四月。桜の舞う季節。
別れが終わり、出会いの始まる季節。
幼馴染「…おーい、男君」
男「…んー?」
幼馴染「また考え事してたでしょ!」
男「んー、まあな」
幼馴染「もー、だめじゃん!横にこんな美少女がいるのに気分は上の空なんてさ!」
男「まあまあそうカリカリするなよ、今度お前に見せようとしてる小説の出だしを考えてたんだ」
幼馴染「え!?どんなどんな!?きかせてきかせて!」
男「いやいやだめだめ、出来上がってからのお楽しみだ」
幼馴染「えー!男君のいじわるー」
男「いじわるじゃなーい」
好きだった先輩たちは、みんな卒業した。
新入生の姿をちらほらみかけるようになってきた。
そのたびに思う――ああ、本当に、新しくスタートを切るときが来たんだなあ…と。
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――とはいっても、俺は部活も同好会もやってない。
正確には、「やってた」…だな。
去年までは、もう卒業してしまった三年生一人と、俺と、幼馴染。
その三人で、校舎の隅の目立たないところで、目立たない活動を続けてきた俺たち。
活動内容も、本を読んだり、書いたり――そうでないときは、雑談したり、お菓子を食べたり。
とにかくゆるーくやっていた。名前もない同好会だったが、強いて言うなら文芸同好会、になるのだろうか。
三人いたその同好会は、先輩の卒業によってなし崩し的に解散になった。
とはいっても、三人ともいまだに交流は深いままなので、特に問題もない。
男「なあ、今年どうする?」
幼馴染「どうするって?」
男「俺たち部活も同好会もやってないだろ」
幼馴染「まあ、そうね」
男「やっぱこう、高校生なら部活とかバイトとかしないとさ、らしくないっていうか?」
幼馴染「わからないでもないけど…なら、バイトすればいいじゃん?」
男「い、いや…だめだバイトは、面接が死ぬほど苦手なんだ」
幼馴染「…よくこの高校受かったね」
男「…ほんとにな」
幼馴染「じゃあどうするの?今更別の部活入るわけ?」
男「…そうしたいけど、やっぱりなあ」
幼馴染「他の同学年の子たちより、一年遅れて入ってる以上…やっぱ気まずいと思うけど」
男「そーだよなあ…はあ、どうしたもんか」
幼馴染「…ま、焦らずゆっくり考えればいいんじゃない?時間はまだあるんだしさー」
男「…そうかな」
幼馴染「そうだよー」
男「…それもそうだな」
幼馴染「うん!」
幼馴染「男君、一緒にかーえろ!」
男「おう」
幼馴染「…ねえ男君、最近よく聞く噂があるんだけど…」
男「ん?」
幼馴染「あ、えっと…///」
男「…?」
幼馴染「…わ、私たちって…その、つ、つ、つ…」
男「…つ?」
幼馴染「…つ、付き合ってないよね!?」
男「!?」ブーッ
男「な、ななな何言ってんだお前!///」
幼馴染「い、いや…だだだだって、クラスのみんながいうんだもん…///」
男「…あの二人付き合ってるらしいぜって?」
幼馴染「…///」コク
男「はあーっ…あるわけないだろ、そんなこと…」
幼馴染「え…」
男「え?」
幼馴染「いや、ななななんでもない!」
男「あ、ああ…そう」
幼馴染「…うん」
男「……」
幼馴染「……」
男(…な、なんだ…この気まずい空気は…)
幼馴染(私たち付き合うなんてありえないのかな…ちょっとかなしいかも…)
男「……」
男「…あのさ」
幼馴染「…?」
男「…お前のこと、別に…嫌いとかじゃ、ないからな」
幼馴染「えっ…それって…!」
男「…///」
幼馴染「男君…」
男「あ、あー!そろそろ家に着くころだ、早く帰らないと―」
幼馴染「棒読み!?」
男「…幼馴染」
幼馴染「は、はい!」
男「えっと…また明日」
幼馴染「…!」
幼馴染「うん、また明日!」
―――
幼馴染「ねえ男君?」
男「んー?」
幼馴染「もうそろそろ五月も終わる頃だけど…部活はどうするの?」
男「ああ、それ…いや、もういいかなって」
幼馴染「あ、そうなんだ!」
男「おう、どうせ今から入ったってな」
幼馴染「そうだねそうだね!」
男「…なんか嬉しそうだな、どうしたんだよ?」
幼馴染「ううん別に!男君と一緒にいられる時間が削られなくて嬉しいとか、そんなこと思ってないから!」
男「えっ…そ、そんなこと思ってるのか?」
幼馴染「あっ……」
男「お、幼馴染…///」
幼馴染「…ご、ごめん…///困るよね、こんなこと言われても…//」
男「いや、そんなことない、嬉しい」
幼馴染「…!」
男「で、でも…やっぱ照れるわ…///」
幼馴染「だ、だよね!私も…///」
―――
幼馴染「男君!雨だよ雨!」
男「まあ、梅雨だからなあ」
幼馴染「このじめじめした雰囲気…耳に心地よい雨音…」
幼馴染「私、梅雨…ってか雨、好きなんだー!」
男「…ほう」ニヤ
幼馴染「あれ、私の傘がない!?」
男「あちゃー、誰かが間違えて持っていっちゃったのか」
幼馴染「えー…さいあくー」
男「でもまあ仕方ないさ、それにお前雨好きなんだろ?」
幼馴染「…好きだけど」
男「じゃあいいじゃん」
幼馴染「好きだけどー、濡れるのは嫌ー!」
男「…それって雨が好きなんじゃなくて雨を見てるのが好きなんじゃないか」
幼馴染「いや、ふつうそうでしょ!?」
男「…まあな」
幼馴染「なにー?もしかして私なら雨の中ででも『ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらん♪』とか歌いながら歩くとでもおもったの?」
男「そりゃあ、雨が好きっていうから」
幼馴染「濡れるのはやだよー!」
男「…ていうかそれよりどうすんだ、このままじゃ帰れねえだろ」
幼馴染「うーん…雨がやむまで待つかなあ」
男「そっか…じゃあ付き合うよ」
幼馴染「ええ!?いいよお、男君は傘持ってるでしょ!」
男「そうだけど、雨ん中一人で帰るのもつまらないし」
幼馴染「わ、悪いよお…」
男「遠慮すんなって、幼馴染同士なんだし」
幼馴染「そんなこと関係ないのにぃ…」
幼馴染「…でも、ありがとう」
男「…どういたしまして」
幼馴染「…っておもったけど、だめだ」
男「え?」
幼馴染「今日は早めに帰らなくちゃいけないんだった!」
男「な、なんで?」
幼馴染「弟が昨日から熱出しちゃってたんだ、今日お母さん帰り遅いから…」
幼馴染「私が面倒見てあげないと…」
男「……」
幼馴染「どうしよどうしよ…」
男「…あのさ、幼馴染」
幼馴染「なに」
男「…相合傘とか、どう?」
幼馴染「!?」
幼馴染「な、なにいってるの!?できるわけないじゃん、恥ずかしくて!」
男「…お、俺だって恥ずかしいけど…背に腹代えられないだろ」
男「それともまさか、濡れて帰る気?」
幼馴染「い、いやらしいこと考えてるの!?」
男「ちげーよ!」
男「濡れて帰ったらお前まで風邪引いちまうだろ」
幼馴染「あう、そうだね…」
男「…一緒に帰ろうぜ、な?」
幼馴染「…っ…、っうん…///」
―――
男「……////」
幼馴染「……/////」
男(…じ、自分から誘っておいてこういうのもなんだけど…めちゃくちゃ恥ずかしい!これ!)
幼馴染(ま、周りからの視線が痛いよぅ…////)
男「…お、おい…もうちょっと離れてくれ、恥ずかしいから…//」
幼馴染「む、むりだよ…濡れちゃう」
男「ちょっとくらい平気だろ、離れてくれよ///」
幼馴染「じ、じゃあ男君が離れて」
男「あ、そうだよな…よっと」スッ
幼馴染「あっ…」シュン
男「…なに、機嫌悪い…?」
幼馴染「う、ううん!別に!」
男「そ、そうか…ならいいんだけど…」
男「…って幼馴染!あぶな―――」
幼馴染「え―――」
バッシャァァアアアアアァァン!!!!
男「…ごめん、言うの遅かったかな」
幼馴染「う、ううん…てか男君もかかってるよ、水…大量に」
男「たしかに…」ジーッ
幼馴染「…ちょっ!じ、じろじろ見ないでよ!男君のエッチ!変態!スケベ!」
男「あっ、ご、ごめん、つい!」
幼馴染「結局いやらしいこと考えてる!なんなのよもう!」
男「悪気はなかったって!!」
―――
幼馴染「…シャワー上がったよー」
男「わ、悪いな…お邪魔させてもらっちゃって」
幼馴染「ううん、それはいいんだけどさ」
男「?」
幼馴染「お、親がいないからって…またいやらしいこと考えないでよね!///」
男「それはお前だろ!」
幼馴染「し、シャワー浴びたのだって、そういうわけじゃないんだからね!」
男「…もしかして逆に誘ってる…?」
幼馴染「ば、バカ言わないでよ!ド変態!!」ブンッ
男「うわっ、おい!暴力はなしだろ!」
幼馴染「むうー…////」
男「間違いなんか起こさないから安心しろって…」
男「てかそんなことより弟君の様子は?」
幼馴染「あ、そうだった!」
―――
男「…どうだった?」
幼馴染「うん、特に変わった様子もなかったから…そのまま寝かしつけた」
男「そうか、よかった」
幼馴染「…ありがとうね、男君」
男「なにが?」
幼馴染「なにがじゃなくて!…その、傘、入れてくれて」
男「いや、気にするなって…むしろいろいろ恥ずかしい思いさせて、悪かった」
幼馴染「い、いやだった?ほんとうは…」
男「…嫌だったら入れてねえよ…//」
幼馴染「お、男君…///」
男「…でも実はあれ、俺の悪戯なんだ」
幼馴染「…え?」
男「お前の傘、実は俺が盗んで持ってるんだよね」
幼馴染「は…?え、なにそれ!?」
男「相合傘やり損だったな」
幼馴染「ちょっ、なにいってるの!?わざと恥ずかしい思いさせて―――」
男「…なんてな、嘘だけど」
幼馴染「…え?は!?なに!?」
男「からかっただけだよ、盗んだりしてないから安心しろって!」
幼馴染「な…っ!」
男「いや、悪戯しようとしたとこまではほんとなんだけどさ?」
幼馴染「おい!」
男「実はお前の傘パクろうとして傘立てのとこに行った時にはもうお前の傘はなかった」
男「そのときにもう誰かが持って行っちゃったみたいでさ」
幼馴染「なんだー…ただの意地悪じゃなかったんだね」
男「そういうこと」
男「…それとも、ただの意地悪のほうがよかったかな?」
幼馴染「あのねえ男君、人のことからかいすぎ!」
男「あはは、ごめんごめん―――」
男「…あれ?」
幼馴染「…?」
男「…なんかお前の部屋、段ボールが目立つよな」
男「他の部屋にもちらっと見えたけど」
幼馴染「…そう?」
男「うん…前来た時はなかっただろ、こんなに」
幼馴染「いやいや、棚とかに入らない荷物を入れてるだけだしさー」
幼馴染「それに前来た時っていつ?」
男「んー…去年の冬ごろだっけか」
幼馴染「最後に来たのそんな前なんだし、内装ぐらい変わっててもおかしくないでしょー」
男「…まあ、言われてみれば確かに…」
幼馴染「でしょでしょ、ただそれだけだよ」
男「…ならいいけどさ」
幼馴染「うん!」
幼馴染「……」
―――
幼馴染「男君…最近暑いよね…」
男「まあ、そろそろ七月になるからなー」
幼馴染「やだなあ、時間経つの…」
男「夏が嫌いなだけだろー」
幼馴染「…ちがうよ」
男「え?」
幼馴染「ううん、なんでもない」
男「…そうか」
幼馴染「…うん」
男「…お前は焼けるのとか気にしないの?」
幼馴染「するよもちろん、こうみえて日焼け止め塗ってあるんだから」
男「あ、そうなの」
幼馴染「もちろーん」
幼馴染「男君だって白いほうが好きでしょ?」
男「ま、まあな」
幼馴染「…あ、う…」
男「…?」
幼馴染「ご、ごめん…こっちから振ったくせにちょっと恥ずかしくなっちゃって…///」
男「な、なんだよそれ…」
幼馴染「よくわ、かんない…///」
―――
幼馴染「……」
男「幼馴染、どうかしたか?」
幼馴染「あひゃう!」ビクッ
男「…な、なに?」
幼馴染「お、男君、いつからそこに…」
男「え!?い、いや普通に近づいただけだけど…」
幼馴染「え…あ、そうなの…?」
男「おう…」
男「なんか暗い顔してたけど、悩みでもあんのか?」
幼馴染「え…あ、ううん!全然大丈夫だよ」
男「…ほんとかよ」
幼馴染「うん、ほんとに!」
男「…ならいいけどさ」
男「何かあったらすぐ言えよ?」
幼馴染「う、うん!」
男「じゃ、帰ろうぜ」
幼馴染「そ、そうだね、帰ろっか!」
幼馴染「…言えないよ、こんなこと…」ボソッ
―――
男「幼馴染、今日も一緒に――」
幼馴染「……」
男「…幼馴染」
幼馴染「…男君」
男「…ん?」
幼馴染「……」
幼馴染「あのね、私…その…」
男「……」
幼馴染「…ううん、やっぱりなんでもない」
男「…そうか」
幼馴染「…うん」
幼馴染「帰ろう?」
男「……」
男「…なあ、俺が後押ししてやったほうがいいか?」
幼馴染「え…?それって、どういう―――」
男「いいから」
男「なんか言いたいことあるんだろ?」
幼馴染「……」コクン
男「俺から聞いたほうが言いやすいならそうするし、お前から言いたいってんなら俺は何も聞かない」
男「…それだけ」
幼馴染「……」
男「……」
幼馴染「…おねがい」
男「…何があったんだ」
幼馴染「えっと、その…私…」
男「怖がらなくていいから」
幼馴染「…うん」
幼馴染「その、私…ね?」
幼馴染「引っ越すんだ、遠くに」
男「……」
―――
幼馴染「…はあ」
幼馴染(今日が引っ越し前日…だから今日絶対言わなきゃって思ってたんだけど)
幼馴染(男君に助けてもらっちゃったなあ…)
幼馴染(…けど、私が引っ越すって言っても…なんか反応薄かったな)
幼馴染(もしかして、嫌われてたのかな…)
幼馴染「…って、男君に限ってそんなことあるわけないじゃん!」
幼馴染「好き…ではなくても、嫌いでもないはず!だって毎日一緒に帰ってるし、幼馴染同士だし!!」
幼馴染「…下着も見られたことあるんだし、責任とってもらいたいくらいよ…///」
幼馴染「…でも、ほんとにどうなんだろ」
幼馴染「私、男君にどう思われてるのかな…?」
―――
男「……」
幼馴染「……」
七月。その別れは、実に淡々としていた。
男君は、笑うでも、泣くでもなく、ずっと無表情で、怖い顔をしていた。
それと、会ってから別れるまで、一切口を開いてはくれなかった。
幼馴染(…泣いてもくれないなんて、思ったより薄情だったなあ…)
幼馴染(なんで、なんでよ…)
幼馴染(やっぱり、どうでもよかったんじゃん…ううっ…)ポロポロ
幼馴染(それなら、勘違いさせるようなこと…しないでほしかったよ…男君…)ポロポロ
そのまま私は、離れた土地で四月まで暮らすこととなった。
―――
四月。桜の舞う季節。
別れが終わり、出会いの始まる季節。
親の事情で引っ越しをした私たちだったが、再び親の事情により、元いた街に帰ってくることになったのだった。
……が、私は気が乗らなかった。
向こうでの暮らしにようやく慣れてきた矢先の出来事だから、というのもあるのだが、
やはりというか、男君に会いたくないから…というのが一番の理由。
幼馴染(私のことなんてどうでもよかったんだもんね…)
幼馴染(やっぱり、古い付き合いだからってだけで…嫌嫌一緒にいただけなんだ)
幼馴染(好きとは言われなくても…泣いてはくれなくても、せめてもうちょっと…悲しんでほしかったかな…)
幼馴染(男君…また会えたとしても、喜んでなんかくれないんだろうな…)
そんな風に考えながら、私は元いた街に戻ってきて、元いた家に戻ってきたのだった。
ピンポーン
幼馴染(…来客?もう、この忙しい時に…)
幼馴染「お父さん、私が出るね!」
ガチャッ
幼馴染「…!」
男「…幼馴染…」
幼馴染「…お、男、君…」
幼馴染「…な、ななな、なにしにきたのよ…帰って―――」
ぎゅっ!
幼馴染「―――…よ…!?」
男「…ああ、幼馴染の匂いだ…」
幼馴染「…~~~っ…!!?////」
男「ああ、やわらけえ…本物の幼馴染だー…」
幼馴染「ちょっ、ちょちょちょちょっと!?や、やめっ、はなして!」
幼馴染「せっ、セクハラです!セクハラで訴えます!!///」
男「…あっ、ごめん、久しぶりでつい…」
幼馴染「つい、でこんなこと許される!?」
男「…ごめん…ずっと、会いたかった…」
幼馴染「…っ」ドキッ
幼馴染「…なんとも思ってなかったくせに…」
男「…え…」
幼馴染「わ、私が…!私が引っ越すって言った時、悲しんでもくれなかったくせに!」
幼馴染「何よ…何よ、今更!」
男「…お、お前…何言って…」
幼馴染「だ、だって…泣いてくれなかったよ…」
幼馴染「私、もし逆の立場だったら…男君がいなかったら、絶対わんわん泣いちゃうのに…」
幼馴染「それなのに男君は、私のために涙一粒も…ううん、涙流さなくてもいいけどさ」
幼馴染「全然、悲しそうに見えなかった…」
男「……」
男「…悲しかったに決まってるだろ」
幼馴染「え…」
男「話したら…つらくなるとおもった」
男「だからあの日は口も利かなかった」
幼馴染「男君…」
男「少しでも顔の緊張解いたら…別れにふさわしくないみっともない顔になっちまうなっておもった」
幼馴染「……」
男「お前から引っ越しするって話聞いたときも、俺…何にも言わなかっただろう」
幼馴染「…うん」
男「…言ってほしかったよな、なんでもいいから」
幼馴染「…うん…」
男「ごめんな…あのとき、頭真っ白になってた」
男「現実が直視できなくなってさ、卒倒するかと思ったよ」
幼馴染「男君…」
男「ずっとそばにいたんだ」
男「ちっちゃいころから、ずっとずっと…さ」
幼馴染「うん、そうだよね…」
男「…嫌いだったら、こんなに一緒にいると思うか…?」
幼馴染「……」フルフル
男「そういうことだ、だからさ、幼馴染」
幼馴染「…はい」
男「…お前のこと、大嫌いだから」
幼馴染「…え…?」
男「えじゃなくて、そういうことだから」
幼馴染「い…いやいや、おかしいでしょ…今の流れからいって…」
幼馴染「……」
幼馴染「…いや、いいのか」
男「そうそう、大っ嫌いだから」
幼馴染「…まったく、素直じゃないんだから…」
幼馴染「でも、まあ、私も…」
幼馴染「えへへ、男君のことなんか大嫌いだから!」
―終―
一日遅れだけどどうしてもエイプリルフールネタがやりたかった
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