モバマスSSです。
前作 的場梨沙「なにそれ」 モバP「お見合い写真」(的場梨沙「なにそれ」 モバP「お見合い写真」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435314799/))
の設定を流用していますが別に読まなくても問題ないです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435925425
梨沙「狭い部屋だけど入って入って」
心「わぁ、ちゃんと片付けしてる。えらいえらい♪」
飛鳥「梨沙。そのセリフは本来部屋の主であるボクが言うべきものだ」
梨沙「別にいいじゃない。アタシも何度もこの部屋来てるんだし」
飛鳥「果たしてそういう問題なのだろうか」
3人「かんぱーい!」
梨沙「この3人だけで集まるのって初めてよね」
飛鳥「そうだね。心さんは事務所にやって来て日も浅いし」
心「たまにはジュースで乾杯するのもスウィーティー☆」
飛鳥「お菓子もたくさんあるから、好きに食べていいよ」
梨沙「コンビニストの飛鳥が選んだやつだから、味は保証するわよ」
心「コンビニスト?」
梨沙「コンビニめぐりが趣味なのよ」
心「へぇー、現代っ子って感じ♪」
飛鳥「たかがコンビニ、されどコンビニ。それは、今を生きる者が忘れてはならない言葉のひとつである――」
心「それ、誰かの格言?」
飛鳥「いや、ボクの言葉」
梨沙「相変わらず言い方が大げさというか回りくどいというか……」
心「やーん、かっこいい☆」
梨沙「こっちの人のしゃべり方も大概アレだけど」
心「そこ、なんか言ったか☆」
梨沙「言ってませーん」
梨沙「(そして時々雰囲気が怖くなる)」
心「それにしても……」キョロキョロ
心「けっこーカワイイものとか置いてるんだ。ぬいぐるみとか、抱き枕とか」
心「男の子みたいなしゃべり方だけど、やっぱり飛鳥ちゃんも女の子なんだね♪」
飛鳥「あぁ、それはボクの趣味で集めたものではないんだ」
心「?」
飛鳥「この部屋に来た子ども達が置いていくんだ。『これでかわいい部屋になるよ』とね」
飛鳥「遊んでくれたお礼、ということらしい」
梨沙「薫とか仁奈とかこずえとか、この部屋ちびっ子達のたまり場になってるもんね」
飛鳥「一番ここでたむろしているのはキミだけどね」
梨沙「あ、アタシはちびっ子じゃないし! もう大人だもん!」
心「飛鳥ちゃん、みんなのお姉ちゃんなんだ♪」
飛鳥「柄じゃない、と思ってはいるんだが……彼女達の相手をするのも、なかなか味わい深いことが多くて」
心「素直に子どもが好きって言えばいいと思うぞ☆」
飛鳥「……まぁ、否定はしない」
梨沙「おお、ひねくれ者の飛鳥があっさり折れた」
心「はぁとの人徳がなせる業ってやつ?」
梨沙「それでね、その時パパったら――」
心「梨沙ちゃんはパパのことが大好きなんだねぇ♪」
梨沙「もちろん! かっこいいし、優しいし」
心「はぁとも小さい頃はお父さんっ子だったなぁ……大きくなったらパパと結婚するーって言ったの、覚えてるぞ☆」
飛鳥「ボクはそこまでべったりではなかったかな」
心「そうなんだ? じゃあママっ子?」
飛鳥「というより、両親と過度なコミュニケーションはとっていなかった気がする」
飛鳥「あぁ、もちろん愛されていなかったとか、愛していなかったというわけではないよ」
飛鳥「単純に、ボクと彼らの心地よい距離がそれくらいだったというだけさ」
梨沙「ふーん。じゃあ甘えん坊じゃなかったんだ」
飛鳥「そうなるかな」
梨沙「へー」ガサゴソ
飛鳥「……? 引き出しから何を――」
梨沙「なら確かめてみよっと」ヒョイッ
心「なにそれ?」
梨沙「飛鳥のアルバム」
心「アルバム? やーん、見たい見たーい♪」
飛鳥「待て。なぜキミがボクのアルバムの置き場所を知っている」
梨沙「この前アタシが留守番してた時、こずえが遊びに来たのよ。その時あの子が偶然見つけてね」
梨沙「その時は中身を見なかったんだけど……いい?」
飛鳥「………」
梨沙「みたいなぁ」キラキラ
心「みたいなー☆」キラキラ
飛鳥「……はあ。いいよ、好きにしてくれ」
梨沙・心「わーい」
梨沙「うわあ、これ赤ちゃんだった頃の飛鳥よね? かわいいー」
心「見て見て、この写真ピースしてる! 愛らしいなぁ♪」
梨沙「これは……4歳って書いてるわね。なんだ、パパともママともべったりくっついてるじゃない」
心「やっぱり子どものころは誰でも甘えんぼさんなんだね☆」
梨沙「これなんてパパに抱きついて笑顔満面ね。こんなかわいい子がどうして……」
飛鳥「かわいげがなくて悪かったね」
心「そんなことないない♪ 飛鳥ちゃんは今でもとぉってもかわいいぞ☆」
飛鳥「……そう言われると、それはそれで恥ずかしい」
梨沙「めんどくさいわね……」
飛鳥「ところで、Pからボク達に出された課題についてだけど」
梨沙「ああ、あれでしょ? この3人のユニット名決めろってやつ」
心「はぁとはよくわかんないんだけどぉ、自由に決めちゃっていいの?」
飛鳥「Pがボクらの裁量に任せたのなら、ある程度は意思を尊重してくれるということだろう」
心「だったらチームスウィーティーとかがいいと思いまーす♪」
梨沙「スウィーティー? うーん、でも飛鳥はクール系だし……」
梨沙「あ、チームセクシーとかどう?」
心「セクシーかぁ、はぁとは別にそれでも」
梨沙「あ、でもこれも飛鳥に当てはまらないからだめか」
飛鳥「否定はしないけど、そうもはっきり言われるともにょっとくるね」
心「飛鳥ちゃんがダメなら梨沙ちゃんもダメじゃないの?」
梨沙「アタシはこれからめっちゃくちゃ成長する予定だから」フンス
心「うわぁ、すごい自信……」
参考資料
二宮飛鳥(14)154cm 42kg 3サイズ 75-55-78
神崎蘭子(14)156cm 41kg 3サイズ 81-57-80
蘭子の発育がよすぎる
飛鳥「ならこんなのはどうだろう」
心「なになに?」ワクワク
飛鳥「12+14=26」
心「はったおすぞ☆」
飛鳥「もちろん冗談だ」
梨沙「飛鳥って冗談言う時も基本真顔だからわかりにくいのよねぇ」
心「でも、ユニットかぁ♪ なんだかワクワクするわー☆」
梨沙「ボケ2人にツッコミ1人だから、アタシの負担がやばそうね」
心「やだぁ梨沙ちゃん、はぁとはボケじゃないぞ☆ぷんぷん☆」
梨沙「いやボケでしょ」
飛鳥「ボクは?」
梨沙「飛鳥もどっちかというとボケ」
飛鳥「へえ、そういうものなのか……」
心「本格的に活動するようになったら、衣装は自分で作ってみたいなぁ♪」
飛鳥「自分で?」
心「お裁縫得意なの☆自作でカワイイ服作ったことも何度かあったりしてぇ……あー、いろいろ想像が膨らむなぁ♪」
飛鳥「やる気満々だね」
梨沙「こっちもつられてワクワクしそうなくらい」
飛鳥「心さん。前から聞きたかったんだけど、どうしてアイドルを始めようと思ったんだい?」
心「え? どうしてって?」
飛鳥「だって、もともとはPとお見合いしていたんだろう。結婚して身を固めるつもりだったんじゃないかって」
心「あはは……まあ、それはそうだよねぇ。いつまでも独身のまま、親を心配させるのも嫌だったし」
心「でも、昔からアイドルっていう存在には密かに憧れがあってね」
心「そこであの人とお見合いの席で出会って……いっぱいアイドルの話聞いて」
梨沙「(あれ、声がマジになってる)」
心「彼の生き生きとした顔を見ていると、ああ、アイドルっていいなあと思っちゃって」
心「夢を追いかけたいって気持ちに嘘がつけなくなったってわけ」
心「自分でも馬鹿だなーってわかってるんだけどね」
飛鳥「……確かに、賢い選択とは言えないのかもしれない」
飛鳥「でも、馬鹿というならボク達も同じさ。共に偶像世界の道を往く、ね」
心「飛鳥ちゃん……」
梨沙「(あれ。流れでアタシも馬鹿ってことにされてない?)」
飛鳥「何かを求める心に、年齢の優劣なんて存在しない。きっとあなたも、ボクらと同じものを見ている」
飛鳥「月並みな言葉だけれど……一緒に頑張っていこう」
心「………」
心「か、かっこいい……かっこよすぎるぞ、コラ☆」
飛鳥「うわっ、急にエクステに手を出すのは」
心「うりゃうりゃうりゃ」コチョコチョ
飛鳥「ちょ、ま、くすぐるのもやめ、ふふっ」
梨沙「………」
飛鳥「梨沙、見てないで助けて……なぜ両手をわきわきさせている?」
梨沙「よくわかんないけど、流れには乗っておこうと思って。とりゃっ!」コチョコチョ
飛鳥「きゃっ!? ぷっ、ふふふ……ちょっと、本当に、くっ、ふふふ……」
翌朝
P「それで、結局ユニット名は決まったのか?」
飛鳥「全然」
P「即答か」
梨沙「途中からくすぐり合戦になって、なーんも考えなかったわね」
心「少女の戯れってやつ?」
P「少女?」
心「うん?」
P「なんでもないです」
P「いっそ、それぞれの名前を適当に組み合わせるか」
梨沙「えー、そんなんでいい名前になるの?」
P「うまくやればな。たとえば……」
P「りさあすしん」
梨沙「センスの欠片も感じない」
P「バッサリくるなあ」
飛鳥「的場梨沙。佐藤心。二宮飛鳥……」
心「ていうか、はぁとはしゅがーはぁって呼んでねっていつもと言ってるのにー! ぷんぷん!」
飛鳥「ハート……?」
飛鳥「ヴァリアスハート……ゲームの技にありそうだね、これ」
P「お、なんかカッコ良さそうな名前だな。ちゃんと決まるまではそれでいいか」
飛鳥「え?」
梨沙「まあ、Pの出した案よりはマシね」
心「仮称だけでも決めてないとやりづらいしね♪」
P「というわけで、しばらくはヴァリアスハートでいくぞ」
飛鳥「適当に口ずさんだだけなんだが……」
飛鳥「みんな納得しているなら、まぁいいか」
おわり
いつも通りの山なしオチなし短編でした
お付き合いいただきありがとうございます
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