【咲】久「ライアーゲームですって!」 (72)

和「なんですか…突然」

優希「ライアーゲームってドラマの…?」

咲「原作は漫画でしたっけ」

久「そうそう、明日IHベスト8の代表者でレクリエーションとして開催するんですって」

まこ「うちではあんたしか興味ないから行ってきんさい」

久「そうさせてもらうわ」ニコニコ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454675520

[会場]
久(参加者は私、末原さん、ネリーちゃん、真屋さん、松実さんの妹さん、弘世さん、二条さん、白水さんか…)

仮面「皆さん揃ったので、早速ルールを説明しまーす☆」ハヤッ

久(どこかで聞いた声ね…)

[観戦室]
穏乃「和…っ!また会えたね」

和「穏乃に憧…レクリエーションの裏でベスト8の親睦会があるとは知りませんでした」

憧「私たちも。玄には悪いことしちゃったな…」

晴絵(こういうのに一番向いてるのは憧だろうに…玄は大丈夫かな)

[会場]
玄(有珠山の真屋さんに仮面の人もおもち…)

仮面「皆さんにはお金を賭けて騙しあってもらいまーす☆…と言っても、実際にはお金のやり取りは一切なくて、雰囲気作りのためですけど」

仮面「まずは皆さんこの箱の中のプレートを一人一枚引いてください☆」

玄「なんだろう、このプレート…『5』?」

泉「ウチは『0』か」

末原(仮面がプレートの数字が公開情報とは言っとらんのに自分から洩らすのは感心できへんな)

仮面「心配しなくても、これは公開情報だよ?☆末原さん」

末原(…よくウチの考えとること分かったな。そう言えばはやりんは頭良かったんやっけ)

仮面「じゃあ数字が0の人から教えてください☆」

泉「ウチが0でしたわ」

哩「1やけん」

菫「2だ」

由輝子「3でした」

ネリー「4だよ」

玄「5です」

末原「6でした」

久「私が残りの7」

仮面「これが皆さんの第1ピリオドでのナンバーになります☆」

仮面「ピリオドは第1から第8まであってピリオドが変わるごとにナンバーは一つずつ増えます☆ただし7の次は0です☆」

仮面「つまり松実さんならナンバーは第1から第8ピリオドまでで、56701234と変化します☆」

仮面「今から皆さんに行っていただくゲームは、名付けて『再分配ゲーム』です☆」

末原(えらく安直な名前やな)

仮面「ちなみにこんなゲームは原作にはありません☆」

仮面「各ピリオドの最初に皆さんに一枚ずつ投票用紙を配ります☆この用紙はそのピリオドに限り有効です☆」

仮面「用紙には『加算』『非加算』という文字が両方書かれているのですが、どちらかに印を付けて各ピリオドである一時間以内に投票してください☆」

仮面「皆さんはマイナス1億からスタートします☆各ピリオドの最後に皆さんから投票された用紙の内で『加算』の文字に印のつけられたものの枚数と自身のナンバーが一致した参加者に1億が与えられます☆ただし、『加算』が8枚の場合は全員に1250万ずつ分配されます☆投票用紙の売買・譲渡は可能です☆」

仮面「ピリオドは8回あるので均等に分配されれば全員がプラスマイナスゼロで終われますね☆」

仮面「会場には契約書の用紙と今回の仮想通貨用の小切手、飲食物と雀卓があります☆ご自由にお使いください☆」

仮面「質問が無いようなので、第1ピリオドスタートですっ☆!」

末原(早速かいな…)

ネリー(今回のネリーのナンバーは4。このゲームはよっぽどのことがないかぎり、ナンバー4の人間が勝つだろうから、この回は安心かな)

[観戦室]
憧「どう思う…?和」

和「ナンバー0から3の人はまず投票で非加算に入れます。一方4から7の人は加算に入れるでしょう」

咲「と、なると…勝つのは毎回ナンバー4だね」

和「仮に番狂わせがあるとしてもナンバーが3か5の人だけ。でもその人にも一人では打つ手がない」

[会場]
末原(これはナンバー4が回って来るのを待つゲームやと、恐らくここの半分くらいはそう思っとるやろ)

末原(これはそんな単純なゲームやない。今回ナンバー6のウチにも勝ち目は存在するってこと見せたるわ)

感想なり展開予想なり書いてくれれば嬉しいです

・第1ピリオド開始20分後
末原「ネリーさん、ウチに投票用紙売ってもらいたいんやけど」

ネリー「はぁ?ナンバー4がどうしてナンバー6に用紙を売らなきゃならないの?」

末原「そうか~残念やわ。協力してくれへんなら、この『5枚』の用紙を『加算』に入れなあかんなぁ」ヒラヒラ

ネリー「何で5枚も用紙を…?」
ネリー(マズ…本当に5枚加算に入れられたら折角のナンバー4が流れちゃうよ…5枚…?)

ネリー「末原っ、お前…!」

末原「気付いたか、からくりに」

・第1ピリオド開始5~20分までの話
末原「二条さん、用紙売ってもらいたいんやけど。今回ウチは加算に入れるつもりやし、いずれにせよナンバー0の二条さんの勝ち目はほぼないやろ?」

二条「説明せんでもらわんとも、わかりますよ。今回ウチの勝ち目はないから用紙を売って金に変えた方がマシってことですよね。で、いくらです?」

末原「500万やな」

二条「やっす…でもまぁ、勝率は5%無いですし、期待値的には間違ってませんね。お願いします」

末原「おーきに」


末原「白水さん、用紙売ってもらいたいんやけど…ウチは二枚加算に入れるつもりやし、いずれにせよ今回のお宅の勝ち目は…、そう500万で」


末原「弘世さん、ウチ今3枚用紙を…」

末原「真屋さん、ウチ今4枚用紙を…」

・第1ピリオド開始から25分後
末原「毎度あり」

ネリー「ぐぬぬ…」


玄「500万で私のを買い取ってくれるんですね?」

末原「そうや」


末原(こうしてウチの手元に7枚もの用紙が集まった。買収費用は500万×6。安上がりな方だろう。ただ、ここまで上手くいくものかと自分に酔う暇もなく自分のとんでもないミスに気がついた)

・第1ピリオド開始から30分後
末原「…竹井さん、いくらで売ってくれます?」

久「末原さんから値段を言ってもらえるかしら」

末原「ごひゃ…2000万でどうです?(こいつ、絶対つり上げる気や。3000万ですめばいいなぁ。枚数のトリック関係なしにこの人から買収し始めるべきやったな。この人ウチが買収で金使って後戻り出来ないの分かってやっとる)」

久「話にならないわね。一旦状況を整理してみましょう」

久「まず、末原さんは7枚の用紙の内で加算するのは5枚か6枚。私も加算するしないを選択できるから計4パターンの場合わけができるわね」

久「末原さんが5枚加算なら、私が加算するしないで勝者が末原さんか松実さんかに変わる。6枚なら私か末原さんかに変わる。」

久「私と末原さんの駆け引きの結果完全なランダムになるとしたら、末原さんが1億手にする確率は50%。すでに末原さんは…取引の様子を見ていた限り3000万かしら?使っているんだから、このピリオドでの収支の期待値はプラスの2000万に過ぎない。」

久「そう考えると、私に5000万渡すのが期待値的には適正。50%で今回のピリオドの収支はマイナスの3000万になるわけだし。末原さんは期待値が同じなら安心な方が好きなタイプでしょ?」

末原(完全に正解や…でもこのピリオドでの収支がウチがプラス2000万、竹井さんがプラス5000万ってのが正直癪やな。さて…どないしよか)

・第1ピリオド開始から40分後
久「松実さん、ちょっといいかしら?」

玄「(和ちゃんの所の…)はい、なんでしょう?」

久「いい儲け話があるんだけど」

玄「?」


久「カクカクシカジカ」

玄「四角いムーブ…末原さんが1億を手にできるのは50%ってところまで分かりました」

久「そこでね、今大注目の私の投票用紙を松実さんに6000万で買ってもらいたいのよ」

玄「(私、自分の用紙500万で売っちゃったの失敗だったかな…)6000万?これはとてもとても。そもそもどうして私に売るんですか?」

久「さっき50%って話をしたけれど、それは完全にランダムの場合。つまり、私が利益度外視で末原さんの妨害をした場合ね」

久「末原さんは私が投票で加算に入れると今頃確信しているでしょうね」

玄「あぁ、竹井さんが非加算なら賞金の受け取りは私か末原さんで竹井さんにメリットがないからですね」

久「それを逆手に取る。松実さんが用紙を私から6000万で買ったとする」

久「当然松実さんは非加算に入れるわね。このとき末原さんによる加算が5枚なら松実さんのこのピリオドでの収支はプラスの4500万。6枚ならマイナスの5500万」

玄「あれ、これだと私損しませんか?」

久「多分しないわよ。末原さんは私が加算に入れるのと思って、加算を5枚入れてくるわよね?」

玄「なるほどなるほど~つまり実際には私の収支はプラスの4500万になる可能性の方がずっと高いってわけですね?その話、乗ります!」

仮面「全員の投票が終了しましたので第1ピリオドの投票結果を発表しまーす☆」

仮面「今回の勝者は…ドゥルルルルル…」

玄(ナンバーが5なら私、6なら末原さん。でもナンバー5の方が確率は高いはず…)

仮面「バン☆!ナンバー6☆!末原さん、おめでとう☆!」

玄「あ、あぁ…」

久「ごめんなさいね、松実さん」

玄「いえ、リスクは承知でしたので」

末原(ウチの収支は『契約書』のおかげで、ナンバーがどう転ぼうと確定しとったから、特に感慨はないな…)

・第1ピリオド開始から35分後の話
久「売価は5000万ね」

末原「もう少しまけてくれませんか、竹井さん」

久「そうねぇ…いいこと思いついた!4000万、4000万で勝たせてあげるわよ。ただし投票用紙は売れないけど」

末原「どういうことです」

久「待ってね…今契約書を書くわ。はい、これ。サインしてもらえるかしら」

・契約書
1,末原恭子は第1ピリオドで加算を6枚入れる
2,第1ピリオドの勝利ナンバーが6であれば、末原恭子は竹井久に4000万支払う
3,第1ピリオドの勝利ナンバーが6でなければ竹井久は末原恭子に6000万支払う
4,末原恭子は第1ピリオドの間他の参加者と接触してはならない

末原(なんやこれ…確かにウチはナンバーがいくつであろうとプラスの3000万で終わる。契約した方が得やな、これが罠でなければ)

末原「なんか悪いこと企んどりませんか、竹井さん」

久「悪いことなんてしないわよ…、末原さんにはね(…ターゲットは松実さんだから)」

[観戦室]
憧「あちゃー」

和「部長が玄さんを嵌めましたね」

穏乃(よく分からない…)


洋榎「セーラ、後輩を出させて恥ずかしないんか」

セーラ「泉はウチの見込んだ後輩やぞ、あいつでも一人浮きで帰って来るわ」

洋榎「ほーん、やとええな(明らかに一人ヤバイのが混じっとんで…気ぃ付けや恭子)」

・第1ピリオド終了時収支
未分配金 7億

久 プラスマイナス0

末原 マイナス7000万

玄 マイナス1億5500万

他5名 マイナス9500万

[会場]
仮面「それでは第2ピリオドスタート☆」

末原(前回の反省も踏まえて動くのはよしとこか)

久(今回はナンバー0だし、仕掛けるメリットも薄いわね。ひとまず静観ね)

由暉子(折角のナンバー4、是非ともものにしたいですね)

由暉子(前回は末原さんのせいでネリーさんがナンバー4でありながら1億を逃している。ナンバー4だからといって何も手を打たないのは得策ではないでしょうね)

由暉子(ナンバー0,1,2,6,7の竹井さん、二条さん、白水さん、松実さん、末原さんからそれぞれ500万で用紙を買い取りました)

由暉子(これで私の持っている用紙は計6枚。残りの2枚はナンバー3の弘世さんと5のネリーさんのもの。この二人には勝ちの目がありますから、そう易々と売ってくれないでしょうし)

由暉子(順当に考えれば、弘世さんは非加算、ネリーさんは加算だから私は3枚加算に入れればいい)

由暉子(でも私が動き回ったせいで、二人は私が6枚の用紙を持っていることに気が付いているでしょう)

菫・ネリー「…」ヒソヒソ

由暉子(そしてどうやら単純に動いてくれるつもりは無さそうです)

由暉子(考えられるパターンは二人が共に加算の場合、一人のみが加算の場合、二人とも非加算の場合です)

由暉子(二人が私の目論見を外すために動くとすれば、二人とも加算あるいは非加算に入れることでしょうね。賞金をもらった方はもう一人に山分けするような契約を結ぶでしょう)

由暉子(と、なれば二人が加算に入れるのか非加算に入れるのか当てなくてはなりませんね)

由暉子(この話を持ち掛けたのは、恐らく弘世さん。この話を切り出す際、『君に賞金を半分渡すから、私を勝たせてくれないか』と頼むより、『君を勝たせてあげるから、賞金を半分分けてもらえないか』と頼むほうが自然。いくら契約があるとはいえ、心理的に賞金をもらって分け与える方が安心しますからね)

由暉子(よって私の推論では二人の投票は共に加算。私の入れるべき加算の枚数は2枚です)

由暉子(これらは何一つ確たる根拠のない推論です。二人は何も考えずに、あるいは私のさらに裏をかいて加算を2枚入れない可能性も大きい)

由暉子(それでも私はこの一点読みに賭けてみることにします)


仮面「第2ピリオド終了ですっ☆!」

菫(さて…どうなるかな)

ネリー「…」

由輝子「…」

仮面「今回の勝者は…」

仮面「バン☆!ナンバー4☆!真屋さん、おめでとう☆!」

由暉子(やった…!)


[観戦室]
爽「やった…!ユキが勝った!」

成香「素敵ですっ」

誓子「なかなか危なかったわよね…」

揺杏「とにかくこれでユキが一位に近付いたね」

・第2ピリオド終了時収支
未分配金 6億

久 プラス500万

由輝子 マイナス2000万

末原 マイナス6500万

二条・白水 マイナス9000万

菫・ネリー マイナス9500万

玄 マイナス1億5000万

[会場]
仮面「それでは第3ピリオドスタートですっ☆!」

久(さてと…第2ピリオドの内に作戦立て終わったし、行動開始しましょう)

久「二条さん、白水さん、弘世さん、ちょっといいかしら?」

泉・哩・菫「?」

久「私たちで同盟を組まない?」

泉「同盟?」

久「そう!ここにいる四人は今回のナンバーが1~4。私達で結託して賞金を受け取って、山分けするのよ」

菫「具体的には?」

久「このピリオド私達四人は全員非加算に入れる。そうすればナンバー5,6,7を含む残りの四人が全員非加算に入れるなんて事態が起こらない限り、2500万を山分け出来るわ」

哩「なるほど」

久「そしてこの同盟が有効なのは何もこのピリオドだけじゃない」

久「次の第4ピリオド、私達のナンバーは2~5だけど、私と二条さんが非加算で白水さんと弘世さんが加算に入れたとする。この場合もナンバー0,1を含む残り四人が全員加算に入れない限り私達で賞金を山分け出来る」

久「第5ピリオドでも私だけ加算、お三方は非加算に入れてくれれば、ナンバー0,1,2を含む残り四人全員が加算に入れない限り勝てるわ」

久「第6ピリオドでは私達は全員加算に入れる。ナンバー0,1,2,3が全員加算に入れるなんてことにならない限りここも勝てる。もっともここは最悪のパターンでも全員1250万もらえるんだけど」

久「第7ピリオドでも引き続き私達は全員加算に入れる。このピリオドは他に比べれば危険だけど、それでもまだ大丈夫」

久「ただ、第8ピリオドだけは本当に同盟として手の打ちようがないから、この同盟は第7ピリオドまでのものにしましょう」

久「ひとまずリスクだけ挙げてみたものの、これからの6回の投票の内で2500万を5回受け取れるって考えれば、魅力的な提案だと思うのだけど、どうかしら?」

泉「乗らせてください!」
菫「よろしく頼む」
哩「ぜひ」

久「これで交渉成立ね。じゃあ、この契約書にサインしてもらえるかしら」

・契約書
1,第3ピリオドから第7ピリオドまでの間、事前に取り決められた通りに投票をおこなうこと

2,四人の内で誰が何度賞金を受け取ろうとも、受取人は2500万ずつ分配すること

3,契約の違反者はすぐさま契約を停止し、残りの三人に5000万ずつ支払うこと

菫(違約金が5000万…?十分大金とはいえ、予想していたよりも少ないな。違約金など十億、百億とつり上げて、裏切りを防止してもいいだろうに)

菫(この場合、もっとも警戒すべきは提案者である竹井だが、彼女に裏切るメリットがあるとも思えないな)

菫(3,4ピリオドという早期に裏切られたとしても、私個人に5000万支払われれば後半のゲームを有利に進められる。6,7ピリオドという後半に裏切られたところで、逆に言えばそこまでは裏切られないのだから、作戦の利益を享受したあとで大ボーナスを受け取れる)

菫(そもそも、裏切るといっても彼女自信の投票も契約によって拘束されているのだから裏切りようがない)

菫(それに一人に対して5000万は中途半端な金額に思えるが、三人に払えば計1億5000万だ。わざわざ同盟を作って勝手に壊すのに1億5000万かけるメリットなんてどこにもない。…ふっ、考えすぎだな)

仮面「第3ピリオド終了ですっ☆!さぁて、今回の勝者は…」

泉(順当にいけばナンバー1~4のうちらの誰かになるはずや)

仮面「バン☆ナンバー3☆白水さん、おめでとう☆!」

泉(これでウチも2500万ゲット。作戦は順調やな…)

・第3ピリオド終了時収支
未分配金 5億

久 プラス3000万

由暉子 マイナス2000万

末原・二条・白水 マイナス6500万

菫 マイナス7000万

ネリー マイナス9500万

玄 マイナス1億5000万

[観戦室]
亦野「これで弘世先輩も安泰ですね!」

淡「菫先輩にお友達が出来たようで私は嬉しいです!」

尭深「…淡ちゃん?」

照(…菫、竹井さんには気を付けて)

照(彼女は恐らく何か企んでる)


怜「あー、あかんわ。泉、これは不味いで」

竜華「また怜は一巡先見とるんか。…って、どうして泉がヤバいん?全参加者の中でも今かなり恵まれた位置にあると思うで」

竜華「このまま竹井さんの同盟に乗っかればプラス収支はまず間違いなし。最終ピリオドで竹井さんと白水さんを出し抜けば、一位も夢やないで?」

船Q「…まぁ、『可能性』としては存在しますね」

怜「まぁ、そうなればええなぁ」

[会場]
仮面「それでは第4ピリオドスタートですっ☆!」

末原(第3ピリオドの結果を聞いて確信したけど、竹井~弘世の四人組は恐らく組んどるな。これに対する最善の策は残りの四人ウチ・ネリー・松実・真屋で同盟をつくること)

末原(竹井同盟に気が付いてるのは当人らを除けばウチだけやろうから、ウチが結成すべきなんやろうけど、気が引けるなぁ)

久「真屋さん、ネリーさん、松実さん、末原さん、ちょっといいかしら?…っていうのも同盟を組まない?」

由暉子・ネリー・玄「?」

末原「!?」

泉・哩・菫「!?」

久「私達5人で同盟を作れば、確実にこのゲームに勝てるわ!」

玄「同盟っていうのは…?」

久「私は残りの二条さん、白水さん、弘世さんの4~7ピリオドの確定した投票先をしっているわ。それを使えば…」

泉「ちょっ…ちょっと待ってください!竹井さん、あなたウチらと同盟組んでるんじゃ!?」

久「心配しなくても組んでるわよ?別に私悪いことしてないわよ。契約にはあなたたちの投票先を教えてはいけないなんて書いてないし、別の同盟を組んじゃいけないなんて書いてない」

ネリー「それで?どうすればいいの?」

久「例えばこのピリオド。私と二条さんは非加算、白水さんと弘世さんは加算に入れるよう事前に契約されている。そこで私を含めて残り5人で同盟をくんで、私以外は加算に入れる。すると…」

末原「…ナンバー6、つまり真屋さんが勝利するから2000万ずつ分配すると」

久「流石末原さん!理解が速いわね。この要領で弘世さんたちの同盟の裏をかき続ける。もうあっちは契約で投票先が決まっている以上、変えようがないからね」

久「こうすれば第4,5,7ピリオドで勝利。第6ピリオドのみ1250万の分配、第8ピリオドは向こうの契約の拘束こそ切れるけど、私達5人が結託している以上向こうの勝ち目はないからここでも勝てるわ。どう?乗ってくれるかしら?…四人とも異論は無いようね。じゃあ、これが契約書だから」

・契約書
1,第4ピリオドから第8ピリオドまでの間、事前に決められた通りに投票をおこなうこと

2,五人の内で誰が何度賞金を受け取ろうとも、受取人は2000万ずつ分配すること

3,契約の違反者はすぐさま契約を停止し、残りの四人に1億ずつ支払うこと

哩「弘世さん、何か打つ手はなかとですか」

菫「…1つもない、竹井のやってることを止める方法は」

菫「竹井のやろうとしていることは、私達が話していた『絶対にあり得ないはずの投票パターン』の完全再現だ」

菫「私達の投票がすでに拘束されている以上、手にできる賞金は第6ピリオドのおこぼれの1250万のみ」

泉「そんな…そうだ!でも、竹井さんのこちらのグループへの支払い義務がなくなった訳ではないです!竹井さんが1億手にすれば、あちらのグループメンバーに計8000万、こちらに7500万の支払い義務が生じますよね?これでは竹井さんが赤字ですよ!」

菫「第4~8ピリオドであっちがどう動くか考えてみろ。第4ピリオドは受取人は真屋、第5ピリオドでも真屋、第6ピリオドは確かに竹井にした方があちらのメンバーにとっては得だが竹井は加算8での1250万分配で押し通すだろう。あちらの同盟にとっては私達の投票先を知っている仏様竹井様だろうから」

菫「第7ピリオドは受取人は末原、第8ピリオドの受取人はちょうど竹井以外の誰かにできる」

泉「そんな…」

久「あら?こっちは随分辛気臭い話してるみたいね」

哩「何しに来た…?」

久「そう邪険にしないでよ。こっちはいい話を持って来てるんだから」

菫「いい話…?」

久「そ!多分こっちでは『8人全員の投票が拘束されている以上、これからのピリオドで私達の手にできる賞金は1250万だけだ…』とか言ってるんでしょうけど、あなた方が状況を打開する方法は存在するわよ?」

菫「……そうか、だからあんなに少額だったのか。お前は最初からこれを狙って私達に近付いた…」

哩「一体何の話を…?」

菫「私達の同盟の違約金だ。てっきり私は竹井は自分が裏切るために違約金を比較的少額にしたのかと思っていたが、そんなメリットは見つからなかった。…当然だな、これは『私達を契約から離脱させる際に搾取する口実』だったのだから」

久「大正解よ、弘世さん。これからあなた方が何もしなければ、確かに手にできるのは1250万だけ。でも契約を破棄したら…?」

泉「待った、契約を破棄って軽々しく言うとりますけど、違約金は5000万×3ですよ?黙って負けた方がはるかに損害は少ない」

哩「いや、違うな」

菫「私達3人で離脱すれば二人ぶんの違約金を相殺出来る。もっともそれで相殺出来ない分…」

久「私に入る3人分、1億5000万が当初からの私の狙いだったのよね」

菫「契約を破棄した場合、今度は私達がもう1つの同盟の裏をかくように投票出来るわけだ。幸い、あっちの投票パターンは私達の元々のパターンの裏をかいたものだから既に分かっている…」

久「それでも大逆転は出来ないけどね。あなた方に出来るのはこの第4ピリオドと第5ピリオドを取り戻すだけ」

久「まぁ、それでも破棄しなかった場合に比べて賞金三等分の3333万×2-違約金5000万で約1666万だけ得ね」

菫「…仕方ない。二条、白水このピリオドで契約を破棄してでも賞金をとるぞ」

泉「話の理解が追い付いていないんですけど、今回ウチはどう投票すればええんです?」

菫「竹井が説明していたように、今回あっちの四人は真屋を勝たせるべく、全員加算に入れる。二条は元々と同じで非加算に入れてくれ。今回私と白水は加算に入れる手筈だったが、これを非加算にすることで…」

哩「賞金はナンバー4…つまり私が受け取れる」

泉「なるほど」

菫「じゃあ、投票を済ませてしまおうか」

仮面「第4ピリオド終了ですっ☆!さぁて、今回の勝者は…」

仮面「バン☆ナンバー4☆またまた白水さん、おめでとう☆!」

末原「3人の投票先が変わった…?」

久「大丈夫よ、末原さん。これは想定内のことだから」

・第4ピリオド終了時収支
未分配金 4億

久 プラス1億8000万

由暉子 マイナス2000万

末原 マイナス6500万

二条・白水 マイナス8167万

菫 マイナス8666万

ネリー マイナス9500万

玄 マイナス1億5000万

[観戦室]
竜華「あちゃー、怜の言うとった通りになってしもたなぁ。船Q、泉の最終収支はいくらになりそうなん?」

船Q「今現在がマイナス8167万、第5ピリオドでも新・竹井同盟の裏をかけますから3333万の収入。第6ピリオドでは1250万の分配の収入が入りますが、以降はどう足掻いても収入は入りませんので、マイナス3584万が濃厚ですね」

竜華「マイナスに転落してもうたか、でもまぁ軽いマイナスでよかったな」

怜「ところがそうもいかないんや」

[会場]
仮面「それでは第5ピリオドスタートですっ☆」

泉「それで、今回は…?」

菫「元々は竹井が非加算、私達3人は加算に入れるはずだったピリオドだ。これの裏を書いてあちらの四人は全員加算に入れるよう拘束されているはずだ」

哩「つまり私たちの入れるべきは加算1,非加算2ばい」

菫「勝者はナンバー5、引き続き白水だ」

仮面「第5ピリオド終了ですっ☆さぁて、今回の勝者は…」

仮面「バン☆ナンバー1☆松実さん、おめでとう☆!」

泉「はぁ!?」

菫「何故だ…?あっちの投票先は結成時に拘束していたはず…」

久「やっぱり。残りの四人が全員加算に入れるなんて寝惚けたこと考えてたみたいね」

久「大はずれ。残りの四人は全員非加算よ」

久「タネ明かしをしてあげるわ。あなた方は私の吹き込んだ通りにこっちの投票先の裏をかく気まんまんだったのは目に見えていた」

久「それで私はこちらのみんなに事情を話した。そこからはあなた方と同じ手を使ったのよ」

哩「同じ手…?」

久「そう、『一度契約を円満に破棄して、相手の裏をかくように投票先を変える』ってこと」

久「こっちの場合は違約金は完全に全員分が相殺されるし」

哩「おあぁ…」

・第5ピリオド終了時収支
未分配金 3億

久 プラス2億

由暉子 プラスマイナス0

末原 マイナス4500万

ネリー マイナス7500万

二条・白水 マイナス8167万

菫 マイナス8666万

玄 マイナス1億3000万

仮面「それでは第6ピリオドスタートですっ☆!」

泉「…た、確かこのピリオドは向こうも1250万の分配にせざるを得ないピリオドですよね。これが久々の収入ですね」

菫「だといいんだがな」

泉「?」

菫「向こうが1250万の分配にしなければならなかったのは、第6ピリオドの竹井の投票が加算に拘束されていたからだ」

菫「今でこそ竹井と私達の契約は破棄されたが、第4ピリオドにもう1つの同盟を作った時点では有効だったから、その同盟の結成の際の投票先の取り決めでは竹井は自身の投票先を2つの投票の取り決めに矛盾が生じないよう、つまり私たちとの同盟での投票先に合わせる必要があった」

菫「だから私たちは第6ピリオドピリオドの竹井の投票先が加算だと確信していたんだ」

哩「ところが第5ピリオド」

菫「竹井は私達3人との同盟が破棄されているから、私達との同盟での投票の取り決めを守る必要がなくなった。そう、第5ピリオドでのあっちの同盟の投票先変更、このとき竹井は自身の投票先を非加算に変更しているだろう」

仮面「それでは第6ピリオドスタートですっ☆!」

泉「…た、確かこのピリオドは向こうも1250万の分配にせざるを得ないピリオドですよね。これが久々の収入ですね」

菫「だといいんだがな」

泉「?」

菫「向こうが1250万の分配にしなければならなかったのは、第6ピリオドの竹井の投票が加算に拘束されていたからだ」

菫「今でこそ竹井と私達の契約は破棄されたが、第4ピリオドにもう1つの同盟を作った時点では有効だったから、その同盟の結成の際の投票先の取り決めでは竹井は自身の投票先を2つの投票の取り決めに矛盾が生じないよう、つまり私たちとの同盟での投票先に合わせる必要があった」

菫「だから私たちは第6ピリオドピリオドの竹井の投票先が加算だと確信していたんだ」

哩「ところが第5ピリオド」

菫「竹井は私達3人との同盟が破棄されているから、私達との同盟での投票の取り決めを守る必要がなくなった。そう、第5ピリオドでのあっちの同盟の投票先変更、このとき竹井は自身の投票先を非加算に変更しているだろう」

泉「つまり…?」

菫「私達3人以外の投票先は竹井も含め、全員非加算にしてくるはずだ。そうすれば私達がいくつ加算に入れようと確実にあっちが勝つ」

哩「竹井さんはナンバーは4だから、わざと私達で勝たせることも出来ない」

泉「そんな…」

仮面「第6ピリオド終了ですっ☆!さぁて、今回の勝者は…」

仮面「バン☆ナンバー3☆末原さん、おめでとう☆!」

・第6ピリオド終了時収支
未分配金 2億

久 プラス2億2000万

由暉子 プラス2000万

末原 マイナス2500万

ネリー マイナス5500万

二条・白水 マイナス8167万

菫 マイナス8666万

玄 マイナス1億1000万

仮面「いよいよ、大詰めっ☆それでは第7ピリオドスタートですっ☆」

泉「それで今回は…?」

菫「向こうは一人が加算、四人が非加算だろうな」

哩「竹井さんのナンバーは5だから今回も当てられない」

泉「詰んでますね」

仮面「第7ピリオド終了ですっ☆!さぁて、今回の勝者は…」

仮面「バン☆ナンバー3☆松実さん、おめでとう☆!」

・第7ピリオド終了時収支
未分配金 1億

久 プラス2億4000万

由暉子 プラス4000万

末原 マイナス500万

ネリー マイナス3500万

二条・白水 マイナス8167万

菫 マイナス8666万

玄 マイナス9000万

仮面「泣いても笑ってもこれが最後☆それでは第8ピリオドスタートですっ☆」

泉「…今回もダメですか」

菫「あぁ。向こうは加算2、非加算3でこちらがどう足掻いても勝てない」

哩「三麻でも打つか」

仮面「これにて第8ピリオドも終了ですっ☆!さぁて、最後の勝者は…」

仮面「バン☆ナンバー5☆末原さん、おめでとう☆!」

仮面「以上でゲーム終了ですっ☆それでは結果発表に参りますっ☆」

仮面「それでは第8位!☆弘世菫さんっ☆!収支は…マイナス8666万ですっ☆!」

久(8億も分配されたのにほとんど原点から変わってないじゃない)

仮面「お次は同率6位☆!二条泉さんと白水哩さんっ☆!収支は…共にマイナス8167万☆!」

仮面「お次は第5位☆!松実玄さんっ☆!収支は…マイナス7000万☆!」

仮面「松実さんは第1ピリオドで竹井さんにダマさ…なんでもない☆とにかく第1ピリオドから第7ピリオドまでずっと8位でしたが、第8ピリオドで一挙3人抜きしましたっ☆!」

仮面「お次は第4位☆!ネリーさんっ☆!収支は…マイナス1500万☆!」

ネリー「ふんっ」

仮面「ここからはベストスリーの発表ですっ☆!全員がプラス収支ですよ☆」

仮面「第3位☆!末原恭子さんっ☆!収支は…プラス1500万☆!」

仮面「第2位☆!真屋由暉子さんっ☆!収支は…プラス6000万☆!」

由暉子(第2ピリオドが大きかったですね)

仮面「そして…圧倒的第1位は…竹井久さんっ☆!収支はなんと!プラスの2億6000万ですっ☆!」

仮面「竹井さんは一度も1億を直接受け取ってこそいませんが、全ピリオドでプラス収支☆!プラス分だけで見れば3億6000万で全分配金の45%を一人で手にしたことになりますっ☆!」

仮面「竹井さん、優勝おめでとうございます☆」

仮面「これにて完全終了ですっ☆皆さんお疲れさまでした☆!」

[観戦室]
まこ「さて…もう帰るとするか」

咲「…そうですね。帰りましょう」

優希「えっ?部長が会場から帰ってくるのを待たなきゃ…」

和「いいんですよ、ゆーき。少し反省してもらいましょう」

カンッ!

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