【艦これ】榛名「提督と一緒の布団で」 (22)
先日榛名が改二になったのと、ケッコンカッコカリアンソロジーを買った勢いで書きました。
艦これに関しては、始めて一ヶ月くらいなので突っ込みどころがあるかもしれません。
もしそういった点があったら、ご指摘いただければ幸いです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425067963
提督「……本日の遠征一覧と獲得資源について……確認済み、と」ポンポン
榛名「……」
提督「……演習相手一覧と勝敗、そしてその仔細……」パラパラ
榛名「……」
提督「よし、これで書類確認終了。榛名は先に休んでいてくれ。後は何とか一人でも出来る」
榛名「……」ウツラウツラ
提督「……榛名?」
榛名「……て、提督!? どうしました!? 敵襲ですか!?」
提督「いや、書類確認が終わったから一声かけたんだが……大丈夫か?」
榛名「だ、大丈夫です! 提督がお休みになるまで、榛名は頑張ります!」
提督「うーん……」
提督(彼女の性格からして、俺が起きている限り休みそうにないな。どうしたものか……)
榛名「あ、あの……提督?」
提督「……よし、書類作業はここまでだ。もう休もう」
榛名「えっ……」
提督「数時間後には他の鎮守府艦隊との演習、更に北方海域での菱餅回収作戦が控えている。これらに我が鎮守府で一番練度が高い榛名の存在は欠かせない。流石に徹夜明けでこの二つをこなすのは、いくら艦娘といえども辛いだろう?」
榛名「うぅ……」
提督(さて、折れてくれるか……?)
榛名「……分かりました。一つ、お願いがあるのですが」
提督「お願い? まぁ、難しいものでなければいいぞ」
榛名「本当ですか!?」ガタッ
提督「うぉっ!?」
提督(な、何て眩しい笑顔だ……! もし無茶なお願いをされたら断れる自信が無い。先の発言は迂闊だったか……!)
榛名「では、ですね……」
提督「う、うむ」
提督(……腹を、括るか。以前、瑞雲12型の六三四空が欲しいと日向が真顔で言ってきた時よりは、マシなお願いであってくれ。頼む……!)
榛名「提督、本当にありがとうございます。榛名のお願いを聞いてくれるなんて」
提督(確かに日向のような無茶なお願いではなかった……が。『一緒の布団で休んでほしい』って……俺が休める気がしないよ!)
榛名「提督? もうお休みになられました?」
提督「……いや、まだ起きてる。そう言えば、金剛たちにはどう伝えてあるんだ? 妹の帰りが遅いと心配しているのでは?」
榛名「秘書艦の日は帰りが遅いことを知っていますから。金剛お姉さまや比叡お姉さま、霧島も既に眠っていますよ」
提督「そうか……。それを聞くと、作戦以外でも迷惑をかけてしまっているな。すまない」
榛名「榛名の方こそ、我儘に付き合ってもらって申し訳ないです」
提督「……いや、そんな事は無いぞ。うん」
榛名「提督……」ギュッ
提督「えっ」
榛名「……暖かいです。提督の背中……」///
提督(鼻をくすぐるようなシャンプーの良い香りに加えて、せ、背中に当たっている柔らかい感触は……。駄目だ! 感じるな! 考えるな!)
榛名「榛名……もう、限界です……。提督、お休みなさい……」
提督「お、お休み……」
提督(煩悩退散! 色即是空! 心頭滅却! 比叡カレーの辛さを思い出せ!)
朝
提督「……結局、一睡も出来なかった」ゴシゴシ
榛名「すー……」
提督「……こんな無防備な姿を見せてくれるのは、信頼の証なんだろうか」
榛名「……提……督……」
提督「ん?」
榛名「あまり……無理をしないでください……」
提督「……榛名も、無理はするなよ」ナデナデ
榛名「榛名は、大丈、夫です……」
提督「……やれやれ」
SS投下する場合は、メール欄にはsageじゃなくてsagaの方が良いよー
榛名「ん……」
提督「おはよう、榛名」
榛名「……? 提督がどうして……」
提督「憶えてないのか?」
榛名「……!!」///
提督「ちょっと朝風呂に行ってくるから、その間に着替えていてくれ」
榛名「は、はい! 了解しました!」
提督「じゃあ、行ってくる」
榛名「提督!」
提督「どうした?」
榛名「……ありがとうございました。また、ご一緒させていただいても……良いですか?」
提督「……次がいつになるかは約束できないが、それでもいいか?」
榛名「はい! 榛名、頑張ります!」
同日、鎮守府内で発刊されている青葉日報によりこの一件が鎮守府の全員に知れ渡ることとなった。
青葉を除いた艦娘たちの殆どは、提督と榛名に事の真偽を問いただそうと二人の行方を追う。
そして提督と榛名の二人は、その追跡から全力で逃走するのだが……それはまた、別の話である。
>>6
アドバイスありがとうございます。
初めてのSSスレッド建て&投下で色々とテンパっていました。
そのせいでスレッド冒頭の文章があんなコトに……。
少し寝て来ます。
番外編 青葉日報を見た艦娘たちの反応
伊勢「日向、日向! ちょっとこれ見てみなよ!」
日向「青葉日報? 新型艦載機の情報でも公開されたのか?」
伊勢「そうじゃないって! ほら、これ!」
日向「なになに……。『ケッコン秒読みか!? 我が鎮守府の司令官と金剛型三番艦榛名! 朝は一緒の布団でご挨拶』……」
伊勢「いやー。まさかあの大人しい榛名ちゃんがねぇ……。まぁ、提督の方から誘ったのかもしれないけれどね」
日向「……毎回、青葉日報の記事には多少の誇張がある。今回もそういったものではないのか?」
伊勢「でもさ、写真付きだよ。一緒に寝ていたことに変わりは無いって!」
日向「……確かに、そうなるな」
伊勢「それに、今の艦隊で練度が一番高いのは……」
日向「……榛名、だな」
伊勢「でしょ!? はぁ……もうちょっと合流が早ければなぁ……。私にもチャンスがあったのに」
日向「……伊勢。それは、この艦隊最古参の戦艦である私に対する当てつけか?」
伊勢「ご、ごめん日向! そんなつもりで言ったんじゃ……」
日向「いや、こちらこそ悪かった。……どうやら、認めざるを得ないな。私も提督に心を惹かれていることを」
伊勢「日向……」
日向「さて、では本人たちに会いに行こうか」
伊勢「え?」
日向「その青葉日報の記事、何処までが真実で何処までが嘘なのか……知りたくはないのか?」
伊勢「そ、それは知りたいけれど……」
日向「ならば、行動あるのみだな。私が提督を見つけている間に、伊勢は榛名の方へ回ってくれ」
伊勢「榛名ちゃんは高速艦よ!? 流石に私が追いつけるわけないじゃない!」
日向「あくまで、それは艤装を装備している状態での事だろう? 艤装をしていない彼女と、私たちの身体能力の差は互角のはず」
伊勢「でも……正直……」
日向「まぁ、出撃の機会がなかなか無くて、少しばかりだらけた生活をしていた伊勢が追いつけなくても無理はないか」
伊勢「ちょっと日向! 聞き捨てならないわね! こう見えて毎日の鍛錬は欠かさず行っているんだから!」
日向「なら、榛名に追いつけるんだな?」
伊勢「当然よ! だけど、日向。貴女も提督じゃなくて榛名ちゃんの方へ回ってもらうわ!」
日向「何故、そうなる」
伊勢「貴女と私で本当に身体能力が互角なら、日向も榛名ちゃんに追いつける筈だからね」
日向「まぁ……そうなるな」
伊勢「分かれば宜しい! それでは……」
日向「航空戦艦、日向。推参!」
伊勢「航空戦艦、伊勢。出撃します!」
伊勢・日向編 終
扶桑「はぁ……」
山城「姉さま、朝から溜息なんて……何かありましたか?」
扶桑「ああ山城……。これよ……これ」
山城「今日の青葉日報ですか。なになに……? って、ええ!? こ、こんな事があったのですか!?」
扶桑「そう。しかも今朝みたいよ。あの空が暁色に染まる頃、二人で朝陽を見ながら語り合っていたのでしょうね……」
山城「ね、姉さま! まだそうと決まった訳では! 青葉日報にはガセネタもありましたし! 今回もその線は……」
扶桑「そうね……。写真も合成と言ってしまえばそれまで。でも、昨日の秘書艦は誰だったでしょう?」
山城「榛名さん、ですね……」
扶桑「そう。そしてこれは以前、金剛に聞いたことなのだけれど、秘書艦の仕事って夜遅くまで続く場合があるみたいなの」
山城「そ、それじゃあ……」
扶桑「この記事に書かれている事における真実は、『提督が秘書艦榛名と一夜を共に過ごした』ということでしょう……」
山城「な、何てこと……」
>>8
最後の2文いらない
青葉を除いた艦娘たちの殆どは、提督と榛名に事の真偽を問いただそうと二人の行方を追う。
そして提督と榛名の二人は、その追跡から全力で逃走するのだが……それはまた、別の話である。
扶桑「あぁ、空があんなに青いのに、私の心は鉛のように重くて濁っているわ……」
山城「……姉さま! 確かに提督と榛名さんが一夜を共に過ごした……それは真実かもしれません」
扶桑「山城、どうしたの……?」
山城「ですが、一線を超えたという証拠はありません。つまり……」
扶桑「で、でも異性が一夜を一緒に過ごしたら、ほぼ確実なのよ……?」
山城「それでも! 僅かな可能性があります! 不幸が口癖の私ですが、ここはその僅かな可能性に活路を見出すべきかと!」
扶桑「……そう、ね。確かに山城の言う通りだわ」
山城「姉さま……!」
扶桑「真実は自分で確かめなくちゃいけないわ。山城、提督の元へ赴きましょう」
山城「お伴させていただきます、姉さま」
扶桑「ありがとう……。戦艦扶桑、出撃致します!」
山城「扶桑型戦艦、山城。出撃します!」
扶桑・山城編 終
霧島「金剛お姉さま……」
金剛「霧島、どうしたデースか?」
霧島「いえ……その……」
金剛「……テイトクと榛名の事デスか?」
霧島「……! 知っていたのですか!?」
金剛「朝からやけに騒がしかったデスからねー」
比叡「お姉様? 司令と榛名に何があったんですか?」
金剛「比叡。テイトクと榛名は……所謂滅茶苦茶、night battle」
霧島「金剛お姉さま! まだ、まだそうと決まった訳では……」
金剛「霧島ー? どうしたデースか?」
霧島「……自分にも、良く分からないのです。ただ、この青葉日報を見た時から、心の中に何かが引っかかるのです」
比叡「? 霧島、ひょっとして……司令の事が……」
霧島「……確かに、司令のことを意識はしています。でも、それ以上に、榛名に対する自分の気持ちが……」
金剛「? どういう事デースか?」
霧島「……自分にも本当に分からないんです。この写真を見た時から、榛名に対して今までに抱いたことがない『嫉妬』が湧いてきたのは……」
金剛「shit?」
比叡「お姉様。違います、『嫉妬』ですよ。……霧島。それはもしかするとだけど、貴女の出自が関係しているのかもね」
霧島「出自……ですか?」
比叡「そう。かつて戦艦榛名と戦艦霧島が建造された時、互いの製作所の間には戦争のような空気が流れていたらしいわ」
霧島「そんな事が……あったのですか」
比叡「ええ。榛名の方では機関試験の故障で、責任者が自殺するという事態にまで発展した。その影響……なのかもね」
霧島「でも、榛名は私に何の隔てもなく接してくれた……。それなのに、私は過去に縛られているようで……」
金剛「霧島。私も今朝はそういう気持ちがありマシタ……」
霧島「金剛お姉さまも?」
金剛「あれだけアピールしているんデスよ。なのに、この記事を見た時の気持ちは、もう……言葉に出来ないデスね……」
比叡「……お姉様」
金剛「でも、今は違いマース! 仮にテイトクと榛名がケッコンするとなれば、ワタシはテイトクのsisterデース!」
霧島「え、ええ。まぁ……そういった関係に、なる? のでしょうか?」
金剛「それはそれで素晴らしい事デース! 今までにないことを色々とenjoyデキマース!」
比叡「霧島。金剛お姉様のように考えるのは無理かもしれないけれど、自分なりに考えてみるといいわ」
霧島「……いえ、ありがとうございます。金剛お姉さま、比叡お姉さま。もう、私には先ほどまでの榛名に対する嫉妬はありません」
金剛「じゃあ、榛名に会いに行きまショウ!」
比叡「そうですね! 昨日、何があったかを詳しく聞きたいですから! 姉として!」
霧島「ではお姉さま、出撃の号令を」
金剛「ワタシたちの出番ネー! Follow me!」
比叡「気合、入れて、いきますっ!」
霧島「出撃よ! さて、どう出てくるかしら?」
金剛姉妹編 終
>>12
ご指摘ありがとうございます。この辺りは勢いで書き切ったので……もう少し推敲すべきでした。
これにて、番外編も終幕とさせていただきます。
本来ならもっと他の艦娘も出したかったのですが……。
出せば出すほど彼女たちの心情描写が難しくなり、金剛姉妹編では金剛と比叡の口調にも悩まされました。
もし機会があれば、続編的なものを時間をかけて書いてみたいと思っています。
ここまで、拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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