【ガルパン】みほ「大洗あんこう物語 番外編」 (345)

【ガルパン】みほ「大洗あんこう物語Ⅳ」

【ガルパン】みほ「大洗あんこう物語Ⅳ」 - SSまとめ速報
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の選抜戦終了後の話です。ネタ考えてるうちにスレ落ちしていましたが、遅くなって申し訳ありませんでした

・独自設定あり

・番外編でいくつか小話風にあげる予定です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458266865

みほ「…はぁ」

愛里寿「お姉ちゃん、ご飯だよー」

みほ「…うん、今行くね」

みほ(何で、こうなったんだろう…)

大学選抜戦終了後 試合会場

ワイワイ

アンチョビ「さぁ、宴だ!湯を沸かせー」

みほ「あはは、アンツィオは相変わらずだなぁ」

バウアー「ん?継続の奴らはどうした?」

クルツ「試合が終わってから血相を変えてどっか行っちゃいました。おそらく、廃品回収にでも行ったんじゃんないですか?」

シュルツ「廃品を寄せ集めて部品にしちまうんだから、あいつ等の生存能力は恐ろしいもんだ」

会場裏

係員A「ひでぇなぁ。こりゃ廃車扱いだな」

係員B「こっちもです。いくらカーボンの保護があるとはいえ、こりゃひどいですね。いったい何で撃ったんだか…」

係員A「ミサイルでも使ったのか?ってくらいの被害だな。えっと、登録番号が…35、29のパーシングは廃車扱いだな…大学チームへの連絡と廃車の書類を作らんとな。おい、頼むぞ」

係員C「わかりました」

タッ タッ

係員C「えっと、番号が…おっと」

ドン

「あっ、す、すいません」

係員C「すいません。書類見ながら歩いてたもんですから…あぁ、書類が」

「わっ、大変だ…」

サッサッ(書類を集める)

係員C「手伝ってもらってすいません」

「いえっ、ぶつかったのはこっちですから」

係員C「いやっ、私も下向いててよく見てなかったのが悪かったんで。すいませんでした」

テクテク

係員C「書類見ながら歩くもんじゃないな…(えっと、番号が25と39か)」


継続男子「……(第一段階クリア)」

しばらくして

「すいません、廃品の回収に来ました」

係員B「あぁ、回収業者の方…なんだ、継続高校の奴らか。相変わらずそんなことの情報は早いな」

アールネ「俺たちの情報能力を舐めてもらっちゃ困るぜ」

係員B「本当、ハイエナ見たいなやつらだな。ごみになるような物しか無いぞ。処分の判定が出たら持っていけ」

アールネ「ヘヘッ、いつも悪いですね」

係員B「ゴミとして処分するにも金が掛かるからな」

アールネ「それと、何でも廃車になった戦車があるとか?」

係員B「地獄耳かお前らは?」

係員B「…あんなの貰っても動かせるようになるかはわからんぞ?」

アールネ「…ガラクタでも集めりゃ1車両分の部品にはなったりするんですぜ?」

係員B「お前らの精神には参るよ…相手チームが了承して、廃品扱いになったら持ってけ。業者に渡したって鉄くずになるのがオチだ。…一応戦車道関係者だ。戦車がスクラップにされるのは心が痛む」

アールネ「ありがとうございます」



係員B「…許可がでたぞ。持ってけ、この書類を持って車両集積地区へ行け」

アールネ「どうも」

車両集積地区

係員D「えっと、25と39番の車両だ」

アールネ「わかりました。おい、トラックをもってこい!」

継続男子「はいっ!」

VOOOO

係員D(確かに、ぼろいが…まだ、修理すれば使えそうなのになぁ。選抜チームってのは金持ちなんだな…)

継続男子「体長、積載終わりました!」

アールネ「ご苦労、じゃあ貰っていきます」

係員D「あぁ…いくらガラクタとは言え売るんじゃないぞ!…バレたらまずいのはお互い様だからな」

アールネ「わかってますよ。お前ら、帰るぞ!」

VOOOO

継続男子「やりましたね、体長。重戦車ゲット出来るとはついてますね」

アールネ「おうよ。俺たちは転んでもタダじゃ起きねぇからな!おい、書類は回収してきたか?」

継続男子「はいっ、ここに。ちゃんと元に戻してきました」

アールネ「よしっ、完璧だ」

試合会場

係員D「えっ、25と39じゃ無い!?」

係員A「35と、29だ!」

係員D「えっ、でも書類では…」

係員A「何だと!?た、確かに…お前、打ち間違えたのか!?」

係員C「そ、そんな馬鹿な…。書類の番号は何度も確認したのに…ほら、ここに…えっ、35と29になってる…あっ、ま、まさか…」

係員達「また、継続にやられた!?」


係員A「あいつら!プラウダ戦でも似たようなことやって抗議されてたくせに…」

係員B「だけど、あいつらがやったって証拠も無いですし。それに、今回の状況見る限りじゃただ単に数字の見間違えって可能性の方がでかいですし…」

係員A「た、確かにな。今回はミスの可能性も否定は出来ない。それに、この件は色々とグレーなところだからな。下手に公にも出来んし…」

係員C「どうしよう…」

物陰

愛里寿「……(…お姉ちゃんが居るかと思ったのに…)」

数日後 島田邸

みほ「こ、こんにちは」

愛里寿「…いらっしゃい」

千代「いらっしゃい、西住みほさん」

みほ「このたびはお招きいただいてありがとうございます」

千代「フフッ、そんなに固くならないくてもいいのよ?さぁ、どうぞ」

みほ「あ、あの…。それで、一体今日は?」

千代「この間の試合で愛里寿に勝つなて、見事だったわ。その健闘を大学戦車道連盟の代表として称えたいから呼んだのよ」

みほ「えっ、そ、そんな。健闘だなんて…」

千代「…それは建前みたいなものよ。本当は…」

愛里寿「……」

みほ「あっ…(愛里寿ちゃんが、遊びたかっただけなのかな?)」

愛里寿「…みほ、終わった?」

みほ「えっ、うん。終わったよ」

愛里寿「…こっち来て」

みほ「あっ、うん」

千代「……楽しそうね、愛里寿(はぁ、あの娘は何をやってるのかしら)」

PRRRR

千代「はいっ、島田です…えっ、パーシングがですか?えぇ、はいっ。わかりました」

千代「……(継続高校…あの娘はまったく…)

PRRRR

千代「…はいっ、島田です。あぁ、ルミさん…えっ?風邪?」

ルミ「…ゴホッ、ゴホッ。申し訳ありません、家元…。一人が夏風邪を貰ってきたらしくて、それが皆に…」

千代「様態は大丈夫なの?」

ルミ「…安静にしてれば大丈夫みたいですが、3、4日は安静にしていないと…」

千代「わかりました。お大事に」

ルミ「…はいっ…ゴホッ、あっ、い、家元…ゴホッ、明後日の、ゴホッ…切れてしまった…」

千代「……ん?そういえば、明後日は…」

壁のカレンダー3日後のところには「くろがね工業、リベンジ試合」の文字

千代「……(戦車の修理も完璧じゃないの上に、チームも風邪でダウン…。愛里寿の戦車のクルーは無事のようだったけど、砲手の子が、実家に帰省中で、人も不足…)まずいわね」

愛里寿&みほ「アハハハ」

千代「!!そうだ、彼女に…いやっ、でも西住流の家元の娘が応援なんて、島田流の中には納得がいかない人も出てくるだろうし…そうだわ」

夕方

千代「…西住さん、こんな時間だし。夕食でもどうかしら?」

みほ「えっ、さすがにご馳走になるのは悪いで…」

愛里寿「お母様のご飯食べるの嫌なの?」

みほ「えっ!?い、いやそういうわけじゃ…」

千代「遠慮しなくてもいいのよ?あなたは愛里寿に勝ったんだから。さっきも言いましたけど、その健闘ぐらい島田流として称えさせていただきたいわね」

みほ「そ、そうですか。じゃあ…」

千代「お口に合うかしら?」

みほ「はいっ。すごく美味しいです」

千代「よかったわ。まだあるから、遠慮せずにどうぞ」

みほ「は、はいっ」

もぐもぐ

みほ「…(何だろう、ご飯食べたら少し眠くなって来ちゃった…。遊びつかれたのかな)」

千代「……」

千代「お疲れみたいね。そんなん状態で帰して、何かあったら大変だわ。少し休んで行ったらどうかしら?」

みほ「えっ、悪いですよ」

千代「…帰りに事故にでも合われたらそっちのほうが問題よ。まだ、時間はあるし」

みほ「そ、そうですか…じゃあ、お言葉に甘えて少しだけ…」



みほ「zzz…」

千代「西住さん、もう夜よ。今夜は泊まって行ったら?」

みほ「…ふぇ?…でも、外泊する予定じゃ…」

千代「大丈夫よ。外泊証明書をもらって来たから、サインしてくれれば大丈夫よ」

みほ「は、はいっ。(…結構大きい書類だなぁ…)」

カキカキ

千代「えっと、ここにもお願いね」

みほ「は、はいっ…西住みほっと…zzz」

千代「ありがとう、ごめんなさいね」

翌朝

みほ「はっ!…そうか、私寝ちゃってたんだ…」

使用人「おはようございます。みほお嬢様」

みほ「えっ!?あっ、お、おはようございます」

使用人「奥様と愛里寿お嬢様がお待ちです」

みほ「えっ?そうだ、愛里寿ちゃんの家に来てたんだった…」

千代「おはよう、みほ。よく眠れたかしら?」

愛里寿「お姉ちゃん、おはよう」

みほ「…えっ?」

みほ「あ、愛里寿ちゃん。急にどうしたの?お姉ちゃんだんて…」

愛里寿「?お姉ちゃんはお姉ちゃんでしょ?」

みほ「えっ、確かに私の方が年上だけど、今まで普通に名前で呼んで…」

千代「妹がお姉ちゃんって呼ぶのに何か問題があるのかしら?」

みほ「えっ?妹!?」

千代「あなたは愛里寿の姉、島田みほじゃない?」

みほ「…えっ?」

みほ「えっ!?えっ?!」

千代「あなた自分で養子縁組の書類にサインしたでしょ?」

みほ「えっ…あれ、外泊証明だって…」

千代「そう言ったかしら?でも、よく確認しなかったのは貴方じゃなくて?」

みほ「うっ…」

千代「…それに、貴方のチームにパーシングを2両も持って行かれて、こちらとしても中々の痛手なのだけど?」

みほ「うぅ…」

アールネ「ハクション!」

みほ「……」(レイプ目)

愛里寿「み…お姉ちゃん大丈夫?」

千代「…心配しないでちょうだい。一週間だけよ」

みほ「ふぇ?」

千代「実はね…(事情説明中)」

みほ「…そ、そうですか。チームの皆さんが」

千代「そうなの…それに、くろがね工業は以前の試合でこちらが叩きのめした相手。社会人チームとしての意地から相手もリベンジに熱が入ってるわ。こちらとしても負ける訳にはいかないの…流派を持っていると色々とあるのよ。貴方も家元の娘なのだからわかるでしょ?」

みほ「え、えぇ…」

千代「…強引な手段をとってしまった事は謝るわ。ごめんなさい…」

愛里寿「ごめんなさい、みほ」

みほ「愛里寿ちゃんが謝ることじゃないよ…」

千代「…これは西住流の家元にも許可はとってあるわ。お願い、みほさん。一週間だけでいいの、愛里寿を助けるためと思って改めてお願いできないかしら?」

愛里寿「…みほ、お願い」

みほ「…はぁ。…本当に1週間だけでいいんですよね?」

千代「えぇ、それ以上はこちからは望まないわ」

みほ「…わ、わかりました」

千代「ありがとう、みほさん」

愛里寿「ありがとう、み…お姉ちゃん!」

みほ「はぁ…(お母さんも承諾済みならしょうがない気もするけど…お母さんも何考えてるの…)」

西住家

しほ「…はぁ。継続高校にはお灸が必要ね」

常夫「…あそこは共学になる前、俺が居た工業高校の時代からそうなんだから。許してやってくれ。OBとして頼む」

千代「…じゃあ、お話もまとまったことだし。食事にしましょうか」

愛里寿「行こう、お姉ちゃん」

みほ「…うん。(はぁ…でも、愛里寿ちゃんのお姉ちゃんか…ちょっとは悪くないかも)」

愛里寿「♪~♪~」

千代「…(愛里寿うれしそうね…。こんな手段に出るしか無くなるなんて、実の姉は何をしてるのかしら…)」

数時間後

愛里寿「……」

みほ「ん?さっきから携帯眺めっぱなしだけど、何やってるの?」

愛里寿「…お姉ちゃんが出来たことの報告」

みほ「…!!ちょ、ちょっとそれは色々とまずいよ!すぐに消したほうが…」

愛里寿「えぅ?何で?」

その頃

ペパロニ「…いいなぁ。皆残りの夏休み満喫してんだなぁ~」

カルパッチョ「携帯見てる暇あったら、手を動かなさいと、宿題終わらないわよ?」

ペパロニ「休憩だよ、休憩!」

カルパッチョ「さっきから、休んでばかりの気が…」

ペパロニ「私の頭は冷却時間が長いの!…ん?これって…」

カルパッチョ「そうやって、話題をそらそうとしないで、いい加減に宿題を…」

ペパロニ「それ所じゃない!これ見てよ」

カルパッチョ「…はぁ、何よ?西住さんがどうかしたの?…えっ?」

カルパッチョ&ペパロニ「ドゥーチェ!」

アンチョビ「わっ、び、びっくりした…。入るならノックぐらいしろと何度言えば…」

ペパロニ「た、大変なんすよ。ドゥーチェ!」

アンチョビ「…今度はどの教科がわからなくなったんだ?」

カルパッチョ「ペパロニの宿題どころじゃないです。これを見てください」

アンチョビ「…なんだ一体?西住がどうかした…な、何!?島田流家元のよ、嫁になっただと!?」

カルパッチョ「はいっ。彼女の文面を見る限りじゃそう書いてありますけど…」

ペパロニ「そうなんっすよ。婚姻届見ないのも一緒に写ってるし」

アンチョビ「な、何かのま、間違えだろ…お、女同士だぞ」(ガタガタ)

カルパッチョ「恋愛に性別はありません!」

ペパロニ「家元が了承したって、すげーな。戦車道の家元って法律まで動かせるんすか?」

アンチョビ「うーん」(バタン)

ペパロニ&カルパッチョ「ドゥーチェ!」

バシャ

アンチョビ「…はっ」

ペパロニ「気がついたっすか?」

カルパッチョ「水をぶっかけるのはどうかと思いますけど」

ペパロニ「水をかけると良いって、漫画で読んだだけどなぁ」

カルパッチョ「…それは、漫画だからです。それより、ドゥーチェ大丈夫ですか?」

アンチョビ「うーん、私は一体何を…そ、そうだ。西住が!こ、こうしちゃおれん!」

カルパッチョ「あっ、ドゥーチェ。せめて着替えてから…行ってしまった」

ペパロニ「…ん?カルパッチョ、最近は結婚するのを養子縁組って言うのか?」

カルパッチョ「何を馬鹿な事言ってるの?養子縁組は相手の家に兄弟とかで入ることでしょ」

ペパロニ「でも、写ってる書類には養子縁組って書いてあるけど」

カルパッチョ「えっ…?あっ、本当ね」

ペパロニ「…あっ、結婚しましたってずっとしたの方に、本当は養子縁組してお姉ちゃんが出来ましたって書いてある。なんだー、ウソかぁ。結婚式で屋台でもだして稼ごうと思ったのになぁ~」

カルパッチョ「そんなのんきな事言ってる場合ですか!ドゥーチェをとめないと」

今回はここまです

遅くなって申し訳ありませんでした

今回はミカ島田流説を採用しております

PRRRR

アンチョビ「もしもし?私だ、ドゥーチェアンチョビだ!大変な事が起きたぞ…」

アンチョビの知らせは瞬く間に広がった

ガチャーン

ダージリン「み、みほさんにかぎって、そ、そんなこと…あ、あるわけな、ないですわ」(ガタガタ)

オレンジペコ「…落ち着いてください」

ダージリン「これが落ち着いていられますか!今すぐ、チャレンジャー2で島田流に殴りこみを掛け…」

ローズヒップ「カチコミですの!?」

オレンジペコ「そんな最新鋭持ってないですから…」

ダージリン「なら、パンジャンドドラムをぶつけて差し上げなさい」

オレンジペコ「それもありません!」

アッサム「グロリアーナはいかなる時も、優雅だったのでは?」

ジョージ「あぁ、暑いぜ。早く秋にでもなんねえかな」

ガツガツ(カキ氷をほうばる)

タカシ「そんなに一気にがっついたら、キーンてきますよ」

PRRR

ケイ「もしもし。あら、アンチョビじゃない。どうしたの?…WHATS!?みほが結婚!?」

ジョージ「ブーッ!」

タカシ「なっ…わっ、汚ねぇ」

ジョージ「な、何だと!?西住が結婚だぁ!?」

ケイ「ちょっと、それ本当!?相手は誰よ?…えっ、島田流家元の娘って、あの大学選抜の隊長の?」

タカシ「えっ…西住ってそっちだったのか…」

ジョージ「あいつに限ってそんな訳あるか!こりゃ、きっと何か陰謀が隠れてるに違いない」

タカシ「だと良いんですが…」

アリサ(これは、チャンスよ。あの娘が島田流とくっつけば、タカシを私のものに…フフフッ)

ナオミ「…(フッ、みほのハートを射止めるなんて、さすが大学選抜の隊長ね)」

ジョージ「俺が真相を暴いてやる。ことによっちゃストラトフォートレスで島田流を灰にしてやるぜ、タカシそん時は頼むぞ」

タカシ「第三次大戦でも始める気ですか?…ってか、B-52なんてうちに無いですよ?」


カチューシャ「違うわ、アズーシャ。ジャムは紅茶の中に入れるんじゃ無いの。舐めながら紅茶を飲むのよ」

梓「へぇー、そうなんですかぁ…あっ、ジャムついてますよ」

カチューシャ「うっ、わ、分かってるわよ!気づいたなら、取って頂戴」

梓「えっ?」

PRRRR

ノンナ「はい…あぁ、アンツィオの。えっ、みほさんがご結婚なったんですか?」

カチューシャ「えっ?」

ガチャーン

梓「…えっ?」

ノンナ「えぇ。島田流の家元とですか…それはおめでたいですね…はぁ、祝ってる場合ではないと?」

カチューシャ「そうよ、何がおめでたいのよ!ミホーシャが結婚ってどういうことよ!?」

梓「隊長が結婚だなんて、何かの間違えですよね!?」

ノンナ「…私に言われましても。何でも、島田流家元がネットで報告したとか何とか?」

梓「そんな馬鹿な…。うそっ、そんな…隊長ー!」

カチューシャ「ミホーシャはカチューシャの同志よ!それをこのカチューシャに断りも無く勝手に結婚だなんて、粛清してやるわ」

ノンナ「……(これは嵐の予感がしますね…ですが、みほさんおめでとうございます)」

PRRR

西「…えっ?西住隊長がご結婚ですか。それはおめでたいことですね。それで、祝言の日取りはいつですか?…えっ?そうじゃなと言われましても…ひっとして祝言は挙げないのですか?えっ、もしもし…あぁ、切られてしまった」

福田「隊長、西住隊長がご結婚なさるんでありますか!?」

池田隊長「ほぅ、そりゃめでたい事だ。家元と娘ともなるとひっとしたら望まぬ結婚かもしらんが…夫婦となるのは目出度い事ではあるな」

西「えぇ。大洗には先の戦いで色々と世話になったからな。これは何かお祝いを贈らねばいかんな」

アキ「ねぇ、ミカ。大洗の隊長さんが結婚したんだって」

ミカ「そうかい」(ポロローン)

アキ「えっ、そうかいって…それだけ!?結婚したんだよ?」

ミカ「…人生には出会いと別れはつき物だからね。彼女にはそれがめぐって来ただけさ…」(ポロローン)

ミッコ「もう結婚すんだぁ、速いなぁ。で、誰とすんの?」

アキ「それが、聞いてびっくりしたんだけど。あの、大学選抜の隊長だって」

ガタン!(カンテレが落ちる音)

ミカ「……」

アキ「えっ、ミカ?」

PRRR

エリカ「…あら、誰も居ないの?しょうがないわね。はいっ、黒森峰女学園戦車ど…あら?アンツィオがうちに電話だんて、珍しいですね。あいにく隊長は席をはずして…えっ?あの娘が結婚?へぇー、そう。世の中どうなるか分からないものね。それを知らせに?そんなの、うちに電話しなくても隊長なら身内なんだから、知らないはずが無いと思うけど?」

アンチョビ「そ、そういえばそうだな…しかし、あいつがよく許したな」

エリカ「隊長をあいつ呼ばわりだんて、失礼じゃ無い?…まぁ、確かにあの隊長がみほの結婚をよく許したとは思うけど…えぇ、帰ってきたら聞いてみるわ。じゃあ」

ガチャン

まほ「…戻ったぞ。ん?誰からの電話だ?」

エリカ「お帰りなさい、隊長。アンツィオからです」

まほ「アンツィオ?珍しいな、それで用件は?」

エリカ「その件ですが…とりあえず、おめでとうございます」

まほ「ん?何か祝い事でもあったか?」

エリカ「みほの結婚ですよ。この年で結婚だなんて、早過ぎる気もしますけど…よく、お許しになりましたね」

まほ「……」

エリカ「隊長?」

まほ「…エリカ、ちょっとすまん」

フラフラ

エリカ「えっ?」

ドカッ!バコッ!

黒森峰生徒「隊長!?ラングなんか殴ってどうしたんですか!?危ないですよ!」

エリカ「はぁ?隊長、何やってるんですか!?」

まほ「おぉぉぉー!」

黒森峰生徒「ひっ、装甲がへこんだ…」

エリカ「…まったくこの人は…」

まほ「エリカ、どこの馬の骨だ!どこのどいつがみほを!」

エリカ「お、落ちついてください隊長」(ガクガク)

まほ「これが落ち着いていられれるか!」

エリカ「あ、あいてはし、島田流の娘だとか、ほら、あの大学選抜の隊長ですよ(頭を揺さぶられて気持ち悪くなってきた…)」(ガクガク)

まほ「島田流!?あの泥棒猫が!こうなったらマウスでいやっ、ラーテだドーラだそれからV2だ!」

黒森峰生徒「た、隊長。お気を確かに!逸見副隊長も何とかしてください」

エリカ「うぇっ、頭がぐらぐらして気持ち悪い…」

今回はここまで

その頃

愛里寿「…彼女たちが私のクルー」

みほ「にし…島田みほです。今回は砲手代理として参加することになりました。よろしくお願いします」

センチュリオン操縦手「よろしく」

装填手「お願いね」

みほ「はいっ」

愛里寿「試合は明後日、しかも20両相手に私たちはこのセンチュリオンを動かすのがやっと…時間も人も無い。早速練習に入る」

一同「了解」

愛里寿「…センチュリオンは初めてだよね?大丈夫?」

みほ「照準器なんて、表示の仕方が多少違うだけで基本は一緒だもん。大丈夫だよ」

VOOO

愛里寿「発射」

BARM BAKKOM

みほ「…やや下にずれた…。上げ2度」

愛里寿「…もう一度」

BARM BAKOM

愛里寿「…命中。さすがみほ」

みほ「う、うん…(だけど、思ったより少し下だったなぁ…車長ばかりで腕が訛ったかな…)」

ドライバー(こんな悪路で1700m先の的のど真ん中ぶち抜くなんて…この高校生何者なのよ…)

愛里寿「…全速前進」

みほ「…うっ(すごいG…自動車部がチューンしただけのことはある)」

VOOOOO

愛里寿「…この状況下でも命中させれる?」

みほ「…任せて。本気で行くよ」(眼帯装着)

愛里寿「…た、頼んだ///」

※ちなみにみほは大学選抜のジャケットに眼帯です

愛里寿「…発射

誤爆しました

愛里寿「…発射」

BARKOM

みほ「命中」

愛里寿「…慣れてきたみたいね。次はどうする?」

みほ「…愛里…隊長に任せます。急制動だろうが、超信地旋回中だろうが、スラロームだろうが、任せてください」

装填手「任せって…。この娘の頭はFCSででも出来てるの?」

みほ「……」

その頃 西住家

まほ「お母様!」

しほ「何かしら?」

まほ「い、一体どういう事ですか!?みほがみほが」

しほ「…落ち着きなさい」(ガクガク)

まほ「落ち着いていられますか!何で、結婚なんてお許しになったんですか!?お母様が許しても、姉は許しません!」

しほ「…結婚?」

しほ「…よく御覧なさい。養子になたって書いてあるでしょ。訳あって一時的に養子に出しただけよ」

まほ「…なんだ、養子ですか…。養子!?それじゃあ、みほが私の妹じゃなくなってしまうじゃないですか!」

しほ「…一時的と言ったでしょ…別に一時的に他人になったところで今のところ影響があるわけでも…」

まほ「…他人?そうか、今、みほと私は他人同士。つまり、法的には結こ…」

しほ「…実は嫁に…」

まほ「…島田流め!西住流の名に懸けてつぶす!」

しほ「…(どこで育て方間違えたのかしら?)」

愛里寿「…訓練終了」

みほ「はぁ、疲れた」

愛里寿「お疲れさま、みほ」

装填手「隊長、家元からお電話です」

……

愛里寿「…硬式ルールですか?」

千代「えぇ、相手方がそのルールの適用を求めて許可かされたのよ…。やれるわね?」

愛里寿「…こっちにはみ…お姉ちゃんもいます。任せてください」

千代「頼んだわよ」

みほ「…また硬式かぁ」

愛里寿「…うん。そうみたい。…ねぇ、みほ、この硬式ルール(Ⅱ)ってどういうこと?」

みほ「・・・えっ?何だろう、初めて見る」

PRRR

ケイ「はい、もしもし。OH、みほじゃない。どうしたの?」

ジョージ「何!?西住だと!?おい、島田流姉になったらしいが、変なことされてないか?」

みほ「えっ?変なことって何ですか?」

ジョージ「変な事ってのは・・・」

ケイ「スットプ!これ以上はダメよ。それより、みほ、どうしたの?」

みほ「実は・・・」

ケイ「へぇー、また硬式ルールで試合するの?しかも1対20ですって?ワオッ、また随分とスリリングな試合ね。また援護の依頼かしら?」

ジョージ「硬式ルールだと!?任せろ」

タカシ「すぐにすっ飛んでってやるぜ。早速準備だ」

ケイ「えっ、ジョージに?」

ジョージ「おう、西住。支援なら任せろ」

みほ「あっ、そのー。お気持ちはありがたいんですが、そうじゃ無くてちょっとお伺いしたいことが・・・。あのー、硬式ルール(Ⅱ)ってどういう意味ですか?」

ジョージ「な、何?Ⅱ型ルール・・・だと?」

タカシ「OH…」

今回はここまでです

タカシ「隊長、Ⅱ型って…確か…」(ヒソヒソ)

ジョージ「あぁ…そうだよ…お前なら、資格あるからワンチャン…」(ヒソヒソ)

タカシ「…いやちょっと…だって、西住って…OBってか、予備だから…」(ヒソヒソ)

ケイ「何やってんの二人とも?」

ジョージ「おぅ?い、いや何でもない…。もしもし西住?」

みほ「はいっ」

ジョージ「悪いな、俺もタカシもⅡ型なんて初めて聞いたよ。本当にそんなルールあるのか?もしかしたら記載ミスかもわからんぞ」

タカシ「いや、そうだ。きっとそうだ!」

みほ「そ、そうですか…」

ジョージ「あぁ、よく確認したほうがいんじゃないか?ち、ちなみに試合はいつだ?」

みほ「一応明後日の予定ですけど…」

ジョージ「明後日か…おっと、しまった。明後日は歯医者に行く予定だったんだった…悪いが援護にいけそうに無い。すまん」

ケイ「えっ?あんた、さっきあんなにカキ氷がっついてたじゃない?」

ジョージ「そうだ、タカシなら援護にいってやれるかもしれん」

タカシ「えっ!?いやー、俺もちょっと、その日は…爺さんの法事があるんだ。すまん」

ナオミ「…あんたのお爺さん、ピンピンしてなかったけ?」

タカシ「とにかくその日は忙しいんだ!ごめんな、西住」

ジョージ「そういうわけだから。じゃあな」

ガチャン

みほ「もしもし?切られちゃった…」

愛里寿「…何かわかった?」

みほ「ううん。ジョージさんたちも知らないみたい。大尉は電話にでなかったし…そうだ、シュガポフさんなら知ってるかも」

ケイ「ちょっと、急にどうしたの?みほの頼みなのにらしくないわね」

ジョージ「……い、いろいろ有るんだよ。タカシ、整備に付き合え」

タカシ「了解」

ケイ「あっ、ちょっと…」

ジョージ「西住の頼みなら飛んでってやりたいが、Ⅱ型の試合は勘弁してほしいぜ」

タカシ「俺もうわさでしか、聞いたこと無いですけど…なんで数年前に試行されただけのルールをいまさら?」

ジョージ「知るか。だが、Ⅱ型かぁ…西住が無事ならいいが」



プラウダ高校

PRRR

ノンナ「もしもし。あぁ、みほさん、こんにちは。どうですか、お姉さんになられた気分は?」

みほ「何かいろいろ急すぎて、実感がわいてません」

ノンナ「そうですか…。それで、今日はどんなご用件ですか?」

みほ「えっと、シュガポフか誰か、硬式の方居ます?」



セルゲイ「もしもし。西住…いまは島田さんだったな。硬式チーム隊長のセルゲイだ」

みほ「あっ、セルゲイ隊長。お久しぶりです」

セルゲイ「あぁ、君も元気そうだね。生憎とシュガポフは留守にしてるんだ。私でよければ用件を伺うが?」

みほ「はいっ。お伺いしたいんですが、硬式戦のⅡ型って知ってますか?」

セルゲイ「Ⅱ型…だと?」

みほ「はいっ、今度そのルールで試合することになったんですが…サンダースの皆さんに聞いたら知らないといわれまして…」

セルゲイ「我がプラウダで、Ⅱ型の話は禁句だ…すまない、失礼するよ」

みほ「えっ?あ、あのー」

セルゲイ「一つだけ忠告しておこう。君は立場上大丈夫だとは思うが、なるべくひらけた地形には出ないほうがいいぞ。では、失礼する」

みほ「えっ、もしもし?」

ノンナ「…どうなさいました?」

セルゲイ「Ⅱ型…予備扱いの彼女が居る試合に、我がプラウダが関わるなんぞ、猛獣の折に肉を巻いて入るようなもんだ…」(ガタガタ)

ノンナ「???」

愛里寿「知らないって?」

みほ「うん…だけど、Ⅱ型の話をしたとたんにジョージさんもセルゲイさんも人が変わったようだった…一体どうしたんだろう?」

pIRRR

みほ「あっ、大尉からだ。もしもし」

バウアー「西住か?すまんな、電話に出れなくて」

みほ「いえっ、大丈夫です」

バウアー「それで、今日はどうした?」

みほ「はいっ、実はお伺いしたいことがありまして」

バウアー「何っ?!Ⅱ型だと?」

シュルツ「なっ」

ハンス「マジかよ…」

マイヤー「おいおい」

クルツ「…Ⅱ型って例のあれですか?」

バウアー「…お前、Ⅱ型の試合をやるのか?」

みほ「はいっ、明後日にそのルールで社会人チームとやることになりまして…」

バウアー「そうか…健闘を祈ってるぞ」

みほ「えっ?あの、そうでは無くて、Ⅱ型について聞きたいんですけど…」

バウアー「すまないが、我が校でその話をするのは色々不味い。すまんが、今回ばかりは我々が動くわけには行かん…」

シュルツ「すまんな。西住…」

ピッ

みほ「あっ、もしもし?」

バウアー「チッ、運営側も今さらあれを持ち出すとはどういうつもりだ…」

シュルツ「ちとまずいですな」

マイヤー「ですが、今回は我が校が出場するわけじゃ無いですし」

ハンス「お前、あの人にそんな常識が通用すると思ってんのか?ましてや西住は予備扱いで名前残ってるんだぜ」

バウアー「ちっ、予備扱いが裏目にでたな…。いいか、この話は他言無用だ。ほかには漏らすな」

一同「了解!」

バウアー「この話は無しだ…。戦車の整備に戻るぞ。クルツ、工具箱を持ってこい」

クルツ「はっ」

タッ タッ 

クルツ「わっ」

ドテッ

シュルツ「何をやってんだ!?」

クルツ「すいません…痛た…誰だよ、こんなところに空の牛乳瓶捨ててったのは」

シュルツ「牛乳瓶だと!?」

バウアー「ちっ、遅かったか…」

みほ「…大尉にも切られちゃった」

愛里寿「えっ?あの人でも知らないなんて…。いっそ、連盟に聞く?」

みほ「連盟?あっ、そうだ!」

PRRR

常夫「はいっ。あぁ、みほか。どうした?」

みほ「お父さんって、硬式戦車道連盟の理事長だったよね?」

常夫「あぁ、そうだけど」

みほ「じゃあ、Ⅱ型って知ってる?」

常夫「Ⅱ型?あぁ、前の理事長が試験的に導入したルールだ」

みほ「どんなルールなの?」

常夫「確か、基本は変わらないんだが、以前に知波単が特三号戦車を使いたいって事に単を発してな。連盟が認めて使用が始まったら、Il-2だって空飛ぶ戦車だー!とか言い出して使い出した連中が居てな。航空支援が1回ありってルールで一時期やってたんだが、カールスラントの奴が無双しだして、ワンサイドゲームになったとの、航空機はやっぱりおかしいって話になって直ぐに廃れたんだが…それがどうした?」

みほ「…今度そのルールで試合することになっったの」

常夫「何?」

常夫「おいおい、ありゃ試験的なルールで正式には認められてなかったはずだがなぁ…まぁ、非公式の試合じゃたまに使ってる奴が居るらしいが」

みほ「…そうなんだ」

常夫「……これか、社会人チームとの試合かぁ。社会人なら知ってても不思議じゃないな」

みほ「どうしよう」

常夫「もう今更変更は出来そうに無い。ともかく、航空機に見つからないようにしておけ。一回しか飛ばせないから大丈夫なはずだ。それと、カールスラントには絶対に言うなよ?勝手に出てくる奴が居るからな」

みほ「えっ?」

常夫「彼に飛ばれると色々と後の処置が面倒なんだ…いいか、絶対に内密にしておけよ」

みほ「……」

常夫「おいまさか」

みほ「ごめんなさい…大尉に電話で相談しちゃって…」

常夫「…とりあえずジェリコが聞こえたら隠れろ。後はロシア製の戦車には乗るな。後は、当日が雨になる事を祈ってろ」

みほ「う、うん。わかった…」

愛里寿「どうしたの、みほ?」

みほ「愛里寿ちゃん、家中のティッシュを持ってきて」

愛里寿「えっ?」

みほ「今からてるてる坊主作るよ。そして、逆さに吊るすの」

愛里寿「えぇ?」

今回はここまでです

この養子騒動の話のみ、ギャク回の予定です

みほ「では、今からてるてる作戦を開始します」

愛里寿「おーっ!」

みほ「気休めだけど、やらないよりはマシだから」

作られていくてるてる坊主達

みほ(大尉達にも、出来る限りのお願いはした。こうなったら、後は祈りながらこうする位しか…)

クルツ「大尉、格納庫の封鎖完了しました」

バウアー「ご苦労。明日の朝一で、整備中隊が定期整備の為に機体を回収、後送するよう学園長に調整してきた」

マイヤー「整備後送となりゃ暫くは戻って来ないから、取りあえずは大丈夫ですかね?」

シュルツ「明後日の試合前に飛び出しはせんだろうが、普通の考えが通じん奴だからな…目を光らせとけ」

ハンス「ヤーボル。下手すりゃこっちにも飛び火しかねぇからな。厄介事は勘弁だぜ」

愛里寿「ねぇ、お姉ちゃん」

みほ「どうしたの?」

愛里寿「何で、赤い色で塗ってるの?」

みほ「これはね。ウサギさんチームの阪口さん…大洗のチームの仲間なんだけどね。阪口さんが、言っての。赤いてるてる坊主が、強いんだって」

愛里寿「へぇー」

千代「雨乞いする事は止めませんけど、赤いのはやめなさい」

みほ「えっ?」

千代「貴女たちの年頃じゃ、知らないでしょうけどね。赤いのは恐ろしいのよ。血の雨が降っても知らないわよ?」

みほ「ち、血の雨?!」

愛里寿「ひっ」

千代「しかも、雨を降らせるようになったら、10式でも倒せないんじゃ無いかしらね。それでも良いなら、止めませんけどね?」

みほ「……普通の吊るそう」

愛里寿「うん」

短いですが、今回はここまで。
明日は放浪記の方と併せて更新予定です

翌日

テレビ「…全国的に今日も平年より高い予報です…ですが、明日以降は低気圧の影響で全国的に下り坂になるでしょう。気温も本日に比べ低い予報です…」

みほ「良かったぁ」

愛里寿「うん。雨みたいだね」

みほ「これで大丈夫かな」

愛里寿「…お姉ちゃん、今日はどうする?」

みほ「うーん。明日に向けて戦車はメンテナスン中だから動かせないし…何しようか?」

愛里寿「…私、一緒にお買い物行きたいんだけど、駄目?」

みほ「そんなの全然大丈夫だよ」

街中

愛里寿「お姉ちゃん、早くー」

みほ「もう、待ってよ」

愛里寿「ふふっ、ごめんなさい」

みほ「もう」

がやがや

エリカ「…30分も前に来たってのにすごい行列…やはり相当な人気…食べるのが楽しみね…ん?」

仲良く歩く愛里寿&みほ

エリカ「あの子達…本当仲がいいのね…(って、並んでるのばれたら面倒だから他人のふり他人のふり)」

店員「えっと、今日は調整でしね。準備しますんで、かけて待てってください」

ミカ「…そうさせてもらうよ」

……

ミカ(…ここが一番信頼できるとはいえ、あまり知った町には長居したくないね…おやっ)

愛里寿「お姉ちゃん、こっち」

みほ「…もう、まってよ」

ミカ「……」

店員「お待たせしました。こちらへ…あのー」

ミカ「……」

ジョージ「おっ、西住じゃねえか」

愛里寿「…あっ」

みほ「あっ、ジョージさん。こんにちは」

ジョージ「おう、今日は姉妹仲良く買いものか?」

みほ「えぇ…」

愛里寿「…違う、みほとデート」

みほ「えっ!?」

ジョージ「マジかよ。やっぱりお前そっち…」

みほ「ち、違います!あ、愛里寿ちゃんも変な事言わないで」

ジョージ「びっくりしたぜぇ…。しっかし、仲良く買い物とはうらやましいぜ…今度俺とも一緒に…」

愛里寿「駄目…」

ジョージ「何でだよ?この間助けた礼がまだだろ?」

愛里寿「それは、そっちが勝手に」

みほ「…そういえばそんな約束した気が…はぁ、じゃあ今度一緒に…」

ジョージ「まじか!?よっしゃー。タカシよりリードだぜっ!」

みほ「はぁ…」

PRRR

ジョージ「おっ、噂をすればタカシからだ。おう、タカシ!聞いて驚くな、なんと西住とデートの…」

タカシ(電話)「それどころじゃ無いです!一大事です、すぐに戻って来てください」

ジョージ「それどころって…こっちはこれからデートを…」

タカシ「か、格納庫のB-25Hが消えました!…牛乳瓶一ケース残して」

ジョージ「何っ!?ガンシップが牛乳に化けただと!?」

みほ「えっ…」

短いですが今回はここまで

ジョージ「悪いな西住。急用が出来た。デートはまた、改めて誘ってくれ。じゃあな」

ダッ

愛里寿「みほ、ガンシップって……」

みほ「うん。やな予感しかしない……私達も急いで帰ろう」

愛里寿「そうだね。でも、次の電車までまだ時間が…」

みほ「あっ……どうしよう……あっ、あれは」

「お待たせしました。炭焼きハンバーグです、熱くなってますので気をつけて下さい。ごゆっくりどうぞ」

エリカ「……ふふっ。美味しそうね。並んだかいがあるわ。いただきま…」

みほ「エリカさん」

エリカ「!!(ピクッ)な、何であんたがここに?!見られ無いはずなのに…」

みほ「ヘリを貸して下さい。今すぐに」

エリカ「はぁ?」

みほ「対応策を至急取らなきゃ行けないんです。だから、お願いします、ヘリを貸して下さい」

エリカ「な、何なのよ一体?!…てか、ヘリ貸しても貴女、操縦出来るの?」

みほ「あっ…」

愛里寿「じゃあ、送って行って」

エリカ「えっ?」

エリカ「送ってけって、食事中なんだけど…」

みほ「後にしてください。こっちには命がけなんです」グイッ

エリカ「ち、ちょっと!私がどれだけ楽しみしてたか…」

みほ「ハンバーグ位、試合が終わったら5枚だろうと10枚だろうと好きなだけ奢りますから」

エリカ「私は今食べたいの!離しなさいよー」

短いですがここまでです

エリカ「…はぁ…」

みほ「後で好きなだけおごるって言ってるじゃないですか」

エリカ「…破ったら許さないわよ!」

みほ「はいっ」

エリカ「…連絡して呼ぶから待ってなさい」

みほ「えっ?ヘリで来たんじゃあ?」

エリカ「はぁ?私用でヘリ使う訳ないでしょ」

みほ「えっ?じゃあ、どうやってここまで?」

エリカ「電車とバスに決まってるじゃない」

愛里寿&みほ「……」

エリカ「何よ?」

みほ「…エリカさん、ありがとうございました」

みほ「えっ?じゃあ、どうやってここまで?」

エリカ「電車とバスに決まってるじゃない」

愛里寿&みほ「……」

エリカ「何よ?」

みほ「…エリカさん、ありがとうございました」

連投すいません

エリカ「ちょ、ちょっと!何だったのよ一体!?ってか、私のお昼返しなさいよ!」

みほ「ちゃんとその埋め合わせはしますから。それじゃあ」

エリカ「待ちなさいよー!」

その頃サンダース

タカシ「……」

ケイ「…oh」

ジョージ「はぁ、はぁ。戻ったぞ!…って、何だよ。B-25あるじゃねぇか」

タカシ「…えぇ。学園艦の中に残ってました」

ジョージ「何だよ。脅かしやがって。勘違いかよ…ってか、それじゃあせっかくのデートのチャンスが…」

ケイ「…見つかった場所が問題なのよねぇ」

ジョージ「どこにあったんだよ?…まさか、池にでも沈んでたか?それとも校舎に突き刺さってでも…」

タカシ「それだったら、楽だったんですけどね…校長先生のコレクションが入れてあるハンガーにあったんですよ。それも一番奥の」

ジョージ「一番奥だと…ま、まさか…」

ケイ「そのまさかよ。その証拠にこれと入れ違いに消えてたのよ。…ウォートホッグがね」

ジョージ「…A-10を持ってかれただと…」

タカシ「はいっ。しかもフルペイロード状態で…」

ジョージ「な、何だと…」

タカシ「…隊長、バウアー大尉に連絡してJu-87を回収してもらってください…このままじゃ危ないです」

ケイ「みほがミートパテになっちゃうわよ」

ジョージ「そうだな…あいつにレギュレーションなんて常識が通用するとも思えんし…こうなったらせめて見合ったクラスの装備にしてもらうしか手がないか…」

ケイ「あっ…相手に連絡して辞退してもらったら?」

タカシ「それいいですね!…でも、相手ってどこなんですか?」

ジョージ「そういやぁ、聞いてなかったな…どこなんだ一体?」

一同「……」

ジョージ「とりえあず、俺らはできることやるぞ」

タカシ「はいっ」

ケイ「OK。…ナオミ、いざって時は行くわよ」

ナオミ「…イエス、マム」

GASYAN(M2機関銃の槓桿を引く音)

ケイ「…みほを傷つける訳には行かないわ」

試合当日

相手チーム「今日は生憎の天候の中だけど、試合を受けてくれて感謝するわ」

愛里寿「…えぇ」

相手チーム「この間は負けたけど、今回はそうは行かないわよ。見てらっしゃい」

愛里寿「…今回も負けない(とは言え、こっちは私のセンチュリオンだけ…どこまでやれるか)」

みほ「……(こっちは一両…うまく地形を利用できれば、チャンスはある。それにしても…)」

愛里寿&みほ(強いとは言え、この状況でIS-3で固めてくるなんて、なんて死亡フラグ…)

相手チーム「??」

観客席

クルツ「大丈夫でしょうか?」

シュルツ「まぁ、学園長が頭を下げて、A-10はサンダースに返すことは出来たからな。最悪の事態は免れたが」

マイヤー「だが、もう試合に出るななんて馬鹿な事言わなきゃ返してやるという条件付の上、カノーネンフォーゲルは返す羽目になったんですよね?」

バウアー「来るのは避けられんだろうな…最悪、あいつらに頼むしかない。準備はいいのか?」

草葉の陰

ジョージ「あぁ、こっちは準備OKだ」

タカシ「いざって時は、スティンガーで追っ払てやりますよ」

バウアー「頼むぞ。いろいろと厄介事になる前に」

相手チーム隊長「相手はセンチュリオン一両だけ、こっちはスターリン3、20両にIL-2の支援も使える。楽勝ね」

相手チームA「でも、相手は島田流ですよ?簡単にいきますか?」

相手チームB「いくら島田流とは言え、この戦力差よ、楽勝よ楽勝…あれ?もう、試合開始ですか?」

隊長「何を言っているの?まだ20分近くあるわよ」

相手チームB「えっ、試合開始のサイレンが鳴りませんでした?」

相手チームA「何を馬鹿な事言ってるのよ?」

相手陣地

スターリン10両「……」(シュパッ!)

相手チーム一同「…えっ?」

相手チーム隊長「えっ!?何で、もう撃破判定食らってるのよ!?」

相手チームA「一体、何があったのよ?」

相手チームB「どこのどいつよ!?こんな事したの!?」

アナウンス「…スターリン3.10両使用不能!」

観客席

ザワザワ

クルツ「…大尉、これが噂の、試合前に起こる誰がやったのかわからない被害ってやつですか?」

バウアー「あぁ、そうだ。…ちっ、Ⅱ型ルールなんて呼び起こすからこうなるんだ」

隅の方

ミカ「……」

愛里寿「…相手10両行動不能」

みほ「…まさかね」

愛里寿「…地形を生かしてゲリラ戦を展開しようかと思ったけど、作戦を変更する。機動戦をもって、一気にカタをつける」

みほ「…長引かせると危険そうだしね」

アナウンス「試合開始!」

愛里寿「全速前進!一気に相手陣地へ向かう」

VOOOOOO

相手チームA「いきなり10両も行動不能になるなんて…」

隊長「とんだ番狂わせだわ…こうなったら航空攻撃で一気にカタをつけるしかないわ。IL-2を出して頂戴」

VOOOOO

愛里寿「…周囲に敵影なし」

みほ「……(これから先はスピードが勝負。レンジに入ったらすばやく狙わないと)」

GOOOOOOO

愛里寿「!!物陰に隠れろ!」

BAM BAM BAM 

愛里寿「くっ」

GYUUUUUUN

みほ「…IL-2」

愛里寿「茂みに入れ」

操縦手「了解」

GUOOOOOOO

みほ「…また来る」

DAM DAM DAM

装填手「きゃっ」

GYUUUUUUN

愛里寿「何とか隠れられた」

みほ「…これからどうするの?」

愛里寿「…このまま森の中をゆっくり進む。航空支援は一回きり…このままブッシュの中かを進んでいけば相手はいずれ燃料切れになって、撤退せざる得なくなる」

操縦手「了解。地形に注意しつつ前進します」

VOOOO

相手チーム隊長「森林地帯に隠れたか」

相手チームA「どうしますか?隊長?」

隊長「…おそらく森林地帯を抜けてこっちへむかって来るはず。こっちは森林地帯の出口で待ち伏せするわ」

相手チームB「うまくいきますか?」

隊長「見てみなさい」

相手チームB「あっ、あの森林地帯どんどん狭くなってますね」

隊長「そうよ。あそこは徐々に左側が川になってくのよ。終わりに近づいてきたところで、IL-2で後ろから発破をかけてやれば、相手はこちら側へ逃げるしかなくなるのよ」

相手チームA「なるほど」

隊長「見てなさい、ここがあなたの墓場よ」

VOOOO

愛里寿「…そろそろ森林地帯が終わる」

みほ「どうするの?」

愛里寿「…おそらく出口では敵が待ち構えているはず…だけど、上空に目がある以上、うかつには出れない」

みほ「…持久戦になりそうだね」

GYUUUN

愛里寿「…また来た」

DOM DOM DOM 

みほ「くっ…あぶり出す気?」

相手チームA「なかなか出てきませんね」

隊長「…出てこないならいぶりだすまでよ。行きなさい」

IL-2パイロット「…本当にいいんですか?」

隊長「当てるわけじゃないから大丈夫よ。さすがに、相手もそんな状況じゃ隠れてるわけにはいかないはずだから」

IL-2パイロット「…了解」

BOOOOOO シャーッ

愛里寿「……この匂い」

みほ「ま、まさか」

GYUOOOO BAM BOW

タカシ「なっ、燃料まいて火をつけやがった」

ジョージ「ちっ、大胆な手を打ってきやがった」

操縦手「隊長!」

愛里寿「まずい。全速前進!森をぬけるぞ」

VOOOOOO

相手チーム「出てきました」

隊長「…終わりにしてあげるわ。攻撃用意!」

IL-2パイロット「もらった」

DOM BAKKOM

IL-2パイロット「えっ?撃墜判定!?」

隊長「そんな、IL-2の重装甲をどうやって…」

みほ「IL-2を撃墜できるほどの武装を持った機体…まさかね」

GYUUUUUUN

相手チームA「げっ、こ、この音は…」

愛里寿「…ジェリコのラッパ…」

みほ「…来ちゃったの」

IL-2パイロット「えっ?撃墜判定!?」

隊長「そんな、IL-2の重装甲をどうやって…」

みほ「IL-2を撃墜できるほどの武装を持った機体…まさかね」

GYUUUUUUN

相手チームA「げっ、こ、この音は…」

愛里寿「…ジェリコのラッパ…」

みほ「…来ちゃったの」

GYUUUN DOM DOM DOM DOM BAKKKOM

シュパッ シュパッ! シュパッ!

相手チーム「た、退避…きゃっ」(シュパッ!)

みほ「」

愛里寿「」

操縦手「…私たち必要だった?」

装填手「…どうだろう?」

GYUUUN

「敵戦車はどこだー!?」

ハンス「全部一人でやっちまいやがった」

マイヤー「派手にやってくれたな、おい…」

シュルツ「ん?相手戦車行動不能にしたのに何する気だ…」

バウアー「!!あいつまさか」

シュルツ「相棒は何をやってやがるんだ!早くとめろ」

ハンス「今日は誰が後ろなんだ?」

クルツ「はっ、相棒が留守だったので整備士を後ろに乗せたとか」

マイヤー「整備士だと!?無茶だ」

GYUUN

みほ「えっ!?」

愛里寿「!!全速後退!」

VOOOO

装填手「味方じゃないの!?」

みほ「…味方だって気づいてないんじゃ…そうだ!」

ガチャ

愛里寿「みほ?」

みほ「…愛里寿ちゃん、そっちもって」

バサッ(黒騎士中隊、中隊旗)

GYUUUUN BROOOOOOOO

愛里寿「…助かったの?」

みほ「…はぁー。助かった…もしもの時のために持ってきておいてよかったぁ」

操縦手「し、死ぬかとおもったぁ…」

愛里寿「…!!停止、停止!」

操縦手「えっ…わっ」

ZAAAAAAA バシャーン!

操縦手「しまった…」

愛里寿「…脱出!」

ガチャ

愛里寿「!!ポケットひかかって…きゃっ」

バシャーン

操縦手「ぷはっ」

みほ「大丈夫ですか!?」

操縦手「はいっ、私は無事です」

装填手「!!隊長は!?」

みほ「えっ」

装填手「ま、まさかまだ中に…」

操縦手「えぇ!?」

眼前には沈みゆくセンチュリオン

みほ「っ」

ダッ

装填手「あっ、西住さん!?」

ザバーン

みほ「きゃっ」

装填手「何やってるんですか!?この濁流に飛び込もうなんて死ぬ気ですか?」

みほ「だけど、愛里寿ちゃんが…」

ザバーン

操縦手「前の決勝戦とは訳が違います。こんな急流飛び込んだら命の保証なんか…」

みほ「だけど、このままじゃ愛里寿ちゃんが…」

「ありーす!」

バシャーン

みほ「い、今のは?!」

センチュリオン車内

愛里寿「……」

スッ

愛里寿「!!」

ザバーン

岸の上

愛里寿「ゲッ…ゲホッ…ゲホッ」

ミカ「よしよし、もう大丈夫だよ」

愛里寿「…!!…お…お姉…ちゃん…」

ミカ「……」

愛里寿「お姉ちゃん!」

ダキッ

愛里寿「勝手に居なくなって、お姉ちゃんの馬鹿!」

ミカ「……」

愛里寿「…ずっと寂しかった…」

ミカ「…ごめんよ。愛里寿…」

今回はここまでです

愛里寿「…お姉ちゃん」

ミカ「よしよし」

操縦手「よかった。隊長、無事みたいね」

装填手「ほっ」

みほ「…ミカさん、お姉さんだったんだ」



ミカ「立てるかい?このままだと風邪をひくよ」

愛里寿「うん……!…まだ無理かも…」

ミカ「…はぁ、しょうがない。ほら」

愛里寿「エヘヘ、お姉ちゃん」

みほ「……お姉ちゃんかぁ」

ミカ「…昔はもっと軽々出来たのに……大きくなったね」

愛里寿「居なくなってから、どれだけ経ったと思ってるの?」

ミカ「…もう大分経つんだね。愛里寿の重みで実感するよ」

愛里寿「重みって…お姉ちゃん、酷い」

ミカ「ハハハ、ごめんよ。愛里寿…」

愛里寿「お姉ちゃん?」

千代「……」




愛里寿「お母様」

ミカ「……」

千代「…愛里寿、怪我は無いかしら?」

愛里寿「…はい。大丈夫です、お母様」

千代「そう。とんだ試合になってしまったけど、ご苦労様」

愛里寿「…あ、あのお母様 …」

ミカ「…いいさ、私はもう島田の人間じゃないんだから。私はここで失礼するよ」

愛里寿「お、お姉ちゃん。待って…」

今回はここまで

千代「……」

ミカ「…さようなら。風に乗って流れていれば、また巡り会う……」

ガシッ

愛里寿「……」

ミカ「…離してくれないかな?」

愛里寿「……」

ミカ「私は、島田流の人間じゃ無い、一緒に居るべきでは無いんだよ…」

愛里寿「…嫌」

ミカ「…気持ちは有り難いけどね。だけど、世の中には、抗えない運命もあるんだよ」

千代「……相変わらずね」

ミカ「……」

千代「家を出てから、少しは変わったかと思えば、貴女は変わらないのね」

ミカ「…そうかな?」

千代「えぇ」

ミカ「…今更、何か用ですか?…島田流から去った人間に」

千代「家元の娘でありながら、私に相談もせず、島田流を出て継続に行った貴女を許す気にはなれないわ」

ミカ「…許してもらえるなんて思って無いさ…だけど、あの時私は、彼女達の力に成りたかったんだ…」

千代「…彼女達が、あの試合の後に貴女を支えて励ましてくれなかったら、貴女は戦車道から去って居たでしょうね」

ミカ「…聞いたのかい?」

千代「その位、家元なら簡単に耳に入れるわよ」

ミカ「…私は自分の戦車道に自信を無くしていた…西住流との比較、家元の娘という重圧の中でね…家元の娘って体面を気にして一人で悩んでばかりいた…そんな中でも彼女達だけは私に付いて来て支えてくれたよ……だからこそ、彼女達が、継続高校の戦車道が廃止になるって聞いたら、いてもたっても要られなかった」

千代「…気持ちはわかるわ。だけど、あの時、貴女は国際強化選手の指定と海外留学のキップを掴んでいた。それを棒に振るというのがどういう事にだったか、分からない訳が無いわよね?」

ミカ「もちろん。そんな事をしたら、どうなるか。覚悟はあったさ」

千代「なら、何故そこまでして?私に相談すれば簡単に…」

ミカ「…彼女達は、私を島田流の娘としてでは無く、一チームメイトとして接して、共に戦ってくれたんだ。だからこそ、島田の家元の娘では無く、島田ミカ個人として力に成りたかったのさ…結果として、島田流を裏切る事になろうともね」

今回はここまで

千代「…確かに、貴女が彼女達と共に戦って、最悪の危機は脱したでしょう…だけど、貴女は決勝戦まで上り詰めれたからしら?」

ミカ「…恥ずかしながら、相手からの戦利品で、何とかやってる状況だからね…満足に戦える状況には、まだ無い……」

千代「そうね…だからってそれを…」

ミカ「だけど、去年は練習試合とは言え、黒森峰と十分すぎる程やりあえた…この間だって、私が車長だったけど、単独でパーシングを倒しただろ?」

千代「…そうね、BT-42でパーシングを撃破するとは、少し予想外だったわ」

ミカ「…皆確実に成長しているよ、皆彼女達の意思を受け継いで居る証拠さ。…私含めてね」

千代「…」

ミカ「…私のあの時の行動が正しかったなんて、今でも分からない…そんなのは後の歴史家が判断するような事さ。だけど、あの時私は自分が納得のいく答えを導き出したんだ、後悔はしていないよ」

千代「…そう」

ミカ「…いいかな?…風邪を引きたくは無いんでね」

愛里寿「…ぁっ」

ミカ「……愛里寿、メグ…隊長に代わりに謝ってくれないか?…優秀の約束を果たせなくて、申し訳なかった。だけど、貴女達の意思は受け継がれてる、きっと近い将来その栄光は彼女達がが掴んでくれるってね」

愛里寿「…そんなの、嫌…自分で言って…帰ってきて」

ミカ「…私はもう、島田流の門をくぐる訳には行かないからね…頼んだよ」

愛里寿「待って…」

ミカ「……」

愛里寿「……最後に、教えて…何で、助けてくれたの?」

ミカ「……私にも分からない…気がついたら体が動いてた」

愛里寿「……」

ミカ「…いいかい?」

愛里寿「…ぁっ…」

ミカ(さようなら、愛里寿)

今回はここまで

ミッコ「ん?お帰り…びしょ濡れじゃん。大丈夫?」

アキ「もう、傘持ってかなかったんでしょ?」

ミカ「……手が塞がっては、音色が奏でられないからね」

アキ「それで、風邪引いたらもとも子も無いじゃん。ジャージ持って来るから待ってて」

ミカ「…次いでに暖もとれると有り難いね」

パチパチ(焚き火の音)

アキ「着替え終わった?もう、雨降ってるんだから、傘ぐらいさしなよ」

ミカ「……」

アキ「ミカ?」

ミカ「…えっ?…あぁ、そうだね。次からそうしよう」

アキ「ミカ、大丈夫?何か様子変だけど?」

ミッコ「風邪ひいた?」

ミカ「…いや、何でも無い……物思いにふけってただけさ」


ミカ「…すまないが、少し一人にしてくれないかな?」

アキ「えっ?」

ミカ「…人はね、時には孤独になりたい時もあるんだよ」

アキ「良いけど、まだ濡れてるんだから、火の近くで暖まっててよ。風邪ひかないでよ。」

ミカ「あぁ」

ミカ「……」(カンテレを手に取る)

ミカ「……」(ポロローン)

♪~♪~(ボコのテーマ)

ミカ「……らしく無いね」

愛里寿(回想)「…嫌、帰ってきて」

ミカ「……おかしいね…あの時の決断に後悔はしてない、未練は無いはずなんだけどね……何故、ここまで、辛いのかな」

一旦ここまで

ミカ「……」

アキ「…ミカ?あっ、もう!火が消えかけてるじゃん、なにやってる……ミカ、泣いてるの?」

ミカ「…ん?…アキかい」

アキ「ミカが、泣くなんてどうしたの?大丈夫!?」

ミカ「…泣きたい時は泣かないと、いざ泣こうって時に、泣けなくなるからね…だけど、おかしいね…私には資格が無いのに…別れの涙は嫌いなんだけど……何故、涙が止まらないんだろうね」


ミカ「…さて、帰ろうか。用も無いのに長居する事が得策とは、思えないからね」

アキ「…えっ?大丈夫なの??

ミカ「…心配は要らないよ…大丈夫だから。ただ、羽をゆっくり休めたいんだ」

アキ「そう言うなら…だけど、無茶はしないでよ」

ミカ「…分かってるさ」


継続高校 戦車ハンガー

アールネ「よしっ。後はマーク着けりゃ完成だ!」

ミカ「…相変わらず威勢が良いね」

アールネ「おう、帰ってきたんか。どうだ?これで、戦力upだぜ!」

ミカ「…見事な物だね。…ところで、聞きたい事があるんだけど、使ってない車輌は何処に置いてあるかな?」

アールネ「あん?突っつかれたら面倒な奴か?そんなら、一番隅のハンガーだ。手前のKV-1が目印だ。こら、サボってんじゃねぇ!」

ミカ「そうかい、ありがとう」

一番隅のハンガー

ミカ「…よかった。残ってたようだね」

M3軽戦車「……」

M3のハッチに腰かけるミカ

ミカ「……」(ポロローン)

ミカ「…やってやる~やってやる~…」

「……やぁってやるぜ~」

ミカ「!?」

「相変わらずね」

ミカ「…隊…長…何でここに?」

メグミ「メグミでいいですよ。お久し振りです、ミカ隊長」

今回はここまで

ミカ「…隊長なんて呼ばないでくれませんか…その名前で呼ばれるのは好きじゃない」

メグミ「そうやって、M3の上で物思いにふけってる姿を見たらなんだか懐かしくて。…相変わらずね」

ミカ「……継続に来たときに過ぎし日々とは別れを告げたはずだったんだけどね…」

メグミ「隊ちょ…貴女は昔からそうやって何かあるとスチュアートの上でカンテレ引くのが好きでし…だったものね」

ミカ「こうしてると不思議と落ち着くんです」

メグミ「…やはり二人一緒に乗った始めての戦車だからかしら?」

ミカ「……」

メグミ「…沈黙は肯定と受け取っても?」

ミカ「……それだけじゃないです…思えば数少ない姉妹そろって遊ぶ時にはいつもそばにあった戦車でもあるからかな…だからか、M3の上で風に当たってると不思議と落ち着くです、今でも」

メグミ「…そう。でも、何で一人でボコの曲なんて弾いてたのかしら?隊長が居るときしか弾いてなかったのに」

ミカ「…なぜか分からない…ただ彼女に会ったら弾きたくなった…」

メグミ「…いい加減素直になったらどうですか?」

ミカ「……」

メグミ「…愛里寿隊長も待ってま…」

ミカ「…私にはその資格は無い…」

メグミ「…隊長」

ミカ「…隊長達を助けるために島田流を捨てて、継続に来た。そのことは後悔は無いけど、結果として私は島田流を、愛里寿を裏切ってしまった…島田流としての重荷を彼女に背負わせてしまった…」

メグミ「……」

ミカ「……だから、私にはもう愛里寿の姉としての資格なんか無い…」

メグミ「……」

ミカ「だけど、あの時流されていくセンチュリオンを見て居てもたっても居られなくなって、無我夢中で飛び込んでしまった…あの時だけは愛里寿のことで頭が一杯になってしまった…」

メグミ「……なら、どうして会ってあげないんですか?」

ミカ「私は島田流を捨てた身…これ以上はまた愛里寿に迷惑がかかる、これ以上彼女に重荷を背負わせるわけにはいかないよ…」

メグミ「……それはどうでしょうかね?」

ミカ「…どういう意味かな?」

メグミ「何で、愛里寿隊長は飛び級したと思います?」

ミカ「…優秀だからだろ?愛里寿は、世界トップレベルで戦える程にはなるだろうからね」

メグミ「…そうですね。そのとおりです。……表向きは」

ミカ「…表向き?」

メグミ「…表向きには、隊長はそう言ってますけど、本当は違います……もう一度、貴女と戦車道をやるチャンスを得る為よ」

ミカ「…私と?」

メグミ「…そうよ。貴女と彼女の年齢差を考えれば、中学、高校リーグで共に戦うのは不可能、社会人リーグまでは早くても5年以上はかかる。だけど、その頃には、貴女は戦車道をやっている保障は無い」

ミカ「……」

メグミ「…だけど、私たちが大学選抜である今ならチャンスはある、貴女も進学したらまた一緒に戦うって言ってたものね?」

ミカ「…あの時、メグミ達が手を差し伸べてくれなければ、支えてくれていなければ、私は駄目になっていただろうからね」

メグミ「だから、隊長は飛び級の話に掛けたの、同年代の子供たちが送るであろう普通の生活を捨ててまでね」

ミカ「…なんで、そこまでして…」

メグミ「…貴女が…ミカが、愛里寿隊長の永遠の目標であり、憧れだからよ」

ミカ「冗談はよしてくれないかな?」

メグミ「…確かに隊長時代の貴女は悩んでいたこともありましたけど、それは限界を感じていたんではなく、島田流の中だけに囚われすぎていたからですよね?」

ミカ「……」

メグミ「…貴女の元で戦車道をやってきたからわかります。これでも、貴女の元で副官だったんですからね?」

ミカ「…高校時代は逆になってしまったけどね」

メグミ「クスッ、そうですね」

メグミ「…でも、あの時ミカ隊長が来てくれたときは嬉しかった…あの時はもう駄目かと思ったから…」

ミカ「…仲間をほほっておくことなんてできないからね」

メグミ「…だけど、そのせいで隊長は島田流を破門されてしまった…だから、今度は私達が島田流の為に力になる、そう大学に入ったときに誓ったわ」

ミカ「…だから愛里寿の副官になったのかい…態々別の大学に居る姉妹にまで無理を言ってまで」

メグミ「…隊長があそこまでして私たちの力になってくれたんですから。今度は私たちの番です」

ミカ「…メグミ…」

メグミ「…泣かないでください。これは、私の選択した事ですから、後悔はしてませんよ」

ミカ「…だけど、あの時の約束は私も果たせなかった…」

メグミ「…見てました。残念だったわね。だけど、皆の成長ぶりに安心したわ。貴女のおかげね、きっと近い将来彼女達なら栄光をつかめるでしょう」

ミカ「えぇ、きっと」

メグミ「……だけど、貴女には約束を果たせなかった罰を与えないといけないわね」

ミカ「…罰?」

今回はここまで

ミカ「……戻ってくることになろうとはね」

メグミ「…いい加減隊長の前で素直になってください」

ミカ「…素直になればいいってものでも…」(ポロロロローン)

メグミ「…動揺しすぎです、落ち着いてください」

ミカ「…いきなりの訪問に意味があるとは思えない」

メグミ「…いいから、行きますよ」

メグミ「…今晩は、家元」

千代「…あら、こんな時間にどうしたのかしら?」

ミカ「……」

千代「……何のつもりかしらね。貴女には島田の門はくぐらせないと…」

メグミ「…お探しになられいた、隊長を助けてくださった、命の恩人の方をお連れしました」

千代「……」

千代「…愛里寿の事を助けてくれたことには感謝します。ありがとう」

ミカ「……」

千代「…あの時貴方が助けてくれなきゃ愛里寿はどうなっていたか分からなかった。本当にありがとう」

ミカ「…あぁ」

千代「…ささやかだけど、お礼ぐらいさせて頂戴」

ミカ「…そんな事される義理じゃない」

千代「…勘違いしないで頂戴。貴女の事を許したわけじゃないわ」

ミカ「……」

千代「…愛里寿のことを助けてくれた恩人として、今回ばかりは特別よ…島田流の敷居を貴女に跨がせるなんて…」

ミカ「…分かってる…御礼は言われたしさっさと帰るよ」

メグミ「あっ…隊長。(恩人としてつれて来た方が自然かと思ったけど、裏目にでたかしら。)」

千代「……待ちなさい。まだ、きちんとお礼をしてないわ。座って待ってて頂戴。メグミ、逃がさないように見張ってなさい」

メグミ「は、はいっ」

ミカ「…な、何をする気かな?」

メグミ「いいから、じっとしててください」

愛里寿「…お母様、どなたかおお見えになってるんですか?」

メグミ「…お邪魔してます、隊長」

愛里寿「メグミ?もう、風邪は大丈…夫…」

ミカ「……」

愛里寿「……」

愛里寿「……」

ダキッ

愛里寿「……」

ミカ「……愛里寿」

愛里寿「……お帰りなさい」

ミカ「……ただいま」

愛里寿「…お姉ちゃん…お姉ちゃん」

ギュっ

ミカ「……」(頭なでなで)

愛里寿「///」

千代「…愛里寿、そちらは貴女を助けてくれた継続高校のミカさんよ」

愛里寿「…お母様?」

千代「…ちゃんとお礼を言いなさい」

愛里寿「…お母様、あの…」

千代「…貴女の姉は今はみほよ、その人は貴女を助けてくれた恩人であり、貴女の本当の姉だった人じゃない。勘違いしないで頂戴」

愛里寿「……」

千代「…ささやけどお礼の印よ。召し上がって」

ミカ「……ありがたいね………量を出せば良いってものでも無いんじゃないのかな?」

メグミ「……(うわぁー、すごい量…一体何人前?しかも、見事にミカ隊長が好きな物ばっかり、家元もしかして)」

千代「…私の感謝の印よ。たくさんどうぞ」

ミカ「……」

千代「…お口に合うかしら?」

ミカ「…そうだね…むしろ、合わないわけが無いと思うけどね」

千代「…どういう意味かしらね?」

ミカ「……惚け方がわざとらしいね」

愛里寿「お姉ちゃん、美味しい?」

ミカ「…あぁ、とてもね。…懐かしいよ」

ミカ「……」

メグミ「……(隊長無理しなくても…どう、頑張っても一人じゃ無理ですよ)」

千代「…満足かしら?」

ミカ「…そうだね…こ、これ以上の食事に意味があるとは思えない」

千代「そう…最後にコーヒーでもいかがかしら?」

ミカ「…あぁ。もらおうかな」

千代「…クリープなしの角砂糖3個」

ミカ「……角砂糖はもう入れないよ」

千代「…そう」

メグミ(家元、何で今一瞬、残念そうな顔を…)

ミカ「…コーヒーをいただいたら失礼しようかな」

千代「…そうね」

愛里寿「……帰っちゃうの?」

ミカ「……あぁ、お礼に呼ばれただけだからね」

千代「…どうぞ…あっ」

ガチャーん

千代「…私とした事が、大丈夫かしら?」

ミカ「…何とかね」

千代「…大変、服にコーヒーが」

ミカ「…気にしないさ。帰って洗えば…」

千代「島田流として、コーヒーのついた服でお客様を帰すわけにはいかないわ、すぐに洗うから脱いで頂戴」

ミカ「…えっ?」

メグミ(…家元、今わざと落としましたね)

風呂場

ミカ「……ひとつ聞いて良いかな?」

千代「…何かしら?」

ミカ「…服が汚れたから脱いだ…そのままじゃ風邪を引いてしまうからと、風呂を勧められたのは分からなくも無いけどね…なんで、お母さ…島田流家元とその娘が一緒に風呂にいるのかな?」

千代「…ここは島田流の屋敷よ、家のものが自宅の風呂に入るのに何の問題があるのかしら?」

ミカ「…仮にも招いた客人と一緒の時間というのはどうなのかな…」

千代「お客様とはいえ、貴女は戦車道を嗜む者…お風呂に入るふりをして島田流の情報を盗まれでもしたら一大事ですもの。見張っていないと」

ミカ「…だからって、ほかに方法は無い者かな?(…正直、この年にもなって、母親と一緒に風呂というのは…)」

千代「…直接監視するのが一番確実よ…別に、娘との時間が欲しいとかそういうのでは無いわよ。あなたの事を許してるわけじゃないんですからね」

ミカ「…まだ、何も言ってないんだけどね…」

千代「…温まったら、お帰りなさい。島田流の人間でないものをこの屋敷に長居させる訳には行きませんから」

ミカ「…そうだね、そうさせてもらうよ。…早めに離脱しないと大変なことになりそうだからね」

愛里寿「…痒いところは無い?」

ミカ「大丈夫だよ」

ミカ「…そろそろ服も乾いたんじゃないかな?」

千代「そうね…」

ミカ「じゃあ、今度こそ失礼させてもらおう。色々ご馳走様でし…」

メグミ「…隊長、送っていきます」

ミカ「…別に知らない土地じゃないんだ、一人で帰れるさ」

メグミ「…こんな豪雨の中、お一人で帰すのは、危険です」

ミカ「…豪雨?」

千代「…帰りに事故にでも会われたら困るわ、今日は特別に泊まってもいいわ。泊まっていきなさい」

ミカ「……(天候まで考えての行動とは、嵌められたね…)」

千代「……(天は味方してくれたようね…助かったわ)」

今回はここまで

千代「部屋なら、貴女……昔家に居た人が使ってた部屋が余ってるから、そこで寝てもらって構わないわ」

ミカ「…そうかい。……だけど、主の消えた部屋を残して置くのは有効な使い方なのかな?(てっきり、物置にでもされたと思ってたんだけどね)」

千代「何よ!何時か帰ってきてくれると思ってそのままにしてたのに!掃除だって二日に一回は…はっ」

ミカ「……えっ?それはどういう…」

千代「と、兎に角、部屋は綺麗だから心配は要らないわ。夜も遅いし休みましょうか」

客室(ミカの部屋)

ミカ「……変わらないね。ここだけ時が止まったままだね」

ベッドに腰かける

ミカ「……(…らしく無い。ここに居るべきでは、無いんだけどね。私は島田流から弾かれた人間、此処に要るのは許されない筈なんだけどね…… 同時に懐かしくて、離れたく無い自分が居るのも事実…)」

ポロローン

ミカ「……」

書斎

千代「……」

カリカリ

千代「……はぁ」

千代(……あの子のした事は島田流として、許される事では無い……それは変わらない。この先も家元として許す事は出来ない。それで良いのよ)

カリカリ……

千代(……もしあの時、あの子の変化に気付いてあげてたら、悩み苦しんでた時に助けてあげてたなら、結果は変わってたのかもしれない……)

千代「……家元としては正しかったのかもしれないけど、母親としては失格ね……」

今回はここまでです

トントン

ミカ「ん?」

愛里寿「…お姉ちゃん、まだ起きてる?」

ミカ「入っておいで」

ガチャ

愛里寿「…あの、お姉ちゃん…一緒に寝て良い?」

ミカ「……しょうがないね。特別だよ 」

愛里寿「やった」(パァァ)

愛里寿「お姉ちゃん///」(ダキッ)

ミカ「…相変わらず、甘えん坊だね」

愛里寿「エヘヘ」

ミカ「……ごめんね、愛里寿」

愛里寿「えっ?」

ミカ「…メグミた達を助ける為に継続に行った、その為に愛里寿に島田流のすべてを押し付けてしまった。……苦労をかけたね。姉として許される事では無い、許される事では無いけど、本当にごめんね」

愛里寿「……お姉ちゃんは、優しいから。メグミを助けに行くとは思ってた」

ミカ「……」

愛里寿「そこまでの覚悟のあるお姉ちゃんを見てたら、私もお姉ちゃんの為に出来る事しようと思ったんだ。だから、島田流を継ぐ覚悟をしたの」

ミカ「……愛里寿……」

短いですが、ここまで
みほがすっかり空気になってしまいました……

愛里寿「…だって、大好きなお姉ちゃんの為だから」

ミカ「…愛里寿」

ギュッ

ミカ「…ごめんよ…ごめんよ…」

愛里寿「…お姉ちゃん」(頭ナデナデ)

ミカ「……」

愛里寿「…落ち着いた?」

ミカ「…ありがとう。強くなったね、愛里寿」

愛里寿「…戦車でも負けないから」

ミカ「…来年が楽しみだね」

部屋の外

千代「……ハァッ…」

翌朝

愛里寿「お母様、おはようございます」

千代「おはよう、愛里寿。……昨日はよく休めたかしら?」

ミカ「…そうだね。久々にぐっすり眠れたよ」

千代「…実家なんだから、当然じゃ無いかしらね?」

ミカ「…えっ?」

千代「…家元として貴女の事を許した訳じゃない。そこは、勘違いしないで」

ミカ「……」

千代「…あくまで、愛里寿の姉としてよ」

ミカ「…姉なら居るんじゃないのかな?」

千代「…ハァッ…素直じゃ無いわね…誰に似たんだか…貴女と一緒の愛里寿を見ていたら、母親としてなら接してもいいと思っただけよ」

ミカ「…母さん…」

千代「…遅くなったけけど、お帰りなさい。ミカ」

ミカ「…っ…ただいま、母さん」

愛里寿「…お帰り、お姉ちゃん」

みほ「……よかったね、愛里寿ちゃん、ミカさん(家族かぁ…私も会いたくなったなぁ)」

千代「…色々と大変な事になってしまったけど、みほさん。今までありがとう」

みほ「いえっ、そんな…。確かに、最初に養子にされた時はどうしようかと思いましたけど、これはこれでいい経験になりましたから」

千代「…そう」

「家元、手続きの方はすべて終わりました」

千代「ご苦労様…今から貴女は私の娘じゃなく、西住みほに戻ったわ。ご苦労様でした」

みほ「はいっ」

千代「…必要な書類はここに入ってるわ。戻ったら家元によろろく伝えてちょうだい、短い間だったけど、本当にありがとう」

みほ「はいっ…愛里寿ちゃん、またね…」

愛里寿「…お姉ちゃん、もう一回やって」

ミカ「…またかい?もう5回は繰り返してるけどね…繰り返すことに意味があるとは…」

愛里寿「…グズッ…」

ミカ「……しょうがないね」

ポロローン(おいらボコだぜ)

愛里寿「♫~」

みほ「……」

千代「……嫉妬かしら?」

みほ「…いえっ、なんか二人を見てたら懐かしくなって…この年になって恥ずかしいんですけど…なんか、お姉ちゃんに甘えたくなちゃって///」

千代「フフッ…たまにはいいと思うわよ」

みほ「…そう、ですか?」

千代「えぇ。なら、早く戻った方がいいんじゃないかしら?」

みほ「はいっ。今までお世話になりました」

西住家

まほ「……見ていろ、島田流。この120mm滑腔砲で吹き飛ばしてやる」

みほ「…どうしたの?120mm砲なんか買って。何に積む気?」

まほ「そんなの、マウスあたりに強引に…み、みほ!?」

みほ「…ただいま、お姉ちゃん」

まほ「…お、お帰り」




まほ「何でここに?」

みほ「…お母さんに終わったから報告に来たの」

まほ「そうか…帰ってきたんだな」

みほ「うん。…改めてただいま」

まほ「お帰り、みほ」

まほ「…だが、お母様ならここには居ないぞ。多分、書斎に居ると…」

みほ「報告はもう済んだよ」

まほ「なら、何でこんなところに?」

みほ「お姉ちゃんを探してたから」

まほ「えっ?私を?」

みほ「うん…」

みほ「ふーっ…お姉ちゃん!」

まほ「は、はいっ!」

みほ「あ、あの…この年になってこんな事言うのも…あれなんだけど…そのー」

まほ「な、何だ?(何にもしてないよな…ま、まさか、120mm砲の件で怒ってるのか?)」

みほ「…愛里寿ちゃんとミカさんを見てたら、私も…久しぶりに…えっと、そのー…お姉ちゃんに、甘えてみたくなって…」

まほ「!!」

みほ「…この年になって…こんな事言うのも…恥ずかしいんだけど…えっと…」

ガシッ

みほ「…えっ?」

まほ「西住流に逃げるという道は無い!…受けてたとう」

みほ「…えっ?!」

まほ「行くぞ!」

みほ「…お姉ちゃん?(あっ、これはまずいパターンだ…)」

まほ「♪~♪~」

数日後 継続高校

ミッコ「お帰り…。どうしたの?えらく疲れきってるけど」

ミカ「少し寝不足なだけさ…」(ポロロロローン)

アキ「もう、夜更かしはダメだっていつも言ってるのに…何やってるのよ?」

ミカ「…ちょっとね…」

大洗女子学園

みほ「…おはようございます」

ソド子「西住さん?えらく疲れてるみたいだけど?規則正しい生活をしないと駄目よ!不規則な乱れは風紀の乱れにつながるんだから」

みほ「…わかってます…ハァッ」

ミカ&みほ(…姉妹がシスコンだと苦労するなぁ…)

養子騒動 完

養子騒動の話はこれで一応完結です。

またなんかネタが思いついたら書きます。ギャクの流れになってしまったんで次もそんな感じの話になると思います
真面目な方は需要があるようなら、外伝としてあげようかと考えてます
それでは

黒騎士の欠片もないなみぽりん

そーいや前作の魔改造パンターってどうなったの?

乙。
今回も楽しませていただきました。

そう言えば、本編にて小梅がハッピータイガーのバートルになっていたって描写がありましたが、
そちらのエピソードを書く予定はありますでしょうか?
最近ハッピータイガーを見たので、個人的に凄く見てみたいです。

>>336
魔改造パンターはエンジンが死んだので元に戻ってます

>>338
そうですね。今の所予定は無いですが、構想がまとまれば書くかもしれません

すいません。一度このスレは落とします
ネタを考えてはいたんですが、番外編となると中々思いつかなかったので。
また何かありましたら、新しく書こうと思います。もし訳ありませんでした

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