提督「丙提督?冗談はよしてくれ」 (50)

提督「今回の大規模作戦も皆さんの働きで無事終了する事が出来…」

提督「この通り大本営から11個目の甲勲章をいただいた」

五月雨「やりましたね提督!苦労した甲斐がありました!」

暁「えっへん!暁が1番頑張ったんだから!」

雷「またそんな事言って。みんなで頑張ったんでしょ」

暁「違うわよ!暁が1番資源を集めたの!!」

提督「これこれ喧嘩はいけません。暴力を振るって良い相手は深海棲艦共と丙提督共だけです」

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提督「我は己らに問う!汝ら何ぞや!!」

艦娘「我らは艦娘!甲提督の艦娘なり!!」

艦娘「我らは艦娘なり!艦娘の群れなり!!」

艦娘「ただ伏して提督の許しを請い、ただ伏して提督の敵を打ち倒す者なり!」

提督「はい、よく出来ました」


大淀「提督、映像の用意が出来ました」

五月雨「ここって私たちが行って来た場所ですね」

熊野「なるほど。まだクリアに至らない方々を眺め嘲笑うわけですわね。さすが提督」

提督「熊野、口は慎みたまえよ」

鹿島「そうですよ。提督さんがそのような下品な真似をする訳ありません」

熊野「と…とおぉぅ……」

提督「まだこの中には人として扱うべき提督がいるのかも知れんのだからな」

電「はわわっ、この人は自らに縛りの足枷を付けて戦っているのです」

雷「こんな編成でチャレンジするなんて凄いわね…」

提督「分かっていないな。2人共」

電「はわわっ!ちがうのです!司令官さんが1番凄いのです!」

雷「そうよ!司令官が1番なんだから!」

若葉「ここは私が責任をとって腹を切ろう」

提督「己に縛りを用意して難易度を上げている」

提督「なるほどなるほど。それは素晴らしい志だ」

提督「だが諸君。忘れないで貰いたい」

提督「その縛りに翻弄され、海域を制圧できない提督は無能!あえて言おう、カスであると!!」

提督「以前大本営へ出向いた時に同期の提督がいてな。やれ駆逐艦だけの艦隊でどうだなんだと自慢げに話していた」

提督「側にはもう1人の提督。彼は大和型を始め持てる戦力を全て注ぎ込みギリギリ海域の制圧に間に合ったらしい」

提督「縛りを加えただけで、評価は雲泥の差だった。周りは凄い凄いと奴を崇める程。同じ海域を制圧した提督なのに、だ!」

提督「だが所詮贈られる報酬は同じ。同じ甲勲章を貰うのだ」

提督「それからも奴は自慢げに延々と武勇伝を語っていたな」

提督「そしてその次の大規模作戦の時、奴は縛りに拘り作戦を失敗した」

「いやー、今回はあの編成じゃやっぱ無理だったわー。火力が足りなさすぎてさー」

提督「反吐がでる様な言い訳だ。自分が好き好んで選んだ艦で成功すれば自分の手柄。失敗すれば艦娘の責任」

提督「その後で場の空気を察したのか艦娘は良くやっただかなんだか言っていた気がするが……耳には入らなかったな」

提督「あいつはもう甲提督ではない。甲提督以外に人権はないのだから」

提督「甲提督にとって大和型を費やしてだろうが甲勲章を取り続けた彼は戦友だが、取り逃がしたやつはもう路傍の石なのだ」

榛名「でも好きな艦娘だけで艦隊を組んで最後まで戦うのって……なんだか素敵ですね」

提督「私が榛名を愛していないとでも?少なくとも奴の艦娘に向ける愛情の何倍も注いでいるつもりだが」

榛名「うっ…」

比叡「榛名!どうしたんですか!?お腹が痛いんですか!?」

明石「ちょっとすいません」

明石「…………ご懐妊です」

比叡「ひえー!!」

榛名「すみません、うれしくてつい」

那珂「愛と言えばー、応急修理無しで海域に挑戦する人がいるよね!あれって愛を感じちゃうなー」

提督「なにがだ?」

那珂「え…?えっと……助かるとは言え一度沈みかけちゃう訳だし。愛があるなーって」

提督「山城、もし自分がそんな境遇にあったらどうして貰いたい?」

山城「私はそのまま進んでいただきたいです」

那珂「どうして!?」

山城「轟沈しそうになるとは言え必ず助かる訳ですし」

山城「親切心か知りませんけど大破状態のままで戻って来いって言われても同じ様に辛いですから」

山城「それに私だけが大破したせいで鎮守府へ帰るなんて気まずいじゃないですか……」

山城「大破して応急修理女神を使用したら完全に修復れる訳ですし。そこから大活躍して褒められる事もあるんですよ。ふふふ」

川内「確かに死に掛けで鎮守府まで帰ってこーい!より、提督が女神様を用意して積んでくれてる方が愛を感じるよねー」

那珂「で、でも…」

提督「那珂の言っている事はなんとなくわかるの」

提督「だがな、応急修理を積まない縛りを自分の達成感だけの為にやっている奴はいくらでもいるんだよ」

提督「自分で勝手にそんなルールを決めて、大破して帰ってきた艦娘に罵声を浴びせる」

提督「だったら初めから応急修理を積めば良いじゃないか」

那珂「だけど!」

神通「那珂ちゃん、もうやめましょう。愛情なら私たちも沢山貰ってるんだから」

那珂「ぶーぶー」

神通「提督は私達の為に何十万も女神に費やしてくれているんだから」

那珂「え?これそんなに高いの!?」

大淀「提督、新たな甲提督が誕生しました」

提督「素晴らしい。新たな仲間の誕生の瞬間を見逃したのは残念だが…」

提督「ん?甲勲章数1……?チッ、ゴミめ」

夕張「でも新人さんかも知れませんし、それに最近は手に入れた甲勲章をすぐに捨ててしまう人もいるみたいですよ!」

明石「なんのために捨ててるの?」

夕張「んーと、甲勲章の呪いがどうとか」

提督「くだらん。最高にくだらん」

提督「なぜ甲勲章を捨てる必要がある」

夕張「ですから、甲勲章に囚われないために」

提督「では何故甲作戦に挑戦する」

夕張「それは…高い難易度に挑戦したいから…ですかね?」

提督「そいつの過去を調べてみろ。必ず甲勲章を取り逃がしているはずだ」

提督「甲勲章と言うのは最多数を持っていなければ1も10も似た様なもの」

提督「今10しか無い者は一生かかっても最多数には追いつけんのだ」

提督「それが悔しくて『自分は甲勲章に拘らない。だから手に入れてもすぐに捨ててしまう』などと言い訳しているに過ぎん」

提督「私に言わせれば最高に見苦しい行為だな」

提督「甲勲章は私にとって命だ」

提督「今回もその甲勲章の為に身を粉にして働いてくれた諸君には礼をさせて貰う!」

艦娘「ワーワー!まみやー!まみやー!」

提督「まずは夕張」

夕張「私に?でも今回は出撃も支援もしていませんけど…」

提督「この作戦まで遠征で資源を集めてくれていただろう?」

提督「今回の勝利もお前たちの日々の頑張りがあってこそだ。感謝する。ありがとう」

夕張「で、でぃどぐぅ~!」

明石「ご懐妊です!」

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