桂馬「急に訪ねてきたと思ったら何を言い出すんだお前は」

ディアナ「お姉さまも妹みんな翼があります」

ディアナ「私たちも早く翼を出さなくては！」

桂馬「いやちょっとまて」ｽﾞｲ

ディアナ「きゃあ！？ち、近づかないでください！」ﾎﾞｶ

桂馬「・・・・・・おい」

ディアナ「も、申し訳ありません」

ディアナ「キスといっても、するのは私ではありません」

桂馬「こら、勝手に話を進めるな！」

ディアナ「近づかないでくださいこのケダモノ！！」ﾄﾞｶｯ

桂馬「いて！！」

ディアナ「何度も何度も考えました・・・・・・でも」

ディアナ「やはり私にはこのような男とキスすることはできません」

桂馬「お前さっきから失礼だぞこれだからリアル女は」

ディアナ「ですから天理と、キスしてください！」ﾋﾞｼｯ

桂馬「はあ！？」

ディアナ「・・・・・・！？あう、て、天理！」ﾄﾞﾝ!

ディアナ「いいですか桂木さん何回してもかまいませんから！」ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ!

ディアナ「あ、一線は越えてはいけませんよ一線は！！許しませ」ｷｨｨｨｨﾝ

桂馬「おいこら、ディアナ！！」

天理「うう・・・・・・ごめんね、桂馬くん」ﾊｧﾊｧ

桂馬「天理か」

天理「もう、ディアナったら勝手なことばっかり言って・・・・・・気にしないで」

天理「それじゃあ私、帰るね」

桂馬「ちょっと待て」

天理「え？」

桂馬「せっかくきたんだ、今日はうちにいろよ」

天理「え、でも、迷惑じゃ」

桂馬「いいから。それとも嫌か？」

天理「う・・・・・・ううん」

１０分後

桂馬「・・・・・・」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

天理（さっきからずっとこの調子）

桂馬「・・・・・・」ﾓｰｹｲﾏｸﾝｯﾀﾗ!

天理（何か話したほうがいいのかな）

桂馬「・・・・・・」ｴ､ﾁｶﾞｳﾖｰ

天理（でも、集中してるみたいだし）

桂馬「・・・・・・」ｲｯｼｮﾆｶｴﾛ!

天理（黙って見ていよう）

桂馬「・・・・・・ココア飲むか？」

天理「え！？ええっと」

桂馬「・・・・・・」ｳﾝ!ｺｺｱﾀﾞｲｽｷ!

天理（あ、ゲームかぁ）

桂馬「・・・・・・」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

天理（やっぱり、ゲームしてる桂馬くんが一番だなあ）

桂馬「・・・・・・」ｳｰﾝﾄﾈｰ

天理「・・・・・・」

桂馬「・・・・・・」ﾔﾀﾞﾖｫｿﾝﾅﾉ!

天理「・・・・・・」

桂馬「む、なかなか」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

天理（難しいのかな）

桂馬「・・・・・・」ｷｬｰ

天理（そういえば、桂馬くんのお母さんはどこにいるんだろう）

天理（ゲーム中だしタイミングを見計らって聞いてみよう）

桂馬「・・・・・・」ﾍﾝﾀｲｶﾞｷﾀﾜｰ!

天理「・・・・・・」ｿﾜｿﾜ

桂馬「・・・・・・」ﾛｰﾄﾞﾁｭｳﾀﾞﾖ

天理（今だ！）ﾊｯ

天理「桂馬く」

桂馬「すまんちょっと待ってくれ」ｻｲｼｭｳｹｯｾﾝ!!

天理「あ、うん、ごめんね」

天理（思いっきり失敗した・・・・・・）

桂馬「・・・・・・」ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟﾋﾟｯﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｺｺｺｺ!!!!

桂馬「・・・・・・ふう」ｶｯﾀﾜ!!

桂馬「で、どうしたんだ天理」ｲﾁｼﾞﾃｲｼ

天理「あの、桂馬くんのお母さんはどこにいるのかなって」

桂馬「エルシィと二人で買出しに行った」

天理「そうなんだ・・・・・・」

天理（え、じゃあ桂馬くんと二人っきり！？）ｷﾞｮｷﾞｮ

天理（当たり前か、ディアナだって人のいるところでき、キスだなんて言わないよね）

桂馬「どうした？」

天理「ううん、なんでもないよ」ｱｾｱｾ

１時間後

桂馬「・・・・・・」ｹｲﾏｸﾝ､ﾀﾞｱｲｽｷ!

桂馬「ふう。久しぶりにいいものをみたな」

桂馬「この会社のシリーズは当たりが多い」

桂馬「天理、ココア飲むか？」

天理「・・・・・・」

桂馬「天理？」

天理「・・・・・・すぅ」

桂馬「寝てるのか・・・・・・」

２時間後

天理「ふぁぁあああ・・・・・・」

天理「あれ、私・・・・・・？」

桂馬「起きたのか」

天理「ごめんね、私寝ちゃって・・・・・・」

桂馬「別にいい、僕もゲームしてたし」

天理「そっか」

天理（あ、毛布がかかってる）

桂馬「ココア飲むか？」

天理「うん」

桂馬「・・・・・・」ｽﾞｽﾞｰ

天理「・・・・・・」ｽﾞｽﾞｰ

桂馬「ちょっと味が薄いな」

天理「おいしいよ、暖かいし」

桂馬「ココアは作らされてなかったからなあ」

天理「？」

桂馬「まあこっちの話だ」

天理「ふうん」

天理「・・・・・・」ｽﾞｽﾞｰ

天理（どうしよう、何を話せばいいかな）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

天理（桂馬くん、ゲームやめちゃったし）

天理（今はココアを飲んで場を持たせてるけど）

天理（こんなときのためにもやっぱり桂馬くんにはゲームをやっててほしいよ）

桂馬「なぁ、天理」

天理「なに？」

桂馬「どうしてディアナの翼が出ないんだと思う？」

天理「！」ﾋﾞｸ

天理「ごめんね桂馬くん、きっと私が悪いんだと思う」

桂馬「お前は悪くない」

桂馬「女神の力は宿主の愛の力によって左右されるとディアナは言ってた」

桂馬「翼は本人が出そうと思って出るものじゃない、人の心はそんなに簡単にはいかない」

桂馬「だから仮に天理が原因だとしても、天理は何も悪くないんだ」

天理「桂馬くん・・・・・・」

桂馬「体に違和感があったりするか？」

桂馬（ヴィンテージがなにか天理に仕掛けている可能性も否定できん）

天理「ううん、なにもないよ」

桂馬「そうか」

天理「どうしたら翼が出るんだろう・・・・・・」

桂馬「・・・・・・」ｳｰﾝ

桂馬「・・・・・・」ｳｰﾝ

桂馬「・・・・・・！」ﾋﾟｰﾝ

桂馬（そうか、見えたぞ・・・・・・エンディングが！）

桂馬「ひとつ思いついた手がある」

天理「本当！？私、桂馬くんのためなら何でもするよ！」

桂馬「天理・・・・・・ディアナの言ったとおり、キスしよう」ﾁｭｯ

天理「っ！？」

天理「け、桂馬く・・・・・・//////」

桂馬「出ないな」ﾁｭｯ

天理（ま、また！？）

桂馬「・・・・・・」ﾁｭｯ

天理「うう//////」ﾁｭｯ

桂馬「翼が出るまでやるぞ」ﾁｭｯ

天理「ええっ！？」ﾁｭｯ

５分後

天理（もう何回キスしたかな・・・・・・//////）ﾁｭｯ

桂馬（さすがに恥ずかしいな、これ）ﾁｭｯ

天理「桂馬くん、も、もう無理だよ、んっ」ﾁｭｯ

桂馬（そろそろ頃合か）

天理「～～～っ//////」

桂馬「・・・・・・」ﾋﾟﾀｯ

天理「・・・・・・？桂馬くん？」ﾊｧﾊｧ

天理（終わりかな、結局翼は出なかったな）

桂馬「天理、お前には欲がない」

天理「え？」ﾊｧﾊｧ

天理（まだ頭がくらくらしてる・・・・・・）

桂馬「翼が出ないのはきっとそれが原因だ」

桂馬「好きな相手と、もっとアレをしたい、コレをしたい」

桂馬「そういう欲がとめられないのを恋というんだと僕は思う」

桂馬「例えば・・・・・・今みたいにこんなにたくさんキスをしていても、まだしたいと思うのが恋だ」

桂馬「でもお前にはそれがないように見える」

天理「・・・・・・っ！」

桂馬「いや違うな、あるのにそれを隠してるんだ」

天理「そんなことっ」

桂馬「ない、って？それは本当に恋なのか？」

桂馬「まだキスしたいのか、したくないのか、どっちなんだ！？」

天理「・・・・・・」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

天理「・・・・・・」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

天理「・・・・・・っ」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

天理「け、け、桂馬くんっ」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

天理「もっ」

桂馬「も？」

天理「もう一度だけ・・・・・・」



ﾊﾞｻｧ

天理「・・・・・・あ」ﾌﾜ

桂馬「翼が出た！」ﾊﾟｧ

天理（じゃあ、これでもうお終い、か）

桂馬「天理」

天理「え？」

ﾁｭｳ

天理「・・・・・・」ﾎﾟｶｰﾝ

桂馬「もう一度、って言ってただろ」ﾌｲ

天理「」ﾊﾞﾀﾝ

桂馬「おい、天理！？」

天理「」ｷｭｰ

桂馬「天理、大丈夫か、天理！！」ﾕｻﾕｻ

天理「」ｷｨｨｨｨﾝ

ディアナ「天理は今のショックで再起不能です」

桂馬「このやり取り前にもしたな」

桂馬「ショックって・・・・・・さんざんキスしたろ」

ディアナ「最後のキスは天理にとって特別な意味があったんですよ」ｸｽ

ディアナ「・・・・・・」ﾄﾞｶ

桂馬「いてっ！いきなり何するんだ、お前は！！」

ディアナ「一回は殴らないと私の気が済みません」

ディアナ「あんなに何回もキスして・・・・・・」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

桂馬「何回してもかまわないって言ってたじゃないか」

ディアナ「限度があります！！」

桂馬「仕方ないだろ、翼を出すにはあれが一番よかったんだ」

桂馬「あいつは、欲がなさ過ぎる」

桂馬「恋に必要なのは、相手を思う気持ちと欲だ」

桂馬「今まで後者が圧倒的に足りてなかったんだ、たぶん」

ディアナ「言ってて恥ずかしくないですか？」

桂馬「お前だって愛の力がどうとかいってるだろ！」

ディアナ「それにしても私は、本当に迷惑な存在です」

桂馬「やっと自覚したか」

ディアナ「・・・・・・」ﾎﾞｶ

桂馬「いて」

ディアナ「欲のない、相手をただ見守るだけの愛・・・・・・」

ディアナ「それは気高く美しい、愛の形のひとつです」

ディアナ「でも私の力のために、天理はその形を選べない」

ディアナ「私は天理の自由を奪ってばかりです」ｼｭﾝ

桂馬「・・・・・・」

桂馬「確かにお前のせいで、あいつの選択肢は大幅に削られてる」

ディアナ「・・・・・・」ｼｭﾝ

桂馬「でも、天理は明るくなったな」

ディアナ「・・・・・・！」

桂馬「前はもっと下を向いていて、ぼそぼそ喋るやつだった」

桂馬（まあ、うろ覚えだけど）

桂馬「あいつが変わったのはディアナ、お前のおかげだ」

ディアナ「桂木さん・・・・・・」

ディアナ「ふふ、ありがとうございます」ﾆｺ