女「私の、初恋」(66)
━━放課後の教室。
女「なぁ男、恋話でもしようか」
男「何で恋話?俺は早く帰ってドラマの再放送を見たいんだが……」
女「そんなに時間はとらせないから!ね、良いだろ!」
男「まぁ、ちょっとなら別に良いぞ」
女「やった!」
女「男ってさ、恋したことある?」
男「俺もう17だぞ、無きゃおかしいだろ」
女「ふぅんそうなんだ」ニヤニヤ
男「何にやにやしてんだ。ちゃんと真剣に真面目に恋してんだぞ俺は」
女「ほう、現在進行形ですか」
男「おう」
女「相手は誰?私の知ってる人?」キャッキャッ
男「うわー女子のこのノリ嫌いだわー」
女「恋の話が嫌いな女子はいないんだよ!」
男「ふーん」
女「で、話は戻すが誰々?私とお前の仲だろ!親友に話せねーような人なの?」
男「んな訳ねーだろ」
男「すごい良い人だよ、あの人は」
男「誰かさんと違って大人しくて、女らしくて、優しくて、おっぱい大きいんだ」
女「おい最後」
男「おっぱいの嫌いな男子なんていない!」
女「ぺちゃで悪かったな!」
男「大丈夫だって、無乳にも需要はあるから」
女「残念だったな!aはあるから無乳ではないわ!」
男「……………」
女「……………」
男「……まぁなんだ、人間って20歳まで成長するらしいぜ」
女「……ありがとう」
女「まぁ私のまな板については置いといて」
男「自分で言っちゃったよ」
女「男の好きな奴の話をしよう」
男「えー、おっぱいの話がしたい」
女「黙れまな板の敵」
男「まな板の敵って何だよ!」
女「大人しく、女らしく、優しくて、ばいんばいん。……んー、学校にそんな子いたっけなぁ」
男「表現が親父臭い」
女「あ、もしや委員長さん?生真面目で気が利いてぼいんだよ!」
男「髪型はロングのが好みだな」
女「じゃあ図書委員さん!黒髪ロングで文学少女でばいんばいんでぷるんぷるん」
男「図書委員は性格がなぁ、女王様みたいじゃんあいつ」
女「うぬぬ、当たったと思ったのに!」
男「ははは、当てられてたまるか馬鹿野郎」
女「生徒会長さんは?」
男「ばいんばいん過ぎるな、魔乳のレベルだろあれ」
女「副風紀委員長ちゃん!」
男「ロリ過ぎる」
女「保険委員たん!」
男「ぶりっ子はノーセンキュー」
女「ああああ!もう!好みに五月蝿すぎるぞ男!」ツクエバンッ
男「いや普通じゃね?」
女「うーんうーん、大人しくて、女らしくて、優しくて、おっぱい大きくて、髪型ロングで、女王様じゃなくて、おっぱい大きすぎなくて、ロリじゃなくて、ぶりっ子じゃない女の子……はっ、もしや女じゃないのか?!」
男「いやいやいやいや!それはないから!おかしいだろその発想!」
女「あの慌て方、怪しい」
男「怪しくないから!普通に女の人が好きだから!」
女「………女の、"人"?」
女「謎は全て、解けた」
男「!」
女「見た目はぼいんぼいん、中身は大人しくて、女らしくて、優しい━━━その名は女先生ちゃん!」
男「ぐあっ、い、異議あり!」
女「何かね、ワトソン君」
男「し、証拠がない!よってその発言に正当性はない!」
女「異議あり!証拠なら、見つけた!証拠は……これだぁああ!!」
男「それは!俺の定期入れ!?」
男「ぐぬぬ……!」
女「ふっふっふ、やっぱりな!男みたいな奴なら絶対定期入れに好きな奴の写真を入れてると思ったよ!」
男「も、返せ馬鹿!」
女「いやぁしかしよく撮れてるなぁ、なにこの先生可愛い過ぎる」
男「わー!わー!わー!」
女「五月蝿いよ男」
男「うるせーー!!」ウガー
女「しかし男が女先生ちゃんをねぇ……身の程を知らないって怖い」
男「何だよ!俺が女先生さん好きなのがそんなに変か!」
女「いやいや、まぁ、頑張りな」ニヤニヤ
男「顔腹立つ」
女先生「あらあら、何の騒ぎ?」
女「あ」
男「!?」
男「」アワアワ
女先生「?」ニコニコ
女「何の騒ぎかって?思春期の男女が騒ぐ事なんて1つしかないでしょう!そう!恋話ですよ、先生!」
女先生「恋ですって!」キラン
女「変ですもの!」
「「イエーイ!」」
男「(誰か助けて)」
女先生「良いわねぇ、青春ねぇ……!」
女「ここは一つ、女先生ちゃんの恋話でも聞かせてくださいよ!」
女先生「わ、私の?」
女「えぇ!」ニヤニヤ
男「(女先生さんの、恋話……!)」ドキドキ
女先生「え、ーとね、笑わないで聞いてくれるかしら?」
女先生「私、ね、まだ恋とかしたことないのよ。変よね、もう25歳になるのに」
男「変じゃないです!」ダンッ
女「……」
女先生「?」
男「いや、え、とあの、恋は、その狙ってするものじゃないから…別に、したことなくても……変じゃないです」
女先生「うふふ、ありがとう」
男「と、当然の事を言ったまでです!」
女「調子良いなぁ」ジー
女先生「あら、暗くなってきたわね。あなた達、もう帰りなさい」
男「はいっ!」ビシッ
女「はーい」
女先生「じゃあ先生、職員室に戻るから。帰り道気をつけてね、また明日」ニコッ
男「はぅっ」
女「」ジー…
コツコツコツ
男「どうしよう」
女「何が?」
男「鼻血でそう」
女「知らねーよ」
男「女先生さんまじ天使。その微笑みまさに女神」
女「天使なのか女神なのか」
男「間を取って奇跡で!」
女「どこが間!?」
男「細けぇことは良いんだよ!……女先生さんの言う通り暗くなってきたし、恋話はそろそろ切り上げて帰るぞ」
女「あ、ちょっと待って」
男「?何だよ」
女「あと少しだけ、恋話させてくんない?」
男「少しだけ?」
女「うん」
女「私のね、知り合いの女の子の話なんだけどさ」
女「その女の子には好きな男の子がいてさ。あ、ちなみに初恋の相手なんだって!」
女「その二人はね、昔からずっと一緒にいて、お互い友達じゃなくてもう家族みたいな感覚で」
女「だからかな、油断、っていうか。女の子はねその男の子と、思いを伝えなくてもこのままずっと一緒にいられるって思ってたの」
女「そんなこと、あるわけないのにね」
女「そしてある日女の子は、男の子が恋をしているのに気が付いてしまった」
女「相手は勿論、女の子じゃなくて違う人」
女「その女の子が持ってないものを沢山持ってる、素晴らしい女の人」
女『……そうして女の子がうじうじ悩んで思いを伝えられない間に、男の子は初恋を実らせました』
女「とさ、ちゃんちゃん」
女「さて男、この女の子についてどう思った?」
男「いやアホだろ、せめて一回は告白すべきだったと思うね俺は」
女「そうなんだよねぇ、その女の子馬鹿なんだよ凄く」
男「で、その話がなんだ」
女「いやいや、男はこうなるなよ。って言いたかったのよ私は」
男「ならねーし!失恋するにしても絶対一回は玉砕覚悟で特効するし!つーか失恋しねーよ!絶対女先生さん射止めてやんよ!」
女「ふっふっふ、貴様にできるかな」
男「してやんよ!」
メシか?
風呂か?
何でもいいや。
英気を養って是非とも完結させてくれ!
>>27
トントロ食べてた(・ω・`)
今から最後まで一気に書くぜ!
男「」フンガー
女「はいはい、怒らない怒らない。男ならできるって」
男「おう!やってやんぜ!」
女「んじゃ帰ろっか、これ以上暗くなる前に」
━━━━帰り道
女「玉砕覚悟、ねぇ」テクテク
男「ん?何の話だ?」
女「いや、さっきの女の子の話。もし玉砕覚悟で告白特効してたらどうなってたのかなぁ、って」
男「うーん……、その男の子が女の子をどう思ってたによるんじゃね?」
女「ほう?」
男「家族みたいな関係なんだろそいつら。その女の子が嫌いなら家族みたいな関係にはならないんじゃねーか?」
女「でも好きだったとは考えられないんじゃないの?携帯のアドレスみたいに、関係を消すのがめんどくさくてずるずると一緒にいただけとかさ」
男「お前の思考が怖い」
女「怖くねーよ、普通だよ。普通の女子はこれくらいドライなの!」
男「まぁでも、告白しないで失恋するより告白して失恋する方がいいと思う。駄目で元々、もしok貰えたら儲け物だ」
女「……女の子は傷付くのが怖かったんだよ」
男「女の子ってめんどくさいな」
女「そのめんどくさい女の人を好きになったのはどこの誰だっけ」
男「女先生さんは別だ!別バラ!」
女「嫌だわこの子、食べる気満々だわ性的に」
男「男は皆変態だが何か?」
女「開き直りやがったこいつ」
男「好きな物はメイド服、ただしスカートが長いちゃんとした古きよきメイド服に限る」
女「聞いてないよ」
男「ぬっ、お前はあの良さが分からないのか!?」ムフー
女「おまわりさーん」
男「ちょっおまっ」
テクテク
女「あ」
女「(いつもの分かれ道)」
男「じゃあな、また明日」
女「え、あ、その」
女「ちょっと待って!」
男「……ん?何?」
女「いや、その」
女「(何で呼び止めちゃったんだよ私)」
女「(諦めたのに、普通の友達でいようと思ってたのに)」
女「(………でも、男が言ったんだ。告白しないで失恋するより、告白して失恋した方が……)」
女「(少なくとも、モヤモヤを胸にしまい続けるよりずっと良い)」
男「何だ、何もないなら帰るぞ」
女「男!」
男「おう」
女「」スー
女「」ハー
女「」フゥ……
女「今日は、月が綺麗だね」
男「あー、そうだな」
女「うん。ごめんね、呼び止めちゃって、ばいばい」ニコッ
男「おう、おばよ!」
ダッダッダッ
女「うわ走るの速いなあいつ。もうあんな遠くにいる!」
女「あと多分あいつ意味分かってないな、まぁ良いけど!うん、すっきりした!」
女「………」
女「ばいばい、男」
女「ばいばい」
女「私の、初恋」
━━━数日後
女「どうした男」
男「フラれた」
女「はやっ!!告白も玉砕も!!」
男「うるせぇ!傷口に塩を塗り込むんじゃねぇ!」
女「残念、塩じゃなくて謎の白い液体さ!」
男「なんだそれ」
女「まぁまぁ、次があるさ!女も男も星の数だけいるんだよ!」
男「励ましてくれるんだな……!俺は何ていい友達を持ったんだ」
女「まぁ星には手が届かないんだけどね」テヘペロ
男「最悪な友達だ!」
女「なんだよー、人に向かって最悪とか言うなよ、私が傷付くだろ」
男「まだ傷付いてないんだ!」
女「失恋を経験した女子はタフなんだよ、知らなかったかい?」
男「え」
男「失恋って何それ俺聞いてないよ!?」
女「言ってねーもん」
男「酷い!俺とお前の仲じゃねーか!」
女「私と男に仲なんてあったっけ?あれそういえばお前だれ?私知らないよ」
男「陰湿ないじめだコレ!」
女「男ともあろう者がいつまでもウジウジしてんじゃねーよ!この蛆虫が!」
男「いつになく元気だなお前」
女「はっはっは!黙れ蛆虫、ゴミ虫、肥溜めに沈め!」
男「もうお前のキャラがわかんねーよ何お前図書委員さん!?」
図書委員「……呼びました?」
女「ごめん呼んでない、すみませんうちの馬鹿息子がご迷惑お掛けしまして」
男「オカン!?」
男「なんかもう落ち込んでのがアホらしくなってきた」
女「いいぞ!その息だ!」
男「そうだよな!人生はまだまだ長いんだ!そりゃ失恋の一つや二つや三つ……」
女「うむ。では男の失恋記念日というこで、今日は私がハンバーガーでも」
男「奢ってくれるのか?」
女「奢られてやる」
男「え、あ、えぇ!?」
女「自分も失恋中なのにお前を慰めてやってるんだよ、奢るくらいしてくれても良いじゃない」
男「いや、まぁいいけどさ」
女「やった!私ナゲット食べたい!あとアップルパイ」
男「待て、俺の所持金今1000円」
女「ん?私の分は足りるだろ」
男「俺の分がない!」
女「んじゃ学校終わったらハンバーガー屋にレッツゴーで」
男「了解、って話がそれた!お前、失恋って何?相手は!?お前を振るなんて何て奴だ!ぶん殴ってやる」
女「あらやだ男ってマゾ?」
男「何故に!?」
女「私の失恋相手、ね。そりゃ勿論」
男「餅の論?」
女「………」ゴゴゴ
男「………」ゴゴゴ
女「━━━━秘密!」
男「」ガクッ
男「お前なぁ……」
女「へたるな男!休み時間はまだまだ長いぞ!」
男「おう、しかし話すこともなくなったら」
女「そうだね、それじゃあ」
女「恋話でもしようか!」
end
━━━━━━━
またの名を第一部完。
そしてプチ予告。
━━━━━━━
女先生「私の、初恋」
女先生「私が好きになったのは、女の子でした」
途中まで投下します。
続きは近日中にでも頑張ります!(・ω・´)
女先生「私の、初恋」
━━━━━
━━━とある日の放課後
女先生「はぁ……」
女先生「(また昔の友人から結婚式の招待状が届いたわ……)」
女先生「(周りはどんどん結婚していくというのに、私と来たらもう25歳になるのに、恋すらしたことないなんて)」
女先生「うぅーん」
<ばいんばいん
<ぼいんぼいん
女先生「ん?何かしら、教室から話し声が……」テクテク
ガララッ
女先生「あらあら、何の騒ぎ?」
女「あ」
男「!?」
女先生「(この子達は確か、女さんと男くんよね。いつも一緒にいるのをよく見かけるわ!)」
女先生「(はっ!もしかして恋人同士なのかしら?良いわねぇ青春ねぇ!)」
男「」アワアワ
女先生「?(どうしたのかしら男くん、慌てているみたいだけど。うーん、あ、大丈夫よ!皆には内緒にしておいてあげるから!ね!)」ニコニコ
女「何の騒ぎかって?思春期の男女が騒ぐ事なんて1つしかないでしょう!そう!恋話ですよ、先生!」
女先生「恋ですって!(恋人同士で恋話をしてたのね、素敵だわ!)」キラン
女「変ですもの!」
「「イエーイ!」」
男「」
女先生「良いわねぇ、青春ねぇ……!(若いって良いわ、羨ましい!)」
女「ここは一つ、女先生ちゃんの恋話でも聞かせてくださいよ!」
女先生「わ、私の?」
女「えぇ!」ニヤニヤ
男「」ドキドキ
女先生「(私の恋話…?恋話どころか初恋もまだなのに)」オロオロ
女先生「え、ーとね、笑わないで聞いてくれるかしら?」
女先生「私、ね、まだ恋とかしたことないのよ。変よね、もう25歳になるのに」
男「変じゃないです!」ダンッ
女「……」
男「いや、え、とあの、恋は、その狙ってするものじゃないから…別に、したことなくても……変じゃないです」
女先生「うふふ、ありがとう」
女先生「(……そうよね、変じゃないわよね。ふふ、教える立場の教師てある私が、逆に生徒に教えられちゃったわ)」
男「と、当然の事を言ったまでです!」
女「調子良いなぁ」ジー
女先生「あら、暗くなってきたわね。あなた達、もう帰りなさい」
男「はいっ!」ビシッ
女「はーい」
女先生「じゃあ先生、職員室に戻るから。帰り道気をつけてね、また明日」ニコッ
ガララッ
コツコツコツ
女先生「(うん、そうよね。初恋がまだでも全然変じゃないわよね!)」
女先生「(だって恋は狙ってするものじゃないもの!)」
今日はここで終了です
━━━翌朝
━━生徒会室前、廊下
女先生「~♪」テクテク
女先生「(体が軽い、こんな気持ち初めて!もう何も怖くない!)」スキップスキップ
女「あ」
女先生「~♪」スキップスキップ
女「oh……」
女「あ、あの、おはようございます、女先生ちゃん」
女先生「うわぁあっ!?」ビクッ
女「機嫌いいですねぇ、何か良いことでもあったんですか?」ニヤニヤ
女先生「え、ええ。ま、ままままぁね!(スキップを見られてしまったわ…)」
女「あ、そういえば女先生ちゃん、生徒会長さん見かけてません?」
女先生「生徒会長さん……?さぁ、見てないけれど」
女「朝、校内放送で呼ばれたんですけど中々姿を現さなくって、困ってるんですよね。まったく、ツチノコみてーな人ですよ」
女先生「それは大変ねぇ、あ、そうだ校内放送で呼んでみましょうか」
女「校内放送で呼ばれた私が、呼んだ本人を校内放送で呼び出すのかぁ……」ハァ
ダダダダダダッ
女「ん?向こうから人影が…」
キキィーー!!
ズガンッ
女「そして壁に激突したー!」
生徒会長「すまない女!ここに来る途中ケガをしていた生徒を助けていたら遅れてしまった!この償いに今!腹を切るから許してくれ!」フラフラダラダラ
女「別に怒ってないからハラキリすんな」
女先生「だ、大丈夫?!待ってて、今保健の先生呼んでくるから!」
生徒会長「む、貴方は女先生ではないですか。大丈夫です。こんなケガ、舐めれば治ります!」
女先生「そんなわけないでしょう!」
生徒会長「」ビクッ
女先生「生徒会長さんの可愛い顔に傷でも残ったらどうするの!?」プンスカ
生徒会長「か、かわいい!?私がか!?」
女先生「?そうよ、だって可愛いじゃない貴女」
生徒会長「そそそっそうか、私がか……」カァアア
女「まぁとりあえず保健室に行きましょうぜお二方、多分この時間帯だったら保健委員たんがいる筈だし」
生徒会長「うぇえい!?いたのか君!」
女「アンタが呼び出したんだろーが!」
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