幼馴染「好きだよ…」(48)
幼「ねぇ、今日はどこいく?」
どこでもいいさ
幼「…映画でも見に行こっか」
それは無理かな
幼「だよね…」
幼「あ、何か食べる?」
お腹すいてない
幼「でもなんか食べないと……」
すまん、食欲がないんだ
幼「……」
幼「じゃお喋りしようよ」
お喋り?
幼「うん、私達が出会った頃から」
そんな昔のこと、あんま覚えてないぞ
幼「すぐ思い出すよ、私は全部覚えてるもん」
そうか、じゃあお喋りしよう
幼「うん」
幼「私達が出会ったのって」
保育園に入ってきたときだな
幼「うん、あの時最初に声かけてくれたのも、あなたなんだよ?」
そうだったか?
幼「そうだよ、私が馴染めないでいたら」
…あぁ、こっちにおいでって
幼「そうそう、私を誘ってくれたよね」
あの頃はわかんなかったが迷惑じゃなかったか?
幼「全然!嬉しかったよ!」
声を張るな、頭に響く
幼「ご、ごめん…」
幼「それでさ、帰りの時間になったら迎えが来てさ」
俺の親父と一緒に来たよな
幼「覚えてるじゃん」
初日くらいはな
幼「そっか」
幼「それで、家に帰って横見たらいるんだもん」
あれはビックリだったな
幼「でもそれから毎日遊んだよね」
あぁ…楽しかった気がする
幼「…私は楽しかったよ」
幼「時々私が虐められてるといつも助けてくれたよね」
そうだったか?
幼「うん、自分が怪我しても、調子悪くても、いつも助けてくれた」
覚えてないな
幼「私にとっては大事なことだったからよく覚えてる」
ほー…それですぐ無くなったのか?
幼「うーん…すぐではなかったよ」
マジか
幼「でもね、卒園式でお手紙貰ったんだ」
手紙?
幼「そう、告白されたの」
なんだと?
幼「今までのイヤなことしてごめんなさい、大好きですって」
どこのどいつだ
幼「言ってどうする気?」
髪の毛を毎日一本ずつ抜いてく
幼「地味だからやめなよ」
幼「それにできないでしょ?」
……まぁな
幼「次は小学校」
幼「まだまだあどけなさが残る頃だね」
小学校くらいなら少し覚えてる
幼「5年前だからね」
だな
幼「1年生は一緒のクラスでさ、よく話してたよね」
そうだな、そこからまた仲良くなった気がする
幼「うん、泊まりに行ったりしてたからね」
毛布にくるまって遊んだよな
幼「うん…懐かしいね」
幼「でも二年生に上がったとき事件が起きたの…覚えてる?」
あれか、上靴体操着盗難事件か
幼「そう」
確か…クラスで一番の美少女のを盗もうとしたんだっけ
幼「だけど犯人は戸惑ったのか、クラスで一番の…その……」
ブスな
幼「…その子の盗っちゃったんだよね」
あの時は笑ったなぁ
盗まれたやつ奇声あげてんだもんな
幼「はっきり言ってイライラしちゃったよ」
うるさかったしな
幼「犯人はすぐ見つかったよね」
青ざめてたし、何回も吐きかけてたもんな
幼「しかも自白だし」
やめときゃいいものを…
幼「あなただったらどうする?自白する?」
もちろん
幼「人のこと言えないじゃん」
そう言えば三年生の遠足でお前、小便漏らしたよな
幼「なっ…」
一人で顔真っ赤にしてさ
幼「し、しょうがないじゃん……」
よかったな、気づいたのが俺で
幼「……出来ればあなただけには気づかれたくなかった…」ボソッ
うん?
幼「なんでもない」
そうか、それでさ茂みに連れてってパンツ捨てたよな
幼「女の子がノーパンだなんて…あの年でも恥ずかしかったよ」
痴女だもんな
幼「違うよ!」
だから声張るなって
幼「四年生の頃は…」
これと言って何かあったか?
幼「小学校時代最大の事件があったじゃん」
……教師のやつか
幼「うん」
たしかレイプしたんだよな、女の子を
幼「レイ……コホン」
幼「強姦された子も何も言わなくて全く気づかなかったよね」
そりゃ言えないわ
幼「でもなんで教師が捕まったか知ってる?」
知らん
幼「実はね、私もやられそうになったからだよ」
なんだと?
幼「音楽室につれてかれてね、もうガバッと」
ど、どうなったんだ?ヤられたのか?
幼「私ってすぐ声でかくなるじゃん?」
……叫んだのか
幼「うん、きゃぁぁ…って」
それで捕まったと
幼「すぐ用務員さんが来てくれて、警察もよんで、逮捕」
…まぁお前に何もなくてよかった
幼「ありがとう」
幼「五年生は…」
お前体調崩して入院してたっけな
幼「うん、あの時何かあった?」
これと言ってはないなぁ
あ、女って子に告白されたな
幼「ウソ!?」
静かにしろって、病院だぞ
幼「あ、うん…ごめん…」
幼「そ、それで……返事は…」
ノー
幼「」ホッ
その時から好きなやついたしな
幼「え!?」
うるさいぞ
幼「だ、だれ?」
その内わかるさ
六年生は修学旅行か
幼「……」
あとで教えるから
幼「…わかった」
修学旅行は東京だったな
幼「何か空気が汚れてたなぁ」
お前帰ったら熱だしてたから多分汚かった
幼「だよね…」
でもディズニーは楽しかったろ?
幼「あなたと一緒だったもん」
照れるだろ
幼「えへへ」
お土産買ったり、写真とったり
幼「私今も持ってるよ」
俺もだよ
幼「ふふ」
中学か……
幼「……」
ここで俺は……
幼「…1年生のとき」
幼「すごい緊張してたよね」
……するだろ
幼「私しなかったよ」
嘘つけ、常に半笑いだったじゃないか
幼「思い出し笑い」
一日中とかすげぇな
二年生の頃は忘れたい
幼「スゴかったよね」
幼「目の色変わっててびっくりしたんだから」
言うな
幼「何だっけ…ロストアイ?だっけ」
幼「オリビオン族の末裔で、悪魔の呪いで奇妙な目を移植された……」
やめろ、怒るぞ
そんなことより三年生だ
幼「もうちょっと言いたかった」
楽しむな
三年生で一番思い出深いのは修学旅行だな
幼「京都…だよね」
そう、お前他校のやつらに絡まれたもんな
幼「可愛いからね」
自分で言うな
幼「てへ」
幼「でも絶対助けてくれるよね」
そりゃあ……まぁ、うん
幼「ホントあの時はありがとう」
ボコボコにされたけどな
幼「ごめん」
幼「清水寺でさ、飛び降りようとした子いたよね」
いたなぁそんなやつ
幼「私八つ橋落としちゃったよ」
何味?
幼「ラムネ」
幼「じゃなくて、それを止めなかったのもスゴくなかった?」
嫌われてたもんなぁ
幼「でも助けるでしょ」
みんなわかってたんじゃないか?
飛び降りる気がないって
幼「そうかなぁ……」
係員の人に引き止められてわかんなかったけどな
幼「だね」
幼「そう言えば夏休みに海行ったよね」
……
幼「楽しかったなぁ」
二人だけだったけどな
幼「私はその方がよかったもん」
……でもさ
幼「うん」
泳げないやつ連れてくなよ
溺れそうになったんだぞ
幼「そのおかげでバタフライ出来たじゃん」
始めに覚えたのがバタフライって
どんだけだよ
幼「あ、花火もしたよね」
したした
幼「線香花火を上に持ち上げてたのはおかしかったなぁ」
普通わかんないだろ
幼「わかるよ」
じゃあ何で俺はわかんなかったんだ?
幼「バカだから」
……はっきり言うなよ…
幼「ごめん、私正直者だから…」
余計傷つくわ
個人的に冬が楽しかったな
幼「一緒だね、私も」
特にクリスマス
幼「私は大晦日かな」
幼「あなたは何でクリスマス?」
何でって……
お前がサンタのコスプレして来てくれたからじゃないか
幼「忘れて」
丁寧にぽっこりお腹でさ
でっかい袋持ってきて…
幼「怒るよ」
一番よかったのが帰り際だな
幼「……」
ソリに乗った瞬間滑って足捻挫
笑ったなぁ
幼「仕返しのつもりですか、そーですか」
怒るなよ
幼「ふんっ」
ごめんごめん、悪かったって
逆にそっちは何で大晦日?
幼「さぁ?」
拗ねるなって、可愛い顔を醜くするのか?
幼「あのね、私はね」
単純だな
幼「聞こえてるからね?」
すまん
幼「まったく……」
幼「私はね、紅白を見れたから」
おいおいそれだけか?
幼「違うよ、他には……次の日にお年玉貰えるから」
お子様だな
幼「……自分だって」
俺はもう貰ってないの
大人様なの
幼「何言ってんの」
幼「寝るときは熊のぬいぐるみないと無理って人が」
おいやめろ
幼「とまぁ冗談は置いておいて」
……
幼「…?」
………
幼「どうしたの?いつもなら何かいってくるのに…」
……ん、すまん
眠たくなってきてな
幼「……ダメだよ」
幼「寝ちゃダメ」
…わかってるさ
幼「あのね、本当の理由はね」
………おう
幼「…一日以上あなたといれたことだよ」
………ありがとう
……次は高校生だな
幼「うん」
………入学して半年
……お前が告白されたの見てさ……
幼「何で見るかなー」
……行った先に………いたんだから…仕方ない
まさか………オーケー……するとはな…
幼「……知ってるでしょ?脅されてたの」
……あぁ……
すぐに…わかったさ……
これは……助けないとって…思ったな
………
幼「ほっとけば…いいのに…」
まったくだ………
おかげで……
こんな…目にあった…
幼「でも……あなたが助けてくれたから……」
幼「私は今こうしてる」
……そう…だな
幼「……何で……何で……何でバカなことしたの……」
幼「普通わかるよ……何人も仲間がいるって…」
タイマン……って聞いてたから……な
しかた…ない
幼「………」
最後の……トラックは…………効いたな……
幼「ホント…バカだよ」
すまん………
これからは……もう守ってやれ………ない
だけど……見守って……はいるから……な
幼「…グスッ」
泣くな……
安心して……逝けない……だろ?
幼「…やだ……やだよぉ……グスッ…いかないでよぉ……」
…もう……むり…だ
最後にな………
さっき……の…好き…なやつっての……は
お前だ……
幼「…グスッヒック」ポロポロ
今まで……ありがとう
そして……さようなら…
ピーーーー
幼「うわぁぁぁぁ!」
幼「いやだぁぁぁ!」
ドンドン!!
幼「死なないでよぉぉ!」
ドンドン!!
ドンドン!
ドンドン
ドンドン…
数ヵ月後…墓地
幼「…ねぇ、私立ち直れたかな」
幼「医学が進歩してさ」
幼「昏睡状態の時でも脳内と会話できるって」
幼「スゴいよね」
幼「おかげで最期の最期までお話しできたし…」
幼「あのさ、あの時あなたが言ってくれたよね」
幼「好きなやつは私って」
幼「………言えなかったんだけどね、私も……私もね」
幼「ずっとずぅーっと…」
幼「未来永劫……ずっと好きだよ…」
幼「今まで……ホントにホントにありがとう」
幼「あなたに助けられた分、私も他の人を助けようと思うの」
幼「あなたが聴いたら無理だろって言いそうだね」
幼「でも私頑張るから」
幼「今までしてきてもらった分頑張るから」
幼「だから……グスッ」
幼「だから……グスッ…グスッ」
泣くな、可愛い顔が台無しだ
幼「!」
幼「!?」キョロキョロ
幼「……ありがとう……」
幼「………頑張るから応援してね」
幼「……大好きだよ……」
終わり
切なすぎる
復活ルートやってみる
乙
けどこれはこのままの方がいいだろ
変に復活させたらつまらなくなりそう
これはこのままの方がいいんでねーの?
>>40
ならやめとく
こういうbadend的なシナリオ自体がつまらない件
復活ルートが基本だろう速やかに書き直せ
>>43
まぁそんな言うなら何とかする
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