イケメン「違うッ!!」 (27)



先生「イケメン君、私で良かったら話して」

イケメン「……話すことなんてありません」

イケメン「僕、そろそろ帰らな


先生「いじめられてるんでしょう」


イケメン「……何言ってるんですか? 急にいじめなんて」

先生「クラスの子が話してるのを聞いたのよ」


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先生「お金を取られてる、とか色々」

イケメン「聞き間違いですよ」

先生「いいえ、確かに聞いたわ。何より、私のクラスのことだから」


イケメン「そんな悪い生徒は、先生のクラスにいませ    ん!!」ガタッ


先生「きゃっ!?」ビクッ



イケメン「あっ、ごめんなさい。急に大声出して」

先生「イケメン君、あの話しは本当なの?」


イケメン「心配しないで下さい。いじめなんてありません」ニコッ


先生「そう……辛かったら言ってね」

イケメン「はい、もしそんなことになったらちゃんと話しますから」



イケメン「じゃあ、失礼します」スクッ


ガラッ


不良男「おっ、ここにいたのか。探したぜ」

イケメン「あ、不良男君。どうしたの? またお金?」

不良男「おう、三千円くれ」


イケメン「分かった。財布出すからちょっと待って」ガサゴソ


先生「待て待て待てーい!!」ダンッ



イケメン「はい、三千円。不良男君、頑張ってね」スッ

不良男「……ああ、ありがとな」ガシッ

先生「おい無視すんな」


ガチャ バタン


イケメン「先生、さようなら」ニコッ

先生「いやいやいや!!」ガシッ



イケメン「離して下さい」

先生「お金渡したでしょ!! 私の目の前で!!」


イケメン「違うッ!!」


先生「はぁ!? 間違い無くお金渡してたじゃない!!」


イケメン「 断れますか 」


先生「えっ?」



イケメン「先生なら、断れますか!!」

先生「理由もなくいきなりお金せびられたら断ります!!」


イケメン「もし」


先生「は?」


イケメン「もし、食費すらままならない生活をしていたら?」


先生「でもそれ、『もし』の話しでしょ」



イケメン「先生は……」

先生「なによ」


イケメン「先生は、その『もし』を否定出来ますか?」


先生「そ、それは完全に否定は出来ないけど」

イケメン「彼は今頃、入院してる妹にお菓子を買って……」




不良男『ほらよ。お前、これ好きだったろ?』ニコッ

妹『お兄ちゃん……』グスッ




イケメン「こんな風になっているに違いありません」

先生「……イケメン君」スッ

イケメン「先生、分かってくれましたか」


先生「出て行ってからまだ十分も経ってないわよ」


イケメン「チッ」

先生「舌打ちすんな!! それに……」



イケメン「何ですか? はっきり言って下さい」

ガチャ

金髪女「イケメン!!」


イケメン「あ、金髪女さん。またパンツ?」

先生「『また』って何だよ。何でパンツだよ」


金髪女「うん。昨日穿いてたパンツちょうだい?」


先生「アウト」



イケメン「そう言うと思って持って来てたんだ」

イケメン「ちょっと待って」ガサゴソ


先生「おいおいマジかよ……」


イケメン「………」ピタッ

金髪女「どうしたの? 早く早くっ」ワクワク


イケメン「やっぱり恥ずかしいよ///」


先生「さっさと断れ、アホ」



金髪女「いいの?」

イケメン「えっ?」


金髪女「それがないと、私……死んじゃうんだよ?」

イケメン「ッ!!」ギリッ


先生「お前等さぁ、馬鹿じゃねーの!?」


金髪女「けほっ…」フラッ

イケメン「金髪女さん!!」ガシッ



金髪女「はぁはぁはぁ…」


先生「ちょっとトイレ行ってくる」スッ


イケメン「金髪女さん、これを!!」スッ パンツ

金髪女「この匂い……」ピクッ

イケメン「しっかりして!! き、救急車を

金髪女「心配しないで、もう大丈夫だから」ニコッ


イケメン「よ、良かった……本当に、良かった」ポロポロ



金髪女「泣かないで?」スッ


イケメン「でもっ!! 僕が躊躇ったせいで金髪女さんは!!」

金髪女「馬鹿、そんな顔しないで」


金髪女「アンタがいるから、私は生きていられるんだよ?」


ガチャ


先生「まだ終わってねーの!? 長くねえ!?」



イケメン「……決めたよ」

金髪女「イケメン?」


イケメン「もう迷わない」

イケメン「君の為なら、君の為なら幾らでも」


先生「台詞はいいけど、やるのはパンツだろ? アホか」


金髪女「馬鹿っ/// 私、もう帰る///」タタッ

バタン



先生「終わったな。おい変態」ガシッ


イケメン「違うッ!!」ガンッ


先生「なにが違うんだよ!!」

イケメン「もし……」

先生「この件に関して『もし』はない!!」


イケメン「例えば……」


先生「分かった分かった。続けて」



イケメン「金髪女さんは、病気なんです」


先生「それは間違いないね。否定要素ゼロ」


イケメン「……病気、なんですよ?」

先生「深刻な顔してるし、絵になってるけど。で?」


イケメン「彼女は病気!! なんですよ!?」ダンッ


先生「うるせーよ!!」



イケメン「先生なら……」

先生「……」


イケメン「断れますか?」

先生「一瞬の迷い無く断れるわ」


イケメン「命をなんだと思ってるんですか!! この外道ッ!!」


先生「はぁ!?」


先生「パンツの匂い嗅がないと死ぬ病気があってたまるか!!」ガンッ



イケメン「パンツ一つで命が救えるなら……僕は」


先生「そんな安い命なんていらねーよ」


イケメン「先生」

先生「なに?」


イケメン「僕と、エッチして下さい」


先生「にっ/// な、なに言ってるの!?」


イケメン「ほら、断れないじゃないですか」



先生「い、今のはびっくりしただけ!!」アセアセ

イケメン「先生……」スッ

先生「え、やっ/// ちょっと待っ」


イケメン「好きです。今後は嘘じゃないっす」


先生「 !! 」ハッ

イケメン「先生……」


先生「エッチがしたいです……ってアホか!!」



イケメン「おふざけはこの辺にして」

先生「本当にふざけんな」


イケメン「そろそろ帰りませんか?」


先生「……そうね」

イケメン「じゃあ、帰ります」

先生「イケメン君」グイッ

イケメン「はい?」


先生「帰りにネギ買ってね。あと豚バラ肉もお願い」ニコッ


イケメン「はいっ、分かりました!!」ニコッ



先生「帰り遅くなるかもしれないから、先に」


イケメン「待ってます」


先生「へっ?」

イケメン「先生が帰って来るまで、待ってますから」

先生「……うん///」


校長「(言えない……)」

校長「(ここが校長室だなんて、儂には言えないよぉ///)」


イケメン「愛してます」ギュッ

先生「ちょっ…もう…バカっ///」キュッ



校長「(なんか儂……ラブプラス欲しくなってきたかも)」

終わる

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