八幡「それでも俺は・・・ゆきのんとゆいゆいの抱き枕が欲しい(ファミレス)」 (118)

八幡「最近夜眠れなくて困ってるんだ」

戸塚「え、なんか悩み事?」

八幡「妄想が盛り上がりすぎて寝れない」

戸塚「夜ふかしは良くないよー」

八幡「そんな寝苦しい夜でも抱き枕があれば安眠できと思うんだ。かわいい女の子のイラスト付きならなお良し」

戸塚「あー・・・あの女の子がちょっとはだけてるやつね!」

八幡「ゆきのんとかゆいゆいの抱き枕カバー出ないかな・・・。白のスク水とかがいいな」



雪ノ下「・・・」

由比ヶ浜「・・・」



戸塚「いや売ってないでしょ・・・」

八幡「と、思うだろ?ひょっとしたらあるんじゃねって思ってググってみたんだよ。"雪ノ下雪乃 抱き枕""由比ヶ浜結衣 抱き枕""戸塚彩加 抱き枕"で」

戸塚「ちょっと!どさくさに紛れて僕のも検索するのやめてよ!」

八幡「そうしたらな・・・」

戸塚「えっ・・・あるの?!」

八幡「なかった・・・」

戸塚「だよねー」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445166657

モニタールーム

由比ヶ浜「抱き枕って、そんなのある訳無いじゃん。しょうがないなヒッキーは///」

雪ノ下「エロヶ谷君はホントにもう・・・///」

平塚「だがまあ男子高校生の猥談にしては健全な部類だぞ。許してやりたまえ」

由比ヶ浜「はーい///」

雪ノ下「わかりました///」

このSSは

八幡「戸塚とファミレス」
八幡「戸塚とファミレス」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432541968/l50)

八幡「ファミレスにてテンションMAXで女の子のかわいさを語る」
八幡「ファミレスにてテンションMAXで女の子のかわいさを語る」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433405457/l50)

八幡「ファミレスに来ると女の子の魅力を語りたくなる病気かな?(病気)」
八幡「ファミレスに来ると女の子の魅力を語りたくなる病気かな?(病気)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436518808/)

の続編です

続編か
期待します

よっしゃ

スレタイでなんとなく分かった
待ってるぜ

待ってた

まだ続きあったのかこのシリーズwww
期待しかない

ファミレス

戸塚「どう?最近の奉仕部は」

八幡「相変わらず気まずいんだよなこれが、全く誰のせいでこんなことになったのやら」



雪ノ下(あなたでしょ・・・)



八幡「前までゆきのんとゆいゆいの好感度ゲージマックスで、『ほうしぶ!』的なガチゆりマンガみたいな感じになりそうだったのに」

戸塚「ガチゆりって、それはないないナイアガラだよ。でもいいなぁ」

八幡「いろはすもいるしな。もう3人で同じブランケットに入っちゃったりして」

戸塚「仲良しだね~」

八幡「もうちょっと大きいブランケットだったらな」

戸塚「八幡も入るつもりだったの?!」

八幡「あの頃の奉仕部に早く戻らないかな~。こんな感じの・・・」



ホワワワーン



──────
───


八幡「なあ、雪ノ下。俺がトイレ言ってる間にしおりの位置変えてないか?」

雪ノ下「比企谷君。私がそんな幼稚ないたずらをすると思っているとしたら心外なのだけれど」

八幡「由比ヶ浜・・・」チラ

由比ヶ浜「・・・」ドキドキソワソワ

八幡「お前か・・・」

由比ヶ浜「ごめんねヒッキーつい出来心で」テヘ

八幡「ふざけんな・・・、酷いネタバレじゃねえかこん畜生!!!」

由比ヶ浜「あはは、ごめんってばー」アハハ

八幡「由比ヶ浜。お前は罰としてビン底眼鏡の刑に処す!!!」ガサゴソ

由比ヶ浜「ビン底眼鏡?あの昔の漫画とかに出てくるガリ勉がかけてるみたいな?」

ジャジャーン

八幡「これをかけるんだ由比ヶ浜」

雪ノ下「へえ・・・今時こんなの売ってるのね」

八幡「こんなモンが売ってるわけねえだろ。これは俺が牛乳ビンの底を切り出したやつを市販のフレームにはめ込んだ超力作だ」

雪ノ下「本当のビン底じゃない」

由比ヶ浜「っていうか高校生にもなって小学生の夏休み工作みたいことしてんなしヒッキー!」

八幡「うるさい。戸塚がガリ勉ごっこしたいっていうから作ったんだ。さっさとかけろ」

由比ヶ浜「やだよ・・・」

八幡「大丈夫だ。ちゃんと洗ってあるから」

由比ヶ浜「そういう問題じゃないし・・・わかったよもう」

スチャ

由比ヶ浜「うわ、なんにも見えないや・・・ってか重っ?!ガラス厚すぎだよ!」

八幡「瓶底だからな・・・プクク」フルフル

雪ノ下「あら?由比ヶ浜さん意外と眼鏡似合うわね・・・。ちょっと中指でフレームをクイっと押し上げてみてくれるかしら?」

由比ヶ浜「・・・」クイ

八幡「ブフォッ!!!」

雪ノ下「~~~!!!」ピクピク

由比ヶ浜「ちょっと二人共笑いすぎだし・・・」

雪ノ下「由比ヶ浜さん・・・手鏡・・・ヒック・・・ほら」

由比ヶ浜「そんな面白いわけ・・・」



『-@-@-』


由比ヶ浜「ブフォッ!ださーい!!!なにこれー!!!」

八幡「雪ノ下の誕生日プレゼント買いに行ったときのあれは正直可愛かったけど・・・流石にそれは・・・プププ」

由比ヶ浜「・・・え///ちょっといきなり・・・///あのときそんなこと思ってたんだ・・・///」

八幡「まさしくベタな少女漫画の逆だな。眼鏡かけて美少女からブスになるって」

雪ノ下「逆に似合わなすぎてそれはそれで可愛らしいわね」

由比ヶ浜「ちょっと二人共ー!///」

ガララ

いろは「失礼しまーす・・・」

由比ヶ浜「あ、いろはちゃんやっはろー!」

いろは「すいません部屋間違えました」ピシャ

由比ヶ浜「あたしだよ!結衣先輩だよー!?!」

いろは「なんでそんなビンの底みたいな眼鏡かけてるんですか」

雪ノ下「比企谷君がいつも使ってるものだそうよ」

八幡「使ってないからな。思い出して俺のチャームポイント」

由比ヶ浜「あ!せっかくだからみんなで写真撮ろうよー!ヒッキーお願い」

八幡「やっぱり俺は撮る係なのな・・・そういうことならあと3つ作ったから全員掛けて取ろうぜ」ガサゴソ

ジャジャーン

由比ヶ浜「ちょっとヒッキーどんだけ作ってんの?!」

八幡「ほらよ。かけてみてくれ」

いろは「なんにも見えないですね・・って重っ?!ガラス厚すぎですよ!」スチャ

由比ヶ浜「それさっきあたしが言った」

いろは「どうですか先輩?似合いますか?」きゃるん

八幡「あざと・・・普通にクソダサい」

雪ノ下「ちょっと。何で私のだけ茶色なのかしら」スチャ

八幡「すまん。牛乳瓶が足りなかったからリポDの瓶で作った奴だ」

いろは「それはそれでグラサンっぽくてありですねー」

由比ヶ浜「ゆきのんスターウォーズに出てくる金ピカのロボみたいでカッコイイ!」

雪ノ下「そ、そうかしら///」

八幡「じゃあ撮るぞー!」スチャ

由比ヶ浜「あれ?ヒッキーがかけてるのは何?」

八幡「これ?JINS PCだぞ」

いろは「何で自分だけオシャレな奴かけてるんですか!」プンスカ



八幡「はいチーズ!」

パシャ

雪ノ下「これじゃあ奉仕部じゃなくてただの瓶底メガネ部ね」ニコ

アハハハハ

──────
───



八幡「あ~あの頃の平和な奉仕部に戻りてーなー」ホワー

戸塚「ちょっと!!!こんな思い出なかったでしょ!雪ノ下さんがC3PОみたいって言われて喜ぶ訳無いじゃん!」

八幡「ゆきのんはゆいゆいといろはすには激甘だからな~」

戸塚「雪ノ下さんたちまで勝手にバカ集団にしないでよ!!!なんなのビン底メガネ部って・・・」

八幡「正直ビン底眼鏡女子アリだと思う。きゃりーぱみゅぱみゅがやり始めたらゆいゆいとかも真似するんじゃねーか?」

由比ヶ浜(それは原宿系でしょ?きゃりーかわいいけどJKだからって一括りにしないでよっ)プンスカ

戸塚「うーん。まずきゃりーぱみゅぱみゅがやらないと思うけどね・・・」

八幡「じゃあ、はちーぱみゅぱみゅがやったら?」

戸塚「八幡がやったら多分戸部くんとかが爆笑して終わりだと思うよ!!!」

八幡「なんか爆笑する戸部のこと想像したらムカついてきたな・・・!戸部は存在が鬱陶しいから禁止用語にすればいいのに」

戸塚「戸部くんという概念が存在しない退屈な世界だね」

八幡「よし!戸部のことなんか忘れて今日も女の子の魅力を語って癒されようぜ!」

戸塚「そうだね!!!」

八幡「ゆいゆいって結構モテるよな。戸部の言うことも3割は当たるもんだな」

戸塚「いや早速戸部くん・・・八幡なんだかんだ言って戸部くんのこと好きでしょ。そうだね由比ヶ浜さんは男子に人気あるよ~」

八幡「体育祭の準備してる時に男子にメアド聞かれてたもん」

戸塚「へぇ~」

八幡「その時ゆいゆいはやんわりかわしてたけどさな。女子って怖いよなー。あんな優しいゆいゆいでも男をあしらうスキルあるんだから」

由比ヶ浜(いやなとこみせちゃったかな・・・)

戸塚「でも、他の男子とメアド交換するとこ見るのも嫌でしょ?」

八幡「そうだな。なんかこう胸が締め付けられる感じ。ゆいゆいがどこの誰とも知らん馬の骨とよろしくやると思うと胸が張り裂けそうだ・・・」

由比ヶ浜「・・・///」

戸塚「八幡もボヤボヤしてると由比ヶ浜さん誰かにとられちゃうよ!」

由比ヶ浜(そうだよヒッキー!)

八幡「そういや、バレンタインの次にはホワイトデーが待ってるんだよな」



ホワワワーン



──────
───


F組教室

由比ヶ浜(季節は三月の中旬。まだまだ寒いけど私の心はそれなりにポカポカです)

由比ヶ浜(何故かというと・・そろそろホワイトデーが近いからです!)

由比ヶ浜(ヒッキーはなんだかんだ言ってこう言うイベントの日はちゃんと準備してくるからなあ・・・)

由比ヶ浜(ひょっとしたら逆告白されちゃったり・・・?)

由比ヶ浜(えへへ///)



由比ヶ浜(さて、ホームルームも終わったことだしそろそろ部室に・・・)

八幡「・・・」ガララ

由比ヶ浜「ってヒッキーはやっ!待って~」

八幡「・・・おう、由比ヶ浜」

由比ヶ浜「もう、先に行くなし」

八幡「わりい。今日部活休むって雪ノ下に行っといてくれ」

由比ヶ浜「へ?どうしたの?なんか予定あるの?」

八幡「いいだろ別に」テクテク

由比ヶ浜「な、なんかやな感じ」

由比ヶ浜(そう言えば最近ヒッキーが素っ気ない気がするなぁ・・・明らかに距離置こうとしてる感じ)

由比ヶ浜(これじゃあ逆告白なんて・・・ハァ・・・)

由比ヶ浜(そうだよね・・・あたしバカだし、ヒッキーがあたしの事好きになるなんて・・・)

由比ヶ浜(もうあんまりアピールするのも鬱陶しいだけかも・・・)

由比ヶ浜(仮に付き合うことになったとしても・・・教室で仲良く喋ったりお昼食べたりするのって想像できないな・・・)

由比ヶ浜(同じクラスで同じ部活なのに・・・教室では全然喋らないってやっぱりおかしいよね・・・)

由比ヶ浜(仮にもし付き合うことになったとしても周りに遠慮し続けるのなんて・・・嫌だなあ)

由比ヶ浜(なんだか悲しくなってきちゃったよ・・・)

続きはよ

乙です!

後日

由比ヶ浜(今日は休日!サブレのお散歩でお外に出ています)

サブレ「ワンワン!」ダッ

由比ヶ浜「こらサブレ!勝手に行っちゃダメだってば!」



八幡「・・・」

由比ヶ浜「あ、ヒッキー」

八幡「おう・・・偶然だな」

由比ヶ浜「そ、そうだね・・・」

由比ヶ浜(う~。この間から何だか気まずいんだよなあ)

由比ヶ浜「ってかヒッキー休みの日なのに何で外出てるの?しかも私服だし?!」

八幡「外出しちゃダメなのかよ・・・むしろ外がゾンビだらけでも外出ちゃうし。学校で暮らしちゃうし」

由比ヶ浜「何言ってるの・・・」

八幡「・・・・」

由比ヶ浜(なんか会話がぎこちない・・・)



ブブブ

由比ヶ浜「あ!ママから電話だ!ヒッキーちょっとサブレ見ててくれる?」

八幡「わかった」

由比ヶ浜「もしもーし?あ、ママうんうん。美味しいお菓子貰ったから食べていいって?わーい♪」



八幡「・・・」

サブレ「・・・」ハッハッ

八幡「よう、バター犬。また会ったな」

サブレ「ワン!」

八幡「元気にしてたか」

サブレ「・・・クーン」フリフリ

八幡「お前はいいよな・・・働かなくてもメシ食えるし。女子校生と一緒に暮らせるしな」

サブレ「・・・?」

八幡「由比ヶ浜は週に何回一人ゆいゆいするんだ?」

サブレ「わん!」

八幡「ONE・・・つまり一回か。ふむ、なるほど意外と・・・興味深いな」

由比ヶ浜「おまたせ~。ねえねえヒッキーサブレと何話してたの?」

八幡「別に・・・///」

由比ヶ浜「もー教えてよー。サブレー?」

サブレ「・・・」フルフル

八幡「そういやぁ、犬の言葉翻訳するアプリあったな・・・それで聞いてみろよ」ホイ

由比ヶ浜「なんのためらいもなくスマホ他人に貸せるって、相変わらずすごいねヒッキー」

八幡「うっせー」



由比ヶ浜「やっはろーサブレ!ヒッキーくんと何を話してたのかな?」

サブレ「ワンワンワンワン!」

『行ってらっしゃいご主人様!車に気をつけて行ってくるワン!』

由比ヶ浜「全然噛み合ってないし!」

八幡「あれだな。この手の機械って、動物を一方的に擬人化して楽しむもんだから。・・・まあこうなるわな」

由比ヶ浜「相変わらずひねくれてるなあ・・・」

由比ヶ浜「・・・」



由比ヶ浜("車に気をつけて"かぁ・・・)

由比ヶ浜(そう言えばヒッキーがあの事故に遭ったのはこの近くなんだよね)

由比ヶ浜(飛び出したサブレをヒッキーが庇って・・・それでヒッキーは最初の3ヶ月を学校で過ごせなかなったんだ)

由比ヶ浜(それでぼっちになっちゃったって思ってたけど・・・まあ性格は元々みたいだったしその辺はよく分からない)

由比ヶ浜(でも・・・やっぱり罪悪感は今でも拭えないよ・・・)

由比ヶ浜(ヒッキーは私が仲良くしてるのを事故のせいだと今でも思ってるのかな・・・)

八幡「・・・」ポケー

サブレ「・・・」ジョオオオオオオオオ



由比ヶ浜「って、うわー!!!!!ヒッキー、サブレにマーキングされてるし?!」

八幡「うおっ?!ボケーっしてて足温かいなと思ったら!やりやがったなこいつめ!!!」

サブレ「・・・ワン!」

由比ヶ浜「もう!ヒッキーはぬぼーっとしてるけど電柱じゃないんだよサブレ!めっ!」メッ

八幡「・・・」

サブレ「ワフワフ♪」

由比ヶ浜「褒めてないよ!・・・ヒッキー足ビチョビチョだよね・・・ごめんね」

八幡「気にするな。おしっこかけられたりするの今流行ってるし。主に一部の監獄男子の間で」

由比ヶ浜「良くないよ!うち近いから洗ってって。ね?」

八幡「お、おう」



由比ヶ浜家

由比ヶ浜「はいヒッキー。パパのズボン持ってきたからこれで我慢してね」

八幡「おう、すまんな・・・」ヌギヌギ

由比ヶ浜「ちょっと!いきなり脱がないでよ///」

八幡「おっと・・・///」

サブレ「・・・」スンスン

由比ヶ浜(ヒッキーは庭の水撒き用ホースで足を洗ってもらってから、なし崩し的にあたしの部屋に来たけど)

八幡「・・・」モグモグ

由比ヶ浜(それからヒッキーは黙々と引き出物のお菓子食べてるだけで会話が続かない・・・)

サブレ「・・・クーン」ウロウロ



八幡「ゆいゆい~」

由比ヶ浜「ヒッキーどうしちゃったの・・・ってこのお菓子ウイスキーボンボンだ?!」

八幡「うひひ~、ゆいゆい~」

由比ヶ浜「大丈夫?顔赤いよ?お水持ってくるね」

八幡「行くなー!!!ここにいろー!!!」ジタバタ

サブレ「ワンワン!」

由比ヶ浜「いきなり駄々っ子みたいになった?!サブレもビックリしてるよ!」

八幡「由比ヶ浜。お前、ビッチっぽさがなければかなりの美少女だぞ。スタイルもいいし。っていうか足長いなーお前」

由比ヶ浜「いきなりなんだし///」

八幡「今までモデルとかグラビアアイドルにスカウトされたことないのかー?」

由比ヶ浜「・・・うーん。千葉とか都内に行くと割とそれっぽい人に声かけるけど・・・」

由比ヶ浜「ほら。ああいうのって割と誰でも声かけられるみたいだし、いい話ばっかじゃないって聞くし、そんなに大したことじゃないっていうか///」

八幡「やっぱスカウトされてるじゃねーか!この美少女め!」

由比ヶ浜「び、美少女って言うなー!///」

由比ヶ浜「そういえばさ、ヒッキー何であそこにいたの?私服だし、学校に行ってたわけじゃないよね?」

八幡「お、そうだった。これをお前んちまで届けようと思ってたんだった」ガサゴソ

ジャジャーン

八幡「今日ホワイトデーだろ。お返しだ」

由比ヶ浜「すごーい!これギャメルじゃん!ありがとう!」



八幡「由比ヶ浜」

由比ヶ浜「はい///」

八幡「好きだ。お前のことが」





由比ヶ浜「・・・」





由比ヶ浜「そう言ってくれるのは嬉しいけど・・・今は気持ちに答えたくないよ」

由比ヶ浜「勢いで言っちゃったこと、後でヒッキーも後悔すると思うから・・・ね?」

八幡「違う。ずっと前からお前が好きだったんだ・・・」

由比ヶ浜「うそっ」

八幡「俺は・・・今じゃないと多分こんなこと言えない・・・そう言う奴だから」

由比ヶ浜「・・・じゃあ私も今じゃないと答えてくれなさそうなこと聞いちゃうから」

由比ヶ浜「私ね。時々思うんだ。あの時私がサブレをちゃんと見ててヒッキーが事故に合わなかったらどうなったかって」

由比ヶ浜「そうしたら私とヒッキーは出会うこともなくて、ヒッキーはひょっとしたら今と全く違う毎日を送ってたかもしれないし」

由比ヶ浜「みんなに後ろ指さされて、辛い思いすることもなくて」

由比ヶ浜「ヒッキーのこと好きになってくれる他の女の子に出会えたかもしれない」

由比ヶ浜「私のせいでヒッキーの人生が変わっちゃったんだって・・・時々思うんだ」

八幡「だったら今度は俺がお前の人生を変えちまおう」

由比ヶ浜「え・・・///」

八幡「俺はあの時事故に遭って本当に良かったって思ってる。なぜならお前に出会えたんだからな」

八幡「お前が罪悪感を感じることなんて何もないんだ」



由比ヶ浜「ヒッキー・・・優しいんだね」



八幡「いや優しいとかじゃなくて、今口説いてるんだけど?」

由比ヶ浜「やっぱりヒッキー今日おかしいよー///」

八幡「お前さてはまだ俺が酔ってムラムラした勢いで口説いてると思ってるだろ。ちょっと待ってろ・・・」スク

サブレ「クゥン?!」ジタバタ

八幡「俺たちの恋のキューピット犬・・・悪いが少しだけ二人きりにしてくれ・・・」

ガチャンバタン

八幡「さあて、これで二人きりだな」ニヤリ

由比ヶ浜「・・・えっ、ちょっとヒッキー何する気?」ドキドキ

八幡「お前が本気だと認めるまで駄々っ子のようにデレまくってやるからな覚悟しろ!!!」

由比ヶ浜「えー///」

八幡「こんなに悪質なこと考えちゃうとかマジ俺捻くれぼっちだわー」

由比ヶ浜「うざ///」



八幡「まずは・・・ひざまくらさせろー!!!」ムンズ

由比ヶ浜「きゃっ?!ちょっとヒッキーダメだってばもー///」ジタバタ

八幡「フガフガ」

由比ヶ浜「ちょっ、///顔こっち向けて喋らないでっ!声が響いてくすぐったいー!///」



八幡「太ももペロペロ」ペロペロ

由比ヶ浜「ちょっとペロペロしないで!!!」

八幡「もし俺が犬になったら飼ってくれるか?」ペロペロ

由比ヶ浜「ペロペロしないんだったら飼ってあげるから///」

八幡「クンカクンカスーハー」

由比ヶ浜「くんくんするのもダメ!!!」



八幡「なあ。俺と桃缶どっちが好き?」

由比ヶ浜「・・・それはもちろんヒッキーだけど///」

八幡「ってことはお前俺のこと相当好きだろ~」スリスリ

由比ヶ浜「なんか素直に認めたくない・・・!///」

八幡「俺はお前のこと滅茶苦茶好きなのに?ホワイトデー何あげるかずっと迷ってったんだぞ!!!」

由比ヶ浜「・・・そうなんだ///」モジモジ

八幡「ん?ゆいゆい、どうしたモジモジして。壁ドンして欲しいのか?」

由比ヶ浜「逆に何でそう思ったの?!」

八幡「かべドーン!」ガバ

由比ヶ浜「もう!ヒッキー重いよぉ///どいてー///」

八幡「すまん・・・かわりにお前も俺を壁ドンしていいぞ」

由比ヶ浜「じゃあ・・・どーん///」ガバァ

八幡「あはは」

由比ヶ浜「えへへ///」ギュ





扉の外

由比ヶ浜マ「あらあら結衣ったら♪」

サブレ「今夜は赤飯だな」

──────
───


戸塚「いや早い早い。早いよ由比ヶ浜さんダメって言ってからデレるまでが早すぎるよ~」

由比ヶ浜(しょうがないじゃ~ん///えへへ///)

八幡「ウイスキーボンボンって便利だよな~」

戸塚「普通は女の子が酔っちゃうイベントなのに、八幡はホントにもう。サブレくんも喋るよそりゃ」

八幡「嫌がるゆいゆいに一方的にセクハラしたい。というか嫌がるフリされたい」

戸塚「いいよね~。女の子がイヤとかダメっていうとき本当はそうじゃない時もあるっていうしね」

八幡「それはそうとして、ゆいゆいの事考えると頭の中にどうしてもアルファベットが浮かんじゃんだよな」

八幡「F F F F F F・・・・Fカップ。もうFのことしか考えられない!」

戸塚「八幡の頭の中がすべてFになっちゃった?!」



由比ヶ浜(ホワイトデー楽しみだな~///)

由比ヶ浜エピソードなのにバカじゃない……だと……?

八幡「俺たちも来年から受験生かー」

戸塚「気が重いねー」

八幡「やっぱり将来のこととか考えちゃうよな」

戸塚「おっ。八幡が珍しく真面目なこと言ってる」

八幡「専業主夫ってのもやっぱり、時代を先取りしすぎたって最近思うんだよなー」

戸塚「じゃあ何に成りたいの?」

八幡「よくぞ聞いてくれたな戸塚・・・」

八幡「俺はな・・・女の子のマッサージチェアになりたい!!!」

戸塚「だよねー。そんな感じの前振りだと思った」

八幡「こういう感じで」



ホワワワーン

──────
───




生徒会室



八幡「一色ー、この書類終わったぞー?残りのタスクは?」カタカタ

いろは「タスク?バレンタインイベントの報告も事後報告の形でいいのでまとめとけって言われました」

八幡「オッケー!そいつは俺にアサインしてくれ。よっしゃ、まだまだ仕事は山積みだがドライブかけてくぞ!」

いろは「あ、コミュニティセンター側にもメール出しとかないとけないんでそっちもお願いします」

八幡「プライオリティはどうする?アライアンスを重視するか?」

いろは「えっ・・・ちょっとわかんないです」

八幡「分かった。そっちもパラで進めるわ。どっちにしろフルコミットだな」カタカタ







八幡「オイオイ待て」





八幡「俺意識高い社畜みたいになっとるやないかーい!!!」

いろは「うわっビックリした!」

いろは「ちょっと。うるさいですよ先輩・・・」

八幡「すまん。働き過ぎで一瞬意識高くなっちまった。これがワーカーズハイってやつか」

いろは「そんなのないですよ」

八幡「大体な・・・バレンタインイベントの後始末だっけ?急なマターだからって何でアウトソーシング先が俺なんだよ・・・」

いろは「まだ意識高いですよ」

八幡「ふとんの中でポテイト食いながらジャンプ読みたい」ウマルーン

いろは「今度は低すぎです。シャキっとしてください」

八幡「しかし、生徒会室にまたお前と二人きりかよ・・・SHIROBAKOの監禁されてコンテ描かされてる材木座みたい」

いろは「あ、今もしかして、オフィスラブみたいでいいなとか思いましたか。単に人員が足りてないだけですしそういうの今いいんで仕事して下さい」

八幡「なんだろう・・・スピード拒絶に愛を感じない・・・」

いろは「・・・」カタカタ

八幡(まあなんだかんだ言ってこいつ、今日は人をこき使うだけじゃなくて自分も真面目に仕事してるな・・・)

いろは『皆さんこんにちは!一色いろはです!』

いろは『大好きなあの人に振り向いてもらうため、恋も部活も生徒会も常に全力投球な私。頑張る女子は何かと疲れちゃいますよね?』

いろは『そんな全国のお疲れ女子にオススメのアイテムを今日は紹介しちゃいます!因みに私も使ってるお気に入り♪』

いろは『この"マッサージチェア八幡"です!』

八幡「あ~。やっと終わった~。うぉにいちゃんちゃんポテイト~」

いろは『見た目は冴えない感じだけど・・・早速使ってみましょうか♪』

いろは「さて、先輩。仕事も終わったことですし。いつものやつ、お願いします」

八幡「おう。今日はどのモードにする?」

いろは「どんなモードがあるんでしたっけ?」

八幡「『お兄ちゃん』『意地悪な先輩』『ツンデレ』『甘えんぼ後輩』『執事さん』『ラブラブ彼氏』」

いろは「じゃあ今日も『お兄ちゃんモード』でオプション激甘追加でお願いします」

八幡「分かった。じゃあ膝に座ってくれ」ポンポン

いろは「はい」ストン





八幡「お帰り。いろは」

いろは「ただいまお兄ちゃん♪」

八幡「今日も頑張ったな。偉いぞ」ナデナデ

いろは「えへへ///」

八幡「いろは可愛くて優しくていい子だよー」ナデナデ

いろは「そうかなー///」

八幡「どこへ出しても恥ずかしくない自慢の妹だよー」ナデナデ

いろは「もう///シスコンなんだから」

八幡「でも、いろはが頑張りすぎて体壊さないかお兄ちゃん心配だぞ」ナデナデ

いろは「お兄ちゃんは心配しーだなー」

八幡「今日もお兄ちゃんがマッサージしてやるからな」

いろは「うん!」



いろは『こんな感じでお好みのモードを設定してコミュニケーションが取れます!』

いろは『自分好みのモードを選んで楽しみましょう!』

このマッサージの女の子バージョンが欲しいと思うのは、俺だけじゃないはず

乙です

八幡「凝ってますなー」モミモミ

いろは「凝ってますよー♪」

八幡「どうだー」モミモミ

いろは「うーん、そこそこ。気持ちー」

八幡「おりゃおりゃ」モミンモミン

いろは「ひゃあっ?!・・・ちょっとお兄ちゃん力強すぎー!変な声出ちゃったじゃん///」

八幡「あはは。でも可愛かったぞ」

いろは「もうっ、意地悪ー!」

八幡「じゃあ次は背中行くぞー」モミモミ

いろは「イタタタタ」

八幡「あれ、今力強かったか?」

いろは「ブ、ブラのホックが食い込んで痛かったの!」

八幡「お、おう///」アタフタ

いろは『こんな感じで時々マッサージチェアの素が出てしまうことがありますが仕様です』



八幡「いろはは好きな人いるのかー?」

いろは「えー?教えないよー♪」

八幡「葉山くんが好きなんじゃないのか?」

いろは「・・・お兄ちゃんのバカ」

八幡「な、何で拗ねるんだよー。前自分で言ってたじゃんかよ」

いろは「今私が好きな人は・・・ウザそうにしながらもなんだかんだ言って仕事とか手伝ってくれるとっても優しい人だよー」

八幡「そ、そうなのか・・・///」

いろは『こんな感じで時々マッサージチェアの素が出てしまうことがありますが仕様です///』

いろは「外寒そうだねーお兄ちゃん」

八幡「そうだなー」

いろは「じゃあ。"温め機能"お願いね♪」

いろは『このチェアの目玉機能ですよ!これを使えばとてもハッピーな気分になれること間違いなしです!』

八幡「・・・おう。じゃ向かい合うようにこっち向いて座ってくれ」

いろは「うん///」ストン



ギュー



八幡「・・・」

いろは「・・・」ドキドキ

八幡「・・・」ギュー

いろは「・・・お兄ちゃんの匂いがするー♪」スリスリ

八幡「・・・どんな匂いだよ」

いろは「そのまま頭を優しく撫でてみて」

八幡「こうか?」ワシャワシャ

いろは「ちーがーう!優しくだってばー」

八幡「あはは」

いろは「なんか今のこの体勢・・・エッチしてるみたいだね・・・///」

八幡「ば、バカ。全くどこでそんなこと覚えてくるんだよ!」

いろは「あたしだってもう高校生なんだもん。子供扱いしないでよ」

八幡「お前にはまだそういうのは早い」

いろは「お兄ちゃんがお嫁さんにしてくれるなら我慢するー」

八幡「じゃあしょうがないな。お嫁さんにしてやる」

いろは「やったー!!!」

八幡「あはは」





いろは「・・・はぁ、このままずっと・・・」ギュー

八幡「・・・」ナデナデ

いろは「このままずっとこうしていたいですね・・・先輩」

八幡「先輩じゃなくてお兄ちゃんだろ・・・」

いろは「・・・あっ///」

いろは『おっと、うっかりうっかり!これには流石の私も素が出てしまいました☆』テヘペロ

八幡「・・・じゃあそろそろ帰るか」

いろは「そうですね!温まったことですし」ホクホク

八幡「って言うかお前温め機能好きすぎだろ」

いろは「は?何言ってるんですか?ヒーターの調子が悪いから仕方なく使ってるだけですけど」

いろは「もしかして、私が先輩に温めてもらってホクホクしてると思ってますか?ごめんなさい私の心はまだまだ温まってないんで、もうちょっと素直になってもらわないと無理です」

八幡「あっそう・・・」



いろは『さあ皆さんどうでしたか!マッサージチェア八幡』

いろは『私はこれのお陰で毎日元気にぬくぬくライフを送っていますよ♪』

いろは『こんな素敵なチェアを今なら電子辞書もついてお求めやすい、いろはす価格・・・』

いろは『168万円でご提供いたします!』

いろは『分割払いもオッケー!8万回払いなら一ヶ月当たりなんと21円!』

いろは『ソファに挟まった小銭で買えちゃいます!安い!』

いろは『数量限定ですのでお早めにお電話を!!!』



──────
───




八幡「いろいろモードあるのにお兄ちゃんモードがお気に入りでそればっか使っちゃういろはすかわいい」

戸塚「いや分割払い刻みすぎだよ!7000年くらいかかるから!」

いろは(なんですかこの妄想。結局先輩が女の子の体触りたいだけじゃないですか)

いろは(で、これどこで買えるんですかね///)



八幡「で、どう?さいちゃんも欲しくなっちゃった??ん?」

戸塚「スポーツしてるとマッサージチェア欲しくなっちゃうんだよねー。一つ下さい!」

八幡「マジで?!どのモードにする?ラブラブ恋人モードがオススメだぞ?」ハァハァ

戸塚「普通の真面目にマッサージしてくれるやつで」

八幡「・・・まあいいか。でもマッサージしてる最中に手元が狂っちゃうことがあるけど仕様だからね?」

戸塚「じゃあいらない!バンテリンいっぱい買うんで返品します!」

八幡「トホホー」

戸塚「じゃあちょっとバンテリンモードやってみてよ」

八幡「無茶ぶりだ?!」

戸塚「早く~」

八幡「えーっと・・・バリ!ピタ!」

戸塚「それフェイタスだよ。まあでも、八幡チェア欲しい女の子一杯いると思うな!!!」

八幡「いや~自分で言うのもあれだけどこれは売れないだろうな~。いろはすだったら『引くなッ!』とか言いそう。『引くなッ!』って」

戸塚「何でかわかんないけど言いそうかも~」

モニタールーム



由比ヶ浜「八幡チェア欲しいなー。ラブラブ恋人モードで温め機能やって欲しい///キャー///」

平塚「新婚夫婦モードはないのか比企谷ァ!」

雪ノ下「私は敢えて意地悪モードを使いたいわ」

いろは「雪ノ下先輩意外と・・・Mなんですか?」

雪ノ下「からのツンデレモードでギャップを堪能するのよ」フフフ

由比ヶ浜「ゆきのん頭いい!!!」

川崎「私はプレーンがいい///」

由比ヶ浜「へ?プレーン?せっかく色々種類あるのに?」

川崎「その、素の比企谷がぶつくさ言いながらも最終的に照れながらマッサージしてもらうのがいい///」

由比ヶ浜「それだ!!!」
いろは「それです!!!」
雪ノ下「それね」

川崎「・・・でしょ?///」

雪ノ下「素材の味を生かすため敢えて味付けをしない・・・プレーンこそ至高ということね」





三浦(いや、演技なしのシラフでヒキオにあのクソ恥ずかしいのやらせるって・・・あんたら鬼畜?)

戸塚「そう言えば葉山くんどうしてるかな」

八幡「葉山?カレー作ってるんじゃないの?」

戸塚「葉山違いだよ。お粗末なボケやめてよ」

八幡「ちゃんと妄想力鍛えてるかな」

戸塚「違うでしょ!三浦さんにちゃんとアタックしてるかってこと」

八幡「じゃあ今呼んでみるか」

戸塚「いいね!男子会しようよ!」

八幡「普通に呼ぶのはつまらないからな・・・戸部のフリして呼ぶか」

戸塚「普通に呼べばいいでしょ」

八幡「折角だからさいちゃんはゆいゆいのフリしてみて」

戸塚「いいよ~」

一方その頃、葉山



葉山「ハァハァ・・・優美子かわいいよぉ・・・」

葉山「縦ロールを引っ張ってビヨヨーン。縦ロールを引っ張ってビヨヨーン。もっと触らせてくれ・・・」





葉山「ハッ?!もう2時間も妄想してしまっていた・・・」

葉山「優美子の抱き枕カバー欲しいな・・・検索してみるか」

葉山「"三浦優美子 抱き枕"っと」ッターン!

葉山「・・・」

葉山「・・・ない。駄目だ姓名判断しか出てこない!」

葉山「・・・仕方ないな。そろそろいつもの葉山隼人に戻るか」

葉山「数学の問題集片付けて・・・部活がオフだから筋トレもしないとな。ギターも腕が鈍らないように軽く触っとくか・・・」



ヴヴヴ



葉山「電話だ・・・はいもしもし?」

八幡『あーもっしもし~。戸部ちゃんだけどハヤトくんちっすー!カレー作ってる?』

葉山「カレー・・・?」

八幡『いきなりだけど一発ギャグやるしかないっしょ~!』

葉山「・・・」

八幡『ダダダダーン!戸部ートーヴェンです。っべ~わ~!マジウケ彦だわ~』

葉山「戸部でももっとマシなギャグやるぞ・・・で、誰なのかな?」

八幡『バレたか。比企谷だよ』

葉山「俺の知ってるヒキタニはそういうことしない」

八幡『ちょっと由比ヶ浜に喋って貰うからそれで信用しろ・・・さいちゃん出番だぞー』

戸塚『えっ・・・葉山くんやっはろー!結衣だよ~!嘘だよ~!本当は戸塚だよ~!八幡と一緒にいるよ~!』

葉山「・・・」

八幡『どうだ、かわいかっただろ?今の由比ヶ浜の真似なんだって』

葉山「・・・まあ君が比企谷なのはわかったけど、その妙なテンション・・・さては君たちまたファミレスにいるな?」

八幡『そういうことだ。お前も来ないか?女の子の魅力語ろうぜ?』

葉山「・・・今からか?」

八幡『お前俺にいくつ借りがあると思ってるんだよ。早く来いよ』

葉山「見返り求めないんじゃなかったのか・・・」

八幡『んだよ。折元達と遊んだときドッキリ仕掛けたくせによ。見返りじゃなくて罪滅しだと思え』







葉山「・・・わかったよ。仕方がないな君たちは・・・」ワクワク

まだ?

10分後ファミレス



葉山「やあ待たせたね」ストン

八幡「むしろはえーよ。引くわ」

戸塚「それで葉山くん、三浦さんとはどうなの?」

葉山「びっくりするほど何の進展もないけど俺イケメンだし余裕だろ」ハハハ

戸塚「相変わらずファミレスに来るとクズだね~」

葉山「ところで相談があるんだが比企谷」

八幡「何だよ?」





葉山「"三浦優美子 抱き枕"で検索しても全然ヒットしないんだが、どこで手に入れればいいんだ?」





三浦(・・・?!)

戸塚「八幡と同じこと言ってるよこの人・・・」

八幡「そんなもんお前、ネットで業者さん探してオーダーして個人的に描いて貰うんだろ?」

葉山「その手があったか。でも抱き枕って公式のじゃないと本人って感じしないしなー・・・」

八幡「問題はそこなんだよな・・・」

戸塚「違うでしょ!意気投合しないでよ!もっと普通のいい方法があるじゃん!」

葉山「えっ?本人に頼んで写真撮らせてもらってプリントするとかか?」

戸塚「何でそんな発想なの・・・!」

葉山「どうすればいいんだ戸塚。教えてくれ、頼む・・・!」

戸塚「そ、それは・・・抱き枕なんかじゃなくて三浦さん本人を家に呼んで普通にイチャイチャすればいいんじゃないかな///」







葉山「あー・・・」

八幡「あー・・・」

戸塚「何その反応!!!僕変なこと言ったみたいで恥ずかしくなってくるじゃん///」プンスカ

三浦(大丈夫。アンタ何にも間違ってないから)

葉山「それは流石にちょっと恥ずかしいな・・・///」モジモジ

戸塚「あれ、葉山君って意外とシャイ?」

葉山「今までモテてたけど、いざ自分の気持ちを伝えるとなるとどうしたらいいかわからないんだ///」

三浦(はやとぉ///)

八幡「キモいな」

三浦(ヒキオが言うなし)

八幡「あーしさんって女王様っぽいし、なんかいじめられたいよな。ムチとかでぶっ叩かれたい」

葉山「それわかるな~~~!!!」

戸塚「わかっちゃうんだ」

葉山「俺も君たちがやってるホワワワーンっていうのやってみたいんだけどやってもいいかい?」

戸塚「いいよ!やってみてよ!葉山くんの妄想聞きたいな!」

葉山「じゃあ行くぞ・・・ホワワワーン」

八幡「おい葉山やり方違うぞ。お手本はこうだ」

ホワワワーン

葉山「すごいな。どうやってやってるんだ?」

八幡「セリフを体の外から出すイメージだ」

葉山「ホワワワーン・・・あれ、できてないよなこれ」

八幡「もっと腹筋の力を抜け。最初の頃は俺もそれで失敗したがお前運動神経いいしすぐできるぞ」

葉山「よし、優美子のために頑張ってみるよ!」

戸塚「葉山くん頑張ってー!!!」

三浦(頑張ってはやとぉ///)





しばらくして



葉山「練習はバッチリだな。じゃあ行くぞ!」

八幡「おう」












葉山「ホワワワーン」

戸塚「結局できてない!!!!!」

──────
───




葉山家



戸部「マリオカートマジおもしれ~!!!一位独走マジ気分爽快っしょ~!!!」ドンキー

結衣「喰らえとべっち!トゲゾーのコウラうおりゃー!!!」ヨッシー

戸部「っちょ~!!!マジないわ~!!!」

結衣「隼人君!!!とべっちがなんかウザイから集中攻撃しよ」

葉山「おいおいそういうのは良くないぞー」ルイージ

ポイ

戸部「と言いつつ目の前にバナナ?!隼人君マジ鬼じゃね?!」

葉山「あはは」

三浦「ちょっとー!さっきからずっとビリなんだけど!なんなのこのゲーム!!!」ピンクゴールドピーチ

結衣「優美子、逆走してるよ?!」

葉山(ゲームがオンチな優美子オカンかわいい)

戸部「ってか優美子弱すぎっしょー!!!ウケルー!!!」

三浦「マジつまんなーい・・・あーしもう抜けるわー」

葉山(拗ねちゃう優美子女王様かわいい)



三浦「そうだ、せっかく隼人の家来たんだし、クローゼットの中見せてよ。どんな服持ってるか気にるし」ガララ

葉山「ま、待て!クローゼットは止めてくれ!」

三浦「え?何で?」ガサゴソ



三浦「・・・!」







三浦「つーか隼人ぉ。これ何なの?」ニヤニヤ

葉山「そ、それは・・・」

戸部「あ!それ抱き枕カバーじゃん!!!ヒキタニくんとかザイモクザキくんが持ってるやつだべ」

由比ヶ浜「うわー・・・正直引くなー・・・」

葉山「違うんだ!待ってくれ」

三浦「アンタこんな趣味してたんだ。きんもー」

葉山「誤解だ!それはヒキタニが勝手に置いていった」

三浦「しかもよく見たら・・・」







三浦「これあーしのイラストだよね?勝手に何作ってんの?マジ最低。ホントキモいんですけど」

葉山「うぅ・・・」

三浦「ねえこれ使って何やってたの?」

戸部「そりゃもちろんナニっしょ」

三浦「アンタは黙ってて。隼人に聴いてるんだけど」

戸部「はい」

三浦「ねえ・・・はやとぉ?」ニヤニヤ

葉山「その・・・優美子様のことを考えながら妄想を少々・・・・///」

三浦「何頬朱に染めてんのキモい。どうせエロいことでも考えてたんでしょ?あーしのいやらしい姿想像して。ん?」ニヤニヤ

葉山「そうです・・・ごめんなさい・・・」ゾクゾク

三浦「クソキモいゲロブタ野郎には置き押しが必要っしょ。戸部アンタライター持ってる?」

戸部「ちょ・・・流石にバタコさんは吸ってねーよ優美子。俺が吸ってんのは悪い空気だけみたいな?俺まじプラズマクラスター!」

由比ヶ浜「あ!でも火打石なら持ってるよ!!!」

葉山「なんでやねん・・・」

三浦「さすが結衣気が利くわー。まずティッシュをほぐして・・・」モシャモシャ

葉山「何をするんだ・・・それだけは止めてくれ・・・頼む・・・!」

三浦「きったない体液が染み付いたゴミは燃やさないとね♪」ゾクゾク



カキンカキン
シュボ
ボオオオオオ



戸部「おー!燃えてんじゃんよー!」

由比ヶ浜「これがホントの萌えって奴だね!!!」

葉山「やめてくれ・・・やめてくれよぉ・・・!俺の宝物なのに」ボロボロ

三浦「ギャハハハハハ!!!抱き枕カバー燃やされて泣いてるし!ウケルー!」

葉山「うぅ・・・うわああああ」

由比ヶ浜「あ!安全のためにシンクの中で燃やしたよ!」





ジュー ブスブス

葉山「俺の夢が・・・青春が・・・」グスグス

戸部「じゃあ俺ら一階でタコパの準備してくるわー」

由比ヶ浜「桃缶持ってきたよ」

戸部「結衣桃缶好きすぎっしょ・・・」



ガヤガヤ
バタン

乙です!


待ってたぜ!

また来てたか!超期待

三浦「・・・」



葉山「・・・」グスグス



三浦「あ、あんさー隼人ぉ」



葉山「・・・」



三浦「抱き枕買うぐらいなら、あーしに言えばいいのに・・・///」



葉山「・・・?」



三浦「だからその・・・あーしがいつでも添い寝してあげるってこと///」プイ



葉山「優美子・・・」



三浦「あー。あーしちょっと眠くなってきたわ・・・ちょっとベッド借りるわ」ガバ



葉山(優美子が俺のベッドで寝てる・・・///)ドキドキ



三浦「ほらこういう時どうすればいいかわかるっしょ。早くしてよっ///」



葉山「行くぞ優美子っ!」ルパンダーイブ



葉山「好きだ・・・優美子///」ギュ



三浦「もうあんな偽物に浮気したら許さないかんね///」ギュー



葉山「うん///」

──────
───




葉山「イラストにヤキモチ妬いちゃう優美子に愛のお仕置きされたい」

三浦(お仕置きって、あんまり痛そうなのとかかわいそうなのはムリだけど・・・///)

戸塚「抱き枕カバー燃やすってこれクレイジーすぎるよ・・・家燃えちゃうよ・・・」



八幡「おいおいなんだこれ。ドSに見せかけたただのツンデレじゃねーか」



葉山「なんだと?優美子かわいいだろ!!!」

三浦(隼人があーしのために怒ってくれてる・・・///)

八幡「女王様にお仕置きされたいんならムチだけありがたく貰ってればいいんだよ。飴貰って喜んでんじゃねえかこのドS野郎!」

戸塚「いきなり一部の監獄男子みたいなこと言い出した」

八幡「葉山、お前本当はもっとブヒブヒ言いながら苛められたいのに、戸塚の前だからってカッコつけてんじゃねえの?」

葉山「何でそうなる・・・」

八幡「俺が真の奴隷が何たるかを教えてやる。よく聞けよ」



ホワワワーン

──────
───


テニスコート



三浦「ヒキオ。今日はアンタのその腐った目にあーしのキレッキレのサーブをお見舞いしてやるから覚悟しな」

八幡「そんなことされたら失明しちゃいますぅぅぅ!」ガクブル

三浦「ブフブヒうっさいし!ホラ行くよ!」



パッコーン
グサ



八幡「ひっ・・・地面抉れてる・・・」

三浦「っち。外したー・・・」

八幡「あと数センチズレてたら俺どうなっちゃってたの・・・?」ゾクゾク

三浦「余所見してんじゃねえよ・・・こっち向いてな!」

八幡「ひゃいっ」

三浦「フンッ!」スパコーン



スポン



八幡「うぎゃああああああ!!!!いっっっってええええええええ!!!!ありがとうございますううううう・・・あれ・・・?」

三浦「続けてもう一発!!!」スパコーン



スポン



八幡「おごおおおおおお!!!!」

八幡「・・・ってめっちゃ痛いのに・・・目が潰れた感覚が無いぞ・・・?!」

三浦「ギャハハハハハハ!目ん玉にテニスボール挟まってるー!!!ウケルー!!!」



『@-@』



八幡「え・・・マジでどうなってるんだ????????」

三浦「ウルトラマンみたいになってるからアンタ!うけるー!・・・腹がよじれるー!!!」キャッキャ

八幡「まああーしさん喜んでるしいっか」

──────
───




戸塚「なにこれ・・・」

三浦(ヒキオ・・・)

葉山「比企谷・・・これは・・・!」

八幡「どうだった?ン?」





葉山「ごめん。全然良さがわからない」

八幡「だよな。俺もやってて全然興奮しなかった」





戸塚「じゃあなんだったの今の無駄な時間・・・」

八幡「やっぱりあれだな。ツンツンしてるけど何だかんだ優しいあーしさんが一番かわいいよな」

戸塚「うんうん!」

葉山「そうだな。いつもの優美子が一番かわいいに決まってる」

三浦(はやとぉ~~~///)

八幡「千葉村行った時のこと覚えてるか?ゆきのんに論破されてマジ泣きしちゃったって言うエピソード」

葉山「打たれ弱いところもかわいいんだよな・・・ハァ・・・」

戸塚「マラソン大会のときのイケメンスピーチも良かったよ!」

葉山「あれのことはもう忘れてくれ・・・思い返すと恥ずかしくなってくる・・・」

八幡「あまりにクサすぎて俺の目が腐っちまったぞ。治療費払えよ」

葉山「イジり辛いからその自虐ネタやめて欲しい・・・」

八幡「まあでも、あんなのあーしさんも大喜びだろ。思わずtwitterにハッピーなポエムとか書いちゃいそう」

葉山「ありそうだな。サバサバしてると見せかけて乙女なところもかわいい・・・」



葉山「実はな・・・ここだけの話だぞ・・・絶対誰にもいうなよ」ヒソヒソ

戸塚「なになに?」

葉山「俺は優美子と一緒にいる時間も長いから・・・偶然パンチラを見る機会もあったんだよ///」

八幡「へー」

戸塚「葉山くんが普通の男子高校生みたいになってる!」

八幡「どっちかというと中学生だな」

葉山「声が大きいぞ!誰かに聞かれたらどうするんだ!」

八幡「メンゴメンゴ」

葉山「でな、その色がな。こう・・・イメージとギャップがあって良かった///」

葉山「まあ何色かは教えないけどねっ!俺の優美子だから」

戸塚「ひゅーひゅー!」

八幡「お、おう。そうか・・・」ソワソワ

モニタールーム



三浦「ゆ~~~~い~~~~~////」ギュー

由比ヶ浜「幸せのあまり優美子がくっついて離れなくなっちゃった・・・」

三浦「ゆい~~~!!!」ギュー

由比ヶ浜「優美子よかったねー」ナデナデ



ファミレス


八幡「しかしお前そこまであーしさんのこと好きなのに何でちゃっちゃとくっつかねえんだよ。どうでもいいけど」

葉山「それはな・・・女子って怖いんだぞ。特に人間関係の縄張り防衛に関しては。信じられないほど残酷なことするからな」

八幡「まあな・・・すげえ身に覚えあるわ」

葉山「俺はやはり誰も傷つけたくないんだ。君がなんと言おうと」

八幡「勝手にライバル視されても困るんですけどー」

葉山「だから今、うまくやる方法を考えてるところだ。君みたいに上手くできるかはわからないけど」

八幡「あっそ。ある人が言うには、俺のやり方じゃ本当に大切な人を守れないって言うし、お前みたいないい子ちゃんが真似できるようなもんじゃねーけどな」

八幡「せいぜい足掻いてろイケメンクソ野郎」

葉山「君もな」

八幡「ハァ?俺は別に学年一のモテ男みてーな女性問題抱えてねーぞ」

葉山「またまた。本当は気づいてるんだろう」

八幡「・・・」



葉山「・・・じゃあ俺はもう帰るよ」ガシ

八幡「ああ。じゃあな色男」ガシ

葉山「戸塚も。比企谷をよろしく頼む」ガシ

戸塚「任せて!!!」ガシ

ファミレス



戸塚「葉山くん帰っちゃったね」

八幡「あいつのせいで真面目な話しちゃったじゃねーかよ」

戸塚「八幡ってホント捻デレだよね」

八幡「いや違うけどっ」

戸塚「僕、八幡のそういうとこ好きだな」

八幡「え///結婚したいってこと?」ハァハァ

戸塚「なんでそうなるの///」

八幡「流石にもう役所閉まってるよな・・・」

戸塚「婚姻届け貰いに行こうとしてる?!」





モニタールーム

三浦「戸塚って・・・今まであんま気にしてなかったけどいい子じゃん?めっちゃ優しいし気遣いできるし」

三浦「いっつもヒキオに変なセクハラされてんの?結衣?」

由比ヶ浜「結構されてるかも・・・」

由比ヶ浜(優美子の母性がさいちゃんを保護対象として認識し始めたなこりゃ・・・)

八幡「ゆきのんの検索履歴にありがちなワード」

戸塚「えー。雪ノ下さんあんまりネットサーフィンとかやらなそう」

八幡「"ねこ かわいい""ねこ 動画"」

戸塚「あるある~!猫画像フォルダとか隠してそう!」

雪ノ下(・・・!)ギク

八幡「"パンさん かわいい""パンさん グッズ"」

戸塚「あるある~!きっとアマゾンのアカウントのおすすめとかパンさんで埋め尽くされてそう」

八幡「"パンさん 実在"」

戸塚「あるある~。いないと知りつつ微粒子レベルの可能性を捨てられないー!」

八幡「"由比ヶ浜さん かわいい"」

戸塚「あるある~!出てくるわけないのに何故か調べちゃうんだよね!検索バーはやりばのない感情をぶつけるところじゃないのに」

八幡「"罵倒 語彙"」

戸塚「あるある~!八幡との掛け合いを日夜研究してる雪ノ下さんあるあるだね~!」

八幡「"マイクロビキニ 欲しい"」

戸塚「それはない」

八幡「ないか~」

戸塚「ないよ!!!僕が何でもあるある~って言うと思ったら大間違いだよ!」

八幡「好きなもののこととなると周りが見えなくなっちゃうんだよな、ゆきのん」

雪ノ下「///」

戸塚「うんうん」

八幡「そんなゆきのんを罠に嵌めて一泡吹かせる方法を考えた」



ホワワワーン

──────
───




奉仕部

由比ヶ浜「ゆきのーん!誕生日おめでとう!はいこれ誕プレだよ!」

雪ノ下「ありがとう由比ヶ浜さん。開けてみてもいいかしら」

由比ヶ浜「うん!」

雪ノ下「こ、これは・・・フライパンかしら。今年は調理器具なのね」

由比ヶ浜「ほら、四月から大学生だし、買い換えるならタイミングだと思って」

雪ノ下「デザインも機能美的で好みだわ。嬉しいわ、由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「えへへ~ゆきの~ん」ギュ

雪ノ下「ちょっと由比ヶ浜さん///そういうのはお泊りのときだけにして欲しいのだけれど///」


イチャイチャ


雪ノ下「ところで比企谷君の姿が見当たらないのだけど・・・。とうとう本当の意味で空気になってしまったのかしら。換気したほうがよさそうね」

由比ヶ浜「本人のいないところで罵倒してる?!プロ意識高っ?!」

ガラガラ

雪ノ下「さようなら比企谷君。あなたは大気の一部となり雨となり地面に降り注いで大地を潤し、やがて新しい命を芽吹かせるのよ。生命の営み。輪廻の神秘・・・素敵ね」ニッコリ

ヒュオー

由比ヶ浜「ちょっと!風が寒いよーゆきのん!閉めよう!」

雪ノ下「それはそうと・・・今日は部室には来ないのかしら」

由比ヶ浜「んー。ヒッキー何処いったのかなー。わからないなー」

雪ノ下「・・・?何か落ちているわね・・・」

雪ノ下「・・・!これは・・・!」

雪ノ下「パンさん!!!パンさん好きなのぉー!!!」

雪ノ下「・・・ハッ。私としたことが取り乱してしまったわ・・・」

雪ノ下「でも無理もないことだわ・・・幻の激レアグッズ"パンさんバンブートランプ"が落ちていたのだから」

雪ノ下「これはニュージーランド産の竹を切り出して一枚一枚世界屈指の竹細工職人が彫刻を施した幻の逸品・・・日本国内ではまず手に入らない・・・」

雪ノ下「誰かの落し物なのだろうけど、いったい誰が落としたのかしら・・・。その人物に話をつけて是非とも譲って貰いましょう」



雪ノ下「・・・!あっちにまた何か落ちているわね・・・」

雪ノ下「・・・!これは・・・!」

雪ノ下「パンさん!!!パンさん好きなのぉー!!!」

雪ノ下「・・・ハッ。私としたことが取り乱してしまったわ・・・」

雪ノ下「でも無理もないことだわ・・・幻の激レアグッズ"パンさんバンブーヌンチャク"が落ちていたのだから」

雪ノ下「今年公開された映画"パンさんVSドランクモンキー"の公開記念イベントでプレゼントされた竹製ヌンチャク・・・これも日本国内では手に入らない激レアグッズだわ・・・!」

雪ノ下「またしてもこれほどの物を落とすなんて、落とし主は一体誰なのかしら・・・」

雪ノ下「取り敢えずヌンチャクで遊ぶわよね?」ブンブン ホワチャー



雪ノ下「・・・!あっちにまた何か落ちているわね・・・」

雪ノ下「・・・!これは・・・!」

雪ノ下「MAXコーヒー(無糖)!!!」

雪ノ下「MAXコーヒーの変わり種フレーバーとして期間限定でリリースされている、話題の無糖タイプ!」

雪ノ下「コーヒー入りの練乳と名高いMAXコーヒーから糖分を抜くという神をも恐れぬ暴挙の産物ね。MAXコーヒーマニアはマストドリンクの一本だね・・・!」

雪ノ下「でもこれはいらないから置いていきましょう」ポイッ

>>52を修正

雪ノ下「・・・?何か落ちているわね・・・」

雪ノ下「・・・!これは・・・!」

雪ノ下「パンさん!!!パンさん好きなのぉー!!!」

雪ノ下「・・・ハッ。私としたことが取り乱してしまったわ・・・」

雪ノ下「でも無理もないことだわ・・・幻の激レアグッズ"パンさんバンブートランプ"が落ちていたのだから」

雪ノ下「これはニュージーランド産の竹を切り出して一枚一枚世界屈指の竹細工職人が彫刻を施した幻の逸品・・・日本国内ではまず手に入らない・・・」

雪ノ下「誰かの落し物なのだろうけど、いったい誰が落としたのかしら・・・。その人物に話をつけて是非とも譲って貰いましょう」



雪ノ下「・・・!あっちにまた何か落ちているわね・・・」

雪ノ下「・・・!これは・・・!」

雪ノ下「パンさん!!!パンさん好きなのぉー!!!」

雪ノ下「・・・ハッ。私としたことが取り乱してしまったわ・・・」

雪ノ下「でも無理もないことだわ・・・幻の激レアグッズ"パンさんバンブーヌンチャク"が落ちていたのだから」

雪ノ下「今年公開された映画"パンさんVSドランクモンキー"の公開記念イベントでプレゼントされた竹製ヌンチャク・・・これも日本国内では手に入らない激レアグッズだわ・・・!」

雪ノ下「またしてもこれほどの物を落とすなんて、落とし主は一体誰なのかしら・・・」

雪ノ下「取り敢えずヌンチャクで遊ぶわよね?」ブンブン ホワチャー



雪ノ下「・・・!あっちにまた何か落ちているわね・・・」

雪ノ下「・・・!これは・・・!」

雪ノ下「MAXコーヒー(無糖)!!!」

雪ノ下「MAXコーヒーの変わり種フレーバーとして期間限定でリリースされている、話題の無糖タイプ!」

雪ノ下「コーヒー入りの練乳と名高いMAXコーヒーから糖分を抜くという神をも恐れぬ暴挙の産物ね。MAXコーヒーマニアはマストドリンクの一本ね・・・!」

雪ノ下「でもこれはいらないから置いていきましょう」ポイッ

おつ

乙です


期待

雪ノ下「またパンさんグッズだわ・・・これで五個目ね」

雪ノ下「はっ・・・!」

雪ノ下「気がついたら屋上の扉の前まできていたわ・・・」

雪ノ下「これだけのパンさんグッズをコレクションできる人物の正体・・・間違いなく世界に一人しかいないわ・・・」





雪ノ下「それは・・・他ならぬパンさん本人!彼を置いて他にいない・・・!」





雪ノ下「やっぱり・・・私が睨んだ通りパンさんは実在したのね・・・!」

雪ノ下「このグッズをたどっていた先・・・扉の向こうにパンさんがいる・・・?!」

雪ノ下「・・・!」ゴクリ



ガチャ



パンさん「・・・」

雪ノ下「パンさん!!!パンさん好きなのぉー!!!」

ダダダ
ギューダキッ

雪ノ下「パンさん!やっと会えた!ずっと会いたかったの・・・!」

パンさん「・・・」ギュー

雪ノ下「パンさん!私と友達になって!」

パンさん「いいぞ」

雪ノ下「?!・・・その声は」





パカ





八幡「ハッピーバースデー!!!雪ノ下!」

雪ノ下「比企谷君?!」

八幡「ドーモ比企谷八幡デス」ペコリ

雪ノ下「着ぐるみ、ということは・・・パンさんは実在しない・・・?」ドヨーン

八幡「ショック受けてるところ悪いが・・・お前の両手一杯抱えてるパンさんグッズ、それ全部俺からの誕生日プレゼントだ」

雪ノ下「・・・あなたこれだけの物をどうやって集めたの?」

八幡「去年から一年掛りで集めたんだ。ニュージーランドにも行ったぞ」

雪ノ下「馬鹿ね。受験生ともあろうものが・・・それもこんな大切な時期に何をやってるのよ」

八幡「受験は浪人できるが、青春は浪人できないだろ?まあ浪人する気もないが」

雪ノ下「よくそんなしたり顔ができるわね・・・この馬鹿」



八幡「そんなことより・・・さっき友達になろうって」

雪ノ下「あれは・・・あなたにではなくパンさんに言ったのだけれど」

八幡「くっ・・・ガードの固いやつめ」





雪ノ下「比企谷君。好きよ」





八幡「ハァ?///」

雪ノ下「パンさんがね」

八幡「それは知ってるよ・・・」

雪ノ下「でもあなたのこともパンさんの次ぐらいに好きよ」

八幡「・・・///」

雪ノ下「つまりあなたは私の一番好きな人ということになるわね」

八幡「・・・そうなるな」ドキドキ

雪ノ下「パンさんグッズ、ありがとう。だけれど、これだけの物を一方的に受け取ることは少し気が引けるのだけれど・・・」

八幡「いや別に俺がやりたくてやったことだから気にすんなよ」

雪ノ下「ふふ。あなたらしいわね。そんなところも好きよ」

八幡「どうしたんだよお前今日///」

雪ノ下「以前あなたは言ったわよね。『何も言わずともお互い通じ合う関係なんて幻想だ』と」

雪ノ下「だから私は言い続けることにしたわ。比企谷君好きよ」

八幡「・・・聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるわ///」

雪ノ下「あの場所で、文庫本を読むあなたの横顔をいつまでも眺めていたい」

雪ノ下「もちろん横顔じゃなくても、正面に座ってくれた方が嬉しいのだけれど」

八幡「でもほら、俺見つめ合うと素直にお喋りできないし///」

雪ノ下「あなたをもっと罵倒したい。そうすればあなたは卑屈な冗談の応酬ができるから」

八幡「慣れちまえば楽しいもんだな、あれも」

雪ノ下「家に帰ってもずっとあなたのことを考えてるわ。何をしているのかとか、お腹を出して寝ていないかとかね」

八幡「オカンかよ・・・///」

雪ノ下「学校の外で偶然会う機会も多かったわね。その度に私は小躍りしそうな程嬉しかった。あなたが好きだから」

八幡「もうわかったから///」

雪ノ下「時々意見の相違から、攻撃的な態度をとってしまうこともあるけれど」

雪ノ下「それはあなたが好きだから。傷つけたくないからなの」

雪ノ下「こればかりはあなたに理解されなくても構わない。あなたの卑屈さに頼るようなことは二度とないと思って頂戴」

雪ノ下「もし私の気持ちが伝わったなら。これからは一緒に知恵を絞って、助け合えばいい」

雪ノ下「好きよ。比企谷君。あなたのことがどうしようもなく好きだわ」

八幡「・・・///」

雪ノ下「何回でも言ってあげるわ。好き」

八幡「わかったって。もう十分伝わってるから///」

雪ノ下「もう少しあなたの近くに寄ってもいいかしら」

八幡「・・・勝手にしろよ」

雪ノ下「ふふ。素直じゃないわね。そんなところもかわいいわ」コテン

八幡「つーかいきなり寄りかかってくるって・・・マジで変なもんでも食ったんじゃ」

雪ノ下「あら。スキンシップは愛情を伝えるのに最も合理的な手段なのだけれど。嫌なら抵抗すればいいのよ」

雪ノ下「しかし、あなたの肌に触れて体温を感じられることがこんなに幸せだなんて」サワサワ

八幡「くすぐったい・・・///」



雪ノ下「きっとずっとあなたが好き。何があっても。でもあなたは裏切られることが怖いのよね?」

八幡「・・・そうだ」

雪ノ下「これから先、私があなたの期待を裏切るようなことがあるとすればそれは・・・私があなたを口説く時じゃないかしら」

雪ノ下「あなたのイメージを超える大胆さで迫ってみせるわ。あなたの期待を裏切って、虜にしてみせる」

雪ノ下「こんなふうに・・・」


チュ


八幡「・・・?!」

雪ノ下「どうだったかしら」

八幡「まさか今だとは思わなかったよ・・・///」

雪ノ下「舌も入れたほうがよかったかしら」ウーン

八幡「お前な・・・///」

──────
───




八幡「一泡吹かせるつもりが、やり込められるのは俺の方だった」

八幡「やっぱりゆきのんには勝てなかった・・・」

八幡「みたいなね!!!」

戸塚「パンさんバカからのクーデレ雪ノ下さんかぁ・・・八幡冴えてるね!!!」

雪ノ下(こんな風に言えば比企谷くんはクラっと来てしまうのかしら。ユキペディアを更新しないと・・・///)



八幡「っつーか俺未だにゆきのんのメアド知らないんだよな。逆におかしいよな」

戸塚「えっ?!まだ連絡先交換してないの?ヘタレっていうか、普通に不便でしょ」

八幡「そうなんだよな。いっつも何かあるときは小町かゆいゆい経由だもん。連絡網じゃないんだから」

戸塚「もう早いところ教えてもらいなよ」

八幡「でもなんかここまで来ると先に聞いたほうが負けみたいな空気になってるし、"ゆきのん メアド"でググっても出ないし」

戸塚「出るわけないでしょ!!!こういうのは男子から聞かないと」

雪ノ下(戸塚くんナイス・・・!)

八幡「でも、今更聞いてもなんかもう俺が告白したみたいになるだろ?」

戸塚「ならないよ!!!」

八幡「ドリンクバー行ってくる~。さいちゃん何飲む?」

戸塚「あ!八幡逃げようとしてるなー!!!」

雪ノ下(もう!比企谷君の馬鹿。ぼけなす。八幡!)

八幡「サキサキって前と随分変わったよな」

戸塚「あー。確かに!バレンタインイベントのときもね」

八幡「前は黒レースが似合うやさぐれガールだったのに」

戸塚「黒レースが似合うって、似合うと思うけど・・・」

八幡「だって、2年に上がったばっかりの頃なんか、遅刻の常習犯で、朝方までお水のバイトしてたんだぞ」

戸塚「お水って言ってもバーテンさんだけどね」

八幡「しかも無愛想で他人を寄せ付けない切れたナイフみたいな雰囲気だった。あのイケメンクソ葉山のハニートラップすらガン無視だぞ」

戸塚「でも、今は由比ヶ浜さんとか海老名さんとも仲いいよね」

八幡「そう!今となってはもう、角が取れて丸くなりすぎだよ。生徒会選挙とか体育祭のとき助けてくれたし。バレンタインイベントの時なんかけーちゃん連れてきちゃうし」

八幡「しまいには里芋の煮っ転がしを作っちゃう始末だ」

川崎(うるさいな)

八幡「このペースでいったらそのうち庭先でハーブとか育て始めるぞ多分。ライトニングさんじゃないんだから」

戸塚「えー。いいじゃん!家族思いの優しいお姉さんのサキサキ」

八幡「今も死ぬほど可愛いけど、前のちょっとミステリアスなサキサキもよかったなーと今更ながら思うわけよ」

川崎(そうなの?・・・///)

八幡「そんなサキサキと(500)日のサマーみたいな恋がしたい・・・」



ホワワワーン

キテター

やっとサキサキのターンだ

──────
───




修学旅行



夜の帳が降りた境内は静寂に包まれていた。
時折吹く秋風が、背の高い樗や楠の木を揺らし、その巨大な輪郭が闇の中で蠢く。

「っべ~わ~肝試しやんのに雰囲気ガチすぎっしょ~。見て海老名さん。これ鳥肌で大根おろせるっしょ~」

鬱陶しさに定評のある戸部のデカイ声も、森が作り出す闇に吸収されるように、虚しく木霊するようだ。
普段飄々としている海老名さんの困り顔も戸部のウザさに拠る処ばかりではなさそうだ。

「じゃあみんなクジ引いてくれー!」

そんな中、葉山が即席のクジ箱を掲げた。肝試しのペア決めのクジだ。
リア充イベントと無縁の俺も、戸部の恋愛成就をサポート役ということで参加することになっている。
戸部の恋路など心底どうでもいいのだが、奉仕部が受けた依頼である以上は致し方ない。
言うまでもなくこのクジは事前に細工がしてあり、戸部と海老名さんがペアになることは内定しているが・・・・
果たして俺は誰と組むことになるのだろうか・・・。

「あちゃー、八幡ペアじゃなかったね・・・残念」

薄暗さの中、戸塚はまつ毛の数が数えられそうなほど顔を近づけてきたので、俺はキスをした。
・・・いや、しなかったが、その代わりに吐息がかかるほど耳元に顔を寄せ

「誰かに交換して貰ってくるわ・・・」

と耳打ちする。

「ダメだよ!八幡ズルしちゃ!何のためのクジだと思ってるの」

めッとばかりに顔をしかめる戸塚。そのかわいさに免じて俺は神の悪戯におとなしく従うことにした。
それとなく、未だ組み相手が決まっていなさそうな奴を探そうと、首を巡らせる。

目が合った。


誘蛾灯の光を強かに照り返す青銀色の髪、気だるさを湛えた眼に泣きぼくろ。
川崎沙希と俺の視線が交差した。・・・が、どういうわけかフイと目を逸らされてしまった。
確認するようにゆっくりと視線を戻すと、示し合わせたかのようにまた視線が絡む。



そうして愛想笑いもできない俺と彼女の、肝試しが始まったのだ。

昼間、散々戸部と海老名さんの雰囲気作りに一丸となって気を揉んでいた割に、肝試し特に仕込みはなかった。
ただ、アホみたいに暗い森の中を進み、一周して戻ってくるだけという何の捻りもないコース設定。
それがかえって、肝試しのリアリティに輪をかけていた。仮に異常事態に陥っても、それは吊り橋効果を期待した優しいお節介などではないのだ。

俺は気を紛らわすため顔にたかってくる蚊を叩きながら歩みを進めていく。
それに飽きると前を歩く川崎の尻を盗み見る。デニム腰にもわかる形のいい尻だ。

「つーか、お前。昼間お化け屋敷でビビってた割に平気そうだな」

気を紛らわすには、最も有効な手段。会話だ。

「まあ、なんか出たら殴り倒すし・・・」

そう応える川崎の上半身は中途半端な空手の型が保たれている。そう言えば彼女には空手の腕に覚えがあるらしい。

「アンタ。あんまり離れるとはぐれるから」

懐中電灯を持つ川崎が振り返って呼びかけた。
各ペアに一つづつ配布された懐中電灯は、見苦しい言い争いとじゃんけんの結果彼女に渡ってしまっていた。
ここは大人しく川崎に従うしかない。

「へーい」

大人しく前を歩く川崎に一歩近づくと、すぐ近くを何かが通り過ぎた。

一歩後ずさると、木の枝がパキリと鳴る。

「えっ?!何?!なんかいた?!」

と勢いよく振り返る川崎。
懐中電灯の光芒が俺の腐った目を焼き尽くしてしまいそうなほど目に刺さる。思わず目を眇めた。

「ちげーよ。お前のポニテだ。サラサラしてたしいい匂いした」

心に余裕がないせいか、俺らしからぬ素直な感想が口を衝いて出てしまった。

「あっそ」

ポニテがふわりとスイングさせて踵を返し、川崎は再びズンズンと進んでいく。

つづきはよ

乙です!

境内から離れるといよいよ視界は闇に塗りつぶされる。森の胎で冷やされた空気が濃密になる。
冥府の門を潜っているかのように、俗世の気配は遠ざかっているようだ。

「つーか何でお前、来たんだよ?肝試しなんか」

「・・・別に。海老名に誘われて」

「弟、・・・元気か?」

「ああ、まあね。おかげさまで」

会話もこんな調子でどこか軸が安定せずぶつ切りだ。

その時、茂みがガサッと揺れた。
「ひっ」と短く悲鳴を漏らした川崎が後ろに飛び退き、勢い余って背中から倒れ込んできた。
俺は咄嗟に脇の下から腕を通し抱きかかえるようにして体重を支える。
なんだかいい匂いがしてそのまま抱きしめてやろうかとも思ったが、何とか踏みとどまった。

「うわ、ビックリしたー」

と、体勢を立て直しながら、川崎は事も無げに安堵のため息をつく。
身を捩って俺の腕の中から逃げ出す所作も、どこか演技じみていた。吊り橋効果など、存在しないとばかりに。

「狸かなにかじゃねーか。お前ビビリすぎだろ・・・」

昼間お化け屋敷に入った時、意外にも川崎が一番慌てていた。

「・・・あたしのこと愛してるならちゃんと守ってよ」

そんな茶化し合いの応酬。川崎は所在なさげに視線を泳がせる。
このとき川崎はどさくさに紛れて俺の本心を探りに来てるな、と俺は思った。
俺は「愛してるよ」ともう一度抱きしめて・・・やりはしなかった。
返答に窮していると、懐中電灯が突き出される。

「アンタが持って先歩いて」

川崎は俺の後ろに回り、上着の端を掴んだ。いや、掴んだというより最小面積をつまんだと言ったほうが的確か。

>>65>>66
投下速度遅くてごめんね!!!
書き溜めが無いんです!!!

しばらく歩くと否が応にも思考が冷却される。

四方を囲む闇の中に、死神の気配を感じる。恐怖が脳が作り出す幻想の死神だ。
気を抜くと死神がはっきりとした輪郭を得て、走り出してしまいたくなる衝動に駆られるだろう。
川崎が俺の上着を掴む手にも力が篭っていた。

「アンタ、誰にでも言うんだね。愛してるって」

出し抜けに川崎が言う。鎌をかけてきたか。

「バカ言え。俺が愛してるのは小町と戸塚。お前に言ったのは・・・ほら、あれだ」

「じゃあ、ゾンビとか妖怪が出てきたら口説いてやりな。きっとイチコロだから」

これは多分当てつけか皮肉だ。俺は「一番愛しているのはお前だよ」と優しく抱き寄せ・・・ない。

「まあ俺もゾンビ界では割とイケメンだしな。誰がゾンビだ」

ここで笑いの一つでも起きれば気も紛れるのだが、お互いあまりに余裕が無さ過ぎた。



そんな時、俺の手の中の懐中電灯の光が痙攣するように明滅した。
まるで命の灯火が消える前の最後の痙攣のようだ。



「え?、ちょっと?!ウソでしょ?!」

川崎は俺の上着の裾をいっそう強く握りこんだ。
俺は電灯を振って先端部を手の平に打ち付ける。頼む・・・消えないでくれ。
が、俺の命乞いも虚しく、電灯は完全に沈黙した。

「なんだこれクソッ!」

森が完全な闇と静けさに包まれる。
俺たちを取り囲む影から無数の異形の眼がこちらを見つめている。

「ムリムリムリムリ・・・」

背中に柔らかい感触を感じた。川崎はとうとう恥も外聞もかなぐり捨てて、俺に抱きついてきた。
柔らかい両腕が俺の横腹を押しつぶさんばかりに締め上げる。
呼吸が荒い。熱い吐息が、布地を通して俺の背中をじんわり蒸した。

俺の思考は超回転して、懐中電灯を蘇生する方法に思い至った。
電池を取り出して回すのだ。回せば、なんか接触とかアレとかが色々良くなってなんとかなる。残された手段はそれしかない。
藁をも縋る思いで裏蓋を捻る。

しかし、焦って手元が狂い、電池は俺の手から滑り落ちた。
しまったと思ったときにはもう遅かった。電池は闇に誘われるように斜面を転がり、消えた。

絶望の波がじんわり押し寄せ、背筋に怖気が走る。

俺が呆然としていると、不意に体からにまとわり付く圧迫感が離れた。
川崎が転がり落ちた電池を追って走り出していた。
咄嗟の判断だろう。

俺はしばらくその場で身を強ばらせながら待っていたが、川崎が戻ることはなかった。
束の間とは言えこの闇のの中ではぐれる危険のある判断は避けるべきだった。あるいは川崎をすぐ追いかけるべきだったか。

「川崎~???」

返答はない。今度は「サキサキ~!!!」と叫んでみたが・・・梨の礫だった。

目を凝らし周囲をぐるりと見渡すが、そこには遠近感を喪失した暗いパノラマが広がっているだけだ。



白いウサギを追いかけて不思議の国に旅立ったのはアリスだったか。
アリスは姉の膝の上で無事に目を覚ましたが、川崎は果たして・・・と想像を巡らせる。ぞっとしないぞこりゃ。







冷静になったところで俺はスマホのライトアプリをタップした。
きっと自分の起点の利かなさに呆れる男の顔が、ぬぼーっと青白く浮かんでいることだろう。

スマホの細い灯りを頼りにしばらく歩くと、川崎の姿を見つけた。

地面にうずくまって肩を震わせている。デニムには土が付いていた。
あてもなく電池を探して歩いいて孤立して、身動きが取れなくなってしまったのだろう。

スマホをかざしながら刺激しないようにそっと近づく。

「川崎?」

「来ないで来ないで来ないでこないで」

「落ち着け。ゾンビ界のイケメンが来てやったぞ」

俺は憔悴しきっている川崎のそばに寄り添うようにしゃがみ込む。
そして震える肩に腕を回してそっと抱き寄せた。



そう。今抱き寄せたのだ。



川崎は顔を伏せる。泣き顔を見られまいとしているようだ。

「ごめん、でんち無くなっちゃった・・・」

「それはもう大丈夫だ。スマホがある」

「でんち、無くしちゃったどうしようねえ!」

なかなか重症らしい。俺は力なく繰り返す川崎の肩をより一層強く抱いてやる。

「気持ちが落ち着くおまじないを教えてやる。まずアルファベットを何でもいいから思い浮かべろ」

「もうやだ。帰ろう。引き返そう・・・」

「アルファベットだ。下着のサイズとか、ブラのカップ数とか、下着のカップ数でも何でもいい」





「・・・E。E、E、E!」





束の間の沈黙の後、脳裏に理解の炎を灯した川崎はガバと顔を上げる。

「バカじゃないの?」

暗くて顔を見えないが、きっと耳まで真っ赤になっているに違いない。そんな慌て様だ。

「霊は生のエネルギーを感じると逃げるらしいぞ。どうだ?落ち着いただろ」

「怖がってんのがなんかバカみたいになった」

一転して震えの消えた声だった。
泣き腫らして赤くなった目元を拭うと、川崎はまた顔を背ける。

「じゃあ行くか」

促すが中々川崎は立ち上がろうとしない。

「待ってもう少し・・・このまま」

俺は肩に回した手を川崎の頭の上に乗せてやり、撫でる。

「蜘蛛の巣付いてるぞ。とってやる」

素直じゃない彼女のため、そんな方便も添えてやった。
子供をあやすような撫で方だが、川崎はお気に召したようで、何も抵抗はしなかった。
川崎は時々体を傾けるようにして揺らす。ゆりかごに揺られるように。それでいて悪戯するように。
その度お互いの体が密着して、肌の柔らかさや体温を感じた。

暗い森の片隅で、俺は胸のすくような安寧を覚えていた。
言葉を介さずとも互を感じ合えた気がした。

「スマホの灯りじゃあ、心もとないからな。はぐれないように・・・」

歩き出してすぐ、俺は川崎の手を強引に取った。
川崎は一瞬身じろぎはしたものの、俺の手を受け入れる。
細く柔らかい指だ。割と手汗がびっちょりだが今はそれすらも愛おしい。

俺は彼女の意思を確かめるために、指をそっと握りこんでみる。
反応が返ってきた。フレンチキスのような控えめなニギニギだった。

「川崎。愛してるぞ」

「あたしも。愛してる」

彼女は小さく笑って、俺の肩をやや強めに殴った。

この時点で肝試しの醍醐味の大部分が失われてしまったといっていい。

何しろ、俺達の思考は霊魂の囁きが付け入る隙のないほど、優しさに満ち溢れていたから。

退屈してしまったので、俺は新たな遊びを提案することにした。





「なあ川崎。ペニスゲームをしよう」





「ペ、・・・何それ?」

「お互いに、"ペニス"と言う単語を交互に言っていくゲームだ。エロいことを考えてれば霊も逃げてくだろ」

「はあ?」

「言いながらちょっとずつ音量を上げていくんだ。少なくとも相手より大きな声で言わなければいけない」

「それ、どうやって勝ち負け決めるの?」

「先に誰かに気付かれた方が負けだ。本来は公園とか人が居る場所でスリルを味わうゲームだけど、そのへんは気にするな」

「バカじゃないの・・・?」

「ペニス」

呆れる川崎を他所に、まず俺が言った。蚊の鳴くような小さな声だ。

かたや川崎はと言うと・・・どうやら彼女も心霊体験の最中に理性やら貞操観念やらを落っことしてきたらしい。

「ペニス」

蚊がハエぐらいになった。

それでもまだまだ小さなペニスだった。

乙です

それから俺たちは二人で、"ペニス"を膨らませていった。

「ペニス」

「ペニス!」

「ペニス!!」

「ペェニス!!!」

小さかったペニスはムクムクと大きくなり、ハエがネズミになり、ネズミが猫になり、猫はヤギになった。
しかし、いきなり大きくしすぎるのも良くない。慎重に、少しずつギリギリを攻めて行くのが楽しかった。
俺たちは笑い合い、お互いのペニスを褒め合ったりもした。
時々手をニギニギしたりもした。

「ペェニス!!!!」

「ペニスッ!!!!!」

「ペェァニスゥゥゥゥウウ!!!」



だけど俺たちは夢中になりすぎてしまったようだ。



「ペニスゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!」

川崎の叫びが夜のしじまに盛大に響く。

ちょうどペニスが戦車の主砲ほどになろうとしたとき、遅まきながら既に闇が晴れていたことに気づく。
木々が織り成す天涯は晴れ、誘蛾灯の下には見知った顔が並んでいた。

そこへ川崎は男性器の呼称を叫びながら登場したことにになる。

由比ヶ浜と戸塚が口をあんぐり開け、雪ノ下が顎に手を当て顔をしかめ、葉山が苦笑いをし、戸部はアホズラ具合により輪をかけ、海老名さんの目のハイライトが消え、三浦はやはり口をあんぐり開けている。

生還を果たした俺たちを出迎えたのは永遠とも思える沈黙だった。

川崎の顔はみるみる紅潮し、引き結んだ唇は戸惑いに波打っている。

やがて、この状況に耐えかねたのか、川崎は俺の手を振りほどき走り出そうとした。

だが、俺はまだ彼女の手を強く握っていた。

ここで手を離してしまえば、今夜の出来事が全て泡のごとく儚く消えてしまうような気がしたから。

ゲームのルール上、俺は川崎にペニスゲームで勝利したことになる・・・つまりゲームはここで終わり。
だから、なんだ。俺の心が叫びたがっているんだ。

そして俺は叫んだ。
喉が避けんばかりに、全身全霊の力を込めて。


「ペェェェェェェェェェニスゥゥゥゥゥゥゥウウウ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



fin

良いEND、良い八雪だった……
こんなクォリティのエンディングがまだいくつか見れるのか、嬉しすぎるぞ

──────
───




川崎(うわ~~~///バカじゃないの?///バカじゃないのー?!?!?!///)

戸塚「なんか気合入ってたけど、(500)日のサマーの要素、最後のところだけだよね?」

八幡「まあな・・・」

戸塚「どっちかというとサキサキもライトニングさん路線だし」

川崎(いやだからライトニングさん路線って何・・・)

戸塚「途中で恥ずかしくなってギャグに逃げたでしょ八幡」

八幡「えへへ///」

戸塚「かわいい」



八幡「サキサキはあれだよな。教室で遠くから観察しててもかわいいよな。ずっと見ていたい」

戸塚「あ、じゃあサキサキのライトニングさんエピソード発表するね!」

八幡「お?」

川崎(やめて戸塚・・・)

戸塚「川崎さん、お昼休み基本一人でご飯食べてるでしょ?で、よく観察してたらお弁当にお箸つけ忘れてたみたいでね。ちょっとアタフタしてたの」

八幡「あ~。ぼっちあるあるだな。ぼっちだと誰かに余った箸とか貰いにいけないんだよな」

戸塚「で、カバンの中をガサゴソやってたら割り箸出てきて、すっごいホッとした顔してた」

八幡「サキサキ~!!!で、オムライスに文字書いてたりしてな。"Let's eat!"みたいな」

戸塚「いや、けーちゃんとお揃いのキャラ弁だった」

八幡「サキサキ~!!!」

戸塚「サキサキ~!!!」

川崎(やめろ~!///)


モニタールーム



川崎「何かあの感じだと二人共、(500)日のサマー観てるっぽいけど」

いろは「戸塚先輩はまだしも先輩が恋愛映画見るって・・・意外」

由比ヶ浜「なんかこの前さいちゃんに聞いたんだけど、二人で一緒に見たらしいよ」

平塚「あの二人仲良すぎだろ・・・!」

雪ノ下「羨ましいのだけれど・・・!」

由比ヶ浜「なんかさいちゃんに先越されてる気分・・・!」

戸塚「ねえねえ八幡・・・」

八幡「なんだい天使」

戸塚「あのね・・・こんなこと言ったら八幡ドン引きするかもしれないけど・・・」

八幡「うん?」

戸塚「僕と八幡のエピソード考えてきたんだ///だからホワワワーンやっていい?」

八幡「・・・」

戸塚「八幡?」

八幡「大丈夫だ戸塚。ちょっと光になってただけだ。さあ、そのエピソードを聞かせてくれ俺が正気でいるうちに!!!」

戸塚「よくわかんないけどわかった!!!」



ホワワワーン

──────
───




『激闘!総武警察24時』



戸塚「13時20分!犯人確保!」

ガチャン

戸塚(僕の名前は戸塚彩加。刑事です)

由比ヶ浜「すごーいさいちゃん!流石検挙率ナンバーツー!」

戸塚(この人は同じ課の由比ヶ浜警部補。美人すぎる刑事として一時期話題になったこともある人だ)

戸塚「いや、みんなの協力があってこその犯人検挙だよ」

雪ノ下「いや、あなたの地道でワイルドな捜査が手がかりに結びついたのよ。流石ワイルド刑事とあだ名されるだけはあるわね。お手柄よ」

戸塚(僕は署内ではワイルドと言うあだ名で通っている。自分でも結構ワイルドな方だと思っているのでこのあだ名が気に入っている)

戸塚(因みに雪ノ下警部は検挙率ナンバーワンの敏腕だ。本庁から転属してきたキャリア組だ)

由比ヶ浜「ワイルドさいちゃんだね!」

戸塚「もう!その呼び方やめてよ!なんか時代遅れっぽいから!」

由比ヶ浜「あはは」

平塚「ご苦労だったな戸塚刑事。後は私に任せて署に戻ってくれ」

戸塚「わかりました平塚警視!」ビシ

戸塚(平塚警視は女だてらに警視まで上り詰めた、僕たちの頼れる上司だ)

戸塚(何でも階級と年齢は比例の関係にある縦社会で、出世=若返りと言う理論を編み出して今まで努力してきたとか)

戸塚(結婚の話題はタブーだ。もし琴線に触れてしまった場合は退屈な交通課に回されてしまう)



平塚「それと、今日は君の課に新しい刑事が転属してくる。君とコンビを組むことになっている例の彼だ・・・」


戸塚「そうでしたね・・・。どんな人なんだろう・・・」

総武警察署



戸塚(僕とコンビを組むことになっている刑事は何でも物凄く優秀だが曲者らしい)

戸塚(とにかく型破りでリスキーな捜査をするそうで、前の勤務先では上も扱いきれず持て余していたとか・・・)



八幡「よお。アンタが戸塚刑事か」




由比ヶ浜「あ、・・・イケメン///」

戸塚(突如現れた伊達男に、由比ヶ浜刑事が頬を朱に染めた。確かにサングラスがなかなか破天荒刑事っぽくサマになっていて、いい男だ)

戸塚「やあよく来たね。僕が戸塚だよ。みんなにはワイルドって呼ばれている。よろしくね」

八幡「おう。比企谷だ。よろしく頼む」

戸塚(そう言って比企谷刑事はサングラスを外した・・・んだけど)

由比ヶ浜「・・・」

戸塚(後ろで見守っていた由比ヶ浜刑事の表情がにわかに曇った)

戸塚(比企谷刑事の目はなんだかどんよりしていて、言い方は悪いけど"腐っている"みたい)

戸塚(まるでこの世のあらゆる修羅場を潜って、悪との戦いに疲れきってしまったような澱んだ目・・・)

戸塚(でも、僕はこの目が結構好きだ。むしろこの人はデキると、刑事の勘が告げていたのだ)



戸塚「よろしく。ところで今から昼ご飯食べに行くんだけど、比企谷刑事も一緒にどうかな」

八幡「そりゃいいな。因みにどこに?」

戸塚「うちの食堂はとにかくマズイって評判でね。ジョナサンに行こうと思ってるけど」



八幡「・・・ジョナサンだと?」




戸塚(ジョナサンと聞いて、どういうわけか比企谷刑事の目の奥が一層暗くなった。やっぱり刑事がファミレスご飯食べるのって変かな?)

八幡「因みに、戸塚刑事。出身は?」

戸塚「千葉だけど?」

八幡「ふざけんな!!!千葉人でファミレスと言えばサイゼに決まってんだろうが!!!」

戸塚「えー。サイゼリアって安いけど学生が行くイメージ」

八幡「高けりゃいいのか?サイゼはとにかく安いが、安い割にうまいんだ。特にパスタがな。他のファミレスに行こうなんてどうかしてるぜ!」

八幡「それから、サイゼリアじゃなくてサイゼリ"ヤ"だ。このスットコドッコイ!」

戸塚「す、スットコドッコイ?!」

八幡「けっ。こんな奴とコンビ組むなんてゴメンだね」

戸塚「な、なんだとー!!!」

戸塚(比企谷刑事は思ったより破天荒な人だったけど、こんな人が本当に優秀なのかな・・・。やれやれ、先が思いやられるなこりゃ!)





八幡「おーいそこの黒髪のねーちゃん。俺とコンビ」

雪ノ下「それは無理」

そんな感じでコンビを組むことになった僕と比企谷刑事。

比企谷刑事はサイゼ刑事と言うあだ名がついたけど、破天荒すぎてすぐに課で孤立した。
ちなみに張り込みの時にいつもMAXコーヒーを飲んでいて、糖尿病持ちだそうだ。



だけど僕はすぐにサイゼ刑事の有能さを身を持って体感することになる。

それは逮捕した犯人から協力者のことを聞き出そうと取り調べをしていたときのこと・・・。

サイゼは机にドカっと足を乗せ、容疑者が吐くまでカツ丼を食食べさせ、恫喝同然の取り調べを繰り広げたのだ。
あの時僕が取調室のカメラのスイッチ切らなければ、サイゼの首が飛んでいた。

見兼ねた僕は取り調べを交替することにした。
すると不思議なことに犯人はすぐにゲロったのだ。どうやらいい"刑事と悪い刑事"の効果が上手く作用したらしい。
もちろんそんな取り調べの基本テクニックは知っていたんだけど・・・。
今までワイルドと呼ばれていたせいか、僕自信自分にいい刑事役の才能があることに気がつかなかった。
でも、どうやらサイゼは見抜いた。
それで敢えて強引な取り調べをして、自分が悪い刑事役を演じたのだとか。

サイゼの辣腕ぶりは観察眼だけにとどまらない。

潜入捜査では"ステルスヒッキー"とかいって気配を自在に消せるし。
囮捜査では危険な囮役を進んで買って出る勇気もあり、頭も良かった。



サイゼの大胆不敵な捜査スタイルを僕があとからフォローする形。これが軌道に乗り始めると、操作の効率がグンと上がる。

そんな感じで僕たちは次々事件を解決し、名コンビと呼ばれるようになったんだっけ・・・。

エンディング・病院



戸塚「サイゼ刑事ー?元気ー?」

八幡「おう」



戸塚(なんやかんやあって、比企谷刑事は検査入院中でベッドに横たわっている)

戸塚(SWATが突入するまでの時間稼ぎに立てこもり犯を説得しようとして丸腰で近づいたのだ)

戸塚(それでなんやかんやあって由比ヶ浜刑事を庇って犯人に撃たれてしまった)

戸塚(でも、胸ポケットに入っていた辞典みたいに厚い小説が銃弾を止めたお陰で大事には至らなかった)

戸塚(たしかタイトルは・・・)



戸塚「境界線上のホライズンだっけ?」

八幡「ホライ"ゾ"ンだこのスットコドッコイ!」

戸塚「それだけ元気があれば大丈夫そうだね」



戸塚「ん?花瓶が置いてあるね。誰かお見舞いに来たの?」

八幡「ああ、由比ヶ浜がな///」

戸塚「へー。由比ヶ浜さんかぁ・・・。絶対サイゼのこと好きだよ。非番の日にデートに誘ってみたら?」

八幡「バッキャロウ!俺たち刑事は明日をも知れぬ身だ。女なんか作ってくたばっちまったら悲しませるだけだ///」

戸塚(といいつつ顔を赤らめるサイゼ。まんざらでもないみたいだね。サイゼが地雷原に踏み込んでいくのを止めるのも、これから僕の役目になりそうだな)



戸塚「まあ何はともあれサイゼのお陰で今回の事件は無事解決だよ。退院したらご飯食べに行こう」

八幡「けっ。誰がお前なんかと・・」

戸塚「もちろんサイゼリヤでね!」

八幡「・・・話がわかるじゃねえか」




戸塚「でも、サイゼのせいで後処理大変だったんだよ?君がいろいろ無茶するから」

八幡「あれが俺のやり方なんだよ」

戸塚「まあでも、これからも二人で悪い奴らを捕まえていこうよ!」

八幡「そうだな・・・ワイルド刑事!」



『激闘!総武警察24時・第一話『名コンビ結成?!』』
    おわり

糖尿病持ちワロタ

──────
───




戸塚「ど、どうだったかな?八幡?こんな感じで凸凹のコンビの僕と八幡が衝突しながらも次々と難事件を解決していくストーリーなんだけど・・・///」

八幡「全体的にかわいかった・・・」

戸塚「何でー?!ハードボイルドな刑事ドラマなのにー!!!」

八幡「これ、材木座も鑑識官として登場するんだよな?」

戸塚「あ!いいねそれ!材木座君なんか鑑識似合うね」

八幡「"だれが六角精児だケプコン"みたいなウザイ持ちネタもありだな」

八幡「乱世でゴザルー!!!」

戸塚「どうしたの」

八幡「俺の愛しの静が遠くに行ってしまいそうな気がする・・・」

平塚(愛しのって君な///)

戸塚「静って平塚先生だよね?何かあったの?」

八幡「この前な"私もいつまでも君のことを見ていてはやれないんだ"みたいなこと言ってた」

戸塚「それって世話焼けるのは高校生の内だけだぞってことじゃないの?」

八幡「いや、あの時のただならぬ雰囲気・・・転勤フラグだな」

戸塚「ひょっとしたら結婚して家庭に入るのかもよ」

八幡「やだやだ!!!そんなのやだ!!!」ジタバタ

平塚(かわいい)

戸塚「誰か貰ってやれよとかいつも言ってるくせに・・・八幡、平塚先生好きすぎでしょ」

八幡「平塚先生のかわいさは美人なのに結婚できないところなのに!結婚したらただの美人じゃねーか!」

平塚(かわいくねぇ・・・)

戸塚「"結婚できなかわいい"かぁ。時代を先取りした最先端ジャンルだね」

平塚(戸塚・・・フォローになってない・・・)

八幡「そんなわけで平塚先生が遠くへ行ってしまう前に最後の想い出づくりしたい」



ホワワワーン

──────
───




職員室



八幡「先生、・・・ってまた出前のそばですか・・・色気ないな」

平塚「うるさいな。こういうのカッコイイだろうが」ズルズル

八幡「相談があるんですが」

平塚「ほう。君が私に相談を持ちかけてくるとは光栄だな。よし!何でも言ってみたまえ」

八幡「不動産の話です」

平塚「はて・・・私で答えられることなら答えるが」

八幡「コンクリート打ちっぱなしで趣味全開のデザイナーズマンション。内装も申し分なく傷みも少ないが築年数は見た目より古く、駅からのアクセスも微妙」

八幡「こんな物件どう思います?」

平塚「良く分からんが私は好きだぞ。築年数が古くても耐震性が十分なら問題なんじゃないか?」



八幡「あなたのことですよ先生!!!」



平塚「え?どういうことだ?」

八幡「資産運用されないままどんどん価値が下がる残念物件ってことです」

平塚「おい。喧嘩を売りに来たのか?」ポキポキ

八幡「待ってください殴らないでぇえええ!俺が言いたいのは先生は本来の美しさを持て余してるってことなんです」

平塚「ますます話が見えないが・・・」

八幡「ズバリ、先生の今の美しさを永久に残しておくために写真集を作って自費出版しましょう!!!」

平塚「写真集・・・なるほど、余計なお世話だ馬鹿者!!!」

八幡「でも、今そういう女の人結構いますよ?自費出版といっても身内で楽しむために数冊印刷してもらうだけですし」

平塚「ほう・・・なかなかいい話に思えてきたぞ。君はセールスマンに向いてるんじゃないか?」

八幡「いや、俺は平塚先生と結婚して専業主夫になるんで」

平塚「大人をからかうな。で、どれぐらいかかるんだ」

八幡「撮影とか編集とか全て俺にやらせてもらえれば、費用は製本代だけですね」

平塚「君がか。そうなると衣装とかもいるな・・・婚活用のドレスはあるが普通の女物の服は久しく買ってないからな・・・」

平塚「どうせならこの機会に幾らか見繕うか・・・」

八幡「意外とすんなり乗ってきますね。買い物行くなら俺もついて行っていいですか?」

平塚「私は自分の物を選ぶときはこれで結構こだわる方だからな・・・退屈かもしれんが来てくれるのか?」

八幡「当たり前じゃないですか!!!」

平塚「何だ、君私のことそんなに好きだったのか?」

八幡「好きですけど?」

平塚「・・・」

後日・アウトレットモール



平塚「ケッ。カップルばかりだなつまらん」

八幡「何言ってんすか。俺たちも十分カップルに見えてますって」

平塚「そうか?どうせ親子とか姉弟に見られてるのがいいとこだ」

八幡「流石に親子はないでしょうよ」

平塚「お、あそこの店結構私の趣味だな。入るぞー」

八幡「はーい」


しばらくして



平塚「買っちゃったー♪」ルンルン

八幡「めっちゃご機嫌じゃないですか」

平塚「だって、さっきの店員さんお前のこと"彼氏さん"って呼んでたぞ。"彼氏さん"って///やっぱり私もまだまだイケるな!!!」

八幡「だから言ったじゃないですか」

平塚「どうする?もっとカップルっぽく手とか繋いじゃうか?」

八幡「い、いい考えですね///」

平塚「何だ照れてるのか!かわいい奴め!!!」ブンブン

八幡「そんなに手振って歩いてたらバカップルみたいですから///」

平塚「はー!早くこの服着たいなー♪」

平塚宅



平塚「比企谷。メイクと着替えが終わったが・・・本当にこれでいいのか?いつもの仕事着だぞ」

八幡「いいんです。写真集は白衣と三つ揃いのマニッシュないつもの先生から、徐々に女らしくなっていくっていう構成にする予定なので」

平塚「そうなのか」ドキドキ

八幡「では、愛車のツーシータのルーフに気だるげにもたれ掛かるショットから撮りますよー」

平塚「わかった」

八幡「うん。やっぱいいですね。女版次元大介って感じでやっぱり様になってます」パシャパシャ



八幡「次は白衣を脱いで、ネクタイを緩めて、マグカップに口を付けながら一息ついてるショット撮りますよ」

平塚「マグカップに口紅が付いてしまうが・・・」

八幡「それも計算通りです。クールな雰囲気な中に控えめな大人の色気がバッチリ出てますよ先生」パシャ

平塚「そうか?」

八幡「あ、目線は窓の外を見る感じで。仕事から帰って中々会えない恋人のことを思い浮かべる感じでお願いします」パシャパシャ

平塚「レフ板まであるのか・・・結構本格的だな。なんかこういうのは慣れないな・・・」

八幡「じゃあ気分出すために、"はあ。八幡に早く会いたいな"って言ってみてください」パシャパシャ

平塚「ハァ。八幡に会いたい・・・ってこれ意味あるのか?」

八幡「ただ俺が言わせたかっただけです」

平塚「バカ///」

八幡「次はタンクトップにエプロンとショートパンツで料理してるシーンです。キッチンもおしゃれな感じにセッティングしておきましたから。髪は無造作にアップで」

平塚「こ、こうか?」クイクイ

八幡「ハイ!そのまま!ヘアゴム口に咥えて脇が見えてるショットも頂きます」パシャパシャ

平塚「君こういうの好きか」

八幡「大好物です!!!特に先生がやるとキュンキュンします!」

平塚「ちょうどいいからついでに夕飯も作るか。パエリアにするが君も食べるだろ?」

八幡「いいですね。頂きます。って言うか先生パエリアなんか作れたんですね」

平塚「失礼な奴だな。最近料理教室とか通ってるんだぞ」

平塚(チケット3ヶ月分溜まってるけど)

八幡「いいですね。焼肉のタレオンリーから大きな進歩です。これでまた結婚に一歩近づきましたね」

平塚「だろ?おいしくなーれ♪おいしくなーれ♪」ジュージュー

八幡「あ。そういうのいいんで。カメラを意識せず自然体でお願いします」

平塚「おい///せっかくノってきたのに!」

八幡「あ、今の怒った表情すごく良かったですよ」パシャ

平塚「もうっ!知らん///」



八幡「次は歯磨きしてるとこ撮らせてください」

平塚「どういう感じだ?」

八幡「その椅子に後ろ向きに座る感じで。歯ブラシの先を口の中に入れてリスみたいにほっぺが膨らむ感じが可愛いと思いますよ」

平塚「ほ、ほうか?」ゴシゴシ

八幡「かわいいよ。静」パシャパシャ

平塚「・・・///」プイ

八幡「折角なんで背もたれにおっぱいを載せてみましょう」

平塚「調子にのるなー!!!」ムニュ

八幡「乗ってますけど」パシャ

八幡「ではいよいよデート編です。まずは着ていく服を選ぶ感じで色々着替えながら撮っていきましょう」

平塚「中々考えたな。収まりきらないコーデネイトを一気に消費する算段だな」

八幡「ここで調子に乗ってドレスとかメイド服とか総武高の制服とかを着ちゃうお茶目シーンも撮っていくんで」

平塚「なんで君はメイド服なんか持ってるんだ」

八幡「先生に着てもらうために買ったんですけど」

平塚「そんなこと言われたら着るしかなくなるじゃないかもう///」

八幡「じゃあまず、そのニットワンピとスカートを鏡の前で合わせながらどっちにしようかなーって感じで悩んでみてください」

平塚「どっちかなー。んー」ムムム

八幡「私ったらもう!デートに着ていく服なんかで今更悩んじゃって女子高生じゃないだから///」パシャパシャ

平塚「変なアテレコするな」

八幡「あはは」

平塚(楽しい・・・)



八幡「さあ外に来ました。デートの待ち合わせ場所です」

平塚「海辺か。ロケーションバッチリだな」

八幡「風なくてよかったですね。折角巻いた髪が崩れなくて」

平塚「こんなゆるふわみたいなの似合うか?」

八幡「美人は本来何でも似合うもんですよ。じゃあ撮りますねー」

平塚「あ、八幡!久しぶり。ずっと・・・会いたかったんだぞ♡」

八幡「不意打ちやめて下さいよ///集中できませんから///」

平塚「今回は私の勝ちだな♪」

再び平塚宅



八幡「さて、ここからはお家でまったり編です。もうデートで十分温まってるので、ここからはメスの表情してもいいですよ」

平塚「比企谷。これはあくまで写真集のための表情作りだからな。私がどんなに魅力的でも襲ってきてはダメだぞ」ドヤァ

八幡「努力します」

平塚「そ、そうか・・・せいぜい励み給え///」

八幡「じゃあベッドの上で体育座りで、甘える感じの上目遣いでお願いします」

平塚「・・・こうか。ねえ八幡?私の事どれぐらい好き?」

八幡「そのセリフですよドンピシャです!」パシャ

平塚「流石に慣れたかグヌヌ・・・ポーズも色々変えてみよう」ストン

八幡「先生、・・・それパンツが見えちゃってます///」

平塚「おっと♪」



平塚「比企谷よ。ものは相談なんだが、その・・・」

八幡「はい」

平塚「折角だし私のクーパー靭帯が現役のうちに、水着姿も写真に残しておきたいのだが」

八幡「なるほど・・・水着は用意してませんけど・・・」ドキドキ

平塚「千葉村で着た奴を引っ張ってくるからちょっと待っててくれ」

八幡「・・・」ドキドキ



平塚「いや~。すまんな。水着が見つからなかったから下着で頼むぞ」バイーン

八幡「ちょっと、脱いでくるなら一言言ってくださいよビックリしたなもう!///」

平塚「まあでもグラビアでも下着姿ぐらいなら健全なものばっかだし」

八幡「そうですね・・・」パシャパシャ



パシャパシャ



八幡「・・・」

平塚(そう言えば比企谷の奴さっきから妙に口数が少ないな・・・)

八幡「・・・///」

平塚(何だかさっきから前かがみで写真撮ってるな・・・まさか!)



ピコーン



平塚(比企谷のゼニガメがカメックスになってるじゃないか・・・!)

平塚(いや、カメールぐらいか。どちらにせよLv,30ぐらいだな。興奮してるのかカワイイやつめ。ここまで来たらメガ進化させてやりたくなってきたぞ)

平塚(よしいいこと考えた・・・!)

平塚「比企谷、私だけ下着姿というのも恥ずかしいのだが」

比企谷「そんなこと言われましても」

平塚「君も脱いだらどうだ?グラビアの撮影なんかでもモデルの緊張をほぐすために自分から脱ぐカメラマンも多いって言うぞ」

比企谷「じゃあ・・・そうします」

ヌギヌギ

比企谷「・・・///」カメックス

平塚(上半身裸だ。文化系だが男子高校生の若い肉体と言うのは中々そそるものがあるな・・・)

平塚(何だかムラムラしてきたぞ・・・!)

平塚(私もここしばらくご無沙汰だったからな・・・///ああ・・・したい・・・///)ジュン

平塚(と言うか今日の比企谷かわいすぎだぞ///何だかんだ一日中イチャイチャしてたし・・・誘ってるんだよな・・・いいんだよな?)ドキドキ

平塚(・・・よし)

平塚「少しパイポジを直したいから後ろ向いててくれるか?」

八幡「パイポジって。もっと色気のある言い方あるでしょ」クル



スルスル
スルスル



平塚「・・・よし。もうこっち向いていいぞ♪」

八幡「はーい・・・って、のおおおおおおおおおおっぱい?!」

ボイーン

平塚「ほら。もっとこっち来い。甘えてもいいんだぞ♡」

八幡「ちょっと先生///写真集を18禁にするつもりですか///」

平塚「そもそもなんでこんなこと言い出したんだ?下心があったんじゃなかったのか?」

八幡「それは・・・先生が転勤しちゃうんじゃないかと思って最後の思い出作りしようと思って・・・!」

八幡「今が全てじゃないけど、今しかないって先生も言ったじゃないですか!」

平塚「気づいていたのか・・・」

八幡「ってことはやっぱり・・・」

平塚「私は来年転勤することになってる・・・まだ誰にも言うなよ」

八幡「やっぱり・・・」

平塚「私がいなくなって、君は寂しいと思ってくれるのか?」

八幡「当たり前じゃないですか」

平塚「私も寂しいんだ。こういうことは滅多に言うことじゃなかいが、君は誰よりもかわいい私の教え子だ比企谷」

八幡「先生・・・」グス

平塚「全く・・・君は本当にかわいいやつだな・・・おいで。最後の思い出作りだ」

平塚「だめですよ、俺と先生は教師と生徒の関係なんですよ!」アワアワ

平塚「もう撮れ高も十分だろ。カメラを置いてこっちに来いって。お前の頑張りに免じてたっぷり可愛がってやるぞ♪」モミモミ

八幡「そんなの破廉恥です///不潔です!!!」ブンブン

















平塚「このあと滅茶苦茶カメックスした」

(中途半端なところですが今日はもう寝ます)

(明日には多分完結します)




>平塚「だめですよ、俺と先生は教師と生徒の関係なんですよ!」アワアワ

突然始まる静ちゃんの一人芝居

乙です!

クーパー靭帯現役とかいう切実すぎるワード

こっち来いってやっぱ男らしい


乙です

乙乙

>>94を修正

平塚「そもそもなんでこんなこと言い出したんだ?下心があったんじゃなかったのか?」

八幡「それは・・・先生が転勤しちゃうんじゃないかと思って最後の思い出作りしようと思って・・・!」

八幡「今が全てじゃないけど、今しかないって先生も言ったじゃないですか!」

平塚「気づいていたのか・・・」

八幡「ってことはやっぱり・・・」

平塚「私は来年転勤することになってる・・・まだ誰にも言うなよ」

八幡「そんな・・・」

平塚「私がいなくなって、君は寂しいと思ってくれるのか?」

八幡「当たり前じゃないですか」

平塚「私も寂しいんだ。こういうことは滅多に言うことじゃなかいが、君は誰よりもかわいい私の教え子だ比企谷」

八幡「先生・・・」グス

平塚「全く・・・君は本当にかわいいやつだな・・・おいで。最後の思い出作りだ」

八幡「だめですよ、俺と先生は教師と生徒の関係なんですよ!」アワアワ

平塚「もう撮れ高も十分だろ。カメラを置いてこっちに来いって。君の頑張りに免じてたっぷり可愛がってやるぞ♪」モミモミ

八幡「そんなの破廉恥です///不潔です!!!」ブンブン

















平塚「このあと滅茶苦茶カメックスした」

>>85を修正
──────
───




戸塚「ど、どうだったかな?八幡?こんな感じで凸凹のコンビの僕と八幡が衝突しながらも次々と難事件を解決していくストーリーなんだけど・・・///」

八幡「全体的にかわいかった・・・」

戸塚「何でー?!ハードボイルドな刑事ドラマなのにー!!!」

八幡「これ、材木座も鑑識官として登場するんだよな?」

戸塚「あ!いいねそれ!材木座君なんか鑑識似合うね」

八幡「"だれが六角精児だケプコン"みたいなウザイ持ちネタもありだな。あと、指紋が出たとき『シモオォォォォォン!!!』って叫ぶ」

戸塚「9年ぐらい前のニチアサの暑苦しいロボアニメみたいに?」



八幡「葉山はSATのスナイパーだな。いざという時に"本当は傷つけたくないんだ"とかイケメンっぽいこと言って引き金が鈍る」

戸塚「それスナイパーとして致命的に無能だね・・・。でも八幡と因縁のライバルってことにすれば女性人気出そう」



戸塚「あ、実は雪ノ下さんは本庁から送り込まれてきたスパイなんだ♪」

八幡「いいなそれ。俺と恋に落ちて本庁を裏切るってところまで妄想した」



八幡「いろはすはミニスカナースだな。俺が怪我して入院するといつも面倒見てくれるあざとい看護婦さんとか」グフフ

戸塚「お注射の時間ですよ~♪的な?糖尿病だからインスリン注射だね」

>>83を修正
エンディング・病院



戸塚「サイゼ刑事ー?元気ー?」

八幡「おう」



戸塚(なんやかんやあって、サイゼ刑事は検査入院中でベッドに横たわっている)

戸塚(SATが突入するまでの時間稼ぎに立てこもり犯を説得しようとして丸腰で近づいたのだ)

戸塚(それでなんやかんやあって由比ヶ浜刑事を庇って犯人に撃たれてしまった)

戸塚(でも、胸ポケットに入っていた辞典みたいに厚い小説が銃弾を止めたお陰で大事には至らなかった)

戸塚(たしかタイトルは・・・)



戸塚「境界線上のホライズンだっけ?」

八幡「ホライ"ゾ"ンだこのスットコドッコイ!」

戸塚「それだけ元気があれば大丈夫そうだね」



戸塚「ん?花瓶にお花挿してあるね・・・手作りクッキーも。誰かお見舞いに来たの?」

八幡「ああ、由比ヶ浜がな///」

戸塚「へー。由比ヶ浜さんかぁ・・・。絶対サイゼのこと好きだよ。非番の日にデートに誘ってみたら?」

八幡「バッキャロウ!俺たち刑事は明日をも知れぬ身だ。女なんか作ってくたばっちまったら悲しませるだけだ///」

戸塚(といいつつ顔を赤らめるサイゼ。まんざらでもないみたいだね。サイゼが地雷原に突っ込んでいくのを止めるのもこれから僕の役目になりそうだな)



戸塚「まあ何はともあれサイゼのお陰で今回の事件は無事解決だよ。退院したらご飯食べに行こう」

八幡「けっ。誰がお前なんかと・・」

戸塚「もちろんサイゼリヤでね!」

八幡「・・・話がわかるじゃねえか」




戸塚「でも、サイゼのせいで後処理大変だったんだよ?君がいろいろ無茶するから」

八幡「あれが俺のやり方なんだよ」

戸塚「まあでも、これからも二人で悪い奴らを捕まえていこうよ!」

八幡「そうだな・・・ワイルド刑事!」



『激闘!総武警察24時・第一話『名コンビ結成?!』』
    おわり

微妙だった

(次から>>94の続き)

(前スレでアイディア提供してくださった方ありがとうございます。ありがたく使わせてもらいました!)

後日



平塚(あ~今思い出してあの夜はすごかったなぁ///)ムフフ

平塚(比企谷のカメックスに5発もハイドロポンプさせてしまった。二重の意味でPP切れだったな///)

平塚(今までの中で一番凄い夜だったな・・・体の相性も良かったし///)ジュン



八幡「せんせーい」ガララ

平塚「うおっビックリするじゃないか!もう///」

八幡「?・・・写真集刷り上がったので持ってきました」

平塚「お、待ってたぞ見せてくれ」

八幡「はい、これ。タイトルは『先生と俺』です。肌が思いのほか綺麗だったで///ほとんどフォトショ使わずに済みましたよ」

平塚「ほうほう。・・・中々しっかりした作りだなうん。私としてもいい思い出になった。感謝するよ比企谷。中も今見てもいいか?」

八幡「ダメです」

平塚「何故だ?」

八幡「この写真集を先生が読んで自分の美しさにあぐらをかいて婚活をサボる恐れがあるので」

平塚「そんなに凄いのか」

八幡「ですからこれは、本当に辛くなった時に見て自信を取り戻してください。恋愛成就のお守り替わりです」

平塚「・・・分かった。君が言うならそうしよう」

2日後



平塚「いや我慢できるわけ無いだろ!!!」

平塚「せっかく写真集刷っておいて中を見るなだと?!冗談も大概にしろ!!!」

平塚「という訳で見ちゃうもんねーっ」ペラ

平塚「おーっ、誰だこの美人。メイド服着てるし。おっぱいデカっ!!!」

平塚「って私かー///そこら辺のグラドルより全然イケルだろこれ。勃起モンやで~」ペラペラ

平塚「あ、これあいつあの時の奴使ったんのかー・・・」ペラペラ

平塚「しかし奇跡の一枚みたいに良く撮れてるのばっかりだな。比企谷が提案してくれなければこんなもの作る機会も気概もなかったし、彼には感謝せねば」

平塚「あいつも性格はひねくれてはいるが、かわいいし、優しいし、勇気があるしいい男なのに」

平塚「本当にもう、誰か貰ってやれよ・・・」



ヒラヒラ



平塚「ページの間からなんか落ちてきたぞ・・・?」

平塚「・・・こ、これは・・・!」

平塚「新郎・・・比企谷八幡ってこれ、署名捺印済みの婚姻届けじゃないか!!!」

平塚「うわー///そういうことか!あいつめ、味なまねをしおってからにかわいいなもう!!!プロポーズされちゃったー///」

平塚「どれ、新婦の欄も埋めるか」カキカキ



平塚「凄い・・・私の婚姻届が全部埋まってる・・・なんか感動するな」ジーン

平塚「って何やってんだ私は///恥ずかしー///」

平塚「あ~!!!もう~!!!比企谷今すぐ抱きしめたい!!!キスしたい!!!」キュンキュン

平塚「本当にこのまま婚姻届け役所に持ってって私がもらちゃうぞー!!!!!!!///////」ジタバタ

──────
───




八幡「そんな馴れ初めで、それからずっと毎日静の白衣を洗ってあげたい」

平塚(比企谷私の事好きすぎだろ~///)

平塚(いつも雑に扱うくせに本当は優しいからキュンときてしまうんだよな///)

戸塚「これはダメだよ八幡!!!エロすぎるよ///」

八幡「妄想なんだからいいじゃーん」

戸塚「もうだめ!!!八幡は妄想禁止!」

八幡「それはそれで束縛されてるみたいで捗る」



戸塚「そういえば平塚先生って休みの日どんな服着てるんだろう・・・」

八幡「やっぱり千葉村いった時みたいな格好か?」

戸塚「あの熱血サバイバルおじさんみたいなスタイル?流石にないでしょ」

八幡「いや、コンビニ行くぐらいならあれで行くんじゃないか。法螺貝持って」

戸塚「体育祭のとき吹いてたね法螺貝」

八幡「ファミレスで店員さん呼ぶときもあの法螺貝使って呼ぶぞきっと」アハハ

戸塚「プワワーって?店員さんも飛んでくるだろうね」キャッキャ



平塚(反動で扱いが物凄く雑になった?!)

戸塚「そろそろ時間も遅いしボチボチ帰ろうか」

八幡「そうだな・・・。あ、材木座呼ぶの忘れてた」

戸塚「僕今日、材木座くんも呼んだんだよ?でも、インフルで来られないって」

八幡「あいつタイミング悪いな・・・」



八幡「あ、話変わるけど、USBメモリってあるだろ?」

戸塚「え・・・USB?」

八幡「あれってポートから外す時に"安全な取り出し"みたいなのやらないとデータ消えちゃうみたいな風潮あるじゃん」

戸塚「あるね」

八幡「でも、それやるの忘れて、普通に引っこ抜いちゃって、一瞬ヒヤッとするけど中のデータって大抵無事だよな」

戸塚「え?このタイミングであるあるネタ?」

八幡「俺気になって、データが本当に消えるのか実験してみたんだよ。いらないUSBをズポズポ差したり抜いたりして」

戸塚「ズポズポっていうのやめてよ・・・」

八幡「そうしたらな、30回分ぐらい色々やってたらやっぱりデータ消えた」



戸塚「ねえ・・・もしかしてだけど、そのUSBってクリスマスパーティのときプレゼント交換で材木座君から貰ったやつじゃないよね・・・」

八幡「そうだけど?」

戸塚「話変わってなかった!!!材木座君の小説そんなしょうもない実験で消しちゃったの八幡?!」

八幡「まああれゴミだしな。主人公が死ぬところの流れがマジでゴミだった」

戸塚「あ、意外と終盤まで読んでるんだ・・・捻デレだね!」

八幡「じゃあ、締めやって帰るか」

戸塚「じゃあ、刑事ドラマの最終回っぽく終わろっか」





戸塚「サイゼ刑事・・・君が死んでからもう一年も経つんだね」

戸塚「このお墓も、いろんな人が来るからあんまり汚れてないや・・・。君は本当にいろんな人に愛されてた」

戸塚「君はあまりに危険な現場を渡り歩いてきたから、いつか死んじゃう気がしたけど」












戸塚「まさか糖尿病で死んじゃうなんて・・・」グス






戸塚「君の好きだったMAXコーヒー、ここに置いておくよ」コト

戸塚「サイゼ。君の死は無駄にしない。僕がこれからも千葉の平和を守っていくよ」

戸塚「今日、新任の刑事が赴任してくるんだ。僕の新しい相棒になる人だよ」

戸塚「おっと、もうこんな時間だ。僕もう行くね」

戸塚「じゃあね、サイゼ。天国で僕の活躍を見守っててね」

『激闘!総武警察24時。最終話『比企谷八幡の墓標』』


八幡「俺死んどるやないかい!!!」

モニタールーム



ガチャ
バタン



戸塚「あー。今日も楽しかったなー♪」



雪ノ下「やはり、シンプルに総武高の制服がいいんじゃないかしら」

いろは「添い寝感を出すためにパジャマなんてどうですか?」

平塚「いやいや、まず衣装より表情の方が重要ではないか?私はシンプルにキリッとした真顔がいい」

由比ヶ浜「裏面は照れ顔がいいな///乱れたシーツの上で、ちょっと肌けてて///」

川崎「それより、ちゃんとリアルに抱きしめた感がある大きめのサイズにしたいね。あいつの身長は175?ぐらいだから余白も込みで200cmぐらいは見ておかないと」

戸塚「あれ?みんな何の話ししてるの?」



雪ノ下「何って、比企谷君の抱き枕カバーのデザインについてだけれど?」



戸塚「えー・・・」

由比ヶ浜「ねんどろいども作りたいなー」

三浦「それ目の差し替えパーツ少なく済みそう・・・」

戸塚「あ、八幡のねんどろいどは僕も欲しいな」

戸塚「みんなどうだった?今日の八幡劇場も攻略情報満載だったけど」

雪ノ下「ええ。おかげでユキペディアも大量更新できたわ///」

由比ヶ浜「ユイペディアも///」



川崎「戸塚、アンタキャラ弁のことバラしたね」

戸塚「ごめんね、つい・・・」

川崎「まあ・・・許す///」



三浦「あ、戸塚。カントリーマアムあるから食べな」

戸塚「ありがと!」

三浦「髪ぐちゃってなってるよ。こっちきな、直してあげるから」

戸塚「?・・・うん」

由比ヶ浜(優美子がおかん化してる・・・)



由比ヶ浜「あ、まだ時間早いしみんなで二次会行かない?カラオケとか」

雪ノ下「いいわね」

平塚「いいな。よーし、私椎名林檎うたっちゃうぞー!!!」



由比ヶ浜「・・・」
三浦「・・・」
川崎「・・・」
一色「・・・」



平塚「あれ、君たち何だその反応は・・・女子高生なら椎名林檎好きだろ?」

由比ヶ浜「あんまりよく知らないかな・・・あはは」

平塚「精一杯女子高生に寄せたのにそれでもジェネレーションギャップが発生するのか・・・」ドヨーン



戸塚「じゃあそんな感じで・・・第四回八幡会、解散!!!」




大好きなあの人の話を盗み聞きしていると・・・私のことをしゃべっている?!

そんな乙女の願いを叶えてくれるのが、妄想の相思相愛的な共有による平和なハーレムの建設を掲げる八幡会。

しかし、八幡少年も妄想ではなく、いつかは現実の恋愛に一歩を踏み出すのである。

果たして彼の青春ラブコメの行方や如何に。



おわり

以上です!
連日ペースの遅い投稿に沢山の乙コメありがとうございます!

前回は終わる終わる詐欺みたいなことを言いましたけど、原作が出たらまた書きますのでよかったら見てね!


今回もよかった!

第5回も楽しみにしとるで

乙です!
次回も期待

乙 やっぱり面白いな~

おつ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月31日 (土) 12:40:00   ID: 0XqOt1SQ

今回も面白い

2 :  SS好きの774さん   2015年11月04日 (水) 07:46:28   ID: f6jOaVYr

八幡会待ってた

3 :  SS好きの774さん   2016年03月02日 (水) 03:06:30   ID: OLydpjL-

はやく続編見たい!

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