提督「最近武蔵の目がギラついている…」(123)

艦これのSS スレ立て初めてだから亀更新になります。

武蔵が可愛い提督にあれこれするお話です

とある鎮守府にて



提督「今日も1日頑張って仕事するぞー」

提督「っと、その前に朝食を食べないとね。腹が減っては執務はできぬ、食堂に行こう」

食堂

北上「おはよう提督ー」

大井「おはようございます提督」

食堂の扉を開けると北上と大井が目に入る、二人とも私を見ると挨拶してきた。他にもちらほら艦娘たちがいて談笑しながら食事を摂っていた

提督「おはよう二人とも。今から朝食?」

北上「そうだよー。提督も一緒に食べる?」

提督「ええ、よろしければご一緒させていただきます」

北上「そんな畏まらなくていいよ、私と提督仲じゃんかー。ねー大井っち」

大井「そうですよ提督、上司と部下と言えど同じ仲間じゃないですか。食事くらい気兼ねなく食べましょう」

提督「ふふっ、そうですね。それじゃあ御飯食べましょうか」

立ち話もそうそうに食堂の料理担当の鳳翔さんに注文する、彼女の作る料理はとても美味しくて艦娘たちに人気である。大井、北上も注文する。彼女達は定食Aセット、ちなみに私はBセットを頼んだ。
しばらく料理が出来るまで近くの席に座り彼女達と世間話をしていた

世間話に話を咲かせていると北上が思い出したように質問してきた

北上「あのさぁ提督、その…」

なんとも歯切れが悪い。なにか踏ん切りがつかないのか、北上が一人で唸る

大井「どうしたんですか北上さん?」

大井の疑問符に意を決したのか北上が言葉を紡ぐ

北上「えっとね風の噂で聞いたんだけどさ、提督がセクハラされてるって…」

大井「えっそれどういう事ですか⁉︎」

北上「ちょっ、大井っち声が大きい」

大井「すみません北上さん。びっくりしちゃって」

大井の声に周囲の目が集まるものの、うるさいのは何時も事とばかりにしばらくすればまた各々談笑し始める

北上「で、どうなの提督?」

提督「えっとね、その…」

北上「ごめん提督話づらいよね」

提督「ううん、ありがと。色々と思い当たる節はあるんだ」

北上「それってやっぱりセクハラされてるって感じてしまうぐらい、あからさまなの?」

提督「分からないけど、武蔵を秘書艦にした時にね…」

大井「した時に?」

提督「お尻を揉まれたり、太腿を撫でられたり、髪の毛の匂いを嗅がれたりしたかな…」

北上・大井「「えぇ…」」

二人とも明らかにドン引きしていた

北上「ヤバイじゃんかー提督。それって立派なセクハラだよ」

大井「そうですよ提督、立場が逆ならセクハラで訴えられますよ‼︎」

まるで自分達の問題と言わんばかりに真剣な表情になる。上に立つ人間としていい部下を持つ事程嬉しい事はないな

提督「二人ともありがと。でもどうすればいいのか、分からなくって…」

提督「ウチもそこそこ大きな鎮守府だけど、武蔵も重要な戦力なんだ。ましてや重要な戦力艦がセクハラで解体なんてことになれば…」

北上「問題は鎮守府の世間体や戦力的な問題もあるのか…ぐぬぬ」

大井「そうは言っても提督の心の問題もありますし…」

どんよりとした空気が流れる。朝から気分が沈むの話良くない、なにかないものか…
考えていると鳳翔から優しい呼び声が耳に入る

「Aセット二つBセット一つご予約のお方おとりになってください」
配膳台には出来立ての朝食が湯気を立てている。食欲をそそる香りが私達のテーブルまで漂ってきた

提督「困った事があったら相談させてもらうよ。それより朝食食べましょうか」

北上「そうだね。まずは美味しい御飯でお腹を満たさないとねー」

大井「そうですね。腹が減っては妙案も浮かばないですから」

提督「なにそれ」

先程のどんよりとした空気も何処えやら、冗談めかしながら朝食を取りに行く
食欲をそそる香りにお腹の虫が鳴く。お盆を手に取り席に戻る、北上・大井も続いてお盆を手に取り席に戻る

『頂きます』その言葉と共に箸をとる

北上「ん~美味しい。やっぱり鳳翔さんの料理は美味しいねぇ」

大井「はい、この鯖の塩焼きも身がふわふわです」

提督「鳳翔の料理は美味しい。これは変えようのない事実だな」

素晴らしい朝食、信頼出来る部下と朝食。今日も一日頑張れそうだ

しかし「提督よ」その言葉に頑張れそうだ、との思いが曇り始める

武蔵「提督よ、おはよう。いい朝だな」

提督「……そうですね」

武蔵「どうした提督よ、元気がないな。どうかしたか」

エキゾチックを思わせる褐色の肌をした、武蔵の手が顔に伸びてきた

北上「ちょっと‼︎」

大井「武蔵‼︎」

北上・大井共に声を荒げる

武蔵「な、なんだいきなり…」

北上「武蔵、提督のお触り禁止だよ」

武蔵「えぇ…何ゆえ?」

大井「風紀が乱れます。提督に軽々しく触るのは禁止です。気をつけてくださいね」

武蔵「」

北上「ほら、特に用はないでしょう。朝食も食べてないでしょ。自分席に戻った戻った」

おもむろに席立つと、武蔵の背中を押して遠くのテーブルに誘導する

大井「提督大丈夫ですか?」

提督「う…うん大丈夫」

大井「いきなり顔に触れようだなんて、なんて破廉恥な人ですね」

提督「でも、ちょっと強引な気が…」

大井「いいですか提督、セクハラは気の弱い人がつけ込まれるんですよ。駆逐艦の様な幼い子達もいるです」

大井「風紀の乱れる様な行動は教育上よろしくないですから注意してください。ましてや上官にあれこれしようなど御法度ですからね」

大井の説教が始まる、しかしながら彼女の言い分は最もである

上官としての振る舞いを注意しながら、規律の尊さをガミガミ口うるさく説教される
そうこうしてると北上が戻ってくる

北上「提督、セクハラ魔神は追っ払ったよ~」

提督「ありがと、改めて考えさせられたよ。少しこの手の事にも気を使わないとダメだな」

大井「そうですよ、少しは抵抗する事を覚えてくださいね」

提督「善処します…」


騒々しい食堂も次第に疎らになり始め、艦娘もそれぞれ支度を始める

自分の仕事もある為食事を済ませる。お盆を片付け、食堂を後にする。
そのまま執務室まで北上・大井と向かう

北上「提督~そう言えば今日の秘書艦って誰なの?」

大井「そうですね提督、今日秘書艦は誰なんですか?」

提督「今日の秘書艦は大和だよ。念の為言っておくけど、大和は変な事はしてこないよ」

北上「大和かぁ…まぁそれなら大丈夫だね」

大井「そうですね。でも提督、なにかされたら私達に相談して下さね」

提督「ありがとね、困った事があったら真っ先に相談するよ」

北上「ん、じゃあ私達は何時も海域に出撃するから行くね」

提督「うん、よろしくね。メンバーもいつもの人達でお願い」

北上「了解~。じゃ言ってくるね」

大井「言ってきますね提督」

提督「行ってらっしゃい」

仲良く並んで歩く二人が見えなくなるまで手を振る
執務室の扉に向き直る

提督「さて、仕事頑張るぞー」

執務室に入ると、書類や資料を用意する。

提督「えーっと今日の建造予定と資材の量は…」

不意にお尻を揉まれる

提督「⁉︎」

武蔵「提督よ、食堂では随分冷たかったなぁ。この武蔵少々傷ついたぞ」

武蔵「悪いが大和は風邪をひいてな、私はその代わりだ。今日は終始二人きりだな」

後ろから密着した武蔵が提督の耳元で囁く

提督「そ、そうなんですか…」

武蔵「私では不満か?」

提督「そんな事、ないですよ」

提督「(よりによって大和が休みだなんて)」

武蔵「まぁいい。それより仕事に取り掛かろう」

武蔵「大和よりも仕事をこなしてみせよう。さぁ席に着くのだ、必要な資料も憩いのお茶も全て任せてもらうぞ」

こうして始まった執務は、何時もより早く進んでゆく。意外と武蔵は執務もできる様だ

今日の執務はどんどん進んでゆくのだった

武蔵「提督よ、この建造予定についてだが我が艦隊には戦艦は充分に多いぞ。空母を建造されてはどうか」

提督「でも、 伊勢や扶桑が欲しいし… 資材の備蓄を考えても空母は
ちょっと


武蔵「何を言っている、山城や日向がいるではないか。それに軽空母は沢山居ても空母は加賀と赤城と飛龍の三隻だけなんだぞ。」

提督「でも…空母を沢山は備蓄が」

武蔵「戦艦の数を増やし、火力に比重するよりもバランスを考えるべきではないのか?」

武蔵の子供を諭す様な物言いと真剣な眼差しに提督の表情にも迷いが生じる

提督「(空母を建造するべきなのかなぁ、でもやっぱり戦艦も欲しいし)」

武蔵「(提督の柔らかい表情も良いが、悩んでいる表情も堪らんなぁ。困った表情も見てみたいな)」

提督「(うぅん、バランスが大事。大事…。よしここは武蔵の言う通りにしよう)」

決意が固まった提督が武蔵の意見に賛同の意を述べようとした時だった。
褐色の肌をした、美しい手が提督の頬に触れる

武蔵「提督よ、この武蔵では頼りにはならないか?」

提督「………へ?」

何が起こったか分からない、そんな表情を見せる。
褐色の手が提督の顔を武蔵自身に向けさせている
真剣で自信に満ちた眼差し、そして提督を未経験者を弄ぶ経験者の表情

提督「え、えと…」

困惑した表情がみるみる朱色に染まっていく

武蔵「どうした?(初々しい反応だな。堪らん)」

提督「い、いやなんでもないよ⁈。うん武蔵の案で行こうか⁉︎うんそうだ、そうしよう」

提督「ほ、ほら手を動かして…ね」

武蔵「ふふふ、あぁそうしよう」

恥ずかしさを隠す様に慌てて執務に戻る提督、思わぬ反応に満足げな武蔵

提督「(なにあれ⁉︎なにあれ⁉︎)」

提督は混乱していた

それからまたしばらくした後の事

提督「えーっと装備開発は…艦載機に重点を置いて、後は取り敢えず魚雷かな」

提督「よし、資料はOKだね。武蔵この資料コピーして、明石にお願い」

武蔵「了解した。しばらく時間を貰うぞ」

提督の手に武蔵の手が触れる。ほんの少し、ほんの少しだけ

提督「⁉︎」

思わず手を引く提督、ばらばらと資料が手を離れ床落ちる。武蔵は何も言わず広い始める。

提督「ご、ごめ「提督よ、そのままでいい」

力強い武蔵の声に提督の声は遮られる。黙々と資料を集める武蔵

提督「(ど、どうしよう⁉︎ビックリしちゃって酷い事しちゃった…)」

武蔵は資料を集め終わると、何事も無かったような態度である

武蔵「では行ってくる。昼には戻る」

そのまま武蔵は執務室を出て行った

工廠

カーン、カーン、カーン

一定のリズムで金属を叩く音が絶え間なく鳴り響く
目も絡むような青空、微睡みを誘う暖かな日差しが褐色の肌を撫でる

工廠に向かう武蔵の姿

明石「ふふーん♪ふーん♪」

明石「ふふーん♪ふっふん♪ふーん♪」

カーン、カーン、カーン

明石「ん?あれは武蔵さん」

工廠の前に見えた人影に近づいて行く

明石「武蔵さんこんにちは。工廠までどうしたんですか?」

武蔵「(さっきは危なかった、提督の困惑した表情…)」

明石「武蔵さん?」

武蔵「(危うく襲ってしまうところだった。しかしあの表情…捗るなぁ)」

明石「もしもーし、むーさーしーさーん。聞いてますか?」

武蔵「ん?失礼。考え事をしていてな」

明石「考え事?ですか…」

武蔵「知りたいか?」

明石「遠慮しときます」

武蔵「つまらんなぁ」

明石「それで…ご用件は?」

武蔵「うむ、用件というのは…これについてなんだが」

武蔵は先程の開発資料を手渡した。少し湿ってしまったソレを受け取る明石

明石「……」

武蔵「どうかしたか?」

明石「いえ…」

明石「(なんでこんな湿っているのかは、聞かないでおきましょう。ていうか、聞きたくもない)」

明石「それより早く開発しましよう」

武蔵「そうだな。この武蔵の本気を見せてやろう」

カーン カーン カーン

カーン カーン カーン

カーン カーン ニャア


武蔵「これは…成功なのか?」

明石「成功でしょう?」

武蔵・明石「「…」」

流星 九九艦爆 ペンギン ペンギン ペンギン ペン

明石「取り敢えず流星が出ましたし、これで報告しましょうか」

武蔵「そうだな。一つでもでた以上、成功でいいだろう」

明石「ではこちらで艦載機は保管致しますね」

武蔵「では私は報告に戻るな」

明石「はい、お願いします」

ーーー

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ーーーーー

執務室

提督「(そろそろお昼だなぁ)」

執務に勤しむ提督のお腹から虫が鳴き始める。書類をまとめ、ファイルを直し始める

提督「武蔵まだかなぁ」

武蔵「この武蔵がそんなに恋しいか?」

耳元で甘く蕩けるように囁く。褐色の手がファイルを直そうとした提督の手に、もう一つては提督のお尻を撫でる

提督「ひぅ⁉︎」

武蔵「嬉しいぞ提督よ。まさか提督から求めてくれるなんてな」

武蔵「お昼返上だな」

提督「ちが「提督ー出撃終わった…何してるのさ」

執務室に入ってきた北上の声は怒気が籠っていた

その場空気は凍り付く。北上が怒っている。いつもの飄々とした姿からは想像もつかない程に怒っていた

北上「ねぇ、何してるの?」

武蔵「何ってお楽しみだ。なぁ提督よ?」

提督「……」

武蔵「提督よ、どうし…た」

武蔵の言葉が消え入る。そして武蔵は驚き困惑した

武蔵「て、提督よどうしたのだ⁉︎」

戦艦武蔵は慌てふためいた。何が起こったのか分からない、そんな顔をしていた。何故なら提督の目には涙がいっぱい溜まっていた、溢れそうなほどに

提督「だ、大丈夫だょ…」

北上「提督から離れて」

武蔵「あぁ」

提督の肩を優しく抱き寄せると執務室を出ようとする。

武蔵は混乱する頭を回転させて言葉を絞り出す。

武蔵「すまぬ提督」

罪悪感でいっぱいの言葉は北上の怒気が籠った言葉に一蹴される

北上「謝るくらいなら、最初からしないでよ」

武蔵はその言葉に何も返せず、北上達が出て行くのを立ち尽くして見ているだけだった

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ーーー

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大井の部屋

大井「それで何があったんですか?まぁなんとなく予想はつきますが」

北上「まぁしばらく提督を見といてよ。こっちはやんなきゃいけない事があるからさ」

大井「分かりました。提督は任せてください」

北上「じゃ、行ってくるね」

大井「行ってらっしゃい北上さん」

執務室

北上「それで、なにしてたのさ」

武蔵「……」

北上「ねえ、聞いてんの?」

武蔵「き、聞いているぞ」

北上「だったら、さっさと返事しろよ」

執務室の中では武蔵が北上に尋問していた。戦艦武蔵は正座、片や軽巡北上は椅子に反対向きに座り武蔵と対面している

北上といえば顔こそニコニコしてるいるが、とても怒っているのは雰囲気でわかる。ニコニコしながら口汚く悪態をついてた

北上「じゃあもう一回聞くけど、なにしてたの?」

武蔵「………しました」

北上「なに?聞こえない」

さらに悪態をつく

武蔵「…に…な…しようとしました」

北上「戦艦なら腹から声を出せ‼︎」バンッ

武蔵「提督にHな事をしようとしました?!」

北上の恫喝に屈する武蔵。とんでもないことを口走りさらに混乱する戦艦

北上といえば頭を抱える。眉間を押さえ落胆する

北上「あのさぁ…」

武蔵「分かっている、だがあの無防備で可愛い提督を間近に見ると犯したくなるのだ」

北上「気持ち悪い」

武蔵「しかしながら、あの提督が顔を紅に染め、快楽に喘ぐ姿をみたいと思わないのか?」

北上「チェイサー」

「ぶふごぉ!?」

北上の拳が武蔵の頬を抉る

武蔵「何するのだ⁉︎」

北上「少し黙ろうか」

北上「あのね、提督は初心なの。わかる?」

武蔵「はい」

北上「この手の事については免疫がないし、そういう目で見られるに慣れてないからビックリしちゃうんだよ」

武蔵「はい」

北上「スキンシップをとるなとは言わないよ。金剛とか隼鷹や愛宕なんかキチンと節度もって接してるよ」

武蔵「はい」

北上「あの金剛でさえ、提督にハグするのを控えて淑女として振舞っているというのに武蔵と来たら」

北上「提督の気持ちを考えずにセクハラ、セクハラ、セクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラセクハラ「悪かった」

武蔵「悪かった。提督に気持ちを考えず、一人舞い上がってしまった」

北上「軽巡クラス以上のみんなはいいとしても今回は、駆逐クラスの子から話がきたの。これがどういう事だかわかる?」

武蔵「考えが足りてなかった。すまない」

北上「謝る相手間違ってない?」

武蔵「それもそうだな。お前のおかげで目が覚めたよ」

武蔵「そうだな、少しずつ距離を埋めればいい。焦る事はないな」

北上「……まぁ、それでいいよ。でも、次は…ないからね」

武蔵「……了解した」

武蔵「思い立ったが吉日だ。提督に頭を下げねばな」

不意に肩を掴まれる、振り返ればニコニコと笑う北上。机を指差しながら訴える

武蔵「執務を先に終わらせねばな」

執務室に戦艦と軽巡の姿が

日が沈むまで執務は続いた

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大井「北上さん一体なにしてるのかしら?」

提督「……」スー スー スー

次の日の朝

0500 執務室の隣 提督の自室

提督「ん…ここは?いつもより早起きしたな。大井が運んでくれたのかな?」グー

提督「お腹空いたなぁ。食堂に行こうっと」

提督は身支度を始める。顔洗い、歯を磨き、制服に身を包む。これにて鎮守府の提督が出来上がる

自室の扉を開け執務室に入る。いつも使っている机にはまとめられた書類と書き置きがあった

『報告や書類はまとめといたよ。後は提督の確認が必要な書類だけだよ。無理しないようにね( ͡° ͜ʖ ͡°)b
スーパー北上様より』

提督「スーパー北上様に感謝しないとね。それと大井にも…」

提督「よし、朝食食べたら執務を倍速で終わらせよう」

気合い充分に食堂へ向かう提督。しかし通路の曲がり角で足止まる

執務室をでた通路の曲がり角。そこに居たのは腕組みをして壁にもたれかかる武蔵の姿があった

武蔵「おはよう提督、今日随分早起きだな。」

提督「えっ、とおはよう」

提督「(どうしょう………)」

挨拶を交わすと少しの沈黙が漂う。思考を巡らせる提督の顔を見ると、武蔵は提督の前に直り面と向かう。

武蔵「提督」

提督「な、なに⁉︎」

武蔵「一覧の不貞、誠に申し訳なかった‼︎」

武蔵は土下座をして頭を垂れる。静かな通路には謝罪の言葉が響き渡る

武蔵「昨日も身勝手な行動により、提督を傷つけてしまった‼︎」

提督「ちょっ⁉︎武蔵、顔を上げて⁉︎」

武蔵「できぬ、私は、この武蔵は提督の気を知らずに自らの欲望に…」

提督「お願いだからやめてよ。こんなところ誰かに見られたらどうするの」

武蔵「しかし、提督を傷つけてしまった自分を許せぬ」

提督「大丈夫だから。許すから!だから顔を上げて武蔵」

武蔵「しかしなぁ提督よ、罰はないのか?謹慎でも営倉でも甘んじて受ける所存だ!」

提督「分かったから武蔵。だから顔上げて。処遇は後で決めるから。ほら朝食まだだよね?一緒に食べに行こうよ、ね?ほら立って」

半ば強引に武蔵を立たせて食堂に向かう。武蔵の顔は困惑の表情を見せたものの、途中から柔らかい笑顔になっていた。提督はというとリンゴのように真っ赤に染まっていた

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しばらくして食堂には定食を食べる二人の姿が。まるで先ほどの事なんてなかったかのように、箸を進める武蔵と少し不機嫌そうな提督

提督「(勢いで一緒にきてしまった。昨日は怖かったけど、私の事気にしてたんだよね)」

武蔵「このすくらんぶるえっぐとやら、なかなかイケるな」

提督「(すごく美味しそうに食べてる)」

提督「(武蔵って私の事どう思ってるのかな?ちょろいとか思われてるからあんな事するのかな?)」

提督「分かんないや」

武蔵「どうかしたか?」

提督「別に」

とりあえず今回の提督は男の子です。女提督は別で書こうかなと思っておりますのでご了承ください

武蔵「それはそうと提督よ。折り入って頼みがある」

提督「何でしょうか?」

いつになく真剣な眼差しに思わず、緊張する提督。食堂で仕込みをする間宮以外はいない

静寂が緊張感をより引き立てる

武蔵「もし、もし提督さえ良ければ汚名返上する機会が欲しいのだ」

提督「汚名返上?」

武蔵「あぁそうだ。私は提督を傷つけた、提督の信頼を傷つけた」

武蔵「資材ぐらいの私を重要な戦力と表してくれた貴方を…提督を裏切ってしまった」

武蔵「だから、「待って」

提督「武蔵の気持ちは分かった。でも今回は毅然とした態度を取れなかった私の責任でもあるんだ」

武蔵「でもな提督よ艦娘と人間では力では艦娘の方が強い。力に訴えれば…」

提督「武蔵」

提督は席を立つ

提督「私にも武蔵にも落ち度はあった。でもこれからが大事なんだ。お互いに悪い所は直していきましょう」

提督は右手を差し出した。提督の小さな手には何か不思議なオーラがあった

武蔵「失望させてしまうかもしれないぞ」

提督「戦艦武蔵の強さは知っているよ。だから期待だけはする、失望はしないよ」

武蔵「(あぁこれほど愛おしいと感じるのは提督だからなのか…)」

武蔵「(私は貴方が欲しい…)」

武蔵は席を立ち提督を見つめた。真剣な眼差しで提督の手を握る

提督「はい、これで今回の件は手打ちです」

武蔵「提督…」

和かな笑顔に見惚れていた。提督の手が武蔵にはとても暖かく思えた。

武蔵「(我慢できん)」

武蔵は提督の手を引き、優しく優しく愛おしく抱きしめた。机越しの抱擁、提督の頭は武蔵の胸に埋まる

提督「⁉︎」

そして武蔵は提督の耳元で囁いた

武蔵「提督よ、ありがとう。この武蔵、提督の期待に応えてみせる。貴方に相応しい艦娘になってみせるぞ」

何時もと違う真剣な言葉に提督は安心していた

提督「うん。武蔵ならできるよ」

緊張感で一杯の食堂は一転して甘い空気が流れる

ーーー

ーーーー

ーーーーー

北上「なにしての?」

提督・武蔵「「⁉︎」」」

あの和解から程なくしてから武蔵は変わったのだった。

武蔵「提督よ、演習は我々の勝利だぞ」

提督「すごい‼︎またS勝利だ」

大規模作戦にて

武蔵「提督よ、完全勝利だ。MVPは勿論この武蔵だ」

提督「すごい、凄すぎる。破竹の快進撃だな」

秘書官にすれば

武蔵「提督、遠征の計画ができたぞ。それから出撃についてだが…」

提督「あ、あぁ」

提督「(私の仕事が無くなってゆく)」

武蔵の活躍は他の艦娘の間でも噂される様になった

以下艦娘達の妄想
武蔵さんって最近前より強くなってるよね?

改造してもらったとか?

いいなぁ、私も強い戦艦になりたい‼︎

しっかし戦艦は強いねぇ。私だってねやるときゃやるんだょ グイッ プハー 堪んねぇ

ねぇ提督と武蔵って破廉恥な関係らしいよ?

マジ⁉︎ きっ、キモー

聴いちゃいました

ハラショー こいつは…

す、すごいのです

強い戦艦ポジションが埋まってる?不幸だわ

航空戦艦になれれば瑞雲が…

一部の艦娘は今ある話題に花を咲かせるのであった

それから数日後問題は起きた

武蔵の部屋

北上「ねぇ聞いてる?これはナニ?」

ニッコリと笑う北上の目は笑っていなかった

武蔵「違う‼︎誤解だ‼︎事故だったんだ!」

北上「ふーん、事故ねぇ?」

北上の見ているペーパー、青葉が作っている新聞の様なもの

『戦艦武蔵の強さの秘密⁉︎』

『予てより噂が立っていた武蔵さん。提督に対するセクハラ行為を働いているという事はあくまで噂でしたが、この写真を見れば真実が分かります‼︎』

この文の下に掲載されてる写真は、仰向けの提督の顔に武蔵が騎乗していた姿だった

北上「(どう考えてもいかんでしょ)」

件の提督といえば大本営に呼び出されて不在であった

武蔵「本当に事故だったんだ‼︎」

北上「今朝起きたら駆逐艦が騒いでたから注意しようとしたらこれだよ」

武蔵「本当に、本当に事故‼︎誤解だなんだ‼︎提督に話してくれ」

大井「どう思います、北上さん」

北上「まぁ武蔵がここまで言うんだから一応そういう事にしておこう」

武蔵「はぁ、もっと早く信用してくれても」

北上「前科いくつあると思ってんの」

北上「それより提督が帰って来る前に騒いでる駆逐艦とか静かにさせないと」

北上「駆逐艦とか騒いでるのは大井っちとどうにかするから武蔵は青葉をお願いするよ」

武蔵「ありがとう、助かる」

北上「大井っち、駆逐艦の子達を静かにさせに行くよ~」

大井「そうですね。提督が帰って来た時にアレでは困りますからね」

北上「朝からワァーキャー騒ぎたてて、ウザい」

大井「北上さん、行きましょうか」

北上「そうね、じゃあ武蔵は青葉をお願いね」

そう言った北上は手をヒラヒラとさせて部屋から出て行った

武蔵「さて、私も青葉を締めに行かないとな。こんな事で提督の信頼を失う訳にはいかない」

武蔵の瞳は殺意で満たされていたのだった

食堂

北上「駆逐艦共あつまれ~」

大井「駆逐艦の皆さん集まってください~」

北上と大井の呼び掛けに食堂に居る駆逐艦が集まって来た。

電「どうしたのですか?」

吹雪「何かあったのですか?」

不知火「一体なんでしょうか?」

卯月「どうしたんだぴょん?」

その他ゾロゾロと集まっては疑問を投げかける。あれよあれよ駆逐艦で埋め尽くされる

北上「はい注目。みんなに集まってもらったのは他でもなく青葉の新聞ついてなんだけど…」

『青葉の新聞』この言葉にざわつき始める

大井「皆さんお静かに」

北上「いろいろ噂が立ってるけど、アレ全く嘘の記事だから信用しないでね」

北上の言葉にまたざわつき始める。中には武蔵の日頃の行いを知ってる者があり得ない話ではないと抗議をしたり、懐疑的な眼差しをする者も

大井「皆さん、確かに武蔵さんの行動には問題も多かったですがここ最近は至って真面目ですよ」

大井の言葉にまだ納得してないような雰囲気に北上はとっておきを出した

北上「みんな、コレを見て」

そう言って取り出したのは件の新聞である

吹雪「青葉さんの新聞?」

北上「ココよーく見て」

北上が指差しした場所に注目が集まる

その新聞に掲載されているモノクロ写真。中央の提督の顔に騎乗する武蔵から角の方にロープ張る卯月の姿が確認出来た

吹雪「あ、卯月ちゃんだ」

電「本当なのです」

不知火「コレは卯月のイタズラによるもの?」

北上「そういう事。だからみんなこれ以上騒がないでね、事実はわかったんだからさ」

大井「今度青葉さんにあったらエセジャーナリストとでも言って差し上げましょうか」

呆気ない事実に駆逐艦たちがつまらなさそうに席に戻り始める

食堂に散り始める駆逐艦の中そろりと静かに逃げ出す艦が

北上「さて、卯月。どこに行くのかな?」ニッコリ

卯月「⁉︎」

大井「そうですよ卯月さん」ニッコリ

卯月「え、遠征だぴょん…」

大井「遠征?ないですよ」

北上「ちょっとだけお姉さんたちとお話ししようか」

卯月「ぴょん…」

この後たっぷりお仕置きされた卯月であった

青葉の部屋

武蔵「さて、青葉。私とて血も涙もないわけではない」

青葉「違うんです‼︎これにはマリアナ海溝より深い訳が…」

武蔵「ほぅ、聞いてやろう」

青葉「その…新聞があんまり売れてないので、インパクトがあれば売れると思いまして」

武蔵「私の信用よりも新聞の売り上げが大切なのか?」

青葉に向けられた笑顔、その笑顔は怒りに満ちていたのだった

青葉「ゆ、許してくだひゃい」

武蔵「ダメだ」

青葉は軽率な行動を後悔したのだった

イヤーーーーーーーッ シヌーーーーーッ

武蔵「これぐらいにしといてやる」

青葉「」

武蔵「次から何を記事にするのか気をつけるんだな」

青葉「ふぁい…」

武蔵「よろしい…おっとそろそろ時間か。私は提督の出迎えがあるのでな」

武蔵「邪魔はするなよ」

青葉「ふぁい」

武蔵は睨みを効かせて青葉の部屋を出て言った

青葉「いふぁい」

青葉「もふ、きふぁやめふぉっふな…」

ブロロロロロロッ

鎮守府付近の道路を黒光りする車が走っていた。大本営直属のタクシーである
運転しているのは憲兵、そして三人のガードマン的存在の憲兵。

提督「(なんでこんな気まずいのかなぁ)」

憲兵s「…」

提督「(それより、大本営の意向…)」

提督「結婚かぁ」

思わず声が漏れていた、大本営からの呼び出しはケッコンカッコカリのシステムについての説明と書類一式の贈呈式でだった

憲兵1「提督はご結婚なさるのですか?」

提督「まだ決まってはないのですが…」

憲兵2「想い人はいないのですか?」

憲兵3「艦娘か、一般の方とか」

堅苦しい出で立ちとは裏腹にケッコンに興味が有るようだ。こんなご時世なのだからなのか

提督「どうでしょう?」

提督「(結婚なんて考えた事もないしなぁ)」

憲兵1「結婚はとてもいいものですよ」

憲兵の一人が写真を見せてきた

提督「綺麗な人ですね。お子さんも可愛らしいですね」

憲兵1「でしょう‼︎私の妻は世界で一番綺麗なんですよ‼︎子供も世界で一番可愛いいですよね?」

提督「そ、そうですね…」

この後憲兵による妻と子供をいかに愛しているのかを、鎮守府に着くまで延々と聞かされるのであった

憲兵1「提督、鎮守府に着きましたよ」

憲兵2「しばしお待ちを」

車が停車すると憲兵は車外に先に降り、提督の座席の扉を開けるのだった

ガチャっと音を立てて開くドア。外は鮮やかな茜に染まっていた

提督「わざわざ申し訳ありません」

憲兵2「いえ、これも仕事ですから」

車から降りれば、また海軍としての勤務が始まる。提督は帽を被り車の方に振り返る

提督「送迎ありがとうございました」

敬礼

憲兵1「敬礼‼︎」

憲兵2「敬礼」

憲兵も敬礼で返す

提督「それでは」

提督が戻ろうとすると、憲兵が語りかけてきた

憲兵1「提督、結婚は良いものです。もし僅かにでも想う事があるのなら、その想いを伝えるべきであります」

車外の惚気とは違い、優しさと真っ直ぐな心で語られる憲兵の想い。提督は振り返り、なんとも言えない笑顔で返す

提督「善処します」

憲兵1「ふっ…」

吹き出す笑い堪え憲兵は車に戻る。提督も鎮守府の門をくぐる

車の音が遠ざかって行く

提督「結婚か…」

声が漏れていた、ため息と共に

鎮守府の玄関口に仁王立ちしている人影が見えた。それが武蔵だとすぐに気づいた

提督「出迎えかな?なんで仁王立ちしているんだろ?」

それとなく手を振ると、武蔵も小さく振り返す。武蔵は澄ました顔でこちらを見ている

提督「ただいま武蔵。出迎えありがとう」

武蔵「提督の為なら出迎えでもなんでするぞ」

提督「はいはい」

武蔵「本当だぞ」

あの一件以来武蔵との距離感が分かったような気がした。

提督「(前より自然に振る舞えてるなぁ)」

提督「お腹も空いたし、お風呂にも入りたいな」

武蔵「そうだな、食事用意が出来てるから食事を先済ませようか」

提督「いいね、食堂に行こうか」

武蔵「提督は先に行っててくれ。ほら鞄、執務室に置いてくるから」

武蔵は提督の鞄を掴む

武蔵「どうした、提督よ?」

提督「(カッコカリの指輪が入っているからなぁ、どうしようか)」

武蔵「私は信用できないか?」

提督「(そうだ、そうだよ。武蔵は真面目にやってくれているんだから、それを蔑ろにするのは提督としてダメだ)」

提督「武蔵、任せた。重要な書類が入っているから、扱いは慎重にね」

武蔵「任せておけ提督よ」

提督は食堂へ、武蔵は執務室に向かった

武蔵「提督との関係もこのところ極めて良好だ。そろそろ次のステップに進んだも良いのでは?」

廊下を歩きながら、独り言を漏らしていた武蔵

武蔵「なんてな。提督の信頼を裏切る真似はもうするわけにはいかん」

邪な考えも湧き出るなか、提督に対して切実であろうとする武蔵。まさしく戦艦武蔵である

ダダダダダッ

島風「あはは~、夕張おっそーい‼︎

夕張「ま、待ちなさーい‼︎」

島風「島風一番速いんだよー‼︎」

ドンッ

島風「おうっ⁉︎」

武蔵「ぐはっ!?」

勢い良くぶつかる島風、そして脇腹に衝突されて預かっていた提督の鞄と共に吹っ飛ばされる

鞄の中身が散らばる

夕張「武蔵さん大丈夫ですか⁉︎」

武蔵「痛たたた、島風‼︎廊下で走るのは止めろと、言われていただろう」

島風「…ごめんなさい」

武蔵「分かればよろしい。っと、鞄の中身が散らばってしまったではないか」

武蔵「全く、大事な書類が…」

ソレは目に入っていた。ケッコンカッコカリと書かれた書類

夕張「手伝います、武蔵さん」

武蔵「駄目だ‼︎」

島風 夕張「‼︎」

思わず大きな声が出ていた武蔵。それに驚く島風と夕張

武蔵「す、すまない。これは大切な書類ばかりで提督に管理を任されているのだ。だからこの書類を失くしてしまう様な事になれば私の責任…いや私に書類を託した提督の責任問題になりかねない。だから書類の拾得は全て私が責任を持ってやり遂げるから島風と夕張はもう行って構わんぞ。そうだ、島風。走るのは構わないが、外を走る様にする事。廊下は
走っては駄目だぞ、いいな?」

島風「お、おぅ」

夕張「…」

武蔵「不満でもあるのか夕張?」

夕張「いえ…」

武蔵は散らばった書類を全て集めると、そそくさと執務室の方へと消えて行った

島風 夕張「「………」」

夕張「次からは走らない様にね」

島風「おぅ…」

執務室

バタンッ‼︎

勢い良く締めらたドアが大きな音立てて閉まる。誰もいない執務室は直ぐに静けさを取り戻す

執務室に存在するのは顔がにやけている武蔵、そして提督が執務の際に座る椅子まで歩きゆっくりと腰を下ろす

武蔵「………」ガサガサ、ゴソゴソ

無言で鞄の中にある書類を提督の引き出しに順序良く直す、そして最後に残っている書類に手を掛ける。

意図的に最後になる様にしたその“書類”を手に取り、中身が紛失していないか確認する。

『ケッコンカッコカリ』

『ケッコンカッコカリについての報告と注意事項について。この度〇〇鎮守府提督の管理下に所属される艦娘が最高練度に達した為、心からの祝福とこの書類と指輪を進呈致します。同封しております指輪を最高練度の艦娘がはめる事により、練度の上限を解放する事ができます。又、カッコカリを結ぶ艦娘は提督の好む最高練度の艦娘に渡す事ができますのでご検討ください。つきましては、さらなる御活躍をなされる様これからもより一層奮闘なされる事をお願い申し上げます

大本営 』

武蔵「ついにきたか」

そこには変態的顔をした武蔵が静かにニヤついていた

武蔵「ついにここまできた。演習の際、チラと聞いたケッコンカッコカリ」

武蔵「この鎮守府に最高練度はこの私だけだ。北上と大井の練度を超えるのは容易い事ではなかった」

武蔵「だが、あの提督の事だ。きっとカッコカリには踏み込まないだろうな」

武蔵「ならば提督を籠絡するまで、勿論前回の様な失敗はしない」

武蔵はカッコカリの書類を机にしまうと、席を立つ
その瞳は獲物を狩るジャッカルそのものである。
武蔵は食堂へ向かうのであった

ーー

ーーー

ーーーー

食堂

武蔵「あれっ?提督はどうしたのだ?」

北上「提督ならお風呂に行ったよ」

武蔵「お風呂?食事はどうしたのだ」

北上「あんまり、食欲が湧かなかったって。だからそのままお風呂に入りに行ったよ」

武蔵「やはり…」

北上「何?またなんかしたの?」

武蔵「違う、大本営絡みのことだろう」

北上「大本営?」

武蔵「まぁ提督は任せろ」

北上「………変な事しないよね」

武蔵「しないさ、提督の事は任せてくれ。問題は私が解決する」

北上「提督泣かしたら許さないからね」

武蔵「肝に銘じてるよ。まぁ後でな」

武蔵は食堂を後にした

大浴場

大浴場とは艦これのドッグとは別に作られた、言わば入浴する為だけの施設である。

艦娘は傷付いた場合、艦娘専用のドッグで傷を癒し身体中の汚れと疲れをとる為にある。その為被害が大きな戦艦や空母が優先的に使用して他の艦娘が入れない事もある。又数が多い駆逐艦等が先にドッグ入りする事もある為、通常の入浴は普通の大浴場で済まされる事が多い

例にもれず一人の悩める提督も湯船に浸かり、疲労を落としていた。

提督「……」

提督「………」

提督「…………」

提督「ケッコン…誰とするべきなのか?大本営の通達通り、武蔵?いやいや言われたから渡すのは間違っている…」

次々と考えが湯けむりの様に浮かんでは消えを繰り返している

提督「辞めるべきか?」

武蔵「それは違うのではないか?」

優しい声で諭される。ぼんやりとした思考の中にハッキリと届く。

提督「どうすればイイのかな?」

その顔は何処か哀愁を感じさせる。まだ若さ故に恋に悩む乙女の様で庇護欲を掻き立てられる

武蔵「隣、失礼するぞ」

提督「うん……」

提督「…」

提督「…」

提督「…」

提督「⁉︎」

武蔵「どうした提督よ?」

提督「な、なんで⁉︎武蔵が‼︎」

本来居る筈のない武蔵の姿に、顔を押さえて背を向ける

武蔵「そう、焦るな提督よ傷つくぞ」

提督「で、でも…」

武蔵「話がしたくてな、たまには裸付き合いも悪くないだろ?」

提督「…」

武蔵「提督、話をしよう」

提督「………分かった」

武蔵「こっちに座れ」

提督「わっ」

武蔵は提督を引っ張ると、股を開きそこに座らせる。背丈の小さな提督はすっぽりと収まる

提督の顔は紅く染まり俯いている

提督「…恥ずかしい」

武蔵「アッハッハッ、そうだな。私も恥ずかしいよ」

提督「それより話って何?」

武蔵「そうだな、悩みはあるか?困っている事でもいいぞ」

提督「今のこの位置から抜け出したいんですけど」

武蔵「そう言うなよ提督、最近すきんしっぷとやらが私達には足りないと思ってな」

提督「なんでもかんでも武蔵がやっちゃうからでしょ。私の仕事がなくなるんです」

少し提督はむくれている。最近の武蔵の働きには提督も驚かされている。できる武蔵に嫉妬してしまうのは提督として当然といえば当然である

武蔵「信じてくれる提督の為に努力しているだけだ。それに提督に必要とされたいからな」

提督「さいですか」

武蔵「それで?」

提督「武蔵は私の艦隊に必要です。見捨てたりしません」

武蔵「違う、提督の悩みを知りたいのだ」

提督「別にないですよ。悩みなんて」

武蔵「さっきは悩んでいた様に見えたのだがな」

提督「………別に、悩んでなんか」

武蔵「この武蔵では頼りないか?」

提督「武蔵だから頼れない」

武蔵「何処がどう頼りない?」

提督「だから……あーっもう分かんない。なんでこんなにモヤモヤするんだ」

提督は顔に両手を当てて鬱ぎ込む。提督自信何を悩んでいるのか整理がついていなかった

武蔵「提督、今晩はこの事について話し合おうではないか。二人で考えれば答えも見つかるぞ」

提督「………」

武蔵「さ、身体を洗って上がろう」

提督「ちょっ⁉︎武蔵‼︎」

提督を抱えると武蔵は湯船を上がり身体を洗いに向かう。風呂場にある椅子に提督を降ろすと身体を洗い始める。もちろん身体から

ゴシゴシ ゴシゴシ

白い泡で満たされた泡立て器で提督の身体がなぞられる

武蔵「どうだ?背中を流してもらうのも悪くはないだろう?」

提督「……別に」

武蔵「つれないな。そんな提督には武蔵の身体を味わってもらおうか?」

むにゅっ

背中に重量感溢れる二つの柔らかい物があたる。武蔵が動く度に其れも上下に揺れ動く

提督「⁉…な、何しているんですか‼」

武蔵「提督よ、黙って受け入れてくれないか。私は貴方を愛しているのだ」

提督「……」

武蔵の真剣な声色に提督も思わず押し黙る

武蔵「提督が私の事をどう思っているのかわからないが、私は貴方を大切に思っているし愛してもいる」

提督「えっ…と、唐突になんですか?」

武蔵「唐突、唐突に思っているのか提督は?。随分と前から行為を表していたのだがな」

提督の顔が真っ赤に染まる。今までの武蔵の行動を思い出す、その行動の一つ一つが自分に向けられた愛故の行動だと自覚する

提督「……私の事、好きなんですか」

自分の思い違いかと確認してみるものの、返ってきた答えは一貫していた

武蔵「無論。もっとも提督の事は好きでは無く愛している」

提督「………」

それから提督は無言のまま考え込んでいるようだった。武蔵はそんな提督に構わず身体を洗い続けている

提督「(武蔵は私の事を愛しているんだ。だからあんな事をしてきたんだ)」

提督「(私は武蔵の事どう思っているのかな?どう答えればいいのかな。私は武蔵の事は凄い人だと思っていたけど…)」

武蔵「提督よ、提督……」

提督「(どうすれば、どうしたらいいのか)」

武蔵「提督」

提督「えっ」

提督の目の前には武蔵が心配そうにこちらを見ていた

武蔵「提督よ大丈夫か?返事が無いから心配したぞ」

提督の視線が不意に下に移る。褐色の引き締まった腹筋に二つの果実、それに自分とは違う部分

提督「………」

提督「…………」

提督「……………」

バタンっ

提督は気を失った

提督自室

静かな部屋に二人は居た。提督はベッドに横になり、武蔵が横に座ってた

提督は少し大きめのバスローブに身を包んでいた。しかし気は失ったままだった
武蔵はサイズが合ってないシャツにスパッツというラフな出で立ち

武蔵の着ていたシャツは小さいのか、大きな胸に引っ張られて胸の大きさを強調していた。スパッツも腰周りの大きさを強調している

提督が見たら気を失いそうなほど暴力的である

武蔵「私の身体を見ただけで気をうしなうとは、愛らしいな」

武蔵「目を覚ましたら、もう一押しだな」

武蔵の顔は愉悦に満たされていた

提督「……あれ、私は」

武蔵「提督よ目が覚めたか。水を飲むか?」

提督「うん、飲む」

武蔵は水差しからコップに水を注ぐ

提督「あれ?なんで部屋に?」

武蔵「ほら、提督。ゆっくりと飲むんだぞ」

提督に寄り添ってコップを渡す。手を添えて落とさないようにする。

ぼんやりとした意識の中、水を口に含む。喉元通る冷たさに意識がはっきりとしてくる

横には大きな胸に大きな腰周り

提督「!?」

武蔵「そんなに驚かないでくれ。提督を運ぶのは大変だったんだぞ」

武蔵「急に倒れたから心配したぞ。まあ見たところ特に以上ないようだな」

提督「えっ、と…私は大丈夫だから服を着て欲しいんですが」

武蔵「提督よ、何を言っているのだ?服なら着ているぞ。やはり具合がよくないのではないか」

提督の頬に手を這わせる。提督よりも少し高い体温に、じっとてい提督を見つめる瞳

提督「あ、ぇ…」

武蔵「提督?何か悩んでいることがあるのではないか?一人で抱えているとまた倒れるぞ」

提督「悩んでいるというか、迷っているっていうか、その服を…」

武蔵「やっぱり悩んでいるのか!そうか辛かったろう。心配するな、この武蔵に任せておけ」

ここぞとばかりに攻め立てる

提督「違うんです⁉︎あぁ、近い。少し離れて」

武蔵「なにを言っているのだ提督よ。私は提督を心配しているのだぞ‼︎」

提督「!」

真剣な声色に驚く。武蔵の顔からそれが読み取れた

武蔵「悩んでいるのはケッコンについてか?」

提督「どうしてそれを⁉︎」

武蔵「提督の為に努力していたのだぞ。演習や通常の任務、大規模な作戦。全て提督の為だ。それに………」

武蔵「この鎮守府に最高練度は私だけだからな」

提督「………」

武蔵「真面目だな、提督は。気を使っているのだろう?」

武蔵「一番最初に最高練度になったこの私とケッコンするのは安直だと、考えが足りないと」

武蔵「提督よもう一度言わせてもらうぞ」

提督の正面に居直り真っ直ぐと提督を見つめる

武蔵「私は提督を愛している。私は提督に選んで欲しいのだ。提督にとっての最初で最後の女でありたい。」

武蔵「もし、それでも決心がつかないというのなら…私の貴方に対する想いを半分でも背負ってくれないか?」

武蔵「もちろん死ぬまでずっとだぞ」

その表情は少しだけ柔らかく情欲に満たされていた

提督「武蔵、私も好きなのかな?よくわからないんだ。武蔵の事考えていると変な感じなんだ」

武蔵「なら試してみるか?」

提督「試す?」

武蔵「そうだ。私と貴方で確かめようではないか」

提督「でもどうやって…」

武蔵「決まっていだろう。せっくすだ」

武蔵は徐にシャツを脱ぎ上半身を露わにした

提督「えっ」

武蔵「せっくすだ」

提督「……」

武蔵「覚悟なら出来ている。さぁ私を選んでくれ、後悔はさせない」

頭の中は真っ白になるのがわかった。ごちゃごちゃになる考え、武蔵の言葉が理解出来る筈なのに。

頭は真っ白なままだった。

武蔵「んっ…っぁ」

武蔵は優しく提督にキスをする

優しく優しく触れるだけのキス、それなのに武蔵の瞳はギラついている

提督「まっ、まってまって!?、えっえ?そんな」

武蔵「提督、無理なら解体してくれて構わない」

武蔵「経験は無いが、私がりーどするぞ」

再び武蔵の唇が近づく、提督はぎゅっと目を閉じている

女性と交わることなどなかった提督は緊張していた思うところはあった筈だが、和解してからの武蔵はとても切実だった

拒む理由もなく、拒むとしてもどうすればいいかなど提督には分かる訳がない

武蔵「提督、口を閉じないでくれ。舌が入れられないではないか」

提督「そんな事言われても困るよ‼︎」

茹で蛸の様に顔真っ赤に染まる提督、しかし武蔵は気にせず続ける

武蔵「提督よ。緊張するなとは言わんが、もっと柔らかく頼むぞ」

提督「そんなの無理だよ。もうわけわかんない‼︎」

武蔵「そう怒るな。ほら、りらっくすさせてやる」

武蔵は提督の左耳に息を吹きかける

提督「ひゃっ⁉︎」

情け無い声と共にビクリと震える提督。武蔵は昂ぶる思いを抑え、今度は耳たぶを食みはじめる

武蔵「んっ、はむ…ちゅっ」

提督「あっ…はぁ…んぅ」

武蔵「ちゅっ…っあ…ちゅぱっ」

大きく音を立てて提督を辱める。提督は武蔵から逃れようと抵抗する、しかし抵抗とは名ばかりのひ弱な足掻き

武蔵の責め立てに力など入っていない、押し退けられる筈も無く

提督「んっ…んぅ……はぁっ…」

武蔵の成すがままである

武蔵「緊張がほぐれてきたんじゃないか?」

提督「はぁ、はぁ……」

武蔵「それじゃあ……」

『ちゅっ』唇が触れ小さく音がなる。もう頑なに侵入を拒んでいた口は武蔵の侵入を許す

武蔵「はむ…ちゅっ…くちゃ……」

武蔵「ちゅっ…じゅるっ…くちゅ…」

武蔵「んっ…くちゅ……はぁ」

時折、下品な音立てて自ら興奮を煽る。提督は武蔵に成すがまま、されるがまま犯される

武蔵「(そろそろ行けそうか?)」

武蔵がキスをやめて膝立ちの状態で提督を見下ろす

提督と視線が合う。提督は恥ずかしさのあまり、両手で顔を隠す

その仕草が武蔵のリビドーを掻き立てる

武蔵「(んっ?ほぅ提督もやはり男だな)」

視線の先には膨らみがあった

武蔵は身につけていたスパッツを脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿になる

武蔵「提督」

提督「……」

武蔵「提督よ」

提督「……」

武蔵「私を見てくれないか」

手の隙間から武蔵を覗きみる提督。武蔵は生まれたままの姿だった

提督「(なんでこうなってるの、もうどうすればいいの?まともに武蔵を見れない)」

武蔵「提督、脱がすぞ」

武蔵はバスローブをぬがす

97の部分の訂正

女性と交わることなどなかった提督は緊張していた。思うところはあった筈だが、和解してからの武蔵はとても切実だった

拒む理由もなく、拒むとしてもどうすればいいかなど提督には分かる訳がない

武蔵「提督、口を閉じないでくれ。舌が入れられないではないか」

提督「そんな事言われても困るよ‼︎」

茹で蛸の様に顔真っ赤に染まる提督、しかし武蔵は気にせず続ける

武蔵「提督よ。緊張するなとは言わんが、もっと柔らかく頼むぞ」

提督「そんなの無理だよ。もうわけわかんない‼︎」

武蔵「そう怒るな。ほら、りらっくすさせてやる」

武蔵は提督の左耳に息を吹きかける

提督「ひゃっ⁉︎」

情け無い声と共にビクリと震える提督。武蔵は昂ぶる思いを抑え、今度は耳たぶを食みはじめる

武蔵「んっ、はむ…ちゅっ」

提督「あっ…はぁ…んぅ」

武蔵「ちゅっ…っあ…ちゅぱっ」

99からの続き

バスローブを脱がされる間、提督は拒む事はなかった。しかし身体を見られる恥ずかしさから身体を背ける

武蔵「隠さなくてもいいだろう」

提督「武蔵が堂々とし過ぎなんですよ‼︎」

武蔵「まぁ、そう怒るな。少なくとも私で興奮してるじゃないか」

提督「こんなの生理現象だよ!」

提督は羞恥心に駆られて今にも泣きそうになる

武蔵「そう怒らないでくれ」

武蔵は提督を抱き寄せる。初めてだらけで混乱する提督を落ち着かせる

提督「武蔵の変態。武蔵のせいでさっきから変だ、こんなの私じゃない」

武蔵「そんな事はない。そうなるのは普通の事だ、潔白過ぎるんだよ提督は」

武蔵「提督は私を受け入れてくれればいい」

返事を待たずして提督を押し倒す

武蔵「悪いが艦娘は解体されるまでは妊娠しないのは知ってるだろう?」

武蔵「だから避妊具無しだ」

提督「……」

武蔵「まぁ優しくするが、痛かったらいってくれ」

武蔵は提督の勃起したペニスを自ら充てがう。興奮して濡れた秘部はいとも簡単に呑み込む

提督「んっ…」

武蔵「ふ、ふぅ…全て入ったぞ」

武蔵「(初めては痛いと聞いたのだが、異物感はあるが……満たされるな」

提督「(どうしよう…やってしまった……でも、なんだか変な気分だ)」

提督「(満たされる、だなんて…)」

提督「(でも、悪い気はしないかも…)」

104←逆に考えるんだ、キスだけでもびしょ濡れになるんだと(無理は承知‼︎)



武蔵「提督は何もしなくていい」

武蔵「手を借りるぞ。正直なところ、もう我慢出来そうにない」

提督の両手を恋人繋ぎで押さえ込み、唇を重ねる。今度は先程よりも強欲に貪る

武蔵「んぅ…じゅる、ちゅっ…はむ」

武蔵「っちゅ、ちゅぱ…じゅる」

提督「ん、んぅ…はぁ…むぅ」

武蔵「(提督を犯している。提督を支配している…駄目だ、もっと提督が欲しい)」

提督「武蔵、武蔵‼︎」

武蔵「なんだ?」

提督「も、もっと優しくして。呼吸ができない」

武蔵「そう言われるとより激しくしたくなるな」

提督「そんな‼︎」

武蔵「悪いが私も余裕がない。提督を犯しているだけで幸せ過ぎてな…」

武蔵「接吻をまだ楽しみたいが、そこまで言うのなら」

武蔵「こっちを楽しませてもらおうか」

提督「ひっ⁉︎」

武蔵は提督の左耳にしゃぶりつく。それと同時にゆっくりと腰を上下にピストン運動させる

提督「ぅあ……あっ、あぁ」

提督「はぁ…はぁ…はぁ」

武蔵「気持ちいいだろ?提督、もっと硬くなってるぞ」

一定の間隔を保ちつつ、ゆったりしたストロークで責め立てる

激しく獣の様にではなく、あくまで理性的に行われる。ゆっくりと、ゆっくりと提督の全てを味わう

じゅぷっ じゅぷっ くちゅ 水音を立てて腰を上下させる


提督「うぅ…はぁっ…はぁ……んぅ」

武蔵「すぅーっふぅーっちゅぷ…ちゅーっ」

武蔵「ちゅぱ、ちゅ……んぅ…はむ」


下品な音を立てて耳を啄む、そして腰のストロークは丁寧に一定のリズムで責める。

提督「うぅ…はぁ…はぁ…ん」

武蔵「ふぅーふー。提督よ」

武蔵「提督の硬くて、一人でするよりずっと気持ちいいぞ」

提督「私は…別に…ひゃっ、あっ…んん」

左耳に生暖かくじっとりと湿った感触が襲う。武蔵の舌が這う。
耳の周りをなぞりつつ徐々に耳穴に舌を押し進める。舌がクチュクチュと水音が直に響く

甘噛みとは違う責めに翻弄される


提督「ぅあ…はぁ、はぁ…武蔵…むさしぃ」

提督「だめぇ…むさしぃ…はぁ、あぁっ」

甘ったるい声で武蔵の名前を呼ぶ

武蔵「どうしたのだ?」

提督「むさしぃ……」


武蔵「ほぅ………わかった提督。我慢しなくいいからな」

腰の動作を一定のリズムで先程よりも素早くする。
呼吸が荒くなり、次第に余裕もなくなる。

武蔵「ふぅ…ふぅ…ふぅ」

提督「はぁ…はぁ…あぁ」

提督の身体は強張り、握られた手にも力が入る。もう限界まで張り詰めている
武蔵はそれに気づいて動きを吸い取る用に腰を動かす。


提督「あぁ…あっ…んんぅ」

提督のピンと張った糸が切れ欲望が吐き出される。武蔵も昂ぶった感情を解放させる


武蔵「はぁーはぁー………どうだぁ提督」

武蔵「私はとても幸せだぞ」


武蔵はそのまま提督にもたれ掛かる。提督は荒い呼吸のまま無言になる


しばらくの沈黙。快楽の余韻に浸る

提督「武蔵…」

武蔵「どうかしたか」

提督「すごく恥ずかしいです……」

クスリと笑みを浮かべる武蔵。握った手を放して身体を起こす。じっと提督を見つめる

提督は即座に顔を隠してしまう


武蔵「どうして顔を隠すのだ」

提督「恥ずかしいので見ないでください」

武蔵「今更だな…」

提督「心臓が爆発しそう」

武蔵「ははは、それは困るなぁ」

武蔵「まぁなんだその風呂に入るか?思っていたより汗をかいたしな」

提督「……」

武蔵「湯を張るから待っていろ」

提督は部屋を去る武蔵を指の隙間から見送るのが精一杯だった。


風呂場


武蔵「ふーふんふんふうふふーんー」

武蔵「ふーふんふんふー」

提督「(まとも顔を見れない…鼻歌歌うなんて……緊張してるのがバカみたいじゃないですか」

風呂椅子に座り身体を洗う武蔵を見ながら浴槽に浸かる提督


提督「……!」

武蔵「ん?どうした」

提督「べ、別に」

武蔵「……!」

武蔵「(成る程…掻き出すのを見てたのか。生々しいからな)」

そしてまた無言が続く

武蔵「提督よ、少し詰めてくれ…」

提督「……」


一人用の風呂に二人で入る。狭い為密着する

武蔵の前に提督という形に収まった。心地よい温度に包まれたままゆったりと時間が過ぎる。


武蔵「どうだ、提督よ…少しは気持ちの整理はついたのか?」

提督「別に…でも…なんと言えばいいのか……」

提督「すごく、すごく幸せな気分だった……」

武蔵「ほぅ、愛らしいな」

提督「うるさいです」

武蔵「まぁなんだ、提督の気持ちを尊重するよ」

提督「武蔵はそれでいいの?」

武蔵「出来るならケッコンしたいさ。でも私に向けられないもの手にしても嬉しくないからな」

武蔵「それに今は幸せなんだ」

そっと抱きしめる

提督「そっか……」


その後床につくまで会話という会話もなくなった

あれから十日がたったある日

ピーポーン ザッ

提督『戦艦武蔵は至急執務室まで来るように』

ガチャ

北上「武蔵ー呼ばれてるよー」

武蔵「そうのようだな。行ってくる」

北上「くどいぞ北上」

いつもの戯れとばかりに言い合い、席を立ち執務室に向かう

執務室

コンコンッ

武蔵『戦艦武蔵だ』

提督「どうぞ」

ガチャ

武蔵「………それで提督よ私に何か用か?」

提督「ケッコンカッコカリについてです」

武蔵「……ほぅ」

提督「何ですか」

武蔵「いや……」

提督はニヤリと笑う武蔵に少し不機嫌になりながら席を立ち、武蔵の前に立つ

少し咳払いをして武蔵を見つめる

提督「武蔵……これを受け取って欲しい」

提督の手には小さな青い箱が。開けられたその箱には煌めく指輪

武蔵「提督よ、私に指輪をはめてくれ」

提督「私でいいんですか?」

武蔵「無論。私の心は提督だけと決まっている」

手を差し出す

提督「武蔵愛しています」

指輪を手に取ると武蔵の左手にゆっくりとはめる

そして口づけを交わす。甘い空気に満たされる

武蔵「提督よ、このあとの執務は無しだ」

提督「えっ?」

武蔵「悪いが全力でいかせてもらうぞ」

提督「えっ?え?あっ!?」



扉越し

大井「ほっといていいんですか」

北上「まぁいいんじゃない」

北上「さてお邪魔虫は退散退散」

大井「どうなっても知りませんよ」

北上「どうせ後で惚気てくるよ」

その後執務室から喘ぐ声が聞こえてきたとかこないとか

おしり


とりあえず終わらせてみたけどやっぱりSSは難しいでふ

乙でち

ところで、>>116は何かミスしてないかな?
武蔵と北上の掛け合いが抜けるの、とても勿体無い

>>122指摘ありがとう。よく見たら間違ってた。訂正致しまする。

>>116
あれから十日がたったある日

ピーポーン ザッ

提督『戦艦武蔵は至急執務室まで来るように』

ガチャ

北上「武蔵ー呼ばれてるよー」

武蔵「そうのようだな。行ってくる」

北上「変な事しちゃダメだよ」

武蔵「くどいぞ北上」

いつもの戯れとばかりに言い合い、席を立ち執務室に向かう

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年11月04日 (土) 22:16:49   ID: c9qsQQOX

雰囲気すこすこ

2 :  SS好きの774さん   2017年11月12日 (日) 16:16:05   ID: cqTHDP07

ワクワク

3 :  SS好きの774さん   2017年11月18日 (土) 21:51:45   ID: o3umMCbR

武蔵が面白い人になってる

4 :  匿名係 seasonK   2017年11月19日 (日) 22:11:38   ID: FBtuqXr8

提督の性別が……。

5 :  SS好きの774さん   2017年11月23日 (木) 07:02:21   ID: bQrzTWJu

タイトルが秀逸。

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