飛鳥「ほう」
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梨沙「お見合い?」
P「そ。田舎の親父が送りつけてきた」
P「早く孫の顔が見たいから、お前もさっさと身を固めろってさ」
飛鳥「キミ、確か26だったか。結婚するなら悪い年齢ではないね」
P「いっちょ前に上から目線で言うな」ピシ
飛鳥「あぅ」
梨沙「ねえねえ、その写真ちゃんと見せてよ」
P「ほら」
飛鳥「これは……なかなか整った顔立ちをしているね」
梨沙「アンタにはもったいないくらいね」
P「だろ? 俺も写真を一目見た時からそう思ったんだ」
P「親父も自信満々に勧めてきたからな」
飛鳥「この人、年齢は?」
P「俺と同じらしい」
梨沙「同い年なら話も合いやすいかも」
梨沙「アタシのパパとママも、年は近いのよね」
P「んー……とりあえず、一度会ってみるかなあ」
P「部長にも、そろそろいい人を見つけてみてはどうかね、とかたまに言われるし」
飛鳥「そう言いつつも、顔はあまり乗り気に見えないけれど」
P「正直なところ、気ままな独身生活を捨てることには未練もある」
飛鳥「結婚は人生の墓場、というフレーズを信じるクチかい」
梨沙「アタシの親は幸せそうだけどね」
梨沙「ま、なんたってアタシみたいな超美人の娘がいるもんね!」
P「墓場とまでは思ってないけど、今の環境が変わるっていうのがな」
飛鳥「ヒトは変化を受け入れなければ生きていけない。いや、むしろ変化を求めることで進化を続けてきたんだ」
飛鳥「ボクもそうして、キミのスカウトに応じたわけだし」
P「ふむ、なるほど……」
梨沙「って、アタシを無視するな~っ!」
梨沙「まーでも実際、お見合いするのはどうなのかしらねえ」
P「梨沙は反対なのか」
梨沙「いや、アタシは別にいいんだけどさ。その……Pに奥さんができちゃうと、落ち込む子もいるんじゃないかなーと」
飛鳥「ありすとか?」
梨沙「そうそうありすとか……って、はっきり言っちゃだめでしょうが!」
飛鳥「P本人も気づいている事実だし、いいと思うけど」
梨沙「え? アンタ、ありすの気持ちに気づいてたの?」
P「さすがにあそこまで直球な態度とられると、色々と察する」
P「でも、ありすと俺で恋愛を成立させるのは問題が多すぎる」
P「あの子の感情も、本当に恋なのかはわからないからな。ただの憧れというか、そういうのがごっちゃになってる可能性もある」
飛鳥「なるほど。まあ、彼女の感情の正体なんて、ボク達にはおろか彼女自身にすらつかめないものだろうけど」
梨沙「……ところで飛鳥」
飛鳥「なんだい」
梨沙「えらく冷静だけど、アンタはどうなのよ」
梨沙「そのありす以上に、普段Pと一緒にいたがっているけど」
飛鳥「………」
飛鳥「ボクは別に、将来の伴侶としてPを見ているわけじゃない」
飛鳥「ただ、ひとりの大事な理解者として、できれば近くにいてほしいというだけさ」
飛鳥「いうなれば……そう、相棒、なんてどうかな」
飛鳥「キミの一番でいたいとまでは望まないけれど。そのぶん、末の長い付き合いをしていきたい」
飛鳥「いつかボクの担当がキミじゃなくなる日が来ても、たまに会うような関係でいたい」
飛鳥「……なんて、少し赤裸々にしゃべりすぎたかな。照れるね」フフ
梨沙「……なんていうか、飛鳥って意外とロマンチストよね」
P「そうだなあ。チチよりブルマ派ってことだよなあ」
梨沙「その表現で一気にロマンチックさが薄れたわね」
飛鳥「なるほど、チチとブルマの比較か……うまいね」
梨沙「飛鳥はそれでいいんだ……」
飛鳥「うん。ボクはチチよりブルマ(のポジション)がいいのかもしれない」
愛海「今乳の話してた?」ガチャッ
P「してたけどしてない」
愛海「そっかー。残念」トボトボ
梨沙「一瞬でフェードアウトしたけど、何しに来たのあの子」
P「決めた。前向きに見合いに挑戦してみよう」
P「飛鳥の言う通り、変化を求める心も大切だからな」
P「アイドルの子達に色々なことを求める傍ら、俺だけ安定志向というのもよくないし」
飛鳥「最終的に受けるかどうかは別として、仲良く話せるといいね」
梨沙「アタシはどっちでもいいけど、相手の女の人にヘンタイなことするんじゃないわよ」
P「しないって」
梨沙「ほんとに~?」ジトー
P「信用ないなあ」
梨沙「だって小学生のアタシにキワドい衣装着せるし」
P「あれは需要を考えてのことであって、決して俺の趣味ではない」
1週間後
梨沙「え、付き合うの断ったの?」
P「うん。結構いい感じの雰囲気だったんだけどな」
飛鳥「ならどうして」
P「いや、それがな? 話は弾んだんだが……俺が出す話題、事務所の子達のことばっかりでさ」
P「相手の人に『アイドルの方達のこと、大好きなんですね』って笑顔で言われて」
P「それで思ったんだよ。今はまだ、プロデューサーとしての仕事に集中しようって」
梨沙「P……」
飛鳥「ボク達を含め、みんな愛されているということだね」
梨沙「べ、別にアタシはうれしくないけどねっ」プイ
飛鳥「でも、相手の女性にはどう伝えたんだい」
P「そのまま正直に話したよ。頑張ってくださいって言われた」
飛鳥「いい人だね」
P「だな」
P「ところで、それに関連することなんだが」
P「俺の話で興味を持ったらしくてな。その人、うちでアイドルやることになった」
心「はぁ~い♪アナタのはぁとをシュガシュガスウィート☆さとうしんことしゅがーはぁとだよぉ☆」
梨沙「………」
飛鳥「………」
りさあす「は?」
心「あれぇ、おかしいなぁー? 反応が薄いぞ? ていうか反応しろ☆」
P「というわけで、今日から事務所の仲間になる佐藤心さん(26)だ。みんな仲良くしてあげてな」
心「やーん、歳は言っちゃらめぇって約束だろ☆」
P「といっても、お見合いの話の時にすでに説明済みなので……」
梨沙「何が何だかわからない……」
飛鳥「お見合いに行ってアイドル候補をスカウトしてくるとは……P、やはりキミは面白い」
梨沙「チチを探しに行って……なに? 18号でも見つけてきた?」
飛鳥「18号はちょっと違うんじゃないかと思うが……」
飛鳥「なんにせよ、言えることがあるとしたら」
飛鳥「プロデュースに専念することを決めたPは、きっとボク達にロマンティックをくれるんじゃないかな」キリッ
梨沙「うまく締め……てるのかしら、これ」
おしまい
超短いですがこれで終わりです。お付き合いいただきありがとうございました
一応世界観共有している前作
橘ありす「二宮飛鳥観察記録」(橘ありす「二宮飛鳥観察記録」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429618931/))
突発的に梨沙と飛鳥の絡みが書きたくなる病気にかかったらしい
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