ガッツリゲイ物なので、苦手な人は見るないで下さい。
bl・mlはファンタジー!!が合言葉な
青年「再来月、結婚式を挙げる。来月の大安の日には籍を入れる」
男「そんな…」
青年「……すまない」
男「なんで……俺たち、上手くいっていたじゃないか。そんないきなり、女と結婚?」
青年「……子供が出来たんだ」
男「は?」
青年「……すまない」
男「……俺、出て行けばいいのか?」
青年「……俺が出て行く。本当に、すまない」
男「はは」
青年「…」
男「ふざけるな、ふざけるなよ!!!!」
男「って事は、お前女とも関係を持っていたって事だよな!!?俺と付き合っている間も!!!もう6年も付き合って、一緒に暮らして、ずっと一緒に居ようって言ったのに、ふざけんなよ!!!」
青年「……本当にすまない」
男「謝って済む問題かよ!!!お前、おまえ!!!」
男「……は」
青年「……本当に、すまない」
男「はは、なんだそれ。なんだよそれ!!!!!」
男「……俺が出て行く。こんな所いてられるか」
青年「……おい、何処に行くんだ」
男「お前には関係ない」
青年「……すまない」
オカマ「あんた達、お似合いだったのねぇ…そう、別れちゃったの」
男「あんな最低野郎、こっちから願い下げだ」
オカマ「付き合って6年よねぇ。出会いはこのお店で、それからずぅっと」
男「……」
オカマ「覚えてるわぁ。彼、良い男で狙っていたもの」
男「…やめてくれ」
オカマ「あんたはまだ大学生で、おどおどしてたっけ。初心で可愛かったわぁ」
男「止めろって言ってんだろ!!!」
オカマ「なつかしくって。……ごめんなさい」
男「……ごめん、怒鳴るつもりは…」
オカマ「いいのよ。そうね、こんな話やめましょう!何か話しなさいよ」
オカマ「何でもいいわよ!今日はとことん付き合ってあげる!!」
男「ありがとう…オカマが喋れよ、なんか」
オカマ「あら、貴方が喋りなさいよ。ほら、何かあるでしょう?気がまぎれるわよ…?」
男「そうだな…」
男「……最初、最初言われた時はなんの事かと思ったよ」
男「すっげー上手くいっててさ、その事がある一週間前には6周年記念っつってお祝いで指輪貰って…」
男「ずっとこの幸せが続くんだって思ってたんだ…すっげーしあわせだったなぁ」
オカマ「男…」
男「それがいきなり…子供が出来たって、だから別れようって…!!!」
男「なんだよそれ、ってさぁ。子供が出来たって…青年、子供好きだもんなぁ…」
男「はは、俺がかなうわけねぇかぁ。ははっ」
オカマ「あんた、泣きなさいよ、ちゃんと。今はつらいけど、乗り越えないと」
男「わかってるよ。大丈夫。わかってる。こんな事、良くある事だって」
オカマ「話なら聞くから。なんなら、私のお店に来ればいいわ!こんなお店よりも良いお酒出してあげるから!」
男「ありがとう。でも、俺もう此処に居ないんだ」
オカマ「あんたまさか、」
男「自殺じゃないよ?自殺は怖くてできなかった」
男「自殺できる奴すげぇって思ったよ。俺には無理だわ」
オカマ「……」
男「…ごめん、辛気臭い話だったな」
オカマ「いいのよ、なんでも話しなさい。でも、なぜ此処に居ないの?」
男「海外に行くんだよ。中東アジアの支社に転勤」
オカマ「そんな…」
男「渡りに船ってこの事だよなぁって思った。危険な地域らしくって、拒否も出来たんだけど丁度いいやぁって思ってさ。明後日にはもう日本を出るんだ」
オカマ「そんな急に、」
男「初めは行く気更々なかったけどな。でも、写真がきてさぁ結婚式の」
オカマ「あの男写真送ってきたの!!?」
男「いや、青年からは何も。別れてから俺の住んでる場所や連絡先しらんだろうし」
オカマ「誰かから見せられたの!?」
男「いや、まぁ見せられたのか?」
オカマ「誰よそんな事したの!!私が言って、」
男「いいって、座れって。周りのお客さんから迷惑がられてるから」
オカマ「ごめんなさい興奮して…でも、」
男「写真ってかはがき?結婚しましたぁって報告のやつね。あれが送られてきたの。俺の妹から」
男「青年の結婚相手、俺の妹だった」
オカマ「」
男「俺もうびっくりして…んで、それから日本ってかこの世に居たくなくて。でも無理だから、日本から出ることにした」
男「今日もあっついわぁ」
同僚「おつかれー!いやぁ今日も良く働いてるねぇ男は!!」
男「お前らが働かなさすぎなんだよ。なんだよ休憩二時間って」
同僚「今の時期は暇だからいいんだよ!この国じゃ当たり前だぜぇ?」
男「はいはい」
同僚「忙しいときはやすみなんか取れねぇからな。今のうちに遊んでおくのさ!!」
男「遊ぶのかよ」
同僚「当たり前だろぉ!!男も此処に来てもう2年になるんだから、そろそろなれよぉぜぇ!!
男「なれたくねぇって。おい、引っ張んなよ」
同僚「男がかまってくれないぃ!!」
男「おい、止めろって!今は仕事中だぞ」
上司「男君、ちょっとこちらに来なさい」
男「ほらみろ…」
同僚「うっわ…悪い。俺も怒られるから…」
上司「男君、早く」
男「はい!」
これ完結までいるか?
寝るわ。お休み
上司「突然だが、」
同僚「すみません、男は悪くないんです!!俺がちょっかいかけて怒らせてしまって…」
男「おい、いいから」
上司「同僚君?なんでね君は。いきなり訳のわからないことを。私が呼んだのは男君だけだが」
同僚「は?叱る為に呼んだんじゃないんですか」
上司「君は怒られるようなことをしたのかね?」
同僚「…いいえ」
上司「それなら君は行きなさい。男君に大事な話があるんだ」
同僚「…はい」
上司「ふぅ。なんだい彼は、相変わらず思い込みの激しい男だ…」
男「はは、…その通りですね」
上司「まぁいい。それより男君、今すぐ日本に帰りなさい」
男「は?…それは、転勤ということですか?」
上司「いや、一時帰国だ。すまない、簡潔すぎたね。先ほど、日本本社から電話があってね」
男「はい」
上司「君の親御さんから電話があった。携帯に何度も掛けたが出ないから本社にかけたと。君、親御さんに転勤の事話していないらしいじゃないか」
男「…はい」
上司「帰ったらしっかり話しなさい。それで、電話の内容だが、君の妹さんが病気で亡くなったから帰ってくるように、との事だ」
男「え…?」
上司「君は有給がたまっていただろう。2週間休みを上げるから日本に帰りなさい。今は暇だから会社の事は気にしなくていい。わかったね?」
同僚「おい、なんだったんだ?大丈夫か?」
男「ああ」
同僚「顔色悪いぞ!本当に怒られたんじゃないんだな!?」
男「ああ」
同僚「…どうしたんだ?大丈夫か?」
男「ああ。……妹が、死んだって…病気で」
同僚「そんな!!そうか、悲しいな…男の妹って事はまだ20代だろ?若いのに病気なんて…」
男「ああ」
同僚「日本に帰るのか?一人で大丈夫か?」
男「ああ」
同僚「大丈夫か?…俺も一緒に」
男「ああ。いや、大丈夫だ、一人で」
同僚「なんかあるなら頼れよ!金はないが愛ならあるから!!」
男「はは、なんだよそれ…ありがとうな」
男「2週間休み貰ったから、暫くはあえなくなるけど俺の机にいたずらすんなよ」
同僚「それは…しろって事か?」
男「ちげーよ。俺もう早退すっから、またな」
同僚「ああ…気ぃつけていけよ!!寂しかったら電話しろよ!!!いってらっしゃぁーい!!!」
上司「同僚君、こっちに来なさい」
男「こっちは蒸すな…」
男「誰も来てない…当たり前か。勘当されてるしな…でもなんで電話なんか…」
??「男、さんですか?」
男「?はい、そうですが…」
??「初めまして、私、弁護士です。男さんを迎えに来ました」
男「はぁ、ありがとうございます…?」
弁護士「車でお送りしますので着いてきてください」
男「…はぁ」
弁護士「私が言うのはなんですが、知らない人間に着いてきていいんですか?」
男「まぁ…君、妹の友達だろう?中学生の時の君に会ったことあるからね」
弁護士「……覚えていらしたんですね」
男「人より記憶力は良い方だからね」
弁護士「そうでしたね…男さんは中学一の天才って言われてましたね」
男「昔の話なんてよしてくれよ。それより、わざわざ迎えに来てもらって申し訳ない。俺の親に頼まれたのか?」
弁護士「いえ…」
男「それならなぜ?」
弁護士「……申し訳ございません。男さんの会社に妹が死んだと電話したのは私なんです」
男「は…?嘘だったのか?妹は生きているのか?」
弁護士「いえ、妹さんは病気で亡くなりました。……4日前に」
男「」
弁護士「男さんに電話する2日前です。もう、通夜も葬式も済んで、妹さんは墓の下で眠っています」
男「そんな…」
弁護士「やはり、知らされてもいませんでしたか…」
男「ああ。…弁護士さんは、俺と家族の関係は…」
弁護士「……妹さんに聞いております。申し訳ございません」
男「いや、話す手間が省けて良かったよ。……そうか」
男「妹、死んだのか……」
弁護士「男さんを呼んだのは私の勝手な判断です。これから、きっと男さんに関わることが起きます」
男「……それは」
弁護士「妹さんはご両親に結婚を反対されていました。男さんの家は名家ですからね。相応しくないと反対されていました。それでも結婚した事により、ご両親から離縁状を出されてしまいました。……きっと、ご両親は妹さんが直ぐに泣きついてくると思ったのでしょうね。ですが、妹さんはそれを受け入れました」
男「名家といってももう没落しているのに…あの人たちはなんて事を…」
弁護士「ええ。…それから一年後、妹さんは離婚されました」
男「…は?」
弁護士「性格の不一致、との事です。相手の方も不思議ですが、素直に受け入れました。……きっと、何かあったのでしょうね…。私が理由を聞いても、妹さんはただ悲しく笑うだけで理由は話してくれませんでしたので、詳しくはわかりません」
男「」
弁護士「それから一年、病気になり、亡くなりました。」
弁護士「妹さんの死は、ご両親、元伴侶である青年さんもご存知です。通夜、葬式共に出席なさってます」
男「…」
弁護士「……通夜、葬式ともにあげたのは私です。…生前、頼まれていましたので」
男「迷惑をかけたね…お金は全て払わせてくれ」
弁護士「いえ、全てが妹さんのお金です。色んな保険に入っていたみたいで、全てを賄えましたのでご心配なさらないでください」
男「それなら、よかったよ。……でも、それなら何故俺を」
弁護士「……妹さんの子供の事です。」
男「…」
弁護士「妹さんが入院中は私が面倒を見させていただきましたが、妹さんが死んだ今、親権は誰にもない状態です。今日は、彼女の遺言状と共に親権について話し合ってもらうためにお呼び致しました」
男「……それは、俺には関係ないだろう。……墓参りだけして、向こうに帰るよ」
弁護士「いえ、男さんも出席をお願いします。……着きました。此処が私が働いている法律事務所です。此処で遺言状を開けます」
注意事項
これからの展開上、法律的に不適切な用語があるかもしれん。
しらべたが、簡単にしか調べていない。
法律に詳しく不快に思う方が居たら見ないことをお勧めする。
弁護士「お集まりいただき、ありがとうございます。本日皆様に来ていただいたのは妹さんの遺言状と共に、」
子供「…」
弁護士「子供について、どうするか、ということです」
男母・男父「…」
青年「…」
男「……」
弁護士「まず、遺言状を開けさせていただきます」
男父「待ってくれ。私たちは帰らせてもらう」
男母「……あなた」
弁護士「お待ちください。まだ話が」
男父「関係ない。娘には絶縁状を送ったんだからな。墓に入れてやっただけでもありがたく思ってほしいものを…。こんな子供まで引き取らせるつもりか」
弁護士「絶縁状に、法的効果はありません」
男父「それでも、関係ない。私たちは帰らせてもらう。こんな所、一秒でも居たくない
男母「…」
男「…父さん」
男父「貴様に父と呼ばれる云われはない!!」
男「…」
弁護士「……わかりました。どうぞお引き取りを。何か、男父さんに関わることがありましたらお電話いたします。……男母さんは、いかがなさいますか?お願いされていた弁護士の用意はできていますが」
男母「…ええ、お願いします」
弁護士「わかりました。この部屋の向かいの部屋に弁護士が居ますので、そちらに行ってください」
男母「ええ、ありがとうございます」
男父「なんだ、まだ用があるのか」
男母「…離婚相談です。貴方にはもう着いて行けませんから」
男父「は、何を馬鹿な事を…」
男母「…もっと早くにこうするべきでした。二人の子を失う前に…」
男父「おい、何を言っているんだ!!」
男母「…失礼しましました」
男父「おい、おい!!まだ話しているだろうが!!」
男「…」
青年「…はは、凄いな……」
弁護士「中断してしまいましたね。」
弁護士「再開させていただきます」
弁護士「遺言書、……読み上げましょうか?」
男「いや、見せてもらえればそれでいいよ」
青年「ああ。何から何まで世話になりっぱなしで、ありがとう弁護士さん」
弁護士「…では、こちらが遺言書です」
遺言書
第一条.遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、長男、子供に相続させる。
第二条.遺言者は、未成年者である長男、子供の未成年後見人として次の者を指定する。
本籍 ××県××市××××
住所 ××××××××××××××
××××社勤務 男 ××年×月×日生
第三条.遺言者は、この遺言の遺言執行人として、弁護士を指定する。
××年×月×日
住所 ×××県××市××××××××
遺言者 妹
男「は?」
青年「……」
弁護士「以上が、遺言書の内容です」
弁護士「…青年さんはいかがなさいますか?本来であれば貴方が親権を有しますが」
青年「……いや、妹が残した遺言に従うよ」
弁護士「わかりました。わざわざご足労頂き申し訳ございませんでした。青年さんはもうお帰りに頂いて結構です」
青年「ああ、それじゃあ失礼するよ」
男「まって、待ってくれ!俺が後見人ってそんな!!!」
子供「……」
男「親権は親である男にあるはずだろう!?」
弁護士「ありませんよ。親権、養育権共に妹さんがお持ちです。それを遺言で妹さんは男さんに指定しました。いまをもって、この子供の後見人は貴方です」
男「そんな…青年、お前は良いのか!?青年の子供なんだぞ!?」
青年「……妹が望んだことだから」
男「そんな……無理だ。俺には、無理だ」
男「子供を育てるって、そんな…仕事もあるんだ。今は海外に勤務しているし、…無理だ」
子供「ぅ、」
子供「ぅぎゃあああああああああああああああああ!!!!!」
男「!?え、あ、ご、ごめんな、お前が悪いんじゃないんだ」
弁護士「子供ちゃん、大丈夫だよ。ほら、大好きなおにぃちゃんだよ?ね、泣きやんでぇ」
子供「っうっううっ」
男「ああ、ごめんな、お前が嫌いなんじゃないんだよ。ごめんな、酷いこと言ったな」
弁護士「お外いこっか?子供ちゃんの大好きな行政書士ちゃんに遊んでもらおうね」
青年「……じゃあ俺はこれで」
男「待てって。青年は本当にそれでいいのか?本当に?お前の子供じゃないのか?」
青年「……」
男「青年!!」
青年「……いま、付き合っている人がいるんだ」
男「は、」
青年「正直、邪魔なんだよ。養育費は払うが、俺は引き取れない。……男も引き取れないのなら、養護施設に…」
男「お前、本気で言っているのか?お前の子供だぞ!?」
青年「…本当に、俺の子供かなんてわからないだろう?」
男「お前!!!」
青年「妹に情なんてない。お前もだろう?俺と男の仲を引き裂いた女だぞ?」
男「それは、お前が悪いんだろうが!?」
青年「それに妹のヒステリックが原因で別れたんだ。最悪だったよ。それを思い出させる子供を傍に置きたくない」
男「」
青年「あの女に俺と男が付き合っていたって知られてな。それから、ヒステリックになって…男父を見たら、納得したよ。こんな親なら子供がおかしくなっても仕方ないってな」
男「出て行け…」
男「二度と顔を見せるな!!!お前なんてしるか!!!」
青年「おい、養育費は」
男「出て行け!!!!!」
男「……」
男「妹、すまない、妹……」
弁護士「お待たせいたしました。子供は同僚に預けてきましたので……泣いているのですか?」
男「いや、なんでもないよ」
弁護士「……青年さんは?」
男「ああ、青年は帰ったよ。……」
弁護士「……聞いたんですか?離婚の原因を」
男「!?……ああ」
弁護士「そうですか…。申し訳ございません、嘘をついてしまいました。…私も、離婚の原因は聞いていました」
男「……そうだったんだ。……はは、俺が、妹の幸せを壊したもんだよな……」
弁護士「いいえ、そんな事はありません。……妹さんは男さんの事が本当に好きで、いつも話してくれていました。」
弁護士「……これを」
男「手紙?」
弁護士「妹さんからです。申し訳ございません、中身を読んでしまいました。…本当は、渡すつもりではなかったんですが」
男「……」
男「こんな、こんなこと……!!!」
弁護士「……妹さんは、本当に悔いていました。会って謝りたいと言っていました。でも、合わせる顔がない、と」
男「俺が、俺の方が妹に酷いことをしたのに、こんな手紙を書かせてしまってっ」
弁護士「……妹さんは、亡くなる直前まで、子供は安心できる人に任せたい常にいっていました。それであんな遺言書を作成したんです」
男「……」
弁護士「…もし、引き取れないのなら、私が引き取ります。…妹さんは親友でしたし、半分は私の子供だとも思っているんです。男さんが無理だと言うなら、」
男「……」
男「引き取る……引き取るよ、子供を」
弁護士「男さん、…」
男「会社も、何とかできる。何とかする。弁護士さん、どうすればいいかな?俺、何もわからないから教えて欲しいんだけど」
弁護士「……お任せください。その為に私が居るんです」
男「とうさーん!!早くしないと学校遅れるって!!!」
男父「わかってるよ、ちょっと待ってくれ!!靴下が片方ないんだ!!」
男「はぁ!?ちょ、もう違うの探して履けよ!!はやくーーー!!」
男父「ああ、そうだな、そっちの方が早いか!直ぐ行く!!」
男「父さん、日本に来て初めての学校の入学式に遅れてどうすんだよ!!」
男父「悪い、悪かったって!ほら、車乗れ!」
男「もう乗ってる!」
男父「よし、しゅっぱーつ」
男「父さん、此処日本だって!!右車線走ったら死ぬって!!」
男父「ああ、そうだったそうだった!はっはっは」
男「笑い事じゃねぇから!!」
男父「お前は、何でそんなにきっちりなんだよ」
男「父さんが緩すぎるんだよ!?」
男父「はっはっは」
男「ハァー…だんだん同僚さんに毒されているような気がする…」
男父「止めてくれ。あいつと一緒にするな」
男「はいはい。……日本かぁ…」
男父「高校も向こうがよかったか?」
男「高校はどっちでもいいよ。ただ、母さんがいるんだなぁって思って」
男父「ああ。…墓参り行くか?」
男「いいの?ここから遠いんじゃないの?」
男父「墓移したんだよ、母さんとばぁちゃんのだけな」
男「そうなんだ。近く?」
男父「都内だよ。直ぐだから」
男「そっか、行こうかな……」
男父「ああ。にしても、お前ももう高校生かぁなんか感慨深いよ……」
男「なにそれ」
男父「いやぁ、あんなに小さかったお前がなぁって……父さん涙が出ちゃう」
男「気持ち悪いよ」
男父「お前酷いな…」
男「着いた、うっわもう入学式始まってる!!俺先行くから!!」
男父「ああ、父さん後から行くなぁ!!」
男「うん!!いってきまーす!!!」
大好きだよ、おにぃちゃん
後日談いるか?
寝るわ。おやすみ
女「ふんふ~ん」
女友「…調子いいみたいね」
女「女友、来ると思っていたわ。久しぶりねぇ~」
女友「久しぶりね。……探したわよ」
女「ふふふ、また女友と話せるなんて思わなかったわ」
女友「私は、あんたがこんな馬鹿だなんて思わなかったわ。……治療、しなかったのね」
女「前に言ったじゃない」
女友「そうね……なんで受けないのか聞いてもいい?」
女「それも前に言ったわよ?」
女友「それだけじゃないんでしょう?」
女「そうだけど…」
女友「話しなさいよ」
女「……簡単に言うと、おにぃちゃんの心に残りたかったから、かしら」
女友「……は?」
女「考えたのよ。おにぃちゃんの心に深く入る為にはどうすればいいのか」
女友「兄って、あんたと5歳離れてて、中学で天才って呼ばれていて、ゲイで勘当された、あの兄?」
女「詳しいわね」
女友「耳にタコができるほど聞いていたもの。……それだけの為に、治療を受けなかったって言うの?」
女「それだけって何よ。私がどれだけ好きかも知っているくせに」
女友「でも、それは兄弟愛…」
女「じゃないわよ。本当に心から、私はおにぃちゃんが好きなのよ。愛してるの。誰にも渡したくないくらいに」
女友「……あんた、」
女「それでね、考えたのよ。おにぃちゃんの心の奥深くに入る為にはどうすればいいのか。それで、それを実行するのにはいい機会かなぁって思って、死ぬことにしたのよ」
女友「……」
女「こんな事話せるの女友しかいないから、協力してもらおうって思っていたのに、怒ってしまうんだもの」
女友「……それで、姿を消したのね。引っ越しして、会社も辞めて。誰にも言わずに」
女「ふふ、その位しないといけなかったの。大変だったけれど、おにぃちゃんを私の物にする為だから、頑張ったのよ?」
女友「……兄に、何をしたの?」
女「ふふ、そうねぇ…まず、興信所を使って恋人の有無を確かめたの」
女「恋人は居たわ。おにぃちゃんに恋人がいた方が、此方も都合がよかったから良いんだけど、やっぱり少し、殺してやりたくなったわね。ふふ」
女友「……」
女「それで、その男、青年っていうんだけど、性格、行動パターンを調べてもらって、好みの性格を装って近づいたの」
女「青年は見栄張りの嫌な男で、おにぃちゃんと付き合っている事は誰にも言っていなかったの。良い男ってわけでもなかったからあんまり他の人にも相手にもされていないみたいだったし、私が言い寄ったら直ぐに食い付いてきて、気持ち悪かったわだったけれど、おにぃちゃんの為って考えると大丈夫だったわ。それで、4ヶ月くらい付き合ったかしら?本当に、良い所なんてないのよ…なんでおにぃちゃんあんなのと付き合ってたのかしら?」
女友「知らないわよ。……それで?」
女「青年の子供を妊娠して、おにぃちゃんと別れさせて、何も知らないと思わせておいて結婚したの。まぁ、青年も私とおにぃちゃんが兄妹なんて知らなかったみたいだけど。ふふ、すっごく驚いてたわぁ」
女友「……」
女「まぁ、一年後に偶然知った風に装って、暴れてわかれたけれどね。あの時の顔は面白かったわぁ、ふふっ」
女「結婚したことをおにぃちゃんに知らせたのは良いけれど、まさか海外に行くなんて思わなかったわ。死んでくれても良かったけれどね。……私のせいで死ぬだなんて、素敵じゃない?」
女友「……まだあるの?」
女「とりあえず、いまはこれくらいかしら?あとは、私が死んだあとの事になるもの」
女友「……その計画、いつから、」
女「考えていたか?……おにぃちゃんを好きになってからかしら」
女「ゲイって知った時はどうしようかと思ったわよ。だって、女の私には興味ないんだもの。妹としては優しくしてくれたけれど、それじゃあ満足できないの。どうやって、心に潜り込もうかって、その時から考えていたわね。…丁度良かったわ、本当に」
女友「……なんで、私に話そうって思ったの?そんな最低な事、私が手伝うとでも思ったの?」
女「あら、女友は手伝うわよ。絶対」
女友「……」
女「女友、私の事、愛しているでしょう?私がおにぃちゃんを想うのと同じくらいに」
女友「!?」
女「ふふっ、違ったかしら?」
女友「なんで、そんな」
女「気づくわよぉ、中学の時からずぅっと、私の事、欲の対象としてみているでしょう?」
女「お泊りしたとき、私がお酒に酔った振りをしている時、私の意識がないって思って色々していたでしょう?」
女「気づくわよ、その位」
女友「そんな、」
女「ふふっ、ごめんなさいねぇ。気づかないふりをしていて」
女友「……」
女「でも、気づかないふりをしていた方がよかったのかしら?貴女にとっては、その方が良かったのでしょうねぇ」
女友「…女が、こんなに最低な人間だなんて思わなかったわ」
女「幻滅しちゃったかしら?でも、これが私なのよ。皆の前では演技していただけ。こんな姿を見せるのは貴女だけだわ。嫌いになったかしら?」
女友「…」
女「ふふっ」
女友「…なんで、私の前で演技を辞めたの?」
女「必要なくなったからよ。…貴女が今日、私を見たときの目が、私がおにぃちゃんを見るときの目に似ているの。…そんなに、狂おしいほどに、愛しかったの?ふふっ」
女友「っ…!!」
女「私を探すの、大変だったでしょう?」
女友「……ええ、凄く。私の前からいなくなるなんて、思わなかったもの。……今日来たのは、女を閉じ込めて、何処にも行かせない様に説得しようと思ってきたの」
女「ふふっ。…ねぇ、手伝ってくれるかしら?」
オカマ「それで、手伝ったの?」
女友「ええ。私も最低ね」
オカマ「……それで、そのあとは?」
女友「色々よ、色々あったわ」
オカマ「なによそれ。此処まで話してくれたんだから全部いいじゃない」
女友「いーじゃないの。話すの疲れたのよ!大体これって十年以上も昔の話よ?」
オカマ「そんなに?思い出すようなことがあったの?」
女友「今日、兄と子供に会ったのよ。ああ、女が死んだあと、子供は兄が引き取ったの」
オカマ「あら」
女友「日本に帰ってきて、昔世話になったからご挨拶、らしいわ」
オカマ「そうなの。懐かしかったでしょう?」
女友「……ええ、本当に」
オカマ「なぁに、苦虫かみつぶしたような顔して」
女友「……子供の目が、女にそっくりで」
オカマ「?」
女友「狂ったような目をして兄をみていたわ……女に生き写しね」
女友「子供は男だし、いいのかしら………ママ、今日は帰るわ」
オカマ「……そうね、ちょっと飲みすぎよぉ!気を付けて帰りなさいね!!」
「おにぃちゃん、大好きよ」
「ずぅっと、私を見ていてね」
おわり!!
書き殴りですまんなんかあったら書いてくれ。今後の参考にするわ
じゃ
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