男「案内しましょうか?」(11)



モブ「ひぃぃっ、誰か、だれかっ……たすけt」ザクッ

死神「ふぅ、本日のノルマ分の魂は刈れたかな?」ジャキン

死「ったく、人間増え過ぎだっての……」

死「まさか『人間の間引き』の任務を作らなきゃいけないほど増えるなんて思わなかったっつーの」

死「あー、かったりーなぁ」

男「……んー」テクテク

死「おっ……じゃぁアイツを刈って今日の仕事を終わりにすっかな」



死「あっれー……」キョロキョロ

死「路地裏から出てきたはいいものの……」ポリポリ

死「アイツどこいった?」キョロキョロ

男「あのー……すみません」

死「あん?」

死(やっべー、面倒起こさないようにターゲット以外には丁寧な対応しなきゃって思ってたのに……って、あれ)

男「道、わからなかったりします?」

死(こいつターゲットじゃねーか)ニヤリ

男「あー、えっとすみません……いきなりじゃ意味分かりませんよね」

男「すごい困った顔して、辺りを見回してたんで……もしかして、道に迷っちゃったのかなーって思いまして」

死「あー、えっとー」

死(ちょっと待てよ?)

死(これいいシチュじゃね? このまま案内と称して路地裏に誘い込めば……)

男「案内しましょうか?」

死「ああ、頼む……じゃなくてー」

死「こほん……では、おねがいできますか?」ニコ

男「はい、目的地はどこでしょうか?」

死「ええと……」


死(あ、そうだ)

死(時間は……まだ平気だな)

死(ひさびさに人間界で遊んでってもいーかもな)

死「あの、買い物……したいんですけど」

男「買い物ですか……なにを買いに行くんですか?」

死「いろいろ……服とか」

死「この辺りは初めてなので、どこに行ったらいいかわからなくて」

男「あー、じゃぁこの先に大きなモールがあるのでそこに行きましょうか」

死「はいっ!」

男「いきなり話しかけちゃってすみませんね」

死「……いえ」

男「なんていうか、困ってる人見ると無性に助けたくなっちゃうんですよ」

男「友達からも『親切すぎて逆にキモい』ってよく言われてるんですが」

死「大丈夫ですよ、オレ……ごほん、私助かりましたし」

男「いえいえ、好きでやってるだけなんで」

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