッ

千代「いやあ、よかったよかった」パチパチ

しほ「あなたにはまだ話があります、こっちに来なさい」ズリズリ

千代「あ~れ~」ズルルル

杏「いや~でも良かった良かった、これはなにかお祝いしなくちゃねえ」

アンチョビ「ならここはパーティーだな、ちょうど食材もここに沢山有ることだしな」

ペパロニ「いいっすね~姐さん、早速やりましょう」

みほ「良いのかな?そんなことしちゃって・・」ハハハッ

しほ「支払いは全て任せてと言っているわ、遠慮なくやりなさい」

千代「ええええ~!!!」

アンチョビ「よーしじゃあ、始めるか!!アンツィオの実力はあんなもんじゃないぞ、こんどこそ最高の料理を食べさせてやろう!!」

カルパッチョ「隊長、こっちも準備出来ました」

アンチョビ「よーし、じゃあこの辺りの海鮮類を使わせて貰おうかな」ポイポイポイ

優花里『おおーとアンチョビ殿、あれは手長エビにカサゴ、ムール貝にハマグリと高級食材を選りすぐっております』

千代「いや~そんな材料使わないで~」

ケイ「私達も負けてられないわよ、アリサ、ナオミ行くわよ」

アリサ「はい、サンダースの本当の実力を見せてやりましょう」

ナオミ「私は火を起こしてきます」クチャクチャ

ケイ「オッケー!じゃあアリサあの豚肉の塊を取ってきて、特製のソースを掛けてサンダース特製BBQをやるわよ」

アリサ「YESMAM!」

オレンジペコ『あれは阿蘇豚、熊本の最高級豚肉の一つですね、それを1匹まるごとBBQにするつもりのようですね』

優花里『ゆっくりと時間を掛けて焼かれたアメリカならではの料理ですね』

絹代「良し、我々も行くぞ吶喊!!」

福田「了解であります隊長殿」

杏「私達もなにか作ろうかね~」

桃「会長、この時期ならばやはりカツオでしょうか?」

杏「ん~叩きも良いねえ~」

柚子「会長、岩牡蠣なんかもどうでしょう?」

杏「よ~し、じゃあ両方行っちゃおっか~」ニヒヒヒ

オレンジペコ「ダージリン様は何もお作りにならないんですか?」

ダージリン「悔しいですけど、みほさんのため、私も腕をふるいますか」クイクイ

オレンジペコ「何を作りましょうか?」

ダージリン「ここはエリカさんために歳の数だけ魚を刺したパイでも作ってあげますか」ヨイショ

オレンジペコ「・・・ダージリン様はお菓子作りにしましょう」

ダージリン「あらだめですの?じゃあうなぎのゼリーではどうでかしら」

オレンジペコ「本当によく本選まで残れましたね・・・」


カチューシャ「行くわよノンナ、プラウダ特製ボルシチを作るわよ」

ノンナ「はいはい、カチューシャは手を切らないように注意してくださいね」

カチューシャ「切らないわよ・・・でも切る時は横についててね」

みほ「なんだか凄いことになってきちゃったね」クスクス

エリカ「そうね、どう収集つけるつもりよこれ」ハァ

みほ「私達もなにか作りに行く?」

エリカ「そうね、こうなりゃやけよ。どんどん作って料理を覚えるわよ」

みほ「ふふふっ私が作る方でもいいんだよ?」

エリカ「私だって作ってあげたいのよ///」

アキ「ミカは参加しないの?」

ミカ「この催しに意味があるとは思えない・・・」ポロローン

アキ「じゃあ私たちは見てるだけなの?」

ミカ「料理は作るだけじゃないさ、食べる人も必要だからね」ポローーン

アキ「食べるだけなんて申し訳ないよ」ムー

ミカ「しょうがない、じゃあ私が一肌脱ごう」つパパンシッラ

アキ「ミカ・・・それを使うつもりなの・・・」

ミカ「ああ、私の好物だからな」

優花里『パパンシッラ、フィンランドのシュールストレミングですね。この膨らみ方だと相当醗酵しているようでありますね、もはや兵器というとこですね」

アキ「・・・やっぱり私たちは食べるだけにしておこっか」

ミカ「そうか・・・じゃあこの飴をみんなに振る舞おうか」

アキ「はいはい、行くよ」グイグイ

ペパロニ「姐さ~ん、この葡萄のジュースも開けましょうか?」

アンチョビ「いいぞ~どんどん開けろ~」

まほ「こちらも負けていられないな、小梅アイスヴァイン をありったけ持って来い」

アスパラアガス「ムール、ボルドー!こちらも負けられませんざます。こちらはクリュッグを用意しなさい」

千代「アイスヴァインにクリュグ・・・」ブクブクブク

みほ「ふふふっみんな楽しそう」

エリカ「たまにはこういうのも良いね」クスクス

みほ「エリカちゃん、ア~ン」ヒョイ

エリカ「あ、ああ~ん///」

みほ「美味しい?」

エリカ「おいひいわ////」

優花里『料理道!!これにて~完~であります』

読んでいただきありがとうございました


また料理ss書いてくれ

乙って言うか詳しすぎて笑ったwww
他にはなんか書いたの?

>>154
ダージリン様が各校に料理修行にいくSSとか面白そう
もしくは鉄鍋のジャン!の主人公を食戟のソーマの学校にぶち込んでみたい、あれ読んでるとなんかムカついてくるんだよねwww

>>155
ガルパンものだと
【ガルパン】 みほ「宇宙戦艦道です」
【ガルパン】 みほ「宇宙戦艦道です」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459332154/)

【ガルパン】ミホとエリカ
【ガルパン】ミホとエリカ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463219195/)

頭がおかしかった時に書いたやつだと
【美味しんぼ】山岡「1ヶ月1万円生活だって!?」
【美味しんぼ】山岡「1ヶ月1万円生活だって!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460636934/)

療養中に書いたのがこれ
ジン「おい、よく聞けよウォッカ」ウォッカ「へ、へい、兄貴!」
ジン「おい、よく聞けよウォッカ」ウォッカ「へ、へい、兄貴!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461061230/)
これは後何個かシリーズでかいた

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