男「男、投手希望です」 (7)

一昨年の夏、俺は中学生最強の投手だった。

最速145kmのストレートに多彩な変化球、なんと言ってもキレのあるスライダーは高校でも通用する。

はずだった。

四月

薬師高校入学式

男「やっと終わった、長いなこの高校の入学式」

男「そうだ、今日ヒマだし野球部見に行こうかな」

部員「ファイトー」

男「おっ!やってる、やってる、どれどれ」

部員A「おい、見ろよあそこ」

部員B「あの人がどうかしたのか?」

部員A「あいつ男だよ、中2にして全中優勝投手のあの男だ」

部員B「うち公立だよな?推薦なんてなかったはずじゃ」

部員A「あいつ怪我したらしいぜ、中3の頃、肘と肩、両方手術したらしい」

部員B「なんにせよ手術は成功したんだろ?なら登板してもらおうぜ、せんりょくになるか確かめたい」

部員B「部長いいですよね?」

部長「ああ」

部員A「そこの君、男君だよね?野球部入部希望だよね?ちょっと投げてみてよ」

男「え?俺ですか?あ、はいわかりました」


ざわざわ

部員C「全中優勝投手の男が投げるらしいぞ」

部員D「怪我してから投球みるの初めてだけど、どうなんだ?元通りなら甲子園も目じゃないぞ」

男「久しぶりの投球だ、このマウンドの感じ懐かしい、キャッチボールは済ませたから肩はできてる」

男「全力で投げてもいいですか?」

部長「ああ、すきに投げろ」

そして男は大きく振りかぶり、彼と同期なら誰でも知っている、以前と変わらないモーション

男「ふんっ!!」


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ダイヤのAの二次創作のオリ主もの?それか薬師ってのはたまたま?
どっちにしても野球だしあえて隠してるとかじゃなければどうせなら名前つけてもいいと思うよ

ギュルルルルル...

男の手から離れたボールはキャッチャーミット目掛けて進む、球種はストレート。

ポトン

期待とは裏腹に、ボールはキャッチャーミットに届くこと無く落ちた。

男「あはは、はは、全力で投げたのに届かなかった..」

部長「球速は!?」

マネ「85kmです」

部員A「なんだ使い物にならねーじゃん」

先程までざわめいていたグラウンドも今は静かだ。

部長「みんなクールダウンのストレッチにいったぞ、ところでお前は野球部に入るのか?」

男「僕が入っても邪魔なだけですよ」

部長「違うな、そういう話じゃない、お前はまだ野球がやりたいのか?これを聞いているんだ」

男「やりたいにきまってるじゃないですか!!まだ俺にはマウンドでやり残したことがある!!」

部長「決まりだな」

すると男は大きい声で叫んだ

男「男!ピッチャー希望、目標は甲子園優勝」

この声はしっかりと皆に届いた

>>2
すいませんダイヤでは無いです。野球テーマが書きたかったので自分のすきなメジャーのキャラの薬師寺からとりました

男の最初の練習は球拾いだった。全中優勝投手とは思えない練習であった。

球拾いは一年生の殆どがやっている。殆ど以外の人はというと、

カキーン

田中「よっしゃ」

部員D「田中すげーな一年なのに、スタメン危ういかも」

このようにブルペンやグラウンドで二、三年に混じって練習をしていた。

怪我がなければ自分もあそこにいたと思うと、悔しくてたまらなかった。

?「よう!男」

男「君は確か中山!」

中山「あったりー、球拾い疲れるよな」

男「球拾いなんてやったことなかったからね、新鮮だよ、でもやっぱり複雑だな」

中山「それよりこの前の投球なんだよあれらしくないぞ」

男「ああ、そのことなんだけどね家で的当てやったら届いたから久しぶりすぎて感覚が鈍ってただけだったみたい」

男「でも球速は元通りにはならなかったけど」

中山「俺たちの世代ならお前は憧れだからな、早く力を取り戻せよ!!」

部員A「おーい、一年これから自己紹介もかねて歓迎会やるから部室にあつまれ」

部室にて

部長「これから歓迎会を始める」

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