瑞樹「たまにはお昼過ぎに」早苗「ビール飲みながら」友紀「お出かけ日和」 (13)

瑞樹「さて」

早苗「ええ」

友紀「うん」

瑞樹「今日は勝負の日よ」

早苗「まかせて」

友紀「よっしゃあ」

瑞樹「みんな準備は良い?」

早苗「ばっちり」

友紀「おっけーだよ」

瑞樹「それじゃあ行くわよ」

早苗「レッツ」

友紀「ビール!」

瑞樹「と、いうわけで」

早苗「やってきました!」

友紀「ろっぽんぎーーーー!!」

瑞樹「六本木よ、六本木!」

早苗「おっきなビルねー。お姉さん、圧倒されちゃうわ」

友紀「人もたくさんいるよね。思ってたより、家族連れが多いかな」

瑞樹「でもね、そんなことはね、どうでもいいのよ」

早苗「そうね、どうでもいいわね」

友紀「うん、どうでもいいどうでもいい」

瑞樹「なんてったって、ビールが1杯100円なのよ」

早苗「そう、100円100円」

友紀「10杯飲んでも、たったの1000円!」

瑞樹「それじゃあ二人とも、円陣行くわよ」

早苗友紀「「うっっし」」

「胃薬!」

「「飲んだ!」」


「ウコンの力!」

「「オッケー!」」


「ヘパリーゼ!」

「「常備!」」


「今日はたくさん飲みましょう!!」

「「「うおおおおーーーー」」」

――100円ビール特設会場前――

ワイワイガヤガヤ

瑞樹「……………」

早苗「……………」

友紀「……………」

早苗「なに、この、行列」

瑞樹「知らない、聞いてない」

早苗「みんな、ビール100円だからって集まりすぎ」

瑞樹「そうね、私達もね」

早苗「これ、1杯買っても、次飲むのにまた並ばなきゃならないの」

瑞樹「多分、きっと」

早苗「……萎えるわー」

瑞樹「言わないで。今、必死に心を落ち着けてるんだから」

早苗「……友紀ちゃん、さっきからしゃべってないけど大丈夫?」

友紀「ビール……、100円……、ビール……、100円……」

早苗「うん、大丈夫そうね。まだ目的を見失っていないわ」

瑞樹「……並ぶわよ。さあ行きましょう」

早苗「それにしても……」

ワイワイガヤガヤ

ワイワイガヤガヤ

早苗「ビール買うだけだから行列もそこそこ進むけど、それでも20分近くは待ちそうね」

瑞樹「……………」

早苗「ねえ、ちょっと」

瑞樹「……なに」

早苗「これさあ、買って飲んで並んで買ってを繰り返すの、ちょっとテンポ悪いと思わない?」

瑞樹「……そうね」

早苗「それならさ、連れがいるんですーとか何とか言って、一人5杯くらい頼んじゃっても良くない?」

瑞樹「……………」

早苗「まあ、あまり褒められた事じゃないし、一度に買えるのは何杯まで、みたいのがあるかもしれないけどさ」

瑞樹「……………」

早苗「どう? この案、のってみない?」

瑞樹「……、やめときましょう」

早苗「あら、なんで?」

瑞樹「プレスもきてるみたいだし、ゴシップ誌に”強欲アイドルビール一人占め”なんてスッパ抜かれても嫌だわ」

早苗「そうねえ、それはそうだけどさあ……」

瑞樹「まあ、魅力的な提案だったのは認めるわ。でも、アイドルである事を忘れちゃダメよ、早苗ちゃん」

早苗「はーい」

瑞樹「さ、そろそろ私達の順番よ。小銭の準備しときなさい」

早苗「あいあい。友紀ちゃんもほら、お金準備して」

友紀「並ぶ……、ビール……、ビール……、並ぶ……、並ぶ……、100円……」ブツブツ

早苗「あー、そろそろヤバそうね。早く飲ませてあげないと」

瑞樹「ほら、次よ。友紀ちゃんもしっかりして」

友紀「しっかり」

瑞樹「ビール1杯、お願いします」

早苗「ビール1つ、お願いね」

友紀「ビール10杯ください」













瑞樹早苗「「ええ?!」」

友紀「~♪」ムフー

瑞樹「……買えちゃうものなのね」

早苗「わざわざお盆まで貰っちゃって」

瑞樹「今のところ、周りに私達のことはバレてないみたいだけど」

早苗「なんというか、賭けに勝ったってところかしら」

瑞樹「友紀ちゃんがね。私達は、賭けずに降りたようなものだから」

早苗「まあ、しょうがないわね」

友紀「いやいや、川島さんの話を聞いてなかったあたしが悪いんですよー♪」

早苗「こんのー、しこたま嬉しそうな顔しちゃってー」

友紀「まあでもね、あたし一人で10杯も飲むのは大変ですし、ちょうどここには12杯ビールがありますから」

早苗「から?」

友紀「みんなで山分けしましょ! 一人4杯ずつ、ビール祭りですよ!」

瑞樹「あら、いいの?」

友紀「どーぞどーぞ! せっかくのお出かけですし、みんなで楽しく飲みましょう!」

早苗「あらま優しい。それじゃあ、お言葉に甘えちゃおうかしら」

瑞樹「こんな良い子に育ってくれて……。お母さん、嬉しいわ」

早苗「んじゃま、そんなわけで」

瑞樹「乾杯の音頭は、友紀ちゃんにお願いしようかしら」

友紀「はいはーい! それじゃあ100円ビールに感謝をこめてー、かんぱーい!」

「「かんぱーい」」

友紀「んっ、くっ、っはあ! うまい! もう1杯!!」

早苗「んー、のどごしなめらかでおいしいわー。これなら何杯でもいけるわね」

瑞樹「お天気も良いし、ちょうどいい暖かさだし、来て良かったわね」

友紀「ところで、この後はどうします?」

瑞樹「実はね、この近くで、もう一つお酒のイベントがあるみたいなの」

早苗「いいわねー、はしごしちゃう?」

友紀「しちゃうしちゃう! もう1軒行きましょう!」

瑞樹「ふふ。次のところは、ハイボールが飲めるみたいよ。ここと同じで、野外イベントね」

早苗「おっけーおっけー。それじゃーサクッと飲んでパパッと行きましょ!」

友紀「おー!」



つづく

せっかくのGWなので、連作です。
明後日ごろに新スレ立てます。

実際のイベントでも、3人で7~8杯ぐらい頼んでいる人はいました。
5分くらい並べば買える時間帯もあります。

お姉さんの休日はきっとこんな感じ。
そんな一日。

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