モバP「早苗さん、お疲れ様です」 (19)
早苗「ん……あーうん、お疲れ様……あたた……」
P「大丈夫ですか?」
早苗「意外と……いや、大丈夫じゃない……あ、失礼な事考えたら即シメるよ」
P「考えてません。辛いならマッサージでもしましょうか?」
早苗「……」
P「……なんです?」
早苗「あーはいはい、P君は紳士だもんね。それじゃお願いしよっかな」
P「了解です」
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―――
早苗「あぁ~……効く効く~……!」
P「大分凝ってますね、カチカチですけど」グイグイ
早苗「当ったり前でしょ……こんなに筋肉を酷使することになるとは……」
P「いや、ホントお疲れ様です。俺には無理ですよあんなの」
早苗「無理な仕事をっ、させないでよね……!」
P「はは、すみません」
早苗「本当に反省してる? あぁ~そこそこ……!」
P「はいはいここですか?」
早苗「そ、そうそうそれそれ……ぉぅっ」
早苗「P君さ」
P「何です?」
早苗「マッサージ、上手いね。趣味で色んなトコ行ってるけどその中でも相当」
P「そいつはどうも」
早苗「なんならあたしの専属マッサージ師として働かない?」
P「嬉しいお誘いですけど、お断りさせて頂きます」
早苗「他のアイドル達が居るから? P君も大変よね」
P「そのアイドル達には早苗さんも含まれてるんですよ」
早苗「ん、話がかみ合わないね。どういうこと?」
P「早苗さんも含めて皆のプロデュースやってるんですから、投げ出す訳にはいかないでしょう?」
早苗「そゆこと、ね」
P「早苗さんは何を言いたかったんですか?」
早苗「なーいしょ」
―――
P「はい、終わりましたよ。他に違和感のある場所は?」
早苗「ん、大体オッケー。ありがとね」
P「さて、それじゃそろそろ帰りますか」
早苗「あー待った待った。交代よ」ガシッ
P「へ―――」フワッ
P「いや、驚きましたね。身体が宙を舞いましたよ。合気道ってヤツですか?」
早苗「似たようなもんよ。それじゃ今度はあたしがP君揉んだげる」ギシ
P「俺はいいですよ。早苗さんお疲れでしょう? あれだけ運動して」
早苗「んー……そこなのよね」
P「?」
早苗「お疲れ様お疲れ様。それをP君は本心で言ってると思う」
早苗「大変だったろうにご苦労様、ってね」
P「えーっと……それ以外にお疲れ様の意味ってありましたっけ?」
早苗「無いわよ。でも皆にその声を掛けるP君が誰よりも疲れてるってことがね」
早苗「そりゃ業界の挨拶として当然にあるものだし、本心で声を掛けちゃうそういう性格の人が居るのも知ってるけど」
早苗「それでP君1人が気を遣うのもなんだかなーって思うのよ、あたしは」
P「……はぁ、そういうものですか」
早苗「……ま、キミに伝わるように言うなら、『人の前で疲れを見せないようにするのはやめなさい』」
P「別に疲れてない訳ではないですし、隠してるつもりもないんですが……」
P「運動会を終えて帰ってきたら、基本椅子に座っていたはずのプロデューサーが『あー疲れたわー』って言ってたら、早苗さん怒るでしょう?」
早苗「それはちょっと言い方が悪い。誰だって怒る」
早苗「そんな訳だから、大人しくマッサージされなさい」
P「どんな訳ですか……ちゃんとキャッチボールしましょう。必要な道具はバットじゃなくてグローブですよ」
早苗「おっと、通じないなら力ずくでも、ってね」グイッ
P「はぁ……分かりましたよ。どうせ早苗さんには敵いませんし」
早苗「よろしい♪」
早苗「……かなり良い身体してるのね。鍛えてる?」
P「健康を保つ為に適度に運動してるだけですよ。特別なことはしてません」
早苗「よく運動する暇があるもんだ……」
―――
早苗(……やっぱり男なんだなぁ)
早苗(……でっかい背中……あたしが小さいせいもあるけど)
早苗(本当、頼れる人だよ)
P「……早苗さん?」
早苗「んーんなんでもない」
早苗「ごめんね、いつも頼ってばっかりで」
P「いつの間に飲んだんですか」
早苗「ちょっと、飲んでないわよ。失礼ね」
早苗「でもさ、ちゃんと本心だから。いつもありがとうって」
P「……」
早苗「だから失礼なこと考えるのはやめなさいって」
早苗「はい終わりぃ!」ペシン!
P「あだっ」
早苗「ほらP君! 飲みに行くわよ!」
P「えぇ~タフですね……」
早苗「あのね、むしろここからが本番なの。飲んで二次会でカラオケ行って、締めのラーメンで語り合うのよ」
P「腰の調子は?」
早苗「うぐっ……それとこれとは話は別で」
P「……はい、お供しますよ」
早苗「お、ノリいいじゃないP君」
P「年長組も呼びますね」
早苗「んー要らないかな。サシ飲みしようよ」
P「サシ飲みはちひろさんや志乃さんみたいな飲んでも大人しい方としたいんですけど……」
早苗「い、いいでしょうやってやろうじゃない」
早苗「今日のあたしはお酒を嗜む淑女で行くわよ。ワインとか中心で飲むんだから」
P「はは、そこまでしなくても結構です。我慢されても嬉しくないですよ」
早苗「む……P君こそ無理にあたしに合わされても嬉しくないんだけど」
P「別に無理はしてないんですけどねぇ」
早苗「あたしだって、無理に我慢とかしてないよ。ワインな大人女性なんだから」
P「……」
早苗「……」
P「やめましょう。折角飲みに行くのにテンション下がります」
P「さっきは言い過ぎました。早苗さんと飲むの、俺は楽しくて好きですよ」
早苗「……あんがと」
早苗「あたしこそ、ごめん。なんかいろいろと」
P「違い……いえ、お互い様ということで」
早苗「そうしよ。んで、飲んで忘れましょ」
早苗「あたし一回女子寮に戻るね。2時間後で良い?」
P「はい、迎えに行きます」
早苗「了解っ」
早苗(お姉さんとしては……もうちょっとなぁ……)
早苗(まぁ無理か、P君の性格的に対等なの望みそう)
早苗(……ん、ちょっと気合入れ過ぎ? なんかあたしっぽくないな……)
早苗(服は……まぁいつものでいっか……おっと)
早苗(早速来たね、まったく30分も外で待つつもり?)
ちひろ「早苗さん、お出かけですか?」
早苗「P君と飲みに行ってくる」
ちひろ「明日オフですよね。お帰りは?」
早苗「あー……日は跨ぐかも」
ちひろ「分かりました、お気を付けて」
早苗「はーい、ちひろちゃんいつもありがとね」
ちひろ「……? はぁ、どういたしまして」
早苗「じゃ、行ってきまーす」
おわり
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