教師「二人組つくってー」 偏屈「またこれか」 (56)

初カキコですが見てくれると嬉しいです。
レス一個でもついたら続き書きます

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教師「二人組つくってー」 偏屈「またこれか」

偏屈「なんでこんなシステムがあるんだか……このせいで俺は何度悲しい思いをしてきたことか」

みんな「〇〇くもーぜ」「いいよー」

教師「待て待てお前ら。普通に隣どうしで組め馬鹿」

偏屈(どうせ俺みたいなやつが孤立しないための救済策か、こんなことするなら初めから二人組なんて作らせるなよ……)

女「よろしくね、偏屈くん」

偏屈(ほら、となりの女もいやそ〜な顔して固い笑顔してら)

~休み時間~

偏屈「はぁ、みんな心の底で俺のこと見下しているんだろ、ああやっていざ隣になったときだけ嫌いじゃないですよオーラだしておきながら授業後は悪口のオンパレードだ」

親友「おっ、今日も偏屈の偏屈節発動中か?」

偏屈「うるせーな親友、そういうお前は、イケメンくんたちと遊んでこなくていいのか?」

親友「だってーイケメンくんの周りには女の子ばっかりで行きづらいんだもの。唯一イケメンの周りにいないのは、あの聖人ちゃんを含めた5人くらいの女子だけだね」

偏屈「聖人ちゃん? 誰それ?」

女「ちょっと聞いて! もう本当に隣ってだけで偏屈のペアさせられるの嫌だわ」

女友「わかるー、本当にキモイ」

女「でしょ? 聖人もそう思わない?」

聖人「でも、偏屈くんっていつも何か色々考えてるよね。すごいことだと思う」

女「あんた、そんなんじゃまた変な男に言い寄られるよ」

聖人「またってなによー。そんな経験ないってば(笑)」

女「とにかく、偏屈だけは本当に無理……イケメンくんが隣だったらなあ」

女友「イケメンくんの隣だと周りの女子が死ぬ気でうざいから気をつけたほうがいいよ」

女「あっ、そっか、女友イケメンくんの隣だったね」

女友「うん、だから私も二人組作って嫌い。早く席替えしないかな」

聖人「あ! そういうことなら、私庶務係だから席替えしてもいいよ!」

女・女友「さすが聖人!!」

~昼休み~

聖人「席替えしよーと思います! くじ引きするから引いてって!!」

親友「おわっ、俺一番前の真ん中だ終わった!! 偏屈、お前はどうよ?」

偏屈「窓側のいちばんうしろ、こないだと変わらないよ」

親友「お前の運の良さが羨ましい」

偏屈「どこかだよ。運が良かったらこんなほぼぼっちの生活送っちゃいねーよ」

親友「俺がいるだろバカ♪」

偏屈「気持ち悪いんだよ、寄るな」

女「女友どこの席?」

女友「真ん中の一番前。親友の隣だわ」

女「それってハズレじゃない」

聖人「女ちゃんはどうだった?」

女「女友の二つ後ろ。真ん中ね。聖人は?」

聖人「うーん、窓側のいちばんうしろの隣」

女「前の私の席か、ってことは――」

女・女友「偏屈の隣?」

聖人「偏屈くんのとなりかあ」チラッ

偏屈「ん?」

聖人「……」ニコッ

偏屈「……」(何だ?)

親友「んじゃ、俺は購買行ってくるけど、どうした偏屈」

偏屈「いや……何も」(あれが、聖人か)

偏屈(どうせあいつもこうやって目があったときは笑ってっけど、裏で女や女友と悪口言い合ってんだろな)

~購買にて~

親友「おっ、イケメンじゃん」

イケメン「よお、親友元気してたか?」

親友「おうよ。イケメンも相変わらず女はべらせやがって」

イケメン「よせよ。席替えの席どこよ?」

親友「俺真ん中のいちばん前だぜー最悪じゃね?」

イケメン「俺窓側の後ろから二番目だ」

親友「おお、偏屈の前か」

イケメン「おっ、俺同じクラスなってから偏屈と話したことないし、いい機会かもな」

親友「あいつめっちゃ毒吐くぜ。気をつけろよ。豆腐メンタルにはちょっと厳しいかもな」

イケメン「なんだよ豆腐メンタルって(笑)」

~購買にて~

親友「おっ、イケメンじゃん」

イケメン「よお、親友元気してたか?」

親友「おうよ。イケメンも相変わらず女はべらせやがって」

イケメン「よせよ。席替えの席どこよ?」

親友「俺真ん中のいちばん前だぜー最悪じゃね?」

イケメン「俺窓側の後ろから二番目だ」

親友「おお、偏屈の前か」

イケメン「おっ、俺同じクラスなってから偏屈と話したことないし、いい機会かもな」

親友「あいつめっちゃ毒吐くぜ。気をつけろよ。豆腐メンタルにはちょっと厳しいかもな」

イケメン「なんだよ豆腐メンタルって(笑)」

>>11ミスったごめんね

読んでくれてる人いるかなあ……

教師「席替えしたのか」

聖人「はい!」

教師「まあいいや、4.5時間目連続で現代文で残念だと思ってる親友、教科書読め」

親友「ちょ、マジっすかー」

教師「いちばん前だしちょうどいいだろ」

親友「ひでえっすわー」

偏屈(これで無駄にほかにいじりの矛先が向くこともないししばらくは安泰か……しかし、隣……)

聖人「偏屈くんよろしくねー」ニコニコ

偏屈(こいついっつも笑ってんなぁ……気持ち悪いんだよ……)

~放課後~

聖人「偏屈くん! 偏屈くん! ノート見せて欲しい!」

偏屈「は? お前普通に授業起きてたろ? 何で今更」

聖人「だって偏屈くんすごく真面目に授業聞いてたからさ……ノートみたいなって思って……テスト近いし」

偏屈(こうやっていい人のフリして俺みたいなモテない男を落としたいだけのクソ女か……)「ほらよ」ポイ

聖人「ありがと!!」


親友「おっ、偏屈、聖人ちゃんと仲良くやってるみたいじゃん?」

偏屈「んなことねえよ。お前はどうなんだ?」

親友「女さんか。別に普通の女子じゃね? それより、前の席イケメンだよな。あいつお前と話したがってたぞ」

偏屈「ふうん」(どうせ建前。実際に話しかけたら露骨に嫌な顔されるのが関の山だろ)

~図書室:コピー機の前にて~

聖人「すごいなあ……数学の公式とかわかりやすくまとめてある……」

女「聖人~何してるの早く帰ろーよ」

聖人「待っててよ、女友ちゃんは部活?」

女「うん、最近バレー忙しいらしい」

聖人「イケメンくんもバレー部でしょ? 女ちゃん見てきたら?(笑)」

女「あんたねえ…」

~帰り道~

偏屈(本当に性格が悪い女だなーあいつ……どうせ嫌うなら露骨に嫌えばいいのに惚れさせてから嫌うとか)

親友「おいおい偏屈くうん、顔が怖いぜ」

偏屈「うるせーよ。お前陸上部のテスト前の追い込みいいのか?」

親友「俺は成績悪すぎて早めにテスト休み頂きました……」

偏屈「じゃあ俺と喋ってる場合じゃないだろ早く帰って勉強しろよ」

親友「それがですね……偏屈さん勉強教えてくださりませんか?」

偏屈(このクズ……最近やたら近づいてくるのはこのためか……)

親友「だからここの公式をどうして使うのかがわからないんだって」

偏屈「それはだな……ここで共有点とるって言ってるんだから、判別式の不等式は≧を使うんだよ」

親友「全然わからねえ。イケメンよぼーぜ」

偏屈「は? 何でそうなるんだよ」

親友「せっかく席近くなったんだからよーもっと話せよ」

偏屈「だから、俺は華々しい人間が嫌いだって前から言ってただろ?」

親友「俺のことは好きなくせに?」

偏屈「お前は華々しくないだろ。それにそもそも好きじゃない」

~次の日~

聖人「はい、偏屈くん、借りてたノート! ありがとう!!」

偏屈「……おう」(声キャピキャピしてんなあうぜえんだよ……髪型いつも以上に力入れすぎだろ……そんなことして男が寄ってくると思ってんだろ)

偏屈「ん?」(付箋が挟まってる……『ありがとう! これからもよろしくね、聖人』 はあ……こんなことして惚れるとでも思ってんのか)


女「ちょっと、聖人!」

聖人「どうしたの?」

女「偏屈としゃべっても平気なの?」

聖人「もおー色々な人がいる前で大きな声だしたらダメだよ)

偏屈(やっぱり大勢いる前で聞かれたくないんだな……大声で大勢に聞こえるように悪口を堂々という女もクズだが、その大勢からのイメージ悪くしないようにしてる聖人も大概だ)

~授業中~

聖人「偏屈くん! ここどういうこと?」

偏屈「え?」(ンだよ……授業中に話しかけてくんなよ……)

聖人「ここ、よくわからないんだよー教えてよ」

偏屈「あ、ここはここにこうやってこうやってこう解くんだよ」

聖人「ありがとー! 偏屈くん優しい♪」

偏屈(やっぱこいつわざとだよな……そういうところがうぜえんだよ)

~購買にて~

イケメン「あれ? 聖人が購買いるの珍しいな」

聖人「あっ、イケメンくんだ! 明日から部禁だね。勉強捗ってる?」

イケメン「まあな。中間テストは学年3位でガリベンともうひとり誰かに負けたっぽいから、次は1位目指すぜ」

聖人「さっすが文武両道のイケメンくんは違うなあ。バレー、関東大会も頑張ってね」

イケメン「サンキュ」イケメンスマイル


親友「あ……イケメンと聖人ちゃんが話してる。おっ、珍しいな偏屈。どうした?」

偏屈「いや、今日たまたま昼飯忘れたからよ……」

親友(やっぱイケメンは聖人ちゃんのことが好きなのかなー)

偏屈(結局女子はみんなイケメンみたいなかっこよくてスポーツできて頭もいい三拍子揃った男が好きなんだろ……聖人だってもれなくそうなんだろ)

女「聖人やっぱおかしいよ。あんなに偏屈と仲いいだなんて」

女友「許せないわね。偏屈のくせに」

女「そーよそーよ。聖人に偏屈の悪いところいっぱい知ってもらう必要があるわ」

女友「賛成よ!」

聖人「やっほー二人で何話してたの?」

女・女友「それがね、偏屈のことなんだけど」

女「そーよ、A子もB子もすっごい偏屈に悪口言われて、傷ついて学校来れなくなったのよ」

女友「C子なんかぶつかっただけですごい睨まれたんだってさ!」

聖人「確かに偏屈くん目つき悪いもんねー」ニコニコ

女「それだけじゃないわよ! C子そのあと難癖つけられてさ」

女友「えっ、続きあったの? ひっどーい」

聖人「……」

女「そういえば、聖人お昼ご飯持ってきてたのに、何で購買行ってたの?」

聖人「え? ああ、何でもないよ?」

女友「もしかして……イケメンくんが取り巻きに追われてない状態でいるのが昼休みの購買前だけだから?」

聖人「そ、そうだよー」


偏屈「……」チッ

偏屈(やっぱり聖人もあのクズ女&女友の友達ってだけのことはあるな……かなりのクズ野郎だ)

偏屈(結局みんなイケメンのことが好きなんだよな……)

偏屈「……」(なんでだろ……今までどんだけ悪口言われても苦しくなったことなんてなかったのに……)

~放課後~

イケメン「よぉ偏屈! お前数学得意なんだってか?」

偏屈「え? ああ。うん」

イケメン「俺苦手なんだよね。教えてくれね?」

偏屈(何だよ、勉強得意って噂だぞイヤミかコラ)

親友「おっ、いいじゃん! ついでに俺も頼むわ!」

偏屈「うるせー、お前は教えても無駄だ」

イケメン「ははは、やっぱ偏屈毒メッチャ吐くのな」

偏屈(何がおかしい……くっそぉ……イケメンに笑われると腹が立つ……)

聖人「……」テクテク

イケメン「あっ、聖人!」

聖人「あっ、イケメンくんだ。偏屈くんに勉強教えてもらってるの?」

イケメン「おう! こいつめっちゃわかりやすい」

聖人「でしょ!? ほんとにすごいと思う」

偏屈(裏では悪口、イケメンや俺がいる前ではこうやっていい人ぶってるってか……ふざけやがって)

聖人「じゃあね。みんなばいばい」

親友「ばいばーい! やっぱ聖人ちゃんはどこまで行ってもいい子だなー」

偏屈(お前はあの猫被ったキャラをどうして見抜けないのか……)

親友「お前、あんな子が隣で羨ましいんだよコラコラ!」

偏屈「……うぜえ」

イケメン「偏屈の毒舌に耐える親友のメンタルすげえな」



聖人(結局渡せなかったなあ……)テクテク

夜中だし見てる人いないかな……
ひとりで書いてると寂しくて死にそう

野球部「おい、暇人いるかー? おっ、偏屈いるじゃん。このノート運んでくれねーか?」

偏屈(うわっ、うざ……俺=暇人ってか……つうか大体さっきまでイケメンと親友の勉強見てたから暇人じゃねえんだよクソが)

野球部「わりーな。俺ら部禁関係なく部活あるんだよ県体近いし許してくれや」

偏屈「早く行けよ」(うぜえ……押し付けを正当化するなクズが)


聖人「?」(偏屈くん?)

偏屈(あーうぜえ……悪口をお構いなしに言ってくる女と女友に、普段さんざんけなして罵ってる癖にこういうときは都合よく仕事押し付けてくる野球部に、いいひとぶって近づくイケメンや聖人に、いつまでたっても数学を理解しない親友に……)

聖人「おーい、偏屈くーん」

偏屈「チッ」(聖人かよ……)

聖人「半分運ぶよ!」

偏屈「いいよ」

聖人「でも野球部の人に押し付けられてたじゃん、偏屈くんの仕事じゃないんだし、私も運ぶよ?」

偏屈「いいってば」(だったら俺の代わりに全部運べよ)

聖人「でも……」

偏屈「こいつ重いからお前には無理だよ! どっか行ってろもう」

聖人「……」

偏屈(やば…言いすぎた)

聖人「……ごめんね」ダッ

偏屈(やっちまった……まあいいか……)

女「見た?」

女友「うん見た」

女「最低ね偏屈の奴」

女友「聖人が哀れなあんたに救いの手を差し伸べたっていうのに」

女「これは許せないわ」

女友「偏屈に制裁を!」

~次の日~

女「偏屈ってクズじゃない!?」

女友「救いようのないクズだわ!」

みんな「なんだ?」「偏屈が何かやったのか?」「……まあ偏屈だしな」ヒソヒソ

女友「ノート運んでる時に聖人が手伝ってあげたらしいじゃん? そしたらあいつなんて言ったと思う?」

女「触んなクズだって!! どっちがクズだよ」

女・女友「ははははははは」


偏屈(どっちがクズだよ……確かに触んなクズとは思ってたけど言ってはねえよ。あいつら読心術師か、それとも同族のクズの心理を熟知したクズ仲間なのか)

親友「お前……聖人ちゃん相手にそんなことするのひでえよ……見損なったよ偏屈」

偏屈「おうおう勝手に見損なえ……どーせ俺はクズでクソな偏屈野郎ですよ」ガタッ テクテク


親友「偏屈の奴……居づらくなって教室出て行きやがった」

イケメン「親友、ちょっといいか?」

イケメン「俺は偏屈があんなひどいこというやつだとは思えないんだ。聖人がそんなひどいこと言わせるやつだとも思わないし」

親友「いや、偏屈はクズだよ。クズだってこと自覚してるから別に付き合うのもそんなに躊躇してなかったけど、もう無理だわ」

イケメン「どうせ親友に毒吐くくらいのノリで言っちまったんだよきっと。ほら、お前豆腐メンタルには厳しいって言ってたろ」

親友「そうだけどよ……俺はまだ幾らか毒吐かれる理由も原因もあるからさ……あいつが嫌がってる時でも近づいたりやたら馴れ馴れしくしたりさ。でも聖人ちゃんはそんなこと一切しないいい子じゃん」

イケメン「確かに……」

親友「いくらなんでもそんなに親しくない子に毒吐くなんて見損なった」

聖人「はあ……」

女「元気ないわね聖人。大丈夫、偏屈のことは私たちに任せて」

聖人「いや……あれはどう考えても私が悪かったんだよ……」

女「は? 何言ってるの?」

聖人「いいって言ってるのにしつこく私が手伝うって言うから」

女「そんなのあんたが悪いって言わないわよ!! いい? 偏屈はクズなの! そんなクズに手差し伸べてるのにそれを拒否する行動が論外なの!」

聖人「人のことクズクズって、偏屈くんは別にクズじゃないよ!!」

~テスト終了後~

偏屈(さてと……さっさと帰るか)

イケメン「偏屈……話がある」

偏屈「ん?」

イケメン「ちょっといいか?」

~空き教室にて~

偏屈「話って何だよ」(どーせ前の一件についてだろ……正義感振りかざして俺を糾弾してやりたくて仕方ないんだろ……)

イケメン「こないだの一件についてだけどさ……」

偏屈(ほれみろ)

イケメン「聖人にひどいこと言ったってのは、本当なのか?」

偏屈「ああ、本当だよ。嘘一つねえ事実だ」

イケメン「そうか……親友が見損なってたぞ。たった今それが事実だと知って俺も見損なった」

偏屈(イケメンのやつ、女や女友が騒いでた時点では半信半疑だったのか……少し悪いことしたな)「なあ、イケメン、ひとついいか?」

イケメン「?」

偏屈「お前、聖人ちゃんのこと好きなのか?」

イケメン「……ああ。好きだ」

偏屈(やっぱりな……聖人もイケメンのこと好きだし、結ばれてろ)

イケメン「それがどうかしたのか?」

偏屈「いや、どうもしない。少し気になっただけだ」

ガラガラ

親友「嘘つけ! 偏屈!!」

偏屈「親友!?」(こいつ俺のこと見損なったって言ってたんじゃ……)

親友「聖人ちゃん、やっぱめちゃくちゃいい子だわ……尚更ふざけんなって思うよ……」

偏屈「待てよ、どういうことだ?」

親友「とっと理解しろよ……聖人ちゃんが教室で全部真相を語ってくれたんだよ!」

偏屈・イケメン「!!?」

~数分前、教室にて~

女友「さて、テストも終わったことだし、本格的に偏屈のことぶちのめしてあげましょ」

女「そうね、そうしましょ。聖人も、そろそろ庇うのやめな。庇うだけむだな悲惨なクズよ」

聖人「……違う……違うの」

女友「私たちはあんたが断られるところ全部見てたのよ? それ以上に何が違うってのよ」

聖人「だから、根本的に違うの!!」

みんな「どうした?」「聖人ちゃんが叫んだぞ」「こんなに面白い時にイケメンと偏屈はどこにいったんだ?」ザワザワ

聖人「偏屈くんはクズなんかじゃないよ……優しいし、勉強教えてくれてすっごくわかりやすいし、変なこと押し付けられても引き受けちゃうし、めんどくさいことでもなんやかんやいいながらやってくれるし」

親友(……聖人ちゃん)

聖人「あのときだって、私がしつこく手伝うっていうからちょっときつく断られただけなの! 原因は私のおせっかいなの!」

聖人「『お前には重くて無理だよ、どっかいってろ!』って言われただけじゃん! 少しもひどいこと言われてないわ!!」

女・女友「でもさー」「いくらなんでも」

聖人「確かに親友くんとかにすっごい毒舌吐いてるけどさ、それは親友くんがそういうの大丈夫ってわかってるから吐いてるんであって、誰彼構わずひどいこと言うような人じゃない!」

親友(待って俺関係ない……)

聖人「逆に、そんなちょっとしたことでこうやってみんなで偏屈くんのこといじめて、私のこと想ってくれてやってくれたんなら申し訳ないけど……やっちゃいけないよ!」

~空き教室にて~

親友「とまあそんなわけだ。偏屈、お前本当にいいお隣さんを持ったな」

偏屈「……」

親友「言わなきゃいけないことがあるんじゃねえのか?」

偏屈「……」

親友「謝れとは言わねえよ。だいたいあれくらいで謝れだの何だの騒ぐのわけわかんねーし、なイケメン」

イケメン「完全な手のひら返しじゃねえか」

親友「仕方ねえだろ! 見解が180度変わっちまったんだ!!」

偏屈「……何でだよ……」

親友・イケメン「?」

偏屈「俺はずっとあいつのことクズだと思ってた……優しくして、俺みたいなモテないやつにでも優しくして、イケメンみたいな格好良いタイプの男からのイメージを上げたいだけのクズ女だと思ってた……」

偏屈「みんなや俺やイケメンたちの前では目があったって普通に愛想よくして、本当はみんなにはそれ以上に愛想よくしてて、それで裏では女や女友と悪口言いたい放題してると思ってた」

偏屈「なのに……なんで……何で本物のいいやつなんだよ!! 貸したノートにわざわざ付箋はってお礼言ったり、わからないところ積極的に聞いてきたり、無愛想な顔してる俺にでも毎日挨拶してくれたり!」

偏屈「ずっと聖人のことクズだと思ってた俺が本物のクズだったよ!!」ダッ ダダダダ

親友「行っちゃったね……いいのイケメン」

イケメン「……うん。仕方ねえよ。あいつ、なんやかんやいい奴だもん」

~終業式の日~

親友「偏屈よ、イケメンと聖人ちゃん本格的に付き合うってよ」

偏屈「そうか。美男美女で聖子聖女のお似合いカップルじゃねえか」

親友「いいのかよ、聖人ちゃんに惚れてたんだろ?」

偏屈「んなわけあるか……」

親友「強がるなよ」

偏屈「……仕方ねえだろ……俺はクズなんだから」

親友「そーゆーところだろ。お前がみんなと打ち解けられないのは」

偏屈「うるせー。俺はずっとこの生き方を貫く」

親友「カッコイー」棒

親友「いやーしかし、あの一人がたり、正直キモいわ」

偏屈「うるせーよ」

親友「おまえがおまえたる所以を見たね。俺は」

偏屈「うるせーって……」



~あのあとの教室で~

ガラガラ

偏屈「聖人!!」

聖人「偏屈くん!!?」

女・女友「偏屈! お前ッ……」

偏屈「聖人さん……こんなクズな俺に……なんで優しくしてくれたんだよ」

聖人「え?」

偏屈「女や女友と一緒に、なんで俺の悪口言わねえんだよ」

女・女友「は?」

偏屈「周り見てたらわかるだろ……俺がぼっちで嫌われ者のクズ野郎だって……なのに何で……なんで普通に接してくれるんだよ……なんで普通に優しいんだよ!!」

聖人「な、何でって」

偏屈「勝手に期待して、勝手に傷ついて、勝手に勘違いして……俺……調子乗ってたわ……」

聖人「だって……偏屈くんいい人だから……真面目だし、頭いいし、優しいし」

偏屈「俺は聖人さんが思ってるほどいい人じゃないよ。それはここにいるみんなが証明してる……」

偏屈「勝手に聖人さんに偏見抱いてたわ。ごめん、そしてありがとう。イケメンと幸せになれよ」

聖人「ありがとう。あと……ずっと渡し損ねてたんだけど……これ、ノートと勉強教えてくれたお礼……」

偏屈「缶のアイスコーヒー……」

聖人「ずっと前に買ったのに渡せなかった……パンとかにしてなくてよかった……」ニコッ

女・女友「もしかしてあの日購買にいたのって」「イケメンに会うためじゃなくて……偏屈にアイスコーヒーおごったげるため?」

聖人「うん……」

~終業式後、さらに屋上にて~

偏屈「アイスコーヒーがあんなに苦いとは思わなかったよ」

親友「お前いつからそんな詩人的に……」

偏屈「くたばれ」

親友「……」

親友「でも、お前、聖人に会ってちょっと変わったと思うよ。全体的に素直になったよな」

偏屈「まあな。もうちょっと人を信じてみてもいいかなって」

偏屈「そう思うようになれたのも……やっぱり聖人のおかげなんだよなあ」

ピコン

親友「おっ、イケメンからラインきてら。『今度、偏屈と聖人誘って花火見に行くぞ! 強制参加!!』だってさ」

偏屈「イケメンくんも憎いことしてくるなあ」

親友「ははは、あいつ結構鈍感だから。偏屈が聖人ちゃんのこと実は好きになってたってこと気づいてないんだろ」

偏屈「バカ言え。俺は別に好きになってなんか……」

親友「顔が真っ赤だぞー」

偏屈「うるせーよ……でもマジで聖人には感謝してる……」

偏屈(ありがとう聖人さん)

聖人「イケメンくん、本当に花火大会二人きりとか緊張するからやめてよね!」

イケメン「わかってるって。偏屈と親友誘っといたから」

聖人「そっか」

イケメン「いいじゃん、あいつは俺とお前のキューピットだし……」

聖人「そうだね……やっぱり偏屈くんはいい人だよ……」

聖人(ありがとう偏屈くん)


終わり

完結しました!! 読んでくださりありがとうございます
今回SS初挑戦ということで拙い箇所があるとか納得のいかない展開に思われた方もいらっしゃることと思います。
本当に実力不足で申し訳ありません。

偏屈な少年と、聖人かっていうくらい心優しい少女の青春グラフィティというわけなんですが、
また実力つけてもっと面白い話がかけるように頑張ります!
ありがとうございました!

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