提督は('A`)のようです (87)
モバマス、艦これ要素あり
('A`)は提督のようです
('A`)は提督のようです - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417224182/)
ちひろ「奇異怪々」
ちひろ「奇異怪々」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1400/14004/1400499221.html)
の続きのようなモノ
前知識…艦これゲーム中、母港(いわゆるメニュー画面)に表示されるキャラをクリックすると三種のセリフをランダムで喋ります
クリックし過ぎると同じセリフを繰り返すようになります
五分放置すると特定のセリフを喋ります
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418204217
――
('A`)「……」カチン
ヂヂッ
フィーン
('A`)「……」カチ カチ
<カ ン コ レ
('A`)「……」カチ
<カンコレ ハジマリマス
('A`)「……」カチ
~~
テイトクガ チンジュフニ チャクニンシマシタ
コレヨリ カンタイノ シキヲトリマス
~~
<クチクカンシマカゼデス!スピードナラダレニモ
('A`)「……」カチ
<カケッコシタインデスカ?マケマセンヨ
('A`)「……」カチ
<テートクッ!オハヨウゴザイマーッス!
('A`)「……」カチ
<カケッコシタ
('A`)「……」カチ
<カケッコ
('A`)「……」カチ
<テートクッ!オハ
('A`)「……」カチ
<オゥッ
('A`)「……」
('A`)「……」カチ
<オゥッ
('A`)「……こないだ面接受けたとこからさ」カチ
<オゥッ
('A`)「封筒届いたんだよ」カチ
<オゥッ
('A`)「……お祈りしますとさ」カチ
<オゥッ
('A`)「……」
('A`)「……定型文乙」カチ
<オゥッ
――
('A`)「……あ、お忙しい所失礼いたします、ドクオと申します」
('A`)「えぇと、ウェブ、御社のウェブサイトの方でアルバイトの募集をされているという事でしたので」
('A`)「……えぇ、あぁ、はい、あ、いえいえ、はい、はい、失礼いたします……」
('A`)「……」
('A`)「……女子トイレの清掃は出来ねぇよなぁ……」カチ
<オゥッ
('A`)「あぁもう次、次」
<オゥッ
――
『レレレレレレ!!レレレレレレレレレレレ!!』
(#'A`)『レレレレレレレレレレレレ!!』
『レレレレレレレレレレレレ!!!』
(#'A`)『レレレレレ!レレレレレレレレ!』
『レレレレレレ!!』
(#'A`)『!!』
('A`)「――っ……はぁ……」ブルッ
('A`)(失敗経験のフラッシュバックとかマジ辛いんですけどー)
('A`)(まぁ誰にでもあるよね)
('A`)「……」カチ
<オゥッ
('A`)「っと、修理修理……の間に……」カチ カチ
<ゴメンナサイ チョットオケショウナオシマス
<コンナニナルマデコキツカイヤガッテ クソガ!
('A`)「すまんね摩耶さん……っと」
('A`)(終わるまで動画……求人サイト覗くか)カチ
<オゥッ
('A`)「……?」
('A`)(ま、気のせいか)カチ
~~
島風「てーとく!てーとくってばっ!!」
提督「ん?……あぁ、どうした?」
島風「もぉっ!駆けっこしてくれるって言ったでしょ!」
提督「あぁ!もうこんな時間か!悪い悪い!」
蒼龍「あの、提督?大丈夫ですか?」
提督「何が?」
蒼龍「いえ、この前も食事中にその……上の空と言うか……」
提督「あぁ、ちょっと考え事してただけだから」
提督「心配してくれてありがとな」
蒼龍「あ、いえ……!」
島風「ほらっ!てーとく早くー!」
――
('A`)「……」
('A`)「……」
('A`)「……うぉ、寝てた……」
('A`)(あ、志望動機考えてる内に寝てたのか)
('A`)「んー……」カリカリ
――
('A`)「では、失礼します!」
<バタン
('A`)「……」
('A`)(面接時間十五分オーバー……落ちたなこりゃ)
('A`)「さ、次だ次」
――
('A`)「……」カリカリ
('A`)(……御社で働きたいと……)カリカリ
('A`)「……あ」
http://i.imgur.com/kwyzelQ.jpg
(;'A`)「……」
(;'A`)「何て読むんだよコレ……」
('A`)「履歴書これでラストだってのに……買いに行かねーと」
~~
島風「てーとくってさ、いつ見ても冴えない顔してるね」
提督「こりゃ生まれつきだ」
提督「島風こそ、いつ見ても暗い顔してたじゃないか」
島風「えぇっ!?今もしてる!?」
提督「いや、今は違うけどさ」
島風「そっか♪今は楽しいよ!てーとくのお陰っ!」
提督「ん……」ポリポリ
島風「だからほら、てーとくも暗い顔しないで欲しいな?」
提督「してたか?」
島風「うん。こんな感じ」ンー
提督「……ふ、はは!そんなヒドイ顔してたのか!」
――
('A`)「……」カチ カチ
('A`)「……」
('A`)「……お、これいいな」
<ン、イマ、レンソウホウチャントオハナシシテタノ
<ダッテタイクツナンダモン
('A`)「……」
('A`)「……」カチ
<オゥッ
――
('A`)「そういや前にさ」カチッ
<オゥッ
('A`)「すんげー霧島に似てる人と擦れ違ったの」カチッ
<オゥッ
('A`)「まぁ、だからなんだって話だけどさ」カチッ
<オゥッ
('A`)「三次にも似てる人っているもんなんだな」カチッ
<オゥッ
~~
提督「……んぁ?」
摩耶「おう、起きたか?」
提督「寝てたか……悪いな」
摩耶「……なぁ、本当に大丈夫か?」
摩耶「疲れてるならちゃんと休んだ方がいいぞ?」
提督「いや、大丈夫だ。摩耶は優しいな」
摩耶「なっ!?……あぁー!ほら、お前が寝てる間に書類終わらせといてやったから!」
摩耶「チェックしといてくれ!」バサッ
提督「おっと、ありがとな」
摩耶「いや……別に……」
――
('A`)「……っくしゅん!」
('A`)(あぁ、また寝落ちしてたか)
<ダイジョウブ?
('A`)「あぁ、大丈夫大丈夫」
('A`)「え?」
('A`)「……」
('A`)「……」
(;'A`)「……」ソーッ
(;'A`)「……」カチ
<オゥッ
(;'A`)「……」
(;'A`)「いやいや幻聴とか勘弁してくれよ……」
~~
島風「……ねぇ提督」
提督「ん?」
島風「これからもずっと、一緒にいてくれるよね?」
提督「どうしたんだ急に」
島風「いーから答えてよ」
提督「大丈夫。ずっと一緒だ」
島風「ほんと?」
提督「あぁ、ほら指切り」
島風「――ゆーびきったっ!」
島風「えへへ……」
提督「なんだよ?」
島風「なんでもなーい♪」
島風「ねぇ提督?」
提督「んー?」
島風「ずっと一緒だよ?」
――
『ほんと?』
('A`)『あぁ、ほら指切り』
『……うん』
('A`)『うーそつーいたーらはーりせんぼんのーます』
『ゆーびきったっ』
『ね、来年も絶対来ようね』
('A`)「……ん」モゾ
('A`)(なんだろ、すげー幸せな夢見たような気がする)
('A`)「……」
('A`)(あ、今日面接だっけ……)
('A`)(こっちが夢ならいいのにな)
ガタン ゴトン
('A`)「……」
ガタン ゴトン
('A`)「……」
ガタン ゴトン
<シマリマスドアニ ゴチュウイクダサイ
('A`)「……」
プシュー
「……」ストン
('A`)「……」
('A`)(隣にJKが座った時の緊張感は異常)
「……」
('A`)「?」
「……」
('A`)(え?なんか見られてなかった?いや気のせい絶対気のせい)
('A`)(もしくは『何コイツ超キメェ』とか『なんか変な臭いすんな』とかそういうヤツだ)
('A`)(うん)
ガタン ゴトン
――
('A`)「……」カチ
<オゥッ
('A`)「……また面接落ちたわ」カチ
<オゥッ
('A`)「……何やってんだろうな、俺」
<ズットイッショダヨ
('A`)「……」
('A`)「……」カチ
<オゥッ
('A`)「また幻聴かよ……俺やべぇ」
~~
提督「……?」
提督(あれ?停電?)
提督「懐中電灯……あったあった」
提督(皆は……まぁ心配ないだろうけど)ガタッ
<ガチャ
提督「ひゃっ!?」
「提督」
提督「あ、あぁ、島風か……ビックリした……」
「ていとく」
提督「あぁ、停電みたいだな。ちょっと外見て――」
「テイトク」
――
(;'A`)「!!」ガバッ
(;'A`)「ハァ……ハァ……」
(;'A`)(あぁー、なんか嫌な夢見た……)
('A`)「……ハァ」
('A`)(続きを見ませんように……っと)ゴロン
~~
<パーン
提督「」ビクッ
島風「誕生日おめでとー!!」
蒼龍「おめでとうございます!」
摩耶「……」プイッ
提督「……え?」
蒼龍「あれ?違いました?」
摩耶「いや、合ってるはずだろ?」
提督「あ、あぁ、確かに今日誕生日だけど……」
島風「ほらお祝い!座って座って!」
提督「お、おう。すごいな飾り付け……」
蒼龍「ありがとうございます♪皆で飾り付けしたんですよ♪」
提督「そうかぁ」
摩耶「あ、アタシは仕方なくだからな!」
提督「あぁ、ありがとうな」
島風「ほらてーとくっ!ローソクの火消して!」
提督「……何年ぶりかなぁ、こんな誕生日」
――
('A`)「……ハッピバースデートゥーミー」
('A`)「……」
('A`)「……」ズルズル
('A`)「……」モグモグ
(´・ω・`)『本日のゲストは人気アイドル、浜口あやめちゃんでーす!』
あやめ『ニンッ!よろしくお願い致します!』
('A`)「テレビつまんねぇなぁ……」ポチッ
<プツン
('A`)「……」ズルズル
('A`)「……」モグモグ
('A`)(さっきの子、こないだ電車で座ってた子に似てたな)モグモグ
~~
島風「ほらてーとくっ!早く早くー!!」
提督「そんなに急がなくても店は逃げないぞ?」
島風「だってー」
提督「言ったろ?ずっと一緒にいるって」
島風「……うん!そうだね!」ニコ
島風「ずっと一緒にいてくれるって約束したもんね!」
提督「おーう」
島風「ねぇ提督?」
提督「んー?」
「ズットココニイテクレル?」
('A`)「……」
('A`)「え?」
(;'A`)「……」
(;'A`)「……」
(;'A`)「誰だオマエ」
「ヒドイヨテートクッ!島風ダヨ!」
(;'A`)「いやいやいやいや」
(;'A`)「駆逐棲姫じゃないっすか」
「ソウダヨ!島風ダヨ!」
(;'A`)「は?え?」
「約束シタヨネ?」
「ズット」
「ズーット、一緒ニイテクレルッテ!」
('A`)(あ、これ夢だ)
('A`)(明晰夢だっけ?なんかそんなヤツ)
「テートクガ怖イ事モ、悲シイ事モ、苦シイ事モ、ココニハナーンニモ無インダヨ?」
('A`)「……いいなぁ、それ」
「デショ?モウアンナニ苦シイ顔シナクテモイインダヨ!」
('A`)「え?」
「イッツモ私ト、オ話スル時、提督苦シソウナ顔シテタンダモン!」
('A`)「……話した事、あったっけ?」
「何言ッテルノ?イツモ、オ話シテクレタジャナイ」
「四角イ箱ノ中カラ」
('A`)「……は?」
――
<prrrrrrrrr
('A`)「ん……」モゾモゾ
<prrrrrrrrr
('A`)(携帯?誰から……)
<prrrrrrrrr
('A`)(あれ?俺いっつもマナーモードのはず……)
<pr
('A`)「……」
(;'A`)「……」ソーッ
(;'A`)「……マナーモードじゃん……」
(;'A`)「……着信ナシじゃん……」
(;'A`)「……えぇー……」
――
('A`)「……」カチン
ヂヂッ
フィーン
('A`)「……」カチ カチ
<カンコレ
('A`)「……」カチ
<イイコト? アカツキノスイヘイセンニ ショウリヲキザミナサイ!
('A`)「……」カチ
('A`)「……」
('A`)(……いや、あれは夢の話だし)
('A`)(つーか艦これの夢なのに駆逐棲姫とか。いや嫌いじゃないけど)
('A`)(もっとこう、何かあったろ……)
('A`)「……」
('A`)「聞こえてるかー?」
('A`)「……」
('A`)「……なんてな」
('A`)「……」
('A`)「……」
('A`)「……」
('A`)「……」カチ
<テートクッ!オハヨー!
<キノウハナンデキュウニイナクナッタノ?
('A`)「……」
('A`)「えぇー……」カチ
('A`)「セリフ違うじゃないっすかー……」カチ
ヂヂヂヂヂヂ
ッフィーン
('A`)(……マジかよ)
('A`)(ビックリするくらい冷静に電源落としちまったよ)
――
('A`)「どうだろう」
('A`)「あの夢も島風のセリフが違ったのも」
('A`)「どっちも夢で」
('A`)「今寝たら夢から覚めるとしたら」
('A`)「どうだろう」
('A`)「……あぁー、寝るのめっちゃこええ……」
('A`)「……まぁ、どうせ何もない、はず、うん」
('A`)「……」ウツラウツラ
('A`)「……」ハッ
('A`)「……」
('A`)「……」ウツラウツラ
('A`)「……」
('A`)「……」
('A`)「……」ハッ
('A`)「……」
('A`)「……」ウツラウツラ
――
('A`)「……ん」モゾ
('A`)(あ、寝ちまってたか)
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
('A`)(耳鳴り?)
('A`)(あ、なんかアレだ)
('A`)(これアカンヤツや)
('A`)(なんか足元の方からすっごい視線感じるんですけど)
('A`)(あヤバい金縛りキタってかコレ金縛りか、えぇー……)
('A`)(ヤバいこれヤバイ何がヤバイってもう何もかもがヤバイ)
ズル
('A`)(耳鳴りすごいのに何か引き摺ってる音めっちゃ聞こえるヤバイ)
ズル
('A`)(え?何?何来てんのこれ?)
ズル
『テートク♪』
('A`)(……マジかよ)
ズル ズル ズル
『一緒♪ズーット一緒♪』
ズル ズル ズル
『ホラ』
『一緒ニ帰ロ?』
『獏【バク】』
人の夢を食べる妖怪
良い夢を食べて悪夢を見せるモノ、悪夢を食べて良い夢を見せるモノなど諸説あるが
凶事の前兆である悪夢を見た際に「獏にあげます」と言うとその悪夢を食べ、凶事を取り払う
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「――起きない人がいる?」
あやめ「はっ!我が一族が枕返しなのはちひろ殿もご存知の通り」
あやめ「他の管轄で活動している一族の者から聞いた話です故、あやめ自身も確認しておりません」
ちひろ「もしかして、何か悪い怪物が出て来てるんじゃ……」
モバP「その可能性はありそうですね」
モバP「実際ホラ、異世界の怪物が暴れた事例がありますし」
ちひろ「ありましたねー……」
モバP「まぁ管轄外ではありますが、助けを求められた以上さくっと終わらせましょう」ポパピプペ
あやめ「感謝致します!」
モバP「――あぁ卯月?○○アパートの203号室の男性が起きない原因は?」
ちひろ「便利ですねー卯月ちゃん……」
あやめ「如何様な質問にも答える……素晴らしい能力です」
ちひろ(今度ご飯誘ってあげよう)ウン
モバP「――わかった、ありがとう。そうだ、今週末空いてるか?」
モバP「――あぁ、皆でご飯食べに行こうと思ってな。それじゃ、また明日」pi
ちひろ「Pさん、たまに私の心読んでませんか?」
モバP「……」
ちひろ「……Pさん?」
あやめ「どうなされました?」
モバP「いや、原因は分かったんですが……」
ちひろ「なんです?あ、も、もしかして怖いヤツですか?」
モバP「怖いヤツかも知れませんね……付喪神の仕業ではあるんですが……」
モバP「まぁ、解決自体はすぐに出来そうです」
マキノ「プロデューサー、さっきの卯月との電話を基に必要そうなデータを出してきたわ」ピラッ
モバP「留美さんとちひろさんに渡しといてくれ。僕はちょっと輝子の部屋に行ってくる」ヌィッ
マキノ「わかったわ。はいちひろさん」ピラッ
ちひろ「ありがと。どれどれー?」ペラ
ちひろ「……ネット上に発生した付喪神、ねぇ……」ペラ
マキノ「初めての例よ。NIROとしても見逃せない内容でしょうね」
留美「マキノさん、これ本部に送っておいてもらえる?」
マキノ「えぇ、送ってくるわね」スタスタ
ちひろ「……これ、この男性と一緒に夢の中にいるって書いてありますけど」
ちひろ「どうやって解決するんでしょう?」
留美「あら、それならプロフェッショナルがいるじゃない」
ちひろ「……あぁ、そういえばかな子ちゃんは獏でしたね」
――輝子の部屋
モバP「という訳で、その部屋までの移動を頼みたい」
輝子「お、おう、任せろマイフレンド……フヒヒヒ」
モバP「それと、フユノさんも来てもらっていいですか?」
霧島「私もですか?」
モバP「ええ」
モバP「この付喪神、艦娘を題材にしたゲームを媒体にして発生した付喪神なんです」
モバP「……どうします?」
霧島「……行きましょう。有事の際はお任せ下さい」
『獏【バク】』
人の夢の中に入り込み凶事を避ける為の知恵を授ける、いわゆるお告げをする事もあり
妖怪の中でも位が高い一族だが、最近は悪夢より甘味の方が美味しいと言う声が多数挙がっている
~~
島風「てーとくっ!おはよーございまーっす!」
('A`)「あぁ、おはよう島風」
島風「どうしたの提督!顔色悪いよ!?」
('A`)「あぁ……恥ずかしい話だけど、怖い夢を見て眠れなくてな」
島風「もぉ、ダメだよーちゃんと寝ないと!」
島風「とりあえずご飯食べて、ちゃんと休も?」
('A`)「あぁ、そうだな――」フラッ
バタ
島風「提督?……てーとくっ!?」
――○○アパート・203号室
輝子「と、とうちゃーく……フヒ」ニュッ
モバP「助かったよ輝子。僕らが帰ってくるまでちょっと待っててくれ」
輝子「お、おう……」
モバP「さてかな子、頼むぞ」
かな子「はい!」
ちひろ「なんで私まで連れてきたんですか!」
モバP「他人の夢の中に入るなんてなかなか出来ませんからね。いい経験でしょう」ハッハッハ
ちひろ「そんな経験したく無いです!帰る!お家帰る!」ダッ
モバP「フユノさん」
霧島「はい」ヒョイ
ちひろ「片手で担ぎ上げないで!降ろしてぇ!」ジタバタ
霧島「ちひろさん、覚悟を決めて下さい」
ちひろ「フユノさんまで……あぁもう分かりましたよっ!」
~~
ちひろ「わぁ……」
ちひろ「もっとジメジメした暗い世界かと思ってたんだけど……」
かな子「綺麗な街並みですね……」
霧島「そうですね……」
モバP「全部ハリボテですけどね。本命はあっちの赤レンガでしょう」
霧島「……岩川鎮守府って書いてありますけど、私がいた世界の大本営くらいありますよアレ」
モバP「まぁ、とりあえず行きましょうか」
かな子「あ、誰か出て来ましたよ?」
モバP「あれは?」
霧島「島風のようですが……」
ちひろ「こっち来たって早っ!?」
島風「ねぇ助けて!てーとくが起きなくなっちゃったの!!」
モバP「……アナタがドクオさんをココに連れてきた付喪神さんですね?」
島風「もぉっ!それより早く助けて!てーとくが!てーとくが!」
モバP「ふむ……」
霧島「御案内、お願いします」
島風「こっち!早く早く!」
霧島「随分質素な執務室ですね」
ちひろ「充分豪華だと思いますけど……椅子とか」
モバP「彼が?」
島風「うん!ねぇ大丈夫だよね!?提督ちゃんと起きるよね!?」
モバP「……かな子、どうだ?」
かな子「えぇと……」
ちひろ(額に手を当てて……何してるんだろ?)
かな子「えぇ、大丈夫ですよ」ニコ
島風「ほんと!?」パァッ
かな子「はい。でも今この人は、現実で起こっていた事……今までの記憶を悪夢として見ています」
ちひろ「え、夢の中で夢を見てるんですか?」
かな子「あ、はい。私達がいるのは、こちらの付喪神さんの夢の中なんです」
島風「?」
ちひろ「……はい?」
モバP「なるほど、彼の夢の中に入り込んだんじゃないのか」
霧島「人に自分の夢を見せている、という事でしょうか?」
かな子「そう……ですね。彼はそれを現実として受け止め、記憶を悪夢として捉えちゃったみたいです」
ちひろ「えぇー……出来るんですかそんな事?」
モバP「現にやっちゃってるんだからなぁ……」
島風「ね、ねぇ?私のせいなの?」
島風「私のせいで提督、起きなくなっちゃったの?」ジワッ
モバP「……そうなります」
島風「ごめんなさい提督……ごめんなさい……」ポロポロ
駆逐棲姫「ごめっ……なさい……エグッ……ゴメンナサイ……」ポロポロ
モバP「!」
ちひろ「変身した!?」
霧島「深海棲艦に似ていますが……このタイプは初めて見ますね」
霧島「あ、そうか。ゲームの方を媒体にしてるから……いやでも知らないだけで実は……」ブツブツ
駆逐棲姫「モウ、ズット一緒ナンテワガママ言ワナイカラ……」
駆逐棲姫「オ願イ……提督ヲ……助ケテ」グスッ
モバP「元よりそのつもりですのでご安心下さい。かな子、彼を起こせるか?」
かな子「大丈夫です。悪い夢を食べるのが獏ですから♪」
ちひろ「あ、でもドクオさんの記憶が消えちゃったりは……?」
かな子「夢は夢、記憶は記憶です。さーていただきまーす♪」
ちひろ「あれ意外と雑!?」
('A`)「……ん」
('A`)「……あれ?」
駆逐棲姫「テートクッ!」ガバッ
(;'A`)「うぉっ!?」
駆逐棲姫「ゴメンナサイ!提督、ゴメンナサイ!」ギュウウウウ
(;'A`)「ちょ、苦しい、苦しい」
モバP「さて、じゃあ彼をこの夢から解放してもらえますか?」
駆逐棲姫「……ウン……」
(;'A`)「え、ちょ、どちら様!?ってかどういう事!?」
モバP「ドクオさん、詳しい話は後でしますから早く戻られた方がいいですよ」
(;'A`)「も、戻るって!?」
モバP「現実に、です。早くしないと色んなもん漏らす事になりますよ貴方の身体」
ちひろ・霧島「「うわぁ」」
かな子「……///」カァ
('A`)「早急に帰らせて下さいお願いします」
('A`)「あ、でもコイツは……」
駆逐棲姫「……」
('A`)「どうなるんです……?」
霧島「……」
かな子「……」
ちひろ「ど、どうなるんですPさん?」
モバP「こんな事した張本人ですからね……」
モバP「ちょっと検査してからウチで保護しますよ」
(;'A`)「軽くないっすか?」
駆逐棲姫「ジャア!マタ提督ニ会エルノ!?」
モバP「会えます会えます」
駆逐棲姫「……ワーイ!!」ヤッター
ちひろ「Pさん、事前に私達にも話してから行動してくれませんか?」
モバP「それじゃ面白くないでしょう」
ちひろ「そんな面白さはいらないんですってば!」
――
('A`)「……ん」パチッ
('A`)「……」ムクッ
(;'A`)「……」
(;'A`)(これは強烈な便意!!!!)ダッ
<バタン
輝子「……い、一件落着……?」
モバP「一先ずは、な」
――
あれから一週間
『ウチのアイドル達の正体を知ったからにはタダで済むと思わないで下さいね』
と言うPさんスマイルを見た俺は、CGプロダクションというアイドル事務所で雑務をこなさせて頂いている
この間に解った事は、神様や妖怪というモノは実在しているという事
そういったモノ達の保護や活動を支援する為にNIROという組織があり、アイドル事務所を運営している事
俺がいるこの世界も無限に存在する平行世界の内の一つであり
世の中の創作物の少なくとも一割は作者が夢で見た平行世界の内容である事
あの一件で俺が寝たままだった場合、他の世界の俺にも影響があったらしい
平行世界がいくつあっても魂は一つだ、というからそれも頷ける
あの一件で俺に取り憑いていたのは、ネット上で集まった想いで出来た付喪神だったらしい
付喪神とは長らく人の想いを集めたモノや、短期間で強い想いを集めたモノに発生すると言う
ただの一本の木でも崇める人が集まればご神木になるようなモノだ、というのはPさんの談だが
納得できるようなできないような微妙な感じ
ついでに着信履歴に残らなかった着信についても聞いてみたが、どうも俺の守護霊……いわゆる背後霊が護ってくれたらしい
俺自身が弱まってたせいか、かなり弱体化していたのに精いっぱい頑張ってくれたとかで
ちゃんと感謝しておくように、と言われてもイマイチピンと来ていないが、まぁ、多分、いるんだろうし感謝している
それと、彼女が俺に取り憑いたのは、俺が彼女に気が付いたからだと言われた
あの『オゥッ』がサインだったらしい
後日確認の為に島風を何度もクリックしてみても、駆けっこしたいか聞いてくるだけだった
外見が駆逐棲姫なのも、俺の好みに合わせたかららしい。あくまで『らしい』だ
葛霧「てーとくっ♪」ギュー
('A`)「あのね、あんまり引っ付かないで」
その御本人は別世界のノヴァという人(?)から実体を貰ってご満悦であり
俺はこの付喪神様(生後数か月)と行動を共にするよう命じられた
彼女の名前についても触れておかなきゃならない
ネット上では春雨に似ている、という理由で悪雨などと呼ばれている駆逐棲姫であるが
NIROの代表様直々に付けられた名前は葛霧である
「葛きりじゃないよ。葛霧だ。いいと思わないか?」
そうドヤ顔で語る代表様は最高に残念な美人であり
そこでツッコミを入れられるほどコミュ力の無い俺はそうですねとしか答えられなかった
後で聞いた所、霧島先輩のフユノという名前も代表様に付けられたそうだ
さて、現在俺は何をしているかと言うと
世界の狭間と呼ばれる平行世界どうしのスキマ
そこに巣食う怪物……人の負の感情が固まって出来たモノらしい。実際おっかねぇ……が艦娘が実在する世界に浸透しているという事で
提督としてこの世界に潜入し、怪物退治の手伝いをしている
NIROのお偉いさんやPさんに適している、と言われれば断る事も出来ない
この世界では怪物=深海棲艦なので手加減は無用、と霧島先輩が言っていたので少しホッとした
その霧島先輩自身は、こことはまた別の艦娘の実在する世界で怪物と戦っている
元々艦娘だという先輩の事だから、事務より戦う方が得意なんだろう
('A`)「……」ッターン
('A`)「……」
(;'A`)(……誰に向けて書いたんだコレ?)
葛霧「どうしたの?」
('A`)(保存しますか?いいえ、ケフィアです)カチッ
('A`)「いや、何でもない」
<ガチャ
摩耶「提督、艦隊帰投したぜー」
(;'A`)「ちゃんと入渠してから報告に来てって言ったよね!?」
摩耶「んだよメンドクセーなー……じゃ、報告はしたからなー」
('A`)(これまで画面上のキャラだったはずの彼女達が出撃する姿を見送る、というのは非常に胃が痛くなる業務だ)
('A`)(提督業というのは、とてもツライ)
('A`)(でも、それでも)
('A`)(今度は逃げる訳にはいかないんだ)ウン
葛霧「提督、変な顔してどうしたの?」
(;'A`)「こりゃ生まれつきだ」
提督は('A`)のようです おしまい
お粗末様でした。少しでも楽しんでもらえたなら何よりで御座います
ではまた、機会があれば
このSSまとめへのコメント
おおう、奇異怪々の人だったのか。艦これのまとめにあったからそれとは思わなかった……
楽しかったです!これからも頑張ってください!