鴨「恩返しに来ました」(27)

鴨「恩返しに来ました」

男「せっかくなら鶴がよかったです」

鴨「そんなひどい」

鴨「ちゃんと葱も背負ってきましたよ」

男「今夜は鴨鍋ですね」

鴨「やめてください」

男「まあ立ち話も難ですし上がっていってください」

鴨「失礼します」

男「ところで早速ですがお風呂に入っていかれてはどうでしょう」

鴨「そんなにお鍋が食べたいんですか」

鴨「そういえば私はどうしてここに来たんでしたっけ」

男「典型的な鳥頭ですね」

鴨「ちなみに鳥なので夜目もききません」

男「世話が焼けます」

鴨「そろそろご飯にしましょう」

男「どうやら決心がついたようですね」

鴨「ちがいます」

男「……」

鴨「……」

鴨「夕飯のおかずにはなれませんが今晩のオカズにはなれます」

男「流石の僕も鳥でシコシコするほど変態じゃありません」

鴨子「鶴の恩返しよろしく娘の姿にもなれます」

男「なんと」

鴨子「目の色が変わりました」

男「すみません童貞なもので」

鴨子「では触ってみますか。私個人としてはもも肉がおすすめです」

鴨子「鳥だけに」

男「なんでしょう、寒いギャグに興奮も冷めていきます」

鴨子「ならば胸肉などどうでしょうか」

男・鴨子「鳥だけに」

鴨子「……」

男「……」

男「気を取り直して夕飯にしましょう。食べたいものはありますか」

鴨子「私は雑食ですので何でも大丈夫です」

男「では鳥の唐揚げ定食にしましょう」

鴨子「とんだ畜生ですね」

男「褒めないでください。照れます」

鴨子「御馳走様でした」

男「なんやかんや言いながらも完食しましたね」

鴨子「早くも世間の荒波に揉まれてしまいました」

男「僕はその胸肉を揉みたいです」

鴨子「他人に改めて言われるとドン引きです」

男「夜も深まってきました」

鴨子「そろそろお風呂に入って寝ましょうか」

男「夜の水浴びに期待と愚息を膨らませていいですか」

鴨子「……」

男「そういう反応は本気で凹みます」

鴨子「いいお湯でした」

男「入浴シーンオールカットに僕は静かに泣きます」

鴨子「濡れ場はありません」

男「水浴びとは果たしてなんだったのか」

男「布団は一つしかないので僕はソファーで寝ます」

鴨子「なんと。性欲の権化ではないのですか」

男「否定はしません」

男「しかし童貞はヘタな女の子よりよほどウブな生き物です」

この淡々としたやりとり良いなぁw
他にもss作ってたら教えてほしい

男「僕がリビングにいる間決して覗かないでください」

鴨子「わかりました」

男「決して、決してですよ」

鴨子「いいからシコシコしてください。私は寝ます」

>>12
ss処女作です

男「栗色の髪に白い肌……。むちっとした太もも……」

男「うっ……。くっ! ふぅ……」

鴨子「」

男「あれほど覗くなといったじゃないですか」

鴨子「鶴の恩返し的に覗くしかないです」

男「このまま山の方へ飛び去ってしまいたい気持ちです」

鴨子「おはようございます」

男「やあおはよう」

鴨子「昨晩はぐっすり眠れました」

男「君が鳥頭で良かったと思う瞬間です」

男「朝食はベーコン on the 目玉焼きです」

鴨子「唐揚げといいオナニーといい酷い人ですね」

男「やっぱり覚えてるじゃないですか」

鴨子「えへ」

男「媚売らないでください。欲情してしまいます」

鴨子「いい天気ですし散歩に行きましょう」

男「残念、僕はインドア派です」

鴨子「太ももをなでまわす権利を上げましょう」

男「いきます」

鴨子「鴨よりもちょろいとはこれ如何に」

男「池のある公園へやってきました」

鴨子「ここで釣り糸に絡まる私を助けてくれたんですよね」

男「今思えば女の子が糸に絡まる姿は興奮を禁じ得ません」

鴨子「当初の好印象は最早見る影もありません」

男「僕と君は世間から見るとどういう風に見えるのでしょう」

男「僕としてはカップルあたりが妥当だと思うのですが」

鴨子「飼い主と家畜だと思います」

男「その発言はやや高度すぎやしませんか」

男「いやらしい妄想が加速します」

鴨子「水辺の空気と草のにおいを十分に堪能しました」

男「満足したようで何よりです」

鴨子「では約束通り太ももをなでまわしてもいいですよ」

男「その言葉だけで僕のナニかがいきりたちそうです」

男「では早速失礼します」

鴨子「んっ……」

男「その甘い声に背筋がゾクゾクします」

鴨子「演技です」

男「世知辛いです」

男「しかし演技だとしても僕は構いません」

鴨子「貴方はとても幸せな人です」

男「気楽で幸せそうに見える裏には絶えず苦労があるものです」

男「これが本当の鴨の水掻きってか、はは」

鴨子「……」

男「泣きますよ。今ここで泣きますからね」

鴨子「貴方を見ているとその頼りなさに若干の不安を覚えます」

男「僕の持ち味に気付くとはやはり天才ですか」

鴨子「鴨の浮き寝を見ているくらいに不安です」

男「……」

鴨子「私も泣きそうです」

男「気持ちがわかってもらえたなら幸いです」

鴨子「どうしようもない変態ですが貴女といると愉快な気分になります」

男「奇遇ですね、僕もです」

鴨子「今後も一緒にいてくれますか」

男「喜んで」

鴨子「余りの嬉しさに鳥肌が立ちます」

男「可愛い奴め」

鴨子「照れます」

男「これが本当の」

男・鴨子「おしどり夫婦」

おわり

>>25
貴女→貴方

最後の最後で誤字ったった
ご愛読ありがとうございました

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