勇者「ハアハア…」しこしこ(1000)

※私用で更新出来なかった勇者「ハアハア…」シコシコのリメイクSSです。

神父「旅立つのですね…勇者よ…」

勇者「は、はひぃ…」しこしこ

神父「長く辛い旅になりますが頑張るのですよ?」

勇者「が、がんばりましゅう…」しこしこ

神父「旅立つ前に必ず城に寄れとの王からお話が来ていますが…」

勇者「いきましゅいきましゅ…うっ!」しこしこ!

神父「…自慰行為は止めなさい」

勇者「む、無理でしゅう!気持ちよしゅぎるのぉ!」しこしこ!

神父「…だから止めなさいと…はぁ…では行ってきなさい勇者よ…」

勇者「お世話になりました、神父様」しこしこ

神父「…本当に気をつけて…女神の加護があらん事を…」

勇者「がんばりましゅ!うっ!」しこしこしこしこ

神父「(心配です…)」

~王城~

王「よくぞ参った選ばれし三人の勇者よ!そなた達は我ら人類のきぼ…う…?…!?」

勇者「…」しこしこ

男勇者「おいお前!王の御前であるぞ!そのような行為はやめろ!」

勇者「…はひ?」しこしこ

女勇者「うわぁ…サイッテー…気持ち悪…」

勇者「お、女勇者に罵られて気持ちくなっちゃうのほぉ!」しこしこしこしこ

男勇者「おい!止めろ!彼女も嫌がっているだろうが!」ガシッ

勇者「はうっ!」しこしこしこしこ

男勇者「こ、こいつ…!!」剣に手をかけ

大臣「や、やめなさい!王の御前ですぞ!?おとなしくしていなさい!」

王「う、うむ…」

男勇者「も、申し訳ありません!ほら、お前も謝れ!」

勇者「ごめんしゃい…」しこしこ

女勇者「本当に気持ちわる…」

王「ごほんっ!そのものの行為は無視せよ。話が進まぬ」

男勇者「は、はい!」

勇者「ふえぇ…皆酷いよぉ」シコシコ

王「そなた達は女神様に選ばれた勇者であるからして今この時より魔王討伐の旅に出てもらう」

女勇者「はい」

王「それに関して我が国で出来る最大限の援助をしよう。そなた達全員に10000Gを与える。魔王軍との戦争で経済的余裕がない我が国で渡せる最大の金額だ」

勇者「じゅ、じゅうぶんで痛っ」しこしこ

男勇者「お前は黙っていろ!十分でございます!」

勇者「ふえぇ…」しこしこ

王「他にも何かあれば申してみよ。希望に答えられるよう最大限努力しよう」

男勇者「はっ!恐れながら王様。この国に伝わる剣を貸して頂きたく存じ上げます!」

王「ふむ…そなたは素晴らしい剣の使い手であったな。良かろう、大臣、後で宝物庫から件の剣を男勇者に渡すのだ」

大臣「わ、わかりました」

男勇者「有難き幸せ!」

女勇者「私は魔道書が欲しいです。私が読んだこと無いものを」

王「そなたは知識に貪欲で魔法の才能も素晴らしいと聞く。よかろう、城の蔵書を読むといい」

女勇者「ありがとうございますー」

王「…つ、次にそなただが…」チラッ

勇者「はひぃ…はひぃ…」しっこしっこ

王「(まだ自慰行為を…)な、何か望むものはあるか?」

勇者「…オナニーしやすい鎧がほしいでしゅう」しこしこしこしこ

王「お、オナ!?わ、わかった…城下町の防具屋に特別に作らせよう…」

勇者「おほぉ!ありがとうございましゅ!」しゅこしゅこ

大臣「で、では準備が整ったものから順次出発を…城下町の酒屋で仲間を募るといいと思います」

男勇者「では私は剣を受け取った後向かいます」

女勇者「私は読んでからー」

勇者「ぼくはしゅこしゅこしながら行くよぉ~」しゅこしゅこ

王「勇者達よ。魔王を討伐してくるのだ!」

男勇者・女勇者「はい!」

勇者「はひぃ!」しこ…しこしこしこしこ

王・大臣「(一人だけ心配だな…)」


~酒屋~


女将「~♪」皿ふきふき

剣士「あーちくしょう、男勇者に連れて行ってもらえなかったぜ…」

武道家「仕方ないよ、前衛は足りてるんだもん…はぁ…勇者様と旅したかったなぁ…」

魔法使い「ぐす…ぐすぐす…」

僧侶「な、泣かないでください魔法使いさん…」

魔法使い「だ、だってあの女勇者…こんな事も出来ないの?って…僕だってレベル上げたり魔道書を読んだりしたのに…くやしぃぃぃぃ!!」

僧侶「わ、私だってバカはいらないって…バカじゃないのに…うぅ…」

賢者「……」

酔っ払い「た、大変だぁぁぁ女将さんぅぅぅぅ!!」

全員「?」

女将「あら、酔っ払いさん。どうしました?」

酔っ払い「む、向こうからチ○コ丸出しでオナニーしながらこっちに向かって歩いてる変態がいるぅぅぅぅ!!」

全員「!?」

女将「あらあら…噂の選ばれし三人の勇者の勇者様かしら?」

僧侶「う、噂って女将さん!?」

女将「あら知らないの?自慰行為を止めない勇者様がいるって噂よ?」

僧侶「え、ええ!?」

剣士「ま、まじかそれ…どんな猿だよ…」

賢者「……」

魔法使い「噂だと王様の前でもしてたらしいぞ?」

武道家「うわー…」

酔っ払い「き、きたぞぉぉぉぉ!!」

全員「……」ごくり…


ギ、ギィィィ…


勇者「おほぉ!アナルほじほじ堪らないのぉ!!」ほじりほじり

全員「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

勇者「あひぃ!」びくっ

全員「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

女将「あらあら」

賢者「……」



ざわ…ざわ…

酔っ払い「おいやべぇってあれ…」ひそひそ

魔法使い「噂はマジだったな…オナニーしながら歩いて来るとか…」ひそひそ

剣士「見た目は普通なのになぁ…」ひそひそ

女将「いらっしゃいませ勇者様。旅のお供をお探しですか?」

勇者「そうでしゅうぅぅ…女将さんえってぃですぅ…」しこしこしこしこ

女将「あらあらまあまあうふふ」

僧侶「きゃーきゃー////」

武道家「顔に似合わずでっかいですね////」

賢者「……」


勇者「誰でもいいからお供にしたいでしゅぅぅ…うっ…!」しこしこしこしこ

女将「わかりました。あちらの一角にいる方々はお供希望の方々です。声をかけてみてくださいな」


勇者「ふえぇ…人見知りだから怖いよぉ…」しこしこ

剣士「こっちきたぞおい!やべぇって!って魔法使いいねぇ!?酔っ払いも!?」

武道家「わ、私たちもお花つみにいきましょー?」

僧侶「は、はい!け、賢者さんも早く…っ!」

賢者「…私は大丈夫です」

僧侶・武道家「え!?」

勇者「あ、あのぉ……」しこしこほじほじ

剣士「は、はいぃぃぃ!?」

勇者「よ、良かったら一緒にぃ…あひっ」ほじり

剣士「す、すいませんが先客がいましてぇぇぇ!」だっ

勇者「しょ、しょうですかぁ…」しこしこ


勇者「あ、あのぉ…」ほじほじ

僧侶「あ、ああ!武道家さんどこ行くんですかぁ!!私も連れて行ってくださいぃぃぃぃ!」だっ

勇者「……ふえぇ」しこしこ

勇者「誰も仲間になってくれましぇん…」しこしこ

女将「こればっかりは仕方ないわねぇ…」

勇者「いいでしゅ、一人でいきましゅ…うっ…!」しこしこしこしこ

賢者「勇者様」

勇者「ひゃい!?」しこしこびくっ!

賢者「私をお供にしてください」

勇者「……え?」

女将「あらあらまあまあ」

賢者「聞こえませんでしたか?旅のお供にしてくださいと言いました」

勇者「え?え?いいの?本当に?」

賢者「はい、もちろんです」

女将「良かったわねぇ勇者様♪旅のお供が出来ましたよ~」

勇者「そ、そうでしゅね!え、えと…」しこ…しこ…

賢者「賢者と言います。よろしくお願いします」ぺこり

勇者「ぼ、僕は勇者でしゅう。こ、こちらこそよろしくお願いしましゅうぅ」しこしこ

賢者 が 仲間になった!

賢者「では勇者様、早速出発しますか?」

勇者「あ、明日の昼に鎧を受け取る事になってりゅから明後日の朝に出発しようぅ。だから旅の準備を済ませておいてぇ」ほじりほじり

賢者「はい、わかりました。最初の目的地はどこですか?」

勇者「さ、最初は南の国(ここ)と西の国の国境にある街を目指すつもりですぅ…うっ!」しこしこ

賢者「なるほど…わかりました。では明後日北門付近で待ち合わせにしましょう。よろしいですか?」

勇者「わかったよぉ…はひっ」しこしこ

賢者「ではまた明後日の朝、北門付近で会いましょう」

勇者「はぁい」しこしこ

賢者「勇者様」

勇者「?」しこしこ

賢者「…いえ、なんでもありません。では」

勇者「…?」しこしこほじほじ


幸いにも旅のお供を見つけた勇者。
しかし何故賢者が旅のお供になってくれたのかさっぱりわかりません。勇者はしばらくしこしこしながら考えましたがいくらしこしこしてもわからなかったので勇者は考えるのを止めてほじほじし始めました。さてさて、勇者は魔王を倒すことが出来るのでしょうか?

これで今夜の投稿は終わります。また明日書きためてくるのでよろしくお願いします!

一言あったら別にいいんじゃない

構わん続け給え

>>25 >>26
お二人ともありがとうございます!では続き投入します

~北の門付近~

勇者「は、はひぃ…はひぃ…」しこしこ

門番「……(関わっちゃいけない関わっちゃいけない)」

勇者「あぁ…門番しゃんと町のみんにゃの冷たい目線が堪らないのぉ…おほぉ…うっ!」アナルに指入れ

門番「……(なんでこいつここに居座ってんだよ…勘弁してくれよ……)」

勇者「この鎧しゅごいぃぃ…アナニーもオナニーもしやすいのぉ…」しこしこくちゅくちゅ

賢者「勇者様」

勇者「はひっ!?」びくっしこしこ

門番「!?」

賢者「おはようございます。遅くなってしまい申し訳ありません。早速出発しましょう」

勇者「はひぃ、行きましょう…んっ」しこしこ

門番「あ、あんな美しい女性が…嘘だろ…いいなぁ…」

門番「…俺もあとであの子でしこしこしよう…」

~北の旅路~

勇者「と、ところで賢者しゃん…」しこしこ

賢者「はい、なんでしょう?」

勇者「賢者しゃんは旅の経験は?うっ」しっこしっこ

賢者「この王都に来るときに少しだけですね」

勇者「そうなんですか…も、モンスターとの戦闘経験は?」しこしこしこしこ

賢者「お恥ずかしながら一度も…」

勇者「わ、わかりましたぁ…もう少し先の平原でスライムと戦ってみましょうかぁ…」しこしこ

賢者「スライム、ですか。わかりました、足手まといにならないよう頑張ります」

勇者「しょ、しょのいきだよぉ…」しこしこ

賢者「ところで勇者様は旅の経験や魔物との戦闘経験は?」

勇者「旅はあまりしたことにゃいけどぉ…野宿の経験はいっぱいありゅう…ほひぃ…」アナルくちゅくちゅ

賢者「なるほど、軽装なのは慣れているからという事ですか」

勇者「必要最低限の物があれば大丈夫にゃのぉ…」しこしこ

賢者「では魔物との戦闘経験は?」

勇者「この辺りの魔物なら一通りぃ…」しこしこ

賢者「頼もしいですね」

勇者「はふぅん!」しこしこ

賢者「どうしました?」

勇者「お、女の子に褒められるなんて久しぶりすぎて…」しこしこしこしこ!

賢者「そうですか」

勇者「はぁ…はぁ…」しこしこ

賢者「……」

勇者「…はふぅ…うっ!」しこしこ

賢者「…あの」

勇者「なんでしゅかぁ…」しこしこ

賢者「自慰行為しながらでは歩き辛くありませんか?」

勇者「な、馴れてましゅから…」しこしこ

賢者「そうですか」

勇者「……」しこしこ

賢者「……」

~平原~

勇者「へ、平原に着きましたぁ…」しこしこ

賢者「はい。早速スライムが現れましたね」

スライム「ぴぎー!」ぷるんぷるん

勇者「じゃ、じゃあまず僕が相手をするから…んふぅ」しこしこ

賢者「頑張ってください勇者様」

勇者「んほー!」しこしこ

スライム の 攻撃!

勇者 は ひらりと身をかわした!

勇者 の 攻撃!

スライム は 倒れた!

勇者「こんな感じだよぉ…」しこしこ

賢者「凄いです勇者様」パチパチ

勇者「あ、ありがとう…////」しこしこ

勇者「流れを簡単に説明するとぉ…敵の動きを観察する→攻撃する か、敵の動きを観察する→避ける→敵の動きを観察する だよぉ」しこしこ

賢者「なるほど。観察することが大事なんですね」

勇者「うん、兎にも角にもまずは相手の動きをしっかり見ること。動く前に必ず何かしらの変化があるからそれを見逃さないことが大切だよぉ…」しこしこ

賢者「ですが、後手に回ってしまうのでは?」

勇者「気持ちは分かるけど焦っちゃだめだよぉ」しこしこ

賢者「はぁ…」

勇者「とりあえず、一回経験してみるといいよう…」しこしこ

賢者「わかりました」

スライム「ぴぎー!」

勇者「丁度良くスライムが現れたよぉ…」しこしこ

賢者「頑張ります

スライム の 攻撃!

賢者 は 身をひらりとかわした!

賢者 の 攻撃!

スライム は 身をひらりとかわした!

スライム は 力を貯めている!


賢者「え」

勇者「焦るな!しっかりスライムの目線や身体を見ろ!」

賢者「は、はい!」

スライム の 体当たり!

賢者 は 何とかかわした!


勇者「よし、今スライムは体制を崩してるから今がチャンスだ!」

賢者「わかりました!」

賢者 の 攻撃!

スライム は 倒れた!

賢者「や、やりました勇者様!魔物を倒せました!」

勇者「うんうん、良かったよぉ…」しこしこ

賢者「ありがとうございます勇者様。勇者様が声を掛けてくださらなければあの体当たりを避けることは出来ませんでした」

勇者「戦闘時一番してはいけないのはパニックになることだからねぇ…気をつけるんだよぉ…」しこしこ

賢者「はい。この調子で頑張ります」

勇者「うん、じゃあ次の街に向かいながら頑張っていこうかぁ」しこしこ

賢者「わかりました」

勇者「あ、賢者しゃん」しこしこ

賢者「なんでしょうか?」

勇者「さっきの戦闘、素晴らしかったよ」

賢者「あ、ありがとうございます…/////」

~王都と西の国の中間地点の街~

賢者「はぁ…はぁ…」

勇者「だ、大丈夫?賢者しゃん」しこしこ

賢者「こ、このくらい大丈夫です…」

勇者「なんとか日が沈む前に街に着いたし宿をとって早めに休もうねぇ…」しこしこ

賢者「い、いえそれには及びません…それよりも道具や武器の補充を…」

勇者「賢者しゃん」しこしこ

賢者「な、なんでしょう…」

勇者「一緒に旅をするんだから遠慮なんていらないよ。長い旅なんだからお互い助け合っていこう。ね?」

賢者「…わかりました、すいません…」

勇者「謝らなくていいよぉ。さっ、宿にいこうねぇ」しこしこ

~宿屋~

店主「いらっしゃ…ああ、お前さんが噂の勇者か」

勇者「ふえぇ…そうでしゅう…うっ」しこしこ

店主「はっはっはっ、すげえ度胸と変態だな!」

勇者「ありがとうございますぅ…」しこしこ

店主「じゃ、部屋はお前さんとあのかわい子ちゃんの分で2部屋でいーか?」

勇者「は「いえ、1部屋で構いません」

勇者・店主「え」

賢者「お金ももったいありませんし1部屋で構いません」


ついに旅が始まった変態勇者と賢者。順調に見えた初めての二人旅。しかし最後に勇者を襲った予想外のハプニング。さて勇者はこのハプニングを乗り越えられるのか、なぜ賢者は四六時中オナニーしてる男と同室を希望したのか?そもそもなぜ賢者はこの勇者を選んだのか?今夜はここまででございます。

今日の更新はここまでです。
明日から仕事なのでどのくらい書き溜めれるかわかりませんが頑張りますのでよろしくお願いします

勇者「け、賢者しゃん…?」しこしこ

店主「おいおい、本当に良いのかお嬢ちゃん?こんな変態と一緒で」

賢者「もちろんです。何か不都合でも?」

店主「いや、こっちに不都合はねぇ…はは~ん、なるほどねぇ」ニヤニヤ

勇者「ふえ?ふえぇ?」くちゅくちゅしこしこ

店主「ドSな彼女を持つと大変だなぁ」ニヤニヤ

勇者「」

賢者「ち、違います」

店主「はっはっはー!野暮な詮索はしねーよ。ほら、二階の角だ」鍵渡し

賢者「もう…勇者様行きましょう」

勇者「」

賢者「勇者様?」

勇者「ひゃ、ひゃい!?」

賢者「二階の角部屋です。行きましょう」

勇者「う、うん…」しこしこ


店主「若いっていいねぇ…」

~二階の角部屋~

賢者「ふぅ…」

勇者「やっと一息つけるねぇ…って!?」しこしこ

賢者「ええ、そうですね。…今日は疲れました。どうしました?勇者様」

勇者「うう…お決まりのようにベッドが一つしかないよぅ…」しこしこ

賢者「まあ、男女が相部屋を選ぶ時点で目的はほぼ決まっていますからね」

勇者「も、毛布を貸してもらえれば僕は床で寝れるから…うっ!」しこしこ

賢者「いけません勇者様。勇者様もしっかり身体を休ませなければ」

勇者「ぼ、僕なら平気「勇者様」…わ、わかりましたぁ…」しこしこ

賢者「お互いしっかり身体を休めて明日に疲れを残さないようにしましょう」


勇者「はぁい…まあ、魔物との戦闘が結構あったからねぇ」しこしこ

賢者「そうですね」

勇者「じゃあ、僕は夜ご飯でも買ってくるよぉ~。だいたい1時間くらいで戻るからぁ」しこしこ

賢者「いえ、それには及びません。そのくらいは私が行きましょう」

勇者「賢者しゃん?」しこしこ

賢者「は、はい」

勇者「遠慮なんていらないって言ったよね?」しこしこ

賢者「ですが…」

勇者「大丈夫だから。ね?」

賢者「…すいません、ではお言葉に甘えさせていただきます」

勇者「うんうん。それじゃまた1時間後に」しこしこ

賢者「はい。あ、勇者様」

勇者「なに?」しこしこ

賢者「私は寝る時全裸です」

勇者「!?」

~部屋の中~

賢者(…ふぅ)

勇者が夕食を買いに行っている間、賢者は身体を拭く事にした。
魔物との戦闘で正直かなりの汗をかいていたので勇者の申し出は正直ありがたかった。

賢者(…勇者様)

お湯に浸した布で身体を拭いていく。ベタつく肌がさっぱりしていくのは気持ち良い。特に蒸れやすい箇所を丹念に拭いていき、また布をお湯に浸す。

賢者(足手まといに、ですよね)

自分の肢体を改めて眺める。一部を除き余分な脂肪はついていないものの、筋肉もさほどない身体。

賢者(勇者様は汗もかかず魔物を倒し呼吸も乱れてなかった…)

湯面に移る自分の顔を見つめながら髪の手入れをしていく。

賢者(頑張らないと…)

ふと、勇者が出ていく前に放った言葉を思い出し赤面する。

賢者(うぅ…恥ずかしい…あのような嘘をつくなんて…)

両手でお湯を掬い顔を洗いながら羞恥に耐えるも身体が徐々に熱くなってくるのがわかる。









賢者(これでいいんですよね、女神様…)






~酒屋~

勇者「お、お持ち帰り二人分くだしゃぁぁぁぁぁぁい!」しこしこしこしこしこしこしこしこ!

店主「わ、わかったからこ、こんなところでおっ始めるな!!」

勇者「も、もお無理でシュゥゥゥ!!け、賢者たんのたゆんたゆん揺れるスライム堪らなかったよぉ!!!!」しこしこしこしこしこしこしこしこ!

店主「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ我慢汁が床にいぃぃぃぃ!!」

勇者「避けた拍子に転んじゃって涙目四つん這い賢者たんのぷりけつぅぅぅぅぅぅ!!」くちゅくちゅくちゅくちゅしこしこ!

店主「りょ、料理だ!早く料理持ってこいぃぃぃ!!ああ、俺の店が汚されていくぅぅぅぅ!」

勇者「しかも寝るときは全裸ぁぁぁぁぁぁ!!!」しこしこしこしこ!

勇者「あ、あのたゆんたゆん揺れてた賢者たんのお、おおおおおおぱいとお、おおおおおおおおま…っこれ以上言えないよぉぉぉ!!はぁぁぁぁん!!見れるかと思うとぉぉぉ!!」ぐちゅぐちゅしこぐちゅ!

店主「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ腸液までぇぇぇ!?りょ、料理はまだか!?え、出来た?よ、よし!!お客さん、2人前のお持ち帰り出来たよ!早く出てってくれぇぇぇぇ!!」

勇者「ありがとうございましゅぅぅぅぅ!!け、賢者たん今いくおぉぉぉぉぉぉ!!」しこしこしこしこしこしこしこしこ

店主「もうくんなぁぁぁぁ!!」

~宿屋~

勇者「け、賢者たん?ぼ、僕だよ?」コンコンしこしこ

賢者『勇者様?どうぞ、入ってください』

勇者「ひゃ、ひゃい!…うっ!」しこしこしこしこ


ドア〈ぎぃぃぃ…パタン

勇者「」

賢者「どうしました?勇者様」

勇者「」

賢者「勇者様?」

勇者「…裸じゃねーじゃん…」ボソッ

賢者「まだ寝るときではありませんからね。流石に全裸でご飯を食べるような事はしませんよ」

勇者「!? そ、そうだよね!ね、寝るときに全裸になるんだもんね!」しこしこ

賢者「まあそれは嘘ですけどね。さあ、料理が冷めない内に食べてしまいましょう。いい匂いです」

勇者「」

賢者「いただきます」

勇者「」

賢者「勇者様?」

勇者「…イタダキマス…」

賢者「よくできました」

勇者「……ぐすっ」


賢者「ではそろそろ寝ましょうか」

勇者「……」しこしこ

賢者「勇者様?」

勇者「…ハイ、ソウデスネ…」しこしこ

賢者「…嘘ついた事は謝りますから元気出してください」

勇者「うぅ…賢者たんのスライムぅ…」しこしこ

賢者「(私のスライム?)お詫びに本当の事一つ教えますから」

勇者「本当の事ぉ?」しこしこ

賢者「…私が今つけている下着の色は薄い青色です」

勇者「…マジで!?」

賢者「今度は嘘はつきませんよ」

勇者「へ、へぇ~…」じろじろしこしこ

賢者「あ、あまりじろじろ見ないでください。さ、さあ早く寝ましょう」

勇者「透けて見えないか「勇者様!」…はい、寝ます」しこしこ

勇者「…」もぞもぞ…しこしこ

賢者「……」

勇者「…んっ…」しこしこ

賢者「……」

勇者「…賢者ぁ…」しこしこ

賢者「…っ////」びくっ

勇者「(可愛い)」しこしこ



賢者「おはようございます勇者様」

勇者「おはよう、賢者さん」テカテカしこしこ

賢者「さ、昨晩はよく眠れましたか?」

勇者「それはもう賢者さんの可愛い寝顔が見れたからねぇ」しこしこ

賢者「っ////…きょ、今日の予定はどうしますか?」

勇者「ん、今日は消耗品の補充と装備の点検くらいかなぁ…あ、そういえば賢者しゃんの装備ってなにかな?」しこしこ

賢者「たしか森を抜けなければならないんですよね?…私の装備、ですか…」

勇者「うん、お互いの装備やレベルを把握するのも大切だからねぇ…」しこしこ

賢者「わかりました。えっと」

賢者 LV6

賢者の杖
賢者の服

勇者「装備には問題無さそうだねぇ…手入れもしっかりしてるし」しこしこ

賢者「師匠の遺品ですから」

勇者「…ご、ごめん」

賢者「いえ、師匠もかなりのお歳でしたので気になさらずに」

勇者「そっかぁ…じゃあ次は僕だねぇ」しこしこ

勇者 LV85

ひのきの棒
オナニー用鎧

賢者「え」

勇者「ん?」しこしこ

賢者「レ、レベル85…!?」

勇者「頑張ったよぉ」テレッしこしこ

賢者「あ、あの…」

勇者「なにかなぁ?」しこしこ

賢者「そんなにレベル高いなら…旅のお供なんていらないのでは…」

勇者「…ん、そう思うのも無理ないけど…旅はそんなに甘いものじゃないんだよぉ」しこしこ

賢者「そう…ですか?」

勇者「じゃあ、賢者さんに聞くけど賢者さんがレベル100でレベル60相当の魔物1000体。どっちが勝つかなぁ?」しこしこ

賢者「それは…恐らく魔物が勝ちます」

勇者「うん。何か本当にもの凄い魔法でも無ければ無理だろうねぇ」しこしこ

賢者「そうですね」

勇者「だけどレベル80相当の勇者、武道家、魔法使いに僧侶がいたら?」しこしこ

賢者「…いえ、それでも正直勝てないと思いますが…」

勇者「うん。多分無理だね。圧倒的な物量の差がある。でもね」しこしこ

賢者「?」

勇者「勝つのは無理でも上手くやれば逃げる事は出来るはずだよ」しこしこ

賢者「逃げる、ですか…」

勇者「そう。隙をついて逃げる。高確率とは言えないけど逃げて生き延びる事が出来る」しこしこ

賢者「…生き延びる…」

勇者「賢者さん。僕たちの旅の最終目標は魔王を倒すことで魔物を全滅させる事じゃないんだよ」しこしこ

賢者「ですが…」

勇者「時には泥にまみれながら逃げ帰る事も大事な事だよ」しこしこ

賢者「……」

勇者「話が逸れちゃったね。つまり旅の仲間がいれば生き延びる可能性がぐんっと上がるわけだよぉ」アナルくちゅくちゅ

賢者「…なるほど」

勇者「僕たちはもう旅の仲間だからレベルなんて関係ない。お互いがお互いを助け合わなくちゃいけないんだよぉ…」くちゅくちゅ

賢者「わかりました。私に出来る事なら全力で勇者様の助けになります」

勇者「…ありがとう、賢者さん」

賢者「呼び捨てで構いませんよ。あと敬語もいりません」

勇者「そ、そう?なら賢者も…」しこしこ

賢者「私はどうしても勇者様を呼び捨てにする事は出来ません。敬語も癖みたいなものですし」

勇者「賢者は堅いなぁ…うっ」しこしこ

賢者「お気になさらずに。さあ、朝食にしましょうか」

勇者「う、うん。あ、賢者さっき全力で僕の助けになってくれるって言ったよね?」くちゅくちゅ

賢者「はい」

勇者「な、なら今日のパンツを見「勇者様」…ごめんなさい」しこしこ

賢者「まったく…」

店主「ゆうべは お楽しみでしたね」

勇者「お楽しみはしなかったけどとても凄い情報を手に入れたよぉ…あっ」しこしこ

店主「ほう?」

勇者「賢者の今履いているパンツの色は「勇者様?」ご、ごめんなさい…」しこしこ

店主「はっはっはっ、随分と仲良くなったなぁ」

賢者「ありがとうございます。お代は?」

店主「ん、二人分で200Gだ」

勇者「お世話になりましたぁ…あ、あと道具屋の場所はどこでしゅかぁ?」しこしこ

店主「なぁに、こっちも勇者様の役に立てて光栄さぁ。道具屋?ああ、それならこの通りの一番はじの店がそうだ」

勇者「ありがとうございましゅう…じゃあ、賢者行こうか」しこしこ

賢者「はい。お世話になりました店主さん」ぺこり

店主「おう、道中きぃつけてなぁー」

勇者「うぅ…まさか入店した瞬間聖水掛けられるなんて…」しこしこ

賢者「まあ、魔物と勘違いされても仕方ないですよ。普通自慰行為しながら入店する人なんていませんから」

勇者「お詫びに結構おまけしてもらえたから良しとするよぉ…」くちゅくちゅ

賢者「干し肉と玉ねぎ、水に薬草、毒消し草と聖水…結構買いましたね」

勇者「何があるかわからないからねぇ…今から国境にある街までは村が点在するだけみたいだし…」しこしこ

賢者「森の出口に村があるようですが…」

勇者「それでも、森で2~3日は野宿するつもりでいよう」しこしこ

賢者「野宿…わかりました」

勇者「旅は始まったばかりだ、頑張ろうねぇ」しこしこ

賢者「大丈夫です勇者様。何があろうと私は貴方についていきます」

勇者「…ああ、それじゃ出発しよう…んうっ」くちゅくちゅ

賢者「はい!」

~平原~

スライム「……」むくり

スライム「今回は三人か…」

スライム「ふふ…何人辿り着くか楽しみだ…」

スライム「……」ドロォ…

以上で今日の更新は終わりです。読んでいただけたら幸いです。

~森の入り口~

賢者「ここが…森ですか」

勇者「うん。だいたい一日歩き続ければ抜けれる大きさみたいだよぉ」しこしこ

賢者「あまり広くはないんですね」

勇者「まあ、それでも1日は掛かるからねぇ…」しこしこ

賢者「頑張ります」

勇者「その意気だよぉ」しこしこ

勇者「旅人が良く通るみたいである程度整備されてるみたいだけど、今まで歩いてきた道よりは険しいから油断しないで行こうねぇ」しこしこ

賢者「はい」

~二時間後~

賢者「……」

勇者「……」しこしこ

賢者「……」はあはあ

勇者「…そろそろ休憩しようかぁ」しこしこ

賢者「は、はい…」はあはあ

勇者「ん、この岩が腰掛けるには良さそうだ。どうぞ賢者しゃん」しこしこ 手ぬぐい敷き

賢者「す、すいません…」はあはあ

勇者「はいお水ぅ」しこしこ つ皮袋

賢者「ありがとうございます…んっ…んく…」ごくごく

勇者「…(あぁ…あんなに皮袋の口に夢中にむしゃぶりついて…)はぁはぁ」しこしこ

賢者「ふぅ…だいぶ落ち着きました。ありがとうございます、勇者様」

勇者「いえいえ、こちらもありがとうございますぅ」しこしこ

賢者「?…しかし鬱蒼としてますね…気が滅入ってしまいます」

勇者「そうだねぇ…しかもあまり太陽の光も届いてないみたいだからジメジメしてるし…」しこしこ

賢者「早く出たいですね…」

勇者「気持ちは分かるけど焦りは禁物だよぉ。焦らず今のペースをキープするんだ」しこしこ


賢者「はい、わかりました」

勇者「よし、じゃあそろそろ行こうか。あまり長く休憩すると逆に動きたくなくなるからねぇ」しこしこ

賢者「あ、手ぬぐいありがとうございました勇者様」

勇者「どう致しましてぇ。……」くんくんしこしこ

賢者「あの、勇者様?」

勇者「……」くんかくんかすーはーすーはーしこしこ

賢者「勇者様!」

勇者「…はっ!?い、いけないいけないあまりに賢者たんの匂いがいい匂いだったからついくんかくんかしちゃった」しこしこ

賢者「今は汗臭いので止めてください」

勇者「今は?」しこしこ

賢者「水浴びや湯浴みをした後ならいいですよ?」

勇者「マジで!?」

賢者「匂いくらいなら。ちょっと恥ずかしいですけど」

勇者「よし、じゃあ出発しようすぐ出発しよう!」しこしこしこしこ!

賢者「勇者様、ペースは守りましょうね」

勇者「あ、はい」しこしこ

勇者「だいぶ進んだねぇ」しこしこ

賢者「そうですか?正直どのくらい進んだのかわかりません」

勇者「あそこに湖があるでしょ?」しこしこ

賢者「はい、日が当たっているのでよく見えますね」

勇者「あそこが森の中間地点だよぉ。今日はあそこで野宿するよぅ」しこしこ

賢者「もう、ですか?まだ日は高いですが」

勇者「この先いい野宿場所はないし暗くなってから野宿の準備するのは大変だからねぇ」しこしこ

賢者「本当は?」

勇者「みっずあび!みっずあび!」しこしこしこしこ

賢者「…はぁ…」

勇者「薪拾ってきたようぅ」うずうず

賢者「お疲れ様です。私は食べられる野草と木の実を少し」

勇者「賢者さんもお疲れ様ぁ」薪ぽいっ…しこしこ

賢者「では早速料理の準備しますね。勇者様は焚火の準備をお願いします」

勇者「はぁい」つ火打ち石

賢者「…あの、勇者様?」

勇者「なぁに?」カチッカチッ

賢者「火打ち石など使わなくとも魔法を使えばすぐ…」

勇者「あ、ごめんねぇ。僕魔法使えないんだ」カチッカチッ

賢者「え」

勇者「才能が本当にないからぁ…ん、ついた」パチ、パチチ…

賢者「そ、そうなんですか」

勇者「そう言えばお互いの特技とかはまだ知らなかったねぇ」しこしこ

賢者「言われてみればそうですね」

勇者「賢者は色んな魔法が使えそうだね」しこしこしこしこ

賢者「私は一通りの基礎魔法から上級魔法、それらを組み合わせた応用、合体魔法が使えます」

勇者「…上級魔法はまだ分かるけど応用、合体魔法まで使えるとは凄いね…」しこしこ

賢者「理屈さえ分かればなんとか出来ますよ」

勇者「あーあー聞こえないー」しっこしこ

賢者「勇者様は魔法が使えない、との事でしたが」

勇者「僕は魔力がないからねぇ」しこしこ

賢者「魔力が…ない…?」

勇者「うん。賢者ならわかってると思うけど人にはそれぞれ潜在魔力があるのは知ってるよね?」しこしこ


賢者「はい。それを発現し扱える様にするには洗礼や修行を行わなければなりません。中には生まれつき発現していたり扱える者もいるようですが」

勇者「そうそう。で、それを行っても魔力が発現しない、もしくは発現しても微量すぎて扱えない者がいる。僕は前者だねぇ」しこしこ

賢者「勇者様が…」

勇者「いやもう本当に何をしてもダメだったんだよぅ」しこしこくちゅくちゅ

賢者「ですが魔法が使えなくとも剣技などの特技があれば…」

勇者「僕の特技は4つだけだよぉ」

賢者「4つ、ですか」

勇者「オナニー、床オナ、アナニー、体力自動回復だよぉ」

賢者「前者3つはともかく体力自動回復なんて凄いじゃないですか」

勇者「オナニーで消耗した体力とオナニーによる痛みの回復でいっぱいいっぱいだよぉ…」しこしこ

賢者「……」

勇者「選ばれし三人の勇者、なんて呼ばれてるけど他の二人と違って僕は勇者なんて名ばかりの一般人だよぉ」しこしこ

賢者「…それでも勇者様は勇者様です。名ばかりなんて言わないでください」

勇者「…なんか変な空気にしてごめんねぇ。さ、火も落ち着いてきたし夜ごはんにしよー」しこしこくちゅくちゅ

賢者「大丈夫です。また一つ勇者様についてわかりましたから」

勇者「も、もう…///」しこしこしこしこくちゅくちゅくちゅくちゅ!

賢者「では私は野草と木の実を調理するので勇者様は干し肉をお願いします」

勇者「はぁい」しこしこ

賢者「お、美味しい…!」もぐもぐ

勇者「そうかな?」もぐもぐ

賢者「正直に言いますと干し肉は硬くて苦手でしたので…」もぐもぐ

勇者「あはは、たしかにそのままだと硬くて塩辛いだけだよね」もぐもぐ

賢者「はい…でもこの干し肉のスープはお肉が柔らかい上に優しい味がして…」もぐもぐ

勇者「硬い干し肉を水で軽く塩抜きして薄切りにすればあまり力を入れずに噛み切れるからね。あとは玉ねぎと香草を入れて塩で味を整えればお手軽スープの完成さー。硬いライ麦パンもスープと一緒に食べれば美味しく食べられるしね」もぐもぐ

賢者「…香草なんていつのまに…」

勇者「薪拾いの時ちょこちょこっとね?あ、あと賢者これ」

賢者「…?これは?」

勇者「クミの実。疲労回復の効果があるから食後のデザートにすると良いよ」もぐもぐ

賢者「あ、ありがとうございます」

勇者「どういたしまして」もぐもぐ

勇者「ご馳走様でした」手を合わせ

賢者「ご馳走様でした」手を合わせ

賢者「あ、勇者様」

勇者「ん?」しこしこ

賢者「洗い物のついでに水浴びをしようと思っているのですがよろしいでしょうか?」

勇者「もちろんだよぉ」しこしこしこしこしこしこしこしこ!

賢者「興奮し過ぎです。覗かないでくださいね?」

勇者「は、はひっ!じゃ、じゃあその間僕は周囲の警戒と明日通る経絡の確認でもしておくよぉ!!」しこしこしこしこしこしこ!

賢者「よろしくお願いしますね。では後ほど」

勇者「ご、ごゆっくりぃぃぃぃぃ!」しこしこしこしこ

勇者「あぁぁぁぁぁぁぁ賢者たん賢者たん賢者たんんはぁぁぁぁぁぁ!!」しこしこしこしこ!

勇者「け、けけけけんじゃたんをおもいっきりく、くんかくんかくんかすーはーすーはー!!うっ!」しこしこしこしこしこしこ

勇者「はぁはぁはぁはぁ…に、匂い嗅いでる時の表情も楽しみだよぉぉぉ!!い、いつもみたいに仏頂面なのかなぁ!?も、もしかして恥ずかしがって赤面したりな、涙目になったりぃぃぃぃぃ!?」しこしこくちゅくちゅしこくちゅしこしこ!

勇者「う、ウヒョォォォォォォォ!!!!!!」しこしこくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅしこしこしこ!




ウヒョォォォォォォォ!

賢者「…元気ですね、勇者様は」

勇者「……」地面に正座

賢者「……あの」地面の上はな勇者のマントを敷いて正座

勇者「なんでしょうか賢者様」

賢者「敬語は止めて呼び捨てにしてください」

勇者「これは賢者様への礼儀でございますから…」

賢者「なら匂いは嗅がせません」

勇者「ごめんなさい許してください」土下座

賢者「そ、そこまではしなくていいです」あせ

勇者「じゃ、じゃあいいかな賢者…?」

賢者「匂いを嗅ぐ…だけですよね?本当ですよね?」

勇者「も、もちろんだ」

賢者「…で、ではどうぞ」

そう言って賢者は恐る恐る僕の前に手を差し出した。

白くか細くて、旅の経験など無いであろう華奢な手のひらだ。

僕も恐る恐るその手を取る。女の子に触れたことなど生まれてこの方一度もないのだから仕方ないと思う。

僕の指が賢者の指に触れた瞬間目に見える程賢者の身体が震えた。

賢者の表情を伺う。緊張しているから表情が多少強張っているが怯えや恐怖の色は見えない。

「だ、大丈夫です」

僕は安堵して賢者の手を傷付けないよう、優しく丁寧に包み込み鼻先に持っていく。

また賢者の身体が跳ねた。でも僕はもう止まれなかった。鼻先には賢者の手がある。我慢なんて出来ない。

深く息を吸うため、息を吐いた。それが意図せず賢者の手のひらに当たる。

「…っあ…!」

賢者から艶めかしい声が溢れた。僕は反射的に賢者の顔を上目遣いで見てしまった。今のは反則だと思う。

賢者の顔には朱が差し込み心なしか目に涙を浮かべている。堪らない。堪らない。

僕は目を瞑り肺に残った全ての空気を吐き出してゆっくり、少しずつ味わうよう息を吸い込んでいく。

……甘い、澄んだ匂いが鼻腔を擽る。昼間嗅いだ匂いは薄くあまりわからなかったが今ならよく分かる。これが賢者の匂い。

鼻腔と肺を賢者の匂いで満たし優越感に浸る。吐き出したくない。出来るならこの匂いをずっと留めていたい。
だがそれは叶わぬ夢。僕は自分の限界を感じゆっくりと息を吐いていく。

それがまた賢者の手を擽って賢者は身を跳ねさせた。敏感なのだろうか。

ちらりと賢者を見ると、肩を上下させながら頬を紅潮させじっと己の手と僕の鼻先を見つめていた。

「も、もうよろしいでしょうか」

もちろんだ。これ以上この素晴らしい匂いを嗅いでいると僕も我慢が出来なくなる。

賢者の言葉に頷き、名残惜しそうに手を離そうとした時、僕の悪戯心に少しだけ火がついてしまった。

「ま、満足していただけたのなら幸ひぃあっ!?」

手を離す前に賢者の手の甲にキスをする。思った通りの反応につい笑みを浮かべて言ってしまった。


ご馳走様


賢者「……」

勇者「あ、あの…」

賢者「なんですか変態勇者様」

勇者「うぅ…」

賢者「……」

勇者「賢者ぁ…」

賢者「はぁ…もういいですよ勇者様。それより早く寝ましょう」

勇者「ほ、本当?あ、僕は警戒してるから賢者はゆっくり休んでて」しこしこ

賢者「本当です。え、それは…」

勇者「明日もまた森の中を歩くからねぇ。疲れを残さないためにもね?」しこしこ

賢者「ですがそれだと勇者様が…」

勇者「僕なら大丈夫だよぉ。夜通し警戒してるのは慣れてるし明日仮眠を取らせてもらうから。それに明日中に森を抜ければ村で休めるし」しこしこ

賢者「…そう、ですか。ではお言葉に甘えさせていただきます。おやすみなさい、勇者様」

勇者「うん、おやすみ賢者」

今日の更新は以上です。

勇者「おはよう、賢者」しこしこ

賢者「おはようございます、勇者様」

勇者「朝ご飯の準備はもう出来てるから先に顔を洗っておいでぇ」しこしこ

賢者「はい、ありがとうございます」




勇者「ご馳走様でした。さて、片付けたら出発しようか」しこしこ

賢者「ご馳走様でした。え、もうですか?」

勇者「ん?まだ疲れが残ってる?」

賢者「いえ、疲れはまったく。ですが勇者様は仮眠をとった方が…」

勇者「ん、大丈夫だよぉ。食べてすぐ寝るよりは多少歩いてからの方がよく寝れるからぁ」しこしこ

賢者「勇者様がそう仰るなら…。では出発しましょう」

勇者「おー!」しこしこ

勇者「……」しこしこ

賢者「……あの、勇者様」

勇者「なぁに?」しこしこ

賢者「失礼を承知で聞かせていただきたい質問があります」

勇者「いいよぉ」しこしこ

賢者「なぜ勇者様は勇者をやめなかったんですか?」

勇者「?」しこしこ

賢者「勇者様は今レベル85でしたよね」

勇者「うん、そうだよぉ」しこしこ

賢者「でも魔法は使えず特技と言えば自慰行為関係のみ…魔王という強大な敵に挑むなど正気の沙汰とは思えません」

勇者「ズバッと言うねぇ。まあそうだろうねぇ」くちゅくちゅ

賢者「申し訳ありません。ですがどうしても聞いておきたくて」

勇者「んー…自慰行為しか出来ない僕だけど女神様に選ばれたからねぇ。ならきっと魔王を倒す何かが僕にあるんだよ」しこしこ

賢者「なるほど、己の可能性を信じていると」

勇者「うん、それに女神様に言われたんだよぉ」しこしこ


勇者「『頑張れば魔王に苦しめられている人々を救えますよ』って」しこしこ


賢者「頑張れば、ですか」

勇者「曖昧な言葉だよねぇ。必ずとかでは無くてさぁ」しこしこ

賢者「ですが勇者様が頑張れば魔王を倒せる、と女神様は仰ったんですよね?」

勇者「うん。僕が魔王を倒すだけの力を秘めていて、僕が頑張るだけでみんなが救われるならがんばっちゃう。賢者だって同じ立場ならそうすると思うよぉ」しこしこ

賢者「そう、でしょうか…私にはわかりません」

勇者「賢者は難しく考えすぎだよぉ…じゃあ賢者は目の前で小さな子が迷子で泣いてたらどうする?」しこしこ

賢者「一緒に親を探してあげます」

勇者「でしょ?それと僕が勇者をやめないで続けてる理由は同じだよ。賢者には親を探す力があって頑張れば親を見つけてあげられる。だから行動に移す。それだけだよぉ」しこしこ

賢者「…なるほど。確かにそうですね。ですが見て見ぬふりも出来るではありませんか」

勇者「え?」

賢者「……いえ、今の質問は忘れてください」

勇者「う、うん…」しこしこ

賢者「今までの話を聞いて確信しました。やはり勇者様は勇者に相応しいです」

勇者「そうかなぁ」しこしこ

賢者「はい、もちろんです」

勇者「な、なんだか照れるなぁ…////」しこしこ

賢者「ご褒美に後で頭を撫でてあげます」

勇者「い、いいよぉ…恥ずかしいし…////」しこしこ

賢者「遠慮なさらずに」

勇者「う、うぅ…////…あ、出口みたいだよ賢者」しこしこ

賢者「もう出口ですか。予想より早いですね」

勇者「そうだねぇ。どう賢者、疲れてない?」しこしこ

賢者「まだ体力には余裕があります。森の道にもだいぶ慣れましたし」

勇者「賢者って意外と頼もしいよねぇ。弱音もあまり吐かないし」しこしこ

賢者「……」

勇者「?どうしたの賢者」しこしこ

賢者「…勇者様はもうちょっと女性の扱いを勉強してください」

勇者「え!?僕なんか失礼な事いった!?」

賢者「知りません。さあ、早く森を抜けてしまいましょう」スタスタ

勇者「えー…褒めたつもりなんだけどなぁ…って賢者歩くの早っ!?ちょ、ちょっと待ってよ!」しこしこ

~小高い丘のある平原~

勇者「んーっ、やっと森を抜けれたなぁ…」ぐっしこしこ

賢者「風が気持ちいいです」

勇者「ジメジメした森の中をずっと歩いてたからなぁ…」しこしこ

賢者「勇者様、勇者様」

勇者「んー?」しこしこ

賢者「村ももう見えてますし良かったらあの丘で休憩しませんか?」

勇者「んー…日はまだ高いしそうしようか。焦る旅でもないし」しこしこ

賢者「ありがとうございます。……本当、風が気持ちいいです…」

勇者「…そうだね、さ。丘の上に向かおうか」しこしこ

賢者「はいっ」

賢者「~♪」

勇者「……」

賢者「あ、ハクセキレイですよ勇者様」

勇者「……」

賢者「…勇者様?」

勇者「……Zzz」

賢者「…眠っていましたか、すいません」

賢者「……勇者様…」

心地よい風が吹く丘の上。

勇者様は木に背中を預けて居眠りをしていた。

一昨日から私のペースに合わせて旅を進めていたから疲れたのだろうか。

申し訳ない気持ちと感謝の気持ちが混ざり複雑な気分になる。きっと勇者様一人だけならもう国境付近に着いているだろう。

足手まといは嫌だ。だけど今の私はどうしたって足手まといになってしまう。

唯一魔法が役に立つであろう戦闘でも勇者様が魔法を使わせてくれない。MPの節約という事ではあるがそれでは何のために旅のお供になったのかわからない。

私は少しの苛立ちと寂しさに勇者様を睨み気味に見つめてしまう。

…いけない、こんなのは八つ当たりだ。私は勇者様の役に立つと決めたんだ。魔法以外でも頑張ればいい。

私は少し頭を振って気分を変えようとしたその時、勇者様のあるものが私の目に入る。

眠っている今でもそれは雄々しく天を貫かんと屹立している、勇者様の男性器。

(これが、勇者様の…)

普段は勇者様が握っていてよく見えないが眠っている今はさすがに力が抜けているのだろう。手が離れてよく見える。文献などで知識はあるが実物を見るのは初めてだ。

腰かけていた岩から降りて勇者様の前に膝をつきまじまじと見る。

勇者様の身体が呼吸によって前後するのに合わせて男性器も前後する。いや、前後するだけではなくどうやら脈打っているようだ。

(……勇者、なぜ…)

私は森の中での会話を思い出す。
勇者様は意図的に『あの事』を隠していた。

何故隠すのかわからなかった。隠さず皆に教えれば皆の勇者様への態度も変わっているはずなのに。

だけど勇者様は話さない。他人ならともかく旅の仲間である私にも、だ。
それが何を意味しているかははっきりとわかる。信用されていないからか話せないかのどちらかだ。

(勇者様…私は…)

出会って間もない私を信用できないのは当然だ。少し悲しいが仕方のない事だと思う。だけど話せない、となると色々問題がある。
私の持っている情報と勇者様が持っている齟齬があるのか、私が知らずに勇者様が知っている情報があるのか、はたまた何か話せない事情があるのか。

私は目の前にある男性器を見つめながら思考にふけっていた。


勇者様が何か言いたそうな、今の状況が飲み込めなくて困惑したような目で私を見つめている事に気付かずに。

勇者(な、なにこれなにこれ!?い、居眠りしてたらいつのまにか賢者が僕のチ◯コの前に跪いてじっとチ◯コを見てる!?)

賢者「……」

勇者(も、もしかしてこれはう、うううう噂のね、寝起きふ、フェラってやつですか!?)

賢者「(…?さっきよりも脈打つスピードが速くなった。どうしたの)か…な!?」


勇者「お、おはよう賢者…/////


賢者「」

勇者「い、居眠りしてたみたいだねぇ…」

賢者「」

勇者「あ、あの…賢者?」

賢者「い」

勇者「い?」

賢者「い、良い男性器ですね!」

勇者「」

賢者「」


~村~

村長「どうしたお主ら」

勇者「…ナンデモナイデスヨ」シコシコ

賢者「…ハイ、ナンデモナイデス」

>>98
私が持っている情報と勇者様が持っている齟齬があるのか←×
私が持っている情報と勇者様が持っている情報に齟齬があるのか←◯

です。すいません。

今日の更新は以上です。グダグダ長くなって気がする…

村長「で、自慰勇者一行がなんの用じゃ?」

勇者「ふえぇ…言葉にトゲがあるよぉ…」しこしこくちゅくちゅ

賢者「勇者様が何かしたのでは?」

勇者「何もしてないよぉ…」しこしこしこしこ

村長「しとるではないか!!自慰を!しかもわしの部屋で!!まあそれは100歩譲って許す!じゃがな、わしの可愛い可愛い孫娘の前で自慰行為をするな!!!目に毒じゃ!即効止めんか!!」

勇者「ふえぇ…」しこしこしこしこ

孫娘「ゆうしゃさまのおちんちんおっきー!!」

勇者「そ、そうかなぁ…はぁはぁ…純粋ロリっ娘はぁはぁ…」しこしこ

孫娘「なんかでてるー!」

賢者「こらこら、触っちゃいけませんよ?」

孫娘「はぁい」しょぼん

村長「お主ら即効ワシの村から出て行け!はよ!!」

勇者「しょんな殺生な…」しこしこしこしこしこしこ

賢者「お願いします。一晩だけで良いので泊めてください。納屋や馬屋で構いませんから」

村長「ダメじゃダメじゃ!貴様らのような輩は孫娘の教育に良くない!!出て行け!」

孫娘「おじーちゃん…」

村長「ど、どうしたワシの可愛い可愛い孫娘よ?」

孫娘「おとーさんがゆうしゃさまはこまってるみんなのためにがんばってるすごいひとだっていってた!」

村長「だ、だがこんな勇者を助ける義理など…」

孫娘「ゆうしゃさまにいじわるするおじーちゃんなんてきらい!」

村長「」

勇者「なんだか修羅場って感じがするよぉ」しこしこしこしこ

賢者「完全に主導権を握られてますね」

村長「わ、わしはお前の事を考えてだな…?」

孫娘「…きらい!」ぷいっ

村長「」

勇者「今日の夜ごはんどうしようかぁ」しこしこ

賢者「新鮮な野菜と牛乳を分けていただいたのでこれらを使った料理にしましょうか」

勇者「じゃあシチューにしようかなぁ」しこしこ

賢者「賛成です」

孫娘「ゆうしゃさま!」

勇者「ん?なぁに?」身を屈めしこしこ

孫娘「おじーちゃんがとなりのなやとだいどころつかっていーて!」

勇者「やったー!」しこしこ

孫娘「やったー!」

賢者「ありがとうございます村長さん」

村長「…孫に嫌われる孫に無視される孫に臭いって言われる…」ブツブツ

孫娘「おじーちゃんはほっといていーよ!」

勇者「臭いって言われるのは辛いよねぇ…うん、それじゃ荷物を納屋に置いて夜ごはん作ろっかぁ」しこしこ

賢者「そうですね。ではこれで失礼します」

村長「…わしは悪くないわしは悪くない…」ぶつぶつ

孫娘「またねー!」手をぶんぶん

~納屋~

賢者「ところで勇者様、お気づきですか?」

勇者「なにがぁ?」しこしこ

賢者「この村には大人が少なすぎると」

勇者「そうだねぇ、畑のほとんどが魔物に荒らされてた形跡があったし」しこしこ

賢者「大人達は出稼ぎに出ているのでしょうか。しかし大人と老人、子供の比率が違い過ぎます。これではまともに自衛も…」

勇者「苦渋の決断だろうね。村を守ろうとすれば皆が飢える。働きに出れば魔物に襲われるかもしれない」しこしこ

賢者「だから最低限の人数を残して出稼ぎに…そう言えばあの孫娘ちゃんの両親も出稼ぎに行っていると孫娘ちゃんが言ってましたね」


勇者「まだあんなに小さいのにねぇ…」しこしこ

賢者「…頑張らないと、いけませんね」

勇者「…そうだね、頑張らないと」しこしこ

賢者「はい」

勇者「さ、荷物を置いたらお邪魔にならないうちにごはん作っちゃおう」しこしこ

~台所~

孫娘「あ、ゆうしゃさま!」

勇者「こんばんはぁ。台所借りてもいーかなぁ?」しこしこ

孫娘「いーよ!」

賢者「ありがとう。孫娘ちゃんも料理しに?」

孫娘「うん、おじいちゃんのおてつだい!」

賢者「そう、偉いわね」なでなで

孫娘「んー♪」にこにこ

勇者「……」しこしこしこしこしこしこ!

賢者「どうしました勇者様」

勇者「な、なんでもないよぉ」しこしこ

村長「…何しとるんじゃ貴様は」

孫娘「あ、おじーちゃんおかえり!」

村長「おお、我が孫娘よ!ただいまじゃあ!ほれ、いっぱい玉ねぎとジャガイモを持ってきたぞ!」

孫娘「や、やったー!」

勇者「…んー」しこしこ

賢者「どうしました勇者様」

勇者「ねえねえ、孫娘ちゃん」しこしこ

孫娘「なーに?」

勇者「良かったらジャガイモとこの干し肉、交換してくれないかなぁ?」しこしこ

孫娘「え、いいの…?」

勇者「うん、僕たち町でジャガイモ買うの忘れちゃって」しこしこ

賢者「そういえばそうでしたね」

孫娘「で、でも…」

勇者「ジャガイモのないシチューなんてシチューじゃないと思うんだぁ」しこしこ

孫娘「…ほんとにいいの?やったー!」

勇者「やったー!ジャガイモだぁぁぁ!!」しこしこ

賢者「…ふふ」

村長「…すまん」

賢者「私達はジャガイモが欲しかっただけですよ」

孫娘「ねーねー、おじーちゃん!きょうシチューたべたい!」

村長「そうじゃのう…久しぶりにシチューにするか」

孫娘「やったー!」

賢者「あ、でしたらついでに私達が作りますよ。私達も今日はシチューにするつもりでしたし」

村長「いや、客人にそこまでさせるわけにはいかんわい」

勇者「遠慮しなくていーですよぉ」しこしこ

村長「おぬしには言っとらん」

勇者「ふえぇ…」しこしこ

孫娘「おじーちゃん!」

賢者「よしよし」なでなで

勇者「……/////」しこしこしこしこしこしこしこしこ!

村長「ぐぬぬ…!」

賢者「じゃあ作りましょうか勇者様」

勇者「……」しこしこ

賢者「勇者様?」

勇者「賢者、ちょっといいかな?」

賢者「どうなさいました?」

勇者「うん、ちょっとやってもらいたい事が…」耳打ち

賢者「…いきなりですね。出来なくはありませんが多少時間がかかってしまいます。よろしいですか?」

勇者「わかった。出来るだけ急いでくれ」

賢者「はい」

孫娘「なんのおはなししてるのー?」

賢者「勇者様が納屋に忘れ物をしてきたみたいなの。だからちょっと取りに行ってくるね?」

孫娘「シチューはー?」

賢者「大丈夫。勇者様が作ってくれるわ」なでなで

勇者「頑張るよぉ」しこしこ

孫娘「ゆうしゃさまが?やったー!」

村長「絶対に手を洗え。よいな?」

勇者「ふえぇ…おじいちゃんこわいよぉ…」しこしこ

孫娘「おじーちゃん!」

村長「い、今のはわし悪くないぞ!?」

賢者「…では、行ってきます勇者様」

勇者「うん、お願いねぇ」しこしこ

~小高い丘のある平原~

ドス…ドス…ドス…

??「全隊止まれ」

……

??「目標は視認出来たな?作戦、作戦決行時刻は打ち合わせ通りだ。各々抜かりのないように」

??「……選ばれし三人の勇者の一角、通称自慰勇…にうき

??「お手並み拝見といこうか」

あぁぁぁぁぁぁ…うとうとしながら貼り付けしてたんでわからなかったぁぁぁぁぁorz

??「……選ばれし三人の勇者の一角、通称自慰勇…にうき←×

??「……選ばれし三人の勇者の一角、通称自慰勇者か」←◯

です。すいません…

~台所~

勇者「ん、あとはじっくり煮込めば完成だよぉ」しこしこ

孫娘「いーにおいー!おいしそー!ゆうしゃさますごーい!」

勇者「孫娘ちゃんががんばったから美味しく出来たよぉ」しこしこ

孫娘「えへへ…♪」

村長「じ、爺ちゃんもいっぱい頑張ったぞ?」

勇者「おじいちゃんも頑張ったねぇ。えらいえらい」しこしこ

村長「ぶっ飛ばすぞお主」

孫娘「おじーちゃんもよくがんばりました!」ぱちぱち

村長「そ、そうじゃろそうじゃろ!ふははははは!!」

賢者「ただいま戻りました」

孫娘「おかえりなさい!」

勇者「おかえり、どうだったぁ?」しこしこ

賢者「…ここではちょっと。納屋に行きませんか?」

勇者「わかった。孫娘ちゃんと村長さん、少しシチューを見ててくれないかな?」

孫娘「はぁい!」

村長「なんじゃ急に…まあええがのぉ」

~納屋~

賢者「結論から言いますと勇者様の予想は当たっていました」

勇者「…やっぱりか。数は?」

賢者「およそ50です」

勇者「現状はどうなってる?」

賢者「南東5キロ地点…今日の昼頃休憩した丘のあたりで動きが止まりました」

勇者「その後は?囮や先遣隊の可能性は?」

賢者「まったく動きませんね。囮や先遣隊の可能性は低いかと。周囲20キロ以内にこの魔物の群以外の魔力は感じません」


勇者「…夜更けを待って奇襲をかけるつもりか」

賢者「恐らくは。どうしますか?」

勇者「…この村で籠城は無理だ。大規模戦闘、もしくは散開されて囲まれたら僕たちだけじゃ対応しきれない」

賢者「…そうですね、少なくとも村に被害が及びますし」

勇者「それは絶対避けたい…とすると選択肢は…」

賢者「逆にこちらがあちらに奇襲をかける…ですね」

勇者「…しかないな。だけどこちらは二人…どうしたもんか…」

賢者「全体攻撃魔法なら習得していますよ?」

勇者「演唱時間は?」

賢者「呪文によりますがだいたい2分くらいです。演唱破棄で即座に使えますがその分精度が落ちます」

勇者「ん…先制攻撃としてはいいけどそのあとが…一度で敵を殲滅、もしくは戦闘不能にもっていきたい」

賢者「一つの魔法でそれが出来るのは恐らく自滅魔法くらいですね。もちろん習得済みです」

勇者「…それは……最後の手段にしよう」

賢者「…そんな顔をしないでください。本当にどうしようもなくなった時に使いますから」

勇者「そ、そうか。ならいいけど。…どうしたもんかな…」

賢者「…魔物達の目的は恐らく私達です。今のうちに村から目立つように離れるのはどうでしょうか」

勇者「それは悪手だ賢者。もしあちらがこちらを陽動だと判断した場合村は壊滅する。例え成功したとしても魔物達全員がこちらに向かってくるとは限らないしな」

賢者「なるほど…」

勇者「クソ…どうしたらいいんだ…玉砕覚悟で突っ込むか?多少は混乱して時間稼ぎが出来るだろうからその隙に村の人達には逃げてもらうか?いや、ほとんどが老人や子供だ…足が速い集団とは言えない…追いつかれたら…クソッ!!」

賢者「勇者様」

勇者「アレを使うか?いや、アレは……だが……しかし……」ぶつぶつ

賢者「勇者様!」

勇者「っ!?ご、ごめんちょっと集中して考え込んでた…」

賢者「悪い方に考えていてはダメです」

勇者「…ありがとう。でももう手立てが…」

賢者「勇者様、私に考えがあります。聞いてくれますか?」

勇者「考え?聞かせてくれ」

賢者「はい、それは……」



…………



勇者「よし、それでいこう」

賢者「良いのですか?」

勇者「ああ、僕の考える作戦より現実的で成功率が高いからねぇ」しこしこ

賢者「では私は村長さんに事情を説明して村人達の避難を進めてもらいます」

勇者「うん。じゃあ僕は装備を整えておくよぉ」しこしこ

賢者「それでは後ほど」

勇者「うん、よろしくー」しこしこ

村長「遅かったのぉ。シチューならもう出来ておるぞ?孫娘も腹を空かせて待っておる」

賢者「遅くなってしまい申し訳ありません」

孫娘「あ、おねーちゃん!あのね!シチューができたの!すっごく美味しそうなの!」

賢者「…それは楽しみ。でもごめんね。今から大事な話があるの」なでなで

孫娘「だいじなおはなしー?」

賢者「そう、大事なお話。……村長さん、よろしいですか?」

村長「なんじゃぁ?」





賢者「というわけで万が一を考えて村人全員で避難してください」

村長「そ、それは本当か?勘違いではないのか?」

賢者「残念ですが魔力感知の魔法を使って確認したので間違いありません」

村長「い、今まで何度も魔物どもの襲撃はあった。そのたびに追い返して来たんじゃ!こ、今回も皆で力を合わせれば…」

賢者「…現状を1番理解してるのは村長さん、貴方のはずです」

村長「……」

孫娘「……おじーちゃん、おうちなくなっちゃうの?」

村長「だ、大丈夫じゃぞ孫娘。ワシがついておる!」

孫娘「おうちなくなったらおとーさんとおかーさん、ないちゃうよ…?」

村長「…」

孫娘「お、おとーさんおかーさんがかえってこれなくなっちゃう…」ひっく

村長「大丈夫じゃよ…賢者様と勇者様がきっと、きっとこの村と皆を守ってくれる…」ぎゅっ

孫娘「う、うぇぇぇぇん!!」

賢者「…お早く避難を。私はすぐ勇者様と合流して現場に向かいます」

村長「…今から村の皆を呼び集めて避難をする。遅くとも一時間で避難は完了するはずじゃ」

賢者「よろしくお願いします」

孫娘「ひっく…ひっく…」

賢者「…孫娘ちゃん」

孫娘「ひっく…な、なぁに?」

賢者「私達は絶対村と貴女達を守るわ。だから帰ってきたら勇者様と貴女が作ってくれたシチューを食べましょうね?」なでなで

孫娘「う、うん…ひっく…ひっく」

村長「…村や村のみんなを頼みます」

賢者「任せてください」




勇者「……」カチャ…カチャカチャ…

賢者「ただいま戻りました」

勇者「お疲れさまだよぉ…」カチャ…

賢者「盾に…剣、ですか」

勇者「流石に今回はねぇ」カチャ…

賢者「…村人達全員が避難完了するのに一時間くらい掛かるそうです」

勇者「…これで良しっと。ん、わかったよぉ。奇襲の手はずは大丈夫ぅ?」しこしこ

賢者「もちろんです。MPもまだまだ余裕がありますし」

勇者「装備はぁ?」しこしこ

賢者「特に必要なものはありません」

勇者「…よし、じゃあ行こうか」しこしこ

賢者「…はい!」

以上で今日の更新は終わりです。

遅くなってしまいすいません…

~小高い丘のある平原~


勇者「ストップだ賢者。これ以上近づくと気取られる」

賢者「はい。…勇者様、『猫眼』の魔法を」

勇者「頼む」

賢者「では目を閉じて…はい、出来ました」

勇者「ありがとう。…あれは…オークとゴブリン…の混成部隊…だな。オークは予想通りだ。残りがゴブリンなのはラッキーだな」

賢者「ですね。では予定通り…」

勇者「ああ、頼むぞ」

…そろそろ時間か。

瞑っていた両の目を開け月を見上げる。

今宵は新月。月の光も弱い今宵は絶好の夜襲日和だ。

私は振り返り魔王様に指揮を任された軍隊を見る。

勇者の実力を見るのが今回の目的だそうだが果たしてそれが叶うのか疑問だ。

情報によれば目的の勇者は通称自慰勇者と呼ばれているらしい。理由は単純明解、四六時中自慰行為をしているからだそうだ。

…そんな輩がこの数相手に勝てるはずがない。むしろ命令さえいただければ私一人でも構わないのだが。

そんな考えが頭をよぎるが、かぶりを振ってかき消す。

今はそんな事はどうでも良い。今は魔王様の命令を実行するまでだ。

背後で今か今かと待機しているゴブリン、オーク共に告げる。

「全隊前へ!目標を殲滅するまで歩みを止めるな!!」

オア゛ァァァァァァァ!!

勇者に気取られないよう息を潜めていた鬱憤を晴らすように、各々が持っている武器を打ち鳴らし高らかな雄叫びをあげた。

さあ行こう。魔王様の敵である勇者と人間共を血祭りにあげる為に。

全隊が動き始めた時、それは始まった。

まるで口笛のような音が聞こえたと思えば爆発と熱風が隊を襲ったのだ。

「何事だ!?」

私の元へゴブリン兵が走って報告をする。曰く、空から『大火球』が降ってきたという。

頭によぎるは二つの文字、敵襲だ。思わず舌打ちをしてしまう。出鼻を挫かれた。

振り返り背後を確認すればオークもゴブリンも混乱していた。どうやら何体かは直撃してやられてしまったらしい。

浮き足立った所を追撃されては堪らない。私は声を張り上げ全隊に指示を出す。

「狼狽えるな!!!大火球の射程距離は長くない!叶うの近くにいるはずだ!」

私はさらに細かい指示を出すために先ほど報告してきたゴブリンの肩を掴もうとした瞬間、ゴブリンと腕が巨大な火柱に包まれた。


「アァァァァァァァァァ!!!!」


私は反射的に腕を引き抜き地面に膝をついて腕を見た。

それが本当に自分の腕がわからなかった。ただ異臭を放つ黒い物体が肘より先に付いているだけに思えた。

私は額に冷や汗を滲ませながら痛みを我慢して何が起こったか把握しようと周囲を見ればちょうど私達を囲うように四方に4本の巨大な火柱が出来ていた。
どうやら私の腕を焼いたのもそのうちの一本のようだ。

次に軍隊を見る。
先ほどの大火球で混乱していたオークとゴブリンはさらに混乱しておりもはや軍隊とは言えぬ烏合の衆となっていた。

鼓動と共にだんだん痛みを増す腕をぶら下げながら、何とか立ち上がりこの烏合の衆を纏めるために声を張り上げようとした。が、出来なかった。

軍隊の中でも一際大きいオークの首が飛んだのだ。

私の足元に転がってくるオークの首を見て、この状況がさらに悪化している事に気付いた。先ほどまで無風だった平原に真空の刃が吹き荒れていた。

頭をなくしたオークの身体がさらに真空の刃に切り刻まれ、鮮血を撒き散らして倒れていく。

近くにいたゴブリンは叫び、逃げようと走り出すが眼前に広がる光景に絶望して足を止めた。

四方に発生した巨大な火柱が真空の刃による強風の影響を受け、さらに炎の勢いを増しながら互いが互いに寄りかかる形で炎のドームを完成させていた。

…ここにいてはまずい。私は急いで転移魔法を唱えようとしたが立ちくらみで膝をついてしまった。

何故だ。確かに腕のダメージは大きいが再度膝をつくようなものではない。それに加え頭が朦朧としてきた時点で気付いた。そうか、そういう事か。

私は地面に倒れ、薄れゆく意識の中で誰かの声を聞いた気がした。


『鉄を一瞬で溶かす炎に鉄をも断ち切る真空の刃、加えて炎の燃焼による無酸素。耐えられるものなら耐えてみろ』

賢者「っあ…はぁ…うっ…」

勇者「大丈夫か!?」

賢者「た、だだの…っ…精神疲労と…魔力を使いすぎただけです…そ、それよりも作戦は…成功…しましたか…?」

勇者「ああ、作戦は大成功だ。敵は壊滅していたよ」

賢者「よ、よかっ…た……」

勇者「賢者?お、おい賢者!」

賢者「…すぅ…すぅ…」

勇者「…なんだ、寝てるだけか…心配させてくれるなぁ…まったく…うっ!」しこしこしこしこしこしこ!

賢者「……」すやすや

勇者「…本当にお疲れ様。さ、村に帰ろうか」賢者抱き上げ

>>143
叶うの近くにいるはずだ!←×
必ず近くにいるはずだ!←◯
です。すいません。

今日の更新は以上です

~納屋~

勇者「ベッドので寝かせられなくてごめんねぇ…」干し草でベッド作り寝かせしこしこ

賢者「すぅ…すぅ…」

勇者「ちょっと待っててね、村長さん達を呼んでくるからぁ」毛布かけてしこしこ

村長「ゆ、勇者様!」

勇者「お待たせしましたぁ。もう大丈夫ですよぉ」しこしこ

村長「そ、それは本当かの!?」

勇者「はい、魔物の群れは全滅しましたぁ。村も無事ですぅ」しこしこ

村長「ありがとう、ありがとうございます…!!」

勇者「僕は何もしてないですよぉ。お礼なら賢者にお願いしますぅ」しこしこ

村長「そんな謙遜を…。しかし、賢者様のお姿が見えませんが…まさか!?」

勇者「あ、賢者なら村で休んでますよぅ」しこしこ

村長「そ、そうじゃったか…良かった」

勇者「それでは皆を呼んで村へ帰りましょうぅ」しこしこ

村長「そうですな!早速皆を集めます!」

孫娘「ゆうしゃさまー!」

勇者「やあ、孫娘ちゃん」しこしこ

孫娘「まものたおしたー?」

勇者「うん。お家も無事だよぉ」しこしこ

孫娘「すごーい!ありがとーゆうしゃさまー!」

勇者「お礼はチューで良い「オラ゛ァァ!!」ごふぁ!?」

孫娘「おじーちゃん!?」

村長「今のは絶対にこやつが悪い」

賢者「おかえりなさい勇者様」

勇者「賢者!もう身体は大丈夫か!?起きてて平気か!?」

賢者「ええ、一時的な魔力不足が原因ですし暫く休めば大丈夫です」

勇者「よかったぁ」しこしこ

孫娘「けんじゃのおねーちゃん!」抱きつき

賢者「あら孫娘ちゃん。夜のお外は怖くなかった?」なでなで

孫娘「へーき!ゆうしゃさまとけんじゃのおねーちゃんがまもってくれてたもん!」

賢者「ふふ…ならよかったわ。さ、遅くなっちゃったけど夕食にしましょう」

孫娘「わたしおなかぺこぺこー!」

勇者「僕もぺこぺこー!」

賢者「では台所へ行ってシチューを温め直して食べましょう」

孫娘・勇者「おー!」

村長「改めてこの度は村を救っていただきありがとうございます。勇者様に賢者様」

賢者「お礼は勇者様に。私は指示に従ったまでですから」

勇者「いや、作戦の立案者は賢者だし、戦闘でも賢者が居なければ僕なんかじゃあの数相手に太刀打ち出来なかったよぉ」もぐもぐ

賢者「何を仰いますか。魔物の接近をいち早く気づいたのはそもそも勇者様ではありませんか」

勇者「あれは本当たまたまだよぉ」もぐもぐ

村長「何はともあれお二方にこの村は救われました。礼を言わせてくだされ。ほら、孫娘も」

孫娘「んぐんぐ…ありがとーございます!ゆうしゃさま、けんじゃのおねーちゃん!あとシチューおいしいです!」

勇者「どういたしましてぇ。口に合って良かったよぉ」もぐもぐ

賢者「ほら、口に付いてるわよ」ふきふき

孫娘「んー!」

村長「あと、今夜は是非納屋ではなく息子夫婦の部屋を使ってくだされ」

賢者「良いのですか?」

村長「もちろんですじゃ。皆と村の恩人を納屋に泊めたとあってはご先祖様に申し開きできませぬ」

孫娘「わたしきょうけんじゃのおねーちゃんといっしょにねるー!」

村長「これ。賢者様はお疲れなのじゃ、ゆっくり休んで貰わねばならん」

賢者「私は構いませんよ」

孫娘「やったー!」

村長「しかし…」

勇者「ぼくもけんじゃのおねーちゃんといっしょにねるー!」

村長「」ドゴッ

勇者「グハッ!?」

孫娘「おじーちゃん!?」

賢者「勇者様…」

村長「まったくおぬしは…」

賢者「三人で一つのベッドは狭いので今日は我慢してください」

村長「え」

勇者「ダブルベッドなら良かったのにねぇ」しこしこ

賢者「そうですね」

村長「え?」

~息子夫婦の部屋~

孫娘「…むにゃむにゃ…」

賢者「まさかご飯食べた後すぐ寝てしまうとは…」

勇者「しょうがないよぉ。もうすぐ日を跨ぐしいきなりの出来事で緊張しっぱなしだったんだよきっと」しこしこ

賢者「そうですね…」なでなで

勇者「賢者も今日はお疲れ様。本当賢者が居てくれて助かったよぉ」しこしこ

賢者「それはこちらのセリフです。あ、そうそう。気になっていた事があるのですが」

勇者「なぁに?」しこしこ

賢者「勇者様はどうして魔物の存在に気づけたのですか?探知、感知系の特技はなかったですよね」

勇者「うん、ないね。台所に水瓶があったでしょ?たまたま水を汲もうとしたら水面が不自然に揺れてるのに気づいてねぇ」しこしこ

賢者「水面が…ですか。しかしそれだけでは魔物かどうかわからないのでは?」

勇者「わからなかったよぉ」しこしこ

賢者「え?」

勇者「揺れだけで魔物かどうかなんて判断出来ないからね。だから賢者に頼んで調べてもらったの」しこしこ

賢者「なるほど…ですがよく魔物の可能性を考えましたね?」

勇者「何かあってからじゃ遅いからねぇ。もし魔物なら巨大モンスターなのはほぼ確定だし。まあ、念には念をって奴だよぉ。」しこしこ

賢者「凄いです勇者様。ところで」

勇者「そんなことないよぉ。なぁに?」

賢者「私、今日結構頑張りましたよね?」

勇者「うん。すっごく頑張ったねぇ」しこしこ

賢者「ですからご褒美をください」

勇者「え。…アクセサリーとか?」しこしこ

賢者「違います」


孫娘を寝かしつける為横になっていた賢者が身を起こし居住まいを正してこちらをじっと見つめてくる。

ご褒美が欲しいと、彼女は言った。確かに彼女の今日行った働きは素晴らしかった。それを考えればご褒美の一つや二つあげてもバチは当たらないだろう。

だが何をあげれば良いのか。女性がよく欲しがるというアクセサリー系ではないという。

新しい装備か?いや、賢者なら魔道書か?それともまさかお金か?

僕が必死に思考を巡らせていると彼女は意を決したように口を開いた。


「頭を、撫でてくれませんか?」

age忘れました

本当に、いいのか?

まるで独り言のように小さくか細く告げれば彼女は即座に頷く。

触り心地は、良くないかもしれませんが

恐らく、それは謙遜ではないのだろう。今夜彼女は水浴びをしていない。それを気にしての発言だ。

だが僕はそう思わない。

少し開いた窓から時折吹く風にさらさらとたなびく髪。触り心地が悪い訳がない。

僕は彼女の頭に吸い寄せられるように手を伸ばせば、ゆっくりと慎重に手を置いた。

繰り返すが僕は女性の身体に触れたことがない。ましてや髪などあるはずもない。
どのようにすれば心地よく、どのようにすれば不快になるかなど、皆目見当もつかなかった。

……どのくらい時間が経ったのかわからない。只ひたすらに頭を撫でていた。

そんな時、賢者が呟いた。


勇者様、少しよろしいでしょうか?撫でながらで構いません


賢者は未だ目をつむったまま感触を楽しんでいるようだ。表情は、読めない。

今、私の頭を撫でている手、ですが


なんだろう。やはり不快だったのだろうか。

あれ?上がってない…すいません。もう一度あげます。

上がらなければ寝ます

賢者「お世話になりました」

孫娘「…もーいっちゃうのー?やだぁぁぁぁ!!」

村長「これ、だだをこねちゃいかん」

勇者「大丈夫だよぉ。魔王倒したら会いに来るからぁ」しこしこ

孫娘「うぅ…ほんとぉ?」

賢者「本当。だから笑顔でバイバイしよ?」ナデナデ

孫娘「…う、うん…バイバイ、けんじゃのおねえちゃん、ゆうしゃさま!」

勇者「ばいばーい!」

賢者「またね?孫娘ちゃん」

村長「ば、ばいばいじゃ。お二人とも!

~平原の街道~

賢者「次の街は最初の目的地である西の国と南の国の国境の街ですね」

勇者「そうだねぇ。貿易の中間地点だから結構大きくて栄えてるみたいだよぉ…んほぉ、久しぶりのアナニー気持ちいいよぉ」くちゅくちゅ

賢者「西の国に入ったらその後はどうするのですか?」

勇者「ん、とりあえずは首都に向かうよぉ。本当は国境線をなぞっていく方が速いんだけどねぇ。道が整備されてないから危険だし魔物もクセがある奴らばっかりらしいし」しこしこくちゅくちゅ

賢者「勇者様がそう判断したなら私はそれに着いていきます」

勇者「焦らず行こうねぇ。僕達の最終目的は魔王を倒す事なんだからぁ」しこしこ

賢者「はい」

勇者「まあ、このペースで歩いて行けば夕方には街に着くよぉ」


その後、時折モンスターに襲われたりするものの何事もなく勇者様の言う通り夕方頃に街に着いた。

勇者「予定通り街に着いたねぇ。どう?疲れてない?」しこしこ

賢者「はい、それほど疲れていません。あの森に比べれば楽な道のりでした」

勇者「たしかにねぇ。賢者も旅に慣れてきたみたいだね」くちゅくちゅ

賢者「慣れた頃が一番危ないので気を引き締めます」

勇者「偉い偉い」しこしこ

賢者「照れてしまいます」

勇者「さ、今日の宿を探 「そこの不審者止まれぇぇぇぇぇぇぇ!!」 そうかぁ」しこしこ

賢者「今日は一緒に寝てあげます」

勇者「やったー!あ、夜ごはんは 「止まれと言っているだろ!止まれ!」 魚にしない?ここは川が近くにあるから川魚料理が名物だよぉ」しこしこ

賢者「川魚ですか。お魚は好きなので楽しみです」

勇者「じゃあ早速宿をとって 門番「捕まえたぞ不審者!!」ガシッ ふえ?」しこしこ

門番「某が席を外している時を見計らってこの街に浸入するとは…けしからん!即刻牢にぶち込んでやる!!」

勇者「ふえぇ…冤罪だよぉ…」しこしこ

賢者「そうです門番さん、勇者様は不審者ではありません、勇者です」

門番「なに?この者は勇者だと!?」

勇者「そうでしゅう。…この門番さん怖いよぉ」しこしこ

賢者「はい、南の国で女神様に選ばれた三人の勇者の一人です」

門番「…なるほど」

勇者「わかってもらえ 門番「このようなか弱き乙女を騙すとは!!漢として許せぬ!!」 なかったよぉ…」しこしこ

賢者「頑固ですね」

門番「ならば問おう!なぜ貴様はオナニーをしながら街に入ろうとしているのだ!」

勇者「それはぁ… 賢者「プレイです」 え」

門番「なに?プレイだと?ふざ」

某がふざけるな、と叫ぼうとした時気付いてしまった。

この女性、あまりにも落ち着き過ぎていないだろうか?

脅されて言わされているとも思えぬこの余裕はなんなのだ?

寧ろこの状況を楽しんでいる節さえある。

そして先ほどこの女性が自ら口にしたプレイと言う言葉。

某の頭の中で一つ一つのピースが組みあがっていく。

不自然な程の余裕、この状況を楽しんでいる、プレイ…この事から導き出される答えは…








門番「女王様の露出調教オナニープレイだとぉぉぉぉ!?」





賢者「勇者様この人怖いです」

勇者「賢者も大概だよぉ」しこしこ

門番「プレイとは知らず某は早とちりを…誠に申し訳ない!!」頭を下げ

賢者「こちらも先に説明しなくてすいません」

門番「しかし勇者様の名前を語るのは如何なものかと…」

賢者「想像してみてください」

門番「?」

賢者「人類の為闘ってきた勇者様に与えられた褒美は女王直々の調教。最初は戸惑い反抗するも女王の権力に抗えず命懸けで護った民の前であるまじき行為をさせられる勇者様。でも次第に勇者は気付くのです。人に見られる背徳感と快感に…。堕ちゆく勇者様を女王は冷たく突き放すのではなく、慈愛を持ってさらなる調教を始めるのです」

門番「某が間違っておりました。さあ、某の生まれ故郷であり誇りである国境の街を堪能してくだされ」頭下げ

賢者「わかっていただけて何よりです。さ、勇者様行きましょう。…勇者様?」

勇者「…賢者が遠くに感じるよぉ」



ちなみにこの門番、公共の場に相応しくない言葉を大声で叫んだとして減給の処罰を受けた。理不尽である。

続きは恐らく夜中です。

昨日今日と分割して投稿しましたが一括で投稿すべきか悩みます…

勇者「やっぱり大きい街なだけあって活気があるねぇ」しこしこ

なあ、あれって…

賢者「そうですね。あ、マジックアイテムもありますよ?」

うわ、まじでしてやがる…気持ち悪い…

勇者「へぇ、賢者はマジックアイテムの知識もあるのぉ?」しこしこ

あんなのが勇者とか…南の国も落ちたもんだなぁ…

賢者「…っ!…もちろん、ですよ。マジックアイテムを起点とした術式もありますし」

ったく、あんな奴のために税金を払ってるわけじゃねーっての。

勇者「そんなのもあるんだねぇ。んー、なかなか見つからないなぁ。宿」しこしこ

てゆーか、あんな奴を選ぶ女神様もどーなのよ。ありえねーよ。見る目なくなっちまったんじゃね?

賢者「っ!」

勇者「賢者」手を掴み

賢者「は、離してください勇者様!あの者たちは南の国のみならず勇者様や女神様を…!!」

勇者「俺なら大丈夫だ。慣れてるからな。それよりも、俺のせいで南の国と女神様がバカにされてしまった」頭を下げ

賢者「!?ゆ、勇者様が謝ることではありません!ですから頭を上げてください」

勇者「……」

賢者「お願いですから…頭を上げてください勇者様…」

勇者「…ん」頭を上げ

賢者「…私も冷静になれず申し訳ありませんでした」

勇者「賢者が怒った所初めて見たけどなかなかの迫力だったよぉ」しこしこ

賢者「もう…茶化さないでください」

勇者「はっはっはっ。あ、宿見つけた!早速行こうかぁ」しこしこ

賢者「…あ、あの…勇者様…」

勇者「んー?」

賢者「…その、て、手を…」

勇者「あ」

賢者「……////」

勇者「まあいっか。さ、いこいこー」ぎゅ

賢者「えっ?あ、あの…あぅ…////」

すいません、あまりの眠気で…短いですが今日の更新はここまでにします

トリップをつけた方がいいのかなぁ…

勇者「ん、宿もとれたし夜ごはん食べに行こうかぁ」しこしこ

賢者「…勇者様、今夜は宿で夕食を摂りませんか?」

勇者「やだ」しこしこ

賢者「何故ですか」

勇者「それはこっちの台詞だよぉ。一緒に川魚を食べにいこうよぉ」しこしこ

賢者「ですが…」

勇者「僕なら大丈夫だから。そんな顔しないで。ね?」しこしこ

賢者「…はい、わかりました」

~料理店~

勇者「結構混んでるねぇ」しこしこ

賢者「そうですね」

看板娘「あ、いらっしゃいませー!何名様ですか?」

勇者「2人でしゅう…」しこしこ

看板娘「2名様ですね?奥のカウンターへどうぞ!」

賢者「わかりました」

勇者「いい匂いがするよぉ。お腹ぺこぺこだよぉ」しこしこ

賢者「……」クゥ

勇者「え、なに今の可愛い音?」しこしこ

賢者「わ、私のお腹の音です…////」

勇者「」しこしこ!!

看板娘「お客様ー!店内での自慰行為は禁止されておりますー!」

勇者「あ、すいません。じゃあ注文していいですか?」

看板娘「お冷どーぞ!はい!」

勇者「川魚料理二つください」

賢者「……」

看板娘「かしこまりました!ちょっと待っててくださいねー」

勇者「お願いします。楽しみだなー。…賢者?どうしたの?」

賢者「…なん……すか…」

勇者「え?」

賢者「なんでですか!!」テーブルドンッ!!

勇者「け、賢者本当にどうした?」

賢者「なんでオナニー止めるんですか!」

勇者「け、賢者声が大きいよぉ…」

賢者「質問に答えてください!」

勇者「え、ええ…」

賢者「なんでやめたんですか!旅の途中でも全然止めず街中でさえオナニーしてたのに!あの店員さんに言われたらすぐ止めて!なんでですか!!」

勇者「そ、それは…ここは飲食店だから他のお客さんの迷惑にならないようにね…?」

賢者「そんなの今更じゃないですか!可愛いからですか!あの店員さんが可愛いからですか!」

勇者「きゅ、急にどうしちゃったの…ってこのお冷水じゃねぇ酒だ!?そっちのお冷!?」

賢者「話聞いてるんですか勇者様!」

勇者「聞いてます聞いてます…」

賢者「それにですね、なんでさっき止めたんですか!勇者様ならあんな人達ボコボコじゃないですか!」

勇者「そ、それは…」

賢者「わかってますけどね!きっと勇者様は『ここは西の国と南の国の重要な貿易拠点の一つ。南の国の勇者である僕が騒ぎを起こせば西の国と南の国の間にあらぬ誤解や軋轢が生じる原因になる。それを防ぐ為ならどのような誹謗中傷でも我慢するよ(勇者の声色使い)』とかかっこいい事言っちゃうんです!どうですか!合ってますか!!」

勇者「あ、合ってるからもうちょっと静かに…み、みんな見てるよ…」

自慰勇者とか言われてるけど意外と考えてるんだな…

勇者様はやっぱり勇者様だなぁ…

賢者たん可愛い…

そういえば知ってるか?あの勇者様と賢者さん、近くの村を魔物の群れから救ったらしいぜ?しかもたった二人で。今日その村の人から聞いたから間違いねぇ

まじかよ…すげぇ…

勇者様ならきっとこの世を魔王から救ってくれるよ!

そうだな!よっしゃあ!勇者様と女神様に乾杯しようぜ!

おう!勇者様と女神様に栄光あれ!かんぱーい!

かんぱーい!!

勇者「あ、あうぅぅ…////」

賢者「そうですか!なら褒めてください!撫でてください!」

勇者「よ、よしよし…」なでなで

賢者「あと門での分も!私すっごい恥ずかしい思いをして頑張ったのに勇者様は遠い目をするだけで褒めてくれませんでした!」

勇者「あ、あの時はありがとう。助かったよ」なでなで

賢者「むふー!」

勇者「うぅ…店員さん早くきてぇ…」

賢者「また店員さんですか!私じゃダメなんですか!!」

勇者「ふえぇ…誰か助けてぇ…」


その後、賢者は散々くだを巻きつつ頭を撫でる事を強要したり運ばれた料理をペロリと平らげ眠ってしまった。

僕との旅で色々鬱憤が溜まっていたのだろうか。

背中ですやすやと眠っている賢者を起こさぬよう、ゆっくりと揺らさないように歩きながら宿に帰った。

続きまた夜に投下します。

賢者「…殺してください…」

朝、猫のように丸まって寝ていた賢者は目を覚ますなりすぐさま毛布を頭まで被って、か細く消え入りそうな声で言った。

どうやら賢者は酔っていた時の事を覚えているタイプらしい。

勇者「気にしてないよぉ」しこしこ

賢者「…本当、ですか?」

もそもそと毛布から顔を出して僕の顔色を伺う賢者に、僕は笑みを浮かべながら頭を優しく撫でた。

勇者「さ、今日は買い出しと情報収集に行こうかぁ」しこしこなでなで

賢者「ん…ぅ…わ、わかりました」

身体を起こし、僕に向かって頷く賢者に先ほどの弱々しさは感じない。ホッとすると共に少しだけ残念に思う僕だった。

勇者「買い出しするのは食糧、最新の地図に…あとは賢者のマジックアイテムかなぁ…んあっ」しこしこ…ずぽずぽ

賢者「私のマジックアイテム、ですか?」

勇者「うん。昨日の賢者の話を聞いてからずっと考えてたんだぁ。マジックアイテムがあれば色んな魔法が使えるんだよ…ねぇ…?あぁ…っ」しこしこずぽずぽ

賢者「…ええ、レパートリーは増えるでしょう。ですが…」

勇者「ん?何か不都合でもあるのかなぁ?」しこしこ

賢者「…その、マジックアイテムを使った事がなくて…」

勇者「なら丁度いいんじゃないのぉ?」しこしこ

賢者「……大変、言いづらいのですが…」

勇者「うん?」しこしこ

賢者「…マジックアイテムは…高価でして…その…私の手持ちでは…すいません…お役に立てず申し訳ありません…」

勇者「ああ、お金なら心配ないよぉ。王様からいっぱい貰ったし」しこしこ

賢者「それはいけません。そのお金は路銀にすべきです」

勇者「まあまあ、見てから決めようよぉ。気に入らないなら無理に買わなくてもいいしさぁ」しこしこ

賢者「ですが…」

勇者「ほら、早くしないと日が暮れちゃうよぉ」しこしこ

賢者「…わかりました。気に入らなければ買いませんよ?」

勇者「うん。さあ、行こうかぁ」しこしこ

賢者「はい」

今日の更新は以上です。

少なくてすいません…

次は朝に投稿できるはずです

勇者「まずは地図を買いに雑貨屋さんに行こっかぁ」しこしこ

賢者「わかりました。ですが勇者様、最新の地図など買わなくとも今の地図ではダメなのでしょうか?」

勇者「地図はかなり大事だからねぇ。道だけを見るなら今の地図でも問題はないんだけど…街や村云々の確認をするなら絶対最新の地図が必要になるのぉ」しこしこ

賢者「街や村の確認に使う?…あ」

勇者「魔物によって滅ぼされてる街や村は少なくないからね。次の村を頼りに行ってみたら実は滅んでいた、なんて絶対避けたいし」しこしこ

賢者「たしかに。そこで食糧を補充する予定を立てていた場合…ゾッとしますね」

勇者「そういう事だよぉ。だからこれから大きい街に着くたび地図は購入していくからぁ」しこしこ

賢者「わかりました。ですが…」

勇者「んー?」しこしこ

賢者「例え最新の地図を購入しても改訂されたあと滅ぼされていたら…」

勇者「そうだね、だから地図一つだけを信用しない。一緒に情報収集もするよぉ。…それでも最終的には食糧を多めに持っていく事しか出来ないかも知れないけどぉ」しこしこ

賢者「地図と情報を照らし合わせて旅路を決める…ですか。なるほど。…あ、道具屋さんに着きましたよ」

勇者「ん、あと何か欲しいものがあったら教えてねぇ」

賢者「今のところありませんが、わかりました」

~道具屋~

店員「ふわぁ…いらっしゃ…」

勇者「こんにちはぁ」しこしこ

店員「」

賢者「お邪魔します」

店員「」

勇者「あの、最新の地図はありますかぁ?」しこしこ

店員「」

賢者「…?あの?」

店員「き、キャァァァァァァァァァァァァ!!!!」

勇者・賢者「!?」ビクッ

店員「ゆ、ゆゆゆゆゆゆ勇者様ァァァァァァァ!?キャー!キャァァァァァァァァァァァァ!!」

勇者「け、賢者!?ぼ、僕なにかした!?」しこしこ

賢者「自慰行為をしながら挨拶をしただけですよ」

店員「ほ、本物だぁぁぁぁぁぁぁ!!」

勇者「だ、だよね…変なことしてないよね…よかった…」しこしこ

賢者「むしろこれは…」

店員「あ、あのあのあの!勇者様!!」

勇者「は、はひぃ!?」ビクッ

店員「わ、わわ私店員と申します!!ゆ、勇者様のだ、大ファンでして!!さ、サインください握手してくださいぃ!!」

勇者「な、何がどうなって…」

賢者「…やっぱり」

勇者「やっぱり?」しこしこ

店員「あ、わ、私ったらこんなダサい格好で…すいません、すぐ着替えてきます!!お、お化粧もしてくるので待っててください!すぐなんで!本当すぐなんで!!」

勇者「は、はいぃ…」しこしこ

賢者「……」

店主「おい」

店員「あ」

店主「客を待たせて何する気だ?」

店員「お、お父さん!きょう、今日だけは勘弁して!ゆ、ゆう、勇者様がうちの店に来てくれ…ふぎゃ!!」拳骨

店主「お前は店番だろうが。俺が対応する」

店員「はっ!?え、ちょ、はっ!?」

店主「あんたら、勇者一行だろ?」

勇者「え、あ、はいぃ」しこしこ

賢者「そうです」

店主「とりあえず奥に来な。茶でも出そう」

勇者「そ、そこまでしてもらわなくてもいいですよぉ…」びくびく

店主「いいから早く来い」

勇者「は、はひ…賢者、この人怖いよぉ…」びくびく

賢者「私がそばにいますから大丈夫ですよ」

勇者「うん…」

店員「ちょ、ふざ、ふざないでよお父さん!それは私がやるから!お父さんが店番しててよ!」

店主「ダメだ。お前は店番だ」

店員「なんでよ!勇者様が来るなんて一生に一度あるかないかじゃない!今日くらい良いじゃない!頑固オヤジ!筋肉ダルマ!加齢臭!いだぁ!!…きゅぅ」拳骨×2

店員「」ピクピク

店主「…待たせたな。さあ、奥に来な」

勇者「…」ビクビク

賢者「ほら、勇者様。手を握ってあげますから」ぎゅっ

勇者「…あ、ありがとう」がたがたぷるぷる

店主「悪いな、うちの馬鹿娘が」

勇者「い、いえ大丈夫ですぅ…」がたがた

賢者「勇者様のファン…と言っていましたが」なでなで

店主「正確には『勇者』の、だな」

賢者「ああ、やはりですか」

店主「幼い頃から勇者の物語が好きでな…読んで聞かせてたらああなった」

賢者「子供達にとって勇者は人気ですからね」

店主「先代の勇者はまだ娘が幼い頃に行方不明になったからな、一生に一度でいいから勇者に会いたいとずっと言っていてな…ところでその勇者様はどうしたんだ」

賢者「それが叶って先ほどみたいに…。わかりません。急に怯え始めてしまって…」なでなで

勇者「…もう砂漠は嫌だもう樹海は嫌だもう雪山は嫌だ…」ガタガタぷるぷる

店主「まあいい。たしかあんたらは最新の地図を買いに来たんだったな」

勇者「は、はいぃ…」ガタガタぷるぷる

賢者「大丈夫ですか?勇者様」なでなで

勇者「な、なんとか落ち着いてきたよぉ…」

店主「運が良かったな。つい最近改訂されたばかりだ」

賢者「ありがとうございます。おいくらですか?」

店主「まあ、そう慌てるな。あともう一つある」

勇者「…もう一つ?地図はその国が発行しているはず。公式の地図は一つしかないはずですが」

賢者「そうなんですか?」

勇者「うん。犯罪行為に使用されないように地図は国が各都市に命じて発行させ管理しているんだ。ただ…」

店主「公式の地図は簡易的なものだ。どこに何があって距離はどのくらい、程度しか書いていない。定住しているものにはそれで十分だろうが旅をする者には不十分だ。直線距離が短いからこの道を選んだら、実ドラゴンの住処を横切る道だった、なんて笑い話がある。」

賢者「つまり公式の地図とは別に様々な細かい情報が載っている『非公式』の地図がある、と」

勇者「そう。だけどさっき言ったみたいに公式の地図を作られている理由は犯罪行為の防止。非公式の地図を作る事は犯罪だしそれを利用するのは危険だ」

店主「だが、それが信用に足る地図なら旅人にはこれ以上頼りになる物はない。そうだろう?」

勇者「…確かに。信用に足るならば」

店主「これは俺が作った地図だ。実際に俺が行った行商ルートに仲間から聞いた情報全て書いてある」

賢者「これは…凄いです…」

賢者は広げられた地図を確認して感嘆の声を上げる。

ちらりと横目で見るだけでわかる。羊皮紙が真っ黒になるほど情報が所狭しに書かれていた。

店主「これをやる。公式の地図より役に立つだろう」

勇者「いりません」

賢者は反射的に勇者の顔を見る。
これほどの地図を受け取らない理由があるのだろうか?

賢者「勇者様…?」

勇者「店主さん、お気持ちは嬉しいですがこれは受け取れません」

店主は顔の前で手を合わせ目を瞑り唸るように声を出す。

店主「…理由を、聞かせてもらおうか」

勇者「簡単な理由です。貴方を信用していないから」

賢者「勇者様!?」

店主「…随分とはっきり言うな。先ほどまでガタガタ震えていた奴とは思えん」

勇者「先ほど会ったばかりの人に非公式の地図を渡され信じるほど頭の中はお花畑ではありません」

店主「……」

勇者「この地図一つで僕達を罠にかけ殺す事も、通報し国民からの信用を失墜させ孤立させることも可能ですからね」

店主「なるほど。…くっくっくっ、はーっはっはっ!!」

店主はいきなり身体を仰け反るほど高笑いをすれば勇者の目を見据えた。
勇者も店主の目を見つめる。

店主「流石は選ばれし勇者だな。最初見たときは阿保だと思ったがどうやら違うらしい」

勇者「お褒めの言葉と思っておきます」

店主「『女神様に栄光あれ』」

店主がそう告げた瞬間、地図はパッと姿を消した。

賢者「これは…マジックアイテム…!?」

店主「そうだ、羊皮紙に不可視の魔法がかけてある。そこの嬢ちゃんが気付けないんだ、相当上位の魔法使いでも無ければ気付く事さえ出来ないだろう…『勇者様に栄光あれ』」

先ほどまで消えていた地図が姿を現わす。どうやら特定の言葉を発しながら魔力を通さなければ発動しないタイプのマジックアイテムのようだ。

店主「これで非公式の地図を持っていることはバレないだろう。まあ、絶対とは言えないが。それと内容だが…」

店主は公式の地図を広げ非公式の地図と見比べられるように並べた。

勇者「…これは…」

店主「気づいたか。公式の地図にはこの村とこの村…あとはこの村が載っているが俺の地図にはない。…理由はわかるな?」

店主が一つ一つ指を指し確認させる。最後の村を指差した時、少しだけ指先が震えていた。

勇者「…もし仮にこの地図を信用するとすれば…これが意味する事は」

店主「そう、揉み消しだ。国からの命令で関係者は箝口令が敷かれている」

賢者「まさか…国が、ですか!?」

店主「西の国でもこの3つの村は僻地で小さな村だからな。無くなっても痛手ではないが世論の反感を恐れたんだろう。似たような村もまだあるしな」

勇者「…なるほど。ですがその話だけでは信用に足る、とは言えません」

店主「わかっている。…最後だがこの地図を持って行ってもらいたいのは別に理由がある」

勇者「なんですか?」

店主「俺が魔王に一矢報いたい」

勇者「…なぜですか?」

店主「この村は俺と娘の生まれ故郷だ」

店主は震える指で最後に指差した村を再度指差す。

店主「俺は幼い娘を連れて妻の誕生日プレゼントを買いに行っていたから難を逃れる事ができた。だが、妻と俺の両親、その他村の連中は全員…村に戻った時の光景は忘れられない」

店主は指を戻し目を伏せ震える手を握り耐えていた。

勇者「……」

そんな店主を勇者は目を逸らさず見つめ続けていた。

店主「魔物の仕業とわかっていても俺には何も出来なかった。娘がいたし俺自身魔王に太刀打ちできるとは思えないしな」

店主「だから俺は、この地図を魔王を討ち滅ぼせる者に渡して少しでも役立てもらう事にした。非力な俺が魔王に出来る唯一の報復だ、とな」

勇者「……僕はまだ貴方もこの地図も信用していません。今のも全て演技の可能性がありますから」

店主「…そうか」

賢者「勇者様…」

勇者「なので、南の国の勇者としてこの違法な地図は没収します」

勇者はそう言って広げられた地図を手にとった。

勇者「僕が使用する事はありませんが、もしかしたら誰かが魔王討伐の役に立てるかもしれませんね?」

勇者は店主と賢者を見てにっこりと笑みを浮かべ笑いかけた。

夜忙しいのでもしかしたら投下できないかもしれません

店員「あ!勇者様と賢者さん!お父さんのお話終わりましたか?!」

勇者「お、終わったよぉ…」しこしこ

賢者「はい」

店員「で、でしたらお二人とも早速握手してください!!サインも!」

勇者「え、えぇ…」しこしこ

賢者「私も、ですか?」

店主「もちろんです!勇者物語は名脇役である賢者さんとか魔法使いさんが居て輝きを増すんですよ!!」

賢者「脇役…」

勇者「け、賢者は主役だよぉ」あせあせしこしこ

店員「勇者様を渾身的にサポートする賢者…二人は様々な苦難と試練を乗り越えついに魔王を倒すのです…そして戦いが終わっても離れようとしない二人…そう、二人の間にはすでに愛が生まれていたのです!はぁぁぁぁん、素晴らしいぃぃぃぃぃ!!」

勇者「う、うぅ…なんか恥ずかしいよぉ…」しこしこ

賢者「愛…ですか」

勇者「賢者?」しこしこ

賢者「な、なんでもありません」

店員「こ、ここにサインを!!で、出来れば店員ちゃんへって書いてくださぁぁぁぁい!!」

勇者「わ、わかったから落ち着いてぇぇぇ!」しこしこ

店員「あ、ありがとうございますお二人とも!家宝にします!!……はあはあ…と、ところでど、どうなんですか勇者様!?け、賢者さんとどこまで行ったんですか!?手、手を繋いだり抱きしめたり…ハッ!?も、もしかして既にチューまで!?は、破廉恥です勇者様!!えっちぃです!!でもさもありなん!なんて言ったって二人はそういう事に興味津々なお年頃!欲求には勇者様だって…勝てな…い…!?」

勇者「ふえぇ…」しこしこ

店員「ゆ、ゆゆゆゆ勇者さ、さささ様様のお、おち、おおおおちんちんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

勇者「」ビクッ

店員「はぁあぁぁぁぁぁん!!す、凄いこ、これが勇者様の勇者の剣なのですねぇ!?はぁはぁ、さ、触ってもいいですか!?しゃ、写生していいですか!?ハッ!?だ、ダメよ私!一時の感情に流されては!!き、きっとこの勇者の剣は賢者さん専用!私には触れられない聖剣!!ああでもこんなチャンスは一生に一度しかないわ!そ、そうよこれは私の生涯で一度きりの好機!!これを逃せば次のチャンスはなんて絶対ないんだから!私達はそう、明日より今を生きるのよ!!だ、だからさ、先っちょ!先っちょだけなら賢者さんも許してくれるわ!…あ、あぁぁぁぁ!!だめ、やっぱり私出来ない!!勇者様のこんな神々しい勇者の剣触れないわぁぁぁ!だ、駄目よ私!チャンスを生かすってさっき自分で言ったじゃない!!ゆ、勇気を振り絞るのよ私!勇者様のように!!」クワッ

店主「おい」


勇者「」ガタガタ

賢者「わ、私…専用…////」

店員「あ」



\ ふぎゃあ!! / ゴンッ

勇者「うぅ…怖かったよぉ…」しこしこ

賢者「…わ、私専用…ふふ…////」

勇者「…ど、どうしたの賢者…?」しこしこ

賢者「ふふ……っ!?な、なんでもありません勇者様っ」

勇者「あぁ…賢者があの娘に影響されてるよぉ」しこしこ

賢者「いえ、さすがにあそこまではちょっと…」

勇者「本当に怖かったよ…」

賢者「ですね…。あ、そう言えば勇者様」

勇者「なぁに?」しこしこ

賢者「店主さんと初めて会った時、なぜあそこまで怯えていたんですか?」

勇者「あ、店主さんに教えてもらったマジックアイテム屋さんがあったよ、そら急げー!」ダッ

賢者「あ、ちょっと待ってください勇者様!」

今日の更新は以上です。

…誤字脱字が多いですが許してください…

age忘れました。すいません…

~マジックアイテム屋~

賢者「言いたくなければ無理して言う必要はありませんよ」

勇者「うぅ…ごめんねぇ…」しこしこ

老婆店主「いらっしゃい」

勇者「こんにちはーマジックアイテムを見させてもらってもいいですかぁ?」しこしこ

老婆店主「ええ、どうぞ好きなだけ見ていってくださいな」

勇者「…と言っても僕はあまりマジックアイテムに詳しくないんだよなぁ…」しこしこ

賢者「そうなんですか?」

勇者「うん。多少の知識はあるけどどういった物があるかはわかんないんだぁ」しこしこ

賢者「なるほど…ではこちらの杖は何に使うと思います?」

勇者「ん?んー…まあ杖だし戦闘で使うタイプのマジックアイテムかな?」しこしこ

賢者「正解です。魔力を通せば氷結呪文が使えます」

勇者「なるほどぉ」しこしこ

賢者「次にこの指輪とこの箱ですが…わかりますか?」

勇者「この指輪と箱!?ん、んー…この箱に物を入れたら特定の場所に送れる…とかかなぁ?…あれ?開かない…おかしいなぁ…」

賢者「ふふ…残念。不正解です」

勇者「うぅ…」しこしこ

賢者「この二つは爆発魔法が使えます。ではなぜ用途は同じなのに形が全然違うかわかりますか?」

勇者「んー…威力か消費量が違うか…それか用途が違うか、かなぁ」

賢者「このマジックアイテムの場合は後者ですね。指輪の場合は目の前で爆発魔法を使うため、箱の場合は指定されたタイミングで爆発魔法を使うため、です」

勇者「…後者は戦闘用?」

賢者「…使う人によります」

勇者「まあ、道具だからその辺は仕方ないねぇ…」しこしこ

賢者「本来の目的とは違う使い方をされたら道具だって悲しみます」

勇者「ねー。しかしほぼ同じ効果で物は違う…かぁ。訳が分からなくなりそうだよぉ」しこしこ

賢者「そうですね。マジックアイテムは千差万別、自分と目的に合ったマジックアイテム一つ探すのだって大変なのです。中には探すのを諦めて自分で作ってしまう方もいらっしゃるぐらいですから」

勇者「自分で作れるの?なら賢者も自分で作ったら?」しこしこ

賢者「いいえ、私は作れません。マジックアイテムを作るのはとても高度な道具技術が必要なので」

勇者「へぇ…どの位?」しこしこ

賢者「簡単に説明すれば魔法が使えない人を他人から魔力を通して貰えれば使えるようにするぐらいに」

勇者「…凄い難しそうという事だけはわかった!」しこしこ

賢者「その認識でいいと思います。私のように魔法の技術だけではダメなのです」

勇者「なるほど…ところでどう?賢者の欲しいマジックアイテムはあった?」しこしこ

賢者「…今の所はないですね」

勇者「こんなにあるのに?」しこしこ

賢者「無いわけではないのですが…勇者様の意見をお聞きしたいのですが」

勇者「なぁに?」しこしこ

賢者「戦闘時、道具袋から任意の物を取り出す行為はどう思います?」

勇者「あんまりおすすめは出来ないかなぁ。大人数パーティならカバーし合えるからまだしも、僕達みたいな少人数パーティはちょっと厳しいかもぉ」しこしこ

賢者「自ら隙を作るようなものですからね。となると、身につけられて尚且つ私が使えない魔法を使えるようにするマジックアイテムは…この辺りの物がそうみたいです」

勇者「…へ、平均二万Gかぁ…」

賢者「大幅に予算オーバーですね」

勇者「聞いてたけど本当に高いねぇ…」しこしこ

賢者「下級魔法のマジックアイテムはその限りではありませんが…。上級魔法のマジックアイテムはその製作難度から製作出来るのは一握りの職人だけと言われています」

勇者「そっかぁ…」

賢者「せっかくですが…今回は見送りましょう。まだ先は長いですから」

勇者「…ごめんね?甲斐性なしで」

賢者「いえいえ、大丈夫ですよ。あと甲斐性は関係ありません」

老婆「お目当の物は見つかりましたかねぇ?」

勇者「すいません、予算不足でしたぁ」しこしこ

老婆「おやおや、お客様にぴったりのマジックアイテムがありますがのぉ」

賢者「え?」

勇者「み、見せていただいても構いませんかぁ?」しこしこしこ!

老婆「もちろんですじゃ。これを見てくだされ」スッ

勇者「これは…筒?でも穴は貫通してないな…」

賢者「使用できる魔法は…『振動』に『移動』?一度で二つの魔法が使用出来るタイプのマジックアイテムのようです」

勇者「一度で二つ?凄いねぇ」しこしこ

老婆店主「良ければ手に取ってみてくだされ」

賢者「はい。…硬いのかと思ったら柔らかいですね。丁度人肌くらい…?」ぷにぷに

勇者「あ、本当だ。何に使うんだろ」ぷにぷに

老婆店主「それは魔法を放出するタイプのマジックアイテムではなくその物に魔法が作用するタイプのマジックアイテムじゃな」

賢者「なるほど…しかしこれほど柔らかくては武器にはなりませんね…何に使うのですか?」

老婆店主「陰茎に着用して使うのじゃ」

勇者「え。…え!?」

賢者「」

老婆店主「陰茎、もしくはそれにこの粘液を十分に塗る。ケチらず大量に塗るのがポイントじゃな。塗り終わったら穴に陰茎を挿入すれば準備は完了じゃ。あとは魔力を通すだけで手を動かさずとも移動の魔法により勝手に動いて亀頭やカリ首を振動の魔法が適度に刺激してめくるめく快楽をおぬしに与えるじゃろう…どうじゃ?」

勇者「きょ、今日は彼女のマジックアイテムを買いに来ていまして…ぼ、僕のは結構です」

賢者「」

老婆店主「なんじゃ、残念じゃのう。そこのお前さん、『火』の魔法を使ってくれんか」

賢者「…え?あ、は、はい」

あまりの事実にしばらく惚けていた賢者が慌てて人差し指を立てる。

すると、丁度人差し指一本程の火が指先から噴き上がった。

その様子を見て老婆店主は頷くとカウンター裏の引き出しからイヤリングを取り出した。

老婆店主「新式の術式じゃ最初は違和感があるじゃろうがまあその内慣れるから心配せんでええ」

賢者「…あの、このマジックアイテムはなんでしょう?」

賢者はカウンターに置かれたイヤリングをまじまじと見つめ、「見たことのない術式です」と呟いた。

老婆店主「古式の術式じゃ。魔法は『魔力還元』…お前さん、魔法を使うときの燃費が悪いじゃろ」

今日の更新は以上です。

ところどころ老婆になってますが老婆店主に脳内変換よろしくお願いしますorz

>>253

新式の魔法じゃ←×
新式の魔法では←◯

しっかり推敲しなきゃだめだなぁ…

賢者「わ、わかるんですか?」

老婆店主「こう見えてわたしゃ魔具師じゃからのぉ。魔力の流れを見るのは得意分野じゃ。本来1で十分な所を2も3も流せば燃費が悪い事くらいすぐ分かるわい」

賢者「…その通りです」

勇者「え、そうなのぉ?」しこしこ

賢者「はい。先の戦闘で私は魔力を全て使い切りましたよね?」

勇者「うん。でもあれは上級魔法に中級魔法を織り交ぜた作戦だったし、無くなって当然じゃない?」しこしこ

賢者「いいえ。適正な魔力量で使用出来ていれば3分の1程度の魔力は残っていたでしょう」

勇者「そんなに?」しこしこ

賢者「…今まで黙っていて申し訳ありません…」

勇者「別にいいよぉ。完璧な人間なんていないしぃ」しこしこ

賢者「勇者様…」

老婆店主「話を続けても良いかの?」

賢者「す、すいません。続けてください」

老婆店主「まったく…人前でいちゃいちゃしおってからに…。それで、燃費の悪いお前さんにはこのマジックアイテムがぴったりだと思うがどうじゃ?」

賢者「い、いちゃいちゃなんてしていません。確かに、今の私にぴったりなマジックアイテムですね。身につけられますし…ちなみに、どの程度還元されるのですか?」

老婆店主「試作品じゃからせいぜい10~20%ぐらいかのぉ」

賢者「す、凄い…」

勇者「気に入った?」しこしこ

賢者「はい。是非とも欲しい一品です」

勇者「お婆さん、これ幾らですかぁ?」しこしこ

老婆店主「そうじゃのう…予算は?」

勇者「1万ですぅ」しこしこ

老婆店主「なら一万じゃ」

賢者「なっ!?」

老婆店主「試作品といっても使用するだけで消費した魔力が還元される逸品じゃ。これでも安いと思うがのぉ」

勇者「うーん、ちょっと高いけどまあいいか。これくだ 賢者「いりません」 …賢者?」しこしこ

賢者「燃費については私自身の問題、マジックアイテムに頼るのではなく私がなんとかします」

勇者「でも、気に入ったんでしょ?」

賢者「…気に入っていないと言えば嘘になります。ですが、その一万Gは私達の全財産。こんな所で使って良いものではありません」

勇者「……すいませんお婆さん」

老婆店主「なんじゃ」

勇者「これ、もう少し安くなりませんか?」

賢者「勇者様!」

老婆店主「そうじゃのう。わしとの勝負に勝てたら安くしてやろう」

勇者「ほ、本当ですか?受けます!受けさせてください!」

老婆店主「ではこれを使用して五分間射精しなければわしの負け。射精すればわしの勝ち。受けるかのぉ?」

そう言って老婆店主は先ほど紹介した筒状のマジックアイテムを取り出した。

勇者「…いいでしょう。受けて立ちます」

賢者「勇者様…」

勇者「大丈夫だよ賢者。僕は絶対射精しないから…えーと、この粘液を十分に塗って…んっ…」

老婆店主「準備はいいかのぅ?」

勇者「はい。いつでもどうぞ」



老婆店主「では、勝負開始」

老婆店主が砂時計をひっくり返し勝負が始まった。
マジックアイテムに魔力が通されゆっくりと前後に動き、陰茎全体が振動によって刺激される。

賢者「大丈夫ですか?勇者様」

賢者が心配そうに僕の顔を見つめる。これはこれで気持ち良いが正直微妙であった。
自動で陰茎が刺激され扱かれるも、動きは単調だし強弱もつけられない。

勇者「うん。なんとか大丈夫」

これなら五分間も余裕だ。僕は賢者の喜ぶ顔が思い浮かべつい笑みを浮かべてしまった。

老婆店主「正直余裕だ、とか思っているじゃろ?」

老婆店主がゆっくりと僕の陰茎に手のひらを向けた。

勇者「…ッ!?」

瞬間、僕は膝をついてしまった。いや、つかされたと言うべきか。

賢者「勇者様!?」

勇者「だ、大丈夫。心配いらないよ」

僕はカウンターを掴みヨロヨロと立ち上がる。これは…!?

老婆店主「ほう、今のを堪えるか。童貞にしてはなかなかやるのぉ」

老婆店主はニヤニヤ笑いながらそのまま魔力をマジックアイテムに送り続ける。

勇者「い、今のは一体…!?し、振動や移動の魔法ではないですよね?」

間髪いれずまたあの快楽が僕を襲う。今回はなんとか膝をつくのを我慢できたが膝が笑っていた。

老婆店主「マジックアイテムは組み合わせる事によって無限の可能性を秘めている…どうじゃ?まるで舐められているような感触じゃろ?」

賢者「まさか…!?勇者様、失礼します!」

勇者「あふんっ」

賢者は慌てて僕の陰茎から滴る粘液を指でなぞるように掬い取った。少しの間粘膜を見つめていた賢者は驚愕の表情を浮かべ老婆店主を睨みつけた。

勇者「な、何かわかったのぉ…?くあ…ぁ…」

鈴口をちろちろと舌先で舐められているような感触に僕は目を瞑って堪える。

賢者「…やられました…勇者様、この粘液はマジックアイテムです!」

勇者「な!?っあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

今度は裏筋を舌でなぞられ思いっきり吸い上げられるような感触。これはまずい。

僕は膝をつき体を曲げて快楽に堪えるもマジックアイテムは休ませてはくれない。
そのままじゅぼじゅぼと音を立てながら僕の陰茎を扱いていく。

老婆店主「条件が違う、とは言わせんぞ?わしはこのマジックアイテムを使用するとしか言っておらんからのぉ…違うマジックアイテムを使用しないなんて一言も言ってないしの?…良い出来じゃろ?魔力を通す事によって任意の動きと形に変えることができる代物じゃ」

賢者「なっ、そんなのは詭弁です!くっ…卑怯な…」

老婆店主「勝負に詭弁も卑怯もないわい。そうじゃろ?勇者殿」

勇者「はぁ…はぁ…!!」

老婆店主「おやおや、返事することも叶わぬか…そろそろ楽になってはどうじゃ?」

勇者「ま、まだまだ…っ!!」

体が熱い。動悸も激しい。僕の心臓が脈打つ度マジックアイテムのついた陰茎が跳ねる。

老婆店主「童貞の割によく堪える…じゃがの、勇者殿」

勇者「!?」

勇者の身体が一際大きく跳ねる。

粘液は舌のような形からヒダのような形に姿を変え僕に襲いかかる。

老婆店主「圧倒的なのは、経験の差、じゃな」

勇者「ぐっ!うあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ヒダがカリや亀頭を刺激する。いや、ヒダだけではない。マジックアイテムが軽い半回転を加えながら陰茎を扱く。

賢者「勇者様…勇者様ぁ!」

賢者が膝をついて僕の手を握る。その目にはうっすらと涙が溜まっていた。

勇者「っあ…はあ!…はっはっ…け、賢者…」

賢者「もう…もう良いです勇者様!マジックアイテムなんて欲しくない!!…私は…私は…っ!」

勇者「け、賢者…だい、だいじょ…っうあぁ!!」

賢者「勇者様ぁ!!」

老婆店主「ほらほら、最初の威勢はどうしたんじゃ?あと1分我慢すれば破格の値段であのマジックアイテムを買えるのにのぉ…ま、無理じゃろうがな?」

勇者「はっ…うぐっ…ぼ、僕は…勇者…以前に…男…です…」

老婆店主「ふむ?」

勇者「あっ、ああっ!!……お、男が…女の子を喜ばせるために…頑張らなくてどうする!!」

賢者「あと20秒です勇者様!!」

老婆店主「そろそろ時間じゃな…では最後の締めじゃ。耐えてみよ」

勇者「」

身体は反射的に仰け反り、脳天が痺れた。あまりの快楽に目の前がチカチカし始めた。

老婆店主「のう、勇者殿。ハーレムはお好きかの?」

勇者「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

今日の投稿は以上です。

自分でもよくわからなくなってきたのは秘密です

勇者「」ビクンビクンッ

賢者「勇者様…」

老婆店主「…ふっ」






老婆店主「まさか、今のを耐えきるとはのぅ…」

賢者「勇者様!」ぎゅっ!

勇者「い、今触っちゃらめぇ…」ビクンッ

老婆店主「いやはや、今のを普通耐えるかのぅ。三人から同時に責められているような感触だったはずなんだじゃが」

勇者「はひぃ…はひぃ…」

賢者「勇者様ぁ…ありがとうございます…」ぎゅぅ

勇者「んほぉ…と、トイレ…トイレいかせてえ…」

賢者「は、はい!あと手ぬぐいも探してきますっ!」立ち上がり奥へ

老婆店主「手洗いは奥を右に行って手洗いは近くに棚があるぞぅ。…しかし、流石は勇者殿じゃな。まさか全盛期のワシのテクニックを持ってしても堕とせぬ童貞がいるとはのぅ…そんな男、爺さんぐらいかと思っとったが…」

勇者「お、お褒めに預かり光栄……え?」

老婆店主「どうした?勇者殿。あ、マジックアイテム抜きますぞ?」ズボッ

勇者「あひっ!…い、今わしのテクニックって…?」

老婆店主「うむ。先ほどの任意の形と動きと言ったじゃろ?わしが若き日に数多の男共を堕としてきた舌技と膣を再現してみたつもりじゃったか…どうだったかのぉ////?」

勇者「」

>>281

手洗いは近くに棚がある←×
手ぬぐいは近くの棚にある←◯
ですすいません…

賢者「勇者様、手ぬぐいです。…勇者様?」

勇者「」

老婆店主「勇者殿はお疲れのようじゃ。無理もない、何せ全盛期のワシ三人に責められたんじゃからのぅ…」

賢者「え」

老婆店主「さてさて、約束のマジックアイテムじゃがもうなんかどうでも良くなったからタダでやるわい。勇者殿と勝負、出来たしの////」


勇者「」

賢者「え?」



勇者「うぇ…ひっく…ひっく…」

賢者「な、泣かないでください勇者様…ほ、ほら良い子良い子」なでなで

勇者「うぇぇ…賢者ぁ…僕汚されちゃったよぉ…」しこしこ

賢者「あ、あれはノーカンですよ。道具ですし」

勇者「もうやだぁ…賢者ぁ…」しこしこ

賢者「よ、よしよし…」なでなで

勇者「うっ…うっ…」しこしこ

賢者「き、気を取り直して食糧を買いに行きましょ?勇者様の好きな物買っていいですから」なでなで

勇者「…ほんと?」しこしこ

賢者「もちろんです!」

勇者「じゃ、じゃあ買い物行こっか…」しこしこ

賢者「はい。……あの、勇者様?」

勇者「なぁに?」しこしこ

賢者「私の為に…その、頑張っていただき本当にありがとうございます」

勇者「どういたしまして。大事にしてねぇ?」しこしこ

賢者「はい!」

~宿屋~

勇者「しかし、今日はすっごく疲れたよぉ…」しこしこ

賢者「そうですね…。ですがその分収穫も多かったです」

勇者「没収した非公式の地図に、賢者のマジックアイテム…それと食糧かぁ」しこしこ

賢者「出発の準備は万全ですね。たしか首都に向かうんでしたよね?『勇者様に栄光あれ』」

勇者「うん。ここから大体…そうだね、2日あれば行けるかなぁ」しこしこ

賢者「ふむ…そのようですね。道も整備されていますし人の行き来も多いです。道中モンスターに襲われる可能性は低いでしょう」

勇者「他になにか書いてあるぅ?」しこしこ

賢者「あ、途中に宿場町があるようです」

勇者「なら明日の目的地はそこにしようか」しこしこ

賢者「わかりました。では今日はもう休みましょう。『女神様に栄光あれ』」

勇者「うん。おやすみ、賢者」しこしこ

賢者「どこに行くのですか」

勇者「え、自分のベッドだけど?」しこしこ

賢者「ダメです」

勇者「え」

賢者「今日から勇者様は私と同じベッドで寝ていただきます」

勇者「なんで!?」

賢者「今日も頑張ったご褒美です」

勇者「きょ、今日僕一人で寝たいなぁって…」しこしこ

賢者「…私じゃ、不満ですか」

勇者「そ、そんな事ないです。でも…」

賢者「ベッドの上だけでいいので勇者様を独り占めさせてください。……だめ、ですか?」

勇者「喜んで」キリッ

賢者「ではこちらへ」

勇者「…あれぇ?」しこしこ

賢者「…すぅ…すぅ…」ぎゅっ

勇者「…なにこの生殺し…」しこしこ

賢者「…勇者様…」すやすや…

勇者「……」なでなで

賢者「…お話してくださる日を、待っています…」すやすや

勇者「…随分とハッキリした寝言だね?」

賢者「……」ぎゅっ

勇者「…(おほぉ…おっぱい柔らかいよぉ…)」しこしこ

~北門~

店主「…来たか」

賢者「貴方は…お見送りに来てくれたのですか?」

店主「まあな。娘が来たがっていたが店番だ」

賢者「…気を使っていただきありがとうございます」

店主「気にするな。…旅路はもう決まったのか?」

賢者「はい。とても良い地図を盗み見る事が出来ましたので」

店主「…ふっ、そうか」

老婆店主「勇者殿」

勇者「ひぃ、ひぃぃ…」がたがた

老婆店主「あれでワシに勝った気でいるつもりじゃなかろうな?」

勇者「け、賢者!賢者ぁ!」がたがた

老婆店主「あのマジックアイテムをさらに強化、改良して待っておるぞ。じゃから…その…必ず生きて魔王を倒してくるのじゃ!わ、わしはまたお主と勝負できる日を楽しみにしておるでの////」

勇者「」

店主「…なにかあったのか?」

賢者「いろいろあったのです、いろいろ…。ほら、勇者様手をつないであげますから」

勇者「僕はまだ童貞僕はまだ童貞僕はまだ…」ぶつぶつ

賢者「しっかりしてください…それでは、行ってきます」

店主「ああ、気をつけてな。道中なにかあったら俺の名前を出すといい。ほとんどの店で便宜を図ってくれるだろう」

老婆店主「マジックアイテムの管理はしっかりとのぉ。あと、他の街の長にあったらよろしく伝えておいてくれんかのぅ」

勇者「い、いってきますぅ…」しこしこ

~王都へ至る街道~

勇者「そういえば賢者、マジックアイテムは試してみたぁ?」しこしこくちゅくちゅ

賢者「はい。街中でしたので初級魔法で、ですが」

勇者「古式の術式だっけ?それにはもう慣れた?」くちゅくちゅ

賢者「多少癖はありますが慣れれば大丈夫そうです」

勇者「うん。あとちょっと言いづらいけど…」しこしこ

賢者「はい、なんでしょう」

勇者「燃費を良くする修行を旅での間もやってほしいんだ」しこしこ

賢者「もちろんです」

勇者「僕に出来ることなら付き合うからねぇ」くちゅくちゅ

賢者「ありがとうございます。ではその時はよろしくお願いします」

勇者「うん。…っと、モンスターか。賢者は後方で周囲を警戒しながら僕の援護を。…出来るね?」

賢者「はい!」

勇者「よし。じゃあ行くぞ!!」

賢者「はぁ…はぁ…」

勇者「大丈夫?もうちょっとで宿場町のはずだよぉ」しこしこ

賢者「だ、大丈夫です。魔力もまだ余裕がありますし…」

勇者「この辺りの魔物は群れを作ってるみたいだからねぇ…それに、不意打ちばかり狙ってくるし」くちゅくちゅ

賢者「勇者様が居なければどうなっていたか…」

勇者「たまたまだよぉ…あ、町の灯りが見えた」しこしこ

賢者「もう日が沈んでいます。少し急ぎましょう」

勇者「うん。だけど慎重に…止まれ、賢者」

賢者「はい」

勇者様が背後にいる私に指示を出し剣を引き抜いて茂みに向けた。

勇者「そこにいる奴、出てこい。5秒だけ待ってやる」

??「ま、待ってください!」

勇者様が告げると、ガサゴソと茂みをかき分けてまだ躰も小さな女の子が現れた。…青を基調にした服にあの紋章は僧侶の服だ。だがそれも、今や血によって見る影もなくなっている。

??「助けてください!ゆ、勇者様が、勇者様が!!」

少女が勇者様の元へ駆け寄ってこようとするも勇者様が未だ剣を少女に向けているので近寄れないでいた。

勇者「勇者?どこの誰だ」

??「南の国の選ばれし三人の勇者様です!な、名前は男勇者様…お願いします、私を庇って酷い怪我を…!!」

勇者「…賢者、僕が見てくる。その間この子が不審な動きをしたら…『迷わず殺せ』」

勇者様の一言に少女は唖然とした表情を浮かべ、ガタガタと震え始めた。

私はこくりと頷き、少女をじっと見つめる。一挙手一投足を見逃さないために。

勇者様は私と少女を交互に見て剣を納めずそのまま茂みの中に入っていった。

賢者「気を悪くしないでくださいね。まだ貴女が魔物や盗賊の類じゃないという確証がないので」

私の言葉に少女は震えながらも頷く。
…よくよく見れば彼女も怪我をしているようだ。腕や腹部、足には切り傷や咬み傷などがある。血が滴となって地面に垂れていた。きちんとした処置をしなければ彼女は危ないだろう。

賢者「…傷の手当ては、しなかったのですか?僧侶なのに…」

僧侶「そ、それは 勇者「待て、その話は町に着いてからだ」 勇者様!!」

僧侶の少女がなにか言う前に茂みから現れた勇者様が遮る。剣はすでに納めていて、ぐったりとしている男性を背負った勇者様が現れた。

少女が勇者様に駆け寄って背負われている男性に必死に声をかけている。もう大丈夫です、あと少しです、と。

勇者「傷は塞がっているが体力の消耗が激しいし意識が朦朧としている。急いで町に行くぞ」

賢者「待ってください。貴方が本物の勇者様である証拠は?」

勇者「姿を現わすキーワードは『勇者様に栄光あれ』だ」

賢者「…わかりました。そちらの少女も大丈夫ですか?」

勇者「確認は取れた。賢者、『脚力強化』の魔法は使えるか?」

賢者「お任せください」

勇者「じゃあ、僕と賢者にかけてくれ。賢者は少女を頼む」

私は頷き、勇者様と私に脚力強化の魔法をかける。

未だ必死に男性に声をかけている少女に近づき声をかける。

少女はびくりと身体を震わせるも意図を察してくれたのか大人しく背負われてくれた。

勇者様が私に頷いて見せると背後の男性をしっかりと背負い直し走り始めた。私もそれに続く。町はもう見えている、そう遠い距離ではない。

~宿屋~

賢者「…容態は安定しました。あとは暫く休めば目を覚ますでしょう」

勇者「お疲れ様ぁ…んー、走ったからちょっと疲れたねぇ」しこしこ

あの後私達は無事に町に辿り着き宿に飛び込んだ。店主は驚いていたが事情を察して部屋を案内してくれた。医者を手配するかと問われたが私は『回復』の魔法が使えるので辞退した。

賢者「しかし、あの男勇者さんが…南の国一番の剣の使い手と聞いていますが、何があったのですか?」

私は男勇者さんベットに座り手を握って心配そうに顔を見つめている僧侶に声をかける。

彼女の治療もすでに終わっている。傷は多数あったが命に関わるものは幸いにもなかった。

僧侶「そ、それは…」

勇者「まあまあ、賢者。その話は男勇者が目を覚ましてからにしよう。僧侶ちゃん…だっけ?君も看病するのは構わないけどしっかり休むこと。いいね?」しこしこ

賢者「わかりました」

僧侶「…はい。今日は助けていただきありがとうございます」

彼女は私達に向き直り頭を下げる。そんな彼女を見て勇者様はにこりと笑って気にしないで、と告げて私と
一緒に退室をした。

賢者「…しかし解せませんね」

勇者「なにがぁ?」しこしこ

賢者「あの僧侶さんの事です。なぜ、自分の怪我を治療しなかったのでしょう?あのままでは彼女も危なかったですし」

勇者「…これは僕の予想だけど、あの辺りに戦闘をした後はなかった。それはつまり彼女が負傷した男勇者をどこからか運んできたんだ」

賢者「はい」

勇者「普通に考えて装備を付けた大人を女性が、ましてや少女が背負って運ぶのは不可能だ。男でも苦労するくらいだからね」

賢者「それはつまり…」

勇者「うん『筋力強化』の魔法を使ったんだろう。それに、男勇者の傷はほとんど塞がっていた。『回復』の魔法を掛け続けていたんだと思うよ」

賢者「…二つの魔法を同時使用、ですか。かなりの魔力を消費するはず…あ」

勇者「そう、だから魔力の消費を抑えるため自分には魔法を掛けなかった。それでも、あと一歩のところで魔力が尽きてどうしようもなくなった…って所かな」

賢者「…なるほど」

勇者「まあ、詳しい話は男勇者が目を覚ましてからにしよう」しこしこ

賢者「わかりました。ではこちらへ」

勇者「あ、ごめん賢者。今日はちょっと一緒に寝れない」

賢者「え」

勇者「追撃がないとも言い切れないからね、今からちょっと自警団の所に行ってくるよぉ」しこしこ

賢者「では私も…」

勇者「だめ。賢者はしっかり休んでて?魔力も回復しておいてほしいしぃ」しこしこ

賢者「…魔力が無ければ足手まといですからね、私は」

勇者「そ、そんな事ないよぉ。いざとなったら呼びに来るから。ね?…うっ!」あせあせしこしこしこしこしこしこ!

賢者「わかりました。ではいざとなったら必ず起こしてくださいね?」

勇者「うん。約束するよぉ」しこしこ

賢者「では、おやすみなさい」

勇者「おやすみ、賢者」

今日の更新は以上です。昨日は更新できずすいません…

あと、前のスレにURLを貼ってくれた方ありがとうございます!今気づきました…

それと実は>>168>>169の間に本来ならもう一つ分のレスがあったのですが誤って消してしまいました。良ければ投下してもいいですかね?無くても問題ないレスですが

>>296
私は男勇者さんのベットに座り←×
私は男勇者さんのベットの横に座り←◯

ですすいません…

~??~

??「なに?奇襲は失敗しただと?」

竜騎士「はっ!男勇者一行に奇襲を仕掛けた竜騎兵達は全滅しました。ですが、男勇者と僧侶に致命傷を与える事に成功。あの傷では両方長くはないでしょう」

??「…俺の命令をもう一度言ってみろ」

竜騎士「男勇者を始末しろとの御命令であります!」

??「で、男勇者の最後を見たものは?」

竜騎士「い、いえ…それが…どうやら『閃光』の魔法で目くらましをされている間逃げられてしまったようで…」

??「…糞どもが。命令一つ成功させる事も出来ねーのか…他はどうなっている?」

竜騎士「女勇者一行は反撃こそされましたが剣士と武道家の始末に成功し、女勇者は敗走。目下捜索中です」

??「見つけ次第殺せ。で、勇者はどうだ。村ごと滅ぼしたか?」

竜騎士「そ、それが…定期連絡が無い為部下を向かわせた所、全滅していた模様で…」

??「はっ。まああんな雑兵どもじゃ仕方ねえか。で、勇者は仕留めたか?」

竜騎士「……」

??「どうした」

竜騎士「勇者と賢者は健在という連絡が先ほどありました。しかも村に被害は無いそうです」

??「…どういう事だ。情報では自慰行為をしてるだけのカスじゃなかったのか?」

竜騎士「そ、そのはずですが…」

??「…まあいい。たしか勇者の
目的地はここだったな?俺が直接始末する」

竜騎士「了解しました。魔王様への報告はどう致しましょう?」

??「勇者を始末してからだ。今の現状を報告したら俺の首が飛ぶ」

竜騎士「では、私は引き続き男勇者捜索に戻ります」

??「おう。必ず殺してこい」

竜騎士「それでは失礼します」姿消し



??「…今の話、聞いていたな?」

姫「……」

??「どうやら頼みの綱の男勇者も女勇者もダメみたいだぜ?」

姫「……っ……」

??「ま、せいぜいクズ勇者に儚い希望を抱くんだな。はっはっはっ!!」

~宿場町~

勇者「ふわぁ…」しこしこ

賢者「おはようございます、勇者様」

勇者「おはよ、賢者…」しこしこ

賢者「…眠そうですね、まさか昨夜戦闘が」

勇者「ロリ巨乳はそのギャップで抜けるんだと力説してきたのぉ…」しこしこ

賢者「…なかったようですね。勇者様が幼女趣味だとは知りませんでした」

勇者「ああ、そんな目で見ないでぇ…」しこしこしこしこ!

賢者「私はまだ16です」

勇者「え、てっきり同い年だと思ってたよぉ」しこしこ

賢者「幼女ではないですが、まだ少女だと思います。どうでしょうか」

勇者「…」キュンッしこしこしこしこしこしこ!

賢者「どうなんですか?」

勇者「あ、ありです」しこしこ

賢者「そうですか。では、男勇者さんの様子を見に行きましょう」

勇者「う、うん」しこしこ

賢者「……」

勇者「…賢者、顔赤いよ?」しこしこ

賢者「っ////」

勇者「(天使だわぁ)」しこしこ

勇者「で、どんな状況だ?あぁ!?」しこしこ

男勇者「い、いや私も状況が飲み込めなくてだな…」

賢者「勇者様お静かに。起こしてしまいます」

僧侶「…すやすや…」ぎゅっ

勇者「見た目幼女に抱きつかれて起きるとかどんな天国よ…こっちは夜通し警戒してたっていうのによぉ…」しくしく…しこしこ

男勇者「本当にすまない…私が不甲斐ないばかりに迷惑をかけてしまった」頭下げ

賢者「勇者様、今夜は私が抱きついてあげますから機嫌直してください」

勇者「…本当?」しこしこ

賢者「はい。約束です」

勇者「やったー!」しこしこ

男勇者「…変わらんな…」

僧侶「むにゃ…勇者さまぁ…」すやすや

勇者「僕かな?」しこしこ

賢者「違います」

男勇者「改めて礼を言わせてくれ。私と僧侶を助けてくれて本当にありがとう」

僧侶「…ありがとうございました…」男勇者の背後から

勇者「ど、どういたしまして…」

賢者「完全に警戒されていますね勇者様」

勇者「う、うぅ…僕なにかしたかなぁ?」しこしこ

賢者「恐らく昨晩のアレでは?」

勇者「だ、だってあれは仕方ないじゃないかぁ…」しこしこ

男勇者「こら僧侶。命の恩人に失礼だぞ」

僧侶「で、ですが勇者様…この人達私達を殺そうとしたんですよ?」

男勇者「はぁ…私が旅をする前に教えただろ?我々勇者は魔王に狙われているんだ。警戒して当然。話を聞いた限りだと彼の反応と判断は正しいよ」

僧侶「…そうですが…、じゃあ、あの人はなんで自慰行為をしてるんですか。頭おかしいですよ」

男勇者「…あれは気にするな」

勇者「あぁん!こ、言葉にトゲを感じるぅぅぅぅ」しこしこ

賢者「落ち着いてください勇者様。話が進みません。あと僧侶さん」

僧侶「は、はい。なんでしょうか?」

賢者「冷静な判断で貴女達を救った勇者様に向かって頭おかしい、とはどういう了見ですか?今すぐ訂正しなさい」

僧侶「ひっ!ご、ごめんなさい…勇者さんは頭可笑しくないです…」がたがた

賢者「よろしい。貴女も勇者のお供なら今後は言動に気をつけなさい」

僧侶「は、はい…ごめんなさいです…」

勇者「ま、まあまあ賢者。僕は気にしてないから…ね?」あせあせ

男勇者「重ね重ねすまない…あとで私からもキツく言っておく」

賢者「私が気にするのです勇者様。男勇者さん、どうかよろしくお願いしますね?」

僧侶「」がたがた

勇者「とりあえず本題に入ろうかぁ。いったい何があったのぉ?」しこしこ

男勇者「…私達は東の国と西の国の国境にある山脈を進んでいた」

勇者「…ふむ」

男勇者「そして食糧が尽き始めたので、補充する為下山してこの町に向かっている最中に奇襲にあった」

賢者「奇襲…勇者様」

勇者「まて、まだ話が途中だ」

賢者「申し訳ありません。男勇者さんどうか続けてください」

男勇者「ああ。…敵は竜騎兵10体。なんとか僧侶と二人で応戦していた。だがあと残り一体というところで『自爆』魔法を使われた。僧侶を庇った後の事は正直私は覚えていない」

勇者「…なるほど」

僧侶「ここからは私が…勇者様が庇ってくれたので私は軽症ですみました。…ですが勇者様は意識不明の重体。私が出来る事と言えば勇者様に応急処置をして当初の目的地であるこの街に勇者様を運んで助けてもらう事だけでした」

勇者「そして僕達に出会った…と。なるほどな」

男勇者「奇襲で賢者さんが反応したが…まさかそちらも?」

勇者「ああ、つい先日こちらも夜襲を受けた。…正確には受けたというよりたまたま事前に察知出来て逆に奇襲を仕掛けたが」

男勇者「…私と勇者が奇襲を受けた…ということは女勇者も」

勇者「まあ、襲われてるだろうな。それよりも、だ。二つばかり質問がある」

僧侶「そ、それより!?女勇者さんが襲われてるかもしれないですよ?助けに行かなくていいんですか!?」

勇者「……」

男勇者「僧侶、少しの間黙っていてくれないか」

僧侶「で、ですが勇者様!」

男勇者「僧侶」

僧侶「…はい…」

男勇者「あとで説明してあげるから…。それで、質問とは?」

勇者「すまないな。なぜその装備であのルートを選んだ?」

男勇者「…それは…」

勇者「最短ルートで北の国に行くつもりだったんだろうが一番険しい道だぞ?それ相応の装備と準備が無ければ自殺行為だ」

男勇者「……」

僧侶「…勇者様…」

勇者「あと一つはなんで二人で旅を?最低でも3、4人のパーティで旅をするのがセオリーだろ?まあ、これに関して僕は人の事いえないけど」

今日の更新は以上です。

男勇者「…私は一刻も早く魔王を打ち滅ぼして皆を救いたかった。私にはその力があると信じていた。仲間の件もそうだ。後衛である僧侶がいれば十分だと…」

僧侶「勇者様…」

勇者「…気持ちは分かるがそれはただの無謀だ。僕達勇者は確かに、魔王を討ち滅ぼす力を持っている選ばれた者だ。だけど一人では無理だ。魔王に辿り着く前に殺されるだろう」

男勇者「……」

勇者「それに、彼女は連日山越えをする準備が出来ているとは思えないんだが」

僧侶「わ、私なら大丈夫です!勇者様となら山だろうが海だろうがどこへだって行きます!」

男勇者「…いや、僧侶が無理をしていたのは気付いていた。それでも、私は先を急ぐばかりで彼女に気をかけてやる事が出来ていなかった。僧侶、本当にすまない…」

僧侶「ゆ、勇者…わ、私なら平気ですから謝らないでください…」

勇者「だが、お前は僧侶を守った。己の命を賭して。リーダーとしての自覚は、あるみたいだな」チラッ

僧侶「…」サッ

勇者「」

男勇者「…仲間一人救えない奴が人類を救えるとは思えない」

勇者「ど、同意見だ」

男勇者「……しかし、まさか君に救われるとはな…」

勇者「意外か?」

男勇者「…かなり、な。初めて会った時は正直本当に女神様に選ばれたのか疑っていた程だ」

勇者「ふえぇ、酷いよぁ」しこしこ

男勇者「いや、だから何故このタイミングで自慰行為をする」

僧侶「ぎゃー!!!」

勇者「はぁはぁ…ロリ僧侶たんに視姦されてるぅ…」しこしこ

僧侶「してません!!や、やっぱりこの人頭おか 賢者「ほう?」 ゆ、勇者様ぁぁぁぁ!!」ぎゅっ

男勇者「あ、あまり僧侶を虐めないでくれないか」

賢者「虐めていません。教育です」

勇者「ふひひ…涙目ロリ僧侶たん可愛いよぉ」しこしこしこしこしこしこ

賢者「…」ピクッ

僧侶「うわぁぁぁぁん!この人達怖いよぉぉぉ!!」

男勇者「お、落ち着け僧侶。大丈夫だから…多分」

僧侶「た、多分ってなんですか勇者様!多分って!!」ゆさゆさ

男勇者「いた、いたた。や、止めないか僧侶、傷口が…」

僧侶「あ、ごめんなさい…」しゅん

男勇者「…いや、いい。…僧侶、君が無事で本当によかった…。私は、君を守れたんだな…」

僧侶「勇者様ぁ…も、もちろんです
…勇者様が守ってくれなかったら私…私は…」ぎゅぅぅぅ

男勇者「…怖い思いをさせてしまったな」

僧侶「いいえ、怖くはありませんでした。だって…勇者様がそばに居…」

男勇者「僧侶…」

僧侶「勇者様…」

勇者「いや、守れてねーじゃん。僧侶怪我してたじゃん何言ってんだこいつ。ああもう、ものすごくイライラするんだけどなんでだろう。てかなんであの流れでいちゃいちゃ出来んの?ねえなんで?イケメンだから?イケメンだからなの?」ぶつぶつしこしこ

賢者「勇者様、どうどう」なでなで

勇者「ふえぇ、賢者ぁ…。あのバカップルが思いっきり見せつけてくるよぉ!殴っていい?ねえ殴っていい?」しこしこ

賢者「殴ってはダメです。…ところで勇者様」

勇者「いっそあの男勇者のベッドにオナニーしながら飛び込んでやろうか…。ん?なぁに?」しこしこ

賢者「いちゃいちゃ、したいですか?」

勇者「したいです」即答しこしこ

賢者「わかりました。覚えておきます」

勇者「え?」

賢者「さあ、男勇者さんと僧侶さん。いちゃいちゃはその辺りにしてください。勇者様の堪忍袋が爆発してしまいます」

男勇者「す、すまん!」

僧侶「い、いちゃいちゃ…////」

勇者「ぐぬぬ…畜生…!あ、そうだ男勇者ぁ」しこしこ

男勇者「ご、ごほんっ!……なんだ?」






勇者「お前、今戦えるぅ?」しこしこ







今日の更新は以上です。

色々な感想ありがとうございます。精進しますのでよろしくお願いします

>>331
僧侶「…勇者様がそばに居…」←×

僧侶「…勇者様がそばに居たから…」←◯

ですすいません…

地上から遥か上空、竜の背に跨る我ら竜騎士隊は目標である男勇者の討伐作戦を決行していた。

「隊長殿!見えてまいりました!」

先陣を切る竜騎兵が吹き荒ぶ風の中私にも聞こえる様に叫ぶ。

先の戦闘にて逃走を許した男勇者があの町に匿われている、との情報を付近に潜んでいる同胞から得ていた。

「隊長殿、如何致しますか!このまま突撃を!?」

竜の横腹を蹴り空中に静止した竜騎兵が私の指示を仰ぐ。

私は片手を上げ後ろに控える竜騎兵達に静止の合図を送り思案する

こちらの数は私を入れて20。男勇者に奇襲を仕掛けた隊の倍だ。

それに、目標である男勇者は今やかなりの深手を負っているとの報告もあった。

……町にいる人間共が奇襲に備えていて反撃してくる可能性は高い。が、それがどうした。我らは魔王軍の中でも精鋭部隊。あの男勇者すら追い詰めたのだ。何を恐れる必要があるのか。

私は上げていた手を下げ高らかに叫ぶ。

「全員突撃用意!目標、町に潜んでいる男勇者!反撃があるだろうが恐れず進め!!」

全員が呼応して身を屈め突撃体制に入る。私も身を屈め槍に手をかける。今こそ我らが力を示す時!

手綱を握り直しいざ突撃、というときにまたも先頭の竜騎兵が叫んだ。

「お待ちください隊長殿!!あれを!!」

竜騎兵が槍を向けた先には、町から王都へ向かう道を進む二つの影。

私は目を細めさらにその影を見る。あれは…

「勇者一行か…」

「如何致しましょう?」

「…勇者はあの方が直接手を下すと仰った…が、これはチャンスだ。男勇者を見捨てたのか、大丈夫だと思って判断して出発したのかは分からないが合流して共闘されるよりはマシだ」

「では」

「目標変更!目標、勇者!突撃せよ!!」

勇者「んー…やっぱりこんな天気の良い日はアナニーだよねぇ……おふぅ」くちゅくちゅ

賢者「私はしたことないのでわかりませんが確かに良い天気です」

勇者「んほぉ…きょ、今日中に王都へ行こうねぇ…」くちゅくちゅ

賢者「はい、頑張ります」

オオォォォォォォ!!

勇者「!?な、なに!?この野太い男の声は!?気持ち悪い!!」

賢者「勇者様!!そ、空から魔物が!」


勇者「え!?あ、あれは…竜騎兵!?」

賢者「どんどん近づいてきます!このままでは…どうしましょう!?」

勇者「ど、どうするって言ったって…あ、あんな数相手に勝てるわけないよ!に、逃げようにも町からは離れてるし…王都なんてとても…」

賢者「ゆ、勇者様!!」

勇者「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!」ダッ

賢者「!?ゆ、勇者様!ま、待ってくだっあ!?」

勇者「け、賢者!?」

賢者「っ痛…!あ、足が…っ!」

勇者「う、うあ…」

賢者「ゆ、勇者様…お願いします、どうか手を貸してください…!」

勇者「う、ううう…!!あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ダッ

賢者「勇者様!?お、置いていかないで!!わ、私を見捨てないで…くださ…い…」


勇者「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ダッ

今日の更新は以上です。

短くてすいません

すいません上げ忘れました

竜騎兵「隊長殿!勇者がこちらに気づき北に向かって逃走を始めました!賢者は逃げ遅れた模様!如何致しますか!!」


竜騎士「雑魚に構うな!!我らの目標は勇者だ!」

竜騎兵「ハッ!」



賢者を見捨て、逃げる勇者に我らは徐々に差を狭めていく。

私は後続に控える者たちに先回りを命じ勇者の背に向けて槍を放つ。

心臓に目掛け放ったが、勇者が体制を崩して転倒した為心臓を貫かず肩を掠めるに留まった。

勇者「いぎゃあ!!」

私は舌打ちし全隊員に勇者を囲むように命ずる。

勇者「いだいぃぃぃいだいぃぃぃ!!」

勇者は肩を押さえまるで芋虫のように地面で身悶えている。

…肩を掠めた程度だぞ、なんと無様な。

私は勇者を見下しながら竜の手綱を引っ張り速度を緩めながら勇者に近づく。

勇者「うぐぅ…あぁぁ…!!…はっ!?」

ここになってようやく己の状況がわかったのか、肩を押さえながら立ち上がり辺りを見て顔を青ざめさせて震えている。

「貴様が、勇者か?」

勇者「ひぃぃぃぃぃ!!く、くるなぁ!くるなぁぁぁぁぁぁ!!」

慌てて剣を構え私に対するも、剣先は定まっていないし腰も引けている。

私は竜を着地させ先ほど放った槍を引き抜きながら勇者に近づく。

「貴様が勇者か、と聞いている」

勇者は慌てて再度辺りを見るが、既に勇者の周りは我が隊が包囲している。逃げ場なぞ、ない。

勇者「そ、そうだ!僕が勇者だ!!こ、殺されたくなかったら道を開けろぉ!!」

…何を戯言を。

勇者の言葉に隊員全員が槍の穂先を向けるが、私は片手を上げそれを制す。

「そうか、貴様が勇者か」

私は槍を地面に突き刺し、腰に帯刀している剣を抜いた。

勇者の身体が一際大きく震え、カチカチと歯を鳴らす。

「ならば、死ね」

私は大きく踏み込み剣を振るう。

勇者「ひぃあ!?」

情けない声を上げ我が斬撃を剣で防ごうとしたようだが、腰も力も入っていない防御など意味はない。
当然のように勇者の剣は弾かれ地面に突き刺さる。

勇者「あ、ああぁ…!!」

防御した際にバランスを崩した勇者は尻もちをついて絶望したような目で私を見上げる。

不意に、異臭がして私は顔をしかめる。

勇者「…あ?ぅあ…あ…!」

勇者の股間から白い湯気が立って染みが広がっていた。

…本当に、こいつは勇者か?

勇者の醜態に囲っている隊員達がせせら笑う。

「…もういい。さっさと始末して男勇者の討伐に向かうぞ」

私はさらに近づき、剣をゆっくりと掲げ一息で振り下ろした。

ギィィィィィン!

辺りに広がる、金属同士がぶつかる嫌な音。それに続いて地響きが連続して起きる。

金属の音は勇者が籠手を使って私の斬撃を防いだから…だが、地響きの音はなんだ?

私は意識を勇者に向けながら辺りを見渡す。

…そこには、地に墜ちた我が竜騎兵達の姿があった。

「何があった!?誰か報告をしろ!」

返事がない。何が、どうなっている!?

勇者「危ない危ない、もう少しで死ぬとこだった。…っ痛…そうだ、肩をやられたんだっけ」

混乱する私を尻目に勇者は私の剣を振り払い、立ち上がりぐっと伸びをしようとして肩をしかめた。

「勇者!!き、貴様の仕業か!?」

勇者「違う。まあ、落ち着いて周りを見てみなよ」

私は慌てて再度辺りを見渡し絶句した。

竜騎兵は頭を、竜に至っては頭と翼を氷で覆われてもがいている。

「な、なにが…!?」

勇者「『氷結』の魔法。お前も知ってるだろ?」

「氷結の魔法だと!?ふ、ふざけるな!今の季節にこれほどの氷結魔法が使える訳がない!!」

勇者「どうかなぁ。まあ実際使えてる訳だし?」

勇者が先ほど地面に突き刺さった剣を引き抜き軽く振るう。

竜騎兵達は何とか頭の氷を砕こうと何度も剣や槍で頭を叩いているがすぐに力尽き地面に落ちていく。
竜達は背中に乗せた竜騎兵などお構いなしに力任せに暴れ、互いに互いを傷つけ、やがて沈黙していった。

「こ、こんなことが…こんなことがあるはずがない…!な、なぜ…!?」

勇者「可哀想になぁ、頭と勘が良ければ助かったかもしれないのになぁ?」

私の身体を、激しい冷気が包む。そしてみるみる体温を奪われる感覚。私は察した。このままでは私の身体は凍りつき命令を失敗してしまう。それだけは回避しなければならない。

「し、死なばもろと」

勇者「予想通りだ」

勇者が、一瞬で間合いを詰め、私の首を




賢者「勇者様!!大丈夫ですか!?」ダッ

勇者「ふえぇ…寒いよぉ」がたがたしこしこ

賢者「か、肩を怪我しています!今すぐ回復魔法を…!!」

勇者「あ、賢者。出来れば今は近づいて欲しくないなぁ」しこしこ

賢者「な、なぜですか」

勇者「…臭いから」しこしこ

賢者「え?…あ」

勇者「あはは、演技だからってやり過ぎちゃったよぉ。だから、回復魔法は大丈夫だよ、傷は浅いし」しこしこ

賢者「…いいえ、ダメです。しっかり処置しなければ化膿してしまいます」

勇者「け、賢者…」しこしこ

自警団員「おぅい、作戦は成功したかぁ?」手をひらひら

勇者「あ、はい。大成功ですぅ!御協力ありがとうございましたぁ!」しこしこ

自警団員「なぁに、自分達の町と勇者様を守るためならこのくらいの協力惜しまないぜぇ!…しっかし、この作戦を聞かされた時はまさか成功するとは思わなかったぞ?」


それは、戦闘が始まる2時間ほど前まで遡る。

今日の更新は以上です。

短くてすいません

僧侶「なっ!?」

男勇者「…すまない、実はまだ身体に力が入らないんだ」

勇者「んー、だよねぇ」しこしこ

僧侶「あ、当たり前じゃないですか!!勇者様は先ほど目を覚ましたばかりなんですよ?!」

勇者「わかってるよぉ。だけどさあ、そろそろ来そうな気がするんだよぉ」しこしこ

僧侶「く、来る?なにがですか?」

勇者「追撃隊ぃ」しこしこ

僧侶「え?」

男勇者「…だろうな。寧ろ、まだ来ていない事の方が意外だ」

勇者「ねー。何か策があって遅くしてる可能性もあるけど…」しこしこ

賢者「それにしても遅すぎるかと。夜襲もせず朝を待つほどの策は…大軍を率いて襲うぐらいですか。大軍を用意するには時間が掛かりますし」

勇者「死にかけの男勇者と僧侶ちゃん相手に?ないない」しこしこ

男勇者「ぐ…!ま、町を同時に攻め滅ぼそうとしているかも知れないが」

勇者「いっちゃなんだけど、この町を滅ぼすのに大軍がいるとは思えないなぁ。竜騎兵50体でも正直余裕だと思うし」

賢者「確かに。それほど大きな町ではありませんしね。では、これほど
遅いのは 僧侶「あ、あの!」…どうしました?」

僧侶「お、追手なら来ないかと…わ、私が『閃光』の魔法でまきましたし…」

賢者「……」

男勇者「……」

勇者「アホの子僧侶ちゃん可愛いよぉ…」しこしこしこしこしこしこ

僧侶「え?え?」

賢者「…僧侶さん、貴方はここに来る間『筋力強化』の魔法と『回復』の魔法を使いましたよね?」

僧侶「はい!勇者様を救う為頑張りました!」

勇者「やっべぇ、すんげぇ可愛い」しこしこしこしこしこしこ!

賢者「…」ピクッ

男勇者「魔法を使用すれば必ず魔法の痕跡が残る。しかもずっと続けて、となると…」

僧侶「あ。…痕跡さえ辿ればすぐ居場所が…」

勇者「そうだよぉ。まあ、それだけじゃないけど」

男勇者「む?」

勇者「僧侶ちゃんは自分には回復の魔法を使用しなかった。まあ正確には使えなかった、かもしれないけどぉ」しこしこ

賢者「…そう言えば私達が出会った時僧侶さんは酷い怪我をしていました。傷の手当てもせず…あ」

勇者「男勇者は知らないけど結構な深手でね、血が滴るほどだった。それはつまり…」

男勇者「そう…だったのか。では魔法の痕跡を辿らなくても血が垂れている方へ行けばいい…」

勇者「そういう事ぉ」しこしこ

僧侶「わ、私が…敵をこの町まで案内した様なもの…ですか…」

男勇者「僧侶、気にしなくていいんだよ」

僧侶「で、でも…私のせいで勇者様や賢者さん、この町の皆さんに危害が及ぶかもしれません…」

勇者「あれ?」しこしこ

男勇者「魔法や怪我の事が無くても普通なら僕達の進行方向に町があればそこに向かってるのは明白だ。遅かれ早かれ僕達が見つからなければ魔物達に襲撃されていたよ」

僧侶「で、ですが…グスッ」

勇者「今日はオカズに困らないなぁ…」しこしこ

賢者「……」

男勇者「寧ろ、僕達が居て勇者達もいるこの状況は幸運だと思う。そうだろ、勇者?」

勇者「ふえ!?そ、そうだね。追撃隊を逆に迎え討とうか」しこしこ

僧侶「…え?」

賢者「町と男勇者さんを救うにはそれしかありませんね」

男勇者「作戦はあるのか?」

勇者「一応ね、みんな聞いてくれるかなぁ?」しこしこ

今日の更新は一応以上です。夜中投下出来たら投下します。

勇者「それじゃ、作戦なんだけど…僕の記憶が正しければ竜人族は冷気に弱いはずだ」

賢者「そうですね」

勇者「だから、賢者の『氷結』の魔法で一網打尽にする」

男勇者「は?」

賢者「え?」

僧侶「?」

勇者「ん?」

賢者「お言葉ですが勇者様、今の季節は秋です」

勇者「だねぇ。最近涼しくてオナニーしやすいよぉ」

男勇者「いや、そうじゃなくてだな。氷結魔法で一網打尽に、というのは無理ではないか?冬ならばまだしも」

賢者「男勇者さんの言う通りです。私の魔力量ではせいぜい5体凍らせる程度でしょう」

男勇者「なに?それは凄いな…普通の魔法遣いでも3体程度が限界なのに」

賢者「お褒めの言葉ありがとうございます」

僧侶「…」ポカポカ

男勇者「いた、いたた」

勇者「賢者は僕の嫁だから手を出したら潰すよ?」

賢者「!!!??/////」カァー

男勇者「わ、わかったから話を戻そう」なでなで

僧侶「」むふー♪

勇者「ん。確かに氷結魔法は冬とかの寒い時、場所以外ではまともな効果は期待できないね」

賢者「はい」

勇者「だから無理やり作る」

男勇者「は?」

勇者「昨夜自警団に報告がてら戦力の確認をしたんだ。魔法使いで戦力になりそうなのは10人程度だった」

賢者「作る、とはいったい…?」

勇者「簡単な事だよ。この10人に氷結魔法じゃなくて『冷気』の魔法を使って周囲の温度を下げてもらう」

男勇者「冬並みに温度を下げて氷結魔法の効果を高める…か。悪くはないが」

賢者「10人ではあまり広い範囲を下げれるとは思えません」

僧侶「(難しいお話です…)」

勇者「うん。だからある一定区間のみ集中して下げてもらう。そこへ竜騎兵達をおびき寄せ、賢者の氷結魔法で一気に終わらせる」

男勇者「どうやってだ?」

勇者「僕と賢者が囮になって引き付ける」

賢者「わかりました。ですが、勇者様」

勇者「ん?」

賢者「例え周囲の温度を下げたとしても凍らせる事が出来るの10体ぐらいですよ?」

勇者「え」

賢者「いくら周囲の温度を下げたとしても氷結魔法の発動が効率よく行えるだけで爆発的に魔力量が増えるわけではありませんし」

勇者「…マジで?」

賢者「はい」

勇者「…ごめん、この作戦は失敗だ…」しこしこ

賢者「考えるのやめて自慰行為しないでくださいよ」

勇者「ふえぇ…だってぇ…」しこしこ

男勇者「…風や土の魔法ではダメか?」

勇者「風で飛んでる竜騎兵は落とせるけど、その後がぁ。土も同じくぅ」しこしこ

男勇者「?普通に倒せば良いのでは?」

勇者「あのね、僕の実力は多分竜騎士一体と同じくらいだよぉ?」しこしこ

男勇者「…本当か?」

勇者「うん」しこしこ

男勇者「くっ…傷さえ治っていれば…」

賢者「…正攻法で迎え討つのはどうですか?」

勇者「無理だねぇ。王国の騎士団とかならまだしも宿場町の自警団クラスじゃ…」しこしこ

賢者「…万事休す、ですね」

僧侶「…あの、賢者さん」

賢者「?はい、なんでしょうか」

僧侶「今の作戦、別に一体一体凍らせる必要はないのでは…?」

賢者「どういう意味でしょうか?」

勇者「…ん?」

僧侶「え、えと…あの…」

男勇者「僧侶、なにか思いついたのかい?」

僧侶「は、はい。でも…その…」

男勇者「大丈夫だから、話してみてくれないか?」手を握り

僧侶「あっ…////は、はい!その、身体の一部を凍らせるだけで十分ではないかと…思ったのですが…」

勇者「…!なるほど、その手があったか!」

賢者「たしかに…一部だけ凍らせるなら魔力の消費も抑えられますし複数の相手に使えますね」

男勇者「凄いじゃないか僧侶!」なでなで

僧侶「え、えへへ~…////」

勇者「…」そー…

僧侶「触ったら張っ倒しますよ」ぼそっ

勇者「!」びくっ

賢者「勇者様?」

勇者「は、はひぃ…すいません…」

男勇者「ところで、質問があるんだが」

勇者「なに?」

男勇者「待ち伏せはどこでするんだ?あまり離れていると警戒されるだろうし無視されるかも知れないぞ。」

勇者「近くの平原だよ。みんなには『不可視』の魔法で隠れていて貰うつもり」

男勇者「平原で、だと?…上手く行くのか、それは。」

勇者「とりあえず敵を僕に集中させれば。上手く行かなければ…まあ、なんとかするよ」

男勇者「…下手すれば、死ぬんだぞ?」

勇者「死ぬつもりはないよぉ。さ、賢者準備しようか。男勇者と僧侶ちゃんは休んでてねー」

賢者「わかりました」

男勇者「…すまない。頼んだぞ」

僧侶「お願いします、賢者さんに勇者さん」

勇者「!?ま、任せてぇ!」ビクンッ

賢者「……」


そして作戦は成功。勇者と賢者は男勇者達に報告し自警団が開いた祝いの席に出席して何事もなく夜が更けいく…はずだった。

矛盾点とかはもういろいろ無視してください…私にはこれが限界でした…orz

続きは恐らく10時か11時に

~宿屋~

賢者「勇者様」

勇者「は、はいなんですかぁ?」しこしこ

賢者「今私が右手に持っているのはなんでしょう?」

勇者「う、ウィスキーのボトルですぅ」しこしこびくびく

賢者「これをどうすると思いますか?」

勇者「と、戸棚に仕舞うと思うなぁ」しこしこびくびく

賢者「不正解です」

そう言って賢者はボトルの封を切って飲み始めた。40度を超すだろう、強い酒をストレートで。

勇者「!?ば、馬鹿!」バッ

僕は慌ててボトルを奪い取り賢者の肩を掴む。

「う…!の、喉が…!」

みるみるうちに賢者の顔は歪み、今にも倒れそうになる体を抱く。
あんな度が高いのをストレートで飲めば当然だ。僕は慌ててテーブルに置いてある水差しを取り賢者の口元に当て、ゆっくりと傾ける。

「んっ…ぅ…」

水差しに手を添えごくごくと水を飲んでいく賢者。

やがて、満足したのか僕の手を掴みゆっくりと口から水差しを離す。

僕は水差しをテーブルに戻し賢者の様子を確認する。

「…ゆうしゃ、さま…」

目は涙目で虚ろ、息がしにくいのか肩を上下させながら頬を赤く染め僕を見つめている。完全に酔っている。…あまり思い出したくないが数日前事故で酔っ払った賢者を思い出して身震いする。隣の部屋には、男勇者と僧侶ちゃんがいるのだ。

しかし、賢者は俯いて震えている。これは、あれか?

僕が慌てて近づき背中を優しく撫でながら桶を持ってくるという旨を伝えようとした。が、

「えーい!」

可愛らしい掛け声とは裏腹に、身体の回転を利用した鋭い張り手を頬にされた。
不意打ちと予想外の威力に僕は情けない声を出し、尻もちをついて賢者を呆然として見上げてしまった。

「うふ、うふふ…」

賢者は焦点の定まっていない目で僕を見つめるとにこにこと笑顔を浮かべながら僕の太ももに跨る。まずい、これでは動けない。
僕は賢者の肩を掴み声をかける。このままだと、いろいろ不味い。

「ねえ、ゆうしゃさま?きょうなんかいそうりょうさんでしこしこしたんですかぁ?」

身体が、硬直するのが分かる。そんな僕を楽しげに見つめ僕の肉棒に手を伸ばしてそっと掴む賢者。
賢者の柔らかく繊細で綺麗な指と手のひらを感じた僕の肉棒は嬉しそうに震えてしまう。僕が拒否の言葉を掛けても賢者はにこにこと笑っているだけで離してはくれない。

「なんかいこうやってしこしこしたんですかぁ?ほら、はやくおしえてくださいよぉ」

そして、僕がいつもしているように肉棒を扱き始めた。いや、いつもとは違う、たどたどしい上に気遣うような優しい扱き方だ。くすぐったいような、もどかしいような快楽が僕を襲う。

…知らなかった。自分でするよりも、何倍も気持ちいいなんて。

僕は快楽に押し流されそうになりながらも賢者の質問に答える。おかずにしていたのは、確かだが回数など覚えてない。その問いを聞いた賢者は扱くのを止め、顔から笑みを消して僕の瞳をじっと見つめる。

「89回です」

瞬間、背筋に『冷気』の魔法を当てられたと錯覚するほどの寒気を感じた。

「あ、今ビクってしましたね?」

また笑みを浮かべ肉棒を扱き始める賢者。正直、未だ勃起している自分を褒めたい。いや、これがいわゆる身体は正直というやつなのだろうか?そんな現実逃避気味な事を考えながらそんなにしていないと賢者に伝える。……自信は、ないが。

「大丈夫です。しっかり数えていましたから」

…賢者が、怖いと思ったのがこれで3度目だ。僕が絶句して口をパクパクさせているのを楽しげに賢者は見ている。

「勇者様ぁ、どんな妄想したんですかぁ?あのちっさい手でこんな風に」

今度は両手で肉棒を掴みゆっくり扱き始める賢者。時折、我慢汁が溢れ出る鈴口を親指や人差し指で触れ、指に着いた我慢汁を楽しげに眺めゆっくりと鈴口をこすりあげる。

「しこしこされたいとか思ったんですかぁ?」

僕はぶんぶんと首を振って否定するも賢者はお構い無しに扱き、こすりあげてくる。

「……それともこうやって…小さなお口でぺろぺろされたかったんですかぁ?」

満足したのか、賢者は肉棒から手を離した。
僕はやっと解放された事に安堵して目を閉じ一息つくと、いつの間にか膝から降りて、肉棒に顔を近づけ口を開けている賢者の姿があった。
慌てて賢者の頭を掴み止めさせようとするも賢者はそれ以上近づく事も抵抗することもなかった。が

「舐めてあげませんよぉ?お仕置きですから」

開けた口から、舌を少しだけ出すとそれを伝って唾液が滴り落ちた。その先は、言わずとも分かる通り僕の肉棒だ。

ランプの、優しい光に照らされた肉棒は賢者の唾液できらきらと輝いていた。それは、僕を視覚的にも興奮させた。
自分の息が、荒くなる。

僕はこんなにも変態だったのだろうか?

そんな僕を満足気に見つめ、唾液で濡れた肉棒をまた握り今度は先ほどよりも強く、早めに扱き始める賢者。

「どうですかぁ?ぬるぬるして気持ちいいですかぁ?」

…最早、返事をする余裕はない。なんとも言えない音が僕の耳に入ってくる。
賢者の手が、賢者の唾液が、僕の肉棒を扱いている。
視覚と聴覚、触覚3つ全てがまるで賢者に犯されているような激しい快楽。肉棒の脈打つスピードが早まっているのがわかる。抵抗など、出来ないししようとも思わなかった。だが、そんな快楽は長く続かなかった。

「……それともぉ、ここに入れたい、とかぁ?うふふ…」

賢者はそう言ってあっさり肉棒から手を離し、片手でスカートをめくりつつ、僕に中を見せないようにスカートを抑えながら僕の肉棒の上にゆっくりと腰を下ろした。

肉棒の先が最初に触れるのは、湿った布の感触。そのあとは、賢者の手でさえも敵わない、柔らかい肉の、感触。

これは、我慢、できな


肉棒が一際大きく震え、鬼頭が膨らみ弾けた瞬間、目の前がちかちかと点滅する。

>>397
鬼頭が膨らみ弾けた←×
亀頭が膨らみ始めた←◯
ですすいません…

快楽で?

否、

痛みで。

「……」

僕は悲鳴を上げ原因を探す。いや、探すまでもない。
腰を下ろした賢者が、まだ治りきっていない肩の傷を掴んでいるのだ。

け、賢者…!?な、なに…を…?

僕は片目を閉じ痛みに耐えながらも賢者に問う。

そして己の目を疑った

「……」

先ほどの賢者はまるで僕の都合の良いような夢のだったように姿を消し、いつもと変わらない賢者が無表情で僕を見つめていた。瞳から、大粒の涙を大量に零しながら。

どうしたのだろうか?何か不快な事をさせたのだろうか?酔って不安定になっているのだろうか?

僕は考えられる事を全て考えながら賢者に恐る恐る声をかける。

「なんですか、馬鹿勇者様、変態勇者様…っ!」

それでも、賢者は涙を流しながら僕を見つめるに留まる。わからない、なぜ彼女が泣いているのか、今泣いているのか。
わからない事を考えていても賢者の涙は止まらない。僕に出来る事は、賢者自身に聞く他なかった。

なん…で泣いてるの…?

こんな時、自分が情けなくなる。きっと男勇者ならば理由もわかるだろうが。

「……演技とはいえ、なんであんな酷い事をしたんですか…」

賢者は嗚咽を漏らしながら答えを教えてくれる。ここまで教えてもらえれば僕でもわかる。彼女の指している酷い事、とはおそらく囮作戦の時賢者を安全に自警団の魔法使い達と合流させるため見捨てた演技の事だろう。だが、あれは賢者を無事合流させるための必要な事だった。その旨を賢者をしっかりと伝える。

「っ!っ!」

賢者が肩の傷口を何度も押す。痛みで悲鳴が出そうになるのを我慢して謝罪の言葉と嘆願の言葉を紡ぐ。これ以上やられたら流石に傷口が開いてしまう。

「そんなの、そんなの!私だってわかってます!でも、でも…!!」

やっと肩から手を離してくれたが、今度は握りこぶしを振りかぶって胸を叩かれる。だが、力が全然入っておらずまったく痛くはなかった。

「あんなの勇者様じゃありません!演技の中だけの勇者です!でも…もし…同じ状況になったらって…考えると…っ!」

絶対に見捨てない。絶対にだ。

涙を流しながら僕の胸を叩く賢者の手を掴み彼女目を真っ直ぐ見つめ即答する。

「…本当…ですか…?私を…見捨てないで…くれますか…?」

当たり前だ。

これも即答する。

賢者の瞳から、不安や悲しみ、絶望の影が消えていく。
それを確認して笑いかけ、涙を優しく拭ってやる。

「…疑って申し訳ありません」

賢者は擽ったそうに身をよじれば僕の胸に身を預けてきた。
僕は優しく抱きしめ背中を撫でてやる。


僕だって、あの時の賢者の顔を忘れたわけではない。自分が提案した演技とはいえ、お互い辛い思いをしてしまった。…反省しよう、もうあんな顔を賢者にさせないように。

…どのくらい、時間が経ったのだろうか。
賢者が胸元から顔を上げる。その目はまた、涙で潤んでいた。また、思い出してしまったのだろうか?僕はまた少しだけ慌ててしまうも、それは杞憂に終わった。

賢者はゆっくりと僕を見つめながら瞳を閉じ、唇を少しだけ突き出した。

これは、流石に不味い。

口付けは神聖なもの。いくら魅力的な相手でも酔っ払っている時にすべきではない。だが下手に断ると賢者を傷つける。どうしたものか。
僕が悩んでいるとは、知らず賢者は瞳を開け不安げに見上げてくる。

「私では不満、ですか?……嫁だって、言ってくれたのに」

見つめられ、息が詰まる。僕は観念して正直に伝える。もちろんキスはしたいが君が酔っ払っている事、そんな状態でしては後々後悔させてしまう事。

賢者は暫く呆然として僕の話を聞くとすぐ立ち上がりテーブルに置いてあるボトルを持ってくる。
まさか、また飲むつもりか?
僕は慌てて取り上げようとするも逆に手を掴まれ口に無理やりボトルを突っ込まれ中身を飲まされる。

いくら僕でもウィスキーをストレートで一気はきつい。慌てて抵抗して口から引き剥がすも中身を少し飲んでしまう。

…?ウィスキー特有の喉元から湧き上がってくる香りがない。それどころか…これは、酒じゃない。ただの水?

「これで、問題ないとお分かりでしょう?」

僕は驚愕して賢者とボトルを交互に見つめてしまう。

「…これ以上、私に何も言わせないでください。お願いします」

賢者は顔を真っ赤にしながら胸に飛びこんで顔を埋めてくる。恐らく、僕も赤くなっている。

それでも、僕は大事な事を聞き忘れていた。とても、大事な事を。

僕はそれを賢者に問えば顔をすぐ上げ今更それを聞きますか、というような目で見てくる。だが、これだけは賢者の口から聞かねばならない。絶対に。

僕の真面目な表情や目を見て察したのか、賢者は耳まで真っ赤にして唸ったり胸元に顔を擦り付けたり、ポカポカと胸板を叩いたりしたが、やがて観念したようで本当に小さくか細い声で僕の目を見つめながら言ってくれた。

だから僕もそれに答え、瞳を閉じた賢者の顎に手を添え少しだけ上を向かせゆっくりと…


ここから先は、僕と賢者だけの秘密。

今日の更新は以上です。

戦闘とかエロが下手で申し訳ありません。ちょっとウィスキー飲んで寝ます

賢者「おはようございます」つやつや

男勇者「ああ、おはよう」つやつや

勇者「…おあ…よぅ…」しこしこ

僧侶「おはよーございます!」

男勇者「どうした勇者、眠そうだな?」

勇者「まあ…ね…」しこしこ

賢者「今日は王都まで行くのですからしっかりしてください」

勇者「は、はいぃ…」しこしこ

僧侶「もう出発するのですか?」

勇者「うん…追撃隊も潰したし…暫くは大丈夫だと思うし…」しこしこ

賢者「むしろ、私達がここに留まる方が危険かと。魔王の目標が2人もいるわけですし」

男勇者「…確かに、主戦力を投入されたら厳しいな」

勇者「だから僕らは先に王都に行くよぉ…」しこしこ

賢者「男勇者さんはしっかり傷を癒してくださいね」

男勇者「…すまない。僕らは2、3日後に王都に行くと思う」

勇者「…国境山脈は止めたのか?」

男勇者「ああ。身の丈にあった旅をするよ。…僧侶に、これ以上負担や迷惑をかけたくないからね」なでなで

僧侶「私なら…んぅ…大丈夫ですのに…////」

勇者「…」しこしこ

賢者「…」にこにこ

勇者「」ビクッ

賢者「では私達はこれで」

勇者「ま、またねぇ」しこしこびくびく

男勇者「ああ、ではまた会おう」

僧侶「またね、です。勇者さんに賢者さん!」

勇者「…はぁ…はぁ…」しこしこ

賢者「…16回」ボソッ

勇者「」ビクビクッ

~王都へ至る街道~

勇者「け、賢者ぁ…」くちゅくちゅ

賢者「なんですか勇者様?」

勇者「そ、そんなに怒らないでよぉ…」しこしこ

賢者「怒っていませんよ?ただ」

勇者「ただ?」くちゅしこ

賢者「今夜が、楽しみだなと思っているだけです」

勇者「や、宿に泊まった初日とかはゆっくりしない…?」しこしこ

賢者「私も頑張るので勇者様も頑張ってください」

勇者「ふえぇ…」くちゅくちゅ

賢者「ちゅーも、楽しみです」

勇者「っ////」しこしこしこしこ

賢者「だから、今日中に頑張って王都に着きましょうね?」

勇者「は、はひ!!」しこしこ

勇者「結構進んだねぇ。ちょっとここいらで休憩しよっかぁ」しこくちゅしこくちゅ

賢者「そうですね。時間もちょうど良いですしお昼にしますか」

勇者「やったー!今日のお昼は何かなぁ?」しこしこ

賢者「ローストビーフのサンドイッチですよ」

勇者「おお!すご…いね」

賢者「?どうしました、勇者様?」

勇者「…いや、ほらあそこ」

賢者「…あれは、女性型の魔物?」

魔物娘「……」じー

勇者「敵意はないみたいだねぇ」しこしこ

賢者「勇者様のサンドイッチを見ていますね?」

魔物娘「…」ぐきゅるるる…

勇者「しかも可愛い」しこしこしこしこ!

賢者「勇者様?」

勇者「な、なんでもないよ?」しこしこ

魔物娘「あ、あの…」

勇者「なぁに?」しこしこ

魔物娘「わ、私…ここ最近何も食べていなくて…その…」

賢者「食糧を分けて欲しい、と?」

魔物娘「よ、良ければ…その…」

勇者「仲間は、どうしたのぉ?」しこしこ

魔物娘「…っ。ま、魔王に殺され…ました。わ、私達はただ平穏に…暮らしたかっただけなのに…」ぐすっ

賢者「…何故魔王に?」

魔物娘「ま、魔王の意にそぐわない魔物は…問答無用に…っ…!」

勇者「……賢者」

賢者「はい」

勇者「ごめん、せっかく作ってくれたんだけど…」

賢者「構わないですよ」

勇者「ん、ありがとう。ね、サンドイッチ分けてあげるからこっちにおいでぇ?」しこしこ

魔物娘「い、いいのですか?」

勇者「うん。賢者も構わないって言ってくれたし」

魔物娘「あ、ありがとうございます!」タッタッ



スパッ



魔物娘「え?」



プシャァァァァァァ!




首無し死体「」ドサッ

勇者「あーあ…やっぱり返り血でサンドイッチが…賢者、本当にごめんねぇ?」剣納め

賢者「構いません、と言いましたよね?それに、私のは無事ですし」

勇者「あーあ、僕も仕舞えばよかった…」しこしこ

賢者「私のを分けてあげますよ。さ、場所を変えましょう」

勇者「え、いーの?やったー!じゃあ、あそこの木の下にしよっか!」しこしこ

賢者「はい。あ、顔に返り血が…」ふきふき

勇者「ん、くすぐったいよぉ」しこしこ

賢者「はい、取れました。さ、行きましょうか」

勇者「はぁい!」しこしこ

今日の更新は以上です。短くてすいません

勇者「ふはー…お腹いっぱいだよぉ。ご馳走さまでしたぁ」しこしこ

賢者「満足していただけたようで何よりです」

勇者「……あのさ、賢者」

賢者「はい、なんでしょうか?」

勇者「さっきのこと、聞かないの?」

賢者「あの魔物の首を切り落とした事を、ですか?」

勇者「うん」

賢者「勇者様が言わないのであれば私は無理に聞きません。考えがあっての事だと思いますし」

勇者「…ごめんね」

賢者「ですが」

勇者「?」

賢者「いつか、お話してくださるのを待っています」

勇者「…うん」くちゅくちゅ

賢者「さあ、出発しましょう。また日が暮れてしまっては門が閉まってしまいます」

勇者「そうだね、ちょっと急ごうかぁ…賢者」しこしこ

賢者「はい」

勇者「…ありがとう、信用してくれて」

賢者「…」ニコッ

~王都・外壁門~

勇者「ふえぇ…だから僕は勇者ですよぉ」しこしこ

門番「ええい魔物め!!勇者様の姿を真似るとはなんたる冒涜!いい加減本当の姿を現せぇ!!」

賢者「門番さん落ち着いてこの人を見てください。どこをどう見ても勇者様ですよ?」

門番「騙されてはいけませんお嬢さん!勇者とは全人類の希望の象徴!それがこんな…外で自慰行為する奴が勇者なわけありません!」

勇者「ふえぇ…デジャブだよぉ…」しこしこくちゅくちゅ

賢者「どうしましょう?またプレイだと言い張りますか?」

勇者「う、うーん…それもなぁ」しこしこ







??「あら?あらあら?」







門番の背後から現れた『ソレ』を視認した瞬間、勇者は己の陰茎から手を離し剣を引き抜いて賢者の前に庇うように立つ。
この臨戦態勢に入るまでの時間、僅か1秒。

勇者の反応に少し遅れるも賢者はすぐに状況を把握し杖を構えいつでも魔法が使えるように集中力を高める。


??「もう、門番ちゃんったらぁ…また旅人さんに意地悪してるのぉ?」

そうだ、門番!

勇者がソレから意識を外さぬように先ほどまで話していた門番を探す。

門番「い、いじ、いいい意地悪などしていません!!」

遠くからでも分かるほど門番は身体を震わせ冷や汗を流している。彼は逃げ遅れたのだ。

たすけてくれ

彼は勇者を見つめ声を出さず口だけを動かして助けを求める。

だがソレは捕まえた獲物を逃がさぬ蛇のように、成人男性の太ももほどはあろう腕を門番の身体に絡みつかせる。

ぎ、ぎぎ…!

門番の着ていた鎧から耳を覆いたくなるような音を上げている。
門番は悲痛な叫び声をあげ、その腕から逃れようと身をよじったりしている。が、腕が鎧に食い込んでいるのでそれは不可能だった。
門番の足が、ゆっくりと地面を離れていく。

??「あんまり意地悪しちゃうと…嫌いになっ・ちゃ・う・ぞ?」

捕まえた獲物の喉元を食いちぎる狼のように口をあけたソレが門番の耳元で囁く。

門番「ぁ…か…」

その一言で、門番の意識を繋ぎ止めていた何かがぷつりと千切れた。

??「あら?寝ちゃったのかしら…んもぅ、職務中なのにイケナイ子っ」

やっと腕から解放された門番はドサリと地面に倒れ伏す。

ちらり、と勇者は倒れた門番を見る。

鎧は辛うじて元が鎧だと分かるほどところどころ潰れていた。

剣先が震え、頬に一筋の冷や汗が流れる。

僕は、この化け物に勝てるのか?いや、賢者を守りきれるのか?

ゴクリと、生唾を飲み込む。


??「もう大丈夫よぉ、旅人さん♪…あら?」

ーーーソレの、意識が此方に向いたーーー!!

勇者の決断は早かった。背後にいる賢者に己に『身体能力強化』の魔法を掛けるよう指示を出し、柄に手を掛け踏み込む為に足に力を入れ

??「やっぱりぃ!貴方は勇者様ぁ?」

ようとした瞬間、ソレの顔が眼前に広がっていた。

ーーー目を大きく見せるためなのか、上瞼と下瞼に塗られたベージュとブラウンの塗料ーーー

ーーー血がたぎっていると思わせられる、頬と唇に塗られた紅ーーー

戦慄。身体からドッと冷や汗が噴き出るのがわかる。

??「嬉しぃぃぃぃ!!私勇者様と会えたんだわぁぁぁぁ!!」

目の前でにんまりと頬を緩めるソレの目は笑っておらず、手をかけられた剣を見据えている。

この距離では、抜刀出来ない。後ろには賢者が居て下がれない。

状況を再確認して柄から手を離しそのまま顎に向けて拳を突き上げ

??「勇者さむぁぁぁぁぁぁん♪」

る前に、僕の両腕ごと抱きしめられる。

ガハッ!?

肺から口へ、口から外へ空気が押し出される。
空気を吸い込もうにも、肺が押しつぶされ呼吸が出来ない。

両腕が塞がれた今、僕に出来る事は力が入らぬ足で蹴りを繰り出すだけだった。

ゆっくりと、意識が朦朧としている中で見たのは少しだけ頬を膨らませた賢者の顔であった。

??「もう、そんなに怯える事ないじゃない♪」

勇者「」ガタガタガタガタ

賢者「私だってまだ勇者様に人前で抱きしめた事ないのに…」

??「あら嫉妬?可愛いわねぇ?」

賢者「貴方に言われても嬉しくないです」

勇者「け、けけけけんじゃこの化け物は?」

??「やだ!化け物なんて失礼しちゃうわねもう!」

勇者「ごめんなさいごめんなさい許してくださいお願いします命と賢者だけは助けてください」ガタガタ

賢者「彼…いえ、彼女は西の国守護騎士団団長のオカマさんですよ」

オカマ「オカマって呼んでね♪」ウィンク

勇者「け、けんじゃぁぁ!けんじゃぁぁぁ!!」ガタガタガタガタ

賢者「よしよし。手を握ってあげますね」ぎゅっ

オカマ「あら、見せつけてくれるわねぇ。ね、勇者様ワタシも手を握ってあげましょうか?」

賢者「ダメです」

勇者「じょ、冗談抜きで殺されるかと思った…」

賢者「完敗でしたね」

オカマ「判断能力と対応能力はまあまあけど他がダメダメねぇ。修行もっと頑張らないとダメよぉ?」

勇者「しょ、精進しますぅ」し、しこ…しこ…

賢者「ところで、門番さんはいいのですか?」

門番「」気絶

オカマ「あれくらい平気よぉ。でもちょっとだらしないわねぇ。もっと鍛えるように言っとかないと♪」

勇者「じゃ、じゃあ僕達はこの辺で…剣を向けてすいませんでした」頭下げ

オカマ「よくあるから気にしてないわよぉ♪あ、どこかで宿を取るの?」

賢者「そのつもりです」

オカマ「ならこの通りを少し行って右に曲がった所にある宿屋がオススメよ♪周りに宿がないからすぐ分かると思うわ。私の名前を出せば安くていい部屋を案内してくれるはずよん♪」

勇者「あ、ありがとうございますぅ」しこしこ

オカマ「それじゃまた、ね♪」投げキッス

勇者「」

賢者「……」ムスッ

今日の更新は以上です

これまだ序盤?

>>438
1/3進んだ程度です。

基本思いつき、行き当たりばったりで書いているのでダラダラですいません…

勇者たしかレベル80超えてましたよね?
それなのに描写がよわすぎるように思うのですが。
レベルMAX100と思って読んでいたので疑問に思ってしまいました。

~宿屋~

勇者「団長の名前を出したら本当に安くて良い部屋取れたねぇ…店主さんも、オカマだったけど…」しこしこ

賢者「……」ぎゅっ

勇者「…あの、賢者?」しこしこ

賢者「なんでしょうか勇者様」ぎゅー

勇者「その、いきなりどうしたのかなって」しこしこしこしこ

賢者「お気になさらずに」ぎゅっぎゅっ

勇者「え、えー…気になるよぉ」しこしこしこしこしこしこ

賢者「そんな事よりも明日の予定を決めましょう」むぎゅぅ

勇者「きょ、今日はいっぱい汗かいたから臭いし…えっと、明日は西の国王様に会いに行くよぉ」しこしこ!

賢者「そんな事はありません、落ち着く良い匂いがします。…連絡なしでお会い出来るでしょうか?」くんくん…すりすり

勇者「ふえぇ…////一応、南の国を出発する時大臣さんが同盟国に連絡したらしいから…まあ、会えなかったら会いに来た旨を伝えてもらうよぉ」びくんっ!…しこ…しこしこしこしこしこしこしこ!

賢者「…!。……到着日時は伝えていないのでは?」離れ

勇者「ど、どうしたの賢者?……そういえば、大臣さんにどのルートで行くか教えてなかったよぉ…」しこしこ

賢者「気にしないでください。では、国王様の謁見は期待しないでおきましょう」

勇者「ま、まあ賢者がそう言うなら…。うん、まあ支援とか求めるわけじゃないからそこまで重要じゃないしねぇ」しこくちゅくちゅ

賢者「では、明日の予定は国王様にお会いする事と情報収集、買い物ですね」

勇者「あ、買い物は明後日にするよぉ。そろそろ今の装備じゃ厳しいからねぇ」しこしこくちゅくちゅ

賢者「装備の新調、ですか…」

勇者「あ、賢者は無理に変えなくてもいいよぉ?結構いい装備だしぃ…んほぉ!」くちゅくちゅ…ずぼっ

賢者「いえ、私もそろそろ物理防御重視の装備に変えたいと思っていたので構いません。ただ…その、杖だけは残しておきたいのですが…」

勇者「おほぉ!…そ、そうだねぇ、そろそろ僕一人じゃ守りきれなくなるだろうし…。うん、構わないよぉ」ズボズボ

賢者「今の所私は傷一つ負っていませんが…。ありがとう…ございます」杖ぎゅっ

勇者「たまたまだよぉ。これからは敵の数もレベルもだいぶ変わってくるだろうしぃ…出来るなら前衛も後衛も出来る仲間がほしいねぇ(おっぱいやばいおっぱいやばいおっぱいやばい!)」しこしこしこ!

賢者「前衛と後衛を両方、ですか。でしたら聖騎士か魔法剣士に絞られますね」

勇者「うっ!!……うん。それで、出来るなら防御に特化した聖騎士がいいなぁ…魔法剣士なら賢者のフォローできるけど正直賢者には必要ない気がするしぃ」しこしこ

賢者「聖騎士…たしかオカマさんも聖騎士でしたね。どちらかと言えば魔法のフォローより集中して魔法が使用出来るようしていただいた方が嬉しいですね」

勇者「え、本当に?だよねぇ…賢者の魔法は強力だしレパートリーが多くて助かってるよ」しこ…しこ…

賢者「『西の盾』と称される程の実力者みたいです。ありがとうございます」スッ

勇者「え!?あの人が西の盾!?マジで!?

今日の更新は以上です。短くて本当にすいません…

>>445その辺りもそのうち書きますね

賢者「最初見たときは私も気付きませんでしたが、どうやらそのようです」ジー

勇者「うっわー…マジかぁ…いや本当マジかよぉ…」

賢者「どうしました?」クイクイ

勇者「いや、西の盾に『南の剣』、『東の魔法』、『北の勇者』って伝説級に凄い人達だよ?それがオカマさんって…」?

賢者「勇者様、オカマさんに偏見でも有るのですか?」スッ

勇者「いや、別に偏見はないけどさぁ…やっぱり憧れてたりしたからさぁ。カッコイイ二つ名もあるし」ナデナデ

賢者「憧れ、ですか。勇者様も二つ名があるじゃないですか」♪

勇者「一人一人が凄い逸話とかあるし。西の盾はたしか…単身で三万の魔物相手に村を守りきったとか。いや、選ばれし三人の勇者ってなんかちょっとねぇ…実績も何もないし」しこしこ

賢者「…すごい。これからですよ勇者様」ナデナデ

勇者「僕もそのくらい強くなりたいよぉ。うん、頑張るよぉ」ビクンッ

賢者「…でしたら、オカマさんを仲間に勧誘してみてはどうでしょうか?」

勇者「あ、それは無理だよたぶん」しこしこ

賢者「何故ですか?人類を救うためなら喜んで付いてきてくれそうですが…」

勇者「四人は国の貴重な人材だからねぇ。たぶん個人は良くても国は許してくれないと思うよぉ?」しこしこ

賢者「…え?国が、ですか?」

勇者「うん。魔王が確実に討てるとも限らないしね。もし仮に四人の内1人でも欠けた状態で討てたら確実に国家間の大問題になるし」しこしこ

賢者「じ、人類を救うのですよ?そんな些細な事…」

勇者「魔王を倒した後が問題なんだよねぇ…魔王倒したらそれではい終わり、ってならないしぃ」しこしこ

賢者「そうでしょうか…」

勇者「ぶっちゃけこの四人は戦争にならないよう抑止力の働きもしてるからねぇ。最悪魔王は滅びたけど戦争が勃発、みたいな事になりかねないし」しこしこ

賢者「人類が滅亡に瀕してるのに…悲しいですね…」

勇者「こればかりはねぇ…」しこしこくちゅくちゅ

賢者「ではオカマさんは諦めるしかないですね」

勇者「うん。まあ、仲間はまた違う人を探せばいいよぉ」しこしこ

賢者「わかりました。ではそろそろ休みましょうか」

勇者「そだねー。っと、じゃあ僕ちょっと散歩行ってくるよ」しこしこ

賢者「あ、それには及びません。どうやら近くに銭湯があるようですし」

勇者「お、そうなんだ!じゃあ入りに行こうかぁ」しこしこしこしこ!

賢者「はい。久しぶりのお風呂ですね…」

勇者「嬉しい?」くちゅくちゅ

賢者「そうですね。やはりお湯に浸かるのは気持ちいいですから」

勇者「疲れ取れるしねぇ…さ、それじゃ着替え持って行こうかぁ」しこしこ

賢者「はい!」

~銭湯~

勇者「……」

オカマ「んふー♪気持ちいぃわねぇ~♪」

勇者「」がたがた

オカマ「やっぱり大っきいお風呂は気持ちいぃわぁ♪」

勇者「……」こそこそ

オカマ「あらぁ?」

勇者「ヒウッ!?」びくっ

オカマ「勇者様じゃない!お風呂入りに来たのぉ?」

勇者「も、もう上がろうかなって思いまして…」

オカマ「だめだめ、まだあったまってないじゃない!ほら、こっちにいらっしゃいなさいな。背中、流してあげるからぁ♪」

勇者「そ、そんな…西の盾さんにそんな事させられません…ぼ、僕に構わないでゆっくりしていてください」

オカマ「座れ」

勇者「はい」

「勇者様の背中大っきいわねぇ…」

無骨で大きな手が僕の背中に触れる。

西の盾に背中を流される、というよりオカマさんに背中を流されるという緊急時自体に僕は戦慄していた。

オカマさんはすでに身体を洗い終わっているのか化粧はしていない。
その鋭い眼光に、鍛え抜かれた体躯に、西の国最強の騎士の風格が滲み出ていた。…口調を除けば、だが。

「きゃっ、勇者様ったら…////」

お湯を浸した布で意外と優しく背中を擦ってくれるオカマさんが僕の一部を見て僅かに上ずった声を上げる。

念のために言っておくが決して、決してオカマさんの裸を見て興奮しているわけではない。決してだ。

「なかなか立派な剣じゃない…」

オカマさんが背後から身を寄せ耳元で囁き、背中から腰、太ももと人差し指を滑らせゆっくりと僕の陰茎を握る。

びくりと身体を震わせる僕。気持ち良さからではない、恐怖からだ。

「ふふ…勇者様はいつもここをこうやっていじいじしてるわね…」

僕の陰茎を握ったままゆっくり扱き始める。
賢者の手とも僕の手とも違う武骨な指が、手のひらが陰茎を扱き始める。

慌てて手を振り払おうとするも僕の腕力では不可能だし身体をねじって逃げようにもがっちり陰茎を掴まれている。…逃げられ、ない。

……本当に勘弁してほしい、泣きたくなってくる。何故に僕は身長が2m超えている筋肉モリモリマッチョマンのオカマに背後から手コキをされねばならんのだ。寧ろ萎えない自分が情けない。

「ねぇ、勇者様ぁ…」

耳元で甘ったるい声を出すオカマ。風呂場なのに寒気がする。気持ち悪い。国の要人だろうが知った事ではない、今すぐ殴り倒して逃げたい。

そんな事を考えているとは知らずに未だ僕の陰茎をゆっくり扱いているオカマ。

「なんで、人目も憚らず自慰行為をしてるのぉ?」

気持ちいいからですと即答をする。というかいい加減に扱くのやめろ。萎えてくれ僕の陰茎。

「へぇ…気持ちいいからしてるのぉ?」

はい。とまた即答。少し声が上ずってしまった。気持ちいいからではない、絶対にだ。

「嘘ばっかり。人類の希望を担う勇者が気持ちいいからって人前でするわけないじゃない…」

はむっと僕の耳たぶを甘噛みするオカマ。

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
!!!!!!!!!!!!!!!!

「ね…本当の事を教えて?気持ちいいからなんて嘘…それなら娼婦とか雇ってシていた方が何倍も気持ちいいもの…」

賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて賢者助けて!!

「…そう、私がここまでしているのに教えてくれないの…」

はふぅとため息をついて耳元から顔を離して陰茎を握っていた手を離す。

今だ!!!

手が離れた瞬間に立ち上がり出入り口に向かって走り出す。もう嫌だこんなオカマと一秒たりとも一緒に居たくない。賢者に慰めてもらってあったかいご飯を食べて一緒に寝るんだ。

「これはね、あの門番から聞いたんだけどぉ」

腰を、掴まれた。

僕の全力疾走は片手で止められた。

震えが、止まらない。

後ろを、振り向けない。

オカマは、僕を己の元へ無理やり引き寄せ抱きしめる。

初めて会った時にも味わった締め付け。息が、出来ない。

尻にナニカが、当たっている。

まずい、これはまずい。

「勇者様、お尻の穴でも自慰行為出来るんですって?」

コノオカマ、ナニヲイッテ

「教えてくれないのなら…これで気持ち良くなる?わ、私も…初めて、だけど…」

一旦終了です。

続きは今夜にでも

~??~


??「起きろ、おい、起きろ勇者殿」ゆさゆさ

勇者「う、う~ん……ん…」

??「起きたか。まったく鍛錬が足りんぞ」

勇者「…?貴方は…?」

??「ふむ、君は先ほどまで話していた人物の顔を忘れてしまうのか?」

勇者「…え?…あ」

西の盾「やっと思い出したか。どれ、ハーブティーでも飲むといい」スッ

勇者「…ここは?」

西の盾「私の自宅だ」

勇者「…なぜ連れてきたんですか?」

西の盾「私のお願いを聞いてもらうために」

勇者「…どういう事ですか」

西の盾「話せば長くなる」

勇者「…私はこれで失礼します」

西の盾「話すら聞いてくれないのか?なかなか勇者殿の度量は小さいと見た」

勇者「よく言われます。では」

西の盾「賢者」

勇者「……」ピクッ

西の盾「中々によい娘ではないか。日中の私にすら理解して敬意を払ってくれた」

勇者「賢者が、どうした?」

西の盾「なに、私の願いを聞いてくれない勇者殿には関係のない話だ、気にしないでくれ。ただ…自分でいうのもなんだが私はこの国でもかなりの地位でね。ある程度の事は融通が効くのだよ。そうだな…例えば、拉致監禁とか」

勇者「脅しですか?」

西の盾「いやいや、ただの自己紹介だよ」

勇者「…そのお願いとやらの内容を聞きましょうか」

西の盾「おお、これはありがたい」

勇者「聞くだけですよ。まだ了承するとは言っていません」

西の盾「なに、そんな難しい事ではない。王都に滞在している間に姫様に会っていただきたいだけだ」

勇者「…会うだけではないのでしょう?」

西の盾「ああ、そうだ。勇者殿には姫様が本物かどうか調べて欲しい」

勇者「…はい?」

西の盾「これは、私の憶測だが…今の姫様は私の知る姫様のではないような気がするのだ」

勇者「どうしてその結論に至ったのですか?」

西の盾「…姫様は特別な日以外は自室から出ないお方だった。それが最近になってよく外出するようになった」

勇者「良い事じゃないですか」

西の盾「ああ。これに関しては喜ばしい事だ。ただ…」

勇者「ただ?」

西の盾「国の政治に口を出し始めた」

勇者「…なるほど。王はどのような反応を?」

西の盾「喜んでいるさ。王の一人娘でこの国の未来を担うのだからな」

勇者「では問題ないじゃないですか」

西の盾「…本物、ならばな」

勇者「そもそも、何故偽物だと?」

西の盾「……私の勘だ」

勇者「勘だけで主君を疑うと?見上げた忠誠心ですね」

西の盾「なんとでも言うがいい。どうだ、受けるのか受けないのか」

勇者「…僕が姫様に会えるかわかりません」

西の盾「それは問題ない。謁見の時姫様も出席するよう王に進言しよう」

勇者「…期待を裏切るようで申し訳ありませんが、僕に魔法の類を見破る術はありませんよ?」

西の盾「構わない。私の杞憂だという事もある。ただ、少しでも疑わしいと感じたら報告してほしい」

勇者「…では、姫様の特徴や性格、そして自室に引きこもるようになった原因を教えてください」

西の盾「わかった。だが、一部に国家機密が含まれる。他言無用で頼むぞ」

勇者「わかりましたよ」

西の盾「また、このお願いの事もだ。国家機密を私が漏らしたなど貴族どもに知れたりしたら私は飼い殺しにされるだろうからな」

勇者「ならご自分で調べればいいでしょうに…」

西の盾「もちろん私自身も調べてみた。私と姫様しか知らないようなことも本人に直接確認した。だが…」

勇者「本物とは、思えないと?」

西の盾「…ああ」

勇者「まあ、詮索はしませんよ」

西の盾「すまないな」

勇者「明日、王様に謁見を求めるつもりですのでよろしくお願いしますね」

西の盾「ああ」

勇者「ところで」

西の盾「なにかね?」

勇者「あの銭湯での事は一体どういうつもりだったんですが」

西の盾「ああ、君の口が軽いかどうか確認したまでだ。他意はない」

勇者「今後一切ああいう事しないでください。したら今回の件バラしますから」

西の盾「なんだ、意外と初心だな」

勇者「張っ倒しますよ?」

西の盾「やってみたまえ」

勇者「…本題に戻りましょう。貴方の知る情報を全て教えてください」

西の盾「良かろう」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

西の盾「以上だ」

勇者「…なるほど、わかりました」

西の盾「では頼んだぞ。明日の謁見の時間は追って部下が知らせる」

勇者「それでは賢者を解放していただきましょうか」

西の盾「ああ。この部屋を出て廊下の突き当たり左の部屋にいる。まあ、今頃私の部下がたっぷり可愛がっているだろうがな」

勇者「…賢者に何かあったら覚悟しておいてください」

西の盾「なら急ぐが良い。君がゴネるものだからだいぶ時間が経ってしまった」

勇者「っ!!」ダッ!

~左の部屋~

勇者「賢者!!」バンッ!

賢者「お、お帰りなさい勇者様/////」メイド服

勇者「」

メイド「…そこはご主人様…」

賢者「ゆ、勇者様は勇者様なんです」

勇者「け、賢者?賢者なの?」

賢者「は、はい。賢者ですが…どうしました、勇者様?」

勇者「に、西の盾が君を拉致監禁したって…」

賢者「拉致監禁?いえ、私はただのぼせた勇者様と一緒にオカマさんのお家に遊びに来ただけですが…」

勇者「…へ?」

オカマ「あら!やっぱり似合うじゃない賢者ちゃん♪」

勇者「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

~左の部屋~

勇者「賢者!!」バンッ!

賢者「お、お帰りなさい勇者様/////」メイド服

勇者「」

メイド「…そこはご主人様…」

賢者「ゆ、勇者様は勇者様なんです」

勇者「け、賢者?賢者なの?」

賢者「は、はい。賢者ですが…どうしました、勇者様?」

勇者「に、西の盾が君を拉致監禁したって…」

賢者「拉致監禁?いえ、私はただのぼせた勇者様と一緒にオカマさんのお家に遊びに来ただけですが…」

勇者「…へ?」

オカマ「あら!やっぱり似合うじゃない賢者ちゃん♪」

勇者「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

賢者「ど、どうしました勇者様!?」

オカマ「やだぁ、声を聞いただけで悲鳴上げるなんて酷いわぁ」

勇者「は、離れろ賢者ぁぁぁぁ!!こいつは強姦魔だあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

オカマ「あら、ちょっと背中を洗ってあげただけじゃないの。あとおちんちん」

勇者「言うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ああああああああ!!」ガタガタ

賢者「お、落ち着いてください勇者様」なでなで

勇者「賢者ぁ…賢者ぁ…」ぎゅっすりすりくんかくんかすーはーすーはー

オカマ「もう…さっきの凛々しい勇者様はどこに行ったのかしら…」

賢者「何か怖い事でもあったのですか?…もう大丈夫ですよ…」なでなでぎゅう

勇者「あぁ…賢者の匂ひ…と、ところで賢者。どうしてメイド服を…?」

賢者「ゆ、勇者様とオカマさんのお話が終わるまでメイドさんとお茶をしていたら…その、貴女はメイド服が似合うとメイドさんに言われて…変、ですよね…」

勇者「そんな事ないよ。ああ、荒んだ心が癒されていく…」すりすり

賢者「く、くすぐったいですよ…////」

勇者「メイドさん、グッジョブ」b

メイド「…コーディネートは任せてほしい…」b

オカマ「うふふ、メイドったら賢者ちゃんを一目見た時から気に入っちゃってねぇ…」

メイド「…可愛かった…」ほっこり

勇者「ああ…可愛がるってそっち…」

賢者「なんの話ですか?」

勇者「ああ、気にしないで。こっちの話だから」

賢者「はぁ…?」

オカマ「さ、今日はもう遅いから宿に帰るといいわぁ。勇者様、あの件の事頼んだわよ?」ウィンク

勇者「わかりました。あとそういうのいいんで。本当にいいんで」

オカマ「あぁんいけずぅ♪さ、玄関まで勇者様達を送ってあげてメイド♪」

メイド「…任せてご主人様…勇者様、賢者ちゃんこっち…」

賢者「あ、あの私の服を…着替えて帰りたいのですが」

メイド「…ダメ、今日1日メイドさん…」

勇者「賛成!」

賢者「は、恥ずかしいのですが…」

メイド「…服は、明日返す…」

勇者「流石だな、メイドさん」b

メイド「…メイドにお任せ…」b

賢者「う、うぅ…////」

オカマ「またね二人ともぉ♪」

~玄関~

賢者「お邪魔しました」頭下げ

メイド「…また来てね…」

賢者「はい、またお茶しましょうね」

勇者「じゃ、またねぇ」しこしこ

メイド「…勇者様…」

勇者「なぁに?」しこしこ

メイド「…よろしく…お願いします…」深々

勇者「…ああ」

今日の更新は以上です。

>>480はミスですすいません…

また年末で仕事が忙しく更新が不定期になってしまいます…本当にすいません…

~宿屋~


賢者「…あの、勇者様?」

勇者「なに?」むぎゅう

賢者「…胸が少し苦しいです」

勇者「あ、ごめんね」ぎゅっ

賢者「どうしたのですか、急に」

勇者「いーの!気にしないで!」すりすりむぎゅう

賢者「はぁ…」

勇者「んー!」すりすり

賢者「…何か辛いことでもありましたか?」なでなで

勇者「あああああああああああああああ」ガタガタ

賢者「…これは重傷ですね…」なでなで

勇者「賢者ぁ…賢者ぁ…」すりすり

賢者「はい、私はここにいますよ。だから安心してください」なでなで

勇者「…ねえ、賢者」

賢者「はい?」なでなで

勇者「あのオカマが言ってたんだけどさ…賢者はオカマの事を理解してくれたって、本当?」

賢者「理解なんてとんでもないです。…ただ」

勇者「ただ?」

賢者「勇者様とオカマさんが、どこか似ていると思っただけです」

勇者「」

賢者「あの、勇者様?」

勇者「そ、それはあれかな?僕がオカマっぽいって事?」

賢者「良ければ私の化粧道具貸しましょうか?」

勇者「……」

賢者「冗談ですからそんな悲しそうな顔をしないでください」

勇者「うぅ…ひどいよ賢者ぁ…」

賢者「…目が」

勇者「?」

賢者「勇者様と、オカマさん…いえ、西の盾さんの目が似ていると感じました」

勇者「目…」

賢者「何がどう似ているかと聞かれたらちょっと説明できないんですが…」

勇者「…よくわかんないや」

賢者「すいません…」

勇者「謝らなくていいよぉ…さ、今日はもう寝よっかぁ」

賢者「わかりました。あ、あの…」

勇者「なぁに?」

賢者「お、おやすみなさい…ご、ご主人様…」

勇者「」

賢者「……////」

勇者「け、賢者ぁぁぁぁぁぁぁ!!」ガバッ

賢者「きゃっ…あ、あの優しく…優しくお願いします…////」

勇者「……」むくり

賢者「…すぅ…すぅ…」

勇者「…もう朝か…ふわぁ…ん…」しこしこ

メイド「……」

勇者「んー…」しこしこ

メイド「…おはよう…ございます…」

勇者「うおっ!?」びくっ

メイド「…しっ…賢者ちゃんが起きる…」

勇者「…なんでベッドにいるんですか…!?」

メイド「…外…寒かったから…

勇者「ああ、なるほど…確かに最近朝寒いですからねぇ…」しこしこ

メイド「…自慰行為しながら話さないでほしい…目のやり場に…困る…」

勇者「…ど、どう困るんですかぁ?…はぁ…はぁ…」しこしこしこしこ

メイド「…そ、それ…は…////」

勇者「お、教えくださいよぉ…ほら、早くぅ…」しこしこしこしこしこしこ

メイド「…う、うぅ…////」

勇者「はあはあ…ぼ、僕のこれ、どう思いますかぁ?」しこしこしこしこしこしこ!!

賢者「凄く大きいと思います」

勇者「」

メイド「…おはよう、賢者ちゃん…」

賢者「おはようございます、メイドさんに勇者様。ほら、どうしたんですか勇者様?私は凄く大きくなっていますと答えたのですよ?続けてください。それともあれですか、メイドさんでなければならないのですか?どうしてですか?いえ、そもそも何故メイドさんに見せつけているのですか?メイドさんが見たいと仰ったのですか?自慰行為をするなとは言いませんが嫌がる相手に見せつけるのは少々頂けませんね。ですので私がしっかりと見ますのでどうぞ続けてくださいな。遠慮なんて無用ですのでどうぞ何時ものようにその逞しい陰茎をしごいてください。ほら、どうしました?もっと早くですよ手を休ませてはいけません。いつものキレがありませんがどうしました?」

勇者「…け、賢者…」キュンッ…しこしこ!

賢者「な、なんですか」

勇者「怒ってる賢者可愛いよぉ…はあはあ…」しこしこくちゅくちゅ

賢者「か、可愛くなど…わ、私は怒っているのですよ?おだてたってゆ、許しませんからね?」

勇者「おだててないよぉ…本当に可愛いよぉ…はぁ…はぁ…も、もっと叱ってぇ…」しこしこしこしこ!

賢者「なっ…!?…うぅ…////」

勇者「照れてる賢者はぁはぁ…うっ」しこしこしこしこ!

メイド「」壁ドンッ!!

勇者・賢者「」ビクッ

メイド「…服と用件を伝えに来た…」つ服

勇者「よ、用件?」しこしこ

賢者「あ、ありがとうございます」受け取り

メイド「…気にしないで…。王様には午前中に会ってもらう…準備して…」

勇者「わ、わかりましたぁ…」しこしこ

賢者「王様に会えるのですか?」

勇者「うん、西の盾に手配してもらったんだぁ」しこしこ

賢者「なるほど…あとでお礼を言わなければなりませんね」

勇者「そうだねぇ…」しこしこ

メイド「…じゃ、帰る…けど…一つ忠告…」

勇者「な、何でしょうかぁ?」しこしこ

メイド「…キスマークは場所を選んで付けること…」

勇者・賢者「ッ!!////」

メイド「…じゃ、またね…」ノシ

勇者「は、はい!ありがとうございましたぁ」しこしこ

賢者「……////」


勇者「…次から、お互い気をつけようねぇ」しこしこ

賢者「…はい」

今日の更新は以上です。

~城の前~

賢者「あの、ちゃんと隠れてますか…?」

勇者「うん、大丈夫見えないよ。僕も見えないかな?」

賢者「はい、大丈夫です。…しかし大きいですね…」城見上げ

勇者「確かに…見事なお城だね…」見上げ

賢者「き、緊張してきました…ゆ、勇者様は平気なんですか…?」

勇者「ん?緊張してるよ。他国の王様に会うのは初めてだし…」

賢者「とてもリラックスしてるように見えるのですが…」

勇者「気のせい気のせい。さ、城に入ろうか」

賢者「あ、待ってください」タッタッ


大臣「勇者様に賢者様ですね。お話は伺っております。どうぞこちらへ…」

勇者「ありがとうございます。さ、賢者も」

賢者「は、はい」

大臣「ただいま王は謁見の準備をしております故、今しばらくお待ちください」

勇者「構いません。むしろこちらが無理をいってしまい申し訳ありません」

大臣「いえいえ、王も一度勇者様と話をしてみたいと仰っていましたのでお気になさらずに」

勇者「ありがとうございます」

大臣「では、こちらの部屋でお待ちください。準備が整い次第お呼びします」

勇者「はい」

賢者「……」

勇者「どうしたの?」

賢者「い、いえ。では部屋に入って待っていましょう」

勇者「うん」

「ちょっとぉ!!ここあぶらとり紙ないじゃない!どうなってるのよ!!」

勇者「…まあ、いるよなぁ…」

賢者「…ふふ」

~客室~

オカマ「まったくどうなってるのかしら…メイド、後で注意しておいてね?」ぷんぷん

メイド「…合点承知…」

勇者「…城の中ですよ?少しは静かにしたらどうですか」

賢者「こんにちは、メイドさんにオカマさん」

オカマ「あんら勇者様と賢者ちゃん!やっと来てくれたのね!待ちくたびれちゃったわよぉ!」

メイド「…賢者ちゃん…こんにちは…」

勇者「そんなに待たせましたか?」

オカマ「ううん、さっき来たとこ♪」

勇者「…」イラッ

賢者「メイドさんはオカマさんの付き添いですか?」

メイド「…主人あるとこに我あり…」ぶいっ

オカマ「さ、準備が出来るまでハーブティーでも飲みましょ!メイドのハーブティーは美味しいのよぉ?」

賢者「それは楽しみです」

勇者「うん、ハーブティー飲んでリラックスすると良いよ」

メイド「…ハーブティーなら…任せて…」

オカマ「あ、勇者様のハーブティーは私が入れてあげるわぁ♪」

勇者「メイドさんのが飲みたいので結構です」

オカマ「遠慮なんてしなくていいわよぉ♪ちょっと待っててね♪」

メイド「…待ってて…ね…?」

勇者「…はぁ」

賢者「ふふ、楽しみですね勇者様?」

勇者「嫌な予感しかしない…」

短くてすいません…

書き溜め出来たらまた夜にあげます

オカマ「おまたせ!私の愛が詰まった特性ハーブティーよ♪」つハーブティー

勇者「うわぁ…」

メイド「…賢者ちゃんも…」

賢者「あ、ありがとうございます。すごい美味しそうです…!」

勇者「い、いいなぁ…」

オカマ「勇者様のはこっち♪さ、飲んで?」

勇者「い、いや僕は…」

オカマ「飲め」

勇者「はい」ごくり

勇者「…?」

オカマ「残さず飲んでね♪」

勇者「は、はい」ごくごく

オカマ「どう、美味しい?」(聞こえるか?勇者殿)

勇者「!?」ぶっ!

オカマ「やぁん、勇者様にぶっかけられちゃった////」(聞こえるみたいだな)

賢者「だ、大丈夫ですか勇者様!?お、お手拭きを…」

メイド「…ご主人様…ぬれぬれ…」ふきふき

勇者「げほっげほっ!だ、大丈夫だよ賢者…ちょっと変なとこに入っただけだから…」(なんですかこれ!?)

オカマ「あ、お化粧取れちゃうわぁ」(任意の思考をお互いに伝えるマジックアイテムだ。便利だろ?)

メイド「…化粧直しも…任せて…」

勇者「す、すいません…」(便利ですが…これで逐一連絡しろと?)

賢者「勇者様…鎧にも付いています」ふきふき

勇者「ご、ごめんね賢者…あとは自分でやるから…」

賢者「いえ、もう直ぐ終わりますので…気にしないでください」

オカマ「もう、ぶっかけるなら時間と場所を弁えなさいよぉ…」(そうではない。ただ、疑問に思った事があるならすぐ聞けるようにだ)

賢者「…」ぴくっ

勇者「張っ倒しますよ?」

メイド「…動かないで…」

オカマ「あんっ!ごめんなさいねぇ」(期限は排泄するまで。謁見の間はこれで十分だろう)

勇者「……」(こういう事は事前に言ってください。僕が飲まなかったらどうするつもりなんですか)

賢者「はい、拭き終わりました勇者様。…勇者様?」

勇者「…あ、ああ!ありがとう賢者。助かったよ」

オカマ「あらあら、緊張してるみたいねぇ。大丈夫よぉ、王様はとってもいい人だから♪」(口移ししてでも飲ませていたさ。あとあまり他の者に『念話』を悟られるな)

勇者「そ、それならよかった…」(勘弁してください。間者に悟られないため…ですか。わかりましたが僕は念話するのは初めてなのでボロを出すかもしれません)

メイド「…上手に出来た…」

賢者「わあ…本当にお上手ですね…」

オカマ「うふふ、私に化粧の仕方を教えてくれたのはメイドなのよ?今でも気合入れる時なんかはやってもらってるのよぉ♪(その時は私とメイドでフォローする。だが最大限努力してくれ)」

メイド「…賢者ちゃんも…する…?」

賢者「わ、私ですか?私はその…あまりお化粧は得意ではないので…」

勇者「賢者はお化粧しなくても可愛いよ?」(すいませんがよろ化粧かぁ…あまり厚くないのがいいなぁ…賢者のほっぺた柔らかいからキスするの気持ちいいんだけど化粧するとキスするのはちょっと気が引けちゃうんだよなぁ…元々可愛いんだからしなくてもいいような気がする…あ、でも化粧したらもっと可愛くなるのかな?いや、もしかしたら綺麗にもなるのかな?うっひょー!綺麗で可愛いとか最強じゃん!すげー!すげーよ賢者ぁ…賢者ぁ……あ)

オカマ「も、元が良いんだからしたほうがいいわよ!ね、メイド?」(…最初は余計な思考が混ざることがある。慣れろ)

メイド「…任せて…教えてあげる…」ふんすふんす

賢者「で、ですが…」

勇者「旅の最中に化粧しなきゃいけない場面があるかもしれないから教えてもらったらどうかな?」(すいません…)

賢者「ゆ、勇者様がそう仰るなら…」

メイド「…腕が鳴る…」ぽきぽき

オカマ「それは指よ」

メイド「…////…」

コンコン

勇者「はい」

大臣「勇者様、賢者様、それに隊長殿。準備が整いましたので謁見の間までいらしてください」

勇者「わかりました。…大丈夫?」(貴方はどこにいるのですか?)

賢者「はい、先ほどよりだいぶリラックス出来ました。オカマさんとメイドさんのお陰です、ありがとうございます」

メイド「…リラックスは大事…」b

オカマ「あら、私は何もしてないわよぉ♪」(近くにいる。何かあれば念話で話しかける事。良いな?)

勇者「それじゃみんなで行きましょうか。オカマさん案内お願いできますか?」(はい、わかりました)

オカマ「もちろんよぉ♪じゃあみんな逸れずに着いてきてね?」(…頼んだぞ)

今日の更新は以上です

~謁見の間~

オカマ「王様ー勇者様連れて来たわよー」

勇者・賢者「!?」

国王「お、来たか南の国の勇者殿に賢者殿!」

勇者「お初にお目にかかります、勇者と申します。以後お見知りおきを…」片膝着き

賢者「賢者と申します」

勇者「此度はこちらの急なお願いを聞いていただき誠にありが 国王「あーそういう堅苦しいの良いから」…え?」

国王「それよりももっと近う寄れ。お主の顔をよく見せておくれ?」

勇者「は、はぁ…では失礼して…」すす…

国王「……なあ、オカマよ」

オカマ「何かしら?」

国王「この勇者殿は偽物か?」

勇者「!?わ、私は偽物ではありません!」

国王「じゃがのぉ…話を聞いておる勇者殿とはちと違うようなんじゃが」

勇者「ち、違う…?な、何がでしょうか…?」

オカマ「あ!勇者様アレしてないじゃないアレ!」

勇者「あ、アレ…?…!?」

国王「南からの手紙には南の国王の前ですらオナニーを止めないと書いてあったんじゃがなー」

勇者「あ、あれは自国の王様だから出来た事で流石に他国の王様でそのような無礼な真似は…」

国王「自国も他国も変わらんじゃろ。本物ならすぐこの場でわしの目の前でオナニー出来るはずなんじゃがなー。オカマーこやつは偽物じゃー摘み出せー」

オカマ「はーい♪」

勇者「!?お、お待ちください国王様!私の自慰行為を見たとしても何の得もありませんよ!?」

国王「見たいのー勇者殿の公開オナニー見たいのー。見ないと本物だと信用出来んのー」

オカマ「ケチケチせずに見せてあげればいいじゃないのぉ。いつも街中でオナニーしてるんだから♪」

勇者「し、しかし…」

賢者「…勇者様」ヒソヒソ

勇者「け、賢者…どうしよう…」ヒソヒソ

賢者「何を恥じることがあるのですか、今日の朝メイドさんに見せたようにすれば良いのですよ?」ヒソヒソ

勇者「あ、それまだ根に持ってる?」ヒソヒソ

賢者「それに、ここで西の国王様の印象を悪くすれば西の国と南の国の関係悪化に繋がるかもしれませんし」ヒソヒソ

勇者「え、ええ…。…」チラッ

国王・オカマ「オ・ナ・ニー!オ・ナ・ニー!オ・ナ・ニー!」

勇者「…あの人達の前でするの?なんか嫌なんだけど…」ヒソヒソ

賢者「我慢してください。さ、早く…」ヒソヒソ

勇者「わ、わかったよぉ…。こ、こほん…わかりました。では勇者の証として自慰行為をさせていただきます」ぺこり

国王「うひょー!待っておったぞー!」

オカマ「うふふ、勇者様のおちんちん凄いわよ?私なんて扱かせてもらったんだから♪」

国王「なに!?そうなのか…見てみたかったのぉ…」

勇者「い、いきますよ?一度しかしませんからね!?」

国王・オカマ「はーい」

続きはまた夜にでも…

勇者殿はそう言って、ゆっくりと己の猛る肉棒を取り出した。

つい感嘆のため息が漏れてしまう。これが、勇者殿の肉棒。

噂通り何時も自慰行為をしているならば日に焼け、黒々としていそうだがそうではない。亀頭はまだ男を知らぬ処女の恥肉のような綺麗なピンク色でありながら竿の部分は地肌と一緒の色をしている。

また勃起する力も素晴らしい。これが若さか、腹部の鎧にぴったりとくっついている。

それを勇者殿はゆっくりと片手で握る。ちらりと、勇者殿の顔を見れば涼しげな顔をしているも頬に朱が帯びているがわかる。

ごくり、と生唾を飲む。

人類の希望、命運、羨望全てを担う勇者殿が今まさにわしの目の前で自慰行為を行おうとしている。

わしはそれをこんな近くで見ることが出来る。これほど嬉しく興奮する事はない。

「…こ、国王様…い、息が…」

わしの頭上から勇者殿が声をかけてくる。どうやら知らず知らずのうちに王の座から降りて勇者殿の足元に跪いて息が掛かるほど近くで見ていたようだ。

咳払いを一つし、少しだけ距離を離す。…一歩でも歩けば勇者殿にぶつかる程度の距離だがわしには千里ほど離れたように感じる。

「で、では続けます…」

ワシが離れた事で安堵したのか、落ち着いた様子でゆっくりと肉棒を扱き始める。

扱かれるたび僅かに震える肉棒、勇者殿の我慢していても時折聞こえてくる悩ましげな声と吐息。

なんと扇情的で、なんといじらしく、なんと……なんと若いのだ。

咄嗟に目を伏せる。これ以上は…。

そして、ワシは己の手を見る。しわがれ、細くなった手を。

昔のワシも、今の勇者殿のように自慰行為をしていた。いや、寧ろ勇者殿以上にか。

だが、今のワシにはそれが出来ぬ。先に逝ってしまった妃との情事を思い出し自慰行為をするもワシの肉棒はピクリとも反応せぬ。

いや、自慰行為が出来ぬ程度なら良かった。身体を動かせば気は紛れた。

だが、次は剣を振るう事が出来なくなった。
民のため、国にために兵と共に先陣を駆っていたワシが、だ。

剣が振れぬワシはもう、兵達の足手まといだった。

老いて、しまった。置いていかれて、しまった。

今のワシに出来る事と言えば大臣の作成した書類にサインをする程度。

もう民を守る事も、己を守る事さえ出来ぬ老いぼれになった。

もう一度だけ、勇者殿の肉棒を見る。

雄々しく、なんと若々しいのだ。

亀頭から溢れ出る汁はまるで戦場を駆った時の汗のように煌めいて竿を伝っている。

若さが、ほしい。

勇者殿のあの生命力に溢れた若さが、欲しい。

ゆっくりと、震える手を肉棒に向かって伸ばす。

欲しい、若さが欲しい。己が肉棒を扱くため、国と民を守るため、若さが欲しい。欲しい、ほしい、ほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしい。

『王』

あと少しで勇者殿の若さに触れられる所で腕を掴まれた。

『我が王よ』

ワシの邪魔をするのは、誰ぞ。

『早まってはなりませぬ』

掴んでいたのは、西の盾であった。

いや、西の盾だけではない。幾重もの手がワシの腕を掴んでいる。

ワシの腕を掴む者らの顔を見る。

幼き頃共に剣の修行をした先代の西の盾、共に先陣をきった騎士達、そして、ワシの最愛の者、妃が、ワシを止めていた。

なぜ、邪魔をする。若さを手に入れれば、ワシはまた戦える。また扱けるのだ。

『王よ』

妃が、ワシに声をかける。

『我らは、今の貴方を誇りに思っております』

ーーーーなーーーーにーーーー?

『老いてなお国の為、民の為に戦っている貴方は我らの誇りです』

何を、バカな事…を…。

『自由の効かない身体で戦っているのを、我らは知っています』

ワシの手にそっと手を重ねる妃。

昔と変わらずとても、とても温かく柔らかい手だ。

『貴方が老いていても、我らはずっと側におります。皆も同じ気持ちですよ』

ゆっくりと手のひらの感触が消えていく。

そうか、ワシは…ワシは置いていかれた訳では、なかったのか…。

伸ばした手を戻した拍子に、瞳から涙が一雫零れ落ちた。

勇者「け、賢者ぁ…」しこしこひそひそ

賢者「どうしました、勇者様?」ひそひそ

勇者「国王様が泣き始めたんだけど…どうしたらいいのこれ…」しこしこひそひそ

賢者「…え、泣き始めたんですか?」

勇者「うん…よくわかんないけど、いきなり僕のおちんちん触ってこようとしてきたし…」

賢者「…どうしましょうか…」

オカマ「おいたしちゃダメよん王様♪」

国王「おお、おおおお!!き、妃ぃ!きさきぃぃぃぃぃぃぃ!!!」しこしこしこしこしこしこ

勇者「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?国王様が自慰行為を始めたぁぁぁぁ!?」

賢者「キャァァァァァ!!」

勇者「け、賢者!?」

オカマ「あらあらまあまあ…」

??「…お父様…?」

勇者「あ」

国王「あ」」

今日の更新は以上です。

更新がなかなかできずすいません…

??「勇者様がこちらにいらっしゃるとオカマさんが教えてくれたのですが…」

勇者「お初にお目にかかります。南の国の勇者と申します」片膝付き

国王「え、ちょ、仕舞うの速いのぅ!?」ごそごそ

オカマ「ほらほら、あっち向いてしまいましょうねー?」

賢者「私は旅の供の賢者と申します」片膝付き

??「貴方が…私は西の国の王女、姫と申します」

勇者「……(目立って不審な点は見当たらないですね)」

オカマ「ね、いい男でしょ姫様ー♪(表面上はな)」

姫「わ、私はその…////……あの、勇者様」

勇者「はい、なんでしょうか」

姫「お聞きしたい事があります。後ほど私の部屋に来ていただけませんか?」

国王「!?い、いかんぞ姫!!いくら勇者殿とは1人の男!狼!部屋に連れ込んだが最後男を知らぬまだ無垢な身体にそれはも」キュッ

オカマ「あらやだ、手が滑って王様の頚動脈圧迫しちゃった♪」

国王「」

勇者「や、やりすぎではありませんかオカマさん…?」

賢者「完全に気絶していますね」

オカマ「だって手が滑っちゃったんだもん!」

姫「…ふふっ」

執事「姫様、そろそろお戻りに…」

姫「あら、もう…ですか?」

執事「執務がありますのでどうかお戻りを」

オカマ「あら、もう行っちゃうの?もっとゆっくりお話しましょうよぉ」

執事「執務がありますので」

オカマ「ああん、もう執事ちゃんったらお固いんだからぁ♪」つんつん

執事「や、やめてください…////」

賢者「…?」

姫「仕方ありませんね…では勇者様、後ほど…。執事さん、行きましょうか」

執事「はい、姫様」

勇者「わかりました。本日はありがとうございました」

~客室~

オカマ「ね、どうだった勇者様?姫様可愛くて綺麗だったでしょー?」

勇者「え、ええそうですね」うずうず

オカマ「憧れちゃうわぁ…本当」

賢者「あの…」

オカマ「なぁに?」

賢者「姫様の執事さんは女性なんですか?」

オカマ「そうよ?珍しいでしょ♪」

賢者「はい。てっきり執事は男性がなるものだと…」

オカマ「あの娘は優秀でね、それが王様の目に留まったみたいよ?」

賢者「なるほど…」

勇者「……」むにむに

賢者「…勇者様?」

勇者「……」むにむに

オカマ「たまたま揉んでるわねぇ(どうした勇者殿)」

賢者「気持ちいいんでしょうか?」

オカマ「そんなによ?」

勇者「…っあ?な、何かな賢者?(試してみたい事があります)」

賢者「いえ、何か上の空でしたので…」

勇者「だ、大丈夫大丈夫!」

オカマ「(ほう?)」

賢者「なら良いのですが…」

勇者「姫様にはいつ会いに行けばいいのかなって(恐らく一番最低な事ですが構いませんか?)」

オカマ「あら、一目惚れしちゃったぁ?(…内容を話してみろ)」

賢者「」ガタッ

勇者「ち、違いますよ!(構いませんがこれには賢者の協力が必要です。それととある物も)」

オカマ「本当かしら♪(内容を聞いてから返答しよう)」

賢者「勇者様?」

勇者「僕は賢者一筋だよ(では説明します)」キリッ

賢者「そ、そうですか…//」

オカマ「……」

遅くなってすいません…あと久しぶりに書いたのでおかしいとこいっぱいあるかもですが許してください…

また近いうちにあげれるようがんばります

勇者「うぅ…お腹空いてきたよぉ…(以上ですが…どうでしょう?)」

賢者「太陽が高くなってきましたしそろそろお昼ですね」

オカマ「そうねぇ…姫様に言って食事の後にしてもらう?(……)」


勇者「もうちょっとだけ待ってダメならそうしてもらいます(どうしますか?)」

オカマ「わかったわぁ。賢者ちゃん、もうちょっと我慢出来る?(…いいだろう。やってみるがいい)」

賢者「わ、私は全然平気ですから気にしないでください」

勇者「クッキーならあるよ?(本当によろしいんですね?)」

賢者「……」さくっさくっ

オカマ「あらあら、リスみたいね♪(ああ。まだそれだとハッキリと決まった訳ではないしな)」

勇者「可愛いなぁ…あ、賢者ちょっとこっちに来てくれる?(わかりました。では『アレ』の準備をお願いします)」

賢者「なんですか?」すすっ

勇者「実はちょっとやってもらいたい事が…」

賢者「……」

勇者「…あ、あの、賢者?」

賢者「……」ぶすー

オカマ「それじゃ私はちょっと行ってくるわねー♪」

勇者「え、ちょ」

オカマ「頑張ってね~?勇者様♪」

勇者「ま、待っ 賢者「勇者様、正座してください」……はい」

賢者「…なんで黙っていたんですか?」

勇者「さ、作戦がバレたらその…西の盾さんの立場が…」

賢者「二人っきりの時もですか?」

勇者「と、盗聴されたら…」

賢者「筆談でもダメだったんですか?」

勇者「…そ、それは…」

賢者「どうなんですか?」

勇者「…出来ました」

賢者「…なら一言くらい言って欲しかったです」

勇者「…ごめん」

賢者「勇者様のバカ」

勇者「うっ…」

賢者「まったく…もういいですよ。では、先ほどのお話ですが、勇者様が合図したら女執事さんと姫様を引き放せばいいんですね?」

勇者「う、うん…。出来る?」

賢者「上手く行くかどうかわかりませんがやってみます」

勇者「あ、ありがとう賢者!」

賢者「この位構いませんよ」

勇者「それで、もし万が一だった場合なんだけど…」

賢者「勇者様?なんで座り直そうとしているのですか?」

勇者「…え?」

賢者「ダメですよ?」

勇者「で、でも鎧を着てるから正座は結構キツくて…」

賢者「あ、そうでしたか…それは気付かなくて申し訳ありません…」

勇者「い、いや分かってもらえたなら良かった」

賢者「でもダメですよ?」

勇者「え?…け、賢者さん?」

賢者「女執事さんが呼びにくるまで頑張ってくださいね?」

勇者「え…え!?」

賢者「……」にこっ

勇者「」

今日の更新は以上です。

執事「大変お待たせ致しました。準備が整いましたので…あの?」

勇者「っぅあ!…も、もうちょ、もうちょっと待ってください…ッ!!」ぷるぷる

執事「はぁ…如何なさいましたか?」

賢者「そうですよ勇者様。どうしたんですか?姫様を待たせるなんていけません。さあ行きますよ?」ぐいっぐいっ

勇者「あがぁ!!んぎ!?だ、だめだめ本当お願い!!今動かしちゃだめ本当に頼むからッッ!!」ぷるぷる

賢者「急ぎましょう、姫様が待っています」ぐいっ

勇者「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

執事「…あの、大丈夫ですか?落ち着いてからにしたほうが…」

賢者「大丈夫ですよ。勇者たるものこの程度耐えれないなんて事はありません」

勇者「ひぃ…ひぃ…ひぃぃ…」ぷるぷる

執事「まるで生まれたての子鹿みたいですが…」

勇者「もうちょっとだけ…もうちょっとだけ待ってぇ…足の感覚がないのぉ…」ぷるぷる

賢者「足の感覚がないのですか?それはいけません、どのあたりですか?ここですか?それともこちらですか?」つんつん

勇者「あひぃぃぃぃだめぇ!つんつんしちゃだめなのぉぉぉぉぉ!!」びくびくびくんっ

執事「……はぁ」

~廊下~

勇者「先ほどはお見苦しい所をお見せしました…」

執事「いえ。お気になさらずに。ただ、王女様の前では控えてくださいね」

勇者「はい…」

賢者「ご、ごめんなさい勇者様…あの…ちょっとだけ楽しくなってしまい遊びすぎました…」

勇者「気にしてないよ…でも次からはお手柔らかにお願いね…?」

賢者「はい…」

執事「こちらが王女様のお部屋になります。王女様、執事でございます。勇者様一行をお連れしました」コンコン

王女『中に入っていただいて』

執事「わかりました。では勇者様に賢者様、中へどうぞ」ガチャ

~女王の部屋~

勇者「失礼します。南の国の勇者参りました」片膝つき

賢者「共の賢者、参りました」片膝つき

王女「そんなに畏まらないでください。どうぞこちらの椅子にお座りになって?」

勇者「し、しかし王女様と席を共にするなど…」

王女「どうしてもお座りにならないのでしたら私も立ちますが…?」

勇者「!?し、失礼します!ほら、賢者も!」

賢者「失礼します王女様」

王女「はい♪では執事、紅茶とお菓子の準備を」

執事「かしこまりました。少々お待ちください」ぺこり

勇者「お、お構いなく…」

王女「お呼びするのが遅くなってしまってごめんなさい。執務が立て込んでいて…」

勇者「いえ、今日は特に急ぎの用事もありませんのでお気になさらないでください」

王女「ありがとうございます。…ああ…勇者様一行とお話できるなんて夢のようです…」

勇者「私もまさか王女様のお部屋に呼ばれるなんて思いませんでしたよ」

王女「…ふしだらな女だと思わないでください…////」

勇者「え?あ。そ、そのような事は一切、微塵も思っておりません!!」

賢者「勇者様…」

王女「それならよかった…」

勇者「こ、コホン…ほ、本題に入りましょう。私達が呼ばれた理由は何でしょうか?」

王女「それは…」

勇者「……」

賢者「……」

王女「…勇者様に、この国についてお聞きしたいと思ったからです」

賢者「……!」

勇者「……」

遅くなって本当にすいません…年始の忙しさにやられていたのと先週の日曜日から胃腸風邪で死んでいました…orz

なんとか忙しさや体調不良も落ち着いてきたので今日から細々と投下していきます。待っていてくれた方、本当にありがとうございます。

では続きは明日にでも…

姫「どうか、お聞かせください…」

勇者「…あの、一つだけよろしいでしょうか?」

姫「はい、何でしょう?」

勇者「何故、私達にそれを聞くのですか?」

姫「勇者様ならこの国に現状をご存知かと思いまして」

勇者「…ご期待を裏切るようですが姫様、我々がこの国に入国したのはつい最近です。現状、と言われましても…」

姫「…そ、そうなんですか?」

勇者「はい。お役に立てず申し訳ありません…」

姫「構いません。勇者が見て、肌で感じた意見を聞かせてください」

勇者「…私が見てきた街は全て活気が満ち溢れていました。素晴らしい国だと思います」

姫「ほ、本当ですか?」

勇者「はい、他国との貿易も盛んに行われていますし」

姫「貿易を指示したのは私です!よかった…民は喜んでいましたか…」

勇者「流石は姫様でございます」

姫「わたしなんてそんな…お父様と比べればまだまだですわ」

勇者「ははは、ご謙遜を」

賢者「……あの」

勇者「ん?どうしたの賢者?」

賢者「あの、姫様にお聞きしたい事があるのですが…」

姫「私に?私が答えられることならばなんなりとお聞きください」

賢者「では失礼を承知してお聞きします」


賢者「…魔物に襲われて壊滅した村を、なぜ、隠匿したのですか…?」


勇者「…賢者…」

賢者「なぜ、国は民を見捨てたのですか…?」

姫「……」

賢者「私に政治の事は全然わかりません。なので国が民を見捨てる理由がわからないのです。なぜ、見捨てるのですか…?」

久しぶりに書いたのでいろいろ酷くてすいません…続きはまた夜に投稿出来るようにします。

あと、かなり遅くなってしまい本当にすいません…

姫「…勇者様、この件をどこでお知りに?」

勇者「旅をする身ですからね、色々な人達にお話を聞いて情報収集をしていますので…はて、どこだったか…」

賢者「あ」

姫「賢者様は?」

賢者「じょ、情報収集は勇者様にお任せしていますので…その…」

姫「…まあいいでしょう、深くは追求しません…。執事、外に人は?」

執事「誰もいないようですが」

姫「ありがとう。…賢者さん、まず一つ言っておきますわ。その件は国家機密、本来なら勇者様一行とて知ってはならない件です」

賢者「…」

姫「質問にはお答えしますがくれぐれも口外しないように…勇者様もよろしいですね?」

勇者「もちろんです。我々には国家の政治に口を出す権利などありませんので」

賢者「はい!」

姫「ありがとうございます。…何故、民を見捨て、事を隠匿するのか…。…簡単な事です。今は、そうせざるを得ないからですわ」

賢者「…ッ!ですが、何か方法があるはずです…!」

姫「勇者様、その方はこうも言っていませんでしたか?軍は間に合わなかった…と」

勇者「ええ、軍が着いた時にはもう壊滅していた、と」

姫「これが現状です。我が国は魔物による侵攻を防げていません」

姫「軍は城と国境、貿易の要となる街しか駐屯していません。小さな村や集落まではとても…我が国に兵力ではこれが精一杯なのです」

賢者「では、駐屯地から定期的に村や集落に派遣するのはダメなのでしょうか?」

姫「この国に生命線である街を危険に晒せ、と?」

賢者「…」

姫「先日もとある貿易拠点の街が魔物に襲撃されそうになったと聞きました。幸い、大事には至りませんでしたが…。貿易がままならなければこの国の国力は低下し民の生活は苦しくなるでしょう。それを好機とばかりにさらに多くの魔物も攻めてくるはず…それだけは塞がなくてはなりません。ですから、あまり重要ではない集落や村は見捨てざる得ないのですわ」

賢者「な、なら避難勧告をすれば…」

姫「隠匿しているのに避難勧告、ですか?それでは隠匿している意味がありません。事を隠匿しているのは民に不必要な不安や混乱を与えないためです。明日は我が身となった時、人はどのような行動をするのか…賢者様ならわかりますわね?」

賢者「ですが…それでは…犠牲になった…人達が…あまりにも…」

勇者「まあまあ、賢者。話は最後まで聞こうよ」

賢者「…勇者様?」

勇者「姫様、先ほど『今は』と仰いましたね?何か対策を考えている、もしくはもう行っているのではありませんか?」

早く西の国編の終盤を書きたいです…

遅くなってしまいすいません…

何ヶ月も更新せずに申し訳ありません。
明日以降から更新していきたいと思っています。目標は西の国編完結です。
また、本当に久しぶりに書くので前よりつまらないかもです。

あともしかしたら地の文を追加したSSをなろうかpixivに投稿するかもしれません。
よろしければまた明日からよろしくお願いします。

王女を姫に変えさせてくださいorz


姫「もちろんです。マジックアイテムを使用した兵力の増強、またどの国にも属していない者たちのへの勧誘など行っていますわ」

賢者「属していない…?それはつまりエルフやドワーフといった亜人族でしょうか?」

姫「その通りです。彼らは彼らの国、集落にしか属しておりません。ですので勧誘を行っても問題にはならないのです。彼らと取引をしている分私達の方が有利ですし」

勇者「羨ましい限りです」

賢者「え?」

姫「ないなら補えばよいのです。例えそれが国外の者たちであっても」

勇者「いやいや、まったくその通りですね」

姫「…それで…その、勇者様はどう思われますか?」

勇者「大変素晴らしいと思います。数を増やしつつ個々の力も増強させる…まさに王道ではないかと」

姫「よかった…父に進言をしたのですが己が間違っていないとも限りませんので…」

勇者「姫様に間違いなど…」

姫「いいえ、所詮この話は現場を見たことのない小娘の机上の理論。間違っていないなどと自信はもてませんわ」

勇者「…一点だけ、確認させていた抱きたいのですが」

姫「なんでしょうか」

勇者「エルフやドワーフが拒否したからといって無理矢理徴兵するなどは行っていませんよね?」

姫「もちろんです!いくら国…いえ、民のためとはいえそのような事は決して!決して…!」

賢者「」ビクッ

勇者「…失言でした。お許しください」深く頭下げ

姫「い、いえ…こちらも声を荒げるなどはしたない姿をお見せしました…」

賢者「……」

勇者「いえ、原因はこちらにありますので…」

姫「あ、ありがとうございます」

勇者「……」

姫「……」

賢者「……」

執事「……」


コンコン

姫「あら…どなたかしら?執事」

執事「…」頷き、ドアを開け

オカマ「ヤッホー♪勇者様ぁ、姫様ぁん♪」

勇者「」ビクッ

姫「あら…」

執事「オ、オカマ様!」

オカマ「あらごめんなさい、つい嬉しくて大声出しちゃったわ♪」

姫「どうしたのオカマさん?」

オカマ「難しいお話は終わったでしょ?だから私からこれ、さ・し・い・れ♪」

勇者「」ゾクッ

姫「あらそれは…」

オカマ「私お気に入りのワインとジュースよ♪」

姫「まあ、あの農園の?嬉しい!」

オカマ「さ、姫様と勇者様が出会った事を祝してみんなで乾杯しましょう?」

勇者「変なもの入れてませんよね?」

賢者「勇者様!いくらなんでも失礼ですよ」

勇者「だ、だって…」

オカマ「そんなに入れて欲しいなら私の唾液入りワイン、飲む?」

勇者「失礼な事言ってしまい本当に申し訳ありません」

姫「ふふ…勇者様とオカマさんは仲がいいんですね?」

勇者「え」

オカマ「うふふ、出会った事に運命を感じちゃったもの♪ねー、勇者様?」

勇者「アッハイ」

賢者「…それは赤ワインですか?白ワインですか」ムスッ

オカマ「あらやだ、嫉妬しちゃった?大丈夫よ、勇者様とらないから♪」

賢者「そ、そんな事ないです。ではそちらのジュースは…」

オカマ「赤ワインの原料で作ったぶどうジュース♪姫様のお気に入りなの♪」

姫「私はあまりお酒が得意ではないので…」

勇者「まだ日は高いですしお酒はやめておきましょうか」

賢者「そうですね、皆様が働いている中お酒を飲むのは…」

オカマ「うふふ、じゃあジュースで乾杯しましょ?執事ちゃん?」

執事「はい。グラスは準備出来ております」

オカマ「あら、準備がいいわね?」

執事「ボトルが見えましたので…ではオカマ様、ボトルを…」

オカマ「よろしく♪…あ゛」

オカマが胸に抱えたボトルを執事が受け取ろうとした瞬間、今までバランスが取れていた数本のボトルにいきなり隙間が生まれ、中央にあったボトルがゆっくりと床に落ちていった。

賢者「あっ!」

オカマ「あらやだ!ごめんなさい!!」

執事「…!…お、お騒がせして大変申し訳ありません!」

勇者「……」

姫「ど、どうしました…?」

オカマ「ごめんなさい!私の持ち方が悪かったみたいで一本落としちゃったわ…」

執事「申し訳ありません。私の取り方が悪く…」

姫「二人とも怪我はない?…そう、ならよかったですわ…」

賢者「では私の魔法を使って掃除じすね」

執事「い、いけません!お客様にそのような事はさせられません!すぐ片付けますので!」

賢者「いえ、すぐ終わらせますので…執事さんは皆様のグラスにジュースを注いでください」

オカマ「ご、ごめんね賢者ちゃん…」

賢者「気にしないでください」

執事は賢者に深く頭を下げ、皆に向かってもう一度頭を下げる。それに対して賢者はにこりと笑って魔法の詠唱に入り、姫は気にしないでと笑みを浮かべながら落ち込んでいるオカマに声をかけ隣に座らせる。執事はそんな皆の様子を見てホッと一息をついてからグラスにジュースを注ぎ始めた。

今日の更新は以上です。遅くなってしまい大変申し訳ありません。

真面目な勇者だと書きにくい…(´・ω・`)

国の政治、という重い話が終わった反動か勇者や賢者は姫やオカマとの談笑を非常に楽しんでいた。

特に賢者に至っては国にトップである姫に憤っていた事に対する満足できる回答を得たのだ、まるで肩の荷が下りたような気分で談笑に勤しんでいた。

ちらりと賢者は勇者を伺う。そこにはオカマにちょっかいをかけられながらも姫様と楽しそうに話をしている勇者の姿があった。それを確認して賢者は誰にも気付かれないようにホッと一息つく。

姫様が偽物かも知れない、その話を聞いた時は驚いたものだ。もしそれが本当ならばこの国は滅ぼされると。

しかし勇者やオカマの様子を見る限りそれは無さそうだ、と判断する。

勇者様とオカマさんは何か特別な手段を用いて連絡を常に取り合っているそうだがその二人に態度の変化がないという事はそういう事だろう。

グラスを傾けて中に入っているジュースを一口飲む。甘みは強いもののぶどう特有の酸味がそれをくどくしないよう適度な爽やかさを与えている。

美味しい。

ついつい頬が緩んでしまう。あまり甘味に縁がないせいかそれを強く感じてしまう。

それにぶどうジュースとはいえ見た目はワインそのもの。グラスに注がれると雰囲気が出る。師匠の話に聞いたグラスの中でジュースを回してみる。ワインと違って香り立つわけではないがこれはこれで楽しい。下品だと思いつつもやってしまう。

まるで自分が貴族や姫様になったような気分に浸っていると違和感を感じグラスから目を離し周りの様子を伺う。

その違和感の原因を探る必要などない。談笑していたのに今や誰も話をせず賢者を見ているのだ。

「ふふふ…」

「あらあら、可愛いわねぇ♪」

「…はぁはぁ」

ーーー見られた!

グラスの中を回すのをやめて両手でグラスを掴み胸元までに引き寄せる。真っ赤になった顔を俯かせる。

恥ずかしいという言葉が頭の中を駆け回っている賢者を微笑ましそうに眺めるオカマは窓の外に視線を移す。

高かった日も今では地平線にかかろうとしていた。そろそろお暇した方がいい時間だと判断して席を立つ。

「そろそろお暇するわね?」

にこりと姫に笑いかけ、勇者と賢者に視線を向ける。勇者は頷き立ち上がると今だ恥ずかしがっている賢者の頭に手を置き優しく頭を撫でながら声をかける。賢者は上目遣いで勇者を見つめ一つ頷くと立ち上がり勇者と一緒に頭を下げ、出口に向かおうとする背中に声がかけられる。

「あの、勇者様?」

「なんでしょうか?」

「あの…少しだけ…お時間を頂けないでしょうか…?」

勇者は暫し考え、オカマや賢者に目を配る。

「私はこの後用事があるから気にしなくていいわよ♪賢者ちゃんは?」

「私も大丈夫です。先に宿に戻っていますね勇者様」

「……との事ですので大丈夫ですよ」

「ありがとうございます」

二人の様子を眺めていた賢者は何かを思い出したように執事の元へ向かい耳元で何かを告げれば頷き、姫の元へ向かって耳打ちをする。

勇者とオカマは不思議そうな顔をするも姫は頷くと執事は一礼し賢者を連れて部屋から出て行った。

オカマ「どうしたのかしら、賢者ちゃん」

勇者「何かあったのかな?」

姫「え、えっと…賢者様は…その…お花を摘みに…」

オカマ「あらあら」

勇者「…結構飲んでたからなぁ…ジュース…」

オカマ「じゃあそろそろ行くわね?くれぐれも手を出しちゃダメよ♪」

姫「////」

勇者「分かってますよ…まったく」

オカマ「ふふ、冗談よ♪またね、姫様に勇者様♪」

地の文多すぎてすいません。更新は以上です。

「黙れ」

「それが飼い主に対する口の利き方?」

「もう一度言う。黙れ」

怒気を孕んだ言葉に姫はやれやれと肩を竦めて勇者と西の盾を交互に見る。

「……そう、完璧にバレちゃったんだ…」

溜息を吐きながら背中や頭にささった矢を乱暴に抜き無造作に捨てながら立ち上がる。矢尻には本来着くであろう血は付いていない。

「ふぅ…まさか馬鹿だと思ってた勇者にバレるなんてなんてなぁ…」

苛立ちをぶつけるように地面を蹴りながら勇者を睨みつける。それを勇者は涼しい顔で受け流しながら剣を引き抜き構える。

「…糞がぁぁぁぁぁぁ!!てめぇのせいで任務失敗しちまったじゃねぇぇぇぇぇかぁぁぁぁぁぁ!!」

ーーーそれは、咆哮であった。

あまりの大きさに西の盾が連れていた騎士の何人かは吹き飛び、城の窓は全て砕けた。しかしそんな咆哮も西の盾と勇者は平然と耐えきる。

「あ゛ー…ったく…糞糞糞糞糞糞糞糞…魔王様になんていやいーんだよ…なあ、勇者様?」

勇者は答えない。西の盾に目配せをしてジリジリと間合いを詰めていく。

「おいおい、返事くらいしてくれよ。さみしーじゃね」

「下品な言葉でこれ以上姫様を穢すな」

姫が言い終るのを待たず、瞬時に間合いを詰めた西の盾が盾を用いて頭から叩き潰す。その威力たるや中庭全体が震え幾筋ものヒビが入るほどであった。が

「これ以上ぉ?姫様をぉ?穢すなぁ?」

声が聞こえたのは己の背後。間髪入れず槍で後ろを薙ぎはらうも手応えはない。声の主は槍の穂先に立ち顔を歪ませたまま見下していた。

「ギャハハ!いままで偽物だと気付かなかった馬鹿にゃ言われたくねぇなぁ?」

ぐにゃり、とも、どろりとも取れるような音を立てながら姫の体は溶けて真紅の雫が穂先から垂れて地面に落ちる。ぐにゃぐにゃと形を変えながら『ソレ』は現れた。

勇者と西の盾は息を飲む。そのあまりにも異様な姿に圧倒されて。

『マア、イイヤ。勇者ノ首ヲ持ッテ帰レバ魔王様モ許シテクレルダロ』

まるで金属と金属が無理やり擦れた時のような思わず耳を塞ぎたくなるような嫌な声色で呟く。

ーー一カチャカチャと西の盾の背後から音がなる。それは背後に控えていた騎士達の鎧からであった。あまりにも悍ましい姿に自然と体が震えてしまっているのだ。

『ン?ドウダ、魔王様ニ造ッテモラッタ体ハ?アンナ女ヨリイイダロ?』

震える騎士を目ざとく見つけたソレは両手と翼を広げて宝物を自慢するような声色で己の身体を自慢する。

一言でソレを表すならば羽の生えた人間。が、人と決定的に違う部分がある。それ『皮膚』である。体を覆う皮膚全てが苦悶や絶望を浮かべた老若男女問わない人間の顔なのである。しかもその全てが何処かで見たような人の顔をしているのだ。

「化け物が…」

思わず勇者が吐いた言葉にソレは気分良さげに笑う。

『化ケ物ッテ失礼ダナ勇者?俺ニハドッペルゲンガーッテイウ立派ナ名前ガ…マアイイヤ。殺ス相手ニ言ッテモ仕方ネーシ。ンジャ、死ンデ?』

面倒くさそうに頭を掻くドッペルゲンガーに勇者と西の盾は同時に踏み込み斬りかかった。

地の文を書くのは慣れてないので読みにくかったら本当にすいません。
今日の更新は以上です。

ーーーそれは数十分前まで遡る。

手洗いまで案内するために先導する執事に黙って付いていく賢者は思案する。それは先ほど勇者のとった行動だ。

さり気なく、私の頭を撫でた。

普通ならば仲の良い男女がするであろう行為にそこまで気にする事はないだろう。賢者もよく勇者の頭を撫でた事があるのだから。
だが、あの勇者が撫でたのだ。

賢者は今までの道中を思い出す。いろいろな事が起きて勇者といろいろあった。思い出すにつれてにやけそうになったが首を振って引き締める。

出会った日から今日まで、勇者は賢者の了承無しに身体には触れた事がない。そこに少しだけ寂しさを感じてしまうが今はどうでもいいとまた首を振って思案する。

勇者は賢者の許可無しに身体に触れない、姫様と会う前に話した内容を
合わせて考える。そこから導かれるのはーーー

(撫でたのは合図…ということは姫様は偽物…?でも何故姫様と執事さんを引き離す?戦闘になるから?)

更に深く考えようとすると前を歩いている執事が歩みを止める。
賢者もそれに合わせて思案するのをやめ慌てて足を止める。

「こちらがお手洗いになります」

執事が振り返り告げる。いつの間にか手洗いに着いてしまったようだ。

「では、私はこれで失礼します」

「あっ!え、えっと…」

賢者に深く頭を下げ元来た道に戻ろうとする執事。それを見た賢者は慌てる。

不味い。引き離す事に成功したがこのまま戻られては意味がない。まだ勇者様逹から何らかの合図がないのだから。

「如何しました?」

そんな賢者の心中を知ってか知らずか執事は賢者に声をかける。

「あ、あの!大変申し訳ありませんがお手洗いが済んだら玄関まで案内していただけないでしょうか?ここからではちょっとわからないので…」

ーーーやった!
賢者は良い言い訳が出来たと心の中で万歳する。
事実、玉座の間から応接室、姫の部屋と移動してきたので今自分がいるところから玄関までの道がわからないのだ。これでまた暫く時間を稼げると賢者は考えた。しかし、執事は即答する。

「申し訳ありません。それは出来かねます」

「え?」

「では姫様の元に戻りますので」

「で、でも玄関を教えてもらわないと城内を彷徨ってしまいます…」

「そうですか。では姫様の元に戻りますので」

にべもなく断られた。しかし賢者は怪訝そうな表情を浮かべて思案する。

例え勇者様の旅の連れとは言え勝手に城内をうろつかれるのはちょっと…いや、かなり不味いはず。最悪使用人を呼べば済む問題なのに執事さんは姫様の元に戻ろうとする。何故そんなに急いで姫様の元に戻ろうとするのか。

そして賢者は思い至る。
勇者様が姫様から執事さんを引き離す、その理由を。

賢者は目の前で表情一つ変えず見つめている執事から飛びずさり右手に持っていた杖を突きつける。

「貴女を姫様の元に行かせません!」

杖に魔力を集めいつでも攻撃魔法を放てるように目の前の執事に集中する。

「…これはどういう事でしょうか?」

杖を突きつけているに関わらず執事は平然とした態度に賢者は自分の考えが正しかったと判断する。

「今から貴女を捕縛させていただきます」

そう、なぜ勇者が姫と執事を引き離すよう指示を出したのか。それは執事という魔物の手によって姫が操られている、もしくは何らかの魔法を使って生み出した傀儡で姫に成り代わっているからだ。
つまりはこの執事に扮した魔物を姫から引き離し魔法で捕縛するの真の狙い。

「…そうですか」

未だ執事の表情から焦りや怒りなどは読み取れない。無表情でただ淡々と私を見つめ言葉を紡いでいるだけだ。
私の?に冷や汗が一筋流れる。
この魔物は間違いなく魔法が使える。そして今や私に…いや、勇者様に正体を見破られているのだ、いつ『自爆』の魔法を使われてもおかしくはない。そんな張り詰めた空気の中、執事はーーー自然な動きで胸元に手を入れた!

「させません!」

賢者が即座に攻撃魔法を放とうとした瞬間、目にも留まらぬ速さで何かが執事と私の間に割り込んだ。
突如起こった出来事に賢者は集中力が切れてしまい攻撃魔法が不発に終わった。


「なっ、新手!?」

割り込んで来た者に賢者は慌てて注視する。そして驚愕する。何故ならそれはこの国に来てから何度も見た後ろ姿だったからだ。

「あ、貴女は…!」

「賢者ちゃん!早く『捕縛』の魔法を!」

よく見ればその人物は必死に執事の腕と顎を抑えている。賢者は慌てて平常心を取り戻し杖に魔力を集め詠唱を始めた。
それと同時に杖の先からまるで光る蛇のようなモノが現れ執事の身体を即座に縛りつけた。しかしそれでも現れた人物は執事の顎から手を離さない。

「猿轡は!?」

「じょ、上級捕縛の魔法なので捕縛してる間は身体の自由はききません!」

「…そう…」

「あ、あの…メイドさん?」

安堵の息をついて直立不動の執事からゆっくり手を離すメイド。賢者と執事の間に入ってきたのは西の盾の付き人、メイドであった。

「…なに…?」

「あ、ありがとうございました…もしメイドさんがいなければ間に合わなかったかもしれません…」

杖を下ろした賢者はメイドに深く頭を下げる。それにたいしてメイドは微笑み、気にしないでと声をかける。

「捕縛出来てよかったです…もし自爆の魔法や何らかのマジックアイテムを使った攻撃が行われていたらと思うと…」

「…そうだね…一先ず安心…」

メイドは賢者の言葉を頷きながら執事を抱えゆっくりと丁寧に執事を床に寝かせる。その行動を若干不思議に思いながら賢者は言葉を続ける。

「この魔物の狙いは…国家転覆でしょうか?それとも勇者様暗殺?」

その言葉にメイドは振り返り賢者を不思議そうに見つめる。

「…魔物…?」

「…えっと、その執事に扮した魔物が姫様の傀儡を作ったか、姫様を操ってたんですよね?」

その言葉を聞いてふるふるとメイドが首を振る。え、と僅かに声を上げる賢者にメイドは執事の頬を優しく撫でながら告げる。





「…この御方が…姫様だよ…」

賢者「この執事は魔物ですね!」ドヤァ

以上で今日の更新は終わります。

『オ…オ前ハ…』

「…来て…くれたか…グッ!」

勇者は自分とドッペルゲンガーの間に割り込んできた相手を見て笑いかけるも、両膝を付く。

「勇者様!しっかり!」

呆然としていた賢者だが崩れ落ちる勇者を背中から抱きしめ支える。

「久しぶり、賢者さん。大丈夫かい?」

「わ、私は大丈夫です!ですが、勇者様が…勇者様が!」

「ふむ…ちょっと危なそうだね。あと少しで僧侶が来るはずだからそれまで持ちこたえられるかい?」

賢者が体を震えるさせながら頷くと、その男は優しげな笑みを浮かべドッペルゲンガーと初めて向き合う。

「何事かと思って急いで来て正解だった。まさか王城でお前のような魔物が暴れているなんてね…」

『ナ、ナンデオ前ガココニイル!男勇者ァ!』

ジリジリと後ろに下がるドッペルゲンガーにブンッと剣についた血液を振り払う。

「…雨雲一つない時に落雷があったら普通怪しむだろ?しかもそれが王城なら尚更だ。…さて、無駄な話をしたな」

『グッ…!!』

「覚悟しろよ魔物」

賢者「(…姫様に成り代わっていた魔物との戦闘から2日。男勇者さんの協力により私達はなんとか勝利する事が出来た。…いや、あれは…)」

賢者「(ううん…今はそんな事より…)」

勇者「……」

賢者「勇者様…」

コンコン

賢者「はい」

男勇者「お邪魔するよ」ガチャ

僧侶「失礼しまーす…」ソロー

賢者「男勇者さんに僧侶さん…」

男勇者「…彼の様子はどうだい?」

賢者「……」フルフル

男勇者「そうか…僧侶や賢者さんの回復魔法で身体のダメージはもう無いはずなんだが…」

賢者「……」

僧侶「……」ツンツン

男勇者「…何してるんだい、僧侶」

僧侶「本当は起きてるんじゃないかなーって…」ツンツンフニフニ

男勇者「そんなわけ」

勇者「う、う~ん…」

全員『!?』

賢者「ゆ、勇者様!?」

男勇者「ま、まさか本当に!?」

僧侶「ね?ほら、勇者様ねっ!?」

勇者「……」

男勇者「でも目を覚まさないな…たまたま?」

僧侶「また狸寝入りしてるんですよきっと」ツンツン

賢者「!。これを見てください!」

男・僧「?」

勇者「……」ムク…ムクムク

男・僧「!?」

勇者「……」ボッキィィィィン!!

男勇者「ゆ、勇者の…」

賢者「勇者様が…」

僧侶「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!キモいキモいキモいです勇者様!ありえないくらいテントになってるぅぅぅぅぅ!!」

賢者「勇者様!聞こえますか勇者様!?」ユサユサ

勇者「う、うーん…賢者…」

賢者「はい、賢者ですよ!目を開けてください!!」

勇者「…賢者ぁ…」ゴソゴソ…しこしこしこしこしこしこ!!

男・賢「」

僧侶「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!な、なんか毛布が上下に激しく動いてます!絶対起きてますよこいつ!!」

男「い、いや…勇者の顔を見るんだ!」

僧侶「はい!?」

勇者「……」しこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこ

賢者「なんて…なんて安らかな…」

男勇者「ああ…先ほどまでの表情とは違う…まるで絵画で見た聖人のようだ…」

僧侶「キモい…本当にキモい…」

賢者「僧侶さん?」

僧侶「ひっ」ビクッ

勇者「ウッ!…ん…んんっ…ん…?」

賢者「勇者様!目が覚めたのですね!」

男勇者「勇者!」

僧侶「…勇者さん、おはようございます」

勇者「けん…じゃ…?ここ…は?」しこしこ

賢者「はい…賢者…ですよ、勇者様…っ」ギュッ

勇者「おふぅ…おっぱい柔らかい…」しこしこしこしこ

男勇者「目が覚めたようだね、勇者。ここは医務室だよ」

勇者「男勇者…」

僧侶「ふふん。今回は私達が賢者さん達を助けました!借りは返しましたよ!」

勇者「僧侶ちゃん…」しこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこ

僧侶「ゆ、勇者様!!やっぱり無理です!なんか全身が小刻みに揺れてます!」(男勇者の背に隠れ)

賢者「……」

男勇者「…ま、まあ、何はともあれ生きていて良かったよ」

勇者「いやマジで死ぬかと思ったよぉ。西の盾さんが居なかったら殺されてねぇ」しこしこくちゅくちゅ

賢者「身体は大丈夫ですか…?」

勇者「うん、もう大丈夫だよぉ。…それで、あいつは?」しこしこ

男勇者「…みんなで協力して倒したよ」

勇者「…ん?」しこしこしこしこ

僧侶「うぅ…なんでみんな普通でいられるんですかぁ…毛布にシミが…シミがぁ…」

勇者「ッ」ゾクゾクッ…しこしこしこしこしこしこ!!

賢者「勇者様?」

勇者「はひっ!そ、そっか倒したんだ良かったぁ」しこしこ

賢者「……」

僧侶「……」ブルッ

男勇者「……」

勇者「?どうしたの、みんなぁ?」

男勇者「…勇者、実は…」

??「その件については私から話そう」

勇者「あ、オカマ…いや、西の盾さん?」

男・僧「オカマ?」

西の盾「ゴホン。…メイド」

メイド「…はい、ご主人様…」

勇者「あ、メイドさん」しこしこ

メイド「…やっほー…」手フリフリ

西の盾「人払いを頼む」

メイド「…了解…」

勇者「…んぁ」くちゅ

今日は以上です。

西の盾「…ふむ。人払いも済んだようだな。まずは勇者、回復おめでとう」

勇者「ありがとうございますぅ」しこしこ

西の盾「さて、目覚めて早々だが君に話しておく事がある。…そこの3人は既に知っている事だ」

男勇者「……」

僧侶「勇者様…」ギュッ

賢者「……」ギュウ

勇者「…あの化け物の事ですか?」

西の盾「いや、違う。…男勇者君から何か聞いてないか?」

勇者「あの化け物に勝った、とは」

男勇者「…勇者にはまだ話していません」

西の盾「そうか…。では順を追って話そう。私達はあの化け物に勝利したが倒してはいない」

勇者「…え?」

男勇者「君が気絶したあと、私と西の盾殿とで協力し化け物と戦っていた」

僧侶「わ、私も微力ながら勇者様のお手伝いしました!」

男勇者「ああ、すまない。僧侶にも協力してもらってが正しいね」

僧侶「むふー!」

勇者「(可愛い)」しこしこしこしこ

賢者「こ、こほん。私は勇者様の手当てを…回復魔法ではありませんが…していました。あと、皆様に補助魔法を」

勇者「そうなんだ…ありがとう、賢者」

賢者「お気になさらずに。……ふふ」

勇者「(可愛い)」しこしこしこしこしこしこ

西の盾「ゴホン!…まあ、皆で協力して奴にトドメをさせるまで追い詰めた。そこまではいい。だが…」

勇者「…?」くちゅ…しこしこ

男勇者「…奴は、魔王によって殺された」

賢・僧「」ビクッ

勇者「…魔王?魔王が現れたって事ですか?」

西の盾「腕だけだが」

勇者「…信じられませんね。というか、腕だけで魔王だと判断出来たんですか?」

男勇者「…すまない、恐らく魔王だ。奴の背後に…なんというか空中から突如闇が生まれて…うまく説明出来なくてすまない。とにかく現れたんだ、腕が」

男勇者「そしてその腕は奴の頭を掴むといとも容易く握りつぶした。その時、奴は直前に叫んだんだ。『魔王様』ってね」

勇者「…それだけで魔王と判断するのは…」

西の盾「確かに、それだけで判断するのは愚かだろう。しかし勇者よ、この二人を見てどう思う?」

賢・僧「……」ガタガタ

勇者「なんだか…ゾクゾクしてキュンキュンします////」しこしこしこしこしこしこ!

西の盾「……」

男勇者「……」

勇者「…腕を見ただけでこの二人が怯えるくらいの相手、だと?」

西の盾「正直に言えば、私も恐怖で動けなかった」

男勇者「お恥ずかしい話ですが、私もです」

勇者「……」

西の盾「西の盾である私を恐怖で動けなくさせる相手なんて魔王以外いないと思いたい…」

男勇者「…戦いたくない、そう思ったのはあの時が初めてだったよ」

勇者「……」

西の盾「そのあと、魔王の腕は奴を滅ぼしたあと姿を消した。油断させて、とか報復に来るかと今現在最高レベルで警戒している。…が今の所何もない」

勇者「…なるほど。現状はだいたいわかりました。…それで?」

賢者「…勇者様?」

勇者「それだけなら男勇者に教えて貰えばいいですよね。何か他にあるのでは?」

男勇者「……」ギリッ

僧侶「…?勇者様…?」

西の盾「…以上の内容を踏まえて国を、姫様を救ってもらった私は勇者殿に進言する」

西の盾「ーーー勇者をやめろ」

今日は以上です

勇者「…は、はぁ…」しこしこ

西の盾「これは男勇者と話し合った結果だ」

男勇者「…すまない、勇者」

勇者「いや、辞めろって言われてもぉ…」しこしこ

西の盾「君では魔王を倒す前に殺されるだろう。…正直、君は弱い。それは君自身が一番よくわかっている事だと思う。だから…」

賢者「……」ギュウッ…ブツブツ

勇者「賢者、やめるんだ」

賢者「で、ですが…いくらなんでも…」

僧侶「…?」

男勇者「…今、賢者さんは僕達に向かって魔法を発動しようとしたんだよ」

僧侶「なっ!?い、いくら賢者さんでも勇者様を傷つけるのは許しません!」バッ

男勇者「僧侶…」

賢者「……」

僧侶「ひぅっ…!そ、そんなに睨んでも、だ、駄目ですから…ね!わ、わたわたしがゆ、ゆゆゆ勇者様をお守り…します!」ガタガタ

勇者「賢者?」

賢者「…じゃあ、勇者を傷つけるのはいいの?」

西・男「……」

僧侶「なっ!?私達は勇者さんを傷つけたりしません!仲間じゃないですか!」

勇者「はぅ////」キュンッしこしこ

賢者「勇者様に勇者を辞めろなどという暴言で勇者様を傷つけたでしょ?」

僧侶「そ、それは…!勇者さんの事を考え「考えた…?勇者様の事を何も知らない貴女が何を考えたの!?言ってみなさい!!」」

僧侶「ひっ」

賢者「勇者様に勇者を辞めろ?ふざけないで。勇者様がどんな気持ちで、どんな思いで!!」

勇者「(…賢者…君はやっぱり…)」

勇者「そこまでだ、賢者」

賢者「で、ですが勇者様…!私は…私は!」

勇者「賢者の気持ちは嬉しい。嬉しすぎてあと5回は抜けるよ。でもね、それと同じくらいみんなの気持ちも嬉しいんだ」しっこしっこ

賢者「勇者様…?」

勇者「西の盾さんに男勇者…僕の身を案じての進言なのでしょ?」

西の盾「…姫様を救い、国を魔王の脅威から命をかけて守ってくれた英雄をみすみす死なせたくない」

男勇者「…僕と僧侶を一度ならず二度まで救ってくれた君を魔王に殺されたくないんだ」

賢者「……」

勇者「賢者、決して…んぁ…皆は僕が弱いから勇者失格、なんて言いたいんじゃないんだよ?おふぅ」くちゅ…クンクン

賢者「っ…皆さん、取り乱して失礼な態度をとってしまい申し訳ありません…」

西の盾「なに、気にしてないさ。むしろ救ってもらったというのに失礼な発言をした私達が悪い。すまないな、勇者に賢者」

男勇者「賢者さんが謝る事はないよ。むしろ謝るのはこちらの方だ。本当にすまない」

賢者「皆さん…」

僧侶「勇者様の言う通りです!私だって勇者様に勇者をやめろなんて言ってくる人がいたら怒ります!」

賢者「僧侶さん…。…その、怒鳴ってごめんなさい」

僧侶「い、いえ…。でもこ、怖すぎて…その…少しだけ…」ボソッ

勇者「マジで!?じゃあやっぱりこのアンモニア臭は僧侶ちゃんの!?」しこしこしこしこしこしこ!

僧侶「えっ!?ま、まさか…えっ!?」

勇者「西の盾さんとか男勇者だったらどうしようかと思ったけど!!僕の鼻に間違いはなかったよぉぉぉぉ!!」すーはーすーはー!しこしこしこしこしこしこしこしこ!!

僧侶「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!や、やめ!!…って」チラッ

男勇者「……あー…いや、その…全然匂いはしないけど…」

僧侶「うっ」

勇者「うっ?」しこしこしこしこ

僧侶「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」ダダダッ

男勇者「僧侶!?ちょ、待っ!」

西の盾「…後は任せて行きたまえ」

勇者「ちょ」

男勇者「ッ!すみません!」ダッ

勇者「いや、僕が言うのもアレだけど追いかけるのはどうかと思うよぉ…」しこしこ

賢者「……」ギリッ

西の盾「…失礼を承知でもう一度聞くぞ。勇者を辞める気はないか?」

勇者「え、この空気でまたそれを聞きます?」

西の盾「君から返答を貰っていないからな。…辞めても我が国が手厚く迎え入れるぞ?生きづらいというなら、死んだことにする事も可能だが」

賢者「…勇者様…」

勇者「僕は勇者を辞めませんよ」

西の盾「…死にに行くようなものだぞ?賢者と二人で静かに暮らすのも良いと思うのだが」

勇者「…魔王を倒し終わったらそうします」

賢者「…////」

西の盾「…そうか、愚問だったな」

勇者「まったくですぅ」しこしこ

西の盾「はっはっはっ!よし、ならばこの話は終わりだ。いろいろすまなかったな」

勇者「お気になさらずにぃ」しこしこ

西の盾「では私は失礼させてもらおう。やる事が山積みでな」

勇者「わかりました。ではまたぁ」しこしこ

賢者「頑張ってください」

西の盾「ではな。……っと、すまない一つ伝え忘れていた」

勇者「はひ?」くちゅくちゅ

西の盾「今回の件で王は勇者両名に感謝の意を示す式典を明後日に行うそうだ。それまでに体調を万全にしておいてくれ」

勇者「…わかりましたぁ」しこしこ

勇者「うぅ…式典かぁ…」しこしこ

賢者「……」ギュッ

勇者「あの王様苦手なんだけどなぁ…仕方ないよね…」しこしこ

賢者「……」ギュゥ

勇者「…あの、賢者?」

賢者「…勇者様は立派な勇者です。誰がなんと言おうと」ギュゥゥゥ

勇者「…ありがとう、賢者」ナデナデ

賢者「んっ…////…ところで、勇者様」

勇者「なぁに?」しこしこ

賢者「これって何か知ってます?」

勇者「えっと…たしか尿瓶だっけ?まだ大丈夫だけど…?」

賢者「そうです、尿瓶です。丁度良さそうだとは思いませんか?」ニコッ

勇者「…はい?」ゾクッ

賢者「勇者様のお尻に♪」

勇者「はぁ!?え、ちょ、賢者!?け、賢者さん!?」

賢者「いっぱいしこしこしましたよね?いっぱいすーはーすーはーしましたよね?」

勇者「したけど!したけどちょっ待っ!っ!?か、身体に力が入らない!?え、これって上級捕縛魔法!?マジで!?」

賢者「大丈夫ですよ、勇者様…ちゃんと解してから挿入れてあげますから…」

勇者「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!虚ろな目で四つん這いに賢者が迫ってくる!ぶっちゃけ興奮するシチュエーションなのに恐怖しか感じない!だって片手に尿瓶持ってるし!!」

賢者「しこしこだけなら…なのに…すーはーすーはーまで…許せません…」ブツブツ

勇者「お、男勇者ぁぁぁぁぁ!西の盾さぁぁぁぁぁん!!だ、誰か助け」

ズプゥ!

\ ンォ゛!?…オ゛、オオゥ…//// /

今日は以上です

西の盾「…ふぅ」

メイド「…ご主人様、話終わった…?」

西の盾「ああ。…やはり辞めないようだ」

メイド「…やっぱり…」

西の盾「嬉しそうだな?」

メイド「…男勇者様より…勇者様派♪」

西の盾「ふっ…そうか。お前も大概だな…それよりもメイド、また頼む」

メイド「…了解…」スッ…シュババ

西の盾「…どうだ?」

メイド「…ばっちぐー…」b

オカマ「そっ♪じゃあ、早速着替えてこなくちゃね♪」

メイド「…おー…!」

コンコン

オカマ「姫様起きてるー?オカマよー」

メイド「…メイドもいる…」

オカマ「あら、ごめんなさい♪」

姫「…オカマさんにメイドさん…?入って下さい」

ガチャ

オカマ「こんにちは姫様♪遊びに来ちゃった♪」

メイド「…いえーい…」

姫「……」

オカマ「体調はどう?あ、カーテン開けるわよー♪」シャッ

姫「…体調は大丈夫です」

オカマ「そお?ならよかった♪」

メイド「…姫様…おやつにカップケーキ…焼いてきた…」

オカマ「あら、いい匂いしてたと思ったらケーキ?良いわねー♪」

メイド「…お茶…入れてくる…」

オカマ「じゃあ私は用意してるわねー」

姫「オカマ…さん」

オカマ「ん?なーにー?」カチャカチャ

姫「…オカマさんは少年君なの…?」

オカマ「…なーに言ってるのよ姫様♪私は王様付きのオ・カ・マ♪」

姫「…なんで、嘘つくの…?」

オカマ「う、嘘なんてついてないわよー♪それに、私が西の盾さんみたいに戦えるわけないじゃない♪」

姫「メイドさんから聞いたよ…?」

オカマ「…あ、あはは。メイドちゃんもつまらない冗談をーーー」

姫「……」ポロッ

オカマ「!?ひ、姫様!?ど、どうしたの?まだ頭痛いの!?」アタフタ

姫「嘘…つかないでよぉ…少年…君…!お願いだからぁ…」ポロポロ

オカマ「う、嘘じゃ…」

姫「私…ひっく…操られてた時の記憶…あるんだよ…?」ポロポロ

オカマ「ッ!」

姫「…操られる前から…うっ…そうじゃないかな…って…っ」ポロポロ

オカマ「……」

姫「しょ、少年君…なんだよね?ずっと…ずっと支えて…私が操られてるって気付いて…くれたのも…」

オカマ「……」

ーーーーーーーー

姫『あなただあれ?』

少年『は、初めまして!ぼ、ぼぼぼくはしょしょ、少年っていぃいます!』

姫『しょしょ…しょーねん?へんななまえ!』

少年『あ!ち、ちがっ』

西の盾『ははは、緊張しすぎだ』

王『はっはっはっ、面白い子ではないか西の盾よ』

王妃『あらあらうふふ』

少年『うっ////』

姫『?』

西の盾『姫様、将来こいつが貴女を、国を守る盾になりますよ』

姫『そうなんだ!』

少年『よ、よろしくお願いします!』

姫『うん!』

~~~~~~~~

姫『うぅ…痛いよぉ…』

少年『私の注意を無視して走るからですよー』

姫『むぅ。守ってよー!』

少年『はい、どんな危険からも姫様を守って見せますよ!』

姫『ほんと?なら約束して!』小指出し

少年『はいっ』小指出し

姫『ゆーびきーりげんまん♪』

少年『うーそついたらハリセンボンのーます♪』

姫・少年『ゆびきった♪』

姫『えへへ』

少年『では、姫様を守る為に私の注意をちゃんと聞いてくださいね?』

姫『えー!』

~~~~~~~~

姫『ひっぐ…えっぐ…』

少年『姫様…』

姫『お母様…お母様ぁ…』

少年『……』

姫『ひっく…ひっく…』

少年『もう泣かないで…王妃様が安心して天国に行けないよ?』

姫『だって…だってお母様がぁ…』

少年『……』ギュッ

姫『ううっ…』ギュッ

~~~~~~~~

盗賊1『オラァ!!』ザシュッ

騎士『グガッ!』プシャァァァ

姫『キャァ!!…血、血…?これ全部?い、いっぱい、いっぱいで、出て…!』

盗賊3『今ので最後か?ったく、手間かけさせやがって…おい、お目当の奴は居たか?』

盗賊6『ああ、馬車の陰に隠れてやがった』

盗賊12『へへへ、まだガキだが上玉だな…』ニタニタ

盗賊6『他国の好事家がきっと高く買ってくれるぜ』

盗賊9『ハァハァ…な、なぁ…ちょっと味見していいか?』

盗賊20『うわ、まじかよお前…駄目だ。処女じゃねーと高く売れないからな』

盗賊13『じゃあ尻ならいいんじゃね?俺も最近ヤッてねーから溜まってるし』

盗賊20『…まあ、尻ならまだいいか?手荒に扱うなよ』

盗賊9『き、決まりだな…ハァハァ』ニタァ

姫『ひっ!』ビクッ

盗賊9『逃げんなよ…!』

姫『い、嫌!!来ないで、来ないでぇぇぇぇぇぇぇ!!』ガタガタ

盗賊達『……』ニタニタ

姫『い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

メギャア!!

盗賊1『…は?』

肉塊9『』

少年『……』ユラリ

盗賊20『こ、このガキ!どこから…!』

盗賊8『盾で…人を殴り潰しやがった…!!ま、魔物か!?』

少年『死ね、下衆共』

少年『はぁー…はぁー…!!』

姫『』ガタガタ

肉塊・死体の山

少年『ひ、姫様!ご無事ですか!?』

姫『嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』ガタガタ

少年『!?ひ、姫様…?』

姫『来ないで、来ないでぇぇぇぇぇぇぇ!!』ブンブン

少年『お、落ち着いてください!私です、少年です!!』

姫『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!……』フッ…ドサッ

少年『ひ、姫様!?姫様ぁぁぁぁぁ!!』

~~~~~~~~

ガチャッ

医者『……』

王『…姫の様子は?』

医者『…だいぶ落ち着きましたが…その…男性と血を見ると錯乱してしまうようです…ですので、国王様は…』

王『そう…か…』

少年『……』

~~~~~~~~

王『この者に、西の盾の名を授ける』

西の盾(少年)『ありがたき幸せ。西の盾の名に恥じぬ働きを必ずや』

貴族・騎士(拍手喝采)

西の盾『……』

~~~~~~~~

西の盾『……』

メイド『…ご主人様…』

西の盾『…メイド』

メイド『はい』

西の盾『どんな事があっても、私についてきてくれるか?』

メイド『もちろんです。命尽きるまで…いえ、尽きた後もついていきます』

~~~~~~~~

メイド「…姫様…姫様に紹介したい人がいる…」

姫『…誰…?』

オカマ『わ・た・し♪』

メイド『』ビクッ

姫『…貴女は?』

オカマ・メイド『!』

オカマ『…私はオカマ♪よろしくね♪』

~~~~~~

オカマ『そうしたらその王様ったら酷いのよー!』

姫『ふふふ、お父様ったら』クスクス

メイド『…ご主人様…そろそろ…』

オカマ「あら、もうそんな時間?姫様とお話してるとすぐ時間が過ぎちゃうわねぇ♪」

姫『私もです、オカマさん』ニコッ

オカマ「ならよかった♪じゃあ、また明日ね姫様♪」

姫『はい、ではまた明日』

バタンッ

オカマ『……』

メイド『…姫様…だいぶ明るくなった…』

オカマ「そうだな。…だが、まだ部屋からは…」

『お前見た?あの西の盾様の女装姿』

『ああ、見た見た。あれは流石にないよな…』

『なー。まさかあんな趣味があるなんてなぁ…正直ドン引きだわ』

『先代の西の盾様達は本当にかっこよかったのになぁ』

『まだ城内だけしかしてないみたいだからいいけどさ、もし城下町であんな格好でうろつかれたら…』

『西の盾の名前に泥塗りまくりだな。本当、なんであんな人が襲名したんだか…』

『ちょ、言い過ぎじゃね?』

『事実だろ?』

『違いない』

『『ぎゃははは!!』』

オカマ『……』

メイド『……』ギリッ

オカマ『…行くぞ』

メイド『…はい…』

~~~~~~~~

『気持ち悪い』

『なんであんなのが』

『辞めさせるべきだ』

『恥晒し』

西の盾『……』

~~~~~~~~

西の盾『なに!?姫様が!?』

メイド『…は、はい…!』

西の盾『すぐ準備していくぞ!』

オカマ「姫様!部屋から出たって聞いたけど!?」

姫『ええ、やはりずっと引きこもっているわけにもいきませんし』

オカマ『そ、そう。…でもよかったわ、外に出られて♪』

姫『……ええ。本当によかった』

オカマ『(…?)』

オカマ『じゃあ、今度一緒にスイーツ食べに行きましょ♪美味しい店知ってるのよ♪』

姫『……ええ、是非』

オカマ『(……)』

~~~~~~~~

西の盾『メイド』

メイド『…はい…』

西の盾『今まで以上に姫様の身辺に気をつけろ』

メイド『…かしこまりました…』

西の盾『それと、誰にも気付かれないように姫様とその周りの人物を調査せよ。…出来るな?』

メイド『お任せください』

ーーーーーーーー

今日は以上です

オカマ「…姫…様…」

姫「ひっく…えっく…」

オカマ「…お許し下さい、姫様。貴女を騙していた事を…」

姫「…少年…君だよね…?…ね?」

オカマ「はい、そうです」

姫「少年君…っ」

オカマ「…では、失礼します。この償いは必ず…」スッ

姫「やだ!」バッ!ギュッ

オカマ「姫様!?わ、私は男…ですよ?」アタフタ

姫「行かないで…お願い、そばにいて…」ギュッ

オカマ「し、しかし…姫様は男が…」

姫「…まだちょっと怖いけど…大丈夫だから…少年君なら…」

オカマ「…姫様…」

姫「怖かった…怖かったよぉ…お父様や、城のみんなが気付いてくれないんじゃないかって…」

オカマ「…お許し下さい、姫様。二度も貴女を守れなかった事を…」

姫「でも、少年君は気付いてくれた…私…私…!」

オカマ「いいえ、私は気付けませんでした」

姫「…え?」

オカマ「気付いたのは勇者殿です。私は…」

メイド「しかし、ご主人様が違和感を覚え勇者様に調査を依頼しなければ勇者様も気付けなかったでしょう」

オカマ「め、メイド…」

姫「…やっぱり、少年君が守ってくれたんだね」

オカマ「守ってなど!わ、私がもっと姫様をしっかり守っていればこのような事には!あ、あの時だって!」

姫「うぅん。少年君は私を守ってくれた。あの時だって、今回だって…私が弱かったから少年君やお父様、みんなに迷惑をかけたんだよ」

オカマ「わ、私は…」

姫「いつも守ってくれてありがとう、少年君」

オカマ「ーーーッ!!」ポロッ

姫「…約束、覚えててくれたんだね」ジワッ

オカマ「…ふぐっ…ふっ!」ポロポロ

姫「私を…これからもずっと、ずっと守ってくれる?」ギュッ

オカマ「も、も…もちろん…でござ…います…!」ギュッ

メイド「…ご主人様…」ポロポロ

~2日後~

男勇者「…で、一体どうしたんだい勇者?」

勇者「な、何がぁ?」内股しこしこ

僧侶「うわぁ…よちよち歩きはきm…ヤバイです…」

賢者「さあ、皆さん!そろそろ玉座の間に着きますよ!」ツヤツヤテカテカ

男勇者「…なんとなくわかったような気がする…」

勇者「うぅ…牛乳は…杖はぁ…」ヨチヨチしこしこ

僧侶「牛乳…?ああ、骨を丈夫にする為にいっぱい飲まされたんですね!」

男勇者「…多分違うと思う…というか杖…ってあれか…?」チラッ

僧侶「?」

賢者「~♪」

男勇者「……」ゴクリ

~玉座の間~

国王「待っていたぞ、勇者達よ」

全員『ハッ』

国王「まずは礼を言わせてくれ。この国を、姫を守ってくれた事を」

勇者「…まともになってるね…」ヒソヒソ

賢者「さすがに貴族様達もいる式典ですからね、前のようにはならないでしょう」ヒソヒソ

国王「…では、そなた達に褒美を授けよう。何か望みはあるか?」

男勇者「私と僧侶に褒美は必要ありません」

僧侶「です」コクコク

国王「…なに?」

勇者「私と賢者もです」

賢者「はい」

貴族達『ザワザワ』

国王「…むぅ。理由を聞こう」

男勇者「私は勇者です。勇者が魔物を狩るのは当然ですから」

僧侶「ですです!」コクコク

勇者「魔物を倒したのは男勇者で姫を救ったのは賢者です。私は何もしておりません」

賢者「メイドさんがいなければ姫様を救えませんでした。褒美を与えてくださるのならばメイドさんに」

国王「…むう…。しかしだ、国と姫を救ってくれたのは事実。そなたらの言い分はわかる。が、褒美を与えぬ事はあってはならんのだ」

男勇者「…では、西の盾殿の稽古を望みます」

国王「ほう?」

男勇者「あの方の守りは素晴らしいもの。ぜひ一度手ほどきを受けたいのです。…大切なものを、守る為に」チラッ

僧侶「…////」

国王「わかった。西の盾に伝えておこう」

男勇者「ありがとうございます」頭下げ

僧侶「じゃあ、私は勇者様の鎧を!」

国王「うむ、最高の物を用意しよう」

男勇者「…僧侶?」ヒソヒソ

僧侶「…勇者様の鎧…私を庇ったりして傷だらけですから。私からのプレゼントです」ヒソヒソ

男勇者「…ありがとう」ヒソヒソ

僧侶「えへへ…」ヒソヒソ

賢者「私は…魔物に襲われた村の復興を。出来れば少しで構いませんので見舞金を支給してください」

勇者「(賢者…)」

国王「ふむ…わかった。手配しよう」

賢者「ありがとうございます!」

勇者「では、私h」

国王「よい、勇者よ。実のところ希望を聞いたがそなたの褒美は決めていてな。おい」

大臣「ハッ!」スッ

勇者「…?」

大臣「こほん。『西の国王の名を持って西の国内にて行われるこの者、勇者の自慰行為及びその他変態行為全てを永久的に許可をする』!!」

貴族達『おぉ…!!』

勇者「」

賢者「」

男勇者「」

僧侶「」

国王「さあ勇者よ。遠慮なくするがよい!」

勇者「え」

賢者「ゆ、勇者様…」

男勇者「…勇者…」

僧侶「自業自得です」フンス

国王「どうした勇者よ?さあしこしこするがよい。思う存分するのだ!」

勇者「え、えっと…」

国王「……」ニコッ

勇者「」イラッ

賢者「…やるしかないですよ、勇者様」

勇者「え、えぇ…」

国王「オ・ナ・ニー!」

大臣「オ・ナ・ニー!」

貴族達『オ・ナ・ニー!』

国王「オ!」

大臣「ナ!」

貴族達『ニー!』

国王・大臣・貴族達『オ・ナ・ニー!オ・ナ・ニー!』

勇者「う、うぅ…////」

勇者「ひどい目にあったよぉ…」しこしこ

賢者「大喝采でしたね…」

男勇者「さすがは勇者だね。僕なら萎えていたと思うよ」

僧侶「勇者様!?」

勇者「…で、男勇者はこれからどうする…んっ…の?」くちゅ…くちゅくちゅ

男勇者「ん…僕達は西の盾さんに稽古をつけてもらってからドワーフの里に行くつもりだよ。ちょっと気になる噂を聞いたし」

勇者「気になる噂ぁ?」しこしこ

男勇者「なんでも、魔王を倒せる兵器が近々完成するとか」

勇者「…へぇ…うっ!」ビク!

僧侶「ひっ!」ビク

男勇者「勇者達は?」

勇者「ん、エルフの里に行くつもり。ちょっと気になる話を聞いたし」ふぅ…

僧侶「えぇ…エルフの里に行くんですか?」

賢者「そうですが…なにか問題でも?」

僧侶「ひぅ!な、なんにも問題ないです、はい!」

男勇者「そうか…じゃあ次に会うときは魔王との戦いの時か」

勇者「…お互いに、生きてたらな」

男勇者「ははは、確かにな。それじゃ旅の無事を女神様に祈ってるよ」

勇者「ああ、僕も祈ってる」

男勇者・勇者「ふっ」握手

男勇者「それじゃあ」

勇者「ああ、またな」

賢者「それでは。男勇者さんに僧侶さん」

僧侶「一応、私も祈ってますからね!賢者さんに勇者さん!」

~東の門~

勇者「しかし、王様が旅の準備まで用意してくれるなんてありがたいねぇ。鎧も剣もくれたし」しこしこ

賢者「ですね。お金もいただけましたし」

勇者「良い王様なのになぁ…」しこしこ

賢者「…はい」

西の盾「まあ、あまり気にするな」

メイド「…気にしないで…」

勇者「うおっ!?」

賢者「に、西の盾さんにメイドさん!?」

西の盾「どうした?」

勇者「い、いきなり現れないでくださいよ…」くちゅ

賢者「…」コクコク

西の盾「ふむ…すまないな、とっくに気付いていると思っていた。っとこんな事を言いに来たんじゃない」

勇者「見送りですか?わざわざありがとうございますぅ」しこしこ

西の盾「それもあるが、言い忘れていた事がある」

メイド「……」コク

賢者・勇者「…?」

西の盾「この国を、姫様を救ってくれてありがとう。勇者殿に賢者殿」深々と頭を下げ

メイド「ありがとうございます」深々と頭を下げて

勇者「…気にしないでください。式典の時も言いましたが僕は何もしていませんから。国を救えたのも、姫様を救えたのも西の盾さん、貴方のおかげです」

賢者「勇者様、メイドさんもですよ」

勇者「あ、そうだった」

西の盾「…感謝する。この先、もし私の力が必要な時は頼ってくれ。必ず力になろう」

メイド「…おたすけメイド…即座に参上…」

勇者「はい!ではその時はよろしくお願いしますね!」しこしこ!

西の盾「ああ、任せてくれ」

勇者「では行ってきますぅ…んほぉ」くちゅしこ

西の盾「必ず生きて帰れ。また一緒に風呂でも入ろう」

勇者「いや、それは本当に勘弁してください」

メイド「…賢者ちゃん…また遊ぼうね…」

賢者「あ、遊ぶのは…」

メイド「…えっちなメイド服…用意しておく…」ヒソ

賢者「…っ////!?…よ、よろしくお願いします…////」ヒソ

メイド「……」b

勇者「賢者ー?早く早くー」

賢者「あ、はい!待ってください勇者様!」

西の盾「振り返らず、前だけ見て行ったか…ふっ」

メイド「…あの二人なら…きっと大丈夫…」

西の盾「そうだな。さて、男勇者君をしごいてやるか…大切なものを守れるように」

メイド「…ご主人様みたいに…?」

西の盾「…そう、だな」

僧侶「魔王を倒す兵器が完成してるといーですね!」

男勇者「…それが本当に魔王を倒す兵器ならいいんだけどね」

僧侶「へ?」

男勇者「…簡単に手に入った情報だからね、魔王が知らないわけがないと思うんだ」

僧侶「…罠、とかですか?」

男勇者「かもしれないし、もしかしたら相手が魔王じゃない兵器かもしれない」

僧侶「え、ええ!?」

男勇者「まあ、まだ確証がないからなんとも言えないけど」

僧侶「うぅ~…危ない匂いがするです」

男勇者「…大丈夫だよ、僕が守るから」

僧侶「ゆ、勇者様…////」

男勇者「さ、訓練場に行こうか」

僧侶「はい!勇者様♪」

勇者「地図によるとこっちだねぇ」しこしこ

賢者「はい、勇者様!」

勇者「…なんだか嬉しそうだね?」

賢者「そ、そんな事ないですよ」

勇者「二人きりの旅が出来るからとか?」

賢者「…はい////」

勇者「…本当に、本当にその返事は嬉しいんだけどぉ…」しこしこ

賢者「す、すいません浮かれ過ぎました…」

勇者「…『エルフの里の様子がおかしい』…か」

賢者「…店主さんの情報網と影響力は凄いですね。まさかエルフの里と取引している商人の方から話を聞けるなんて」

勇者「うん。もしかしたら魔王の手が…」

賢者「…急ぎましょう勇者様」

勇者「慌てちゃだめだよぉ。エルフの里はかなり大きい森の中にあるみたいだし…」しこしこ

賢者「す、すいません…」

勇者「謝らなくていーよぉ。…んほ、じゃあ頑張って行こうか」くちゅくちゅ

賢者「はい、勇者様!」


~西の国編~おわり~

今日の更新は以上です。
更新が止まったりして色々本当に申し訳ありませんでした。
とりあえず西の国編終了です。

…あと3分の2…あまり長くならないように気をつけます

勇者「……」ジー しこしこ

賢者「んぅ…」

勇者「よく寝てるな…」手を伸ばし

賢者「……」スヤスヤ

勇者「…顔、洗ってこよ」しこしこしこ トテトテ

賢者「……」

賢者「…撫でてくれても、いいのに…」ボソッ

勇者「……」パシャパシャ

勇者「ふー…よしっ。スッキリした」顔を拭き

ガサゴソ

勇者「」ピクッ

賢者「勇者様、おはようございます。朝食の準備が出来ましたよ」

勇者「…うん、おはよ。わかった、すぐ行くから賢者も顔を洗うといいよー」

賢者「じゃあ、そうさせていただきますね」

勇者「うん、美味しい!」モグモグ

賢者「ありがとうございます」モグモグ

勇者「…それにしても」

賢者「?」モグモグ

勇者「エルフの里まで遠いねぇ」モグモグ

賢者「…もう4日になりますか。西の国を発ってから」

勇者「うん。でもこの地図が無ければもっと掛かるどころかたどり着けなかったかも…」モグモグ ペラッ

賢者「こら、勇者様。行儀悪いですよ?ちゃんとご馳走様してからにしてください」

勇者「ご、ごめん////」キュンッ

賢者「ふふ…」ニコッ

勇者・賢者「ご馳走様でした」手を合わせ

勇者「さて、と。なんとか今日中に着きたいねぇ」しこしこ

賢者「えっと、魔物等に遭遇しなければあと半日程度で着くんでしたっけ?」

勇者「うん、直線距離的には大したことなんだけどぉ…いかんせん道がややこしいし、ちょっと魔物の量が多いからね…」しこしこ ペラッ

勇者「ま、ここでグダグダ言ってても仕方ないし出発しよっか」しこしこ

賢者「はい!あ、勇者様ほっぺに…」フキフキ

勇者「あ、ありがとう…////」

賢者「(可愛い)」

勇者「…ふぅ…」チンッ

賢者「はぁ…はぁ…」

魔物の群れ『』

勇者「まさか三連続で魔物の群れに急襲されるとは…大丈夫?賢者」

賢者「す、すいません…少し、休憩を…っく…!」

勇者「そうだね、僕もちょっと疲れたし休憩しy…って無理みたい」チラッ

賢者「…え?ま、まさか…また魔物…ですか?」

勇者「…いや…この感じは…賢者、一応ここからすぐ離脱できる準備を…」ヒソヒソ

賢者「わかりました…」ヒソヒソ

勇者「あー…そこに隠れてるエルフの皆さん。私達は怪しい者じゃありません!」両手上げ

ザワ…ザワ…

賢者「ゆ、勇者様?え、エルフ…って…?」ヒソヒソ

??『…我らに気付くとは…貴様、中々やるようだな。では問おう。我らエルフが統治するこの森に何の用だ?特殊な技法を用いてる為、ここまで普通の人間が入り込むのは不可能なはずだ』

勇者「エルフの里と取引をしている商人の方に地図を書いていただきました!エルフの里が最近おかしいと聞いて様子を見に来たのです!」

??『あの者がか…。なるほど、それならばここまで来ることも可能だろう。だが、様子を見に来る?部外者である貴様らがか?』

勇者「…申し遅れました。私は南の国の選ばれし三人の勇者の一人、勇者と申します!こちらは私の旅の連れである賢者です!」

賢者「…ッ」杖ギュッ

??『…なに?』

ザワザワ!

??『…貴様があの選ばれし勇者様達だと?』

勇者「はい、そうです!」

??『戯言を…良かろう。この目で直接確認してやる!』シュンッ

ーーートクンーーー

勇者「(一瞬で目の前に!?てか顔ちかっ!)ッ!」

ーーートクンーーートクンーーー

賢者「ゆ、勇者様!!」

ーーートクントクントクントクンッ!ーーー

??「…ぁ…ぁ…」プルプル

勇者「あ、あの…?」

タイチョウ!?タイチョウ!アイツイッタイナニヲ!

勇者「ち、ちが!私は何も!」アタフタ

賢者「ゆ、勇者様!ここは一旦逃げた方が!」

隊長「……」ヘナヘナ…ペタン

勇者「し、しかし…」

隊長「ッ!ゆ、勇者様!!!」

勇者「はい!?」ビクッ

隊長「わ、我を…いえ、私を貴方様のオナペット…いや、肉便器にしてください!!!」

勇者「はぁ!?」

賢者「…オナペット?肉便器?」

隊長「こ、この度は勇者様に失礼な態度を取ってしまい大変申し訳ありません!!」頭下げ

男エルフ達『すいませんっした!!』頭下げ

勇者「い、いえ。お気になさらずに…」

隊長「こ、この失態はわ、わわわ私の…はぁはぁ…身体で…////」ズイッ

勇者「ち、近いです…近いですよ…」ヒキッ

賢者「……」イライラ

隊長「この身体はもう勇者様のもの…お好きにお使いください…////な、舐めたり揉んだりしゃぶったり挟んだり…////」ムギュゥ…スリスリ

勇者「おふぅ」ピクッ

賢者「」ブチッ

隊長「わぁ…勇者様の…しゅんごい…////」サスサス

勇者「さ、触っちゃらめぇ…////」ピクピク

賢者「貴女は一体『私の』勇者様に何をしているんですか?」ギュッ…しこしこ

勇者「ふぁ!?」ビクッ

隊長「…私の…?ハッ、小娘が何を言っているんだか…」サスサス

賢者「初対面の貴女に言われたくないですね。私はすでに勇者様と何度も何度もな・ん・ど・も一緒に夜を過ごしているのですよ?」しこしこ

勇者「ら、らめ…二人同時は流石にらめぇ…」ビクビクッ

隊長「…それが?その程度で勇者様を傲慢にも自分の所有物だと思っているなら片腹いt」

賢者「ちゅーしました」しこしこ

隊長「…」ピクッ

賢者「勇者様のお尻もたっぷり愛しました」しこしこしこしこ

隊長「……」ピクピクッ

賢者「勇者様の逞しい勇者様を…////」しこしこしこしこしこしこ

勇者「らめぇ!!で、出る!でちゃうぅぅぅんぁぁぁ!!」

隊長「…勇者様、ちょっとあちらの茂みに行きましょうか。私の初めてを差し上げます」ニッコリ ガシッ

勇者「え!?」

賢者「行かせるとでも?」ガシッ

勇者「ちょ!?」

隊長「離せペチャパイ。勇者様に我の処女を貰っていただくのだ」

賢者「ペチャ…っ!?こ、これでも同年代では大きいんですが!」

隊長「…大きい…プッ(笑)」

勇者「離してー!離してー!!」

賢者「…まあ、確かに?歳を無駄に重ねればデカくなるかもしれませんね?しかしそろそろ肌の劣化やその無駄にでかい脂肪が垂れてくるんじゃないんですか?」

隊長「としっ!?わ、我はまだぴちぴちの二十歳だ!」

賢者「…二十歳…プッ(笑)」

勇者「いやぁぁぁぁ誰か助け、助けてそこのエルフさん達!!え、ちょ、なんで全員そっぽ向くの!?」

隊長「…あ゛?やんのか巨乳(笑)」ゴゴゴ…

賢者「…それはこちらのセリフですよ二十歳(笑)」ゴゴゴ…

勇者「こえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

隊長「……」正座

賢者「……」正座

勇者「…反省した?」

賢者・隊長「ごめんなさい(です)…」

勇者「じゃあ仲直りの握手しなさい」

賢者「…ちょっと頭に血が上りすぎました。すいません」握手

隊長「…我もだ。すまぬ…」握手

勇者「良し。二人ともいい子だよ」

賢者・隊長「////」

勇者「それじゃ…えっと…隊長さん?」

エルフ「エルフと申します、勇者様!」

勇者「じゃあ、エルフs」

エルフ「エルフと!エルフとお呼びください勇者様!!あと私は貴方の性奴隷!!敬語などおやめください!!!」

賢者「…」ピクッ

勇者「そ、そう…じゃあ敬語は止めるけど性奴隷は認めないからね?」

エルフ「なっ!?」ガーン

賢者「…ふっ」

エルフ「ぐぬぬ…!」

勇者「…賢者、勝ち誇った顔はやめなさい…。えと、僕達がエルフの里に来たのは、商人さんが様子がおかしいって言ってたからなんだけど…」

エルフ「その件については、その…」

勇者「…何か訳ありみたいだね」

エルフ「勇者様にお伝え出来ず申し訳ありません。おばば…こほん、族長の判断なしでは…」

勇者「…じゃあ、僕達がエルフの里に行くのは?」

エルフ「そ、それならば大丈夫です!むしろ大歓迎です!」耳ピコピコ

勇者「(可愛い)」

賢者「…」イラッ

エルフ「では私が先導しますので付いてきてください!…皆のもの、周囲の警戒を厳とせよ!」

男エルフ達『応ッ!!』

勇者「じゃあ賢者いこうk…ってけ、賢者////!?」

賢者「申し訳ございません勇者様…どうやら先ほどの戦闘での疲れが今になって…。腕を貸していただいてもよろしいですか?」上目遣いギュッ

勇者「な、なら仕方ないね////」

賢者「ありがとうございます、勇者様」ギュッ♪

エルフ「…ッ」ギリッ!

男エルフ達『(早く帰りたい…)』

賢者「しかし…なぜエルフの皆さんはその、勇者様の…ぉ…おち…////こほん、アレを見ても変な目で見ないんでしょうか…」

勇者「んー…賢者はエルフ族の事は何処まで知ってる?」

賢者「えっと…魔法を操る事に秀でて、身体能力も優れている種族だと…」

勇者「そ。その通りだよ。だけどあと一つ大事な事をみんな知らないんだ。…いや、秘密にしてるから知る由がないんだけどね」

賢者「秘密…?」

勇者「エルフ族は女神様の血を引いてるんだ」

賢者「…え?…は?え?」

勇者「女神様が人間との間にもうけた子がエルフ族の始祖らしいよ?」

賢者「…本当ですか?」

勇者「うん」

エルフ「(なぁに勇者様の腕をとってイチャイチャしてんだ無乳がッ!!私だって案内さえなければ勇者様と手をつないでぇぇぇぇぇぇ!!)」ゴゴゴ

賢者「…あれが、女神様の血を…」

勇者「ま、まあ…色んなエルフがいるから…」ハハハ

勇者「まあ、そんなわけでエルフ族の中には女神様の言葉を直接聞ける者がいるらしいから、それで僕達勇者の事を知ってるからじゃないかな?」

賢者「なるほど。わかりました。しかし、何故あのエルフ…さんは勇者様に好意を抱いてるのでしょう?確かに勇者様は素敵ですが初対面なんですよね?」

勇者「そ、それは僕にもわからないよ。…す、素敵って…////」

賢者「どうしたんですか?勇者様」ギュッ♪

エルフ「…」ギリギリ!

男エルフ達『(隊長ブチ切れそうだからそれ以上煽らないで…)』

エルフ「着きましたよ勇者様!偉いですか?私偉いですか!?」ズイッズイズイ

勇者「え、偉い偉い」

エルフ「な、撫でてくれても…////」

賢者「わー、偉いですねーよしよしー」ナデナデ

エルフ「…貴様ぁ…!!」ギリ

賢者「どうしたんですか?」ニコニコ

男エルフ達「あ、じゃあうちらは巡回行ってきますんで!あとは勇者様よろしくっす!じゃ!」

勇者「ちょ、行かないで!!僕一人にしないでぇぇ!!」

エルフ「…こほん。では勇者様、こちらへ」

勇者「えっと、一応聞くけどどこいくの?」

エルフ「?。族長の元へ案内しようと…族長も会いたがっていますし」

勇者「そ、そう。ならいいけど…」

エルフ「…?…!」ピコーン

エルフ「も、もももしかして私の家だと思いましたか////?」ハァハァ

勇者「そ、そんなことないよ////」

エルフ「もー////な、なら族長とのお話が終わった後私の家に…そ、そしてしっぽりと…////」クネクネ

賢者「…さっさと案内してください駄乳」

エルフ「…なんだ無乳?醜い嫉妬か?」

賢者「あ゛?」

エルフ「あ゛あ゛?」

勇者「あ、すいませんそこの方。族長の元へ案内して欲しいんですが…」

勇者「…仲良くしないなら二人とも暫く無視するからね?」

エルフ「…ひっく…えっぐ…ご、ごめんなさい…」グスッ

賢者「む、無視しないでください勇者様…」グスッ

勇者「…お願いだから、二人とも仲良く、ね?」ナデナデ

エルフ「ふわー…////」

賢者「…んぅ…////」モジモジ

勇者「それで、ここに族長がいるの?」

エルフ「え?あ、は、はい!どうぞ中へ…」

勇者「うん。じゃあ行こっか賢者」

賢者「はい!」

エルフ「お待ちください、勇者様」

勇者「…?」

エルフ「族長のいる場所は祭祀場でエルフの里でもっとも神聖な場所でございます。そのため、中に入れる者はエルフ族ですら限られており、それ以外の者は許可が必要となっています」

勇者「…つまり?」

エルフ「私と賢者殿は許可を得ておりません。ですので、これより先は申し訳ございませんが勇者様お一人様で…」

勇者「…そうなんだ」

賢者「…では勇者様、私はここでお待ちしております」

勇者「うん。いろいろ話を聞いてくるから待っててね?」

賢者「…はい」

勇者「エルフ、賢者をよろしくね。…それじゃ行ってくる」

エルフ「…かしこまりました、勇者様」片膝つき

今日は以上です

エルフ「はぁ…なんと雄々しいお姿に気高い立ち振る舞い…女神様の仰っていた通りのお方だ…」ハァ…////

賢者「…貴女は女神様の言葉を聞けるのですか?」

エルフ「ん?ああ、聞けるぞ?」ドヤッ

賢者「そうですか…。…あの、もしかして男勇者さんと勘違いしていませんか?」

エルフ「は?我が男勇者様と勇者様を間違えるわけなかろう。それにだ」

賢者「それに?」

エルフ「あんな立派な一物を晒している者など、勇者様意外おるまい!」

賢者「まあ…たしかにそうですね」

エルフ「あぁ…それにしてもなんという自己犠牲の精神…魔王の手から皆を守るためにきっとあのような事をしているに違いない…////」ウットリ

賢者「…貴女は勇者様が何故シているのか知らないのですか?」

エルフ「知らん!だが勇者様の事だ、きっと深いふかーい理由があるに決まっている!」

賢者「そうですか」

エルフ「なんだ、貴様は知っているのか?」

賢者「いえ、知りません」

賢者「(…という事にしておきますか)」

エルフ「はっ!我より長く一緒にいたのに知らないのか?ん?」

賢者「…喧嘩なら買いませんよ?勇者様に無視されたくないので」

エルフ「ぐっ…そ、そうだな。勇者様に無視されたら…泣いちゃうな…」

賢者「…そんなに、勇者様の事が好きなんですか?」

エルフ「好きなんてものではない。私の全てを捧げても良いほどに愛してる」

賢者「はぁ…ーーー薄っぺらい」

エルフ「…なに?」ピクッ

賢者「貴女は女神様が勇者様の事を話していたから勇者様を好きになったのですか?」

エルフ「ち、ちがっ」

賢者「では初めて会った時に一目惚れしたから、ですか?相手の事をよく知りもせず全てを捧げてもいいなどと…本当、軽くて薄っぺらい愛ですね?」

エルフ「き、貴様はどうなのだ!それほど大口を叩くからにh」

賢者「24」

エルフ「に、24…?」

賢者「お尻の穴の皺の数です。誰の、とは言わなくともわかるでしょ?知ってましたか?」

エルフ「な、ななな////!?」

賢者「13」

エルフ「なんの、なんの数字だそれは!?」

賢者「勇者様のほくろの数です。勇者様は10個だと思っているようですが…実際は13個です」

エルフ「……」ポカーン

賢者「勇者様は眠る前にパンツに手を入れて伸びをするのが好きなようです。それと最近は一人でこっそり四つん這いになってお尻を弄る事のが好きなようですよ?他にh」

エルフ「ま、待て!十分だ!それ以上はいいっ////!!」

賢者「…どうですか?これらは女神様から教えてもらっていましたか?」

エルフ「ぐっ」

賢者「上辺だけしか知らないにもかかわらず勇者様の事を愛してるなど…自身の愛がどれほど薄っぺらいか分かりましたか?」

エルフ「…わ、我は…昔から…ぐすっ…ゆ、勇者様の話を聞いて…ずっと…ずっと…」ジワッ

賢者「…何を泣きそうになっているのですか」

エルフ「う、うるさいうるさい!確かに我の愛は薄っぺらいかもしれない!それでも、それでもこの思いは本物だ!本物…ひっく…なんだぁ…!」ポロッ

賢者「…そのようですね。だから泣かないでください」

エルフ「な、泣いてなど…いない…っ」グスッ

賢者「…まったく。ならこれから勇者様の事をいっぱい知って、薄っぺらい愛などと言われないようにすれば良いだけじゃないですか」フキフキ

エルフ「…ふぇ?」

賢者「…私だって最初は貴女と似たようなものでした。いや、寧ろ貴女よりも酷いのかも知れません。ですが、勇者様と一緒に旅をしていろいろ知ったら……////」

賢者「…こほん。話が逸れましたね。つまり、貴女は見る目がありますのでいろいろ教えてあげます」

エルフ「…本当?」

賢者「はい、もちろんです。…正直、貴女が勇者様の事を愛してるなどと言った時は少しムッとしてしまいましたが、それ以上に嬉しかったですから」

エルフ「…なぜ嬉しいのだ?勇者様を我に取られまいと必死ではなかったか」

賢者「その自信はどこから出てくるのですか。…勇者様を理解してくれる方が増えるのは嬉しいですから」

エルフ「ーーーッ」

賢者「勇者様の事を理解している方は少ないです。むしろ、理解出来ず勇者様を白い目で見てしまう方々がほとんどでしょう。勇者様は気にしてないようですが…それでも私は一人でも多く勇者様の事を理解してくれる方を増やしたいのです」

エルフ「賢者先輩!!」

賢者「…はい?というかなんですか、賢者先輩って」

エルフ「我は感動しました!賢者先輩の勇者様への深い愛情に!!それに比べたら我の勇者様への愛情など…確かに一人よがりの薄っぺらなもの!勇者様を愛してるなどとのたまった己が恥ずかしいです!」

賢者「そ、そうですか…」

エルフ「是非、是非とも我に勇者様の事について教えてください!我も賢者先輩のように勇者様の事を理解したいです!!」

賢者「……」ピクッ

賢者「…長くなりますよ?」

エルフ「たとえ三日三晩不眠不休だとしても構いませんッ!」

賢者「よろしい。ではまず勇者の性感帯とその時の可愛らしい反応から…」

エルフ「おぉ!」ドキドキ

更新遅くなってすいません。今日は以上です

勇者「……」

族長「……」

勇者「初めまして、私の名前はーーー」片膝つき

族長「膝をつく必要はありませんよ、勇者様」

勇者「しかし…」

族長「それよりも、証をお見せくだされ」

勇者「証…?」

族長「ええ。貴方が勇者たる証を」

勇者「……」スッ

族長「…おお」サスサス

勇者「…んっ」

族長「これは…なんと…」しこしこ

勇者「んんっ」

族長「ふむふむ…」クニクニ

勇者「あ、あの…」

族長「たしかに、これは選ばれし勇者様の証。それでは用件をお伺いしましょう」しこしこ

勇者「ん、んっ。さ、最近エルフの里の様子がおかしいと聞きまして…」

勇者「(手、離してくれないんだ…)」

族長「…なるほど。流石は勇者様、耳が早いですな」しこしこしこしこ

勇者「うぐっ。え、えっと…」

族長「ここに来るまで、何か感じませんでしたか?」しこしこしこしこしこしこ

勇者「ま、魔物の数が多いな、とは」

族長「その通りです」しこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこ

勇者「つ、つまりは。エルフの、里の様子が…っ…おかしいのと、魔物の数が多いのは、か、かか関係あるとは?」

勇者「(うぅ…お婆さんにしごかれるとか…!しかも、なんか微妙に気持ちいい…っ////!)」

族長「…口で説明するより見た方が良いでしょう。あの子、エルフに伝えれば案内してくれるはずです」

勇者「(あ、やめちゃうんだ…)」

勇者「わ、わかりました。ではエルフさんにお願いしてみます」頭下げ

族長「……」

族長「…隠れる必要はないのでは?」

??「あは、バレちゃってた?」ヒョコ

族長「もちろんわかりますとも。…良い勇者に育ちましたね」

??「う~ん…」

族長「…?。どうかしましたか?」

??「ううん。なんでもなーい。さてさて、じゃあ行ってくるね~♪」ヒラヒラ

賢者「勇者様が二つの剣を振るいながら魔物を斬り伏せていく姿など…////」ホゥ

エルフ「す、凄い…普通なら絶対集中なんて出来ない状況なのに…!!」キラキラ

勇者「…えっと、賢者にエルフ…?」

エルフ「あ、勇者様!おば…族長とのお話は終わりましたか!?」キラキラ

勇者「うっ。お、終わったけど…あ、あの、賢者?なんかエルフの僕を見る目がめちゃくちゃキラキラしてるんだけど…?」

賢者「……」ニッコリ

勇者「えぇ…」

エルフ「あ、あの勇者様!」

勇者「な、なにかな?」

エルフ「おちんちんはしごかれないんでしょうか!?」キラキラ

勇者「え?」

エルフ「エルフの里に来る道中もエルフの里に来てもしごかれていないではないですか!」

勇者「あ、あー…えっと…それは…」

賢者「…申し訳ありません、勇者様」

勇者「賢者…」

賢者「いいですかエルフさん。勇者様がしこしこされていない時は必ず理由があるのです。察して問わないのも大切ですよ?」

エルフ「な、なるほど…!勉強になります!では今しこしこされていらっしゃらないのは…!」

賢者「ええ…エルフの里の異変の真相が分かるまではきっとしこしこしないのでしょう。何故なら、一切の油断なく周囲の警戒をしてるからです」

エルフ「おぉ…おぉ…!////」キュンッ

賢者「…おっけーです、勇者様」b

勇者「何が!?」

エルフ「なるほど…族長が…」

勇者「うん。良ければ案内してくれない?」

エルフ「…わかりました。では、案内させていただきます。私の後から付いてきてください」

勇者「わかった。…賢者賢者」コソッ

賢者「…はい、勇者様」コソッ

勇者「ありえないと思うけど、エルフ達全員が洗脳されてるかもしれないから…」コソ

賢者「…わかりました。すぐ魔法が使えるように準備しておきます」コソ

勇者「うん、お願い」コソ

エルフ「勇者様ー?賢者先輩ー?」

勇者「え?先輩?」

賢者「あ、今行きます」

勇者「け、賢者…?」

エルフ「こちらになります」

勇者「ん…?家?」

賢者「…勇者様」コソッ

勇者「…罠?」コソッ

賢者「…何かの魔法が使われているようですが…私の知らない魔法のようで、特定までは…。申し訳ございません」コソ

勇者「…賢者でも知らない魔法…か…」コソ

賢者「…どうしますか、勇者様。ここは一旦…」コソ

??「あれ、誰っすか?」

勇者・賢者「っ!?」バッ

エルフ「おや、どこかに出かけていたのか?」

??「うっす!!修行がてらご飯採りに行ってたっす!ところで…そこの人達は誰っすか?」

エルフ「…お前…この方々を知らないのか?」ハァ…

??「知らないっす!てかなんすかこの人!ち◯こ丸出しじゃないっすか!変態っす?変態っすか!?」

エルフ「ッ!この馬鹿者!」ドゴォ!

??「オゴォ!?い、いきなり殴らなくても…良いじゃないっ…すかぁ…」ガクッ

エルフ「言うに事欠いて変態などと…!!今日という今日は…!!」

勇者「あ、あのー…エルフ?この人は…?」

エルフ「あ!すいません!ほら、早く挨拶しなさい!」

??「殴っといて酷いっすよエルフさん…。あ、えっと、自分は武闘家っす!よろしくっす!」

勇者「僕は勇者です。こちらは…」

賢者「賢者と申します」

武闘家「…勇者…?…んーと…えーと…」

勇者「?」

武闘家「…!女勇者様を連れ戻しに来たんすか!?させないっすよ!!」構え

勇者「…は?」

賢者「女…勇者…?」

武闘家「かかってくるなら来いっす!片腕だと思って油断してると痛い目見るっすよ!!喰らえぇぇ!!演舞、雷e」

エルフ「…」ドゴォ!

武闘家「お、おふぅ…」ガクッ

エルフ「…失礼いたしました勇者様。ですがこの馬鹿も悪気があったわけではなく…」

武闘家「」ピクピク

勇者「エルフ」

エルフ「は、はい?」

勇者「そこの武闘家さんは…もしかして女勇者さんの…?」

エルフ「…そうです」

勇者「…さっきの武闘家さんの話からすると、もしかして家にいるのは…」

賢者「…!」

エルフ「…はい。勇者様の御明察通り、中にいらっしゃるのは女勇者様です」

今日の更新は以上です。

次の更新あたりで新スレ立てた方がいいですね…

勇者「……」

賢者「なるほど…女勇者さんならば私の知らない魔法を使っていても不思議ではありませんね」

エルフ「聖なるものと使用者が許可したものしか通さない、古式魔法『守護結界』…との事です」

賢者「す、凄い…」スッ

バチッ!!

賢者「痛ッ」

エルフ「…いくら賢者先輩でも中に入るのは不可能でしょう。女神様の血を引く我らエルフでも中に入れる者は族長しかおりません故に」

勇者「……」スッ

バチッ!

エルフ「!?そ、そんな…勇者様さえも…」

賢者「…勇者様…」

勇者「ふむ…」スッ

ピトッ

エルフ「なっ!?勇者様のおちんちんが扉に!?」

賢者「勇者様は弾かれたのにおちんちんは弾かれない…なるほど、聖なるものは通すとはこういう事ですか…」

エルフ「…勇者様のおちんちんは聖なるおちんちん…凄い…!」キラキラ

賢者「さすがは勇者様のおちんちんです…」

勇者「…困ったな」ピトピト

エルフ「いかがなさいましたら勇者様!?」

勇者「うん、硬さには自信があるんだけど…さすがにノックは出来なくてね」ピトピト

賢者「あんなに硬いのに、ですか…困りましたね」

勇者「同じ勇者同士、せめて何が起きたのか聞きたいんだけどな…エルフは何か知ってるの?」

エルフ「…武闘家からある程度は聞いております」

勇者「この里で女勇者と話した人は?」

エルフ「族長が目を覚ました女勇者様と話をされたようですが…」

勇者「…仕方ない。武闘家さんから話を聞こう」

エルフ「え、えっと…良ければ私が説明しm」

武闘家「う~ん…あれ、自分なんで寝てるんす?」

賢者「丁度いいタイミングで起きられましたね」

エルフ「ああ゛ぁぁぁぁぁ…」

勇者「?…おはようございます、武闘家さん」

武闘家「はー…。なるほど!女勇者様に会いに来たんすか!」

勇者「はい。出来たらどうしてエルフの里にいるのか聞きたいんですが」

賢者「…勇者様」

エルフ「……」

武闘家「んー…あんまり人に言うなってエルフさんに言われたんすけど」

エルフ「…この方々なら話しても問題ない。話せ」

武闘家「良いんすか!なら話すっす!旅してたら魔王の手先に襲われて逃げてきたんす!」

賢者「…やっぱり…」

勇者「…それで?」

武闘家「?。だけっすよ?」

勇者「え?」

エルフ「あー…武闘家。勇者様は女勇者様はどうしてるのか、どんな状態か聞いているんだ」

武闘家「引きこもってるっす!」

勇者「…えっと、怪我とかはしてないのかな?」

武闘家「自分が居るんすから怪我なんかしてないっすよー!心配してくれてるんす?ありがとうっす!」

勇者「…女勇者さんと話をしたいんだけど、出来そうかな?」

武闘家「んー…多分無理っすね!自分以外とはあんまり話したくないみたいっす!」ドヤッ

勇者「…エルフ」

エルフ「は、はい」

勇者「女勇者が家から出た事は?」

武闘家「呼び捨てっすか!?」

エルフ「…里に来てから、一度も」

勇者「…はー。なるほど、なるほど」サスサス

武闘家「ち◯こ撫で始めたっす!?自分に欲情しt」ゴスッ

武闘家「」チーン

エルフ「…これが里の様子がおかしい理由になります」

賢者「つまり、空気がピリピリしてるのも、魔物の数が多いのも…」

エルフ「はい。女勇者様を匿っているからです。魔物の数が多いのは女勇者様を狙っての事かと…」

賢者「…どうします、勇者様?」

勇者「んー?」しこしこ

エルフ「お、おぉ…!これがしこしこ…!」ゴクリ

賢者「原因はわかりましたが、私達では…その」

勇者「ほっておく」しこしこ

賢・エ「え?」

勇者「男勇者みたいにまだ心が折れてないのなら未だしも、話を聞く限り折れてるみたいだし…例え折れてなくても折れかかってるのは確実だ。僕達じゃどうしようもないよ。…んぉ…」しこしこしこしこ

エルフ「お、女勇者様を…み、見捨てると!?」

賢者「……」

勇者「ま、そうなるかなぁ。出来るなら助けたいけど…」しこしこ

??「どうやってー?」ニコニコ

勇者「ん…?」

賢者「?」

エルフ「し、師匠!?」

師匠「無理して助けるよりも無視した方がいいよー。ね、勇者?」ニコニコ

勇者「…この方は?」

エルフ「私のお師匠様です!いつお戻りになられたんですか!?」

師匠「結構前から里にいたよー?やっぱりまだまだだねー」ヤレヤレ

エルフ「うっ…」

勇者「…初めまして、勇者と申します。こちらは旅の連れの賢者です」

賢者「…初めまして」

師匠「あはは、やっぱり気付いてないなんだ!勇者ったらー♪」ニコニコ

勇者「…?初めてお会いすると思うんですが…賢者の知り合い?」

賢者「いえ、私も初めてお会いする方です」

師匠「ふふ…じゃーん!これなーんだ♪」

賢者「…兜、ですか?勇者様、何かご存知…!?ゆ、勇者様!?」ガタッ

勇者「 」

エルフ「勇者様!?師匠、勇者に一体なにを!!」ガタッ

師匠「あれー?勇者どうしちゃったの?白目むいて泡吹いてるけど…」

賢者「それだけじゃありません!勇者様のおちんちんが、おちんちんが!!」

エルフ「!?そ、そんな…!あれ程立派だったおちんちんが…!」

師匠「あちゃー…勇者もまだまだだねぇ…」

今日の更新は以上です。続きはこちらで

勇者「ハアハア…」しこしこpart2 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/14562/1455374635/l30)

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