ジュース一杯分の誓い【オリジナル】 (15)


・亀更新
・書き溜め?なにそれ?ネタは書きながら考える
・ちゃちな文章
・妄想爆発
・グダグダな長編
>>1の美学が満載

無理な人は回れ右

まぁ見てやらんこともないって人は・・・
表面的な厳しさに見え隠れする優しさを持ってそうだから全員いおりん

ちなみにこのSSのプロットは、大学の講義中にいおりん書いてたら思いついた

※アイマスSSではない

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417192334


外の日は落ち、静寂が支配する静かな夜。
都市から外れた場所にある小さな工場の中で、積まれたタイヤを椅子代わりに座る幼い少女と、タイヤによしかかりながら話す青年がいた。


厳密に言えば話ではない、二人が交わすのは問答。
子供の知的好奇心を満たすために青年はただただ質問に答える。
二人が手に持つガラスのコップには、オレンジジュースが注がれていた。
それをたびたび口にしながら、二人の会話は続く。


少女「じゃあ、地球はどうやってできたの?」

青年「俺たちがが生活するこの地球は、まぁ・・・約46億年前に生まれたわけよ。宇宙で塵やガスが冷えて固まり、いくつもの小惑星とぶつかってなんやかんやあって地球っぽいのができて海ができた。」

少女「なんやかんやってなに?」


青年「しばらく経つと、海の中では生物が生まれた・・・三葉虫とかアンモナイトじゃなくてミジンコみたいな奴等だ。」

少女「なんやかんやの部分知りたい」

青年「ややこしくなるからやめとけ」



少女「じゃあ・・・そのミジンコはどうやって生まれたの?」

青年「知らん、いくつか仮説があるみたいだが知りたきゃそっちの専門家にでもなれ。」

少女「ふーん・・・それじゃあきっと神様が作ったんじゃないかな?」

青年「神様が作った?まぁそういった論もあるな・・・ID論って言ってな・・・あ。これは神様じゃないな!ははは!」

少女「???」

青年「まぁ神様かもしれないな・・・実際には科学の発達した今でもわかっていないんだよ。そういった生き物に関する研究は人間の医療を覗いて100年前からあまり進んでいないんだ。」

少女「それは知ってるよ!コスモストーンの研究が忙しかったんだよね!」

青年「そうだ、その通りだ。今の人類はその100年前に宇宙から落ちてきたコスモストーンにご熱心なんだよ。なんせ夢の永久機関だからな、石油や太陽光にも頼らなくてもいいんだから研究は進むさ。」

少女「なんで?偉い人たちは誰が作ったか気にならないの?」

青年「お前さんの中ではもう誰かが作ったものなんだな・・・まぁいい。当時からすればエネルギー問題は戦争を起こしかねない重要な問題だったんだよ。人間同士が争わないためにも、その未知の飛来物を研究・活用する必要があったんだよ。」




青年「まぁなんだ、その当時の問題・・・食料とか水とかエネルギーとかは今じゃ解決してみんなハッピーだってことだ。」

少女「へー・・・なんだか眠くなってきちゃった・・・」

青年「そうか…もう遅い時間だしな。ほらコップ頂戴、洗っとくから。お前はもう寝なさい」

少女「うん・・・ありがと・・・オヤスミ・・・」

青年「はい。おやすみ。」


少女が眠りについた後、青年はPCを起動させその前に座った。
眠気覚ましのコーヒーを啜りながら、彼は少女の事を考えていた。

青年(今年で10歳・・・あの位の子供の理解力はどのくらいなのだろうか)

彼は先ほどの会話について思考を巡らす。

青年(永久機関とか石油とか、そういった物の意味の理解が小学四年生にできるのだろうか・・・)

青年(しかし先ほどのあいつはそれを理解したうえで話を進めていた、エネルギー学外の空白期間についても知っていた。)

青年(図書館で調べて読んでくるらしいが・・・教師の言うとおりあの子は天才なのだろうか・・・)

少女の学校での評価はとても高かった。
学業成績も生活態度も優秀でリーダーシップもある、特筆すべきはその知的好奇心であった。
わからないことをわからないままにしないその性格は、彼も尊敬していた。
そしてそれは、青年が教師から子育て指南を迫られたほどであった。

青年(勉強熱心なのは認めるが、俺には背伸びしたい子供にしか見えんがな・・・)

青年(泣いて悲しいのはなんで?とかどうして限りあるモノをみんなで分けないで奪い合うの?とか・・・妙な子供だ)

青年(今日も何とかして話を逸らしたからいいものの・・・俺は倫理学者じゃないんだよ。)

そんなことを考えていると目の前のPCの画面が暗くなった。
故障かと思いマウスを動かすとすぐに光は戻った。
青年は割と長い時間考えていたことに少し驚いた。
彼はこれから、彼女の知的好奇心を満たすための資料を作る。

青年(これをもとに図書館でわからないことを調べさせれば勉強にもなるだろ・・・)

青年(題名は・・・『コスモストーンと人類の進歩』)

青年(我ながらわかりやすい文章だ)





2016年
地球に未知の青白い光を放つ隕石が降り注いだ。
一つ一つは野球ボールくらいの大きさであったため、人類存亡の危機となるような災害は起こらなかった。
確認できるだけで18個の隕石が国連によって回収された。
その後先進諸国に研究の為配分される。


2017年
イギリスの宇宙物理学者アーロン・ベネット(68)が隕石にコスモストーンと名付ける。


2020年
日本の技術者、日下部隆が自ら作り上げた専門の機材を媒体とすることでコスモストーンから、電力を作ることに成功。
日下部隆(34)はこれをすぐに公表。ここから各国の開発競争が始まる。


2021
日下部隆のコスモストーンを用いた一年間の耐久実験が終了。
コスモストーンには永続的エネルギーが秘められているとする説が濃厚に。


2022~2080年
コスモストーンは人類の新しい主要エネルギーの一つとなった。
ガソリンはコスモストーンで生まれた電力に駆逐され、電力自動車が台頭した。
しかしこの時点ではまだまだコスモストーンの数は少なかったため、石油の重要性は変わらず。
しかし年々産出量は低下し続ける一方であった。
この時点では国連が確認した数は30ほどであったが、見た目の綺麗な石であったため隠し持っている者も多かった。


2081~2099年
コスモストーンは各地で続々と発見されたが、永続的なエネルギーを巡って争いが勃発。
イラクをはじめとするOPECが先進諸国に対してコスモストーンの譲渡を要求。
これに呼応するように露中が国連でこの問題を議題としてあげるも結論は出ず。

国籍不明のテログループがイギリスのコスモストーン研究施設に強盗に入ったことを契機に世界情勢に不穏な空気が漂う。
中国がインド国境付近と日本海側に軍を終結。ロシアがEU諸国側に軍を終結。
EU印と露中OPEC諸国が互いににらみ合う状態となった。

最初の10年間は小さな小競り合い程度で済んでおり、日米が戦争回避のために尽力していた。
しかし2091年に中国がインドに侵攻したことによってEU諸国とロシアが参戦。
核攻撃に関する明確な取り決めがされないまま大国同士の第三次世界大戦が始まった。

核戦争を防ぐための強硬策として、アメリカが主要参戦国の首都に核ミサイルを向けるという異常事態に陥った。
当時の国連は米以外の常任理事国が戦時国となったため機能不全に陥った
2099年、ついに核が使われるかという時に日本が自衛隊を日本軍として、第三次世界大戦終結のために立ち上がる。
これに呼応してアメリカ、ASEAN諸国が第三勢力として介入。

疲弊していた主要参戦国は東西からはさまれる形となり、自らの国力の低下もあったため各戦線に一時休戦を宣告。
日本、ASEAN諸国、アメリカ、EU、インド、ロシア、中国、OPEC諸国が終戦の為のテーブルについた。

議論の結果、
自国にあるコスモストーンは自国が管理すること。
現在先進国が保有する技術はすべて開示すること。
以後、コスモストーンを巡る戦争を起こした国は即日制裁を加える。
この三つを取り決めを主とする「世界保安条約」が締結された。
これにより人類の人口の約4割を失った第三次世界大戦は終結した。

また2081~2099年のコスモストーンが原因の争いを「人類の落日」と呼ぶ。


2100~2116年
現在までにコスモストーンに関する研究で、大きな進展はない。
各国は今もなお戦時の傷跡は残っており、その復旧に力を注いでいる結果ともいえる。








さて寝るか

青年(こんなものだろう・・・)

約2時間の作業であった。
画面とのにらめっこを終えた彼は、すっかり冷めきったコーヒーを一気に飲み干す。

青年(よくもまぁ覚えているものだ・・・爺さんに叩き込まれたからだろうか?)

青年(爺さんも俺を相手にしているときは、こんな気持ちだっのかもしれない・・・)

かつて何の力もない子供だった自分を思い出す。
名も国も親も知らない自分にそれを与えてくれた人の温もりは今も忘れない。

青年(爺さん・・・)

青年は日々の疲れと作業の疲労からだろう、徐々にその瞳が閉じられていく。
椅子の背もたれに体を預け、ふとよみがえる過去の記憶に浸る。
彼の意識はゆっくりと闇に落ちていく。

その時、PC画面の右下にアイコンが出る。
それは電子メールの受信を伝えるものであった。

青年(仕事か・・・忘れないように開くだけ開いておこう)

開こうとする意志に反発する瞼を目ざとく思いながらも、自身の疲労の蓄積に少し呆れる。
アイコンを開き、画面にメールが明らかになったのを確認すると、再び背もたれに体を預けて意識を手放す。

誰が読むでもないPCのメール画面は、光を発し続ける。
真っ白な背景に黒色の文字かつらつらとうつされている。

他の文字とは違う大きさの題名には「日下部技研所長様へ中央電力開発機関より定期召集のお知らせ」と書かれていた。


日下部技研。
かつて日本一の技術者と称された日下部隆が興した工場。
当時の彼が若くして世界の最先端技術を開発した場がここである。
彼は多くの優秀な技術者に慕われ、愛する妻と子供に囲まれて来る日も来る日も開発に明け暮れていた。

現在の所長である青年が眠る椅子は、日下部隆の愛した妻が彼に送った椅子であった。
この椅子が置かれている部屋は約100年、ずっと変わっていない。
ふと目線を変えると、後ろの本棚に古ぼけた日誌を見つけた。
それは日下部技研の歩みであり、日下部隆の一生の記憶でもあった。
古ぼけたページをペラペラとめくり、日下部隆との出会いを思い出す。
それは残暑の残る9月のことだった。








1986年某県某病院

オギャアオギャア

??「おぁあああ!!生まれたか!!」

日下部隆は平凡な父母のもとで生まれた、給金も住処もすべてが平凡であった。
だがしかし、彼が生まれた日下部家は笑顔にあふれた家であった。

例えば、愛の無い宮殿で育つ子供と愛に溢れた貧相な小屋で育つの子供はどちらが幸せなのだろうか。
私は後者であると感じる。
富による幸せとはまた別の幸せを、私は彼等から感じたのだ。

??「??!!よく頑張ったな!」

??「あなた、この子の名前は考えてくれた?」

??「あぁもちろんだとも!隆だ!低いところからでもでっかくなれるようにと!」

??「まぁ・・・それは自分への皮肉かしら?」

??「へへ・・・そういうなよ。」

??「ふふ・・・」

か弱い命を囲む彼らの顔はまさに幸せそのものであった。
幸せという範疇の無いものを視認できるように表現するのであれば、この光景が妥当であろう。

しかし、何もかもが順風満帆で過ぎていくほど人の世は甘くないのだ。
日本は日下部隆の誕生から5年後、バブル崩壊という形で多数の失職者を出した。
彼の父親も例外ではなかった。

この時の私はいささか楽観視していたのだろう、あの愛があれば・・・と。
しかし日下部隆はそれを理解するには幼すぎたのだろう。

日下部家が崩壊したのは彼が14歳になった頃だった。
そしてその崩壊の引き金を引いたのも、彼であった。

14歳という年齢は一般的に反抗期という時期に当たる。
そこに論理的な会話は無く、親の言う事やることにひたすら反発する。
それが反抗期というものである。
仮に論理的な話であったならば、それは対話であり反抗期とは全く次元の違うモノになる。
しかしこれは、豊かな愛情のもとで育ったが故であると私は思う。まだまだ甘えたい盛りなのだ。
彼らの無意識では、罵倒しても許してくれる親の存在が嬉しくて仕方ないのではないだろうか。
私は今もこのくらいの子供を見るとこう思う。

当時の日下部隆も例にもれず、親に反抗していた。
用意された食事を食べず親の財布から漁った金でジャンクフードを食い漁り、友人と酒やタバコを繰り返す。
学校は行ったり行かなかったりと、両親を困らせていた。

彼が荒れた背景は、貧困にあったのではないかと私は推察する。

彼は家族に愛されて育っていた、しかしそれは甘やかされたという意味合いではない。
親は倫理や道徳、礼儀に関しては厳しかった。
幼かった彼はそれを理解していたのか、周りからはいい子とみられていた。
我が儘も言わず、親を手伝い、模範的な子供だったと言えるだろう。

しかしそれはすべて大人の視点からの評価であった。

ゲームの話をして楽しむ友人の姿は彼の目にどう映っていたのか。
デパートで我が儘を言って甘える子供の姿にどういう感情を抱いていたのだろうか。

彼の感情はわからない、しかしそこには、確かな羨望があったのではないだろうか。

そして反抗期に、当時の甘えたいという欲望が表面化したのだと私は今も思っている。





しかし彼はやり過ぎてしまった。
彼は、友人の中でも弱い位置にいたものに一升瓶の酒の一気飲みを強要したらしい。
結果、その友人はそれが原因で死去。

日下部隆は帰属する国の法に反したため拘束された。

それからというもの、日下部隆がこの家に戻ることは無く、ただ日々が過ぎて行った。

雪の降る季節の事であった、日下部隆の両親が私を自分たちの親戚に売り払った。
よほど金銭の工面に困ったのだろう、私は妥当な判断であると今も感じている。

そして私は、日下部隆の叔父である日下部大吾の所有物となった。

そして私の居場所は、日下部隆の父親のポケットの中から、小さな工場の片隅にある社長室の机の上になった。
社長室の一側面はガラス張りであったため、私は以前にも増して彼らの様子を見ることができた。

この日下部大吾という男は技術者であり、何か人類の発展に大きく寄与する乗り物の部品を作っているらしい。
彼の仕事ぶりはまさに職人技と言えるものであった。

そんな仕事ぶりを見続ける事3年。
日下部隆は何故かここに帰ってきた。




今日は終わり
妄想は悦び・・・フヒヒ・・・

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