委員長「男ー、お昼一緒に食べよう」
男「ん? いいよ、委員長」
先輩「おい男、昼休みは部室で会議だといっただろう」
後輩「そうですよ。という訳で男さんは私と一緒に」ぐいぐい
男「あれ、そうだっけ。ごめん委員長、また今度」
生徒会長「男君、いるかな。ちょっとまたお手伝いを――」ガラガラ
幼馴染(……そして、それ以上に男は大人気)
幼馴染(クラスどころじゃなく、校内全体で人気なんじゃないだろうか)
幼馴染(……おもしろくない)
幼馴染(男とは、幼稚園の頃から仲がよかったし)
幼馴染(週に3回は男の部屋で一緒にしゃべってるし)
幼馴染(たまにおばさんと一緒に夕飯を作って、そのまま一緒に食べることもあるし)
幼馴染(おじさんは早く嫁に来い、なんていってくれるから、家族公認)
幼馴染(だから男の傍に居る誰よりも有利なはずなんだけど)
委員長「先輩、この前もそんなこと言ってましたけど、そっちの部室に居たのは男と先輩と後輩ちゃんだけだったじゃないですか」
委員長「三人だけで意味あるんですか?」
先輩「ぐ、それは……」
後輩「言い訳なんていりませんよ先輩。今こそ旧百合レズバカップル、現男の両手に持たれる会の力を!」
生徒会長「……あ、あれ? 取り込み中?」
男「か、会長、たすけて」
幼馴染(……なんか、面白くない)むすっ
――放課後、図書室
幼馴染(まあ、色々不安要素はあるけど)
幼馴染(今日は図書室で待ち合わせした後、一緒に帰る約束してたし、大丈夫でしょ)
幼馴染(……あと五分かぁ)
図書委員「やあ、そこの若人」
幼馴染(……、何、この子)
幼馴染「こんにちは。ええと、一年生?」
図書委員「私の話より、君の話を聞きたいんだ」
幼馴染「……は?」
図書委員「うん。ちょっと君に興味があってね」
幼馴染「ごめん、ええと、そっちの気は……」
図書委員「いや私も同性愛の気はねーよ」
図書委員「――ただ、ちょっと君の悩みを聞かせてもらいたくて」
幼馴染(……なんか、面倒くさそうな子だなぁ)
幼馴染「ごめんね、でも、ちょっと今、人を待っているから」
図書委員「うん? それはひょっとして、君がここに来る10分ほど前に来た冴えない面のことかい?」
幼馴染「……?」
図書委員「生徒会長に連れて行かれていたよ。何でも、色々と仕事の手伝いがあるだとか」
幼馴染「え、はぁ!?」
図書委員「いやぁ、そうかそうか。彼は約束事をすっぽかす奴だったのか」
図書委員「そのへんの愚痴も踏まえてお話を伺いたいのだが――時間をもらっていいかい?」
幼馴染「……」
図書委員「じゃあ、場所を移そうか。丁度私も待ち合わせがあるのでね」
――ファミレス
図書委員「……ということで、あとは任せたぞ」
青年「……唐突に呼び出されたと思ったら、全く」
幼馴染「え、えっと、どういうこと?」
図書委員「ああ、彼はとっても頭が良くてね」
図書委員「君の力になってくれると思って」
青年「確かに頭は良いけどさ、それとこれとは別じゃないか」
図書委員「そんな事は無いさ。現に、君は私のことを助けてくれた」
青年「……ああ、そういう」
幼馴染「ええと、別に気を使ってくださらなくても」
青年「いや、いいよ。話を聞かせてくれ」
青年「ちょっとしたアドバイスならできるかもしれないから」
幼馴染「……いや、でもちょっと恥ずかしいというか」
青年「問題ないよ。恥じることは無い」
青年「初対面の相手に、とか思うかもしれないけど、むしろ初対面だからこそ」
青年「普段会うことが無いからこそ、言えることもあるんじゃないかな」
幼馴染「それは、まあ、そうですけど」
青年「大丈夫。誰かに言ったりしない」
青年「というより、君の知り合いを知らないからな、多分」
青年「君のイメージダウンに繋がることはできないよ」
幼馴染「そう、ですよね」
幼馴染「……お話、聞いていただけますか」
青年「もちろん」にっこり
幼馴染「……男っていう、ずっと隣に住んでる奴がいて」
幼馴染「そいつのことが、まあ、気になる、っていうか」
青年「恋の悩みか」
幼馴染「いやいやっ! ただその、気に食わなくて」かあっ
図書委員「素直になるといい。学校の奴は誰もいないぞ?」にぃっ
幼馴染「……そういう、話だったね」
幼馴染「そうです。……私は、そいつのことが好きです」
青年「正直になるのはいいことだよ。そっちのほうが、アドバイスもしやすいだろうし」
幼馴染「あ、ありがとうございます」ぺこり
幼馴染「……中学に入ってから急にちやほやされだしたんですよ」
幼馴染「学校中の、いろんな人から」
青年「……、へぇ」
幼馴染「……なんだか」
幼馴染「男が、どんどん離れていっちゃうような気がして」
幼馴染「私が居たはずの隣に、他の女の子が来て」
幼馴染「いつかそれが当たり前になっちゃうような気がして、怖いんです」
青年「……なるほど」
青年「その彼のことをよく知っているのは君であって」
青年「それまで君が居たはずの、男君のパートナー、という立場が失われる」
青年「それはきっと、悲しいことだろう」
幼馴染「……」
青年「……でもな」
青年「それで彼や、彼に好意を寄せる子達に嫉妬するというのはお門違いだよ」
幼馴染「……、っえ」
青年「話を聞く限り、君は男君の傍にいつも居た」
青年「けれど、それだけだ」
青年「隣に居るための努力を、男君に近づくための努力を、一切していないんじゃないか?」
幼馴染「そんな、こと」
青年「男君が自分の傍にいるのが当たり前だと思ってしまったんだ」
青年「……だから、それを維持する努力の仕方が分からない」
幼馴染(そんなこと、無い)
幼馴染(この前だって、男の部屋に遊びに行ったし)
幼馴染(タイミングが合えば、一緒に帰ってるし)
幼馴染(……でも)
幼馴染(事実、男は私の隣に居てくれない)
幼馴染(こんなに、頑張ってるのに――)
青年「君はきっと、頑張っているんだろうね」
青年「毎度、同じように」
幼馴染(――、!)
青年「そう、つまりそういうことなんだ」
青年「君の努力は、男君にとって日常となっている」
青年「……君にとっても日常なんじゃないかな」
幼馴染「あ、……」
青年「あのね、幼馴染さん」
青年「恋愛っていうのは、日常とは違うんだよ」
青年「恋人と家族が違うように、ね」
幼馴染「あ、ああ、う」ぽろっ
幼馴染「うぅぅ、うぅぅえ」ぐすっ
幼馴染(じゃあ、男にとって、私は)
幼馴染(姉か、妹みたいな)
幼馴染(そういう存在、ってことなんだ)ぽろぽろ
……
青年「落ち着いた?」
幼馴染「……、はい」ぐすっ
青年「良かった。驚かせてごめん」
青年「でも、うまくいけばこの状態は一気にひっくり返せるんだ」
幼馴染「……へっ?」
青年「何とかして、男君に」
青年「幼馴染さんは家族じゃなくて女の子なんだってことを分からせてあげれば」
青年「幼馴染さんの行動は、全て異性の行動として再認識される」
幼馴染「……って、いうことは」
青年「誰よりも近くに居た君が、他の子に負けるはずが無い」
青年「君の恋が実るのを、見届けさせて欲しいんだ」すっ
幼馴染「……っ」
幼馴染(また、あのときみたいに、男と一緒に)
幼馴染(――違う)
幼馴染(お隣さんとして、家族としてじゃなくて)
幼馴染(恋人として、男の傍に居られるようになる)
幼馴染(この青年さんも、凄く頼りになるし)
幼馴染(もしかしたら、それが叶うかもしれない――)
幼馴染「よろしく、おねがいしますっ」ぺこり がつん
幼馴染「――ったぁ!」がばぁ
青年「元気が出たみたいで良かった。……大丈夫?」
図書委員「何だ。ベタか。お辞儀してテーブルに頭突きとかドジっ子萌え狙いかおのれ」ごすごすごす
青年「コブになるからやめろ」
図書委員「いやいや私も君の恋人として君に媚びなければ」がすがすがす
青年「公の場でやるな。やるなら独りでやってくれ」
――翌日、通学路
幼馴染「男、おはよう」
男「おお、おはよう幼馴染」
男「昨日はごめんな。急に会長に呼び出されてさ」
幼馴染(――さて)
幼馴染(ここまでは予想通り。相談する前の私でも分かる)
幼馴染(普段なら連絡もなしにすっぽかしたことを責める)
幼馴染(けど、ここで許してもそれは優しいだけ)
幼馴染(だから)
幼馴染「本当だよ。……折角男と一緒に帰れると思ったのに」ぼそっ
男「……え?」
幼馴染「なんでもなーい。早く行かないと遅刻するよ!」たたっ
幼馴染(……さっきの男の反応)
幼馴染(多分、聞こえてなかったなんてことは無いはず)
幼馴染(予想外の反応に戸惑った、って感じかな)ふふん
男「待てって」たたたっ
幼馴染(――あ)
幼馴染(男が、自分から私の隣に来てくれた)
幼馴染「何?」くるっ
男「あ、いや」
男「……急ぐなら一緒に駆け足しようか、と」
幼馴染(普段なら、競争とか)
幼馴染(手を繋いだっていいけれど)
幼馴染「じゃ、一緒にいこっか」にこっ
幼馴染(たまには、こういうのも)
――放課後、ファミレス
幼馴染「と、とりあえず、朝はこんな感じでした」
青年「なるほど、ちゃんとした助言が出来ていたようでよかったよ」
青年「それに、一度先に行って、相手から近寄らせたのはよかった」
幼馴染「え?」
青年「ええと、パーソナルスペースっていうのがあってね」
青年「そんなに親しくない人には物理的に距離をとらないと不快だけど」
青年「親しい人には近寄られても平気、らしい」
幼馴染「でも、ずっと一緒にいましたし」
青年「いやいや。人の認識は変わるものだよ」
青年「男君が離れていく君を追いかけてきた、自分から近づいてきたということは」
青年「嫌われていない、ってことだ」
青年「君から近づいて逃げられない、ってだけだと気を使わせてる可能性もあるし」
幼馴染「……そう、ですよね」
青年「それで、学校では?」
幼馴染「いつも通り集まってくる子達に割って入るようにがんばってみました」
幼馴染「……用事とか、建前はありませんでしたけど」
青年「いいんだよ、それで」
青年「今までと何か違うことをすれば、それだけで何かしら効果がある」
青年「まず彼の意識を改めさせて、その後アピールすればいいんだ」
幼馴染「……っ、はい!」
幼馴染「ところで、今日は図書委員さんは?」
青年「ん、……そういえば遅いな」
青年「でも俺も長居は出来ないからなあ。姉が過保護だから」はぁ
幼馴染「お姉さん、いらっしゃるんですね」
青年「うん。ちょっと訳ありだけどね」
青年「……待ってる時間は無いか。じゃあ、今後の展開について話し合おう」
――翌日、学校、昼
委員長「男、今日こそ一緒にお昼食べよ」
男「ああ、ごめん。今日は幼馴染と約束してるんだ」
委員長「……幼馴染さんと?」
幼馴染「そ。……はい、男。お弁当」ことっ
幼馴染(――男を隣に置き続けるための方法)
幼馴染(前日に、部屋に遊びに行ったとき、お弁当を作って渡し、一緒にお昼を食べる約束をして)
幼馴染(あえて登校時間をずらして、朝渡すという選択肢を消す)
幼馴染(ちょっと遅刻ぎりぎりについて、色々忙しげにすれば男は弁当を受け取りには来ない)
幼馴染(男だって、ご飯を食べずに色々と頼まれ事をこなすことはできない)
幼馴染(だから私からお弁当を受け取る必要があり、その流れで一緒にお昼を食べないわけが無い)
男「ごめんな、委員長。……あ、そうだ」
幼馴染「委員長もいっしょに食べない? 折角誘ってくれたんだし」
幼馴染(――、で、男が他の子をそのまま放置するわけが無い)
幼馴染(ならいっそ、こちらから誘ってしまえば良い)
委員長「……っ、そう、じゃあご一緒させてもらうわ」
幼馴染(……用事でも思い出してくれればよかったんだけど、まあ、いいか)
幼馴染「男、今回は結構自信作だから期待していいよー」
男「おお、そりゃ嬉しい」
男「じゃあ早速……」ぱかっ
男「おお、雑穀米だ!」
委員長「結構健康志向なんだね」
幼馴染「いや、男の場合は食感が好みなんだって」
男「そうそう。食べてて楽しいし」
男「この揚げ物は……海老寄せフライか。何かぷりぷり」
幼馴染「ふっふっふ、冷凍食品に頼らない私をほめるといい」
男「手作り!? うおお、ありがとう幼馴染!」
幼馴染(男可愛い)
幼馴染(――そして! ここが一番の肝!)
幼馴染「委員長さんも、どう? 結構美味しく出来たと思うんだけど」すっ
委員長「え、ああ、うん。……じゃあ一個もらおうかな」
幼馴染(男なら、そのうち委員長に何かしらおかずを渡そうとする)
幼馴染(けど、先回りして私から委員長におかずをあげれば)
幼馴染(男と委員長のおかず交換を避けられる!)
幼馴染(――ありがとう青年さん。ここまで読める貴方がちょっと怖い)
委員長「……本当だ、美味しいね」
幼馴染(おっと)
幼馴染「でしょー。今後はこれを元に色々工夫していこっかなー」
男「お、期待してるぞー」
幼馴染(――共感すらも、遮れる)
……
生徒会長「男君、いるー? 放課後ちょっとお願いがあるんだけど」
男「はい、構いませんよ。この前の続きですか?」
幼馴染(出たな職権乱用……!)
幼馴染「あ、私も手伝いますよ」
生徒会長「え、いや、その」
生徒会長「男君一人で十分人手は足りるから、幼馴染さんは――」
幼馴染「でも昨日の続きっていうことは、一日じゃ終わらないくらいの仕事量ってことですよね」
幼馴染「なら、皆でささっと終わらせちゃいましょうよ」
生徒会長「……そ、そんなに、急ぐことでも」
幼馴染「遠慮なさらず。男の手を借りるほどのことなんですから」にっこり
幼馴染(……大体青年さんが考えた反論パターンと一緒)
幼馴染(本当に他人なのかな、あの人)
――数週間後、ファミレス
青年「ふむ、妨害と接近を同時にこなせてるみたいだね」
幼馴染「皆青年さんのおかげですよ」てれてれ
幼馴染「……最も、後輩ちゃんには手を焼いてますけど」
青年「思考をすっとばして行動できる奴は正直苦手なんだよ。結局力ずくで何とかしようとして来るし」
幼馴染「でも、それも先に先輩を遠ざけておけば大丈夫ですからね。何とかなってます」
青年「……それにしても、何だ男君って。同性愛者をバイセクシャルにするほど魅力的なのか」
幼馴染「……それは、まあ、よくわかりませんが」
幼馴染「少なくとも、私にとっては魅力的ですよ」
幼馴染「取り立てて長所も、まあありませんけど」くすくす
青年「……」
幼馴染「……それにしても」
幼馴染「今日も来てませんね、図書委員さん」
青年「ああ。来たり来なかったりと忙しい」
青年「敵情視察とか言ってたけど、何をしているのやら」
幼馴染「結果を聞いても曖昧な返事しかしてくれませんからねー」
青年「まあ、あいつもそれなりに動いているみたいだから様子を見よう」
青年「それじゃあ、今後について話そうか」
幼馴染「……そろそろ、恋愛関係のアプローチを増やしておきたいのですが」
青年「うん。丁度俺もそう考えてたよ」
青年「さて、どうしようかな」
幼馴染「あの、ちょっと考えてみたんですが」
幼馴染「男を嫉妬させる、というのはどうでしょう」
幼馴染「私、どうにも、その、ちょっと人気があるみたいなので」
青年「……いや、やめておいたほうがいい」
青年「それで男君が落ち込んでも、それを励まそうと他の子が群がってくる」
青年「励まされて立ち直った男君が、励ましてくれた女の子に惚れる可能性もあるからね」
幼馴染「……うまくいきそうにありませんね」はぁ
青年「でも、俺に頼りきりじゃなくて自分で考えて何とかしようとするのはいいことだ」
青年「人気があるっていうのにも頷ける」うむ
幼馴染「あはは、ありがとうございます」
青年「……でも」
青年「その作戦で一番悪いところは、それに付き合わされる人のことを考えてないってところだ」
幼馴染「……、あ」
青年「自分のために動くのはいいことだけど、そのために他人をないがしろにしていいわけが無い」
幼馴染「……そう、ですね」しょぼん
青年「そして君のいいところは、直ぐに認めて反省できるところだ」
幼馴染「……!」
青年「そして僕の悪いところは、偉そうに説教を垂れているところだ」
幼馴染「……、あっはっは!」
青年「ははは。さて、話を戻そう。今度は吊り橋効果でも試してみようかと思うんだけど――」
――数週間後、ファミレス
幼馴染「……あれから暫く経ちましたが」
幼馴染「何か、男の様子がおかしいような気がするんですよ」
青年「おかしい、って?」
幼馴染「なんかそわそわしてるときもあれば、上の空なときもあったり」
青年「幼馴染さんが話しかけても上の空、ってこと?」
幼馴染「そうそう。委員長も生徒会長も先輩も後輩も、相手にされてませんでしたし」
青年「……」
青年「……、あ」
幼馴染「はい?」
青年「……外。道路の向こうの、コンビニの前」
幼馴染「……?」
幼馴染(――、あ、れ?)
……
図書委員「――、――」
男「……、――」
……
幼馴染「図書委員、さんと、男?」
青年「珍しい組み合わせ、だな」
幼馴染「何、してるんでしょう」
青年「……会計、済ませようか」がたっ
幼馴染「……、ええ」がたり
――外
青年「しかしまあ、あれが男君か」
青年「……なんというか、その」
幼馴染「冴えない顔でしょ? 可も無く不可も無い」
幼馴染「かっこよさで言ったら、青年さんのほうが上ですよね」
青年「はは、ありがと」
青年「……っと、隠れよう」さっ
……
男「……」
図書委員「――」
図書委員「……、――」
……
幼馴染(……何を、話して)
幼馴染「――ッ!?」
……
図書委員「……」ギュッ
男「……」キュッ
……
幼馴染「――、あ」
幼馴染(なんで、抱き、あって)
青年「……」
青年「そういう、ことか……!」ギリッ
幼馴染(青年、さん?)
幼馴染(いや、でも、今は)
幼馴染(なんで、図書委員さんと、男が)
……
図書委員「……」じぃっ
男「……」じっ
図書委員「――」チュッ
……
幼馴染「――、え」
幼馴染「あ、れ」
幼馴染「え?」
青年「……」
――
幼馴染(……あれ)
幼馴染(何、してたっけ)
幼馴染(何で、泣いてるんだっけ)
青年「……落ち着いたか」
幼馴染「……あ」
幼馴染(そっか、男と、図書委員、さんが)
幼馴染「――ふ、ぐっ」ぐすっ
青年「……」
青年「今日は、帰ったほうがいい」
青年「ちょっと落ち着いてから帰ろうか」
青年「……お互いに」
幼馴染「……、はい」
――翌週、ファミレス
幼馴染「……」
幼馴染(何で、また、来てるんだろ)
幼馴染(あれから男とは話してない)
幼馴染(……私が、避けてる)
店員「いらっしゃいませ。一名様でよろしいでしょうか」
幼馴染「あ、いえ、待ち合わせを――」
幼馴染(……青年さんも、いないよね)
幼馴染(それどころじゃ、ないよね)
幼馴染「すみません、やっぱり――」
青年「――二人です」
……
幼馴染(……)
青年「……、さて」
青年「どうしようか。続けるのかい?」
幼馴染「……、え?」
青年「続けるとしたら、図書委員を男から引き剥がすことから始めなきゃね」
青年「恋人が居るやつのことを誑かすのは、あんまりいいことじゃないし」
幼馴染「……青年さんは、もう平気なんですか」
青年「……」
青年「そんなわけ、ないさ」
青年「恋人が、他の奴にキスしてるところを見られて」
青年「正気で居られるなんて、どうかしてる」
訂正
キスしてるところを見られて
↓
キスしてるところを見て
幼馴染「そう、ですよね」
青年「でも」
青年「俺がどんなに狂気に染まっても、あいつは帰ってこない」
青年「何で男君とあいつが付き合ってるのかなんて想像しても、あいつは俺の恋人にならない」
青年「……だから、俺は正気でなきゃ、いけないんだ」
青年「平然と、してなきゃ」ふるふる
幼馴染(――、ああ)
幼馴染(この人は、何でもお見通しで、ちょっと不気味だったけど)
幼馴染(そんなこと、ないんだ)
幼馴染(……私と同じように、傷ついてるんだ)
――帰路
青年「……、あのさ」
幼馴染「はい?」
青年「幼馴染さん、こっちだったっけ」
青年「いつも別れてるところ、随分前に過ぎたような」
幼馴染「……ああ」
幼馴染「ちょっと、用事がありまして」
青年「……へぇ」
幼馴染(……自分の家から)
幼馴染(その隣の、男の家から離れて、っていうのはちょっと臆病かもしれないけど)
幼馴染「……」くるっ
青年「……?」
幼馴染「……」すぅっ
幼馴染「――男の、ばっかやろぉぉぉぉぉぉぉ!」
青年「!」
幼馴染「……」はーっ はーっ
幼馴染「……えへへ」
青年「……」すぅっ
青年「――図書委員の、ばっかやろぉぉぉぉぉう!」
幼馴染(……)
青年「……、は、はは」
青年「はははは、ははははっ」ぽろ ぽろ
青年「――」ぼろぼろぼろぼろ
青年「……っく、あ」
青年「ごめん、ちょっと」ぐすっ
幼馴染(……青年さんだって、弱くって)
幼馴染(だから傷ついて、泣いちゃって)
幼馴染(でも、強がって、あんなことを言っていて)ぎゅっ
青年「――!」
幼馴染(……いっしょに、いてあげたい)さす さす
青年「……」ぎゅっ
青年「ごめん、ごめん、ごめん」
青年「……あり、がとう」
青年「ありがとう、ありがとう」
幼馴染「……青年さん」
幼馴染「私も、泣いても、いいですよね?」
青年「……ああ」
青年「誰も、通らないし」
青年「ちょっとくらい、一緒に泣いちゃおう」
幼馴染「……っく、ふ」ぐすっ
幼馴染「……うあぁぁぁぁ、ああああぁぁぁっ」
――
青年「……」
幼馴染「う、ぐっう」えぐ えぐ
青年(――、さて)
青年(それじゃあ、叩き潰しますか)
青年(身勝手な図書委員を)
青年(俺同様、どうしようもないクズの、図書委員を)
前作
弟「家には姉と、妹と」
青年(突然電話してきて、ファミレスに呼び出されて)
青年(いきなり初対面の子の相談相手になれと言われて)
青年(要するに、こいつを叩き落して遊ぼうぜと誘われて)
青年(……実に、身勝手)
青年(まあ俺同様クズだから仕方ないって言えばそうなんだけど)
青年(その後、普通に恋愛相談をし続けていたら)
青年(痺れを切らしたあいつが、動き出した)
青年(……はっはっは、やっぱり短絡的だ)
青年(兄貴を直接突き落としたってことからも分かってたけど)
青年(自分は失敗しないとでも思ってるのかな)
青年(……まあ、ここまで思い通りなんだけど)
幼馴染「……」ふーっ ふーっ
青年(それにしても、男君とそういう仲になっていたのは)
青年(いつまでも動かない俺への嫌がらせ、だったりするのかな)うーむ
幼馴染「……あ、あの、青年、さん」
青年「ん、ああ、ごめん」ぱっ
幼馴染「いえ、ありがとうございます」
幼馴染「ちょっと、楽になりました」あはは
青年「こっちこそお礼したいよ。ありがとう」
青年「幼馴染さんがいなきゃ、ずっと耐えようとしてただろうし、俺」
青年(――安心してくれ、図書委員)
青年(下準備は、十分だから)
青年「あ、でも泣いてたのは内緒な」
青年「……その、高校生にもなって、中学生に抱きしめられて泣くとか」
青年「流石に恥ずかしいし」
幼馴染「……っあ」かあっ
幼馴染「そう、ですね」
青年(狙っていた効果は二つ)
青年(秘密の共有をすることで信頼を示し)
青年(かつ、好きな人をとられたもの同士という仲間意識をつくる)
青年(それとこれはラッキーだったけど)
青年(幼馴染さんのほうから抱きしめさせる、つまり近づかせ)
青年(それを自覚させることで、錯覚させる)
青年(――好意を)
――翌日、公園
青年「やあ、幼馴染さん。待たせてごめん」
幼馴染「いっ、いえいえ、今来たところですし」
青年(さて、とりあえず)
青年(このまま一気に距離をつめて、幼馴染さんを手中に収める)
青年(……だけで、いいのか)
青年(……足りない、なぁ)
幼馴染「あの、青年さん?」
青年「ん、ごめん。ちょっとぼんやりしてた」
幼馴染「……えっと、お疲れでしたら、無理しなくても」
青年「うーん、確かに疲れはあるな」
青年「でも幼馴染さんと話してると、ちょっと楽しくなってくるから」
青年「それで回復しようかな」ふむ
幼馴染「……はいっ」にこっ
――数週間後、夜、青年の自室
図書委員「はっろぉぉぉーう、遅漏くん」にまにま
青年「……なんでここに居る」
図書委員「君のお姉さんは実に親切だね。弟さんに会いに来たといったらすぐあげてくれたよ」
青年「そうじゃない」
青年「何の用があって、ここにいる」
図書委員「もちろん、近況報告だ」
図書委員「この前幼馴染が図書室に来たものでな、『彼とはうまくやっているか』って聞いたら」
図書委員「うまくやっているんだとよ!」けたけたけた
青年「――帰れ」
図書委員「私と付き合っているんだからそんなわけ――、は?」きょとん
青年「馬鹿だろう、お前」
青年「振った男の部屋に上がりこむなんて」
図書委員「……おやおや、君も嫉妬はするんだな」にんまり
図書委員「安心したまえ、私が愛しているのは君だけだ」
青年「それでも、不自然すぎる」
青年「表面上とはいえ、俺はお前に浮気されている」
青年「家にお前を招きいれて雑談するのもおかしいし」
青年「そもそも、家に入るところを男君に見られたら」
青年「それ以上に、幼馴染さんに見られたら不味いだろ」
図書委員「……それも、そうか」
図書委員「すまない、軽率だったな」
図書委員「……となると、どうやって君と連絡をとろうか」
青年「いや、だから」
青年「浮気した元恋人と連絡をとるような馬鹿じゃないんだよ、俺は」
図書委員「……え、いや、それは、さみしくないか」
青年「いや、全く」
図書委員「……その、仮にも彼女だぞ私。流石に傷つく」
青年「そう、『仮に』なんだよ」
図書委員「どういう、意味だ」
青年「忘れたか。お前と恋人ごっこをしている意味」
青年「幸福の度合いの比較対象を身近に置いて、二人を不幸にするためだ」
図書委員「ああ、そうだったな」
青年「だから、お前じゃなくていい」
図書委員「――、は?」
青年「俺の恋人が、お前である必要は無いんだよ」
青年「もう一つ言っておくとな、図書委員」
青年「幼馴染さんが言う、『彼』」
図書委員「……あ、あ」
青年「それ、俺だ」
青年「分かるか」
青年「俺はもう、お前と関わる必要は無い」
青年「むしろ迷惑だ。折角もう一息なのに」
青年「幼馴染さんに疑われたら、俺の恋愛は水の泡だ」
図書委員「れん、あい」
青年「俺だって人間だぞ。クズでも恋はする」
青年「お前がクズなのは分かってるけど、もう俺と関わるな。迷惑だ」
青年「これ以上なにかちょっかいをかけようっていうなら、それなりのことで反撃する」
青年「俺と、幼馴染を、守るために」
図書委員「……おや、おや」
図書委員「いいのか、そんなことを言って」
青年「……?」
図書委員「君の姉は、この場にいるんだろう?」
ガタッ
図書委員「君は私と、致命的な秘密を共有している」
図書委員「それを、今、私が、言えば」
図書委員「どうなるか――」
青年「……、ああ、そうだ」
青年「兄貴は、俺が殺したようなもんだ」
図書委員「――、あ、れ?」
青年「妹と、兄貴が、そういう仲だって知ってて」
青年「止めようとして、説得しようとして」
青年「――、その直ぐ後、自殺して」
青年「だから、きっと」
青年「俺が、殺したようなものなんだ」
図書委員「……いや」
ガチャリ
姉「……ごめんね、図書委員ちゃん」
姉「今日はちょっと、帰ってくれるかな」
図書委員「は、ぁ?」
……
青年「……ぜーっ、ぜーっ」
姉「……大丈夫ですか?」
青年「だいじょうぶ」
青年「……でも、俺は、兄貴を」
姉「……大丈夫ですよ」
姉「誰も、悪くありません」
姉「……誰も、悪く、ないんです」
青年(……既に、手は打ってあった)
青年(俺が兄貴の死のきっかけになっていることは、既に暴露済み)
青年(ただし、所々伏せて)
青年(まあ、したことを全部ばらされても問題ないんだけどな)
青年(そもそも、俺は何もしていない)
青年(ただ偶然、やってたことが色々重なって)
青年(兄貴が橋の上にいっちゃっただけだし)
青年(実際に手を出したのは図書委員だし)
青年(俺は、何も、悪くないんだよ)
青年「姉さん、ごめん」
青年「姉さんは、何も、悪くないのに」
姉「――、いえ」
姉「私だって、一因は、負っていますし」
青年(適度な罪悪感の刺激も忘れずに)
青年(俺を兄貴の代わりにしようとしてる云々、っていうのには、触れてこないけど)
青年(……まあ、自分の非を認めたくないのは分かるよ)
青年(さて。妹はどうしようかな)
青年(とりあえず俺への警戒心は解いて、学校にも行くようにはなったが)
青年(……使えるか?)
――休日、公園
幼馴染「……、あ、青年さん!」
青年「や。ごめん、待たせちゃったかな」
幼馴染「いえ、私も今来たところで」
青年「……まるで恋人のようなやり取りだね」
幼馴染「ふぇっ、いや、その」
青年「俺はそっちのほうが喜ばしいけど」
幼馴染「……あぅ」
青年(……うーん)
青年(これも寝取り、ってやつに入るのかな)
青年(であれば、折角だし――)
図書委員「……」ゆらり
青年(――、おや)
幼馴染「……何の、用ですか」
図書委員「ほ、ほら、別れたぞ」
図書委員「男と、別れてきた」
図書委員「ほれ、幼馴染。そっちにいくといい」
図書委員「お互い元に戻ろうではないか」
幼馴染「……」
青年「あのな、図書委員」
青年(……ううむ。本当に頭が悪い。本格的に距離をとりたいところ)
青年「残るのは結果だけじゃない」
青年「過程も残るんだよ」
青年「お前が男君と別れたところで、お前がしたことは無かった事にはならない」
図書委員「ぐ、ぅ」
図書委員「そ、そうだ。お前がクズだということも無かった事にはならん」
図書委員「私が接触するまでも無く、お前はクズだったのだから」
幼馴染「青年さんのことを、悪く言わないで下さい」
図書委員「いいや、こいつは正真正銘のクズだ」
図書委員「人を、よりにもよって肉親を貶め、悦ぶクズだ」
図書委員「青年はな、自分の兄と、姉と、妹を貶めて」
図書委員「結果、兄が死ぬことになっても、高らかに笑うような」
図書委員「クズでしかない! これが! 真人間であるはずが――」
幼馴染「――私を助けてくれた、青年さんを、悪く言わないでください!」ぐあっ
図書委員「――っ!?」
幼馴染「私の恋愛相談に乗ってくれて」
幼馴染「貴女のせいで失敗しても、一緒に泣いてくれて」
幼馴染「一緒にいてくれた、青年さんのことを、悪く言わないで下さい!」
図書委員「……貴様が幾らわめこうが!」
青年「……ああ。俺は正真正銘のクズだ」
図書委員「え、あれ?」
青年「幼馴染さん。こいつが言うことは合ってる」
青年「……本当は、幼馴染さんには、いつか話さなきゃいけないって思ってたんだ」
青年「俺が、どうしようもないクズだってこと」
幼馴染「青年、さん?」
青年「確かに、俺は」
青年「人を貶めて、その人が転落していく様を見るのが大好きだ」
幼馴染「でも、いや、そんな」
青年「……ごめん」
青年「聞かなかったことにしてくれても、それで構わないよ」
幼馴染「……」
青年(さて、と)
青年(思うに、今幼馴染は葛藤の中に居る)
青年(幼馴染は俺の事が、まあ恋愛対象かはさておき好ましい)
青年(しかし俺が興味を向けていることに対して、嫌悪感を抱いている)
青年(例えるなら)
青年(恋人が野球好きだけど、自分は野球がこれ異常ないほど嫌い、という状態)
青年(この状態だと、当然落ち着かないから)
青年(恋人を嫌いになるか、野球を嫌わせようとするか、野球を好きになろうとするかしてバランスを取る)
青年(……が、今の場合それだけじゃあない)
幼馴染「私、は――」
青年(俺は、幼馴染に致命的な秘密を告白している)
青年(それがいかに重大か、というのは彼女も分かるだろう)
青年(……好きな人が、それだけ勇気を出したんだ)
幼馴染「それでも、かまいません」
幼馴染「青年さんが、世間一般に言うクズでも」
幼馴染「青年さんと、いっしょにいたいです」
青年(それを無下にはできない、と)
青年(そしてこれは幼馴染自身の意思だ)
青年(図書委員という他者に抗ってまで主張した、自発的なものだ)
青年(幼馴染の中では、ね)
青年「ありがとう、幼馴染さん」
青年「こんな俺を、受け入れてくれて」
図書委員「い、いや、待て」
幼馴染「……まだ、ちょっと複雑ですけど」
幼馴染「でも、青年さんは凄く立派な人だから」
幼馴染「そういうところがあったほうが、バランスがとれるっていうか」
幼馴染「あ、いえ、でも悪い意味じゃなくて」あせあせ
青年「……っはは」
幼馴染「……えへへ」
図書委員「……ああ」
図書委員「もう、知らん」
図書委員「貴様ら、なんぞ」
図書委員「――っ」だだっ
青年(あ、逃げた)
青年「……ええと」
青年「どうしようか、これから」
青年「ちょっとお話でも、って思ったんだけど、そういう雰囲気でもないよね」
幼馴染「いえ、嬉しいです!」
幼馴染「青年さんのこと、もっといっぱい知りたいので」
幼馴染「お話、聞かせてください!」
青年「……ええと、つまりは」
幼馴染「青年さんの趣味とか!」
青年(……改めて言うのは、凄く抵抗があるんだが)
青年(だってほら、クズであることには変わらないし、俺)
――青年宅
青年「――、ああ、くそ」
青年(思った以上に疲れた……!)
青年(最初引きながら話を聞いてくれてたけど)
青年(時折自虐的なことをはさんでみたらめっちゃ同情されるし)
青年「ああいうのを、良い人っていうんだろうかな」
コンコン ガチャ
妹「……おにい、ちゃん」
青年「……、その呼び方、やめろ」
青年(いやなんとも思わないけど)
青年(不快を装えば罪悪感をちょこちょこ引き出せるし)
妹「……でも」
妹「おにいちゃんは、もう、おにいちゃんしかいないし」
妹「だめ、かな」
青年「……まあ、いいか」
青年「そうだ、妹」
青年「男君って知ってるかな」
妹「しってるよ。いろんなところからおんなのこがあつまってくる」
妹「えらい?」
青年「ああ。偉いぞ」
妹「えへ、へ」
青年「それでさ、妹」
青年「ちょっとお願いがあるんだけど、いいかな」
妹「ほめて、くれる?」
青年「ああ。しっかり出来たらその分褒めてあげたくなるだろうね」
妹「……がんばる!」
青年(……俺の前だけこんなん)
青年(……うーん、精神崩壊?)
――翌日、ファミレス
青年(……おお、集まってる)ひょこっ
委員長「何で、皆さんおそろいで?」
先輩「私は、妹さんとやらに呼び出されて」
後輩「先輩が居るので」
生徒会長「ええと、私も妹さんに」
委員長「私もです」
委員長「……ええと、妹さん?」
妹「ええ。皆さん私が呼びました」
妹「私の、おにいちゃんに頼まれたので」
生徒会長「おにい、さん?」
青年「やあ、こんばんは」
先輩「……誰、ですか?」
妹「おにいちゃんだよ」
妹「……ほら、みんな、あつめたよ」
青年「ありがとう、妹。あとで何かお礼をするよ」なでなで
妹「……えへへへへへ」でれっ
後輩「妹さんの、お兄さんですか」
青年「ああ、そうだよ。集まってくれてありがとう」
生徒会長「何故、私達を?」
青年「……面子の共通点を、考えて欲しい」
青年「妹を除き、君達は皆、男君に恋して」
青年「そして、その恋が実らなかった」
委員長「――! どうして、それを」
青年「幼馴染さんと仲がよくてね」
青年「そして男君が付き合っていた、図書委員」
青年「あれは、その前まで俺の恋人だったんだ」
先輩「!」
青年「――いわば」
青年「男君被害者の会、とでも言おうかな」
後輩「被害者なんて、そんな」
後輩「……私達は、なにもされてませんし」
青年「そう!」
青年「君達は、どんなに頑張って男君の気を引いても」
青年「男君は何もしてくれなかった!」
生徒会長「……っ」
青年「そしてあの図書委員は」
青年「ぽっと出てきて、さっと男君を君達から奪い取った」
青年「……その悲しさ、悔しさは」
青年「君達の精神に、多大なる害を及ぼしただろうことは、俺にも分かる」
青年「男と図書委員は、もう別れた」
青年「でも、だからといって元に戻るわけじゃない」
青年「君達の傷は、そう浅いものじゃないはずだ」
青年「――だから」
青年「それがふさがるまで」
生徒会長「――傷を、舐めあう」
生徒会長「そういう、こと、でしょうか」
青年「そうだ」
青年「まあ、偉そうに説教をした割には」
青年「大したことはしないんだけどね」
青年「――どうかな」
――青年宅
青年「ただいま」
姉「おかえりなさ、ぇ?」
委員長「おじゃま、します」
生徒会長「失礼します」
先輩「おじゃまします」
後輩「失礼しまーす」
姉「え、ええと、あれ?」
青年「ちょっと、お悩み相談をね」
青年「……とはいえ、皆まとめては難しいかな」
青年「姉さん、妹、ちょっとお願い」
姉「え、いや、その」
妹「わかった」ふんす
妹「おちゃ、いれる」
――数日後、青年宅
妹「おにいちゃん、おにいちゃん」
青年「……ああ、うん、何」
妹「きょうね、がっこうでね」
妹「幼馴染さんのつくえにね、ひどいらくがきがあったの」
青年「……どんな?」
妹「『死ね腐れビッチ』とか、いろいろ、ちょこちょこ」
妹「いろんないろで、かいてあった」
青年(……へえ)
青年(図書委員かな。狙いはなんだろう)
青年(男君を狙っていた子達が便乗するのをねらって、口火を切ったのかな)
青年(複数人の仕業に見せかけることで、次の奴もやりやすくなる、と)
青年(……全く、それをやるにはちょっと遅かったな)
青年「ありがとう、妹。これからもクラスの様子を聞かせてくれると嬉しいな」
妹「……!」ぱあっ
妹「それでね、そのあとね」ぱたぱた
青年「ふむふむ」
妹「ちょっといじめられてる、みたいなうわさがひろがったんだけど」
妹「ひるには、委員長とか、生徒会長とか、先輩とか後輩とか」
妹「みんながなぐさめてたよ、幼馴染さんのこと」
青年「……男君は?」
妹「うん、男くんも幼馴染さんをしんぱいしてたけど」
妹「なんかね、いるせかいがずれてた」
妹「幼馴染さんも、ほかのみんなも」
妹「男くんを、そんなにいしきしてなかった」
青年「……なるほど、ねえ」
妹「ほかに、なにかききたいこと、ある?」
青年「いいや、十分」なでなで
妹「えへへへへへへへへ」にたぁ
青年(……うむ。気色悪い)
青年(なんでこういう壊れ方をしたんだろうな)
青年(引きこもってた頃、扉越しに好感度上げていっただけなのに)
青年(……もしかしてあれか。俺だけが頼りになるとか思い込んだのか)
青年(いや確かに父さんも母さんもどうすればいいか困ってたし、姉さんには手を出さないように言っておいたけど)
青年(……えー、俺の妹ちょろすぎないか)
ピピピピッ ピピピピッ
青年「お、もう時間か」
妹「おでかけ?」
青年「うん。いつもの」
妹「ついてく」
青年「駄目。姉さんがついてこないようにしてて」
妹「はーい」たたっ
青年(さて)
青年(定期的に、あの子達一人ひとりとお話をしている)
青年(お悩み相談って形でやってるけど)
青年(……順調に、篭絡できている)
青年(――悪いね、男君)
青年(でも、個人的に、無条件でモテる奴が嫌いなんだ)
青年(そして、嫌いな奴に嫌がらせをするのは、大好きなんだ)
――数日後、中学校
男(……最近、なんか寂しい)
男(図書委員と付き合いはじめてから、幼馴染はよそよそしくなるし)
男(突然振られてからは、委員長も生徒会長も先輩も後輩もそうなった)
男(……それだけで、一人になったなあ)ガラッ
男「……、?」
男(教室、間違えてないよな)
男(でも、不自然に空いている場所がある)
男(そこは、昨日まで――)
男「俺の、机は?」
――晩、青年宅
妹「おにいちゃん、おにいちゃん」
青年「ん、どうした?」
妹「いわれたとおりにしたよ」
妹「あさいちばんについて、男くんのつくえをかくして」
妹「にもつをもったまま、じてんしゃおきばのうらにしばらくかくれてたよ」
青年「よしよし。上出来」なでり
妹「うへへへへへへへえへへ」
青年「その後、どうなった?」
妹「うん、男くんがね」
妹「こまってたけど、だれもたすけなかったの」
妹「委員長と、幼馴染さんは先輩とかとはなしにいって、いなかったし」
妹「あと、くらすのだんしが、くすくすわらってた」
青年「へぇ」
青年(よし、よし)
青年(やろうとしていることは、図書委員と一緒)
青年(でも男君は、前モテモテだったから、男子からの反感も買うだろう)
青年(おまけに一日中だれか女の子と一緒だろうから、男友達も少ないはず)
青年(その辺にかけてみたが、成功みたいだ)
青年「――っく、くく」
妹「どうした、の?」
青年「なんでもないよ」
青年(自分の作戦がうまくいかず)
青年(俺が同じようなことやったら上手くいった、ってのはどういう気分なのかな、図書委員?)
――数週間後、青年宅
青年「……うーむ」
青年(狙い通り、男君はいじめの標的に)
青年(しばらくして、担任が気づいて止めたらしいけど)
青年(その頃にはもう不登校)
青年(……いつも自分に親しくしてくれてた人が助けてくれなかったのがそんなに辛いか)
青年(よく分からん)
青年(で、図書委員への嫌がらせは十分やったし満足だけど)
青年(……あいつら、どうするかなあ)
青年(正直邪魔なんだよな。思った以上にさくっと落とせたから思い入れもないし)
青年(誰とも付き合うとは言ってないから、ささっとフェードアウトしてしまうのもありだけど)
青年(いつにしようか。今でしょ、ってのは古いし)
ピリリリリリリッ
青年(……電話?)
青年(登録無し。番号だけ)
青年(っていうか、これ図書委員だ)ピッ
青年「今更何だ?」
図書委員『――打算の天敵を、知っているか?』
青年「……?」
青年(何言ってんだ、こいつ)
青年「想定外、とかかな」
図書委員『正解』ブツッ
青年「……、切れた」
青年(なんか、デジャヴだ)
青年(あいつが兄貴を殺した時もよくわからん電話かけてきたし)
――翌日、夜、帰路
青年(……ああ、疲れた)
青年(あのレズカップル、本当に篭絡する必要があったのか)
青年(労力に対する利益、割に合ってない気がするぞ……)
青年「――っ、と」
図書委員「……やあ、青年」
青年「何の用だ」
青年(といっても、見れば分かるけど)
青年(全身を覆う雨合羽、わざとらしく後ろに隠している手元)
青年(……想定外が弱点、とか言ってたけど)
青年(不意をつく気があるのかね、こいつは)
図書委員「いやなに、ちょっと久々に顔を見たものでな」
図書委員「少し、呼び止めてみたんだ」とことこ
青年「……へぇ」
青年(……運動神経にも自信がある)
青年(あいつが持っているであろう刃物を奪い取って無力化することも可能だろう)
青年(……でも、実際に殺されそうになったこと、無いからなぁ)
青年(今逃げてもいいが、それだとつまらなすぎる)
青年(……避けて、出来そうなら顔面に一発、くらいか)じりっ
図書委員「ああ、そうそう。昨晩の電話だけど」
図書委員「あれ、実は複数回答なんだ」
青年「――、は?」
図書委員「いやぁ残念だ。部分点を用意したかったが」
青年「……ああ、うん。そう」
青年(こっちの集中力をそぐ為に無駄話?)
青年(頭はまあ、使ってるようだけど、その後にすることが読めてるからな)
図書委員「で、もう一つの答えは、というと――」だっ
青年(――来る!)
青年「っと、ぉ!」ひょいっ
青年(ちょっと飛び退きすぎたか、反撃せずに逃げ――)
キィィィィィィィィィッ
青年「って、え?」
図書委員「――偶然、だよ」
青年(まぶ、しい)
ドガァッ
――病室
青年「……で」
青年「お前、何をしたんだ」
図書委員「いやいや、私は」
図書委員「丸腰で君に駆け寄ったら、君が勝手に飛び退いて」
図書委員「その結果、君がたまたま通りかかった車にはねられたというだけさ」
青年「……ああ、本当に」
青年「そりゃ、対処できないわ」
図書委員「ほうら、私の言ったとおりだろう?」
青年「直前に言われてもな……」はぁ
青年「それにしても、随分といい笑顔をするようになったな」
図書委員「君だって、随分と落ち込んでいるようだが、どうしたんだい?」
青年「……見れば、分かるだろ」
図書委員「あっれぇ? ――君、左腕はどこに置いてきたんだ?」にまぁ
青年「……ああ、もう」はぁ
図書委員「いやぁ、実にかわいそうだ」
図書委員「轢かれて、ガードレールに押し付けられて左腕がもげるなんて」
図書委員「――本当、運がよいのか悪いのか」けけけけ
青年「……そんなんでも生きてたからな、俺」
図書委員「ああ、お医者様によるとな」
図書委員「私の通報が早かったから、左腕以外無事だったそうだぞ」
青年「これ異常ないほど白々しいな」
図書委員「うん? 私は何も悪いことをしていないからな」
図書委員「むしろ感謝して欲しいくらいだ」ふふん
青年「感謝、ねぇ」
図書委員「そう。お礼は十分弾んでもらうぞ」
青年「お礼、って言ってもな。俺はお前と関わる意味はもう無いわけだし」
青年「恩を返さなかったところで、問題ないんだけど」
図書委員「何だ、君が関わる気が無くても私はつきまとうぞ」
青年「……分かった。何が欲しい」
図書委員「そうだな。……ふーむ」
コッ コッ
青年(……廊下から、足音)
図書委員「いち、にぃの」
図書委員「そいや」がばっ
青年「うおっ!?」
ガララッ
幼馴染「失礼しま、――っ!?」
生徒会長「……? 幼馴染さん、なんで入り口で固まって、――って」
図書委員「ん、むぅ」ちゅ れろ
青年「――! ―――っ!」
青年(舌、いきなり入れるか!)
青年(振りほどこうにも傷が痛む! 内臓もあばら骨も結構ダメージあるし!)
青年(こうなりゃ噛み付いて)ぐっ
図書委員「……」ぐりっ
青年(腹に! 拳を! 捻じ込むな!)
図書委員「……ぷぁ」
青年「……っはぁ!」ぜーっ ぜーっ
先輩「――ぁ、え、あれ?」
後輩「――う、うわ」
図書委員「おやぁ、皆さんおそろいで」
図書委員「何か御用かい?」にまぁ
生徒会長「な、何を、して」
図書委員「見て分かるだろう? 口付けだ」
図書委員「男君としたものより、もぉっと濃厚な」
幼馴染「――!?」
図書委員「何だ、驚くことはあるまい」
図書委員「そこそこいい顔してるし、お礼にこれくらいさせてもらってもいいだろう」
幼馴染「そんなこと、付き合っても、いないのに」
図書委員「む、それもそうだな」
図書委員「よし、青年。付き合おう」
青年「はぁ!?」
青年(ああもう、こいつらも唖然としてるし)
青年(……確かに、幼馴染達との関係を切ってしまいたい)
青年(だが、禍根の残る形で、終わるわけには)
青年(適当に言い訳考えて言いくるめてフェードアウトするつもりだったのに)
青年「……」
青年(どうした、ものか)
幼馴染「……」
幼馴染「構いません、よ」
青年「はい?」
幼馴染「だって、青年さん、こういうの多分、好きですよね」
幼馴染「私達を弄んで、楽しんでたんですよね」
生徒会長「お、幼馴染さん、それって、どういう」
幼馴染「だって、青年さん」
幼馴染「――クズじゃ、ないですか」
先輩「え、いや、それって」
後輩「……どういう、ことですか」
青年(……いやいや、ちょっと待て)
幼馴染「私だって、分かってて」
幼馴染「これまで青年さんと、一緒にいましたから」
青年(待て、待て待て待て!)
幼馴染「ちょっと、びっくりしましたけど」
幼馴染「いいですよ」
青年(それ以上、言われたら――)
幼馴染「青年さんと、いっしょに、いたいです」
青年(笑いを、こらえ、られない!)
青年「っく、ふ」
青年「っははははは、えひゃはははははははは!」
先輩「え、あの、青年、さん?」
青年「馬鹿じゃねぇの! 馬っ鹿じゃぁねぇえええええええの!?」
後輩「……」
青年「……こんなクズの、お見舞いに来て」
青年「それだけで、十分に、馬鹿馬鹿しいのに!」
青年「いっしょにいたい!」
青年「こんなクズを信頼するとか、惚れるとか」
青年「馬鹿でしかねぇだろ!」
青年「け、ひゃははははははは!」
生徒会長「へ、何が、どうなって」
……
青年(で、後先考えずひとしきり笑い倒してみたんだが)
幼馴染「……」
図書委員「……」にやにや
青年(何でまだ居るんだよ、幼馴染……!)
青年(先輩も後輩も生徒会長もなんか微妙な顔して出て行ったのに)
図書委員「いやぁ、随分懐かれてるな」
図書委員「私としては、ちょっと微妙な気分だが」
図書委員「まあ、君が困ってるからよしとしよう」くけけけ
青年「……ええと、だな」
青年「幼馴染、さん?」
幼馴染「なんでしょう、青年さん」
青年(――眼の色が)
青年(俺にも分かる程度に、なんかおかしい)
青年「ええと、だな」
青年「……俺、幼馴染さんのこと何とも思ってないぞ。ついでに図書委員も」
図書委員「ついでで人を傷つけるな」
青年「黙れひとでなし」
図書委員「それもそうか」
幼馴染「……でも、いいんです」
幼馴染「青年さんは、私に色々教えてくださいましたよね」
青年「……君の恋愛相談の件か」
幼馴染「はい。おかげさまで、途中までですが上手くいっていました」
幼馴染「――そう、途中まで、上手くいっていたんです」
幼馴染「青年さんがクズでなく、図書委員さんがクズでなければ」
幼馴染「最後まで上手くいったはずなんです」
青年(……、ああ、そういう)
幼馴染「……青年、さん」
幼馴染「男君の、落とし方を、教えてください」
図書委員「……む?」
青年「成る程。他の皆が、男君を助けられなかったことに罪悪感を覚え」
青年「気まずくて男君と接触できない今、仮に君が男君を癒すことが出来れば」
青年「彼の目には、君は女神に見えるだろうね」
図書委員「――、ああ!」にやぁ
図書委員「となると、いっしょにいたいというのはそういうことか」
幼馴染「はい。青年さんに、お手伝いをしていただくためです」
図書委員「それで落とす相手が、かつて自分が裏切った、かつての想い人」
図書委員「――罪悪感は、貴様にはないのか?」にんまり
幼馴染「どうしてですか?」
幼馴染「だって、私は何も悪いことはしていませんよ」
図書委員「いじめから救おうとしなかったのは?」
幼馴染「彼女さんに遠慮して、とか言っておけばいいじゃないですか」にこっ
図書委員「――っく、くくく」
図書委員「あっはっはっはっは!」
青年「……あー、はいはい」
図書委員「おい青年! ――」
青年「次にお前は――」
図書委員・青年「――こいつを手伝え」
青年「と、言う」
図書委員「正解」
幼馴染「……ありがとうございます」ぺこり
青年「まあいいよ。それくらいは」
青年「その代わり、俺の名誉に関わることを口外しないこと」
幼馴染「もちろんです。口止め料として、たくさん教えてもらいますよ」
……
図書委員「さて、と」
図書委員「幼馴染はとりあえず帰路についたが、私はここにいても構わないだろう?」
青年「ああ。今となっては一緒に居て不都合になることもないし」
図書委員「うむ。いやぁ、やはり君のような同類がいてくれないと寂しいよ」
青年「……幼馴染についていけばいいんじゃないか。あれももうクズだろ」
図書委員「いや、私の見立てによるとだな」
図書委員「クズはクズだが、私達とは少々違うように思える」
青年「と、言うと?」
図書委員「あいつには、男を我が物とする、という明確な目的がある」
図書委員「実際に男を篭絡すれば落ち着くだろうし、クズとして動くとしたら男絡みのことのみだ」
青年「……ああ、なるほど」
図書委員「対して私達は、ただ自分の楽しみのみを行動原理としている」
図書委員「迷惑さの度合いは桁違いなんだよ」けけけ
青年「いや、俺はちゃんと相手を選んでいるんだけど」
図書委員「でもそいつを貶める理由は、愉しいからだろう?」
青年「……なら、変わんないな」けけっ
図書委員「さて、これから君はどうするんだい?」
青年「まあ、幼馴染の相談にのってやるくらいだろうな」
青年「退院までに終われば楽なんだけど」はぁ
図書委員「ああ。入院中の暇つぶし、といったところか」
図書委員「……ところで、青年。くそったれのひとでなしのゴミクズな青年よ」
図書委員「まさか、――普通に相談に乗るわけじゃあないよな」にまぁぁぁ
青年「あはは。そりゃもちろん――」
青年「――ちゃんと、男君が苦しむようにアドバイスするよ」
おわり。
正直生徒会長とか委員長とか先輩とか後輩とか要らなかったかも
乙
きっと本当は違うエンドを考えてたんじゃないかい?
なんか災難だったな
>>163
特に何も考えずに進めてた。
レスについては、こういう話だし問題ない。むしろ正常。
なんか質問あったら受け付けます。
あとこのシリーズはあと一回やってから終わるよ。
いうほどクラスの男子に人気か?
図書委員→青年と
青年→図書委員は最後どういう状態?
こいつら腹黒過ぎて読めない
>>167
描写がない上にほとんど死に設定だけど、男へのいじめを加速させる要素にはなってるはず
>>168
図書委員→青年
同属。結構有能な逸材だから手放したくない。でも隙あらば嫌がらせしたい。
青年→図書委員
同属。居ても居なくてもどうでもいい。隙あらば嫌がらせしたい。
図書委員があわあわしてたのも演技なんか
>>171
というか、青年が自分から離れていくのが嫌だった。
嫉妬とかではなく、優秀なクズを手放したくなかっただけ
正直、図書委員と青年は死ねばいいと思う
この終わり方は胸糞でしかない。幼馴染もクズだしまじ終わってるわ
特に青年のキャラが気持ち悪すぎて吐きそう。何この気持ち悪い感じ、自己陶酔っていうかなんていうか
なんだろうな、不細工のナルシストみたいな絶妙な気持ち悪さ。こういうキャラはマジで死なないとすっきりしないわ
まぁ、読者を嫌な気持ちにさせるために書いたんだったら、
その目論見は成功してるといえるだろうな
sage忘れスマソ
幼馴染うぜぇないじめをとめなかったのは彼女に悪くてぇ?じゃあ今更近づく権利もないよね
まったくもって馬鹿らしい。男以外全員死んだらよかったんじゃない?
特に青年は死ね。あと図書委員もな。何かっこつけてんだか、気持ち悪いだけですよー
このSSまとめへのコメント
!?
クズすぎwww
ワロタwwwwwwwww
つまらなかった
意味がわかふぁん
BBのテルミみたいで俺は好きだな。
普通に良いと思う
メンヘラがいる気がする
クソほどつまんなくて草(矛盾